JP2019044603A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置と該バルブタイミング制御装置に用いられる固定部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の機種変更に応じてボディのみを変更するだけで対応でき、製造コストの高騰を抑制し得るバルブタイミング制御装置である。【解決手段】タイミングスプロケット1と従動部材(カムシャフト2)を、モータ出力軸の回転によって相対回転位相を変更する電動モータ12と、固定支持体28aや、外部電源と接続可能な端子を有する給電用、信号用コネクタ33,34と、を備えたコネクタ構成体28と、コネクタ構成体が着脱可能に固定されるボディ本体27aと、ボディ本体の外周縁からコネクタ構成体の外側に突出した複数の第1ボス部27bと、を有し、この第1ボス部がチェーンケース22に当接して固定されるボディ27と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば吸気弁や排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置と該バルブタイミング制御装置に用いられる固定部材に関する。
内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、以下の特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1に記載されたバルブタイミング制御装置は、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、該駆動回転体に一体に設けられた電動モータと、該電動モータに軸方向から対向して配置されたカバー部材と、前記電動モータのモータ出力軸とカバー部材との間に設けられ、前記モータ出力軸の回転角度を検出する電磁誘導型の回転角検出機構と、を備えている。
そして、前記カバー部材は、主として合成樹脂材によって成形され、電源用のコネクタや、内燃機関(チェーンケース)への固定用のボルトが挿入される複数のボルト孔及び前記回転角検出機構の回路基板の取付部が一体的に設けられている。
しかしながら、特許文献1のバルブタイミング制御装置にあっては、前記カバー部材は、電源用のコネクタと、固定用の複数のボルト孔及び前記回転角検出機構の回路基板の取付部が一体的に設けられている。このため、カバー部材が取り付けられる内燃機関の機種などが異なればカバー部材の取り付け位置も異なる。このため、前記各ボルト孔の配置をその都度変更すると共に、コネクタなどの他の部品も再度設計し直して製造しなければならない。この結果、製造コストの高騰が余儀なくされている。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、内燃機関の機種変更に応じてボディのみを変更するだけで対応でき、製造コストの高騰を抑制し得る内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを一つの目的としている。
本願請求項1に記載の発明は、とりわけ、電動モータの制御に用いられる回路基板が固定される固定支持体と、外部電源と接続可能な端子を有するコネクタと、を備え、カムシャフトの回転軸上に配置されるコネクタ構成体と、
前記コネクタ構成体が固定されるボディ本体と、前記ボディ本体の外周縁から前記カムシャフトの回転軸心の径方向において外方へ突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に固定されるボディと、
を備えていることを特徴としている。
前記コネクタ構成体が固定されるボディ本体と、前記ボディ本体の外周縁から前記カムシャフトの回転軸心の径方向において外方へ突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に固定されるボディと、
を備えていることを特徴としている。
本発明の好ましい態様によれば、ボディの互換性機能によって製造コストの低減化が図れる。
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置及び該バルブタイミング制御装置のカバー部材の実施形態を図面に基づいて詳述する。本実施形態では、バルブタイミング制御装置を吸気側に適用したものを示しているが、排気側に適用することも可能である。
〔第1実施形態〕
図1は第1実施形態におけるバルブタイミング制御装置の縦断面図、図2は本実施形態に供される主要な構成部材を示す分解斜視図、図3は図1のA−A線断面図である。
〔第1実施形態〕
図1は第1実施形態におけるバルブタイミング制御装置の縦断面図、図2は本実施形態に供される主要な構成部材を示す分解斜視図、図3は図1のA−A線断面図である。
バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、駆動回転体であるタイミングスプロケット1と、シリンダヘッド01上に軸受02を介して回転自在に支持されたカムシャフト2と、タイミングスプロケット1とカムシャフト2との間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構3と、該位相変更機構3の前端に配置された固定部材であるカバー部材4と、を備えている。
タイミングスプロケット1は、全体が鉄系金属によって環状一体に形成されており、円環状に形成されたスプロケット本体1aと、該スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回された図外のタイミングチェーンを介して内燃機関のクランクシャフトからの回転力を受ける歯車部1bと、を備えている。
また、タイミングスプロケット1の前方側には、内燃機関のシリンダブロックとシリンダヘッドに結合されたチェーンケース22が設けられている。このチェーンケース22は、本実施形態では内燃機関の一部になっている。このチェーンケース22については、さらに後述する。
スプロケット本体1aの前端側には、後述の減速機構13の一部を構成する内歯構成部5が一体に設けられている。この内歯構成部5は、スプロケット本体1aの外周に一体に設けられ、位相変更機構3方向へ延出した円筒状に形成されて、内周には波形状の複数の内歯5aが形成されている。また、この内歯構成部5の軸方向の外端面には、後述する電動モータ12のモータハウジング14が前記各ボルト7を介して軸方向から結合されている。
スプロケット本体1aとカムシャフト2の軸方向の一端部2aに固定された後述する従動回転体である従動部材9との間には、1つの大径ボールベアリング6が介装されている。この大径ボールベアリング6は、タイミングスプロケット1を従動部材9(カムシャフト2)の外周に相対回転自在に軸受けしている。
さらに、スプロケット本体1aの内歯構成部5と反対側の後端面には、保持プレート8が固定されている。この保持プレート8は、図1及び図2に示すように、金属板材によって円環状に形成され、外径がスプロケット本体1aの外径とほぼ同一に設定されている。また保持プレート8は、中央に有する中央孔8aの内径が大径ボールベアリング6の外輪6aの内径よりも小さく形成されて、内周部の内側面が外輪6aの軸方向の他端面に微小隙間を介して軸方向から対峙している。
また、保持プレート8の中央孔8aの内周縁所定位置には、径方向内側、つまり中心軸方向に向かって突出したストッパ凸部8bが一体に設けられている。このストッパ凸部8bは、ほぼ逆台形状に形成されて、先端面8cが後述するアダプタ11のストッパ凹溝11cの円弧状内周面に沿った円弧状に形成されている。
内歯構成部5を含むスプロケット本体1aと保持プレート8の各外周部には、複数(本実施形態では6本)のボルト7が挿通する6つのボルト挿通孔1c、8dが周方向のほぼ等間隔位置に貫通形成されている。
カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有している。また、カムシャフト2は、軸方向の一端部2aにアダプタ11を介して従動部材9がカムボルト10によって軸方向から共締め固定されている。なお、従動部材9とアダプタ11とによって従動回転体が構成されている。
従動部材9は、鉄系金属によって一体に形成され、図1及び図2に示すように、後端側(カムシャフト2側)に形成された円板状の固定端部9aと、該固定端部9aの内周前端面から軸方向へ突出した円筒部9bと、から主として構成されている。
固定端部9aは、外側面がカムシャフト2の一端部2aの前端面側に対向配置され、この外側面のほぼ中央位置に前記アダプタ11の後述する凸状の内周部11bが嵌合する嵌合溝9dが形成されている。
