JP2019021573A - コネクタ - Google Patents

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Atsuya Sakagami
淳哉 坂上
英生 塩田
Hideo Shioda
英生 塩田
誉仁 大熊
Takahito Okuma
誉仁 大熊
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Abstract

【課題】接続対象物との位置ズレを吸収することができ、しかも電磁ノイズの侵入及び放射の対策がされ、応力集中によって破損しにくいコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、固定ハウジング30と、可動ハウジング60と、固定ハウジング30に保持された固定端子40と、接続対象物80の端子部82と接触する接触部75を備えると共に可動ハウジング60に保持された可動端子70と、接続対象物80のシールド接続部84と接触し、可動端子70をシールドすると共に可動ハウジング60の移動に追従する可動シールド50と、基板90に固定される固定シールド(固定金具20)と、を備える。可動シールド50と固定シールド(固定金具20)とは導通接続していると共に、可動ハウジング60が固定ハウジング30に対して移動すると、固定シールド(固定金具20)と可動シールド50とが導通接続したまま摺動する。
【選択図】図1D

Description

本発明は、コネクタに関する。
従来、特許文献1に記載のコネクタが知られている。
このコネクタ1は、円筒形状の可動ハウジング52と、この可動ハウジング52に一端側を固定されると共に他端側を固定ハウジング51に固定される端子7と、を備えている。さらに、この端子7は、逆U字形状のバネ部63を有している。
このようなコネクタにおいては、逆U字形状のバネ部63が弾性変形することで、固定ハウジング51に対して可動ハウジング52を相対的に移動可能としている。これにより、コネクタ1に接続しようとする接続対象物が正規の嵌合位置からズレていても、可動ハウジング52が端子3の一端側と共に移動して、そのズレを吸収することができる。よって、作業性と接続信頼性に優れたコネクタとすることができる。
特開2016−62661号公報
しかしながら、前述のようなコネクタでは、可動ハウジングが樹脂で構成されており、その内部に位置する可動端子はシールドされていない。そのため、電磁ノイズの侵入及び放射に関して改善の余地がある。
本発明は、以上のような問題点に対処すべく案出されたものである。
すなわち、本発明の目的は、接続対象物との位置ズレを吸収することができ、しかも電磁ノイズの侵入及び放射の対策がされ、応力集中によって破損しにくいコネクタを提供することにある。
第1の態様に係るコネクタは、基板に固定される固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して前記基板の平面に平行な方向のうちの互いに垂直な方向である前後方向と左右方向に移動可能な可動ハウジングと、基板に接続される基板接続部を備えると共に前記固定ハウジングに保持された固定端子と、端子部及びシールド接続部を備える接続対象物の前記端子部と接触する接触部を備えると共に前記可動ハウジングに保持され、前記接触部が前記可動ハウジングの移動に追従する可動端子と、前記接続対象物の前記シールド接続部と接触し、前記可動ハウジングに固定されて前記可動端子をシールドすると共に、前記可動ハウジングの移動に追従する可動シールドと、前記可動シールドとは別体に形成され、前記基板に固定される固定シールドと、を備えるコネクタであって、前記基板接続部と前記接触部とが電気的に接続されており、前記可動シールドと前記固定シールドとは、互いに接触していることで導通接続しており、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前後左右方向に移動すると、前記固定シールドと前記可動シールドとが導通接続したまま摺動する。
この態様では、コネクタは、固定ハウジングと可動ハウジングとを備えている。固定ハウジングは、基板に固定され、可動ハウジングは、固定ハウジングに対して基板の平面に平行な方向のうちの互いに垂直な方向である前後方向と左右方向に移動可能とされている。
そして、基板に接続される基板接続部を備える固定端子が固定ハウジングに保持され、接続対象物の端子部と接触する接触部を備える可動端子が可動ハウジングに保持される。これにより、接触部が、可動ハウジングの移動に追従するようになっている。また、基板接続部と接触部とは電気的に接続されている
このため、基板に対する接続対象物(の端子部)の位置が基板の平面に平行な方向にずれたとしても、可動ハウジングが固定ハウジングに対して移動し、これに追従して接触部も移動することで、位置ズレを吸収することができる。
なお、固定端子の基板接続部と可動端子の接触部とが電気的に接続される態様としては、例えば、固定端子と可動端子とがそもそも一体に形成された1つの端子であってもよいし、固定端子と可動端子とが別体に形成されると共に両者が接触しているものであってもよい。
また、コネクタは、接続対象物のシールド接続部に接触する可動シールドと、可動シールドと別体に形成されると共に可動シールドと接触して導通接続している固定シールドと、を備えている。そして、可動ハウジングが固定ハウジングに対して基板の平面に平行な方向に移動すると、固定シールドと可動シールドとが導通接続したまま摺動するようになっている。
このため、基板に対して接続対象物(のシールド接続部)の位置が基板の平面に沿う方向にずれたとしても、可動ハウジングが固定ハウジングに対して移動し、これに追従して可動シールドが移動することで、位置ズレを吸収することができる。しかも、固定シールドと可動シールドとが摺動することで位置ズレを吸収するものであるため、シールド部材(固定シールドや可動シールド)に応力が集中して破損してしまうという事態が抑制されている。
よって、電磁ノイズの侵入及び放射の対策が施され、応力集中によって破損しにくいコネクタとすることができる。
第2の態様に係るコネクタは、第1の態様において、前記可動シールドは、筒状の筒部を有しており、前記筒部は、前後左右方向で前記可動端子を包囲している。
この態様では、可動シールドが、その筒状の筒部によって可動端子を前後左右方向で包囲しているので、電磁ノイズの侵入及び放射を効率よく防ぐことができる。
なお、ここでいう「筒状」とは、円筒状だけでなく例えば角筒状をも含む。
第3の態様に係るコネクタは、第2の態様において、前記可動シールドの前記筒部には、その周方向に繋ぎ部が存在しない。
この態様では、電磁ノイズの侵入及び放射を効率よく防ぐことができる。
すなわち、可動端子を包囲するために、例えば、可動シールドを打ち抜き加工した薄い金属板で構成し、この薄い金属板で可動ハウジングの外周を覆ってもよい。しかしながら、このような可動シールドでは、金属板の両端部同士を隙間無く繋ぎ合わせることが困難であり、繋ぎ部に隙間が形成されてしまう。また、金属板の一端部に凹部を形成すると共に他端部に凸部を形成して繋ぎ合わせた場合も、繋ぎ部に僅かな隙間が存在してしまう。
そこで、この態様では、例えば可動シールドをダイカスト製とし、可動シールドの筒部に、その周方向に繋ぎ部が存在しない構造としている。このため、隙間無く可動端子を包囲することができる。よって、電磁ノイズの侵入及び放射を効率よく防ぐことができる。
第4の態様に係るコネクタは、第1〜第3の態様において、前記可動ハウジングの可動範囲において、前記固定シールドと前記可動シールドの少なくとも一方が常時弾性変形した状態となり、この弾性変形による弾性力は、前記固定シールドと前記可動シールドとが押圧接触して導通接続する方向に作用する。
この態様では、固定シールドと可動シールドとの導通接続が途切れる(瞬断する)ことを抑制できる。
すなわち、可動ハウジングが固定ハウジングに対して移動した際、特に振動や衝撃を受けた際には、固定シールドと可動シールドとが非接触になり、可動シールドや固定シールドからノイズが放射されてしまうおそれがある。
