JP2019031845A - コンクリート剥落防止工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上向き施工の施工性に優れ、アンカーピンの内部に空隙が発生することを最大限に抑制しつつ樹脂を充填できる。【解決手段】コンクリート100に穿孔101を形成する工程と、コンクリート100の表面を覆うように面状の剥落防止材7を配置し、剥落防止材7を鍔部17で外側から押さえるようにしてアンカーピン1を剥落防止材7に挿通して穿孔101に挿入する工程と、拡開体16を打ち込んで拡開部14を拡開させ、アンカーピン1をコンクリート100に機械定着すると共に、剥落防止材7をコンクリート100の表面に取り付ける工程と、ミキシングノズル5の先端側に連結された可撓性の注入ノズル3をアンカーピン1の中空部12の奥まで挿入し、二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂を注入ノズル3の先端からアンカーピン1の中空部12に充填する工程を備えるコンクリート剥落防止工法。【選択図】図6

Description

本発明は、トンネル内面等のコンクリート構造物から剥がれたコンクリート片が落下することを防止するコンクリート剥落防止工法に関する。
従来、コンクリート表面を剥落防止ネットで覆い、剥落防止ネットに樹脂注入式のアンカーピンを挿通して、アンカーピンをコンクリートに固定することで剥落防止ネットをコンクリート表面に取り付けると共に、アンカーピンが固定された孔内やアンカーピンの内部に樹脂を充填して硬化させ、アンカーピンや剥落防止ネットの固定強度を高めたコンクリートの剥落防止構造が知られている(特許文献1参照)。
この剥落防止構造は、剥がれたコンクリート片の落下を防止できる高い有用性を有するものの、トンネルの天井部等に上向きに施工して剥落防止ネットを取り付ける場合には、注入した樹脂が流れ落ちてきてしまい、アンカーピンの内部に樹脂が充填されていない空隙が残り、そこから漏水が空隙を伝って漏出してしまう可能性がある。
このような樹脂の未充填による漏水の問題にある程度対処できるものとして、特許文献2の樹脂注入方式がある。この樹脂注入方式では、剥落防止ネットを取り付けている打ち込まれたアンカーピンの鍔部と樹脂注入器との間にパッキンを挟んで密閉し、アンカーピンの内径より細い樹脂注入器の筒状のノズルをアンカーピンの内部に挿入し、樹脂の注入圧を逃がさずに樹脂をアンカーピンの内部に注入している。
特開2017−82478号公報 特許第5878443号公報
しかしながら、特許文献2の樹脂注入方式で施工する際には、パッキンを介して樹脂注入器をアンカーピンの鍔部に直角に押圧して密閉状態を確保しながら樹脂を注入するものであることから、上向き施工における施工性に劣り、特に足場の上で上向き施工を行う必要がある場合には非常に困難な施工となる。そのため、上向き施工の施工性に優れ、アンカーピンの内部に空隙が発生することを最大限抑制しつつ樹脂を充填することができる工法が求められている。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、上向き施工の施工性に優れ、アンカーピンの内部に空隙が発生することを最大限に抑制しつつ樹脂を充填することができるコンクリート剥落防止工法を提供することを目的とする。
本発明のコンクリート剥落防止工法は、コンクリートに穿孔を形成する第1工程と、前記コンクリートの表面を覆うように面状の剥落防止材を配置し、前記剥落防止材を鍔部で外側から押さえるようにしてアンカーピンを前記剥落防止材に挿通して前記穿孔に挿入する第2工程と、前記アンカーピンに内装されている拡開体を打ち込んで前記アンカーピンの拡開部を拡開させ、前記アンカーピンを前記コンクリートに機械定着すると共に、前記剥落防止材を前記コンクリートの表面に取り付ける第3工程と、ミキシングノズルの先端側に連結された可撓性の注入ノズルを前記アンカーピンの中空部の奥まで挿入し、二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂を前記ミキシングノゾル及び前記注入ノズルを介して前記注入ノズルの先端から前記アンカーピンの前記中空部に充填する第4工程を備えることを特徴とする。
