JP2019034775A - 医療用多重包装材、医療用多重包装材入り医療製品 - Google Patents

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洋一郎 水谷
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Abstract

【課題】無菌的な開封を比較的容易に行うことができ、好適な滅菌性を維持しつつ、医療製品との接触による破損を防止できる医療用多重包装材を提供する。【解決手段】第2袋材31を収容する第1袋材21は、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第1フィルム22と、ガス透過性及び菌不透過性を有する第1フィルタ用シート23とにより平袋状に形成される。医療製品41を収容する第2袋材31は、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第2フィルム32と、ガス透過性及び菌不透過性を有する第2フィルタ用シート33とにより平袋状に形成される。第2袋材31の投影面積は、第1袋材21の投影面積よりも小さい。第2フィルム32は第1フィルム22よりも厚い。第2袋材31の投影面積に占める第2フィルタ用シート33の面積は、第1袋材21の投影面積に占める第1フィルタ用シート23の面積よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、医療製品を滅菌状態で収容するための医療用多重包装材、医療用多重包装材入り医療製品に関するものである。
従来、埋込手術に用いられる人工骨などの医療製品は、内袋と外袋とからなる二重構造の包装材の中に収容されるとともに、滅菌処理が施された状態で供給される。このような二重包装材入り医療製品を使用する際には、清潔区域である手術室内を雑菌等で汚染しないように、手術室に隣接した不潔区域にて看護師等がまず多重包装材の外袋を開封する。次に、手術室内にいる看護師や手術執刀医師等が清潔な内袋のみを受け取って、医療製品を生体内に埋込む直前に清潔区域にて内袋を開封した後、手術執刀医師がその医療製品を取り出すようにしている。
この種の医療用二重包装材としては、例えば特許文献1に開示されたもの等が従来知られている。特許文献1の二重包装材は、内袋と外袋とからなり、内袋の中に医療製品が滅菌状態で収容されるようになっている。内袋は、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の内袋形成用熱融着性シートからなる。2枚の内袋形成用熱融着性シートは、ともに菌不透過性を有し、少なくとも一方がガス透過性及び透光性を有している。内袋を収容する外袋も、縁部どうしを袋状に熱融着させた2枚の外袋形成用熱融着性シートからなる。2枚の外袋形成用熱融着性シートは、ともに菌不透過性、ガス不透過性及び透光性を有している。つまり、特許文献1に記載の二重包装材は、内袋及び外袋の両方についてイージーピール形式を採用したものとなっている。
実用新案第3206291号公報
ところが、特許文献1に記載の二重包装材は、医療現場において無菌的に開封するのに適したものである反面、開封部のヒートシール強度を適切に維持する必要があるため、強度の高い分厚いフィルムを適用することが難しかった。それゆえ、ある程度薄いフィルムを使用せざるを得なく、医療製品と直接接触する内袋が破損しやすいという欠点があった。また、この種の二重包装材においては、好適な滅菌性を確保するためにガス透過性のフィルタ用シートを設ける必要があるが、フィルタ用シートはあまり高強度なものではない。そのため、これが内袋において広面積を占めていると、医療製品との直接接触による破損が起こりやすくなる。
ここで、内袋及び外袋の両方についてノッチ開封式の滅菌袋を適用した二重包装材も従来提案されている。このような二重包装材の場合、内袋も外袋も強度の高い分厚いフィルムを適用可能なため強度的に問題はないが、無菌的な開封を容易に行うことができないという欠点があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、無菌的な開封を比較的容易に行うことができるとともに、好適な滅菌性を維持しつつ、医療製品との接触による破損を防止することができる医療用多重包装材、医療用多重包装材入り医療製品を提供することにある。
