JP2019023266A - 複合粒子水性分散体 - Google Patents

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文彦 中尾
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Abstract

【課題】 インク等に用いた場合に基材との密着性に優れ、かつ経時的に安定して分散する、顔料粒子を含有する複合粒子水性分散体を提供することにある。【解決手段】 顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集してなる複合粒子(c)と水性媒体を含有する複合粒子水性分散体であって、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する前記顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率[(a1)の体積平均粒子径/(b)の体積平均粒子径]が1.5〜7である複合粒子水性分散体(X)。【選択図】 なし

Description

本発明は、顔料粒子を含有する複合粒子水性分散体に関する。
従来、顔料を水に分散させる方法として、界面活性剤を用いる方法、顔料表面に親水基を修飾させる方法及び顔料を親水性樹脂で被覆する方法等が用いられている。これらの内、親水性樹脂で被覆する方法は分散安定性が高いことや顔料水性分散体の粘度が比較的低粘度であることから特に検討が進められている。例えば、アニオン性基を含有する有機高分子化合物類で被覆した顔料分散体(例えば特許文献1)やロジン等で表面処理した顔料を樹脂を用いて被覆した顔料分散体(例えば特許文献2)が開示されている。しかしながら、インク等として使用する場合に基材との密着性が不十分であったり、経時的に分散状態が変化し粘度が増減したりするという問題がある。
特開平10−140065号公報 特開平10−36732号公報
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インク等に用いた場合に基材との密着性に優れ、かつ経時的に安定して分散する、顔料粒子を含有する複合粒子水性分散体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集してなる複合粒子(c)と水性媒体を含有する複合粒子水性分散体であって、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する前記顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率[(a1)の体積平均粒子径/(b)の体積平均粒子径]が1.5〜7である複合粒子水性分散体(X);前記複合粒子水性分散体(X)を含有する水性インク(Y);顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集してなる複合粒子(c)と水性媒体を含有する複合粒子水性分散体の製造方法であって、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)を含有する水性分散体(B)に前記顔料粒子(a1)又は前記粒子(a2)を含有する水性分散体(A)を前記水性分散体(B)の撹拌下に投入する工程を有し、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する前記顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率[(a1)の体積平均粒子径/(b)の体積平均粒子径]が1.5〜7であり、前記顔料粒子(a1)のゼータ電位と前記ポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位との差の絶対値及び前記粒子(a2)のゼータ電位と前記ポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位との差の絶対値がいずれも30〜100mVである複合粒子水性分散体(X)の製造方法である。
本発明により、インク等に用いた場合に基材との密着性に優れ、かつ経時的に安定して分散する、顔料粒子を含有する複合粒子水性分散体が得られる。
本発明の複合粒子水性分散体(X)は、顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集してなる複合粒子(c)と水性媒体を含有する。
<顔料粒子(a1)及び(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)>
顔料粒子(a1)としては、無機顔料及び有機顔料等の顔料粒子が挙げられる。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット及びマイカ等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系及びイソインドリノン系顔料等が挙げられる。
また、インク用途で分類した場合の顔料としては、黒色用顔料、イエローインク用顔料、マゼンタインク用顔料及びシアンインク用顔料等が挙げられ、それぞれの具体例は以下の通りである。
黒色用顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、酸化チタン等の金属化合物類並びにアニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。
前記カーボンブラックの市販品としては、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)等が挙げられる。
イエローインク用顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180及びC.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
マゼンタインク用顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202及びピグメントバイオレット19、等が挙げられる。
シアンインク用顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4及びC.I.バットブルー60等が挙げられる。
顔料粒子(a1)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)を凝集させて複合粒子(c)を得る際、後述するように顔料粒子(a1)を含有する水性分散体(A)とポリウレタン樹脂粒子(b)を含有する水性分散体(B)とを混合する方法が好ましく用いられる。顔料粒子(a1)を水性媒体に分散させる方法としては、顔料粒子(a1)として自己分散型顔料粒子を用いる方法及び顔料粒子(a1)を分散剤(d)を用いて水性媒体に分散させる方法等が挙げられる。複合粒子(c)の水性分散体の安定性の観点から、顔料粒子(a1)として自己分散型顔料粒子を用いることが好ましい。
自己分散型顔料粒子を用いた場合、顔料粒子(a1)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集し、分散剤(d)を用いた場合、顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集する。
