JP2019033213A - 半導体パッケージの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体パッケージの固定構造において、ヒートシンクにおける半導体パッケージの実装領域を小さく抑えながら、半導体パッケージからヒートシンクに至る絶縁距離を延長できる。【解決手段】ヒートシンク1と、ヒートシンクの第一主面1aに順番に重ねて配される第一絶縁部材5及び半導体パッケージ2と、第一主面と反対に向くヒートシンクの第二主面1bに配される第二絶縁部材6と、半導体パッケージ、第一絶縁部材、ヒートシンク及び第二絶縁部材に挿通される導電性の雄ねじ部材3と、雄ねじ部材に螺着されて雄ねじ部材と共に半導体パッケージ、第一絶縁部材、ヒートシンク及び第二絶縁部材をこれらの配列方向に挟み込む導電性の雌ねじ部材4と、雄ねじ部材が通るヒートシンクの挿通孔11に収容されて挿通孔の内周を覆うと共に、雄ねじ部材を挿通させる筒状の第三絶縁部材7と、を備える半導体パッケージの固定構造を提供する。【選択図】図1
Description
この発明は、半導体パッケージの固定構造に関する。
従来、通電により発熱する半導体パッケージには、例えば特許文献1のように、半導体を封止した樹脂の表面に、放熱用の金属部を露出させたものがある。この種の半導体パッケージは、その金属部を金属製のヒートシンクに対向させ、かつ、金属部を含む半導体パッケージの表面とヒートシンクとの間に絶縁部材(絶縁シート)を挟み込んだ状態で、ネジ止めによりヒートシンクに固定される。具体的には、導電性を有する雄ねじ部材(例えば金属製の雄ねじ部材)を、半導体パッケージ及び絶縁部材に挿通させた上で、ヒートシンクに形成された雌ねじに螺着させることで、半導体パッケージがヒートシンクに固定される。これにより、半導体パッケージの金属部とヒートシンクとを電気的に絶縁しながら、半導体パッケージにおいて生じた熱を半導体パッケージの金属部からヒートシンクに逃がすことができる。
ところで、上記した半導体パッケージの固定構造には、半導体パッケージ(特に金属部)とヒートシンクとの電位差が大きくなっても、半導体パッケージとヒートシンクとの電気的な絶縁を確保できるように、半導体パッケージとヒートシンクとの絶縁距離の延長が求められている。しかしながら、従来の半導体パッケージの固定構造では、導電性の雄ねじ部材がヒートシンクに螺着していることで雄ねじ部材とヒートシンクとが同電位となっている。このため、半導体パッケージとヒートシンクとの絶縁距離が、半導体パッケージの金属部から導電性の雄ねじ部材までの距離だけとなり、不十分である。
上記した絶縁距離の延長に関し、従来の半導体パッケージの固定構造には、ヒートシンクと押さえ金具との間に半導体パッケージを挟み込み、半導体パッケージから離れた位置において導電性の雄ねじ部材を押さえ金具に挿通させた上でヒートシンクの雌ねじに螺着させたものもある。この構成では、導電性の雄ねじ部材を半導体パッケージの金属部から十分に離すことができるため、半導体パッケージとヒートシンクとの絶縁距離を十分に延長できる。しかしながら、ヒートシンクにおける半導体パッケージの実装領域が大きくなってしまうため、好ましくない。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、ヒートシンクにおける半導体パッケージの実装領域を小さく抑えながら、半導体パッケージからヒートシンクに至る絶縁距離を延長できる半導体パッケージの固定構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ヒートシンクと、前記ヒートシンクの第一主面に順番に重ねて配される第一絶縁部材及び半導体パッケージと、前記第一主面と反対に向く前記ヒートシンクの第二主面に配される第二絶縁部材と、前記半導体パッケージ、前記第一絶縁部材、前記ヒートシンク及び前記第二絶縁部材に挿通される導電性の雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材に螺着されて前記雄ねじ部材と共に前記半導体パッケージ、前記第一絶縁部材、前記ヒートシンク及び前記第二絶縁部材をこれらの配列方向に挟み込む導電性の雌ねじ部材と、前記雄ねじ部材が通る前記ヒートシンクの挿通孔に収容されて前記挿通孔の内周を覆うと共に、前記雄ねじ部材を挿通させる筒状の第三絶縁部材と、を備える半導体パッケージの固定構造である。
本発明によれば、雄ねじ部材をヒートシンクに対して接触しないように挿通させることで、雄ねじ部材とヒートシンクとの電気的な絶縁を図ることができる。さらに、ヒートシンクの挿通孔の内周と雄ねじ部材の外周との間に筒状の第三絶縁部材が介在することで、雄ねじ部材とヒートシンクとの間の絶縁距離を延長することができる。これにより、半導体パッケージがヒートシンク側に露出する放熱用の金属部を有していても、半導体パッケージの金属部からヒートシンクに至る絶縁距離を延長できる。
また、本発明によれば、雄ねじ部材を半導体パッケージに挿通させるため、押さえ金具を用いる従来構成と比較して、ヒートシンクにおける半導体パッケージの実装領域を小さく抑えることができる。
また、本発明によれば、雄ねじ部材を半導体パッケージに挿通させるため、押さえ金具を用いる従来構成と比較して、ヒートシンクにおける半導体パッケージの実装領域を小さく抑えることができる。
〔第一実施形態〕
