JP2019015543A - 反射法地震探査方法及び反射法地震探査システム - Google Patents

反射法地震探査方法及び反射法地震探査システム Download PDF

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秀邦 菊地
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茂幸 須田
栄一 淺川
Eiichi Asakawa
栄一 淺川
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文俊 村上
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智久 金田
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均 塚原
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Abstract

【課題】ストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査による海底地層の三次元調査を行うに際して、船舶に対するストリーマケーブルの設置作業の容易化を図ること。
【解決手段】複数個のハイドロフォン102を有する複数本のストリーマケーブル101を海洋51に投じ、船舶201につないで並列に曳航する過程で、ブーマー241によって海底に向かう弾性波を生じさせ、地底面や地層面を反射した反射波をハイドロフォン102で観察可能とする。ストリーマケーブル101に設けられた情報記録装置111は、個々のハイドロフォン102の出力信号に基づく受振データを時刻と対応づけて記憶媒体に記録する。船舶201に搭載された情報処理装置211,261は、すべてのハイドロフォン102の位置座標とブーマー241の位置座標とを時刻毎に記録する。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射法によって海底面下の地層を探査する反射法地震探査方法、及びこの方法を実施するための反射法地震探査システムに関する。
海底面下の地層を探索する手法として、従来、反射法地震探査と呼ばれる物理探査が広く行われている。この探査手法は、図25に例示するように、海洋51の海面52に浮かべたブーマーやエアガンなどの人工震源1によって発生させた弾性波EWを海底53に向けて放出し、その反射波RWをハイドロフォン2などの受振器で観測し、観測記録を処理し解析することによって海底53よりも下の海底面下53Uの地層54を解明する手法である。海底面下53Uでは、海底53や各地層54の境界面55で音響インピーダンスが変化することから、海底53や境界面55が反射面となって弾性波EWを反射する。そこでハイドロフォン2で観察した反射波RWを解析することで、境界面55の深度分布や地層54の構造を推定することが可能になる。また反射波RWに現われる特徴から、地層54の物性も推定可能である。
反射法地震探査は、海底面下53Uに埋蔵されている石油やメタンハイドレードなどのエネルギー資源の探索に活用されているほか、近年では、地震の発生メカニズムの解明や発生確率の予測の分野での活用も大いに期待されるところである。
このような反射法地震探査を実行するためのシステムとしては、例えば特許文献1に記載されているように、人工震源1を船舶11から海中に吊り下げ、人工震源1から弾性波EWを発し、海底53を反射する反射波RWをストリーマケーブル3を用いて検出するというシステムが採用されている(図25参照)。特許文献1には明示されていないが、ストリーマケーブル3には複数個のハイドロフォン2が間隔をおいて配置されており、ハイドロフォン2によって反射波RWの観測が可能である。
反射法地震探査の方式としては、数キロメートルにもわたる長いストリーマケーブルを海底に定置する方式の他、50〜12000メートル程度のさまざまな長さのストリーマケーブルを船舶で曳航する「ストリーマケーブル曳航方式」と呼ばれる方式が一般化している。図25に示す方式もこの方式である。またストリーマケーブル曳航方式においても、例えばブイ4(図25参照)などを用いてストリーマケーブル3を海面近くに浮かせて曳航する方式と、ブイ4などの浮力を発生するものを用いずに深海でストリーマケーブルを曳航する方式とがある。
特許文献1には、ストリーマケーブルを海面近くに浮かせて曳航するストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査が紹介されている(特許文献1の段落[0003]、図4参照)。
特許文献2にも、特許文献1の上記ストリーマケーブル曳航方式と同じ方式の反射法地震探査が記載されている(特許文献2の”over streamer 30”(特許文献2の段落[0030][0035]、図1参照)。この文献にはさらに、”under streamer 30´”として紹介されているように、より大深度の領域でもストリーマケーブルを曳航し、反射波を受信することが記載されている(特許文献2の段落[0035]、図1参照)。
特開2003−019999号公報 米国特許出願公開第2011/0299360号明細書
猪野滋、他5名、「高分解能三次元反射法地震探査−SoundArray 3D−新潟県上越沖での実施例」、公益財団法人物理探査学会第135回学術講演論文集、2016
ストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査による海底地層の調査に着目する。この調査は、
(1)データ取得
(2)データ処理・解析
(3)地質解釈
という三つの段階を経て実行される。(1)のデータ取得は、さらに、
(a)ストリーマケーブルの設置作業
(b)ストリーマケーブルを曳航しての観測作業
(c)ストリーマケーブルの撤去作業
に細分化することができる。
このようなストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査による海底地層の調査としては、ストリーマケーブルを一本だけ用いて行う二次元調査が伝統的に行われている。ところが二次元調査では、海底面下の地層構造を高い精度をもって解析することができない。このため比較的広い範囲の概査には支障はないものの、精密な調査には適さない。
そこで近年、例えば非特許文献1に示されているように、複数本のストリーマケーブルを用いる三次元調査が行われるようになってきている。三次元調査では、少ない場合でも四本、多い場合には二十本程度のストリーマケーブルを並列させて船舶に曳航させ、曳航方向と直交する線上の反射波を並列する個々のストリーマケーブルのハイドロフォンで受振する。これらの受振信号を解析すれば三次元的な解釈が可能となるため、高い精度をもって海底面下の地層構造を把握することができる。
ところが反射法地震探査を遂行するに際しては、船舶に搭載されているコンピュータに対するストリーマケーブルの電気的な接続が必要になるため、上記(1)のデータ取得段階で行われるストリーマケーブルの設置作業(上記(a))の作業負担が少なくない。とりわけ三次元調査の場合には、二次元調査の場合に比べてその作業負担が飛躍的に増加するのが問題である。以下、具体的な例を挙げて説明する。
