JP2019028201A - 広角レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】4群5枚のレンズ構成で、第2レンズの生産性の維持や、レンズ系全体の物像間距離の短縮化を図りつつ、広角化を図ることのできる広角レンズを提供すること。
【解決手段】広角レンズ100は、4群5枚のレンズ構成を有している。第2レンズ、第3レンズ30、第4レンズ40および第5レンズ50はプラスチックレンズであり、第4レンズ40と第5レンズ50とは接合レンズ60を構成している。第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の有効半径R22、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の中心から第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31の中心までの距離d23、レンズ系全体の焦点距離f0、および第3レンズ30の中心の厚さd3は、以下の条件を満たしている。
0.5<R22/d23<1.5
2.0<d3/f0<5.0
【選択図】図1
【解決手段】広角レンズ100は、4群5枚のレンズ構成を有している。第2レンズ、第3レンズ30、第4レンズ40および第5レンズ50はプラスチックレンズであり、第4レンズ40と第5レンズ50とは接合レンズ60を構成している。第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の有効半径R22、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の中心から第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31の中心までの距離d23、レンズ系全体の焦点距離f0、および第3レンズ30の中心の厚さd3は、以下の条件を満たしている。
0.5<R22/d23<1.5
2.0<d3/f0<5.0
【選択図】図1
Description
本発明は、各種撮像系に用いられる広角レンズに関するものである。
広角レンズとして、4群5枚のレンズ構成が提案されている(特許文献1、2参照)。特許文献1、2に記載の広角レンズは、物体側より順に配置された第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、絞り、第4レンズ、および第5レンズからなり、第1レンズは、像側のレンズ面が凹曲面である負レンズであり、第2レンズは、像側のレンズ面が凹曲面である負レンズであり、第3レンズは、像側のレンズ面が凸曲面である正レンズであり、第4レンズは、像側のレンズ面が凹曲面である負レンズである。第5レンズは、物体側のレンズ面および像側のレンズ面のいずれもが凸曲面である両凸レンズであり、第4レンズと接合レンズを構成している。
特許文献1、2に記載のレンズ構成では、さらなる広角化を図ろうとすると、絞りより物体側に位置する第2レンズや第3レンズに対する設計上の制約が過度に大きくなって、第2レンズの生産性や、レンズ系全体の物像間距離が犠牲になるという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、4群5枚のレンズ構成で、第2レンズの生産性の維持や、レンズ系全体の物像間距離の短縮化を図りつつ、広角化を図ることのできる広角レンズを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る広角レンズは、物体側より順に配置された第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、絞り、第4レンズ、および第5レンズからなり、前記第1レンズは、像側のレンズ面が凹曲面である負レンズであり、前記第2レンズは、像側のレンズ面が凹状の非球面である負レンズであり、前記第3レンズは、像側のレンズ面が凸曲面である正レンズであり、前記第4レンズは、像側のレンズ面が凹曲面である負レンズであり、前記第5レンズは、物体側のレンズ面および像側のレンズ面のいずれもが凸曲面である両凸レンズであり、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、および前記第5レンズは、プラスチックレンズであり、前記第4レンズおよび前記第5レンズは、前記第4レンズの像側のレンズ面と前記第5レンズの物体側のレンズ面とが接合された接合レンズを構成しており、
前記第2レンズの像側のレンズ面の有効半径をR22とし、前記第2レンズの像側のレンズ面の中心から前記第3レンズの物体側のレンズ面の中心までの距離をd23としたとき、有効半径R22および距離d23は、以下の条件式
0.5<R22/d23<1.5
を満たし、かつ
レンズ系全体の焦点距離をf0とし、前記第3レンズの中心の厚さをd3としたとき、レンズ全体の焦点距離f0、および厚さd3は、以下の条件式
2.0<d3/f0<5.0
を満たすことを特徴とする。
前記第2レンズの像側のレンズ面の有効半径をR22とし、前記第2レンズの像側のレンズ面の中心から前記第3レンズの物体側のレンズ面の中心までの距離をd23としたとき、有効半径R22および距離d23は、以下の条件式
0.5<R22/d23<1.5
を満たし、かつ
レンズ系全体の焦点距離をf0とし、前記第3レンズの中心の厚さをd3としたとき、レンズ全体の焦点距離f0、および厚さd3は、以下の条件式
2.0<d3/f0<5.0
を満たすことを特徴とする。
広角レンズにおいて、広角化を図る場合や、立体射影方式において周辺を大きく見せたい場合、絞りより物体側に位置する第2レンズの像側のレンズ面が、物体側に深く凹んだ凹部になるため、第2レンズを成形する際、金型内に樹脂を充填しにくくなり、成形時間が長くなる等、生産性が低下する。しかるに本発明では、R22/d23の値が0.5を超えるため、第2レンズの像側のレンズ面は、物体側への凹みが比較的浅い。このため、第2レンズの歩留まりや生産性の低下を抑制することができる。また、R22/d23の値が1.5未満であるため、倍率色収差の補正を行いやすい。また、d3/f0の値が2.0を超えるため、第1レンズおよび第2レンズで発生する倍率色収差と、かかる倍率色収差を補正する第3レンズの倍率色収差とのバランスを適正化しつつ、球面収差やコマ修正の補正することができる。また、d3/f0の値が5.0未満であり、第3レンズの厚さd3が薄いので、レンズ系全体の物像間距離を短くすることができる。
本発明において、前記第1レンズおよび前記第2レンズの合成焦点距離をf12とし、前記第3レンズ、前記第4レンズ、および前記第5レンズの合成焦点距離をf345としたとき、合成焦点距離f12、f345は、以下の条件式
