JP2019029240A - 燃料電池発電単位および燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】空気室側と燃料室側との差圧を原因として単セルが損傷することを抑制する。【解決手段】燃料電池発電単位は、第1の方向視で、該第1の方向に直交する第2の方向に平行な2本の空気極側仮想直線であって、空気極側供給連通流路の空気室への開口の第1の方向と第2の方向との両方に直交する第3の方向の最大幅と同じ距離だけ互いに離間し、かつ、空気室への開口の両端にそれぞれ接する2本の空気極側仮想直線によって区画される空気極側仮想領域と、第2の方向に平行な2本の燃料極側仮想直線であって、燃料極側供給連通流路の燃料室への開口の第3の方向の最大幅と同じ距離だけ互いに離間し、かつ、燃料室への開口の両端にそれぞれ接する2本の燃料極側仮想直線によって区画される燃料極側仮想領域とは、少なくとも一部分が互いに重なっている。【選択図】図8

Description

本明細書によって開示される技術は、燃料電池発電単位に関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCの構成単位である燃料電池発電単位(以下、「発電単位」という)は、燃料電池単セル(以下、「単セル」という)を備える。単セルは、電解質層と、電解質層を挟んで所定の方向(以下、「第1の方向」という)に互いに対向する空気極および燃料極とを含む。
また、発電単位は、空気極に面する空気室を構成する空気室用孔が形成された空気極側部材(以下、「空気極側フレーム」という)を備える。空気極側フレームには、空気室に供給されるガス(以下、「酸化剤ガス」という)が通る空気極側供給ガス流路(以下、「酸化剤ガス導入マニホールド」という)を構成する空気極側供給ガス流路用孔と、空気室から排出されたガス(以下、「酸化剤オフガス」という)が通る空気極側排出ガス流路(以下、「酸化剤ガス排出マニホールド」という)を構成する空気極側排出ガス流路用孔とが形成されている。空気極側フレームには、さらに、上記空気極側供給ガス流路用孔に連通すると共に空気室用孔の内周面(以下、「第1の内周面」という)に開口する空気極側供給連通流路と、上記空気極側排出ガス流路用孔に連通すると共に空気室用孔の上記第1の内周面に対向する他の内周面(以下、「第2の内周面」という)に開口する空気極側排出連通流路とが形成されている。発電単位の空気室には、酸化剤ガス導入マニホールドおよび空気極側供給連通流路を介して酸化剤ガスが供給される。また、空気室から排出された酸化剤オフガスは、空気極側排出連通流路および酸化剤ガス排出マニホールドを介して外部に排出される。
同様に、発電単位は、燃料極に面する燃料室を構成する燃料室用孔が形成された燃料極側部材(以下、「燃料極側フレーム」という)を備える。燃料極側フレームには、燃料室に供給されるガス(以下、「燃料ガス」という)が通る燃料極側供給ガス流路(以下、「燃料ガス導入マニホールド」という)を構成する燃料極側供給ガス流路用孔と、燃料室から排出されたガス(以下、「燃料オフガス」という)が通る燃料極側排出ガス流路(以下、「燃料ガス排出マニホールド」という)を構成する燃料極側排出ガス流路用孔とが形成されている。燃料極側フレームには、さらに、上記燃料極側供給ガス流路用孔に連通すると共に燃料室用孔の内周面(以下、「第3の内周面」という)に開口する燃料極側供給連通流路と、上記燃料極側排出ガス流路用孔に連通すると共に燃料室用孔の上記第3の内周面に対向する他の内周面(以下、「第4の内周面」という)に開口する燃料極側排出連通流路とが形成されている。発電単位の燃料室には、燃料ガス導入マニホールドおよび燃料極側供給連通流路を介して燃料ガスが供給される。また、燃料室から排出された燃料オフガスは、燃料極側排出連通流路および燃料ガス排出マニホールドを介して外部に排出される。
SOFCには、空気極側フレームにおける空気極側供給連通流路が開口する第1の内周面と空気極側排出連通流路が開口する第2の内周面との対向方向と、燃料極側フレームにおける燃料極側供給連通流路が開口する第3の内周面と燃料極側排出連通流路が開口する第4の内周面との対向方向とが、略同一方向(以下、「第2の方向」という)である構成のものがある。このような構成のうち、発電単位の空気室におけるガスの主たる流れ方向と燃料室におけるガスの主たる流れ方向とが略同一方向であるものは、コフロータイプと呼ばれる(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2004−185934号公報 国際公開第2011/114702号
従来のコフロータイプのSOFCでは、第1の方向視で、空気極側供給連通流路の空気室への開口と、燃料極側供給連通流路の燃料室への開口とは、上記第1の方向と第2の方向との両方に直交する第3の方向において互いに離れた位置に形成されている。このため、各ガス室(空気室、燃料室)へのガス(酸化剤ガス、燃料ガス)の供給開始当初において、単セルのうち、空気極側供給連通流路の空気室への開口付近に位置する部分では、空気室側の圧力が燃料室側の圧力に比べて極めて大きくなる一方で、燃料極側供給連通流路の燃料室への開口付近に位置する部分では、燃料室側の圧力が空気室側の圧力に比べて極めて大きくなる。このような空気室側と燃料室側との差圧により単セルが損傷(例えば割れ)するおそれがある。
なお、このような課題は、コフロータイプに限らず、空気極側供給連通流路が空気極側部材における空気室用孔の第1の内周面に開口し、かつ、燃料極側供給連通流路が燃料極側部材における燃料室用孔の上記第1の内周面と同じ側に位置する第3の内周面に開口するタイプのSOFCにも共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される燃料電池発電単位は、固体酸化物を含む電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記空気極に面する空気室を構成すると共に前記第1の方向に直交する第2の方向に互いに対向する第1の内周面および第2の内周面を有する空気室用孔と、前記空気室に供給されるガスが通る空気極側供給ガス流路を構成する空気極側供給ガス流路用孔と、前記空気室から排出されたガスが通る空気極側排出ガス流路を構成する空気極側排出ガス流路用孔と、前記空気極側供給ガス流路用孔に連通すると共に前記空気室用孔の前記第1の内周面に開口する少なくとも1つの空気極側供給連通流路と、前記空気極側排出ガス流路用孔に連通すると共に前記空気室用孔の前記第1の内周面とは異なる内周面に開口する少なくとも1つの空気極側排出連通流路と、が形成された空気極側部材と、前記燃料極に面する燃料室を構成すると共に前記第2の方向に互いに対向し、かつ、前記第1の内周面と同じ側に位置する第3の内