JP2019042400A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用中の吸収体の保形性に優れ、液拡散性が向上し、吸収体の利用効率が向上する吸収性物品を提供すること。【解決手段】本発明の吸収性物品1は、吸収性コア40と、該吸収性コア40を被覆するコアラップシート41とを具備する。吸収性コア40は、厚み方向に貫通する非積繊部48を有する。コアラップシート41は、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dを有する。肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、内面側に配され且つ非熱可塑性の親水性繊維45を主体として構成された親水性繊維層43と、外面側に配され且つ熱可塑性合成繊維44を主体として構成された合成繊維層42とを有する積層シートである。吸収性コア40の非積繊部48においては、肌側コアラップシート41Uと非肌側コアラップシート41Dとが圧密部46を介して互いに一体とされている。【選択図】図5

Description

本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
使い捨ておむつなどの吸収性物品として、一般的に、肌対向面を形成する液透過性の表面シート、非肌対向面を形成する液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、該吸収体が、木材パルプや吸水性ポリマー等の吸収性材料を含む吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆するコアラップシートとからなるものが知られている。
コアラップシートは、吸収体の製造時には吸収性材料を受けるためのシートとして働き、製造後には吸収性コアを包んで形状化する役割等を果たす。コアラップシートとしては、薄葉紙、吸収紙等の透水性シートを用いるのが一般的であるところ、体液吸収後の吸収体の強度向上の観点から、本出願人は、先に、不織布製の透水性シートを用いることを提案した(特許文献1及び2)。
特許文献1には、液保持性の吸収性コアに非積繊部を設け、該非積繊部において、吸収性コアを覆う肌側のコアラップシートと非肌側のコアラップシートとが接合している吸収体を備える吸収性物品が記載されている。特許文献1には、コアラップシートとして、親水化処理が施された繊維からなる親水性不織布を用いることが記載されている。
また、特許文献2には、吸収性コアを被覆するコアラップシートを、液透過速度が互いに異なる不織布製の第1層及び不織布製の第2層からなる2層構造とすることが記載されている。
特開2016−83194号公報 特開2013−180171号公報
特許文献1に記載の吸収性物品によれば、吸収体の保形性に優れ、着用中に吸収体が壊れ難く、使用感が向上する。また、特許文献2に記載の吸収性物品によれば、液透過性及び液拡散性が向上し、吸収体の利用効率が向上する。しかし、着用中の吸収体の保形性に優れ、液拡散性を更に向上させ、吸収体の利用効率を更に向上させたいとのニーズがあった。尚、特許文献1には、コアラップシートに、多層構造の不織布を用いることに関して、何ら記載されていない。また、特許文献2には、コアラップシートに多層構造の不織布を用いることが記載されているが、各層を構成する繊維について、改善の余地があった。
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、液保持性の吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを有する吸収体を具備し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを備えると共に、該股間部に配される股下部並びにその前後に延在する腹側部
及び背側部を備える吸収性物品であって、前記吸収性コアは、厚み方向に貫通する非積繊部を有し、前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを有し、前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートは、それぞれ、前記吸収性コアに当接する内面側に配され且つ非熱可塑性の親水性繊維を主体として構成された親水性繊維層と、該親水性繊維層に当接する外面側に配され且つ熱可塑性合成繊維を主体として構成された合成繊維層とを有する積層シートであり、前記吸収性コアの前記非積繊部においては、前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが圧密部を介して互いに一体とされている吸収性物品である。
本発明によれば、着用中の吸収体の保形性に優れ、液拡散性が更に向上し、吸収体の利用効率が更に向上する吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型使い捨ておむつの肌対向面即ち表面シート側を模式的に示す平面図であり、各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた展開状態における平面図である。 図2は、図1のII−II線断面を模式的に示す横断面図である。 図3は、図1に示す使い捨ておむつの備える吸収体の平面図である。 図4は、図3のIV−IV線断面を模式的に示す横断面図である。 図5は、図1に示す使い捨ておむつの備える吸収体における圧密部の厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、それぞれ、本発明に係る吸収体における圧密部の他のパターンを模式的に示す平面図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である展開型使い捨ておむつの一例に基づき図面を参照して説明する。図1及び図2には、本実施形態の展開型使い捨ておむつ1が示されている。おむつ1は、液保持性の吸収性コア40と吸収性コア40を被覆するコアラップシート41とを有する吸収体4を具備する。おむつ1は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを備えると共に、該股間部に配される股下部1M並びにその前後に延在する腹側部1F及び背側部1Rを備える。腹側部1F、股下部1M及び背側部1Rは、おむつ1を縦方向Xに三等分した場合の各領域に相当する。股下部1Mは、おむつ1の着用時に着用者のペニス、肛門等の***部に対向配置される***部対向部を有しており、該***部対向部は通常、おむつ1の縦方向Xの中央部又はその近傍に位置している。尚、縦方向X及び横方向Yからなる面方向に直交する垂直方向である厚み方向をZ方向として説明する。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、吸収性コア40を有する吸収体4と、吸収体4の肌対向面側に配され、吸収体4よりも着用者の肌に近くに位置して着用時に着用者の肌と接触し得る液透過性の表面シート2と、吸収体4の非肌対向面側に配され、吸収体4よりも着用者の肌から遠くに位置する液不透過性ないし撥水性の裏面シート3とを具備している。おむつ1は、図1に示す如き平面視において、股下部1Mに位置する縦方向Xの中央部が内方に括れ且つ一方向即ち縦方向Xに長い、縦長の砂時計状をなしている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、両シート2,3間に介在配置された吸収体4よりも大きな寸法を有し、図1に示す如き展開且つ伸張状態のおむつ1の外形を形成している。
尚、本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収性
コア40)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置が維持された状態を意味する。