一例として、100メートルのストリーマケーブルについて考える。ハイドロフォンは、一般的に2.5〜5メートル間隔で配置されている。仮に100メートルのストリーマケーブルに5メートル間隔でハイドロフォンを配置するならば、その個数は20個となる。これらのハイドロフォンは、受振信号をコンピュータに送信するために、ストリーマケーブルに内蔵された信号線に接続されている。
ハイドロフォンの受振信号をアナログ信号で送信する場合には、ハイドロフォンと同数、上記一例の場合であれば二十本のアナログ信号線をストリーマケーブルは内蔵している。
これに対して近年では、ハイドロフォンの受振信号をデジタル信号で送信するようにしたストリーマケーブルが普及している。このようなストリーマケーブルは、複数個のADコンバータ(以下「AD/C」と略称する)を内蔵し、グループ分けされた一群のハイドロフォンを一つのAD/Cの入力側にアナログ信号線を介して接続する。例えば上記一例の場合、例えば5個のハイドロフォンで一つのグループを構成すると仮定すると、ストリーマケーブルには4個のAD/Cが設けられ、個々のAD/Cには5個のハイドロフォンがアナログ接続される。ストリーマケーブルが内蔵するデジタル信号線は一本であり、このデジタル信号線に個々のAD/Cの出力側が接続される。
ストリーマケーブルを海洋に投ずるに際しては、船舶に搭載したコンピュータの側の機器に信号線を接続する必要がある。ストリーマケーブルの信号線は、中継線を介してコンピュータに接続される。このときの作業負担は、ハイドロフォンの受振信号をアナログ送信するストリーマケーブルとデジタル送信するストリーマケーブルとで大きく異なる。
アナログ送信型の場合、上記一例の場合であれば、船舶に搭載したコンピュータ側の機器、例えば信号切換器に対して、ストリーマケーブル一本について二十本ものアナログ信号線を接続しなければならない。このため三次元調査をする場合には、ストリーマケーブルの本数を比較的少ない四本とした場合であっても、上記ストリーマケーブルの設置作業(上記(a))に際して、八十本ものアナログ信号線をコンピュータ側の機器に正確に接続しなければならない。この際、電気的な接続作業は、それ単独で行えばよいというものではなく、船舶の甲板等という限られた空間の中で、嵩張るストリーマケーブルを相手に、これを海洋に投ずる作業の中で遂行していかなければならない。このためストリーマケーブルの本数が二倍になったら作業負担も二倍というわけにはいかず、本数の増加に応じて作業負担は飛躍的に増大してしまう。
デジタル送信型の場合、単一のデジタル信号線をコンピュータ側に接続するだけで良いので、ストリーマケーブルとコンピュータとの電気的な接続という面からみると、大幅な作業負担の軽減が図られる。しかしながら作業負担が軽いとまではいうことはできない。デジタル信号線を船舶の側に残したままストリーマケーブルを海洋に投ずるには、例えば電気的接点を水に浸けない、デジタル信号線に大きなストレスを与えないなどの面から細心の注意を払わなければならないし、デジタル信号線同士を混線させないように注意する必要もある。電気的接続の本数が少ないからといって、作業負担が激減するというわけではない。
一例として、ストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査による海底地層の調査を行うために、例えば5メートル間隔でハイドロフォンを配置した100メートルのストリーマケーブルを船舶に四本セットする場合を例に挙げると、デジタル通信型のストリーマケーブルであっても、概ね、設置に二時間程度、撤収に一時間程度の作業時間を要してしまう。
本発明の目的は、ストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査による海底地層の三次元調査を行うに際して、船舶に対するストリーマケーブルの設置作業の容易化を図ることである。
本発明の反射法地震探査方法の一態様は、予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、個々の前記ハイドロフォンに有線で接続されて記憶媒体に情報を記録する情報記録装置とを備える複数本のストリーマケーブルを船舶から海洋に投じる工程と、連結具を介して前記ストリーマケーブルを前記船舶につなぐ工程と、前記船舶につながれた前記ストリーマケーブルを並列に曳航する工程と、前記船舶に曳航させた人工震源を駆動し、弾性波を生じさせる工程と、前記情報記録装置によって、個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データをその受信の際の時刻と対応づけて前記記憶媒体に記録する工程と、情報処理装置によって、前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標を取り込む工程と、情報処理装置によって、駆動された際の前記人工震源の位置座標を取り込む工程と、を備えることによって上記課題を解決する。
本発明の反射法地震探査方法の別の一態様は、予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、個々の前記ハイドロフォンに有線で接続されて前記ハイドロフォンの出力信号を無線で送信出力する無線通信機とを備える複数本のストリーマケーブルを船舶から海洋に投じる工程と、連結具を介して前記ストリーマケーブルを前記船舶につなぐ工程と、前記船舶につながれた前記ストリーマケーブルを並列に曳航する工程と、前記船舶に曳航させた人工震源を駆動し、弾性波を生じさせる工程と、情報処理装置によって、前記無線通信機が無線で送信出力した個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データと、前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標と、駆動された際の前記人工震源の位置座標とを取り込む工程と、を備えることによって上記課題を解決する。
本発明の反射法地震探査システムの一態様は、船舶と、予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、有線で受信した個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データをその受信の際の時刻と対応づけて記憶媒体に記録する情報記録装置とを備え、海洋に投じられて連結具を介して船舶につながれた複数本のストリーマケーブルと、前記船舶につながれて曳航される前記ストリーマケーブルを並列させる並列機構と、前記船舶に曳航され、弾性波を生じさせる人工震源と、前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標、及び駆動された際の前記人工震源の位置座標を取り込む情報処理装置と、を備えることによって上記課題を解決する。