周面および前記第2の内周面と同じ側に位置する第4の内周面を有する燃料室用孔と、前記燃料室に供給されるガスが通る燃料極側供給ガス流路を構成する燃料極側供給ガス流路用孔と、前記燃料室から排出されたガスが通る燃料極側排出ガス流路を構成する燃料極側排出ガス流路用孔と、前記燃料極側供給ガス流路用孔に連通すると共に前記燃料室用孔の前記第3の内周面に開口する少なくとも1つの燃料極側供給連通流路と、前記燃料極側排出ガス流路用孔に連通すると共に前記燃料室用孔の前記第3の内周面とは異なる内周面に開口する少なくとも1つの燃料極側排出連通流路と、が形成された燃料極側部材と、を備える燃料電池発電単位において、前記第1の方向視で、前記第2の方向に平行な2本の空気極側仮想直線であって、前記空気極側供給連通流路の前記空気室への開口の前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向の最大幅と同じ距離だけ互いに離間し、かつ、前記空気室への開口の両端にそれぞれ接する前記2本の空気極側仮想直線によって区画される空気極側仮想領域と、前記第2の方向に平行な2本の燃料極側仮想直線であって、前記燃料極側供給連通流路の前記燃料室への開口の前記第3の方向の最大幅と同じ距離だけ互いに離間し、かつ、前記燃料室への開口の両端にそれぞれ接する前記2本の燃料極側仮想直線によって区画される燃料極側仮想領域とは、少なくとも一部分が互いに重なっている。本燃料電池発電単位によれば、第1の方向視で、空気極側供給連通流路の空気室への開口を第2の方向に投影したときに形成される空気極側仮想領域と、燃料極側供給連通流路の燃料室への開口を第2の方向に投影したときに形成される燃料極側仮想領域とは、少なくとも一部分が互いに重なっている。このように、空気極側供給連通流路の空気室への開口と燃料極側供給連通流路の燃料室への開口とが、従来のコフロータイプのSOFCに比べて近い位置に配置されているため、空気室側と燃料室側との差圧を原因として単セルが損傷することを抑制することができる。
(2)上記燃料電池発電単位において、前記空気極側供給ガス流路用孔の断面積(M1)は、前記燃料極側供給ガス流路用孔の断面積(M2)以上であり、前記燃料極側供給ガス流路用孔の断面積(M2)に対する、前記燃料極側供給連通流路の断面積(N2)の第2の割合(β=N2/M2)は、前記空気極側供給ガス流路用孔の断面積(M1)に対する前記空気極側供給連通流路の断面積(N1)の第1の割合(α=N1/M1)より小さい構成としてもよい。一般に、空気室への酸化剤ガスの供給圧力は、燃料室への燃料ガスの供給圧力より大きい。そこで、本燃料電池発電単位によれば、燃料極側供給ガス流路用孔の断面積(M2)に対する、燃料極側供給連通流路の断面積(N2)の割合(β=N2/M2)は、空気極側供給ガス流路用孔の断面積(M1)に対する空気極側供給連通流路の断面積(N1)の割合(α=N1/M1)より小さい。これにより、α=βである構成に比べて、燃料極側供給ガス流路用孔から燃料極側供給連通流路への断面積の絞り率が高いことによって燃料室への燃料ガスの供給圧力が大きくなり、その結果、空気室への酸化剤ガスの供給圧力と燃料室への燃料ガスの供給圧力との差が小さくなるため、空気室側と燃料室側との差圧を原因として単セルが損傷することを効果的に抑制することができる。
(3)上記燃料電池発電単位において、前記空気極側部材には、複数の前記空気極側供給連通流路が形成されており、前記複数の空気極側供給連通流路は、前記空気極への開口の前記第3の方向の最大幅が互いに略同一であり、前記燃料極側部材には、複数の前記燃料極側供給連通流路が形成されており、前記複数の燃料極側供給連通流路は、前記燃料極への開口の前記第3の方向の最大幅が互いに略同一であり、前記複数の前記空気極側供給連通流路の少なくとも1つと前記複数の前記燃料極側供給連通流路の少なくとも1つとについて、前記空気極側仮想領域と、前記燃料極側仮想領域とは、少なくとも一部分が互いに重なっている構成としてもよい。本燃料電池発電単位によれば、空気極側仮想領域と燃料極側仮想領域とが互いに重なる空気極側供給連通流路および燃料極側供給連通流路の近傍において、空気室側と燃料室側との差圧を原因として単セルが損傷することを抑制することができる。
(4)上記燃料電池発電単位において、第2の割合(β)は1より小さい構成としてもよい。本燃料電池発電単位によれば、第2の割合(β)は1より大きい場合に比べて、燃料室への燃料ガスの供給圧力が大きくなり、その結果、空気室への酸化剤ガスの供給圧力と燃料室への燃料ガスの供給圧力との差が小さくなるため、空気室側と燃料室側との差圧を原因として単セルが損傷することを効果的に抑制することができる。
(5)上記燃料電池発電単位において、前記第1の方向視で、前記空気極側供給ガス流路用孔と前記燃料極側供給ガス流路用孔とは、前記第3の方向に互いに異なる位置に配置されており、前記第3の方向において、前記空気極側仮想領域と前記燃料極側仮想領域とが互いに重なっている重複領域の中心位置は、前記空気極側供給ガス流路用孔の中心位置と前記燃料極側供給ガス流路用孔の中心位置との間に位置し、前記空気極側供給連通流路は、前記第1の内周面に向かうに連れて前記重複領域の中心位置に近づくように傾斜しており、前記燃料極側供給連通流路は、前記第3の内周面に向かうに連れて前記重複領域の中心位置に近づくように傾斜している構成としてもよい。本燃料電池発電単位によれば、空気極側供給連通流路と燃料極側供給連通流路とのいずれか一方が第2の方向に平行である場合に比べて、空気極へのガスの供給量または燃料室へのガスの供給量が第3の方向の一方側に偏ることを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池発電単位(燃料電池発電単位または電解セル単位)、複数の燃料電池発電単位を備える燃料電池スタック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図4および図5のVI−VIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 図4および図5のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 発電単位102に形成された各流路の詳細構成を示すXY断面図である。 変形例における発電単位102に形成された各流路の詳細構成の一部を示すXY断面図である。
A.実施形態:
A−1.装置構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1(および後述する図6,7)のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1(および後述する図6,7)のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)燃料電池発電単位(以下、単に「発電単位」という)102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、発電単位は、特許請求の範囲における燃料電池発電単位に相当し、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
図1に示すように、燃料電池スタック100を構成する各層(各発電単位102、エンドプレート104,106)のZ軸方向回りの外周の4つの角部周辺には、各層を上下方向に貫通する孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びるボルト孔109を構成している。各ボルト孔109にはボルト22が挿入されており、各ボルト22および図示しないナットによって燃料電池スタック100は締結されている。
また、図1から図3に示すように、各発電単位102のZ軸方向回りの外周辺の付近には、各発電単位102を上下方向に貫通する孔が形成されており、各発電単位102に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、複数の発電単位102にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために各発電単位102に形成された孔も、連通孔108と呼ぶ場合がある。
図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の付近に位置する連通孔108は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102の後述する空気室166に供給するガス流路である酸化剤ガス供給マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の付近に位置する連通孔108は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出するガス流路である酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。酸化剤ガス供給マニホールド161は、空気極側供給ガス流路に相当し、酸化剤ガス排出マニホールド162は、空気極側排出ガス流路する。
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周を構成する辺の内、上述した酸化剤ガス供給マニホールド161として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の連通孔108は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102の後述する燃料室176に供給するガス流路である燃料ガス供給マニホールド171として機能し、上述した酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の連通孔108は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出するガス流路である燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。燃料ガス供給マニホールド171は、特許請求の範囲における燃料極側供給ガス流路に相当し、燃料ガス排出マニホールド172は、特許請求の範囲における燃料極側排出ガス流路に相当する。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。図2および図3に示すように、下側のエンドプレート106には、4つの流路用貫通孔107が形成されている。4つの流路用貫通孔107は、それぞれ、酸化剤ガス供給マニホールド161、酸化剤ガス排出マニホールド162、燃料ガス供給マニホールド171、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
(ガス通路部材27等の構成)
図2および図3に示すように、燃料電池スタック100は、さらに、下側のエンドプレート106に対して複数の発電単位102とは反対側(すなわち、下側)に配置された4つのガス通路部材27を備える。4つのガス通路部材27は、それぞれ、酸化剤ガス供給マニホールド161、酸化剤ガス排出マニホールド162、燃料ガス供給マニホールド171、燃料ガス排出マニホールド172と上下方向に重なる位置に配置されている。各ガス通路部材27は、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107に連通する孔が形成された本体部28と、本体部28の側面から分岐した筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。なお、各ガス通路部材27の本体部28とエンドプレート106との間には、絶縁シート26が配置されている。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。なお、図5には、後述する燃料極側集電体144の一部の構成が拡大して示されている。また、図6は、図4および図5のVI−VIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図であり、図7は、図4および図5のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。
図4および図5に示すように、発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ軸方向回りの周縁部には、上述した各マニホールド161,162,171,172として機能する連通孔108を構成する孔や、各ボルト孔109を構成する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。
電解質層112は、Z方向視で略矩形の平板形状部材であり、緻密な層である。電解質層112は、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト型酸化物等の固体酸化物により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。また、空気極114は、Z方向視で電解質層112より小さい略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。空気極114は、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。燃料極116は、Z方向視で電解質層112と略同一の大きさの略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。燃料極116は、例えば、Niと酸化物イオン伝導性セラミックス粒子(例えば、YSZ)とからなるサーメットにより形成されている。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。
