JP2019036745A - 下地層用塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電体と活物質層との間の高い密着性を確保できるとともに、厚み方向における接触抵抗が低減された下地層を形成できる下地層用塗料を提供する。【解決手段】下地層用塗料は、集電体と、前記集電体上に形成された活物質層とを含む電気化学素子用電極において、前記集電体と前記活物質層との間に配される下地層を形成するためのものである。下地層用塗料は、導電剤と結着剤と液状成分とを含み、前記導電剤は、カーボンブラックを含み、前記カーボンブラックは、BET法による比表面積が50m2/g以上300m2/g以下であり、前記導電剤に占める前記カーボンブラックの比率は、10質量%以上であり、前記下地層用塗料中の固形分の濃度が15〜30質量%であり、前記固形分の平均粒子径が1.5μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性に優れる電気化学素子用電極、およびこの電極を形成するための下地層用塗料に関し、例えば、電気二重層キャパシタ(EDLC)、擬似キャパシタ(P−EDLC)などのキャパシタや、リチウムイオン電池などに用いる電極および下地層用塗料に関する。
近年、省エネルギー、環境保全および石油代替エネルギー利用の観点から、自動車を中心に、二次電池やEDLCなどの電気化学素子を用いる技術開発が進んでおり、ハイブリッド自動車(HEV)およびPEV(電気自動車)の開発が加速している。また、SSD(Solid state drive)やハードディスクなどでも、高性能の二次電池やEDLCの利用が進んでいる。
電気化学素子用電極は、一般に、集電体とその表面に形成された活物質層とを有する。しかし、集電体の表面に活物質層を直に形成すると、電極抵抗が大きくなったり、集電体が酸化されたりする場合がある。そこで、集電体の表面に、導電性を有する下地層を形成し、その表面に、活物質層を形成することが提案されている(特許文献1、2)。
国際公開第2012/108212号パンフレット 特開2009−272454号公報
導電性の下地層を形成すると、集電体と活物質層との界面抵抗が低くなると期待される。下地層には、特に、厚み方向における接触抵抗が低いことに加え、集電体と活物質層との間の密着性を確保することが求められる。
本発明の一局面は、集電体と、前記集電体上に形成された活物質層とを含む電気化学素子用電極において、前記集電体と前記活物質層との間に配される下地層を形成するための下地層用塗料であって、
導電剤と結着剤と液状成分とを含み、
前記導電剤は、カーボンブラックを含み、
前記カーボンブラックは、BET法による比表面積が50m2/g以上300m2/g以下であり、
前記下地層用塗料中の固形分の濃度が15〜30質量%であり、
前記導電剤に占める前記カーボンブラックの比率は、10質量%以上であり、
前記固形分の平均粒子径が1.5μm以下であり、
前記下地層の厚み方向の正規化接触抵抗は、5Ω/mm以下である、下地層用塗料に関する。
本発明に係る下地層用塗料によれば、集電体と活物質層との間の高い密着性を確保することができるとともに、厚み方向における接触抵抗が低減された下地層を形成することができる。よって、電気化学素子用電極において、集電体と活物質層との間の界面抵抗を低減することができる。
本発明に係る電気化学素子用電極の一例を示す概略縦断面図である。 実施例1の下地層のラマンスペクトルである。 実施例1〜3および比較例1〜3の下地層における正規化接触抵抗を示すグラフである。 実施例1〜3および比較例1〜3の下地層における体積抵抗率を示すグラフである。 実施例1〜3および比較例1〜3の下地層の密着強度(剥離強度)を示すグラフである。 参考例4および実施例5〜7の下地層における正規化接触抵抗を示すグラフである。 参考例4および実施例5〜7の下地層における体積抵抗率を示すグラフである。 参考例4および実施例5〜7の下地層の密着強度を示すグラフである。 実施例2および8〜11の下地層における正規化接触抵抗を示すグラフである。 実施例2および8〜11の下地層における体積抵抗率を示すグラフである。 実施例2および8〜11の下地層の密着強度を示すグラフである。 実施例1および12の下地層の密着強度の経時変化を示すグラフである。
[下地層用塗料]
本発明の一実施形態に係る下地層用塗料は、集電体と、集電体上に形成された活物質層とを含む電気化学素子用電極において、集電体と活物質層との間に配される下地層を形成するための下地層用塗料である。下地層用塗料は、導電剤と結着剤と液状成分とを含む。導電剤は、カーボンブラックを含み、カーボンブラックは、BET法による比表面積(BET比表面積)が500m2/g以下である。下地層用塗料中の固形分の濃度は、15〜30質量%であり、固形分の平均粒子径は、1.5μm以下である。
集電体と活物質層との間に介在させて導電性を高める下地層の目的からは、特に厚み方向における接触抵抗を低減することが重要である。しかし、使用する導電剤の種類や物性によっては、厚み方向における接触抵抗を十分に低減できない場合がある。また、導電剤や結着剤を含む下地層用塗料は、固形分濃度が低いと、塗膜が薄くなり易く、集電体と活物質層との間の十分な密着力を確保し難い。十分な密着力を確保できる場合でも、下地層の抵抗が高くなり易い。一方、固形分濃度を高めると、均一な塗膜が得られにくくなり、下地層の抵抗が増加することがある。場合によっては、密着性が低下することもある。
本実施形態では、BET比表面積が500m2/g以下のカーボンブラックを含む導電
剤を用いるため、下地層用塗料中の固形分濃度、固形分の平均粒径および下地層用塗料の粘度などを調節し易くなる。よって、固形分濃度を15質量%以上に高めることができる。また、固形分の平均粒子径を1.5μm以下に小さくすることができる。よって、粘度が過度に高くなることが抑制され、塗膜を形成し易くなる。さらに、塗膜および下地層の均一性を高めることができるため、下地層の抵抗を低減できる。また、集電体と活物質層との間の高い密着性を確保することができる。BET比表面積が500m2/g以下のカーボンブラックを用いることで、下地層の厚み方向における接触抵抗を低減することができる。その結果、集電体と活物質層との間の界面抵抗を低減できるため、電極の高出力化が期待できる。
(導電剤)
下地層用塗料に含まれる導電剤は、BET比表面積が500m2/g以下のカーボンブラック(第1カーボンブラック)を含む。BET比表面積がこのように小さいカーボンブラックを用いることで、塗料中の固形分濃度を高めても、固形分の平均粒子径を小さくすることができ、均一な塗膜を形成し易くなる。
第1カーボンブラックのBET比表面積は、500m2/g以下であればよく、好ましくは300m2/g以下であり、150m2/g以下であってもよい。第1カーボンブラックのBET比表面積は、例えば、30m2/g以上であり、45m2/g以上であることが好ましい。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。第1カーボンブラックのBET比表面積は、例えば、30〜500m2/g、45〜500m2/g、または45〜300m2/gであってもよい。
