JP2019016163A - 磁性体シミュレーション装置、磁性体シミュレーションプログラム、及び磁性体シミュレーション方法 - Google Patents

磁性体シミュレーション装置、磁性体シミュレーションプログラム、及び磁性体シミュレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性材料の性能の評価、解析を高精度に行う磁性体シミュレーション装置、プログラム、及び方法を提供する。
【解決手段】接線ベクトル算出部は、メッシュ毎に、鞍点の前後の各磁化ベクトルの互いの差分ベクトルを算出し、これを鞍点の磁化ベクトルに対し垂直な面へと射影し接線ベクトルを算出する。勾配ベクトル算出部は、メッシュ毎に、鞍点の磁性体のエネルギーを鞍点の磁化ベクトルで微分して得られるベクトルに対し、鞍点の磁化ベクトルに垂直な面への射影を行い、勾配ベクトルを算出する。速度ベクトル算出部は、メッシュ毎に、接線ベクトルと勾配ベクトルから鞍点の速度ベクトルを算出する。磁化ベクトル変動量算出部は、メッシュ毎に磁化ベクトルと速度ベクトルから鞍点の磁化ベクトルの所定時間における変動量と、所定時間の後の鞍点の磁化ベクトルと、全てのメッシュにおける変動量の最大値とを算出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、磁性体シミュレーション装置、磁性体シミュレーションプログラム、及び磁性体シミュレーション方法に関する。
に関する。
従来から、電気自動車のモータやコンピュータのメモリ等に対し磁性材料が用いられている。この磁性材料は高温下において性能が低下してしまう場合があることが知られている。例えば、高温下における熱揺らぎによりメモリに記録された情報の損失が起こることがある。そのため温度変化に対する磁性材料の性能を評価、解析することは、磁性材料が用いられる機器の構造の最適化のための課題となる。
従来、この磁性材料の性能の評価、解析にストリング法やNEB法(Nudged Elastic Band法)等が用いられてきたが、精度の向上のために計算量を多くしなければならないという問題があった。計算量を抑えるために、これらの手法にクライミングイメージ法が組み合わされ、磁性材料の性能の評価、解析が行われてきた。
国際公開第2014/033888号
しかし、これまで磁性材料の評価、解析において用いられてきたクライミングイメージ法においては、磁性材料の物理的な性質が考慮されておらず、このため磁性材料の性能の評価、解析を高い精度で行うことができない場合があった。本発明の一つの側面に係る目的は、磁性材料の性能の評価、解析を高精度に行うことである。
一つの態様に係る磁性体シミュレーション装置は、磁性体の各微小領域に対応するメッシュに入力された、磁性体の磁化状態の遷移経路における鞍点と鞍点の前後の各磁化ベクトルの情報に基づき、磁性体の遷移経路における最大エネルギーを算出する。当該磁性体シミュレーション装置は、接線ベクトル算出部と勾配ベクトル算出部と速度ベクトル算出部と磁化ベクトル変動量算出部と出力部とを備える。接線ベクトル算出部は、メッシュ毎に、鞍点の前の磁化ベクトルと、鞍点の後の磁化ベクトルとの差分ベクトルを算出し、差分ベクトルを鞍点の磁化ベクトルに対して垂直な面へと射影して得られる成分を接線ベクトルとして算出する。勾配ベクトル算出部は、メッシュ毎に、鞍点における磁性体のエネルギーを鞍点の磁化ベクトルで微分して得られるベクトルに対し鞍点の磁化ベクトルに垂直な面への射影を行うことにより得られる成分を勾配ベクトルとして算出する。速度ベクトル算出部は、メッシュ毎に、接線ベクトルと勾配ベクトルに基づいて、鞍点の速度ベクトルを算出する。磁化ベクトル変動量算出部は、メッシュ毎に鞍点の磁化ベクトルと鞍点の速度ベクトルとに基づいて、鞍点の磁化ベクトルの所定時間における変動量と、所定時間の後の鞍点の磁化ベクトルと、全てのメッシュにおける変動量の最大値とを算出する。最大値が閾値以上の場合に、接線ベクトル算出部、勾配ベクトル算出部、速度ベクトル算出部、及び磁化ベクトル変動量算出部は、所定時間の後の鞍点の磁化ベクトルを鞍点の磁化ベクトルに置き直す。磁化ベクトル変動量算出部は、置き直した鞍点の磁化ベクトルの所定時間における変動量と、変動量の全てのメッシュにおける最大値と、所定時間の後の置き直した鞍点の磁化ベクトルとを算出する。最大値が閾値より小さい場合に、出力部は、鞍点における、磁性体のエネルギーとメッシュ毎の磁化ベクトルの情報を出力する。
磁性材料の性能の評価、解析を高精度に行うことができる。
マイクロマグネティックシミュレーションの概略を示す図である。 磁化状態の推移による磁気エネルギーの変化の一例を示す図である。 最小エネルギー経路におけるイメージの遷移の一例を示す図である。 最小エネルギー経路、及び暫定的に求められている各イメージの一例を示す図である。 本実施形態に係るクライミングイメージ法において実行される処理の概略を示す図である。 本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置の機能ブロック図である。 本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置による処理のフローを示す図である。 各メッシュ要素にデータを割り当てられた磁性体の概略を示す図である。 磁性体シミュレーション装置により出力されるデータの構造の一例を示す図である。 磁性体シミュレーション装置により出力されるデータの具体例を示す図である。 磁性体シミュレーション装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 磁性体シミュレーション装置の効果の確認に用いられた磁性体の一例を示す図である。 磁性体のデピニングによる磁化反転の遷移過程の始状態と終状態の一例を示す模式図である。 従来の磁性体シミュレーションと本実施形態に係る磁性体シミュレーションの各出力結果の精度の比較例を示す図である。 本実施形態の係る磁性体シミュレーション装置により表示される画像の一例を示す図である。
磁性材料の性能の評価と解析のための手法の一例として、マイクロマグネティクスシミュレーションが用いられている。図1は、マイクロマグネティックシミュレーションの概略を示す図である。マイクロマグネティックシミュレーションは、磁性体1を微小領域(メッシュ要素、メッシュとも記載する)2に分割されたものと見なし、メッシュ要素2毎にマイクロ磁化(磁化ベクトル)3を配置し、各マイクロ磁化3の振舞を計算する手法である。図1からわかるように、磁性体1の複数の微小なメッシュ要素2には、矢印付きの線分で表されたマイクロ磁化3が配置されている。これらの各マイクロ磁化3の方向や向きは、温度変化の影響により変化することがある。そしてこれにより、磁性体1の磁気エネルギーが変化することがある。
ここで、磁性体1の磁気エネルギーEtotal[J]は以下の式で表される.