腹側部1F及び背側部1Rそれぞれのウエスト部、即ち縦方向Xの端部における表面シート2と裏面シート3との間には、帯状の弾性部材11が、おむつ1の横方向Yの略全長に亘って横方向Yに伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時における該ウエスト部には、弾性部材11の収縮によりウエストギャザーが形成される。また、背側部1Rにおける着用者の胴周りに対応する胴周り部における表面シート2と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材12が横方向Yに伸長状態で複数固定されており、これにより、おむつ1の着用時における該胴周り部には、弾性部材12の収縮により胴周りギャザーが形成される。また、おむつ1の表面シート2側即ち肌対向面側における縦方向Xに沿う左右両側には、それぞれサイドシート5が配されている。サイドシート5は、縦方向Xに沿う内側縁部と、該内側縁部よりも横方向Yの外方に位置して縦方向Xに沿う外側縁部とを有し、図1に示す如き平面視において、該内側縁部は吸収体4と重なり、該外側縁部は吸収体4の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方に延出し、図2に示すように、裏面シート3と接合されている。着用者の脚周りに配される左右のレッグ部におけるサイドシート5と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材13が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時における該レッグ部には、弾性部材13の収縮により一対のレッグギャザーが形成される。また、サイドシート5の内側縁部には、糸状の弾性部材14が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されていると共に、該内側縁部は、少なくとも股下部1M、具体的には例えば、股下部1M並びに腹側部1F及び背側部1Rにおける股下部1M寄りの部分においては、表面シート2をはじめとするおむつ1の他の構成部材と非接合の自由端部とされ、腹側部1F及び背側部1Rにおける縦方向Xの前後端部においては、表面シート2に接合されている(図示せず)。斯かるサイドシート5の構成により、おむつ1の着用時には縦方向Xに弾性部材14の収縮力が働き、サイドシート5は、少なくとも内側縁部が自由端部とされている領域である股下部1Mにおいて、裏面シート3との接合部を起点として着用者の肌に向かって起立し、左右一対の防漏カフが形成される。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、サイドシート5及び各弾性部材11〜14は、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。
図1に示すように、おむつ1の背側部1Rの縦方向Xに沿う両側縁部には、一対のファスニングテープ6,6が設けられている。ファスニングテープ6には、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部61が取り付けられている。また、おむつ1の腹側部1Fの非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域7が形成されている。被止着領域7は、腹側部1Fの非肌対向面を形成する裏面シート3の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段、例えば接着剤やヒートシール等で接合固定して形成されており、ファスニングテープ6の止着部61を着脱自在に止着可能になされている。
表面シート2としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができ、尿や便などの体液を透過し得る液透過性シートであることを前提として、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等を用いることができる。表面シート2の一例として、コットン等の天然繊維を材料とする不織布や、各種合成繊維に親水化処理を施したものを材料とする不織布を用いることができる。例えば、芯成分にポリプロピレンやポリエステル、鞘成分にポリエチレンを用いた、芯鞘構造型(サイドバイサイド型も含む)複合繊維をカーディングによりウエブ化した後、エアスルー法によって不織布(この後所定箇所に開孔処理を施しても良い)としたものが
挙げられる。また、透液性の高さの点(ドライ感)から、低密度ポリエチレン等のポリオレフィンからなる開孔シートも好ましく用いることができる。
裏面シート3としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができ、液不透過性(撥水性を含む)で、且つ透湿性のものが好ましく用いられる。具体的に十分な水蒸気透過性を得るために、炭酸カルシウム等のフィラーからなる微粉を分散させたポリエチレン等の合成樹脂製のフィルムを延伸し、微細な孔を設けた多孔質フィルムは、裏面シート3として好適に使用できる。
サイドシート5としては、裏面シート3として使用可能なものを用いることができる。
吸収体4は、図2及び図3に示すように、液保持性の吸収性コア40と、吸収性コア40を被覆するコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、後述する非積繊部48を除き、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段により接合されている。吸収体4を構成する吸収性コア40は、図1及び図3に示す如き平面視において、股下部1Mに位置する縦方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状で且つ縦方向Xに長い縦長の形状を有している。
吸収性コア40は吸収性材料を主体として構成され、吸収性コア40における吸収性材料の含有量は通常ほぼ100質量%である。吸収性材料としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ等のセルロース系繊維、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維や吸水性ポリマーが挙げられる。吸収性コア40の構成として、親水性繊維の積繊体、あるいは該積繊体に吸水性ポリマーを担持させた構成、あるいは吸水性ポリマーのみからなる構成を例示できる。
吸収性コア40は、厚み方向Zに貫通する非積繊部48を有している。非積繊部48は、少なくとも股下部1Mに配されていることが好ましく、おむつ1では、図1に示す如き平面視において、股下部1M全域を含んで、股下部1Mから腹側部1Fの一部に亘り且つ股下部1Mから背側部1Rの一部に亘って、縦方向Xに延在している。ここで、非積繊部48が少なくとも股下部1Mに配されているとは、縦方向Xに延びる非積繊部48が、股下部1Mに少しでもかかっていることを意味する。また、非積繊部48には、吸収性コア40を形成する吸収性材料が全く存在しないことが好ましい。おむつ1では、図1及び図2に示すように、非積繊部48が、2本配されている。一対の非積繊部48,48は、それぞれ、股下部1M全域を含んで、縦方向Xに平行に、帯状に延びて形成されている。
非積繊部48を除く吸収性コア40の坪量は、おむつ1の着用時の違和感を抑制し、フィット性を向上させる観点から、50g/m2以上550g/m2以下であることが好ましく、100g/m2以上500g/m2以下であることが更に好ましい。
非積繊部48の面積(おむつ1では2本の非積繊部48の合計面積)(S1)は、同様な観点から、5cm2以上であることが好ましく、10cm2以上であることが更に好ましく、60cm2以下であることが好ましく、50cm2以下であることが更に好ましく、具体的には、5cm2以上60cm2以下であることが好ましく、10cm2以上50cm2以下であることが更に好ましい。ここで、各非積繊部48の面積は、吸収性コア40を平面視して、非積繊部48の輪郭で囲まれた部分の面積を意味する。
