JP2019017667A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】ルーパーが小型化されても動作不良の発生を抑制し、単環縫いを円滑に実施できるミシンを提供する。【解決手段】ミシンは、ミシン針を保持して所定面と直交する方向に往復移動する針棒と、ミシン針が通過可能な針穴を有し、縫製対象物を支持する針板と、所定面内の回転軸心を中心に回転して、縫製対象物及び針穴を通過したミシン針から糸をすくい取るルーパーと、所定面内においてミシン針と重複しない位置においてルーパーに連結され、回転軸心を中心に回転するルーパーシャフトを含み、アクチュエータで発生した動力をルーパーに伝達する動力伝達装置と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ミシンに関する。
縫い目形式の一つとして単環縫いが知られている。単環縫いを実施するミシンは、ミシン針の往復移動と同期して回転するルーパーを備える。単環縫いを実施するミシンの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているミシンは、下部アームアッセンブリーから上方に突出する縫製ヘッドを有する。ルーパーは、縫製ヘッドの内部に配置される。
特表2014−520602号公報
ミシンを使って立体縫製する場合、縫製対象物の狭隘な空間に縫製ヘッドを入り込ませる必要が生じる場合がある。縫製対象物の狭隘な空間に縫製ヘッドを円滑に入り込ませるために、縫製ヘッドの小型化が要求される。そのため、縫製ヘッドの内部に配置されるルーパーの小型化が要求される。すなわち、ルーパーの幅を小さくし、ルーパーの外径を小さくすることが要求される。
ミシン針は、上下方向に往復移動する。縫製対象物の上方に位置するミシン針は、縫製対象物を貫通するように下降した後、縫製対象物の下方に配置されているルーパーに接近する。ミシン針は、可動範囲の最下点に到達した後、上昇を開始する。ミシン針が最下点から僅かに上昇すると、糸と縫製対象物との摩擦によりミシン針に掛けられている糸が緩み、糸のループが形成される。ルーパーは、糸のループにルーパーのフック部を引っ掛けて、ミシン針から糸をすくい取る。糸のループの形成のために、ミシン針の最下点の位置は一義的に定められる。ルーパーがミシン針から糸をすくい取るために、糸をすくい取るときの上下方向におけるルーパーのフック部の位置は、ミシン針の最下点の位置に基づいて定められる。そのため、ルーパーの外径を変更する場合、上下方向におけるルーパーの回転の回転軸心の位置を調整する必要がある。縫製ヘッドの小型化のために、外径が小さいルーパーを採用する場合、ルーパーの回転軸心を上方へシフトさせる必要がある。ルーパーと一緒に回転軸心を中心に回転するルーパーシャフトがルーパーに連結される場合において、外径が小さいルーパーを採用する場合、ルーパーシャフトを上方にシフトさせる必要がある。ルーパーシャフトを上方にシフトさせた場合、最下点に移動するミシン針とルーパーシャフトとが接触してしまう可能性が高くなる。その結果、ミシンの動作不良がもたらされる可能性がある。
本発明の態様は、ルーパーが小型化されても動作不良の発生を抑制し、単環縫いを円滑に実施できるミシンを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、ミシン針を保持して所定面と直交する方向に往復移動する針棒と、前記ミシン針が通過可能な針穴を有し、縫製対象物を支持する針板と、前記所定面内の回転軸心を中心に回転して、前記縫製対象物及び前記針穴を通過した前記ミシン針から糸をすくい取るルーパーと、前記所定面内において前記ミシン針と重複しない位置において前記ルーパーに連結され、前記回転軸心を中心に回転するルーパーシャフトを含み、アクチュエータで発生した動力を前記ルーパーに伝達する動力伝達装置と、を備えるミシンが提供される。
本発明の態様によれば、ルーパーが小型化されても動作不良の発生を抑制し、単環縫いを円滑に実施できるミシンが提供される。
図1は、本実施形態に係るミシンの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、本実施形態に係るミシンの一例を模式的に示す正面図である。 図3は、本実施形態に係るルーパー及びミシン針の一例を示す側面図である。 図4は、本実施形態に係るルーパー及びミシン針の一例を示す上面図である。 図5は、本実施形態に係るルーパーの動作の一例を説明するための図である。 図6は、本実施形態に係るミシンのモーションダイアグラムの一例を示す図である。 図7は、本実施形態に係る糸調子器の一例を示す斜視図である。 図8は、本実施形態に係る糸調子器の一例を示す分解斜視図である。 図9は、本実施形態に係るミシンのモーションダイアグラムの一例を示す図である。 図10は、本実施形態に係る縫製方法の一例を示す模式図である。 図11は、本実施形態に係る縫製方法の一例を示す模式図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向とする。