これによれば、二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂をミキシングノゾルに流入させて十分にチキソ性を発現させ、その状態で注入ノズルから注入すると、注入ノズルからの吐出後に半流動体樹脂の粘性が戻る。従って、上向き施工においても、十分な粘性を有するダレない樹脂をアンカーピンの中空部に密実に充填することが可能となり、これによりアンカーピンの内部に空隙が発生することを最大限抑制する或いは無くすことができ、漏水があった場合にも、アンカーピンの内部から水が外に漏出することを防止できる。また、アンカーピンの内部や、アンカーピンが打ち込まれる孔内に、樹脂を密実に充填することが可能となるから、拡開部の拡開でコンクリートに機械定着されるアンカーピンの定着力をより高めることができると共に、アンカーピンの防錆性を高めることができる。また、チキソ性の半流動体樹脂は注入ノズルからの吐出後に粘性が戻ることから、特許文献2のようにアンカーピンの口元部分におけるアンカーピンの鍔部と樹脂注入器との間にパッキン等のシール材を設ける必要をなくすことができる。また、アンカーピンの口元部分におけるアンカーピンの鍔部と樹脂注入器との間にパッキン等のシール材を設ける必要をなくせることから、このシール材の施工厚への配慮が不要で、厚い剥落防止材の取り付けでも樹脂を孔奥まで確実に充填することが可能となる。また、可撓性の注入ノズルはアンカーピンの中空部に多様な位置や態様で挿入することが可能で、特許文献2のように樹脂注入器をアンカーピンに対して直角に押し付ける必要がないことから、上向き施工における施工性を高めることができ、特に足場の上で上向き施工を行う必要がある場合の施工性、作業性を非常に高めることができる。また、アンカーピンを打設するだけで、剥落防止材の一次的な取付を行うことができることから、ナットの締め付け作業が不要となり、ナット取付の手間、ナットのトルク管理、施工後の定期的なナット点検作業を省略することができる。また、使用する主剤と硬化剤の混合で硬化する二液混合タイプの樹脂は、施工温度の影響を受けにくく、取り扱いが容易であり、粘性、可使時間、硬化時間を作業の特性に合わせて容易に調整することができる。また、樹脂の吐出口は可撓性を有する注入ノズル先端であることから、大型のミキシングノズルを用いても樹脂のハンドリングが悪化することはなく、確実に注入する樹脂の性能管理を行うことができる。
本発明のコンクリート剥落防止工法は、前記第4工程において、前記半流動体樹脂を前記中空部に注入しながら、前記ミキシングノズル及び前記注入ノズルを前記中空部から漸次引き抜いていくことを特徴とする。
これによれば、半流動体樹脂の粘度、流動性の程度に拘わらず、アンカーピンの中空部により確実に樹脂を密実に充填することができる。
本発明のコンクリート剥落防止工法は、前記半流動体樹脂が、チキソ性で半流動体のエポキシ樹脂の主剤と、チキソ性で半流動体のポリアミン硬化剤から構成され、混合後の比重が0.8〜1.2であることを特徴とする。
これによれば、より確実にアンカーピンの中空部や孔内に樹脂を密実に充填することが可能となり、水の漏出防止、アンカーピンのコンクリートへの定着力の向上、アンカーピンの防錆性の向上を一層確実なものとすることができる。
本発明のコンクリート剥落防止工法は、前記注入ノズルがシリコンガラスチューブで構成され、連結アダプターを介して前記ミキシングノズルに連結されることを特徴とする。
これによれば、可撓性と耐久性を併せ持つ注入ノズルを安価に得ることができ、施工コストも低減することができる。また、作業の中断等で注入ノズル内の樹脂が硬化してしまった場合にも、注入ノズルと連結アダプターを交換することにより作業を簡単に再開することができる。
本発明のコンクリート剥落防止工法によれば、上向き施工の施工性に優れ、アンカーピンの内部に空隙が発生することを最大限に抑制しつつ樹脂を充填することができる。
(a)は本発明による実施形態のコンクリート剥落防止工法で用いるアンカーピンの斜視図、(b)はその断面図。 本発明による実施形態のコンクリート剥落防止工法で用いる樹脂注入装置の斜視図。 (a)は実施形態のコンクリート剥落防止工法で用いる樹脂注入装置の注入ノズル及び連結アダプターの正面図、(b)はその断面図。 (a)は実施形態のコンクリート剥落防止工法で用いる樹脂注入装置のミキシングノズルの正面図、(b)はその断面図。 (a)、(b)は注入ノズルとミキシングノズルの連結を説明する断面説明図。 (a)〜(d)は実施形態のコンクリート剥落防止工法の施工手順を示す説明図。 実施形態のコンクリート剥落防止工法で施工されたアンカーピン、充填樹脂及び剥落防止材を示す断面図。 実施形態のコンクリート剥落防止工法で施工された剥落防止構造を備えるトンネル覆工コンクリートを示す斜視説明図。 (a)は第1変形例の剥落防止材の斜視説明図、(b)は第2変形例の剥落防止材の斜視説明図。