そこで、この態様では、可動ハウジングの可動範囲において、固定シールドと可動シールドの少なくとも一方が常時弾性変形した状態となり、この弾性力は、固定シールドと可動シールドとが押圧接触して導通接続する方向に作用するようになっている。
このため、振動や衝撃を受けても導通接続が途切れる(瞬断する)ことを抑制でき、優れたノイズ対策が施されたコネクタとすることができる。
第5の態様に係るコネクタは、第1〜第4の態様において、前記可動シールドは、被制限部を有しており、前記固定シールドは、前記被制限部に当接することで前記可動ハウジングの上下方向一方側の移動範囲を制限する制限部と、弾性バネ部と、を有しており、前記弾性バネ部は、前記被制限部に上下方向他方側から接触する固定側接触部と、前記固定側接触部を弾性支持すると共に前記基板の平面に沿う方向に伸長する弾性支持部と、を有しており、前記弾性支持部は、前記被制限部が前記制限部に当接した状態でも、前記固定側接触部を前記被制限部に向けて押圧接触させる。
この態様では、可動ハウジングが固定ハウジングに対して移動しても、グランド接続が安定して維持される。
すなわち、この態様では、可動シールドが被制限部を有し、固定シールドが制限部を有しており、被制限部が制限部に当接することで、可動ハウジングの上下方向一方側(上方向又は下方向)の移動範囲が制限されている。
他方、固定シールドの弾性バネ部の固定側接触部が、上下方向他方側から可動シールドの被制限部に接触するようになっている。固定側接触部は、固定シールドの弾性バネ部の弾性支持部により弾性支持されている。さらに、弾性支持部は、被制限部が制限部に当接した状態でも、固定側接触部を被制限部に向けて押圧接触させるようになっている。
このため、可動シールドの被制限部を、固定シールドの制限部と固定側接触部とで上下方向から挟みこんで押圧接触するようになっており、固定シールドと可動シールドとの導通接続が安定するようになっている。
さらに、弾性支持部が基板の平面に沿う方向に伸長しているので、弾性支持部を長く形成することができる。そのため、固定シールドの弾性支持部に応力集中することが抑制されて、その結果、破損が抑制される。
第6の態様に係るコネクタは、第5の態様において、前記制限部は、前記被制限部に上側から当接することで前記可動ハウジングの上方向の移動範囲を制限する上制限部であり、前記固定ハウジングは、前記被制限部に下側から当接することで前記可動ハウジングの下方向の移動範囲を制限する制限面部と、前記制限面部に形成された凹部と、を有しており、前記固定側接触部は、前記被制限部が前記制限面部に接近したとき、前記被制限部に押圧されて前記凹部の内側へ退避する。
この態様では、固定シールドの弾性バネ部を破損し難くすることができる。
すなわち、仮に、可動ハウジングが下方向に移動した際に可動シールドの被制限部に下側から当接して可動ハウジングの下方向の移動を制限するのが、弾性バネ部であったとすると、弾性バネ部がその押圧力に負けてしまい塑性変形したり破断してしまうおそれがある。
そこで、この態様では、可動ハウジングが上方向に移動した際の移動の制限を固定シールドの上制限部で行う一方で、可動ハウジングが下方向に移動した際の移動の制限を固定ハウジングの制限面部で行う。このため、固定シールドに過大な負荷がかからない。よって、固定シールドの弾性バネ部の破損を抑制できる。
また、制限面部が被制限部と当接している間でも、弾性バネ部の固定側接触部が凹部の内側へ退避しつつも、凹部の開口を通じて被係止部を上方向へ向けて押圧し続ける。よって、固定シールドと可動シールドとの導通接続が安定して保たれる。
第7の態様に係るコネクタは、第5の態様において、前記制限部は、前記被制限部に上側から当接することで前記可動ハウジングの上方向の移動範囲を制限する上制限部であり、前記被制限部は、前記上制限部に当接する部分に上方に凸の勾配面を有している。
この態様では、被制限部の上方に凸の勾配面に上制限部が当接することで可動ハウジングの上方向の移動範囲が制限される。このため、可動ハウジングの上下方向の可動域を拡大することなく、可動ハウジングの傾きを大きく許容することができる。
第8の態様に係るコネクタは、第1〜第7の態様において、前記可動シールドは、被制限部を有しており、前記固定ハウジングは、前記被制限部に下側から当接することで、前記可動ハウジングの下方向の移動範囲を制限する制限面部を有しており、前記制限面部は、上方に凸の勾配面を有している。
この態様では、固定ハウジングの制限面部の上方に凸の勾配面が、可動シールドの被制限部に下側から当接することで、可動ハウジングの下方向の移動範囲が制限される。このため、可動ハウジングの上下方向の可動域を拡大することなく、可動ハウジングの傾きを大きく許容することができる。
第9の態様に係るコネクタは、第1〜第8の態様において、前記固定シールドは、打抜き加工された板材が屈曲加工された部材からなり、前記固定シールドの打抜き面でなく平滑面が前記可動シールドに接触することで、前記固定シールドと前記可動シールドとが導通接続している。
この態様では、固定シールドの打抜き面でなく平滑面が可動シールドに接触することで、固定シールドと可動シールドとが導通接続している。このため、固定シールドを打抜き加工および屈曲加工による製造すると共に、固定シールドと可動シールドとの摩擦を抑制し、また固定シールドと可動シールドとの導通接続を安定させることができる。
以上説明したように、本発明は、接続対象物との位置ズレを吸収することができ、しかも電磁ノイズの侵入及び放射の対策がされ、応力集中によって破損しにくいという優れた効果を有する。
組立状態のコネクタの斜視図である。 組立状態のコネクタの側面図である。 組立状態のコネクタをコネクタ幅方向に垂直な平面で切断した断面斜視図である。 組立状態のコネクタをコネクタ前後方向に垂直な平面で切断した断面斜視図である。 組立状態のコネクタをコネクタ幅方向に垂直な平面で切断した断面図である。 コネクタの分解斜視図である。 固定側部材の分解斜視図である。 固定側部材の斜視図である。 固定側部材の側面図である。 固定側部材の側断面図である。 可動側部材の分解斜視図である。 可動側部材の側断面図である。 固定ハウジングに固定端子が保持された状態を示す斜視図である。 固定ハウジングに固定端子が保持された状態を示す別の角度の斜視図である。 固定ハウジングに固定端子が保持された状態を示す平面図である。 固定端子の斜視図である。 固定端子の側面図である。 固定ハウジングの斜視図である。 固定ハウジングの別の角度から見た斜視図である。 固定ハウジングの平面図である。 固定ハウジングの側面図である。 固定金具の斜視図である。 固定金具の側面図である。 可動端子の斜視図である。 可動端子の別の角度から見た斜視図である。 可動端子の底面図である。 可動ハウジングの斜視図である。 可動ハウジングの側断面図である。 可動シールドの斜視図である。 可動シールドの側断面図である。 接続対象物の断面図である。 コネクタと接続対象物とが接続した接続構造の断面図である。 変形例1のコネクタの側面図である。 図13Aの一部を拡大した図である。 変形例1の固定ハウジングの斜視図である。 変形例2の固定金具の斜視図である。 変形例3の可動端子の斜視図である。 変形例3の可動端子が固定ハウジングに保持された状態を示す斜め下方から見た斜視図である。 変形例3の可動端子が固定端子と接触している様子を示す後方から見た図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、各図に示す矢印Xをコネクタ前方向、矢印Yをコネクタ幅方向一方側(左側)、矢印Zをコネクタ上方向として説明する。また、特記なく前後、上下、幅(左右)という語を用いる場合は、コネクタ前後方向の前後、コネクタ上下方向の上下、コネクタ幅方向(左右方向)の幅(左右)を示すものとする。
〔概略〕
図1A〜1Eは、実施形態のコネクタ10の組立状態を示し、図1Fは、コネクタ10の分解状態を示す。
コネクタ10は、大きく分けて、基板90(図1B、1E参照)に固定される固定側部材12と、この固定側部材12に対して所定の可動域で移動可能とされた可動側部材14と、から構成される。
