JP2019026907A - 腐食抑制剤及び腐食抑制剤の製造方法 - Google Patents

腐食抑制剤及び腐食抑制剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安全性が高く、取り扱い容易で、広い温度範囲で安定な水性エマルション状態を一定期間維持することができる腐食抑制剤の製造方法、及び腐食抑制剤を提供する。
【解決手段】下記(A)皮膜形成アミン、下記(B−1)低極性アミン、下記(B−2)高極性アミン、及び下記(C)界面活性剤を含有する腐食抑制剤、及びその製造方法。
(A):炭素数が10〜22の長鎖脂肪族アミンである皮膜形成アミン。
(B−1):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の低極性アミン。
(B−2):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の高極性アミン。
(C):HLB値が12〜16であって、一般式(II)で表される界面活性剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、特にボイラプラントや蒸気発生システム等の高温水系、蒸気復水系における金属の腐食抑制に有効な腐食抑制剤及びその製造方法に関する。
ボイラプラントや蒸気発生システム等の高温水系、蒸気復水系における、熱交換器や配管等を構成する金属の腐食は、プラントの停止を引き起こす重大な障害となるおそれがある。このような金属の腐食を防ぐ方法として、高温水系及び蒸気復水系の工業用水に腐食抑制剤を添加することが知られている。
上記工業用水を調整する腐食抑性剤の構成成分として、「皮膜形成アミン」を用いることが既に公知となっている。
近年、オクタデシルアミン、N−[(Z)−9−オクタデセニル]プロパン−1,3−ジアミン、オレイルアミン、ポリオキシエチレン牛脂プロピレンジアミン等の長鎖脂肪族アミンが、効果的な皮膜形成アミンとして挙げられている。
ところが、長鎖脂肪族アミンは非水溶性であり、水に均一に分散させることが困難である。皮膜形成アミンが安定溶解状態を維持できないと、皮膜形成アミンの変質や分離、防食効果を十分に発揮できなかったり、沈殿物がタンクや缶内に蓄積したり、ポンプ等で詰まりを起こすこともある。そこで、長鎖脂肪族アミンを腐食抑性剤に用いる方法として、可溶性塩に変えて水溶液にするか、シクロへキシルアミン、2−ジエチルアミノエタノール等の相溶性が高い中和性アミンに混合する方法がとられている。
例えば特許文献1では、皮膜形成脂肪酸ポリアミン、シクロへキシルアミン及びモノエタノールアミン等の中和性アミン、並びに界面活性剤を併用する、一箇所注入による脂肪酸モノアミンを含む腐食抑制組成物より、腐食抑制効果が増強することが開示されている。
また、例えば特許文献2では、皮膜形成脂肪酸モノアミン(オクタデシルアミン)と、2−アミノ−2−メチルプロパノール、モルホリン、及びモノイソプロパノールアミンの中和性アミンと、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステル2種の界面活性剤とを併用する腐食抑制剤が開示されている。特に該腐食抑制剤の調製方法としては、皮膜形成脂肪酸アミン、界面活性剤、及び中和性アミンを60℃〜70℃の製造釜に投入後、40〜60℃に保温しながら水を投入する1パッチ法が提案されている。
特開昭60−89583号公報 特許5092334号公報
特許文献1では、中和性アミンとして、シクロへキシルアミン、モノエタノールアミン等を使用している。しかしながら、シクロへキシルアミンは、揮発性アミンであり腐食抑制効果を有するが、使用濃度に係わらず毒物及び劇物取締法による規制対象物質に該当し、取り扱いには注意を要する。
特許文献2では、中和性アミンとして、2−アミノ−2−メチルプロパノール、モルホリン等を用いている。しかしながら、2−アミノ−2−メチルプロパノールは高価のため経済的に取り扱いにくい。
また皮膜形成アミン、中和性アミン及び界面活性剤が含まれる水性エマルションである腐食抑制剤は保存安定性が低く、温度変化の影響を受けやすいため長期的な保存は難しい。
しかし、皮膜性形成アミンに対して、一剤化、安定性についての検討が十分されていない。