自己分散型顔料粒子とは、顔料粒子表面に親水性官能基を導入することで、分散剤や樹脂を用いることなく水性媒体に分散可能である無機顔料粒子や有機顔料粒子を意味する。表面に結合させる親水基としてはカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基及びリン酸基等を挙げることができる。
自己分散型顔料粒子の市販品としては、親水性官能基としてカルボキシル基を有する東海カーボン株式会社製のAqua−Black 001及び162、キャボット社製のCab−O−Jet 300並びにスルホ基を有するキャボット社製のCab−O−Jet 200、250、260及び270等が挙げられる。
自己分散型顔料粒子は、例えば顔料粒子及び酸化剤を加熱可能な設備で加熱して酸化処理することで得られる。具体的な方法としては容器中に顔料粒子及び酸化剤を仕込んで均一撹拌後、加熱乾燥機や加熱炉で無撹拌下に加熱する方法や、簡易加圧反応装置(オートクレーブ)、フラスコ、一軸若しくは二軸の混練機、プラストミル又は万能混練機等で、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法等が挙げられる。なかでも、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法は、得られる(a1)の均質性が高くなり、分散安定性に優れる(a1)を得ることができるため好ましい。
自己分散型顔料粒子を製造する際の酸化処理の温度は40〜90℃が好ましい。酸化処理時間は、1時間〜10時間が好ましい。
顔料粒子(a1)を水性媒体に分散させる際に用いられる分散剤(d)としては、ノニオン性界面活性剤(d1)、アニオン性界面活性剤(d2)、カチオン性界面活性剤(d3)、両性界面活性剤(d4)、高分子型の分散剤(d5)等が挙げられる。分散剤(d)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(d1)としては、アルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加型ノニオン性界面活性剤及び多価アルコール型ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。AO付加型としては、炭素数10〜20の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物、フェノールのEO付加物、ノニルフェノールのEO付加物、炭素数8〜22のアルキルアミンのEO付加物及びポリプロピレングリコールのEO付加物等が挙げられ、多価アルコール型としては、多価(3〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレエート等)及びアルキル(炭素数4〜24)ポリ(重合度1〜10)グリコシド等が挙げられる。
(d2)としては、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸又はその塩[ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を有する硫酸エステル又はエーテル硫酸エステル及びそれらの塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を1個又は2個有するスルホコハク酸塩;炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル又はエーテルリン酸エステル及びそれらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を有する脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等];並びに炭素数8〜24の炭化水素基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]等が挙げられる。
(d3)としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]並びにアミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
(d4)としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]並びにアミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]等が挙げられる。
(d5)としては、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、キサンテンガム、デキストラン等の天然高分子分散剤。メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の半合成高分子分散剤。ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物等の合成高分子分散剤等が挙げられる。
本発明における水性媒体とは、水及び水と有機溶剤(s)との混合物を意味する。有機溶剤(s)としては、ケトン系溶剤(例えばアセトン及びメチルエチルケトン)、エステル系溶剤[例えば酢酸エチル及びニ塩基酸エステル(DBE)]、エーテル系溶剤(例えばテトラヒドロフラン)、アミド系溶剤(例えばN,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン)及び芳香族炭化水素系溶剤(例えばトルエン)等が挙げられる。
顔料粒子(a1)は更に精製処理又は分級処理を行うことができる。精製処理は、限外濾過膜、逆浸透膜及び電気透析膜等の分離膜を用いて所定の濃度になるまで行うことが好ましい。分級処理は、遠心分離や濾過等の方法により行うことができる。遠心分離により分級処理を行なう方法としては、横型デカンター、ローター式高速遠心分離機、縦型遠心分離機及び分離板式分離機等を使用して分級処理する方法が挙げられる。濾過により分級処理を行なう方法としては、デプスフィルター、プリーツフィルター、メンブレンフィルター等を使用したり、更にそれらの多段使用等により効果的に分級処理したりする方法が挙げられる。
顔料粒子(a1)の体積平均粒子径は、顔料の着色力の観点から、好ましくは30〜180nm、更に好ましくは60nm〜150nmである。
本発明における体積平均粒子径は、23℃、55%RHの環境下において、(株)堀場製作所製粒子径測定装置LB−550で動的光散乱法により測定される。
顔料粒子(a1)の体積平均粒子径は、表面に結合される親水基の種類、分散剤の種類、顔料の種類、分散処理方法及び分散処理時間等により制御できる。
<ポリウレタン樹脂粒子(b)>
本発明におけるポリウレタン樹脂粒子(b)としてはポリウレタン樹脂(U)を水性媒体に分散させて得られる樹脂粒子等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(U)は、例えばポリオール(e)、有機ポリイソシアネート(f)、親水性基と2個の活性水素原子を有する化合物(g)及び鎖伸長剤(h)を反応させて得られる。ポリウレタン樹脂(U)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリオール(e)としては数平均分子量(以下、Mnと略記)が300以上のポリオール(e1)及びMn又は化学式量が300未満の低分子ポリオール(e2)が挙げられる。ポリオール(e)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