おむつ1では、吸収性コア40を図3に示す如き平面視して、吸収性コア40の面積(表面積)(S0)に対する非積繊部48の面積(S1)の割合((S1/S0)×100)は、おむつ1の着用時の違和感を抑制し、フィット性を向上させ、体液の縦方向Xへの拡散が促進され易く、さらっと感が向上するとともに、吸収体4の利用効率の向上により体液の漏れの抑制向上の観点から、2%以上であることが好ましく、4%以上であることが更に好ましく、25%以下であることが好ましく、20%以下であることが更に好まし
く、具体的には、2%以上25%以下であることが好ましく、4%以上20%以下であることが更に好ましい。ここでいう、吸収性コア40の面積(表面積)(S0)とは、吸収性コア40を平面視したときの吸収性コア40全体の面積をいい、吸収性コア40に含まれる非積繊部48の面積(S1)を含むものとする。
コアラップシート41は、図2〜図4に示すように、吸収性コア40の肌対向面を被覆する肌側コアラップシート41Uと、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシート41Dとを有している。肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、それぞれ別のシートで形成されていてもよいが、おむつ1では、1枚のコアラップシート41で形成されている。具体的には、1枚のコアラップシート41は、縦方向Xにおいては、吸収性コア40の縦方向Xの長さ以上の長さであり、横方向Yにおいては、図2に示すように、吸収性コア40の肌対向面を被覆し、更に、該コアラップシート41の縦方向Xに沿う両側部が吸収性コア40の非肌対向面側に巻き込まれ、吸収性コア40の非肌対向面の横方向Y中央部で重なり合うようにして、吸収性コア40を包み込んでいる。このように吸収性コア40を包み込んだ1枚のコアラップシート41において、吸収性コア40の肌対向面を被覆するシート部分が肌側コアラップシート41Uとなり、吸収性コア40の非肌対向面を被覆するシート部分が非肌側コアラップシート41Dとなる。
肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、それぞれ、図4に示すように、吸収性コア40に当接する内面側に配され且つ非熱可塑性の親水性繊維45を主体として構成された親水性繊維層43と、親水性繊維層43に当接する外面側に配され且つ熱可塑性合成繊維44を主体として構成された合成繊維層42とを有する積層シートである。吸収性コア40と、吸収性コア40の肌対向面側に配された肌側コアラップシート41Uと、吸収性コア40の非肌対向面側に配された非肌側コアラップシート41Dとの厚み方向(Z方向)に沿う断面が示されている。
合成繊維層42は熱可塑性合成繊維44を主体とし、親水性繊維層43は非熱可塑性の親水性繊維45を主体として構成されている。合成繊維層42は、熱可塑性合成繊維44を少なくとも40質量%以上含有し、熱可塑性合成繊維44の含有量は合成繊維層42の全質量に対して100質量%でも良い。また、親水性繊維層43は、非熱可塑性の親水性繊維45を少なくとも50質量%以上含有し、非熱可塑性の親水性繊維45の含有量は親水性繊維層43の全質量に対して100質量%でも良い。
肌側コアラップシート41Uは、図4に示すように、着用者の肌から相対的に近く、吸収性コア40の外面側に配される合成繊維層42と、着用者の肌から相対的に遠く、吸収性コア40に当接する内面側の親水性繊維層43との積層構造(2層構造)を含んで構成されている。肌側コアラップシート41Uの合成繊維層42は表面シート2に対向配置され、親水性繊維層43は吸収性コア40に対向配置されている。合成繊維層42と親水性繊維層43とは、少なくとも後述する圧密部46を介して一体とされており、その製法によってはさらに、両層42,43の構成繊維どうしの絡み合い、接着剤などの接合手段などの他の一体化手段によっても一体とされ得る。
非肌側コアラップシート41Dは、図4に示すように、着用者の肌から相対的に遠く、吸収性コア40の外面側に配される合成繊維層42と、着用者の肌から相対的に近く、吸収性コア40に当接する内面側の親水性繊維層43との積層構造(2層構造)を含んで構成されている。非肌側コアラップシート41Dの合成繊維層42は裏面シート3に対向配置され、親水性繊維層43は吸収性コア40に対向配置されている。合成繊維層42と親水性繊維層43とは、少なくとも後述する圧密部46を介して一体とされており、その製法によってはさらに、両層42,43の構成繊維どうしの絡み合い、接着剤などの接合手
段などの他の一体化手段によっても一体とされ得る。
おむつ1のコアラップシート41では、合成繊維層42及び親水性繊維層43は何れも繊維集合体である。斯かる繊維集合体の形態は特に制限されず、例えば不織布、織布、紙が挙げられる。典型的な形態は、合成繊維層42が不織布、親水性繊維層43が紙である。尚、図4及び図5では理解を容易にする観点から、熱可塑性合成繊維44を相対的に細い線で、非熱可塑性の親水性繊維45を相対的に太い線で表示しているが、実際の繊維の太さとは無関係である。
肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、それぞれ、合成繊維層42を構成する不織布を含んで構成されている。合成繊維層42を構成する不織布としては、各種製法によるものを特に制限なく用いることができ、例えば、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布などが挙げられ、更に、エアスルー不織布、スパンレース不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体や、これらの不織布とフィルム等とを組み合わせた積層体を用いることもできる。これらの不織布の中でも、スパンボンド不織布及びスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布は、エアスルー不織布などに比して、吸収性コア40に含まれる吸水性ポリマーなどの吸収性材料の漏れ出しを防止する効果に優れるため好ましい。同様な観点から、スパンボンド不織布、又はスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布の平均繊維間距離は、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、そして、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは180μm以下である。平均繊維間距離は下記方法により測定される。尚、該平均繊維間距離は、圧密部46以外の部分で測定する。
<合成繊維層42を構成する不織布の平均繊維間距離の測定方法>
不織布、紙等の繊維集合体の平均繊維間距離は、Wrotnowskiの仮定に基づく下記式(1)により求められる。下記式(1)は一般に、繊維集合体の繊維間距離を求める際に用いられる。Wrotnowskiの仮定の下では、繊維は円柱状であり、それぞれの繊維は交わることなく規則正しく並んでいる。
測定対象のシート(肌側コアラップシート41U又は非肌側コアラップシート41D)が単層構造の場合、その単層構造のシートの平均繊維間距離は下記式(1)で求められる。
測定対象のシートがSMS不織布の如き多層構造の場合、その多層構造のシートの平均繊維間距離は以下の手順に従って求められる。
まず、下記式(1)により、多層構造を構成する各層の平均繊維間距離を算出する。その際、下記式(1)で用いる厚みt、坪量W、繊維密度ρ及び繊維径Dは、それぞれ、測定対象の層についてのものを用い、厚みtについては、測定対象の層の厚み方向に沿う断面の顕微鏡観察により測定する。厚みt、坪量W及び繊維径Dは、それぞれ、複数の測定点における測定値の平均値である。坪量W(g/m2)は、測定対象のシートを所定の大
きさにカットし、重量測定後に、その重量測定値を、該所定の大きさから求まる面積で除することで求められる。繊維密度ρ(g/cm3)は、密度勾配管を使用して、JIS
