JP2019045472A - 状態監視装置および状態監視方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転機械の異常の原因を判別することができる状態監視装置および状態監視方法を提供する。【解決手段】データ演算部150は、測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を少なくとも1回実行して、変換後波形を生成し、変換後波形の少なくとも3か所のピークを中心とした、少なくとも3つの特徴量算出範囲における変換後波形の部分波形から第1特徴量を算出し、変換後波形の全域から第2特徴量を算出し、第1特徴量と第2特徴量とを用いて、転がり軸受の異常が軸受の損傷によるものか軸受を潤滑する潤滑剤の状態変化によるものかを判別する。【選択図】図1

Description

本発明は転がり軸受の状態監視装置および状態監視方法に関する。
従来、回転機械等の被試験対象物では、各種センサが測定した加速度、速度、変位、音、AE(Acoustic Emission)、電力のような物理量の測定データに基づいて、被試験対象物の状態を監視している。具体的には、測定データによって示される波形の特徴を示す特徴量が算出され、算出された特徴量を用いて被試験対象物の異常の有無が判定される。
異常の有無の判定精度は、特徴量の異常に対する感度に依存する。そのため、様々な特徴量を用いた状態監視方法が開発されている。たとえば、特開平10−274558号公報(特許文献1)には、波形データのスペクトルの時間変化から求めたピークが生じる周波数と、当該ピークが生じる時間間隔との組を用いて異常の有無を判定する異常診断方法が開示されている。特開2004−347401号公報(特許文献2)には、振動センサの出力信号のスペクトル波形によって潤滑剤の劣化を判定する転がり軸受の診断方法が開示されている。特開2006−300895号公報(特許文献3)には、クラスタリングマップの各ニューロンと設備の運転時の信号から抽出した周波数成分に対応するニューロンとの最小距離を用いて設備の異常の有無を判定する設備監視方法が開示されている。
特徴量を使用して異常の有無を判定する際に、機械学習手法は、人が見切れないほどの多くの特徴量でも、それらすべてを総合的に考慮した上で異常を検知する学習済みモデルを作ることができるため、異常診断の分野でも期待されている。
特開平10−274558号公報 特開2004−347401号公報 特開2006−300895号公報
「現場の疑問に答える実践振動法による設備診断」、井上紀明著、日本プラントメンテナンス協会、p.65−71
機械学習手法では異常と正常の見極めは比較的容易だが、その異常原因の推定に関しては、それぞれの原因で固有の特徴を表現する特徴量が特定されていなければ難しい。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、回転機械の異常の原因を判別することができる状態監視装置および状態監視方法を提供することである。
本発明の状態監視方法は、被試験装置に設置されたセンサで測定した物理量によって転がり軸受の状態監視を行なう。状態監視方法は、センサによって測定した測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を少なくとも1回実行して、変換後波形を生成するステップと、変換後波形の少なくとも3か所のピークを中心とした、少なくとも3つの特徴量算出範囲における変換後波形の部分波形から第1特徴量を算出するステップと、第1特徴量を用いて、転がり軸受の異常を検出するステップとを備える。
好ましくは、状態監視方法は、変換後波形の全域から第2特徴量を算出するステップをさらに備え、異常を検出するステップは、第1特徴量と第2特徴量とを用いて、転がり軸受の異常が軸受の損傷によるものか軸受を潤滑する潤滑剤の状態変化によるものかを判別する。
より好ましくは、変換後波形を生成するステップは、変換後波形を、測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を1回実行して生成する。変換後波形は周波数の関数である周波数波形である。
さらに好ましくは、少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ少なくとも3か所のピークを中心に±10%の周波数の範囲である。
より好ましくは、変換後波形を生成するステップは、測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を2回実行して生成し、変換後波形は時間の関数であるケフレンシ波形である。
さらに好ましくは、少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ少なくとも3か所のピークを中心に±10%の時間の範囲である。
より好ましくは、異常を検出するステップは、機械学習によって予め決定された手法によって第1特徴量から第1異常度を算出するとともに第2特徴量から第2異常度を算出し、第1異常度および第2異常度がそれぞれのしきい値を超えるか否かに基づいて異常の判別を行なう。
