JP2019023705A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Kenji Kajiwara
賢志 梶原
額田 克己
Katsumi Nukada
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山田 渉
Wataru Yamada
渉 山田
廣瀬 英一
Eiichi Hirose
英一 廣瀬
侑子 岩舘
Yuko Iwadate
侑子 岩舘
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Abstract

【課題】画像の濃度ムラの発生が抑制される画像形成装置を提供する。
【解決手段】特定の連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物を含む最表面層を有する感光体7と、感光体の表面を帯電させる接触式の第2帯電手段10と、前記第2帯電手段により帯電された感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成する露光手段9と、前記静電潜像をトナーにより顕像化して感光体上にトナー像を形成する現像手段11と、前記感光体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段13と、前記第2帯電手段と前記クリーニング手段との間に位置し、感光体の表面を帯電させる接触式の第1帯電手段8と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、一般的には次のような構成、およびプロセスを有する。即ち、電子写真感光体表面を帯電装置で定められた極性および電位に帯電させ、帯電後の電子写真感光体の表面を、像露光により選択的に除電することにより静電潜像を形成させた後、現像手段で該静電潜像にトナーを付着させることにより、潜像をトナー像として現像し、トナー像を転写手段で被転写媒体に転写させることにより、画像形成物として排出させる。
近年、電子写真感光体は、高速かつ高印字品質が得られるという利点を有することから、複写機及びレーザービームプリンター等の分野においての利用が多くなってきている。
これら画像形成装置において用いられる電子写真感光体としては、従来からのセレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム等無機光導電材料を用いた電子写真感光体(無機感光体)が知られており、近年では、安価で製造性及び廃棄性の点で優れた利点を有する有機光導電材料を用いた有機感光体(有機感光体)が主流を占めるようになってきている。
従来、電子写真感光体の表面に保護層を設けて感光体の強度を向上させることが提案されている。
保護層を有する感光体としては、例えば、特許文献1〜20に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、「導電性支持体上に感光層を有し、該感光層上に保護層を有する電子写真感光体において、該保護層の体積抵抗率が1010〜1015Ω・cmであり、該保護層が導電性粒子及び結着樹脂を含有し、該導電性粒子の一次粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmであり、該導電性粒子が母体粒子、及び該母体粒子表面上の導電性物質を含有する被覆層を有し、該母体粒子が硫酸バリウムであり、該被覆層の膜厚が0.002〜0.1μmであり、該結着樹脂が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、シリコン樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド酸樹脂、及び、それらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であり、該導電性粒子の屈折率と該結着樹脂の屈折率の差が0.3以下であることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている
特許文献2には、「支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が、特定の置換基を有する電荷輸送化合物を硬化させることによって得られる樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている
特許文献3には、「支持体上に感光層および保護層を有する電子写真感光体において、該保護層が硬化性フェノール樹脂を含有し、かつ、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基および置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基からなる群より選択される基の少なくとも1つを有する電荷輸送物質を含有することを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献4には、「正帯電で機能しうる電子写真感光体において、その表面に特定の化合物を成分として含む硬化被膜を含有する保護層を有してなる正帯電型電子写真感光体」が開示されている。
特許文献5には、「導電性基体上に感光層を設けてなる電子写真感光体において、前記感光層が少なくとも電荷移動層(I),電荷発生層,電荷移動層(II)がこの順に前記基体上に積層されてなり、電荷移動層(I)が正孔移動能を有する電荷移動物質を含む層であり、電荷移動層(II)がドーピング処理されたアミノ樹脂硬化物を含み電子移動能を有する層であることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献6には、「特定の構造を有することを特徴とする電子写真感光体用添加物。」が開示されている。
特許文献7には、「導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発生層および保護層を順に積層してなる電子写真感光体において、該保護層が光硬化型アクリル系モノマーを含有する液を塗布し硬化した膜であり、かつ該電荷発生層が特定の化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体」が開示されている。
特許文献8には、「導電性支持体上に電荷発生層、電荷移動層を順次積層した電子写真感光体において、電荷移動層に、炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素−炭素二重結合と熱、あるいは光のエネルギーによって反応させることにより電荷移動層を形成したことを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献9には、「導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が特定の正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献10には、「導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の重合体、および潤滑材を含有することを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献11には、「特定の構造単位の少なくとも1つを含む繰り返し単位を少なくとも1種有する高分子化合物を含有する電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献12には、「支持体上に感光層あるいは感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、該感光層あるいは保護層の少なくとも一つの層が放射線を照射されることにより形成され、かつ該放射線照射後に加熱されることによって形成された層であることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献13には、「導電性支持体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層に特定の炭素−炭素の重合性二重結合をもつ電荷移動性単量体の1種あるいは2種以上とバインダー樹脂を含有させ、熱あるいは光のエネルギーにより該電荷移動性単量体を重合させたことを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献14には、「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋層からなり、該架橋表面層の弾性変位率τeが35%以上であり、且つ、該弾性変位率τeの標準偏差が2%以内であることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献15には、「導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が特定の正孔輸送性化合物を熱又は紫外線によって重合した化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献16には、「導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が1つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有し、かつ該電子写真感光体と可撓性の帯電部材とのニップ部に導電性を有する帯電促進粒子を介在させることにより注入帯電されることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献17には、「導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第一電荷輸送層及び第二電荷輸送層をこの順に有し、前記第二電荷輸送層が最表面層である電子写真感光体において、前記第二電荷輸送層は、特定の硬化性電荷輸送化合物及び電荷輸送性を有さない硬化性化合物を重合及び架橋のいずれか一方又は両方を行うことによって得られる化合物を含有し、かつ前記第二電荷輸送層中に含有される電荷輸送成分が、特定の条件を満たすことを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献18には、「導電性支持体と、この導電性支持体上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層は、前記電子写真感光体の表面を形成し、単一の層で構成されるか、又は積み重ねられた複数の層で構成され、単一の層で構成される前記感光層、又は複数の層で構成される前記感光層のうちの前記電子写真感光体の表面を形成する層は、連鎖重合性官能基を1つ以上有する第1の電荷輸送性化合物と、同第1の電荷輸送性化合物に対し5.0〜45.0wt%の量の連鎖重合性官能基を有さない第2の電荷輸送性化合物とを含有し、前記第1の電荷輸送性化合物は、前記単一の層で構成される感光層又は前記電子写真感光体の表面を形成する層中において重合されていることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献19には、「導電性支持体と、この導電性支持体上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層は、前記電子写真感光体の表面を形成し、単一の層で構成されるか、又は積み重ねられた複数の層で構成され、単一の層で構成される前記感光層、又は複数の層で構成される前記感光層のうちの前記電子写真感光体の表面を形成する層は、少なくともアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する第一の電荷輸送性化合物と、水酸基を有する第二の電荷輸送性化合物とを含む混合物中の、少なくとも前記第一の電荷輸送性化合物の重合及び架橋のいずれか一方又は両方を行うことによって得られる硬化物で形成され、前記混合物は、前記第二の電荷輸送性化合物を前記第一の電荷輸送性化合物に対して0.01〜5.0質量%含有することを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特許文献20には、「導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層が順次積層され、電荷輸送層が低分子電荷輸送材料と結着樹脂を主成分とし、架橋型電荷輸送層が電荷輸送性ラジカル重合性モノマーと非電荷輸送性多官能ラジカル重合性モノマーとの硬化物を主成分とした電子写真感光体において、該架橋型電荷輸送層中にさらに電荷輸送層と同じ低分子電荷輸送材料を含有させることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
また、画像形成装置として、下記文献に記載の装置が提案されている。
特許文献21には「無端状に回転する有機感光体と、該有機感光体の周囲に少なくとも帯電手段を有する画像形成装置において、前記有機感光体は、支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、および架橋型電荷輸送層からなる感光層を設け、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されたものであり、前記帯電手段は、前記有機感光体の回転方向における上流側に設けた副帯電器と、該副帯電器の直ぐ下流側に設けた主帯電器とからなり、該副帯電器は、前記有機感光体面の所望の帯電電位より低い電位に帯電可能に構成され、画像形成時における前記有機感光体の1周目に、該副帯電器により該有機感光体面を帯電した後に、前記主帯電器にて該有機感光体面を帯電するとともに前記所望の帯電電位になるように調整することを特徴とする画像形成装置。」が開示されている。
特許文献22には、「導電性基体上にシリコン原子を母体とする非晶質材料で構成された光導電層及び表面層を有する電子写真感光体の表面を帯電させる主帯電工程と、その後、前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、その後、前記静電潜像を除電する第1除電工程と、その後、前記電子写真感光体の表面を帯電させる副帯電工程と、前記電子写真感光体の表面の除電を行う第2除電工程と、を順次繰り返すことで電子写真を形成する電子写真の形成方法であって、前記第2除電工程で除電された前記電子写真感光体の表面の電位が、前記第1除電工程で除電された前記電子写真感光体の表面の電位より高いことを特徴とする電子写真の形成方法。」が開示されている。
特許第3287678号公報 特開平12−019749号公報 特開2002−82469号公報 特開昭62−251757号公報 特開平7−146564号公報 特開2006−84711号公報 特開平5−40360号公報 特開平5−216249号公報 特開2000−206715号公報 特開2001−166509号公報 特許第2852464号公報 特開2004−12986号公報 特開平7−72640号公報 特開2004−302450号公報 特開2000−206717号公報 特開2001−175016号公報 特開2007−86522号公報 特開2005−62301号公報 特開2005−62302号公報 特開2006−138956号公報 特許第4598650号公報 特開2009−192697号公報
例えば、電子写真感光体の表面に保護層を設けて強度を向上させた場合、トナーが感光体の表面に残留しやすくなり、クリーニング手段を有する装置に用いた場合であっても、除去しきれない残留トナーが発生する場合があった。
このような残留トナーにより、帯電ローラ等の接触式の帯電手段が汚れ、感光体表面の帯電が不均一となる結果、得られる画像に濃度ムラ等の画像欠陥が発生する場合があった。
本発明は、第1帯電手段を有しない場合と比較して、得られる画像の濃度ムラの発生が抑制される画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。すなわち、
請求項1に係る発明は、下記の通りである。
下記一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物を含む最表面層を有する感光体と、
感光体の表面を帯電させる接触式の第2帯電手段と、
前記第2帯電手段により帯電された感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像をトナーにより顕像化して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、
前記感光体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段と、
前記第2帯電手段と前記クリーニング手段との間に位置し、感光体の表面を帯電させる接触式の第1帯電手段と、を有する
画像形成装置。
F−[(Xn2−(Rn3−(Zn4G]n5 (I)
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるn5価の有機基を示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、−NH−又は−C(=O)O−を示し、Gはエポキシ基又はグリシジル基を示し、ただし、n4が1であり、かつ、Z2が酸素原子、硫黄原子、又は、−NH−の場合には、Gはグリシジル基を示し、n2、n3及びn4はそれぞれ独立に0又は1を示し、n5は1以上4以下の整数を示す。
F[−D−Si(R(3−a) (II)
一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるb価の有機基を示し、Dは2価の基を示し、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Qは加水分解性基を示し、aは1以上3以下の整数を示し、bは1以上4以下の整数を示す。
一般式(III)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn6価の有機基を示し、Tは2価の基を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、m2は0又は1を示し、n6は1以上4以下の整数を示し、RとRは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。
一般式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn7価の有機基を示し、Tは2価の基を示し、Rは1価の有機基を示し、m3は0又は1を示し、n7は1以上4以下の整数を示す。
一般式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn8価の有機基を示し
、Lはアルキレン基を示し、Rは1価の有機基を示し、n8は1以上4以下の整数を示
す。
一般式(VI)中、Fは、電荷輸送性骨格を示し、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む2価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、mは1以上8以下の整数を示す。
一般式(VII)中、Fは、電荷輸送性骨格を示し、L’は、アルカン若しくはアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む(n+1)価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、m’は、1以上6以下の整数を示し、nは、2以上3以下の整数を示す。
請求項2に係る発明は、下記の通りである。
前記一般式(VI)で示される連鎖重合性化合物が、下記一般式(VI−a)、下記一般式(VI−b)、下記一般式(VI−c)、及び下記一般式(VI−d)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の連鎖重合性化合物である請求項1に記載の画像形成装置。
一般式(VI−a)中、Ara1〜Ara4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Ara5及びAra6は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Xaは、アルキレン基、−O−、−S−、及びエステルから選ばれる基を組み合わせてなる2価の連結基を示し、Daは、下記一般式(VIA−a)で示される基を示し、ac1〜ac4は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、Daの総数は1又は2である。
一般式(VIA−a)中、Lは、*−(CHan−O−CH−で示され、*にてAra1〜Ara4で示される基に連結する2価の連結基を示し、anは、1又は2の整数を示す。
一般式(VI−b)中、Arb1〜Arb4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Arb5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dbは、下記一般式(VIA−b)で示される基を示し、bc1〜bc5は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、bkは、0又は1を示し、但し、Dbの総数は、1又は2である。
一般式(VIA−b)中、Lは、*−(CHbn−O−で示される基を含み、*にてArb1〜Arb5で示される基に連結する2価の連結基を示し、bnは、3以上6以下の整数を示す。
一般式(VI−c)中、Arc1〜Arc4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Arc5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dcは、下記一般式(VIA−c)で示される基を示し、cc1〜cc5は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、ckは、0又は1を示し、Dcの総数は、1以上8以下である。
一般式(VIA−c)中、Lは、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び、−C(=O)−と−O−、−N(R)−又は−S−とを組み合わせた基からなる群より選択される1つ以上の基を含む2価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
一般式(VI−d)中、Ard1〜Ard4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Ard5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Ddは、下記一般式(VIA−d)で示される基を示し、dc1〜dc5は,それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、dkは、0又は1を示し、但し、Ddの総数は、3以上8以下である。

一般式(VIA−d)中、Lは、*−(CHdn−O−で示される基を含み、*にてArd1〜Ard5で示される基に連結する2価の連結基を示し、dnは、1以上6以下の整数を示す。
請求項3に係る発明は、下記の通りである。
前記一般式(VIA−c)で示される基が、下記一般式(VIA−c1)で示される基である請求項2に記載の画像形成装置。
一般式(VIA−c1)中、cp1は0以上4以下の整数を示す。
請求項4に係る発明は、下記の通りである。
前記一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物が、下記一般式(VII−a)で示される連鎖重合性化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
一般式(VII−a)中、Ark1〜Ark4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Ark5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dkは、下記一般式(VIIA−a)で示される基を示し、kc1〜kc5は,それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、kkは、0又は1を示し、Dkの総数は、1以上8以下である。
一般式(VIIA−a)中、Lは、アルカン若しくはアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む(kn+1)価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、knは、2以上3以下の整数を示す。
請求項5に係る発明は、下記の通りである。
前記一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物のFで示される電荷輸送性骨格に連結する基が、下記一般式(VIIA−a1)又は(VIIA−a2)で示される基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