L1015化学繊維ステープル試験方法に記載の密度勾配管法の測定方法に準じて測定する(URLはhttp://kikakurui.com/l/L1015−2010−01.html、書籍ならJISハンドブック繊維−2000、(日本規格協会)のP.764〜765に記載)。繊維径D(μm)は、走査型電子顕微鏡(セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC6200)を用いて、カットした繊維の繊維断面を10本測定し、その平均値を繊維径とする。
次に、各層の平均繊維間距離に、多層構造全体の厚みに占める該層の厚みの割合を乗じ、さらに、そうして得られた各層ごとの数値を合計することで、目的とする多層構造のシートの構成繊維の平均繊維間距離が求められる。例えば、2層のS層と1層のM層とから
なる3層構造のSMS不織布において、2層のS層をまとめて1つの層として扱い、3層構造全体の厚みtが0.11mm、S層の厚みtが0.1mm、S層の平均繊維間距離LSが47.8μm、M層の厚みtが0.01mm、M層の平均繊維間距離LSが3.2μmの場合、斯かるSMS不織布の構成繊維の平均繊維間距離は、43.8μm〔=(47.9×0.1+3.2×0.01)/0.11〕となる。
Figure 2019042400
前記の好ましい肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、平均繊維間距離が前記範囲内にあるスパンボンド不織布又はSMS不織布からなる、合成繊維層42を具備し、この合成繊維層42の主たる構成繊維である熱可塑性合成繊維44と、木材パルプ等の非熱可塑性の親水性繊維45とが絡み合って構成されている。前記合成繊維層42の平均繊維間距離が大きすぎると、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dによる吸収性コア40からの吸収性材料の漏れ出し防止効果が低減し、特に該吸収性材料として粒径の小さな吸水性ポリマーが使用されている場合には該粒子が外部に漏れ出すおそれがある。
肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dの合成繊維層42として、スパンボンド不織布又はSMS不織布を採用した理由は、コアラップシートに適した強度と繊維間距離を両立し、吸収性能に優れ、液戻りを発生し難くするためである。これら不織布の主たる構成繊維である熱可塑性合成繊維44としては、親水化処理が施されていない合成繊維(例えばポリプロピレン繊維)を例示できる。肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dそれぞれの合成繊維層42の坪量は、好ましくは0.1g/m2以上、さらに好ましくは0.3g/m2以上、そして、好ましくは10g/m2以下、さらに好ましくは8g/m2以下である。
熱可塑性合成繊維44の素材である熱可塑性樹脂としては、不織布などの構成繊維に通常用いられているものを特に制限なく用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、及びこれらのランダム又はブロック共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミドが挙げられる。熱可塑性合成繊維44は、単一の熱可塑性樹脂を用いて形成された単一繊維でもよく、2種以上の熱可塑性樹脂を用いて形成された複合繊維でもよい。複合繊維としては、例えば、芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維、分割型繊維、交互配列型繊維、海島型繊維が挙げられる。合成繊維層42には、2種類以上の熱可塑性合成繊維44が含有されていてもよい。これらの中でも特に、ポリエチレン、ポリプロピレンは、安価で比較的低融点のため熱可塑性合成繊維44として好ましく用いられる。
肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、それぞれ、親水性繊維層43を構成する非熱可塑性の親水性繊維45として、熱可塑性を有しないことを前提として、吸収性物品に従来使用されている各種の親水性繊維を特に制限なく用いることができ、典型的なものはセルロース繊維である。セルロース繊維としては、例えば、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等の木材パルプやコットンパルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維
が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも特に、木材パルプは繊維長が再生セルロースや非木材パルプに比べて短い為、合成繊維層42を構成する熱可塑性合成繊維44の隙間を通り抜けて表面に露出しやすいという観点から最も好ましく用いられる。
おむつ1では、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dそれぞれにおいて、一度吸収性コア40に吸収された体液を吸収性コア40の外面側に配される合成繊維層42で表面シート2側に戻るのを防止する観点から、合成繊維層42を構成する熱可塑性合成繊維44は、その親水度が、親水性繊維層43を構成する非熱可塑性の親水性繊維45の親水度よりも低いことが好ましい。また、吸収性コア40に対向配置される親水性繊維層43で体液を拡散させ吸収性コア40の利用効率を向上させる観点から、親水性繊維層43を構成する非熱可塑性の親水性繊維45は、その親水度が、合成繊維層42を構成する熱可塑性合成繊維44の親水度よりも高いことが好ましい。
本発明において、繊維の親水度は、下記方法で測定される水との接触角に基づき判断され、該接触角が90度未満であれば親水性、90度以上の場合であれば疎水性である。下記方法で測定される水との接触角が小さいほど親水性が高く(疎水性が低く)、該接触角が大きいほど親水性が低い(疎水性が高い)。コアラップシート41において、親水性繊維層43の主体をなす非熱可塑性の親水性繊維45の水との接触角は90度未満であり、合成繊維層42の主体をなす熱可塑性合成繊維44の水との接触角は90度以上であることが好ましい。
<接触角の測定方法>
測定対象(肌側コアラップシート41U又は非肌側コアラップシート41D)から繊維を取り出し、その繊維に対する水の接触角を測定する。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角の測定には蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を20ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維とのなす角を算出し、接触角とする。測定対象物から取り出した繊維は、繊維長1mmに裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。繊維1本につき異なる2箇所の接触角を測定する。N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を、当該繊維の水との接触角と定義する。測定環境は、室温22±2℃、湿度65±2%RHとする。
尚、吸収性物品からその構成部材(例えばコアラップシート41)を取り出して評価測定する場合において、その構成部材が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、その固定部分を、溶剤の塗布、ドライヤーによる熱風吹き付け、コールドスプレー(例えばニチバン株式会社製の市販品)の吹き付けなどによって除去してから取り出す。
吸収性コア40の非積繊部48においては、図4及び図5に示すように、肌側コアラップシート41Uと非肌側コアラップシート41Dとが圧密部46を介して互いに一体とされている。圧密部46は、肌側コアラップシート41Uを構成する熱可塑性合成繊維44