円筒部9bは、図1に示すように、固定端部9aを含む内部軸心方向にカムボルト10の軸部10bが挿通されるボルト挿通孔9cを有している。また、円筒部9bの外周側には、後述する小径ボールベアリング35とニードルベアリング36が軸方向に並列に設けられている。
カムボルト10は、図1に示すように、頭部10aの軸方向端面が小径ボールベアリング35の内輪を軸方向から支持している。また、軸部10bの外周には、カムシャフト2の端部から内部軸方向に形成された雌ねじ2cに螺着する雄ねじ10cが形成されている。
アダプタ11は、図1、図2に示すように、一定の肉厚を有する円盤状の金属板をプレス成形によって縦断面ほぼクランク状に折曲形成されており、フランジ状の外周部11aと、電動モータ12方向へ突出した有底円筒状の内周部11bと、から構成されている。
外周部11aは、外径が従動部材9の固定端部9aの外径よりも僅かに大きく形成されている。そして、電動モータ12側の内側面の外周側が、大径ボールベアリング6の内輪6bの軸方向他端面に当接して軸方向外側への移動を規制するようになっている。
外周部11aは、外周面に保持プレート8のストッパ凸部8bが係入するストッパ凹溝11cが円周方向に沿って形成されている。このストッパ凹溝11cは、円周方向へ所定長さの円弧状に形成されている。このストッパ凹溝11c円弧状の長さ範囲で回動したストッパ凸部8bの両側面8e、8fが、周方向の対向面にそれぞれ当接するようになっている。これによって、タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の最大進角側、あるいは最大遅角側の相対回転位置を機械的に規制するようになっている。
内周部11bは、電動モータ12側に突出した有底円筒状の凸状に形成され、反対側の凹溝にカムシャフト2の一端部2aが軸方向から嵌合している共に、中央位置には前記カムボルト10の軸部10bが挿通する挿通孔11dが貫通形成されている。
内周部11bは、従動部材9の固定端部9aの嵌合溝9d内に軸方向から圧入によって嵌合している。内周部11bは、嵌合溝9f内に嵌合した状態でカムボルト10によってカムシャフト2の一端部2aと従動部材9の固定端部9aとの間に挟持状態に結合されている。
位相変更機構3は、図1〜図3に示すように、従動部材9の円筒部9bの前端側に配置された電動モータ12と、該電動モータ12の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する減速機構13と、から主として構成されている。
電動モータ12は、ブラシ付きのDCモータであって、タイミングスプロケット1と一体に回転するモータハウジング14と、該モータハウジング14の内部に回転自在に設けられたモータ出力軸15と、モータハウジング14の内周面に固着された円弧状の4つの永久磁石16と、モータハウジング14の前端部に固定された給電プレート17と、を備えている。
モータハウジング14は、鉄系金属材をプレス成形によって有底円筒状に形成されて、外径が前記スプロケット本体1aの外径と同じく比較的小径に形成されている。また、モータハウジング14の後端側(タイミングスプロケット1側)には、円板状の底壁としての仕切壁14aが一体に形成されている。
仕切壁14aは、ほぼ中央に有する円筒状の延出部の内周にモータ出力軸15及び偏心軸部37が挿通される大径な軸挿通孔14bが形成されている。また、仕切壁14aの外周部には、各ボルト挿通孔1c、8dと対応した位置に、6つの雌ねじ孔14cが周方向の等間隔位置に形成されている。
モータ出力軸15は、段差円筒状に形成されて、軸方向のほぼ中央位置に形成された段差部を介してカムシャフト2側の大径部15aと、カバー部材4側の小径部15bと、から構成されている。大径部15aは、外周に鉄心ロータ18が固定されていると共に、軸方向の後端面に減速機構13の一部を構成する偏心カムである偏心軸部37が一体に結合されている。一方、小径部15bは、外周に整流子であるコミュテータ20が固定されている。
このコミュテータ20は、導電材によって円環状に形成されて、小径部15bの外周面に圧入された非導電性の円環部材20aの外周に設けられている。また、コミュテータ20は、鉄心ロータ18の極数と同数に分割された各セグメントに後述のコイル19の引き出されたコイル線の端末が電気的に接続されている。
鉄心ロータ18は、複数の磁極を持つ磁性材によって形成され、外周側がコイル19のコイル線を巻回させるスロットを有するボビンとして構成されている。この鉄心ロータ18は、内周部がモータ出力軸15の段差部外周に軸方向へ位置決めされつつ固定されている。
各永久磁石16は、円周方向に所定隙間をもって配設されて全体が円筒状に形成され、円周方向に複数の磁極を有している。
給電プレート17は、図1及び図2に示すように、鉄系金属材からなる円盤状の金属プレート部17aと、該金属プレート部17aの前後両側面にモールドされた円板状の樹脂部17bと、から構成されている。
金属プレート部17aは、露出した外周部がモータハウジング14の前端部内周に形成された円環状の段差状の凹溝にカシメによって位置決め固定されている。また、中央部には、モータ出力軸15の小径部15bなどが挿通される軸挿通孔が貫通形成されている。
給電プレート17には、樹脂部17bの前端部に複数のリベットにより固定された銅製筒状の4つのブラシホルダ23a〜23dと、該各ブラシホルダ23a〜23dの内部に径方向に沿って摺動自在に収容配置されて、コイルスプリング24a〜24dのばね力で円弧状の各先端面がコミュテータ20の外周面に径方向から弾接する複数(本実施形態では4つ)の切換用ブラシ25a〜25dと、樹脂部17bの前端部側にモールド固定され、径方向において内外二重の給電用スリップリング26a,26bと、各切換用ブラシ25a、25bと各スリップリング26a,26bを電気的に接続する図外のハーネスと、が設けられている。
各給電用スリップリング26a、26bは、導電材によってそれぞれ円環状に形成されて、互いに径方向の所定の隙間をもって内外二重に離間して配置されている。また、それぞれの内外周縁の円周方向のほぼ等間隔位置には、複数形成された突片26c、26dが樹脂部17bに埋設されることによって固定されている。
モータ出力軸15と偏心軸部37は、カムボルト10の軸部10bの外周面に設けられた小径ボールベアリング35と、円筒部9bの外周面に設けられて小径ボールベアリング35の軸方向側部に配置されたニードルベアリング36とによって回転自在に支持されている。
また、大径部15aの外周面とモータハウジング14の延出部の内周面との間には、減速機構13の内部から電動モータ12内への潤滑油のリークを阻止する小径なオイルシール38が設けられている。このオイルシール38は、電動モータ12と減速機構13との間をシールするように隔成するものである。
図4は本実施形態に供されるカバー部材4の分解斜視図、図5は蓋部を外して示すカバー部材の平面図、図6はカバー部材の縦断面、図7はカバー部材の外側から視た斜視図、図8はカバー部材を内側から視た斜視図である。
カバー部材4は、ボディ27と、該ボディ27の内側に固定されるコネクタ構成体28と、該コネクタ構成体28の外面全体を覆いつつボディ27に固定される蓋部29と、を備えている。
ボディ27は、円環状に形成されたボディ本体27aと、該ボディ本体27aの外周面から径方向外側に突出した複数(本実施形態では4つ)の固定部である円弧状の第1ボス部27bと、を有している。
ボディ本体27aは、例えば導電性を有する金属材であるアルミニウム合金材によって一体に成形され、内側に大径孔27cが形成されている。また、ボディ本体27aは、大径孔27cの内周側でかつ蓋部29側の上面に複数(本実施形態では3つ)の第2ボス部27dが一体に設けられている。
この各第2ボス部27dは、円周方向のほぼ等間隔位置に設けられて、それぞれが図4中の上方側へ突出して台座状に形成されている。また、ほぼ三角形状に形成された2つのボス部27d、27dは、先端部が大径孔27cの内側に臨んで設けられている。また、他の1つのボス部27dは、ほぼ円柱状に形成されている。この3つの第2ボス部27dには、コネクタ構成体28を固定する3本のビス47が螺着する雌ねじ孔27eがそれぞれ形成されている。
各第1ボス部27bは、4本のボルト49によってチェーンケース22に当接しつつ固定されるもので、それぞれの中央に前記各ボルト49が挿入するボルト挿入孔27fがそれぞれ貫通形成されている。また、各第1ボス部27bは、蓋部29側の上面に各ボルト49の頭部下面が着座する着座面27gがそれぞれ形成されている。
また、ボディ本体27aは、図4中の上面、つまりコネクタ構成体28側の一方端面に円環状の第1シール溝27hが形成されている。この第1シール溝27hは、蓋部29の外周部全体が嵌り込んで、ここに充填された接着剤としての機能を有する第1シール材である液体ガスケット48aによって蓋部29が固定されるようになっている。
