JP2019045077A - 直接接触熱交換器を備えた冷媒システム - Google Patents

直接接触熱交換器を備えた冷媒システム Download PDF

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Abstract

【課題】直接接触熱交換器を備えた冷媒システムにあって、自給式ポンプを使用しなくとも、熱負荷へと搬送冷媒を搬送するポンプの気泡による停止を避け、安定して動作可能な冷媒システムを提供すること。【解決手段】本発明の冷媒システム1は、熱源と熱源サイクル冷媒(HSC冷媒)とを熱交換させる室外熱交換器12と、HSC冷媒を圧縮する圧縮機11と、HSC冷媒の圧力を減少させる減圧部13と、HSC冷媒とHSC冷媒に直接接触する搬送冷媒(水冷媒)とを熱交換させる直接接触熱交換器30と、熱負荷と水冷媒とを熱交換させる室内熱交換器21と、直接接触熱交換器30から室内熱交換器21に向けて水冷媒を圧送するポンプ22と、直接接触熱交換器30からポンプ22へと向かう水冷媒と、水冷媒に混入したHSC冷媒とを受け入れて気液分離させる気液分離器23とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、2種類の冷媒を直接接触させる直接接触熱交換器を備えた冷媒システムに関する。
空気調和機や冷凍機等の冷凍サイクルを利用する機器には、現状、R410Aに代表されるHFC(hydrofluorocarbon))冷媒が使用されているが、地球温暖化を防止するための規制強化を背景に、GWP(Global-warming potential)が低い冷媒の開発が進められている。
低GWPの他、サイクル効率(性能)や、不燃性などの安全性も考慮して各種の冷媒の開発が進められている。
本発明の発明者は、HFC冷媒等の熱源サイクル冷媒が循環する熱源サイクル(冷凍サイクル)と、熱負荷へと水冷媒を搬送する熱搬送ループと、熱源サイクル冷媒と水冷媒とをタンク内で直接接触させる直接接触熱交換器とを備えた冷媒システムを提案している(特許文献1)。直接接触熱交換器において、熱源サイクル冷媒と水冷媒とが混合される。
特許文献1では、直接接触熱交換器における熱源サイクル冷媒と水冷媒との密度差が冷却運転時と比べて小さい加熱運転時には、直接接触熱交換器を経た熱源サイクル冷媒を減圧させてから分離タンクへと移送することで、熱源サイクル冷媒と水冷媒とを十分に分離させている。
特開2015−87051号公報
直接接触熱交換器において混合した熱源サイクル冷媒と水冷媒は、密度差により分離されるとは言え、これらを十分に分離することは難しい。そのため、直接接触熱交換器から熱負荷に向けてポンプにより搬送される水冷媒には、熱源サイクル冷媒の液相あるいは気相(気泡)が混入する。
水冷媒に混入した熱源サイクル冷媒は、水冷媒を圧送するポンプの駆動部の発熱の影響を受けて乾き度が大きくなる。それによって水中に発生した熱源サイクル冷媒の気泡がポンプの羽根車等に滞留することで、ポンプを回転させる背圧が不十分となり、ポンプが停止するおそれがある。
それを避けるため、気泡が滞留したとしても動作可能な自給式のポンプを使用すればよいが、自給式ポンプは、液による背圧を必要とする典型的なポンプと比べて非常に高価である。
以上より、本発明は、直接接触熱交換器を備えた冷媒システムにあって、自給式ポンプを使用しなくとも、熱負荷へと搬送冷媒を搬送するポンプの気泡による停止を避け、安定して動作可能な冷媒システムを提供することを目的とする。
本発明の冷媒システムは、熱源と熱源サイクル冷媒とを熱交換させる熱源側熱交換器と、熱源サイクル冷媒を圧縮する圧縮機と、熱源サイクル冷媒の圧力を減少させる減圧部と、熱源サイクル冷媒と、熱源サイクル冷媒に直接接触する搬送冷媒とを熱交換させる直接接触熱交換器と、熱負荷と搬送冷媒とを熱交換させる熱負荷側熱交換器と、直接接触熱交換器から熱負荷側熱交換器に向けて搬送冷媒を圧送するポンプと、直接接触熱交換器からポンプへと向かう搬送冷媒と、搬送冷媒に混入した熱源サイクル冷媒とを受け入れて気液分離させる気液分離器と、を備えることを特徴とする。
本発明の冷媒システムは、気液分離器を経てポンプへと向かう搬送冷媒が通過する狭隘な開口を有する気泡破壊部を備えることが好ましい。
本発明の冷媒システムは、気液分離器において搬送冷媒から分離した熱源サイクル冷媒の気相を熱負荷側熱交換器の出口側へと流出させる気相流出経路と、熱負荷側熱交換器の出口側に位置し、絞りまたは弁である圧力損失付与部と、を備えることが好ましい。
本発明の冷媒システムは、熱負荷側熱交換器が備わる室内機と、熱源側熱交換器、圧縮機、および直接接触熱交換器が備わる室外機と、室内機および室外機を結び、ポンプ、気液分離器、および圧力損失付与部が備わる内外接続配管と、を有することが好ましい。
本発明の冷媒システムは、熱源側熱交換器を経た熱源サイクル冷媒と、圧縮機へと吸入される熱源サイクル冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を備えることが好ましい。