空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の空気室用孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。空気極側フレーム130は、特許請求の範囲における空気極側部材に相当する。
図4〜図6に示すように、空気極側フレーム130の空気室用孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する孔である。空気室用孔131は、X軸方向に互いに対向する第1の内周面IP1および第2の内周面IP2を有する。また、図5および図6に示すように、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス供給マニホールド161を構成する連通孔108に連通すると共に空気室用孔131の第1の内周面IP1に開口する空気極側供給連通流路132と、酸化剤ガス排出マニホールド162を構成する連通孔108に連通すると共に空気室用孔131の第2の内周面IP2に開口する空気極側排出連通流路133とが形成されている。本実施形態では、空気極側フレーム130に、1本の空気極側供給連通流路132と、1本の空気極側排出連通流路133とが形成されている。
空気極側フレーム130に形成された連通孔108の内、酸化剤ガス供給マニホールド161を構成する連通孔108は、特許請求の範囲における空気極側供給ガス流路用孔に相当し、酸化剤ガス排出マニホールド162を構成する連通孔108は、特許請求の範囲における空気極側排出ガス流路用孔に相当する。また、第1の内周面IP1と第2の内周面IP2との対向方向(X軸方向)は、特許請求の範囲における第2の方向に相当する。また、上下方向(Z軸方向)と該対向方向との両方に直交する方向(Y軸方向)は、特許請求の範囲における第3の方向に相当し、以下、開口幅方向という。
燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の燃料室用孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。燃料極側フレーム140は、特許請求の範囲における燃料極側部材に相当する。
図4,図5および図7に示すように、燃料極側フレーム140の燃料室用孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する孔である。燃料室用孔141は、X軸方向に互いに対向する第3の内周面IP3および第4の内周面IP4を有する。また、図5および図7に示すように、燃料極側フレーム140には、燃料ガス供給マニホールド171を構成する連通孔108に連通すると共に燃料室用孔141の第3の内周面IP3に開口する燃料極側供給連通流路142と、燃料ガス排出マニホールド172を構成する連通孔108に連通すると共に燃料室用孔141の第4の内周面IP4に開口する燃料極側排出連通流路143とが形成されている。本実施形態では、燃料極側フレーム140に、1本の燃料極側供給連通流路142と、1本の燃料極側排出連通流路143とが形成されている。
燃料極側フレーム140に形成された連通孔108の内、燃料ガス供給マニホールド171を構成する連通孔108は、特許請求の範囲における燃料極側供給ガス流路用孔に相当し、燃料ガス排出マニホールド172を構成する連通孔108は、特許請求の範囲における燃料極側排出ガス流路用孔に相当する。
図4〜図6に示すように、空気極側集電体134は、空気室166内に配置された導電性部材である。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、本実施形態では、空気極側集電体134とインターコネクタ150とは一体の部材として形成されている。すなわち、該一体の部材の内の、上下方向(Z軸方向)に直交する平板形の部分がインターコネクタ150として機能し、該平板形の部分から空気極114に向けて突出するように形成された複数の凸部である集電体要素135が空気極側集電体134として機能する。また、空気極側集電体134とインターコネクタ150との一体部材は、導電性のコートによって覆われていてもよく、空気極114と空気極側集電体134との間には、両者を接合する導電性の接合層が介在していてもよい。
図4,5,7に示すように、燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図2,4,6に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29、本体部28、および、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107を介して酸化剤ガス供給マニホールド161に供給され、酸化剤ガス供給マニホールド161から各発電単位102の空気極側供給連通流路132を介して、空気室166に供給される。また、図3,5,7に示すように、燃料ガス供給マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29、本体部28、および、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107を介して燃料ガス供給マニホールド171に供給され、燃料ガス供給マニホールド171から各発電単位102の燃料極側供給連通流路142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGに含まれる酸素と燃料ガスFGに含まれる水素との電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2,4,6に示すように、空気極側排出連通流路133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107、酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3,5,7に示すように、燃料極側排出連通流路143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107、燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