ボディ本体27aは、図8にも示すように、カムシャフト2側の他端面に、第2シール材であるシールリング48b(Oリング)が嵌入固定される円環状の第2シール溝27iが形成されている。
さらに、ボディ本体27aは、図1にも示すように、内周面27jの内径が後述するモータハウジング14の先端部外径よりも大きく形成されている。そして、ボディ27をチェーンケース22に組付固定した状態では、モータハウジング14の先端部がボディ本体27aの内部に収容配置されている。
コネクタ構成体28は、図4及び図5にも示すように、合成樹脂材によってほぼ円盤状に形成され、各スリップリング26a、26bと軸方向から対向する位置に一対の四角筒状のブラシホルダ30a、30bが軸方向に沿って固定されている。この各ブラシホルダ30a、30bは、導電材である銅材によって成形され、各スリップリング26a、26bに対応して内外の位置でかつ周方向へ離間して配置されている。
すなわち、一対のブラシホルダ30a、30bは、図5に示すように、コネクタ構成体28の上部側でかつ軸心Pを通る垂線Qを中心とした左右位置に所定の距離をもって円周方向及び径方向へ互いに離間して配置されている。
また、各ブラシホルダ30a、30bは、内部に一対の給電用ブラシ31a、31bが軸方向へ摺動自在に保持されている。
この各給電用ブラシ31a、31bは、各ブラシホルダ30a、30bの先端側から突出した各先端部の先端面が各スリップリング26a、26bに軸方向から当接するようになっている。
また、各給電用ブラシ31a、31bは、一般的なカーボンブラシであって、外形が各ブラシホルダ30a、30bの内部の断面形状に倣って断面四角形状に形成されている。各給電用ブラシ31a、31bは、前述した各ブラシホルダ30a、30bの形成位置に対応して互いに周方向へ離間した位置に配置されている。つまり、第1、第2給電用ブラシ31a、31bは、互いにコネクタ構成体28の周方向で離間配置されていると共に、重力方向で重ならない位置に配置されている。
これにより、各給電用ブラシ31a、31bの断面四角形状の外面のうち、タイミングスプロケット1(電動モータ12)の回転方向と反対側に位置するそれぞれの一側面31c、31dが互いに周方向で離間していると共に、前記垂線Q上を避けつつ重力方向で重ならない位置に配置されている。
また、コネクタ構成体28は、図1、図4及び図6に示すように、固定支持体28aが合成樹脂材によってほぼ円盤状に形成されている。この固定支持体28aは、外周部のボディ本体27aの3つの第2ボス部27dに対応した位置に3つの段差ボス部28bが一体に設けられている。この各段差ボス部28bは、ボディ本体27a側の図中下側に凹部28cが形成された上げ底状に形成されていると共に、中央には各ビス47が挿入される挿入孔28dがそれぞれ貫通形成されている。
各凹部28cは、ボディ本体27aの各第2ボス部27dが嵌り込んで、ボディ本体27aに対してコネクタ構成体28を位置決めするようになっている。
また、コネクタ構成体28は、図8にも示すように、ほぼ中央位置にボディ本体27aの大径孔27cに臨む窓孔44が貫通形成されている。この窓孔44は、円形状に形成されて、内径が後述する被検出部51の先端部51bの外径よりも大きく形成されて、先端部51bが嵌入可能に形成されている。
また、この窓孔44は、モータ出力軸15側の孔縁に大径溝44aが形成されている。この大径溝44aは、カバー部材4を電動モータ12の前端側に組み付けた際に、後述する被検出部51のフランジ部51cが嵌入する逃げ部として機能するようになっている。
さらに、コネクタ構成体28は、図5に示すように、蓋部29側の外端面のほぼ中央位置に矩形状の凹溝45が形成されている。また、この凹溝45は、側方位置と上方位置に離間して形成された矩形状の2つの収容溝45a、45bの内部に各給電用ブラシ31a、31bをスリップリング26a、26b方向へ付勢する付勢部材であるの一対の捩りコイルばね32a、32bが収容されている。
凹溝45は、異形状に形成されて、窓孔44に位置する一端部側から後述する各コネクタ33,34側へ径方向に沿って延出している。また、この凹溝45は、後述する電磁ノイズ抑制機構64、64を収容するために窓孔44から横方向の一方側にも延出形成されている。
各捩りコイルばね32a、32bは、図5に示すように、収容溝45a、45b内に固定された支持部43a、43bによって支持されている。また、各捩りコイルばね32a、32bは、各巻き線部から延びた各一端部が各給電用ブラシ31a、31bの後端面に弾接している。一方、各他端部32c、32dが、各収容溝45a、45bの底面に係止して付勢力を付与している。外側の捩りコイルばね32aの他端部32cは、コネクタ構成体28の内周側に位置しているのに対して、内側の捩りコイルばね32bの他端部32dは、コネクタ構成体28の外周側に位置している。
さらに、各捩りコイルばね32a、32bは、互いに周方向へ離間した位置に配置されており、径方向では互いに重ならない位置となっている。
また、コネクタ構成体28は、固定支持体28aの外周部に図4,図5、図7,図8に示すように、各給電用ブラシ31a、31bに図外のコントロールユニットを介して電源バッテリーから電流を供給する給電用コネクタ33が一体に設けられている。また、この給電用コネクタ33の側部には、回転角度信号をコントロールユニットに出力する信号用コネクタ34が給電用コネクタ33と並行かつ径方向に沿って突設されている。コネクタ構成体28の内部には、2つの給電用ブラシ31a、31bと給電用コネクタ33とを接続する導電体である一対の第1、第2バスバー58,59が設けられている。
給電用コネクタ33と信号用コネクタ34は、固定支持体28aから延びた互いの基端部33aが一体に結合されていると共に、該基端部33aの外周面に環状のフランジ壁33bが一体に設けられている。
給電用ブラシ31a、31bや給電用コネクタ33及び第1、第2バスバー58,59によって給電機構が構成されている。
また、各バスバー58,59のそれぞれの途中には、図4,図5に示すように、一対の電磁ノイズ抑制機構64、64が設けられている。
該各バスバー58,59は、それぞれ給電用ブラシ31a、31bと電磁ノイズ抑制機構64、64とを接続する第1端子片60、61と、電磁ノイズ抑制機構64、64と外部のバッテリー電源を接続する第2端子片62,63と、を備えている。
各第1端子片60、61は、露出した各一端部60a、61aが各ピグテールハーネス46a、46bを介して第1、第2給電用ブラシ31a、31bの後端部に接続されている。第1端子片60,61の各他端部60b、61bは、固定支持体28aから上方へほぼ垂直に立ち上がってL字形状に折曲形成されている。ここで上方とは、電動モータ12の回転軸であるモータ出力軸15の回転軸心Xに沿った方向であって、コネクタ構成体28よりもカムシャフト2の反対側を指す。換言すれば、上方とは、コネクタ構成体28に対して垂直に限定されず、電磁ノイズ抑制機構64、64のインダクタンス・コイル65、65が設置されている側の側面から離れる方向であれば良い。
第2端子片62,63は、各一端部62a、63aが給電用コネクタ33の内部に並行に突設されて、コントロールユニット側の図外の雌コネクタ端子に接続されるようになっている。一方、各他端部62b、63bは、電磁ノイズ抑制機構64、64の下側に露出状態で並行に配置され、先端部がコネクタ構成体28から上方へ垂直に立ち上がってL字形状に折曲形成されている。
2つの電磁ノイズ抑制機構64、64は、通電されることによって周囲に磁場を発生させる2つのコイルであるインダクタンス・コイル65、65と、容量性素子である2つのコンデンサ66、66と、ボディ本体27aを介して機関のグランド(チェーンケース22)に電気的に接続されたグランド端子67と、から構成されている。
各インダクタンス・コイル65、65は、所定の隙間をもって並行に配置されて、それぞれが円柱状の鉄心の外周にコイル部が巻回されている。この各コイル部は、軸線状の両端部に有する一端側のアーム端子と他端側のアーム端子の各先端部が、軸方向に延びる各基端部から上方へ垂直に立ち上がってL字形状に折曲形成されている。この各アーム端子が、前記各第1端子片60、61の各他端部60b、61bの外側面に当接配置されている。また、各他端側のアーム端子も各第2端子片62,63の立ち上がり他端部の一側面に当接配置されている。換言すれば、第1端子片60,61の各他端部と第2端子片62,63の他端部62b、63bが、コイル部の両端部の基部の軸線に沿って横方向から当接配置されている。また、このようにそれぞれが当接配置された状態でTIG溶接法によって接合されている。
