JP2019019706A - 風車 - Google Patents

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Michihisa Tsutahara
道久 蔦原
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Abstract

【課題】高速回転時の遠心力により、弾性翼部が径方向に変形することなく、回転効率の向上を図ることができる風車を提供する。
【解決手段】支軸4と、支軸4に沿って延び、風力を受けて支軸4の周りを回転する回転翼3を備え、回転翼3は、翼本体31と、可撓性を有し、翼本体31の回転方向後縁から後方に延びる弾性翼部32と、翼本体31のスパン方向に間欠的に配置されて弾性翼部32の上面方向への反り返りを抑制する抑え部33とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば風力発電装置において風力エネルギーを得るための駆動源として用いられる風車に関する。
従来から、風力発電に用いられる風車においては、回転翼を支持する支軸が水平に配設された水平軸風車と、支軸が鉛直に配設された垂直軸風車とが知られている。水平軸風車は、風向きの変化に応じて風車の方向を転換制御する必要があるため、構造が複雑であり、導入に際して相応のコストを要する。一方、垂直軸風車は、風向きの変化に応じて風車の方向を転換制御する必要がないため、簡素な構成とすることができ、幅広い用途で普及が期待されている。
垂直軸風車は、例えば、ジャイロミル型と称される揚力型風車と、例えば、サポニウス型、ロビンソン型と称される抗力型風車とに分類される。揚力型風車は、主として回転翼に生ずる揚力から回転力を得る風車であり、抗力型風車は、主として回転翼に生ずる抗力から回転力を得る風車である。
揚力型風車は、低風速域における起動トルクを確保することが困難であり、2〜4m/sの低風速では起動できなかった。これは、低風速時に翼に発生する揚力が不足するためである。揚力型風車は、垂直軸風車の中では比較的良好なエネルギー変換効率(以下、単に効率と記すこともある)を有しているが、水平軸風車と比較すると効率が低く、実用化に向けてさらなる改良が望まれている。
一方、抗力型風車は、低風速域において良好な起動性を有するものの、高風速域において損失が大きく、十分な効率を得ることができないという欠点を有する。
そこで、図13の平面図に示す揚力型の垂直軸風車が提案されている(特許文献1)。この風車は、鉛直に設定され、軸受部106に支持された支軸102と、風力を受けて回転する回転翼103と、この回転翼103と支軸102とを連結するアーム104とを備え、回転翼103は、翼本体105と、その後縁に取り付けられた弾性翼部107とを備えた構成となっている。このような構成とすることで、低風速域に
おいて、風Wを受けて弾性翼部107が二点鎖線で示すようにキャンバー状に湾曲することで大きな回転力が得られるので、始動性に優れ、かつ高風速域においても高い効率が得られる(特許文献1)。
特開2015−31227号公報
しかしながら、前記特許文献1で開示された技術では、高速回転時には遠心力CFにより、弾性翼部107が径方向外側(矢印C方向)に変形し、これが空気抵抗を増大(ブレーキ作用)させて、回転翼103の回転効率の向上の妨げとなる課題があった。他方、弾性翼部107の径方向内側への変形を許容し、径方向外側への変形を阻止してしまうと、強風化でブレーキ作用が効かなくなり、回転速度が増大し過ぎて、風車に過大な機械的負荷がかかる。
本発明は、高速回転時の遠心力に起因する弾性翼部の径方向外側への変形が少なく、効率の向上を図ることができ、かつ、強風化で適切な回転速度に自動的に抑えることができる風車を提供することを目的とする。
本発明に係る風車は、支軸と、前記支軸に沿って延び、風力を受けて前記支軸の周りを回転する回転翼を備え、 前記回転翼は、翼本体と、可撓性を有し、前記翼本体の回転方向後縁から後方に延びる弾性翼部と、この弾性翼部の上面方向への反り返りを適切な大きさに制御する抑え部とを備えている。
