JP2019021786A - 冷却器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、冷媒の流入口と流出口をつなぐU字の流路を有する冷却器に関し、気泡を留まり難くすることと、圧力損失を抑えることの両立を図る。
【解決手段】冷却器10は、冷媒の流入口12と流出口13をつなぐU字の流路14を備えている。流路14のU字の折り返し部分18に、冷媒の流れ方向に沿って延びているとともに、折り返し部分18の湾曲の内側と外側を結ぶ方向で並んでいる複数のフィン16a、16bが設けられている。流路14は複数のフィン16a、16bによって複数の狭隘流路14a−14cに区画されている。折り返し部分18の湾曲の内側の狭隘流路14aの幅が、湾曲の外側の狭隘流路14cの幅よりも大きくなっている。また、折り返し部分18の湾曲の内側の狭隘流路14aの高さが、湾曲の外側の狭隘流路14cの高さよりも高くなっている。
【選択図】図2
【解決手段】冷却器10は、冷媒の流入口12と流出口13をつなぐU字の流路14を備えている。流路14のU字の折り返し部分18に、冷媒の流れ方向に沿って延びているとともに、折り返し部分18の湾曲の内側と外側を結ぶ方向で並んでいる複数のフィン16a、16bが設けられている。流路14は複数のフィン16a、16bによって複数の狭隘流路14a−14cに区画されている。折り返し部分18の湾曲の内側の狭隘流路14aの幅が、湾曲の外側の狭隘流路14cの幅よりも大きくなっている。また、折り返し部分18の湾曲の内側の狭隘流路14aの高さが、湾曲の外側の狭隘流路14cの高さよりも高くなっている。
【選択図】図2
Description
本明細書が開示する技術は、液体冷媒の流入口と流出口をつなぐU字の流路を備えた冷却器に関する。
液体冷媒の流入口と流出口をつなぐU字の流路を備えた冷却器が知られている(例えば特許文献1−3)。特許文献1の冷却器は、流路のU字の折り返し部分に複数のフィンを備えている。複数のフィンは、液体冷媒の流れ方向に沿っているとともにU字の折り返し部分の湾曲の内側と外側を結ぶ方向に並んでいる。複数のフィンによって、流路は複数の狭隘流路に区画される。
液体冷媒を使う冷却器では、液体冷媒の中に気泡が混在することがある。流路の途中に気泡が留まると冷却性能が低下する。流路のU字の折り返し部分が複数の狭隘流路に区画されていると、湾曲の外側の狭隘流路では、気泡が溜まり易くなる傾向がある。フィンの数を増やし、狭隘流路の断面積を小さくすると、気泡は溜まり難くなるが、流路の圧力損失が大きくなってしまう。気泡を溜まり難くすることと、圧力損失を抑えることの両立を図る技術が望まれている。
本明細書が開示する冷却器は、液体冷媒の流入口と流出口をつなぐU字の流路を備えており、流入口と流出口が水平方向で並んでいる。流路のU字の折り返し部分に、液体冷媒の流れ方向に沿って延びているとともに、折り返し部分の湾曲の内側と外側を結ぶ方向で並んでいる複数のフィンが設けられている。流路は複数のフィンによって複数の狭隘流路に区画されている。ここで、折り返し部分の湾曲の内側の狭隘流路の幅が、湾曲の外側の狭隘流路の幅よりも大きくなっている。さらに、折り返し部分の湾曲の内側の狭隘流路の高さが、湾曲の外側の狭隘流路の高さよりも高くなっている。即ち、湾曲の内側の狭隘流路の断面積が外側の狭隘流路の断面積よりも大きくなっている。湾曲の外側の狭隘流路は流路断面積が小さく冷媒の流れが速くなり、気泡が溜まり難くなる。一方、湾曲の内側の狭隘流路は流路断面積が大きく圧力損失が小さい。上記した冷却器は、気泡が溜まり難く、かつ、圧力損失を抑えることができる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施例の冷却器を説明する。実施例の冷却器は、ハイブリッド車の電力制御ユニットに内蔵されている。電力制御ユニットは、走行用のモータに所望の電力を供給し、モータを制御するデバイスである。図1は、ハイブリッド車に搭載されるトランスアクスル30と電力制御ユニット20の側面図である。「側面」とは、車幅方向(図中のH軸方向)から見たときの図である。トランスアクスル30は、走行用のモータ3のほか、動力分配機構6とデファレンシャルギア4を収容している。動力分配機構6は、エンジン(不図示)の出力トルクとモータ3の出力トルクを合成/分配するギアセットである。動力分配機構6は、状況に応じて、エンジンの出力トルクを分割してデファレンシャルギア4とモータ3へ伝達する。その場合、モータ3はエンジンの出力トルクで逆駆動され、発電する。
電力制御ユニット20は、モータ3を駆動するデバイスである。より詳しくは、電力制御ユニット20は、不図示の高電圧バッテリの電力を昇圧した後、交流に変換してモータ3へ供給する。電力制御ユニット20は、また、モータ3が発電した交流電力を直流電力に変換し、さらに降圧する場合がある。降圧された電力によって高電圧バッテリが充電される。以下では、説明を簡単にするために、「電力制御ユニット20」を略して「PCU20」と表記する。PCUは、Power Control Unitの略である。PCU20とトランスアクスル30の内部のモータ3は、パワーケーブル21で電気的に接続されている。説明を省略したが、トランスアクスル30は2個の3相交流モータを収容しており、6本のパワーケーブル21は、2組の3相交流を供給する。