−1<f12/f345<0
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、f12/f345の値が負であるため、温度変化による焦点距離のずれを抑えることができる。また、f12/f345の値が−1を超えるため、正のパワーが強くなりすぎることを抑制することができるので、コマ収差や非点収差を適正に補正することができる。さらに、f12/f345の値が0未満であるため、負のパワーが強くなりすぎることを抑制することができるので、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
−1<f12/f345<0
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、f12/f345の値が負であるため、温度変化による焦点距離のずれを抑えることができる。また、f12/f345の値が−1を超えるため、正のパワーが強くなりすぎることを抑制することができるので、コマ収差や非点収差を適正に補正することができる。さらに、f12/f345の値が0未満であるため、負のパワーが強くなりすぎることを抑制することができるので、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
本発明において、レンズ系全体の物像間距離をd0とし、レンズ系全体の焦点距離をf0としたとき、レンズ系全体の物像間距離d0、およびレンズ系全体の焦点距離f0は、以下の条件式
10<d0/f0<18
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、d0/f0の値が10を超えているので、球面収差や歪曲収差を適正に補正することができる。また、d0/f0の値が18未満であるので、レンズ径が大きくなりすぎることを抑制することができるとともに、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
10<d0/f0<18
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、d0/f0の値が10を超えているので、球面収差や歪曲収差を適正に補正することができる。また、d0/f0の値が18未満であるので、レンズ径が大きくなりすぎることを抑制することができるとともに、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
本発明において、前記第4レンズのアッベ数をν4とし、前記第5レンズのアッベ数をν5としたとき、アッベ数ν4、ν5は各々、以下の条件式
ν4≦30
50≦ν5
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、第5レンズのアッベ数ν5が大きいので、色収差を適正に補正することができる。
ν4≦30
50≦ν5
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、第5レンズのアッベ数ν5が大きいので、色収差を適正に補正することができる。
本発明において、前記第3レンズは、物体側のレンズ面が凹曲面である正メニスカスレンズであることが好ましい。かかる構成によれば、負のパワーを第3レンズの物体側のレンズ面に持たせることができるので、第2レンズに求められる負のパワーを軽減することができる。従って、第2レンズの像側のレンズ面は、物体側への凹みが比較的浅い。このため、第2レンズの歩留まりや生産性の低下を抑制することができる。
本発明において、入射角が90°のときの像高y90と90°との比をY90(=y90/(90×(π/180)))とし、入射角が50°のときの像高y50と50°との比をY50(=y50/(50×(π/180)))としたとき、比Y90、Y50は各々、以下の条件式
0.90<Y90<1.20
0.75<Y50<1.20
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、比Y90、Y50は各々、下限である0.90、0.75を超えているので、周辺を大きく見せる立体射影を実現でき、視覚性を向上することができる。また、比Y90、Y50は各々、上限である1.20未満であるので、各種収差を補正しやすく、良好な光学特性を得ることができる。
0.90<Y90<1.20
0.75<Y50<1.20
を満たすことが好ましい。かかる構成によれば、比Y90、Y50は各々、下限である0.90、0.75を超えているので、周辺を大きく見せる立体射影を実現でき、視覚性を向上することができる。また、比Y90、Y50は各々、上限である1.20未満であるので、各種収差を補正しやすく、良好な光学特性を得ることができる。
本発明に係る広角レンズでは、第2レンズの像側のレンズ面の有効半径をR22とし、第2レンズの像側のレンズ面の中心から第3レンズの物体側のレンズ面の中心までの距離をd23としたとき、R22/d23の値が0.5を超えるため、第2レンズの像側のレンズ面は、物体側への凹みが比較的浅い。このため、第2レンズの歩留まりや生産性の低下を抑制することができる。また、R22/d23の値が1.5未満であるため、倍率色収差の補正を行いやすい。また、レンズ系全体の焦点距離をf0とし、第3レンズの中心の厚さをd3としたとき、d3/f0の値が2.0を超えるため、第1レンズおよび第2レンズで発生する倍率色収差と、かかる倍率色収差を補正する第3レンズの倍率色収差とのバランスを適正化しつつ、球面収差やコマ修正の補正することができる。また、d3/f0の値が5.0未満であり、第3レンズの厚さd3が薄いので、レンズ系全体の物像間距離を短くすることができる。
本発明を適用した広角レンズ100として、実施例1、実施例2、および実施例3を説明する。
[実施例1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施例1に係る広角レンズ100の説明図である。図2は、図1に示す広角レンズ100の球面収差を示す説明図である。図3は、図1に示す広角レンズ100の倍率色収差を示す説明図であり、最大画角における倍率色収差を示してある。図4は、図1に示す広角レンズ100の非点収差およびディストーションを示す説明図である。
図5は、図1に示す広角レンズ100の横収差を示す説明図である。なお、図1には、面番号をかっこ内に示し、非球面には*を付してある。
(全体構成)
図1は、本発明の実施例1に係る広角レンズ100の説明図である。図2は、図1に示す広角レンズ100の球面収差を示す説明図である。図3は、図1に示す広角レンズ100の倍率色収差を示す説明図であり、最大画角における倍率色収差を示してある。図4は、図1に示す広角レンズ100の非点収差およびディストーションを示す説明図である。