このうち固定側部材12は、図2Aに示すように、固定金具20、固定ハウジング30および固定端子40から構成される。他方、可動側部材14は、図3Aに示すように、可動シールド50、可動ハウジング60および可動端子70から構成される。
コネクタ10の組立状態では、固定端子40や固定金具20の一部(弾性バネ部25)などが弾性変形した状態となるが、各図(例えば図1C〜1E)では、簡単のため各部品の自由状態(弾性変形していない状態)の形状を示す。各部品が重なり合って図示されている部分は、重なり合っている部品の両方または片方が実際には弾性変形していることを意味する。
以下、各部の構成について具体的に説明する。
<固定ハウジング30>
図6A〜6Dに固定ハウジング30を示す。固定ハウジング30は、基板90に固定される部材である。具体的には、図2Bに示すように、2つの固定金具20により固定される。固定ハウジング30は、合成樹脂などの絶縁体で構成される。
固定ハウジング30は、固定端子40を保持する端子保持部31を有する。端子保持部31は、固定ハウジング30を上下方向に貫通する貫通孔となっている。固定ハウジング30の下方から固定端子40を押し込むことで、図1Fや図4A〜4Cに示すように、固定ハウジング30の端子保持部31に固定端子40が保持される。
図6Cに示すように、端子保持部31は、平面視で略矩形状の本体部31Aと、本体部31Aの幅方向中央から前方へ拡大された圧入部31Bと、から構成される。本体部31Aは、平面視で前後方向を長手方向とする矩形状であり、圧入部31Bは、本体部31Aよりも幅が小さく形成された部分である。圧入部31Bの前端部は、若干幅広に形成されており、この部分に固定端子40の被固定部42が圧入される(図4C参照)。
また、固定ハウジング30は、可動側部材14の一部(可動シールド50の被制限部52)に当接することで可動側部材14の下方向の移動範囲を制限する制限面部32を有する。制限面部32は、固定ハウジング30の上側の面であり、法線方向を上方向に向けた平面となっている。制限面部32は、端子保持部31である貫通孔の上側の縁部から前後方向および左右方向に延在している。
制限面部32には、固定金具20の固定側接触部27が退避する凹部33が形成されている(図2Bも参照)。凹部33は、制限面部32を下方へ抉った形状とされており、上方に向けて開口している。また、凹部33は、上方だけでなく幅方向外側にも開口している。凹部33は、固定ハウジング30の左右両方に形成されており、左右にそれぞれ2つ、合計4つ形成されている。
また、固定ハウジング30は、固定金具20と一体化するための金具固定部34を有する。金具固定部34は複数(本実施形態では4つ)形成されており、平面視で略矩形状とされた固定ハウジング30の四隅付近に形成されている。金具固定部34は、固定ハウジング30の幅方向外側に向けて開口する孔である。右側の2つの金具固定部34には、固定ハウジング30の右側から固定金具20の2つの圧入部24が圧入され、左側の2つの金具固定部34には、固定ハウジング30の左側から固定金具20の2つの圧入部24が圧入される。これにより、固定金具20と固定ハウジング30とが一体化する。
また、固定ハウジング30は、前後の立設面部35を有する。立設面部35は、制限面部32の前端および後端から上方へ向けて延びる面である。立設面部35は、法線方向を前後方向中央側に向けた平面である。
<固定金具20>
図7Aに2つの固定金具20を示す。固定金具20は、固定ハウジング30を基板90に固定するための部品である。また、固定金具20は、可動側部材14の可動範囲を制限するための部材でもある。さらに、固定金具20は、可動端子70をシールドするための可動シールド50をグランド接続するための「固定シールド」としても機能する。
固定金具20は、基板90に半田付けされて固定されると共にグランド接続される基板固定部21を有する。基板固定部21は、板厚方向を上下方向に向けており、前後一対形成されている。前側の基板固定部21の前端からは、上方へ向けて延びる前側の縦壁部22が形成されており、後側の基板固定部21の後端からは、上方へ向けて延びる後側の縦壁部22が形成されている。縦壁部22は、板厚方向を前後方向に向けている。
また、固定金具20は、上壁部23を有する。上壁部23は、前後の縦壁部22の上端同士を前後方向に繋いでいる。上壁部23は、板厚方向を上下方向に向けている。上壁部23は、可動側部材14の一部(可動シールド50の被制限部52)に当接することで、可動側部材14の上方向の移動範囲を制限する「上制限部」として機能する。
また、固定金具20は、固定ハウジング30と一体化するための前後の圧入部24を有する。圧入部24は、前後の縦壁部22の上下方向中間部からは、コネクタ幅方向中央側へ向けて延出している。圧入部24は、コネクタ前後方向を板厚方向としており、板幅方向片側(コネクタ上方向側)に係止突起24Aが形成されている。圧入部24は、固定ハウジング30の金具固定部34に圧入される。
また、固定金具20は、弾性バネ部25を有する。弾性バネ部25は、前後の縦壁部22の上下方向中間部から前後一対延出している。弾性バネ部25は、弾性支持部26と固定側接触部27とから構成される。
弾性支持部26は、固定側接触部27を弾性支持しており、固定側接触部27は、可動側部材14の一部(可動シールド50の被制限部52)に下側から弾性接触する(図1D参照)。弾性支持部26は、コネクタ前後方向中心側へ向けてコネクタ前後方向に延びている。他方、固定側接触部27は、弾性支持部26の先端からコネクタ幅方向中心側ヘ向けて延びている。弾性支持部26と固定側接触部27は、共に板厚方向をコネクタ水平方向に向けており、弾性支持部26と固定側接触部27との間には屈曲部が形成されている。固定側接触部27は、板厚方向をコネクタ前後方向に向けている。固定側接触部27は、その延在方向の位置によって板幅が変化しており、その板幅の変化により上方へ向けて凸の頂点部27Aが形成されている。
弾性支持部26は、根本付近の板幅寸法(コネクタ上下寸法)が大きく、先端付近の板幅寸法が小さくなっている。また、縦壁部22のうち弾性バネ部25が延出している部分は、板幅寸法(コネクタ幅方向)が小さくなっている。具体的には、縦壁部22のうちコネクタ幅方向外側の部分がコネクタ幅方向内側へ向けて抉られた形状となっている。
図2Cや図2Dに示すように、固定ハウジング30の制限面部32と、左右の固定金具20の上壁部23との間には、空間92が形成される。
<固定端子40>
図5A〜5Bに固定端子40を示す。固定端子40は、信号端子である。固定端子40は、金属製の板材が打ち抜き加工された後、曲げ加工されることで形成されている。そのため、固定端子40の表面や裏面(板厚方向の両側の面)は、打ち抜き加工されたことで形成された面(表面と裏面とを接続する面、打ち抜き面)よりも平滑な面となっている。本明細書では固定端子40の表面や裏面のことを「平滑面」という。以下、固定端子40の平滑面のうち可動端子70に接触する側の平滑面を表面とし、反対側の平滑面を裏面とする。
固定端子40は、その一端から他端へ向けて、基板接続部41、被固定部42、バネ部43、及び固定側摺動部44をこの順に有する。
基板接続部41は、基板90のランドパターンなどに半田付けで接続される部分である。基板接続部41は、板厚方向を上下方向に向けており、一端から他端へ向けて後方へ延びている。
被固定部42は、固定ハウジング30の圧入部31B(図6C、図4C参照)に圧入されて固定される部分である。被固定部42は、板厚方向を前後方向に向けており、一端から他端へ向けて上方向に延びている。被固定部42の板幅方向両側(コネクタ幅方向両側)には係止突起42Aが形成されている。係止突起42Aが固定ハウジング30に食い込むことで、被固定部42が固定ハウジング30の圧入部31Bに固定され、固定端子40が固定ハウジング30に保持される。