X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向とする。所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、X軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθX方向とする。Y軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθY方向とする。Z軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθZ方向とする。また、X軸及びY軸を含む平面を適宜、XY平面、と称する。X軸及びZ軸を含む平面を適宜、XZ平面、と称する。Y軸及びZ軸を含む平面を適宜、YZ平面、と称する。XY平面は、所定面と平行である。XY平面とXZ平面とYZ平面とは直交する。また、以下の説明においては、XY平面と水平面とが平行であることとする。Z軸方向は上下方向である。+Z方向は上方向であり−Z方向は下方向である。なお、XY平面が水平面に対して傾斜してもよい。
[ミシン]
図1は、本実施形態に係るミシン1の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るミシン1の一例を模式的に示す正面図である。本実施形態において、ミシン1は、単環縫いを実施する単環縫いミシンである。
図1及び図2に示すように、ミシン1は、ミシンフレーム2と、ミシン針3に糸4を供給する天秤5と、ミシン針3を保持してZ軸方向に往復移動する針棒6と、ミシン針3が通過可能な針穴7を有し、縫製対象物を支持する針板8と、X軸と平行な回転軸心AXを中心に回転して、縫製対象物及び針穴7を通過したミシン針3から糸4をすくい取るルーパー9と、天秤5と針棒6との間において糸4に張力を付与する糸調子器10と、を備える。
また、ミシン1は、天秤5と針棒6との間に渡った糸道上に配置され、糸4を案内する第1糸案内部材11と、天秤5と針棒6との間において第1糸案内部材11と対向するように配置され、糸4を案内する第2糸案内部材12と、を備える。
また、ミシン1は、糸供給源から糸4が供給される糸調子器13と、糸案内部材14を介して糸調子器13から糸4が供給される補助天秤15と、動力を発生するアクチュエータ16と、アクチュエータ16で発生した動力を針棒6及びルーパー9のそれぞれに伝達する動力伝達装置20と、を備える。
ミシンフレーム2は、天秤5が設けられる第1アーム2Aと、第1アーム2Aと対向するベッド2Bと、第1アーム2Aの+X側の一端部とベッド2Bとを繋ぐ第2アーム2Cと、第1アーム2Aの−X側の他端部に設けられ針棒6を支持するヘッド2Dと、を有する。
第1アーム2Aは、X軸方向に延在する。ベッド2Bは、第1アーム2Aよりも−Z方向に配置され、X軸方向に延在する。第2アーム2Cは、Z軸方向に延在し、第1アーム2Aの+X側の一端部とベッド2Bの+X側の一端部とを接続する。ヘッド2Dは、第1アーム2Aの−X側の他端部から−Z方向に突出する。
天秤5は、ミシン針3に糸4を供給する。天秤5は、Z軸方向に往復移動する。天秤5は、第1アーム2Aに支持される。天秤5は、糸4を保持した状態でZ軸方向に往復移動する。天秤5は、糸4が通過する孔5Hを有する。天秤5は、孔5Hの内面で糸4を保持する。天秤5は、Z軸方向に往復移動することによって、縫製対象物の縫製に使用される糸4を繰り出したり、糸4を引き上げたりする。
針棒6は、ミシン針3を保持する。針棒6は、ミシン針3とZ軸とが平行となるようにミシン針3を保持する。針棒6は、Z軸方向に往復移動する。針棒6は、ヘッド2Dに支持される。ミシン針3は、糸4が通過する糸通し孔3Hを有する。ミシン針3は、糸通し孔3Hの内面で糸4を保持する。針棒6がZ軸方向に往復移動することにより、ミシン針3は、糸4を保持した状態でZ軸方向に往復移動する。
針板8は、縫製対象物を支持する。針板8は、針棒6よりも−Z方向に配置される。針棒6に保持されているミシン針3と針板8とは対向する。針板8は、ミシン針3が通過可能な針穴7を有する。針板8に支持される縫製対象物を貫通したミシン針3は、針穴7を通過する。
本実施形態において、ミシン1は、ベッド2Bからヘッド2Dに向かって突出する縫製ヘッド17を備える。縫製ヘッド17は、ベッド2Bに支持される。縫製ヘッド17は、ベッド2Bの上面から+Z方向に突出する。本実施形態において、縫製ヘッド17の外形は、直方体状である。縫製ヘッド17は、針板8を含む。針板8は、縫製ヘッド17の+Z側の上端部に配置される。
ルーパー9は、針板8に支持されている縫製対象物を貫通し針板8の針穴7を通過したミシン針3から糸4をすくい取る。ルーパー9は、針板8よりも−Z方向に配置される。ルーパー9は、縫製ヘッド17の内部に配置される。ルーパー9は、縫製ヘッド17の内部において、θX方向に回転可能に縫製ヘッド17に支持される。
糸調子器10は、天秤5と針棒6との間において、ミシン針3に供給される糸4に張力を付与する。糸調子器10は、第1糸案内部材11と第2糸案内部材12との間において糸4に張力を付与する弾性部材を含む。糸調子器10は、ヘッド2Dに支持される。