図1を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る半導体パッケージの固定構造は、ヒートシンク1と、半導体パッケージ2と、雄ねじ部材3と、雌ねじ部材4と、三つの絶縁部材5,6,7(第一絶縁部材5、第二絶縁部材6、第三絶縁部材7)と、を備える。
図1を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る半導体パッケージの固定構造は、ヒートシンク1と、半導体パッケージ2と、雄ねじ部材3と、雌ねじ部材4と、三つの絶縁部材5,6,7(第一絶縁部材5、第二絶縁部材6、第三絶縁部材7)と、を備える。
ヒートシンク1は、導電性を有しかつ熱伝導率が高い材料によって形成されている。本実施形態のヒートシンク1は、アルミニウム等の金属によって形成されている。ヒートシンク1には、これを貫通して雄ねじ部材3が通る挿通孔11が形成されている。
ヒートシンク1は、挿通孔11の軸方向において互いに逆に向く二つの主面1a,1b(第一主面1a、第二主面1b)を有する。ヒートシンク1の主面1a,1bは、例えば凹凸を有する面であってよいが、本実施形態では平坦面である。
ヒートシンク1は、挿通孔11の軸方向において互いに逆に向く二つの主面1a,1b(第一主面1a、第二主面1b)を有する。ヒートシンク1の主面1a,1bは、例えば凹凸を有する面であってよいが、本実施形態では平坦面である。
本実施形態において、ヒートシンク1の主面1a,1bと挿通孔11の内周との間には、傾斜面12が形成されている。傾斜面12は、挿通孔11の軸方向において挿通孔11の外側に向かうにしたがって挿通孔11の径方向において挿通孔11の外側に延びている。
傾斜面12は、例えば挿通孔11の周方向の一部に形成されてもよいが、本実施形態では挿通孔11の周方向全体に形成されている。これにより、軸方向における挿通孔11の端部は、軸方向において挿通孔11の外側に向かうにしたがって内径寸法が大きくなるように形成されている。傾斜面12は、例えば軸方向における挿通孔11の一方の端部のみに形成されてもよいが、本実施形態では、挿通孔11の両端部に形成されている。
傾斜面12は、例えば挿通孔11の周方向の一部に形成されてもよいが、本実施形態では挿通孔11の周方向全体に形成されている。これにより、軸方向における挿通孔11の端部は、軸方向において挿通孔11の外側に向かうにしたがって内径寸法が大きくなるように形成されている。傾斜面12は、例えば軸方向における挿通孔11の一方の端部のみに形成されてもよいが、本実施形態では、挿通孔11の両端部に形成されている。
ヒートシンク1の具体的形状は任意であってよい。本実施形態のヒートシンク1は、板状に形成されている。ヒートシンク1の挿通孔11は、ヒートシンク1の板厚方向(図1において左右方向)に貫通している。ヒートシンク1の二つの主面1a,1bは、いずれもヒートシンク1の板厚方向に向く面である。
半導体パッケージ2は、例えばパワートランジスタ等のように通電により発熱するものである。半導体パッケージ2は、主な熱源である半導体素子(不図示)を封止した樹脂21の表面に放熱用の金属部22を露出させて構成されている。樹脂21は、電気絶縁性を有する。
半導体パッケージ2には、樹脂21及び金属部22を貫通して雄ねじ部材3が通る挿通孔23(パッケージ挿通孔23)が形成されている。金属部22は、パッケージ挿通孔23の内周に露出しないように樹脂21によって覆われている。
半導体パッケージ2には、樹脂21及び金属部22を貫通して雄ねじ部材3が通る挿通孔23(パッケージ挿通孔23)が形成されている。金属部22は、パッケージ挿通孔23の内周に露出しないように樹脂21によって覆われている。
樹脂21及び金属部22からなる半導体パッケージ2の部位は、パッケージ本体20を構成している。樹脂21の表面から露出する金属部22の面と、金属部22が露出する樹脂21の表面とからなるパッケージ本体20の露出面20aは、例えば凹凸を有する面であってよいが、本実施形態では平坦面である。
本実施形態の半導体パッケージ2は、半導体素子に電気接続され、パッケージ本体20(樹脂21)から延びるリード24をさらに有する。本実施形態において、リード24の先端部は回路基板100に接続(図示例ではスルーホール接続)される。
本実施形態の半導体パッケージ2において、パッケージ本体20は板状に形成されている。パッケージ本体20の露出面20aは、パッケージ本体20の板厚方向に向く面である。パッケージ挿通孔23は、パッケージ本体20の板厚方向に貫通している。リード24は、露出面20aに直交する方向に向くパッケージ本体20(樹脂21)の側面20bから延びている。
本実施形態の半導体パッケージ2において、パッケージ本体20は板状に形成されている。パッケージ本体20の露出面20aは、パッケージ本体20の板厚方向に向く面である。パッケージ挿通孔23は、パッケージ本体20の板厚方向に貫通している。リード24は、露出面20aに直交する方向に向くパッケージ本体20(樹脂21)の側面20bから延びている。
第一絶縁部材5は、電気絶縁性を有し、ヒートシンク1の第一主面1aと半導体パッケージ2(第一半導体パッケージ2A)との間に挟み込まれる。すなわち、第一絶縁部材5及び第一半導体パッケージ2Aは、ヒートシンク1の第一主面1aに順番に重ねて配される。