及び非肌側コアラップシート41Dを構成する熱可塑性合成繊維44を、溶融させて一体として形成されていてもよく、熱をかけずに圧力によって圧着させて一体として形成されていてもよい。尚、おむつ1では、圧密部46は、肌側コアラップシート41Uを構成する熱可塑性合成繊維44及び非肌側コアラップシート41Dを構成する熱可塑性合成繊維44を、溶融させて一体として形成されている。このように、おむつ1では、吸収性コア40の非積繊部48の圧密部46において、肌側コアラップシート41Uの合成繊維層42及び親水性繊維層43と、非肌側コアラップシート41Dの合成繊維層42及び親水性繊維層43とが溶融一体化して接合されている。
吸収性コア40の非積繊部48の圧密部46において、肌側コアラップシート41Uの合成繊維層42及び親水性繊維層43と、非肌側コアラップシート41Dの合成繊維層42及び親水性繊維層43とを溶融一体化させて接合し、体液吸収後の吸収体4の保形性を向上させる観点からは、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dの親水性繊維層43は、構成する非熱可塑性の親水性繊維45に、親水性の熱可塑性合成繊維(不図示)を含んでいることが好ましい。このような観点から、親水性繊維層43は、該親水性の熱可塑性合成繊維(不図示)を親水性繊維層43の全質量に対して少なくとも20質量%以上含有していることが好ましく、30質量%以上含有していることが好ましく、上限値としては50質量%以下であることが好ましい。
親水性繊維層43に親水性の熱可塑性合成繊維(不図示)を含む場合、親水性の熱可塑性合成繊維(不図示)としては、上述した合成繊維層42の主体となる熱可塑性合成繊維44と同じ素材からなる繊維に、不織布などの構成繊維に通常用いられる親水性の油剤を添加したものを用いることができる。該親水性の熱可塑性合成繊維(不図示)の親水度は、親水性繊維層43を構成する非熱可塑性の親水性繊維45の親水度よりも低くてもよいが、合成繊維層42を構成する熱可塑性合成繊維44の親水度よりも高いことが好ましい。
圧密部46の形状のパターンは、円形若しくは多角形から形成されるドット状、帯状、又はこれらを組み合わせたパターンであり、縦方向Xに連続或いは分散して配されており、おむつ1では、図1及び図3に示すように吸収体4を平面視して、圧密部46のパターンは、円形から形成されるドット状のパターンとなっている。そして、おむつ1では、このような円形の圧密部46が、縦方向Xに分散配置されている。圧密部46の面積(おむつ1では2本の非積繊部48に配される複数の圧密部46の合計面積)(S2)は、非積繊部48の面積に伴って、適宜変更することができる。
おむつ1を、図1及び図3に示すように平面視して、非積繊部48の面積(S1)に対する、圧密部46の面積(S2)の割合((S2/S1)×100)は、圧密部46の安定的な接合強度と、圧密部46の柔らかさとの両立の観点から、10%以上あり、20%以上であることが好ましく、25%以上であることが更に好ましく、80%以下であり、75%以下であることが好ましく、70%以下であることが更に好ましく、50%未満であることが特に好ましい。具体的には、10%以上80%以下であり、20%以上75%以下であることが好ましく、25%以上70%以下であることが更に好ましく、25%以上50%未満であることが特に好ましい。ここで、各圧密部46の面積は、圧密部46を平面視して、圧密部46の外周で囲まれた部分の面積を意味する。
非積繊部48の各圧密部46においては、図5に示すように、肌側コアラップシート41Uの親水性繊維層43と非肌側コアラップシート41Dの親水性繊維層43とが当接している。そして、肌側コアラップシート41Uにおいては親水性繊維層43を構成する非熱可塑性の親水性繊維45が外面側の合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の肌対向面側に露出している。また、非肌側コアラップシート41Dにおいては親水性繊維層43を構
成する非熱可塑性の親水性繊維45が外面側の合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の非肌対向面側に露出している。好適に、圧密部46は、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dにおいて厚み方向に圧密化された部分であるところ、この圧密化は、おむつ1では、熱、超音波などの、熱可塑性合成繊維44の溶融を促進させる溶融促進手段を伴うエンボス加工(圧搾)によって実施されている。肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dに対して斯かる溶融促進手段を伴う圧搾を行う場合、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dのどちら側から行ってもよく、両シート41U,41Dに対して該圧搾を行ってもよいが、熱可塑性合成繊維44の溶融促進の観点から、肌側コアラップシート41Uの外面側、或いは非肌側コアラップシート41Dの外面側の合成繊維層42に対して該圧搾を施すことが好ましい。圧密部46は、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dにおける圧密部46以外の部分(非圧密部)に比して、繊維間空隙が狭いか又は繊維間空隙が実質的に存在していない高密度部であり、該非圧密部は、圧密部46に比して繊維間空隙が広い低密度部である。
おむつ1では、上述したように、各圧密部46においては、図5に示すように、肌側コアラップシート41Uの親水性繊維層43を構成する非熱可塑性の親水性繊維45が外面側の合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の肌対向面側に露出している。また、非肌側コアラップシート41Dの親水性繊維層43を構成する非熱可塑性の親水性繊維45が外面側の合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の非肌対向面側に露出している。そして、肌側コアラップシート41Uの親水性繊維層43と非肌側コアラップシート41Dの親水性繊維層43とが当接している。その為、吸収体4の肌対向面側に露出する親水性繊維45と、吸収体4の非肌対向面側に露出する親水性繊維45とが、肌側コアラップシート41Uの親水性繊維層43及び非肌側コアラップシート41Dの親水性繊維層43を介して繋がっている。各圧密部46において、肌側コアラップシート41U側の非熱可塑性の親水性繊維45が合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の肌対向面側に露出しているか否か、或いは、非肌側コアラップシート41D側の非熱可塑性の親水性繊維45が合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の非肌対向面側に露出しているか否かの確認は、該圧密部46の厚み方向(Z方向)に沿う断面の顕微鏡観察によって行うことができ、具体的には下記方法によって行うことができる。
<圧密部において非熱可塑性の親水性繊維45が合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の肌対向面側或いは非肌対向面側に露出していることの確認方法>
0.5質量%の青色水溶液(ダイワ化成製造の愛染食用色素の食用青色1号)に評価対象のシート(コアラップシート41)を浸し、3分静置後に該水溶液から該シートを取り出し、取り出したシートの肌対向面側を下に向けて、予め敷いておいた紙(キムタオル、日本製紙クレシア株式会社製)の上に載せ、該シートの上方から3kPaの荷重を1分間かけて脱水する。この操作により該評価対象シートの構成繊維のうち親水性繊維は染色される。