そこで本発明は、安全性が高く、取り扱い容易で、広い温度範囲で安定な水性エマルション状態を一定期間維持することができる腐食抑制剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明を想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]下記(A)皮膜形成アミン、下記(B−1)低極性アミン、下記(B−2)高極性アミン、及び下記(C)界面活性剤を含有する腐食抑制剤。
(A):炭素数が10〜22の長鎖脂肪族アミンである皮膜形成アミン。
(B−1):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の低極性アミン。
(B−2):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の高極性アミン。
(C):HLB値が12〜16であって、下記一般式(II)で表される界面活性剤。
(一般式(II)中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、a及びbは平均重合度を示し且つaとbの和は1〜30である。)
[2]前記(B)中和性アミンが、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノエタノール、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、及びモノイソプロパノールアミンである[1]に記載の腐食抑制剤。
[3]前記(B−1)低極性アミンが3−メトキシプロピルアミンであり、前記(B−2)高極性アミンが2−(2−アミノエトキシ)エタノールである[1]に記載の腐食抑制剤。
[4]前記(A)皮膜形成アミンの含有量が0.3〜5.0質量%であり、前記(B−1)低極性アミン及び(B−2)高極性アミンの合計含有量が0.5〜40質量%であり、前記(C)界面活性剤の含有量が0.01〜2質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の腐食抑制剤。
[5]前記(A)皮膜形成アミンと、前記(B−1)低極性アミンと、前記(C)界面活性剤とを混合した後、水を添加し、次に前記(B−2)高極性アミンを添加する、腐食抑制剤の製造方法。
[6]前記[5]に記載の腐食抑制剤の製造方法で製造される腐食抑制剤。
本発明によれば、安全性が高く、取り扱い容易で、広い温度範囲で水性エマルション状態を一定期間維持することができるため、保存安定性に優れた腐食抑制剤及びその製造方法を提供することができる。
[腐食抑制剤]
本発明は、(A)皮膜形成アミン、(B−1)低極性アミン、(B−2)高極性アミン、及び(C)界面活性剤を含有する腐食抑制剤に係るものである。
((A)皮膜形成アミン)
(A)皮膜形成アミンは、炭素数が10〜22の長鎖脂肪族アミンであり、金属の表面に対し、水による腐食を抑制するための皮膜を形成するための成分である。
長鎖脂肪族基としては、飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられ、炭素数は、好ましくは15〜22である。この炭素数が10個未満の場合は、金属に対して皮膜を形成しにくくなるおそれがあり、腐食抑制機能が不十分になる。炭素数が22を超える場合は、腐食抑制剤のエマルジョンが破壊しやすくなり、保存安定性が損なわれるおそれがある。
(A)皮膜形成アミンは、好ましくは下記一般式(I)で表される。
−[NH−(CH−NH (I)
一般式(I)中、Rは炭素数10〜22の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、炭素数は好ましくは15〜22である。
一般式(I)中、mは1〜8を示す整数であり、腐食抑制効果の観点から、好ましくは2〜6である。mが複数ある場合、複数のmは同一でも異なってもよい。また、nは1〜7を示す整数であり、腐食抑制効果の観点から、好ましくは1〜3である。
(A)皮膜形成アミンとしては、例えば、N−[(Z)−9−オクタデセニル]プロパン−1,3−ジアミン、オレイルアミン、オクタデシルアミン、ポリオキシエチレン牛脂プロピレンジアミン等の動物性、植物性又は合成脂肪酸から作られたポリアミン等が挙げられ、腐食抑制効果の観点から、好ましくはN−[(Z)−9−オクタデセニル]プロパン−1,3−ジアミンである。