なお、図6に示すように、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各発電単位102では、空気極側フレーム130の空気室用孔131における空気極側供給連通流路132が開口する第1の内周面IP1と空気極側排出連通流路133が開口する第2の内周面IP2との対向方向は、X軸方向である。そのため、各発電単位102の空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向は、概ねX軸正方向側からX軸負方向側に向かう方向である。また、図7に示すように、燃料極側フレーム140の燃料室用孔141における燃料極側供給連通流路142が開口する第3の内周面IP3と燃料極側排出連通流路143が開口する第4の内周面IP4との対向方向は、X軸方向である。そのため、各発電単位102の燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向は、概ねX軸正方向側からX軸負方向側に向かう方向である。このように、本実施形態の発電単位102は、空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向と燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向とが略同一方向となるコフロータイプのSOFCである。
A−3.発電単位102に形成された各流路の詳細構成:
次に、発電単位102に形成された各流路の詳細構成について説明する。図8は、発電単位102に形成された各流路の詳細構成を示すXY断面図である。図8には、説明の便宜上、空気極側フレーム130に形成された各連通流路(空気極側供給連通流路132および空気極側排出連通流路133)に加えて、燃料極側フレーム140に形成された各連通流路(燃料極側供給連通流路142および燃料極側排出連通流路143)も示している。実際の構成では、上述したように、空気極側フレーム130には燃料極側供給連通流路142および燃料極側排出連通流路143は形成されておらず、燃料極側フレーム140には空気極側供給連通流路132および空気極側排出連通流路133は形成されていない。また、図8では、単セル110が簡略化して示されており、また、空気極側フレーム130に対するハッチングは省略されている。
図8には、Z軸方向視で、2本の空気極側仮想直線L11,L12が示されている。2本の空気極側仮想直線L11,L12は、上述の第1の内周面IP1と第2の内周面IP2との対向方向(X軸方向)に平行な直線であり、空気極側供給連通流路132における空気室用孔131の第1の内周面IP1への開口(以下、単に「空気極側供給連通流路132の開口」という)の両端(2つの端点EP11,EP12)にそれぞれ接する直線である。2本の空気極側仮想直線L11,L12は、空気極側供給連通流路132の開口の開口幅方向(Y軸方向)の最大幅と同じ距離だけ互いに離間している。空気極側仮想領域E1は、これらの2本の空気極側仮想直線L11,L12によって区画された領域である。また、図8には、Z軸方向視で、2本の燃料極側仮想直線L21,L22が示されている。2本の燃料極側仮想直線L21,L22は、該対向方向(X軸方向)に平行な直線であり、燃料極側供給連通流路142における燃料室用孔141の第3の内周面IP3への開口(以下、単に「燃料極側供給連通流路142の開口」という)の両端(2つの端点EP21,EP22)にそれぞれ接する直線である。2本の燃料極側仮想直線L21,L22は、燃料極側供給連通流路142の開口の開口幅方向(Y軸方向)の最大幅と同じ距離だけ互いに離間している。燃料極側仮想領域E2は、これらの2本の燃料極側仮想直線L21,L22によって区画された領域である。
図8に示すように、Z軸方向視で、空気極側仮想領域E1と燃料極側仮想領域E2とは、少なくとも一部分が重なっている。本実施形態では、燃料極側仮想領域E2の全体が空気極側仮想領域E1に重なっている。これは、Z軸方向視で、空気極側供給連通流路132の開口から供給される酸化剤ガスOGの主たる流路と、燃料極側供給連通流路142の開口から供給される燃料ガスFGの主たる流路とが互いに重なっていることを意味する。なお、Z軸方向視で、空気極側供給連通流路132を該空気極側供給連通流路132の軸方向に延ばした延長領域と、燃料極側供給連通流路142を該燃料極側供給連通流路142の軸方向に延ばした延長領域とは、少なくとも一部分が、単セル110における第1の内周面IP1側の周縁部上において互いに重なっていることが好ましい。これにより、特にガスの供給圧力が集中しやすい単セル110の部位について、空気室側166と燃料室176側との差圧による単セル110の損傷をより確実に抑制することができる。
また、Z軸方向視で、酸化剤ガス供給マニホールド161を構成する連通孔108のZ軸方向に直交するXY断面の面積(以下、単に「酸化剤ガス供給マニホールド161の断面積M1」という)は、燃料ガス供給マニホールド171を構成する連通孔108のZ軸方向に直交するXY断面の面積(以下、単に「燃料ガス供給マニホールド171の断面積M2」という)以上である。また、酸化剤ガス供給マニホールド161の断面積M1に対する、空気極側供給連通流路132のZ軸方向に直交するXY断面の面積(以下、単に「空気極側供給連通流路132の断面積N1」という)の割合を、第1の割合α(=N1/M1)とする。また、燃料ガス供給マニホールド171の断面積M2に対する、燃料極側供給連通流路142のZ軸方向に直交するXY断面の面積(以下、単に「燃料極側供給連通流路142の断面積N2」という)の割合を、第2の割合β(=N2/M2)とする。本実施形態の発電単位102では、第2の割合βは、第1の割合αより小さい。すなわち、燃料ガス供給マニホールド171から燃料極側供給連通流路142への燃料ガスFGの流量の絞り度合いは、酸化剤ガス供給マニホールド161から空気極側供給連通流路132への酸化剤ガスOGの流量の絞り度合いより高い。また、第2の割合βは、1より小さいことが好ましい。
また、酸化剤ガス供給マニホールド161を構成する連通孔108と燃料ガス供給マニホールド171を構成する連通孔108とは、開口幅方向(Y軸方向)に互いに異なる位置(すなわち、互いに離間した位置)に配置されている。また、酸化剤ガス供給マニホールド161を構成する連通孔108と燃料ガス供給マニホールド171を構成する連通孔108とは、開口幅方向に沿って並ぶように配置されている。また、開口幅方向において、空気極側仮想領域E1と燃料極側仮想領域E2とが互いに重なっている重複領域(本実施形態では、燃料極側仮想領域E2)の中心位置MP2は、酸化剤ガス供給マニホールド161を構成する連通孔108の中心位置161Qと燃料ガス供給マニホールド171を構成する連通孔108の中心位置171Qとの間に位置している。