2つのコンデンサ66、66は、2つのインダクタンス・コイル65、65の図中の上方位置に僅かな隙間をもって並行に配置され、それぞれの図中下部にそれぞれ2本のリード端子66a、66bが二股状に延出している。この各2本のリード端子66a、66bは、それぞれが短くかつ同じ長さに形成されている。外側に位置する各一方側のリード端子66a、66aは、先端が上方へ立ち上がるようにL字形状に折曲形成され、第1端子片60、61の他端部60b、61bの内側面に各コイル部の一端側アーム端子と一緒に溶接により接合されている。
したがって、第1端子片60,61の他端部60b、61bは、前記各コイル部の一端側アーム端子と各コンデンサ66の一方側のリード端子66a、66aに挟持された状態で、三者が一体的にTIG溶接法により接合されている。一方、内側に位置する各他方側のリード端子66b、66bは、グランド端子67の両側に同じくTIG溶接法によって接合されている。
グランド端子67は、導電材である例えば銅材によって平板状に形成されている。また、このグランド端子67は、コネクタ構成体28の内部に配設された図外の導線を介してボディ本体27aに電気的に接続され、ここから、チェーンケース22を介してシリンダヘッド01に電気的に接続されている。また、このグランド端子67には、各コンデンサ66の他方側のリード端子66b、66bが溶接などによって接続されている。
信号用コネクタ34は、コネクタ構成体28内に埋設された各一端部の露出した各端子片が後述する角度センサ50のプリント基板55の集積回路56に電気的に接続されていると共に、外部に露出した他端部がコントロールユニット側の図外の雌コネクタ端子に接続されている。
蓋部29は、図1及び図4、図6、図8に示すように、合成樹脂材によって第1シール溝27hの形状に沿った異形状の深皿プレート状に形成されて、蓋本体29aと、該蓋本体29aの外周縁に一体に有する円筒壁29bと、を備えている。
蓋本体29aは、上壁の外周側の各ビス47の配設位置に内側凹状の3つの円形突部29cが形成されている。また、蓋本体29aは、同じく上壁の各捩りコイルばね32a、32bの形成領域に内側凹状の2つの矩形突部29dが形成されている。
各円形突部29cと各矩形突部29dは、蓋部29をボディ27に組み付けた際に、対応する内側凹部内に3つのビス47の頭部と各捩りコイルばね32a、32bを吸収するようになっている。これによって、蓋部29の薄型化を図っている。
円筒壁29bは、図1及び図4、図7に示すように、蓋本体29aと反対側、つまり、コネクタ構成体28側の周縁部29eがボディ本体27aの第1シール溝27h内に嵌り込むようになっている。また、円筒壁29bは、周縁部29eよりも蓋本体29a側の位置にフランジ部29fが一体に形成されている。このフランジ部29fは、円筒壁29bの下部外周面からほぼ水平方向に突出されて、その幅長さが第1シール溝27hの幅長さよりも大きく形成されている。これによって、周縁部29eが第1シール溝27hに入り込んだ際、フランジ部29fがその最大挿入位置を規制するようになっている。
そして、ボディ27に対してコネクタ構成体28を各ビス47によって組み付けた後に、蓋部29をコネクタ構成体28に被せて、周縁部29eを第1シール溝27h内に嵌め込む。この際に、第1シール溝27hには、予め液体ガスケット48aが充填されており、この液体ガスケット48aは、シール機能の他に接着剤としての機能も有している。このため、第1シール溝27h内に嵌め込まれた周縁部29eがボディ本体27aに接着固定されるようになっている。このとき、フランジ部29fは、第1シール溝27hからはみ出した液体ガスケットを下面で堰き止める。これによって、フランジ部29fと第1シール溝27hの周縁も接着されるようになっている。
また、周縁部29eは、各コネクタ33,34の結合された基端部33aのフランジ壁33b付近に凹状壁29gが形成されている。この凹状壁29gは、図1に示すように、円筒壁29bの周方向に沿ったほぼ直線の鍔状に形成されて、蓋部29をコネクタ構成体28に被せた際に、先端縁がフランジ壁33bの内側面に当接して位置決めされるようになっている。また、この基端部33aの両側面及び上面と該各面に当接する凹状壁29gの下面との間に、液体ガスケット48aが充填されて、この部位もシールされると共に強固に接着されるようになっている。
そして、モータ出力軸15の小径部15bとコネクタ構成体28との間には、モータ出力軸15の回転角度位置を検出する回転角検出機構である角度センサ50が設けられている。
この角度センサ50は、電磁誘導型であって、図1及び図2、図5に示すように、モータ出力軸15の小径部15b内に固定された被検出部51と、コネクタ構成体28のほぼ中央位置に固定されて、被検出部51からの検出信号を受信する検出回路52と、から構成されている。
被検出部51は、図1及び図2に示すように、合成樹脂材からなるほぼ有底円筒状の支持部51aと、該支持部51aの軸方向の先端部51bの先端面に固定された複数(本実施形態では3つ)の被検出ロータ53と、を有している。支持部51aの後端部外周には、モータ出力軸15の小径部15bの内部に圧入される円環状のフランジ部51cが一体に設けられている。
また、支持部51aは、フランジ部51cよりも後端側の軸方向のほぼ中央位置の外周に形成された環状シール溝にオイルシール54が嵌着固定されている。このオイルシール54は、支持部51aの後端部がモータ出力軸15の小径部15b内に挿入された状態で、小径部15bの内周面と先端部51b側との間をシールするようになっている。
被検出ロータ53は、励起導体によって形成されて、先端部51bの前端面にオーム形状の3つの部位が円周方向の120°位置に先端部51bの前端面から露出した状態でモールド固定されている。また、各被検出ロータ53は、全体の外径が支持部51aの先端部51bの外径とほぼ同じに形成されていると共に樹脂の内部で互いに円周方向で連結している。
フランジ部51cは、支持部51aと同じく絶縁材の合成樹脂材によって一体に形成され、その外径がモータ出力軸15の小径部15bの外径よりも大きく形成されている。このフランジ部51cは、支持部51aの後端部が小径部15bの内部に最大に挿入された際に、内側面が小径部15bの先端縁に軸方向から当接してそれ以上の挿入を規制するようになっている。
また、支持部51aは、円環状のフランジ部51cを介してモータ出力軸15の小径部15bの先端から突出した先端部51bの一部が、コネクタ構成体28の窓孔44内に挿入配置されている。これによって、被検出ロータ53が、窓孔44を介して検出回路52の後述するプリント基板55の受信コイルと励磁回路に軸方向から微少クリアランスを介して対向配置されている。
検出回路52は、図1及び図5に示すように、コネクタ構成体28の凹溝45の内部に収容固定されたほぼ長方形状の回路基板であるプリント基板55と、該プリント基板55の長手方向の一端部外面に設けられた3つの集積回路(ASIC)56と、該集積回路56と同じ外面の他端部側に設けられた図外の受信コイル及び励磁コイルと、を備えている。
プリント基板55は、受信コイルと励磁コイルが設けられた長手方向の他端部の両角部と、集積回路56側の中央位置の3箇所で突起部57や孔によって位置決めされながら凹溝45の底面に接着剤などによって固定されている。
また、プリント基板55の受信、励磁コイルは、窓孔44を介して被検出ロータ53と軸方向から微小クリアランスを介して直接的に対峙している。なお、プリント基板55は、前記センサ基板の他に、電動モータ12を制御する制御基板の2つの基板を含むように構成することも可能である。
そして、検出部52は、受信コイル及び励磁コイルと、被検出ロータ53と受信コイルとの間のインダクタンスの変化を検出してモータ出力軸15の回転角度を前記集積回路56が検出するようになっている。つまり、励磁コイルと被検出ロータ53との間に流れた誘導電流によって集積回路56がモータ出力軸15の回転角度位置を検出し、この情報信号をコントロールユニットに出力するようになっている。
コントロールユニットは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサ、さらに角度センサ50など各種のセンサ類からの情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出し、これに基づいて機関制御を行っている。また、前記各情報信号に基づいて、給電用ブラシ31a、31bや各スリップリング26a,26b、などを介してコイル19に通電してモータ出力軸15の回転制御を行い、減速機構13によってカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