第1糸案内部材11及び第2糸案内部材12のそれぞれは、天秤5とミシン針3との間において糸4を案内する。第1糸案内部材11及び第2糸案内部材12のそれぞれは、ヘッド2Dに支持される。ミシンフレーム2に対する第1糸案内部材11の相対位置は固定される。ミシンフレーム2に対する第2糸案内部材12の相対位置は固定される。第1糸案内部材11及び第2糸案内部材12のそれぞれは、天秤5と針棒6との間に配置される。第1糸案内部材11は、第2糸案内部材12よりも+Z方向に配置される。第1糸案内部材11と第2糸案内部材12とは対向する。
第1糸案内部材11は、糸4が通過する第1孔11Hを有する。第2糸案内部材12は、糸4が通過する第2孔12Hを有する。第1糸案内部材11は、第1孔11Hの内面で糸4を保持する。第2糸案内部材12は、第2孔12Hの内面で糸4を保持する。
糸調子器13は、天秤5に供給される糸4に張力を付与する。糸供給源から糸調子器13に糸4が供給される。糸調子器13は、糸供給源と天秤5との間において、糸4に張力を付与する。糸調子器13は、第1アーム2Aに支持される。
補助天秤15は、天秤5に糸4を供給する。補助天秤15は、Z軸方向に往復移動可能である。補助天秤15は、第1アーム2Aに支持される。補助天秤15は、糸供給源と天秤5との間に配置される。本実施形態において、補助天秤15は、糸調子器13と天秤5との間に配置される。補助天秤15は、糸4を保持した状態でZ軸方向に往復移動する。補助天秤15は、糸4が通過する孔15Hを有する。補助天秤15は、孔15Hの内面で糸4を保持する。補助天秤15は、糸4を保持した状態で天秤5と同期してZ軸方向に往復移動する。補助天秤15は、Z軸方向に往復移動することによって、天秤5に糸4を繰り出したり、糸4を引き上げたりする。補助天秤15により、糸4の張力が調整される。
アクチュエータ16は、針棒6をZ軸方向に往復移動させる動力を発生する。また、アクチュエータ16は、ルーパー9をθX方向に回転させる動力を発生する。アクチュエータ16は、パルスモータを含む。アクチュエータ16は、第1アーム2Aに支持される。
動力伝達装置20は、アクチュエータ16で発生した動力を針棒6及びルーパー9のそれぞれに伝達する。アクチュエータ16で発生した動力は、動力伝達装置20を介して針棒6に伝達される。これにより、針棒6及び針棒6に保持されているミシン針3は、Z軸方向に往復移動する。また、アクチュエータ16で発生した動力は、動力伝達装置20を介してルーパー9に伝達される。これにより、ルーパー9は、針棒6のZ軸方向の往復移動と同期してθX方向に回転する。ミシン1は、針棒6に保持されているミシン針3とルーパー9との協働により縫製対象物を縫製する。
[動力伝達装置]
図2に示すように、動力伝達装置20は、第1アーム2Aの内部に配置されるアームシャフト21と、第2アーム2Cの内部に配置される中間シャフト22と、ベッド2Bの内部に配置されるベッドシャフト23と、縫製ヘッド17の内部に配置されるルーパーシャフト24とを有する。
また、動力伝達装置20は、アームシャフト21に設けられるアームギア25と、中間シャフト22に設けられる中間ギア26と、ベッドシャフト23に設けられるベッドギア27と、ルーパーシャフト24に設けられるルーパーギア28と、アームシャフト21と針棒6との間に設けられる動力伝達機構29と、中間シャフト22に設けられるプーリ31と、ベッドシャフト23に設けられるプーリ32と、プーリ31及びプーリ32に架けられるタイミングベルト30とを有する。
アームシャフト21は、X軸方向に延在する。アームシャフト21は、θX方向に回転可能である。アームシャフト21は、第1アーム2Aに支持される。アクチュエータ16は、アームシャフト21の+X側の一端部に連結される。アクチュエータ16の作動により、アームシャフト21はθX方向に回転する。
アームシャフト21の−X側の他端部は、動力伝達機構29を介して針棒6に連結される。アクチュエータ16で発生した動力は、アームシャフト21及び動力伝達機構29を介して針棒6に伝達される。これにより、針棒6及び針棒6に保持されているミシン針3は、Z軸方向に往復移動する。
中間シャフト22は、アームシャフト21よりも−Z方向に配置される。中間シャフト22は、X軸方向に延在する。中間シャフト22は、アームシャフト21と平行に配置される。中間シャフト22は、θX方向に回転可能である。中間シャフト22は、第2アーム2Cに支持される。
ベッドシャフト23は、中間シャフト22よりも−Z方向に配置される。ベッドシャフト23は、X軸方向に延在する。ベッドシャフト23は、アームシャフト21及び中間シャフト22と平行に配置される。ベッドシャフト23は、θX方向に回転可能である。ベッドシャフト23は、ベッド2Bに支持される。
ルーパーシャフト24は、ベッドシャフト23よりも+Z方向に配置される。ルーパーシャフト24は、X軸方向に延在する。ルーパーシャフト24は、アームシャフト21、中間シャフト22、及びベッドシャフト23と平行に配置される。ルーパーシャフト24は、θX方向に回転可能である。ルーパーシャフト24は、縫製ヘッド17に支持される。