〔実施形態のコンクリート剥落防止工法〕
本発明による実施形態のコンクリート剥落防止工法は、図1に示すアンカーピン1、図2に示す樹脂注入装置2を用いて行われる。
本実施形態におけるアンカーピン1は、内側が中空部12になっている略筒状の本体11を有し、本体11の先端寄りの外周に沿って弧状溝13が形成され、弧状溝13より先端側が拡開部14になっている。弧状溝13の形成箇所は本体11の肉厚がその前後の部分の肉厚よりも若干薄肉になっている。本体11には、先端から長手方向に弧状溝13を超えてスリット15が切り込まれており、スリット15は、拡開部14、弧状溝13及びその奥部のそれぞれを周方向に複数、図示例では2分するように形成されている。
本体11の中空部12は、アンカーピン1の基端(図1右端)から拡開部14の略中央付近までが、中空部12に内装される拡開体16の最大外径と略同一の内径で形成され、それより先端側(図1左側)が拡開体16の最大外径よりも小さな内径で本体11の先端まで達しないように形成されている。中空部12には、拡開体16の最大外径と略同一内径の部分と、拡開体16の最大外径よりも小さな内径の部分の境界に段部121が設けられている。また、図示例の拡開体16は、前部が後方に向かって拡径する略截頭円錐形、後部が略円柱形の形状をなす一体的な拡開コーンの形状になっている。
拡開部14が拡開される前の状態では、拡開体16の頭部の一部分が段部121に嵌まり込み、拡開部14側への進入が規制された状態で中空部12に内装されている。更に、図示例では、弧状溝13が拡開体16の後部の外径より内側に突出するように形成され、拡開体16が段部121と弧状溝13の内側突出部分に挟まれており、拡開体16が移動規制されて定置されている。
本体11の後端側には外方に突出する周状の鍔部17が設けられており、本実施形態の鍔部17は本体11と一体的に形成されている。鍔部17の中央には本体11の中空部12に連通する開口122が形成されている。また、図示例では、ブチルシール等の環状シール材18が鍔部17の先端側で本体11に外嵌されており、鍔部17の先端面に隣接するようにして外嵌されている。
本実施形態における樹脂注入装置2は、図2に示すように、注入ノズル3、連結アダプター4、ミキシングノズル5、二液混合タイプで充填する樹脂の主剤と硬化剤を収容するカートリッジ61を備える樹脂注入ガン6から構成される。
注入ノズル3は、図3に示すように、両端が開口する筒状であり、ガラスチューブにシリコンワニスを塗布含浸させたシリコンガラスチューブ等の可撓性の素材で形成されている。注入ノズル3の先端側の開口31は注入する樹脂の吐出口として機能する。また、連結アダプター4は、内部に小径の雌ねじ部41と、雌ねじ部41よりも外径の大きい雌ねじ部42を備える略筒状である。連結アダプター4の雌ねじ部41の先端周辺内には注入ノズル3の基端部32が配置され、注入ノズル3の基端部32が雌ねじ部41に接着層43を介して固着されており、図示例の注入ノズル3と連結アダプター4は固着されて一体化されている。
本実施形態におけるミキシングノズル5は、図4及び図5に示すように、スタティックミキサーであり、ハウジング51を有する。ハウジング51は、円筒状の基部52と、基部52の後側に設けられる漏斗部53と、基部52の前側に設けられる階段テーパ部54を備え、基部52には捩り羽根状の混錬エレメント55が内装されている。漏斗部53には、注入ガン6のカートリッジ61の注入口部が、内側に嵌め込まれる等で着脱可能に取り付けられる。また、階段テーパ部54は、その外周面が先端に向かって階段状に漸次縮径するように形成されていると共に、その外周面が先端に向かって連続して漸次縮径するように形成されている。
階段テーパ部54は、所定の段差部分を連結アダプター4の後端側の雌ねじ部42に着脱可能に嵌め込まれることにより、ミキシングノズル5と連結アダプター4は着脱可能に固定され、注入ノズル3とミキシングノズル5は連結アダプター4を介して連結される。尚、図示例の連結アダプター4は、先端側に小径の雌ねじ部41、後端側に大径の雌ねじ部42が形成されているものとしたが、本発明の連結アダプターは、注入ノズルとミキシングノズルを連結可能なもの、好適には着脱可能に連結可能なものであれば適宜であり、例えば先端側をねじ溝のない小径部、後端側を小径部よりも大径でねじ溝のない大径部とした連結アダプターとし、小径部に接着層で注入ノズル3を固着し、大径部に嵌合でミキシングノズル5を固定する構成等としてもよい。