本発明の反射法地震探査システムの一態様は、船舶と、予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、有線で受信した個々の前記ハイドロフォンの出力信号を無線で送信出力する無線通信機とを備える複数本のストリーマケーブルとを備え、海洋に投じられて連結具を介して船舶につながれた複数本のストリーマケーブルと、前記船舶につながれて曳航される前記ストリーマケーブルを並列させる並列機構と、前記船舶に曳航され、弾性波を生じさせる人工震源と、前記無線通信機が無線で送信出力した個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データ、前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標、及び駆動された際の前記人工震源の位置座標を取り込む情報処理装置と、を備えることによって上記課題を解決する。
本発明によれば、ストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査による海底地層の三次元調査を行うに際して、ストリーマケーブルを海洋に投じて連結具を介して船舶につなぐだけでその設置作業を遂行することができるので、船舶に対するストリーマケーブルの設置作業の容易化を図ることができる。
第1の実施の形態として、反射法地震探査による海底地層の三次元調査を実行する反射法地震探査システムを上方から見た模式図。 同システムを側方から見た模式図。 パラベインの斜視図。 ストリーマケーブルに設けられた情報記録装置における各部の電気的接続のブロック図。 船舶に搭載されるハイドロフォン位置座標記録用の情報処理装置における各部の電気的接続のブロック図。 船舶に搭載されるブーマー位置座標記録用の情報処理装置における各部の電気的接続のブロック図。 ストリーマケーブルを船舶につなぐ工程の一環として行われる情報記録装置にフロートを取り付ける作業の様子を示す模式図。 ストリーマケーブルを船舶から海洋に投じる工程の様子を示す模式図。 ストリーマケーブルを曳航する工程の様子を示す模式図。 ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データを記録媒体に記録する工程として、情報記録装置のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャート。 情報記録装置の記録媒体に記録するハイドロフォンの受振データの記録フォーマットの一例を示す模式図。 ハイドロフォンの位置座標を情報処理装置の記憶装置に記録する工程として、情報処理装置のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャート。 情報処理装置の記憶装置に記録するハイドロフォンの位置座標の記録フォーマットの一例を示す模式図。 ブーマーの位置座標を情報処理装置の記憶装置に記録する工程として、情報処理装置のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャート。 情報処理装置の記憶装置に記録するブーマーの位置座標の記録フォーマットの一例を示す模式図。 受振データ記録とハイドロフォン位置座標記録とブーマー位置座標記録とを利用した解析処理の流れを説明するための模式図。 (a)は二次元調査法での弾性波と反射波との様子を、(b)は三次元調査法での弾性波と反射波との様子をそれぞれ示す模式図。 解析された地層構造の一例を示す模式図。 ノッチ周波数の発生メカニズムを説明するための模式図。 第2の実施の形態として、反射法地震探査による海底地層の三次元調査を実行する反射法地震探査システムを上方から見た模式図。 ストリーマケーブルに設けられた無線通信機における各部の電気的接続のブロック図。 ハイドロフォンの出力信号を無線で送信出力する工程として、無線通信機のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャート。 第3の実施の形態として、反射法地震探査による海底地層の三次元調査を実行する反射法地震探査システムを上方から見た模式図。 反射法地震探査による海底地層の三次元調査を実行する反射法地震探査システムの変形例を上方から見た模式図。 ストリーマケーブル曳航方式の反射法地震探査による海底地層の調査の様子を示す反射法地震探査システムの従来の一例を示す模式図。
実施の形態を次の項目に沿って説明する。
[第1の実施の形態]
1.反射法地震探査システムの物理構造
(1)概要
(2)ストリーマケーブル
(3)船舶
(4)並列機構
2.情報機器のハードウェア構成
(1)情報記録装置のハードウェア構成
(2)情報処理装置(ハイドロフォン位置座標記録用)のハードウェア構成
(3)情報処理装置(ブーマー位置座標記録用)のハードウェア構成
3.反射法地震探査方法
A.データ取得の段階
(1)ストリーマケーブルの設置作業
(a)ストリーマケーブルを船舶から海洋に投じる工程
(b)ストリーマケーブルを船舶につなぐ工程
(2)ストリーマケーブルを曳航しての観測作業
(a)観測の原理
(b)ストリーマケーブルを曳航する工程
(c)ハイドロフォンの受振データを記録する工程
(d)ハイドロフォンの位置座標を記録する工程
(e)ブーマーの位置座標を記録する工程
(3)ストリーマケーブルの撤去作業
(a)ストリーマケーブルの撤去工程
(b)記憶媒体の取り出し工程
B.データ処理・解析の段階
C.地質解釈の段階
4.効果
[第2の実施の形態]
[第3の実施の形態]
[変形例]
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を図1ないし図19に基づいて説明する。
1.反射法地震探査システムの物理構造
(1)概要
図1に示すように、本実施の形態の反射法地震探査システムは、ストリーマケーブル曳航方式であり、三次元調査の実施が可能なように構築されている。つまり本実施の形態のシステムは、複数本のストリーマケーブル101を船舶201の船尾202につなぎ、航行する船舶201によってストリーマケーブル101を曳航することができるように構成されている。この際、複数本のストリーマケーブル101は、並列機構、例えば一対のパラベイン301によって、予め決められた間隔で並列に並べられて曳航される。本実施の形態では、六本のストリーマケーブル101を曳航する。
(2)ストリーマケーブル
ストリーマケーブル101は、複数個のハイドロフォン102を予め決められた間隔で配置したケーブルであり、内部に信号線SL1(図4参照)を内蔵し、根元の部分に情報記録装置111を連結している。信号線SL1はアナログ信号線であり、個々のハイドロフォン102と情報記録装置111とを接続している。
情報記録装置111は、筒状のハウジング112の両端をキャップ113で機密に封止し、密閉された内部空間に電気・電子部品を収納する(図7参照)。内部に収納されている電気・電子部品は、例えばCPU151などのプロセッサや、バッテリ191を含む電源回路192などであり、その詳細は図4に基づいて後述する。情報記録装置111の一方のキャップ113は、ストリーマケーブル101の端部を連結させ、気密状態を維持したまま、ストリーマケーブル101が内蔵する信号線SL1をハウジング112の内部に導いている。
このようなストリーマケーブル101は、連結具103によって船舶201につながれている。連結具103としては、例えばロープやワイヤなどが用いられる。連結具103には、船舶201とストリーマケーブル101との間に位置させて、パラベイン301もつながれている。