空気極側供給連通流路132は、第1の内周面IP1に向かうに連れて重複領域(燃料極側仮想領域E2)の中心位置MP2に近づくように傾斜している。また、燃料極側供給連通流路142は、第3の内周面IP3に向かうに連れて該重複領域の中心位置MP2に近づくように傾斜している。また、燃料極側供給連通流路142の開口の中心位置MP2は、空気極側供給連通流路132の開口の中心位置MP1より燃料ガス供給マニホールド171に近い側に配置されている。これにより、燃料極側供給連通流路142の開口の中心位置MP2が空気極側供給連通流路132の開口の中心位置MP1より燃料ガス供給マニホールド171から遠い側に配置された構成に比べて、燃料極側供給連通流路142が長くなることによる燃料ガスFGの圧損を抑制することができる。なお、空気極側排出連通流路133および燃料極側排出連通流路143の構成と、上述の空気極側供給連通流路132および燃料極側供給連通流路142の構成とは、単セル110の中心位置を中心とした点対称の関係である。このため、空気極側排出連通流路133および燃料極側排出連通流路143の構成についての説明は省略する。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の発電単位102によれば、Z軸方向視で、空気極側供給連通流路132の開口を上記対向方向(X軸方向)に投影したときに形成される空気極側仮想領域E1と、燃料極側供給連通流路142の開口を該対向方向に投影したときに形成される燃料極側仮想領域E2とは、少なくとも一部分が互いに重なっている。このように、空気極側供給連通流路132の開口と燃料極側供給連通流路142の開口とが、従来のコフロータイプのSOFCに比べて、開口幅方向(Y軸方向)において互いに近い位置に配置されているため、空気室166側と燃料室176側との差圧を原因として単セル110が損傷することを抑制することができる。すなわち、上述したように、本実施形態の発電単位102では、Z軸方向視で、空気極側供給連通流路132の開口から供給される酸化剤ガスOGの主たる流路と、燃料極側供給連通流路142の開口から供給される燃料ガスFGの主たる流路とが互いに重なっている。従って、各ガス室(空気室166、燃料室176)へのガス(酸化剤ガスOG、燃料ガスFG)の供給開始当初において、単セル110のうち、空気極側供給連通流路132の開口付近に位置する部分では、酸化剤ガスOGの供給圧力によって空気室166側から相対的に高い圧力を受けるとともに、燃料ガスFGの供給圧力によって燃料室176側からも相対的に高い圧力を受ける。このため、空気室166側と燃料室176側との差圧が抑制される。同様に、燃料極側供給連通流路142の開口付近に位置する部分でも、燃料ガスFGの供給圧力によって燃料室176側から相対的に高い圧力を受けるとともに、酸化剤ガスOGの供給圧力によって空気室166側からも相対的に高い圧力を受ける。このため、燃料室176側と空気室166側との差圧が抑制される。これにより、空気室側166と燃料室176側との差圧により単セル110が損傷(例えば割れ)することが抑制される。
また、一般的に、空気室166への酸化剤ガスOGの供給圧力は、燃料室176への燃料ガスFGの供給圧力より大きい。そこで、本実施形態の発電単位102では、第2の割合βは、第1の割合αより小さい。すなわち、燃料ガス供給マニホールド171から燃料極側供給連通流路142への燃料ガスFGの流量の絞り度合いは、酸化剤ガス供給マニホールド161から空気極側供給連通流路132への酸化剤ガスOGの流量の絞り度合いより高い。これにより、第2の割合βが第1の割合αと同じである構成に比べて、燃料ガス供給マニホールド171から燃料極側供給連通流路142への断面積の絞り率(燃料ガスFGの流量の絞り度合い)が高いことによって燃料室176への燃料ガスFGの供給圧力が大きくなり、その結果、空気室166への酸化剤ガスOGの供給圧力と燃料室176への燃料ガスの供給圧力との差が小さくなるため、空気室166側と燃料室176側との差圧を原因として単セル110が損傷することを効果的に抑制することができる。
ここで、次の2つの発電単位102のサンプルについてシミュレーションを行った。
<サンプル1>:
酸化剤ガス供給マニホールド161の断面積M1=約350(mm
空気極側供給連通流路132の断面積N1=約350(mm
第1の割合α=1.026
燃料ガス供給マニホールド171の断面積M2=約60(mm
燃料極側供給連通流路142の断面積N2=約20(mm
第2の割合β=0.363
<サンプル2>:
酸化剤ガス供給マニホールド161の断面積M1=約260(mm
空気極側供給連通流路132の断面積N1=約290(mm
サンプル1に比べて、空気極側供給連通流路132の長手方向の長さは同じであり、空気極側供給連通流路132の流路幅が短い。
第1の割合α=1.12
燃料ガス供給マニホールド171の断面積M2=約60(mm
燃料極側供給連通流路142の断面積N2=約20(mm
第2の割合β=0.363
このようなサンプル1,2について、空気室166側と燃料室176側との差圧に関するシミュレーションを行ったところ、第2の割合βは、第1の割合αより小さい方が、空気室166側と燃料室176側との差圧が低減することが分かった。なお、第1の割合αは、第2の割合βの2倍以上、第2の割合βの5倍以下の値が好ましい。
また、本実施形態では、第2の割合βは1より小さいことが好ましい。これにより、第2の割合βは1より大きい場合に比べて、燃料室176への燃料ガスFGの供給圧力が大きくなり、その結果、空気室166への酸化剤ガスOGの供給圧力と燃料室176への燃料ガスFGの供給圧力との差が小さくなるため、空気室166側と燃料室176側との差圧を原因として単セル110が損傷することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、空気極側供給連通流路132は、第1の内周面IP1に向かうに連れて重複領域(燃料極側仮想領域E2)の中心位置MP2に近づくように傾斜している。また、燃料極側供給連通流路142は、第3の内周面IP3に向かうに連れて該重複領域の中心位置MP2に近づくように傾斜している。これにより、空気極側供給連通流路132と燃料極側供給連通流路142とのいずれか一方が上記対向方向(X軸方向)に平行である場合に比べて、空気室166への酸化剤ガスOGの供給量または燃料室176への燃料ガスFGの供給量が開口幅方向(Y軸方向)の一方側に偏ることを抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、Z軸方向視で、燃料極側仮想領域E2の全体が空気極側仮想領域E1に重なっているが、これに限らず、空気極側仮想領域E1と燃料極側仮想領域E2とは、少なくとも一部分が重なっていればよい。