そして、本実施形態のコンクリート剥落防止工法を行う際には、図6(a)に示すように、コンクリート100に穿孔101を形成し、形成した穿孔101の内部をブラシで清掃する。次いで、図6(b)に示すように、コンクリート100の表面を覆うようにメッシュ状の剥落防止ネット等の面状の剥落防止材7を配置し、剥落防止材7を押さえるようにして押さえプレート8を配置し、剥落防止材7と押さえプレート8に挿通するようにしてアンカーピン1を穿孔101に挿入し、アンカーピン1の鍔部17で環状シール材18、押さえプレート8を介して剥落防止材7を外側から押さえるようにする。
その後、図6(c)に示すように、穿孔101内に本体11を挿入したアンカーピン1の開口122から打込棒を中空部12に挿入してアンカーピン1に内装されている拡開体16の後端に当接させ、打込棒をハンマーで打撃して拡開体16を打ち込み、拡開体16に段部121を通り越させてアンカーピン1の拡開部14を拡開させ、拡開部14を孔壁に食い込ませてアンカーピン1をコンクリート100に機械定着する。このアンカーピン1の機械定着により、鍔部17で環状シール材18、押さえプレート8を介して外側から押さえられる剥落防止材7はコンクリート100の表面に取り付けられる。
拡開体16を拡開して打込棒を穿孔101、中空部12から抜き出した後、図6(d)に示すように、ミキシングノズル5の先端側に連結された可撓性の注入ノズル3を鍔部17の開口122からアンカーピン1の中空部12の奥まで挿入し、ミキシングノゾル5及び注入ノズル3を介して注入ノズル3の先端の開口31からアンカーピン1の中空部12に、樹脂注入ガン6で樹脂を注入して充填する。
注入する樹脂は二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂であり、図2のカートリッジ61に区分して収容されている主剤と硬化剤をミキシングノズル5の混錬エレメント55で攪拌混錬しながら供給し、注入ノズル3の先端の開口31から注入する。好適には、この樹脂注入の際に、半流動体樹脂を中空部12に注入しながら、ミキシングノズル5及び注入ノズル3を中空部12から漸次引き抜いていくようにするとよい。
尚、注入する二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂には適用可能な適宜のものを用いることが可能であるが、例えばチキソ性で半流動体のエポキシ樹脂の主剤と、チキソ性で半流動体のポリアミン硬化剤から構成されるものとすると良好であり、更には、その混合後の比重が0.8〜1.2になるものとするとより一層好ましい。また、チキソ性で半流動体のエポキシ樹脂等の主剤と、チキソ性で半流動体のポリアミン硬化剤等の硬化剤の混合比は100:50など、主剤と硬化剤の組み合わせにより適正な反応が得られるようにする。
注入された半流動体樹脂は、中空部12の内部に充填されていくと共に、スリット15から穿孔101とアンカーピン1との隙間の部分に流れ込み、穿孔101内に充填されていき、注入、充填された樹脂は所定時間経過後に硬化状態の樹脂9となる(図7参照)。これにより、剥落防止材7が、アンカーピン1の拡開部14の拡開による機械定着と、硬化状態の樹脂6による定着により、コンクリート100の表面に強固且つ高い安定性で取り付けられる。
本実施形態のコンクリート剥落防止工法で施工された剥落防止構造は、例えば図8に示すトンネルTのトンネル覆工コンクリート100aに対して用いられる。図8のトンネル覆工コンクリート100aの表面には、上向き施工等により、剥落したコンクリート片の落下を防止する剥落防止材7が沿うように設けられ、剥落防止材7を押さえるように押さえプレート8が配置され、アンカーピン1が打設されて中空部12に樹脂9が充填されている。