図5は、図1に示す広角レンズ100の横収差を示す説明図である。なお、図1には、面番号をかっこ内に示し、非球面には*を付してある。
なお、図2、図3および図5には、赤色光R(波長668nm)、緑色光G(波長546nm)、および青色光B(波長473nm)における各収差を示してある。また、図4に示す非点収差に関しては、サジタル方向の特性にSを付し、タンジェンシャル方向の特性にTを付してある。また、図4に示すディストーションとは、撮像中央部と周辺部における像の変化比率を示し、ディストーションをあらわす数値の絶対値が小さいほど、高精度なレンズといえる。図5には、赤色光R、緑色光G、および青色光Bの各角度0.00deg、20.00deg、52.00deg、71.00deg、および91.00degにおける光軸に直交する2方向(y方向およびx方向)の横収差を纏めて示してある。
図1に示すように、本例の広角レンズ100は、物体側Laから像側Lbに向けて順に配置された第1レンズ10、第2レンズ20、遮光シート71、第3レンズ30、絞り72、第4レンズ40、および第5レンズ50からなり、第5レンズ50に対して像側Lbに平板状の赤外線フィルタ73、透光性のカバー74、および撮像素子75が順に配置されている。本例において、広角レンズ100の射影方式は、中心像よりも周辺像の方が大きくなる立体射影方式である。
本例の広角レンズ100の各レンズの構成等は、表1に示す通りであり、表1には、広角レンズ100の特性として以下の特性を示してある。
レンズ系全体の焦点距離f0(Effective Focal Length)
物像間距離(Total Track)
レンズ系全体のF値(Image Space)
最大画角(Max. Field Angle)
レンズ系全体の焦点距離f0(Effective Focal Length)
物像間距離(Total Track)
レンズ系全体のF値(Image Space)
最大画角(Max. Field Angle)
また、表1には、各面の以下の項目が示されている。
曲率半径(Radius)
厚さ(Thickness)
屈折率Nd
アッベ数νd
焦点距離fd
レンズ面の有効半径(Semi-Diameter)
曲率半径(Radius)
厚さ(Thickness)
屈折率Nd
アッベ数νd
焦点距離fd
レンズ面の有効半径(Semi-Diameter)
なお、曲率半径、厚さ、焦点距離、有効半径の単位はmmである。ここで、レンズ面が物体側Laに向けて突出した凸面あるいは物体側Laに向けて凹んだ凹面である場合には、曲率半径を正の値とし、レンズ面が像側Lbに向けて突出した凸面あるいは像側Lbに向けて凹んだ凹面である場合、曲率半径を負の値としてある。また、正レンズ(正のパワーを有するレンズ)の焦点距離を正の値とし、負レンズ(負のパワーを有するレンズ)の焦点距離を負の値としてある。
表2には、広角レンズ100に用いた非球面レンズの形状を下式(数1)で表した際の非球面係数A2、A4、A6、A8、A10、A12が示されている。下式においては、サグ量(光軸方向の軸)をz、光軸と垂直方向の高さ(光線高さ)をr、円錐係数をk、曲率半径の逆数をcとしてある。
表1に示すように、本例の広角レンズ100においては、レンズ系全体の焦点距離f0は0.848mmであり、物像間距離は12.673mmであり、レンズ系全体のF値は2.0であり、最大画角は206degである。
第1レンズ10は、像側Lbのレンズ面12(第2面(2))が凹曲面である負レンズである。本例において、第1レンズ10の物体側Laのレンズ面11(第1面(1))は凸曲面であり、第1レンズ10はメニスカスレンズである。第1レンズ10はガラスレンズであり、レンズ面11(第1面(1))およびレンズ面12(第2面(2))は球面である。第1レンズ10には、屈折率が1.805、かつ、アッベ数が46.503のレンズ材料が用いられており、焦点距離は−4.477mmである。
第2レンズ20は、像側Lbのレンズ面22(第4面(4))が凹曲面である負レンズである。本例において、第2レンズ20の物体側Laのレンズ面21(第3面(3))は凹曲面であり、第2レンズ20は、両凹レンズである。第2レンズ20は、アクリル樹脂系、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系等からなるプラスチックレンズであり、レンズ面21(第3面(3))およびレンズ面22(第4面(4))は、凹状の非球面である。第2レンズ20には、屈折率が1.512、かつ、アッベ数が56.303のレンズ材料が用いられており、焦点距離は−3.781mmである。
遮光シート71は、円環状のシートであり、物体側Laの面によって第5面(5)が構成され、像側Lbの面によって第6面(6)が構成されている。
第3レンズ30は、像側Lbのレンズ面32(第8面(8))が凸曲面である正レンズである。本例において、第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31(第7面(7))は凹曲面であり、第3レンズ30はメニスカスレンズである。第3レンズ30は、アクリル樹脂系、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系等からなるプラスチックレンズであり、レンズ面31(第7面(7))およびレンズ面32(第8面(8))は非球面である。第3レンズ30には、屈折率が1.636、かつ、アッベ数が23.972のレンズ材料が用いられており、焦点距離は2.909mmである。
絞り72の物体側Laの面によって第9面(9)が構成され、像側Lbの面によって第10面(10)が構成されている。
第4レンズ40は、像側Lbのレンズ面42が凹曲面である負レンズである。本例において、第4レンズ40の物体側Laのレンズ面41(第11面(11))は凸曲面であり、第4レンズ40はメニスカスレンズである。第4レンズ40は、アクリル樹脂系、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系等からなるプラスチックレンズであり、レンズ面41(第11面(11))およびレンズ面42は非球面である。第4レンズ40には、屈折率が1.636、かつ、アッベ数が23.972のレンズ材料が用いられている。
第5レンズ50は、物体側Laのレンズ面51および像側Lbのレンズ面52(第13面(13))のいずれもが凸曲面である両凸レンズである。第5レンズ50は、アクリル樹脂系、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系等からなるプラスチックレンズであり、レンズ面51およびレンズ面52(第13面(13))は非球面である。第5レンズ50には、屈折率が1.544、かつ、アッベ数が56.190のレンズ材料が用いられている。
