JP2019033618A - ロータおよびロータの製造方法 - Google Patents

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哲也 松原
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哲也 松原
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Abstract

【課題】部品点数の増加および製造設備の複雑化を防止しながら、磁石配置孔部からロータの部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することが可能なロータおよびロータの製造方法を提供する。【解決手段】このロータ100は、永久磁石1と、永久磁石1が配置される磁石配置孔部3aを内部に有するロータコア2とを備える。永久磁石1は、接着材5により磁石配置孔部3aに固定されている。ロータコア2は、磁石配置孔部3aを有する貫通電磁鋼板3と、ロータコア2の積層方向の端部2aおよび2bに積層され、磁石配置孔部3aを塞ぐように構成された蓋用電磁鋼板4とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータおよびロータの製造方法に関する。
従来、複数の電磁鋼板を積層して形成されたロータコアを備えるロータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、永久磁石と、複数の電磁鋼板を積層して形成されたロータコアとを備えるロータが開示されている。このロータでは、ロータコアの磁石挿入孔に永久磁石が挿入されており、永久磁石が配置される磁石挿入孔内に、樹脂部材が充填されて硬化されることにより、永久磁石が磁石挿入孔に固定されている。そして、この複数の電磁鋼板のうち、ロータの回転軸線方向(以下、「軸方向」)の両端を構成する電磁鋼板には、ロータの径方向および軸方向において永久磁石と重ならない範囲で、残余の電磁鋼板より磁石挿入孔の内部(径方向)に張り出す凸部が設けられている。これにより、このロータは、凸部と永久磁石とが重ならない部分(軸方向に露出した孔部)を介して、永久磁石が磁石挿入孔に挿入可能に構成されているとともに、凸部と永久磁石とが重ならない部分(軸方向に露出した孔部)を介して、樹脂部材を磁石挿入孔に充填することが可能に構成されている。
特開2015−136245号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のモータのロータでは、この複数の電磁鋼板のうち、軸方向の両端を構成する電磁鋼板には、軸方向に露出した孔部が形成されている。ここで、電磁鋼板、永久磁石、および、樹脂部材は、互いに線膨張係数(熱膨張係数)が異なる。このため、温度が変化した場合に、線膨張係数の差に起因して、永久磁石や樹脂部材に欠損が生じ、ロータを回転させている間に、欠損した永久磁石の破片や樹脂部材の一部(ロータの部材の一部)が、軸方向に露出された孔部を介して、ロータの外部に飛散(脱落)してしまう場合があると考えられる。ここで、永久磁石の破片や樹脂部材の一部の飛散を防止するためにロータコアの軸方向の両端部に、エンドプレートを設けることが考えられる。しかし、エンドプレートを設けると部品点数が増加するとともに、ロータコアの製造設備とは別個にエンドプレート用の製造設備を準備する必要が生じるため、ロータの部品点数の増加および製造設備が複雑化する。したがって、上記特許文献1に記載のロータでは、部品点数の増加および製造設備の複雑化を防止しながら、磁石挿入孔(磁石配置孔部)からロータの部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することが困難であるという問題点があると考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数の増加および製造設備の複雑化を防止しながら、磁石配置孔部からロータの部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することが可能なロータおよびロータの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるロータは、永久磁石と、複数の電磁鋼板が積層されて形成され、永久磁石が配置される磁石配置孔部を内部に有するロータコアとを備え、永久磁石は、樹脂製の磁石固定部材により磁石配置孔部に固定されており、複数の電磁鋼板は、磁石配置孔部を有する第1電磁鋼板と、複数の電磁鋼板の積層方向の両端に配置され、磁石配置孔部を塞ぐように構成された第2電磁鋼板とを含む。
この発明の第1の局面によるロータでは、上記のように、ロータコアを構成する複数の電磁鋼板に、磁石配置孔部を有する第1電磁鋼板と、複数の電磁鋼板の積層方向の両端に配置され、磁石配置孔部を塞ぐように構成された第2電磁鋼板とを設ける。これにより、磁石配置孔部を塞ぐように構成された第2電磁鋼板によって、第1電磁鋼板の磁石配置孔部の積層方向の両端が塞がれるので、磁石配置孔部の内部に配置される永久磁石の破片や磁石固定部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することができる。また、ロータコアの一部を構成する第2電磁鋼板により、第1電磁鋼板の磁石配置孔部を塞ぐことができるので、ロータコアとは別個にエンドプレートを設ける必要がない。その結果、部品点数が増加するのを防止することができるとともに、エンドプレート用の製造設備を準備する必要がないため、ロータの部品点数の増加およびロータの製造設備の複雑化を防止することができる。これらの結果、部品点数の増加および製造設備の複雑化を防止しながら、磁石配置孔部からロータの部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することができる。
この発明の第2の局面におけるロータの製造方法は、永久磁石と、複数の電磁鋼板が積層されて形成され、永久磁石が配置される磁石配置孔部を内部に有するロータコアとを備えるロータの製造方法であって、磁石配置孔部を有する電磁鋼板である第1電磁鋼板を形成し、磁石配置孔部を塞ぐように構成された電磁鋼板である複数の第2電磁鋼板を形成し、複数の電磁鋼板の積層方向の一方端に第2電磁鋼板を配置することによって、ロータコアの一部を形成する工程と、ロータコアの一部を形成する工程の後に、永久磁石または磁石配置孔部に樹脂製の磁石固定部材を配置する工程と、ロータコアの一部を形成する工程の後に、磁石配置孔部に永久磁石を配置する工程と、磁石固定部材を配置する工程の後で、かつ、永久磁石を配置する工程の後に、複数の電磁鋼板の積層方向の他方端に、第2電磁鋼板を含む電磁鋼板を配置することによって、ロータコアを完成させる工程と、ロータコアを完成させる工程の後に、磁石固定部材を硬化させることにより、永久磁石を磁石配置孔部に固定させる工程とを備える。
この発明の第2の局面によるロータの製造方法では、上記のように構成することにより、部品点数の増加および製造設備の複雑化を防止しながら、磁石配置孔部からロータの部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することが可能なロータの製造方法を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、部品点数の増加および製造設備の複雑化を防止しながら、磁石配置孔部からロータの部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することができる。