上記課題を解決すべく本願発明者らが鋭意研究を行ったところ、医療現場において易開封性が求められるのは主として多重包装材における外側の袋材である一方、内側の袋材については必ずしもそうではない点に注目するとともに、強度が求められるのは主として多重包装材における内側の袋材である一方、外側の袋材については必ずしもそうではない点に注目し、外側の袋材と内側の袋材とで敢えて開封性や強度を異ならせることを着想した。そして、本願発明者らはこの着想をさらに発展させることにより、下記の課題解決手段を想到することができたのである。
即ち、上記課題を解決するための手段(手段1)としては、第1袋材の中に第2袋材を収容してなり、前記第2袋材の中に医療製品が滅菌状態で収容可能な多重包装材であって、前記第1袋材は、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第1フィルムと、ガス透過性及び菌不透過性を有する第1フィルタ用シートとにより平袋状に形成され、前記第2袋材は、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第2フィルムと、ガス透過性及び菌不透過性を有する第2フィルタ用シートとにより平袋状に形成され、前記第2袋材の投影面積は、前記第1袋材の投影面積よりも小さく、前記第2フィルムは、前記第1フィルムよりも厚く、前記第2袋材の投影面積に占める前記第2フィルタ用シートの面積は、前記第1袋材の投影面積に占める前記第1フィルタ用シートの面積よりも小さいことを特徴とする医療用多重包装材がある。
従って、手段1に記載の発明によると、第2袋材の投影面積は、第1袋材の投影面積よりも小さいことから、第2袋材を第1袋材の中に困難なく収容することが可能である。また、第2フィルムは第1フィルムよりも厚いことから、第2フィルムのほうが高強度となっている。さらに、ガス透過性を有するフィルタ用シートは、ガス不透過性のフィルムに比べて一般的に低強度の材料からなる。そして、第2袋材の投影面積に占める第2フィルタ用シートの面積は、第1袋材の投影面積に占める第1フィルタ用シートの面積よりも小さいので、第2袋材のほうが低強度材料の使用比率が小さくなっている。以上のことから、第1袋材に比べて第2袋材を高強度なものとすることができ、そのような第2袋材については医療製品との直接接触による破損が起こりにくくなる。その反面、第2袋材に比べて低強度の第1袋材については、例えばイージーピール形式等を採用することが可能となるので、開封性を向上させることができる。なお、第1袋材も第2袋材も、ガス透過性を有するフィルタ用シートを一部に使用していることから、好適な滅菌性を維持することができる。
第1フィルム及び第2フィルムはそれぞれ光透過性を有していてもよい。このような性質を有していると、医療用多重包装材の中に収容されている医療製品を包装材の外側から視認することが可能となり、医療製品の種類や製品情報(型番やロットナンバー)などが把握しやすくなる。
第1フィルムの外周部と第1フィルタ用シートの外周部とを接合する融着部が第1袋材の全周にわたって形成されるとともに、融着部よりもさらに外周側の領域の一部にピール開封用の未融着部が設けられていてもよい。この構造であると、第1袋材がイージーピール形式になることから、未融着部の部分を起点として第1フィルムから第1フィルタ用シートを容易に引き剥がすことができ、中から第2袋材を簡単に取り出すことができる。
第2袋材の縁部にはノッチが形成されていてもよい。この構造であると、比較的厚くて高強度な材料を用いて構成したときでも、ノッチの部分を起点として第2袋体に簡単に裂け目を入れることができる。このため、第2袋体を容易に開封することができる。
また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、手段1に記載の医療用多重包装材における前記第2袋材の中に医療製品が収容されてなる医療用多重包装材入り医療製品がある。
従って、手段2に記載の発明によると、手段1の作用効果を奏することができる。ここで医療製品は、生体内埋込用の医療製品であってもよく、さらに具体的にはセラミック人工骨などであってもよい。