ここで、Eani[J]、Eexc[J]、Eappl[J]、Estatic[J]は、それぞれ異方性エネルギー、交換エネルギー、ゼーマンエネルギー、静磁界エネルギーを表す。
図2は、磁化状態の推移による磁気エネルギーの変化の一例を示す図である。磁性体1には、メッシュ要素2毎の磁化ベクトル3の方向や向きに応じた状態(磁化状態とも記載する)が存在する。
磁性体1の磁化状態は熱揺らぎ等によって変化し得る。すなわち熱揺らぎ等によって、磁性体1は或る磁化状態から別の磁化状態へと遷移することがある。図2のグラフにおける横軸「Progress of transition」は、磁化状態の遷移の進行度合いを表す。磁化状態の遷移に伴い磁性体1の磁気エネルギーEtotalは変化し得る。図2のグラフにおける縦軸「Magnetic energy」は磁気エネルギーEtotalに対応し、曲線αは或る磁性体1の磁化状態の変化に伴う磁気エネルギーEtotalの変化を表す。
図2には2つの磁化状態Aと磁化状態Bが示されているが、これらは理解容易の為に磁化状態を簡略化して示したものであり、磁化状態はこれらには限定されない。図2では磁化状態Aにおける磁化ベクトル3は全て下向きであり、磁化状態Bにおける磁化ベクトル3は全て上向きである。
図2のグラフ上において、磁気エネルギーは磁化状態A、Bで極小値(minimum:min)となる。そのため、熱揺らぎ等が存在しなければ、磁化状態A、Bは、図2における他の磁化状態よりも安定な磁化状態となり得る。
或る安定な磁化状態から別の安定な磁化状態への遷移の為には、磁気エネルギーが要されることがある。例えば図2では、磁化状態Aから磁化状態Bへの変化に際し、磁性体1はΔEの磁気エネルギーを得なければ磁化状態Bに遷移できない。このように或る磁化状態から別の磁化状態への遷移のために、これら2つの磁化状態の間には、磁性体1が得なければならない分のエネルギーが障壁として存在する場合がある。
2つの安定な磁化状態を隔てる障壁となるエネルギーであって、磁性体1がそのエネルギーを得ることで或る安定な磁化状態から別の安定な磁化状態へ遷移できるようになるエネルギーを、最大エネルギー障壁と記載する。図2における磁化状態Aから磁化状態Bへの遷移において、最大エネルギー障壁はΔEとなる。
磁化状態の遷移は、一般的に熱揺らぎ等の要因によって引き起こされることがある。或る磁化状態で安定していた磁性体1は、熱により磁気エネルギーを増加させ、別の磁化状態へ遷移してしまうことがある。例えば、磁化状態Aにあった磁性体1が、熱により磁気エネルギーをΔE以上増加させる。これに伴い、磁性体1の磁化状態は最大エネルギー障壁を飛び越えて変化し得る。そして磁性体1は、最初の安定していた磁化状態Aから他の安定な磁化状態Bへと遷移していくことがある。
ここで、遷移の開始に係る磁化状態(始状態とも記載する)から遷移の終了に係る磁化状態(終状態とも記載する)にかけて、磁性体1における各メッシュ要素2の磁化状態の変化の進行の仕方には1以上のパターン(経路、遷移経路とも称する)が存在する。図2の曲線αは、この遷移経路の1つに対応する。遷移経路についてより具体的に説明する。図2において、磁化状態Aから磁化状態Bへ遷移する際に、各メッシュ2の磁化ベクトル3が磁化状態Aから1つずつ逐次的に反転して磁化状態Bになる遷移経路もあれば、2つずつ逐次的に反転して磁化状態Bになる遷移経路もある。このように磁化ベクトル3の変化の仕方により様々なエネルギー経路が存在する。遷移経路が異なれば、磁化状態Aと磁化状態Bを隔てる最大エネルギー障壁ΔEの値も異なり得る。この1以上の遷移経路のうち、始状態から終状態を隔てる最大エネルギー障壁が最小になるものを最小エネルギー経路と記載する。
最小エネルギー経路を導出することにより、熱揺らぎがない状態において安定と見なされる磁化状態が、熱揺らぎが生じ磁気エネルギーの増加がある場合においてどれだけ安定かを推測できる。このため、以下に示す本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、最小エネルギー経路を導出するものであるとする。
以下では、最小エネルギー経路における遷移の始状態から終状態にかけての各段階における磁化状態に順序を付与する。順序を付与された各磁化状態をイメージ(Image)とも記載する。
図3は、最小エネルギー経路におけるイメージの遷移の一例を示す図である。図中のImage1は始状態に対応し、Image4は終状態に対応し、Image2とImage3は遷移が進行する途中における各磁化状態に対応する。遷移は、Image1、Image2、Image3、Image4の順に進行する。Image1において各メッシュ要素2における磁化ベクトル3は全て下向きであり、Image2、Image3にかけて上向きの磁化ベクトル3が配置されたメッシュ要素2の数が増え、Image4では全ての磁化ベクトル3は上向きとなっている。
本実施形態の一例においては、ストリング法やNEB法等を行い、暫定的に最小エネルギー経路を予め導出する。そしてストリング法やNEB法等を用いて導出された最小エネルギー経路を元に、クライミングイメージ法を用いて当該最小エネルギー経路における最大磁気エネルギー(最大エネルギーとも記載する)を導出する。最大エネルギーが求まれば、当該最大エネルギーから始状態の磁気エネルギーを差し引くことにより最大エネルギー障壁が求まる。なおここで、ストリング法とNEB法は共に、化学反応等における原系と生成系を入力し、原系と生成系との間の反応経路を探索し、遷移状態と各遷移状態のエネルギーとを求める方法である。ここで、本実施形態の一例では、ストリング法やNEB法等(以下、ストリング法等とも記載する)により得られる最小エネルギー経路上のイメージ数は、クライミングイメージ法を用いない場合のストリング法等により求められるイメージ数より少なくてもよい。本実施形態の一例におけるストリング法等で得られるイメージ数は、最小エネルギー経路における各イメージでの磁気エネルギーの大小関係がわかる程度であればよい。本実施形態の一例においてストリング法等によって得られるイメージ数は、クライミングイメージ法を用いない場合のストリング法等によって得られるイメージの、例えば1/k(k:自然数)であってもよい。
図4は、最小エネルギー経路、及び暫定的に求められている各イメージの一例を示す図である。図4において、曲線βは最小エネルギー経路を表し、Image1からImage6までの各イメージはストリング法等により導出された最小エネルギー経路βにおける磁化状態を表す。