本発明の一実施形態によるロータ(回転電機)の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態によるロータの構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による接着材が配置された永久磁石を示す側面図である。 本発明の一実施形態によるロータの構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態による下端蓋付ブロックコアおよび貫通ブロックコアを軸方向に見た図である。 本発明の一実施形態による上端蓋付ブロックコアを軸方向に見た図である。 本発明の一実施形態による接着材の発泡剤の膨張前(a)および膨張後(b)を説明するための図である。 本発明の一実施形態による接着材の希釈溶剤の乾燥前(a)および乾燥後(b)を説明するための図である。 本発明の一実施形態によるロータコアの構成を説明するための図である。 図6の800−800線に沿った断面図(a)および図5の700−700線に沿った断面図(b)および(c)である。 本発明の一実施形態によるプレス加工装置を説明するための図である。 本発明の一実施形態によるロータコアの一部を構成する工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態による磁石孔用カム機構の構成を説明するための図である。 本発明の一実施形態による嵌合貫通孔を形成する工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態による凸部および凹部を形成する工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態による接着材を永久磁石に配置する工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態による接着材を乾燥させる工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態による永久磁石を磁石配置孔部に固定させる工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態によるロータの製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態によるロータの一部を形成する工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態の第1変形例によるロータの構成を示す図である。 本発明の一実施形態の第2変形例によるロータの構成を示す図である。 本発明の一実施形態の第3変形例によるブロックコアの構成を示す図である。 本発明の一実施形態の第3変形例によるロータの構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[ロータの構造]
図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態によるロータ100の構造について説明する。
本願明細書では、「積層方向」とは、ロータ100の電磁鋼板(貫通電磁鋼板3および蓋用電磁鋼板4)の積層方向を意味し、図1の矢印Z方向を意味する。また、「軸方向」とは、図2に示すように、ロータ100の回転軸線Cに沿った方向を意味し、矢印Z方向を意味する。また、「径方向」は、ロータ100の径方向(矢印R1方向または矢印R2方向)を意味し、「周方向」は、ロータ100の周方向(矢印A1方向または矢印A2方向)を意味する。
ロータ100は、回転電機101の一部を構成する。回転電機101は、たとえば、モータ、ジェネレータまたはモータ・ジェネレータとして構成されている。そして、ロータ100は、ステータ102の径方向内側において、ステータ102と径方向に対向するように配置されている。すなわち、回転電機101は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。
また、ロータ100は、複数の永久磁石1がロータ100(ロータコア2)の内部に配置された埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)の一部を構成している。ロータ100は、シャフトに接続されるハブ部材103に固定され、ハブ部材103およびシャフトを介して、回転電機101の外部に回転運動を伝達させるように構成されている。なお、ステータ102は、回転電機101の図示しないケースに固定されている。なお、本実施形態では、ロータ100は、ハブ部材103を介してシャフトに接続されているが、ロータ100に直接、シャフトが接続されていてもよい。
永久磁石1は、たとえば、ネオジム磁石により形成されている。図3に示すように、永久磁石1は、たとえば、径方向に見て、矩形形状を有するように形成されている。そして、永久磁石1は、図4に示すように、たとえば、磁石配置孔部3aにそれぞれ1つずつ配置されている。
図1に示すように、ロータコア2は、複数の貫通電磁鋼板3(以下、「貫通鋼板3」とする)と、複数の蓋用電磁鋼板4(以下、「蓋用鋼板4」とする)とが積層されて形成されている。なお、貫通鋼板3は、特許請求の範囲の「第1電磁鋼板」の一例である。また、蓋用鋼板4は、特許請求の範囲の「第2電磁鋼板」の一例である。
貫通鋼板3には、永久磁石1が配置される磁石配置孔部3aが設けられている。また、第1実施形態では、蓋用鋼板4(閉鎖部4a)は、蓋用鋼板4が貫通鋼板3と積層された状態で、貫通鋼板3の磁石配置孔部3aを閉鎖するように構成されている。言い換えると、蓋用鋼板4は、磁石配置孔部3aに対応する部分が閉鎖部4aにより塞がれている。そして、蓋用鋼板4は、積層方向の両端に、それぞれ配置されている。これにより、磁石配置孔部3aの積層方向の両端が閉鎖されている。なお、磁石配置孔部3aに対応する部分とは、蓋用鋼板4において、軸方向から見て、蓋用鋼板4と、磁石配置孔部3aとがオーバーラップする領域の部分である。なお、永久磁石1は、複数の貫通鋼板3の磁石配置孔部3aが積層方向に連続することにより形成される空間に配置される。
ロータ100は、接着材5を備える。接着材5は、永久磁石1と磁石配置孔部3aとの間に配置され、永久磁石1を磁石配置孔部3aに固定するように構成されている。たとえば、図3に示すように、接着材5は、永久磁石1の径方向内側の側面11において、永久磁石1の軸方向の一方側端部の近傍から他方側端部の近傍に渡って、矩形形状を有するように配置されている。また、接着材5は、永久磁石1の側面11において、周方向両側の近傍の部分に配置されている。なお、接着材5は、特許請求の範囲の「樹脂製の磁石固定部材」の一例である。
図7に示すように、接着材5は、発泡剤51と、主剤52および硬化剤53とを含む。本実施形態では、永久磁石1は、発泡剤51が膨張した状態(図7(b))で、主剤52および硬化剤53が硬化されることにより磁石配置孔部3aに固定されている。発泡剤51は、膨張温度以上に加熱されることにより発泡(膨張)する膨張剤である。また、主剤52および硬化剤53は、膨張温度以上の温度である硬化温度以上の温度に加熱されることにより、反応して硬化する熱硬化性樹脂である。なお、発泡剤51は、特許請求の範囲の「膨張剤」の一例である。
発泡剤51は、カプセル体として構成されており、膨張温度以上の温度に加熱されることにより、カプセル体が膨張して体積が大きくなるように構成されている。たとえば、発泡剤51は、イソペンタンを含む。膨張温度は、言い換えると、カプセル体が発泡成形する発泡成形温度である。そして、発泡剤51が発泡して膨張することにより、接着材5の厚みは、厚みt1(図7(a))から、厚みt2(図7(b))に変化する。ここで、厚みt2は、永久磁石1の側面11と磁石配置孔部3aとの距離d1と略同一の大きさである。
主剤52は、たとえば、エポキシ系樹脂(たとえば、ビスフェノールA型液状エポキシ、および、エポキシ樹脂ポリマー)を含む。また、硬化剤53は、たとえば、ジシアンジアミドを含む。そして、永久磁石1とロータコア2とは、接着材5が硬化温度に加熱されることにより、接着材5の主剤52と硬化剤53とが硬化して互いに固定される。また、硬化温度は、後述する乾燥温度よりも高い。
図8(a)に示すように、接着材5は、永久磁石1が磁石配置孔部3aに接着材5により接着される前で、かつ、接着材5が乾燥される前の状態において、揮発性を有する揮発剤としての希釈溶剤54を含む。希釈溶剤54は、たとえば、メチルエチルケトン等のケトン類や、アルコール類、エーテル類などの揮発性有機溶剤を用いることができ、本実施形態ではメチルエチルケトンおよび酢酸エチルの両方を含む。また、希釈溶剤54は、主剤52、発泡剤51および硬化剤53の少なくとも一方よりも粘度が低い。これにより、希釈溶剤54は、接着材5に含有されることにより、接着材5の粘度を低下させ、流動性を高める機能(塗布のしやすさを高める機能)を有する。