アームギア25は、第1アーム2Aの内部に配置される。アームギア25は、アームシャフト21の+X側の一端部に連結される。
中間ギア26は、第2アーム2Cの内部に配置される。中間ギア26は、中間シャフト22の+X側の一端部に連結される。アームギア25と中間ギア26とは噛み合う。アクチュエータ16の作動により、アームシャフト21が回転すると、中間シャフト22が回転する。
プーリ31は、第2アーム2Cの内部に配置される。プーリ31は、中間シャフト22の−X側の他端部に連結される。プーリ32は、ベッド2Bの内部に配置される。プーリ32は、ベッドシャフト23の+X側の一端部に連結される。タイミングベルト30は、第2アーム2Cの内部に配置される。タイミングベルト30は、プーリ31及びプーリ32に架けられる。タイミングベルト30は、Z軸方向に延在する。アクチュエータ16の作動により、アームシャフト21及び中間シャフト22が回転すると、ベッドシャフト23が回転する。
ベッドギア27は、ベッド2Bの内部に配置される。ベッドギア27は、ベッドシャフト23の−X側の他端部に連結される。
ルーパーギア28は、縫製ヘッド17の内部に配置される。ルーパーギア28は、ルーパーシャフト24の+X側の一端部に連結される。ベッドギア27とルーパーギア28とは噛み合う。アクチュエータ16の作動により、アームシャフト21、中間シャフト22、及びベッドシャフト23が回転すると、ルーパーシャフト24が回転する。
ルーパー9は、ルーパーシャフト24の−X側の他端部に連結される。ルーパーシャフト24が回転すると、ルーパー9がX軸と平行な回転軸心AXを中心に回転する。
[ルーパー及びミシン針]
図3は、本実施形態に係るルーパー9及びミシン針3の一例を示す側面図である。図4は、本実施形態に係るルーパー9及びミシン針3の一例を示す上面図である。
ルーパー9は、基部91と、突起部92と、フック部93とを有する。回転軸心AXと直交するYZ平面内において、基部91は回転軸心AXの一方側に配置され、突起部92及びフック部93は回転軸心AXの他方側に配置される。ルーパー9の幅は、実質的に均一である。ルーパー9の幅とは、回転軸心AXと平行な方向におけるルーパー9の寸法をいう。
ルーパーギア28は、ルーパーシャフト24の+X側の一端部に連結される。ルーパー9は、ルーパーシャフト24の−X側の他端部に連結される。ルーパー9、ルーパーシャフト24、及びルーパーギア28は、針板8の下方において、回転軸心AXを中心に回転する。回転軸心AXは、X軸と平行である。
ルーパーシャフト24は、XY定面内においてミシン針3と重複しない位置においてルーパー9に連結される。
ミシン針3は、回転軸心AXの放射方向において、ルーパーシャフト24とルーパー9の外側エッジ9Gとの間に配置される。すなわち、ミシン針3は、XY平面内において、ルーパーシャフト24の外面を通過し回転軸心AXと平行な第1仮想線L1と、ルーパー9の外側エッジ9Gを通過し回転軸心AXと平行な第2仮想線L2との間の領域LAに配置される。
これにより、ミシン針3が−Z方向に移動したときにおいて、ミシン針3とルーパーシャフト24との接触が抑制される。
また、ミシン針3は、回転軸心AXと平行なX軸方向において、ルーパー9とルーパーギア28との間に配置される。なお、図4においては、ルーパー9が模式的に記載され、ミシン針3がルーパー9の一部と重複するように記載されている。実際には、ルーパー9の表面は、異なる方向を向く複数の曲面又は平面を含み、複数の凹部を有する。そのため、ミシン針3が−Z方向に移動してルーパー9に接近しても、ミシン針3とルーパー9とは接触せず、ミシン針3は、X軸方向においてルーパー9とルーパーギア28との間に配置される。
[ルーパーの動作]
図5は、本実施形態に係るルーパー9の動作の一例を説明するための図である。なお、図5において、針板8の図示は省略する。
ミシン針3は、ミシン針3の先端部が縫製対象物18よりも+Z方向に存在する状態及び縫製対象物18よりも−Z方向に存在する状態の一方から他方に遷移するようにZ軸方向に往復移動する。
ミシン針3の往復移動の少なくとも一部において、ミシン針3は縫製対象物18を貫通する。以下の説明においては、Z軸方向におけるミシン針3の可動範囲において、ミシン針3の先端部が最も+Z方向に配置されるときのミシン針3の位置を適宜、最上点、と称し、ミシン針3の先端部が最も−Z方向に配置されるときのミシン針3の位置を適宜、最下点、と称する。
以下、図5を参照しながら、ミシン針3及びルーパー9により単一の糸4によって単環縫いが実施される手順について説明する。
図5(A)は、ミシン針3が最下点に配置されるときの糸4及びルーパー9の状態を示す。Z軸方向における針棒6の可動範囲において針棒6がルーパー9に近付くように移動して、ミシン針3が下降されるとき、天秤5は、糸4を繰り出す。縫製対象物18の下方に糸4のループLaが形成される。糸4のループLaは、縫製対象物18に接続される。ループLaは、縫製対象物18の下面から出ている糸4によって形成される。ルーパー9は、糸4のループLaの内側に配置される。ルーパー9は、糸4のループLaを支持する。糸4のループLaは、縫製対象物18及びルーパー9に支持される。糸4のループLaは、ルーパー9の基部91と突起部92との境界に掛けられる。ミシン針3は、縫製対象物18を貫通するように下降する。縫製対象物18を貫通したミシン針3は、縫製対象物18の下方においてルーパー9に支持されている糸4のループLaの内側を通過する。