一般式(VIIA−a1)又は(VIIA−a2)中、Xk1は2価の連結基を示し、kq1は0又は1の整数を示し、Xk2は2価の連結基を示し、kq2は0又は1の整数を示す。
請求項6に係る発明は、下記の通りである。
前記一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物のFで示される電荷輸送性骨格に連結する基が、下記一般式(VIIA−a3)又は(VIIA−a4)で示される基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
一般式(VIIA−a3)又は(VIIA−a4)中、Xk3は2価の連結基を示し、kq3は0又は1の整数を示し、Xk4は2価の連結基を示し、kq4は0又は1の整数を示す。
請求項7に係る発明は、下記の通りである。
前記第1帯電手段が帯電ローラである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項8に係る発明は、下記の通りである。
前記第1帯電手段が、直流電圧印加式の帯電手段である請求項7に記載の画像形成装置。
請求項9に係る発明は、下記の通りである。
前記第1帯電手段及び前記第2帯電手段のいずれもが、帯電ローラである請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項10に係る発明は、下記の通りである。
前記第1帯電手段及び前記第2帯電手段のいずれもが、直流電圧印加式の帯電手段である請求項9に記載の画像形成装置。
請求項11に係る発明は、下記の通りである。
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置に脱着され
前記感光体、前記第2帯電手段、及び、前記第1帯電手段を備える
プロセスカートリッジ。
請求項1に係る発明によれば、第1帯電手段を有しない場合に比して、濃度ムラが抑制された画像形成装置が提供される。
請求項2、3又は4に係る発明によれば、式(I)〜式(V)により示される連鎖重合性化合物のみの硬化物を含む感光体を用いた場合に比して、残留電位の抑制、画像流れの発生の抑制、濃度ムラの発生及び異常放電の発生の抑制、及び、感光体の耐傷つき性の並立により優れた画像形成装置が提供される。
請求項5又は請求項6に係る発明によれば、後述する(R1)−4により表される構造を含有する場合に比して、感光体の電気特性に優れた画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、第1帯電手段が帯電ブラシである場合に比して、得られる画像の画像流れの発生及び濃度ムラの発生がより抑制される画像形成装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、第1帯電手段が交流電圧印加式である場合に比して、感光体の耐傷つき性により優れた画像形成装置が提供される。
請求項9に係る発明によれば、第1帯電手段が帯電ブラシであり、かつ、第2帯電手段が直流電圧印加式の帯電ローラである場合に比して、得られる画像の画像流れの発生及び濃度ムラの発生がより抑制される画像形成装置が提供される。
請求項10に係る発明によれば、第1帯電手段が直流電圧印加式の帯電ローラであり、かつ、第2帯電手段が交流電圧印加式の帯電ローラである場合に比して、感光体の耐傷つき性により優れた画像形成装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、第1帯電手段を有しない場合に比して、得られる画像の濃度ムラが抑制されたプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 実施例において用いた画像パターンを示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
(画像形成装置)
本実施形態の画像形成装置は、上記一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物を含む最表面層を有する感光体と、感光体の表面を帯電させる接触式の第2帯電手段と、前記第2帯電手段により帯電された感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより顕像化して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、前記感光体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段と、前記第2帯電手段と前記クリーニング手段との間に位置し、感光体の表面を帯電させる接触式の第1帯電手段と、を有する。
本実施形態の画像形成装置によれば、得られる画像の濃度ムラの発生が抑制される。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体の強度を向上させるため、一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物を含む最表面層を有する。
しかし、上記のような最表面層を有する感光体は、クリーニング手段を有する画像形成装置に用いた場合であっても、トナーが感光体表面に残留する場合があった。
この残留トナーにより、帯電ローラ等の接触式の帯電手段が汚れ、感光体表面の帯電が不均一となる結果、得られる画像に濃度ムラ等の画像欠陥が発生する場合があった。
そこで、前記第2帯電手段(主帯電手段)と前記クリーニング手段との間に位置する接触式の第1帯電手段(プレ帯電手段)を用いることにより、第1帯電手段による接触式の帯電によって前記残留トナーが除去され、感光体表面及び第2帯電手段の汚れが抑制される結果、前記濃度ムラの発生が抑制されていると考えられる。
また、第1帯電手段及び第2帯電手段により、帯電を2回行うことで感光体がより均一に近い状態で帯電するため、濃度ムラの発生が抑制されることも考えられる。
また、本実施形態によれば、上述の機構により感光体表面の残留トナーの発生が抑制されるため、感光体における残留電位の発生が抑制されやすく、画像における網点(ドット)の乱れ(画像流れ)の抑制性に優れた画像形成装置が得られやすく、異常放電の発生が抑制されやすいと考えられる。
また、本実施形態によれば、最表面に一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物を含むため、感光体の耐傷つき性に優れた画像形成装置が得られやすいと考えられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の詳細について説明する。
<第2帯電手段>
本実施形態の画像形成装置は、感光体の表面を帯電させる接触式の第2帯電手段を有する。感光体の詳細については後述する。
第2帯電手段としては、特に限定されないが、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用され、画像における濃度ムラが抑制されやすい観点から、帯電ローラがより好ましい。
〔帯電ローラ〕
帯電ローラとしては、特に制限なく、画像形成装置の分野で公知の帯電ローラが使用される。
その中でも、ローラ帯電方式で使用する帯電ローラとしては、例えば電気抵抗が10Ω以上10Ω以下の範囲に調整された材料から構成されるものが挙げられる。また帯電ローラは、単層でもよく、複数の層から構成されていてもよい。帯電部材に直流電圧のみを印加する場合には電圧の範囲としては、感光体帯電位に応じて正又は負の50V以上2000V以下が望ましく、100V以上1500V以下がより望ましい。
帯電部材として帯電ローラを用いる場合、後述する感光体に接触する圧力としては、例え、250mgf以上600mgf以下の範囲が挙げられる。
帯電ローラを構成する材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、エピクロロヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の導電性付与剤を適量配合したもの等が挙げられる。さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料を浸漬塗布、スプレー塗布、ロール塗布等の手法により、積層して用いてもよい。
帯電ローラとしては、直流電圧印加式の帯電ローラ(DC印加式ローラ)であってもよいし、交流電圧印加式の帯電ローラ(AC印加式ローラ)であってもよいが、直流電圧印加式の帯電ローラであることが好ましい。
以下、直流電圧印加式の帯電ローラを用いた帯電方式を「DC帯電方式」、交流電圧印加式の帯電ローラを用いた帯電方式を「AC帯電方式」ともいう。
ここで、「AC帯電方式」は交流電圧が印加されているため、「DC帯電方式」と比べて、感光体表面を比較的均一に近い状態で帯電させられる。その反面、「AC帯電方式」は、「DC帯電方式」と比べて、感光体への放電量が増えるため、感光体の表面が削れやすくなる場合がある。そのため、「AC帯電方式」により感光体を帯電させると、「DC帯電方式」を用いて感光体を帯電させた場合に比べて、感光体の寿命が短くなる場合がある。また、「AC帯電方式」はAC電源が必要となる。そのため、「AC帯電方式」は、「DC帯電方式」と比べて、初期費用(イニシャルコスト)及び運用費用(ランニングコスト)が高くなる傾向にある。言い換えると、「DC帯電方式」は、「AC帯電方式」と比べて、ランニングコスト及びイニシャルコストの面で有利である。
しかしながら、「DC帯電方式」は、「AC帯電方式」と比べて、感光体の表面電位の均一性(帯電均一性)が低下する場合がある。特に、感光体表面又は第2帯電手段が汚れた場合に、上記帯電均一性が低下しやすいと考えられる。
本実施形態に係る画像形成装置においては、後述の第1帯電手段を有することにより上記感光体表面又は第2帯電手段の汚れが抑制されるため、上述の「DC帯電方式」を採用した場合であっても、帯電均一性の低下が抑制されやすいと考えられる。
〔帯電ブラシ〕
帯電ブラシとしては、側に制限されず、画像形成装置の分野において公知の帯電ブラシが用いられる。
帯電ブラシとしては、例えば、導電性又は半導電性の接触部を有し、帯電電圧が印加された状態で感光体に接するブラシ状の部材が挙げられ、特許第6016055号に記載されたものも好適に用いられる。
〔帯電フィルム〕
帯電フィルムとしては、側に制限されず、画像形成装置の分野において公知の帯電フィルムが用いられる。
帯電フィルムとしては、例えば、導電性又は半導電性の接触部を有し、帯電電圧が印加された状態で感光体に接するフィルム状の部材が挙げられ、特開平7−49600号公報に記載されたものも好適に使用される。
〔帯電ブレード〕
帯電ブレードとしては、側に制限されず、画像形成装置の分野において公知の帯電ブレードが用いられる。
帯電ブレードとしては、例えば、導電性又は半導電性の接触部を有し、帯電電圧が印加された状態で感光体に接するブレード状の部材が挙げられ、特開2012−128079号公報に記載されたものも好適に使用される。
〔帯電チューブ〕
帯電チューブとしては、側に制限されず、画像形成装置の分野において公知の帯電チューブが用いられる。
帯電チューブとしては、例えば、導電性又は半導電性の接触部を有し、帯電電圧が印加された状態で感光体に接するチューブ状の部材が挙げられ、特開2005−17384号公報に記載されたものも好適に用いられる。
<第1帯電手段>
本実施形態の画像形成装置は、感光体の表面を帯電させる接触式の第1帯電手段を有する。
第1帯電手段は、前記第2帯電手段と、後述するクリーニング手段との間に位置する。第1帯電手段が上記位置に存在することにより、クリーニング手段によりクリーニングされた後に感光体表面に残留する残留トナーが除去され、濃度ムラの発生が抑制されると推測される。
第1帯電手段としては、上述の第2帯電手段と同様の帯電手段が使用され、それぞれの帯電手段における好ましい態様も同様である。
第1帯電手段は、感光体の耐傷つき性及び長期間にわたる濃度ムラの抑制の観点からは、帯電ローラであることが好ましい。
これは、第1帯電手段が帯電ローラであれば、第2帯電器の残留トナーによる汚れ、及び、感光体表面の残留トナーによる汚れが更に抑制されやすいためであると考えられる。
また、第1帯電手段は、直流電圧印加式の帯電手段であることが好ましく、直流電圧印加式の帯電ローラであることがより好ましい。
これは、第1帯電手段が直流電圧印加式であれば、第2帯電器の残留トナーによる汚れ、及び、感光体表面の残留トナーによる汚れが更に抑制されやすいためであると考えられる。
第1帯電手段の印加電圧としては、−600V〜−1,000Vが好ましく、−800V〜−900Vがより好ましい。
第2帯電手段の印加電圧は−600V〜−1,000Vが好ましく、−700V〜−800Vがより好ましい。
<第1帯電手段と第2帯電手段の組み合わせ>
設計上の観点からは、第1帯電手段と、第2帯電手段とは、異なる種類の帯電手段であってもよいし、同じ種類の帯電手段であってもよい。
同じ種類の帯電手段であるとは、例えば、第1帯電手段と第2帯電手段とのいずれもが帯電ローラである、いずれもが帯電ブラシである、等の態様が挙げられる。
また、感光体の耐傷つき性、及び、濃度ムラの発生の抑制の観点からは、第1帯電手段と第2帯電手段のいずれもが帯電ローラであることが好ましい。
第1帯電手段と第2帯電手段のいずれもが帯電ローラである場合、第1帯電手段がDC印加式ローラであり、第2帯電手段がAC印加式ローラである態様、第1帯電手段がAC印加式ローラであり、第2帯電手段がDC印加式ローラである態様、及び、第1帯電手段と第2帯電手段のいずれもがDC印加式ローラである態様のいずれであってもよいが、上述のイニシャルコスト及びランニングコストの観点からは、第1帯電手段と第2帯電手段のいずれもがDC印加式ローラであることが好ましい。
また、第1帯電手段と、第2帯電手段とのうち、いずれもが交流電圧印加式の帯電ローラであってもよいし、一方が交流電圧印加式であり、かつ、別の一方が交流電圧印加式であってもよいし、いずれもが直流電圧印加式の帯電ローラであってもよいが、いずれもが直流電圧印加式の帯電ローラであることが好ましい。
<感光体>
本実施形態の画像形成装置は、前記一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物を含む最表面層を有する感光体を有する。
感光体は、最表面層に上記硬化物を有してさえいれば、単層型でも積層型でもよいが、積層型の場合について説明する。
本実施形態において用いられる感光体は、画像形成ユニットと、導電性基体上に設けられた電荷発生層と、電荷発生層上に設けられた電荷輸送層と、電荷輸送層上に設けられた前記硬化物を含む最表面層と、を有することが好ましい。
まず、電子写真感光体の最表面層として、電荷輸送層上に、前記硬化物を含む最表面層を有することにより、強度の高い感光体が得られる。この最表面層は、例えば、前記一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物を含む塗布液を電荷輸送層上に塗布して形成する。このため、塗布液作製のために使用する溶媒の種類によっては、最表面層を塗布形成するときに、下層の電荷輸送層に含まれる電荷輸送性材料が最表面層へ移行する現象が発生することがある。
最表面層に移行する電荷輸送性材料が少量のときは、最表面層と電荷輸送層との界面での電荷注入性の向上に寄与する。また、前記電荷輸送性材料が少量であれば、最表面層中の連鎖重合性化合物の硬化物の濃度が高くなるため、強度に優れた感光体が得られる。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
図1に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、電荷輸送層3、及び最表面層として保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層が構成される。
なお、図1に示す電子写真感光体において、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。
以下、図1に示す電子写真感光体7Aの各要素について説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で撹拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、撹拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、撹拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で撹拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、撹拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a−1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C−C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a−2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、電子写真感光体における最表面層であり、前記一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物の硬化物を含む。前記保護層は、前記連鎖重合性化合物を含む組成物により形成された硬化膜で構成されていることが好ましい。
なお、硬化物を得るための硬化方法としては、熱、光、又は放射線などによるラジカル重合が行なわれる。反応が早く進行しすぎないよう調整すると、保護層(最表面層)の機械的強度及び電気特性が向上し、また膜のムラやシワの発生も抑制されるため、ラジカル発生が比較的ゆっくりと起こる条件下で重合させることが望ましい。この点からは、重合速度を調整しやすい熱重合が好適である。つまり、保護層(最表面層)を構成する硬化膜を形成するための組成物には、熱ラジカル発生剤又はその誘導体を含むことがよい。
以下、保護層(最表面層)の各要素の詳細について説明する。
−連鎖重合性化合物−
連鎖重合性化合物としては、同一分子内に電荷輸送性骨格及び連鎖重合性官能基を少なくとも有する連鎖重合性化合物であれば、周知の材料から選択される。ここで、連鎖重合性基としては、例えば、ラジカル重合し得る官能基であることよく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基が挙げられる。具体的には、連鎖重合性基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アリルエーテル基、アクリロイル基、メタクロイル基、ビニルフェニル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一種を含む官能基等が挙げられる。