好ましくは、第1特徴量は、振幅の大きさを表すレベル特徴量と、波形形状を表す形状特徴量とを含み、異常を検出するステップは、レベル特徴量と形状特徴量とを用いて、転がり軸受の異常が軸受の損傷によるものか軸受を潤滑する潤滑剤の状態変化によるものかを判別する。
より好ましくは、変換後波形を生成するステップは、変換後波形を、測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を1回実行して生成し、変換後波形は周波数の関数である周波数波形である。
さらに好ましくは、少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ少なくとも3か所のピークを中心に±10%の周波数の範囲である。
より好ましくは、変換後波形を生成するステップは、測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を2回実行して生成し、変換後波形は時間の関数であるケフレンシ波形である。
さらに好ましくは、少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ少なくとも3か所のピークを中心に±10%の時間の範囲である。
より好ましくは、異常を検出するステップは、機械学習によって予め決定された手法によってレベル特徴量から第1異常度を算出するとともに形状特徴量から第2異常度を算出し、第1異常度および第2異常度がそれぞれのしきい値を超えるか否かに基づいて異常の判別を行なう。
本発明は、他の局面では、上記いずれかに記載の状態監視方法によって転がり軸受の状態監視を行なう状態監視装置である。
本発明によれば、回転機械の異常の原因を転がり軸受の損傷か潤滑剤の状態変化か判別することができる。
本実施の形態に係る状態監視装置の構成を示すブロック図である。 軸受損傷が発生した場合の時間波形である。 軸受損傷が発生した場合の周波数波形である。 軸受においてグリース劣化が発生した場合の時間波形である。 軸受においてグリース劣化が発生した場合の周波数波形である。 実施の形態1の軸受の状態監視の処理のメインルーチンを示したフローチャートである。 データ演算部150に入力される測定波形の一例を示す図である。 ステップS2の処理の内容を説明するための概念図である。 変換後波形に、図6のステップS3で決定された特徴量算出範囲を示した図である。 図6のステップS11における異常判別処理の詳細を示すフローチャートである。 ケフレンシ波形に特徴量算出範囲を重ねて示した図である。 軸受損傷異常が発生した場合に実施の形態1,2で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。 軸受のグリース劣化が発生した場合に実施の形態1,2で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。 実施の形態3の軸受の状態監視の処理のメインルーチンを示したフローチャートである。 図14のステップS41における異常判別処理の詳細を示すフローチャートである。 軸受損傷異常が発生した場合に実施の形態3,4で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。 軸受のグリース劣化が発生した場合に実施の形態3,4で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
[状態監視装置の基本構成]
図1は、本実施の形態に係る状態監視装置の構成を示すブロック図である。図1を参照して、状態監視装置100は、被試験装置10に設置された振動センサ20から信号を受けて、被試験装置10の状態を監視し、異常を検出する。被試験装置10は、例えば工場や発電所などに設置された回転機器を含む設備である。回転機器は転がり軸受12を含む。転がり軸受12は、回転軸19に嵌合された内輪16と、被試験装置10に固定された外輪14と、内輪と外輪との間に配置された複数の転動体18とを含む。
振動センサ20は、回転時に生じる異常振動を検出することができる。なお、本実施の形態では、監視対象として加速度を例示する。
状態監視装置100は、アンプ110と、A/Dコンバータ120と、データ取得部130と、記憶装置140と、データ演算部150と、表示部160とを含む。
回転機械に設置した振動センサ20の電圧波形(以下、振動電圧波形)は、アンプ110の回路においてエンベロープ処理されている。A/Dコンバータ120は、アンプ110の出力信号を受ける。データ取得部130は、A/Dコンバータ120からデジタル信号を受けてドリフト補正処理を行ない、記憶装置140に測定データを記録する。データ演算部150は、記憶装置140から測定しておいた測定データを読み出して、ノイズを除去する。ノイズが除去された測定データは、被試験装置10の異常を判別する特徴量を抽出するために用いられる。データ演算部150は、ノイズが除去された測定データから被試験装置10の異常の有無を判断し、異常がある場合には、異常の種類を判別する。データ演算部150は、異常の有無を判断した場合、表示部160に異常の種類の判別結果を表示させる。
[軸受の異常の種類]