ここで、最小エネルギー経路βにおける両端(始状態と終状態)を除くイメージの中で、磁性体1が最大磁気エネルギーを取るイメージを鞍点イメージとも記載する。また磁性体1の磁化状態が鞍点イメージとなる点(例えば、鞍点イメージの「progress of transition」における座標や鞍点イメージとなる時点)を鞍点とも記載する。図4において予めストリング法等により求められているものは、Image1からImage6までの各イメージであり、この場合Image3が鞍点イメージとして推測できる。本実施形態に係るストリング法等で得られる、最小エネルギー経路βにおける各イメージは、離散的であり、またイメージ数も多くない。そのため、推測された鞍点イメージにおける最大磁気エネルギーは、実際の最大磁気エネルギーと一致しない場合がある。そのため、例えば図4では最大エネルギー障壁はΔE’と求まり正確な最大エネルギー障壁ΔEと異なる値になってしまうなど、最小エネルギー経路における最大エネルギー障壁が実際のものと一致しない場合がある。
クライミングイメージ法は、鞍点イメージとして推測されているイメージの情報を磁性体シミュレーション装置に入力し、この推測された鞍点イメージを最小エネルギー経路に沿って時間変化させていく。そして、これにより実際の鞍点イメージを導出する。なお、推測された鞍点イメージとして入力されるものは、別のストリング法等の結果による別のイメージでもよく、実際の鞍点の近傍であれば任意のイメージの情報が入力されてもよい。また、上記シミュレーションにおいては、推測された鞍点イメージを時間変化させるが、これに対応する変化は「progress of transition」の正方向である。このため鞍点イメージとして推測される点は「progress of transition」軸において実際の鞍点イメージ以前のものとする。ただしこれには限定されない。例えば磁化状態と磁気エネルギーの推移が時間的に可逆的である場合等において、鞍点イメージとして推測する点を実際の鞍点イメージよりも「progress of transition」軸において後のイメージとしてもよい。そして磁性体シミュレーション装置は、鞍点イメージとして推測されるイメージを最小エネルギー経路に沿って「progress of transition」の負方向へ変化させ、実際の鞍点イメージと最大磁気エネルギーを導出してもよい。
ここで、クライミングイメージ法を用いた鞍点イメージ(実際の鞍点イメージ、及び鞍点イメージとして推測されるイメージ)の時間発展方法は以下の通りである。
ここで、Cは速度調節パラメータある。また、Nは磁性体1の全メッシュ数を示す。saddleは、最小エネルギー経路(図3に示す本実施形態の一例ではβ)における各イメージを識別するための番号であり、最小エネルギー経路上における遷移の方向に従い、昇順となる自然数である。またsaddleは、実際の鞍点、又は鞍点として推測される点に付す番号である。本実施形態における磁性体シミュレーション装置は、鞍点として推測される点から磁化状態を変化させ、実際の鞍点におけるイメージ等を求めるため、saddleには、まず鞍点イメージとして推測されるイメージに付される番号が入る。jは、各メッシュ要素2に付される番号を示すN以下の自然数である。矢印「→」が上に付されたm saddleは、saddle番目のイメージにおけるj番目のメッシュ要素2に配置される磁化ベクトル3である。同様に、矢印「→」が上に付されたg saddleは、saddle番目のイメージにおけるj番目のメッシュ要素2に配置されるエネルギー勾配ベクトル(勾配ベクトルとも記載する)である。また同様に、τj saddleは、saddle番目のイメージにおけるj番目のメッシュ要素2に配置される接線ベクトル(実際の、又は推測される鞍点の前と後の各磁化ベクトル3の間の差分のベクトル)である。これらのベクトルは、全て3次元ベクトルである。ただしこれには限定されず、1次元や2次元であってもよい。以下では、ベクトルを示す「→」は、式において用いるものとし、それ以外での記載を省略する。またm saddle、g saddle、τj saddleの各々は、時間tの関数であり、m saddle(t)、g saddle(t)、τj saddle(t)とも記載されるとする。
図4においてm saddleは、Image3における磁化ベクトル3である。同様にm saddle-1は、最小エネルギー経路におけるイメージのうち、推測されている鞍点イメージからみて1つ前のイメージの磁化ベクトル3である。図4におけるイメージにおいては、m saddle-1は、Image2における磁化ベクトル3である。またm saddle+1は、最小エネルギー経路におけるイメージのうち、推測されている鞍点イメージからみて1つ後のイメージの磁化ベクトル3である。図4においては、m saddle+1は、Image4における磁化ベクトル3である。また始状態と終状態の各イメージは、図3ではImage1とImage6となる。
クライミングイメージ法の収束判定条件は次の数5式で表される。
数5式において、Δtは時間刻み、εは収束閾値を表す。これらのΔtとεは、それぞれユーザにより指定される値である。数5式の左辺の||内には鞍点イメージにおける各メッシュ要素2の磁化ベクトル3が代入される。
クライングイメージ法を用いての最大磁気エネルギーの導出において、最初に鞍点イメージの磁化ベクトルm saddle(t)として代入されるものは、ストリング法等により推測されている鞍点イメージの各メッシュ要素2の磁化ベクトル3である。図3の場合では、Image3における各メッシュ要素2の磁化ベクトル3が、本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置により数5式に最初に代入される。また数5式のm saddle(t+Δt)として代入されるものは、推測されている鞍点イメージ(例えばImage3)における各メッシュ要素2の磁化ベクトル3のΔt後の磁化ベクトル3である。なお、このΔt後の磁化ベクトル3は、後述する方法により算出されたものである。
また数5式の左辺は、m saddle(t)とm saddle(t+Δt)の差分の大きさのうち、全てのメッシュ要素2において最大となるものを導出する。導出された差分の大きさが、数5式の右辺のεより小さい場合には、鞍点イメージにおける磁気エネルギーが最小エネルギー経路において最大値(又は極大値)であるとみなされ、これに伴い各メッシュ要素2の磁化ベクトル3が収束したものと見なされる。本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、数5式が満たされるまでm saddle(t+Δt)をm saddle(t)として置きなおし、数5式が満たされるか否かを判定していく。そして数5式で表される収束判定条件が満たされた場合、推測した鞍点イメージは実際の鞍点イメージに一致したものとみなすことができ、この際の鞍点イメージと磁気エネルギーが導出される。