この構成によれば、高速回転時に回転翼が回転による遠心力を受けて弾性翼部が上面方向(径方向外側)に反り返って変形しようとするとき、抑え部によって弾性翼部の過度な反り返りが抑制される。これにより、空気抵抗の過度の増大が抑制されて、回転効率を向上させることができる。また、強風化の高速回転時には弾性翼部が遠心力によってある程度上面方向に反り返るので、これがブレーキとなって、回転速度の過度な上昇が自動的に防止される。低速回転時には、弾性翼部が風を受けて径方向内側に変形するので、揚力が増大して大きな回転力が得られる。その結果、始動性も向上する。
前記抑え部は、翼本体のスパン方向に間欠的に配置されて前後方向に延びている。この構成によれば、高速回転時に回転翼が回転による遠心力を受けて弾性翼部が上面方向(径方向外側)に反り返って変形しようとするとき、翼本体のスパン方向に間欠的に配置された抑え部によって弾性翼部の過度な反り返りが抑制される。隣接する抑え部間で弾性翼部が風を受けて径方向内側に変形するので、揚力が増大して大きな回転力が得られる。その結果、始動性も向上する。
望ましくは、前記支軸と直交する断面において、前記弾性翼部は、厚さが一定の平板である。このように構成すると、弾性翼部の構造がシンプルとなって、製造が容易となり、風車の製造コストを低減できる。
前記翼本体と前記弾性翼部は一つの翼型を形成していてもよい。この構成によれば、
空力特性に優れた回転翼が得られるので、風車の効率が向上する。
より望ましくは、前記支軸と直交する断面において、前記弾性翼部の翼弦長は、前記翼本体の翼弦長の50%〜100%である。このように、弾性翼部の翼弦長を所定範囲に限定する理由は、弾性翼部の翼弦長が翼本体の翼弦長の50%未満である場合、弾性翼部の撓みが不足し、抗力が低下する。一方、弾性翼部の翼弦長が翼本体の翼弦長の100%を超える場合、弾性翼部は過度に撓み、抗力が低下するからである。つまり、上記所定範囲において、弾性翼部を抗力が低下しない程度の適度な撓みにできる。
また、前記抑え部は、翼本体の後縁から弾性翼部の後縁まで延びていることが望ましい。このように構成することで、回転翼が風を受けて弾性翼部が上面方向(風向き方向)に膨らんで反り返って変形しようとするとき、抑え部の後縁が弾性翼部に強く接触して弾性翼部に局所的に大きな応力を発生させるのを抑えて、弾性翼部が傷むのを防止できる。
本発明の風車によれば、高速回転時に回転翼が回転による遠心力を受けて弾性翼部が上面方向(径方向外側)に反り返って変形しようとするとき、抑え部によって弾性翼部の過度な反り返りが抑制される。これにより、空気抵抗の過度の増大が抑制されて、回転効率を向上させることができるとともに、高速回転時の適度な反り返りにより過度な高速回転も防止される。低速回転時には、弾性翼部が風を受けて径方向内側に変形するので、揚力が増大して大きな回転力が得られる。その結果、始動性も向上する。
本発明の第1実施形態に係る風車を示す斜視図である。 図1の風車の水平断面図である。 同じく回転翼を示す斜視図である。 (A)は回転翼を示す平面図、(B)は同背面図である。 高速回転時における弾性翼部の形状変化を示す説明図である。 (A),(B)は風向きと回転翼の弾性翼部との関係を示す平面図である。 風向きと回転翼の弾性翼部との関係を示す別の平面図である。 風洞試験装置の概略構成を示すブロック図である。 (A)風洞試験に用いる回転翼の構成を示す平面図、(B)は同じく回転翼の弾性翼部および抑え部の側面図である。 本発明に係る風車と比較例に係る風車の風洞試験の結果を示すグラフである 本発明の第2実施形態に係る風車を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る風車の回転翼を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る風車の回転翼の要部を示す斜視図である。 同第4実施形態に係る回転翼の弾性翼部の内部を拡大して示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る風車の回転翼を示す水平断面図である。 