本実施の形態の状態監視方法は、各種センサで物理量を測定した測定波形に対して高速フーリエ変換を少なくとも1回実行し、変換後波形の部分波形から算出した第1特徴量と、変換後波形の全域から算出した第2特徴量とを用いて、異常の原因が軸受損傷によるものか、潤滑剤の状態変化によるものかを判別することが特徴である。
図2は、軸受損傷が発生した場合の時間波形である。図3は、軸受損傷が発生した場合の周波数波形である。軸受損傷の場合は、その諸元と回転速度から計算できる損傷起因の基本周波数ピークとその高調波ピークが表れる。図3に見られるように高調波は整数倍で3倍よりは高い次数まで表れることが多い。
軸受損傷では、外輪、内輪、転動体のいずれかに傷が生じる。たとえば、外輪に傷(溝欠陥)が生じた場合、傷を転動体が通過するときにインパルスノイズが出る。このインパルスノイズは回転速度の関数として周期的に出る。ただし、インパルスノイズは正弦波とは異なるので、高調波がその周期で少なくとも3倍高調波まで現れる。
これに対して軸変形などの振動では正弦波の振動の場合が多く、高調波は表れにくい。また、グリース劣化や回転ブレだと、高調波が立ちにくい。
図4は、軸受においてグリース劣化が発生した場合の時間波形である。図5は、軸受においてグリース劣化が発生した場合の周波数波形である。グリースや油の劣化などの潤滑不良が生じた場合は、軸受損傷の場合のような回転速度に依存し高調波を伴うピークは、図5のようにあまり表れない。
すなわち、グリース劣化の場合は、時間波形および周波数波形ともに振幅が全体的に大きくなることが分かる。これに対し軸受損傷の場合は、周波数波形に高調波を伴うピークがあることが分かる。本実施の形態ではこのような特徴を利用して、軸受の異常の種類を判別する。
[実施の形態1]
図6は、実施の形態1の軸受の状態監視の処理のメインルーチンを示したフローチャートである。図1、図6を参照して、データ演算部150は、ステップS1において、振動センサ20で測定されエンベロープ処理やドリフト補正処理等が行なわれた後の測定波形を記憶装置140から取得し、FFT処理を行なって変換後波形を生成する。変換後波形は、FFT処理を少なくとも1回実行して得られた周波数波形であり、横軸を周波数、縦軸を加速度の振幅とする波形である。実施の形態1ではFFT処理の回数は1回であるがこれには限定されない。後に実施の形態2ではFFT処理を2回実行して変換後波形を生成する例についても説明する。
図7は、データ演算部150に入力される測定波形の一例を示す図である。この波形は、アンギュラ玉軸受が組み込まれた回転機械を連続運転し2時間毎に20秒間の振動加速度を測定した波形(軸受外輪に傷有)の一部である。
この波形を取得した実験条件を以下に示す。
軸受:アンギュラ玉軸受7216(内径80mm、外径140mm、幅26mm)
ラジアル負荷:1.3kN、アキシアル負荷:1.3kN
回転速度:毎分1500回転(毎秒25回転=25Hz)
潤滑方式:グリース
データ長さ:20秒
サンプリング速度:50kHz
外輪損傷起因の周波数:170Hz(周期約0.0059秒)
外輪損傷起因のケフレンシ:0.006秒
再び図6を参照して、データ演算部150は、ステップS2において、調査範囲(fs〜fe)において、複数の予想ピーク周波数に対して、予想ピーク周波数と第2、第3高調波周波数の各ピークの振幅の合計を算出する。
図8は、ステップS2の処理の内容を説明するための概念図である。データ演算部150は、ステップS2において調査範囲において、基本周波数を変化させながら、基本周波数と基本周波数の2倍および3倍の周波数の各ピーク値の合計値を算出する。データ演算部150は、まず調査範囲fs〜feを決定する。
軸受の損傷起因の周波数は、設計諸元(転動体数など)と回転速度から計算式で求まる。以下に、設計諸元が既知の場合と未知の場合とでそれぞれ調査範囲の設定例を示す。
<軸受の設計諸元と回転速度が既知の場合>
下限周波数fsは、回転速度の周波数(25Hz)の3倍(75Hz)を超え、軸受損傷起因の周波数(170Hz)×0.90(特徴量算出範囲±10%を考慮)未満に設定する。したがって、図7の波形の実験条件の例では、fsは、75Hz<fs<153Hzとする。
ここで、fsを回転速度の周波数の3倍を超える周波数としたのは、回転軸やカップリングの異常によるピークは、回転速度の周波数に対し1倍、2倍、3倍の周波数に発生するからである(非特許文献1:現場の疑問に答える実践振動法による設備診断、井上紀明著、日本プラントメンテナンス協会、P.65-71参照)。そのため、この下限周波数fsを回転速度の周波数の3倍以下に設定すると、回転軸やカップリングの異常に起因するピークと軸受損傷起因のピークとを間違えて検出するおそれがあるからである。これに対し、軸受損傷の場合、転動体の数にもよるが、回転速度の周波数の10倍程度の基本周波数を有する波形が観測されるので、fsを回転速度の周波数の3倍を超える周波数としておけば監視としては十分である。
上限周波数feは、軸受損傷起因の周波数(170Hz)の3倍の周波数×1.1(特徴量算出範囲±10%を考慮)を超えるように設定する。したがって、図7の波形の実験条件の例では、feは、fe>561Hzとする。
ただし、上限周波数feを高くし過ぎると、例えばギヤボックスのように回転軸や歯車が多い場合、監視対象の軸受に起因するピークとそれ以外のピークとを間違うおそれがあるので検出感度を考慮して、上限周波数はあまり高くし過ぎないように適宜決定する。