ここで本実施形態においては、さらに磁性体1の物理的性質に合わせたクライミングイメージ法を用いる。磁化ベクトル3の長さは物理的には1である。そのため、これを満たすように本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置はクライミングイメージ法を用いる。当該クライミングイメージ法についてより詳細に説明する。
物理的な各磁化ベクトル3の長さは1であるため、各時刻の磁化ベクトル3の始点を同一の点であるものとして見たときに、各磁化ベクトル3の終点の取りうる点は、半径が1の球面上に存在するものとなる。このとき各磁化ベクトルm saddle(t)の速度ベクトル∂m saddle(t)/∂tは、物理的には磁化ベクトルm saddle(t)に垂直になる。このため本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、このような磁化ベクトル3の物理的性質に合わせ、速度ベクトル∂m saddle(t)/∂tがm saddle(t)に対し垂直になるよう修正を行う。
この修正により磁化ベクトル3の長さが一定に保たれる。また、本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置に対し、初期値として長さが1の磁化ベクトル3を入力することにより、磁化ベクトル3の長さが1に保たれる。
図5は、本実施形態に係るクライミングイメージ法において実行される処理の概略を示す図である。本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、図5に示される以下の処理を行うことにより、既存のクライミングイメージ法で用いられる速度ベクトルから、磁化ベクトル3に対して垂直になるよう修正された速度ベクトルを得る。本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、磁化ベクトル3(図5の「磁化ベクトルm」)と既存のクライミングイメージ法で用いられる速度ベクトル(図5の「速度ベクトル∂m/∂t」)との外積を取る。そして本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、外積により得られたベクトル(∂m/∂t×m)と磁化ベクトル3(m)との外積を取り、これにより得られたベクトル(図5の「m×(∂m/∂t×m)」)を新たな速度ベクトルとする。当該新たな速度ベクトルは、磁化ベクトル3に垂直である。
ここで本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、より計算の精度を上げるために以下の処理を行う。数2式から、速度ベクトル∂m saddle(t)/∂tは、勾配ベクトルg saddleと接線ベクトルτ saddleのそれぞれに係数を掛け合わせたものの和になっていることがわかる。このため本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、勾配ベクトルg saddleと接線ベクトルτ saddleの各々を磁化ベクトル3であるm saddleに対し垂直になるよう修正することで、速度ベクトル∂m saddle/∂tをm saddleに対し垂直なベクトルへと修正する。本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、勾配ベクトルg saddleと接線ベクトルτ saddleの修正として、勾配ベクトルg saddleと接線ベクトルτ saddleの各々に対し上記外積を用いた計算を行う。すなわち本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、m saddle×(g saddle×m saddle)、及びm saddle×(τ saddle×m saddle)を求める。これらのベクトルはそれぞれ、勾配ベクトルg saddleと接線ベクトルτ saddleを磁化ベクトルm saddleに垂直な平面に射影したものとなる。そして本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、磁化ベクトルm saddleに垂直な平面に射影されたこれらの各ベクトルを、新たな勾配ベクトルと接線ベクトルとする。本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置は、新たな勾配ベクトルと接線ベクトルの各々を用いて、磁化ベクトルm saddleに垂直な速度ベクトルを求める。
図6は、本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置4の機能ブロック図である。磁性体シミュレーション装置4は、算出部40、出力部41、及び記憶部42を備える。また磁性体シミュレーション装置4は、入力部を備えていてもよい。算出部40は、出力部41と記憶部42に接続されている。
算出部40は、接線ベクトル算出部400、勾配ベクトル算出部401、速度ベクトル算出部402、磁化ベクトル変動量算出部403、及び判定部404を備える。接線ベクトル算出部400と勾配ベクトル算出部401の少なくともいずれか一方は、速度ベクトル算出部402に接続されている。勾配ベクトル算出部401が速度ベクトル算出部401と接続されている場合、接線ベクトル算出部400は、勾配ベクトル算出部401と速度ベクトル算出部401の少なくともいずれかと接続されている。本実施形態において接線ベクトル算出部400は、勾配ベクトル算出部401と速度ベクトル算出部402とに接続されているとする。磁化ベクトル変動量算出部403は、速度ベクトル算出部402及び判定部404に接続されている。
図7は本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置(例えば磁性体シミュレーション装置4)による処理を示すフローチャートである。以下、図7に示されるフローについての説明と共に、本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置4の各機能ブロックの機能を説明する。なお、図7に示すフローの主体は、図6に示されるような磁性体シミュレーション装置4に限定されない。