ここで、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と、第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51とは、同一形状に形成されており、第4レンズ40と第5レンズ50とは、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51とが樹脂により接合された接合レンズ60を構成している。従って、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51との接合面を第12面(12)としてある。接合レンズ60の焦点距離は3.406mmである。本例において、樹脂材は、UV硬化型の接着剤である。接着剤は、硬化後も弾性を有する材質であることが好ましい。
なお、赤外線フィルタ73の物体側Laの面は第14面(14)を構成し、像側Lbの面は第15面(15)を構成している。カバー74の物体側Laの面は第16面(16)を構成している。カバー74の像側Lbの面は第17面(17)を構成しており、撮像素子75の撮像面は、第17面(17)に相当する。
図2〜図5に示すように、本例の広角レンズ100においては、球面収差、倍率色収差、非点収差(ディストーション)、および横収差が適正なレベルまで補正されている。
(条件式)
本例の広角レンズ100において、以下に説明する条件式(1)〜(8)に関連する各値を表3に示してある。本例の広角レンズ100は、以下の条件式(1)〜(8)を満たすため、図3〜図5に示すレンズ特性を有している。なお、表3には、後述する実施例2
および実施例3の各値も示してある。また、表3に示す値や以下に説明する値は、四捨五入による端数処理を行ってある。
本例の広角レンズ100において、以下に説明する条件式(1)〜(8)に関連する各値を表3に示してある。本例の広角レンズ100は、以下の条件式(1)〜(8)を満たすため、図3〜図5に示すレンズ特性を有している。なお、表3には、後述する実施例2
および実施例3の各値も示してある。また、表3に示す値や以下に説明する値は、四捨五入による端数処理を行ってある。
本例の広角レンズ100において、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の有効半径をR22とし、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の中心から第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31の中心までの距離をd23としたとき、有効半径R22および距離d23は、以下の条件式(1)
0.5<R22/d23<1.5・・・条件式(1)
を満たしている。より具体的には、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の有効半径R22は1.656mmであり、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の中心から第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31の中心までの距離d23は1.48mmである。従って、R22/d23の値は1.119であり、条件式(1)を満たしている。このように、本例では、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22は、物体側Laへの凹みが比較的浅いため、第2レンズ20の歩留まりや生産性の低下を抑制することができる。すなわち、広角化を図る場合や、立体射影方式において周辺を大きく見せたい場合、絞り72より物体側Laに位置する第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22は、物体側Laに深く凹んだ凹部になるため、第2レンズ20を成形する際、金型内に樹脂を充填しにくくなり、成形時間が長くなるが、本例では、かかる問題が発生しにくい。また、R22/d23の値が1.5未満であるため、倍率色収差の補正を行いやすい。
0.5<R22/d23<1.5・・・条件式(1)
を満たしている。より具体的には、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の有効半径R22は1.656mmであり、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の中心から第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31の中心までの距離d23は1.48mmである。従って、R22/d23の値は1.119であり、条件式(1)を満たしている。このように、本例では、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22は、物体側Laへの凹みが比較的浅いため、第2レンズ20の歩留まりや生産性の低下を抑制することができる。すなわち、広角化を図る場合や、立体射影方式において周辺を大きく見せたい場合、絞り72より物体側Laに位置する第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22は、物体側Laに深く凹んだ凹部になるため、第2レンズ20を成形する際、金型内に樹脂を充填しにくくなり、成形時間が長くなるが、本例では、かかる問題が発生しにくい。また、R22/d23の値が1.5未満であるため、倍率色収差の補正を行いやすい。
また、レンズ系全体の焦点距離をf0とし、第3レンズ30の中心の厚さをd3としたとき、レンズ全体の焦点距離f0、および厚さd3は、以下の条件式(2)
2.0<d3/f0<5.0・・・条件式(2)
を満たしている。より具体的には、レンズ全体の焦点距離f0は0.848mmであり、第3レンズ30の中心の厚さd3は3.000mmである。従って、d3/f0の値は3.539であり、条件式(2)を満たしている。このように本例では、d3/f0の値が2.0を超えるため、第1レンズ10および第2レンズ20で発生する倍率色収差と、かかる
倍率色収差を補正する第3レンズ30の倍率色収差とのバランスを適正化しつつ、球面収差やコマ修正の補正することができる。また、d3/f0の値が5.0未満であるため、第3レンズ30の厚さd3が厚くなることを抑制することができる。従って、レンズ系全体の物像間距離を短くすることができる。