バネ部43は、固定端子40のうち弾性変形しやすく形成された部分である。具体的には、固定端子40の固定側摺動部44に対して下方向の荷重が加わった場合、固定側摺動部44が下方へ変位するようにバネ部43が弾性変形する。バネ部43は、一端から他端へ向けて、第一曲部43A、第一直線部43B、第二曲部43C、および第二直線部43Dをこの順に有する。
第一曲部43Aは、板厚方向表面側へ曲げられており、上方へ凸の湾曲した形状となっている。第一曲部43Aは、その一端から他端までで延在方向を90度以上(約110度)方向転換している。
図2Dに示すように、固定端子40が固定ハウジング30に保持された状態(かつ弾性変形していない状態)では、第一曲部43Aの高さ方向の位置は、固定ハウジング30の制限面部32よりも上方である。また、第二曲部43Cの前後方向の位置は、固定金具20の固定側接触部27よりも前方である。
第一直線部43Bは、板厚方向を略上下方向に向けており、一端から他端へ向けて後方向に対して下方へ傾いた方向へ直線状に延びている。
第二曲部43Cは、板厚方向裏面側へ曲げられており、略後方向へ凸の湾曲した形状となっている。第二曲部43Cは、一端から他端までで延在方向を180度近く(約170度)方向転換しており、その他端においては前方向かつ上方の斜め方向へ延びている。
図2Dに示すように、固定端子40が固定ハウジング30に保持された状態(かつ弾性変形していない状態)では、第二曲部43Cの高さ方向の位置は、固定ハウジング30の制限面部32とほぼ同じか下方である。また、第二曲部43Cの前後方向の位置は、固定金具20の固定側接触部27よりも後側である。
第二直線部43Dは、板厚方向を上下方向かつ前後方向の斜め方向に向けており、一端から他端に向けて前方向に対して上方へ傾いた方向(前方向かつ上方向の斜め方向)に直線状に延びている。
図2Dに示すように、固定端子40が固定ハウジング30に保持された状態(かつ弾性変形していない状態)では、第二直線部43Dは、固定ハウジング30の制限面部32よりも上方に位置する。
固定側摺動部44は、可動端子70の一部(可動側摺動部71)に接触し摺動する部分である。固定側摺動部44は、板厚方向裏面側へ曲げられており、上方へ凸の湾曲した形状となっている。これにより、固定側摺動部44の上側の面である表面(平滑面)は上方へ凸に湾曲している。この固定側摺動部44の平滑面の凸に湾曲した部分が、可動端子70の可動側摺動部71に下側から接触する。
図2Dに示すように、固定端子40が固定ハウジング30に保持された状態(かつ弾性変形していない状態)では、固定側摺動部44は、固定ハウジング30の制限面部32よりも上方で、さらに固定金具20の上壁部23よりも上方に位置する。
組立状態では、固定側摺動部44から可動側摺動部71に対して上方向の荷重(弾性力)が作用する。すなわち、固定端子40は、被固定部42において固定ハウジング30の圧入部31Bに固定されている一方、固定側摺動部44において可動側部材14(の可動端子70)から下方向の荷重を受けている。これにより、固定端子40におけるバネ部43が弾性変形する。固定端子40の弾性力(と固定金具20の弾性力)により、可動側部材14が上方へ押し上げられ、可動シールド50の被制限部52が固定金具20の上壁部23(「上制限部」)に押し付けられた状態となる(図1B、1D参照)。
<可動端子70>
図8A〜8Cに可動端子70を示す。可動端子70は信号端子である。可動端子70は、金属製の板材が打ち抜き加工された後、曲げ加工されることで形成されている。そのため、可動端子70の表面や裏面(板厚方向の両側の面)は、打ち抜き加工されたことで形成された面(表面と裏面とを接続する面、打ち抜き面)よりも平滑な面となっている。本明細書では可動端子70の表面や裏面のことを「平滑面」という。なお、可動端子70の平滑面のうち接続対象物80に接触する側の面を表面とし、それとは反対側の面を裏面とする。
可動端子70は、主要構成として、可動側摺動部71、U字部73、第一被固定部77および接触部75を有する。
可動側摺動部71は、固定端子40の固定側摺動部44と接触し摺動する部分である。可動側摺動部71は、板厚方向を上下方向に向けた平板状とされ、平面視で矩形状とされている。可動側摺動部71の下側の平滑面が固定側摺動部44の上側の平滑面と接触する。
U字部73は、断面形状(コネクタ上下方向に直交する断面形状)が略U字状の部分である。すなわち、U字部73は、板厚方向を前後方向に向けた底板部73Aと、底板部73Aの幅方向両端から前方向に延びた一対の側板部73Bと、から構成される。一対の側板部73Bは、共に板厚方向をコネクタ幅方向に向けており、互いに平行に対向している。
一対の側板部73Bの先端側(前端側)には、係止突起73BAが形成されている。この係止突起73BAが可動ハウジング60の内側面に食い込むことで、可動端子70の一対の側板部73Bが可動ハウジング60に圧入されて固定される。つまり、一対の側板部73Bは、可動ハウジング60に固定される「第二被固定部」として機能する。
可動側摺動部71とU字部73とは、屈曲された連結部72により連結されている。連結部72は、可動側摺動部71の後端における幅方向中央部と、U字部73の底板部73Aの下端における幅方向中央部とを連結している。
U字部73の底板部73Aの上端における幅方向中央部分は、上方へ向けて延長されて第一被固定部77が形成されている。第一被固定部77の板幅方向両側(コネクタ幅方向両側)には、係止突起77Aが形成されている。この係止突起77Aが可動ハウジング60の内側面に食い込むことで、可動端子70の第一被固定部77が可動ハウジング60に圧入されて固定される。
また、可動端子70は、一対のバネ片部78を有する。一対のバネ片部78は、U字部73の一対の側板部73Bの上端から上方へ向けて延出している。バネ片部78は、先端側へ向けて、アーム部74、接触部75および案内部76をこの順に有する。
一対のアーム部74は、上方に向かって徐々に互いの間隔を狭めるように、コネクタ幅方向内側へ傾いている。それぞれのアーム部74は直線状に延びている。また、アーム部74は、上方へ向けて徐々に板幅(コネクタ前後方向の寸法)が狭くなっている。
一対の接触部75は、互いに近づく方向に凸に湾曲している。一対の接触部75は、上方から下方向に向けて挿入される接続対象物80の端子部82(図11参照)に対してコネクタ幅方向両側から接触するようになっている。接触部75の板幅は、アーム部74の上端の板幅と同一である。
一対の案内部76は、その板幅(コネクタ前後方向の寸法)が接触部75の板幅と比較して拡大された部分である。接触部75から案内部76への板幅の変化は、徐々に拡大されているのではなく、接触部75と案内部76との境に急に拡大されている。つまり、アーム部74の先端部はT字状となっている。
可動側摺動部71は、各辺をそれぞれコネクタ幅方向、コネクタ前後方向に向けた矩形状である。可動側摺動部71のコネクタ幅方向(左右方向)の寸法は、U字部73の左右方向の寸法よりも大きい。そのため、図8Cに示すように、底面視では、U字部73の一対の側板部73Bの大部分は、可動側摺動部71に隠れる。他方、一対の側板部73Bの根本部分(底板部73Aと側板部73Bとの境界部分)は、底面視で可動側摺動部71に隠れない。この隠れない部分を下方から上方へ向けて押圧することで、可動端子70を可動ハウジング60に圧入する。
<可動ハウジング60>
図9A〜9Bに可動ハウジング60を示す。可動ハウジング60は、合成樹脂などの絶縁体で構成される。
可動ハウジング60は、可動端子70を保持する保持部61を有する(図9B参照)。具体的には、可動ハウジング60は、上下方向を軸方向とする筒状とされ、その内部に設けられた保持部61に可動端子70を保持する(図1E参照)。
また、図9Bに示すように、可動ハウジング60は、可動端子70の第一被固定部77が圧入される第一固定部62と、可動端子70のU字部73の一対の側板部73B(第二被固定部)が圧入される第二固定部63と、を有する。第一固定部62および第二固定部63は、保持部61内に形成されている。
保持部61の上端には、上下方向に貫通する相手側端子挿通孔61Uが形成されている。相手側端子挿通孔61Uは、円形とされている。相手側端子挿通孔61Uの上部は、接続対象物80の端子部82(図11参照)を誘い込むテーパ部61UAが形成されている。