Mnが300以上のポリオール(e1)としては、ポリエーテルポリオール(e11)及びポリエステルポリオール(e12)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(e11)としては、脂肪族ポリエーテルポリオール及び芳香族環含有ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオール[ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリオール及びポリオキシテトラメチレングリコール]等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、PTMG1000[Mn=1,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、三菱化学(株)製]、PTMG2000[Mn=2,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、三菱化学(株)製]、PTMG3000[Mn=3,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、三菱化学(株)製]、PTGL2000[Mn=2,000の変性ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、保土谷化学工業(株)製]、PTGL3000[Mn=3,000の変性ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、保土谷化学工業(株)製]及びサンニックスジオールGP−3000[Mn=3,000のポリプロピレンエーテルトリオール、三洋化成工業(株)製]等が挙げられる。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノールAのEO付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等]及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと略記)付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]等のビスフェノール骨格を有するポリオール並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
(e11)のMnは、ポリウレタン樹脂(U)の機械物性の観点から、好ましくは300以上、更に好ましくは300〜10,000、特に好ましくは300〜6,000である。
ポリエステルポリオール(e12)としては、縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール及びヒマシ油系ポリオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールとしては、低分子量(Mn又は化学式量が300未満)多価アルコールと炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とのポリエステルポリオール等が挙げられる。
低分子量多価アルコールとしては、Mn又は化学式量が300未満の2価〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びMn又は化学式量が300未満の2価〜8価又はそれ以上のフェノールのAO低モル付加物が使用できる。
縮合型ポリエステルポリオールに使用できる低分子量多価アルコールの内で好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのEO又はPO低モル付加物及びこれらの混合物である。
縮合型ポリエステルポリオールに使用できる炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸及びマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等)、3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチル及びフタル酸ジメチル等)並びこれらの混合物等が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリヘキサメチレンテレフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールの市販品としては、サンエスター2610[Mn=1,000のポリエチレンアジペートジオール、三洋化成工業(株)製]、サンエスター4620[Mn=2,000のポリテトラメチレンアジペートジオール]、サンエスター2620[Mn=2,000のポリエチレンアジペートジオール、三洋化成工業(株)製]、クラレポリオールP−2010[Mn=2,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール]、クラレポリオールP−3010[Mn=3,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール]及びクラレポリオールP−6010[Mn=6,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール]等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールは、上記低分子量多価アルコールへのラクトンの重付加物であり、ラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトン(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等)等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、上記低分子量多価アルコールと、低分子カーボネート化合物(アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。低分子量多価アルコール及びアルキレンカーボネートはそれぞれ2種以上併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、3−メチル−5−ペンタン−カーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール等)等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、ニッポラン980R[Mn=2,000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール、日本ポリウレタン工業(株)製]、クラレポリオールC−3090[Mn=3,000のポリ(3−メチル−5−ペンタンジオール/ヘキサメチレン)カーボネートジオール]及びT4672[Mn=2,000のポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール、旭化成ケミカルズ(株)製]等が挙げられる。