本発明を具体化した実施形態の医療用多重包装材入り医療製品を示す正面図。 実施形態の医療用多重包装材入り医療製品のA−A線における概略断面図。 (a)は実施形態の医療用多重包装材における第1袋材の正面図、(b)は背面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図。 (a)は実施形態の医療用多重包装材における第2袋材の正面図、(b)は背面図、(c)は(a)におけるC−C線断面図。 実施形態の医療用多重包装材に医療製品を収容する際の手順を説明するための概略図。 別の実施形態の医療用多重包装材入り医療製品を示す正面図。
以下、本発明を医療用多重包装材、医療用多重包装材入り医療製品に具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき詳細に説明する。
図1は本実施形態の医療用多重包装材入り医療製品10を示す正面図であり、図2は図1のA−A線における概略断面図である。
図1、図2に示されるように、本実施形態の医療用多重包装材入り医療製品10は、医療用多重包装材11の中に、医療製品であるブロック形状のセラミック人工骨41(縦50mm、横30mm、厚さ10mm)を滅菌状態で収容したものとなっている。この医療用多重包装材11は、2種類の異なる袋材、具体的には1枚の外袋21(第1袋材)と、1枚の内袋31(第2袋材)とによって構成されている。外袋21の中には内袋31が収容されており、内袋31の中にはセラミック人工骨41が収容されている。
図3(a)は製品収容用開口27を閉じる前の状態の外袋21の正面図、(b)はその背面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。本実施形態の外袋21は、熱融着性樹脂製の第1フィルム22と、第1フィルタ用シート23とにより平袋状に形成されている。第1フィルム22は、ガス不透過性、菌不透過性及び光透過性を有する熱融着性樹脂材料からなる。第1フィルム22は、上記性質を有する各種の熱融着性樹脂材料を用いて構成することができ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコールやエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物などのビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド等が好適である。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが好ましく、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等がより好ましい。これらの樹脂は、比較的安価であるにもかかわらず、好適なガス不透過性、菌不透過性、光透過性、熱融着性、耐熱性などを有するからである。第1フィルム22は、単層構造であってもよいほか、複層構造であってもよい。また、第1フィルム22の厚さは例えば10μm〜100μm程度が好ましく、30μm〜70μm程度がより好ましい。
なお、本実施形態において「ガス不透過性を有する」とは、例えばフィルムに対する各ガスの透過率が以下のような値であることを指す。即ち、酸素透過率(23℃、湿度50%RH)が50cm/m×day×bar以下、水蒸気透過率(23℃、湿度85%RH)が2g/m×day×bar以下、二酸化炭素透過率(23℃、湿度0%RH)が200cm/m×day×bar以下、窒素透過率(23℃、湿度0%RH)が10cm/m×day×bar以下であることを指す。
本実施形態では、第1フィルム22として、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリプロピレン(PP)との複層構造を有する透明なフィルム材を用いている。より具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリプロピレン(PP)との複合フィルムであって、縦170mm、横100mmの平面視矩形状、かつ、厚さ約52μm(PET;12μm+PP;40μm)のものが使用されている。なお、上記複合フィルムの代わりに、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)との複合フィルムを用いてもよい。