図5(B)は、最下点に配置されているミシン針3が上方に移動開始した直後の糸4及びルーパー9の状態を示す。ミシン針3が最下点から僅かに上昇すると、糸4と縫製対象物18との摩擦によりミシン針3に掛けられている糸4が緩み、新たな糸4のループLbが形成される。糸4のループLbは、ミシン針3に接続される。ループLbは、ミシン針3から出ている糸4によって形成される。ルーパー9が回転することにより、糸4のループLbにルーパー9のフック部93が引っ掛けられる。ルーパー9は、ミシン針3から糸4をすくい取る。糸4のループLbにフック部93が引っ掛けられた状態でルーパー9が回転することによって、糸4のループLaの内側をフック部93及び糸4のループLbが通過する。
図5(C)は、ミシン針3が上昇して縫製対象物18から抜けた状態を示す。針棒6の可動範囲において針棒6がルーパー9から離れるように移動して、ミシン針3が上昇されることにより、ミシン針3が縫製対象物18から抜けて、ミシン針3の先端部が縫製対象物18よりも上方に配置される。ミシン針3が縫製対象物18から抜けた後、縫製対象物18が縫製方向に規定の移動量だけ移動される。ミシン針3及びルーパー9に対する縫製方向への縫製対象物18の移動量に基づいて、縫い目の長さが規定される。ルーパー9が回転すると、糸4のループLbは、フック部93から基部91に向かって移動する。また、糸4のループLaは、基部91と突起部92との境界から突起部92の先端部に向かって移動する。ミシン針3は、上昇を継続する。天秤5は、糸4の引き上げを開始する。
図5(D)は、最上点に配置されているミシン針3が下方に移動開始した直後の糸4及びルーパー9の状態を示す。図5(D)に示すように、ルーパー9が回転することにより、糸4のループLaが突起部92から外れる。天秤5は、糸4を引き上げる。天秤5が糸4を引き上げることにより、糸4のループLaが縫製対象物18の下面に移動して締められる。これにより、縫い目が形成される。糸4のループLbは、基部91と突起部92との境界に掛けられる。
図5(E)は、ミシン針3が下降して縫製対象物18に挿入される直前の状態を示す。ループLbがルーパー9の基部91と突起部92との境界に掛けられた状態で、ルーパー9が回転する。縫製対象物18の上方に配置されているミシン針3は、縫製対象物18を貫通するように下降する。天秤5は、糸4を繰り出す。図5(E)に示すループLbは、図5(B)に示したループLaに相当する。
以下、図5(A)から図5(E)までに示した手順が繰り返されることにより、縫い目が順次形成される。
[モーションダイアグラム]
図6は、本実施形態に係るミシン1のモーションダイアグラムの一例を示す図である。以下の説明においては、Z軸方向における天秤5の可動範囲において、最も+Z方向の天秤5の位置を適宜、上死点、と称し、最も−Z方向の天秤5の位置を適宜、下死点、と称する。
図6において、横軸は、天秤5の上死点を基準としたときのミシン1の各部の動作を示す角度[°]である。縦軸は、糸量[mm]である。図6に示すモーションダイアグラムは、天秤糸供給量を示す天秤糸供給曲線、ルーパー糸取り量を示すルーパー糸取り曲線、及び天秤糸供給量とルーパー糸取り量との差のそれぞれを示す。
天秤糸供給量とは、天秤5がミシン針3に供給する糸4の量をいう。天秤5が上死点に位置する場合、天秤糸供給量は少ない。天秤5が下死点に位置する場合、天秤糸供給量は多い。
ルーパー糸取り量とは、ルーパー9がミシン針3からすくい取る糸4の量をいう。例えば、図5(A)に示した状態においては、ルーパー糸取り量はほぼ無い。図5(B)に示した状態においては、ルーパー糸取り量は少ない。図5(C)に示した状態においては、ルーパー糸取り量は多い。
図6において、角度αは、図5(A)を参照して説明したような、ミシン針3が最下点に移動するときの角度を示す。図5(A)を参照して説明したように、縫製対象物18を貫通したミシン針3は、縫製対象物18の下方において縫製対象物18及びルーパー9に支持されている糸4のループLaの内側に進入するように下降する。
ミシン針3が糸4のループLaの内側に進入するときの角度αにおいて、天秤糸供給量とルーパー糸取り量とに差が生じる。角度αにおいて、天秤糸供給量は、ルーパー糸取り量よりも多い。天秤糸供給量がルーパー糸取り量よりも多いことは、縫製対象物18において糸4に余裕があり、糸4のループLaが弛む可能性が高いことを示す。
糸4のループLaが弛んでしまうと、糸4が捩れる可能性がある。糸4が捩れてしまうと、糸4のループLaの内側の開口面積が小さくなってしまう可能性がある。ミシン針3が糸4のループLaの内側に進入する直前において、糸4のループLaが弛み、糸4のループLaの内側の開口面積が小さくなると、ミシン針3が糸4のループLaの内側を通過することが困難となる可能性が高い。ミシン針3が糸4のループLaの内側を通過することができない場合、縫製対象物18は縫製されない。