本実施形態によれば、二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂をミキシングノゾル5に流入させて十分にチキソ性を発現させ、その状態で注入ノズル3から注入すると、注入ノズル3からの吐出後に半流動体樹脂の粘性が戻る。従って、上向き施工においても、十分な粘性を有するダレない樹脂をアンカーピン1の中空部12に密実に充填することが可能となり、これによりアンカーピン1の内部に空隙が発生することを最大限抑制する或いは無くすことができ、漏水があった場合にも、アンカーピン1の内部から水が外に漏出することを防止できる。また、アンカーピン1の内部や、アンカーピン1が打ち込まれる孔内に、樹脂を密実に充填することが可能となるから、拡開部14の拡開でコンクリート100に機械定着されるアンカーピン1の定着力をより高めることができると共に、アンカーピン1の防錆性を高めることができる。
また、チキソ性の半流動体樹脂は注入ノズル3からの吐出後に粘性が戻ることから、特許文献2のようにアンカーピンの口元部分におけるアンカーピンの鍔部と樹脂注入器との間にパッキン等のシール材を設ける必要をなくすことができる。また、アンカーピンの口元部分におけるアンカーピンの鍔部と樹脂注入器との間にパッキン等のシール材を設ける必要をなくせることから、このシール材の施工厚への配慮が不要で、厚い剥落防止材7の取り付けでも樹脂6を孔奥まで確実に充填することが可能となる。また、可撓性の注入ノズル3はアンカーピン1の中空部12に多様な位置や態様で挿入することが可能で、特許文献2のように樹脂注入器をアンカーピンに対して直角に押し付ける必要がないことから、カートリッジ61を取付けた樹脂注入ガン6やミキシングノズル5のアンカーピン1に対する配置も制約を受けず、上向き施工における施工性を高めることができ、特に足場の上で上向き施工を行う必要がある場合の施工性、作業性を非常に高めることができる。
また、アンカーピン1を打設するだけで、剥落防止材7の一次的な取付を行うことができることから、ナットの締め付け作業が不要となり、ナット取付の手間、ナットのトルク管理、施工後の定期的なナット点検作業を省略することができる。また、使用する主剤と硬化剤の混合で硬化する二液混合タイプの樹脂は、施工温度の影響を受けにくく、取り扱いが容易であり、粘性、可使時間、硬化時間を作業の特性に合わせて容易に調整することができる。また、樹脂の吐出口は可撓性を有する注入ノズル3の先端であることから、大型のミキシングノズル6を用いても樹脂のハンドリングが悪化することはなく、確実に注入する樹脂の性能管理を行うことができる。
また、半流動体樹脂を注入する際に、中空部12に注入しながらミキシングノズル5及び注入ノズル3を中空部12から漸次引き抜いていく場合には、半流動体樹脂の粘度、流動性の程度に拘わらず、アンカーピン1の中空部12により確実に樹脂6を密実に充填することができる。
また、半流動体樹脂を、チキソ性で半流動体のエポキシ樹脂の主剤と、チキソ性で半流動体のポリアミン硬化剤から構成し、更に好ましくは、その混合後の比重を0.8〜1.2とすることにより、より確実にアンカーピン1の中空部12や孔内に樹脂6を密実に充填することが可能となり、水の漏出防止、アンカーピン1のコンクリート100への定着力の向上、アンカーピン1の防錆性の向上を一層確実なものとすることができる。
また、注入ノズル3をシリコンガラスチューブで構成し、連結アダプター4を介してミキシングノズル5に連結する場合には、可撓性と耐久性を併せ持つ注入ノズル3を安価に得ることができ、施工コストも低減することができる。また、二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂をミキシングする都合上ある程度硬質な素材を採用すべきミキシングノズル5と可撓性のあるシリコンガラスチューブからなる注入ノズル3を連結アダプター4で連結する構成によって、注入ノズル3の吐出口である開口31をアンカーピン1の中空部12の十分孔奥まで到達させてから注入開始することが容易にでき、特に上向き作業における作業性と確実性を高めることができる。さらに、作業の中断等で注入ノズル3内の樹脂が硬化してしまった場合にも、注入ノズル3と連結アダプター4を交換することにより作業を簡単に再開することができる。
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