そして、希釈溶剤54は、乾燥温度以上の温度にされることにより、揮発する。ここで、乾燥温度として、たとえば、希釈溶剤54の沸点温度、または、沸点温度近傍の温度を設定することが可能である。そして、乾燥温度は、膨張温度よりも低く、かつ、硬化温度よりも低い。これにより、接着材5の温度を、膨張温度未満で、かつ、乾燥温度以上の温度にすることにより、発泡剤51を膨張させない状態で、かつ、主剤52および硬化剤53を硬化させない状態で、希釈溶剤54を揮発させることが可能になる。そして、希釈溶剤54が揮発(乾燥)されることにより、接着材5の厚みがt3(図8(a))からt1(図8(b))に小さくなる。すなわち、接着材5が乾燥された後では、接着材5における希釈溶剤54の量が減少しているか、または、接着材5における希釈溶剤54が略含有されていない状態になる。
図9に示すように、本実施形態では、ロータコア2は、下端蓋付ブロックコア21(以下、「下端蓋付コア21」とする)と、上端蓋付ブロックコア22(以下、「上端蓋付コア22」とする)と、複数(たとえば、2つ)の貫通ブロックコア23(以下、「貫通コア23」とする)とが積層されて形成されている。なお、下端蓋付コア21は、特許請求の範囲の「第1ブロックコア」の一例である。上端蓋付コア22は、特許請求の範囲の「第2ブロックコア」の一例である。
また、本実施形態では、下端蓋付コア21は、ロータコア2の積層方向の一方端2aに配置され、蓋用鋼板4が下端蓋付コア21の積層方向の一方端部21a(下端)に配置されている。そして、下端蓋付コア21は、下端に蓋用鋼板4が配置され、蓋用鋼板4の上部(矢印Z1方向)に複数(たとえば、数十枚)の貫通鋼板3が積層されている。すなわち、下端蓋付コア21は、下端側(矢印Z2方向側)に閉鎖部4a(蓋)を有するブロックコアとして構成されている。なお、貫通鋼板3の枚数および貫通コア23の数は、図9の例には限られない。
また、上端蓋付コア22は、ロータコア2の積層方向の他方端2bに配置され、蓋用鋼板4が上端蓋付コア22の積層方向の他方端部22a(上端)に配置されている。そして、上端蓋付コア22は、上端に蓋用鋼板4が配置され、蓋用鋼板4の下部(矢印Z2方向)に複数(たとえば、数十枚)の貫通鋼板3が積層されている。すなわち、上端蓋付コア22は、上端側(矢印Z1方向側)に閉鎖部4a(蓋)を有するブロックコアとして構成されている。
複数の貫通コア23は、下端蓋付コア21と上端蓋付コア22との間において、互いに積層されて配置されている。そして、貫通コア23は、複数の貫通鋼板3が積層されることにより形成されている。すなわち、貫通コア23は、上端から下端に渡って磁石配置孔部3aが貫通するように形成されている。そして、下端蓋付コア21の磁石配置孔部3aと、上端蓋付コア22の磁石配置孔部3aと、貫通コア23の磁石配置孔部3aとは、接続されている。
図5に示すように、貫通鋼板3には、永久磁石1が配置される磁石配置孔部3aと、ハブ部材103(図1参照)が配置される軸孔3bと、連結用の凸部3dとが設けられている。そして、図10に示すように、貫通鋼板3には、凸部3dの背面側(矢印Z2方向側)に形成されている凹部3eが設けられている。また、図10(b)および図10(c)に示すように、上端蓋付コア22と貫通コア23との下端を構成する貫通鋼板3である下端貫通鋼板30には、他の貫通鋼板3と異なり、凸部3dおよび凸部3dに対応する位置に、嵌合貫通孔3cが設けられている。凸部3dは、積層方向の一方側(矢印Z2方向側)に突出している。また、凹部3eは、積層方向の一方側に窪んでいる。なお、嵌合貫通孔3cは、特許請求の範囲の「凹部」の一例である。
図6に示すように、蓋用鋼板4のうちの上端蓋付コア22に設けられている蓋用鋼板4には、磁石配置孔部3aと径方向位置および周方向位置が一致する位置(オーバーラップする位置)に形成された閉鎖部4aが設けられている。すなわち、蓋用鋼板4は、磁石配置孔部3aを塞ぐように構成されている。そして、蓋用鋼板4には、ハブ部材103が配置される軸孔3bと、連結用の凸部3dとが設けられている。そして、図10に示すように、蓋用鋼板4には、凸部3dの背面側(矢印Z2方向側)に形成されている凹部3eが設けられている。また、図10(a)に示すように、蓋用鋼板4のうちの下端蓋付コア21に設けられる下端蓋用鋼板40には、他の蓋用鋼板4と異なり、凸部3dおよび凸部3dに対応する位置に、嵌合貫通孔3cが設けられている。なお、貫通鋼板3および蓋用鋼板4において、同様の機能・構造を有する部分には、同一の符号を付し、説明を省略している。
そして、凸部3dと凹部3e(嵌合貫通孔3c)とが嵌合することにより、嵌合した凸部3dを有する貫通鋼板3または蓋用鋼板4と、嵌合した凹部3e(嵌合貫通孔3c)を有する貫通鋼板3または蓋用鋼板4とが連結されている。
[ロータの製造装置の構成]
次に、図11〜図18を参照して、本実施形態によるロータ100の製造装置200について説明する。
図11に示すように、製造装置200は、プレス加工装置210を備える。プレス加工装置210は、帯状の電磁鋼板300を順次移動させながらプレス加工する順送プレス加工装置として構成されている。
具体的には、プレス加工装置210は、上ダイセット70と、下ダイセット80とを備えている。プレス加工装置210では、上ダイセット70と、下ダイセット80との間に、帯状の電磁鋼板300が配置されている。また、プレス加工装置210では、帯状の電磁鋼板300は、図示しない送り機構により、X1方向側からX2方向側に順次送られる。
プレス加工装置210には、パイロット孔加工部220と、磁石孔加工部230と、軸孔加工部240と、嵌合貫通孔加工部250と、凸部加工部260と、外形加工部270とを備えている。プレス加工装置210では、パイロット孔加工部220および磁石孔加工部230と、軸孔加工部240と、嵌合貫通孔加工部250と、凸部加工部260と、外形加工部270とは、X1方向側からX2方向側にこの順に並んで配置されている。
パイロット孔加工部220は、パイロット孔用パンチ221と、パイロット孔用ダイス222とを有している。パイロット孔用パンチ221は、上ダイセット70に設けられおり、パイロット孔用ダイス222は、下ダイセット80に設けられている。パイロット孔加工部220は、パイロット孔用パンチ221とパイロット孔用ダイス222とにより、位置決め用のパイロット孔300a(図12参照)を帯状の電磁鋼板300に形成するように構成されている。パイロット孔300aは、プレス加工装置210において、帯状の電磁鋼板300を所定位置に位置決めするために設けられている。
磁石孔加工部230は、磁石孔用パンチ231と、磁石孔用ダイス232と、磁石孔用カム機構233とを有している。磁石孔用パンチ231および磁石孔用カム機構233は、上ダイセット70に設けられており、磁石孔用ダイス232は、下ダイセット80に設けられている。磁石孔加工部230は、磁石孔用パンチ231と磁石孔用ダイス232とにより、磁石配置孔部3aを帯状の電磁鋼板300に形成するように構成されている。磁石孔用カム機構233は、磁石孔用パンチ231を、磁石配置孔部3aを打ち抜くことが可能な下降位置と、磁石配置孔部3aを打ち抜くことができない上昇位置との間で昇降させるように構成されている。
具体的には、図13に示すように、磁石孔用カム機構233は、カム機構本体部233aと、カム機構本体部233aに設けられたカム溝233bとを有している。カム機構本体部233aは、シリンダなどの駆動部234により、水平方向に移動することが可能なように構成されている。また、カム機構本体部233aには、磁石孔用パンチ231のパンチ側(Z2方向側)の端部とは反対側(Z1方向側)の端部が接続されている。磁石孔用カム機構233は、駆動部234によりカム機構本体部233aを水平方向に移動させて、カム機構本体部233aのカム溝233bに磁石孔用パンチ231を嵌合させることによって、磁石孔用パンチ231を上昇位置に上昇させるように構成されている。また、磁石孔用カム機構233は、駆動部234によりカム機構本体部233aを水平方向に移動させて、カム機構本体部233aのカム溝233bと磁石孔用パンチ231との嵌合を解除することによって、磁石孔用パンチ231を下降位置に下降させるように構成されている。
図11に示すように、軸孔加工部240は、軸孔用パンチ241と、軸孔用ダイス242とを有している。軸孔用パンチ241は、上ダイセット70に設けられており、軸孔用ダイス242は、下ダイセット80に設けられている。軸孔加工部240は、軸孔用パンチ241と軸孔用ダイス242とにより、ロータコア2に挿入されるハブ部材103(シャフト)用の軸孔3b(図12参照)を帯状の電磁鋼板300に形成するように構成されている。