算出部40は、推測された鞍点の磁化ベクトルm saddle、その鞍点の1つ前の磁化状態の磁化ベクトルm saddle−1、その鞍点の1つ後の磁化状態の磁化ベクトルm saddle+1の各々に係るデータを取得する(ステップS1000)。ここで磁化ベクトル3に係るデータを磁化ベクトルデータとも記載する。なお、推測された鞍点と鞍点イメージについても以下それぞれ、鞍点、鞍点イメージと記載する。なお、当該ステップで、鞍点の前後のデータとして入力されるものは鞍点の1つ前や後には限定されない。すなわち、当該ステップで入力されるm saddle−1、m saddle+1の各々に代わり、例えばm saddle−2、m saddle+2などが入力されてもよい。
算出部40に入力される各磁化ベクトルデータは、従来のストリング法又はNEB法等により予め得られているものとする。そしてこのデータは記憶部42に記憶されているとする。
算出部40は、磁性体1がどのようにメッシュ要素2に分割されているのかを示すメッシュデータ、及び磁性体1の物性値のデータ(物性値データとも称する)を取得する。これらの磁化ベクトルデータ、メッシュデータ、物性値データも、記憶部42に記憶されており、算出部40は、これらのデータを記憶部42から取得する。なお、これらのデータは、入力部を介しユーザや他装置から磁性体シミュレーション装置4に入力されるものでもよい。
図8は、各メッシュ要素2にデータを割り当てられた磁性体1の概略を示す図である。各メッシュ要素2へのデータの割り当ては、算出部40が磁化ベクトルデータ、メッシュデータ、及び物性値データを記憶部42から取得するときには既になされているものとする。そして算出部40はメッシュ要素2毎の磁化ベクトルデータ、メッシュデータ、及び物性値データを取得する。
図8には、例として、メッシュ要素2に割り当てられるデータのうちの第1のメッシュ要素(図8に示されたメッシュ要素2のうち左端で最上部分のメッシュ要素2)に割り当てられるデータが示される。ここで後述するように各メッシュ要素2にはID(Identifier)が付されており、IDがnのメッシュ要素を第nのメッシュ要素(Mesh No.n)とも記載する。図8の第1のメッシュ要素2に例示されるように、各メッシュ要素2には、鞍点イメージの磁化ベクトル3、鞍点の1つ前の磁化状態の磁化ベクトル3、及び鞍点の一つ後の磁化状態の磁化ベクトル3の各xyz成分と、磁性体1の物性値が割り当てられる。図8におけるm1,x saddle、m1,y saddle、m1,z saddleは、それぞれ鞍点イメージの第1のメッシュ要素2における磁化ベクトル3のx成分、y成分、z成分を表す。また同様に、m1,x saddle−1、m1,y saddle−1、m1,z saddle−1は、それぞれ鞍点の1つ前のイメージの第1のメッシュ要素2における磁化ベクトル3のx成分、y成分、z成分を表す。また、m1,x saddle+1、m1,y saddle+1、m1,z saddle+1は、それぞれ鞍点の1つ後のイメージの第1のメッシュ要素2における磁化ベクトル3のx成分、y成分、z成分を表す。
算出部40における接線ベクトル算出部400は、数4式と以下の数6式を記憶する。
接線ベクトル算出部400は、入力された各メッシュ要素2のm saddle―1、m saddle+1を数4式に代入し、従来と同様に各メッシュ要素2の接線ベクトルτ saddleを算出する。これに加えて接線ベクトル算出部400は、この求めた接線ベクトルτ saddle(=m saddle+1−m saddle―1)と入力されたm saddleとを数6式に代入してτ’ saddleを得る(図7のステップS1001)。
ステップS1001において求められるτ’ saddleは、接線ベクトルτ saddleを磁化ベクトルm saddleに垂直な平面に射影したベクトルとなる。
勾配ベクトル算出部401は、数3式と以下の数7式を記憶する。
勾配ベクトル算出部401は、入力された各メッシュ要素2のm saddleを数3式に代入し、従来と同様に各メッシュ要素2の接線ベクトルg saddleを算出する。これに加えて勾配ベクトル算出部401は、この求めた勾配ベクトルg saddle(=∂Etotal/∂m saddle)を数7式に代入し、g’ saddleを得る(ステップS1002)。
ステップS1002において求められるg’ saddleは、接線ベクトルg saddleを、磁化ベクトルm saddleに垂直な平面に射影したベクトルである。
なお、ステップS1001における処理とステップS1002における処理は、ここに説明した順序と逆の順序で行われても、また並行して行われてもよい。
速度ベクトル算出部402は、τ’ saddleとg’ saddleを入力される。ここで、速度ベクトル算出部402は、接線ベクトル算出部400と勾配ベクトル算出部401とに接続されていれば、それぞれからτ’ saddle、g’ saddleを取得してもよい。また、速度ベクトル算出部402は、接続された接線ベクトル算出部400と勾配ベクトル算出部401のいずれか一方から、τ’ saddle、g’ saddleを取得してもよい。例えば、勾配ベクトル算出部401が速度ベクトル算出部402にτ’ saddle、g’ saddleを出力する場合には、接線ベクトル算出部400は、予めτ’ saddleを算出し、これを勾配ベクトル算出部401に出力する。そして勾配ベクトル算出部401は、接線ベクトル算出部400より取得したτ’ saddleと自己が算出したg’ saddleとを速度ベクトル算出部402に出力する。
速度ベクトル算出部402は、入力されたτ’ saddleとg’ saddleとを以下の数8式に代入し、各メッシュ要素2の鞍点イメージにおける磁化ベクトルm saddleの速度ベクトル∂m saddle/∂tを算出する(図7のS1003)。ここで求められる速度ベクトル∂m saddle/∂tは、磁化ベクトルm saddleに垂直である。
ここで、Cはユーザにより予め指定された速度調節パラメータである。
なお、従来のストリングイメージ法において算出される∂m saddle/∂tは、m saddleに垂直とは限らない。従来のストリングイメージ法では、τ saddleとg saddleとを数2式に代入し、∂m saddle/∂tを算出する。しかし、τ saddleとg saddleは、いずれもm saddleに垂直とは限らないため、得られる∂m saddle/∂tもm saddleに垂直とは限らない。