第一半導体パッケージ2Aは、パッケージ本体20の露出面20a(金属部22)が第一絶縁部材5に対向するように配される。すなわち、第一絶縁部材5は、ヒートシンク1とパッケージ本体20の露出面20aとの間に挟み込まれる。第一絶縁部材5は、露出面20aのうち少なくとも金属部22の面を覆えばよい。本実施形態の第一絶縁部材5では、露出面20a全体を覆う。
また、本実施形態では、第一半導体パッケージ2Aのリード24が、ヒートシンク1の第一主面1aに対して間隔をあけて位置している。このため、第一絶縁部材5は、ヒートシンク1の第一主面1aのうちリード24に対向する領域も覆っている。
第一半導体パッケージ2Aは、パッケージ本体20の露出面20a(金属部22)が第一絶縁部材5に対向するように配される。すなわち、第一絶縁部材5は、ヒートシンク1とパッケージ本体20の露出面20aとの間に挟み込まれる。第一絶縁部材5は、露出面20aのうち少なくとも金属部22の面を覆えばよい。本実施形態の第一絶縁部材5では、露出面20a全体を覆う。
また、本実施形態では、第一半導体パッケージ2Aのリード24が、ヒートシンク1の第一主面1aに対して間隔をあけて位置している。このため、第一絶縁部材5は、ヒートシンク1の第一主面1aのうちリード24に対向する領域も覆っている。
第一絶縁部材5は、第一半導体パッケージ2Aの熱を効率よくヒートシンク1に伝達できるように形成されているとよい。本実施形態において、第一絶縁部材5は絶縁シートである。第一絶縁部材5は例えば可撓性を有してよい。
第一絶縁部材5には、雄ねじ部材3が通る貫通孔51が形成されている。第一絶縁部材5の貫通孔51の縁部52は、例えばヒートシンク1の挿通孔11の径方向において挿通孔11の内周よりも外側、かつ、前述の傾斜面12よりも内側又は外側に位置してもよい。本実施形態において貫通孔51の縁部52は、挿通孔11の径方向において挿通孔11の内周よりも内側に位置している。貫通孔51の縁部52は、図示例のように径方向において第一半導体パッケージ2Aのパッケージ挿通孔23の内側に位置してもよいが、例えばパッケージ挿通孔23の外側に位置してもよい。
第二絶縁部材6は、電気絶縁性を有し、ヒートシンク1の第二主面1bに配される。本実施形態において、第二絶縁部材6は、第一絶縁部材5と同様に、ヒートシンク1の第二主面1bと半導体パッケージ2(第二半導体パッケージ2B)との間に挟み込まれる。すなわち、第二絶縁部材6及び第二半導体パッケージ2Bは、ヒートシンク1の第二主面1bに順番に重ねて配される。ヒートシンク1及び第二絶縁部材6に対する第二半導体パッケージ2Bの配置は、ヒートシンク1及び第一絶縁部材5に対する第一半導体パッケージ2Aの配置と同様である。
本実施形態の第二絶縁部材6は、第一絶縁部材5と同様に構成されている。すなわち、第二絶縁部材6は絶縁シートである。また、第二絶縁部材6には、雄ねじ部材3が通る貫通孔61が形成されている。また、ヒートシンク1の挿通孔11や半導体パッケージ2のパッケージ挿通孔23に対する第二絶縁部材6の貫通孔61の縁部62の位置も、第一絶縁部材5の場合と同様である。
本実施形態の第二絶縁部材6は、第一絶縁部材5と同様に構成されている。すなわち、第二絶縁部材6は絶縁シートである。また、第二絶縁部材6には、雄ねじ部材3が通る貫通孔61が形成されている。また、ヒートシンク1の挿通孔11や半導体パッケージ2のパッケージ挿通孔23に対する第二絶縁部材6の貫通孔61の縁部62の位置も、第一絶縁部材5の場合と同様である。
雄ねじ部材3は、導電性を有し、第一半導体パッケージ2A、第一絶縁部材5、ヒートシンク1、第二絶縁部材6及び第二半導体パッケージ2Bに挿通される。本実施形態の雄ねじ部材3は金属製である。
雄ねじ部材3は、例えば雄ねじが形成された軸部(ねじ棒)と、軸部に螺着されるナットとによって構成されてもよい。本実施形態の雄ねじ部材3は、雄ねじが形成された軸部31と、軸部31の一端に一体に形成された頭部32とによって構成されている。
雄ねじ部材3は、例えば雄ねじが形成された軸部(ねじ棒)と、軸部に螺着されるナットとによって構成されてもよい。本実施形態の雄ねじ部材3は、雄ねじが形成された軸部31と、軸部31の一端に一体に形成された頭部32とによって構成されている。
雄ねじ部材3の軸部31は、例えばヒートシンク1の第二主面1b側からヒートシンク1の挿通孔11に通されてもよいが、本実施形態ではヒートシンク1の第一主面1a側から挿通孔11に通されている。この状態においては、例えば雄ねじ部材3の頭部32が第一半導体パッケージ2Aの樹脂21の表面(露出面20aと反対に向くパッケージ本体20の面)に直接当たってもよい。図示例では、雄ねじ部材3の頭部32と第一半導体パッケージ2Aの樹脂21の表面との間にワッシャ33やばねワッシャ34が介在している。
雌ねじ部材4は、導電性を有する。本実施形態の雌ねじ部材4は金属製のナットである。雌ねじ部材4は、上記した雄ねじ部材3に螺着されて、雄ねじ部材3(頭部32)と共に第一半導体パッケージ2A、第一絶縁部材5、ヒートシンク1、第二絶縁部材6及び第二半導体パッケージ2Bをこれらの配列方向に挟み込む。
本実施形態において、雌ねじ部材4は、第二半導体パッケージ2Bから突出する雄ねじ部材3の軸部31に螺着される。この状態においては、例えば雌ねじ部材4が第二半導体パッケージ2Bの樹脂21の表面(露出面20aと反対に向くパッケージ本体20の面)に直接当たってもよい。図示例では、雌ねじ部材4と第二半導体パッケージ2Bの樹脂21の表面との間にワッシャ43が介在している。