2.0<d3/f0<5.0・・・条件式(2)
を満たしている。より具体的には、レンズ全体の焦点距離f0は0.848mmであり、第3レンズ30の中心の厚さd3は3.000mmである。従って、d3/f0の値は3.539であり、条件式(2)を満たしている。このように本例では、d3/f0の値が2.0を超えるため、第1レンズ10および第2レンズ20で発生する倍率色収差と、かかる
倍率色収差を補正する第3レンズ30の倍率色収差とのバランスを適正化しつつ、球面収差やコマ修正の補正することができる。また、d3/f0の値が5.0未満であるため、第3レンズ30の厚さd3が厚くなることを抑制することができる。従って、レンズ系全体の物像間距離を短くすることができる。
また、第1レンズ10および第2レンズ20の合成焦点距離をf12とし、第3レンズ30、第4レンズ40、および第5レンズ50の合成焦点距離をf345としたとき、合成焦点距離f12、f345は、以下の条件式(3)
−1<f12/f345<0・・・条件式(3)
を満たしている。より具体的には、合成焦点距離f12は−1.789mmであり、合成焦点距離f345は2.273mmである。従って、f12/f345の値は−0.787であり、条件式(3)を満たしている。このように本例では、f12/f345の値が負であるため、温度変化による焦点距離のずれを抑えることができる。また、f12/f345の値が−1を超えるため、正のパワーが強くなりすぎることを抑制することができるので、コマ収差や非点収差を適正に補正することができる。さらに、f12/f345の値が0未満であるため、負のパワーが強くなりすぎることを抑制することができる。従って、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
−1<f12/f345<0・・・条件式(3)
を満たしている。より具体的には、合成焦点距離f12は−1.789mmであり、合成焦点距離f345は2.273mmである。従って、f12/f345の値は−0.787であり、条件式(3)を満たしている。このように本例では、f12/f345の値が負であるため、温度変化による焦点距離のずれを抑えることができる。また、f12/f345の値が−1を超えるため、正のパワーが強くなりすぎることを抑制することができるので、コマ収差や非点収差を適正に補正することができる。さらに、f12/f345の値が0未満であるため、負のパワーが強くなりすぎることを抑制することができる。従って、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
また、レンズ系全体の物像間距離をd0とし、レンズ系全体の焦点距離をf0としたとき、レンズ系全体の物像間距離d0、およびレンズ系全体の焦点距離f0は、以下の条件式(4)
10<d0/f0<18・・・条件式(4)
を満たしている。より具体的には、物像間距離d0は12.673mmであり、レンズ系全体の焦点距離f0は0.848mmである。従って、d0/f0の値は14.949であり、条件式(4)を満たしている。このように本例では、d0/f0の値が10を超えているので、球面収差や歪曲収差を適正に補正することができる。また、d0/f0の値が18未満であるので、レンズ径が大きくなりすぎることを抑制することができるとともに、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
10<d0/f0<18・・・条件式(4)
を満たしている。より具体的には、物像間距離d0は12.673mmであり、レンズ系全体の焦点距離f0は0.848mmである。従って、d0/f0の値は14.949であり、条件式(4)を満たしている。このように本例では、d0/f0の値が10を超えているので、球面収差や歪曲収差を適正に補正することができる。また、d0/f0の値が18未満であるので、レンズ径が大きくなりすぎることを抑制することができるとともに、レンズ系全体の全長が長くなることを回避することができる。
また、第4レンズ40のアッベ数をν4とし、第5レンズ50のアッベ数をν5としたとき、アッベ数ν4、ν5は各々、以下の条件式(5)、(6)
ν4≦30・・・条件式(5)
50≦ν5・・・条件式(6)
を満たしている。より具体的には、アッベ数ν4は23.972であり、アッベ数ν5は56.190である。従って、アッベ数ν4、ν5は各々、条件式(5)、(6)を満たしている。それ故、第5レンズ50のアッベ数ν5が大きいので、色収差を適正に補正することができる。
ν4≦30・・・条件式(5)
50≦ν5・・・条件式(6)
を満たしている。より具体的には、アッベ数ν4は23.972であり、アッベ数ν5は56.190である。従って、アッベ数ν4、ν5は各々、条件式(5)、(6)を満たしている。それ故、第5レンズ50のアッベ数ν5が大きいので、色収差を適正に補正することができる。
また、入射角が90°のときの像高y90と90°との比をY90(=y90/(90×(π/180)))とし、入射角が50°のときの像高y50と50°との比をY50(=y50/(50×(π/180)))としたとき、比Y90、Y50は各々、以下の条件式(7)、(8)
0.90<Y90<1.20・・・条件式(7)
0.75<Y50<1.20・・・条件式(8)
を満たしている。より具体的には、入射角が90°のときの像高y90は1.598mmであり、入射角が50°のときの像高y50は0.788mmである。従って、比Y90の値は1.017であり、比Y50の値は0.903である。それ故、比Y90、Y50は各々、条件式(7)、(8)を満たしている。このように本例では、比Y90、Y50が各々、下限である0.90、0.75を超えているので、周辺を大きく見せる立体射影を実現でき、視覚性を向上することができる。また、比Y90、Y50は各々、上限である1.20未満である
ので、各種収差を補正しやすく、良好な光学特性を得ることができる。
0.90<Y90<1.20・・・条件式(7)
0.75<Y50<1.20・・・条件式(8)
を満たしている。より具体的には、入射角が90°のときの像高y90は1.598mmであり、入射角が50°のときの像高y50は0.788mmである。従って、比Y90の値は1.017であり、比Y50の値は0.903である。それ故、比Y90、Y50は各々、条件式(7)、(8)を満たしている。このように本例では、比Y90、Y50が各々、下限である0.90、0.75を超えているので、周辺を大きく見せる立体射影を実現でき、視覚性を向上することができる。また、比Y90、Y50は各々、上限である1.20未満である
ので、各種収差を補正しやすく、良好な光学特性を得ることができる。