ストリーマケーブル101は、その根元側にフロート104aを取り付け、末端側にブイ104bを取り付けている。これらのフロート104a及びブイ104bは、ストリーマケーブル101の根元側と末端側とに浮力を与えている。根元側、つまり船舶201に近い側では、二つのフロート104aが情報記録装置111に取り付けられている。末端側、つまり船舶201から遠い側には、連結具105を介してブイ104bがつながれている。連結具105の種類は特に限定されず、例えばロープやワイヤなどを適宜用いることが可能である。
ストリーマケーブル101には、個々のハイドロフォン102の位置にフロートFLも取り付けられている。これによってストリーマケーブル101は、海洋51の海面52近くに浮いた状態に維持される(図2参照)。このときハイドロフォン102はフロートFLに浮力を与えられているため、海面52のすぐ近く、例えば0.1メートル程度の水深に維持される。
ストリーマケーブル101の末端側に取り付けられているブイ104bには、それぞれGPS(Global Positioning System)の受信機をユニット化したGPSユニット171と無線通信ユニット172とを含む測位データ提供装置173が取り付けられている。
GPSユニット171は、複数個のGPS衛星からの電波を受信することで、正確な受信時刻と受信位置座標とを測位計算によって算出して取得する。
無線通信ユニット172は、海上で数百メートル程度の通信距離を保証し、予め定められたプロトコルにしたがい無線通信を実行する。例えばWiFi(登録商標)を利用した通信システムを無線通信ユニット172として利用することができる。
測位データ提供装置173は、処理回路とバッテリとを内蔵する単一のハウジング内に気密にカプセル化されており(いずれも図示せず)、GPSユニット171が取得した受信時刻及び受信位置座標を無線通信ユニット172によって無線で送信出力する。
以上説明したようなストリーマケーブル101は、例えば全長が約100メートルであり、ハイドロフォン102を5メートル間隔で配置している。したがって一本につき20個のハイドロフォン102を配置し、これと同数の二十本の信号線SL1を内蔵する。また個々のストリーマケーブル101の配列間隔は、例えば5メートル程度に定められている。
(3)船舶
船舶201は、その船体201aに二つの情報処理装置211,261を搭載している。一つはハイドロフォン位置座標記録用の情報処理装置211であり、もう一つはブーマー位置座標記録用の情報処理装置261である。ハイドロフォン位置座標記録用の情報処理装置211にはGPS受信機221及び無線通信装置231が接続されており、これらの各機器221,231も船舶201に搭載されている。ブーマー位置座標記録用の情報処理装置261にはブーマー241及びGPS受信機281が接続されている。これらの各機器241,281は船舶201には搭載されず、海洋51に投ぜられて船舶201に曳航される。
船舶201にはその船尾202に人工震源としてのブーマー241がつながれている。ブーマー241は、駆動回路に駆動されてスピーカーが音波を発生し(いずれも図示せず)、弾性波EWを生じさせる機器である。ブーマー241によって生じた弾性波EWは、海底面下53Uで反射し、反射波RWとなってハイドロフォン102で受振される。弾性波EWの反射は、海底53及び海底面下53Uにおける境界面55において発生する。ブーマー241の駆動回路は、船舶201に搭載されている情報処理装置261からの駆動信号に基づき動作し、スピーカーを駆動する。
ブーマー241は、信号ケーブル242を介して船舶201の側につながれており、ブイ243に保持されて浮力を持たされている。この状態でブーマー241は音波を放出し、海洋51内に弾性波EWを生じさせる。信号ケーブル242は信号線SL2(図6参照)を内蔵している。信号線SL2は、船舶201に搭載されている情報処理装置261からの駆動信号をブーマー241に伝送する。したがってブーマー241は海洋51の海面52から一定の水深に維持され、情報処理装置261からの駆動信号に応じて音波を放出する。
ブーマー241を保持するブイ243は、GPS受信機281を搭載している。GPS受信機281は、信号ケーブル242に内蔵されている通信線CL(図6参照)を介して情報処理装置261に接続されている。
(4)並列機構
前述したように、本実施の形態では、複数本のストリーマケーブル101を並列に並べて曳航する並列機構として、一対のパラベイン301を用いている。
図3に示すように、パラベイン301は、上下一対のフレーム板302の間に複数個のフィン303を固定し、上下の中央位置に中間フレーム304を固定した構造体であり、上方のフレーム板302の上面側にフロート305を固定している。一対のフレーム板302と中間フレーム304とには、船舶201とストリーマケーブル101とをつなぐ連結具103を通し、パラベイン301を連結具103につなぎ止めるための連結孔306が設けられている。
図3に示すパラベイン301は、船舶201の船尾202から後方を望んだとき、左側に配置されるものの一例である。図3に示すようには拡大して詳細構造を示さないが、右側に配置されるパラベイン301(図1参照)は、図3に示すものと対称形状をなしている。したがって船舶201の航行によってストリーマケーブル101が曳航されるとフィン303が水の抵抗を受け、一対のパラベイン301は、互いに離反する方向に拡がる。これによって一対のパラベイン301の間で連結具103が張られた状態になるため、ストリーマケーブル101の配列間隔は、個々の情報記録装置111の間をつなぐ連結具103の長さと一致した距離に定められる。本実施の形態では、個々の情報記録装置111の間の離間距離が5メートルとなるように連結具103の長さを設定しているため、個々のストリーマケーブル101の配列間隔も5メートルとなる。
2.情報機器のハードウェア構成
本実施の形態の反射法地震探査システムは、各種の情報機器を搭載している。そのうち個々のストリーマケーブル101に1対1で対応づけて設けられている情報記録装置111と、船舶201に搭載されている情報処理装置211,261とのハードウェア構成について説明する。
(1)情報記録装置のハードウェア構成
図4に示すように、情報記録装置111の中核をなすのは、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU151を主体とする情報処理部152である。情報処理部152は、CPU151に接続されたEEPROM153とRAM154、それに時計回路155によって構成されている。EEPROM153は、各種のデータを固定的に記憶するメモリであり、例えばBIOS、オペレーティングシステム、動作プログラムなどを格納している。RAM154は、各種のデータを書き換え自在に一時記憶するメモリであり、ワークエリアとしても用いられる。時計回路155は、図示しない水晶発振器を内蔵し、タイミング制御用のクロック信号を生成する。CPU151は、時計回路155のクロック信号を利用して、絶対時間の計測処理も実行する。
情報処理部152にはI/O156が接続されている。I/O156は入出力用のIOポート156aを複数備えており、個々のIOポート156aには切換回路157とSDカードリーダライタ158とが接続されている。