本実施形態においては、針棒6がルーパー9に近付くように移動してミシン針3が下降するときに、糸調子器10により、天秤5からミシン針3に供給される糸4に張力が付与される。天秤5とミシン針3との間において糸調子器10が糸4に張力を付与することにより、ルーパー9において糸4は張られた状態となる。すなわち、糸4に張力が付与されることにより、ルーパー9は、糸4のループLaを張った状態で支持することができる。ルーパー9において糸4が張られることにより、縫製対象物18及びルーパー9に支持される糸4のループLaの形状が維持される。糸4のループLaの形状が維持され、糸4のループLaの内側の開口面積が小さくなってしまうことが抑制されることにより、ミシン針3は、糸4のループLaの内側に円滑に進入することができる。
[糸調子器]
図7は、本実施形態に係る糸調子器10の一例を示す斜視図である。図8は、本実施形態に係る糸調子器10の一例を示す分解斜視図である。糸調子器10は、天秤5と針棒6との間において糸4に張力を付与する。本実施形態において、糸調子器10は、第1糸案内部材11と第2糸案内部材12との間において糸4に張力を付与する。糸調子器10は、Z軸方向における針棒6の可動範囲において針棒6がルーパー9に近付くように移動してミシン針3が糸4のループLaに進入するときに、縫製対象物18及びルーパー9に支持される糸4のループLaの形状を維持するように糸4に張力を付与する。
図7及び図8に示すように、糸調子器10は、第1糸案内部材11と第2糸案内部材12との間において糸4に張力を付与する弾性部材40と、弾性部材40を支持するスペーサ部材50と、弾性部材40の少なくとも一部及びスペーサ部材50を挟むように配置される第1プレート部材51及び第2プレート部材52と、スペーサ部材50と第1プレート部材51と第2プレート部材52とを固定する固定部材53とを有する。
本実施形態において、弾性部材40は、ねじりばねを含む。弾性部材40は、コイル部41と、コイル部41から突出するストレート部42と、ストレート部42の先端部に設けられ糸4が通過するリング部43と、を有する。
弾性部材40は、1本のワイヤを加工することによって製造される。コイル部41は、ワイヤを巻いた部分である。ストレート部42は、ワイヤを直線状に成形した部分である。リング部43は、ワイヤを円環状に成形した部分である。
スペーサ部材50は、円筒状の部材である。スペーサ部材50は、コイル部41の内側に配置され、コイル部41を支持する。
第1プレート部材51及び第2プレート部材52のそれぞれは、円板状の部材である。第1プレート部材51及び第2プレート部材52は、コイル部41及びスペーサ部材50を挟む。
固定部材53は、ボルト53A及びナット53Bを含む。スペーサ部材50は、ボルト53Aの軸部が配置される孔50Hを有する。第1プレート部材51は、ボルト53Aの軸部が配置される孔51Hを有する。第2プレート部材52は、ボルト53Aの軸部が配置される孔52Hを有する。本実施形態において、ボルト53Aの頭部は、第1プレート部材51の表面と対向するように配置される。ナット53Bは、第2プレート部材52の表面と対向するように配置される。
第1プレート部材51は、コイル部41の一端部41Tが挿入される支持孔54を有する。
コイル部41の一端部41Tが支持孔54に挿入され、ボルト53Aの軸部が第1プレート部材51の孔51H、スペーサ部材50の孔50H、及び第2プレート部材52の孔52Hに挿入された状態で、ボルト53Aの軸部の外面に設けられているねじ山とナット53Bの内面に設けられているねじ溝とが結合されることによって、弾性部材40のコイル部41とスペーサ部材50と第1プレート部材51と第2プレート部材52とが固定される。
固定部材53によりスペーサ部材50と第1プレート部材51と第2プレート部材52とが固定されている状態で、コイル部41と第1プレート部材51及び第2プレート部材52とは、接触してもよいし接触しなくてもよい。コイル部41の一端部41Tが支持孔54に挿入されることにより、コイル部41とコイル部41の内側に配置されるスペーサ部材50との相対回転が抑制される。本実施形態において、一端部41T及び支持孔54は、弾性部材40とスペーサ部材50との相対回転を抑制する回転止め機構として機能する。
糸調子器10は、少なくとも針棒6がルーパー9に近付くときに、換言すれば、少なくともミシン針3が糸4のループLaに進入するときに、糸4に張力を付与する。本実施形態において、糸調子器10は、弾性部材40を含み、糸4に張力を常に付与する。
図7に示すように、弾性部材40のリング部43は、第1糸案内部材11の第1孔11Hと第2糸案内部材12の第2孔12Hとを結ぶ仮想線LSから外れた位置に配置される。コイル部41は、リング部43よりも仮想線LSから離れた位置に配置される。これにより、糸調子器10は、糸4に張力を常に付与し続けることができる。