本発明の冷媒システムにおいて、減圧部は、熱源サイクル冷媒の減圧範囲の少なくとも一部を受け持ち、直接接触熱交換器を経た搬送冷媒と熱源サイクル冷媒との気液二相流の圧力を減少させる直接接触後減圧部を有することが好ましい。
本発明の冷媒システムにおいて、直接接触熱交換器は、圧縮機、減圧部、熱源側熱交換器、および直接接触熱交換器を含んで構成された熱源サイクルにおいて蒸発器として機能し、直接接触熱交換器を経た搬送冷媒が熱負荷の冷却に供されることが好ましい。
本発明の冷媒システムは、圧縮機から吐出された熱源サイクル冷媒が直接接触熱交換器へと流入する向きと、直接接触熱交換器から流出した熱源サイクル冷媒が圧縮機へと吸入される向きとに熱源サイクル冷媒の流れの向きを切り替え可能な方向切替弁を備えることが好ましい。その場合、熱源サイクル冷媒の流れの向きに応じて、直接接触熱交換器を経た搬送冷媒が、熱負荷の冷却または加熱に供される。
本発明によれば、直接接触熱交換器から流出する搬送冷媒に熱源サイクル冷媒が混入しており、ポンプによる入熱により乾き度が大きくなることへの対策として、直接接触熱交換器から、気液分離器を介してポンプへと搬送冷媒を流入させている。気液分離器により気液二相流の乾き度を下げているため、その後乾き度が大きくなっても気泡によるポンプの停止には至らない。
したがって、搬送冷媒への熱源サイクル冷媒の混入が現実的には避けられず、かつポンプによる入熱により乾き度が大きくなる状況下、ポンプの停止に至ることなく、冷媒システムを安定して動作させることができる。
気液分離器に加え、気泡破壊部を備えていると、気液分離後にも搬送冷媒に含まれる気泡が細分化されるので、ポンプにおける気泡の噛み込みをより十分に防ぐことができる。
第1実施形態に係る冷媒システムの構成を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る冷媒システムの構成を模式的に示す図である。 第3実施形態に係る冷媒システムの構成を模式的に示す図である(冷却運転時)。 第3実施形態に係る冷媒システムの構成を模式的に示す図である(加熱運転時)。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す冷媒システム1は、高い熱交換効率を得るため、熱源サイクル冷媒と搬送冷媒とを直接接触させる直接接触熱交換器30を備えている。
冷媒システム1は、熱源サイクル冷媒の冷凍サイクルにより搬送冷媒に得られた冷熱を熱負荷の冷却に利用する。
(冷媒の説明)
熱源サイクル冷媒(HSC(Heat Source Cycle)冷媒)としては、例えば、HFC冷媒やHFO冷媒等を用いることができる。
HFC(Hydro Fluoro Carbon)冷媒としては、R410AやR32を例示することができる。
HFO(Hydro Fluoro Olefin)冷媒としては、R1234zeやR1234yfを例示することができる。GWP(Global Warming Potential)の低減を図る観点からは、HFO系の冷媒を用いることが好ましい。
その他、熱源サイクル冷媒として、例えばプロパン、イソブタン等の炭化水素(HC)系冷媒を用いることもできる。それらのHC系冷媒は、R1234zeやR1234yfと比べてもGWPが低い。
熱源サイクル冷媒(以下、HSC冷媒)として用いる冷媒は、サイクル効率やGWP等を考慮して適宜に選定することができる。熱源サイクル冷媒として、2種あるいは3種以上の冷媒を用いることもできる。
搬送冷媒としては、例えば水が好適である。以下、搬送冷媒のことを水冷媒と称する。水冷媒は、GWPが0である。また、水冷媒は、燃焼性を有していない。
水冷媒は、冷媒システム1における温度変化域に亘り液相である。
(冷媒システムの概略構成)
冷媒システム1は、外気を熱源とし、熱負荷としての室内空気を冷却するために冷却運転(冷房)される空気調和機として構成されている。この冷媒システム1は、室外機1Aと、室内機1Bと、室外機1Aおよび室内機1Bを結ぶ内外接続配管1Cとを備えている。
室外機1Aには、圧縮機11と、室外熱交換器12と、減圧部13と、直接接触熱交換器30と、電磁弁14と、それらを収容する図示しない筐体とが備わる。
室内機1Bには、室内熱交換器21と、室内熱交換器21を収容する図示しない筐体とが備わる。
そして、内外接続配管1Cには、ポンプ22と、気液分離器23と、気泡破壊部24と、圧力損失付与部26とが備わる。
上記の機器構成は、筐体の設置スペース等に応じて適宜に変更することができる。例えば、ポンプ22、気液分離器23、気泡破壊部24、および圧力損失付与部26を室内機1Bに配置することもできる。
HSC冷媒は、圧縮機11による圧縮、室外熱交換器12による凝縮、減圧部13による膨張、および直接接触熱交換器30による蒸発の各過程からなる熱源サイクル10(冷凍サイクル)をなす。
直接接触熱交換器30において、熱源サイクル冷媒との熱交換により冷却される搬送冷媒は、直接接触熱交換器30と室内熱交換器21とを結ぶ熱搬送ループ20をポンプ22により駆動されて循環する。
以下、冷媒システム1に備わる各構成要素を説明する。
(熱源サイクルに関する構成要素)