第1フィルタ用シート23は、ガス透過性、菌不透過性及び光不透過性を有するシートからなる。第1フィルタ用シート23には、例えば、セルロース系繊維などの天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの合成樹脂系繊維を主体とする合成繊維、天然繊維と合成繊維との複合繊維により調製された通気性の不織布シート、滅菌紙などが用いられる。第1フィルタ用シート23の厚さは特に限定されないが、例えば10μm〜300μm程度が好ましく、50μm〜200μm程度がより好ましい。
なお本実施形態では、第1フィルタ用シート23として滅菌紙を用いている。この滅菌紙は、第1フィルム22用の複層フィルム材と同じく縦170mm、横100mmの平面視矩形状であって、その厚さは約100μmとなっている。
図4(a)は製品収容用開口37を閉じる前の状態の内袋31の正面図、(b)はその背面図、(c)は(a)におけるC−C線断面図である。本実施形態の内袋31は、熱融着性樹脂製の第2フィルム32と、第2フィルタ用シート33とにより平袋状に形成されている。第2フィルム32は、第1フィルム22と同様に、ガス不透過性、菌不透過性及び光透過性を有する熱融着性樹脂材料からなる。第2フィルム32は、第1フィルム22にて使用した上記各種の熱融着性樹脂材料を用いて構成することができる。この場合、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用することが好ましく、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を使用することがより好ましい。第2フィルム32は、単層構造であってもよいほか、複層構造であってもよい。第2フィルム32の厚さは、第1フィルム22よりも厚く設定される必要があり、例えば50μm〜200μm程度が好ましく、80μm〜150μm程度がより好ましい。なお、本実施形態の第2フィルム32は、PETとPPとからなる透明な積層フィルム材を用いて形成されている。また、ここで用いた積層フィルム材は、2重に折り曲げた状態で縦120mm、横75mmの平面視矩形状の外形寸法を有する。第2フィルム32用の積層フィルム材の厚さは約96μm(PET;16μm+PP;80μm)であって、第1フィルム22用の積層フィルム材よりも高強度なものとなっている。なお、平袋状の袋は、直立が可能なスタンドパウチタイプであってもよい。
第2フィルタ用シート33は、上記の第1フィルタ用シート23と同様に、ガス透過性、菌不透過性及び光不透過性を有するシートからなる。第2フィルタ用シート33は、第1フィルタ用シート23にて使用したものと同様の上記材料(天然繊維、合成繊維、通気性の不織布シート、滅菌紙など)が用いられる。第2フィルタ用シート33の厚さは特に限定されないが、例えば10μm〜300μm程度が好ましく、50μm〜200μm程度がより好ましい。
なお本実施形態では、第2フィルタ用シート33として滅菌紙を用いている。この滅菌紙は、第2フィルム32用の複層フィルム材よりも寸法がかなり小さく、縦75mm、横30mmの平面視矩形状をなしており、その厚さは約100μmとなっている。
図3に示されるように、外袋21は、形状及び外形寸法が等しい第1フィルム22及び第1フィルタ用シート23を用いて構成されている。本実施形態の第1フィルム22は、外袋21の正面側の全体を構成し、第2フィルム32は外袋21の裏面側の全体を構成している。第1フィルム22及び第1フィルタ用シート23は、互いに重ね合わせて配置されるとともに、図3(a)において製品収容用開口27のある下辺を除く三辺をヒートシール機等で熱圧着することにより、平袋状に形成されている。つまり、図3(a)において左側の外周部、上側の外周部及び右側の外周部にそれぞれ融着部h1が形成され、これらの融着部h1により第1フィルム22と第1フィルタ用シート23とが接合されている。なお、上側の外周部における融着部h1よりもさらに外周側の領域には、ピール開封用の未融着部26が設けられている。つまり、この外袋21ではイージーピール形式が採用されている。ただし、未融着部26における最上端部の離間した2箇所には、未融着部26を仮止めしておくために小面積の融着部h1が設けられている。