嵌合貫通孔加工部250は、嵌合貫通孔用パンチ251と、嵌合貫通孔用ダイス252と、嵌合貫通孔用カム機構253とを有している。嵌合貫通孔用パンチ251および嵌合貫通孔用カム機構253は、上ダイセット70に設けられており、嵌合貫通孔用ダイス252は、下ダイセット80に設けられている。嵌合貫通孔加工部250は、嵌合貫通孔用パンチ251と嵌合貫通孔用ダイス252とにより、嵌合貫通孔3c(図12参照)を帯状の電磁鋼板300に形成するように構成されている。嵌合貫通孔用カム機構253は、磁石孔用カム機構233と同様に、嵌合貫通孔用パンチ251を、嵌合貫通孔3cを打ち抜くことが可能な下降位置と、嵌合貫通孔3cを打ち抜くことができない上昇位置との間で昇降させるように構成されている。そして、図14に示すように、嵌合貫通孔用パンチ251のパンチ幅L1および嵌合貫通孔3cの孔幅D1は、後述する凸部用パンチ261のパンチ幅L2よりも大きい。
図11に示すように、凸部加工部260は、凸部用パンチ261と、凸部用ダイス262と、凸部用エジェクタピン263とを有している。凸部用パンチ261は、上ダイセット70に設けられており、凸部用ダイス262および凸部用エジェクタピン263は、下ダイセット80に設けられている。図15に示すように、凸部加工部260は、凸部用パンチ261と凸部用ダイス262とにより、連結用の凸部3dおよび凹部3eを帯状の電磁鋼板300に形成するように構成されている。また、図11に示すように、凸部用エジェクタピン263は、帯状の電磁鋼板300に形成された凸部3dを凸部用ダイス262の開口部262aから排出するように構成されている。
外形加工部270は、外形用パンチ271と、外形用ダイス272とを有している。外形用パンチ271は、上ダイセット70に設けられており、外形用ダイス272は、下ダイセット80に設けられている。外形加工部270は、外形用パンチ271と外形用ダイス272とにより、帯状の電磁鋼板300を打ち抜くことによって、貫通鋼板3または蓋用鋼板4を形成するように構成されている。
また、プレス加工装置210には、ストリッパ280および3つのストリッパ用付勢部281が設けられている。ストリッパ280は、プレス加工時に、帯状の電磁鋼板300を上方(Z1方向)から押さえるように構成されている。具体的には、ストリッパ280は、上ダイセット70が下降するのに応じて、3つのストリッパ用付勢部281により上方から押されることによって、上ダイセット70とともに下降するように構成されている。そして、ストリッパ280は、帯状の電磁鋼板300の上面と接触した後、上ダイセット70がさらに下降されることによって、ストリッパ280の重量および3つのストリッパ用付勢部281の付勢力により、帯状の電磁鋼板300を上方から押さえるように構成されている。
プレス加工装置210は、ストリッパ280により帯状の電磁鋼板300を上方から押さえた状態で、上ダイセット70のみがさらに下降することによって、各パンチによるプレス加工が行われるように構成されている。
また、ストリッパ280は、プレス加工後、上ダイセット70のみが上昇する際に、帯状の電磁鋼板300を上方から押さえ続けることにより、各パンチから帯状の電磁鋼板300を剥がすように構成されている。
図16に示すように、製造装置200は、接着材5を塗布する塗布装置290を備える。塗布装置290は、パレット291に配置された永久磁石1の側面11に、希釈溶剤54を含む接着材5を塗布するように構成されている。
図17に示すように、製造装置200は、接着材5を乾燥させるヒーター292を備える。ヒーター292は、接着材5(永久磁石1)を乾燥温度に加熱することにより、永久磁石1に塗布された接着材5の希釈溶剤54を揮発させるように構成されている。
図18に示すように、製造装置200は、接着材5を硬化させる加熱炉293を備える。加熱炉293は、接着材5を硬化温度に加熱することにより、永久磁石1に塗布された接着材5の主剤52と硬化剤53とを反応させて、接着材5を硬化させるように構成されている。
[ロータの製造方法]
次に、図1、図2、および、図7〜図20を参照して、ロータ100の製造方法について説明する。本実施形態では、永久磁石1と、貫通鋼板3および蓋用鋼板4が積層されて形成され、永久磁石1が配置された磁石配置孔部3aを内部に有するロータコア2とを備えるロータ100の製造方法について説明する。図19に、ロータ100の製造工程の全体を説明するためのフローチャートを示す。図20に、ロータコアの一部を形成する工程を説明するためのフローチャートを示す。
(ロータコアの一部を形成する工程)
本実施形態では、ステップS1(図19参照)において、ロータコア2の一部が形成される。具体的には、磁石配置孔部3aを有する複数の貫通鋼板3が形成され、磁石配置孔部3aを塞ぐように構成された複数の蓋用鋼板4が形成され、ロータコア2の積層方向の一方端部21a(一方端2a)に蓋用鋼板4が配置される。ここで、貫通鋼板3と蓋用鋼板4とは、たとえば、1つの帯状の電磁鋼板300において、連続して形成される。
〈パイロット孔の形成〉
ステップS11(図20参照)において、パイロット孔が帯状の電磁鋼板300に形成される。まず、図11および図12に示すように、帯状の電磁鋼板300が、X1方向側からX2方向側に送られることによって、帯状の電磁鋼板300がプレス加工装置210に供給される。そして、パイロット孔加工部220により、帯状の電磁鋼板300が打ち抜かれることによって、帯状の電磁鋼板300に平面視で略円形状を有するパイロット孔300aが形成される。
〈磁石配置孔部または閉鎖部の形成〉
ステップS12において、磁石配置孔部3aまたは閉鎖部4aが帯状の電磁鋼板300に形成される。具体的には、貫通鋼板3(磁石配置孔部3a)を形成する場合、磁石孔加工部230の磁石孔用パンチ231および磁石孔用ダイス232により、帯状の電磁鋼板300が打ち抜かれることによって、帯状の電磁鋼板300に平面視で略矩形形状を有する磁石配置孔部3aが形成される。また、本実施形態では、蓋用鋼板4(閉鎖部4a)を形成する場合、磁石孔加工部230の磁石孔用パンチ231および磁石孔用ダイス232によって磁石配置孔部3aを形成しないことにより、磁石配置孔部3aに対応する部分が残存して、閉鎖部4aとなる。
詳細には、貫通鋼板3を形成する際には、磁石孔用カム機構233(図13参照)により、磁石配置孔部3aを打ち抜くことが可能な下降位置に磁石孔用パンチ231が配置され、蓋用鋼板4を形成する場合、磁石孔用カム機構233により、磁石配置孔部3aを打ち抜くことができない上昇位置に磁石孔用パンチ231が配置される。
〈軸孔の形成〉
ステップS13において、軸孔3bが帯状の電磁鋼板300に形成される。具体的には、軸孔加工部240により、帯状の電磁鋼板300が打ち抜かれることによって、帯状の電磁鋼板300に平面視で略円形状を有する軸孔3bが形成される。そして、軸孔3bが形成された帯状の電磁鋼板300が、X1方向側からX2方向側に送られる。
〈嵌合貫通孔の形成〉
ステップS14において、下端貫通鋼板30または下端蓋用鋼板40に対応する帯状の電磁鋼板300に、嵌合貫通孔3cが形成される。具体的には、図14に示すように、嵌合貫通孔加工部250により、帯状の電磁鋼板300が打ち抜かれることによって、帯状の電磁鋼板300に平面視で略円形状を有する嵌合貫通孔3cが形成される。すなわち、下端貫通鋼板30または下端蓋用鋼板40を形成する際には、嵌合貫通孔用カム機構253により、嵌合貫通孔3cを打ち抜くことが可能な下降位置に嵌合貫通孔用パンチ251が配置され、下端貫通鋼板30以外の貫通鋼板3および下端蓋用鋼板40以外の蓋用鋼板4を形成する場合には、嵌合貫通孔用カム機構253により、嵌合貫通孔3cを打ち抜くことができない上昇位置に嵌合貫通孔用パンチ251が配置される。そして、嵌合貫通孔3cが形成されたか、または、嵌合貫通孔3cが形成されていない帯状の電磁鋼板300が、X1方向側からX2方向側に送られる。
〈凸部および凹部の形成〉