圧縮機11は、HSC冷媒を圧縮して吐出する。環境負荷等の観点からは、冷凍機油(潤滑油)が使用されないオイルフリーの圧縮機を採用することが好ましい。
室外熱交換器12は、HSC冷媒と外気との間で、HSC冷媒が流れるチューブ等を介して間接的に熱交換を行わせる。熱交換を促進させるため、ファンにより室外熱交換器12に向けて外気を送風することが好ましい。
減圧部13は、HSC冷媒の圧力を減少させる。減圧部13として、膨張弁やキャピラリーチューブ等を用いることができる。
熱負荷(室内空気)が設定温度になるように、冷媒システム1に備わる図示しない制御部により、設定温度に適合する蒸発圧力を保つように減圧部13が調整されることが好ましい。
直接接触熱交換器30は、HSC冷媒と水冷媒とを直接的に接触させて熱交換させる。直接接触熱交換器30は、水冷媒を貯留するタンク31と、HSC冷媒入口32Aと、HSC冷媒出口32Bと、水冷媒入口33Aと、水冷媒出口33Bとを備えている。
HSC冷媒入口32Aは、タンク31の下部に位置しており、HSC冷媒出口32Bは、タンク31の上部に位置している。
タンク31内に貯留されている水冷媒と、HSC冷媒入口32Aからタンク31内に流入した、水冷媒よりも温度の低いHSC冷媒とが、タンク31内において直接的に接触して混合されることで熱を授受する。
ここで、減圧部13を経たHSC冷媒は、タンク31内において所定の設定圧力の下、水冷媒と混合されつつ沸騰し、気泡となって水中を浮上する。HSC冷媒の液相から気相への相転移に伴う潜熱、および気泡となり浮上する過程においてHSC冷媒が水冷媒と十分に接触することにより、HSC冷媒と水冷媒との間の伝熱が促進され、タンク31内の水冷媒が冷却される。
HSC冷媒と水冷媒とがより十分に接触するように、タンク31の内部に、HSC冷媒入口32Aから流入したHSC冷媒の流れが当たる部材を配置することもできる。HSC冷媒入口32Aは、タンク31の底部には限らず、タンク31の側壁等の適宜な位置に設けることもできる。
タンク31内において、HSC冷媒と水冷媒とは、密度の違いに基づいて分離される。
HSC冷媒の気相は、タンク31内部の液面よりも上部の空間から、HSC冷媒出口32Bを通じてタンク31の外部へと流出し、圧縮機11へと吸入される。
直接接触熱交換器30によれば、熱を授受するもの同士が直接接触するため、熱を授受するもの同士がチューブ等を介して間接的に接触するため十分な温度差が要求される典型的な熱交換器と比べて高い熱交換効率を得ることができる。
電磁弁14は、冷媒システム1に備わる図示しない制御部により、冷媒システム1の運転している間は開放され、冷媒システム1の運転停止時には閉められる。運転中は、HSC冷媒がタンク31内へと押し込まれるため、タンク31内の水冷媒がHSC冷媒入口32Aから流出してしまうことはないので、電磁弁14は開放される。運転停止時には電磁弁14を閉めることにより、タンク31内の水冷媒がHSC冷媒入口32Aから、熱源サイクルをなす配管へと流れ出てしまうことを防止する。
(水搬送ループに関する構成要素)
水冷媒出口33Bからタンク31の外へと流出した水冷媒は、熱負荷の冷却に利用された後、水冷媒入口33Aからタンク31内へと流入する。水冷媒は、ポンプ22により搬送力が与えられて熱搬送ループ20を循環する。
直接接触熱交換器30、ポンプ22、および室内熱交換器21を含んで構成される熱搬送ループ20に水冷媒が存在することにより、HSC冷媒が燃焼性を有していたとしても、冷媒システム1の全体として燃焼性を低減することができる。
水冷媒が流れる室内熱交換器21は、水冷媒と、熱負荷である室内空気との間で間接的に熱交換を行わせる。熱交換を促進させるため、ファンにより吸い込んだ室内空気を室内熱交換器21に向けて送風することが好ましい。室内熱交換器21およびファンは、例えば、ファンコイルユニットとして構成することができる。
ポンプ22は、直接接触熱交換器30から室内熱交換器21に向けて水冷媒を圧送する。
本実施形態におけるポンプ22は、直接接触熱交換器30と室内熱交換器21を接続する配管(内外接続配管1Cの一部)に設けられている。
ポンプ22として、容積型、非容積型等の任意の種類のポンプを用いることができる。
(本実施形態より解決される課題)
ところで、直接接触熱交換器30のタンク31内において、HSC冷媒と水冷媒とをそれぞれの密度の違いに基づいて十分に分離することは難しい。
そのため、熱搬送ループ20を流れる水冷媒には、気相あるいは液相のHSC冷媒が混入している。水冷媒およびHSC冷媒からなる気液二相の流体は、ポンプ22のモータ等の駆動部の発熱の影響を受けて乾き度が大きくなり、特に、熱源であるモータ等の熱の影響を直接的に受けるポンプ22の通過時に乾き度が大きい。そのため、直接接触熱交換器30から流出したHSC冷媒の気泡に加え、直接接触熱交換器30から流出した後、HSC冷媒の気化により水中に発生した気泡が、ポンプの羽根車等に滞留することで背圧が不足すると、ポンプ22は自給式ではないため停止する。ポンプ22が停止すれば、熱負荷への冷熱の搬送が停止してしまう。