本発明における面状の剥落防止材には、コンクリート表面に沿うように設けられ、コンクリート片の落下を防止可能な適宜のものを用いることが可能であり、例えば単純なメッシュ状の剥落防止ネットや防水機能を持つ剥落防止ネット(ターポリン)とする他、図9(a)の第1変形例、図9(b)の第2変形例のような構成としてもよい。図9(a)の第1変形例の剥落防止材7aは、メッシュ状の剥落防止ネット71aと可撓性の面状導水材72aが周縁近傍を接着する等によって積層して設けられ、面状導水材72aの略周縁に倣う位置における剥落防止ネット71aと逆側に背面帯枠73aが配設され、背面帯枠73aが面状導水材72aに接着等で固定されているものである。剥落防止材7aは、面状導水材72aをコンクリート表面に向けて配置される背面導水型の構造であり、アンカーピン1を背面帯枠73aに対応する位置に打設する、或いは背面帯枠73aに対応しない位置に打設することにより、剥落防止材7aにアンカーピン1が挿通されてコンクリート表面を覆うように取り付けられる。
図9(b)の第2変形例の剥落防止材7bは、メッシュ状の剥落防止ネット71bと可撓性の布製の基材72bが周縁近傍を接着する等によって積層して設けられ、剥落防止ネット71bの略周縁に倣う位置における基材72bと逆側に形状保持帯枠73bが配設され、形状保持帯枠73bが剥落防止ネット71bに接着等で固定されているものである。形状保持帯枠73bは、剥落防止ネット71b、基材72bが垂れることを防止するように機能する。剥落防止材7bは、基材72bをコンクリート表面に向けて配置され、アンカーピン1を形状保持帯枠73bに対応する位置に打設する、或いは形状保持帯枠73bに対応しない位置に打設することにより、剥落防止材7bにアンカーピン1が挿通されてコンクリート表面を覆うように取り付けられる。
本発明は、例えばトンネル覆工コンクリートにコンクリート片の落下を防止する面状の剥落防止材を取り付ける場合等に利用することができる。
1…アンカーピン 11…本体 12…中空部 121…段部 122…開口 13…弧状溝 14…拡開部 15…スリット 16…拡開体 17…鍔部 18…環状シール材 2…樹脂注入装置 3…注入ノズル 31…開口 32…基端部 4…連結アダプター 41、42…雌ねじ部 43…接着層 5…ミキシングノズル 51…ハウジング 52…基部 53…漏斗部 54…階段テーパ部 55…混錬エレメント 6…樹脂注入ガン 61…カートリッジ 7、7a、7b…剥落防止材 71a、71b…剥落防止ネット 72a…面状導水材 73a…背面帯枠 72b…基材 73b…形状保持帯枠 8…押さえプレート 9…樹脂 100…コンクリート 100a…トンネル覆工コンクリート 101…穿孔 T…トンネル

Claims (4)

  1. コンクリートに穿孔を形成する第1工程と、
    前記コンクリートの表面を覆うように面状の剥落防止材を配置し、前記剥落防止材を鍔部で外側から押さえるようにしてアンカーピンを前記剥落防止材に挿通して前記穿孔に挿入する第2工程と、
    前記アンカーピンに内装されている拡開体を打ち込んで前記アンカーピンの拡開部を拡開させ、前記アンカーピンを前記コンクリートに機械定着すると共に、前記剥落防止材を前記コンクリートの表面に取り付ける第3工程と、
    ミキシングノズルの先端側に連結された可撓性の注入ノズルを前記アンカーピンの中空部の奥まで挿入し、二液混合タイプのチキソ性の半流動体樹脂を前記ミキシングノゾル及び前記注入ノズルを介して前記注入ノズルの先端から前記アンカーピンの前記中空部に充填する第4工程
    を備えることを特徴とするコンクリート剥落防止工法。
  2. 前記第4工程において、前記半流動体樹脂を前記中空部に注入しながら、前記ミキシングノズル及び前記注入ノズルを前記中空部から漸次引き抜いていくことを特徴とする請求項1記載のコンクリート剥落防止工法。
  3. 前記半流動体樹脂が、チキソ性で半流動体のエポキシ樹脂の主剤と、チキソ性で半流動体のポリアミン硬化剤から構成され、混合後の比重が0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート剥落防止工法。
  4. 前記注入ノズルがシリコンガラスチューブで構成され、連結アダプターを介して前記ミキシングノズルに連結されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のコンクリート剥落防止工法。
JP2017153907A 2017-08-09 2017-08-09 コンクリート剥落防止工法 Active JP6964940B2 (ja)

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