連鎖重合性化合物として、具体的には、前記一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物(以下、「特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料」と称することがある)から選択される少なくとも1種の連鎖重合性化合物が用いられる。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物(特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む膜)を最表面層として有すると、最表面層が優れた電気特性と機械的強度を兼ね備えると考えられる。また、最表面層の厚膜化(例えば10μm以上)も実現されると考えられる。
これは、特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料自身が電荷輸送性能に優れる上、−OH、−NH−などのキャリア輸送を妨げる極性基が少ないためであると考えられる。
また、連鎖重合性化合物が一般式(VI)又は(VII)を含む場合には、キャリア輸送に有効なπ電子を有するビニルフェニル基で、重合により当該材料が連結されることから、残留歪が抑制され、電荷を捕獲する構造的なトラップの形成が抑制されるため、更に電気特性に優れると考えられる。
更に、連鎖重合性化合物が一般式(VI)又は(VII)を含む場合には、疎水的で水分がつきにくい性質があることから、長期にわたって電気特性が維持されやすいと考えられる。
一般式(I)乃至(VII)で示される電荷輸送性有機化合物は、以下に示すものである。
F−[(Xn2−(Rn3−(Zn4G]n5 (I)
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるn5価の有機基を示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Rはアルキレン基(炭素数は1以上15以下が望ましく、1以上10以下がより望ましい)を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、−NH−又は−C(=O)O−を示し、Gはエポキシ基又はグリシジル基を示し、ただし、n4が1であり、かつ、Z2が酸素原子、硫黄原子、又は、−NH−の場合には、Gはグリシジル基を示し、n2、n3及びn4はそれぞれ独立に0又は1を示し、n5は1以上4以下の整数を示す。
F[−D−Si(R(3−a) (II)
一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるb価の有機基を示し、Dは2価の基を示し、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1以上15以下が望ましく、1以上10以下がより望ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6以上20以下が望ましく、6以上15以下がより望ましい)を示し、Qは加水分解性基を示し、aは1以上3以下の整数を示し、bは1以上4以下の整数を示す。
一般式(III)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn6価の有機基を示し、Tは2価の基を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、m2は0又は1を示し、n6は1以上4以下の整数を示し、RとRは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。
また、上記一般式(III)中、R、R及びRは炭素数1以上18以下の1価の有機基であることが望ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1以上18以下の1価の炭化水素基、又は、−(CH)f−O−R24で表わされる基であることがより望ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は、−(CH)f−O−R24で表わされる基であることが更に望ましく、メチル基であることが特に望ましい。なお、R24は炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、環を形成してもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの脂肪族炭化水素基であることが望ましく、fは1以上12以下の整数を示し、1以上4以下の整数であることが望ましい。また、Tは枝分かれしてもよい炭素数1以上18以下のアルキレン基であることが望ましく、メチレン基であることがより望ましい。なお、上記一般式(III)において、R、R及びRは又
はTが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい。
一般式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn7価の有機基を示し、Tは2価の基を示し、Rは1価の有機基を示し、m3は0又は1を示し、n7は1以上4以下の整数を示す。
また、上記一般式(IV)中、Rは炭素数1以上18以下の1価の有機基であることが望ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1以上18以下の1価の炭化水素基、又は、−(CH)f−O−R24で表わされる基であることがより望ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は、−(CH)f−O−R24で表わされる基であることが更に望ましく、メチル基であることが特に望ましい。なお、R24は炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、環を形成してもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの脂肪族炭化水素基であることが望ましく、fは1以上12以下の整数を示し、1以上4以下の整数であることが望ましい。また、Tは枝分かれしてもよい炭素数1以上18以下のアルキレン基であることが望ましく、メチレン基であることがより望ましい。なお、上記一般式(IV)において、R又はTが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい。
一般式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn8価の有機基を示し、Lはアルキレン基を示し、Rは1価の有機基を示し、n8は1以上4以下の整数を示す。
また、上記一般式(V)中、Rは炭素数1以上18以下の1価の有機基であることが望ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1以上18以下の1価の炭化水素基、又は、−(CH)f−O−R24で表わされる基であることがより望ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は、−(CH)f−O−R24で表わされる基であることが更に望ましく、メチル基であることが特に望ましい。なお、R24は炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、環を形成してもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの脂肪族炭化水素基であることが望ましく、fは1以上12以下の整数を示し、1以上4以下の整数であることが望ましい。また、Lは枝分かれしてもよい炭素数1以上18以下のアルキレン基であることが望ましく、メチレン基であることがより望ましい。なお、上記一般式(V)において、R又はLが複数存在する場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい。
ここで、上記2価の基Dとしては、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質網目構造の構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、基Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質網目構造の部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。
基Dとして具体的には、−Cα2α−、−Cβ2β−2−、−Cγ2γ−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1以上15以下の整数を表し、βは2以上15以下の整数を表し、γは3以上15以下の整数を表す)、−C(=O)O−、−S−、−O−、−CH−C−、−N=CH−、−(C)−(C)−、及び、これらの特性基を組み合わせた構造を有する特性基、並びに、これらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。
また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が望ましく、炭素数1以上15以下のアルコキシ基がより望ましい。
また、上記正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(FVI)で示されるアリールアミン化合物が望ましい。
式(FVI)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Arは置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、kは0又は1を表し、且つAr乃至Arのうち1個以上4個以下は、上記一般式(I)で表わされる化合物における下記一般式(IX)で示される部位、上記一般式(II)で表わされる化合物における下記一般式(X)で示される部位、上記一般式(III)で表わされる化合物における下記一般式(XI)で示される部位、上記一般式(IV)で表される化合物における下記一般式(XII)で表される部位、又は上記一般式(V)で表される化合物における下記一般式(XIII)と結合するための結合手を有する。
−(Xn2−(Rn3−(Zn4G (IX)
−D−Si(R(3−a) (X)
また、上記一般式(FVI)中のAr1乃至Ar4で示される置換又は未置換のアリール基としては、具体的には、下記一般式(1)乃至(7)に示されるアリール基が望ましい。
上記式(1)乃至(7)中、R10は水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、又は炭素数7以上10以下のアラルキル基を示し、R11乃至R13はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、炭素数7以上10以上のアラルキル基又はハロゲン原子を示し、Arは置換又は未置換のアリーレン基を示し、Dは上記一般式(IX)乃至(XIII)で表される構造のいずれかを示し、c及びsはそれぞれ0又は1を示し、tは1以上3以下の整数を示す。
また、上記式(7)で示されるアリール基におけるArとしては、下記式(8)又は(9)で示されるアリーレン基が望ましい。
上記式(8)、(9)中、R14及びR15はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、又は、ハロゲン原子を示し、tは1以上3以下の整数を示す。
また、上記式(7)で示されるアリール基におけるZ’としては、下記式(10)乃至(17)で示される2価の基が望ましい。
式(10)乃至(17)中、R16及びR17はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、又は、ハロゲン原子を示し、Wは2価の基を示し、q及びrはそれぞれ独立に1以上10以下の整数を示し、tはそれぞれ独立に1以上3以下の整数を示す。
また、上記式(16)乃至(17)中、Wは下記式(18)乃至(26)で示される2価の基を示す。なお、式(25)中、uは0以上3以下の整数を示す。
また、上記一般式(VI)におけるArの具体的構造としては、k=0の時は上記Ar乃至Arの具体的構造におけるc=1の構造が挙げられ、k=1の時は上記Ar乃至Arの具体的構造におけるc=0の構造が挙げられる。
また、上記一般式(I)で示される化合物としては、より具体的には、下記化合物(I−1)乃至(I−47)が挙げられる。なお、下記一覧中、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
また、上記一般式(II)で示される化合物としては、より具体的には、下記化合物(II−1)乃至(II−61)が挙げられる。なお、下記化合物(II−1)乃至(II−61)は、一般式(FVI)で示される化合物のAr1乃至Ar5及びkを下記の表に示されるように組み合わせ、且つ、アルコキシシリル基(s)を下記の表に示される特定のものとしたものである。
また、上記一般式(III)で表される化合物としては、より具体的には、下記化合物(III−1)乃至(III−40)が挙げられる。なお、下記一覧中、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
また、上記一般式(IV)で表される化合物としては、より具体的には、下記化合物(IV−1)乃至(IV−55)が挙げられる。なお、下記一覧中、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を示す。
また、上記一般式(V)で表される化合物としては、より具体的には、下記化合物(V−1)乃至(V−17)が挙げられる。なお、下記一覧中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
一般式(VI)中、Fは、電荷輸送性骨格を示し、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む2価の連結基を示す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、mは1以上8以下の整数を示す。
一般式(VII)中、Fは、電荷輸送性骨格を示す。
L’は、アルカン若しくはアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−、からなる群より選択される2種以上を含む(n+1)価の連結基を示す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。なお、アルカン若しくはアルケンから誘導される3価又は4価の基とは、アルカン又はアルケンから水素原子を3つ又は4つ取り除いた基を意味する。以下、同様である。
m’は、1以上6以下の整数を示す。nは、2以上3以下の整数を示す。
一般式(VI)及び(VII)中、Fは、電荷輸送性骨格、つまり電荷輸送性を有する構造を示し、具体的には、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾベンゼン系化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、キノン系化合物、フルオレノン系化合物、などの電荷輸送性を有する構造が挙げられる。
一般式(VI)中、Lで示される連結基としては、例えば、
アルキレン基中に−C(=O)−O−が介在した2価の連結基、
アルキレン基中に−C(=O)−N(R)−が介在した2価の連結基、
アルキレン基中に−C(=O)−S−が介在した2価の連結基、
アルキレン基中に−O−が介在した2価の連結基、
アルキレン基中に−N(R)−が介在した2価の連結基、
アルキレン基中に−S−が介在した2価の連結基、
が挙げられる。
なお、Lで示される連結基は、アルキレン基中に、−C(=O)−O−、−C(=O)−N(R)−、−C(=O)−S−、−O−、又は−S−の基が2つ介在してもよい。
一般式(VI)中、Lで示される連結基として具体的には、例えば、
*−(CH−C(=O)−O−(CH−、
*−(CH−O−C(=O)−(CH−C(=O)−O−(CH−、
*−(CH−C(=O)−N(R)−(CH−、
*−(CH−C(=O)−S−(CH−、
*−(CH−O−(CH−、
*−(CH−N(R)−(CH−、
*−(CH−S−(CH−、
*−(CH−O−(CH−O−(CH
等が挙げられる。
ここで、Lで示される連結基中、pは、0、又は1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。qは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。rは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。
なお、Lで示される連結基中、「*」は、Fと連結する部位を示している。
一方、一般式(VII)中、L’で示される連結基としては、例えば、
分枝状に連結したアルキレン基中に−C(=O)−O−が介在した(n+1)価の連結基、
分枝状に連結したアルキレン基中に−C(=O)−N(R)−が介在した(n+1)価の連結基、
分枝状に連結したアルキレン基中に−C(=O)−S−が介在した(n+1)価の連結基、
分枝状に連結したアルキレン基中に−O−が介在した(n+1)価の連結基、
分枝状に連結したアルキレン基中に−N(R)−が介在した(n+1)価の連結基、
分枝状に連結したアルキレン基中に−S−が介在した(n+1)価の連結基、
が挙げられる。
なお、L’で示される連結は、分枝状に連結したアルキレン基中に、−C(=O)−O−、−C(=O)−N(R)−、−C(=O)−S−、−O−、又は−S−の基が2つ介在してもよい。
一般式(VII)中、L’で示される連結基として具体的には、例えば、
*−(CH−CH[C(=O)−O−(CH−]
*−(CH−CH=C[C(=O)−O−(CH−]
*−(CH−CH[C(=O)−N(R)−(CH−]
*−(CH−CH[C(=O)−S−(CH−]
*−(CH−CH[(CH−O−(CH−]
*−(CH−CH=C[(CH−O−(CH−]
*−(CH−CH[(CH−N(R)−(CH−]
*−(CH−CH[(CH−S−(CH−]