減速機構13は、図1〜図3に示すように、偏心回転運動を行う偏心軸部37と、該偏心軸部37の外周に設けられた中径ボールベアリング39と、該中径ボールベアリング39の外周に設けられ、内歯構成部5の各内歯5a内に転動自在に保持されたローラ40と、該ローラ40を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する保持器41と、該保持器41と一体の従動部材9と、から主として構成されている。
偏心軸部37は、モータ出力軸15の大径部15aに回転軸方向から一体に設けられた円筒状に形成されている。また、偏心軸部37は、外周面に形成されたカム面37aの回転軸心Yがモータ出力軸15の回転軸心Xから径方向へ僅かに偏心している。
中径ボールベアリング39は、ニードルベアリング36の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置されている。また、この中径ボールベアリング39は、内輪39aと、外輪39b、該両輪39a、39bとの間に介装されたボール39cと、該ボール39cを保持する図外のケージと、から構成されている。
内輪39aは、偏心軸部37の外周面に圧入固定されているのに対して、外輪39bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。つまり、この外輪39bは、軸方向の電動モータ12側の一端面がどの部位にも接触せず、また軸方向の他端面がこれに対向する保持器41の背面との間に形成された微小なクリアランスを介してフリーな状態になっている。
外輪39bは、外周面に各ローラ40の外周面が転動自在に当接している。また、外輪39bの外周面と保持器41のローラ保持部41bの内面との間に、円環状のクリアランスが形成され、このクリアランスを介して中径ボールベアリング39全体が偏心軸部37の偏心回転に伴って径方向へ偏心動可能になっている。
保持器41は、固定端部9aの外周部に一体に設けられている。この保持器41は、固定端部9aの外周部前端から前方へ断面ほぼL字形状に折曲形成されて、固定端部9aの外周部前端側に径方向に沿って延出した円環状の伝達基部41aと、該伝達基部41aの外端からほぼ軸直角方向へ延出した円筒状のローラ保持部41bと、から主として構成されている。
ローラ保持部41bは、先端部が内歯構成部5やモータハウジング14の仕切壁14aなどによって仕切られた円環凹状の収容空間を介して仕切壁14a方向へ延出している。ローラ保持部41bは、周方向のほぼ等間隔位置に複数のローラ40をそれぞれ転動自在に保持するほぼ長方形状の複数のローラ保持孔41cが形成されている。このローラ保持孔41cは、先端部側が閉塞されて前後方向に細長い長方形状に形成され、その全体の数(ローラ40の数)が内歯構成部5の内歯5aの全体の歯数よりも少なくなっており、これによって、所定の減速比を得るようになっている。
各ローラ40は、鉄系金属によって形成され、中径ボールベアリング39の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ内歯構成部5の内歯5aに嵌入している、また各ローラ40は、保持器41のローラ保持孔41cの両側縁によって周方向にガイドされつつ径方向へ揺動運動するようになっている。
前述したチェーンケース22は、例えば導電性のアルミニウム合金材によって一体に形成されている。このチェーンケース22は、シリンダヘッド01とシリンダブロックの前端側にタイミングスプロケット1に巻回されたタイミングチェーン全体を覆うように上下方向に沿って配置固定されている。このチェーンケース22の前端部22aには、ボディ本体27aの4つのボルト挿入孔27fに挿入する4本のボルト49の雄ねじ部49aが螺着する図外の4つの雌ねじ孔が形成されている。
また、チェーンケース22は、カバー部材4側の前端部22aに段差凹部22bが形成されている。この段差凹部22bには、ボディ本体27aの外周部がカムシャフト2の軸方向から嵌り込んでいる。また、この段差凹部22bは、底面にボディ本体27aに設けられたシールリング48bが弾接して、両者間をシールしている。
さらに、チェーンケース22の内周面とモータハウジング14の外周面との間には、オイルシール42が介装されている。このオイルシール42は、チェーンケース22の内周面とモータハウジング14の外周面との間をシールして、外部で飛散した潤滑油がモータハウジング14内へ浸入するのを阻止するようになっている。
〔本実施形態の作動〕
以下、本実施形態におけるバルブタイミング制御装置の作動について簡単に説明すると、まず、機関のクランクシャフトの回転駆動に伴ってタイミングチェーンを介してタイミングスプロケット1が回転し、その回転力が内歯構成部5を介してモータハウジング14に伝達されて、該モータハウジング14が同期回転する。一方、前記内歯構成部5の回転力が、各ローラ40から保持器41及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
〔本実施形態の作動〕
以下、本実施形態におけるバルブタイミング制御装置の作動について簡単に説明すると、まず、機関のクランクシャフトの回転駆動に伴ってタイミングチェーンを介してタイミングスプロケット1が回転し、その回転力が内歯構成部5を介してモータハウジング14に伝達されて、該モータハウジング14が同期回転する。一方、前記内歯構成部5の回転力が、各ローラ40から保持器41及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
機関始動後の所定の機関運転時には、前記コントロールユニットからの制御電流が給電用ブラシ31a、31bや各スリップリング26a,26bなどを介して電動モータ12のコイル19に通電されてモータ出力軸15が回転駆動され、この回転力が減速機構13を介してカムシャフト2に対し減速された回転力が伝達される。
これにより、カムシャフト2がタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換されて、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。このように、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ最大に変換されて、機関の燃費や出力の向上が図れる。
そして、本実施形態では、カバー部材4のボディ27とコネクタ構成体28を一体に形成するのではなく、両者27,28を分離して形成して、ボディ27のみを予め内燃機関の機種などに合わせて形成する。すなわち、例えば、ボディ本体27aに設けられた各ボルト挿入孔27fを、機種が相違する内燃機関のそれぞれのチェーンケース22の複数の雌ねじ孔の形成位置に合わせて設ける。
これによって、コネクタ構成体28などの部品の構造などを変更することなく、ボディ27の構造のみを変更すれば良いことから、製造コストの高騰を十分に抑制できる。特に、ボディ27は、コネクタ構成体28が取り付けられる環状のボディ本体27アクチュエータからボス部27bが径方向外側に突出する構成になっている。それによって、ボディ本体27aの構造も変更せずにボス部27bの形状及び周方向位置を変更するだけで内燃機関の機種毎に設定された取付レイアウトに合わせることが可能になる。これにより、製造コストの高騰をさらに抑制することができる。
また、コネクタ構成体28は、ボディ27に対して3本のビス47を対応する3つの雌ねじ孔27eに締め付け固定するだけであるから、これらの組付作業も簡単である。しかも、コネクタ構成体28をボディ本体27aに組み付ける際には、ボディ本体27aの3つの第2ボス部27dに、コネクタ構成体28の3つの段差ボス部28bの凹部28cにカムシャフト2の軸方向から嵌め込む。これによって、コネクタ構成体28は、ボディ本体27aに対して精度良く位置決めすることが可能になる。
特に、ボディ本体27aの2つの第2ボス部27dは、平面視ほぼ三角形に形成されていると共に、他の1つの第2ボス部27dは、平面視円形状に形成されている。一方、コネクタ構成体28の3つの凹部28cも前記各ボス部27dの形状に合わせて、2つがほぼ三角形、1つが円形状に形成されている。このため、ボディ本体27aに対するコネクタ構成体28の誤組付の発生も抑制できる。この結果、これらの組付作業精度の向上と作業能率の向上が図れる。
また、モータハウジング14の先端部を、ボディ本体27aの内部に収容配置できることから、装置全体の軸方向の長さを短くすることが可能になる。これによって、装置のエンジンルーム内への搭載性が良好になると共に、レイアウトの自由度が向上する。
コネクタ構成体28は、固定支持体28aがボディ本体27aに対してシールリング48bよりも内側、つまり、内周面27jの内側に配置固定されていることから、全体の径方向のコンパクト化が図れる。