第1カーボンブラックとしては、上記のBET比表面積を有するものが特に制限なく使用できる。第1カーボンブラックの具体例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、ディスクブラックなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもよい。中でも、導電剤が、BET比表面積が500m2/g以下のファーネスブラックを含む場合、その理由は定かではないが、下地層の厚み方向の接触抵抗を低減し易い。
なお、ファーネスブラックは、例えば、ラマンスペクトルによりアセチレンブラックと容易に区別することができる。より具体的に説明すると、カーボンブラックなどの炭素材料のラマンスペクトルは、一般に、1330cm-1付近(例えば、1320〜1360cm-1)にDバンドのピークを有し、1580cm-1付近(例えば、1560〜1590cm-1)にGバンドのピークを有する。ラマンシフトをx軸およびラマン強度をy軸とするカーボンブラックのラマンスペクトルにおいて、カーボンブラックに基づくDバンドおよびGバンドの間の谷となる最下点を通り、x軸に平行な直線を直線Aとする。このとき、DバンドおよびGバンドのそれぞれのラマンスペクトルを示す曲線と直線Aとの交点と最下点との間のラマンシフト(cm-1)をaとする。また、DバンドおよびGバンドのそれぞれのピークと、これらのピークから下ろした垂線と直線Aとの交点との間のラマン強度をbとする。このとき、アセチレンブラックは、それぞれのバンドについて、b/a比が3.0を超えるのに対し、ファーネスブラックは、b/a比がアセチレンブラックよりも小さい。第1カーボンブラックがファーネスブラックを含む場合、b/a比は、例えば、3.0以下であり、好ましくは2.7以下または1.8以下であってもよい。
導電剤(またはカーボンブラック)が、比表面積が比較的大きなカーボンブラックを含む場合、Gバンドのピークにおけるラマン強度b(G(b))に対する、Dバンドのピークにおけるラマン強度b(D(b))の比:D(b)/G(b)が大きくなる傾向がある。また、ファーネスブラックに比べて、アセチレンブラックやケッチェンブラックは、D(b)/G(b)比が大きくなる傾向がある。好ましい実施形態において、D(b)/G(b)比は、例えば、1.10未満であり、1.05以下であることが好ましく、1.00以下であることがさらに好ましい。
カーボンブラックはファーネスブラックを含むことが好ましい。カーボンブラック中のファーネスブラックの割合が多くなると、D(b)/G(b)比は小さくなる傾向がある。この場合、D(b)/G(b)比は、例えば、1.05以下であり、1.00以下であることが好ましく、0.90以下であることがさらに好ましい。
なお、本発明の一実施形態では、下地層用塗料に含まれる導電剤として、BET比表面積が500m2/g以下のカーボンブラックを含むものを用いることが重要である。しかし、下地層用塗料に含まれる導電剤として、D(b)/G(b)比が上記の範囲であるカーボンブラックを用いても、同様の効果が得られる。本発明には、特定の範囲のD(b)/G(b)比を有するカーボンブラックを含む導電剤を用いた実施形態も含まれる。
b/a比、およびD(b)/G(b)比は、それぞれ、カーボンブラックを含む薄膜のラマンスペクトルに基づいて求めることができる。より具体的には、下地層用塗料を用いて形成される薄膜(後述の下地層)について測定したラマンスペクトルのDバンドおよびGバンドのそれぞれについてb/a比を算出する。また、D(b)/G(b)比は、同様に測定したラマンスペクトルのDバンドおよびGバンドのそれぞれについてラマン強度bを求め、これらの比を算出すればよい。電気化学素子用電極においては、活物質層を剥離して、下地層を露出させ、この状態で、ラマンスペクトルを測定して、b/a比やD(b)/G(b)比を求めることができる。ラマンスペクトルは、薄膜(下地層)の表層付近について測定されるため、b/a比やD(b)/G(b)比は薄膜(下地層)の厚みにほとんど依存しない。そのため、ラマンスペクトルを測定する際の薄膜(下地層)の厚みは、測定に支障がでない範囲で適宜決定すればよい。
なお、ラマンスペクトルは、例えば、JIS K0137(2010)「ラマン分光分析通則」に基づいて測定することができる。測定は、例えば、15〜25℃の温度、60〜70%RHの湿度で行なうことができる。
カーボンブラックは、複数の一次粒子が三次元的に連なった二次粒子で構成されている。第1カーボンブラックの一次粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、下地層の抵抗を低減し易い観点からは、10〜50nmであることが好ましく、20〜50nmまたは20〜45nmであることがさらに好ましい。なお、カーボンブラックの平均粒子径は、例えば、動的光散乱法により測定することができる。
導電剤は、第1カーボンブラック以外の導電性の成分を含んでもよい。導電剤が第1カーボンブラックを含む限り、その添加量に応じた効果を得ることができるが、第1カーボンブラックの導電剤に占める比率は、例えば、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上または50質量%以上であってもよい。導電剤に占める第1カーボンブラックの比率は100質量%以下である。
導電剤は、さらに非晶質の粒状炭素材料を含むことができる。炭素材料における黒鉛型結晶構造の発達の程度の指標の1つとして、X線回折(XRD)スペクトルで測定される(002)面の平均面間隔d002が使用されている。黒鉛の平均面間隔d002は一般に0.337nm未満と小さいが、非晶質の粒状炭素材料の平均面間隔d002は、例えば、0.337nm以上である。粒状炭素材料の平均面間隔d002は、0.37nm以上であってもよく、0.37〜0.42nmまたは0.38〜0.40nmであってもよい。
粒状炭素材料は、例えば、酸触媒および保護コロイド剤の存在下、アルデヒド化合物とフェノール化合物とを反応させることによりフェノール樹脂で形成された粒子を生成させ、粒子を加熱することによりフェノール樹脂を硬化させて硬化粒子を得、硬化粒子を炭化することにより得られるものである。炭化する際の温度は、結晶化が進行しない温度、例えば、500〜1200℃であることが好ましく、550〜1000℃または550〜900℃であることが好ましい。このような温度で炭化することで、導電性を確保しながらも、非晶質の炭素材料が得られる。粒状炭素材料の製法については、例えば、特開2009−49236号公報を参照できる。