直接接触熱交換器30においてHSC冷媒と水冷媒とが十分には分離されていないと、熱源サイクル10を循環するHSC冷媒に水冷媒が混入する。それによるサイクル効率の低下を抑えるため、例えば、特開2015−68541号公報に記載されているように、直接接触熱交換器30のタンク31の内部を、水冷媒とHSC冷媒との混合が行われる混合室と、混合室から移送された水冷媒とHSC冷媒との混合液の密度差による分離が行われる分離室とに仕切り、水冷媒とHSC冷媒とを十分に分離させることが有効である。
(本実施形態の主旨、および特徴的構成)
本実施形態は、熱搬送ループ20を流れる水冷媒へのHSC冷媒の混入に起因してポンプ22が停止することを未然に防ぐための方策を提供する。本実施形態は、ポンプ22の停止による熱搬送ループ20の機能停止を生ずることなく冷媒システム1を安定して動作させるため、直接接触熱交換器30から水冷媒を受け入れて気液分離を図る気液分離器23を熱搬送ループ20に備えることを主要な特徴とする。
気液分離器23は、直接接触熱交換器30の水冷媒出口33Bから流出した水冷媒(HSC冷媒が混入)が、気液二相流の状態であったとしても、気液分離を図ることにより、好ましくは液相、あるいは、出来る限り乾き度の低い気液二相の流体をポンプ22へと供給する。
気液分離器23は、直接接触熱交換器30からポンプ22へと向かう水冷媒を、水冷媒に混入したHSC冷媒と共に受け入れ、液相と、気相(HSC冷媒)とに分離させる。気液分離器23により気相と分離された液相(主として水冷媒)が、気液分離器23の水冷媒出口231から流出し、ポンプ22へと流入する。
この気液分離器23は、気相が溜まる上部に取り付けられた配管25を通じて室内熱交換器21の出口211側の配管へと接続されている。気液分離器23の気相部から室内熱交換器21の出口211側へと接続することにより、気相の流出に必要な圧力差、つまり、気液分離器23における圧力と、それよりも低い出口211側の圧力との差が得られるので、圧力差に従い、HSC冷媒の気相が気液分離器23から配管25を通じて出口211側へと流出する。HSC冷媒を流出させる配管25のことを、以下では気相流出路25と称する。
上述のように、気液分離器23の気相部から室内熱交換器21の出口211側へと接続することにより、HSC冷媒の気相の流出に必要な圧力差が得られる。そのため、必須ではないが、気相をより確実に流出させるため、室内熱交換器21の出口211側に、必要な限度で圧力損失を付与するための絞りまたは電磁弁(26)を設けることが好ましい。その絞りまたは電磁弁のことを圧力損失付与部26と称する。
なお、本実施形態において、第2実施形態(図2)と同様に、気液分離器23により液相と分離された気相が、気液分離器23と圧縮機11の吸入側との圧力差に従い、圧縮機11へと吸入されるように構成することもできる。
気液分離器23としては、重力タンク式、遠心分離式、表面張力式、衝突分離式等の気液分離機構のうち、適宜な機構を採用することができる。
重力タンク式、遠心分離式、および衝突分離式では、直接接触熱交換器30から、HSC冷媒の混入した水冷媒をタンクに受け入れ、気相と液相との密度差を利用してタンク内で気液分離を図る。タンクの底部に液相が溜まる重力タンク式および衝突分離式の場合は、タンク内の気相の流れへの液相の巻き込みを抑える観点より、重力の働く上下方向に長い縦長のタンクを用いることが好ましい。衝突分離式では、タンク内に、流体を衝突させるための部材を設置する。
遠心分離式では、遠心力による分離効果を高めるため、直径の大きいタンクを使用することが好ましい。遠心分離式は、タンクの内部における外周側に液相、内周側に気相が分布するため、巻き込み抑止の点で有利である。
表面張力式では、表面張力により液相を溝に保持することで、気相と分離する。
(特徴的構成による作用)
上述した機構の気液分離器23によっても、気相と液相とが完全には分離されないため、気液分離器23の液相の出口231から流出した液には、気相(気泡)が少ないながらも混入している。しかし、気液分離器23を経たことで、気液分離器23を経ていない場合と比べて乾き度が低下しており、水冷媒中の気相の量が減少している。その分、気液分離器23を経た後にポンプ22の熱の影響を受け乾き度が上がったために水冷媒中に発生する気泡も減少する。そのため、水冷媒中の気泡がポンプ22の部材(羽根車等)の表面に滞留したとしても、気泡が滞留するのは部材の表面の一部に留まり、ポンプ22の部材の表面の大部分には液(ほぼ水冷媒)が接触する。したがって、ポンプ22の背圧が確保されるため、ポンプ22の停止には至らない。
(好ましい構成および作用)
ここで、気液分離器23を経た水冷媒に含まれている気泡の成長や、気泡同士の凝集を防ぐようにすると、ポンプ22の背圧をより十分に確保することができる。そのため、気液分離器23とポンプ22との間に気泡を破壊して細分化する気泡破壊部24を付加し、気液分離器23から流出した水冷媒を気泡破壊部24に流入させることが好ましい。
気泡破壊部24は、例えば、水冷媒を通過させる狭隘な開口を有するオリフィスまたはメッシュ、フィルタ等である。微小な多数の開口が形成された円板等も、気泡破壊部24として用いることができる。気泡破壊部24が気液分離器23と一体に設けられていてもよい。