従来の風車における回転翼の弾性翼部と風向きの関係を示す平面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態に係る風車について図面を参照しながら説明する。 図1は、本発明の第1実施形態である垂直軸風車1の構成を示す斜視図、図2は、その水平面に沿った断面図を示し、垂直軸風車1の右側の風上から風Wが吹いている状態を示している。垂直軸風車1は、地面に対して垂直、つまり、鉛直に設けられた支軸2と、風力を受けて回転する回転翼3と、回転翼3と支軸2とを連結するアーム4と、支軸2を回転自在に支持する軸受部6とを備えている。回転翼3は3枚であるが、2〜6枚が好ましい。
この実施形態に示す垂直軸風車1は、支軸2を水平または斜めに傾けて設置することも可能である。例えば、潮力発電に前記構成の風車を適用する場合、海流の方向に応じて支軸2を水平または水平に対して斜めに設置してもよい。
支軸2は、アーム4を介して、回転翼3を支持すると共に、回転翼3と一体に矢印R方向に回転する。支軸2の回転力は、垂直軸風車1の出力として、発電機(図示せず)等に伝達される。この実施形態における垂直軸風車1は、支軸2が回転翼3と共に回転するように構成されているが、例えば、固定された支軸の周りを円筒状の回転体が回転する構成であってもよい。この場合、回転体は、アーム4を介して回転翼3と一体に回転し、その回転力は発電機等に伝達される。
回転翼3は、支軸2と平行に設けられ、上下に配設された一対のアーム4によって支軸2に支持されている。回転翼3は、風力を受けて揚力及び抗力を発生し、支軸2の周りを回転する。この実施形態では、3枚の回転翼3が支軸2の円周方向にそれぞれ等間隔に設けられている。それぞれの回転翼3は、支軸2の径方向から見て矩形状に形成されている。これらの回転翼3は、支軸2の径方向又は回転翼3の回転方向に、弓形に湾曲して形成されていてもよい。すなわち回転翼3は、そりが支軸2の径方向の外側又は内側に膨らんだ形状であってもよく、そりが回転方向の前方側又は後方側に膨らんだ形状であってもよい。
回転翼3は、図2に示すように、翼本体31と、可撓性の弾性翼部32と、弾性翼部32よりも剛性の高い抑え部33とを有している。翼本体31は、アーム4と連結されている。翼本体31は、水平面に沿った断面において、その厚さの中心線CLに対して対称な翼型に形成されている。この実施形態においては、例えば、NACA(National Advisory Committee for Aeronautics)0015に準拠する形状が、翼型に採用されている。NACA0015は、翼弦長の15%の厚さを有する翼型である。このような厚さを有し中心線CLに対して対称な翼型の翼本体31は、高風速域における空気抵抗の減少に寄与し、垂直軸風車1の効率が高められる。
翼本体31は、非対称な翼型を有していてもよい。例えば、中心線CLに対して、上下で厚みの分布が異なるものや、中心線CLが円弧等の曲線を描くものであってもよい。このような非対称な翼型の翼本体31は、回転翼3が発生する揚力の増大に寄与する。
翼本体31には、例えば、アルミニウム等の軽量金属や、繊維等によって強化された強化樹脂(FRP)等の実質的に剛体とみなされる材料が用いられるが、ウレタン樹脂等のある程度の変形を許容する材料が用いられていてもよい。
弾性翼部32は、翼本体31の回転方向後縁に固着されている。弾性翼部32は、適度に撓むように、例えば、フイルム状の樹脂、板状のゴム等、金属等の弾性体を含む可撓性を有する弾性体により形成されている。後述するとおり、弾性翼部32の翼弦長、弾性率、厚さ等の仕様が設定されている。弾性翼部32の撓みは、風力および風車の寸法によって異なるので、弾性翼部32の各仕様は、垂直軸風車1を設置する場所の風況に応じて設定される。弾性翼部32は、風力の他、回転翼3に生ずる遠心力を受けて撓み変形する。
アーム4は、回転翼3と共に支軸2の周りを回転しながら、回転翼3が発生した揚力トルクを支軸2に伝達する。
軸受部6は、地面に対して垂直、つまり鉛直な起立姿勢で固定されている。この軸受部6によって、支軸2が地面に対して垂直かつ回転自在に支持される