切換回路157は、ストリーマケーブル101に配置された複数個のハイドロフォン102の出力信号を入力ポート159から取り込み、スイッチング素子160を介して出力ポート161に出力する回路である。切換回路157は、IOポート156aに接続されて、情報処理部152からの駆動信号を入力する制御ポート157aを備えており、制御ポート157aに駆動信号が入力されると、切換信号を生成する。
切換信号は、スイッチング素子160を順に切り替えることを指示する信号である。つまり切換回路157は、ハイドロフォン102の数だけ1番からN番(本実施の形態では20番)までの入力ポート159を用意しており、切換信号に応じて、1番からN番の順にスイッチング素子160を切り替える。これによってオンにされた入力ポート159と出力ポート161とが接続されるので、出力ポート161からは、対応するハイドロフォン102の出力信号がシリアルに出力される。
切換回路157の出力ポート161から出力されたハイドロフォン102のアナログ出力信号は、増幅器162で増幅され、フィルタ163で雑音が除去され、AD/C164によってデジタル変換される。デジタル変換されたハイドロフォン102の出力信号は、受振データとしてSDカードリーダライタ158に送信される。
SDカードリーダライタ158は、受信したハイドロフォン102の受振データをSDカード158aに記録する。情報の記憶媒体であるSDカード158aは、SDカードリーダライタ158に対して着脱自在なので、蓄積した受振データは、容易に空間移動が可能となる。
EEPROM153に格納されている動作プログラムは、受振データ記録用のコンピュータプログラムである。この動作プログラムは、個々のハイドロフォン102の出力信号に基づく受振データをその受信の際の時刻と対応づけてSDカード158aに記録する、という処理動作を情報処理部152に実行させる。
このような情報記録装置111の各部には、バッテリ191から電力が供給される。つまり情報記録装置111はバッテリ191を着脱自在に有し、このバッテリ191の電力を各部に供給する電源回路192を備えている。電源回路192は、給電を必要とする各部に対して、給電線193を介してバッテリ191の電力を供給する。これによって情報記録装置111は、自律的に動作することが可能になっている。
(2)情報処理装置(ハイドロフォン位置座標記録用)のハードウェア構成
図5に示すように、ハイドロフォン位置座標記録用の情報処理装置211の中核をなすのは、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU251をはじめとする情報処理部252である。情報処理部252は、CPU251に接続されたEEPROM253とRAM254、それに時計回路255によって構成されている。EEPROM253は、各種のデータを固定的に記憶するメモリであり、例えばBIOSなどを格納している。RAM254は、各種のデータを書き換え自在に一時記憶するメモリであり、ワークエリアとしても用いられる。時計回路255は、図示しない水晶発振器を内蔵し、タイミング制御用のクロック信号を生成する。CPU251は、時計回路255のクロック信号を利用して、絶対時間の計測処理も実行する。
情報処理部252にはI/O256が接続されている。I/O256は入出力用のIOポート256aを備えており、個々のIOポート256aにはHDD257、表示装置258、入力装置259、GPS受信機221、無線通信装置231、及び通信回路260が接続されている。
HDD257は、オペレーティングシステムをはじめとする各種のコンピュータプログラムや各種のデータを格納している。HDD257に格納されているオペレーティングシステムは、情報処理装置211の起動とともにその全部又は一部がRAM254に転送されてコピーされる。またHDD257に格納されている各種のコンピュータプログラムは、起動プログラムによって立ち上げられた後、その全部又は一部がRAM254に転送されてコピーされる。そこでCPU251は、RAM254に駐留するオペレーティングシステムにしたがい、RAM254にコピーされたコンピュータプログラムに規定された各種処理動作を実行する。
HDD257には、ハイドロフォン位置座標記録用のコンピュータプログラムが格納されている。このコンピュータプログラムは、GPSユニット171とGPS受信機221とが取得した受信時刻及び受信位置座標とに基づいて一本一本のストリーマケーブル101における個々のハイドロフォン102の位置座標を割り出し、すべてのハイドロフォン102の位置座標を時刻とともにHDD257に記録する処理動作を情報処理部252に実行させる。したがってHDD257には、時々刻々と変化するすべてのハイドロフォン102の位置座標が蓄積される。
表示装置258は、マン・マシン・インターフェースとなる例えば液晶ディスプレイであり、HDD257に蓄積される各種データなどを表示する。
入力装置259は、マン・マシン・インターフェースとなるキーボード、マウスなどのポインティングディバイスであり、各種情報の入力を可能とする。
通信回路260は、他の情報処理装置、例えば情報処理装置261との間での通信をサポートする。
GPS受信機221は、複数個のGPS衛星からの電波を受信することで、正確な受信時刻と受信位置座標とを測位計算によって算出する。GPS受信機221は、算出した受信時刻と受信位置座標とを出力するための通信ポート221aを備えており、情報処理装置211のIOポート256aに通信ポート221aを接続させている。
無線通信装置231は、無線通信用の各種プロトコルをサポートし、個々のプロトコルに応じた無線通信を実行する。無線通信装置231は、個々のストリーマケーブル101の末端側につながれたブイ104bにそれぞれ設けられている無線通信ユニット172との間で通信を確立し、GPSユニット171が算出した受信時刻と受信位置座標とを受信する。
(3)情報処理装置(ブーマー位置座標記録用)のハードウェア構成
図6に示すように、ブーマー位置座標記録用の情報処理装置261の中核をなすのは、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU271をはじめとする情報処理部272である。情報処理部272は、CPU271に接続されたEEPROM273とRAM274、それに時計回路275によって構成されている。EEPROM273は、各種のデータを固定的に記憶するメモリであり、例えばBIOSなどを格納している。RAM274は、各種のデータを書き換え自在に一時記憶するメモリであり、ワークエリアとしても用いられる。時計回路275は、図示しない水晶発振器を内蔵し、タイミング制御用のクロック信号を生成する。CPU271は、時計回路275のクロック信号を利用して、絶対時間の計測処理も実行する。
情報処理部272にはI/O276が接続されている。I/O276は入出力用のIOポート276aを備えており、個々のIOポート276aにはHDD277、表示装置278、入力装置279、通信回路280、GPS受信機281、及びブーマー241が接続されている。