*−(CH−O−C[(CH−O−(CH−]
*−(CH−C(=O)−O−C[(CH−O−(CH−]
等が挙げられる。
ここで、L’で示される連結基中、pは、0、又は1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。qは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。rは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。sは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。
なお、L’で示される連結基中、「*」は、Fと連結する部位を示している。
これらの中でも、一般式(VII)中、L’で示される連結基としては、
*−(CH−CH[C(=O)−O−(CH−]
*−(CH−CH=C[C(=O)−O−(CH−]
*−(CH−CH[(CH−O−(CH−]
*−(CH−CH=C[(CH−O−(CH−]
がよい。
具体的には、一般式(VII)で示される化合物のFで示される電荷輸送性骨格に連結する基(一般式(VIIA−a)で示される基が該当)は、下記一般式(VIIA−a1)、下記一般式(IIA−a2)、下記一般式(VIIA−a3)、又は下記一般式(VIIA−a4)で示される基であることがよい。
一般式(VIIA−a1)又は(VIIA−a2)中、Xk1は2価の連結基を示す。kq1は0又は1の整数を示す。Xk2は2価の連結基を示す。kq2は0又は1の整数を示す。
ここで、Xk1及びXk2で示される2価の連結基は、例えば、−(CH−(但しpは1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す))が挙げられる。当該2価の連結基としては、アルキレンオキシ基も挙げられる。
一般式(VIIA−a3)又は(VIIA−a4)中、Xk3は2価の連結基を示す。kq3は0又は1の整数を示す。Xk4は2価の連結基を示す。kq4は0又は1の整数を示す。
ここで、Xk3及びXk4で示される2価の連結基は、例えば、−(CH−(但しpは1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す))が挙げられる。当該2価の連結基としては、アルキレンオキシ基も挙げられる。
一般式(VI)及び(VII)中、L、L’で示される連結基において、「−N(R)−」のRで示されるアルキル基としては、炭素数1以上5以下(望ましくは1以上4以下)の直鎖状、分枝状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
「−N(R)−」のRで示されるアリール基としては、炭素数6以上15以下(望ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数7以上15以下(望ましくは7以上14以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ビフェニルメチレン基等が挙げられる。
一般式(VI)及び(VII)中、mは、1以上6以下の整数を示すことが望ましい。
m’は、1以上6以下の整数を示すことが望ましい。
nは、2以上3以下の整数を示すことが望ましい。
次に、一般式(VI)及び(VII)で示される連鎖重合性化合物の好適な化合物について説明する。
一般式(VI)及び(VII)で示される連鎖重合性化合物としては、Fとしてトリアリールアミン系化合物に由来する電荷輸送性骨格(電荷輸送性を有する構造)を有する連鎖重合性化合物がよい。
具体的には、一般式(VI)で示される連鎖重合性化合物としては、一般式(VI−a)、一般式(VI−b)、一般式(VI−c)、及び一般式(VI−d)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物が好適である。
一方、一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物としては、一般式(VII−a)で示される連鎖重合性化合物が好適である。
・一般式(VI−a)で示される連鎖重合性化合物
一般式(VI−a)で示される連鎖重合性化合物について説明する。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料として一般式(VI−a)で示される連鎖重合性化合物を適用すると、環境変化に起因する電気特性の劣化が抑制され易くなる。その理由は定かではないが、以下の通りと考えられる。
まず、従来用いられていた、(メタ)アクリル基を有する連鎖重合性化合物は、重合の際に電荷輸送性能を発現する骨格の部位に対して、(メタ)アクリル基の親水性が強いことから、ある種の層分離状態を形成してしまい、ホッピング伝導の妨げとなっていることが考えられる。このため、(メタ)アクリル基を有する連鎖重合性化合物の重合体又は架橋体を含む電荷輸送性膜は、電荷輸送の効率が落ち、更に、部分的な水分の吸着などにより環境安定性が低下するものと考えられる。
これ対して、一般式(VI−a)で示される連鎖重合性化合物は、親水性の強くないビニル系の連鎖重合性基を有しており、更に、電荷輸送性能を発現する骨格を一分子内に複数有し、その骨格同士を芳香環や共役二重結合などの共役結合を有しない、柔軟性のある連結基で連結している。このような構造を有することから、効率的な電荷輸送性能と高強度化が図れると共に、重合の際の層分離状態の形成が抑制されるものと考えられる。その結果として、一般式(VI−a)で示される連鎖重合性化合物の重合体又は架橋体を含む保護層(最表面層)は、電荷輸送性能と機械的強度との両方に優れ、更に、電荷輸送性能の環境依存(温湿度依存)を低減しうるものと考えられる。
以上から、一般式(VI−a)で示される連鎖重合性化合物を適用すると、環境変化に起因する電気特性の劣化が抑制され易くなると考えられる。
さらに、一般式(VI)、(VII)が有する部分構造「ビニルフェニル基」は、芳香環を有することから、反応性基を有さない一般に良く知られた電荷輸送材料とのなじみが良いため、反応性基を有さない電荷輸送材料をドーピングすることができる。反応性基を有さない電荷輸送材料は、反応性基を持たないことから、ドーピング量によって膜の強度を低下させることができるため、平均摩耗率Wh、Wlを任意に制御する非常に有効な手段となる。
一般式(VI−a)中、Ara1〜Ara4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示す。Ara5及びAra6は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリーレン基を示す。Xaは、アルキレン基、−O−、−S−、及びエステルから選ばれる基を組み合わせてなる2価の連結基を示す。Daは、下記一般式(VIA−a)で示される基を示す。ac1〜ac4は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示す。但し、Daの総数は1又は2である。
一般式(VIA−a)中、Lは、*−(CHan−O−CH−で示され、*にてAra1〜Ara4で示される基に連結する2価の連結基を示す。anは、1又は2の整数を示す。
以下、一般式(VI−a)の詳細を説明する。
一般式(VI−a)中、Ara1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基は、それぞれ、同一でもあってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、置換アリール基における置換基としては、「Da」以外のものとして、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
一般式(VI−a)中、Ara1〜Ara4としては、下記構造式(1)〜(7)のうちのいずれかであることが望ましい。
なお、下記構造式(1)〜(7)は、Ara1〜Ara4の各々に連結され得る「−(Da)ac1」〜「−(Da)ac1」を総括的に示した「−(D)」と共に示す。
構造式(1)〜(7)中、R11は、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、及び炭素数7以上10以下のアラルキル基からなる群より選ばれる1種を示す。R12、及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を示す。R14は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を示す。Arは、置換又は未置換のアリーレン基を示す。sは、0又は1を示す。tは、0以上3以下の整数を示す。Z’は、2価の有機連結基を示す。
ここで、式(7)中、Arとしては、下記構造式(8)又は(9)で示されるものが望ましい。
構造式(8)及び(9)中、R15及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、t1及びt2はそれぞれ0以上3以下の整数を示す。
また、式(7)中、Z’は、下記構造式(10)〜(17)のうちのいずれかで示されるものが望ましい。
構造式(10)〜(17)中、R17及びR18は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基若しくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を示す。Wは、2価の基を示す。q1及びr1は、それぞれ独立に1以上10以下の整数を示す。t3及びt4は、それぞれ0以上3以下の整数を示す。
構造式(16)〜(17)中、Wとしては、下記構造式(18)〜(26)で示される2価の基のうちのいずれかであることが望ましい。但し、式(25)中、uは、0以上3以下の整数を示す。
一般式(VI−a)中、Ara5及びAra6で示される置換若しくは未置換のアリーレン基において、このアリーレン基としては、Ara1〜Ara4の説明で例示されたアリール基から目的とする位置の水素原子を1つ除いたアリーレン基が挙げられる。
また、置換アリーレン基における置換基としては、Ara1〜Ara4の説明で、置換アリール基における「Da」以外の置換基として挙げられているものと同様である。
一般式(VI−a)中、Xaで示される2価の連結基は、アルキレン基、又はアルキレン基、−O−、−S−、及びエステルから選ばれる基を組み合わせてなる2価の基であって、芳香環や共役二重結合などの共役結合を含まない連結基である。
具体的には、Xaで示す2価の連結基として、炭素数1以上10以下のアルキレン基が挙げられ、その他、炭素数1以上10以下のアルキレン基と−O−、−S−、−O−C(=O)−、及び−C(=O)−O−から選ばれる基とを組み合わせてなる2価の基も挙げられる。
なお、Xaで示される2価の連結基がアルキレン基である場合、このアルキレン基はアルキル、アルコキシ、ハロゲン等の置換基を有していてもよく、この置換基の2つが互いに結合して、構造式(16)〜(17)中のWの具体例として記載した構造式(26)で示される2価の連結基のような構造となってもよい。
・一般式(VI−b)で示される連鎖重合性化合物
一般式(VI−b)で示される連鎖重合性化合物について説明する。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料として一般式(VI−b)で示される連鎖重合性化合物を適用すると、保護層(最表面層)の摩耗が抑制される共に、画像の濃度ムラの発生が抑制され易くなる。その理由は定かではないが、以下の通りと考えられる。
まず、かさ高い電荷輸送骨格と重合部位(ビニルフェニル基)が構造的に近く、剛直(リジッド)であると重合部位同士が動きずらくなり、硬化反応による残留歪が残りやすく、電荷輸送骨格が歪むことによりキャリア輸送をになうHOMO(最高被占軌道)のレベルの変化が起こり、結果としてエネルギー分布が広がった状態(エネルギー的ディスオーダー:σが大きい)となりやすいと考えられる。
これに対し、メチレン基、エーテル基を介すると、分子構造に柔軟性が得られ、σが小さいものが得られやすく、さらに、メチレン基、エーテル基は、エステル基、アミド基などに比較し、双極子モーメント(ダイポールモーメント)が小さく、この効果もσを小さくすることに寄与し、電気特性が向上すると考えられる。また、分子構造に柔軟性が加わることで、反応部位(反応サイト)の動きの自由度が増し、反応率も向上することで強度の高い膜となると考えられる
これらのことから、電荷輸送骨格と重合部位との間に柔軟性に富む連結鎖を介在させる構造がよい。
このため、一般式(VI−b)で示される連鎖重合性化合物は、硬化反応により分子自身の分子量が増大し、重心は移動し難くなると共に、ビニルフェニル基の自由度が高いと考えられる。の結果、一般式(VI−b)で示される連鎖重合性化合物の重合体又は架橋体を含む保護層(最表面層)は、電気特性に優れ、且つ、高い強度を有すると考えられる。
以上から、一般式(VI−b)で示される連鎖重合性化合物を適用すると、保護層(最表面層)の摩耗が抑制される共に、画像の濃度ムラの発生が抑制され易くなると考えられる。
一般式(VI−b)中、Arb1〜Arb4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示す。Arb5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示す。Dbは、下記一般式(VIA−b)で示される基を示す。bc1〜bc5は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示す。bkは、0又は1を示す。但し、Dbの総数は、1又は2である。
一般式(VIA−b)中、Lは、*−(CHbn−O−で示される基を含み、*にてArb1〜Arb5で示される基に連結する2価の連結基を示す。bnは、3以上6以下の整数を示す。
以下、一般式(VI−b)の詳細を説明する。
一般式(VI−b)中、Arb1〜Arb4で示される置換若しくは未置換のアリール基は、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Arb5は、bkが0のとき、置換若しくは未置換のアリール基を示し、この置換若しくは未置換のアリール基としては、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Arb5は、bkが1のとき、置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、この置換若しくは未置換のアリーレン基としては、一般式(VI−a)中のAra5及びAra6で示される置換若しくは未置換のアリーレン基と同様である。
次に、一般式(VIA−b)の詳細を説明する。
一般式(VIA−b)中、Lで示される2価の連結基としては、例えば、
*−(CHbp−O−、
*−(CHbp−O−(CHbq−O−
等が挙げられる。
ここで、Lで示される連結基中、bpは、3以上6以下(望ましくは3以上5以下)の整数を示す。bqは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。
なお、Lで示される連結基中、「*」は、Arb1〜Arb5で示される基と連結する部位を示している。
・一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物
一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物について説明する。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料として一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物を適用すると、繰り返し使用しても表面にキズが発生しにくく、かつ画質劣化が抑制され易くなる。その理由は定かではないが、以下の通りと考えられる。
まず、連鎖重合性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む最表面層を形成する際には、その重合反応又は架橋反応に伴う膜収縮や、電荷輸送構造と連鎖重合性基周辺の構造の凝集が起きると考えられる。よって、繰り返し使用で電子写真感光体表面が機械的負荷を受けると、膜自体が摩耗したり、分子中の化学構造が切断されたりして、膜収縮や凝集状態が変化し、電子写真感光体としての電気特性が変化し、画質劣化を引き起こしてしまうと考えられる。
一方、一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物は、連鎖重合性基としてスチレン骨格を有していることから、電荷輸送材料の主骨格であるアリール基と相溶性が良く、膜収縮や重合反応又は架橋反応による電荷輸送構造、連鎖重合性基周辺構造の凝集が抑制されると考えられる。その結果、一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物の重合体又は架橋体を含む保護層(最表面層)を持つ電子写真感光体は、繰り返し使用による画質劣化が抑制されると考えられる。
加えて、一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物は、電荷輸送性骨格とスチレン骨格を、−C(=O)−、−N(R)−、−S−など特定の基を含む連結基を介して連結することにより、特定の基と電荷輸送性骨格中の窒素原子との間や、特定の基同士の相互作用等が生じると考えられる、その結果、一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物の重合体又は架橋体を含む保護層(最表面層)は、強度がさらに向上すると考えられる。
以上から、一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物を適用すると、繰り返し使用しても表面にキズが発生しにくく、かつ画質劣化が抑制され易くなると考えられる。
なお、−C(=O)−、−N(R)−、−S−など特定の基は、その極性や親水性に起因し、電荷輸送性や高湿条件下における画質劣化を引き起こす要因となるが、一般式(VI−c)で示される連鎖重合性化合物は、連鎖重合性基として(メタ)アクリルなどよりも疎水性の高いスチレン骨格を有してるため、電荷輸送性悪化や前サイクルの履歴による残像現象(ゴースト)等の画質劣化が生じ難いと考えられる。
一般式(VI−c)中、Arc1〜Arc4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示す。Arc5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示す。Dcは、下記一般式(VIA−c)で示される基を示す。cc1〜cc5は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示す。ckは、0又は1を示す。但し、Dcの総数は、1以上8以下である。
一般式(VIA−c)中、Lは、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び、−C(=O)−と−O−、−N(R)−又は−S−とを組み合わせた基からなる群より選択される1つ以上の基を含む2価の連結基を示す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
以下、一般式(VI−c)の詳細を説明する。
一般式(VI−c)中、Arc1〜Arc4で示される置換若しくは未置換のアリール基は、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Arc5は、ckが0のとき、置換若しくは未置換のアリール基を示し、この置換若しくは未置換のアリール基としては、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Arc5は、ckが1のとき、置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、この置換若しくは未置換のアリーレン基としては、一般式(VI−a)中のAra5及びAra6で示される置換若しくは未置換のアリーレン基と同様である。
Dcの総数は、より強度の高い保護層(最表面層)を得る観点から、望ましくは2以上であり、更に望ましくは4以上である。一般に、一分子中の連鎖重合性基の数が多すぎると、重合(架橋)反応が進むにつれ、分子が動きにくくなり連鎖重合反応性が低下し、未反応の連鎖重合性基の割合が増えてしまうことから、Dcの総数は、望ましくは7以下、さらに望ましくは6以下である。
次に、一般式(VIA−c)の詳細を説明する。
一般式(VIA−c)中、Lで示される2価の連結基としては、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び、−C(=O)−と−O−、−N(R)−又は−S−とを組み合わせた基(以下、「特定連結基」と称する)を含む2価の連結基である。
ここで、特定連結基としては、保護層(最表面層)の強度と極性(親疎水性)のバランスの観点から、例えば、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、−C(=O)−O−、−C(=O)−N(R)−、−C(=O)−S−、−O−C(=O)−O−、−O−C(=O)−N(R)−がよく、望ましくは−N(R)−、−S−、−C(=O)−O−、−C(=O)−N(H)−、−C(=O)−O−、より望ましくは−C(=O)−O−である。
そして、Lで示される2価の連結基としては、例えば、特定連結基と、飽和炭化水素(直鎖状、分岐状、環状いずれも含む)または芳香族炭化水素の残基と、酸素原子と、を組み合わせて形成される2価の連結基が挙げられ、これらの中でも、特定連結基と、直鎖状の飽和炭化水素の残基と、酸素原子と、を組み合わせて形成される2価の連結基がよい。
で示される2価の連結基に含まれる炭素原子の総数としては、分子中のスチレン骨格の密度と連鎖重合反応性の観点から、例えば、1以上20以下がよく、望ましくは2以上10以下である。
一般式(VIA−c)中、Lで示される2価の連結基として具体的には、例えば、
*−(CHcp−C(=O)−O−(CHcq−、
*−(CHcp−O−C(=O)−(CHcr−C(=O)−O−(CHcq−、
*−(CHcp−C(=O)−N(R)−(CHcq−、
*−(CHcp−C(=O)−S−(CHcq−、
*−(CHcp−N(R)−(CHcq−、
*−(CHcp−S−(CHcq−、
等が挙げられる。
ここで、Lで示される連結基中、cpは、0、又は1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。cqは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。crは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。
なお、Lで示される連結基中、「*」は、Arc1〜Arc5で示される基と連結する部位を示している。
これらの中でも、一般式(VIA−c)中、Lで示される2価の連結基としては、*−(CHcp−C(=O)−O−CH−が望ましい。つまり、一般式(VIA−c)で示される基は、下記一般式(VIA−c1)で示される基であることが望ましい。但し、一般式(VIA−c1)中、cp1は0以上4以下の整数を示す。
・一般式(VI−d)で示される連鎖重合性化合物
一般式(VI−d)で示される連鎖重合性化合物について説明する。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料として一般式(VI−d)で示される連鎖重合性化合物を適用すると、保護層(最表面層)の摩耗が抑制される共に、画像の濃度ムラの発生が抑制され易くなる。その理由は定かではないが、一般式(VI−b)で示される連鎖重合性化合物と同様の理由によるものと考えられる。
特に、一般式(VI−d)で示される連鎖重合性化合物は、一般式(VI−b)に比べ、Ddの総数が3以上8以下と多いため、形成される架橋体がより高い架橋構造(架橋ネットワーク)が形成され易く、より保護層(最表面層)の摩耗が抑制され易くなると考えられる。
一般式(VI−d)中、Ard1〜Ard4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示す。Ard5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示す。Ddは、下記一般式(VIA−d)で示される基を示す。dc1〜dc5は,それぞれ独立に0以上2以下の整数を示す。dkは、0又は1を示す。但し、Ddの総数は、3以上8以下である。
一般式(VIA−d)中、Lは、*−(CHdn−O−で示される基を含み、*にてArd1〜Ard5で示されるに連結する2価の連結基を示す。dnは、1以上6以下の整数を示す。
以下、一般式(VI−d)の詳細を説明する。
一般式(VI−d)中、Ard1〜Ard4で示される置換若しくは未置換のアリール基は、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Ard5は、dkが0のとき、置換若しくは未置換のアリール基を示し、この置換若しくは未置換のアリール基としては、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Ard5は、dkが1のとき、置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、この置換若しくは未置換のアリーレン基としては、一般式(VI−a)中のAra5及びAra6で示される置換若しくは未置換のアリーレン基と同様である。
Ddの総数は、より強度の高い保護層(最表面層)を得る観点から、望ましくは4以上である。
次に、一般式(VIA−d)の詳細を説明する。
一般式(VIA−d)中、Lで示される2価の連結基としては、例えば、
*−(CHdp−O−、
*−(CHdp−O−(CHdq−O−
等が挙げられる。
ここで、Lで示される連結基中、dpは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。dqは、1以上6以下(望ましくは1以上5以下)の整数を示す。
なお、Lで示される連結基中、「*」は、Ard1〜Ard5で示される基と連結する部位を示している。
・一般式(VII−a)で示される連鎖重合性化合物
一般式(VII−a)で示される連鎖重合性化合物について説明する。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料として、一般式(VII)(特に一般式(VII−a))で示される連鎖重合性化合物を適用すると、長期に亘り繰り返し使用しても電気特性の劣化が抑制され易くなる。その理由は定かではないが、以下の通りと考えられる。
まず、一般式(VII)(特に一般式(VII−a))で示される連鎖重合性化合物は、電荷輸送性骨格から、1つの連結基を介して2つ又は3つの連鎖重合性の反応性基(ビニルフェニル基)を有する化合物である。
このため、一般式(VII)(特に一般式(VII−a))で示される連鎖重合性化合物は、高い硬化度、架橋部位数を保ちつつも、この連結基の存在により、重合又は架橋させた際に電荷輸送性骨格に歪みを発生させ難く、高い硬化度と優れた電荷輸送性能との両立が実現され易くなると考えられる。
また、従来用いられていた、(メタ)アクリル基を有する電荷輸送性化合物は、上記のようにひずみを生じやすい上に、反応性部位は親水性が高く、電荷輸送性部位は疎水性が高いため、微視的な相分離(ミクロ相分離)しやすいのに対し、一般式(VII)(特に一般式(VII−a))で示される連鎖重合性化合物は、ビニルフェニル基を連鎖重合性基として有しており、更に、硬化(架橋)させた際に電荷輸送性骨格に歪みを生じさせ難い連結基を有している構造であること、反応性部位、電荷輸送性部位ともに疎水性のため相分離が起き難くなるため、効率的な電荷輸送性能と高強度化が図れると考えられる。その結果として、一般式(VII)(特に一般式(VII−a))で示される連鎖重合性化合物の重合体又は架橋体を含む保護層(最表面層)は、機械的強度に優れると共に、電荷輸送性能(電気特性)がより優れるものと考えられる。
以上から、一般式(VII)(特に一般式(VII−a))で示される連鎖重合性化合物を適用すると、長期に亘り繰り返し使用しても電気特性の劣化が抑制され易くなると考えられる。
一般式(VII−a)中、Ark1〜Ark4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示す。Ark5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示す。Dkは、下記一般式(VIIA−a)で示される基を示す。kc1〜kc5は,それぞれ独立に0以上2以下の整数を示す。kkは、0又は1を示す。但し、Dkの総数は、1以上8以下である。
一般式(VIIA−a)中、Lは、アルカン若しくはアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む(kn+1)価の連結基を示す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。knは、2以上3以下の整数を示す。
以下、一般式(VII−a)の詳細を説明する。
一般式(VII−a)中、Ark1〜Ark4で示される置換若しくは未置換のアリール基は、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Ark5は、kkが0のとき、置換若しくは未置換のアリール基を示し、この置換若しくは未置換のアリール基としては、一般式(VI−a)中のAra1〜Ara4で示される置換若しくは未置換のアリール基と同様である。
Ark5は、kkが1のとき、置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、この置換若しくは未置換のアリーレン基としては、一般式(VI−a)中のAra5及びAra6で示される置換若しくは未置換のアリーレン基と同様である。
Dkの総数は、より強度の高い保護層(最表面層)を得る観点から、望ましくは2以上であり、更に望ましくは4以上である。一般に、一分子中の連鎖重合性基の数が多すぎると、重合(架橋)反応が進むにつれ、分子が動きにくくなり連鎖重合反応性が低下し、未反応の連鎖重合性基の割合が増えてしまうことから、Dcの総数は、望ましくは7以下、さらに望ましくは6以下である。
次に、一般式(VIIA−a)の詳細を説明する。
一般式(VIIA−a)中、Lで示される(kn+1)価の連結基としては、例えば、一般式(VII−a)中、L’で示される(n+1)価の連結基と同様である。
以下に、特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料の具体的を示す。
具体的には、一般式(VI)及び(VII)の電荷輸送性骨格F(例えば一般式(VI−a)中のDaや一般式(VII−a)のDkを除く骨格に相当する部位)の具体例、電荷輸送性骨格Fに連結する官能基(例えば一般式(VI−a)中のDaや一般式(VII−a)のDkに相当する部位)の具体例と共に、一般式(VI)及び(VII)で示される連鎖重合性化合物の具体例を示すが、これらに限定されるわけではない。
なお、一般式(VI)及び(VII)の電荷輸送性骨格Fの具体例の「*」部分は、電荷輸送性骨格Fに連結する官能基の「*」部分が連結していることを意味する。
つまり、例えば、例示化合物(I−b)−1は、電荷輸送性骨格Fの具体例:(M1)−1、官能基の具体例:(R2)−1と示されているが、その具体的な構造は以下の構造を示す。
まず、電荷輸送性骨格Fの具体例を以下示す。
次に、電荷輸送性骨格Fに連結する官能基の具体例を示す。