上記実施形態において、空気極側供給連通流路132の開口(第1の内周面IP1)と燃料極側供給連通流路142の開口(第3の内周面IP3)とが、上記対向方向(X軸方向)において互いに異なる位置に配置されていてもよい。また、上記実施形態では、空気極側供給連通流路132の開口の断面積は、燃料極側供給連通流路142の開口の断面積より大きいとしたが、これに限らず、空気極側供給連通流路132の開口の断面積は、燃料極側供給連通流路142の開口の断面積以下であるとしてもよい。
上記実施形態において、燃料極側供給連通流路142の開口の中心位置MP2は、空気極側供給連通流路132の開口の中心位置MP1と略同じ位置、あるいは、空気極側供給連通流路132の開口の中心位置MP1より燃料ガス供給マニホールド171から遠い側に配置されているとしてもよい。
また、上記実施形態では、燃料極側供給連通流路142の流路幅は、空気極側供給連通流路132の流路幅より狭いとしたが、燃料極側供給連通流路142の流路幅は、空気極側供給連通流路132の流路幅と略同じ、あるいは、空気極側供給連通流路132の流路幅より広いとしてもよい。また、上記実施形態では、燃料極側供給連通流路142の流路長は、空気極側供給連通流路132の流路長より長いとしたが、燃料極側供給連通流路142の流路長は、空気極側供給連通流路132の流路長と略同じ、あるいは、空気極側供給連通流路132の流路長より短いとしてもよい。また、上記実施形態において、空気極側供給連通流路132と燃料極側供給連通流路142とのいずれか一方が上記対向方向(X軸方向)に平行であるとしてもよい。
図9は、変形例における発電単位102Aに形成された各流路の詳細構成の一部を示すXY断面図である。図9に示すように、変形例における発電単位102Aでは、空気極側フレーム130Aに、複数本(図9では3本)の空気極側供給連通流路132Aが形成されている。複数本の空気極側供給連通流路132Aは、流路幅が互いに略同じである。また、燃料極側フレーム(図示せず)に、複数本(図9では3本)の燃料極側供給連通流路142Aが形成されている。複数本の燃料極側供給連通流路142Aは、流路幅が互いに略同じである。また、空気極側供給連通流路132Aの本数と燃料極側供給連通流路142Aの本数とは同数である。このような構成においても、複数本の空気極側供給連通流路132Aの少なくとも1本と複数本の燃料極側供給連通流路142Aの少なくとも1本とについて、空気極側仮想領域と、前記燃料極側仮想領域とは、少なくとも一部分が互いに重なっていればよい。図9において、空気極側仮想領域E1Aは、3本の空気極側供給連通流路132Aのうち、燃料ガス供給マニホールド171Aに最も近い1本の空気極側供給連通流路132Aについて、2本の空気極側仮想直線L11A,L12Aによって区画された領域である。また、燃料極側仮想領域E2Aは、3本の燃料極側供給連通流路142Aのうち、酸化剤ガス供給マニホールド161Aに最も近い1本の燃料極側供給連通流路142Aについて、2本の燃料極側仮想直線L21A,L22Aによって区画された領域である。燃料極側仮想領域E2Aの全体が、空気極側仮想領域E1Aに重なっている。これにより、少なくとも、空気極側仮想領域E1Aと燃料極側仮想領域E2Aとが互いに重なる空気極側供給連通流路132Aの開口および燃料極側供給連通流路142Aの開口の近傍において、空気室166側と燃料室176側との差圧を原因として単セル110が損傷することを抑制することができる。
上記実施形態(および変形例、以下同様)の発電単位102または燃料電池スタック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
また、上記実施形態では、ボルト孔109が、各マニホールド用の連通孔108とは独立して設けられているが、独立したボルト孔109を設けず、各マニホールド用の連通孔108がボルト孔としても用いられるとしてもよい。また、上記実施形態において、空気極114と電解質層112との間に中間層が配置されていてもよい。また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、必ずしも燃料電池スタック100に含まれるすべての発電単位102について、図8に示す構成が採用されている必要はなく、燃料電池スタック100に含まれる少なくとも1つの発電単位102について、図8に示す構成が採用されていれば、該発電単位102について、本発明の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、燃料電池発電単位として、コフロータイプの単セル110を例示したが、これに限定されず、空気極側供給連通流路が空気極側部材における空気室用孔の第1の内周面に開口し、かつ、燃料極側供給連通流路が燃料極側部材における燃料室用孔の上記第1の内周面と同じ側に位置する第3の内周面に開口するタイプであれば本発明を適用可能である。例えば、上記実施形態において、空気極側排出連通流路133は、第1の内周面IP1および第2の内周面IP2とは異なる内周面(空気極側フレーム130の空気室用孔131におけるY軸方向に互いに対向する一対の内周面の少なくとも一方)に開口しているとしてもよい。この場合、酸化剤ガス排出マニホールド162は、空気極側排出連通流路133が開口する内周面の近傍に位置していることが好ましい。また、上記実施形態において、燃料極側排出連通流路143は、第3の内周面IP3および第4の内周面IP4とは異なる内周面(燃料極側フレーム140の燃料室用孔141におけるY軸方向に互いに対向する一対の内周面の少なくとも一方)に開口しているとしてもよい。この場合、燃料ガス排出マニホールド172は、燃料極側排出連通流路143が開口する内周面の近傍に位置していることが好ましい。また、上下方向視で、燃料極側排出連通流路143が開口する内周面は、空気極側排出連通流路133が開口している内周面と同じ側に位置しているとしてもよいし、異なる側に位置しているとしてもよい。