図3に示すように、この弾性翼部32の上面(背面)に抑え部33が設けられている。翼本体31に対し、弾性翼部32は、翼本体31の回転方向後縁から後方に延びるように設けられている。この弾性翼部32の上面に、翼本体31のスパン方向に間欠的に複数の抑え部33が配置されている。この例の場合、抑え部33はスパン方向に等間隔に4つ設けられている。抑え部33により弾性翼部32の上面への変形が抑制される。抑え部33の翼スパン方向の幅A1は隣接する抑え部33,33間の間隔A2よりも小さく、A1/A2=0.1〜0.3程度が好ましい。この比が0.1未満であると、弾性翼部32の変形の抑制効果が不十分になり、0.3を超えると、抑制効果が過大になる。
図4(A)は、回転翼3の平面図を示している。同図に示すように、翼本体31の後端部に弾性翼部32と抑え部33が取り付けられている。図4(B)に示すように、弾性翼部32と抑え部33は翼本体31の後端部に形成されたスリットS1,S2に挿入されて、接着剤またはねじ体(図示せず)により翼本体31に固定されている。通常、弾性翼部32の厚さtn2よりも抑え部33の厚さtn3の方が大きい。
弾性翼部32のうち、翼本体31の後縁31bから突出された部分の長さを弾性翼部32の翼弦長cd4とすると、弾性翼部32の翼弦長cd4は、翼本体31の翼弦長cd3の50%〜100%であるのが望ましい。弾性翼部32の翼弦長cd4が翼本体31の翼弦長cd3の50%未満である場合、弾性翼部32の撓みが不足し、抗力が低下する。一方、弾性翼部32の翼弦長cd4が翼本体31の翼弦長cd3の100%を超える場合、弾性翼部32が過度に撓み、回転の大きな抵抗となる。ここで、翼本体31の翼弦長cd3と弾性翼部32の翼弦長cd4との和cd3+cd4が、回転翼3の翼弦長cd1となる。
さらに、この弾性翼部32は、厚さが一定の平板状というシンプルな形状であるので、その製造が容易で、垂直軸風車1の製造コストを低減しうる。このような弾性翼部32は、前縁から後縁にかけて厚さが漸減する弾性翼部32と比較すると、後縁の質量が大きいため、後縁に発生する遠心力が大きくなる。しかしながら、抑え部33が弾性翼部32の後端まで延びているので、遠心力による弾性翼部32の径方向外側への変形が抑制される。また、高速回転時に弾性翼部を径方向外側に反り返らせて回転の過度な上昇を抑制する場合、弾性翼部の全体が撓むことで、抑え部33の後端と接触する部分に局所的に大きな応力が発生するのを抑えて、弾性翼部の寿命を向上させる。
弾性翼部32が樹脂またはゴムからなる場合、その複素弾性率は、0.02〜0.07GPaである。樹脂またはゴムの複素弾性率が、0.02GPa未満である場合、弾性翼部32は過度に撓み、抗力が低下する。一方、樹脂またはゴムの複素弾性率が、0.07GPaを超える場合、弾性翼部32の撓みが不足し、抗力が低下する。さらには、樹脂またはゴムの厚さは、0.5〜3.0mmであることが望ましい。樹脂またはゴムの厚さが、0.5mm未満である場合、弾性翼部32は過度に撓み、抗力が低下する。一方、樹脂またはゴムの厚さが、3.0mmを超える場合、弾性翼部32の撓みが不足し、抗力が低下する。
抑え部33は硬質の樹脂または金属等からなる。抑え部33の曲げ剛性は弾性翼部32よりも高い。これにより、この抑え部33によって、頻繁な使用によっても弾性翼部32が変形しにくく、全体として回転翼3の耐久性が向上する。また、抑え部33が剛過ぎると、弾性翼部32の上面方向への反りが過度に抑制されて回転が上がり過ぎ、後述するようにトルクが低下する。
図5により、風車の高速回転時における弾性翼部32の形状変化について説明する。例えば、回転翼3が風速6m/Sの風を受けると、弾性翼部32には回転翼3の内側方向から遠心力が作用し、抑え部33が配置された部位を除いて回転翼3の外側寄りに抑え部33,33間で波板状の撓みが発生する。この場合、弾性翼部32の上面にはスパン方向に間欠的かつ等間隔に抑え部33が配置されているので、抑え部33がない場合に比べ、抑え部33,33間で撓みが細分化され、全体として適度な撓みとなる。また、大きなトルク値−0.1Nmとなる310rpmでも弾性翼部32が全体に外側に湾曲する現象は発生しなかった。