粒状炭素材料の平均粒子径は、例えば、50nm〜20μmであり、1〜20μmまたは1〜10μmであってもよい。粒状炭素材料の平均粒子径は、例えば、50nm〜5μmまたは0.1〜2μmと小さくてもよい。平均粒子径が小さな粒状炭素材料を用いると、下地層の厚みを小さくし易い。ここで、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)を意味する。
粒状炭素材料の平均アスペクト比は、例えば、1〜1.7であり、1〜1.5であることが好ましい。なお、このような平均アスペクト比を有する粒状炭素材料は、ほぼ球状であると言うことができ、球または楕円球、もしくはこれらに近い形状の粒状炭素材料を含む。
なお、平均アスペクト比は、粒状炭素材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、任意に選択した複数(例えば、10個)の粒子について、それぞれ、最大径Dmと、最大径Dmと直交する方向の径(最大径)Dpとを計測し、DmをDpで除して各粒子のアスペクト比を求め、さらに平均化することにより算出できる。
粒状炭素材料のBET比表面積は、例えば、1〜2500m2/gの範囲から適宜選択できる。中でも、1〜100m2/gまたは1〜50m2/gであるものを用いることが好ましい。
粒状炭素材料の単粒子率は、0.7以上であることが好ましく、0.8以上であってもよい。なお、単粒子率とは、粒状炭素材料全体の質量を1としたときに、粒状炭素材料全体に占める一次粒子(単粒子)の質量割合である。
導電剤が、第1カーボンブラックと粒状炭素材料とを含む場合、導電剤に占める第1カーボンブラックの比率は、例えば、10質量%以上であり、10〜80質量%であることが好ましく、10〜50質量%であってもよい。また、第1カーボンブラックの比率がこのような範囲でも、下地層の厚み方向の接触抵抗を低減する効果を十分に得ることができる。
導電剤は、BET比表面積が500m2/gを超えるカーボンブラック(第2カーボンブラック)を含んでもよいが、第2カーボンブラックを用いると、下地層用塗料の固形分濃度、粘度、固形分の平均粒子径を調節し難くなる。そのため、導電剤に占める第2カーボンブラックの比率は、5質量%以下または1質量%以下であることが好ましく、特に、導電剤が第2カーボンブラックを含まない場合が好ましい。
これらの以外の導電性の成分としては、例えば、黒鉛、炭素繊維などの上記以外の導電性炭素材料、導電性の金属成分(金属、合金、金属化合物など)、導電性ポリマーなどが挙げられる。
(結着剤)
下地層用塗料に含まれる結着剤(第1結着剤)としては、例えば、オレフィン系樹脂、アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩(CMCのNa塩やアンモニウム塩など))、合成ゴム(スチレンブタジエンゴム(SBR)など)などが挙げられる。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)単位を含む共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)単位を含む共重合体(VDF−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VDF−HFP−アクリル共重合体など)などが挙げられる。第1結着剤は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
少量で高い結着力が得られる点からは、アクリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、およびセルロース誘導体が好ましい。なお、アクリレート樹脂とは、アクリル酸もしくはそのアルキルエステルまたはメタクリル酸もしくはそのアルキルエステルの単位を含む樹脂の総称である。
耐熱性や耐電圧の観点からは、第1結着剤のうち、炭素間二重結合を有さず、かつ160℃以上の融点を有する樹脂、Tgが260℃以上である熱硬化性樹脂などが好ましい。このような樹脂としては、例えば、両末端にアリル基を有する付加型熱硬化性イミド(ポリイミド樹脂)や、ポリアミドイミド(PAI)樹脂が挙げられる。耐熱性の観点からは、特にPAI樹脂が好ましい。
PAI樹脂を用いると、電極を作製する際に、高温で乾燥させることができるため、電極に水が残存するのを抑制できる。水は、電気化学素子内において電気分解しガス化するため、劣化因子と考えられている。第1結着剤としてPAI樹脂を用いると、このような水の残存を抑制できるため、電極、ひいては電気化学素子の耐久性を向上できる。
第1結着剤としては、水系媒体に分散した状態で使用できるもの(例えば、フッ素樹脂、合成ゴム、PAI樹脂、セルロース誘導体、アクリレート樹脂など)も好ましく、中でもフッ素樹脂、合成ゴムおよびPAI樹脂からなる群より選択された少なくとも一種(特に、PAI樹脂)とセルロース誘導体とを用いる場合が好ましい。
下地層用塗料に含まれる第1結着剤の量は、下地層用塗料に含まれる導電剤100質量部に対して、例えば、1〜70質量部であり、1〜60質量部が好ましく、3〜40質量部であってもよい。第1カーボンブラックの比表面積が大きいと、十分な成膜性を確保するには、多くの第1結着剤を使用する必要がある。本実施形態では、第1結着剤の量がこのような範囲であっても、十分な成膜性および集電体と活物質層との間の高い結着力を確保することができるとともに、下地層の抵抗を低く抑制することができる。
第1結着剤のうち、セルロース誘導体は、下地層用塗料中で固形分を分散させるための分散剤としても機能する。セルロース誘導体を用いることで、第1カーボンブラックを含む固形分をより均一に分散させ易くなり、固形分の平均粒子径をより小さくすることができる。下地層用塗料に含まれるセルロース誘導体の量は、下地層用塗料に含まれる導電剤100質量部に対して、例えば、0.1〜50質量部であり、1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
(液状成分)
各スラリーの液状成分は、結着剤の種類に応じて、水、有機媒体、およびこれらの混合物などから適宜選択すればよい。有機媒体としては、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド、テトラヒドロフランなどのエーテル、酢酸エチルなどのエステルなどが挙げられる。例えば、結着剤としてアクリレート樹脂、セルロース誘導体、PAI樹脂、PTFE、VDF共重合体などのフッ素樹脂、合成ゴムなどを用いる場合には、水または水と有機媒体との混合物が液状成分として使用される。また、PVDFやVDF共重合体などのフッ素樹脂を用いる場合には、NMPのような有機媒体を使用してもよい。
安全な作業環境を確保し易い観点からは、水を含む液状成分を用いることが好ましい。このような液状成分としては、水、水とアルコール(エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4の脂肪族アルコールなど)などの水溶性有機媒体との混合媒体が挙げられる。
液状成分中に占める水の割合は、例えば、70〜100質量%であり、80〜100質量%または90〜100質量%が好ましい。