また、本実施形態では、2つの電磁ノイズ抑制機構64の各インダクタンス・コイル65を並設すると共に、各コンデンサ66もコイル65の上方位置の間に近接して並設した。これによって、各インダクタンス・コイル65の一端側アーム端子と各コンデンサ66の一方側リード端子66aとによって第1端子片60、61の各他端部60b、61bを挟持状態としつつこの三者をTIG溶接法によって一体に接合することができたことから、その接続作業が容易になり、該接続作業能率の向上が図れる。
しかも、前記グランド端子67を、両コイル65と両コンデンサ66の間の中央に配置したことによって、一つのグランド端子67に各コンデンサ66、66の他方側のリード端子を一緒に接合することができるので、この点でも接続作業能率の向上が図れる。
さらに、本実施形態では、2つの給電用ブラシ31a、31bが、それぞれが保持されるブラシホルダ30a、30bを介してコネクタ構成体28に対して、互いに円周方向へ大きく離間した位置に設けられていることから、各先端面と各スリップリング26a、26bとの摺動に伴って発生するカーボンや金属の摩耗粉が各給電用ブラシ31a、31bの先端部の一側面の周囲にそれぞれ付着して漸次拡大したとしても、これら両方の摩耗粉の接触を十分に回避することができる。これによって、両給電用ブラシ31a、31b間の電気的な短絡の発生を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図9〜図17は本発明の第2実施形態を示し、基本構造は第1実施形態と同じであるが、異なるところは、ボディ27と蓋部29が一体に形成されていると共に、コネクタ構成体28の構造が変更されている。
〔第2実施形態〕
図9〜図17は本発明の第2実施形態を示し、基本構造は第1実施形態と同じであるが、異なるところは、ボディ27と蓋部29が一体に形成されていると共に、コネクタ構成体28の構造が変更されている。
図9は第2実施形態におけるバルブタイミング制御装置の縦断面図、図10は本実施形態におけるコネクタ構成体とボディ(蓋部を含む)との分解斜視図、図11は本実施形態に供されるカバー部材の縦断面図、図12同じくカバー部材を外側から視た斜視図、図13は同じくカバー部材を内側から視た斜視図である。
以下では、第1実施形態におけるボディ27と蓋部29と共通する符番を用いて説明する。
すなわち、ボディ27と蓋部29は、導電性の金属薄板をプレス成形によって一体に成形されており、ボディ27は、外周側の円環状のボディ本体27aと該ボディ本体27aの外周面から径方向外側に突出した複数(本実施形態では4つ)の固定部である円弧状のボス部27bと、を有している。なお、金属薄板としては、鉄系金属板の他に、軽量化を図るためにアルミニウム合金板などが用いられる。
各ボス部27bは、4本のボルト49によってチェーンケース22に当接しつつ固定されるもので、それぞれの中央に各ボルト49が挿入するボルト挿入孔27fがそれぞれ貫通形成されている。
また、ボディ本体27aは、図9及び図13に示すように、各ボス部27bよりも内側の外周部、つまり蓋部29との結合箇所にクランク状に折曲された第1段差部27kが形成されている。
蓋部29は、図9〜図12に示すように、ボディ27と同じ金属材によって形成され、ボディ本体27aの外形状に沿った異形状の深皿プレート状に形成されて、蓋本体29aと、該蓋本体29aの外周縁に一体に有する円筒壁29bと、を備えている。
蓋本体29aは、上壁の各捩りコイルばね32a、32bの配置領域に内側凹状の2つの矩形突部29dが形成されている。また、上壁の外周側には、複数(本実施形態では4つ)の固定用孔29hが貫通形成されている。この各固定用孔29hは、コネクタ構成体28との結合に用いられるもので、円周方向のほぼ等間隔位置に形成されている。
さらに、蓋本体29aの上壁は、後述するグランド端子67の形成位置に対応した部位に円形状の膨出部29iが設けられている。この膨出部29iは、内面に後述するスプリングリテーナ28gに支持されるコイルばね68の他端部68bが当接するようになっている。
なお、蓋本体29aは、周縁部29eの各コネクタ33,34の結合された基端部33aのフランジ壁33b付近に凹状壁29gが形成されている。
図14は本実施形態におけるボディに対するコネクタ構成体の結合状態を示す要部断面図、図15は本実施形態におけるグランド端子67付近を拡大して示す平面図、図16は図15のB−B線断面図である。
コネクタ構成体28は、基本構成は第1実施形態と同じであるが、ボディ27(蓋部29)との結合手段やグランド端子67の構造などが異なっている。
すなわち、固定支持体28aの上面には、図10及び図14に示すように、固定支持体28aの上面からカムシャフト2の回転軸方向に沿って突出した4つの円柱状の固定用突部28eが設けられている。この各固定用突部28eは、蓋本体29aの各固定用孔29hと対応する位置に配置されて、各先端部が各固定用孔29hに挿入されて、最終的に熱により溶解されて茸状に形成されるようになっている。
各固定用突部28eの基部側外周には、固定支持体28aの上面から立ち上がった円筒状の規制部28fがそれぞれ設けられている。この各規制部28fは、図10、図14に示すように、各固定用孔29hから各固定用突部28eの先端部の最大突出量を規制するものである。つまり、コネクタ構成体28の上部に蓋部29を介してボディ27を被せた際に、各固定用孔29hから各固定用突部28eの先端部を突出した最大突出量を規制するようになっている。各固定用突部28eは、突出量が規制された状態で先端部が例えばレーザ光線による加熱などによって溶解されて冷却固定されるようになっている。なお、各固定用突部28eの先端部を加熱は、他の方法であってもよい。
コネクタ構成体28に設けられた検出回路52や、各捩りコイルばね32a、32bなどは第1実施形態と同じであるが、各コンデンサ66,66に接続されたグランド端子67の構造が異なっている。
つまり、グランド端子67は、図15及び図16に示すように、外側部が固定支持体28a内に埋設された平板状に形成されている。また、このグランド端子67の先端部67aには、挿入孔67bが貫通形成されて、該挿入孔67bに固定支持体28aと一体の円柱状のスプリングリテーナ28gが蓋部29方向へ突出している。このスプリングリテーナ28gは、その突出長さがほぼ固定支持体28aの幅長さに設定されている。
また、このスプリングリテーナ28gの外周には、導電材のコイルばね68が支持されている。このコイルばね68は、一端部68aがグランド端子67の先端部67aの上面に弾性的に当接している一方、他端部68bが蓋部29の膨出部29iの内面に弾性的に当接している。これよって、グランド端子67と蓋部29が、コイルばね68を介して電気的に接続されるようになっている。
図17は図13のC部の拡大図である。
固定支持体28aは、図13及び図17に示すように、外周部にボディ本体27aの外周部の第1段差部27kと対応した位置に第2段差部28hが形成されている。この第2段差部28hは、第1段差部27kに倣ったクランク状に形成されて互いに所定隙間をもって嵌合状態に配置されている。そして、両段差部27k、28h間の所定隙間内には、液体パッキン69が充填されている。
また、固定支持体28aは、図9、図13及び図17に示すように、外周部に円筒状部28iが一体に形成されている。この円筒状部28iは、固定支持体28aの電動モータ12側の前端面からカムシャフト2方向へ回転軸方向に沿って突出している。また、この円筒状部28iは、内径dがモータハウジング14の外径よりも大きく形成されて、モータハウジング14の先端部を内部に収容した状態で配置されている。
さらに、この円筒状部28iは、外周面に円環状のシール溝28jが形成されている。このシール溝28jには、円筒状部28iの内周面とチェーンケース22の内周面との間をシールするシール部材であるシールリング70が保持されている。
したがって、この実施形態によれば、コネクタ構成体28とボディ27(蓋部29)とを分離したことから、第1実施形態と同じ作用効果が得られる。すなわち、例えば、ボディ本体27aに設けられた各ボルト挿入孔27fを、機種が相違する内燃機関のそれぞれのチェーンケース22の複数の雌ねじ孔の形成位置に合わせて設ける。これによって、コネクタ構成体28などの部品の構造などを変更することなく、ボディ27の構造のみを変更すれば良いことから、製造コストの高騰を十分に抑制できる。
また、前記ボディ27を、蓋部29ともに板金加工によって一体に形成したことから、第1実施形態のように、これらを分離形成する場合に比較して、部品点数の削減が図れると共に、製造作業能率の向上が図れる。特に、ボディ27と蓋部29を同じ金属材によって一体に成形できることから、この点からも製造作業が容易になると共に、材料の歩留まり性が良好になる。