こうして得られた染色済みのシートの評価対象の圧密部46をおむつ1の横方向Yに沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断し、その切断面をマイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて200〜500倍の倍率で観察し、該圧密部46において、吸収体4の肌対向面側或いは吸収体4の非肌対向面側に、非熱可塑性の親水性繊維45が露出しているか否かを確認する。圧密部46において、非熱可塑性の親水性繊維45は染色されているため圧密部46の吸収体4の肌対向面側或いは吸収体4の非肌対向面側に露出しているか否かの判別は容易である。
前述したように圧密部46は、典型的には熱、超音波などを伴うエンボス加工によって形成されるところ、斯かるエンボス加工によって形成された圧密部46の肌側コアラップシート41Uの合成繊維層42及び非肌側コアラップシート41Dの合成繊維層42にお
いては、その主体をなす熱可塑性合成繊維44がエンボス加工時の熱や超音波によって軟化・溶融するため、本来の繊維集合体の形態が失われており、フィルム化している。このように圧密部46のフィルム化した(繊維形態が失われた)合成繊維層42に、親水性繊維層43の主体をなす非熱可塑性の親水性繊維45の一部が入り込んで、吸収体4の肌対向面側或いは吸収体4の非肌対向面側に露出している。つまり、圧密部46において、吸収体4の肌対向面側を平面視して、フィルム化した合成繊維層42の中に、親水性繊維45の露出部が1個以上存在している。この露出部をなしている親水性繊維45は、肌側コアラップシート41Uの肌対向面側から非肌対向面側に亘って連続している。また、圧密部46において、吸収体4の非肌対向面側を平面視して、フィルム化した合成繊維層42の中に、親水性繊維45の露出部が1個以上存在している。この露出部をなしている非熱可塑性の親水性繊維45は、非肌側コアラップシート41Dの非肌対向面側から肌対向面側に亘って連続している。
上述のように、おむつ1は、図2〜図4に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア40が肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dで覆われており、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dが、それぞれ、吸収性コア40に当接する内面側に配され且つ非熱可塑性の親水性繊維45を主体として構成された親水性繊維層43と、親水性繊維層43に当接する外面側に配され且つ熱可塑性合成繊維44を主体として構成された合成繊維層42とを有する積層シートで形成されている。また、吸収性コア40の非積繊部48において、図4及び図5に示すように、肌側コアラップシート41Uと非肌側コアラップシート41Dとが圧密部46を介して互いに一体とされている。このように、圧密部46において、吸収性コア40を覆う肌側コアラップシート41Uと非肌側コアラップシート41Dとが互いに一体となっているので、着用中の吸収体4の保形性に優れ、着用中に吸収体4が壊れ難く、使用感が向上する。特に、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dが不織布製の合成繊維層42を含んでいるので、着用中に吸収体4が更に壊れ難くなっている。また、吸収性コア40の非積繊部48において、着用中に吸収された体液が、圧密部46及び圧密部46の周辺から吸収体4内に取り込まれると、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dを構成する、吸収性コア40に当接する親水性繊維層43を介して面方向に伝わり易く、液拡散性が向上し、吸収体4の利用効率が向上する。ここで、合成繊維層42の熱可塑性合成繊維44の親水度が、非熱可塑性の親水性繊維45の親水度よりも低ければ、一度吸収体4に吸収された体液は、親水性繊維層43に当接する外面側に配された合成繊維層42によって、着用者の肌側に戻り難く、おむつ1の使用感が向上する。
また、おむつ1では、各圧密部46において、図5に示すように、肌側コアラップシート41Uの非熱可塑性の親水性繊維45が合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の肌対向面側に露出し、非肌側コアラップシート41Dの非熱可塑性の親水性繊維45が合成繊維層42を通り抜けて吸収体4の非肌対向面側に露出しており、肌側コアラップシート41Uの親水性繊維層43と非肌側コアラップシート41Dの親水性繊維層43とが当接している。その為、各圧密部46において、吸収体4の肌対向面側に露出する親水性繊維45が、体液の通液路(通液トリガー)として機能し易く、非積繊部48に位置する吸収体4の肌対向面上の体液が、圧密部46(親水性繊維45の露出部)を通じて、親水性繊維層43に拡散して吸収性コア40内に速やかに取り込まれ易い。特に、吸収性コア40の非積繊部48が、少なくとも股下部1Mに配されていると、非積繊部48に配された各圧密部46を介して、吸収性コア40内に速やかに取り込まれ易くなる。
上述した効果を一層奏する観点から、おむつ1では、以下の構成の1つ又は複数を備え
ていることが好ましい。
吸収性コア40の非積繊部48の位置に存在する複数の圧密部46から任意に10個を
選択した場合に、その10個の圧密部46において、吸収体4の肌対向面側、言い換えれば圧密部46の肌対向面側に非熱可塑性の親水性繊維45(肌側コアラップシート41Uの親水性繊維層43の構成繊維)が露出している圧密部(以下、「親水部露出圧密部」ともいう)の占める割合、即ち「(親水部露出圧密部の数/10)×100」によって算出される値は、40%以上が好ましく、50%以上がさらに好ましい。
尚、ある圧密部が前記親水部露出圧密部であるか否かは、次の方法によって確認する。即ち、評価対象の圧密部について、前記方法により、該圧密部の肌対向面側に親水性繊維層43の繊維(親水性繊維45)が露出しているか否かを確認し、斯かる繊維の露出が1箇所でも確認できた場合、該圧密部は前記親水部露出圧密部であるとする。
また、圧密部46における評価シートの長手方向長さ(圧密部46の平面視形状が矩形状の如き異方性形状の場合)又は縦方向Xの長さ(圧密部46の平面視形状が円形状の如き等方性形状の場合)および評価シートの横方向長さ(圧密部46の平面視形状が異方性形状の場合)又は横方向Yの長さ(圧密部46の平面視形状が等方性形状の場合)が2mmを超える場合、圧密部46における評価シートの長手方向長さ2mm×評価シートの横方向長さ2mmの範囲を1つの圧密部として扱い、親水性繊維45の露出の確認および親水部露出圧密部が占める割合を算出することとする。
肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、それぞれ、圧密部46以外の部分において、合成繊維層42は親水性繊維層43に比して親水度が低い、換言すれば、親水性繊維層43は合成繊維層42に比して親水度が高いことが好ましい。ここでいう、シート(層)の親水度は、下記方法で測定される水滴消失率によって評価される。水滴消失率の値が小さいほど親水度が低く、水滴消失率の値が大きいほど親水度が高い。従って、「合成繊維層42の水滴消失率<親水性繊維層43の水滴消失率」なる大小関係が成立することが好ましいということになる。
<水滴消失率の測定方法>
評価対象のシート(例えば肌側コアラップシート41U又はその合成繊維層42若しくは親水性繊維層43)を、表面が水平になるように空中に固定し、該シートの上面の任意の20箇所に、生理食塩水(濃度0.9質量%の食塩水)の水滴(1滴2μl)を、マイクロシリンジを用いて滴下する。評価対象のシートの親水度が高ければ、水滴は滴下後速やかに該シートに吸収されて消失し、該シートの親水度が低ければ、吸収されずに該シートの上面に残ったままとなる。水滴の消失の判定は、水滴を滴下してから10秒後にシートの上面を目視観察する事により行う。また水滴消失率(%)は、20箇所の測定の内、10秒以内に水滴が消失した箇所の割合を算出することにより求める。
合成繊維層42の圧密部46以外の部分の水滴消失率と親水性繊維層43の圧密部46以外の部分の水滴消失率との比率は、前者が後者よりも小さいことが好ましい。