ステップS15において、凸部3dおよび凹部3eが帯状の電磁鋼板300に形成される。具体的には、図15に示すように、凸部加工部260により、帯状の電磁鋼板300が変形されることによって、帯状の電磁鋼板300に平面視で略円形状を有する凸部3dおよび凹部3eが形成される。なお、下端貫通鋼板30または下端蓋用鋼板40を形成する場合には、前工程において凸部用パンチ261のパンチ幅L2よりも大きい孔幅D1を有する嵌合貫通孔3c(図14参照)が形成されているので、凸部用パンチ261は、嵌合貫通孔3cを通過するように、嵌合貫通孔3cに対して空振りされる。そして、嵌合貫通孔3cが潰されたか、または、嵌合貫通孔3cが潰されていない帯状の電磁鋼板300が、X1方向側からX2方向側に送られる。
〈外形加工〉
ステップS16において、帯状の電磁鋼板300に外形加工が行われる。具体的には、帯状の電磁鋼板300に磁石配置孔部3aが形成されている場合には、外形加工部270により、帯状の電磁鋼板300が打ち抜かれることによって、磁石配置孔部3aが形成された貫通鋼板3が孔部270aに形成される。また、帯状の電磁鋼板300に磁石配置孔部3aが形成されておらず閉鎖部4aが形成されている場合には、外形加工部270により、帯状の電磁鋼板300が打ち抜かれることによって、蓋用鋼板4が孔部270aに形成される。なお、図12では、一例として、ステップS11〜S15に対応する位置に貫通鋼板3を図示し、ステップS16に対応する位置に蓋用鋼板4を図示しているが、この例に限られない。
また、帯状の電磁鋼板300に嵌合貫通孔3cが形成されている場合には、貫通鋼板3は下端貫通鋼板30として、蓋用鋼板4は下端蓋用鋼板40として形成される。そして、打ち抜かれた貫通鋼板3および蓋用鋼板4は、外形用ダイス272および下ダイセット80に形成された開口部80aに積層される。
〈ブロックコアの積層および転積〉
ステップS17において、図10(a)に示すように、下端蓋付コア21を形成する際には、下端蓋用鋼板40の嵌合貫通孔3cに、貫通鋼板3の凸部3dが圧入されることによって、下端蓋用鋼板40と貫通鋼板3とが連結される。そして、貫通鋼板3の凹部3eに、貫通鋼板3の凸部3dが圧入されることによって、積層された貫通鋼板3同士が連結される。この結果、積層方向の一方端部21a(下端)に配置される下端蓋用鋼板40上に、所定の枚数の貫通鋼板3が積層されて連結された下端蓋付コア21が形成される。
図10(b)に示すように、上端蓋付コア22を形成する際には、下端貫通鋼板30の嵌合貫通孔3cに、貫通鋼板3の凸部3dが圧入されることによって、下端貫通鋼板30と貫通鋼板3とが連結される。そして、貫通鋼板3の凹部3eに、貫通鋼板3の凸部3dが圧入されることによって、積層された貫通鋼板3同士が連結される。そして、積層方向の他方端部22a(上端)に積層された蓋用鋼板4の凸部3dが貫通鋼板3の凹部3eに圧入されることにより、上端の蓋用鋼板4と積層された貫通鋼板3とが積層され、下端蓋付コア21が形成される。
図10(c)に示すように、貫通コア23を形成する際には、下端貫通鋼板30の嵌合貫通孔3cに、貫通鋼板3の凸部3dが圧入されることによって、下端貫通鋼板30と貫通鋼板3とが連結される。そして、貫通鋼板3の凹部3eに、貫通鋼板3の凸部3dが圧入されることによって、積層された貫通鋼板3同士が連結される。これにより、貫通コア23が形成される。
そして、図9に示すように、下端蓋付コア21の上部に、複数の貫通コア23がそれぞれ転積されて、積層される。すなわち、ロータコア2のうち上端蓋付コア22を除く部分(ロータコア2の一部)が形成される。ここで、転積とは、貫通コア23が他のコアに対して周方向に所定の角度回転された状態で積層されるか、または、軸方向に反転された状態で積層されることを意味する。
(接着材を配置する工程)
本実施形態では、ステップS2において、永久磁石1に接着材5が配置される。具体的には、図16に示すように、複数の永久磁石1がパレット291に配置される。そして、塗布装置290により、発泡剤51と主剤52と硬化剤53と希釈溶剤54とを含む接着材5が、永久磁石1の側面11に塗布される。
(接着材を乾燥させる工程)
ステップS3において、磁石配置孔部3aに永久磁石1が配置される前に、塗布された接着材5の乾燥が行われる。すなわち、本実施形態では、接着材5の希釈溶剤54の少なくとも一部が揮発された後に、磁石配置孔部3aに永久磁石1が配置される。具体的には、図17に示すように、ヒーター292により接着材5(永久磁石1)が乾燥温度に加熱されることにより、接着材5内の希釈溶剤54が揮発され、図8に示すように、厚みt3がt1に変化(薄膜化)される。
(磁石配置部に永久磁石を配置する工程)
その後、ステップS4において、磁石配置孔部3aに永久磁石1が配置される。具体的には、図9に示すように、下端蓋付コア21がロータコア2の一部の一方端2a(下端)に配置した状態で、乾燥した接着材5が配置された永久磁石1が、貫通コア23および下端蓋付コア21の磁石配置孔部3aに挿入される。すなわち、貫通コア23の上端側の開口部を介して、軸方向(積層方向)に、永久磁石1が磁石配置孔部3aに挿入される。ここで、接着材5は、乾燥されることにより薄膜化されているので、接着材5と磁石配置孔部3aとの間に隙間が形成された状態(干渉しない状態)で、永久磁石1を磁石配置孔部3aに挿入することが可能である。そして、複数の磁石配置孔部3aの各々に、接着材5が配置された永久磁石1が挿入される。
(ロータコアを完成させる工程)
その後、ステップS5において、接着材5が永久磁石1に配置された後で、かつ、永久磁石1が磁石配置孔部3aに配置された後に、貫通コア23および下端蓋付コア21の上端に、上端蓋付コア22が積層される。これにより、ロータコア2の他方端部22aに、蓋用鋼板4が配置された状態となり、ロータコア2の積層方向の両端に、それぞれ、蓋用鋼板4が配置された状態となる。そして、磁石配置孔部3aの積層方向の両端が閉鎖部4aにより閉鎖される。この結果、ロータコア2が完成される。
(永久磁石を磁石配置部に固定させる工程)
ロータコア2が完成された後、ステップS6において、接着材5が硬化されることにより、永久磁石1が磁石配置孔部3aに固定される。具体的には、図18に示すように、ロータコア2が加熱炉293の内部に配置され、ロータコア2(接着材5)が発泡温度に加熱される。これにより、接着材5の発泡剤51が発泡して、接着材5の厚みがt1からt2(図7参照)に変化される。この結果、永久磁石1が磁石配置孔部3aにおいて、接着材5により径方向外側に押圧された状態になる。
そして、加熱炉293の内部において、ロータコア2(接着材5)が硬化温度に加熱される。これにより、接着材5の主剤52と硬化剤53とが反応して、接着材5が硬化される。この結果、永久磁石1が磁石配置孔部3aに固定(接着)される。そして、本実施形態によるロータ100が完成される。
[本実施形態の構造の効果]
本実施形態の構造では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態では、ロータコア(2)を構成する複数の電磁鋼板(3、4)に、磁石配置孔部(3a)を有する第1電磁鋼板(3)と、複数の電磁鋼板(3、4)の積層方向の両端(2a、2b)に配置され、磁石配置孔部(3a)を塞ぐように構成された第2電磁鋼板(4)とを設ける。これにより、磁石配置孔部(3a)を塞ぐように構成された第2電磁鋼板(4)によって、磁石配置孔部(3a)の積層方向の両端部(2a、2b)が塞がれるので、磁石配置孔部(3a)の内部に配置される永久磁石(1)の破片や磁石固定部材(5)の一部がロータ(100)の外部に飛散することを防止することができる。また、ロータコア(2)の一部を構成する第2電磁鋼板(4)により、磁石配置孔部(3a)を塞ぐことができるので、ロータコア(2)とは別個にエンドプレートを設ける必要がない。その結果、部品点数が増加するのを防止することができるとともに、エンドプレート用の製造設備を準備する必要がないため、ロータ(100)の部品点数の増加およびロータ(100)の製造設備(200)の複雑化を防止することができる。これらの結果、ロータ(100)の部品点数の増加および製造設備(200)の複雑化を防止しながら、磁石配置孔部(3a)からロータ(100)の部材の一部がロータ(100)の外部に飛散することを防止することができる。