気泡破壊部24の通過時に、気泡破壊部24の開口の寸法よりも大きい気泡は破壊されるため、気泡破壊部24を経た水冷媒中の気泡の大きさを開口の寸法に応じて制限することができる。気泡破壊部24の開口の寸法は、熱搬送ループ20に必要な流量も考慮して定められる。気泡破壊部24は、気液分離器23とポンプ22との間の複数箇所に配置されていてもよい。
気泡破壊部24により水冷媒中の気泡の成長や凝集を防ぐことにより、水冷媒中に空洞が形成されないので、液によるポンプ22の背圧をより確実に得ることができる。
気泡破壊部24を経た後の水冷媒中の気泡の成長や再凝集を抑えるため、気泡破壊部24は、ポンプ22の近傍に配置することが好ましい。ポンプ22の熱源に近い気泡破壊部24により気泡が破壊されて細分化されるので、その後、気泡が成長、凝集するにしても、ポンプ22の動作には支障を来たさない。
気相と液相との分離が促進されるように気液分離器23のサイズを大きくしなくても、気泡破壊部24により気泡を細分化することで、気泡によりポンプ22の動作に支障を来たすことを避けることができる。そのため、気液分離器23のサイズを抑えることができるので、気液分離器23および気泡破壊部24の一式のサイズもコンパクトに抑えることができ、これらを内外接続配管1Cに容易に設置することができる。気液分離器23および気泡破壊部24の一式を室内機1Bに設置する場合も、室内機1Bのサイズを抑えることができる。
(本実施形態による効果)
上述したように、直接接触熱交換器30において混合される水冷媒とHSC冷媒とを十分に分離させることは難しいため、直接接触熱交換器30から取り出される水冷媒にはHSC冷媒が混入する。そして、ポンプ22のモータ等の発熱の影響により、乾き度が大きくなり水冷媒中に気泡が発生すること自体は避けられないとしても、本実施形態の冷媒システム1によれば、気液分離器23、そして好ましくは気泡破壊部24を備えていることにより、それらを備えていない場合と比べて、呼び水が必要な典型的なポンプ22に背圧を得ることができる。
そのため、高価な自給式のヒューガルポンプ等を導入することなく、安価な典型的なポンプ22を使用していながら、気泡の滞留によるポンプ22の停止を未然に防止することができる。
自給式の特殊なポンプが必要ないため、直接接触熱交換器30を備えていない既設の空気調和システムにおいて、水用のポンプ(22)および水冷媒の流れる配管を残し、空気調和機の構成要素に相当する構成のみを、直接接触熱交換器30を含む熱源サイクル10に置き換えることにより、冷媒システム1を容易に実現できる。つまり、空気調和機と比べて耐用年数の長いポンプ22をそのまま利用して、自然冷媒である水冷媒とHSC冷媒とを直接接触させるため低GWPでありながら高い熱交換効率を実現する冷媒システム1の利用を促進することができる。
気液分離器23および気泡破壊部24は、直接接触熱交換器30の水冷媒出口33Bとポンプ22の流入部との間である限りにおいて、設置箇所を選ばずに、適宜な箇所に設置することができるので、設置箇所の自由度が高い。
例えば、室外機1Aと室内機1Bとを接続する内外接続配管1Cに、気液分離器23および気泡破壊部24を設けることができる。これらを内外接続配管1Cに設けることとすれば、室内機1Bや室外機1Aの筐体サイズに影響しない。
直接接触熱交換器30を備えた既設の冷媒システムに対して、気液分離器23および気泡破壊部24、およびこれらに付随する気相流出路25等の配管を適宜な箇所に付加することにより、本実施形態の冷媒システム1を実現可能である。ここで、気液分離器23、気泡破壊部24、気相流出路25、および圧力損失付与部26を含む部材一式を、ポンプ22への気泡の滞留を抑えるための増設キットとして提供するのも良い。
水冷媒中の気泡によるポンプ22の動作への影響をより十分に抑えるため、直接接触熱交換器30よりも下方にポンプ22が位置するように、両者にヘッド差を与えて、水冷媒中の気泡が直接接触熱交換器30を志向して浮上するようにしてもよい。
但し、本実施形態の冷媒システム1において、機器の配置への制約を伴うヘッド差は必ずしも必要がなく、最低限、気液分離器23を備えていれば足りる。ヘッド差を与えたとしても、水冷媒中の気泡がポンプ22に流入することを確実に防ぐことは難しいので、ポンプ22における気泡の滞留を抑えるため、気液分離器23による気液分離が必要である。
本実施形態の冷媒システム1において、気液分離器23から流出する気相が、気液分離器23と圧縮機11の吸入側との圧力差に従い、圧縮機11へと吸入されるように構成することもできる。この場合、HSC冷媒の気相に混入した水冷媒が圧縮機11へ吸入されることを避けるため、水分を吸着する部材により、気液分離器23から圧縮機11へと向かうHSC冷媒から水分を吸着することが好ましい。
上記のように気液分離器23からの気相を圧縮機11へと吸入させる場合、現実的な配管(気相流出路25)の取り回しを考えると、気液分離器23は、圧縮機11に近い位置、つまり、通常、圧縮機11が配置される室外機1Aの筐体に収められる。