図6(A)は、翼本体31の前縁31aの側から風Wが吹く場合、すなわち、翼本体31の前縁31aが風上側に向く(翼本体31の後縁31bが風下側に位置する)場合における弾性翼部32の状態を示している。回転翼3の回転に伴い、弾性翼部32は、支軸4の径方向外側に遠心力CFを受ける。ところが、回転翼3の周囲を流れる空気によって、弾性翼部32は矯正され、略直線状をとる。このような弾性翼部32は、高速速域における空気抵抗の減少に寄与し、風車1の効率が高められる。図6(B)は翼本体31の後縁31b側から風Wが吹く場合を示す。この場合、低風速域にあっては、翼本体31の後縁31bが風上側に位置するので、抑え部33,33間の弾性翼部32が風力及び遠心力を受けて若干上面方向(径方向外側)に撓むことにより、抗力が増大するので、抗力型風車としての機能が高められる。
図7は、アーム4と平行に翼本体31の外側から支軸2に向かって風Wが吹く場合、すなわち、翼本体31の外側が風上側に位置する場合における弾性翼部32の状態を示している。この状態にあっては、弾性翼部32は、風Wを受けて内方に撓み、弾性翼部32の表面に生じた圧力差による力Fは、撓んだ弾性翼部32により翼前縁方向に傾く。すなわち、弾性翼部32の外側の圧力が、内側の圧力よりも高くなり、弾性翼部32は、翼前縁方向に力Fを受ける。この力Fの回転方向Rの成分は、推力Thとして作用し、回転翼3の回転を推進する。
つぎに本発明に係る風車について行った風洞試験について説明する。この風洞試験は、図8にブロック図として概略構成を示す試験装置で行った。図8に示すように、この試験装置は、ゲッチンゲン型の風洞20の中にサンプルである風車1を設置し、風洞20の風上側に送風ファン21を配置し、風下側に排風ファン23を配置した。前記送風ファン21は回転制御器25で回転速度を可変できるようになっている。試験が開始されると、送風ファン21からの風は整流板27を通過して平行な流れとなり、風車1を回転させる。このとき、送風ファン21からの風速は風速センサ29で検知され、その検知結果は風速計ユニット34を介してコントローラ35に入力される。風車1の回転トルクは支軸2に連結された回転トルクメータ37からインターフェース39を介してコントローラ35に入力される。また、風車1からの回転トルクで、支軸2に連結されたモータ41を回転させる。モータ41はモーターコントロールユニット42により制御されている。なお、回転翼の迎え角α=15°、風速6m/sの条件とした。
この風洞試験には、サンプルとして、本発明に係る風車(第1実施形態の回転翼)と、比較例として、第1実施形態の回転翼から抑え部を除いたもの)を用いた。なお、本発明のものおよび比較例のものにおいては、厚さ0.35mmの平板状のPET(Polyethylene terephthalate)樹脂からなる弾性翼部32が回転翼3の後縁31bに設けられている。
上記風洞試験で用いた本発明に係る風車1の回転翼は、基本的に図9(A)、(B)に示す構造のものである。図9(A)は風洞試験に用いた実際の回転翼の構成を示す平面図、(B)は同じく回転翼の弾性翼部および抑え部の平面図である。同図(A)に示すように、回転翼3の翼本体31の後縁部に弾性翼部32とこの上面に間欠的かつ等間隔で配置した抑え部33とを、翼スパン方向に連続的に延びた押さえ板38を介して止め具39で固定した。翼本体31の内側下部とアーム4とはボルト止め40されている。比較例として用いる回転翼は、図9(A)、(B)に示すものから、抑え部33を除いたものを用いた。
この試験の結果を図10に示す。同図に示すように、回転速度が20(rad/s)を超えると、一点鎖線で示す比較例のものでは急激にトルクが低下している。これに対し、実線で示す本発明のものでは、回転速度が25(rad/s)を超えてもトルクの低下が緩慢であり、一定の高いトルクを維持している。さらに、低風速域においても、比較例とほぼ同一の大きなトルクが得られた。また、トルクの立ち上がりも比較例と同程度に速やかであり、始動性もよい。このように、低周速域から高周速域の略全域にわたって、回転効率を向上させることが確認できた。このトルクが0になる回転数を、風車強度、騒音などの要因から適切に設定するよう、弾性翼部32の径方向外側への撓みを調整する。