また、上記実施形態では、ロータコア(2)は、複数の電磁鋼板(3、4)が積層された複数のブロックコア(21、22、23)を含み、複数のブロックコア(21、22、23)は、複数のブロックコア(21、22、23)の積層方向の一方端(21a)に配置され、第2電磁鋼板(4)が積層方向の一方端(2a)に配置された第1ブロックコア(21)と、複数のブロックコア(21、22、23)の積層方向の他方端(22a)に配置され、第2電磁鋼板(4)が積層方向の他方端(2b)に配置された第2ブロックコア(22)とを含む。このように構成すれば、ロータ(100)を製造する際に、第1ブロックコア(21)を含むブロックコア(21、23)の磁石配置孔部(3a)に永久磁石(1)を配置した後に、第2ブロックコア(22)をブロックコア(21、23)に配置することができるので、容易に磁石配置孔部(3a)の両端を塞がれた状態にすることができる。また、複数のブロックコア(21、22、23)を積層させることによってロータコア(2)を形成することにより、ロータコア(2)を製造する際に、電磁鋼板を1枚ずつ個別に取り扱う場合に比べて、転積工程等のロータコア(2)の製造工程を容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、磁石固定部材(5)は、膨張剤(51)を含み、膨張剤(51)が膨張した状態で、永久磁石(1)が磁石固定部材(5)により磁石配置孔部(3a)に固定されている。このように構成すれば、膨張剤(51)を膨張させない状態で、永久磁石(1)または磁石配置孔部(3a)に磁石固定部材(5)を配置することにより、磁石固定部材(5)の体積が比較的小さい分、永久磁石(1)および磁石配置孔部(3a)と磁石固定部材(5)とが干渉することを防止しながら、容易に永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に配置することができる。そして、第2電磁鋼板(4)により、磁石配置孔部(3a)が塞がれた状態でも、膨張剤(51)を膨張させることにより、新たに磁石配置孔部(3a)に磁石固定部材を充填させることなく、磁石配置孔部(3a)の内部を膨張した膨張剤(51)を含む磁石固定部材(5)により満たすことができる。この結果、容易に永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に配置することを可能にしながら、永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)により確実に接着(固定)させることができる。また、膨張剤(51)を用いることにより、樹脂モールドを用いる場合と異なり、永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に配置した後に充填(注入)する必要がないので、充填(注入)用の孔部をロータコア(2)に形成する必要がない。この結果、磁石配置孔部(3a)を第2電磁鋼板(4)により塞いでも、他の部分に孔部を設けることなく、効果的に永久磁石(1)の破片や磁石固定部材(5)の一部がロータ(100)の外部に飛散することを防止することができる。
また、上記実施形態では、第1電磁鋼板(3)または第2電磁鋼板(4)のうちの一方に積層方向の一方側に突出する凸部(3d)が設けられており、他方に積層方向の一方側に窪む凹部(3e)が設けられており、凸部(3d)が凹部(3e)に配置されることによって、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とが連結されている。このように構成すれば、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを積層させることにより、凸部(3d)が凹部(3e)に配置されて、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを容易に連結させることができる。たとえば、溶接等によりロータコア(2)に接合する必要があるエンドプレートを設ける場合と異なり、磁石配置孔部(3a)を塞ぐために新たに溶接等の接合作業が必要にならないので、ロータ(100)の製造工程が複雑化するのを防止することができる。
[本実施形態の製造方法の効果]
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態では、ロータ(100)の部品点数の増加および製造設備(200)の複雑化を防止しながら、磁石配置孔部(3a)からロータ(100)の部材の一部がロータ(100)の外部に飛散することを防止することが可能なロータ(100)の製造方法を提供することができる。
また、上記実施形態では、ロータコア(2)の一部を形成する工程(S1)は、磁石配置孔部用パンチ(231)により磁石配置孔部(3a)を帯状の電磁鋼板(300)に形成して帯状の電磁鋼板(300)を打ち抜くことにより、第1電磁鋼板(3)を形成し、磁石配置孔部用パンチ(231)により磁石配置孔部(3a)を帯状の電磁鋼板(300)に形成しないで帯状の電磁鋼板(300)を打ち抜くことにより、第2電磁鋼板(4)を形成し、積層方向の一方端(2a)に第2電磁鋼板(4)を配置することによって、ロータコア(2)の一部を形成する工程である。このように構成すれば、同一の製造設備(プレス加工機(210))により、第1電磁鋼板(3)および第2電磁鋼板(4)の両方を形成することができるので、第1電磁鋼板(3)および第2電磁鋼板(4)のそれぞれ別個の金型等を準備する必要がなく、ロータ(100)の製造設備(200)をより一層簡素化させることができる。
また、上記実施形態では、ロータコア(2)の一部を形成する工程(S1)は、凸部用パンチ(261)により帯状の電磁鋼板(300)に積層方向の一方側に突出する凸部(3d)および凸部(3d)の背面側に積層方向の一方側に窪む凹部(3e)を形成して、帯状の電磁鋼板(300)を打ち抜くことによって、第1電磁鋼板(3)および第2電磁鋼板(4)をそれぞれ形成し、凸部(3d)が凹部(3e)に配置された状態で、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを積層させる工程である。このように構成すれば、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを形成する際に、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを連結させるための凸部(3d)および凹部(3e)を形成することができるので、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを連結させるための工程を別途設ける必要がない。この結果、ロータ(100)の製造工程が複雑化するのを防止することができる。また、凸部(3d)または凹部(3e)の一方を有する第1電磁鋼板(3)と凸部(3d)または凹部(3e)の他方を有する第2電磁鋼板(4)とを積層させることにより、凸部(3d)が凹部(3e)に配置されるので、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを容易に連結させることができる。これにより、溶接等によりロータコア(2)に接合する必要があるエンドプレートを設ける場合と異なり、磁石配置孔部(3a)を塞ぐために新たに溶接等の接合作業が必要にならないので、ロータ(100)の製造工程が複雑化するのをより一層防止することができる。