HDD277は、オペレーティングシステムをはじめとする各種のコンピュータプログラムや各種のデータを格納している。HDD277に格納されているオペレーティングシステムは、情報処理装置261の起動とともにその全部又は一部がRAM274に転送されてコピーされる。またHDD277に格納されている各種のコンピュータプログラムは、起動プログラムによって立ち上げられた後、その全部又は一部がRAM274に転送されてコピーされる。そこでCPU271は、RAM274に駐留するオペレーティングシステムにしたがい、RAM274にコピーされたコンピュータプログラムに規定された各種処理動作を実行する。
HDD277には、ブーマー位置座標記録用のコンピュータプログラムが格納されている。このコンピュータプログラムは、所定の時間間隔でブーマー241を駆動し、その際にGPS受信機281が取得した受信時刻及び受信位置座標をHDD277に記録する処理動作を情報処理部272に実行させる。したがってHDD277には、時々刻々と変化するブーマー241の位置座標が蓄積される。
表示装置278は、マン・マシン・インターフェースとなる例えば液晶ディスプレイであり、HDD277に蓄積される各種データなどを表示する。
入力装置279は、マン・マシン・インターフェースとなるキーボード、マウスなどのポインティングディバイスであり、各種情報の入力を可能とする。
通信回路280は、他の情報処理装置、例えば情報処理装置211との間での通信をサポートする。
GPS受信機281は、複数個のGPS衛星からの電波を受信することで、正確な受信時刻と受信位置座標とを測位計算によって算出する。GPS受信機281は、算出した受信時刻と受信位置座標とを外部機器に出力するための通信ポート281aを備えており、情報処理装置261のIOポート276aに通信ポート281aを接続させている。
I/O276のIOポート276aには、ブーマー241に接続された信号ケーブル242が内蔵する信号線SL2が接続されている。
3.反射法地震探査方法
本実施の形態の反射法地震探査方法及びシステムは、ストリーマケーブル曳航方式の3次元反射法地震探査による海底地層の調査を実施する。この調査は一般的に、「データ取得」「データ処理・解析」「地質解釈」という段階を経て行なわれる。このうち本実施の形態の反射法地震探査方法及びシステムが実行するのは、データ取得の段階での各種工程及び処理である。そこで以下、データ取得を中心に説明し、データ処理・解析と地質解釈とにも簡単に触れる。
A.データ取得の段階
(1)ストリーマケーブルの設置作業
(a)ストリーマケーブルを船舶から海洋に投じる工程
ストリーマケーブル101は、その長さに応じて、船舶201の例えば甲板に設置された図示しないリールに巻回されて保持されている。ストリーマケーブル101が70〜80メートル程度の長さまでであればリールに巻回する必要はないが、それ以上の長さになると、リールに巻回しておくことで取り扱いが良好になる。
本工程では、ストリーマケーブル101がリールに巻回されている場合にはリールから引き出し、そうでない場合にはそのままストリーマケーブル101を海洋51に投じていく。この際、ストリーマケーブル101の末端部分に連結具105を介してつないだ測位データ提供装置173から海洋51に投ずる。測位データ提供装置173にはブイ104bが取り付けられているので、その浮力によって海面52を浮遊する(図2、図8参照)。
(b)ストリーマケーブルを船舶につなぐ工程
図7に示すように、完全に引き出されたストリーマケーブル101の根元側には、情報記録装置111が接続されている。情報記録装置111については、船舶201が出航する前の例えばバックヤードなどで、情報処理部152がその時計回路155を用いて認識する現在時刻を予め正確に位置合わせしておく。位置合わせは、一例として、情報記録装置111をGPS受信機221の近くに持ち運び、情報記録装置111の時刻をGPS受信機221が取得した受信時刻に同期させることによって行う。この作業は、GPS受信機221の通信ポート221aと情報記録装置111のIOポート156aとを接続して行うことができる。情報記録装置111のEEPROM153に格納されている動作プログラムは、このような時刻の同期処理をサポートする。
図7に示すように、船舶201では、情報記録装置111にフロート104aを取り付ける。この作業は、一例として、情報記録装置111のハウジング112にフロート104aを粘着テープ114で巻き付けることによって容易に行うことができる。
図8では、同図中左側に示されている二本のストリーマケーブル101がすでに海洋51に投じられている。一番手前に見えるストリーマケーブル101は、今まさに情報記録装置111が海洋51に投じられようとしている。このときストリーマケーブル101は、フロート104aが取り付けられた情報記録装置111につながれた連結具103によって、船舶201の船体201aにつながれている。つまりストリーマケーブル101を完全に海洋51に投ずるに先立ち、フロート104aが取り付けられた情報記録装置111に連結具103をつなぎ、ストリーマケーブル101を船舶201の船体201aにつないだ状態にするわけである。連結具103をつなぐ対象物は、情報記録装置111そのものでも、フロート104aでも、あるいはその両方であってもよい。
図9に示すように、連結具103は何本も必要なく、原始的には一本あればよい。つまり図1に示すように、一本の連結具103に一対のパラベイン301をつなぎ、これらのパラベイン301の間に情報記録装置111をつなぐ。このときの個々の情報記録装置111をつなぐ間隔は、曳航される個々のストリーマケーブル101の間に保ちたい間隔とする。こうして一対のパラベイン301の間に情報記録装置111をつないだ連結具103の両端を船舶201につなぎ止めれば、ストリーマケーブル101を船舶201につなぐ工程が完了する。
(2)ストリーマケーブルを曳航しての観測作業
(a)観測の原理
図2に示すように、反射法地震探査は、人工震源であるブーマー241によって発生させた弾性波EWを放出し、海底53及び境界面55を反射した反射波RWをハイドロフォン102で観測し、観測記録を処理し解析することによって海底53の地層54を解明する手法である。海底53では、海底53や各地層54の境界面55で音響インピーダンスが変化することから、海底53や境界面55が反射面となって弾性波EWを反射する。そこでハイドロフォン102で観察した反射波RWを解析することで、境界面55の深度構造や地層54の堆積構造を推定することが可能になる。また反射波RWに現われる特徴から、地層54の物性も推定可能である。
本実施の形態はストリーマケーブル曳航方式を採用しており、ストリーマケーブル101を曳航しながらブーマー241を駆動して弾性波EWを放出し、その反射波RWをハイドロフォン102で観測する。このとき船舶201とその曳航物とを含む移動体MBの位置座標を取得することで、船舶201を運行させた海域全体の地層54の堆積構造や物性を推定する。
ここで船舶201の曳航物というのは、ストリーマケーブル101、ブイ104b、ブイ104bに設けられた測位データ提供装置173などである。したがってこれの各部と船舶201の船体201aとを含む全体が移動体MBとなる。このような移動体MBの位置座標を取得するのは、移動体MBの位置座標を漫然と把握したいからではなく、ストリーマケーブル101に設けた個々のハイドロフォン102の位置を正確に把握したいからである。そこで本実施の形態では、移動体MBのいずこかに設置したGPS、具体的にはGPSユニット171及びGPS受信機221の位置座標を取得することによって、個々のハイドロフォン102の位置を推定している。