外側形状で区分けすると、図9Aに示すように、可動ハウジング60は、外側形状が略円柱状の上部60Uと、外形状が略矩形柱状の下部60Lと、から構成される。可動ハウジング60の上部60Uの具体的な外形状は、前後部分が円弧面状とされ、左右部分が平面状とされている。これにより、可動ハウジング60の上部60Uが前後方向の方向性のある形状とされ、可動シールド50に対する軸回転方向の位置決めが可能とされている。
可動ハウジング60の外周面には、外側に向かって膨出した複数(本実施形態では4つ)の膨出部64が形成されている。膨出部64は、可動ハウジング60の上部60Uのおける下側部分に形成されており、上下方向に延びている。膨出部64が可動シールド50の内側面に圧接することで、可動ハウジング60と可動シールド50とを一体化させた状態で外れ難くなる。
図9Aに示すように、可動ハウジング60の下部60Lは、前壁65F、左右の側壁65Sおよび後壁65Rを有する。図3Bに示すように、可動ハウジング60の下部60Lにおける保持部61には、可動端子70の可動側摺動部71が配置される。可動側摺動部71は、その幅方向両側において可動ハウジング60の下部60Lの左右の側壁65Sに接触する。
可動ハウジング60の下部60Lの前壁65Fは、左右の側壁65Sよりもその下端位置が高く形成されている。この前壁65Fの下端に、可動側摺動部71の前端部(連結部72が延出された側とは反対側の端部)が下側から接触する(図3B参照)。具体的には、前壁65Fの下端位置は、その幅方向中央側で高く、幅方向両外側で低く形成されている。そして、前壁65Fのうち幅方向外側の部分の下端に、可動側摺動部71の前端部が下側から接触する。
<可動シールド>
図10A〜10Bに可動シールド50を示す。可動シールド50は、金属などの良導体で構成されており、ダイカスト製とされている。
可動シールド50は、可動ハウジング60を周方向から包囲する筒状の筒部51と、この筒部51の下方の被制限部52と、を有する。
筒部51は、可動端子70をコネクタ前後左右方向から包囲して可動端子70をシールドするように機能する。可動シールド50は、筒部51において可動ハウジング60に被さるように可動ハウジング60と一体化する(図3B参照)。
被制限部52は、空間92(図2C参照)内に拘束される部分である。被制限部52が空間92内に拘束されることで、固定側部材12に対する可動側部材14の移動範囲が所定の可動域に制限される。
筒部51は、円筒状とされ、図1Eや図10Bに示すように、可動ハウジング60が保持される保持部53を内部に有する。保持部53は、上下方向に延びる空間とされており、上端が接続対象物80の端子部82が挿入されるように開口され、下端が可動ハウジング60が挿入されるように開口されている。
筒部51の内側形状は、可動ハウジング60の外側形状が嵌合する形状とされており、可動シールド50の前後方向と可動ハウジング60の前後方向とが一致した状態で両者を一体化できるようになっている。
筒部51の外側形状は、平面視で円形とされている。詳細には、筒部51の上部では、上方に向かうに従い徐々に径が小さくなり(テーパ部51A)、筒部51の上下方向中間部では、同一径を保ちながら上下方向に延びており(鉛直部51B)、筒部51の下部では、下方に向かうに従い徐々に径が大きくなっている(傘部51C)。筒部51の上部のテーパ部51Aにより、接続対象物80のシールド接続部84(図11参照)を適切に筒部51の上下方向中間部の鉛直部51Bに案内できる(図12参照)。
被制限部52は、筒部51の下方に形成されている。被制限部52は、左右に形成されており、左右方向外側へ向けて突出している。被制限部52は、固定ハウジング30の制限面部32よりも上方かつ固定金具20の上壁部23の下方の空間92に配置される。
可動側部材14が下方へ移動すると、被制限部52の下面52Lが、固定ハウジング30の制限面部32に当接する。可動側部材14が上方へ移動すると、被制限部52の上面52Uが固定金具20の上壁部23に当接する。これにより、固定側部材12に対する可動側部材14の上下方向の移動範囲が制限される。
被制限部52は、直方体形状とされており、被制限部52の下面52Lは、法線方向を下方向とする平面とされ、上面52Uは、法線方向を上方向とする平面とされている。
また、可動側部材14は、所定の可動域(可動シールド50と固定ハウジング30の干渉や、可動シールド50と固定金具20の干渉により制限される可動域)で、固定側部材12に対して前後方向、左右方向、上下方向の移動可能であるし、所定の可動域で、上下方向の軸周りに回転可能であり、上下方向の軸を傾けるようにも移動可能である。
被制限部52の下面52Lには、固定金具20の固定側接触部27が接触している(図1D参照)。これにより、固定金具20の弾性バネ部25は、下方へ向けて弾性変形している。このため、弾性バネ部25の弾性力によって、固定側接触部27が被制限部52を上方へ向けて押し上げている。そのため、コネクタ10の組立状態では、被制限部52の上面52Uは、固定金具20の上壁部23に接触した状態となる。
〔接続対象物との接続〕
図11に接続対象物80を示し、図12にコネクタ10と接続対象物80とが接続した接続構造を示す。
図11に示すように、接続対象物80は、コネクタ10の可動シールド50が差し込まれる略円筒状の空間である差込部86を備える。また、接続対象物80は、差込部86内に先端が配置された端子部82と、差込部86内の側面に配置されたシールド接続部84と、を備える。
図12に示すように、接続対象物80の差込部86にコネクタ10の可動シールド50が差し込まれることで、コネクタ10が接続対象物80と接続される。接続された状態では、接続対象物80の端子部82に対して、コネクタ10の一対の接触部75がコネクタ水平方向から接触し、接続対象物80のシールド接続部84が、コネクタ10の可動シールド50の筒部51の鉛直部51Bにコネクタ水平方向から接触する。
―作用効果―
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、コネクタ10は、固定ハウジング30と可動ハウジング60とを備えている。固定ハウジング30は、基板90に固定され、可動ハウジング60は、固定ハウジング30に対して基板90の平面に平行な方向のうちの互いに垂直な方向である前後方向と左右方向に移動可能とされている。
そして、基板90に接続される基板接続部41を備える固定端子40が固定ハウジング30に保持され、接続対象物80の端子部82と接触する接触部75を備える可動端子70が可動ハウジング60に保持される。これにより、接触部75が、可動ハウジング60の移動に追従するようになっている。また、基板接続部41と接触部75とは電気的に接続されている
このため、基板90に対する接続対象物80(の端子部82)の位置が基板90の平面に平行な方向にずれたとしても、可動ハウジング60が固定ハウジング30に対して移動し、これに追従して接触部75も移動することで、位置ズレを吸収することができる。
また、本実施形態では、コネクタ10は、接続対象物80のシールド接続部84に接触する可動シールド50と、可動シールド50と別体に形成されると共に可動シールド50と接触して導通接続している固定金具20と、を備えている。そして、可動ハウジング60が固定ハウジング30に対して基板90の平面に平行な方向に移動すると、固定金具20と可動シールド50とが導通接続したまま摺動するようになっている。
このため、基板90に対して接続対象物80(のシールド接続部84)の位置が基板90の平面に平行な方向にずれたとしても、可動ハウジング60が固定ハウジング30に対して移動し、これに追従して可動シールド50が移動することで、位置ズレを吸収することができる。しかも、固定金具20と可動シールド50とが摺動することで位置ズレを吸収するものであるため、シールド部材(固定金具20や可動シールド50)に応力が集中して破損してしまうという事態が抑制されている。