(A)皮膜形成アミンは、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の腐食抑制剤において、(A)皮膜形成アミンの含有量は、腐食抑制効果観点から、好ましくは0.3〜5.0質量%であり、より好ましくは1〜3.0質量%である。
((B)中和性アミン)
(B)中和性アミンは、水中のpHを調整して金属の腐食を抑制する成分である。
本発明において(B)中和性アミンとしては、ボイラ缶内や給復水系全システム範囲のpH調整をし、より効果的に腐食を抑制するために、揮発度の相違があるアミン2種類以上を選ぶ必要がある観点から、(B−1)低極性アミン及び(B−2)高極性アミンが用いられる。
なお、上記揮発度は蒸気相と液相との濃度の比により求めた値である。
(B−1)低極性アミンとは、炭素、水素等の低い極性(もしくは疎水性)の官能基で構成されるものであり、低沸点(180℃未満)であることを特徴とする。また、(B−1)低極性アミンは、(A)皮膜形成アミンとの相溶性が高いものである。
(B−2)高極性アミンとは、水酸基、カルボキシ基等の高い極性(もしくは親水性)の官能基が含まれるものである。
また、(B−1)低極性アミン及び(B−2)高極性アミンは、(B)中和性アミンから選ばれるものである。
(B)中和性アミンとしては、毒物及び劇物取締法による規制対象物質に該当しないものであればよい。すなわち、毒物及び劇物取締法による規制対象物質であるシクロヘキシルアミン等は、本発明における(B)中和性アミンから除かれる。
(B)中和性アミンとしては、例えば、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノエタノール、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、モノイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、モルホリン、ジエタノールアミン、及び2−アミノ−2−メチルプロパノール等の法規安全性向上の中和性アミンが挙げられる。
(B−1)低極性アミンとしては、例えば3−メトキシプロピルアミン(沸点:118℃)、3−エトキシプロピルアミン(沸点:130℃)、3−ジエチルアミノプロピルアミン(沸点:169℃)等が挙げられ、腐食抑制効果の観点から、好ましくは3−メトキシプロピルアミンである。
(B−2)高極性アミンとしては、例えば2−(2−アミノエトキシ)エタノール(沸点:223℃)、ジメチルアミノエタノール(沸点:135℃)、モノイソプロパノールアミン(沸点:159℃)等が挙げられ、腐食抑制効果の観点から、好ましくは2−(2−アミノエトキシ)エタノールである。
(B−1)低極性アミン及び(B−2)高極性アミンは、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の腐食抑制剤において、(B−1)低極性アミン及び(B−2)高極性アミンの合計含有量は、腐食抑制効果及び法規制の観点から、好ましくは0.5〜40質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。
また、(B−1)低極性アミン及び(B−2)高極性アミンの合計に対する(B−1)低極性アミンの含有量は、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜48質量%、より更に好ましくは15〜26質量%である。
((C)界面活性剤)
(C)界面活性剤は、長鎖脂肪族アミンを水系に分散させエマルション状態にする成分である。
本発明における(C)界面活性剤は、HLB(親水性親油性バランス)値が12〜16であり、好ましくは13〜15である。HLB値が12未満である場合、乳化分散能力が不十分となり、16を超える場合、エマルション状態の安定性が悪くなる。
なお本発明においてHLB値は、川上法〔HLB値=7+11.7log(親水性部分の分子量/親油基の分子量)〕で求めた値である。
また、(C)界面活性剤は、下記一般式(II)で表される。
一般式(II)中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示す。炭素数が10未満である場合、エマルション状態の安定性が悪くなり、18を超える場合、乳化分散能力が不十分となる。Rは、好ましくは炭素数12〜16のアルキル基である。