スラリーを調製する際には、結着剤は、必要に応じて、エマルジョンや分散液の形態で用いてもよい。各スラリーには、必要に応じて、スラリーを安定化するための安定剤の他、界面活性剤、消泡剤など、公知の添加剤を添加してもよい。
本実施形態では、BET比表面積が比較的低い第1カーボンブラックを用いるため、固形分濃度を高めても、下地層用塗料の粘度を適度な範囲に保つことができる。よって、下地層用塗料の固形分濃度を、例えば、15〜30質量%または20〜30質量%にまで高めることができる。固形分濃度は、第1カーボンブラックのBET比表面積、導電剤の種類や量、第1結着剤の種類や分子量などを調節することにより調節することができる。固形分濃度を調節し易い観点からは、第1結着剤として、少なくとも、CMCまたはその塩などのセルロース誘導体を用いることが好ましい。
下地層用塗料は、液状成分中に、導電剤などの固形分が分散したスラリーである。結着剤は、液状成分中に分散していてもよく、溶解していてもよい。本実施形態では、BET比表面積が比較的低い第1カーボンブラックを用いるため、下地層用塗料に含まれる固形分の平均粒子径を1.5μm以下にまで小さくすることができ、下地層用塗料の粘度が過度に増大するのを抑制できる。下地層用塗料中の固形分の平均粒子径は、0.5μm以下であることが好ましく、0.4μm以下または0.3μm以下であることがより好ましい。
なお、固形分の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)である。測定の際には、必要に応じて、塗料を分散媒で希釈してもよい。分散媒としては、固形分を溶解しない液体が使用される。
下地層用塗料の粘度は、例えば、50〜1500mPa・sであり、50〜700mPa・sであることが好ましい。粘度は、例えば、市販のスピンドルタイプのB型粘度計を用いて、25℃で測定される。高い固形分濃度を維持しながら、粘度を低減するには、導電剤として、非晶質の粒状炭素材料を、第1カーボンブラックと併用することも有利である。
下地層用塗料は、上記のような組成を有するため、厚み方向における接触抵抗が低減された下地層を形成することができる。下地層は、集電体と活物質層との間に配されるため、下地層用塗料は、集電体と活物質層と間の界面抵抗を低減するのに有用である。また、下地層は、集電体と活物質層との間の高い密着性を確保することができる。下地層用塗料は、下地層の厚みを調節し易く、また、高い成膜性を有し、下地層の厚みが大きい場合でも密着性が高い均一な下地層が得られ易い。
[電気化学素子用電極]
本発明には、集電体と、集電体の表面に形成された下地層と、下地層の表面に形成された活物質層と、を含む、電気化学素子用電極も含まれる。下地層は、上記の下地層用塗料を用いて形成することができる。なお、電気化学素子とは、主にキャパシタや電池を意味し、例えば、EDLC、P−EDLC、リチウムイオン電池などが含まれる。キャパシタや電池の構造は、特に限定されず、コイン型、捲回型、積層型などが含まれる。
以下に、本発明に係る電気化学素子用電極の構造について、電極の概略縦断面図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る電極の構造の一例を模式的に示す縦断面図である。ここでは、集電体1の片面に活物質層2を具備する場合について説明する。ただし、本発明に係る電極は、図1の形態に限らず、集電体の片面に活物質層および下地層(または導電層)を具備する場合と、集電体の両面に活物質層および下地層を具備する場合が含まれる。また、必要に応じて、集電体の一方の主面に活物質層および下地層を形成し、他方の主面に活物質層を直接形成してもよい。
図1では、集電体1の一方の主面に、下地層3が形成されており、下地層3の表面に活物質層2が形成されている。下地層3が、上記の導電剤と結着剤とを含むことで、面方向における体積抵抗率をある程度低く保ちながらも、厚み方向における接触抵抗を大きく低減できる。
次に、本発明に係る電気化学素子用電極の各構成要素について、より詳細に説明する。
(集電体)
集電体は、通常シート状である。集電体には、金属箔が好ましく用いられる。金属箔の厚さは、例えば8〜60μm、好ましくは20〜40μmである。金属箔の材質としては、例えばAl、Ni、Cu、Fe、Cr、Moなどの金属またはこれらから選択される少なくとも一種を含む合金(例えば、Al合金、Ni合金、Cu合金、ステンレス鋼)が挙げられる。キャパシタ用電極やリチウムイオン電池の正極には、アルミニウム箔が好ましく用いられる。また、リチウムイオン電池の負極には、銅箔が好ましく用いられる。金属箔は、エッチング処理が施されていないプレーン箔でもよく、エッチング箔でもよい。プレーン箔は、高い耐電圧特性を期待できる。エッチング箔は、下地層との密着性に優れている。集電体は、三次元に加工された構造を有してもよく、例えばパンチング箔やラス金網状の集電体を用いてもよい。
(下地層)
下地層は、下地層用塗料を用いて形成される。下地層の厚さは、電極の種類により異なるが、例えば、0.5〜40μmの範囲が選択できる。EDLCの場合、例えば1〜20μmであり、リチウムイオン二次電池の場合、例えば10〜40μmである。下地層の厚みが大きい(例えば、5μm以上である)場合であっても、本発明では、厚み方向の接触抵抗を低減できるため、高出力化が可能である。下地層の厚みを、0.5〜15μmまたは1〜10μmとしてもよい。
本発明において、下地層の厚み方向の接触抵抗は、例えば、10Ω/mm以下であり、さらに6Ω/mm以下または5Ω/mm以下にまで低下させることもできる。
なお、下地層の厚み方向の接触抵抗とは、下地層の単位厚み(1mm)当たりの下地層における接触抵抗(Ω)(正規化接触抵抗(Ω/mm))である。正規化接触抵抗は、下地層を形成した集電体を2枚用意し、下地層を向き合わせた状態で、導電板(ステンレススチール(SUS)板)を介して重ね、所定の荷重をかけた状態で、2枚の下地層間の抵抗(Ω)を求めて、1枚当たりに換算し、これを下地層の厚み(mm)で除することにより求められる。
一般に、下地層の厚み方向における接触抵抗を低く抑えながら、面方向における体積抵抗率も低く抑えることは難しい。本発明では、下地層の厚み方向における接触抵抗を上記のように低減しながらも、面方向における体積抵抗率を低くすることができる。下地層の面方向における体積抵抗率は、例えば、1.0Ω・cm以下であり、0.1〜0.5Ω・cmであってもよい。
下地層の面方向における体積抵抗率(Ω・cm)は、樹脂フィルムの表面に下地層を形成し、下地層の表面抵抗率(Ω/□)を測定し、この測定値に下地層の厚み(cm)を乗ずることにより求めることができる。
(活物質層)
下地層の表面には、活物質層が形成されている。
活物質層は、活物質を含み、必要に応じて、さらに結着剤(第2結着剤)および/または導電剤(カーボンブラックなど)を含んでもよい。