図4に示されるように、内袋31は、形状及び外形寸法の異なる第2フィルム32及び第2フィルタ用シート33を用いて構成されている。本実施形態の第2フィルム32は、内袋31の正面側の全体及び裏面側のほぼ全体を構成している。裏面側となる第2フィルム32には、幅10mm程度のスリット状のフィルタ設置用開口38が形成され、そのフィルタ設置用開口38を塞ぐように第2フィルタ用シート33が配設されている。従って、第2フィルタ用シート33は内袋31の背面側の一部を構成しているにすぎない。図4(c)に示されるように、第2フィルム22は2重になるように折り曲げて配置されるとともに、図4(a)において製品収容用開口37のある下辺と上辺とを除く二辺をヒートシール機等で熱圧着することにより、平袋状に形成されている。つまり、図4(a)において左側の外周部及び右側の外周部にそれぞれ融着部h1が形成され、これらの融着部h1により第2フィルム32同士が接合されている。なお、フィルタ設置用開口38の両側にも融着部h1が形成され、それによって第2フィルタ用シート33と第2フィルム32とが接合されている。
図1等に示されるように、内袋31を正面方向(厚さ方向)から見たときの投影面積は、外袋21を正面方向(厚さ方向)から見たときの投影面積よりも小さく、30%〜80%程度の面積となっている。例えば、これが30%未満であると、内袋31に収容可能な医療製品の大きさが制限されてしまう一方、80%超であると内袋31を外袋21に収容しにくくなってしまう。
また、外袋21の投影面積に占める第1フィルタ用シート23の面積(以下「第1フィルタ用シート23の面積率」という。)は100%である。これに対し、内袋31の投影面積に占める第2フィルタ用シート33の面積(以下「第2フィルタ用シート33の面積率」という。)は、第1フィルタ用シート23の面積率よりもかなり小さくなっている。具体的にいうと、第2フィルタ用シート33の面積率は例えば5%〜50%程度とされており、好ましくは10%〜40%程度とされている(本実施形態では25%)。なお、第2フィルタ用シート33の面積率が低すぎると、内袋31の強度が増す反面、フィルタ設置用開口38を小さく形成せざるを得なくなり、必要とされるガス透過性を確保することが難しくなる。逆に、第2フィルタ用シート33の面積率が高すぎると、内袋31におけるガス透過性の確保が容易になる反面、フィルタ設置用開口38を大きめに形成したような場合には、強度低下につながるおそれがある。
図1、図4等に示されるように、内袋31において融着部h1が形成されている両縁部、より具体的にいうと両縁部において第2フィルタ用シート33を上方側に避けた2位置には、略U字状に切り掛かれたノッチ36が形成されている。ノッチ36の形状は略U字状でなくてもよく、例えば略V字状などであってもよい。つまり、この内袋31では、上記のようなイージーピール形式ではなくノッチ開封式が採用されている。なお、ノッチ36は必ずしも2箇所に形成されていなくてもよく、1箇所であってもよい。
図5は医療用多重包装材11にセラミック人工骨41を収容する際の手順の説明するための概略図である。まず、拡げられた製品収容用開口37を介して、内袋31のなかにセラミック人工骨41を収容する。次にこの状態で内袋31の製品収容用開口37の部分をヒートシール機で熱圧着し、融着部h2で第2フィルム32同士を接合することで、内袋31を密封する。続いて、拡げられた製品収容用開口27を介して、外袋21のなかに密封状態の上記内袋31を収容する。このとき、図1、図2のように、外袋21の第1フィルタ用シート23と、内袋31の第2フィルタ用シート33とが同じ側となるように配置してもよいが、異なる側となるように配置してもよい。また、外袋21においてピール開封用の未融着部26を設けた端部と、内袋31においてノッチ36を設けた端部とが同じ側(図1ではともに上側)となるように配置してもよいが、異なる側となるように配置してもよい。次にこの状態で外袋21の製品収容用開口27の部分をヒートシール機で熱圧着し、融着部h2で第1フィルム22の外周部と第1フィルタ用シート23の外周部とを接合する。その結果、外袋21についても密封され、本実施形態の医療用多重包装材入り医療製品10が完成する。このようにして製造された医療用多重包装材入り医療製品10は、従来公知の手法(例えばオートクレーブによる高圧蒸気滅菌、ガスによる滅菌等)により全体的に滅菌される。