それに対し、本実施形態では、気液分離器23からの気相を室内熱交換器21の出口211側へと流出させるので、例えば、気液分離器23が内外接続配管1Cに設けられているのであれば、気相流出路25も、内外接続配管1Cに設けることができる。あるいは、気液分離器23が室内機1Bに設けられているのであれば、気相流出路25も、室内機1Bに設けることができる。つまり、冷媒回路の配管が複雑となったり、気液分離器23の設置場所が室外機1Aに限られたりといった制約が加わることを避けることができる。HSC冷媒による熱源サイクル10ではなく、水冷媒による熱搬送ループ20へ気液分離器23からの気相を流出させていれば、気液分離器23からの気相に水が混入していても問題ない。
〔第2実施形態〕
次に、図2を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
ポンプ22による入熱により乾き度が大きくなることに対し、上述の第1実施形態では、直接接触熱交換器30よりも熱負荷側において、気液分離器23により乾き度を低くする。さらに、第2実施形態では、直接接触熱交換器30よりも熱源側においても、乾き度を低くする。それによって、直接接触熱交換器30における気泡の発生を抑制する。
以下、第1実施形態と相違する事項を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付している。
第2実施形態の冷媒システム2(図2)は、第1実施形態の冷媒システム1の構成要素に加えて、HSC冷媒同士の間で熱交換させる内部熱交換器15を熱源サイクル10に備えている。
内部熱交換器15は、圧縮機11に吸入される冷媒と、室外熱交換器12を経た冷媒とを熱交換させる。圧縮機11から吐出され、室外熱交換器12により外気へ放熱された冷媒は、さらに、内部熱交換器15において、圧縮機11へ吸入される冷媒へと放熱される。内部熱交換器15により、過冷却が大きく確保されることとなる。
内部熱交換器15によれば、室外熱交換器12を経たHSC冷媒が直接接触熱交換器30に流入する前の気液二相流におけるボイド率を内部熱交換器15がない場合と比べて下げることができる。ボイド率は、気液二相流の中で気体の占める体積比率であり、ボイド率が低ければ、直接接触熱交換器30における気泡の発生を抑えることができる。
つまり、内部熱交換器15により過冷却を大きくする分だけボイド率を下げて、直接接触熱交換器30における気泡の発生を抑えている。この作用によれば、水冷媒からの気泡除去の目的で使用する気液分離器23のサイズダウンを図ることができる。
ところで、内部熱交換器15を経たHSC冷媒を、仮に、膨張弁等により十分に減圧させてから直接接触熱交換器30へ流入させるとすれば、減圧されているために直接接触熱交換器30における沸騰が促進されるため、気泡の発生も促進される。
そのため、内部熱交換器15により直接接触熱交換器30における気泡の発生を抑える効果を十分に得る観点より、第1実施形態(図1)において室外熱交換器12と直接接触熱交換器30との間に位置していた減圧部13をなくし、直接接触熱交換器30と気液分離器23との間に直接接触後減圧部27を設けている。
直接接触後減圧部27は、圧縮機11により昇圧されたHSC冷媒の圧力が、所定の下限圧力に減圧しきるまでの熱源サイクル10の減圧範囲の少なくとも一部を受け持っており、気液分離器23により気液二相流が気液分離される前に、気液二相流の圧力を減少させる。
上述のように、直接接触熱交換器30において水冷媒とHSC冷媒とが十分には分離されないため、熱搬送ループ20を流れる水冷媒にHSC冷媒が混入している。そのため、直接接触後減圧部27を含んで、HSC冷媒の圧縮、凝縮、減圧による膨張、および蒸発による熱源サイクル10が構成されている。HSC冷媒の蒸発は、直接接触熱交換器30に加え、室内熱交換器21も担う。
直接接触後減圧部27から気液分離器23に流入し、気液分離器23により液相と分離された気相は、直接接触熱交換器30のタンク31内へと流出し、HSC冷媒出口32Bを通じてタンク31内から圧縮機11へと吸入される。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態(図1)と同様に、気液分離器23により液相と分離された気相を室内熱交換器21の出口211側へ流出させるように構成することもできる。
直接接触後減圧部27により、HSC冷媒の減圧範囲の全部を担うように構成することもできるし、直接接触熱交換器30のHSC冷媒入口32Aの手前に位置する電磁弁14により圧力損失を与えることとして、電磁弁14と、直接接触後減圧部27とにより、HSC冷媒の減圧範囲を分担するようにしてもよい。この場合は、電磁弁14と、直接接触後減圧部27とにより、熱源サイクル10の減圧部が構成されている。
電磁弁14と直接接触後減圧部27との双方を備えていると、電磁弁14および直接接触後減圧部27のそれぞれの圧力損失を適宜に設定することで、熱源サイクル10を十分に成立させ、サイクル効率も考慮して、種々の目的のシステムに適合させることが可能となる。