合成繊維層42の圧密部46以外の部分の水滴消失率は、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下、そして、下限値は0%である。
親水性繊維層43の圧密部46以外の部分の水滴消失率は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上、そして、上限値は100%である。
水滴数消失率の調整、即ち親水度の調整は、合成繊維層42の構成繊維(熱可塑性合成繊維44)及び親水性繊維層43の構成繊維(親水性繊維45)の種類、疎水化剤(主として合成繊維層42用)や親水化剤(主として親水性繊維層43用)の使用などによって実施可能である。
吸収体4を構成する吸収性コア40は、おむつ1では、吸水性ポリマーとセルロース系繊維とを含んで構成されており、吸水性ポリマーとセルロース系繊維との含有質量比は、前者:後者として、好ましくは1:1.5〜1:0であり、更に好ましくは1:1.3〜1:0であり、セルロース系繊維を含まなくても良い。
また、尿等の体液の縦方向Xへの拡散を促進する観点から、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、それぞれ、親水性繊維層43の主体をなす非熱可塑性の親水性繊維45が、縦方向Xに配向していることが好ましい。
吸収性コア40の各非積繊部48に位置する圧密部46の総面積は、好ましくは120mm2以上、さらに好ましくは200mm2以上、そして、好ましくは2400mm2以下
、さらに好ましくは2000mm2以下である。
肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dでは、それぞれ、熱可塑性合成繊維44及び非熱可塑性の親水性繊維45の繊維径は何れも細い方が好ましい。合成繊維層42の主体をなす熱可塑性合成繊維44の繊維径が比較的小さいことで、圧密化による該繊維44の溶融、変形が一層起こりやすく、また、吸収体4の肌対向面側或いは非肌対向面側での親水性繊維45の露出が一層起こりやすくなり、また、親水性繊維層43の主体をなす親水性繊維45の繊維径が比較的小さいことで、該繊維45の斯かる露出が一層起こりやすくなる。以上の点から、熱可塑性合成繊維44の繊度は、好ましくは0.7dtex以上、さらに好ましくは1.0dtex以上、そして、好ましくは4.4dtex以下、さらに好ましくは2.2dtex以下である。また、親水性繊維45の太さは円形状ならば直径が、楕円・扁平形状の場合はその長軸の長さがそれぞれ、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。
また、非熱可塑性の親水性繊維45に関し、親水性繊維45の断面は、真円又はそれに近い円形状であることが、吸収体4の肌対向面側或いは非肌対向面側での露出をより確実に実現する観点から好ましい。
また、吸収体4の肌対向面側或いは非肌対向面側での露出部から合成繊維層42への連続性を確保して、導液路としての機能がより確実に果たされるようにする観点から、親水性繊維45の繊維長は長い方が好ましい。具体的には親水性繊維45の繊維長は、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは3mm以上、そして、好ましくは20mm以下、さらに好ましくは15mm以下である。
また、合成繊維層42の坪量に関しては、比較的小さいことが好ましい。合成繊維層42の坪量が過大となると、圧密部46における合成繊維層42(熱可塑性合成繊維44)のフィルム化が過剰に促進される結果、圧密部46の肌対向面側或いは非肌対向面側がフィルム化した合成繊維層42によって完全に閉塞されてしまい、非熱可塑性の親水性繊維45が吸収体4の肌対向面側或いは非肌対向面側に露出し難くなるおそれがある。以上の点から、合成繊維層42の坪量は、好ましくは0.1g/m2以上、さらに好ましくは0
.3g/m2以上、そして、好ましくは10g/m2以下、さらに好ましくは8g/m2
下である。
肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、合成繊維層42の原反シート(典型的には、熱可塑性合成繊維44を主体とする不織布)と、該原反シートは別体の、親水性繊維層43の原反シート(典型的には、非熱可塑性の親水性繊維45を主体とする紙)とを重ね合わせた積層体であってもよい。上述した吸収体4は、このような積層体からなる肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dを用いて吸収性コア40を被覆し、吸収性コア40の非積繊部48内において、積層体からなる肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dの重なり所定箇所に対して、熱、超音波などの、熱可塑性合成繊維44の溶融を促進させる溶融促進手段を伴うエンボス加工(圧搾)を施すことによって製造することができる。このエンボス加工によって、外面側の合成繊維層42の原反シートにおける熱可塑性合成繊維44が溶融、変形してフィルム化されると共に、内面側の親水性繊維層43の原反シートにおける親水性繊維
45が、そのフィルム化した部分の表面側に露出しやすくなる。斯かる方法によって製造された吸収体4においては、エンボス加工部が施された部分が圧密部46となり、合成繊維層42と親水性繊維層43とは圧密部46を介して接合一体化されている。このように、2枚の原反シートからなる積層体で形成された肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dを用いる場合、各親水性繊維層43の坪量は、紙としての形態を維持する観点から、好ましくは3.0g/m2以上、さらに好ましくは4.8g/m2以上、そして、好ましくは30g/m2以下、さらに好ましくは25g/m2以下である。
また、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dは、合成繊維層42の原反シートと、非熱可塑性の親水性繊維45を含む紙料スラリーと、抄紙網とを用いて、公知の湿式抄紙法によって製造されたシートであってもよい。具体的には、先ず、抄紙網上に合成繊維層42の原反シートを載せる。次に、この抄紙網上の原反シートに親水性繊維45を含む紙料スラリーを流し込む。流し込まれた紙料スラリー中の水は、原反シート及び抄紙網を順次透過して該抄紙網の下方から流れ落ち、該紙料スラリー中の親水性繊維45は、原反シートの構成繊維(熱可塑性合成繊維44)に絡まって原反シート中に留まり、これによって該抄紙網上に親水性繊維45及び熱可塑性合成繊維44を含有する2層構造の湿潤シートが形成される。抄紙網を挟んで原反シートとは反対側に吸引手段を配置しておき、該吸引手段で原反シートの脱水を促進しても良い。そして、この湿潤シートを湿式抄紙法で採用されている種々の乾燥手段によって乾燥することによって、目的とする肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dが製造される。上述した吸収体4は、このように製造された肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dを用いて吸収性コア40を被覆し、吸収性コア40の非積繊部48内において、肌側コアラップシート41U及び非肌側コアラップシート41Dの重なり所定箇所に対して、熱、超音波などの、熱可塑性合成繊維44の溶融を促進させる溶融促進手段を伴うエンボス加工(圧搾)を施すことによって製造することができる。斯かる方法によって製造された吸収体4においては、エンボス加工部が施された部分が圧密部46となり、また、合成繊維層42と親水性繊維層43との一体化は、圧密部46の他、両繊維44,45の絡み合いによってもなされている。