本実施形態において、雌ねじ部材4は、第二半導体パッケージ2Bから突出する雄ねじ部材3の軸部31に螺着される。この状態においては、例えば雌ねじ部材4が第二半導体パッケージ2Bの樹脂21の表面(露出面20aと反対に向くパッケージ本体20の面)に直接当たってもよい。図示例では、雌ねじ部材4と第二半導体パッケージ2Bの樹脂21の表面との間にワッシャ43が介在している。
第三絶縁部材7は、電気絶縁性を有し、筒状に形成されている。第三絶縁部材7は、ヒートシンク1の挿通孔11の内周を覆うように挿通孔11に収容される。すなわち、第三絶縁部材7は、挿通孔11の一部空間を埋める絶縁ブッシュである。第三絶縁部材7には、前述した雄ねじ部材3(軸部31)が挿通される。
本実施形態では、軸方向における第三絶縁部材7の両端部が、径方向において前述した傾斜面12の内側に位置している。すなわち、本実施形態の第三絶縁部材7は、傾斜面12も覆っている。本実施形態では、軸方向における第三絶縁部材7の寸法(軸方向寸法)が、ヒートシンク1の厚み寸法と同等、または、ヒートシンク1の厚み寸法に対して微小に小さくに設定されている。
第三絶縁部材7は、例えばヒートシンク1の挿通孔11に嵌まっていてもよい。すなわち、第三絶縁部材7の外周が挿通孔11の内周に接触してもよい。この状態において、第三絶縁部材7は、例えばヒートシンク1に固定されてもよい。本実施形態において、第三絶縁部材7は、挿通孔11の内周に対して間隔をあけて配されている。すなわち、第三絶縁部材7の外径寸法が、挿通孔11の内径寸法よりも小さく設定されている。
第三絶縁部材7は、任意の材料によって形成されてよい。本実施形態の第三絶縁部材7は、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)などの硬質樹脂によって形成されている。
前述した第一絶縁部材5の貫通孔51の縁部52は、例えば径方向において上記した第三絶縁部材7の外周よりも外側に位置してもよい。本実施形態において、第一絶縁部材5の貫通孔51の縁部52は、径方向において第三絶縁部材7の外周よりも内側に位置し、第三絶縁部材7に対して挿通孔11の軸方向に重ねて配されている。第一絶縁部材5の貫通孔51の縁部52は、例えば径方向において第三絶縁部材7の内周よりも内側に位置してもよいが、これに限ることは無い。
第三絶縁部材7に対する第二絶縁部材6の貫通孔61の縁部62の位置は、上記した第一絶縁部材5の場合と同様である。
第三絶縁部材7に対する第二絶縁部材6の貫通孔61の縁部62の位置は、上記した第一絶縁部材5の場合と同様である。
本実施形態の半導体パッケージの固定構造では、ヒートシンク1が回路基板100上に配されている。このため、半導体パッケージ2の熱は、例えばヒートシンク1を介して回路基板100に逃がしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、雄ねじ部材3は、従来のようにヒートシンク1に螺着されずに、ヒートシンク1の挿通孔11に挿通されている。このため、雄ねじ部材3をヒートシンク1に対して接触しないように挿通させることで、雄ねじ部材3とヒートシンク1との電気的な絶縁を図ることができる。さらに、ヒートシンク1の挿通孔11の内周と雄ねじ部材3(特に軸部31)の外周との間に筒状の第三絶縁部材7が介在することで、ヒートシンク1と雄ねじ部材3との間の絶縁距離を延長することができる。以上のことから、半導体パッケージ2の金属部22からヒートシンク1に至る絶縁距離を延長することができる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、雄ねじ部材3を半導体パッケージ2に挿通させる。このため、押さえ金具を用いる従来構成と比較して、ヒートシンク1における半導体パッケージ2の実装領域を小さく抑えることができる。また、押さえ金具が不要であることから、半導体パッケージの固定構造を構成する部品点数を削減し、半導体パッケージの固定構造を含む製品のコストダウンを図ることもできる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、雄ねじ部材3及び雌ねじ部材4が金属製である。金属製の雄ねじ部材3、雌ねじ部材4は、電気絶縁性を有する合成樹脂製の雄ねじ部材3、雌ねじ部材4と比較して強度(例えば振動等の外力に対する強度、熱変化に対する強度)が高いため、安定して半導体パッケージ2をヒートシンク1に固定することができる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、ヒートシンク1の主面1a,1bと挿通孔11の内周との間に傾斜面12が形成されている。このため、傾斜面12が形成されていない場合と比較して、ヒートシンク1の主面1a,1bと挿通孔11の内周との境界部分から雄ねじ部材3に至る絶縁距離(挿通孔11の径方向における距離)を延長することができる。したがって、半導体パッケージ2からヒートシンク1に至る絶縁距離をさらに延長できる。本実施形態では、ヒートシンク1の主面1a,1bと挿通孔11の内周との境界部分の近くに、第一絶縁部材5や第二絶縁部材6と第三絶縁部材7との境界が位置するため、上記傾斜面12を形成することは特に有効である。