第2実施形態のように内部熱交換器15が設けられていると、電磁弁14により絞られた後の冷媒の乾き度が小さくなるため、直接接触熱交換器30において気相が発生し難くなる。そのため、水冷媒に気相が混入することに起因してポンプ22が気体を噛むことを防止できるので、ポンプ22の停止を避けて冷媒システム2の安定動作に寄与できる。
直接接触熱交換器30における気泡の発生を抑制しつつ、気液分離器23による水冷媒からHSC冷媒ガスの分離除去、および気泡破壊部24による気泡の細分化を行うことで、ポンプ22のガス噛み現象のリスクを限りなく小さくすることができる。
〔第3実施形態〕
次に、図3および図4を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態により、冷房と暖房とに兼用される空気調和機への適用例を示す。
第3実施形態の冷媒システム3は、第1実施形態(図1)の冷媒システム1の構成要素に加え、方向切替弁18を備えている。
方向切替弁18は、圧縮機11から吐出されたHSC冷媒が直接接触熱交換器30へと流入する向き(図4)と、直接接触熱交換器30から流出したHSC冷媒が圧縮機11へと吸入される向き(図3)とにHSC冷媒の流れの向きを切り替え可能に構成される。方向切替弁18として、例えば、四方弁を用いることができる。
方向切替弁18により、HSC冷媒の流れが、図3に示すように、直接接触熱交換器30から流出したHSC冷媒が圧縮機11へと吸入される向きに切り替えられると、直接接触熱交換器30を経ることで冷却された水冷媒が、熱負荷の冷却に供される。
図3に示す冷却運転時に、直接接触熱交換器30は蒸発器として機能する。このとき、直接接触熱交換器30では、HSC冷媒入口32Aからタンク31内に流入したHSC冷媒が、タンク31内で水冷媒と直接接触して混合し、熱交換される。
一方、方向切替弁18により、HSC冷媒の流れが、図4に示すように、圧縮機11から吐出されて直接接触熱交換器30へと流入する向きに切り替えられると、直接接触熱交換器30を経ることで加熱された水冷媒が、熱負荷の加熱に供される。
図4に示す加熱運転時に、直接接触熱交換器30は凝縮器として機能する。加熱運転時に、タンク31内でHSC冷媒と水冷媒とを混合させると、加熱運転時の圧力条件下、所定の凝縮温度において水冷媒とHSC冷媒との密度差が冷却運転時と比べて小さいため、水冷媒とHSC冷媒とを分離させることが難しい。
加熱運転時の上記課題への方策として、本実施形態では、加熱運転時(図4)には、タンク31に設けた管路19を介して、タンク31内の水冷媒と管路19を流れるHSC冷媒とを間接的に接触させて熱交換させる。
管路19は、加熱運転時にのみ使用され、冷却運転時には使用されない。圧縮機11から吐出されて管路19を流れ、減圧部13へと向かうHSC冷媒の流路と、冷却運転時に減圧部13から電磁弁14を通過してタンク31に流入し、タンク31の上部から圧縮機11に向けて流出するHSC冷媒の流路とを切り替えるため、本実施形態の冷媒システム3は開閉弁191,192を備えている。
冷却運転時(図3)には、開閉弁191を閉め、開閉弁192を開いた状態とする。そうすると、第1実施形態の冷媒システム1(図1)と同様に、HSC冷媒入口32Aからタンク31内に流入したHSC冷媒が、タンク31内の水冷媒と直接接触することで熱交換される。
そして、第1実施形態と同様に、ポンプ駆動部による入熱による乾き度の増大を考慮して、予め、気液分離器23により乾き度を低下させ、かつ気泡破壊部24により気泡を細分化させている。そのため、気泡を噛み込んでポンプ22が停止することなく、冷媒システム3を安定して動作させることができる。
加熱運転時(図4)には、開閉弁192および電磁弁14を閉め、開閉弁191を開いた状態とする。そうすると、圧縮機11から吐出されたHSC冷媒が管路19を流れ、タンク31内の水冷媒と間接的に熱交換される。そして、タンク31内の温水が熱搬送ループ20により熱負荷へと供給される。
加熱運転時にはタンク31から熱搬送ループ20へと取り出される液の乾き度が冷却運転時と比べて小さいため、気泡の噛み込みによるポンプ22停止への対策の必要性が冷却運転時と比べて低いと言える。しかし、加熱運転時にも、冷却運転時と変わらず、HSC冷媒の混入した水冷媒を気液分離器23および気泡破壊部24を介してポンプ22へと流入させればよく、冷媒システム3は安定して動作する。
本実施形態によれば、冷却運転時にはタンク31内において水冷媒とHSC冷媒とを直接接触させていることで高い熱交換効率を得ることができることに加え、気泡の噛み込みによるポンプ22の停止を未然に防ぐことができ、加熱運転時には、タンク31内の水冷媒とHSC冷媒とを間接的に接触させることで熱源サイクルを確実に成立させ、熱源側も含め、冷媒システム3を安定して動作させることができる。したがって、冷却と加熱とに兼用される冷媒システム3を提供することができる。
加熱運転時にタンク31内の水冷媒とHSC冷媒との分離が難しいことに対する方策としては、本実施形態のように水冷媒とHSC冷媒とを間接的に熱交換させることには限られず、適宜な方策を採用することができる。