本実施形態において、弾性部材40は、天秤糸供給量に基づいて、仮想線LSからの糸4の引張量Dが変化するように弾性変形する。弾性部材40は、天秤糸供給量が多いときに引張量Dが大きくなるように弾性変形する。弾性部材40は、天秤糸供給量が少ないときに引張量Dが小さくなるように弾性変形する。天秤糸供給量に基づいて引張量Dが変化することにより、縫製対象物18において糸4に余裕が生じることが抑制される。これにより、ルーパー9において糸4は張られた状態となる。そのため、糸4のループLaの形状が維持され、糸4のループLaの内側の開口面積が小さくなってしまうことが抑制される。
[補助天秤]
図9は、本実施形態に係るミシン1のモーションダイアグラムの一例を示す図である。図9において、横軸は、天秤5及び補助天秤15の動作を示す角度[°]である。縦軸は、糸量[mm]である。図9に示すモーションダイアグラムは、天秤糸供給量を示す天秤糸供給曲線、補助天秤糸供給量を示す補助天秤糸供給曲線、及び天秤糸供給量と補助天秤糸供給量との差のそれぞれを示す。
天秤糸供給量とは、天秤5がミシン針3に供給する糸4の量をいう。天秤5が上死点に位置する場合、天秤糸供給量は少ない。天秤5が下死点に位置する場合、天秤糸供給量は多い。
補助天秤糸供給量とは、補助天秤15が天秤5に供給する糸4の量をいう。補助天秤15が上死点に位置する場合、補助天秤糸供給量は多い。補助天秤15が下死点に位置する場合、補助天秤糸供給量は少ない。
図9に示すように、天秤糸供給曲線及び補助天秤糸供給曲線のそれぞれは、正弦波状である。天秤糸供給曲線の位相と補助天秤糸供給曲線の位相とは、実質的に逆である。すなわち、本実施形態において、天秤糸供給量が多いときに補助天秤糸供給量が少なくなり、天秤糸供給量が少ないときに補助天秤糸供給量が多くなる。補助天秤15が設けられることにより、糸4に付与される張力が調整される。補助天秤15によって糸4に付与される張力が調整されることにより、糸調子器10の弾性部材40の弾性変形量が抑制される。
[縫製方法]
図10は、本実施形態に係る縫製方法の一例を示す模式図である。本実施形態において、ミシン1は、ベッド2Bの上面から上方に突出する縫製ヘッド17を有する。そのため、縫製対象物18が側板部18Aと側板部18Aの上端部と接続される上板部18Bとを有する場合において、ミシン1は、縫製ヘッド17で縫製対象物18を支持して縫製することができる。縫製ヘッド17は、側板部18Aと上板部18Bとで規定される縫製対象物18の狭隘な空間に入り込むことができる。縫製対象物18は、側板部18Aと縫製ヘッド17の側面とが対向し、上板部18Bと針板8とが対向するように、縫製ヘッド17に支持される。
本実施形態において、ルーパー9の幅及び外径は小さい。また、図3及び図4を参照して説明したように、ルーパー9の幅は、実質的に均一である。ルーパー9の幅及び外径を小さくすることによって、縫製ヘッド17の小型化が図られる。縫製ヘッド17が小型化されることにより、縫製ヘッド17は、縫製対象物18の狭隘な空間に入り込んで、縫製対象物18を支持することができる。ミシン1は、縫製ヘッド17に支持された縫製対象物18を立体縫製することができる。
図11は、本実施形態に係る縫製方法の一例を示す図である。図11に示すように、ミシン1は、ロボットアーム100の先端部に連結可能である。ロボットアーム100の先端部は、ミシンフレーム2に連結される。ロボットアーム100は、ミシン1を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。ロボットアーム100は、縫製対象物18の形状に基づいてミシン1を移動させることができる。ロボットアーム100に支持されているミシン1は、ロボットアーム100の作動により移動しながら、縫製対象物18を立体縫製することができる。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、単環縫いを実施するミシン1において、XY平面内においてミシン針3とルーパーシャフト24とは重複しないように配置される。これにより、ミシン針3が−Z方向に移動したときにおいて、ミシン針3とルーパーシャフト24との接触が抑制される。したがって、ミシン1の動作不良の発生が抑制される。
図5を参照して説明したように、ミシン針3が最下点から僅かに上昇すると、糸4と縫製対象物18との摩擦によりミシン針3に掛けられている糸4が緩み、糸4のループLbが形成される。ルーパー9は、糸4のループLbにルーパー9のフック部93を引っ掛けて、ミシン針3から糸4をすくい取る。糸4のループLbの形成のために、ミシン針3の最下点の位置は一義的に定められる。ルーパー9がミシン針3から糸4をすくい取るために、図5(B)を参照して説明したような、糸4をすくい取るときのZ軸方向におけるルーパー9のフック部93の位置は、ミシン針3の最下点の位置に基づいて定められる。そのため、ルーパー9の外径を変更する場合、Z軸方向におけるルーパー9の回転軸心AXの位置を調整する必要がある。縫製ヘッド17の小型化のために、外径が小さいルーパー9を採用する場合、ルーパーシャフト24を+Z方向にシフトさせる必要がある。ルーパーシャフト25を+Z方向にシフトさせた場合、最下点に移動するミシン針3とルーパーシャフト25とが接触してしまう可能性が高くなる。その結果、ミシン1の動作不良がもたらされる可能性がある。