しかもストリーマケーブル曳航方式を採用している関係上、個々のハイドロフォン102の位置は時々刻々と変化する。そこで本実施の形態では、GPSユニット171及びGPS受信機221の位置座標を時刻と対応づけて取得することで、個々のハイドロフォン102で観察した反射波RWの絶対位置を推定するようにしている。
(b)ストリーマケーブルを曳航する工程
図9に示すように、ストリーマケーブル101を船体201aにつないだ船舶201を航行させると、ストリーマケーブル101が曳航される。このとき一対のパラベイン301が互いに離れる方向に拡がるため、連結具103は自ずと張られた状態になり、個々のストリーマケーブル101は、予め意図する間隔で並列して曳航される(図1参照)。
(c)ハイドロフォンの受振データを記録する工程
図10に示すように、情報記録装置111のEEPROM153に格納されている動作プログラムは、ハイドロフォン102の出力信号に基づく受振データをその受信の際の時刻と対応づけて記録する処理を情報処理部152のCPU151に実行させる。記録は、記憶媒体であるSDカード158aに行われる。
処理の流れは次のとおりである。
情報処理部152は、予め決められた時間毎に受振データを取り込む。そのためにCPU151は、RAM154のレジストエリアに記憶しているTの値を+1にして一つインクリメントし(ステップS101)、TがNに達したかどうかを判定する(ステップS102)。Nは受振データを取り込むインターバルの周期を決定づける数値であり、60進法で表すと、TがNに達する時間は、例えば0.1mm秒程度である。この処理は、時計回路155のクロック信号から生成されたタイミング信号にしたがい実行される。
CPU151は、TがNに達したと判定した場合(ステップS102のYES)、切換回路157の制御ポート157aに駆動信号を出力する(ステップS103)。
切換回路157は、制御ポート157aに駆動信号が入力されると、前述したように、1番からN番までの入力ポート159に対応するハイドロフォン102の出力信号を出力ポート161から出力する。
出力されたハイドロフォン102の出力信号は、増幅器162で増幅され、フィルタ163で雑音が除去され、AD/C164でデジタル変換される。デジタル変換されたハイドロフォン102の出力信号は、受振データとなる。
そこでCPU151は、ハイドロフォン102の出力信号がAD/C164でデジタル変換されたかどうかの判定に待機している(ステップS104)。デジタル変換されたと判定した場合(ステップS104のYES)、CPU151はSDカードリーダライタ158を駆動し、デジタル変換された受振データをSDカード158aに記録させる(ステップS105)。
CPU151は、最終となるN番目のハイドロフォン102の出力信号がデジタル変換されるまで上記ステップS104及びS105の処理を繰り返す(ステップS106)。そしてN番目の出力信号がデジタル変換されたことを判定すると(ステップS106のYES)、RAM154のレジストエリアに記憶しているTの値を0にクリアし(ステップS107)、処理を終了する。CPU151は、ステップS101から始まる上記処理を繰り返す。
このような図10に示す処理は、ストリーマケーブル101の一本毎に実行される処理である。ストリーマケーブル101が六本設けられているのであれば、同じ処理が六回繰り返される。
図11に示すように、SDカード158aに記録される受振データは、時刻に対応づけられる。情報記録装置111は、時計回路155が生成するクロック信号に基づいて現在時刻を計時している。そこで情報処理部152は、例えば図10のステップS102でTがNに達したと判定したとき(ステップS102のYES)の現在時刻に対応づけて、その後に送信されてきた個々のハイドロフォン102の出力信号に基づく一連の受振データを記録していく。こうして受振データ記録D1が作成され、受振データ記録D1はSDカード158aに時々刻々と蓄積されていく。
図11中に示されているように、個々のハイドロフォン102は四桁のID番号で表現されている。一桁目及び二桁目は、ハイドロフォン102を特定する番号である。本実施の形態では、一本のストリーマケーブル101について20個のハイドロフォン102が設けられているので、一桁目及び二桁目は、「01」から「20」となる。三桁目及び四桁目は、ストリーマケーブル101を特定する番号である。例えばID番号「0101」に記録される受振データは、1番目のストリーマケーブル101の1番目のハイドロフォン102が出力した出力データに基づく受振データ、ID番号「0620」に記録される受振データは、6番目のストリーマケーブル101の20番目のハイドロフォン102が出力した出力データに基づく受振データを意味する。
上記ハイドロフォン102の出力信号に基づいて受振データを取得する目的は、人工震源であるブーマー241によって発生させた弾性波EWが放出された後、その反射波RWを取得することにある。このため本実施の形態では、後述するように、予め決められた時間、例えば船舶201が5メートル進むのに必要な時間毎にブーマー241に駆動信号を出力し、弾性波EWを生じさせる。
(d)ハイドロフォンの位置座標を記録する工程
図12に示すように、ハイドロフォン位置座標記録用の情報処理装置211のHDD257に格納されているコンピュータプログラムは、GPSであるGPSユニット171及びGPS受信機221が取得した船舶201と個々のブイ104bとの位置座標を取り込み、取り込んだそれぞれの位置座標に基づいて個々のハイドロフォン102の位置座標を算出する処理を情報処理部252のCPU251に実行させる。そしてCPU251に、すべてのハイドロフォン102の位置座標を時刻と対応づけてHDD257に記録する処理を実行させる。
処理の流れは次のとおりである。
情報処理部252は、予め決められた時間毎に位置座標を取り込む。そのためにCPU251は、RAM254のレジストエリアに記憶しているTの値を+1にして一つインクリメントし(ステップS201)、TがNに達したかどうかを判定する(ステップS202)。Nは位置座標を取り込むインターバルの周期を決定づける数値であり、60進法で表すと、TがNに達する時間は、例えば0.1mm秒程度である。この処理は、時計回路255のクロック信号から生成されたタイミング信号にしたがい実行される。
ステップS201とステップS202のNOとの繰り返しによってTがNに達する時間は、予め決められた位置座標の取り込み時間である。そこでCPU251は、TがNに達したと判定した場合(ステップS202のYES)、複数個のGPSユニット171とGPS受信機221とから位置座標を取得し(ステップS203)、個々のハイドロフォン102の位置座標を算出してHDD257に記録する(ステップS204)。その後CPU251は、RAM254のレジストエリアに記憶しているTの値を0にクリアし(ステップS205)、処理を終了する。CPU251は、ステップS201から始まる上記処理を繰り返す。
上記ステップS203で取得するデータは、より正確にはGPSユニット171及びGPS受信機221がGPS衛星から受信した電波に基づいて算出した受信時刻と受信位置座標である。そこで個々のハイドロフォン102の位置座標は、時刻に対応付けられて記録される。