磁化ベクトル変動量算出部403は、各メッシュ要素2の鞍点イメージにおける磁化ベクトル3の速度ベクトル∂m saddle/∂tを、速度ベクトル算出部402から取得する。磁化ベクトル変動量算出部403は、入力された速度ベクトル∂m saddle/∂tを用いて磁化ベクトルm saddleの時間発展を計算する。以下、この磁化ベクトルm saddleの時間発展の計算についてより詳細に説明する。
磁化ベクトル変動量算出部403は、記憶部42からステップS1000において入力された磁化ベクトル3であるm saddle(m saddle(t)とおく)を保持する。磁化ベクトル変動量算出部403は、m saddle(t)と∂m saddle/∂tとを用い、所定時間Δt経過後の磁化ベクトル3(これをm saddle(t+Δt)とおく)を算出する(ステップS1004)。この算出には、例えばオイラー法やルンゲクッタ法の数値積分法が用いられる。また陽的積分以外にも陰的積分を用いて当該算出が行われてもよい。磁化ベクトル変動量算出部403は、m saddle(t)と算出したm saddle(t+Δt)との差分を算出する(ステップS1004)。当該差分は鞍点イメージにおける磁化ベクトル3のΔt間における変化分に対応する。なお、磁化ベクトル3のx成分とy成分とz成分の、Δtにおける各変化分をまとめて変動量と記載する。ただし磁化ベクトル3の変動量は、xyz成分におけるものに限定されず、例えば極座標のr、θ、φ成分におけるものであってもよい。磁化ベクトル変動量算出部403は、全てのメッシュ要素2において、当該変動量の絶対値が最大となるもの(最大残差とも記載する)を導出する(ステップS1004)。なお、この最大残差は、数5式における左辺に対応する。磁化ベクトル変動量算出部403は、導出した最大残差を判定部404に出力する。
判定部404は、収束閾値εを記憶し、磁化ベクトル変動量算出部404から入力された最大残差が当該収束閾値εより小さいか否か、すなわち入力された最大残差が数5式を満たすか否かを判定する(ステップS1005)。
最大残差が数5式を満たさない場合(ステップS1005:FALSE)、判定部404は、磁化ベクトル変動量算出部403において算出したm saddle(t+Δt)を新たなm saddle(t)として置き直し、算出部40はステップS1001へ処理を戻し、上述した処理と同様の処理を行う。このため、ステップS1004等における算出に用いられるm saddle(t)なども、ここで置き直されたものとなる。
最大残差が数5式を満たす場合(ステップS1005:TRUE)、算出部40からの指示に基づき、出力部41は鞍点イメージにおける磁化ベクトルデータ(m saddle(t)に係るデータ)を出力する(ステップS1006)。
ステップS1006の処理の後、磁性体シミュレーション装置4は処理を終了する。
図9は、ステップS1006において、磁性体シミュレーション装置4により出力されるデータの構造の一例を示す。ここでは、各メッシュ要素2のIDと、これに対応する磁化ベクトル3のxyz成分が出力される。図9におけるmj,x saddle、mj,y saddle、mj,z saddleは、それぞれ第jのメッシュ要素における鞍点イメージでの磁化ベクトル3のx成分、y成分、z成分を表す。
図10は、図9に示されるデータの具体例である。図10において、例えばIDが1である第1のメッシュ要素における磁化ベクトル3のx成分(図10のMx)は、指数標記により「2.544713e−001」で示され、2.544713×10−1であることがわかる。その他の磁化ベクトル3の各成分の値についても同様である。
図11は、磁性体シミュレーション装置4のハードウェア構成の一例を示す図である。磁性体シミュレーション装置4は、プロセッサ50、メモリ51、出力インターフェース52、及び記憶装置53を備える。また磁性体シミュレーション装置4は、入力装置を備えていてもよい。これらの磁性体シミュレーション装置4に含まれる各装置はバス54等により接続されている。
プロセッサ50は、例えばシングルコア、デュアルコア、又はマルチコアのプロセッサである。
メモリ51は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリである。メモリ51には、図7を用いて説明したフローのステップS1000において入力されるデータが、記憶装置53から読み込まれる。またメモリ51は、ε、Δt、C、上記数式等のデータを記憶する。また、メモリ51はプロセッサ50の処理のための各種プログラムを記憶する。
プロセッサ50がメモリ51に記憶されたデータを用いてプログラムを実行することにより、上記算出部40の機能が実現される。すなわち、このプログラムは、例えば、図7に示すフローチャートの処理を記述する。そして、プロセッサ50がこのプログラムを実行することにより、図6に示す接線ベクトル算出部400、勾配ベクトル算出部401、速度ベクトル算出部402、磁化ベクトル変動量算出部403、及び判定部404の機能が実現される。
出力インターフェース52は、磁性材料を用いる機器の設計等に供される装置(設計装置とも記載する)や、ユーザによる確認に供される液晶ディスプレイ等の表示装置に、磁性体シミュレーション装置4がデータを出力するためのものである。出力インターフェース52により、上記出力部41の機能が実現される。
記憶装置53は、例えばハードディスクドライブ、光ディスク装置等であり、外部記憶装置や可搬型記憶媒体であってもよい。記憶装置により、上記記憶部42の機能が実現される。
磁性体シミュレーション装置4が、入力装置を備える場合、当該入力装置は、例えば入力インターフェースと、当該入力インターフェースにより磁性体シミュレーション装置4と接続されるキーボード、マウス、タッチパネル、他装置から情報を取得する通信装置等である。当該入力装置により、上記入力部の機能が実現される。