本実施形態によれば、XY平面内においてミシン針3とルーパーシャフト24とは重複しないように配置される。これにより、ミシン針3が−Z方向に移動したときにおいて、ミシン針3とルーパーシャフト24との接触が抑制される。したがって、ミシン1の動作不良の発生が抑制される。
また、本実施形態によれば、ミシン針3は、回転軸心AXの放射方向において、ルーパーシャフト24とルーパー9の外側エッジ9Gとの間に配置される。外側エッジ9Gは、フック部93を含む。これにより、回転するルーパー9は、フック部93を使って、ミシン針3から糸4をすくい取ることができる。
また、本実施形態によれば、ルーパーシャフト24の+X側の一端部にルーパーギア28が連結され、ルーパーシャフト24の−X側の他端部にルーパー9が連結される。ミシン針3は、回転軸心AXと平行なX軸方向において、ルーパー9とルーパーギア28との間に配置される。これにより、X軸方向における縫製ヘッド17の寸法を小さくすることができる。また、X軸方向におけるミシンフレーム2の寸法を小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、ベッド2Bから上方に突出する縫製ヘッド17が設けられる。これにより、図10を参照して説明したように、ミシン1は、縫製対象物18の狭隘な空間に縫製ヘッド17を入り込ませて、縫製対象物18を円滑に立体縫製することができる。また、ルーパー9及びルーパーシャフト24が縫製ヘッド17の内部に配置されることにより、立体縫製において、ルーパー9は、縫製対象物18及び針穴7を通過したミシン針3から糸4を円滑にすくい取ることができる。
なお、上述の実施形態において、糸調子器10は、糸4を引っ張ることによって、糸4に張力を付与することとした。糸調子器10は、糸4を押すことによって、糸4に張力を付与してもよい。
1…ミシン、2…ミシンフレーム、2A…第1アーム、2B…ベッド、2C…第2アーム、2D…ヘッド、3…ミシン針、3H…糸通し孔、4…糸、5…天秤、5H…孔、6…針棒、7…針穴、8…針板、9…ルーパー、9G…外側エッジ、10…糸調子器、11…第1糸案内部材、11H…第1孔、12…第2糸案内部材、12H…第2孔、13…糸調子器、14…糸案内部材、15…補助天秤、15H…孔、16…アクチュエータ、17…縫製ヘッド、18…縫製対象物、18A…側板部、18B…上板部、20…動力伝達装置、21…アームシャフト、22…中間シャフト、23…ベッドシャフト、24…ルーパーシャフト、25…アームギア、26…中間ギア、27…ベッドギア、28…ルーパーギア、29…動力伝達機構、30…タイミングベルト、31…プーリ、32…プーリ、40…弾性部材、41…コイル部、42…ストレート部、43…リング部、50…スペーサ部材、50H…孔、51…第1プレート部材、51H…孔、52…第2プレート部材、52H…孔、53…固定部材、53A…ボルト、53B…ナット、54…支持孔、91…基部、92…突起部、93…フック部、100…ロボットアーム、AX…回転軸心、L1…第1仮想線、L2…第2仮想線、LA…領域、LS…仮想線。

Claims (4)

  1. ミシン針を保持して所定面と直交する方向に往復移動する針棒と、
    前記ミシン針が通過可能な針穴を有し、縫製対象物を支持する針板と、
    前記所定面内の回転軸心を中心に回転して、前記縫製対象物及び前記針穴を通過した前記ミシン針から糸をすくい取るルーパーと、
    前記所定面内において前記ミシン針と重複しない位置において前記ルーパーに連結され、前記回転軸心を中心に回転するルーパーシャフトを含み、アクチュエータで発生した動力を前記ルーパーに伝達する動力伝達装置と、
    を備えるミシン。
  2. 前記ミシン針は、前記回転軸心の放射方向において、前記ルーパーシャフトと前記ルーパーの外側エッジとの間に配置される、
    請求項1に記載のミシン。
  3. 前記動力伝達装置は、前記ルーパーシャフトの一端部に連結されるルーパーギアを含み、
    前記ルーパーは、前記ルーパーシャフトの他端部に連結され、
    前記ミシン針は、前記回転軸心と平行な方向において、前記ルーパーと前記ルーパーギアとの間に配置される、
    請求項1又は請求項2に記載のミシン。
  4. 前記ミシン針に糸を供給する天秤が設けられる第1アームと、前記第1アームと対向するベッドと、前記第1アームの一端部と前記ベッドとを繋ぐ第2アームと、前記第1アームの他端部に設けられ前記針棒を支持するヘッドと、を有するミシンフレームと、
    前記ベッドから前記ヘッドに向かって突出する縫製ヘッドと、を備え、
    前記縫製ヘッドは、前記針板を含み、
    前記ルーパー及び前記ルーパーシャフトは、前記縫製ヘッドの内部に配置される、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のミシン。
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