また一般式(II)中、a及びbは平均重合度を示し且つaとbの和は1〜30である。aとbの和が30を超える場合、親水性が高くなりすぎるため安定性不良となる。aとbの和は好ましくは10〜20である。
なお本発明において平均重合度は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算にて求めた値である。
(C)界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、好ましくはポリオキシエチレンアルキルアミンである。
(C)界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の腐食抑制剤において、(C)界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜2質量%である。0.01質量%以上であると、(A)皮膜形成アミンを水系に良好に分散させてエマルション状態にすることができる。2質量%以下であると、(C)界面活性剤の起泡が抑制され、また、分解によって腐食性物質である低級酸が発生することが防止される。
当該観点から、本発明の腐食抑制剤において、(C)界面活性剤の含有量は、より好ましくは0.03〜1.0質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(添加剤)
本発明の腐食抑制剤は、前述の(A)〜(C)及び水以外に、必要に応じて腐食抑制剤の慣用成分やその他の補助添加成分を任意に含有することができる。このような任意添加剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びグリセリン等の可溶化剤、金属イオン封鎖剤、及び凍結防止剤等が挙げられる。
腐食抑制剤中における、前述の(A)〜(C)及び水の合計は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
また、腐食抑制剤の固形分中における、前述の(A)〜(C)の合計は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
[腐食抑制剤の製造方法]
また本発明は、(A)皮膜形成アミンと、(B−1)低極性アミンと、(C)界面活性剤とを混合した後、水を添加し、次に(B−2)高極性アミンを添加する腐食抑制剤の製造方法を提供する。
上述した各成分の混合順番に特に制限はないが、上記のような順番で各成分を添加することによって、エマルション状態の安定性がより高くなり、保存安定性に顕著に優れた腐食抑制剤とすることができる。これは、上記添加順序によってエマルション粒子径が小さく且つ安定性が優れたものになるからである。
好ましくは、(A)皮膜形成アミンと、(B−1)低極性アミンと、(C)界面活性剤とを製造釜に入れて30℃〜60℃未満程度で撹拌して混合し、その後混合液に水をゆっくり投入しエマルション状態として、最後に(B−2)高極性アミンを添加することである。これにより、保存安定性が高い水性エマルションが形成できる。
より好ましくは、投入する水を30℃〜60℃に加熱して投入することである。また、混合液を加熱して30℃〜60℃を維持することがより好ましい。
攪拌速度は、エマルション状態とすることができる速度であればよいが、通常は100〜1000rpm程度である。
また、本発明の腐食抑制剤の製造方法は、1パッチで混合することによって水性エマルションまで調製することができるが、(A)皮膜形成アミン、(B−1)低極性アミン、及び(C)界面活性剤を混合したものと一部の純水とで濃縮エマルションを調製し、残りの純水で(B−2)高極性アミンを上記濃縮エマルションに別途混合しても良い。
[腐食抑制剤の使用方法]
本発明の腐食抑制剤の添加量としては、供給水又は蒸気に対して通常1〜50mg/Lとなるように、連続的又は間欠的に添加することが好ましい。また、脱酸素剤や、スケール防止剤等のその他の水処理剤と併用することもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各実施例及び比較例において用いた成分は次のとおりである。
(A)皮膜形成アミン
・N−[(Z)−9−オクタデセニル]プロパン−1,3−ジアミン
(B)中和性アミン
・3−メトキシプロピルアミン〔(B−1)低極性アミン〕
・2−(2−アミノエトキシ)エタノール〔(B−2)高極性アミン〕
・3−エトキシプロピルアミン〔(B−1)低極性アミン〕