本実施形態における磁性体シミュレーションを行った場合の効果について説明する。ここでまず当該シミュレーションの対象となった磁性体1のモデルを図12に示す。シミュレーションの前における当該磁性体1には、図12に示されるように3つの領域が存在する。このような磁性体1に対し、磁化状態が遷移する前後における最大エネルギー障壁の計算を行った。ここでは、磁性体1のデピニングに伴い磁性体1における磁化ベクトル3が反転する遷移過程における最大エネルギー障壁を算出した。図12において、磁性体の両端のGrain AとGrain Bは主層を表し、これらの層の中間に存在するGrain boundaryは粒界層を表す。以下ではGrain AとGrain Bをそれぞれ主層A、主層Bとも呼ぶ。またGrain boundaryを粒界層とも呼ぶ。図12に示されるM、H、Aは、それぞれ飽和磁化、異方性磁界、交換結合定数に相当する。例えば、主層Aにおいて、飽和磁化は1.5[T]、異方性磁界は5.59×10[A/m]、交換結合定数は1.0×1011[J/m]である。なお、本検証において静磁界エネルギーの計算を省略しているものとする。
図13は、磁性体1のデピニングによる磁化反転の遷移過程の始状態(Initial state)と終状態(Final state)の一例を示す模式図である。図13の各層における矢印は、その層における磁化ベクトル3の向きを表す。例えば始状態の主層Aにおける磁化ベクトル3は上向きである。
図13に示す始状態において、主層Aの磁化ベクトル3は上向きであり、粒界層を境にして粒界層と主層Bの各磁化ベクトル3は下向きに固定(ピニング)されている。ここで磁性体1に対し、1.0×10[A/m]の外部磁界を図13の上方向に向かって印加すると、粒界層と主層Bにおいてピニングの解消(デピニング)が起こり、終状態においてこれらの層の磁化ベクトル3は上向きになる。
図14は、従来の磁性体シミュレーションと本実施形態に係る磁性体シミュレーションの各出力結果の精度の比較例を示す図である。図14において、横軸は磁化状態の遷移の進行度合い、縦軸は磁性体1の磁気エネルギーEtotalに対応する。図14において、「40Images」との説明が付与される実線のグラフは、ストリング法によって求められた40個のイメージによる最小エネルギー経路を示す。また、図14において、「Previous」とある破線のグラフは、5個のイメージによる最小エネルギー経路を予めストリング法によって求め、これを入力データとし、従来のクライミングイメージ法を適用して求めた最小エネルギー経路を表す。
図14において、「Present」とある破線のグラフは、5個のイメージによる最小エネルギー経路を予めストリング法によって求め、これを入力データとし、本実施形態に係るクライミングイメージ法を適用して求めた最小エネルギー経路を表す。
図14に示されるように、少ないイメージ(5個)での本実施形態に係る磁性体シミュレーション方法を用いた場合に得られる最大エネルギー障壁は、多くのイメージ(40個)をストリング法により求めて得られたものに近い。ここで、本実施形態に係る磁性体シミュレーション方法により得られた最大エネルギー障壁の絶対誤差は6.9×10−23[J]、相対誤差は0.0059%であった。
また図14に示されるように、従来の磁性体シミュレーション方法(Previous)においては、エネルギー障壁が存在しないという誤った結果が導き出されている。このことから本実施形態に係る磁性体シミュレーション方法により、最小エネルギー経路、最大エネルギー障壁の導出の精度が従来のものより改善されたことがわかる。なお、従来の磁性体シミュレーション方法においては、反復毎の磁化の規格化、及び反復上限回数の設定によるクライミングイメージ法の打ち切りを行った。ここで、反復毎の磁化の規格化とは、従来の磁性体シミュレーション方法を用いると磁化ベクトル3の長さが1とは限らなくなるため、例えば磁化ベクトル3の時間発展を求める度に、その長さを1にすることを意味する。また反復上限回数の設定によるクライミングイメージ法の打ち切りとは、例えば数5式に示される収束条件を満たさず、何度も処理が繰り返されるような場合に、処理を打ち切ることを意味する。
本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置4によれば、磁化ベクトル3の物理的な性質(長さが1)が考慮され、その性質が満たされるように、速度ベクトル等を磁化ベクトル3に垂直にするための措置がされている。このように磁化ベクトル3の物性を考慮に入れた算出を行うことにより、用いるイメージ数を少なくして計算量を抑え、磁性体1の最小エネルギー経路における最大エネルギー障壁を高い精度にて算出することが可能となる。これにより、磁性材料を用いる機器の設計に際し、磁性材料の性能の評価、解析を、計算量を減らしつつ高精度に行うことができる。
本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置4によれば、更に、鞍点における各メッシュ2の磁化状態を、視覚的に認識可能に表示を行うことができる。図15は、本実施形態に係る磁性体シミュレーション装置4により表示される画像の一例を示す図である。なお、図15に示すシミュレーション結果を表す画像は、表示装置(図6では、出力部6)に表示される。
磁性体シミュレーション装置4は、図9、10に例示したように、磁化状態を数値的に表現する以外にも、図15に示すように、鞍点における各メッシュ2の磁化ベクトル3を画像として表示することができる。このとき、上述したステップS1000(図7)において、磁性体シミュレーション装置4が記憶部42から取得するメッシュデータには、各メッシュ2のIDと、磁性体1におけるxyz座標の各々とが対応付けられた情報が含まれる。例えば第nのメッシュ2と対応付けされたxyz座標は、当該第nのメッシュの座標を示す。磁性体シミュレーション装置4は、計算して得られた図9、10に例示されるデータと当該メッシュデータを用いて、磁性体1の各メッシュ2に磁化ベクトル3を配置し、図15に例示されるような画像を生成する。ここで図15における、各メッシュ2に配置されている矢印は、磁化ベクトル3を表す。図15に例示されるような画像を用いることにより、磁性材料を含む電気自動車のモータやコンピュータのメモリ等の設計を、より容易に行うことができる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形も、本発明の範囲内とみなされる。
1 磁性体
2 メッシュ
3 マイクロ磁化、磁化ベクトル
4 磁性体シミュレーション装置
40 算出部
41 出力部
42 記憶部
50 プロセッサ
51 メモリ
52 出力インターフェース
53 記憶装置
54 バス
400 接線ベクトル算出部
401 勾配ベクトル算出部
402 速度ベクトル算出部
403 磁化ベクトル変動量算出部
404 判定部
α 遷移経路
β 最小エネルギー経路

Claims (7)