<軸受の設計諸元は未知で回転速度が既知の場合>
下限周波数fsは、回転速度の周波数の3倍を超え5倍以下となるように設定する。したがって、図7の波形の実験条件の例では、fsは、75Hz<fs≦125Hzとする。
下限周波数fsが回転速度の周波数が3倍以下の場合、軸受の設計諸元が既知の場合と同様の理由で好ましくない。一方、軸受の設計上、軸受損傷起因の周波数が回転速度の周波数の5倍以下になる可能性は低いため、下限周波数fsは回転速度の周波数の5倍以下に設定する。
上限周波数feは、回転速度の周波数の60倍を超えるように設定する。したがって、図7の波形の実験条件の例では、feは、fe>1500Hzとする。
軸受損傷起因の周波数は回転速度の周波数の20倍を超えることは設計上少ない。監視のためにその3倍の周波数を包括する必要があると考え、60倍を超えるように上限周波数feを設定する。ただし、上限を高くし過ぎると上記と同様の理由で好ましくない。
調査範囲fs〜feが決定されると、データ演算部150は、ステップS2において、下限周波数fsから上限周波数feに向けて基本周波数f1を変更しながら、基本周波数f1、2倍高調波周波数(2・f1)、3倍高調波周波数(3・f1)における、変換後波形の値の合計を複数回計算する。
つまり、ある周波数f1(予想ピーク周波数:基本波)に対して2倍の周波数(2倍高調波)、3倍の周波数(3倍高調波)の各々の高さ(振幅)の合計ΣAを求める。
続いて、データ演算部150は、ステップS3において、合計値に基づいて特性周波数を特定する。具体的には、データ演算部150は、f1をスイープさせ、上記の合計値ΣAが最大になる点(周波数)を見つける。この周波数を予想ピーク周波数fpとする。その2倍、3倍の周波数を予想高調波ピーク周波数2・fp,3・fpとする。最大となった合計値ΣAは、ΣA=A(fp)+A(2・fp)+A(3・fp)となる。このようにして特定した予想ピーク周波数fpは、軸受の損傷に起因する特性周波数であり、2倍の周波数、3倍の周波数は、特性周波数の高調波である。
このように、合計値ΣAを最大にする予想ピーク周波数fpが求まると、機械学習で学習させる特徴量を算出する範囲(特徴量算出範囲)を設定する。
図9は、変換後波形に、図6のステップS3で決定された特徴量算出範囲を示した図である。図9に示すように、特徴量算出範囲は、予想ピーク周波数fp±10%の第1の周波数帯と、2倍高調波2・fp±10%の第2の周波数帯と、3倍高調波3・fp±10%の第3の周波数帯の3か所である。これらの3か所の周波数帯から特徴量を算出する。
このように、特徴量算出範囲を全範囲ではなく一部の範囲に限定する利点は、軸受が損傷したことを判定しやすくすることである。転がり軸受が損傷すると、必ず3倍以上の高調波が発生することが知られているので、このような特性周波数付近に絞って特徴量を算出し、損傷の判定に使用する。
なお、軸受不良の基本周波数付近のみを観測していると感度が低いので、もっと感度を上げるために3倍高調波までの領域を特徴量算出範囲としたが、4倍、5倍も含めるともっと感度が上がる場合があるので、3倍以上の高調波の近傍も特徴量の算出範囲としても良い。
しかし、あまり高次の高調波を足しこむと、ギヤボックスなどで高速回転にした部分も拾ってしまうので、観測対象と違う振動を見つけてしまう場合があるので対象とする高調波の倍数は適宜調整すると良い。
ステップS4において、データ演算部150は、3か所の周波数帯の各々における実効値、最大値、波高率、尖度、歪度、変動係数を特徴量として算出する。データ演算部150は、さらに、3つのピーク部の最大値合計と、予想ピーク部最大値/3倍高調波ピーク部最大値とを特徴量として算出する。これらの8種類の特徴量を第1特徴量とする。この第1特徴量は、変換後測定波形の一部の範囲に限定した周波数範囲から抽出された特徴量である。つまり、ステップS4において、データ演算部150は、変換後波形の少なくとも3か所のピークを中心とした、少なくとも3つの特徴量算出範囲における変換後波形の部分波形から第1特徴量を算出する。
一方、データ演算部150は、ステップS5において、変換後波形の全域(全周波数帯)から第2特徴量を算出する。第2特徴量は、時間領域、周波数領域、ケフレンシ領域という3領域において、従来から用いられる5つの特徴量(実効値、最大値、波高率、尖度、歪度)であり、3×5=15種類の特徴量が算出される。
このように、ステップS4の処理(部分領域からの第1特徴量の算出)以外にもステップS5の処理(変換後波形の全域からの第2特徴量の算出)を行なうのは、軸受以外の損傷(たとえばグリースの劣化)を検出するために異なる特徴量で異常を監視する必要があるからである。
つまり、種々の異常を監視するために、振動波形を取得しており、その波形を使用して、ころがり軸受異常(≠潤滑不良)の有無を監視するために、本実施の形態の方法を実行する。ただし、潤滑不良等の検出もする必要があるので、全域から特徴量を抽出する監視もやっている。
第1特徴量と第2特徴量が算出された後、ステップS6において、データ演算部150は、現時点が学習期間であるか否かを判断する。学習期間は、たとえば運転開始から1カ月間に定められる。