・ジメチルアミノエタノール〔(B−2)高極性アミン〕
・3−ジエチルアミノプロピルアミン〔(B−1)低極性アミン〕
・シクロヘキシルアミン(参考)〔低極性アミン〕
(C)界面活性剤
・ポリオキシエチレンアルキルアミン〔一般式(II)のRが炭素数13のアルキル基、a+bが15;HLB値が14〕
・ポリオキシエチレンアルキルアミン(比較)〔一般式(II)のRが炭素数13のアルキル基、a+bが5;HLB値が6〕
・ポリオシキエチレンアルキルジアミン(比較)〔アルキル基の炭素数が13、(CHCHO)基の合計の平均重合度が15;HLB値が14〕
・ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(比較)〔HLB値が13〕
・ポリオキシエチレン2エチルヘキシルエーテル(比較)〔HLB値が14〕
・ポリオキシエチレンモノオレート(比較)〔HLB値が12〕
・ポリオキシエチレンモノオレート(比較)〔HLB値が14〕
[実施例1〜3]
表1に示す組成に従って、(A)皮膜形成アミンと、(B−1)低極性アミンと、(C)界面活性剤成分とを混合し、40℃程度に加温し撹拌して均一の混合液を得た。次に、蒸留水(0.8L)をゆっくり混合液へ30分かけて滴下しながら撹拌し(500rpm)、水性エマルション状態とした。最後に25℃〜40℃の温度範囲で残りの(B−2)高極性アミンを投入し、腐食抑制剤を得た。
[実施例4]
表1に示す組成に従って、(A)皮膜形成アミンと、(B−2)高極性アミンと、(C)界面活性剤成分とを混合し、40℃程度に加温し撹拌して均一の混合液を得た。次に、蒸留水(0.8L)をゆっくり混合液へ30分かけて滴下しながら撹拌し(500rpm)、水性エマルション状態とした。最後に25℃〜40℃の温度範囲で残りの(B−1)低極性アミン成分を投入し、腐食抑制剤を得た。
[実施例5]
表1に示す組成に従って、(A)皮膜形成アミンと、(B)中和性アミンと、(C)界面活性剤成分とを混合し、40℃程度加温し撹拌して均一の混合液を得た。次に、蒸留水(0.8L)をゆっくり混合液へ30分かけて滴下しながら撹拌し(500rpm)、水性エマルション状態とし、腐食抑制剤を得た。
なお、上記(B)中和性アミンとして、(B−1)低極性アミン、(B−2)高極性アミンの順で一遍に混合した。
[比較例1、2、及び5〜8]
実施例1において、表1に示す組成に従って(C)界面活性剤を、(比較)となるその他の界面活性剤としたこと以外は同様に行った。
[比較例3及び4]
実施例5において、(B)中和性アミンとして、表1に示す(B−1)低極性アミン又は(B−2)高極性アミンの1種のみを使用したこと以外は同様に行った。
[参考例1]
実施例1において、(B−1)及び(B−2)の代わりに極性が低い(皮膜形成アミンとの相互溶解性が高い)シクロへキシルアミンを使用し、且つ(C)界面活性剤を使用しなかったこと以外は同様に行った。
[参考例2〜6]
実施例1において、(B−1)及び(B−2)の代わりに極性が低い(皮膜形成アミンとの相互溶解性が高い)シクロへキシルアミンを使用し、且つ表1に示す組成に従って(C)界面活性剤を使用したこと以外は同様に行った。
[評価]
(1)保存安定性
実施例及び比較例においてそれぞれ得られた腐食抑制剤について、保存安定性を評価した。−5℃、25℃(室温)及び40℃の温度環境下において、上記腐食抑制剤をそれぞれ1ヶ月間静置し、その後の分散状態(乳化安定性)を目視により評価した。評価の基準は次の通りである。結果を表1に示す。
○:均一な透明ないし白濁色の安定な乳化状態。
△:若干の浮遊物が観察される、やや不安定な乳化状態。
×:二層に分けられる程度の不安定な乳化状態、もしくは高温条件における乳化破壊。
表1において、実施例1〜5と参考例2との対比から、本発明の腐食抑制剤は従来技術で用いられていたシクロヘキシルアミンを含有する腐食抑制剤と、同等若しくはそれ以上の保存安定性を発現することができる。しかしながら、シクロヘキシルアミンは毒物及び劇物取締法による規制対象物質であるのに対し、本発明で特定した(B)中和性アミンは上記規制対象物質ではないため、実施例1〜5における腐食抑制剤は安全性が高いものである。