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、第一絶縁部材5や第二絶縁部材6の貫通孔51,61の縁部52,62がヒートシンク1の挿通孔11の内周よりも内側に位置している。このため、第一絶縁部材5や第二絶縁部材6の表面に沿ってヒートシンク1から半導体パッケージ2(特に金属部22)に至る沿面距離の延長を図ることができる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、挿通孔11の軸方向において第一絶縁部材5や第二絶縁部材6の貫通孔51,61の縁部52,62が第三絶縁部材7と重なる。このため、雄ねじ部材3及び雌ねじ部材4の締め付け力によって第一絶縁部材5や第二絶縁部材6と第三絶縁部材7との隙間を小さく又は無くすことができる。これにより、ヒートシンク1から半導体パッケージ2に至る絶縁距離をさらに延長できる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、挿通孔11の軸方向において第一絶縁部材5や第二絶縁部材6の貫通孔51,61の縁部52,62が第三絶縁部材7と重なる。このため、雄ねじ部材3及び雌ねじ部材4の締め付け力によって第一絶縁部材5や第二絶縁部材6と第三絶縁部材7との隙間を小さく又は無くすことができる。これにより、ヒートシンク1から半導体パッケージ2に至る絶縁距離をさらに延長できる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、雄ねじ部材3及び雌ねじ部材4が、順に配列された第一半導体パッケージ2A、第一絶縁部材5、ヒートシンク1、第二絶縁部材6及び第二半導体パッケージ2Bを挟み込んでいる。このため、一つの雄ねじ部材3及び雌ねじ部材4により、二つの半導体パッケージ2,2をヒートシンク1の両主面1a,1bに固定することができる。すなわち、雄ねじ部材3をヒートシンク1に螺着させることで半導体パッケージ2をヒートシンク1に固定する従来構成と比較して、少ないねじ止め回数でより多くの半導体パッケージ2をヒートシンク1に固定できる。その結果、半導体パッケージの固定構造を含む製品の生産性向上を図ることができる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造において、第三絶縁部材7がヒートシンク1の挿通孔11に嵌まる場合には、第三絶縁部材7の外周と挿通孔11の内周との隙間を小さくする又は無くすことができるため、雄ねじ部材3とヒートシンク1との電気的な絶縁をさらに図ることができる。また、第三絶縁部材7がヒートシンク1の挿通孔11に嵌まって固定される場合には、第三絶縁部材7がヒートシンク1の挿通孔11に対して挿通孔11の軸方向やこれに直交する方向に位置ずれすることも防止できる。
〔第二実施形態〕
次に、図2を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付す等してその説明を省略する。
次に、図2を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付す等してその説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態の半導体パッケージの固定構造は、第一実施形態と同様に、ヒートシンク1と、半導体パッケージ2と、雄ねじ部材3と、雌ねじ部材4と、三つの絶縁部材5,6C,7C(第一絶縁部材5、第二絶縁部材6C、第三絶縁部材7C)と、を備える。ただし、本実施形態の半導体パッケージの固定構造では、半導体パッケージ2(第一半導体パッケージ2A)がヒートシンク1の第一主面1a側のみに配され、第二主面1b側には配されない。
また、本実施形態では、ヒートシンク1の第二主面1b側に配される第二絶縁部材6Cと、ヒートシンク1の挿通孔11に収容される筒状の第三絶縁部材7Cとが、一体に形成されている。すなわち、第二絶縁部材6C及び第三絶縁部材7Cは、筒状部91Cと、筒状部91Cの軸方向の第一端部において筒状部91Cの径方向に張り出すフランジ部92Cと、を含む絶縁ブッシュを構成している。
第二絶縁部材6C(フランジ部92C)は、例えば第一実施形態の場合と同様のシート状に形成されてもよいが、本実施形態では、第一絶縁部材5よりも大きな厚みを有する環状に形成されている。
第二絶縁部材6C(フランジ部92C)は、例えば第一実施形態の場合と同様のシート状に形成されてもよいが、本実施形態では、第一絶縁部材5よりも大きな厚みを有する環状に形成されている。
また、第二絶縁部材6Cは、本実施形態では第二主面1bのうち雌ねじ部材4と重なる領域を覆う程度の大きさに形成されている。すなわち、第二絶縁部材6Cの外径寸法は、雌ねじ部材4の外径寸法や、雌ねじ部材4と第二絶縁部材6Cとの間に配されるワッシャの外径寸法よりも若干大きい。
以上のように第二絶縁部材6Cが形成されることで、雌ねじ部材4とヒートシンク1との絶縁距離を十分に確保することができる。
以上のように第二絶縁部材6Cが形成されることで、雌ねじ部材4とヒートシンク1との絶縁距離を十分に確保することができる。