よって、電磁ノイズの侵入及び放射の対策が施され、応力集中によって破損しにくいコネクタ10とすることができる。
また、本実施形態では、可動シールド50が、その筒状の筒部51によって可動端子70を前後左右方向で包囲しているので、電磁ノイズの侵入及び放射を効率よく防ぐことができる。
また、本実施形態では、電磁ノイズの侵入及び放射を効率よく防ぐことができる。
すなわち、可動端子70を包囲するために、例えば、可動シールドを打ち抜き加工した薄い金属板で構成し、この薄い金属板で可動ハウジングの外周を覆ってもよい。しかしながら、このような可動シールドでは、金属板の両端部同士を隙間無く繋ぎ合わせることが困難であり、繋ぎ部に隙間が形成されてしまう。また、金属板の一端部に凹部を形成すると共に他端部に凸部を形成して繋ぎ合わせた場合も、繋ぎ部に僅かな隙間が存在してしまう。
そこで、本実施形態では、可動シールド50をダイカスト製とし、可動シールド50の筒部51に、その周方向に繋ぎ部が存在しない構造としている。このため、隙間無く可動端子70を包囲することができる。よって、電磁ノイズの侵入及び放射を効率よく防ぐことができる。
また、本実施形態では、固定金具20と可動シールド50との導通接続が途切れる(瞬断する)ことを抑制できる。
すなわち、可動ハウジング60が固定ハウジング30に対して移動した際、特に振動や衝撃を受けた際には、固定金具20と可動シールド50とが非接触になり、可動シールド50や固定金具20からノイズが放射されてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、可動ハウジング60の可動範囲において、固定金具20が常時弾性変形した状態となり、この弾性力は、固定金具20と可動シールド50とが押圧接触して導通接続する方向に作用するようになっている。
このため、振動や衝撃を受けても導通接続が途切れる(瞬断する)ことを抑制でき、優れたノイズ対策が施されたコネクタ10とすることができる。
また、本実施形態では、固定金具20の弾性バネ部25を破損し難くすることができる。
すなわち、仮に、可動ハウジング60が下方向に移動した際に可動シールド50の被制限部52に下側から当接して可動ハウジング60の下方向の移動を制限するのが、弾性バネ部25であったとすると、弾性バネ部25がその押圧力に負けてしまい塑性変形したり破断してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、可動ハウジング60が上方向に移動した際の移動の制限を固定金具20の上壁部23(「上制限部」)で行う一方で、可動ハウジング60が下方向に移動した際の移動の制限を固定ハウジング30の制限面部32で行う。このため、固定金具20に過大な負荷がかからない。よって、固定金具20の弾性バネ部25の破損を抑制できる。
また、制限面部32が被制限部52と当接している間でも、弾性バネ部25の固定側接触部27が凹部33の内側へ退避しつつも、凹部33の開口を通じて被制限部52に下側から弾性接触し続ける。よって、固定金具20と可動シールド50との導通接続が安定して保たれる。
また、本実施形態では、コネクタ10が、基板90に固定される固定ハウジング30と、この固定ハウジング30に対して前後方向と左右方向に移動が可能な可動ハウジング60と、を備えている。このうち、固定ハウジング30に固定端子40が保持されており、可動ハウジング60に可動端子70が保持されている。固定端子40と可動端子70とは互いに接触して導通接続しており、可動端子70が、接続対象物80の端子部82と導通接続する接触部75を備えている。
そして、可動ハウジング60が固定ハウジング30に対して前後左右方向に移動すると、固定端子40と可動端子70とが導通接続したまま摺動する。つまり、可動ハウジング60が固定ハウジング30に対して基板90の平面に平行な2方向(前後方向と左右方向)の何れに移動しても、固定端子40と可動端子70とが互いに導通接続したまま摺動する。
具体的には、固定端子40と可動端子70との接触位置が、可動端子70の可動側摺動部71の下側の平滑面上を前後左右方向に移動(摺動)する。
このため、基板の平面に平行な2方向の何れにも位置ズレした場合にその全ての位置ズレを弾性部の弾性変形により吸収する従来のコネクタと比較して、端子に応力が集中し難く、端子の破損を抑制できる。
しかも、固定端子40と可動端子70とが平滑面同士で接触しているため、両者が板厚面(打ち抜き面)で接触している場合や一方が板厚面で他方が平滑面で接触している場合と比較して、固定端子40と可動端子70との摺動による磨耗が発生しにくく、また、固定端子40と可動端子70との導通接続が安定する。
さらに、接続対象物80の端子部82と導通接続する可動端子70の接触部75は、基板90の平面に平行な方向(つまり、接続対象物80の挿入方向と直交する方向)から接続対象物80と接触するものとなっている。
このため、接触部75が、基板90に垂直な方向である下方向から接続対象物に接触し、接続対象物から下方向(基板に垂直な方向)の反力を受けて、接触圧を確保する従来のコネクタと比較して、接続対象物80との接続に伴う基板90にかかる負荷を低減することができる。よって、接続対象物80と接続した後に、基板90が反りにくいコネクタ10とすることができる。
また、本実施形態では、コネクタ10が、固定ハウジング30に対する可動ハウジング60の上方向(つまり、接続対象物が抜去される方向)の移動範囲を制限する上制限部(固定金具20の上壁部23)を備える。この上制限部により、固定端子40が弾性変形した状態が常時保たれ、この弾性変形による弾性力は、固定端子40と可動端子70とが押圧接触して導通接続する方向に作用する。このため、固定端子40と可動端子70との導通接続が安定する。
また、上制限部(固定金具20の上壁部23)が固定ハウジング30と一体化されているので、上制限部が可動ハウジング60の上方向の移動範囲を制限することで受ける荷重は、固定ハウジング30に伝達する。
この荷重は上方向の荷重であるため、固定ハウジング30が固定端子40を介して可動端子70から受ける下方向の荷重と相殺される。その結果、コネクタ10から基板90へ向けて伝わる荷重が低減される。
以上より、本実施形態では、固定端子40と可動端子70との導通接続が安定すると共に、基板90の反りを防止することができる。
また、本実施形態では、固定ハウジング30に対する可動ハウジング60の上方向の移動範囲を制限する上制限部が、固定ハウジング30を基板90に固定するための固定金具20の一部として一体的に形成されている。このため、上制限部が、固定ハウジングを基板に固定するための部材と別体で形成される態様と比較して、実装作業が容易である。
また、本実施形態では、図8A等に示すように、可動端子70における固定端子40と接触する部分である可動側摺動部71が、上下方向を板厚方向としており、可動側摺動部71の上方にはU字部73が位置している。U字部73は、底板部73A及び一対の側板部73Bを備えており、底板部73Aが可動側摺動部71と接続されている。接続対象物80の端子部82と接触する接触部75は、一対の側板部73Bから上方へ向けて延出された先に一対形成されて接続対象物80の端子部82を挟みこんで接触するものとなっている。左右方向(コネクタ幅方向、一対の側板部73Bが対向する方向)の寸法は、U字部73よりも可動側摺動部71の方が大きくなっているので、接続対象物80の左右方向の位置ズレを大きく吸収することができる。
また、本実施形態では、図8A等に示すように、可動ハウジング60に圧入されて固定される第一被固定部77が、U字部73の底板部73Aから上方に延出している。そして、可動端子70を下方から見た底面視で、U字部73の一対の側板部73Bの根本部分が可動側摺動部71に隠れない。このため、この可動側摺動部71に隠れない一対の側板部73Bの根本部分を可動端子70の下方側から上方へ向けて押圧することで、第一固定部62を適切に可動ハウジング60に圧入することができる。
また、本実施形態では、一対の側板部73Bの先端側に係止突起73BAが形成されている。これにより、U字部73の一対の側板部73Bが、可動ハウジング60に圧入されて固定される「第二被固定部」となっている。