この学習期間は、軸受に損傷または潤滑油の状態劣化が生じないと仮定された期間である。現時点が学習期間であると判断した場合(S6でYES)、データ演算部150は、この期間に取得された第1特徴量および第2特徴量を公知の1クラスサポートベクタマシンに入力し、機械学習を行なわせる。1クラスサポートベクタマシンは教師無し学習を行ない、ステップS7において異常度Afb、Anの算出方法を決定するための学習を実行するとともに、ステップS8において、異常度Afb,Anの判定しきい値を決定する。なお、「異常度」は、機械学習で作った正常モデルとの距離のようなものを示す概念であり、異常度が大きいほど正常モデルから離れることを示す。
本実施の形態では、第1特徴量および第2特徴量を機械学習手法の学習データに用いることを特徴とする。機械学習手法としては、上記で例示したサポートベクターマシン以外でも、ニューラルネットワーク、ナイーブベイズ、決定木などを用いても良い。
一方、ステップS6において、学習期間が経過したと判断された場合(S6でNO)、データ演算部150は、学習によって生成された異常度Afb、Anの算出方法を用いて、ステップS9において第1特徴量から異常度Afbを算出し、ステップS10において第2特徴量から異常度Anを算出する。そして、ステップS11においてデータ演算部150は、第1特徴量から得られた異常度Afbおよび第2特徴量から得られた異常度Anを用いて、異常種別の判定処理を実行する。この判定処理では、転がり軸受の異常が軸受の損傷によるものか軸受を潤滑する潤滑剤の状態変化によるものかが判別される。
ステップS8またはステップS11の処理が終了すると、データ演算部150は、処理をメインルーチンに戻す。
図10は、図6のステップS11における異常判別処理の詳細を示すフローチャートである。図10を参照して、まずデータ演算部150は、ステップS21において、得られた異常度Afbおよび異常度Anが以下の条件(1)を満たすか判断する。
Afb>Ath1 & An<Ath2 …(1)
ここで、Ath1は、異常度Afbに対するステップS8で予め決定された判定しきい値であり、Ath2は、異常度Anに対するステップS8で予め決定された判定しきい値である。
ステップS21の条件が満たされた場合(S21でYES)、ステップS22において異常種別は軸受損傷異常であると判定される。
ステップS21の条件が満たされなかった場合(S21でNO)、ステップS23においてデータ演算部150は、得られた異常度Afbおよび異常度Anが以下の条件(2)を満たすか判断する。
Afb>Ath1 & An>Ath2 & |Afb|<|An| …(2)
ステップS23の条件が満たされた場合(S23でYES)、ステップS24において異常種別は潤滑状態異常であると判定される。一方、ステップS23の条件が満たされなかった場合(S23でNO)、ステップS25において軸受は正常であると判定される。
ステップS22、S24,S25のいずれかにおいて判定がされたら、ステップS26に処理が進められ、制御は図6のフローチャートに戻る。
以上説明したように、実施の形態1では、異常の有無の判定だけでなく、回転機械の異常の原因が転がり軸受の損傷であるか、潤滑剤の状態変化であるかを判別することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では周波数波形(スペクトラム)を変換後波形として異常度を算出し、異常種別の判定を行なったが、実施の形態2では、変換後波形をケフレンシ波形(ケプストラム)として異常度Acbを算出し、異常種別の判定を行なう。実施の形態2では、調査範囲0.001〜0.030secとする。
実施の形態2では、図6のフローチャートの変換後波形を生成するステップ(S1)は、測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を2回実行して生成する。変換後波形は時間の関数であるケフレンシ波形である。そして、図6の第1特徴量を算出するステップ(S4)で特徴量が算出される少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ少なくとも3か所のピークを中心に±10%の時間の範囲となる。調査期間の決定や異常度の算出等の処理については、実施の形態1と同様であるので、説明は繰り返さない。
図11は、ケフレンシ波形に特徴量算出範囲を重ねて示した図である。
実施の形態2に示した状態監視方法は、ケフレンシ波形を生成する工程と、ケフレンシ波形から少なくとも3倍までの高調波を持つピークとその高調波ピークを特定する工程と、それらそれぞれのピークのケフレンシ(単位:時間)±10%のケフレンシ帯のデータを用いて特徴量を算出する工程とを有することが特徴である。
周波数波形のピークの強弱や形状によっては、軸受損傷起因のピークがケフレンシ波形にも高調波を伴って顕著に表れることがある。
上記ピークのケフレンシ±10%ケフレンシ帯から算出する特徴量としては、実効値、最大値、波高率、尖度、歪度、変動係数が例示できる。