ヒマシ油系ポリオールには、ヒマシ油及びポリオール又はAOで変性された変性ヒマシ油が含まれる。変性ヒマシ油はヒマシ油とポリオールとのエステル交換及び/又はAO付加により製造できる。ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油、トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、ペンタエリスリトール変性ヒマシ油及びヒマシ油のEO(4〜30モル)付加物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(e12)の内で好ましいのは、縮合型ポリエステルポリオール及びポリラクトンポリオールである。
Mn又は化学式量が300未満の低分子ポリオール(e2)としては、脂肪族2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びこれらのEO及び/又はPO付加物等)、脂肪族3価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン及びこれらのEO及び/又はPO付加物等)及び4価以上の脂肪族アルコール(ペンタエリスルトール、ソルビトール及びこれらのEO及び/又はPO付加物等)が挙げられる。(e2)の内、耐水性、耐熱黄変性の観点から好ましいのは、2〜3価の脂肪族アルコールであり、脂肪族3価アルコールはポリウレタン樹脂粒子中に架橋構造を形成させることができ、ウレタン皮膜の耐水性及び耐薬品性向上という効果を得ることができる点で好ましい。脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオールが特に好ましく、脂肪族3価アルコールとしては、トリメチロールプロパンが特に好ましい。
ポリウレタン樹脂(U)に用いられる有機ポリイソシアネート(f)としては、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数6〜20(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)の芳香族ポリイソシアネート(f1)、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(f2)、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(f3)、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(f4)及び(f1)〜(f4)の誘導体(イソシアヌレート化物等)が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート(f1)としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート及びクルードMDI等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(f2)としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(f3)としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(f4)としては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
有機ポリイソシアネート(f)の内、得られる皮膜の機械的強度及び耐候性の観点から好ましいのは(f2)及び(f3)、更に好ましいのは(f3)、特に好ましいのはIPDI及び水添MDIである。有機ポリイソシアネート(f)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
親水性基と2個の活性水素原子を有する化合物(g)としては、アニオン性基と活性水素原子を有する化合物(g1)及びカチオン性基と活性水素原子を有する化合物(g2)が挙げられる。
(g1)としては、アニオン性基としてカルボキシル基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[ジアルキロールアルカン酸(2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸等)、酒石酸及びアミノ酸(例えばグリシン、アラニン及びバリン)等]、アニオン性基としてスルホン酸基を含有し、炭素数が2〜16の化合物[3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸及びスルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル等]、アニオン性基としてスルファミン酸基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[N,N−ビス(2−ヒドロキシルエチル)スルファミン酸等]等並びにこれらの化合物を中和剤(k)で中和した塩が挙げられる。
(g1)の塩に用いられる中和剤(k)としては、アンモニア、炭素数1〜20のアミン化合物及びアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等)等が挙げられる。
炭素数1〜20のアミン化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びモノエタノールアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン等の2級アミン並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルモノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等の3級アミンが挙げられる。
(g1)の塩に用いられる中和剤(k)としては、生成するポリウレタン樹脂水性分散体の乾燥性及び得られる皮膜の耐水性の観点から、25℃における蒸気圧が高い化合物が好適である。このような観点から、(g1)の塩に用いられる中和剤(k)としては、アンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びジメチルエチルアミンが好ましい。
(g1)の内、得られる皮膜の樹脂物性及びポリウレタン樹脂水性分散体の分散安定性の観点から好ましいのは、2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロールブタン酸及びこれらの塩類であり、更に好ましいのは2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロールブタン酸のアンモニア又は炭素数1〜20のアミン化合物による中和塩である。
カチオン性基と活性水素原子を有する化合物(g2)としては、カチオン性基として3級アミノ基を有し、活性水素原子として水酸基を有する化合物、炭素数1〜20の3級アミノ基含有ジオール[N−アルキルジアルカノールアミン(N−メチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン及びN−メチルジプロパノールアミン等)及びN,N−ジアルキルモノアルカノールアミン(N,N−ジメチルエタノールアミン等)等]等の化合物を中和剤(k)で中和した塩が挙げられる。