活物質としては、電気化学素子の種類に応じて、例えば、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、遷移金属化合物、珪素、珪素化合物などが使用できる。これらの活物質は一種を用いてもよく、必要に応じて、二種以上組み合わせてもよい。
電気二重層キャパシタ用電極の場合、活物質として、活性炭が用いられる。この場合、正極(陽極)および負極(陰極)は、いずれも同じく活性炭を活物質として含んでいる。一方、擬似キャパシタの場合、活物質としては、様々な材料が用いられる。例えば、正極には活性炭が用いられ、負極には黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボンなどが用いられる。
リチウムイオン電池用電極の場合も、活物質には、様々な材料が用いられる。正極には、遷移金属化合物などが用いられる。遷移金属化合物としては、Co、NiおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種を含むリチウム含有遷移金属酸化物やオリビン酸(LiFePO4)型化合物が好ましく用いられる。負極には、黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、珪素、珪素化合物(炭化珪素、酸化珪素など)などが用いられる。
本発明は、これらのいずれの電極にも適用できるが、電気二重層キャパシタおよび擬似キャパシタ用電極への適用が最も効果的である。
活物質層において、第2結着剤には、第1結着剤として示した材料を用いることが好ましい。第2結着剤は、第1結着剤と異なる材料でもよいが、下地層と活物質層との密着性を高める観点から、同じ材料を用いてもよい。例えば、第1結着剤としてPAI樹脂を用いる場合、第2結着剤にもPAI樹脂を用いてもよい。
活物質層において、第2結着剤の量は、電極の種類により異なるが、例えば電気二重層キャパシタや擬似キャパシタの場合、活物質(活性炭または黒鉛)100質量部に対し、3〜10質量部、更には4〜6質量部が好適である。第2結着剤量が多くなると、下地層と活物質層との密着性は向上するが、直流抵抗や交流抵抗(ESR)が大きくなる傾向がある。第2結着剤量が少な過ぎると、活物質粒子同士の密着性が低下する傾向がある。
活物質層の厚さは、電極の種類により異なるが、電気二重層キャパシタの場合、例えば50〜200μmである。また、コイン型電気化学素子の場合、活物質層の厚さは、400〜700μmである。
電極は、集電体の表面に、下地層用塗料(具体的には、下地層用スラリー(第1スラリー))を塗布し、乾燥することにより下地層を形成し、下地層の表面に、活物質層用スラリー(第2スラリー)を塗布し、乾燥して、活物質層を形成することにより得ることができる。また、集電体の表面に第1スラリーの塗膜と第2スラリーの塗膜とを形成し、乾燥することにより、電極を形成してもよい。必要に応じて、ローラなどにより、電極や下地層が形成された電極前駆体を厚み方向に圧縮してもよい。なお、下地層用塗料の塗布方法としては、特に制限されず、グラビアコート、ダイコート、キスコートなど各種方法を使用できる。薄膜を形成し易い観点からは、グラビアコートが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の手順で下地層用塗料(第1スラリー)を調製し、調製した塗料を用いて下地層を形成した。下地層につき、厚み方向の抵抗(接触抵抗)と、面方向の抵抗(体積抵抗率)とを測定した。
(1)第1スラリーの調製
イソプロピルアルコール水溶液(濃度4.1質量%)に、攪拌下、CMCのアンモニウム塩を添加して溶解させた。得られた混合物に、攪拌下で、カーボンブラック(ファーネスブラック、BET比表面積:50m2/g、平均一次粒子径:38nm)を添加し、ビーズミルを用いて分散させた。次いで、PAI樹脂を添加して攪拌することにより第1スラリーを調製した。カーボンブラック100質量部に対して、CMCのアンモニウム塩の量は3質量部、PAI樹脂の量は16質量部とした。第1スラリー中の固形分濃度は22.5質量%であり、粘度は223mPa・sであった。第1スラリー中の固形分の平均粒子径を既述の手順で測定したところ、0.3μmであった。
(2)評価
(a)厚み方向の抵抗(接触抵抗)
集電体(エッチング処理を施したアルミニウム箔(算術平均粗さRa:0.112μm)、縦40cm×横15cm、厚み30μm)の一方の表面に、ワイヤーバーで第1スラリーを塗布して、塗膜を形成した。このとき、塗膜は周囲に未塗工部ができるように塗布した。そして、塗膜を乾燥することにより下地層を形成した。下地層の厚みは、6.8μmであった。下地層を有する集電体を、縦10cm×横5cmの矩形にカットしてサンプルを作製した。このとき、長手方向の一端部に未塗工部を有するようにカットした。同様のサンプルを合計6枚準備した。
2枚のサンプルを、下地層を対向させて下地層間にSUS板(直径30mm、厚み5mm)を挟み、さらに集電体の両側から2枚のSUS板(縦40mm×横40mm、厚み5mm)で挟んだ。得られた積層物を2枚のSUS板が上下にくるように台の上に載せ、上から34kgf/cm2(≒3.3MPa)の荷重を加え、各サンプルの未塗工部を抵抗測定器(デジタルハイテスタ3239、日置電機(株)製)に接続した。この状態で、2枚のサンプル間の抵抗を(接触抵抗)を測定し、1枚のサンプル当たりに換算し、さらに下地層の厚み(mm)で除することにより正規化接触抵抗(Ω/mm)を求めた。
残りのサンプルを用いて同様の測定を行い、結果を3回の平均値で求めた。
(b)面方向の抵抗(体積抵抗率)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み100μm)の一方の表面に、第1スラリーをワイヤーバーで塗布し、塗膜を形成し、乾燥することにより下地層を形成した。下地層の厚みは、7.9μmであった。下地層を有するフィルムを、縦8cm×横5cmのサイズにカットすることによりサンプルを作製した。同様のサンプルは合計4枚準備した。
抵抗測定器(ロレスタGP MCP−T610型)に、1枚のサンプルをセットし、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。表面抵抗率に下地層の厚み(cm)を乗ずることにより体積抵抗率(Ω・cm)を求めた。各サンプルについて同様に測定を行い、結果は4枚のサンプルの平均値で求めた。
(c)密着強度(剥離強度)
第1スラリーを用いて、接触抵抗の評価と同様にして、集電体の一方の表面に下地層を形成した。このようにして作製したサンプルの剥離強度(初期の剥離強度)を求めた。なお、剥離強度の測定は、下地層の表面に粘着テープ(幅25mm)を貼付し、粘着テープの一方の端部を持ち上げて180度反対方向に引っ張って剥離させ、剥離強度をバネ量りで測定した。
(d)b/a比