このため、可動ハウジング60に対する可動端子70の上下方向を回転軸方向とするぐらつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、接触部75の更に上方側に、接触部75よりも幅寸法が拡大された案内部76が形成されているので、接続対象物80の端子部82が適切に導通接続するように案内することができる。
また、本実施形態のコネクタ10を接続対象物80に接続した接続構造では、可動ハウジング60が、上制限部(固定金具20の上壁部23)による上方向の制限位置に位置し、上制限部を介して固定ハウジング30に上方向の荷重が作用する状態となる。この荷重によって、端子の弾性力により固定ハウジング30にかかる下方向の荷重が相殺され、固定ハウジング30から基板にかかる荷重が低減されている。よって、基板90が反りにくい接続構造とすることができる。
〔変形例〕
以下、変形例1〜3について説明する。
〔変形例1:被制限部および制限面部の変形例〕
図13A〜13Bに変形例1のコネクタ110を示す。図13Cにコネクタ110の固定ハウジング130を示す。コネクタ110では、可動シールド150の被制限部152および固定ハウジング130の制限面部132が上記実施形態とは相違している。その他、上記実施形態と同様の点は図面に同じ符号を付してその説明を省略する。
図13A、13Bに示すように、可動シールド150の被制限部152の上面152Uには、上方に凸の勾配面56が形成されている。具体的には、被制限部152の上面152Uは、前後方向中間部の水平面56Aと、この水平面56Aに対して前後に位置する傾斜面56Bと、を含んで構成されている。傾斜面56Bは、水平面56Aと連続に形成されると共に水平面56Aから離れる方向(前後方向)に向かって下り勾配とされている。
また、図13Cに示すように、変形例1の固定ハウジング130の制限面部132には、凸の勾配面36が形成されている。具体的には、固定ハウジング130の制限面部132は、何れも平面である前傾斜面36A、後傾斜面36B、右傾斜面36Cおよび左傾斜面36Dを含んで構成されている。前傾斜面36Aの法線方向は上方向に対して前側に、後傾斜面36Bの法線方向は上方向に対して後側に、右傾斜面36Cの法線方向は上方向に対して右側に、左傾斜面36Dの法線方向は上方向に対して左側にそれぞれ若干傾いている。前傾斜面36A、後傾斜面36B、右傾斜面36Cおよび左傾斜面36Dが互いに隣り合う部分の境界では、面同士が連続に接続されており、稜線37が形成されている。
また、固定ハウジング130の凹部133は、固定ハウジングの左右に1つずつ形成されている。左右の凹部133それぞれに、固定金具20の固定側接触部27が2つずつ配置される。
この変形例1では、被制限部52の勾配面56に「上制限部」としての固定金具20の上壁部23が当接することで可動ハウジング60の上方向の移動範囲が制限される。このため、水平面56Aと上壁部23とが当接することで可動側部材14の上方向の移動範囲が制限されると共に、図13A、13Bに示すように、可動側部材14の軸AXの傾きが大きく許容される。
よって、変形例1によれば、可動ハウジング60の上下方向の可動域の拡大を抑制しつつ、可動ハウジング60の傾きを大きく許容することができる。
また、この変形例1では、固定ハウジング130の制限面部132の上方に凸の勾配面36が、可動シールド150の被制限部152に下側から当接することで、可動側部材14の下方向の移動範囲が制限される。これによっても、可動ハウジング60の上下方向の可動域の拡大を抑制しつつ、可動ハウジング60の傾きを大きく許容することができる。
〔変形例2:固定金具の変形例〕
図14に変形例2の固定金具120を示す。
上記実施形態の固定金具20と変形例2の固定金具120は共に、金属製の板材を打抜き加工した後、曲げ加工することで形成されている。
他方、変形例2の固定金具120は、上記実施形態と異なり、固定金具120の打抜き面でなく平滑面が可動シールド50に接触するように構成されている。固定金具120の具体的な形状を以下で説明する。
固定金具120では、前側の基板固定部121の後端から、上方へ向けて延びる前側の起立部128が形成されており、後側の基板固定部21の前端から、上方へ向けて延びる後側の起立部128が形成されている。
また、固定金具20は、ロール部129を有する。ロール部129は、前後の縦壁部122、前後の縦壁部122の上端同士を連結する上壁部123、および前後の縦壁部122の下端からコネクタ前後方向中心側に延出した弾性支持部126を有している。縦壁部122、上壁部123および弾性支持部126は、板厚方向に曲げられた曲部を介して接続されており、ロール部129は、その全体(縦壁部122、上壁部123および弾性支持部126)において板厚方向をコネクタ幅方向に垂直な平面内の方向に向けている。
ロール部129は、縦壁部122のコネクタ幅方向中心側において、前後の起立部128と接続している。
弾性支持部126の先端側からは、コネクタ幅方向中心側へ向けて固定側接触部127が延出している。固定側接触部127は、板厚方向に曲げられて上方に凸に湾曲している。この凸に湾曲した部分が頂点部127Aとされている。頂点部127Aが可動側部材14の一部(可動シールド50の被制限部52)に接触し摺動する。つまり、固定金具120は、その平滑面で可動側部材14の一部と摺動する。このため、可動シールド50と固定金具120との摺動による磨耗が発生しにくく、また、可動シールド50と固定金具120との導通接続が安定する。
〔変形例3:可動端子の変形例〕
図15Aに変形例3の可動端子170を示す。変形例3の可動端子170は、左右の当接部79を更に有する点で、上記実施形態の可動端子70と相違している。その他、上記実施形態と同様の点は図面に同じ符号を付してその説明を省略する。
左右の当接部79は、可動側摺動部171の幅方向両側から下方へ曲げられて形成されている。当接部79の上端が、可動側摺動部171の幅方向の端部と曲部を介して接続している。左右の当接部79は、板厚方向をコネクタ幅方向としている。なお、可動側摺動部171の幅寸法は、上記実施形態の可動側摺動部71よりも小さく形成されている。
図15Cに示すように、左右の当接部79が対向する距離(つまり、可動側摺動部171の幅寸法)は、固定端子40の固定側摺動部44の幅寸法よりも大きく、具体的には3倍以上である。このため、固定端子40の固定側摺動部44は、可動側摺動部171の幅寸法が許す限りにおいて、可動側摺動部171の下側の平滑面上を左右方向に摺動する。
例えば、可動ハウジング60が左側へ移動すると、それに追従して可動端子170も左側に移動する。すると、まず固定側摺動部44と可動側摺動部171とが左右方向の摺動をし、その後、右側の当接部79が固定側摺動部44に右側から当接して、固定端子40が弾性変形する。具体的には、固定端子40のバネ部43が平面視で前後方向に対して傾くように固定端子40が弾性変形する。
また、可動ハウジング60が右側に移動する場合も、同様に、可動端子170の当接部79が固定端子40の固定側摺動部44に当接することで、固定端子40が弾性変形する。
以上より、変形例3によれば、可動側摺動部171の左右方向の寸法拡大を抑制しつつ、コネクタ左右方向に大きな位置ズレが生じた場合でも当接部79により固定端子40を弾性変形させることで固定端子40と可動端子170との導通接続を保ち、その位置ズレを吸収することができる。
また、可動側摺動部171の幅寸法が小さくなったことにより、図15Bに示す可動ハウジング60よりも、可動ハウジング60の下部60Lの側壁65Sをハウジング内側へ向けて厚く形成することができる。側壁65Sを厚く形成する場合、可動端子170の左右の当接部79の両方に側壁65Sが接触するように構成することが好ましい。
〔補足説明〕