PCU20は、トランスアクスル30の上面との間に隙間を有して支持されている。PCU20は、その前側がフロントブラケット39によって支持されており、後側がリアブラケット40によって支持されている。トランスアクスル30の上面は、前方が低く、後方が高くなっている。それゆえ、PCU20は、前下がりの姿勢でトランスアクスル30の上に支持されている。図中のFHV座標系は、車両を基準にした座標系であり、F軸が車両前方を示しており、H軸が車両側方を示しており、V軸が車両上方を示している。別言すれば、F軸とH軸は水平方向に延びており、V軸は垂直方向に延びている。図中のXYZ座標系は、外形が直方体であるPCU20を基準とした座標系であり、X軸は、PCU20の下面に沿って、F軸に対して前下がりに傾斜して車両前方へ延びている。Z軸は、PCUの前面に沿って、V軸に対して傾斜して上方へ延びている。Y軸は車幅方向に水平に延びている。
PCU20には冷却器10が内蔵されている。冷却器10は、PCU20の中で、水平方向(図中のF軸方向)に対して傾斜して配置されている。説明の便宜上、冷却器10において、車両前方側の端を前端10aと称し、車両後方側の端を後端10bと称する。冷却器10は、後端10bが前端10aよりも高くなるように傾斜して配置されている。PCU20の前面には、冷媒を冷却器に供給する冷媒供給管37と冷媒排出管38が接続されている。
冷却器10は、PCU20の内部に収容されている電子部品、例えば、電圧コンバータ60などを冷却する。電圧コンバータ60は、冷却器10の下面に接するように配置されている。以下、図2、3を用いて、冷却器10の構造を詳しく説明する。図2は冷却器10をXY平面で切断した断面図である。図3は図2の冷却器10をIII−III線によってXZ平面で切断した断面図である。
先に述べたように、図中の座標系のX軸は、水平方向に対して前下がりに傾いている。冷却器10は、後端10bが前端10aよりも高くなるように傾斜して用いられる。Y軸は水平方向を向いている。図2に示すように、冷却器10は、冷媒の流入口12と流出口13をつなぐU字の流路14を備えている。図中の白抜き矢印A、Bは、冷媒の流れ方向を示している。流入口12と流出口13がY軸方向、即ち、水平方向に並んでいる。流入口12と流出口13は、冷却器10の前端10aの側に位置し、流路14のU字の折り返し部分18は、後端10bの側に位置する。冷却器10は、流路14のU字の折り返し部分18が流入口12と流出口13よりも高くなるように傾斜配置されている。また、図2、3に示すように、流路14は、冷媒の流れ方向に交差する断面が横長の扁平形状である。冷却器10において、流入口12から冷媒が供給され、冷媒はU字形の流路14を流れ、流出口13から排出される。冷媒は、液体であり、典型的には水、あるいは、LLC(Long Life Coolant)である。冷媒は、冷却器10の流路14を通過する間にZ軸方向下方に隣接する電圧コンバータ60(図1参照)から熱を吸収する。熱を吸収した冷媒は流出口13から排出される。流入口12と流出口13には不図示の冷媒循環路とラジエータとポンプが接続されており、排出された冷媒はラジエータで冷却されて再び冷却器10へ供給される。
流路14には、冷媒の流れ方向に沿って延びている複数のフィン15a、15b、16a、16bが設けられている。フィン15a、15b、16a、16bは、冷却器10の筐体19の上面と下面に接続している。フィン15aは、流入口12の近くに配置されており、流入する冷媒を整流する。フィン15bは流出口13の近くに配置されており、冷却器10から流出する直前の冷媒を整流する。
フィン16a、16bは、折り返し部分18に設けられている。フィン16a、16bは、折り返し部分18の湾曲に沿って延びているとともに、折り返し部分18の湾曲の内側と外側を結ぶ方向で並んでいる。流路14は、複数のフィン16a、16bによって、複数の細長い狭隘流路14a、14b、14cに区画されている。折り返し部分18の湾曲の最も内側に位置する狭隘流路14aは、筐体19の内壁19aとフィン16aで挟まれた空間である。折り返し部分18の湾曲の最も外側に位置する狭隘流路14cは、筐体19の外壁19bとフィン16bで挟まれた空間である。折り返し部分18の湾曲の内側と外側の中間に位置する狭隘流路14bは、2個のフィン16a、16bで挟まれた空間である。
折り返し部分18に相当する筐体19の下面に電圧コンバータ60が取り付けられている(図1参照)。フィン16a、16bは、筐体19の上面と下面に接続されており、電圧コンバータ60の熱の冷媒へ伝達を促進する。
図2のIII-III線に沿って冷却器10を切断した断面を図3に示す。図3に示すように、狭隘流路14a−14cの流路幅Wa−Wcの間には、Wa>Wb>Wcの関係が成立する。また、狭隘流路14a−14cの流路高さHa−Hcの間には、Ha>Hb>Hcの関係が成立する。即ち、複数の狭隘流路14a−14cは、折り返し部分18の湾曲の内側ほど流路幅と高さが大きくなっている。別言すれば、折り返し部分18の湾曲の内側の狭隘流路14aの幅Waは、それよりも外側の狭隘流路14bの幅Wbよりも大きくなっており、湾曲の内側の狭隘流路14aの高さHaが、それよりも外側の狭隘流路14bの高さHbよりも高くなっている。折り返し部分18の湾曲の内側の狭隘流路14bの幅Wbは、それよりも外側の狭隘流路14cの幅Wcよりも大きくなっており、湾曲の内側の狭隘流路14bの高さHbが、それよりも外側の狭隘流路14cの高さHcよりも高くなっている。即ち、複数の狭隘流路14a−14cは、折り返し部分18の湾曲の内側ほど流路断面積が大きくなっている。