次に、一般式(VI)、具体的には一般式(VI−a)で示される化合物の具体例を示す。
次に、一般式(VI)、具体的には一般式(VI−b)で示される化合物の具体例を示す。
次に、一般式(VI)、具体的には一般式(VI−c)で示される化合物の具体例を示す。
次に、一般式(VI)、具体的には一般式(VI−d)で示される化合物の具体例を示す。
次に、一般式(VII)、具体的には一般式(VII−a)で示される化合物の具体例を示す。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料(特に一般式(VI)で示される連鎖重合性化合物)は、例えば、以下のようにして合成される。
即ち、特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料は、前駆体であるカルボン酸、又は、アルコールと、対応するクロロメチルスチレンなどでのエーテル化などにより合成される。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料の例示化合物(VI−d)−22の合成経路を一例として以下に示す。
アリールアミン化合物カルボン酸は、アリールアミン化合物のエステル基を、例えば、実験化学講座、第4版、20巻、P.51などに記載されたように、塩基性触媒(NaOH、KCO等)、酸性触媒(例えばリン酸、硫酸等)を用いる加水分解により得られる。
この際、溶媒としては、種々のものが挙げられるが、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどのアルコール系を用いるか、これに水を混合して用いることがよい。
さらに、アリールアミン化合物の溶解性が低い場合には、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、ジメチルスルホキシド、エーテル、テトラヒドロフランなどを加えてもよい。
溶媒の量は、特に制限はないが、例えば、エステル基を含有するアリールアミン化合物1質量部に対して1質量部以上100質量部以下、望ましくは2質量部以上50質量部以下で用いることがよい。
反応温度は、例えば、室温(例えば25℃)以上溶媒の沸点以下の範囲で設定され、反応速度の観点から、50度以上が望ましい。
触媒の量については、特に制限はないが、例えば、エステル基を含有するアリールアミン化合物1質量部に対して0.001質量部以上1質量部以下、望ましくは0.01質量部以上0.5質量部以下で用いることがよい。
加水分解反応後、塩基性触媒で加水分解を行った場合には、生成した塩を酸(例えば塩酸等)で中和し、遊離させる。さらに、十分に水洗した後、乾燥して使用するか、必要によっては、メタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトンなど、適当な溶媒により、再結晶精製を行った後、乾燥して使用してもよい。
アリールアミン化合物のアルコール体は、アリールアミン化合物のエステル基を、例えば、実験化学講座、第4版、20巻、P.10などに記載されたように、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどを用いて対応するアルコールに還元して合成する。
例えば、エステル結合にて反応基を導入する場合、アリールアミン化合物カルボン酸と、ヒドロキシメチルスチレンを酸触媒にて脱水縮合させる通常のエステル化や、アリールアミン化合物カルボン酸と、ハロゲン化メチルスチレンを、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いて縮合させる方法が使用し得るが、ハロゲン化メチルスチレンを用いる方法が副生成物が抑制されることから好適である。
アリールアミン化合物カルボン酸の酸に対し、ハロゲン化メチルスチレンを1当量以上、望ましくは、1.2当量以上、より望ましくは1.5当量以上加えることがよく、塩基はハロゲン化メチルスチレンに対し0.8当量以上2.0当量以下、望ましくは1.0当量以上1.5当量以下で用いることがよい。
溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、クロロベンゼン、1ークロロナフタレンなどの芳香族系溶媒などが有効であり、アリールアミン化合物カルボン酸の1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、望ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられることがよい。
反応温度は特に制限はない。反応終了後、反応液を水にあけ、トルエン、ヘキサン、酢酸エチルなどの溶媒で抽出、水洗し、さらに、必要により活性炭、シリカゲル、多孔質アルミナ、活性白土などの吸着剤を用いて精製を行ってもよい。
また、エーテル結合にて導入する場合、アリールアミン化合物アルコールと、ハロゲン化メチルスチレンを、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、DBU、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いて縮合させる方法が使用することがよい。
アリールアミン化合物アルコールのアルコールに対し、ハロゲン化メチルスチレンを1当量以上、望ましくは、1.2当量以上、より望ましくは1.5当量以上加えることがよく、塩基はハロゲン化メチルスチレンに対し0.8当量以上2.0当量以下、望ましくは、1.0当量以上1.5当量以下で用いることがよい。
溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、クロロベンゼン、1ークロロナフタレンなどの芳香族系溶媒などが有効であり、アリールアミン化合物アルコールの1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、望ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いることがよい。
反応温度は特に制限はない。反応終了後、反応液を水にあけ、トルエン、ヘキサン、酢酸エチルなどの溶媒で抽出、水洗し、さらに、必要により活性炭、シリカゲル、多孔質アルミナ、活性白土などの吸着剤を用いて精製を行ってもよい。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料(特に一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物)は、例えば、以下に示す一般の電荷輸送材料の合成方法(ホルミル化、エステル化、エーテル化、水素添加)を利用して、合成される。
・ホルミル化:電子供与性基を持つ芳香族化合物・複素環化合物・アルケンにホルミル基を導入するのに適した反応。DMFとオキシ三塩化リンを用いるのが一般的であり、反応温度は室温(例えば25℃)から100℃程度で行われることが多い。
・エステル化:有機酸とアルコールまたはフェノールのようなヒドロキシル基を含む化合物との縮合反応。脱水剤を共存させたり、水を系外へ除去することで平衡をエステル側へ偏らせる手法を用いることが好ましい。
・エーテル化:アルコキシドと有機ハロゲン化合物を縮合させるウィリアムソン合成法が一般的である。
・水素添加:種々の触媒を用いて不飽和結合に水素を反応させる方法。
特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料の含有量は、例えば、層形成のための組成物中の全固形分に対して40質量%以上95質量%以下がよく、望ましくは50質量%以上95質量%以下である。
−酸化防止剤−
本実施形態において用いられる保護層は酸化防止剤を含むことが好ましい。酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体の内部または表面に存在する酸化性物質に対して、光、熱、放電などの条件下で酸素の作用を防止または抑制する性質を有する物質であり、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。ラジカル連鎖禁止剤としては、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ジアリルアミン系、ジアリルジアミン系、ハイドロキノン系酸化防止剤などが挙げられる。過酸化分解剤としては、有機硫黄系、リン酸系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系、ベンズイミダゾール系酸化防止剤などの公知の酸化防止剤が挙げられる。上記酸化防止剤のうちでは、ラジカル連鎖禁止剤がよく、特にヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。また、2種以上の酸化防止剤を併用してもよい。さらに、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、イルガノックス1076、イルガノックス1010、イルガノックス1098、イルガノックス245、イルガノックス1330、イルガノックス3114、イルガノックス1076(以上、BASF社製)、スミライザーMDP−S(住友化学社製)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、サノールLS2626、サノールLS765、サノールLS770、サノールLS744(以上、三共ライフテック社製)、チヌビン144、チヌビン622LD(以上、BASF社製)、マークLA57、マークLA67、マークLA62、マークLA68、マークLA63(以上、アデカ社製)が挙げられ、チオエーテル系として、スミライザーTPS、スミライザーTP−D(以上、住友化学社製)が挙げられ、ホスファイト系として、マーク2112、マークPEP−8、マークPEP−24G、マークPEP−36、マーク329K、マークHP−10(以上、アデカ社製)等が挙げられる。
酸化防止剤の保護層中の含有量は0.01質量%以上20質量%以下が好ましい。0.01質量%未満だと、酸化防止剤としての効果がなく、20質量%より多い含有量では保護層中の電荷輸送能の低下が起こり、残留電位が増加しやすくなり、また膜強度の低下が発生する。
−フッ素含有樹脂粒子−
保護層(最表面層)は、フッ素含有樹脂粒子を含有してもよい。
フッ素含有樹脂粒子としては、フルオロオレフィンのホモポリマーや、2種以上の共重合体であって、フルオロオレフィンの1種又は2種以上と非フッ素系のモノマーとの共重合体の粒子が挙げられる。
フルオロオレフィンとしては、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのパーハロオレフィン、フッ化ビニリデン(VdF)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニルなどの非パーフルオロオレフィン等が挙げられ、VdF、TFE、CTFE、HFPなどが望ましい。
一方、非フッ素系のモノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなどのハイドロカーボン系オレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、エチルビニルエーテル(EVE)、ブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル(POEAE)、エチルアリルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル、ビニルトリメトキシシラン(VSi)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(商品名、シェル社製のビニルエステル)などのビニルエステルなどが挙げられ、アルキルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ビニルエステル、反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物が望ましい。
これらのうち、フッ素化率の高いものが望ましく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などが好ましい。これらのうちでも、PTFE、FEP、PFAが特に望ましい。
フッ素含有樹脂粒子は、例えばフッ素系単量体を乳化重合などの方法で製造した粒子(フッ素樹脂水性分散液)をそのまま使用してもよく、十分に水洗した後に乾燥したものを使用してもよい。
フッ素含有樹脂粒子の平均粒子径としては0.01μm以上100μm以下が好ましく、特に0.03μm以上5μm以下であることが好ましい。
尚、上記フッ素含有樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所製)を用いて測定した値をいう。
フッ素含有樹脂粒子は、市販で入手したものを用いてもよく、例えばPTFE粒子としては、フルオンL173JE(旭ガラス社製)、ダニイオンTHV−221AZ、ダニイオン9205(住友3M社製)、ルブロンL2、ルブロンL5(ダイキン社製)などが挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子は、紫外領域の発振波長を有するレーザー光を照射されたものであってもよい。フッ素含有樹脂粒子に照射されるレーザー光については特に限定されるものではなく、例えば、エキシマレーザー等が挙げられる。エキシマレーザー光としては、波長が400nm以下、特に193nm以上308nm以下の紫外レーザー光が好適である。特に、KrFエキシマレーザー光(波長:248nm)およびArFエキシマレーザー光(波長:193nm)等が好ましい。エキシマレーザー光照射は、通常、室温(25℃)大気中で行うが、酸素雰囲気中で行ってもよい。
また、エキシマレーザー光の照射条件は、フッ素樹脂の種類および求められる表面改質の程度によって左右されるが、一般的な照射条件は次の通りである。
フルエンス:50mJ/cm/パルス以上
入射エネルギー:0.1J/cm以上
ショット数:100以下
特に好適なKrFエキシマレーザー光およびArFエキシマレーザー光の常用される照射条件は次の通りである。
KrF
フルエンス:100mJ/cm/パルス以上500mJ/cm/パルス以下
入射エネルギー:0.2J/cm以上2.0J/cm以下
ショット数:1以上20以下
ArF
フルエンス:50mJ/cm/パルス以上150mJ/cm/パルス以下
入射エネルギー:0.1J/cm以上1.0J/cm以下
ショット数:1以上20以下
フッ素含有樹脂粒子の含有量は、保護層(最表面層)の固形分全量に対して1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上12質量%以下がさらに好ましい。
−フッ素含有分散剤−
保護層(最表面層)は、フッ素含有樹脂粒子と共に、フッ素含有分散剤を含有してもよい。
フッ素含有分散剤は、フッ素含有樹脂粒子を保護層(最表面層)中に分散させるために用いられるものであるため、界面活性作用を有していることが好ましく、つまり分子内に親水基と疎水基とを持つ物質であることがよい。
フッ素含有分散剤としては、以下の反応性の単量体を重合した樹脂(以下「特定樹脂」と称する。)が挙げられる。具体的には、パーフルオロアルキル基を有するアクリレートと、フッ素を有さないモノマーと、のランダム又はブロック共重合体、メタクリレートホモポリマーおよび前記パーフルオロアルキル基を有するアクリレートと、前記フッ素を有さないモノマーと、のランダム又はブロック共重合体、メタクリレートと、前記フッ素を有さないモノマーと、のランダム又はブロック共重合体が挙げられる。尚、パーフルオロアルキル基を有するアクリレートとしては、例えば2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレートが挙げられる。
また、フッ素を有さないモノマーとしては、例えば、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレートが挙げられる。また、米国特許5637142号明細書、特許第4251662号公報などに開示されたブロック又はブランチポリマーなどが挙げられる。またその他に、フッ素系界面活性剤が挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例としては、サーフロン(登録商標)S−611、サーフロン(登録商標)S−385(AGCセイミケミカル社製)、フタージェント730FL、フタージェント750FL(ネオス社製)、PF−636、PF−6520(北村化学社製)、メガファック(登録商標)EXP,TF−1507、メガファック(登録商標)EXP、TF−1535(DIC社製)、FC−4430、FC−4432(3M社製)などが挙げられる。
なお、特定樹脂の重量平均分子量は100以上50000以下が好ましい。
フッ素含有分散剤の含有量は、保護層(最表面層)の固形分全量に対して0.1質量%以上1質量%以下が好ましく、0.2質量%以上0.5質量%以下がさらに好ましい。
フッ素含有分散剤をフッ素含有樹脂粒子の表面に付着させる方法としては、フッ素含有分散剤を直接フッ素含有樹脂粒子の表面に付着させてもよいし、まず上記の単量体をフッ素含有樹脂粒子の表面に吸着させた後に重合を行なって、フッ素含有樹脂粒子の表面に前記特定樹脂を形成させてもよい。
フッ素含有分散剤は、他の界面活性剤と併用してもよい。但し、その量としては極力少ないことがよく、他の界面活性剤の含有量は、フッ素含有樹脂粒子1質量部に対し、0質量部以上0.1質量部以下がよく、望ましくは0質量部以上0.05質量部以下、より望ましくは0質量部以上0.03質量部以下である。
他の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤がよく、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類、フッ素系界面活性剤およびその誘導体などが挙げられる。
ポリオキシエチレン類の具体例としては、例えばエマルゲン707(花王社製)、ナロアクティー(登録商標)CL−70、ナロアクティー(登録商標)CL−85(三洋化成工業社製)、レオコールTD−120(ライオン社製)などが挙げられる。
−不飽和結合を有する化合物−
保護層(最表面層)は、不飽和結合を有する化合物を含有してもよい。
不飽和結合を有する化合物としては、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよく、また、電荷輸送性骨格を有していてもよい。
不飽和結合を有する化合物として、電荷輸送性骨格を有さないものとしては以下のようなものが挙げられる。
1官能のモノマーは、例えば、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、スチレン、などが挙げられる。
2官能のモノマーは、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等が挙げられる。
3官能のモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート、トリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
4官能のモノマーは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
5官能以上のモノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、反応性のポリマーとしては、例えば、特開平5−216249号公報、特開平5−323630号公報、特開平11―52603号公報、特開2000−264961号公報、特開2005−2291号公報などに開示されたものが挙げられる。
電荷輸送成分を有さない不飽和結合を有する化合物を用いる場合には、単独又は2種以上の混合物として使用される。
電荷輸送成分を有さない不飽和結合を有する化合物の含有量は、保護層(最表面層)を形成する際に用いられる組成物の全固形分に対して、例えば、望ましくは60質量%以下がよく、望ましくは55質量%以下、より望ましくは50質量%以下である。60質量%以上であると、感光体の電荷輸送性が低下し、画質が悪化する。
一方、不飽和結合を有する化合物として、電荷輸送骨格を有するものとしては、次のものが挙げられる。
・連鎖重合性官能基(ビニルフェニル基を除く連鎖重合性官能基)及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物