22:ボルト 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 100:燃料電池スタック 102,102A:発電単位 104,106:エンドプレート 107:流路用貫通孔 108:連通孔 109:ボルト孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130,130A:空気極側フレーム 131:空気室用孔 132,132A:空気極側供給連通流路 133:空気極側排出連通流路 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム 141:燃料室用孔 142,142A:燃料極側供給連通流路 143:燃料極側排出連通流路 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161,161A:酸化剤ガス供給マニホールド 161Q:中心位置 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171,171A:燃料ガス供給マニホールド 171Q:中心位置 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 E1,E1A:空気極側仮想領域 E2,E2A:燃料極側仮想領域 EP11,EP12:端点 EP21,EP22:端点 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス IP1:第1の内周面 IP2:第2の内周面 IP3:第3の内周面 IP4:第4の内周面 L11,L12,L11A,L12A:空気極側仮想直線 L21,L22,L21A,L22A:燃料極側仮想直線 M1:空気極側供給ガス流路用孔の断面積 M2:燃料極側供給ガス流路用孔の断面積 MP1:空気極側供給連通流路132の開口の中心位置 MP2:燃料極側供給連通流路142の開口の中心位置 N1:空気極側供給連通流路132の断面積 N2:燃料極側供給連通流路142の断面積 OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス

Claims (6)

  1. 固体酸化物を含む電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、
    前記空気極に面する空気室を構成すると共に前記第1の方向に直交する第2の方向に互いに対向する第1の内周面および第2の内周面を有する空気室用孔と、前記空気室に供給されるガスが通る空気極側供給ガス流路を構成する空気極側供給ガス流路用孔と、前記空気室から排出されたガスが通る空気極側排出ガス流路を構成する空気極側排出ガス流路用孔と、前記空気極側供給ガス流路用孔に連通すると共に前記空気室用孔の前記第1の内周面に開口する少なくとも1つの空気極側供給連通流路と、前記空気極側排出ガス流路用孔に連通すると共に前記空気室用孔の前記第1の内周面とは異なる内周面に開口する少なくとも1つの空気極側排出連通流路と、が形成された空気極側部材と、
    前記燃料極に面する燃料室を構成すると共に前記第2の方向に互いに対向し、かつ、前記第1の内周面と同じ側に位置する第3の内周面および前記第2の内周面と同じ側に位置する第4の内周面を有する燃料室用孔と、前記燃料室に供給されるガスが通る燃料極側供給ガス流路を構成する燃料極側供給ガス流路用孔と、前記燃料室から排出されたガスが通る燃料極側排出ガス流路を構成する燃料極側排出ガス流路用孔と、前記燃料極側供給ガス流路用孔に連通すると共に前記燃料室用孔の前記第3の内周面に開口する少なくとも1つの燃料極側供給連通流路と、前記燃料極側排出ガス流路用孔に連通すると共に前記燃料室用孔の前記第3の内周面とは異なる内周面に開口する少なくとも1つの燃料極側排出連通流路と、が形成された燃料極側部材と、
    を備える燃料電池発電単位において、
    前記第1の方向視で、
    前記第2の方向に平行な2本の空気極側仮想直線であって、前記空気極側供給連通流路の前記空気室への開口の前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向の最大幅と同じ距離だけ互いに離間し、かつ、前記空気室への開口の両端にそれぞれ接する前記2本の空気極側仮想直線によって区画される空気極側仮想領域と、
    前記第2の方向に平行な2本の燃料極側仮想直線であって、前記燃料極側供給連通流路の前記燃料室への開口の前記第3の方向の最大幅と同じ距離だけ互いに離間し、かつ、前記燃料室への開口の両端にそれぞれ接する前記2本の燃料極側仮想直線によって区画される燃料極側仮想領域とは、少なくとも一部分が互いに重なっていることを特徴とする、燃料電池発電単位。
  2. 請求項1に記載の燃料電池発電単位において、
    前記空気極側供給ガス流路用孔の断面積(M1)は、前記燃料極側供給ガス流路用孔の断面積(M2)以上であり、
    前記燃料極側供給ガス流路用孔の断面積(M2)に対する、前記燃料極側供給連通流路の断面積(N2)の第2の割合(β=N2/M2)は、前記空気極側供給ガス流路用孔の断面積(M1)に対する前記空気極側供給連通流路の断面積(N1)の第1の割合(α=N1/M1)より小さいことを特徴とする、燃料電池発電単位。
  3. 請求項2に記載の燃料電池発電単位において、
    前記空気極側部材には、複数の前記空気極側供給連通流路が形成されており、前記複数の空気極側供給連通流路は、前記空気極への開口の前記第3の方向の最大幅が互いに略同一であり、
    前記燃料極側部材には、複数の前記燃料極側供給連通流路が形成されており、前記複数の燃料極側供給連通流路は、前記燃料極への開口の前記第3の方向の最大幅が互いに略同一であり、
    前記複数の前記空気極側供給連通流路の少なくとも1つと前記複数の前記燃料極側供給連通流路の少なくとも1つとについて、前記空気極側仮想領域と、前記燃料極側仮想領域とは、少なくとも一部分が互いに重なっていることを特徴とする、燃料電池発電単位。
  4. 請求項2または請求項3に記載の燃料電池発電単位において、
    第2の割合(β)は1より小さいことを特徴とする、燃料電池発電単位。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃料電池発電単位において、
    前記第1の方向視で、
    前記空気極側供給ガス流路用孔と前記燃料極側供給ガス流路用孔とは、前記第3の方向に互いに異なる位置に配置されており、
    前記第3の方向において、前記空気極側仮想領域と前記燃料極側仮想領域とが互いに重なっている重複領域の中心位置は、前記空気極側供給ガス流路用孔の中心位置と前記燃料極側供給ガス流路用孔の中心位置との間に位置し、
    前記空気極側供給連通流路は、前記第1の内周面に向かうに連れて前記重複領域の中心位置に近づくように傾斜しており、
    前記燃料極側供給連通流路は、前記第3の内周面に向かうに連れて前記重複領域の中心位置に近づくように傾斜していることを特徴とする、燃料電池発電単位。
  6. 前記第1の方向に並べて配列された複数の燃料電池発電単位を備える燃料電池スタックにおいて、
    前記複数の燃料電池発電単位の少なくとも1つは、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の燃料電池発電単位であることを特徴とする、燃料電池スタック。
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