図11は本発明に係る第2実施形態の風車の斜視図を示す 。この第2実施形態は、第1実施形態の回転翼以外に、固定翼を加え、翼翼効果を狙った構造である。同図に示す第2実施形態の風車1Aにおいて、第1実施形態と同一または相当する部分には同一の符号を付して、その詳しい説明は省略する。この第2実施形態では、第1実施形態の風車に加え、固定翼9を加えた構成としたものである。この固定翼9は、回転翼3の回転軌跡の外側に固定されており、固定翼9と軸受部6とがアーム7で連結されている。
固定翼9には、例えば、金属や樹脂等の材料が用いられている。固定翼9は、垂直軸風車1の架台又は地面等に直接固定されていてもよい。本実施形態においては、4枚の固定翼9がそれぞれ等間隔に設けられている。固定翼9は、水平面に沿った断面において、厚みが一定の平板によって構成されているが、翼型に形成されていてもよい。
この第2実施形態では、回転翼3と固定翼9との共振を防止するため、回転翼3と固定翼9は互いに異なる枚数であるのが好ましい。図11では、3枚の回転翼3と4枚の固定翼9とが適用されている。
ここで、前記翼翼干渉とは、回転翼3が固定翼9の近傍を通過した直後、回転翼3と固定翼9との相互作用により、回転翼3の循環C1が増幅され、回転翼3に発生する揚力Lが増加する現象である。翼翼干渉については、例えば、学術論文:蔦原道久,木村雄吉,「Weis−Foghメカニズムの2次元モデルにおける流れ」,流れの可視化,6−22,301−306(1986)等において、説明されている。
この第2実施形態によれば、固定翼9と回転翼3との間で生ずる翼翼干渉によって、回転翼3の発生する揚力が増加し、垂直軸風車1Aの揚力型風車としての機能、すなわち高風速域における効率が高められる。
以上のように構成される本発明の風車は、図4(A),B)に示すように、回転翼3が風を受けて弾性翼部32が上面方向(風向き方向)に反り返って変形しようとするとき、翼本体31のスパン方向に間欠的に配置された抑え部33によって弾性翼部33の過度な反り返りが抑制される。したがって、高風速域において空気抵抗が過度に増大することなく、回転翼3の回転効率の向上の妨げとならず、効率を向上させることができる。
また、図4(A)に示すように、弾性翼部32は、厚さが一定の平板であるので、弾性翼部32の構造がシンプルであることで製造が容易となり、風車1の製造コストを低減できる。
前記翼本体と前記弾性翼部は一つの翼型を形成しているので、空力特性に優れた回転翼3が得られる。したがって、風車の効率が向上する。
また、支軸2と直交する 断面において、弾性翼部32の翼弦長は、翼本体31の翼弦長の50%〜100%であるから、弾性翼部32を抗力が低下しない程度の適度な撓みにできる。
さらに、図3に示すように、抑え部33は、翼本体31の後縁から弾性翼部32の後縁まで延びているので、回転翼3が風を受けて弾性翼部32が図4の上面方向(風車の径方向外方)に膨らんで反り返って変形しようとするとき、弾性翼部32の全体が撓むことで、抑え部33の後端と接触する部分に局所的に大きな応力が発生するのを抑えて、弾性翼部32の寿命を向上させる。弾性翼部32の後縁が確実に抑えられてバタツキがなくなり、亀裂や破損を防止できて耐久性が向上する。
図12に第3実施形態を示す。この実施形態では、翼本体31と弾性翼部32とが弾性変形する樹脂により、翼型に一体形成されている。翼本体31の後部にはスパン方向に延びる前後2本のパイプのような支持部材51が取り付けられており、これら支持部材51に、角柱形状の取付け材53を介して、前後方向に延びる板材からなる抑え部33がスパン方向に間隔をあけて複数、連結されている。抑え部33の後端は弾性翼部32の後縁よりも若干前側に位置している。支持部材51および抑え部33は、回転翼3の内部に配置されており、外部に露出しない。抑え部33は、弾性翼部32が翼下面方向に柔軟に変形するのを許すが、翼上面方向への反り返り変形は、抑え部33が取付け材53に当たることにより抑制する。これにより、回転翼3は、図6および図7に示したのと同様な動作を行う。