連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物における連鎖重合性官能基としては、式(I)〜式(VII)のいずれかにより示される化合物以外の化合物であって、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性官能基としては、ビニル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくも一つを含有する基であることが望ましい。
また、連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物における電荷輸送性骨格としては電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が望ましい。
−非反応性の電荷輸送材料−
保護層(最表面層)は、非反応性の電荷輸送材料を含有してもよい。非反応性の電荷輸送材料は電荷輸送を担っていない反応性基を有さないため、非反応性の電荷輸送材料を保護層(最表面層)に用いた場合には電荷輸送成分の濃度が高まり、電気特性を更に改善するのに有効である。また、非反応性の電荷輸送材料を添加して架橋密度を減じ、強度を調整してもよい。
非反応性の電荷輸送材料としては、公知の電荷輸送材料を用いてもよく、具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等が用いられる。
中でも、電荷移動度、相溶性などの点から、トリフェニルアミン骨格を有するものが望ましい。
非反応性の電荷輸送材料は、層形成のための塗布液中の全固形分に対して0質量%以上30質量%以下で用いられることが望ましく、より望ましくは1質量%以上25質量%以下であり、更に望ましくは5質量%以上25質量%以下である。
−その他の添加剤−
保護層(最表面層)は、更に成膜性、可とう性、潤滑性、接着性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、特にフッ素含有のカップリング剤と混合して含有してもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、及び市販のシリコーン系ハードコート剤が用いられる。また、ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物を用いてもよい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−8239(以上、信越化学工業社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
また、撥水性等の付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、等の含フッ素化合物を加えてもよい。
シランカップリング剤は任意の量で使用されるが、含フッ素化合物の量は、架橋膜の成膜性の観点から、フッ素を含まない化合物に対して質量で0.25倍以下とすることが望ましい。更に、特開2001−166510号公報などに開示されている反応性のフッ素化合物などを混合してもよい。
ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物としては、特開2007−11005号公報に記載の化合物などが挙げられる。
保護層(最表面層)は、導電性粒子や、有機、無機粒子を含有してもよい。
この粒子の一例として、ケイ素含有粒子が挙げられる。ケイ素含有粒子とは、構成元素にケイ素を含む粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン粒子等が挙げられる。ケイ素含有粒子として用いられるコロイダルシリカは、望ましくは平均粒径1nm以上100nm以下、より望ましくは10nm以上30nm以下のシリカを、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、又はアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれる。該粒子としては一般に市販されているものを使用してもよい。
保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、保護層の全固形分全量を基準として、0.1質量%以上50質量%以下、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下の範囲で用いられる。
ケイ素含有粒子として用いられるシリコーン粒子は、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用してもよい。
これらのシリコーン粒子は球状で、その平均粒径は望ましくは1nm以上500nm以下、より望ましくは10nm以上100nm以下である。
表面層中のシリコーン粒子の含有量は、保護層の全固形分全量を基準として、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より望ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
また、その他の粒子としては、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、In、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物が挙げられる。さらに、粒子を分散させるために公知の種々の分散材を用いてもよい。
保護層(最表面層)は、シリコーンオイル等のオイルを含有してもよい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル;アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類;1,3,5−トリメチル−1.3.5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類;ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類;3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類;メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類;ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等が挙げられる。
保護層(最表面層)には、塗膜の濡れ性改善のため、シリコーン含有オリゴマー、フッ素含有アクリルポリマー、シリコーン含有ポリマー等を添加してもよい。
保護層(最表面層)には、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等を添加してもよい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属を樹脂の粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。
これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着での混合でもよい。導電性粒子の平均粒径は0.3μm以下、特に0.1μm以下が望ましい。
−組成物−
保護層を形成するために用いる組成物は、各成分を溶媒中に溶解又は分散してなる保護層形成用塗布液として調製されることが望ましい。
ここで、保護層形成用塗布液の溶媒は、電荷輸送性材料の溶解性、フッ素含有樹脂粒子の分散性、最表面層の表層側へのフッ素含有樹脂粒子の偏在を抑制する観点から、電荷輸送層の結着樹脂(特定ポリカーボネート共重合体)とのSP値(Feders法で算出した溶解度パラメータ)の差(絶対値)が2.0以上4.0以下(望ましくは2.5以上3.5以下)のケトン系溶媒またはエステル系溶媒を用いることがよい。
具体的には、保護層形成用塗布液の溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、エチルnブチルケトン、ジnプロピルケトン、メチルnアミルケトン、メチルnブチルケトン、ジエチルケトン、メチルnプロピルケトン等のケトン類;酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸nプロピル、酢酸nブチル、イソ吉草酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸イソプロピル、プロピオン酸イソアミル、酪酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸アリル等のエステル類等の単独溶媒又は混合溶媒が挙げられる。また、0質量%以上50質量%以下のエーテル系溶剤(例えばジエチルエーテル、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、アルキレングリコール系溶剤(例えば1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)を混合して用いてもよい。
保護層形成用塗布液中にフッ素含有樹脂粒子を分散させるための分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、撹拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機を利用した分散方法が挙げられる。さらに、当該分散方法としては、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などの分散方法も挙げられる。
なお、保護層形成用塗布液の調製方法については特に限定されるものではなく、電荷輸送材料とフッ素含有樹脂粒子とフッ素含有分散剤と必要に応じて溶媒等のその他の成分とを混合し、上述の分散機を用いて調製してもよいし、フッ素含有樹脂粒子とフッ素含有分散剤と溶媒とを含む混合液A及び少なくとも電荷輸送材料と溶媒とを含む混合液Bの2液を別々に準備した後に、これら混合液A及び混合液Bを混合することにより調製してもよい。フッ素含有樹脂粒子とフッ素含有分散剤とを溶媒中で混合することにより、フッ素含有樹脂粒子の表面にフッ素含有分散剤を付着され易くなる。
また、前述の成分を反応させて保護層形成用塗布液を得るときには、各成分を単純に混合、溶解させるだけでもよいが、望ましくは室温(20℃)以上100℃以下、より望ましくは30℃以上80℃以下で、望ましくは10分以上100時間以下、より望ましくは1時間以上50時間以下の条件で加温する。また、この際に超音波を照射することも望ましい。
−保護層の形成−
保護層形成用塗布液は、被塗布面(電荷輸送層)の上に、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、インクジェット塗布法等の通常の方法により塗布される。
その後、得られた塗膜に対して、光、電子線又は熱を付与してラジカル重合を生起させて、該塗膜を硬化させる。
硬化の方法は、熱、光、放射線などが用いられる。熱、光で硬化を行う場合、重合開始剤は必ずしも必要ではないが、光硬化触媒又は熱重合開始剤を用いてもよい。この光硬化触媒及び熱重合開始剤としては、公知の光硬化触媒や熱重合開始剤が用いられる。放射線としては電子線が望ましい。
・電子線硬化
電子線を用いる場合、加速電圧は300KV以下が望ましく、最適には150KV以下である。また、線量は望ましくは1Mrad以上100Mrad以下の範囲、より望ましくは3Mrad以上50Mrad以下の範囲である。加速電圧が300KV以下であることにより感光体特性に対する電子線照射のダメージが抑制される。また、線量が1Mrad以上であることにより架橋が十分に行なわれ、100Mrad以下であることにより感光体の劣化が抑制される。
照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が1000ppm、望ましくは500ppm以下で行い、さらに照射中、又は照射後に50℃以上150℃以下に加熱してもよい。
・光硬化
光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプなどが用いられ、バンドパスフィルター等のフィルターを用いて好適な波長を選択してもよい。照射時間、光強度は自由に選択されるが、例えば照度(365nm)は300mW/cm以上、1000mW/cm以下が望ましく、例えば600mW/cmのUV光を照射する場合、5秒以上360秒以下照射すればよい。
照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が望ましくは1000ppm以下、より望ましくは500ppm以下で行い、さらに照射中、又は照射後に50℃以上150℃以下に加熱してもよい。
光硬化触媒として、分子内開裂型としては、ベンジルケタール系、アルキルフェノン系、アミノアルキルフェノン系、ホスフィンオキサイド系、チタノセン系、オキシム系などが挙げられる。
より具体的には、ベンジルケタール系として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。
また、アルキルフェノン系としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、アセトフェノン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルフォニルオキシ)アセトフェノンが挙げられる。
アミノアルキルフェノン系としては、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モリホニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。
ホスフィノキサイド系としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンキサイドなどが挙げられる。
チタノセン系としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
オキシム系としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。
水素引抜型としては、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンジル系、ミヒラーケトン系などが挙げられる。
より具体的には、ベンゾフェノン系として、2−ベンゾイル安息香酸、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系としては、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ベンジル系としては、ベンジル、(±)−カンファーキノン、p−アニシルなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用られる。
・熱硬化
熱重合開始剤としては、熱ラジカル発生剤又はその誘導体が挙げられ、具体的には、例えば、V−30、V−40、V−59、V601、V65、V−70、VF−096、VE−073、Vam−110、Vam−111(和光純薬工業製)、OTazo−15、OTazo−30、AIBN、AMBN、ADVN、ACVA(大塚化学)等のアゾ系開始剤;パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH、パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイルIB、パーロイル355、パーロイルL、パーロイルSA、ナイパーBW、ナイパーBMT−K40/M、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルOPP、パーロイルSBP、パークミルND、パーオクタND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ250、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ(日油化学社製)、カヤケタールAM−C55、トリゴノックス36−C75、ラウロックス、パーカドックスL−W75、パーカドックスCH−50L、トリゴノックスTMBH、カヤクメンH、カヤブチルH−70、ペルカドックスBC−FF、カヤヘキサAD、パーカドックス14、カヤブチルC、カヤブチルD、カヤヘキサYD−E85、パーカドックス12−XL25、パーカドックス12−EB20、トリゴノックス22−N70、トリゴノックス22−70E、トリゴノックスD−T50、トリゴノックス423−C70、カヤエステルCND−C70、カヤエステルCND−W50、トリゴノックス23−C70、トリゴノックス23−W50N、トリゴノックス257−C70、カヤエステルP−70、カヤエステルTMPO−70、トリゴノックス121、カヤエステルO、カヤエステルHTP−65W、カヤエステルAN、トリゴノックス42、トリゴノックスF−C50、カヤブチルB、カヤカルボンEH−C70、カヤカルボンEH−W60、カヤカルボンI−20、カヤカルボンBIC−75、トリゴノックス117、カヤレン6−70(化薬アクゾ社製)、ルペロックス610、ルペロックス188、ルペロックス844、ルペロックス259、ルペロックス10、ルペロックス701、ルペロックス11、ルペロックス26、ルペロックス80、ルペロックス7、ルペロックス270、ルペロックスP、ルペロックス546、ルペロックス554、ルペロックス575、ルペロックスTANPO、ルペロックス555、ルペロックス570、ルペロックスTAP、ルペロックスTBIC、ルペロックスTBEC、ルペロックスJW、ルペロックスTAIC、ルペロックスTAEC、ルペロックスDC、ルペロックス101、ルペロックスF、ルペロックスDI、ルペロックス130、ルペロックス220、ルペロックス230、ルペロックス233、ルペロックス531(アルケマ吉富社製)などが挙げられる。
これらのうち、分子量250以上のアゾ系重合開始剤を用いると、低い温度でムラなく反応が進行することから、ムラが抑制された高強度の膜の形成が図られる。より好適には、アゾ系重合開始剤の分子量は、250以上であり、300以上が更に好適である。
加熱は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が望ましくは1000ppm以下、より望ましくは500ppm以下で行い、望ましくは50℃以上170℃以下、より望ましくは70℃以上150℃以下で、望ましくは10分以上120分以下、より望ましくは15分以上100分以下加熱する。
光硬化触媒又は熱重合開始剤の総含有量は、層形成のための溶解液中の全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下が望ましく、更には0.1質量%以上8質量%以下がより望ましく、0.1質量%以上5質量%以下の範囲が特に望ましい。
なお、本実施態様では、反応が早く進行しすぎると架橋により塗膜の構造緩和ができ難くなり、膜のムラやシワを発生しやすくなるといった理由から、ラジカルの発生が比較的ゆっくりと起こる熱による硬化方法が採用される。
特に、特定の連鎖重合性基含有電荷輸送材料と熱による硬化とを組み合わせることで、塗膜の構造緩和の促進が図られ、表面性状に優れた高い保護層(最表面層)が得られ易くなる。
保護層の膜厚は、例えば、望ましくは3μm以上40μm以下、より望ましくは5μm以上35μm以下、さらに好ましくは7μm以上30μm以下、の範囲内に設定される。
<クリーニング手段>
本実施形態に係る画像形成装置は、クリーニング手段を有する。
クリーニング手段としては、特に制限なく、画像形成装置において公知のクリーニング手段が使用されるが、例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシ等により、像保持体の表面をクリーニングする方式の手段が挙げられる。
装置を小型化する観点からは、ゴムブレードを用いたクリーニングブレード方式が好ましい。
また、ファーブラシクリーニングを用いてもよいし、現像−同時クリーニングによるクリーナーレスシステムとしてもよい。
<露光手段>
露光手段としては、特に限定されず、画像形成装置の分野で公知の露光手段が用いられるが、例えば、電子写真感光体の表面に、定められた像様の静電潜像を形成しうる光学系機器等が挙げられる。
静電潜像形成手段としては、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の露光光源が用いられる。
光源の波長は、電子写真感光体の分光感度領域内とする。
半導体レーザ光の波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
<現像手段>