(g2)に用いられる中和剤(k)としては、炭素数1〜10のモノカルボン酸(ギ酸、酢酸及びプロパン酸等)、炭酸、炭酸ジメチル、硫酸ジメチル、メチルクロライド及びベンジルクロライド等が挙げられる。
(g)及び(g)に用いられる中和剤(k)は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(g)の使用量は、(U)中の親水性基の含有量が、(U)の重量に基づいて、好ましくは0.5〜5.0重量%、更に好ましくは0.5〜4.8重量%、特に好ましくは0.5〜4.5重量%となるよう調節する。
本発明における親水性基の含有量とは、未中和のカチオン性基又はアニオン性基の重量%を意味し、対イオンの重量は含まない。例えば、(g1)における親水性基の含有量は、2,2−ジメチロールプロピオン酸のトリエチルアミン塩の場合は、カルボキシル基(−COOH)の重量%を、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸のトリエチルアミン塩の場合はスルホ基(−SO3H)の重量%を指す。また、(g2)における親水性基の含有量は、3級アミノ基中の窒素原子のみの重量%を指す。
鎖伸長剤(h)としては、Mn又は化学式量300未満の低分子ポリオール(e2)、水、炭素数2〜10のジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン等)、炭素数2〜10のポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びテトラエチレンペンタミン等)、ヒドラジン又はその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド)、炭素数2〜30のポリエポキシ化合物(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等)及び炭素数2〜10のアミノアルコール類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール及びトリエタノールアミン等)等が挙げられる。鎖伸長剤(h)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、必要により反応停止剤(j)を使用することができる。反応停止剤(j)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、セロソルブ類及びカルビトール類等)、炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン及びモノオクチルアミン等のモノ又はジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン等)が挙げられる。反応停止剤(j)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、必要により酸化防止剤、着色防止剤、耐候安定剤、可塑剤及び離型剤等の添加剤を含有することができる。これらの添加剤の使用量は(U)の重量に基づいて好ましくは10重量%以下、更に好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
ポリウレタン樹脂(U)のウレタン基含量は、得られる皮膜の機械的物性、破断伸度、密着性の観点から0.5〜3.0mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5mmol/g、特に好ましくは0.9〜2.0mmol/gである。
ポリウレタン樹脂(U)のウレア基含量は、造膜性並びに得られる皮膜の耐水性、破断伸度、密着性の観点から、(U)の重量に基づいて1.5mmol/g以下であることが好ましく、更に好ましくは1.2mmol/g以下、特に好ましくは1.0mmol/g以下、最も好ましくは0.8mmol/g以下である。
ポリウレタン樹脂(U)のMnは、5,000以上であり、得られる皮膜の機械物性、耐薬品性等の観点から、好ましくは5,000以上、更に好ましくは8,000以上、最も好ましくは10,000以上である。Mnが5,000以上であると得られる皮膜の機械的物性及び耐薬品性等が良好である。
ポリウレタン樹脂(U)のMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn α」+「TSKgel α−M」[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.125重量%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径は複合粒子水性分散体の安定性の観点から、好ましくは20〜120nm、更に好ましくは20nm〜80nmである。
ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径は、後述のウレタンプレポリマー(t)の酸価、分散時の中和率及び分散時に前記分散剤(d)を添加すること等により制御できる。例えば、(t)の酸価を大きくする、分散時の(t)の中和率を大きくする、又は分散時時に分散剤(d)を添加することにより、(b)の体積平均粒子径を小さくすることができる。
<複合粒子水性分散体(X)>
本発明の複合粒子水性分散体(X)は、例えばポリウレタン樹脂粒子(b)を含有する水性分散体(B)に顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)を含有する水性分散体(A)を前記水性分散体(B)の撹拌下に投入すること(凝集工程)により得られる。
凝集工程において、ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率[(a1)の体積平均粒子径/(b)の体積平均粒子径]を特定の範囲に設定すると共に、(a1)又は(a2)のゼータ電位とポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位との差の絶対値を特定の範囲に設定することにより、(a1)又は(a2)の表面に(b)を凝集させることができる。
更にポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱し、凝集粒子を融合することでより保存安定性に優れた複合粒子水性分散体が得られる。
<水性分散体(A)>
顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)を含有する水性分散体(A)は、例えば顔料粒子(a1)として自己分散型顔料粒子を用いてこれを水性媒体に分散させる方法や、分散剤(d)を水性媒体に溶解させ、次いで顔料粒子(a1)を添加・混合して分散させる方法により得ることができる。
分散させるための装置としては、アトライター、ボールミル、ビーズミル、サンドミル及びダイノミル等のメディアを用いる装置や、メディアを使用しないジェットミル及び超音波分散機等分散装置等が挙げられる。
顔料粒子(a1)及び粒子(a2)のゼータ電位は、複合粒子の分散安定性の観点から、好ましくは−100〜0mVであり、更に好ましくは−100〜−20mVである。
本発明におけるゼータ電位は粒子分散液を、イオン交換水で固形分が0.01重量%となるよう希釈した後、堀場製作所製粒子径測定装置LB−550にてレーザードップラー法により測定される。