第1スラリーを用いて、接触抵抗の評価と同様にして、集電体の一方の表面に下地層を形成した。このようにして作製した下地層のラマンスペクトルを、JIS K0137(2010)「ラマン分光分析通則」に基づいて、20±2℃の温度および65±2%RHの湿度で、市販のラマン測定装置(RAMANtouch(登録商標):nanophoton社製)を用いて測定した。このとき、測定は、励起波長532nm、露光時間15秒、積算回数5、励起出力1.6mW、回折格子600gr/mm、対物レンズ50倍、開口数(NA)0.60の条件で行なった。DバンドおよびGバンドのそれぞれについて、b/a比を、また、DバンドおよびGバンドのラマン強度bからD(b)/G(b)比を、それぞれ、既述の手順で求めた。各バンドについて、b/a比およびD(b)/G(b)比は、下地層の任意の4箇所で測定し、平均値を算出したところ、Dバンドのb/a比は0.8、Gバンドのb/a比は1.2であり、D(b)/G(b)比は0.8であった。
実施例1の下地層の任意の1箇所について測定したラマンスペクトルを図2に示す。
実施例2
カーボンブラックとして、ファーネスブラックに代えて、アセチレンブラック(BET比表面積:133m2/g、平均一次粒子径:26nm)を用いた。また、カーボンブラック100質量部に対するCMCのアンモニウム塩の量を5質量部にした。これら以外は、実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は22.9質量%であり、粘度は516mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、0.4μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、9.2μmであり、b/a比はDバンド3.2、Gバンド3.6であり、D(b)/G(b)比は1.0であった。
実施例3
カーボンブラックとして、実施例1で用いたファーネスブラックに代えて、ファーネスブラック(BET比表面積:225m2/g、平均一次粒子径:25nm)を用いた。また、固形分濃度を実施例1とほぼ同じにしながらも、均一なスラリーとするため、カーボンブラック100質量部に対するCMCのアンモニウム塩およびPAI樹脂の量をそれぞれ、7質量部および52質量部に変更した。また、イソプロピルアルコール水溶液の濃度を3.3質量%にし、水溶液の使用量を適宜調節した。これら以外は、実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は21.4質量%であり、粘度は1216mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、0.2μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、7.8μmであり、b/a比はDバンド1.2、Gバンド1.6であり、D(b)/G(b)比は0.9であった。
比較例1
カーボンブラックとして、実施例1で用いたファーネスブラックに代えて、ケッチェンブラック(BET比表面積:800m2/g、平均一次粒子径:39.5nm)を用いた。固形分濃度をできるだけ高くするとともに、均一なスラリーとするため、カーボンブラック100質量部に対するCMCのアンモニウム塩およびPAI樹脂の量をそれぞれ、50質量部および80質量部にした。また、イソプロピルアルコール水溶液の濃度を5.9質量%にし、水溶液の使用量を適宜調節した。これら以外は、実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は13.4質量%であり、粘度は4200mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、0.8μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、6.6μmであり、b/a比はDバンド2.0、Gバンド2.2であり、D(b)/G(b)比は1.2であった。
比較例2
カーボンブラックとして、実施例1で用いたファーネスブラックに代えて、ケッチェンブラック(BET比表面積:1270m2/g、平均一次粒子径:30nm)を用いた。また、固形分濃度をできるだけ高くするとともに、均一なスラリーとするため、カーボンブラック100質量部に対するCMCのアンモニウム塩およびPAI樹脂の量をそれぞれ、30質量部および32質量部にした。また、イソプロピルアルコール水溶液の濃度を0.9質量%にし、水溶液の使用量を適宜調節した。これら以外は、実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は8.1質量%であり、粘度は1840mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、2.9μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、4.0μmであり、b/a比はDバンド3.7、Gバンド3.9であり、D(b)/G(b)比は1.4であった。
比較例3
カーボンブラックとして、実施例1で用いたファーネスブラックに代えて、ファーネスブラック(BET比表面積:1500m2/g、平均一次粒子径:12nm)を用いた。また、固形分濃度をできるだけ高くするとともに、均一なスラリーとするため、カーボンブラック100質量部に対するCMCのアンモニウム塩およびPAI樹脂の量をそれぞれ、19質量部および52質量部に変更した。また、イソプロピルアルコール水溶液の濃度を1.3質量%にし、水溶液の使用量を適宜調節した。これら以外は、実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は11.6質量%であり、粘度は544mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、2.7μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、6.6μmであり、b/a比はDバンド1.3、Gバンド1.7であり、D(b)/G(b)比は1.1であった。
実施例1〜3および比較例1〜3の正規化接触抵抗の結果を図3に、体積抵抗率の結果を図4に、密着強度(剥離強度)の結果を図5に、それぞれ示す。図3〜図5中、実施例には「Ex.」を付し、比較例には「ComEx.」を付した。
BET比表面積が500m2/gを超えるカーボンブラックを用いた比較例では、面方向の体積抵抗率は実施例とそれほど変わらないものの、厚み方向の接触抵抗は実施例に比べて格段に大きくなった。これらの比較例では、D(b)/G(b)比は1.1以上であった。
また、比較例では、第1スラリーの固形分濃度を実施例並に高めようとしても、8.1〜13.4%までしか高めることができなかった。比較例では、カーボンブラックを分散させるために多くのCMC塩が必要となることに加え、ある程度の成膜性を確保するためには多くのPAI樹脂を添加する必要がある。分散剤のCMC塩は、PAI樹脂とともに第1結着剤として機能する。そのため、下地層中に多くの第1結着剤を含むことになり、均一な塗膜が形成され難く、接触抵抗が増加したものと考えられる。