現像手段としては、特に限定されないが、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。
現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも、現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
ここで、現像手段(現像装置)に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
<画像形成装置及びプロセスカートリッジ>
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
また、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る画像形成装置に脱着され、前記感光体、前記第2帯電手段、及び、前記第1帯電手段を備えるプロセスカートリッジであることが好ましい。
<トナー>
本実施形態の画像形成装置において用いられるトナーとしては、特に限定されず、公知のトナーが用いられる。
公知のトナーとしては、例えば、特開2007−264214号公報に記載のトナー等が挙げられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、第1帯電装置8(第1帯電手段の一例)、第2帯電装置10(第2帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
第1帯電装置8及び第2帯電装置10としては、上述の第1帯電装置及び第2帯電装置が用いられる。例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
(感光体の作製)
<感光体−1>
〔下引層の作製〕
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と撹拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間撹拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと撹拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間撹拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)15質量部とをメチルエチルケトン85質量部とを混合し、混合液を得た。得られた混合液38質量部とメチルエチルケトン:25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
導電性支持体として直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmの円筒状アルミニウム支持体を準備し、得られた下引層形成用塗布液を浸漬塗布法にて、円筒状アルミニウム支持体上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ18.7μmの下引層を得た。
〔電荷発生層の作製〕
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、撹拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。
得られた電荷発生層形成用塗布液を先に円筒状アルミニウム支持体に形成した下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷輸送層の作製〕
まず、次のようにして、ポリカーボネート共重合体(1)を得た。
ホスゲン吹込管、温度計及び撹拌機を備えたフラスコに窒素雰囲気下にて1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下Zと称する)106.9g(0.398モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(以下BPと称する)24.7g(0.133モル)、ハイドロサルファイト0.41g、9.1%水酸化ナトリウム水溶液825ml(水酸化ナトリウム2.018モル)、塩化メチレン500mlを仕込んで溶解し、撹拌下18℃以上21℃以下に保持し、ホスゲン76.2g(0.770モル)を75分要して吹込みホスゲン化反応させた。ホスゲン化反応終了後p−tert−ブチルフェノール1.11g(0.0075モル)および25%水酸化ナトリウム水溶液54ml(水酸化ナトリウム0.266モル)を加え撹拌し、途中トリエチルアミン0.18ml(0.0013モル)を添加し、30℃以上35℃以下の温度で2.5時間反応させた。分離した塩化メチレン相を無機塩類及びアミン類がなくなるまで酸洗浄及び水洗した後、塩化メチレンを除去してポリカーボネート共重合体(1)を得た。このポリカーボネートは、ZとBPとの構成単位の比がモル比で75:25であった。
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)25質量部、下記構造式(A)で示す化合物20質量部、及び結着樹脂としてポリカーボネート共重合体(1)(粘度平均分子量:5万)55質量部をテトラヒドロフラン560質量部、トルエン240質量部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、135℃、45分の乾燥を行って膜厚が22μmの電荷輸送層を形成した。
〔保護層(最表面層)の作製〕
反応性基含有電荷輸送材料として例示化合物(I−d)−28 80質量部と、THF20質量部に溶解させた後に酢酸イソブチル15質量部を加え、THF20質量部に減圧蒸留した下記構造の反応性材料(B)20質量部(表中「連鎖重合性化合物」と表記)を含んだ溶液と、重合開始剤のVE−073(和光純薬工業(株)製)2質量部と、酢酸イソブチル235質量部を混合し、室温で12時間撹拌混合して、保護層形成用塗布液を作製した。
次に、得られた保護層形成用塗布液を、先に円筒状アルミニウム支持体上に形成した電荷輸送層上にリング塗布法によって、突き上げ速度250mm/minで塗布した。その後、酸素濃度計を有する窒素乾燥機にて、酸素濃度200ppm以下の状態で、温度160±5℃、時間50分の硬化反応を実施し、保護層を形成した。保護層の膜厚は12μmであった。
以上のようにして、電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を富士ゼロックス社製 Docucentre−V C7775に装着し、図4に示す画像パターンを用いて所定濃度のプリントが得られることを確認(初期画質テスト)した。
<感光体−2〜24、比較感光体−2〜3>
実施例1と同様の方法で円筒状アルミニウム支持体に下引層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成した。その後、下記表62に従って、電荷輸送層の結着樹脂と、保護層形成用塗布液の連鎖重合性基含有電荷輸送材料((表中「RCTM」と表記))及び、下記構造式(D)で示される非反応性電荷輸送材料(表中「CTM」と表記(化合物(D)))添加材料(テトラフルオロエチレン重合体粒子:ルブロンL−2(ダイキン工業社製))を変更した以外は、実施例1と同様の方法で保護層を形成して電子写真感光体を作製した。表62中の数値は、保護層形成用塗布液中のRCTM、CTM及び添加材料の全質量に対する各成分の含有量(固形分量)を示している。下記作製した電子写真感光体を富士ゼロックス社製 Docucentre−IV C2260に装着し、図4に示す画像パターンを用いて所定濃度のプリントが得られることを確認(初期画質テスト)した。
なお、化合物(D)中、Meはメチル基を表す。
<比較感光体−1>
電荷発生層までは感光体−1と同様に作製した。
次いで、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)25質量部、下記構造式(A)で示す化合物20質量部、及び結着樹脂としてポリカーボネート共重合体(1)(粘度平均分子量:5万)55質量部、PTFE粒子(ルブロンL−2、ダイキン社製)7.3質量部、フッ素樹脂(GF−400、東亞合成社製)0.35質量部、酸化防止剤のスミライザーMDP−S 5質量部をテトラヒドロフラン560質量部、トルエン240質量部に加えて溶解し、高圧湿式メディアレス微粒化装置(ナノマイザーNMS−200ED、ナノマイザー社製)で分散処理を行い、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、135℃、45分の乾燥を行って膜厚が40μmの電荷輸送層を形成した。
その後、表62に従って、電荷輸送層の結着樹脂と、保護層形成用塗布液の連鎖重合性基含有電荷輸送材料((表中「RCTM」と表記))及び、下記構造式(D)で示される非反応性電荷輸送材料(表中「CTM」と表記(化合物(D)))添加材料(テトラフルオロエチレン重合体粒子:ルブロンL−2(ダイキン工業社製))を変更した以外は、実施例1と同様の方法で保護層を形成して電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を富士ゼロックス社製 Docucentre−IV C2260に装着し、図4に示す画像パターンを用いて所定濃度のプリントが得られることを確認(初期画質テスト)した。
(トナーの作製)
<電子写真トナー(1)−シアンの作製>
〔樹脂分散液(1)の調整〕
結晶性ポリエステル樹脂(1)150部を蒸留水850部中に入れ、80℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。次いで、フタロシアニン顔料250部(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)、イオン交換水700部を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤(フタロシアニン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製した。
〔凝集粒子の調製〕
樹脂粒子分散液(1)2400部、着色剤分散液(1)100部、離型剤粒子分散液63部、硫酸アルミニウム6質量部(和光純薬工業社製)、イオン交換水100部、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で60℃まで撹拌しながら加熱した。60℃で2時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約4.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に2時間、60℃で加熱撹拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約3.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子液のpHは2.4であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した後、撹拌を継続しながら75℃まで加熱し、3時間保持した。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより電子写真用トナー(1)を得た。得られたトナーの融点は65℃であった。
得られた電子写真用トナー(1)について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて平均粒子径を測定したところ、平均粒子径は3.2μm、平均形状係数は133であった。
〔電子写真トナー(1)−イエローの作製〕
電子写真トナー(1)−シアンの作製例において、フタロシアニン顔料の代わりにイエロ−アゾ顔料を使用した以外は同様に行い、電子写真トナー(1)−イエローを得た。
〔電子写真トナー(1)−マゼンタの作製〕
電子写真トナー(1)−シアンの作製例において、フタロシアニン顔料の代わりにキナクリドン顔料を使用した以外は同様に行い、電子写真トナー(1)−マゼンタを得た。
〔電子写真トナー(1)−黒の作製〕
電子写真トナー(1)−シアンの作製例において、フタロシアニン顔料の代わりにカーボンブラックを使用した以外は同様に行い、電子写真トナー(1)黒を得た。
〔現像剤−1の作製〕
得られた4色のトナーの粒子に外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ(平均粒径40nm)0.5%、メタチタン酸にイソブチルトリメトキシシラン50%処理後焼成して得られたチタン化合物(平均粒径30nm)0.7%を加え(何れもトナーに対する質量比)、ステアリン酸亜鉛(ニッサンエレクトールMZ−2:平均粒径約1.5μm、日油社製)0.18%を75Lヘンシェルミキサーにて10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(新東京機械社製)にて篩分し、外添トナー−1を作製した。
平均粒径50μmのフェライトコア100部に対して、0.15部にあたるフッ化ビニリデン、及び1.35部にあたるメチルメタアクリレートとトリフロロエチレンとの共重合体(重合比80:20)樹脂をニーダー装置を用いコーティングし、キャリアを作製した。得られたキャリアと前記外添トナー−1とを、それぞれ100部:8部の割合で2リッターのVブレンダーで混合し、現像剤−1を作製した。
(実施例−1)
<実機評価>
各実施例又は比較例において、表2に記載の感光体を、富士ゼロックス社製 Docucentre−V C7775に装着し、図4に示す画像パターンを用いて所定濃度のプリントが得られることを確認(初期画質テスト)した。各実施例又は比較例において、装置内の第1帯電手段及び第2帯電手段は表2に記載のものを使用した。
表2中の略語の詳細は下記の通りである。
ブラシ:東英産業(株)製帯電ブラシ(ブラシ部:ポリエステル+カーボンブラック)をC7775にあわせて改造したもの
AC印加式ローラ:NOK(株)製AC帯電ローラをC7775にあわせて改造したもの
DC印加式ローラ:NOK(株)製DC帯電ローラをC7775にあわせて改造したもの
フィルム:コニカミノルタ(株)製帯電フィルム(ナイロン+カーボンブラック)をC7775にあわせて改造したもの
ブレード:バンドー化学社製帯電ブレード(レーヨン+カーボンブラック)をC7775にあわせて改造したもの
スコロトロン:富士電機(株)製スコロトロンをC7775にあわせて改造したもの
なお、図4に示す画像パターンは、記録媒体としてのA4用紙に、用紙横送り方向(短手方向)に沿って配列した4ドットラインと4ドットスペースの繰り返し細線画像で、用紙長手方向に沿って引かれた幅2mmの細線画像(この部分のみの画像濃度は50%)100Aを3本と、18mm×9mm四方の画像濃度100%のベタ画像100Bを6つと、18mm×9mm四方で、用紙長手方向に沿って配列した4ドットラインと4ドットスペースの繰り返し細線画像(この部分のみの画像濃度は50%)100Cを6つと、からなる画像パターンである。
図4に示す画像パターンにおいて、用紙長手方向に沿って引かれた幅2mmの3本の細線画像100Aの各間には、各々、ベタ画像100Bを3つ、細線画像100Cを3つ、等間隔で交互に配列した画像を形成する。
つまり、記録媒体としてのA4用紙には、細線画像100Aのみを有する画像濃度1.4%の第1の画像パターン101Aと、細線画像100Aおよびベタ画像100Bを有する画像濃度10%の第2の画像パターン101Bと、細線画像100Aおよび細線画像100Cを有する画像濃度5.7%の第3の画像パターン101Cからなる画像を形成する。
なお、各画像パターンの画像濃度とは、用紙送り方向(横送り方向(短手方向))における画像密度の平均値で示し、4ドットラインと4ドットスペースの繰り返し細線画像で、幅2mmの細線画像100Aのみを有する第1の画像パターンの部分は、紙幅210mmに対し画像濃度50%の部分が2mm×3本で(2×3×50%)/210=1.4%であり、同様に、細線画像100Aおよびベタ画像100Bを有する第2の画像パターン101Bの部分は{(2×3×50%)+(9×2×100%)}/210=10%であり、細線画像100Aおよび細線画像100Cを有する画像濃度5.7%の第3の画像パターン101Cの部分は{(2×3×50%)+(9×2×50%)}/210=5.7%と定義される濃度である。
その後、図4に示す画像パターンを連続5枚プリントするジョブパターンで常温常湿(25℃、50%RH)で70,000枚(感光体200,000サイクルに相当)、高温高湿(29℃、85%RH)で70,000枚、及び低温低湿(10℃、15%RH)で70,000枚プリントを行った。
なお、画像形成テストには、富士ゼロックス製P紙(A4サイズ、短手方向送り)を用いた。
〔残留電位の測定〕
電子写真感光体の電気特性は、除電した後の残留電位(Rp)を表面電位計(トレック社製、トレック334)を用いて、測定対象の領域に表面電位プローブを設けて(電子写真感光体の表面から1mm離れた位置)測定し、初期の残留電位と各環境70,000枚プリント後の残留電位との差(ΔRp)を算出した。
残留電位について、以下の評価基準で評価し、評価結果を表1に記載した。
A+: 20V未満
A : 20V以上40V未満
B : 40V以上80V未満
C : 80V以上
〔耐傷つき性の評価〕
電子写真感光体の摩耗率は、自社開発した光学的膜厚測定装置(ライン干渉膜厚計)を用い、電子写真感光体長手方向に、電子写真感光体の断面で見て0°、90°、180°、270°の4か所で測定を行い、この4か所の平均値をとって摩耗プロファイルを測定し、下記パラメータ1〜パラメータ9を求めた。
パラメータ1:常温常湿での感光体摩耗率の平均(Wm)
パラメータ2:常温常湿での最大摩耗率(Wmmax)
パラメータ3:常温常湿での最小摩耗率(Wmmin)
パラメータ4:低温低湿での感光体摩耗率の平均(Wl)
パラメータ5:低温低湿での最大摩耗率(Wlmax)
パラメータ6:低温低湿での最小摩耗率(Wlmin)
パラメータ7:高温高湿での感光体摩耗率の平均(Wh)
パラメータ8:高温高湿での最大摩耗率(Whmax)
パラメータ9:高温高湿での最小摩耗率(Whmin)
上記パラメータを用い、各評価基準により感光体の耐傷つき性を評価した。
評価基準は下記の通りとし、評価結果は表2に記載した。
A+:目視でキズが確認されないが、顕微鏡観察で小さなキズが確認される。
A :目視でキズが若干確認される(実用上は問題ない)。
B :部分的にキズが発生。
C :全面にキズ発生。
〔画像流れの評価〕
画像流れについて、A4の画像濃度30%のベタ画像を1枚印刷し、以下の評価基準で評価した。
A+: 画像流れ全くなし
A : 画質上問題となる画像流れなし
B : 若干画像流れ発生
C*1 : 画質上問題となる画像流れ(ドットの乱れ)発生
C*2 : 画質上問題となる画像流れ(ドットの乱れと飛び散り)発生
〔濃度ムラの評価〕
濃度ムラについて、A4の画像濃度30%のべた画像を1枚印刷し、以下の評価基準で評価した。
A+: 濃度ムラ発生全くなし
A : 大きさが1cm未満の濃度ムラの発生数が3箇所未満
B : 大きさが1cm未満の濃度ムラの発生数が3箇所以上
C*1 : 大きさが1cm以上の濃度ムラ(もや状の白抜け)発生
C*2 : 大きさが1cm以上の濃度ムラ(筋状の白抜け)発生
〔異常放電の発生〕
異常放電の発生は、感光体表面上の放電痕の有無により確認した。
表2中には、異常放電の発生が認められた例については「有」、異常放電の発生が認められなかった例については「無」と記載した。
〔総合評価〕
上記各評価を総合し、感光体、画像形成装置の総合評価を行った。なお、評価基準は、以下の通りである。
A+:特に優れる
A:優れる
B:若干課題はあるが、実用上の大きな問題はない
C:実用上の問題あり
本実施形態に係る画像形成装置を用いた実施例−1乃至実施例−24においては、比較例1〜5に比して、濃度ムラの発生の抑制に優れた画像が得られることがわかる。
また、第一の帯電手段を有しない比較例1、比較例2及び比較例3においては、画像にもや状の白抜けが発生することがわかる。
これは、感光体表面及び第二の帯電手段に汚れが発生するためであると推測される。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性支持体、5 保護層、7A、7B、7C、7 電子写真感光体、8 第1帯電装置、9 露光装置、10 第2帯電装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100A 細線画像、100B ベタ画像、100C 細線画像、101A 第1の画像パターン、101B 第2の画像パターン、101C 第3の画像パターン、100、120、130、140 画像形成装置、300 プロセスカートリッジ