また、上記実施形態では、ロータコア(2)の一部を形成する工程(S1)は、複数の第1電磁鋼板(3)および複数の第2電磁鋼板(4)を形成し、第2電磁鋼板(4)が積層方向の一方端(2a)に配置されるように、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを積層することによって第1ブロックコア(21)を形成するとともに、第2電磁鋼板(4)が積層方向の他方端(2b)に配置されるように、第1電磁鋼板(3)と第2電磁鋼板(4)とを積層することによって第2ブロックコア(22)を形成する、複数のブロックコア(21、22、23)を形成する工程であり、永久磁石(1)を配置する工程(S4)は、第1ブロックコア(21)を複数のブロックコア(21、22、23)の一方端(21a)に配置した状態で、第1ブロックコア(21)の磁石配置部(5)に永久磁石(1)を配置する工程であり、ロータコア(2)を完成させる工程(S5)は、永久磁石(1)が配置された第1ブロックコア(21)を含む複数のブロックコア(21、22、23)の他方端(22a)に、第2ブロックコア(22)を積層する工程である。このように構成すれば、第1ブロックコア(21)を含むブロックコアの磁石配置孔部(3a)に永久磁石(1)を配置した後に、第2ブロックコア(22)をブロックコアに配置すれば、容易に磁石配置孔部(3a)の両端を塞がれた状態にすることができる。また、複数のブロックコア(21、22、23)を積層させてロータコア(2)を形成することにより、電磁鋼板を1枚ずつ個別に取り扱う場合に比べて、転積工程等のロータコア(2)の製造工程を容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、磁石固定部材(5)を配置する工程(S2)は、永久磁石(1)に磁石固定部材(5)を配置する工程であり、永久磁石(1)を配置する工程(S4)は、第1ブロックコア(21)を複数のブロックコア(21、22、23)の一方端(21a)に配置した状態で、第1ブロックコア(21)の磁石配置孔部(3a)に磁石固定部材(5)が配置された永久磁石(1)を挿入する工程である。このように構成すれば、複数のブロックコア(21、22、23)に個別に磁石固定部材(5)を配置する場合に比べて、永久磁石(1)に磁石固定部材(5)を配置することにより、磁石固定部材(5)を配置する工程が複雑化するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、磁石固定部材(5)は、膨張剤(51)を含み、永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に固定させる工程は、膨張剤(51)を膨張させている期間、または、膨張剤(51)を膨張させた後の期間のうちの少なくともいずれかの期間に、磁石固定部材(5)を硬化させることにより、永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に固定させる工程である。このように構成すれば、膨張剤(51)を膨張させる前の比較的磁石固定部材(5)の体積が小さい状態で、容易に永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に配置(挿入)することができるとともに、永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に配置した後に、膨張剤(51)を膨張させることにより、磁石固定部材(5)の体積を大きくした状態で、永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に固定することができる。この結果、永久磁石(1)の磁石配置孔部(3a)に対する挿入性を向上させながら、膨張した磁石固定部材(5)によって、より確実に永久磁石(1)を磁石配置孔部(3a)に固定(接着)させることができる。
また、上記実施形態では、磁石固定部材(5)は、揮発剤(64)を含み、磁石固定部材(5)を配置する工程(S2)は、永久磁石(1)に揮発剤(64)を含む磁石固定部材(5)を配置する工程であり、磁石配置孔部(3a)に永久磁石(1)を配置する工程(S4)は、磁石固定部材(5)の揮発剤(64)の少なくとも一部が揮発された後に、磁石配置孔部(3a)に永久磁石(1)を配置する工程である。このように構成すれば、揮発剤(64)が含まれる分、粘度が低下して塗布性を向上させた状態の磁石固定部材(5)を永久磁石(1)に配置することができるとともに、磁石固定部材(5)を永久磁石(1)に配置した後に、揮発剤(64)を揮発させる分、磁石固定部材(5)の体積(厚み)を減少させることができるので、永久磁石(1)の磁石配置孔部(3a)に対する挿入性を向上させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、ロータをインナーロータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータをアウターロータとして構成してもよい。
また、上記実施形態では、ロータコアを、複数のブロックコア(下端蓋付コア21、上端蓋付コア22および貫通コア23)を積層して構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータコアを、ブロックコアを形成しないで、複数の貫通コアを積層させて、積層方向の両端部に蓋用鋼板を積層することにより、ロータコアを形成してもよい。この場合、たとえば、積層方向の一方端部に蓋用鋼板を配置して、貫通コアを積層し、接着材が塗布された永久磁石を磁石配置部に配置した後に、積層方向の他端部に蓋用鋼板を配置すれば、磁石配置部からロータの部材の一部がロータの外部に飛散することを防止することが可能なロータを製造することが可能である。
また、上記実施形態では、ロータコアに貫通コアを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図21に示す第1変形例のロータ400のように、貫通コアを設けずに、下端蓋付コア21と上端蓋付コア22とが積層されてロータコア402が構成されている。この場合、下端蓋付コア21に永久磁石401が配置された後、上端蓋付コア22が積層される。
また、上記実施形態では、接着材が配置された永久磁石を磁石配置部に挿入する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図22に示す第2変形例のロータ500のように、接着材505が内壁面に塗布されたロータコア502の磁石配置孔部503aに、永久磁石1を配置してもよい。
また、上記実施形態では、接着材に発泡剤(膨張剤)および希釈溶剤(揮発剤)を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、永久磁石に対する接着材の塗布性、および、永久磁石の磁石配置部に対する挿入性に問題がなく、接着材を膨張させる必要がないロータの構造であれば、接着材を熱硬化性樹脂のみから構成してもよい。
また、上記実施形態では、蓋用鋼板を、ロータコアの積層方向の両端部にそれぞれ1枚ずつ設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋用鋼板を、ロータコアの積層方向の両端部に複数枚設けてもよい。
また、上記実施形態では、磁石配置孔部が軸方向から見て略矩形形状を有し、嵌合貫通孔、凸部および凹部が軸方向から見て略円形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁石配置孔部が軸方向から見て略矩形形状以外の形状を有していてもよいし、嵌合貫通孔、凸部および凹部が軸方向から見て略円形状以外の形状を有していてもよい。
また、上記実施形態では、蓋用鋼板をロータコアの積層方向の一方端(最端)および他方端(最端)に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、蓋用鋼板は、ロータコアの積層方向の一方端部(一方端の近傍)および他方端部(他方端の近傍)に配置されていればよい。
また、上記実施形態では、図9および図10のように、下端蓋付ブロックコアと、上端蓋付ブロックコアとを互いに異なる構造に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図23および図24に示す第3変形例のロータ600のように、同一に形成した2つのブロックコア620のうちの一方を、下端蓋付ブロックコア621とし、他方(反転させたもの)を上端蓋付ブロックコア622としてもよい。
ここで、図23(a)に示すように、上記実施形態の第3変形例によるロータ600の製造方法では、蓋用鋼板4(下端蓋用鋼板40)に複数の貫通鋼板3が積層されたブロックコア620が2つ形成される。具体的には、図23(b)に示すように、嵌合貫通孔3cを有する下端蓋用鋼板40(蓋用鋼板4)に、下側(矢印Z2方向)に突出する凸部3d、および、下側に窪む凹部3eを有する複数の貫通鋼板3が積層される。
そして、図24(a)に示すように、2つのブロックコア620のうちの下側に配置された一方のブロックコア620である下端蓋付ブロックコア621の磁石配置孔部603aに、接着材5が配置された永久磁石601が挿入される。