さらに、本例において、第3レンズ30は、物体側Laのレンズ面31が凹曲面である正メニスカスレンズであるため、負のパワーを第3レンズ30の物体側のレンズ面31に持たせることができる。このため、第2レンズ20に求められる負のパワーを軽減することができる。それ故、第2レンズ20の像側のレンズ面22は、物体側への凹みが比較的浅い。このため、第2レンズ20の歩留まりや生産性の低下を抑制することができる。
[実施例2]
図6は、本発明の実施例2に係る広角レンズ100の説明図である。図7は、図6に示す広角レンズ100の球面収差を示す説明図である。図8は、図6に示す広角レンズ100の倍率色収差を示す説明図であり、最大画角における倍率色収差を示してある。図9は、図6に示す広角レンズ100の非点収差およびディストーションを示す説明図である。図10は、図6に示す広角レンズ100の横収差を示す説明図である。なお、本例の基本的な構成は、実施例1と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図6は、本発明の実施例2に係る広角レンズ100の説明図である。図7は、図6に示す広角レンズ100の球面収差を示す説明図である。図8は、図6に示す広角レンズ100の倍率色収差を示す説明図であり、最大画角における倍率色収差を示してある。図9は、図6に示す広角レンズ100の非点収差およびディストーションを示す説明図である。図10は、図6に示す広角レンズ100の横収差を示す説明図である。なお、本例の基本的な構成は、実施例1と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図6に示すように、本例の広角レンズ100も、実施例1と同様、物体側Laから像側Lbに向けて順に配置された第1レンズ10、第2レンズ20、遮光シート71、第3レンズ30、絞り72、第4レンズ40、および第5レンズ50からなり、第5レンズ50に対して像側Lbに平板状の赤外線フィルタ73、透光性のカバー74、および撮像素子75が順に配置されている。本例において、広角レンズ100の射影方式は、中心像よりも周辺像の方が大きくなる立体射影方式である。
本例の広角レンズ100の各レンズの構成等は、表4に示す通りであり、表5には、広角レンズ100に用いた非球面レンズの非球面係数A4、A6、A8が示されている。
表4に示すように、本例の広角レンズ100においては、レンズ系全体の焦点距離f0は0.853mmであり、物像間距離は12.601mmであり、レンズ系全体のF値は2.0であり、最大画角は206degである。
第1レンズ10は、像側Lbのレンズ面12(第2面(2))が凹曲面である負レンズである。本例において、第1レンズ10の物体側Laのレンズ面11(第1面(1))は凸曲面であり、第1レンズ10はメニスカスレンズである。第1レンズ10はガラスレンズであり、レンズ面11(第1面(1))およびレンズ面12(第2面(2))は球面である。第1レンズ10には、屈折率が1.773、かつ、アッベ数が49.624のレンズ材料が用いられており、焦点距離は−5.517mmである。
第2レンズ20は、像側Lbのレンズ面22(第4面(4))が凹曲面である負レンズである。本例において、第2レンズ20の物体側Laのレンズ面21(第3面(3))は凹曲面であり、第2レンズ20は、両凹レンズである。第2レンズ20はプラスチックレンズであり、レンズ面21(第3面(3))およびレンズ面22(第4面(4))は、凹状の非球面である。第2レンズ20には、屈折率が1.512、かつ、アッベ数が56.303のレンズ材料が用いられており、焦点距離は−3.781mmである。
第3レンズ30は、像側Lbのレンズ面32(第8面(8))が凸曲面である正レンズである。本例において、第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31(第7面(7))は凹曲面であり、第3レンズ30はメニスカスレンズである。第3レンズ30はプラスチックレンズであり、レンズ面31(第7面(7))およびレンズ面32(第8面(8))は非球面である。第3レンズ30には、屈折率が1.585、かつ、アッベ数が30.249のレンズ材料が用いられており、焦点距離は3.837mmである。
第4レンズ40は、像側Lbのレンズ面42が凹曲面である負レンズである。本例において、第4レンズ40の物体側Laのレンズ面41(第11面(11))は凸曲面であり、第4レンズ40はメニスカスレンズである。第4レンズ40はプラスチックレンズであり、レンズ面41(第11面(11))およびレンズ面42は非球面である。第4レンズ40には、屈折率が1.636、かつ、アッベ数が23.972のレンズ材料が用いられている。
第5レンズ50は、物体側Laのレンズ面51および像側Lbのレンズ面52(第13面(13))のいずれもが凸曲面である両凸レンズである。第5レンズ50はプラスチックレンズであり、レンズ面51およびレンズ面52(第13面(13))は非球面である。第5レンズ50には、屈折率が1.544、かつ、アッベ数が56.190のレンズ材料が用いられている。
ここで、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と、第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51とは、同一形状に形成されており、第4レンズ40と第5レンズ50とは、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51とが樹脂により接合された接合レンズ60を構成している。従って、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51との接合面を第12面(12)としてある。接合レンズ60の焦点距離は3.406mmである。
図7〜図10に示すように、本例の広角レンズ100においては、球面収差、倍率色収差、非点収差(ディストーション)、および横収差が適正なレベルまで補正されている。
本例の広角レンズ100において、実施例1で説明した条件式(1)〜(8)に関連する各値は表3に示されており、本例の広角レンズ100は、条件式(1)〜(8)を満たしている。従って、本例の広角レンズ100も実施例1と同様な効果を奏する。