上記ピークの高調波を含む少なくとも3つのケフレンシ帯で算出した特徴量について、相互の関係性から新たな特徴量を算出しても良い。その例として、例えば、3帯域の各特徴量の平均、比、差や和を算出することが挙げられる。
[実施の形態1,2の結果の比較]
図12は、軸受損傷異常が発生した場合に実施の形態1,2で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。異常の原因が軸受損傷であることが後に判明した軸受で測定した測定データにおける、異常度Afb、異常度Acb、異常度Anと運転時間との関係が図12に示されている。
軸受損傷が発生した場合、基本波および高調波周辺に絞った領域から得た特徴量から算出した異常度AcbおよびAfbが先に上昇する。異常度Acbは6カ月経過後あたりから上昇を開始し、異常度Afbは7カ月経過後あたりから上昇を開始する。これらに対して、全域を使った特徴量から算出したAnは14か月経過後くらいまでは変化が見られない。
異常度が図12のような変化を示した場合、しきい値を適切に設定すれば、7か月経過後から14か月経過までの間に図10のステップS21においてYESと判断され、軸受損傷異常が発生したと判定される。
軸受損傷については、異常度Acbの方が異常度Afbよりも若干感度が高い傾向があり、異常度Acbを使用する実施の形態2の方が早期に軸受損傷を発見できるという可能性がある。
図13は、軸受のグリース劣化が発生した場合に実施の形態1,2で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。異常の原因がグリースの潤滑寿命であることが後に判明した軸受で測定した測定データにおける、運転時間と異常度Afb、異常度Acb、異常度Anとの関係が図13に示されている。
グリース劣化による潤滑不良の場合には、全域を使った特徴量から算出したAnが先に上昇を開始し、基本波および高調波周辺に絞った領域から得た特徴量から算出した異常度AcbおよびAfbが少し遅れて上昇を開始する。
異常度が図13のような変化を示した場合、しきい値を適切に設定すれば、8か月経過後のある時点で、図10のステップS23においてYESと判断され、潤滑状態異常が発生したと判定される。
[実施の形態3]
実施の形態1,2では、ピーク周波数±10%の幅の特徴量と全周波数帯の特徴量とを比較することで異常原因を判別した。実施の形態3では、ピーク周波数±10%の幅の特徴量を振幅の大きさを表すものと波形形状を表すものとに分け、それらを比較することによって、異常原因を判別する。
図14は、実施の形態3の軸受の状態監視の処理のメインルーチンを示したフローチャートである。図1、図14を参照して、データ演算部150は、ステップS1において、振動センサ20で測定されエンベロープ処理やドリフト補正処理等が行なわれた後の測定波形を記憶装置140から取得し、FFT処理を行なって変換後波形を生成する。変換後波形は、FFT処理を少なくとも1回実行して得られた周波数波形であり、横軸を周波数、縦軸を加速度の振幅とする波形である。実施の形態3ではFFT処理の回数は1回であるがこれには限定されない。後に実施の形態4ではFFT処理を2回実行して変換後波形を生成する例についても説明する。
ステップS1〜S4の処理は、図6で説明したステップS1〜S4の処理と同じであるので、ここでは詳細な説明は繰り返さない。実施の形態3ではステップS4に続き、以下に説明するステップS35〜S42の処理が実行される。
ステップS35では、データ演算部150は、ステップS4において算出された第1特徴量を振幅の大きさを表す特徴量(以下、レベル特徴量)と波形形状を表す特徴量(以下、形状特徴量)とに分ける。レベル特徴量としては実効値、最大値、エンベロープ処理後の実効値が例示できる。形状特徴量としては波高率、尖度、歪度、変動係数が例示できる。
続いて、ステップS36において、データ演算部150は、現時点が学習期間であるか否かを判断する。学習期間は、たとえば運転開始から1カ月間に定められる。
この学習期間は、軸受に損傷または潤滑油の状態劣化が生じないと仮定された期間である。現時点が学習期間であると判断した場合(S36でYES)、データ演算部150は、この期間に取得されたレベル特徴量および形状特徴量を公知の1クラスサポートベクタマシンに入力し、機械学習を行なわせる。1クラスサポートベクタマシンは教師無し学習を行ない、ステップS37において異常度Afbl、Afbsの算出方法を決定するための学習を実行するとともに、ステップS38において、異常度Afbl、Afbsの判定しきい値を決定する。なお、「異常度」は、機械学習で作った正常モデルとの距離のようなものを示す概念であり、異常度が大きいほど正常モデルから離れることを示す。異常度Afblはレベル特徴量から導出された異常度であり、異常度Afbsは形状特徴量から導出された異常度である。
本実施の形態では、レベル特徴量および形状特徴量を機械学習手法の学習データに用いることを特徴とする。機械学習手法としては、上記で例示したサポートベクターマシン以外でも、ニューラルネットワーク、ナイーブベイズ、決定木などを用いても良い。