狭隘流路14a−14cの上記関係による利点を説明する。液体の冷媒には気泡が混在することがある。折り返し部分18では、湾曲の外側ほど気泡が留まり易い。特に、実施例の冷却器10は、折り返し部分18が冷媒の流入口12と流出口13よりも高くなるように傾斜配置されている。この傾斜配置によって、一層、折り返し部分18の湾曲の外側の狭隘流路14cに気泡が留まり易くなる。実施例の冷却器10では、折り返し部分18の湾曲の外側の狭隘流路14cの流路断面積を小さくする。そうすることで、狭隘流路14cを流れる冷媒の流速を高め、気泡を追い出し易くする。一方、気泡が留まり難い折り返し部分18の湾曲の内側の狭隘流路14aの流路断面積を大きくする。そうすることで、流路14の全体の圧力損失の増大を抑える。冷却器10は、圧力損失の増大を抑えることと、気泡を留まり難くすることの両立を図っている。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例の冷却器10ではU字の折り返し部分18に2個のフィン16a、16bが設けられていた。フィンの数は2個に限られない。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
3:モータ
4:デファレンシャルギア
6:動力分配機構
10:冷却器
12:流入口
13:流出口
14:流路
14a−14c:狭隘流路
15a、15b、16a、16b:フィン
18:折り返し部分
19:筐体
20:電力制御ユニット
30:トランスアクスル
37:冷媒供給管
38:冷媒排出管
60:電圧コンバータ
4:デファレンシャルギア
6:動力分配機構
10:冷却器
12:流入口
13:流出口
14:流路
14a−14c:狭隘流路
15a、15b、16a、16b:フィン
18:折り返し部分
19:筐体
20:電力制御ユニット
30:トランスアクスル
37:冷媒供給管
38:冷媒排出管
60:電圧コンバータ
Claims (1)
- 液体冷媒の流入口と流出口をつなぐU字の流路を備えており、前記流入口と前記流出口が水平方向で並んでいる冷却器であり、
前記流路のU字の折り返し部分に、前記液体冷媒の流れ方向に沿って延びているとともに、前記折り返し部分の湾曲の内側と外側を結ぶ方向で並んでいる複数のフィンが設けられており、
前記流路は複数の前記フィンによって複数の狭隘流路に区画されており、
前記湾曲の内側の前記狭隘流路の幅が、前記湾曲の外側の前記狭隘流路の幅よりも大きくなっており、前記湾曲の内側の前記狭隘流路の高さが、前記湾曲の外側の前記狭隘流路の高さよりも高くなっている、冷却器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017139441A JP2019021786A (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 冷却器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017139441A JP2019021786A (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 冷却器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019021786A true JP2019021786A (ja) | 2019-02-07 |
Family
ID=65354985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017139441A Pending JP2019021786A (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 冷却器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019021786A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021045211A1 (ja) * | 2019-09-06 | 2021-03-11 | 大日本印刷株式会社 | ベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用シート、ベーパーチャンバ用の中間体が多面付けされたシート、ベーパーチャンバ用の中間体が多面付けされたシートが巻かれたロール、ベーパーチャンバ用の中間体 |
-
2017
- 2017-07-18 JP JP2017139441A patent/JP2019021786A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021045211A1 (ja) * | 2019-09-06 | 2021-03-11 | 大日本印刷株式会社 | ベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用シート、ベーパーチャンバ用の中間体が多面付けされたシート、ベーパーチャンバ用の中間体が多面付けされたシートが巻かれたロール、ベーパーチャンバ用の中間体 |
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