より具体的には、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の有効半径R22は1.535mmであり、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の中心から第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31の中心までの距離d23は1.861mmである。従って、R22/d23の値は0.825であり、条件式(1)を満たしている。レンズ全体の焦点距離f0は0.853mmであり、第3レンズ30の中心の厚さd3は2.001mmである。従って、d3/f0の値は2.345であり、条件式(2)を満たしている。第1レンズ10および第2レンズ20の合成焦点距離f12は−1.707mmであり、第3レンズ30、第4レンズ40、および第5レンズ50の合成焦点距離f345は2.283mmである。従って、f12/f345の値は−0.748であり、条件式(3)を満たしている。レンズ系全体の物像間距離d0は12.601mmであり、レンズ系全体の焦点距離f0は0.848mmである。従って、d0/f0の値は14.772であり、条件式(4)を満たしている。第4レンズ40のアッベ数ν4は23.972であり、第5レンズ50のアッベ数ν5は56.190であるである。従って、条件式(5)、(6)を満たしている。入射角が90°のときの像高y90は1.67mmであり、入射角が50°のときの像高y50は0.832mmである。従って、入射角が90°のときの像高y90と90°との比Y90は1.063であり、入射角が50°のときの像高y50と50°との比Y50は0.953である。それ故、比Y90、Y50は各々、条件式(7)、(8)を満たしている。
また、本例においては、実施例1と同様、第3レンズ30は、物体側Laのレンズ面31が凹曲面である正メニスカスレンズであるため、負のパワーを第3レンズ30の物体側のレンズ面31に持たせることができる。このため、第2レンズ20に求められる負のパワーを軽減することができる。それ故、第2レンズ20の像側のレンズ面22は、物体側への凹みが比較的浅い。このため、第2レンズ20の歩留まりや生産性の低下を抑制することができる。
[実施例3]
図11は、本発明の実施例3に係る広角レンズ100の説明図である。図12は、図10に示す広角レンズ100の球面収差を示す説明図である。図13は、図10に示す広角レンズ100の倍率色収差を示す説明図であり、最大画角における倍率色収差を示してあ
る。図14は、図11に示す広角レンズ100の非点収差およびディストーションを示す説明図である。図15は、図11に示す広角レンズ100の横収差を示す説明図である。なお、本例の基本的な構成は、実施例1、2と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図11は、本発明の実施例3に係る広角レンズ100の説明図である。図12は、図10に示す広角レンズ100の球面収差を示す説明図である。図13は、図10に示す広角レンズ100の倍率色収差を示す説明図であり、最大画角における倍率色収差を示してあ
る。図14は、図11に示す広角レンズ100の非点収差およびディストーションを示す説明図である。図15は、図11に示す広角レンズ100の横収差を示す説明図である。なお、本例の基本的な構成は、実施例1、2と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図11に示すように、本例の広角レンズ100も、実施例1、2と同様、物体側Laから像側Lbに向けて順に配置された第1レンズ10、第2レンズ20、遮光シート71、第3レンズ30、絞り72、第4レンズ40、および第5レンズ50からなり、第5レンズ50に対して像側Lbに平板状の赤外線フィルタ73、透光性のカバー74、および撮像素子75が順に配置されている。本例において、広角レンズ100の射影方式は、中心像よりも周辺像の方が大きくなる立体射影方式である。
本例の広角レンズ100の各レンズの構成等は、表6に示す通りであり、表7には、広角レンズ100に用いた非球面レンズの非球面係数A4、A6、A8、A10、A12が示されている。
表6に示すように、本例の広角レンズ100においては、レンズ系全体の焦点距離f0は0.847mmであり、物像間距離は12.660mmであり、レンズ系全体のF値は2.0であり、最大画角は198degである。
第1レンズ10は、像側Lbのレンズ面12(第2面(2))が凹曲面である負レンズである。本例において、第1レンズ10の物体側Laのレンズ面11(第1面(1))は凸曲面であり、第1レンズ10はメニスカスレンズである。第1レンズ10はガラスレンズであり、レンズ面11(第1面(1))およびレンズ面12(第2面(2))は球面である。第1レンズ10には、屈折率が1.773、かつ、アッベ数が49.624のレンズ材料が用いられており、焦点距離は−5.517mmである。
第2レンズ20は、像側Lbのレンズ面22(第4面(4))が凹曲面である負レンズである。本例において、第2レンズ20の物体側Laのレンズ面21(第3面(3))は凸曲面であり、第2レンズ20は、メニスカスレンズである。第2レンズ20はプラスチックレンズであり、レンズ面21(第3面(3))およびレンズ面22(第4面(4))は非球面である。第2レンズ20には、屈折率が1.544、かつ、アッベ数が56.190のレンズ材料が用いられており、焦点距離は−1.998mmである。
第3レンズ30は、像側Lbのレンズ面32(第8面(8))が凸曲面である正レンズである。本例において、第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31(第7面(7))は、凸曲面であり、第3レンズ30は両凸レンズである。第3レンズ30はプラスチックレンズであり、レンズ面31(第7面(7))およびレンズ面32(第8面(8))は非球面である。第3レンズ30には、屈折率が1.636、かつ、アッベ数が23.972のレンズ材料が用いられており、焦点距離は2.494mmである。
第4レンズ40は、像側Lbのレンズ面42が凹曲面である負レンズである。本例において、第4レンズ40の物体側Laのレンズ面41(第11面(11))は凸曲面であり、第4レンズ40はメニスカスレンズである。第4レンズ40はプラスチックレンズであり、レンズ面41(第11面(11))およびレンズ面42は非球面である。第4レンズ40には、屈折率が1.636、かつ、アッベ数が23.972のレンズ材料が用いられている。
第5レンズ50は、物体側Laのレンズ面51および像側Lbのレンズ面52(第13面(13))のいずれもが凸曲面である両凸レンズである。第5レンズ50はプラスチックレンズであり、レンズ面51およびレンズ面52(第13面(13))は非球面である
。第5レンズ50には、屈折率が1.544、かつ、アッベ数が56.190のレンズ材料が用いられている。
。第5レンズ50には、屈折率が1.544、かつ、アッベ数が56.190のレンズ材料が用いられている。