なお、上記実施形態では、固定端子40と可動端子70とが別体に形成されると共に両者が接触していることで、固定端子40の基板接続部41と可動端子70の接触部75とが電気的に接続されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定端子40と可動端子70とがそもそも一体に形成された1つの端子(固定端子と可動端子を備える1つの端子)であることで、固定端子40の基板接続部41と可動端子70の接触部75とが電気的に接続されていてもよい。この場合、基板接続部41と接触部75との間に変形容易なバネ部が設けられていることが好ましい。
また、上記実施形態では、可動ハウジング60(可動側部材14)の可動範囲において、固定金具20(の弾性バネ部25)が常時弾性変形した状態に保たれ、この弾性変形による弾性力により固定金具20と可動シールド50との接触圧を確保し、他方、可動シールド50はダイカスト製とされて弾性変形しない例を説明した。これに代えて、可動シールド50の一部を弾性変形可能に形成し、可動ハウジング60(可動側部材14)の可動範囲において、可動シールド50の一部を常時弾性変形した状態として、可動シールド50と固定金具20との接触圧を確保するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、可動ハウジング60(可動側部材14)の可動範囲において、固定端子40が弾性変形した状態が常時保たれ、この弾性変形による弾性力により、固定端子40と可動端子70との接触圧を確保する例を説明した。これに代えて、可動ハウジング60(可動側部材14)の可動範囲において、可動端子が弾性変形した状態が常時保たれ、この弾性変形による弾性力により、固定端子と可動端子との接触圧を確保するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、固定金具20の一部(弾性バネ部25)が、その弾性力により、可動側部材14の一部(被制限部52)に下側から弾性接触する例を説明したが、これに代えて、固定シールドの一部が、その弾性力により、可動側部材の一部に上側から弾性接触するものとしてもよい。例えば、固定金具20の上壁部23の部分に弾性バネ部を形成して被制限部に対して上側から弾性接触させ、上記実施形態の弾性バネ部25の部分を弾性変形しにくいように形成して「下制限部」(可動側部材に下側から当接することで可動側部材の下方向の移動範囲を制限する部分)としてもよい。
この場合でも、可動シールドの被制限部を、固定シールドの一部と下制限部とで上下方向から挟みこんで弾性接触するようになっており、固定金具20と可動シールド50との導通接続が安定する。
また、上記実施形態では、可動ハウジング60(可動側部材14)が、コネクタ上下方向の所定可動域でも移動可能とされている例を説明したが、可動ハウジング60(可動側部材14)がコネクタ上下の移動不能に構成されていてもよい。
10 コネクタ
20 固定金具
23 上壁部(上制限部、制限部)
25 弾性バネ部
26 弾性支持部
27 固定側接触部
30 固定ハウジング
32 制限面部
33 凹部
36 勾配面
40 固定端子
41 基板接続部
44 固定側摺動部
50 可動シールド
51 筒部
52 被制限部
56 勾配面
60 可動ハウジング
70 可動端子
71 可動側摺動部
73 U字部
73A 底板部
73B 側板部
75 接触部
76 案内部
77 第一被固定部
80 接続対象物
82 端子部
84 シールド接続部
90 基板
110 コネクタ
120 固定金具
123 上壁部(上制限部、制限部)
126 弾性支持部
127 固定側接触部
130 固定ハウジング
132 制限面部
133 凹部
150 可動シールド
152 被制限部
170 可動端子
171 可動側摺動部

Claims (9)

  1. 基板に固定される固定ハウジングと、
    前記固定ハウジングに対して前記基板の平面に平行な方向のうちの互いに垂直な方向である前後方向と左右方向に移動可能な可動ハウジングと、
    基板に接続される基板接続部を備えると共に前記固定ハウジングに保持された固定端子と、
    端子部及びシールド接続部を備える接続対象物の前記端子部と接触する接触部を備えると共に前記可動ハウジングに保持され、前記接触部が前記可動ハウジングの移動に追従する可動端子と、
    前記接続対象物の前記シールド接続部と接触し、前記可動ハウジングに固定されて前記可動端子をシールドすると共に、前記可動ハウジングの移動に追従する可動シールドと、
    前記可動シールドとは別体に形成され、前記基板に固定される固定シールドと、
    を備えるコネクタであって、
    前記基板接続部と前記接触部とが電気的に接続されており、
    前記可動シールドと前記固定シールドとは、互いに接触していることで導通接続しており、
    前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前後左右方向に移動すると、前記固定シールドと前記可動シールドとが導通接続したまま摺動する、
    コネクタ。
  2. 前記可動シールドは、筒状の筒部を有しており、
    前記筒部は、前後左右方向で前記可動端子を包囲している、
    請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記可動シールドの前記筒部には、その周方向に繋ぎ部が存在しない、
    請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記可動ハウジングの可動範囲において、前記固定シールドと前記可動シールドの少なくとも一方が常時弾性変形した状態となり、この弾性変形による弾性力は、前記固定シールドと前記可動シールドとが押圧接触して導通接続する方向に作用する、
    請求項1〜請求項3に記載のコネクタ。
  5. 前記可動シールドは、被制限部を有しており、
    前記固定シールドは、前記被制限部に当接することで前記可動ハウジングの上下方向一方側の移動範囲を制限する制限部と、弾性バネ部と、を有しており、
    前記弾性バネ部は、前記被制限部に上下方向他方側から接触する固定側接触部と、前記固定側接触部を弾性支持すると共に前記基板の平面に沿う方向に伸長する弾性支持部と、を有しており、
    前記弾性支持部は、前記被制限部が前記制限部に当接した状態でも、前記固定側接触部を前記被制限部に向けて押圧接触させる、
    請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のコネクタ。
  6. 前記制限部は、前記被制限部に上側から当接することで前記可動ハウジングの上方向の移動範囲を制限する上制限部であり、
    前記固定ハウジングは、前記被制限部に下側から当接することで前記可動ハウジングの下方向の移動範囲を制限する制限面部と、前記制限面部に形成された凹部と、を有しており、
    前記固定側接触部は、前記被制限部が前記制限面部に接近したとき、前記被制限部に押圧されて前記凹部の内側へ退避する、
    請求項5に記載のコネクタ。
  7. 前記制限部は、前記被制限部に上側から当接することで前記可動ハウジングの上方向の移動範囲を制限する上制限部であり、
    前記被制限部は、前記上制限部に当接する部分に上方に凸の勾配面を有している、
    請求項5に記載のコネクタ。
  8. 前記可動シールドは、被制限部を有しており、
    前記固定ハウジングは、前記被制限部に下側から当接することで、前記可動ハウジングの下方向の移動範囲を制限する制限面部を有しており、
    前記制限面部は、上方に凸の勾配面を有している、
    請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のコネクタ。
  9. 前記固定シールドは、打抜き加工された板材が屈曲加工された部材からなり、
    前記固定シールドの打抜き面でなく平滑面が前記可動シールドに接触することで、前記固定シールドと前記可動シールドとが導通接続している、
    請求項1〜請求項8の何れか一項に記載のコネクタ。
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