  1. 磁性体の各微小領域に対応するメッシュに入力された、前記磁性体の磁化状態の遷移経路における鞍点と該鞍点の前と前記鞍点の後の各磁化ベクトルの情報に基づいて、前記磁性体の前記遷移経路における最大エネルギーを算出する磁性体シミュレーション装置であって、
    前記メッシュ毎に、前記鞍点の前の磁化ベクトルと、前記鞍点の後の磁化ベクトルとの差分ベクトルを算出し、該差分ベクトルを前記鞍点の磁化ベクトルに対して垂直な面へと射影して得られる成分を接線ベクトルとして算出する接線ベクトル算出部と、
    前記メッシュ毎に、前記鞍点における前記磁性体のエネルギーを前記鞍点の磁化ベクトルで微分して得られるベクトルに対し前記鞍点の磁化ベクトルに垂直な面への射影を行うことにより得られる成分を勾配ベクトルとして算出する勾配ベクトル算出部と、
    前記メッシュ毎に、前記接線ベクトルと前記勾配ベクトルに基づいて、前記鞍点の速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出部と、
    前記メッシュ毎に前記鞍点の磁化ベクトルと前記鞍点の速度ベクトルとに基づいて、前記鞍点の磁化ベクトルの所定時間における変動量と、前記所定時間の後の前記鞍点の磁化ベクトルと、全ての前記メッシュにおける前記変動量の最大値とを算出する磁化ベクトル変動量算出部と、
    出力部と、を備え、
    前記最大値が閾値以上の場合に、前記接線ベクトル算出部、前記勾配ベクトル算出部、前記速度ベクトル算出部、及び前記磁化ベクトル変動量算出部は、前記所定時間の後の鞍点の磁化ベクトルを前記鞍点の磁化ベクトルに置き直し、前記磁化ベクトル変動量算出部は、前記置き直した鞍点の磁化ベクトルの前記所定時間における変動量と、該変動量の前記全てのメッシュにおける最大値と、前記所定時間の後の前記置き直した鞍点の磁化ベクトルとを算出し、
    前記最大値が前記閾値より小さい場合に、前記出力部は、前記鞍点における、前記磁性体のエネルギーと前記メッシュ毎の磁化ベクトルの情報を出力する
    ことを特徴とする磁性体シミュレーション装置。
  2. 前記遷移経路は最小エネルギー経路であることを特徴とする請求項1に記載の磁性体シミュレーション装置。
  3. 前記出力部は、表示装置であり、前記鞍点における、前記磁性体のエネルギーと前記メッシュ毎の磁化ベクトルの情報を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体シミュレーション装置。
  4. 前記出力部は、前記鞍点における、前記メッシュ毎の磁化ベクトルを、画像で表示することを特徴とする請求項3に記載の磁性体シミュレーション装置。
  5. 前記磁性体シミュレーション装置は設計装置と接続され、前記出力部は、前記鞍点における、前記磁性体のエネルギーと前記メッシュ毎の磁化ベクトルの情報を、前記設計装置に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体シミュレーション装置。
  6. 磁性体の各微小領域に対応するメッシュに入力された、前記磁性体の磁化状態の遷移経路における鞍点と該鞍点の前と前記鞍点の後の各磁化ベクトルの情報に基づいて、前記磁性体の前記遷移経路における最大エネルギーを算出する磁性体シミュレーションプログラムであって、
    前記メッシュ毎に、前記鞍点の前の磁化ベクトルと、前記鞍点の後の磁化ベクトルとの差分ベクトルを算出し、該差分ベクトルを前記鞍点の磁化ベクトルに対して垂直な面へと射影して得られる成分を接線ベクトルとして算出し、
    前記メッシュ毎に、前記鞍点における前記磁性体のエネルギーを前記鞍点の磁化ベクトルで微分して得られるベクトルに対し前記鞍点の磁化ベクトルに垂直な面への射影を行うことにより得られる成分を勾配ベクトルとして算出し、
    前記メッシュ毎に、前記接線ベクトルと前記勾配ベクトルに基づいて、前記鞍点の速度ベクトルを算出し、
    前記メッシュ毎に前記鞍点の磁化ベクトルと前記鞍点の速度ベクトルとに基づいて、前記鞍点の磁化ベクトルの所定時間における変動量と、前記所定時間の後の前記鞍点の磁化ベクトルと、全ての前記メッシュにおける前記変動量の最大値とを算出し、
    前記最大値が閾値以上の場合に、前記所定時間の後の鞍点の磁化ベクトルを前記鞍点の磁化ベクトルに置き直し、該置き直した鞍点の磁化ベクトルの前記所定時間における変動量と、該変動量の前記全てのメッシュにおける最大値と、前記所定時間の後の前記置き直した鞍点の磁化ベクトルとを算出し、
    前記最大値が前記閾値より小さい場合に、前記鞍点における、前記磁性体のエネルギーと前記メッシュ毎の磁化ベクトルの情報を出力する、
    処理を磁性体シミュレーション装置に実行させることを特徴とする磁性体シミュレーションプログラム。
  7. 磁性体の各微小領域に対応するメッシュに入力された、前記磁性体の磁化状態の遷移経路における鞍点と該鞍点の前と前記鞍点の後の各磁化ベクトルの情報に基づいて、前記磁性体の前記遷移経路における最大エネルギーを算出する磁性体シミュレーション方法であって、
    前記メッシュ毎に、前記鞍点の前の磁化ベクトルと、前記鞍点の後の磁化ベクトルとの差分ベクトルを算出し、該差分ベクトルを前記鞍点の磁化ベクトルに対して垂直な面へと射影して得られる成分を接線ベクトルとして算出し、
    前記メッシュ毎に、前記鞍点における前記磁性体のエネルギーを前記鞍点の磁化ベクトルで微分して得られるベクトルに対し前記鞍点の磁化ベクトルに垂直な面への射影を行うことにより得られる成分を勾配ベクトルとして算出し、
    前記メッシュ毎に、前記接線ベクトルと前記勾配ベクトルに基づいて、前記鞍点の速度ベクトルを算出し、
    前記メッシュ毎に前記鞍点の磁化ベクトルと前記鞍点の速度ベクトルとに基づいて、前記鞍点の磁化ベクトルの所定時間における変動量と、前記所定時間の後の前記鞍点の磁化ベクトルと、全ての前記メッシュにおける前記変動量の最大値とを算出し、
    前記最大値が閾値以上の場合に、前記所定時間の後の鞍点の磁化ベクトルを前記鞍点の磁化ベクトルに置き直し、該置き直した鞍点の磁化ベクトルの前記所定時間における変動量と、該変動量の前記全てのメッシュにおける最大値と、前記所定時間の後の前記置き直した鞍点の磁化ベクトルとを算出し、
    前記最大値が前記閾値より小さい場合に、前記鞍点における、前記磁性体のエネルギーと前記メッシュ毎の磁化ベクトルの情報を出力する、
    処理を磁性体シミュレーション装置が実行することを特徴とする磁性体シミュレーション方法。
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