また、円筒状部28iは、内部にモータハウジング14の先端部を軸方向から収容配置したことから、装置の軸方向の長さを短くでき、装置のコンパクト化が図れる。
さらに、円筒状部28iの外周に設けられたシールリング70によって、前述した軸方向の短尺化を図りつつシール性を確保できる。
コネクタ構成体28とボディ27(蓋部29)は、ボルトなどによって結合するのではなく、各固定用突部28eの先端を溶解して結合することから、その結合作業が容易であると共に、強固な結合状態が得られる。つまり、機関の振動などが作用しても、長期に渡り強固な結合状態が得られる。
また、グランド端子67は、コイルばね68を利用してボディ27(蓋部29)からチェーンケース22と電気的に接続されている。つまり
ボディ27を導電材として利用したことから、特別な配線が不要になり、製造作業性が向上する。
ボディ27を導電材として利用したことから、特別な配線が不要になり、製造作業性が向上する。
さらに、ボディ本体27aの第1段差部27kと固定支持体28aの第2段差部28hは、クランク状に折曲されていることから、ラビリンス効果によって両者27a、28a間のシール性が高くなる。また、各段差部27k、28h間に、液体パッキンを充填したことによって、前記ラビリンス効果と相俟ってシール性がさらに高くなる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、駆動回転体としては、タイミングスプロケットに代えてタイミングプーリとすることも可能である。
また、カバー部材4は、ボディ27の材質として、軽量化を図るためにアルミニウム合金材にしたが、これに限らず、例えば鉄系金属材で形成することも可能である。また、ボディ27を、さらなる軽量化を図るために合成樹脂材によって一体に形成することも可能である。
また、減速機構13としては、前記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば遊星歯車式やハーモニックドライブ(登録商標)などであってもよい。
また、前記通電用のばね部材としては、コイルばねの他に皿ばねやウエーブばねなどを用いることも可能である。
また、各実施形態における内燃機関は、チェーンケース22を含む概念であるが、シリンダブロックやシリンダヘッドに導通するものであれば、他の固定部材を利用することも可能である。
以上説明した実施形態に基づく内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、本発明における好ましい態様としては、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトに固定される従動回転体と、前記駆動回転体に一体または別体に設けられ、モータ出力軸の回転によって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、該電動モータの制御に用いられる回路基板が固定される固定支持体と、外部電源と接続可能な端子を有するコネクタと、を備え、前記カムシャフトの回転軸上に配置されるコネクタ構成体と、
前記コネクタ構成体が固定されるボディ本体と、前記ボディ本体から前記カムシャフトの回転軸心から径方向において前記コネクタ構成体の外周から外側に突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に固定されるボディと、
を備えている。
前記コネクタ構成体が固定されるボディ本体と、前記ボディ本体から前記カムシャフトの回転軸心から径方向において前記コネクタ構成体の外周から外側に突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に固定されるボディと、
を備えている。
さらに好ましくは、前記ボディ本体は、環状であって、前記ボディ本体の内周側に、前記電動モータの一部が収容配置されている。
この発明の態様によれば、電動モータの一部をボディ本体の内周側に収容配置することによって、装置全体の軸方向長さを短くすることができる。
さらに好ましくは、前記ボディ本体の前記コネクタ構成体より外周側に環状の第1シール材を有し、前記コネクタ構成体は、前記ボディ本体に対して前記第1シール材よりも内周側で固定されている。
コネクタ構成体をボディ本体の第1シール材よりも内側で固定したことによって、径方向のコンパクト化が図れる。
さらに好ましくは、前記コネクタ構成体は、前記電動モータへの通電に利用される導電体と、第1端子が前記導電体に電気的に接続され、第2端子が前記ボディ本体と前記コネクタ構成体の固定部を介して内燃機関に電気的に接続されたコンデンサと、を備えている。
さらに好ましくは、前記ボディ本体と前記内燃機関との間に、環状の第2シール材が配置されている。
さらに好ましくは、前記ボディ本体は、前記カムシャフトの回転軸に沿った方向において前記コネクタ構成体よりも反カムシャフト側に配置された環状の外周部と、前記外周部から反カムシャフト方向へ膨出し、前記コネクタ構成体の外面全体を覆う壁部と、を有している。
さらに好ましくは、前記コネクタ構成体は、外周側に前記電動モータ側に延びる円筒状部を有し、前記円筒状部は、外周に内燃機関との間をシールするシール部材を有している。
円筒状部の外周にシール部材を設けたことから、軸長を短くしつつシール性を確保できる。
さらに好ましくは、前記円筒状部は、内径が前記電動モータのモータハウジングの外径よりも大きく形成されて、内周側の前記モータハウジングの一部を軸方向から収容配置した。
モータハウジングの一部を軸方向から収容配置できるので、軸方向のコンパクト化が図れる。
さらに好ましくは、前記ボディ本体は、導電材によって形成され、
前記コネクタ構成体は、前記電動モータへの通電に利用される導電体と、第1端子が前記導電体に電気的に接続され、第2端子が前記ボディ本体を介して内燃機関に電気的に接続されるコンデンサと、を備えている。
前記コネクタ構成体は、前記電動モータへの通電に利用される導電体と、第1端子が前記導電体に電気的に接続され、第2端子が前記ボディ本体を介して内燃機関に電気的に接続されるコンデンサと、を備えている。
さらに好ましくは、前記コネクタ構成体は、前記第2端子と電気的に接続している導電部と、前記導電部と前記ボディ本体の間に配置され、前記導電部と前記ボディ本体の間を電気的に接続するばね部材を有している。
ボディ本体をグランド(接地)として利用したことから、特別な配線が不要になり、製造作業性が向上する。
さらに好ましくは、前記コネクタ構成体は、外周部の前記ボディ本体側に第1段差部を有する一方、前記ボディ本体は、外周部に前記第1段差部に沿った形状に折曲された第2段差部を有している。
第1段差部と段2段差部との間がクランク状のラビリンス隙間になることから、両者間のシール機能が発揮される。
さらに好ましくは、前記第1段差部と第2段差部の間にシール材を有している。
両段部間にシール材が有することから、前記ラビリンス隙間形状によるラビリンス効果と相俟ってシール性がさらに向上する。
さらに好ましくは、前記ボディ本体は、少なくともその一部が内燃機関の固定部材に有する凹部内に、カムシャフトの回転軸方向から入り込むように設けられている。
この構成によってボディ本体とコネクタ構成体が軸方向に並ぶような配置構成であっても軸方向の小型化が図れる。
さらに好ましくは、前記コネクタ構成体は、前記基板固定部と前記コネクタ部が合成樹脂材によって形成され、前記ボディは金属材によって形成されている。
別の好ましい態様としては、電動モータを回転駆動することによってクランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を変更する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記電動モータの制御に用いられる回路基板と、該回路基板と外部電源とを接続可能なコネクタと、を有するコネクタ構成体と、
前記コネクタ構成体が着脱可能に固定されるボディ本体と、該ボディ本体の外周から前記コネクタ構成体よりも外側に突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に当接して固定されるボディと、
を備えている。
前記電動モータの制御に用いられる回路基板と、該回路基板と外部電源とを接続可能なコネクタと、を有するコネクタ構成体と、
前記コネクタ構成体が着脱可能に固定されるボディ本体と、該ボディ本体の外周から前記コネクタ構成体よりも外側に突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に当接して固定されるボディと、
を備えている。