このようにして滅菌された医療用多重包装材入り医療製品10は、以下のようにして開封される。まず、外袋21に設けたピール開封用の未融着部26を持って動かすことにより、第1フィルム22から第1フィルタ用シート23を引き剥がす。その結果、外袋21を開封してその中から内袋31を簡単に取り出すことができる。次に、ノッチ36の部分を起点として内袋31の幅方向に裂け目を入れることで、内袋31を容易に開封することができ、その中からセラミック人工骨41を取り出すことができる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の医療用多重包装材11では、外袋21が、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第1フィルム22と、ガス透過性及び菌不透過性を有する第1フィルタ用シート23とにより平袋状に形成されている。また、外袋21内に収容される内袋31が、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第2フィルム32と、ガス透過性及び菌不透過性を有する第2フィルタ用シート33とにより平袋状に形成されている。ここで、内袋31の投影面積は外袋21の投影面積よりも小さいことから、内袋31を外袋21の中に困難なく収容することが可能である。また、第2フィルム32は第1フィルム22よりも厚いことから、第2フィルム32のほうが高強度となっている。さらに、ガス透過性を有する第1フィルタ用シート23及び第2フィルタ用シート33は、ガス不透過性の第1フィルム及22及び第1フィルム32に比べて、低強度の材料からなる。そして、第2フィルタ用シート33の面積率は、第1フィルタ用シート23の面積率よりも小さいので、内袋31のほうが低強度材料の使用比率が小さくなっている。以上のことから、外袋21に比べて内袋31を高強度なものとすることができ、そのような内袋31についてはセラミック人工骨41との直接接触による破損が起こりにくくなる。その反面、内袋31に比べて低強度の外袋21については、イージーピール形式を採用することが可能となるので、開封性を向上させることができる。なお、外袋21も内袋31も、ガス透過性を有するフィルタ用シート23,33を一部に使用していることから、好適な滅菌性を維持することができる。従って、上記構造の医療用多重包装材11によると、無菌的な開封を比較的容易に行うことができるとともに、好適な滅菌性を維持しつつ、セラミック人工骨41との接触による破損を防止することができる。
(2)本実施形態の医療用多重包装材11において、外袋21を構成する第1フィルム22及び内袋31を構成する第2フィルム32は、それぞれ光透過性を有している。このような性質を有していると、医療用多重包装材11の中に収容されているセラミック人工骨41を包装材の外側から視認することが可能となり、医療製品の種類や製品情報(型番やロットナンバー)などが把握しやすくなる。
(3)本実施形態の医療用多重包装材入り医療製品10では、第1フィルム22の外周部と第1フィルタ用シート23の外周部とを接合する融着部h1,h2が外袋21の全周にわたって(即ち四辺にわたって)形成されている。そのうちの一辺における融着部h1よりもさらに外周側の領域の一部に、ピール開封用の未融着部26が設けられている。この構造であると、外袋21がイージーピール形式になることから、未融着部26の部分を起点として第1フィルム22から第1フィルタ用シート23を容易に引き剥がすことができ、中から内袋31を簡単に取り出すことができる。
(4)本実施形態の医療用多重包装材11において、内袋31の縁部にはノッチ36が形成されている。この構造であると、比較的厚くて高強度な材料を用いて内袋31を構成したときでも、ノッチ36の部分を起点として内袋31に簡単に裂け目を入れることができる。このため、内袋31を容易に開封することができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、本発明を二重包装材に具体化したが、例えば三重包装材に具体化してもよい。この場合、第1袋材(外袋21)の中に第2袋材(中袋)を収容しさらにその第2袋材(中袋)の中に別の第2袋材(内袋31)を収容した構造としてもよいほか、第1袋材(外袋21)の中に別の第1袋材(中袋)を収容しさらにその第1袋材(中袋)の中に第2袋材(内袋31)を収容した構造としてもよい。
・上記実施形態では、第1フィルム22及び第2フィルム32は光透過性を有する透明な樹脂材料を用いて構成されていたが、半透明な樹脂材料を用いてこれを構成してもよい。また、第1フィルム22及び第2フィルム32は必ずしも光透過性を有していなくてもよいため、不透明な樹脂材料を用いてこれを構成してもよい。