一方、ステップS36において、学習期間が経過したと判断された場合(S36でNO)、データ演算部150は、学習によって生成された異常度Afbl、Afbsの算出方法を用いて、ステップS39においてレベル特徴量から異常度Afblを算出し、ステップS40において形状特徴量から異常度Afbsを算出する。そして、ステップS41においてデータ演算部150は、異常度Afblおよび異常度Afbsを用いて、異常種別の判定処理を実行する。この判定処理では、転がり軸受の異常が軸受の損傷によるものか軸受を潤滑する潤滑剤の状態変化によるものかが判別される。
ステップS38またはステップS41の処理が終了すると、データ演算部150は、処理をメインルーチンに戻す。
図15は、図14のステップS41における異常判別処理の詳細を示すフローチャートである。図15を参照して、まずデータ演算部150は、ステップS51において、得られた異常度Afblおよび異常度Afbsが以下の条件(3)を満たすか判断する。
Afbs>Ath3 & Afbl<Ath4 …(3)
ここで、Ath3は、異常度Afbsに対するステップS38で予め決定された判定しきい値であり、Ath4は、異常度Afblに対するステップS38で予め決定された判定しきい値である。
ステップS51の条件が満たされた場合(S51でYES)、ステップS52において異常種別は軸受損傷異常であると判定される。
ステップS51の条件が満たされなかった場合(S51でNO)、ステップS53においてデータ演算部150は、得られた異常度Afblおよび異常度Afbsが以下の条件(4)を満たすか判断する。
Afbl>Ath4 & Afbs<Ath3 …(4)
ステップS53の条件が満たされた場合(S53でYES)、ステップS55において異常種別は潤滑状態異常であると判定される。一方、ステップS53の条件が満たされなかった場合(S53でNO)、ステップS54においてデータ演算部150は、得られた異常度Afblおよび異常度Afbsが以下の条件(5)を満たすか判断する。
Afbs>Ath3 & Afbl>Ath4 …(5)
ステップS54の条件が満たされた場合(S54でYES)、ステップS55において異常種別は潤滑状態異常であると判定される。一方、ステップS54の条件が満たされなかった場合(S54でNO)、ステップS56において軸受は正常であると判定される。
ステップS52、S55,S56のいずれかにおいて判定がされたら、ステップS57に処理が進められ、制御は図14のフローチャートに戻る。
以上説明したように、実施の形態3では、異常の有無の判定だけでなく、回転機械の異常の原因が転がり軸受の損傷であるか、潤滑剤の状態変化であるかを判別することができる。
[実施の形態4]
実施の形態3では周波数波形(スペクトラム)を変換後波形として異常度を算出し、異常種別の判定を行なったが、実施の形態4では、変換後波形をケフレンシ波形(ケプストラム)として異常度Acbl、Acbsを算出し、異常種別の判定を行なう。異常度Acblは、レベル特徴量の異常度であり、異常度Acbsは形状特徴量の異常度である。実施の形態4では、調査範囲0.001〜0.030secとする。
実施の形態4では、図14のフローチャートの変換後波形を生成するステップ(S1)は、測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を2回実行して生成する。変換後波形は時間の関数であるケフレンシ波形である。そして、図14の第1特徴量を算出するステップ(S4)で特徴量が算出される少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ少なくとも3か所のピークを中心に±10%の時間の範囲となる。調査期間の決定や異常度の算出等の処理については、実施の形態3と同様であるので、説明は繰り返さない。
[実施の形態3,4の結果の比較]
図16は、軸受損傷異常が発生した場合に実施の形態3,4で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。異常の原因が軸受損傷であることが後に判明した軸受で測定した測定データにおける、異常度Afbl、異常度Afbs、異常度Acbl、異常度Acbsと運転時間との関係が図16に示されている。
軸受損傷が発生した場合、形状特徴量から算出した異常度AfbsおよびAcbsが先に上昇する。異常度AfbsおよびAcbsは5カ月経過後あたりから上昇を開始する。これらに対して、レベル特徴量から算出したAfblおよびAcblは9か月経過後にやや遅れて上昇を開始する。
異常度が図16のような変化を示した場合、しきい値を適切に設定すれば、5か月経過後から9か月経過までの間に図15のステップS51においてYESと判断され、軸受損傷異常が発生したと判定される。
軸受損傷については、実施の形態1,2よりも異常度Afbs,Acbsの上昇開始時期が早いため、実施の形態3,4の方が早期に軸受損傷を発見できるという可能性がある。
図17は、軸受のグリース劣化が発生した場合に実施の形態3,4で用いる各異常度が変化する様子を示した図である。異常の原因がグリースの潤滑寿命であることが後に判明した軸受で測定した測定データにおける、運転時間と異常度Afbl、異常度Afbs、異常度Acbl、異常度Acbsとの関係が図17に示されている。
グリース劣化による潤滑不良の場合には、レベル特徴量から算出したAfbl、Acblが先に8カ月経過後から上昇を開始するが、9か月経過後には、形状特徴量から算出したAfbs,Acbsも上昇を開始する。