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)、1a…スプロケット本体、2…カムシャフト、3…位相変更機構、4…カバー部材(固定部材)、9…従動部材(従動回転体)、12…電動モータ、13…減速機構、14…モータハウジング、15…モータ出力軸、22…チェーンケース(内燃機関)、22b…凹部、26a、26b…スリップリング(給電機構)、27…ボディ、27a…ボディ本体、27k…第1段差部、28…コネクタ構成体、28a…固定支持体、28h…第2段差部、28i…円筒状部、28e…固定用突部、48a…液体ガスケット(第1シール材)、48b…シールリング(第2シール材)、30a、30b…ブラシホルダ、31a、31b…給電用ブラシ(給電機構)、32a、32b…捩りコイルばね、33…給電用コネクタ、34…信号用コネクタ、48a…液体ガスケット(第1シリンダ材)48b…シールリング(第2シール材)、58・59…第1・第2バスバー(導電体)、60・61…第1端子片、60a・61a…一端部、60b・61b…他端部、62・63…第2端子片、62a・63a…一端部、62b・63b…他端部、64…電磁ノイズ抑制機構、65…インダクタンス・コイル、66…コンデンサ、66a…一方側のリード端子、66b…他方側のリード端子、67…グランド端子、68…コイルばね(ばね部材)、69…液体パッキン(シール材)、70…シールリング。
Claims (15)
- クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、
カムシャフトに固定される従動回転体と、
前記駆動回転体に一体または別体に設けられ、モータ出力軸の回転によって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、
該電動モータの制御に用いられる回路基板が固定される固定支持体と、外部電源と接続可能な端子を有するコネクタと、を備え、前記カムシャフトの回転軸上に配置されるコネクタ構成体と、
前記コネクタ構成体が固定されるボディ本体と、前記ボディ本体の外周縁から前記カムシャフトの回転軸心の径方向において外方へ突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に固定されるボディと、
を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ボディ本体は、環状であって、
前記ボディ本体の内周側に、前記電動モータの一部が収容配置されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ボディ本体の前記コネクタ構成体より外周側に環状の第1シール材を有し、
前記コネクタ構成体は、前記ボディ本体に対して前記第1シール材よりも内周側で固定されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記コネクタ構成体は、前記電動モータへの通電に利用される導電体と、第1端子が前記導電体に電気的に接続され、第2端子が前記ボディ本体と前記コネクタ構成体の固定部を介して内燃機関に電気的に接続されたコンデンサと、を備えていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ボディ本体と前記内燃機関との間に、環状の第2シール材が配置されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ボディ本体は、前記カムシャフトの回転軸に沿った方向において前記コネクタ構成体よりも反カムシャフト側に配置された環状の外周部と、前記外周部から反カムシャフト方向へ膨出し、前記コネクタ構成体の外面全体を覆う壁部と、を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記コネクタ構成体は、外周側に前記電動モータ側に延びる円筒状部を有し、
前記円筒状部は、外周に内燃機関との間をシールするシール部材を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記円筒状部は、内径が前記電動モータのモータハウジングの外径よりも大きく形成されて、内周側の前記モータハウジングの一部を軸方向から収容配置したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ボディ本体は、導電材によって形成され、
前記コネクタ構成体は、前記電動モータへの通電に利用される導電体と、第1端子が前記導電体に電気的に接続され、第2端子が前記ボディ本体を介して内燃機関に電気的に接続されるコンデンサと、を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項9に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記コネクタ構成体は、前記第2端子と電気的に接続している導電部と、前記導電部と前記ボディ本体の間に配置され、前記導電部と前記ボディ本体の間を電気的に接続するばね部材を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記コネクタ構成体は、外周部の前記ボディ本体側に第1段差部を有する一方、
前記ボディ本体は、外周部に前記第1段差部に沿った形状に折曲された第2段差部を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
第1段差部と段2段差部との間がクランク状のラビリンス隙間になることから、両者間のシール機能が発揮される。 - 請求項11に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記第1段差部と第2段差部の間にシール材を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記ボディ本体は、少なくともその一部が内燃機関の固定部材に有する凹部内に、カムシャフトの回転軸方向から入り込むように設けられていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記コネクタ構成体は、前記基板固定部と前記コネクタ部が合成樹脂材によって形成され、前記ボディは金属材によって形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 電動モータを回転駆動することによってクランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を変更する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記電動モータの制御に用いられる回路基板と、該回路基板と外部電源とを接続可能なコネクタと、を有するコネクタ構成体と、
前記コネクタ構成体が固定されるボディ本体と、該ボディ本体の外周から前記コネクタ構成体よりも外側に突出した複数の固定部と、を有し、前記固定部が内燃機関に固定されるボディと、
を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置に用いられる固定部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017164922A JP2019044603A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置と該バルブタイミング制御装置に用いられる固定部材 |
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JP2017164922A Pending JP2019044603A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置と該バルブタイミング制御装置に用いられる固定部材 |
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JP2021045849A (ja) * | 2019-09-17 | 2021-03-25 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | レーザー溶着方法及び接合構造体 |
-
2017
- 2017-08-30 JP JP2017164922A patent/JP2019044603A/ja active Pending
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JP7291583B2 (ja) | 2019-09-17 | 2023-06-15 | 日立Astemo株式会社 | レーザー溶着方法及び接合構造体 |
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