ここで、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と、第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51とは、同一形状に形成されており、第4レンズ40と第5レンズ50とは、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51とが樹脂により接合された接合レンズ60を構成している。従って、第4レンズ40の像側Lbのレンズ面42と第5レンズ50の物体側Laのレンズ面51との接合面を第12面(12)としてある。接合レンズ60の焦点距離は3.406mmである。
図11〜図14に示すように、本例の広角レンズ100においては、球面収差、倍率色収差、非点収差(ディストーション)、および横収差が適正なレベルまで補正されている。
本例の広角レンズ100において、実施例1で説明した条件式(1)〜(8)に関連する各値は表3に示されており、本例の広角レンズ100は、条件式(1)〜(8)を満たしている。従って、本例の広角レンズ100も実施例1と同様な効果を奏する。
まず、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の有効半径R22は1.259mmであり、第2レンズ20の像側Lbのレンズ面22の中心から第3レンズ30の物体側Laのレンズ面31の中心までの距離d23は1.526mmである。従って、R22/d23の値は0.825であり、条件式(1)を満たしている。レンズ全体の焦点距離f0は0.847mmであり、第3レンズ30の中心の厚さd3は、2.570mmである。従って、d3/f0の値は3.033であり、条件式(2)を満たしている。第1レンズ10および第2レンズ20の合成焦点距離f12は−1.168mmであり、第3レンズ30、第4レンズ40、および第5レンズ50の合成焦点距離f345は2.730mmである。従って、f12/f345の値は−0.428であり、条件式(3)を満たしている。レンズ系全体の物像間距離d0は12.660mmであり、レンズ系全体の焦点距離f0は0.847mmである。従って、d0/f0の値は14.940であり、条件式(4)を満たしている。第4レンズ40のアッベ数ν4は23.972であり、第5レンズ50のアッベ数ν5は56.190である。従って、条件式(5)、(6)を満たしている。入射角が90°のときの像高y90は1.672mmであり、入射角が50°のときの像高y50は0.834mmである。従って、入射角が90°のときの像高y90と90°との比Y90は1.064であり、入射角が50°のときの像高y50と50°との比Y50は0.956である。それ故、比Y90、Y50は各々、条件式(7)、(8)を満たしている。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、第1レンズ10がガラスレンズであったが、プラスチックレンズであってもよい。この場合、第1レンズ10の像側Lbのレンズ面11を非球面とすることができる。
上記実施の形態では、第1レンズ10がガラスレンズであったが、プラスチックレンズであってもよい。この場合、第1レンズ10の像側Lbのレンズ面11を非球面とすることができる。
10…第1レンズ、20…第2レンズ、30…第3レンズ、40…第4レンズ、50…第5レンズ、60…接合レンズ、71…遮光シート、72…絞り、73…赤外線フィルタ、74…カバー、75…撮像素子
Claims (6)
- 物体側より順に配置された第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、絞り、第4レンズ、および第5レンズからなり、
前記第1レンズは、像側のレンズ面が凹曲面である負レンズであり、
前記第2レンズは、像側のレンズ面が凹状の非球面である負レンズであり、
前記第3レンズは、像側のレンズ面が凸曲面である正レンズであり、
前記第4レンズは、像側のレンズ面が凹曲面である負レンズであり、
前記第5レンズは、物体側のレンズ面および像側のレンズ面のいずれもが凸曲面である両凸レンズであり、
前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、および前記第5レンズは、プラスチックレンズであり、
前記第4レンズおよび前記第5レンズは、前記第4レンズの像側のレンズ面と前記第5レンズの物体側のレンズ面とが接合された接合レンズを構成しており、
前記第2レンズの像側のレンズ面の有効半径をR22とし、前記第2レンズの像側のレンズ面の中心から前記第3レンズの物体側のレンズ面の中心までの距離をd23としたとき、有効半径R22および距離d23は、以下の条件式
0.5<R22/d23<1.5
を満たし、かつ
レンズ系全体の焦点距離をf0とし、前記第3レンズの中心の厚さをd3としたとき、レンズ全体の焦点距離f0、および厚さd3は、以下の条件式
2.0<d3/f0<5.0
を満たすことを特徴とする広角レンズ。 - 前記第1レンズおよび前記第2レンズの合成焦点距離をf12とし、前記第3レンズ、前記第4レンズ、および前記第5レンズの合成焦点距離をf345としたとき、合成焦点距離f12、f345は、以下の条件式
−1<f12/f345<0
を満たすことを特徴とする請求項1に記載の広角レンズ。 - レンズ系全体の物像間距離をd0とし、レンズ系全体の焦点距離をf0としたとき、レンズ系全体の物像間距離d0、およびレンズ系全体の焦点距離f0は、以下の条件式
10<d0/f0<18
を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の広角レンズ。 - 前記第4レンズのアッベ数をν4とし、前記第5レンズのアッベ数をν5としたとき、アッベ数ν4、ν5は各々、以下の条件式
ν4≦30
50≦ν5
を満たすことを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載の広角レンズ。 - 前記第3レンズは、物体側のレンズ面が凹曲面である正メニスカスレンズであることを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載の広角レンズ。
- 入射角が90°のときの像高y90と90°との比をY90(=y90/(90×(π/180)))とし、入射角が50°のときの像高y50と50°との比をY50(=y50/(50×(π/180)))としたとき、比Y90、Y50は各々、以下の条件式
0.90<Y90<1.20
0.75<Y50<1.20
を満たすことを特徴とする請求項1から5までの何れか一項に記載の広角レンズ。
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