本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、第二絶縁部材6Cと第三絶縁部材7Cとが一体に形成されているため、第二絶縁部材6Cと第三絶縁部材7Cとの隙間を無くすことができる。これにより、ヒートシンク1から雄ねじ部材3(特に軸部31)に至る絶縁距離をさらに延長できる。また、第三絶縁部材7Cをヒートシンク1の挿通孔11に挿入するだけで第二絶縁部材6Cをヒートシンク1の第二主面1bに配することができるため、半導体パッケージの固定構造を組み立てる工数を減らすことが可能となる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、第二絶縁部材6Cと第三絶縁部材7Cとが一体に形成されているため、第二絶縁部材6Cと第三絶縁部材7Cとの隙間を無くすことができる。これにより、ヒートシンク1から雄ねじ部材3(特に軸部31)に至る絶縁距離をさらに延長できる。また、第三絶縁部材7Cをヒートシンク1の挿通孔11に挿入するだけで第二絶縁部材6Cをヒートシンク1の第二主面1bに配することができるため、半導体パッケージの固定構造を組み立てる工数を減らすことが可能となる。
上記第二実施形態においては、例えば雄ねじ部材3の頭部32が第二絶縁部材6C上に重ねて配され、雌ねじ部材4がヒートシンク1の第一主面1a側に配された第一半導体パッケージ2A上に重ねて配されてもよい。
上記第二実施形態においては、例えば第一実施形態と同様に、ヒートシンク1の第二主面1b側に第二絶縁部材6Cと第二半導体パッケージ2Bとが順番に重ねて配されてもよい。この場合には、第二絶縁部材6Cが、第一実施形態の場合と同様に、ヒートシンク1と第二半導体パッケージ2Bの金属部22やリード24との間に介在するように、シート状に形成されてよい。
〔第三実施形態〕
次に、図3を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付す等してその説明を省略する。
次に、図3を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付す等してその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の半導体パッケージの固定構造は、第一実施形態と同様に、ヒートシンク1と、半導体パッケージ2と、雄ねじ部材3と、雌ねじ部材4と、三つの絶縁部材5,6D,7D(第一絶縁部材5、第二絶縁部材6D、第三絶縁部材7D)と、を備える。ただし、本実施形態の半導体パッケージの固定構造では、半導体パッケージ2(第一半導体パッケージ2A)がヒートシンク1の第一主面1a側のみに配され、第二主面1b側には配されない。
また、本実施形態では、ヒートシンク1の第二主面1bに配される第二絶縁部材6Dが、被挟み込み部63Dと、囲繞部64Dと、を備える。
被挟み込み部63Dは、ヒートシンク1の第二主面1bと雌ねじ部材4との間に挟み込まれる。被挟み込み部63Dには雄ねじ部材3が通る貫通孔61Dが形成されている。被挟み込み部63Dの形状や大きさは任意であってよい。本実施形態の被挟み込み部63Dは、第一絶縁部材5よりも大きな厚みを有する環状に形成されている。
被挟み込み部63Dは、ヒートシンク1の第二主面1bと雌ねじ部材4との間に挟み込まれる。被挟み込み部63Dには雄ねじ部材3が通る貫通孔61Dが形成されている。被挟み込み部63Dの形状や大きさは任意であってよい。本実施形態の被挟み込み部63Dは、第一絶縁部材5よりも大きな厚みを有する環状に形成されている。
囲繞部64Dは、被挟み込み部63Dから雄ねじ部材3の挿通方向に延びて、雌ねじ部材4を囲む。囲繞部64Dの形状や大きさは任意であってよい。本実施形態の囲繞部64Dは、環状に形成された被挟み込み部63Dの周縁においてヒートシンク1の第二主面1bから離れる方向に延びている。
すなわち、本実施形態の第二絶縁部材6Dは、雌ねじ部材4を収容する有底筒状に形成され、被挟み込み部63Dである第二絶縁部材6Dの底部に雄ねじ部材3が通る貫通孔61Dが形成されている。
すなわち、本実施形態の第二絶縁部材6Dは、雌ねじ部材4を収容する有底筒状に形成され、被挟み込み部63Dである第二絶縁部材6Dの底部に雄ねじ部材3が通る貫通孔61Dが形成されている。
第二絶縁部材6Dは、例えば第一実施形態と同様に第三絶縁部材7Dと別個に形成されてよいが、本実施形態では第二実施形態と同様に第三絶縁部材7Dと一体に形成されている。
本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、雌ねじ部材4が、第二絶縁部材6Dの囲繞部64Dの内側に配されることで、ヒートシンク1(特に第二主面1b)と雌ねじ部材4との絶縁距離を延長することができる。これにより、ヒートシンク1と雄ねじ部材3との間の絶縁距離を延長することができる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、雌ねじ部材4が、第二絶縁部材6Dの囲繞部64Dの内側に配されることで、ヒートシンク1(特に第二主面1b)と雌ねじ部材4との絶縁距離を延長することができる。これにより、ヒートシンク1と雄ねじ部材3との間の絶縁距離を延長することができる。
上記第三実施形態においては、例えば雄ねじ部材3の頭部32が第二絶縁部材6Dの囲繞部64Dの内側に配され、雌ねじ部材4がヒートシンク1の第一主面1a側に配された第一半導体パッケージ2A上に重ねて配されてもよい。この場合には、ヒートシンク1と雄ねじ部材3の頭部32との絶縁距離を延長することができる。