顔料粒子(a1)のゼータ電位は、(a1)の酸価、中和率、水性分散体(A)のpH及び(A)に非イオン系又はアニオン系界面活性剤を添加すること等により制御できる。例えば、(a1)の酸価を増やす、(a1)の中和率を増やす、(A)のpHを大きくする、又はアニオン系界面活性剤を添加することで、(a1)のゼータ電位を絶対値の大きな負の値とすることができ、(a1)の酸価を減らす、(a1)の中和率を減らす、(A)のpHを小さくする、又は非イオン系界面活性剤を添加することで、(a1)のゼータ電位を絶対値の小さい負の値にすることができる。
pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカノールアミン、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物及びアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、水酸化アンモニウム及び第4級アンモニウム水酸化物等が挙げられる。前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等が挙げられる。
<水性分散体(B)>
ポリウレタン樹脂粒子(b)を含有する水性分散体(B)は、例えば以下の工程で製造される。
(i)ウレタンプレポリマー(t)を得る工程。
(ii)中和剤(k)で中和する工程。
(iii)得られた中和物を水に分散させて、鎖伸長剤(h)、反応停止剤(j)及び/又は水と反応させ、必要により有機溶剤(s)を用いた場合にそれを除去する工程。
<製造工程(i)>
ウレタンプレポリマー(t)は、ポリオール(e)、有機ポリイソシアネート(f)及び親水性基と2個の活性水素原子を有する化合物(g)を、加熱可能な設備で加熱して反応することで得られる。例えば、容器中に(e)、(f)及び(g)を仕込んで均一撹拌後、加熱乾燥機や加熱炉で無撹拌下に加熱する方法や、簡易加圧反応装置(オートクレーブ)、フラスコ、一軸若しくは二軸の混練機、プラストミル又は万能混練機等で、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法等が挙げられる。なかでも、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法は、得られる(t)の均質性が高くなり、得られる皮膜の機械的物性、耐久性、耐薬品性及び耐磨耗性等がより優れるため好ましい。
ウレタンプレポリマー(t)を製造する際の反応温度は、(t)のアロハネート基及びビューレット基の生成抑制の観点から、60〜120℃が好ましく、更に好ましくは60〜110℃、特に好ましくは60〜100℃である。また、(t)を製造する際の時間は、使用する設備により適宜選択することができるが、一般的に1分〜100時間が好ましく、更に好ましくは3分〜30時間、特に好ましくは5分〜20時間である。この範囲であれば、本発明の効果を十分に発揮できる(t)が得られる。
ウレタンプレポリマー(t)は前記有機溶剤(s)を用いて希釈することができる。前記有機溶剤(s)の内、ウレタンプレポリマー(t)の溶解性の観点から好ましいのはアミド系溶剤である。有機溶剤(s)は1種を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
有機溶剤(s)はウレタン化反応前、ウレタン化反応中、ウレタン化反応後、分散前のいずれの時期に添加してもよいが、反応系の均一性の観点からウレタン化反応前に添加することが好ましい。
ウレタン化反応速度をコントロールするために、公知の反応触媒(オクチル酸錫及びビスマスオクチル酸塩等)及び反応遅延剤(リン酸等)等を使用することができる。これらの触媒又は反応遅延剤の添加量は、(t)の重量に基づき、好ましくは0.001〜3重量%、更に好ましくは0.005〜2重量%、特に好ましくは0.01〜1重量%である。
<製造工程(ii)>
必要によりウレタンプレポリマー(t)に導入された親水性基部分を中和剤(k)で中和する。中和剤(k)は、ウレタン化反応前、ウレタン化反応中、ウレタン化反応後、分散前、分散中又は分散後のいずれの時期に添加してもよいが、水性分散体(B)及び複合粒子水性分散体(X)の分散安定性の観点から、分散前又は分散中に添加することが好ましい。また、必要により行われる脱溶剤時に揮発した中和剤(k)を脱溶剤後に追添加してもよく、追添加する中和剤種は上記記載のものから自由に選択することができる。
(k)の使用量は、複合粒子水性分散体(X)の安定性の観点から、ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づくカルボキシレート基の含有量が23〜80mg/gとなるよう調節する。中和工程におけるカルボキシル基の中和率は、分散安定性の観点から好ましくは20〜100%、更に好ましくは60〜100%である。
<製造工程(iv)>
工程(iii)で得られた中和物を水性媒体に分散させる方法としては、例えば鎖伸長剤(h)並びに必要により有機溶剤(s)、分散剤(d)及び反応停止剤(j)の存在下で水性媒体に分散させて、イソシアネート基が実質的に無くなるまで反応[水、(h)による鎖伸長及び必要により(j)による反応停止]させ、必要により用いた有機溶剤(s)を留去する方法等が挙げられる。
水性媒体に使用される有機溶剤(s)は、分散性の観点から水溶性の有機溶剤であることが好ましい。有機溶剤(s)を使用した場合には、複合粒子水性分散体(X)の製造中及び/又は製造後に必要によりこれを留去してもよい。
ポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位は、複合粒子(c)の分散安定性の観点から、好ましくは−100〜0mVであり、更に好ましくは−100〜−20mVである。
ポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位は、(b)の酸価、中和率、水性分散体(B)のpH及び(B)に非イオン系又はアニオン系界面活性剤を添加すること等により制御できる。例えば、(b)の酸価を増やす、(b)の中和率を増やす、(B)のpHを大きくする、又はアニオン系界面活性剤を添加することで、(b)のゼータ電位を絶対値の大きな負の値とすることができ、(b)の酸価を減らす、(b)の中和率を減らす、(B)のpHを小さくする、又は非イオン系界面活性剤を添加することで、(b)のゼータ電位を絶対値の小さい負の値にすることができる。
<複合粒子(c)の形成>
水性分散体(B)を攪拌しながら水性分散体(A)を投入すること(凝集工程)により、顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)を凝集させて複合粒子(c)が得られる。
凝集させるためには、ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率[(a1)の体積平均粒子径/(b)の体積平均粒子径]を1.5〜7の範囲に調整し、(a1)又は(a2)のゼータ電位とポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位との差の絶対値を30〜100mVの範囲に調整する必要がある。
ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率は、複合粒子(c)の分散安定性の観点から、2.5〜4の範囲に調整することが好ましく、(a1)又は(a2)のゼータ電位とポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位との差の絶対値は、複合粒子(c)の分散安定性の観点から、50〜100mVの範囲に調整することが好ましい。
体積平均粒子径の比率とゼータ電位の差の絶対値を所定の範囲とするためには、予め、(a1)及び(b)の体積平均粒子径並びに(a1)、(a2)及び(b)のゼータ電位を設定して、水性分散体(A)と水性分散体(B)を作製することが好ましい。
凝集工程における温度は5〜100℃が好ましく、凝集行程中における複合粒子(c)の分散安定性の観点から20〜50℃が更に好ましい。凝集工程に要する時間は1分〜24時間が好ましく、複合粒子(c)の分散安定性の観点から1時間〜24時間が好ましい。
顔料粒子(a1)に対するポリウレタン樹脂粒子(b)の重量比率[(b)の重量/(a1)の重量]は複合粒子(c)の分散安定性及び基材との密着性の観点から好ましくは1.5〜5であり、更に好ましくは2〜3である。
複合粒子(c)の体積平均粒子径は、複合粒子水性分散体(X)の安定性の観点から好ましくは70〜200nmであり、更に好ましくは、70nm〜150nmである。
複合粒子水性分散体(X)中の複合粒子(c)の状態は以下に示す方法で試料を調整し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができる。
(1)まず、(X)から水性媒体を除去して得られる複合粒子(c)をアクリル樹脂等に埋包し、四酸化ルテニウムにて染色する。
(2)次に、染色後のサンプルをウルトラミクロトームで−80℃に冷却した状態で、厚さが80nmとなるように切り出し、TEMで観察を行う。使用するTEMはとしては、「サーマルFE−SEM JSM7000F」[日本電子(株)製]や「コールドFE−TEM」[(株)日立ハイテクノロジーズ製]等が挙げられる。
<水性インク(Y)>
本発明の水性インク(Y)は、本発明の複合粒子水性分散体(X)を含有する。複合粒子水性分散体(X)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水性インク(Y)は、必要に応じて適宜選択したその他の成分、例えば架橋剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤、凍結防止剤、有機溶剤、界面活性剤及び水を1種又は2種以上含有することができる。
架橋剤としては水溶性又は水性媒体分散性のアミノ樹脂、水溶性又は水性媒体分散性のポリエポキシド、水溶性又は水性媒体分散性のブロックドポリイソシアネート化合物、ポリエチレン尿素、水溶性又は水性媒体分散性のポリカルボジイミド樹脂及び水溶性又は水性媒体分散性のポリオキサゾリン樹脂等が挙げられる。架橋剤の使用量は、複合粒子水性分散体(X)が有する反応性基のモル数に対する架橋剤が有する反応性基のモル数が、0.05〜2倍となる量が好ましく、更に好ましくは0.1〜1倍となる量である。
粘度調整剤としては増粘剤、例えば無機系粘度調整剤(ケイ酸ソーダ及びベントナイト等)、セルロース系粘度調整剤(Mnが20,000以上のメチルセルロール、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等)、タンパク質系粘度調整剤(カゼイン、カゼインソーダ及びカゼインアンモニウム等)、アクリル系(Mnが20,000以上のポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリル酸アンモニウム等)及びビニル系粘度調整剤(Mnが20,000以上のポリビニルアルコール等)が挙げられる。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコール等)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレート等)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン及びポリエーテル変性シリコーン等)等が挙げられる。
防腐剤としては、有機窒素硫黄化合物系防腐剤及び有機硫黄ハロゲン化物系防腐剤等が挙げられる。
劣化防止剤及び安定化剤(紫外線吸収剤及び酸化防止剤等)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系劣化防止剤及び安定化剤等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤の含有量は、水性インク(Y)の重量に基づいてそれぞれ好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。
水性インクに用いられる有機溶剤は、乾燥後の塗膜外観を向上させる目的及び塗装又は印刷ラインでの目詰まり防止のために乾燥を遅延させる目的等で使用され、炭素数1〜20の1価アルコール(メタノール、エタノール及びプロパノール等)、炭素数1〜20のグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコール等)、炭素数1〜20の3価以上のアルコール(グリセリン等)及び炭素数1〜20のセロソルブ類(メチル及びエチルセロソルブ等)等が好ましく用いられる。有機溶剤の添加量は、水性インク(Y)の重量基づいて、好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下である。
界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤及びポリシロキサン系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤の添加により印字等の画像の乾燥性が良好となる。
アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのAO付加物並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのAO付加物等が挙げられ、市販品としてはオルフィン104及びオルフィンE1010[日信化学工業(株)製]並びにサーフィノール465及びサーフィノール61[日信化学工業(株)製]等が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、BYK−347及びBYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
本発明の水性インク(Y)は、本発明の複合粒子水性分散体(X)と上記の各成分を混合、撹拌することで製造される。混合の際は全ての成分を同時に混合しても、各成分を段階的に投入して混合してもよい。
水性インク(Y)の固形分濃度は、好ましくは3〜70重量%、更に好ましくは7〜60重量%である。
本発明の水性インク(Y)は、オフセット印刷用インク、凸版印刷用インク、グラビア印刷用インク、シルク印刷用インク、インクジェット記録用インク及びカラーフィルター等の用途に使用することができる。
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