そして、2つのブロックコア630のうちの他方のブロックコア620が上下反転されたものである上端蓋付ブロックコア622が、下端蓋付ブロックコア621の上側に配置される。すなわち、図24(b)に示すように、上端蓋付ブロックコア622では、嵌合貫通孔3cを有する蓋用鋼板4が上端に配置され、上側(矢印Z1方向)に突出する凸部3d、および、上側に窪む凹部3eを有する複数の貫通鋼板3が、蓋用鋼板4の下側に配置される。そして、この上端蓋付ブロックコア622が、永久磁石601が配置された下端蓋付ブロックコア621の上側に配置される。これにより、ロータコア602が完成される。その後、接着材5が硬化されることにより、第3変形例によるロータ600が完成する。
上記第3変形例によるロータ(600)のように構成すれば、ロータ(600)を構成する複数のブロックコア(630)の構造を共通化することができるので、部品の種類が増加することや、製造設備の複雑化を防止することが可能になる。
また、上記実施形態では、接着材を永久磁石に塗布することにより、接着材をロータに配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、永久磁石と磁石配置部との隙間に接着材(樹脂)を充填することにより、接着材をロータに配置してもよい。
1、401、601 永久磁石 2、402、502、602 ロータコア
2a 一方端部(積層方向の一方端) 2b 他方端部(積層方向の他方端)
3 貫通電磁鋼板(第1電磁鋼板) 3a、503a、603a 磁石配置孔部
3c 嵌合貫通孔(凹部) 3d 凸部
3e 凹部 4 蓋用電磁鋼板(第2電磁鋼板)
4a 閉鎖部(磁石配置孔部に対応する部分) 5、505 接着材(磁石固定部材)
21、621 下端蓋付ブロックコア(第1ブロックコア)
21a 一方端(ブロックコアの一方端)
22、622 上端蓋付ブロックコア(第2ブロックコア)
22a 他方端(ブロックコアの他方端)
51 発泡剤(膨張剤) 54 希釈溶剤(揮発剤)
100、400、500、600 ロータ 231 磁石配置孔部用パンチ
261 凸部用パンチ 300 帯状の電磁鋼板

Claims (11)

  1. 永久磁石と、
    複数の電磁鋼板が積層されて形成され、前記永久磁石が配置される磁石配置孔部を内部に有するロータコアとを備え、
    前記永久磁石は、樹脂製の磁石固定部材により前記磁石配置孔部に固定されており、
    前記複数の電磁鋼板は、前記磁石配置孔部を有する第1電磁鋼板と、前記複数の電磁鋼板の積層方向の両端に配置され、前記磁石配置孔部を塞ぐように構成された第2電磁鋼板とを含む、ロータ。
  2. 前記ロータコアは、前記複数の電磁鋼板が積層された複数のブロックコアを含み、
    前記複数のブロックコアは、前記複数のブロックコアの前記積層方向の一方端に配置され、前記第2電磁鋼板が前記積層方向の一方端に配置された第1ブロックコアと、前記複数のブロックコアの前記積層方向の他方端に配置され、前記第2電磁鋼板が前記積層方向の他方端に配置された第2ブロックコアとを含む、請求項1に記載のロータ。
  3. 前記磁石固定部材は、膨張剤を含み、
    前記膨張剤が膨張した状態で、前記永久磁石が前記磁石固定部材により前記磁石配置孔部に固定されている、請求項1または2に記載のロータ。
  4. 前記第1電磁鋼板または前記第2電磁鋼板のうちの一方に前記積層方向の一方側に突出する凸部が設けられており、他方に前記積層方向の一方側に窪む凹部が設けられており、前記凸部が前記凹部に配置されることによって、前記第1電磁鋼板と前記第2電磁鋼板とが連結されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータ。
  5. 永久磁石と、複数の電磁鋼板が積層されて形成され、前記永久磁石が配置される磁石配置孔部を内部に有するロータコアとを備えるロータの製造方法であって、
    前記磁石配置孔部を有する前記電磁鋼板である第1電磁鋼板を形成し、前記磁石配置孔部を塞ぐように構成された前記電磁鋼板である複数の第2電磁鋼板を形成し、前記複数の電磁鋼板の積層方向の一方端に前記第2電磁鋼板を配置することによって、前記ロータコアの一部を形成する工程と、
    前記永久磁石または前記磁石配置孔部に樹脂製の磁石固定部材を配置する工程と、
    前記ロータコアの一部を形成する工程の後に、前記磁石配置孔部に前記永久磁石を配置する工程と、
    前記磁石固定部材を配置する工程の後で、かつ、前記永久磁石を配置する工程の後に、前記複数の電磁鋼板の積層方向の他方端に、前記第2電磁鋼板を含む前記電磁鋼板を配置することによって、前記ロータコアを完成させる工程と、
    前記ロータコアを完成させる工程の後に、前記磁石固定部材を硬化させることにより、前記永久磁石を前記磁石配置孔部に固定させる工程とを備える、ロータの製造方法。
  6. 前記ロータコアの一部を形成する工程は、磁石配置孔部用パンチにより前記磁石配置孔部を帯状の電磁鋼板に形成して前記帯状の電磁鋼板を打ち抜くことにより、前記第1電磁鋼板を形成し、前記磁石配置孔部用パンチにより前記磁石配置孔部を前記帯状の電磁鋼板に形成しないで前記帯状の電磁鋼板を打ち抜くことにより、前記第2電磁鋼板を形成し、前記積層方向の一方端に前記第2電磁鋼板を配置することによって、前記ロータコアの一部を形成する工程である、請求項5に記載のロータの製造方法。
  7. 前記ロータコアの一部を形成する工程は、凸部用パンチにより前記帯状の電磁鋼板に前記積層方向の一方側に突出する凸部および前記凸部の背面側に前記積層方向の一方側に窪む凹部を形成して、前記帯状の電磁鋼板を打ち抜くことによって、前記第1電磁鋼板および前記第2電磁鋼板をそれぞれ形成し、前記凸部が前記凹部に配置された状態で、前記第1電磁鋼板と前記第2電磁鋼板とを積層させる工程である、請求項5または6に記載のロータの製造方法。
  8. 前記ロータコアの一部を形成する工程は、複数の前記第1電磁鋼板および複数の前記第2電磁鋼板を形成し、前記第2電磁鋼板が前記積層方向の一方端に配置されるように、前記第1電磁鋼板と前記第2電磁鋼板とを積層することによって第1ブロックコアを形成するとともに、前記第2電磁鋼板が前記積層方向の他方端に配置されるように、前記第1電磁鋼板と前記第2電磁鋼板とを積層することによって第2ブロックコアを形成する、複数のブロックコアを形成する工程であり、
    前記永久磁石を配置する工程は、前記第1ブロックコアを前記複数のブロックコアの一方端に配置した状態で、前記第1ブロックコアの前記磁石配置孔部に前記永久磁石を配置する工程であり、
    前記ロータコアを完成させる工程は、前記永久磁石が配置された前記第1ブロックコアを含む前記複数のブロックコアの他方端に、前記第2ブロックコアを積層する工程である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  9. 前記磁石固定部材を配置する工程は、前記永久磁石に前記磁石固定部材を配置する工程であり、
    前記永久磁石を配置する工程は、前記第1ブロックコアを前記複数のブロックコアの一方端に配置した状態で、前記第1ブロックコアの前記磁石配置孔部に前記磁石固定部材が配置された前記永久磁石を挿入する工程である、請求項8に記載のロータの製造方法。
  10. 前記磁石固定部材は、膨張剤を含み、
    前記永久磁石を前記磁石配置孔部に固定させる工程は、前記膨張剤を膨張させている期間、または、前記膨張剤を膨張させた後の期間のうちの少なくともいずれかの期間に、前記磁石固定部材を硬化させることにより、前記永久磁石を前記磁石配置孔部に固定させる工程である、請求項5〜9のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  11. 前記磁石固定部材は、揮発剤を含み、
    前記磁石固定部材を配置する工程は、前記永久磁石に前記揮発剤を含む前記磁石固定部材を配置する工程であり、
    前記磁石配置孔部に前記永久磁石を配置する工程は、前記磁石固定部材の前記揮発剤の少なくとも一部が揮発された後に、前記磁石配置孔部に前記永久磁石を配置する工程である、請求項5〜10のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112202257A (zh) * 2020-10-19 2021-01-08 广州福茂汽车用品有限公司 一种永磁伺服电机的转子结构
JP2023159562A (ja) * 2022-04-20 2023-11-01 株式会社メタルアート 積層鉄心、及び積層鉄心の製造方法

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