また、シクロヘキシルアミンは(C)界面活性剤と共に用いない場合(参考例1)あるいは各種界面活性剤と共に用いた場合(参考例2〜6)であっても、得られた腐食抑制剤の保存安定性がそれほど変わらない。これに対し、実施例1〜5と比較例1,2,5〜8との対比から、本発明において特定した(B)中和性アミンと(C)界面活性剤の組合せであれば、腐食抑制剤について優れた保存安定性を発現できることが分かる。更に、実施例1〜5と比較例3,4との対比から、(B)中和性アミンとして、(B−1)及び(B−2)を併用することにより、腐食抑制剤について優れた保存安定性を発現できることが分かる。
また、実施例1〜3から、特定の順番で各成分を混合することによって、顕著に優れた保存安定性を有する腐食抑制剤が得られることが分かる。なお、実施例4及び5で得られた腐食抑制剤は、やや不安定な乳化状態となっても攪拌等の外部物理作用によってエマルションの均一性を回復させることができた。
(2)腐食抑制効果
実施例1〜3で調製された腐食抑制剤について、以下のようにして、テストボイラを用いた蒸気復水系の腐食抑制効果を評価し、結果を表2に示した。
圧力1MPaの蒸気発生器に軟化水を供給して連続運転し、蒸気凝縮水中に軟鋼製のテストピースを浸漬し、48時間経過後の腐食速度を調べた。蒸気発生器には脱酸素剤の添加を併せて行い、溶存酸素濃度1mg/L以下に調整した。蒸気凝縮水の温度は約40℃に保持した。軟化水は野木町水を処理したもので平均的な酸消費量(pH4.8)は40mg−CaCO/Lであった。各腐食抑制剤の添加量は100mg/L−給水とした。
なお、腐食抑制剤を添加しない場合の腐食速度をブランクとして表2に記載した。

Claims (6)

  1. 下記(A)皮膜形成アミン、下記(B−1)低極性アミン、下記(B−2)高極性アミン、及び下記(C)界面活性剤を含有する腐食抑制剤。
    (A):炭素数が10〜22の長鎖脂肪族アミンである皮膜形成アミン。
    (B−1):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の低極性アミン。
    (B−2):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の高極性アミン。
    (C):HLB値が12〜16であって、下記一般式(II)で表される界面活性剤。

    (一般式(II)中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、a及びbは平均重合度を示し且つaとbの和は1〜30である。)
  2. 前記(B)中和性アミンが、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノエタノール、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、及びモノイソプロパノールアミンである請求項1に記載の腐食抑制剤。
  3. 前記(B−1)低極性アミンが3−メトキシプロピルアミンであり、前記(B−2)高極性アミンが2−(2−アミノエトキシ)エタノールである請求項1に記載の腐食抑制剤。
  4. 前記(A)皮膜形成アミンの含有量が0.3〜5.0質量%であり、前記(B−1)低極性アミン及び(B−2)高極性アミンの合計含有量が0.5〜40質量%であり、前記(C)界面活性剤の含有量が0.01〜2質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の腐食抑制剤。
  5. 下記(A)皮膜形成アミンと、下記(B−1)低極性アミンと、下記(C)界面活性剤とを混合した後、水を添加し、次に下記(B−2)高極性アミンを添加する、腐食抑制剤の製造方法。
    (A):炭素数が10〜22の長鎖脂肪族アミンである皮膜形成アミン。
    (B−1):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の低極性アミン。
    (B−2):(B)中和性アミンから選ばれる1種又は2種以上の高極性アミン。
    (C):HLB値が12〜16であって、下記一般式(II)で表される界面活性剤。

    (一般式(II)中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、a及びbは平均重合度を示し且つaとbの和は1〜30である。)
  6. 前記請求項5に記載の腐食抑制剤の製造方法で製造される腐食抑制剤。
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