例えば、特開2015−87051号公報(特許文献1)の図1に記載されているように、直接接触熱交換器のタンク内の水冷媒とHSC冷媒との混合液を減圧してから別の分離タンクへと移送し、その分離タンクにおいて水冷媒とHSC冷媒とを密度差に基づいて分離させるようにしてもよい。HSC冷媒と分離された水冷媒が分離タンクから熱搬送ループへと戻される。
第2実施形態(図2)の冷媒システム2の構成要素に、方向切替弁18、管路19、および開閉弁191,192を加えることによっても、第3実施形態の冷媒システム3と同様の冷却および加熱に兼用のシステムを構成することができ、第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
搬送冷媒としては、水に限らず、例えばブラインを用いることができる。ブラインとして、エチレングリコール、あるいはプロプレングリコールを主成分とするものを例示できる。
そして、本発明の冷媒システムは、空気調和機に限らず、冷凍庫、給湯機、チラー等に適用することもできる。
1〜3 冷媒システム
1A 室外機
1B 室内機
1C 内外接続配管
10 熱源サイクル
11 圧縮機
12 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
13 減圧部
14 電磁弁
15 内部熱交換器
18 方向切替弁
19 管路
20 熱搬送ループ
21 室内熱交換器(熱負荷側熱交換器)
22 ポンプ
23 気液分離器
24 気泡破壊部
25 気相流出路
26 圧力損失付与部
27 直接接触後減圧部
30 直接接触熱交換器
31 タンク
32A HSC冷媒入口
32B HSC冷媒出口
33A 水冷媒入口
33B 水冷媒出口
191,192 開閉弁
211 室内熱交換器の出口
231 水冷媒出口

Claims (8)

  1. 熱源と熱源サイクル冷媒とを熱交換させる熱源側熱交換器と、
    前記熱源サイクル冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記熱源サイクル冷媒の圧力を減少させる減圧部と、
    前記熱源サイクル冷媒と、前記熱源サイクル冷媒に直接接触する搬送冷媒とを熱交換させる直接接触熱交換器と、
    熱負荷と前記搬送冷媒とを熱交換させる熱負荷側熱交換器と、
    前記直接接触熱交換器から前記熱負荷側熱交換器に向けて前記搬送冷媒を圧送するポンプと、
    前記直接接触熱交換器から前記ポンプへと向かう前記搬送冷媒と、前記搬送冷媒に混入した前記熱源サイクル冷媒とを受け入れて気液分離させる気液分離器と、を備える、
    ことを特徴とする冷媒システム。
  2. 前記気液分離器を経て前記ポンプへと向かう前記搬送冷媒が通過する狭隘な開口を有する気泡破壊部を備える、
    請求項1に記載の冷媒システム。
  3. 前記気液分離器において前記搬送冷媒から分離した前記熱源サイクル冷媒の気相を前記熱負荷側熱交換器の出口側へと流出させる気相流出経路と、
    前記熱負荷側熱交換器の前記出口側に位置し、絞りまたは弁である圧力損失付与部と、を備える、
    請求項1または2に記載の冷媒システム。
  4. 前記熱負荷側熱交換器が備わる室内機と、
    前記熱源側熱交換器、前記圧縮機、および前記直接接触熱交換器が備わる室外機と、
    前記室内機および前記室外機を結び、前記ポンプ、前記気液分離器、および前記圧力損失付与部が備わる内外接続配管と、を有する、
    請求項3に記載の冷媒システム。
  5. 前記熱源側熱交換器を経た前記熱源サイクル冷媒と、前記圧縮機へと吸入される前記熱源サイクル冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の冷媒システム。
  6. 前記減圧部は、前記熱源サイクル冷媒の減圧範囲の少なくとも一部を受け持ち、前記直接接触熱交換器を経た前記搬送冷媒と前記熱源サイクル冷媒との気液二相流の圧力を減少させる直接接触後減圧部を有する、
    請求項5に記載の冷媒システム。
  7. 前記直接接触熱交換器は、
    前記圧縮機、前記減圧部、前記熱源側熱交換器、および前記直接接触熱交換器を含んで構成された熱源サイクルにおいて蒸発器として機能し、
    前記直接接触熱交換器を経た前記搬送冷媒が前記熱負荷の冷却に供される、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の冷媒システム。
  8. 前記圧縮機から吐出された前記熱源サイクル冷媒が前記直接接触熱交換器へと流入する向きと、前記直接接触熱交換器から流出した前記熱源サイクル冷媒が前記圧縮機へと吸入される向きとに前記熱源サイクル冷媒の流れの向きを切り替え可能な方向切替弁を備え、
    前記熱源サイクル冷媒の流れの向きに応じて、前記直接接触熱交換器を経た前記搬送冷媒が、前記熱負荷の冷却または加熱に供される、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の冷媒システム。
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