上記第三実施形態においては、例えば第一実施形態と同様に、ヒートシンク1の第二主面1b側に第二絶縁部材6Dと第二半導体パッケージ2Bとが順番に重ねて配されてもよい。この場合には、第二絶縁部材6Dの被挟み込み部63Dが、第一実施形態の第二絶縁部材6と同様に、ヒートシンク1と第二半導体パッケージ2Bの金属部22やリード24との間に介在するように、シート状に形成されてよい。また、第二絶縁部材6Dの囲繞部64Dが、雌ねじ部材4(又は雄ねじ部材3の頭部32)と共に第二半導体パッケージ2B(特にパッケージ本体20)を囲むように形成されてよい。
〔第四実施形態〕
次に、図4を参照して本発明の第四実施形態について説明する。
以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付す等してその説明を省略する。
次に、図4を参照して本発明の第四実施形態について説明する。
以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付す等してその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の半導体パッケージの固定構造は、第一実施形態と同様に、ヒートシンク1と、半導体パッケージ2と、雄ねじ部材3と、雌ねじ部材4Eと、三つの絶縁部材5,6,7(第一絶縁部材5、第二絶縁部材6、第三絶縁部材7)と、を備える。
ただし、本実施形態の半導体パッケージの固定構造では、同一の雌ねじ部材4Eに、雄ねじ部材3を螺着させる複数の雌ねじ孔44Eが形成されている。
ただし、本実施形態の半導体パッケージの固定構造では、同一の雌ねじ部材4Eに、雄ねじ部材3を螺着させる複数の雌ねじ孔44Eが形成されている。
雌ねじ部材4Eの形状は任意であってよい。ヒートシンク1の主面1b(第二主面1b)に対向する雌ねじ部材4Eの面は、例えば凹凸を有する面であってよいが、本実施形態では平坦面である。また、本実施形態の雌ねじ部材4Eは、平板状に形成されている。複数の雌ねじ孔44Eは、雌ねじ部材4Eの板厚方向に貫通している。
本実施形態のヒートシンク1には、複数の挿通孔11が形成されている。複数の挿通孔11は雌ねじ部材4Eの複数の雌ねじ孔44Eに各々対応する位置に形成されている。複数の挿通孔11には、第三絶縁部材7が一つずつ収容されている。図示例のヒートシンク1には、傾斜面12(図1参照)が形成されていないが、例えば形成されてよい。
ヒートシンク1の第一主面1aに配される第一絶縁部材5には、複数の貫通孔51が形成されている。複数の貫通孔51は、ヒートシンク1の複数の挿通孔11に各々対応する位置に形成されている。
ヒートシンク1の第一主面1a側には、複数の第一半導体パッケージ2Aが第一絶縁部材5に重ねて配されている。複数の第一半導体パッケージ2Aは、ヒートシンク1の複数の挿通孔11に各々対応する位置に配される。図4においては、第一半導体パッケージ2Aの金属部22(図1等参照)の図示を省略している。
ヒートシンク1の第一主面1a側には、複数の第一半導体パッケージ2Aが第一絶縁部材5に重ねて配されている。複数の第一半導体パッケージ2Aは、ヒートシンク1の複数の挿通孔11に各々対応する位置に配される。図4においては、第一半導体パッケージ2Aの金属部22(図1等参照)の図示を省略している。
ヒートシンク1の第二主面1bに配される第二絶縁部材6には、第一絶縁部材5と同様に、ヒートシンク1の複数の挿通孔11に各々対応する複数の貫通孔61が形成されている。
ヒートシンク1の第二主面1b側には、例えば第二、第三実施形態と同様に半導体パッケージ2が配されなくてもよい。この場合、ヒートシンク1の第二主面1bには、第二絶縁部材6と雌ねじ部材4Eとが重ねて配される。本実施形態では、第一実施形態と同様に、ヒートシンク1の第二主面1b側において複数の第二半導体パッケージ2Bが第二絶縁部材6に重ねて配されている。複数の第二半導体パッケージ2Bは、ヒートシンク1の複数の挿通孔11に各々対応する位置に配される。図4では、第二半導体パッケージ2Bの金属部22(図1等参照)の図示を省略している。
ヒートシンク1の第二主面1b側には、例えば第二、第三実施形態と同様に半導体パッケージ2が配されなくてもよい。この場合、ヒートシンク1の第二主面1bには、第二絶縁部材6と雌ねじ部材4Eとが重ねて配される。本実施形態では、第一実施形態と同様に、ヒートシンク1の第二主面1b側において複数の第二半導体パッケージ2Bが第二絶縁部材6に重ねて配されている。複数の第二半導体パッケージ2Bは、ヒートシンク1の複数の挿通孔11に各々対応する位置に配される。図4では、第二半導体パッケージ2Bの金属部22(図1等参照)の図示を省略している。
ヒートシンク1の複数の挿通孔11に各々収容される複数の第三絶縁部材7は、例えば第二、第三実施形態と同様に第二絶縁部材6と一体に形成されてよいが、本実施形態では第一実施形態と同様に第二絶縁部材6と別個に形成されている。
本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、第一、第二実施形態と同様の効果を奏し得る。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、同一の雌ねじ部材4Eに、雄ねじ部材3を螺着させる複数の雌ねじ孔44Eが形成されている。このため、一つの雌ねじ部材4Eを用いて複数の半導体パッケージ2をヒートシンク1に固定することができる。