<製造例1〜4>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に示す種類及び部数のポリオール(e1)、(e2)、有機ポリイソシアネート(f)、親水性基と2個の活性水素原子を有する化合物(g)及び有機溶剤(s)を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(t−1)〜(t−4)の溶剤溶液を製造した。これに表1に示す種類及び部数の中和剤(k)を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら表1に示す部数のイオン交換水を加え混合物を分散させた。得られた分散体に表1に示す種類と部数の鎖伸長剤(h)を加え、減圧下に65℃で8時間かけて有機溶剤を留去した。更に、有機溶剤と共に留去された量のイオン交換水と表1に示す種類及び部数のpH調整剤とを加えることで樹脂濃度及びゼータ電位を調整し、ポリウレタン樹脂粒子水性分散体(B−1)〜(B−4)を得た。製造したウレタンプレポリマー(t−1)〜(t−4)及びポリウレタン樹脂粒子水性分散体(B−1)〜(B−4)の物性値を表1に示す。尚、表1及び表2におけるpHは(株)堀場製作所製「twin pHメータ B−212」を用いて温度25℃で測定した。
Figure 2019023266
<実施例1〜2及び比較例1>
撹拌機及び加熱装置を備えた装置に表2に示す種類及び部数の自己分散型顔料粒子水性分散体[Aqua−Black162:東海カーボン(株)製、固形分19重量%]、イオン交換水及びポリウレタン樹脂粒子水性分散体(B)常圧下に65℃で8時間攪拌・混合して、複合粒子水性分散体(X−1)〜(X−2)及び比較用の複合粒子水性分散体(X’−1)を得た。
<実施例3〜4及び比較例2>
表2に示す種類及び部数の顔料粒子(a1)、分散剤(d)及びイオン交換水をビーズミルで10時間かけて分散して顔料粒子水性分散体(A−2)及び(A−3)を得た。次に撹拌機及び加熱装置を備えた装置に表2に示す種類の顔料粒子水性分散体(A)30部及び表2に示す種類のポリウレタン樹脂粒子水性分散体(B)を常圧下に40℃で4時間撹拌・混合して、複合粒子水性分散体(X−3)〜(X−4)及び比較用の複合粒子水性分散体(X’−2)を得た。顔料粒子水性分散体(A)、ポリウレタン樹脂粒子水性分散体(B)及び複合粒子水性分散体の物性値を表2に示す。
Figure 2019023266
<実施例5〜8及び比較例3〜4>
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた複合粒子水性分散体(X−1)〜(X−4)及び比較用の複合粒子水性分散体(X’−1)〜(X’−2)100部、溶剤としてのプロピレングリコール20部、グリセリン20部、界面活性剤としてのサーフィノール104[日信化学工業(株)製]1部及びイオン交換水9部を25℃で30分間混合して、水性インク(Y−1)〜(Y−4)及び比較用の水性インク(Y’−1)〜(Y’−2)を得た。
得られた水性インクについて以下の評価方法で密着性及びインク保存安定性を評価した結果を表3に示す。
Figure 2019023266
<密着性の評価方法>
水性インクを縦5cm×横20cmのコート紙[「オーロラコート」、{日本製紙(株)製}]に乾燥後の膜厚が2μmとなるよう塗布し、140℃で10分乾燥し、塗膜を作製した。この塗膜面に縦、横それぞれ1mm間隔で11本の切り込みを入れ、セロテープ(登録商標)にて剥離テストを行い、残留する1mm角塗膜の数を調べた。表示は分子に残留数を、分母にはじめにクロスカットした1mm角塗膜の数を示した。
<インク保存安定性の評価方法>
水性インクをスクリュー管に入れて70℃で1週間保存し、初期の粘度と保存後の粘度を用いて下式から粘度変化率(%)を算出した。粘度変化率が小さい程、インクの増粘及び凝集が少ない。
粘度変化率(%)=(保存後の粘度−初期の粘度)÷初期の粘度×100
尚、水性インクの粘度は東機産業(株)製TVE−25型粘度計粘度計を用いて、液温25℃、回転数20rpmで測定した。
本発明の複合粒子水性分散体は、水性塗料組成物、水性接着剤組成物、水性繊維加工処理剤組成物(顔料捺染用バインダー組成物、不織布用バインダー組成物、補強繊維用集束剤組成物、抗菌剤用バインダー組成物及び人工皮革・合成皮革用原料組成物等)、水性コーティング組成物(防水コーティング組成物、撥水コーティング組成物及び防汚コーティング組成物等)、水性紙処理剤組成物並びに水性インク組成物(インクジェットインク等)等に好適に使用できる。

Claims (7)

  1. 顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集してなる複合粒子(c)と水性媒体とを含有する複合粒子水性分散体であって、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する前記顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率[(a1)の体積平均粒子径/(b)の体積平均粒子径]が1.5〜7である複合粒子水性分散体(X)。
  2. 前記顔料粒子(a1)の体積平均粒子径が30〜180nmであり、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径が20〜120nmである請求項1記載の複合粒子水性分散体。
  3. 前記複合粒子(c)の体積平均粒子径が、70〜200nmである請求項1又は2記載の複合粒子水性分散体。
  4. 前記複合粒子(c)が、顔料粒子(a1)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集してなる複合粒子であって、前記顔料粒子(a1)が分散剤(d)が吸着していない自己分散型顔料粒子である請求項1〜3のいずれか記載の複合粒子水性分散体。
  5. 前記顔料粒子(a1)に対する前記ポリウレタン樹脂粒子(b)の重量比率[(b)の重量/(a1)の重量]が1.5〜5である請求項1〜4のいずれか記載の複合粒子水性分散体。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の複合粒子水性分散体(X)を含有する水性インク(Y)。
  7. 顔料粒子(a1)又は顔料粒子(a1)に分散剤(d)が吸着してなる粒子(a2)の表面にポリウレタン樹脂粒子(b)が凝集してなる複合粒子(c)と水性媒体とを含有する複合粒子水性分散体の製造方法であって、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)を含有する水性分散体(B)に前記顔料粒子(a1)又は前記粒子(a2)を含有する水性分散体(A)を前記水性分散体(B)の撹拌下に投入する工程を有し、前記ポリウレタン樹脂粒子(b)の体積平均粒子径に対する前記顔料粒子(a1)の体積平均粒子径の比率[(a1)の体積平均粒子径/(b)の体積平均粒子径]が1.5〜7であり、前記顔料粒子(a1)のゼータ電位と前記ポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位との差の絶対値及び前記粒子(a2)のゼータ電位と前記ポリウレタン樹脂粒子(b)のゼータ電位との差の絶対値がいずれも30〜100mVである複合粒子水性分散体(X)の製造方法。
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