一方、BET比表面積が500m2/g以下(またはD(b)/G(b)比が1.1未満)のカーボンブラックを用いた実施例では、厚み方向の正規化接触抵抗を4.7Ω/mm以下に低減できており、面方向の体積抵抗も低くなっている。また、高い密着強度も確保できている。
参考例4
イソプロピルアルコール水溶液(濃度4.2質量%)に、攪拌下、CMCのNa塩およびCMCのアンモニウム塩を添加して溶解させた。得られた混合物に、攪拌下で、粒状炭素材料と、CNT(多層カーボンナノチューブ、平均繊維径150nm、繊維長10〜20μm、アスペクト比67〜133)と、カーボンブラック(ファーネスブラック、BET比表面積:33m2/g、平均一次粒子径:55nm)とを添加し、ビーズミルを用いて分散させた。PAI樹脂を添加して攪拌することにより第1スラリーを調製した。粒状炭素材料と、CNTと、カーボンブラックとの質量比は、80:2:18とした。粒状炭素材料、CNTおよびカーボンブラックの総量100質量部に対して、CMCのNa塩の量は0.5質量部、CMCのアンモニウム塩の量は2.5質量部、PAI樹脂の量は4質量部とした。第1スラリー中の固形分濃度は22.8質量%であり、粘度は80mPa・sであった。第1スラリー中の固形分の平均粒子径を既述の手順で測定したところ、1.3μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、8.2μmであり、b/a比はDバンド0.6、Gバンド1.1であり、D(b)/G(b)比は0.8であった。
なお、使用した粒状炭素材料は、以下の手順で合成した。
ホルムアルデヒドと塩酸とを含む水溶液(ホルムアルデヒド濃度10質量%、塩酸濃度16質量%)100質量部に対して、CMCのNa塩(保護コロイド剤)の水溶液(CMCNa塩濃度2質量%)0.4質量部を添加し、撹拌した。得られた水溶液の温度を20℃に調整し、撹拌下で30℃のフェノール(純度95質量%)3.5質量部を加えて混合した。混合物が白濁した状態から淡いピンクになるまで撹拌した(反応混合物の温度:約30℃)。反応混合物を、撹拌しながら、80℃になるまで加熱し、80℃で約30分保持した。得られた混合物をろ過して固形分を回収し、固形分を水洗し、5質量%濃度のアンモニア水に懸濁させて40℃で1時間撹拌して中和させた。懸濁液をろ過して固形分を回収し、水洗し、乾燥させることにより、粒状のフェノール樹脂を得た。
フェノール樹脂を、電気炉内に入れ、窒素ガス雰囲気下、100℃/時間の速度で950℃になるまで昇温し、950℃で3時間焼成することにより炭化した。このようにして粒状炭素材料を合成した。
得られた粒状炭素材料のSEM画像から既述の手順で平均アスペクト比および平均粒径を求めたところ、平均アスペクト比は1.0であり、平均粒径は2μmあった。得られた粒状炭素材料は、ほぼ球状であった。粒状炭素材料の平均面間隔d002は、0.337nm以上であり、非晶質であった。
実施例5
参考例4で用いたファーネスブラックに代えて、ファーネスブラック(BET比表面積:50m2/g、平均一次粒子径:38nm)を用いたこと以外は、参考例4と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は22.8質量%であり、粘度は80mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、1.1μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、7.5μmであった。b/a比はDバンド0.8、Gバンド1.2であり、D(b)/G(b)比は0.8であった。
実施例6
参考例4で用いたファーネスブラックに代えて、アセチレンブラック(BET比表面積:133m2/g、平均一次粒子径:26nm)を用いたこと以外は、参考例4と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は22.8質量%であり、粘度は204mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、1.4μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、8.5μmであった。b/a比はDバンド3.2、Gバンド3.6であり、D(b)/G(b)比は1.0であった。
実施例7
参考例4で用いたファーネスブラックに代えて、ファーネスブラック(BET比表面積:225m2/g、平均一次粒子径:25nm)を用いたこと以外は、参考例4と同様にして第1スラリーを調製した。第1スラリー中の固形分濃度は22.8質量%であり、粘度は148mPa・sであり、第1スラリー中の固形分の平均粒子径は、1.4μmであった。得られた第1スラリーを用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下地層の厚みは、7.0μmであった。b/a比はDバンド1.2、Gバンド1.6であり、D(b)/G(b)比は0.9であった。
参考例4および実施例5〜7の正規化接触抵抗の結果を図6に、体積抵抗率の結果を図7に、密着強度(剥離強度)の結果を図8に、それぞれ示す。図6〜図8中、参考例4および実施例5〜7を、RefEx.4、およびEx.5〜Ex.7で示した。
BET比表面積が500m2/g以下(またはD(b)/G(b)比が1.1未満)のカーボンブラックを用いた参考例4および実施例5〜7では、低い体積抵抗率を確保しながらも、実施例1〜3と匹敵する程度まで、正規化接触抵抗が低減されている。また、参考例4および実施例5〜7では、高い密着強度が得られた。
実施例8〜11
カーボンブラックとして、実施例2のアセチレンブラックに代えて、実施例1で用いたものと同じファーネスブラックと、実施例2で用いたものと同じアセチレンブラックとの双方を、下記の質量比で用いた。これ以外は、実施例2と同様に第1スラリーを調製した。なお、実施例11では、イソプロピルアルコール水溶液の濃度およびカーボンブラック100質量部に対するCMCのアンモニウム塩の量を、実施例2と同様にしたこと以外は実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。得られた第1スラリーを用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
ファーネスブラック:アセチレンブラック=
100: 0(実施例11、下地層の厚み:8.2μm、b/a比:Dバンド0.9、Gバンド1.3、D(b)/G(b)比:0.8)
75: 25(実施例8、下地層の厚み:9.7μm、b/a比:Dバンド1.5、Gバンド1.8、D(b)/G(b)比:0.9)
50: 50(実施例9、下地層の厚み:10.8μm、b/a比:Dバンド2.2、Gバンド2.5、D(b)/G(b)比:1.0)
25: 75(実施例10、下地層の厚み:10.0μm、b/a比:Dバンド2.5、Gバンド2.7、D(b)/G(b)比:1.0)