図13に第4実施形態を示す。この実施形態では、樹脂により翼本体31と一体形成された翼型の弾性翼部32に、その骨格として、波形の樹脂またはアルミニウム合金のような弾性変形する素材により形成された弾性体55が装着されている。図14に示すように、弾性部材55の上部には、スパン方向に間隔をあけて複数の溝57が形成されており、この溝57に前後方向に延びる棒状の抑え部33が嵌め込まれている。抑え部33は図13の翼本体31に支持されている。抑え部33の後端は弾性翼部32の後縁よりも若干前側に位置している。抑え部33は、回転翼3の内部に配置されており、外部に露出しない。波形の弾性部材55が上下に変形することにより、弾性翼部32を変形させる。この構成によっても、抑え部33は、弾性翼部32が翼下面方向に柔軟に変形するのを許すが、翼上面方向への反り返り変形は、抑え部33が弾性部材55に当たることにより抑制する。
図15に第5実施形態を示す。この実施形態の回転翼3は、樹脂アルミニウム合金により形成された翼本体31および翼型の弾性翼部32を有し、全体が翼型形状になっている。翼本体31の後部に弾性翼部32が上下方向に回動可能に支持されている。弾性翼部32は、この例では2つの弾性翼片321,322により構成されているが、1つまたは3つ以上の弾性翼片で構成されてもよい。第1の弾性翼片321は、翼本体31に支持された第1の回動軸324に、図示しないコイルばねのようなばね体により、上面方向への復帰力が付加された状態で回動自在に取り付けられている。第2の弾性翼片322は、同様に、第1の弾性翼片321に支持された第2の回動軸326に、図示しないコイルばねのようなばね体により、上面方向への復帰力が付加された状態で回動自在に取り付けられている。
翼本体31の上部後端は、後方に突出した突部となっており、この突部が第1の弾性翼片321の上面方向への変形を抑制する抑え部33を形成している。第1弾性翼片321の上部後端にも同様に、第2の弾性翼片322の上面方向への変形を抑制する突部からなる抑え部33が形成されている。この構成によっても、抑え部33は、弾性翼片321,322が二点鎖線で示すように翼下面方向に大きく変形するのを許すが、翼上面方向への反り返り変形は、抑え部33が第1または第2の弾性翼片321,322の前部上面に当たることにより抑制する。
翼本体31と弾性翼部32は一つの翼型を形成しているので、空力特性に優れた回転翼3が得られる。したがって、風車1,1Aの効率が向上する。
前記回転翼3を用いた風車1や風車1Aは、第1および第2実施形態以外に、例えばダリウス型風車にも同様に適用でき、同様の作用効果が得られる。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1,1A…垂直軸風車
2…支軸
3…回転翼
4…アーム
9…固定翼
31…翼本体
32…弾性翼部
33…抑え部

Claims (6)

  1. 支軸と、前記支軸に沿って延び、風力を受けて前記支軸の周りを回転する回転翼を備え、
    前記回転翼は、翼本体と、可撓性を有し、前記翼本体の回転方向後縁から後方に延びる弾性翼部と、この弾性翼部の上面方向への反り返りを抑制する抑え部とを備えた風車。
  2. 前記抑え部は、翼本体のスパン方向に間欠的に配置されて前後方向に延びている請求項1に記載の風車。
  3. 前記支軸と直交する断面において、前記弾性翼部は、厚さが一定の平板である請求項1または2に記載の風車。
  4. 前記翼本体と前記弾性翼部は一つの翼型を形成している請求項1または2に記載の風車。
  5. 前記支軸と直交する 断面において、前記弾性翼部の翼弦長は、前記翼本体の翼弦長の50%〜100%である請求項1または2に記載の風車。
  6. 前記抑え部は、翼本体の後縁から弾性翼部の後縁まで延びている請求項1から3のいずれか一項に記載の風車。
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