異常度が図16、図17のような変化を示した場合、しきい値を適切に設定すれば、9〜10か月経過後あたりのある時点で、図15のステップS53またはS54においてYESと判断され、潤滑状態異常が発生したと判定される。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 被試験装置、12 軸受、14 外輪、16 内輪、18 転動体、19 回転軸、20 振動センサ、100 状態監視装置、110 アンプ、120 A/Dコンバータ、130 データ取得部、140 記憶装置、150 データ演算部、160 表示部。

Claims (14)

  1. 被試験装置に設置されたセンサで測定した物理量によって転がり軸受の状態監視を行なう状態監視方法であって、
    前記センサによって測定した測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を少なくとも1回実行して、変換後波形を生成するステップと、
    前記変換後波形の少なくとも3か所のピークを中心とした、少なくとも3つの特徴量算出範囲における前記変換後波形の部分波形から第1特徴量を算出するステップと、
    前記第1特徴量を用いて、前記転がり軸受の異常を検出するステップとを備える、状態監視方法。
  2. 前記変換後波形の全域から第2特徴量を算出するステップをさらに備え、
    前記異常を検出するステップは、
    前記第1特徴量と前記第2特徴量とを用いて、前記転がり軸受の異常が軸受の損傷によるものか前記軸受を潤滑する潤滑剤の状態変化によるものかを判別する、請求項1に記載の状態監視方法。
  3. 前記変換後波形を生成するステップは、前記変換後波形を、前記測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を1回実行して生成し、前記変換後波形は周波数の関数である周波数波形である、請求項2に記載の状態監視方法。
  4. 前記少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ前記少なくとも3か所のピークを中心に±10%の周波数の範囲である、請求項3に記載の状態監視方法。
  5. 前記変換後波形を生成するステップは、前記測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を2回実行して生成し、前記変換後波形は時間の関数であるケフレンシ波形である、請求項2に記載の状態監視方法。
  6. 前記少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ前記少なくとも3か所のピークを中心に±10%の時間の範囲である、請求項5に記載の状態監視方法。
  7. 前記異常を検出するステップは、機械学習によって予め決定された手法によって前記第1特徴量から第1異常度を算出するとともに前記第2特徴量から第2異常度を算出し、前記第1異常度および前記第2異常度がそれぞれのしきい値を超えるか否かに基づいて異常の判別を行なう、請求項2に記載の状態監視方法。
  8. 前記第1特徴量は、振幅の大きさを表すレベル特徴量と、波形形状を表す形状特徴量とを含み、
    前記異常を検出するステップは、
    前記レベル特徴量と前記形状特徴量とを用いて、前記転がり軸受の異常が軸受の損傷によるものか前記軸受を潤滑する潤滑剤の状態変化によるものかを判別する、請求項1に記載の状態監視方法。
  9. 前記変換後波形を生成するステップは、前記変換後波形を、前記測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を1回実行して生成し、前記変換後波形は周波数の関数である周波数波形である、請求項8に記載の状態監視方法。
  10. 前記少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ前記少なくとも3か所のピークを中心に±10%の周波数の範囲である、請求項9に記載の状態監視方法。
  11. 前記変換後波形を生成するステップは、前記測定波形のデータに対して高速フーリエ変換を2回実行して生成し、前記変換後波形は時間の関数であるケフレンシ波形である、請求項8に記載の状態監視方法。
  12. 前記少なくとも3つの特徴量算出範囲は、それぞれ前記少なくとも3か所のピークを中心に±10%の時間の範囲である、請求項11に記載の状態監視方法。
  13. 前記異常を検出するステップは、機械学習によって予め決定された手法によって前記レベル特徴量から第1異常度を算出するとともに前記形状特徴量から第2異常度を算出し、前記第1異常度および前記第2異常度がそれぞれのしきい値を超えるか否かに基づいて異常の判別を行なう、請求項8に記載の状態監視方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の状態監視方法によって転がり軸受の状態監視を行なう状態監視装置。
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