0:100(実施例2、下地層の厚み:9.2μm、b/a比:Dバンド3.2、Gバンド3.6、D(b)/G(b)比:1.0)
実施例8〜11の正規化接触抵抗の結果を図9に、体積抵抗率の結果を図10に、密着強度(剥離強度)の結果を図11に、それぞれ示す。図9〜図11には、実施例2の結果も合わせて示した。図9〜図11中、実施例2および8〜11を、Ex.2、およびEx.8〜Ex.11で示した。
BET比表面積が500m2/g以下(またはD(b)/G(b)比が1.1未満)のカーボンブラックを用いた実施例8〜11では、低い体積抵抗率を確保しながらも、実施例1〜3と匹敵する程度またはそれよりも小さい値まで、正規化接触抵抗が低減されている。また、実施例8〜11では、高い密着強度が得られた。
実施例12
結着剤として、PAI樹脂に代えてアクリレート樹脂(Tg:−40℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。得られた第1スラリーを用いて、接触抵抗の評価と同様にして、集電体の一方の表面に下地層を形成した。このようにして作製したサンプルの剥離強度(初期の剥離強度)を実施例1と同様にして求めた。
次いで150℃の熱風乾燥炉に入れて、剥離強度の経時変化(1日、2日および7日後の剥離強度)を評価した。実施例1についても、剥離強度の経時変化を教示した。測定結果を図12に示す。図12中、アクリレート樹脂は、ACで表した。
図12に示されるように、いずれの結着剤を用いた場合にも初期剥離強度は高く、両者に大きな違いは見られなかった。しかし、150℃で1日間経過した後は、PAI樹脂を用いた実施例1では、488gf/25mm(≒4.8N/25mm)と高いのに対し、アクリレート樹脂を用いた実施例12では、75gf/25mm(≒0.74N/25mm)にまで低下した。PAI樹脂を用いた実施例1では、7日経過後も、初期剥離強度と同程度の剥離強度が得られたのに対し、アクリレート樹脂を用いた実施例12では、44gf/25mm(≒0.41N/25mm)にまで低下した。
実施例13
(1)電極の作製
下記の手順でEDLC用電極を作製した。
実施例1と同様にして第1スラリーを調製した。
活物質としての活性炭(平均粒径8μm)と、導電剤としてのアセチレンブラック(一次粒子の平均粒径0.03μm)と、結着剤としてのSBRと、所定量の水とを、ミキサーで混合することにより第2スラリーを調製した。
厚さ30μmのエッチング処理されたアルミニウム箔(算術平均粗さRa:0.112μm)の片方の表面に、第1スラリーを塗布し、厚さ約20μmの塗膜を形成し、乾燥させることにより下地層を形成した。下地層の表面に、第2スラリーを塗布し、厚さ270μmの塗膜を形成し、乾燥することにより、活物質層を形成した。乾燥後の下地層と活物質層を合わせた総厚は88μmであった。その後ロールプレス装置により圧縮プレスを行い80μmにプレスした。このようにして、EDLC用の電極を作製した。
(2)ESR測定
電極を用いて、2032コインセル型EDLCを作製し、Agilent社製のLCRメーター「4284A」を用いて、周波数1kHzにおけるESRを測定したところ、3.9Ωであった。
比較例4
下地層を形成することなく、集電体であるアルミニウム箔の片方の表面に、直接活物質層を形成したこと以外は、実施例13と同様に、電極を作製し、ESRを測定した。その結果、ESRは、5.5Ωであった。
比較例4に比べて、実施例13ではESRが低くなっており、電極における抵抗が小さくなっているのが分かる。
なお、上記実施例では、EDLC用電極について説明したが、擬似キャパシタや二次電池の電極についても上記と同様のまたは類似の方法で製造できる。
本発明に係る下地層用塗料は、低抵抗な下地層を形成することができ、高出力化が可能であるため、様々な電気化学素子用電極に適用できる。なかでも自動車やクレーン等の建設機械のような大型産業機械に適用される大型電気化学素子(EDLCなどのキャパシタなど)において有効である。
1 集電体
2 活物質層
3 下地層

Claims (11)

  1. 集電体と、前記集電体上に形成された活物質層とを含む電気化学素子用電極において、前記集電体と前記活物質層との間に配される下地層を形成するための下地層用塗料であって、
    導電剤と結着剤と液状成分とを含み、
    前記導電剤は、カーボンブラックを含み、
    前記カーボンブラックは、BET法による比表面積が50m2/g以上300m2/g以下であり、
    前記導電剤に占める前記カーボンブラックの比率は、10質量%以上であり、
    前記下地層用塗料中の固形分の濃度が15〜30質量%であり、
    前記固形分の平均粒子径が1.5μm以下であり、
    前記下地層の厚み方向の正規化接触抵抗は、5Ω/mm以下である、下地層用塗料。
  2. 前記固形分の平均粒子径は、0.5μm以下である、請求項1に記載の下地層用塗料。
  3. 前記固形分の平均粒子径は、0.3μm以下である、請求項1または2に記載の下地層用塗料。
  4. 前記導電剤に占める前記カーボンブラックの比率は、50質量%以上である、請求項2または3に記載の下地層用塗料。
  5. 前記カーボンブラックは、前記カーボンブラックのラマンスペクトルにおけるGバンドのピークにおけるラマン強度G(b)に対する、Dバンドのピークにおけるラマン強度D(b)の比:D(b)/G(b)が0.9以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の下地層用塗料。
  6. 前記カーボンブラックは、少なくともファーネスブラックを含む、請求項5に記載の下地層用塗料。
  7. 50mPa・s以上1500mPa・s以下の粘度を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の下地層用塗料。
  8. 前記液状成分は、水を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の下地層用塗料。
  9. 前記結着剤は、フッ素樹脂、合成ゴム、およびポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種と、セルロース誘導体とを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の下地層用塗料。
  10. 前記導電剤は、さらに非晶質の粒状炭素材料を含み、
    前記粒状炭素材料の平均アスペクト比は、1〜1.7である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の下地層用塗料。
  11. 前記下地層の厚み方向の正規化接触抵抗は、3.2Ω/mm以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の下地層用塗料。
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