このような湿式抄紙法によって製造された肌側コアラップシート41Uにおいては通常、前記原反シートにおける前記抄紙網との対向面側いわゆるワイヤー面側(前記紙料スラリーの供給側とは反対側)に非熱可塑性の親水性繊維45が偏在するので、このワイヤー面側が親水性繊維層43となる。肌側コアラップシート41Uにおける親水性繊維45の分布状態は、前記抄紙網が有する脱水孔の孔径やピッチなどを適宜調整することで調整可能である。特に、親水性繊維45を含む前記紙料スラリーを原反シートに流し込んだ後に、該原反シートにおける前記フェルト面側に高圧水流を噴射すると、その後のエンボス加工によって形成された圧密部46において、親水性繊維45が吸収体4の肌対向面側或いは非肌対向面側に露出しやすくなるため、好ましい。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、おむつ1では、図1及び図3に示すように平面視して、圧密部46のパターンは、円形から形成されるドット状のパターンであるが、図6(a)に示すように、多角形から形成されるドット状のパターンで形成されており、縦方向Xに分散配置されたパターンとなっていてもよい。また、図6(b)及び図6(c)に示すように、圧密部46が線状から形成されるパターンで形成されており、縦方向Xに分散配置されたパターンとなっていてもよい。好適に、図6(b)に示す線状の圧密部46は、各非積繊部48の縦方向Xに沿う一側縁から他側縁に向かって、横方向Yに平行に延びて形成されており、非積繊部48の縦方向Xに一定の間隔を空けて配され、縦方向Xに分散配置されている。また、
好適に、図6(c)に示す線状の圧密部46は、各非積繊部48の縦方向Xに沿う一側縁から他側縁に向かって、横方向Yに平行に延びる仮想線に交差するように形成されており、非積繊部48の縦方向Xに一定の間隔を空けて配され、縦方向Xに分散配置されている。また、図6(d)に示すように、圧密部46が線状から形成されるパターンで形成されており、線状の圧密部46が、各非積繊部48の縦方向Xの一端から他端に向かって、縦方向Xに平行に延びて形成されており、非積繊部48の横方向Yに一定の間隔を空けて配されていてもよい。また、圧密部46のパターンは、円形若しくは多角形から形成されるドット状、又は帯状を組み合わせたパターンであってもよい。
また、おむつ1のコアラップシート41は、図2に示すように、1枚からなるが、吸収性コア40の肌対向面側を肌側コアラップシート41Uで被覆し、吸収性コア40の非肌対向面側を肌側コアラップシート41Uとは別の2枚目の非肌側コアラップシート41Dで被覆して、吸収性コア40を包み込んでもよい。肌側コアラップシート41Uと非肌側コアラップシート41Dとが別体である場合、非肌側コアラップシート41Dは、その組成や材質に関して、肌側コアラップシート41Uと同じでも異なっていてもよい。
また、吸収性や防漏性等の向上の観点から、表面シート2と吸収体4(肌側コアラップシート41U)との間に、サブレイヤーなどとも呼ばれる、紙あるいは各種不織布からなる液透過性シートが介在配置されていても良い。同様の観点から、おむつ1の肌対向面に、表面シート2及び吸収体4が一体的に圧密化されてなる溝が形成されていても良い。
また、本発明の吸収性物品は、展開型の使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等も包含される。
1 展開型使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 コアラップシート
41U 肌側コアラップシート
41D 非肌側コアラップシート
42 合成繊維層
43 親水性繊維層
44 熱可塑性合成繊維
45 非熱可塑性の親水性繊維
46 圧密部
48 非積繊部
1F 腹側部
1M 股下部
1R 背側部
X 縦方向
Y 横方向

Claims (9)

  1. 液保持性の吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを有する吸収体を具備し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを備えると共に、該股間部に配される股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を備える吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、厚み方向に貫通する非積繊部を有し、
    前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを有し、
    前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートは、それぞれ、前記吸収性コアに当接する内面側に配され且つ非熱可塑性の親水性繊維を主体として構成された親水性繊維層と、該親水性繊維層に当接する外面側に配され且つ熱可塑性合成繊維を主体として構成された合成繊維層とを有する積層シートであり、
    前記吸収性コアの前記非積繊部においては、前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが圧密部を介して互いに一体とされている、吸収性物品。
  2. 前記非積繊部の前記圧密部においては、前記肌側コアラップシートの前記親水性繊維層と前記非肌側コアラップシートの前記親水性繊維層とが当接しており、
    前記肌側コアラップシートにおいては前記親水性繊維層を構成する前記非熱可塑性の親水性繊維が外面側の前記合成繊維層を通り抜けて前記吸収体の肌対向面側に露出し、
    前記非肌側コアラップシートにおいては前記親水性繊維層を構成する前記非熱可塑性の親水性繊維が外面側の前記合成繊維層を通り抜けて前記吸収体の非肌対向面側に露出している、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートの前記親水性繊維層は、構成する前記非熱可塑性の親水性繊維に、親水性の熱可塑性合成繊維を含んでおり、
    前記非積繊部の前記圧密部においては、前記肌側コアラップシートの前記親水性繊維層及び前記合成繊維層と、前記非肌側コアラップシートの前記親水性繊維層及び前記合成繊維層とが溶融一体化して接合されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートそれぞれにおいて、
    前記合成繊維層を構成する前記熱可塑性合成繊維は、その親水度が、前記親水性繊維層を構成する前記非熱可塑性の親水性繊維の親水度よりも低い、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記非積繊部は、前記吸収性コアの少なくとも前記股下部に配され、縦方向に延在している、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収体を平面視して、前記非積繊部の面積に対する、前記圧密部の面積の割合は、10%以上80%以下であり、前記圧密部の形状のパターンは、円形若しくは多角形から形成されるドット状、帯状、又はこれらを組み合わせたパターンであり、縦方向に連続或いは分散して配されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートは、それぞれ、スパンボンド不織布又はスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布を含んで構成され、且つ該不織布を構成する繊維の平均繊維間距離が10μm以上200μm以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートの前記親水性繊維層は、構成する前記非熱可塑性の親水性繊維に、パルプ、コットン、又はレーヨンを含んでいる、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の吸収性物品。
  9. 前記吸収性コアは、吸水性ポリマーを含み、
    前記吸水性ポリマーとセルロース系繊維との含有質量比は、前者:後者=1:1.5〜1:0である、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸収性物品。
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