また、本実施形態の半導体パッケージの固定構造によれば、同一の雌ねじ部材4Eに、雄ねじ部材3を螺着させる複数の雌ねじ孔44Eが形成されている。このため、一つの雌ねじ部材4Eを用いて複数の半導体パッケージ2をヒートシンク1に固定することができる。
また、雄ねじ部材3を雌ねじ部材4Eの雌ねじ孔44Eに螺着させる際には、雌ねじ部材4Eが第二半導体パッケージ2Bや第二絶縁部材6に対して回転することを防ぐことができる。このため、雌ねじ部材4Eと第二半導体パッケージ2Bや第二絶縁部材6とが互いに擦れることがない。これにより、雌ねじ部材4Eと第二半導体パッケージ2Bや第二絶縁部材6との間に、第二半導体パッケージ2Bや第二絶縁部材6を上記の擦れから保護するワッシャ(例えば図1−3に記載のワッシャ43)を配する必要が無くなる。すなわち、半導体パッケージの固定構造を構成する部品点数を削減し、半導体パッケージの固定構造を含む製品のコストダウンを図ることができる。
上記第四実施形態においては、例えば複数の雄ねじ部材3の頭部32が第二絶縁部材6上又は複数の第二半導体パッケージ2B上に重ねて配され、雌ねじ部材4Eがヒートシンク1の第一主面1a側に配された複数の第一半導体パッケージ2A上に重ねて配されてもよい。
上記第四実施形態の構成には、例えば第三実施形態の構成が適用されてもよい。例えば、第三実施形態の第二絶縁部材6Dの囲繞部64Dが、本実施形態の雌ねじ部材4E及び複数の第二半導体パッケージ2B(特にパッケージ本体20)を囲むように形成されてもよい。
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
1 ヒートシンク
1a 第一主面
1b 第二主面
11 挿通孔
12 傾斜面
2 半導体パッケージ
2A 第一半導体パッケージ
2B 第二半導体パッケージ
3 雄ねじ部材
31 軸部
32 頭部
4,4E 雌ねじ部材
44E 雌ねじ孔
5 第一絶縁部材
51 貫通孔
52 貫通孔52の縁部
6,6C,6D 第二絶縁部材
61,61D 貫通孔
62 貫通孔61の縁部
63D 被挟み込み部
64D 囲繞部
7,7C,7D 第三絶縁部材
1a 第一主面
1b 第二主面
11 挿通孔
12 傾斜面
2 半導体パッケージ
2A 第一半導体パッケージ
2B 第二半導体パッケージ
3 雄ねじ部材
31 軸部
32 頭部
4,4E 雌ねじ部材
44E 雌ねじ孔
5 第一絶縁部材
51 貫通孔
52 貫通孔52の縁部
6,6C,6D 第二絶縁部材
61,61D 貫通孔
62 貫通孔61の縁部
63D 被挟み込み部
64D 囲繞部
7,7C,7D 第三絶縁部材
Claims (7)
- ヒートシンクと、
前記ヒートシンクの第一主面に順番に重ねて配される第一絶縁部材及び半導体パッケージと、
前記第一主面と反対に向く前記ヒートシンクの第二主面に配される第二絶縁部材と、
前記半導体パッケージ、前記第一絶縁部材、前記ヒートシンク及び前記第二絶縁部材に挿通される導電性の雄ねじ部材と、
前記雄ねじ部材に螺着されて前記雄ねじ部材と共に前記半導体パッケージ、前記第一絶縁部材、前記ヒートシンク及び前記第二絶縁部材をこれらの配列方向に挟み込む導電性の雌ねじ部材と、
前記雄ねじ部材が通る前記ヒートシンクの挿通孔に収容されて前記挿通孔の内周を覆うと共に、前記雄ねじ部材を挿通させる筒状の第三絶縁部材と、を備える半導体パッケージの固定構造。 - 前記ヒートシンクの主面と前記挿通孔の内周との間に、前記挿通孔の軸方向において前記挿通孔の外側に向かうにしたがって前記挿通孔の径方向において前記挿通孔の外側に延びる傾斜面が形成されている請求項1に記載の半導体パッケージの固定構造。
- 前記雄ねじ部材が通る前記第一絶縁部材の貫通孔の縁部が、前記挿通孔の径方向において前記挿通孔の内周よりも内側に位置し、かつ、前記挿通孔に挿入された前記第三絶縁部材に対して前記挿通孔の軸方向に重ねて配されている請求項1又は請求項2に記載の半導体パッケージの固定構造。
- 前記第二絶縁部材と前記第三絶縁部材とが一体に形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体パッケージの固定構造。
- 前記第二絶縁部材が、
前記ヒートシンクの第二主面と、前記雄ねじ部材の頭部及び前記雌ねじ部材のいずれか一方との間に挟み込まれる被挟み込み部と、
前記被挟み込み部から前記雄ねじ部材の挿通方向に延びて、前記雄ねじ部材の頭部及び前記雌ねじ部材のいずれか一方を囲む囲繞部と、を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体パッケージの固定構造。 - 前記雌ねじ部材に、前記雄ねじ部材を螺着させる複数の雌ねじ孔が形成されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体パッケージの固定構造。
- 前記半導体パッケージが、前記ヒートシンクとの間に前記第二絶縁部材を挟み込む位置にも配され、
前記雄ねじ部材及び前記雌ねじ部材は、前記配列方向に順に配列された前記半導体パッケージ、前記第一絶縁部材、前記ヒートシンク、前記第二絶縁部材及び前記半導体パッケージを挟み込む請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体パッケージの固定構造。
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