・上記実施形態では、第1フィルム22及び第2フィルム32は光透過性を有するものであったが、必ずしも光透過性を有していなくてもよく、例えば半透明または不透明な第1フィルム22及び第2フィルム32であってもよい。
・上記実施形態では、内袋31の両縁部にノッチ36を形成したが、このようなノッチ36は必須ではなく省略されてもよい。また、ノッチ36とは別の開封用構造を形成してもよい。
・上記実施形態では、被収容物であるセラミック人工骨41の形状がブロック状であったが、このような形状に限定されない。例えば、図6に示すような顆粒状のセラミック人工骨51であってもよく、あるいはプレート状のセラミック人工骨であってもよい。
・上記実施形態では、本発明の医療用多重包装材11の中に被収容物であるセラミック人工骨41を収容した例を挙げたが、例えばセラミック人工骨41以外の生体内埋込用医療製品、例えば、脊椎固定用装置、人工関節、歯科インプラント、ステント、ペースメーカーなどを被収容物としてもよい。また、生体内埋込用ではない医療製品、例えば、リーマ、ドリル、カットガイド、ボーンソー、骨ノミ等といった手術用器具などを被収容物としてもよい。
・上記実施形態では、外袋21及び内袋31の外形形状がともに矩形状であったが、これに限定されない、例えば、図6に示す別の実施形態の医療用多重包装材入り医療製品10Aでは、医療用多重包装材11を構成する外袋21の外形形状を矩形状とする一方、内袋31Aの外形形状を矩形状ではない形状、例えば一方の端部にテーパ部を設けた形状としてもよい。なお、内袋31Aには、顆粒状のセラミック人工骨51が収容されている。このような外形形状の内袋31Aであると、例えば外袋21内に内袋31Aを収容する作業を行うことが容易になるとともに、顆粒状のセラミック人工骨51を内袋31Aから取り出す際の作業性が向上する。
10、10A…医療用多重包装材入り医療製品
11、11A…医療用多重包装材
21…第1袋材としての外袋
22…第1フィルム
23…第1フィルタ用シート
26…未融着部
31、31A…第2袋材としての内袋
32…第2フィルム
33…第2フィルタ用シート
36…ノッチ
41、51…医療製品としてのセラミック人工骨
h1、h2…融着部

Claims (7)

  1. 第1袋材の中に第2袋材を収容してなり、前記第2袋材の中に医療製品が滅菌状態で収容可能な多重包装材であって、
    前記第1袋材は、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第1フィルムと、ガス透過性及び菌不透過性を有する第1フィルタ用シートとにより平袋状に形成され、
    前記第2袋材は、ガス不透過性及び菌不透過性を有する熱融着性樹脂製の第2フィルムと、ガス透過性及び菌不透過性を有する第2フィルタ用シートとにより平袋状に形成され、
    前記第2袋材の投影面積は、前記第1袋材の投影面積よりも小さく、
    前記第2フィルムは、前記第1フィルムよりも厚く、
    前記第2袋材の投影面積に占める前記第2フィルタ用シートの面積は、前記第1袋材の投影面積に占める前記第1フィルタ用シートの面積よりも小さい
    ことを特徴とする医療用多重包装材。
  2. 前記第1フィルム及び前記第2フィルムは、光透過性を有することを特徴とする請求項1に記載の医療用多重包装材。
  3. 前記第1フィルムの外周部と前記第1フィルタ用シートの外周部とを接合する融着部が前記第1袋材の全周にわたって形成されるとともに、前記融着部よりもさらに外周側の領域の一部にピール開封用の未融着部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用多重包装材。
  4. 前記第2袋材の縁部には、ノッチが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医療用多重包装材。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医療用多重包装材における前記第2袋材の中に医療製品が収容されてなる医療用多重包装材入り医療製品。
  6. 前記医療製品は、生体内埋込用の医療製品であることを特徴とする請求項5に記載の医療用多重包装材入り医療製品。
  7. 前記医療製品は、セラミック人工骨であることを特徴とする請求項5に記載の医療用多重包装材入り医療製品。
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