Claims (11)

  1. 下記一般式(I)及至(VII)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物の硬化物を含む最表面層を有する感光体と、
    感光体の表面を帯電させる接触式の第2帯電手段と、
    前記第2帯電手段により帯電された感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像をトナーにより顕像化して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、
    前記感光体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段と、
    前記第2帯電手段と前記クリーニング手段との間に位置し、感光体の表面を帯電させる接触式の第1帯電手段と、を有する
    画像形成装置。

    F−[(Xn2−(Rn3−(Zn4G]n5 (I)
    一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるn5価の有機基を示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、−NH−又は−C(=O)O−を示し、Gはエポキシ基又はグリシジル基を示し、ただし、n4が1であり、かつ、Zが酸素原子、硫黄原子、又は、−NH−の場合には、Gはグリシジル基を示し、n2、n3及びn4はそれぞれ独立に0又は1を示し、n5は1以上4以下の整数を示す。
    F[−D−Si(R(3−a) (II)
    一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるb価の有機基を示し、Dは2価の基を示し、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Qは加水分解性基を示し、aは1以上3以下の整数を示し、bは1以上4以下の整数を示す。

    一般式(III)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn6価の有機基を示し、Tは2価の基を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、m2は0又は1を示し、n6は1以上4以下の整数を示し、RとRは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。

    一般式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn7価の有機基を示し、Tは2価の基を示し、Rは1価の有機基を示し、m3は0又は1を示し、n7は1以上4以下の整数を示す。

    一般式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn8価の有機基を示し
    、Lはアルキレン基を示し、Rは1価の有機基を示し、n8は1以上4以下の整数を示
    す。

    一般式(VI)中、Fは、電荷輸送性骨格を示し、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む2価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、mは1以上8以下の整数を示す。

    一般式(VII)中、Fは、電荷輸送性骨格を示し、L’は、アルカン若しくはアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む(n+1)価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、m’は、1以上6以下の整数を示し、nは、2以上3以下の整数を示す。
  2. 前記一般式(VI)で示される連鎖重合性化合物が、下記一般式(VI−a)、下記一般式(VI−b)、下記一般式(VI−c)、及び下記一般式(VI−d)で示される連鎖重合性化合物から選択される少なくとも1種の連鎖重合性化合物である請求項1に記載の画像形成装置。

    一般式(VI−a)中、Ara1〜Ara4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Ara5及びAra6は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Xaは、アルキレン基、−O−、−S−、及びエステルから選ばれる基を組み合わせてなる2価の連結基を示し、Daは、下記一般式(VIA−a)で示される基を示し、ac1〜ac4は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、Daの総数は1又は2である。

    一般式(VIA−a)中、Lは、*−(CHan−O−CH−で示され、*にてAra1〜Ara4で示される基に連結する2価の連結基を示し、anは、1又は2の整数を示す。

    一般式(VI−b)中、Arb1〜Arb4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Arb5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dbは、下記一般式(VIA−b)で示される基を示し、bc1〜bc5は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、bkは、0又は1を示し、但し、Dbの総数は、1又は2である。

    一般式(VIA−b)中、Lは、*−(CHbn−O−で示される基を含み、*にてArb1〜Arb5で示される基に連結する2価の連結基を示し、bnは、3以上6以下の整数を示す。

    一般式(VI−c)中、Arc1〜Arc4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Arc5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dcは、下記一般式(VIA−c)で示される基を示し、cc1〜cc5は、それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、ckは、0又は1を示し、Dcの総数は、1以上8以下である。

    一般式(VIA−c)中、Lは、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び、−C(=O)−と−O−、−N(R)−又は−S−とを組み合わせた基からなる群より選択される1つ以上の基を含む2価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。

    一般式(VI−d)中、Ard1〜Ard4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Ard5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Ddは、下記一般式(VIA−d)で示される基を示し、dc1〜dc5は,それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、dkは、0又は1を示し、但し、Ddの総数は、3以上8以下である。

    一般式(VIA−d)中、Lは、*−(CHdn−O−で示される基を含み、*にてArd1〜Ard5で示される基に連結する2価の連結基を示し、dnは、1以上6以下の整数を示す。
  3. 前記一般式(VIA−c)で示される基が、下記一般式(VIA−c1)で示される基である請求項2に記載の画像形成装置。

    一般式(VIA−c1)中、cp1は0以上4以下の整数を示す。
  4. 前記一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物が、下記一般式(VII−a)で示される連鎖重合性化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

    一般式(VII−a)中、Ark1〜Ark4は、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Ark5は、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dkは、下記一般式(VIIA−a)で示される基を示し、kc1〜kc5は,それぞれ独立に0以上2以下の整数を示し、kkは、0又は1を示し、Dkの総数は、1以上8以下である。

    一般式(VIIA−a)中、Lは、アルカン若しくはアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、及び−O−からなる群より選択される2種以上を含む(kn+1)価の連結基を示し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、knは、2以上3以下の整数を示す。
  5. 前記一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物のFで示される電荷輸送性骨格に連結する基が、下記一般式(VIIA−a1)又は(VIIA−a2)で示される基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

    一般式(VIIA−a1)又は(VIIA−a2)中、Xk1は2価の連結基を示し、kq1は0又は1の整数を示し、Xk2は2価の連結基を示し、kq2は0又は1の整数を示す。
  6. 前記一般式(VII)で示される連鎖重合性化合物のFで示される電荷輸送性骨格に連結する基が、下記一般式(VIIA−a3)又は(VIIA−a4)で示される基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

    一般式(VIIA−a3)又は(VIIA−a4)中、Xk3は2価の連結基を示し、kq3は0又は1の整数を示し、Xk4は2価の連結基を示し、kq4は0又は1の整数を示す。
  7. 前記第1帯電手段が帯電ローラである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1帯電手段が、直流電圧印加式の帯電手段である請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1帯電手段及び前記第2帯電手段のいずれもが、帯電ローラである請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1帯電手段及び前記第2帯電手段のいずれもが、直流電圧印加式の帯電手段である請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置に脱着され
    前記感光体、前記第2帯電手段、及び、前記第1帯電手段を備える
    プロセスカートリッジ。
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