つまり船舶201に搭載されている情報処理装置211に接続されているGPS受信機221は、複数個のGPS衛星からの電波を受信すると、正確な受信時刻と受信位置座標とを測位計算によって算出する。そこでGPS受信機221からは、このGPS受信機221が算出した受信時刻及び受信位置座標を取得することになる。これらの受信時刻及び受信位置座標は、一例として、I/O256を介してRAM254に取り込まれる。
これに対してGPSユニット171は、ブイ104bに一対一の関係で、ということはストリーマケーブル101に一対一の関係で設けられている。しかも情報処理装置211と有線で接続されているわけではない。そこで情報処理装置211は、無線通信装置231を介して個々のGPSユニット171を組み込んでいる測位データ提供装置173の無線通信ユニット172と通信を確立し、個々のGPSユニット171が算出した位置座標の送信を求める。あるいはGPSユニット171の自律動作によって、情報処理装置211に位置座標が送られてくる。このときGPSユニット171もGPS受信機221と同様に、複数個のGPS衛星からの電波を受信すると、正確な受信時刻と受信位置座標とを測位計算によって算出している。そこで個々のGPSユニット171からも、このGPSユニット171が算出した受信時刻及び受信位置座標を無線通信によって取得することになる。これらの受信時刻及び受信位置座標は、一例として、I/O256を介してRAM254に取り込まれる。
情報処理装置211のCPU251は、こうしてRAM254に取り込まれたGPS受信機221及びGPSユニット171の受信時刻及び受信位置座標に基づいてすべてのハイドロフォン102の位置座標を時刻とともに割り出し、これをHDD257に転送し記録する。
図13に示すように、HDD257に記録される位置座標は、時刻に対応づけられる。GPS受信機221及び個々のGPSユニット171から送信されるデータにはそもそも受信時刻が含まれている。そこで情報処理部252は、この受信時刻によって特定される時刻に対応させて、図12のステップS204で算出した個々のハイドロフォン102の位置座標を記録していく。こうしてハイドロフォン位置座標記録D2が作成され、このハイドロフォン位置座標記録D2はHDD257に時々刻々と蓄積されていく。
図13中に示されているように、個々のハイドロフォン102は四桁のID番号で表現されている。一桁目及び二桁目は、ハイドロフォン102を特定する番号である。本実施の形態では、一本のストリーマケーブル101について20個のハイドロフォン102が設けられているので、一桁目及び二桁目は、「01」から「20」となる。三桁目及び四桁目は、ストリーマケーブル101を特定する番号である。例えばID番号「0101」に記録される位置座標は、1番目のストリーマケーブル101の1番目のハイドロフォン102の位置座標、ID番号「0620」に記録される位置座標は、6番目のストリーマケーブル101の20番目のハイドロフォン102の位置座標を意味する。
上記ハイドロフォン102の位置座標を時刻とともに取得する目的は、図11に示す個々のハイドロフォン102の受振データ記録D1が海洋51中のどこの位置で何時に取得したものであるのかを特定するためである。
(e)ブーマーの位置座標を記録する工程
図14に示すように、ブーマー位置座標記録用の情報処理装置261のHDD277に格納されているコンピュータプログラムは、GPSであるGPS受信機281が取得したブーマー241の位置座標を取り込み、時刻と対応づけてHDD277に記録する処理を情報処理部272のCPU271に実行させる。
処理の流れは次のとおりである。
情報処理部272は、予め決められた時間毎に位置座標を取り込む。そのためにCPU271は、RAM274のレジストエリアに記憶しているTの値を+1にして一つインクリメントし(ステップS301)、TがNに達したかどうかを判定する(ステップS302)。Nは位置座標を取り込むインターバルの周期を決定づける数値であり、60進法で表すと、TがNに達する時間は、例えば例えば船舶201が5メートル進むのに必要な時間である。この処理は、時計回路275のクロック信号から生成されたタイミング信号にしたがい実行される。
ステップS301とステップS302のNOとの繰り返しによってTがNに達する時間は、予め決められた位置座標の取り込み時間である。そこでCPU271は、TがNに達したと判定した場合(ステップS302のYES)、ブーマー241に対して駆動信号を出力する(ステップS303)。そしてGPS受信機281から位置座標を取得し、このデータをHDD277に記録する(ステップS304)。その後CPU271は、RAM274のレジストエリアに記憶しているTの値を0にクリアし(ステップS305)、処理を終了する。CPU271は、ステップS301から始まる上記処理を繰り返す。
上記ステップS304で取得するデータは、より正確にはGPS受信機281がGPS衛星から受信した電波に基づいて算出した受信時刻と受信位置座標である。そこでブーマー241の位置座標は、時刻に対応付けられて記録される。
つまり船舶201に搭載されている情報処理装置261に接続されているGPS受信機281は、複数個のGPS衛星からの電波を受信すると、正確な受信時刻と受信位置座標とを測位計算によって算出する。そこでGPS受信機281からは、このGPS受信機281が算出した受信時刻及び受信位置座標を取得することになる。これらの受信時刻及び受信位置座標は、一例として、I/O276を介してRAM274に取り込まれる。
情報処理装置261のCPU271は、こうしてRAM274に取り込んだGPS受信機281の位置座標を時刻とともにHDD277に転送し記録する。
図15に示すように、HDD277に記録される位置座標は、時刻に対応づけられる。GPS受信機281から送信されるデータにはそもそも受信時刻が含まれている。そこで情報処理部272は、この受信時刻によって特定される時刻に対応させて、図14のステップS304で算出したブーマー241の位置座標を記録していく。こうしてブーマー位置座標記録D3が作成され、このブーマー位置座標記録D3はHDD277に時々刻々と蓄積されていく。
(3)ストリーマケーブルの撤去作業
観測作業が完了したら、ストリーマケーブル101を船舶201に引き上げ、設置作業と逆の手順で撤去を行う。
(a)ストリーマケーブルの撤去工程
つまり情報記録装置111からフロート104aを取り外し、図示しないリールでストリーマケーブル101を巻き取っていく。ストリーマケーブル101が70〜80メートル程度までの長さである場合にはリールを用いないので、手繰り寄せて船舶201に引き上げていく。そして測位データ提供装置173を取り付けたブイ104bを船舶201に引き上げ、連結具105を解いてストリーマケーブル101から取り外す。このような作業に前後して、ブーマー241も船舶201に引き上げ、回収する。
(b)記憶媒体の取り出し工程
このようなストリーマケーブル101の撤去作業に際して、情報記録装置111のSDカードリーダライタ158からSDカード158aを取り外す。SDカード158aの取り外しは、船舶201の船上で行うのみならず、別の場所で行うようにしてもよい。
B.データ処理・解析の段階
図11に示すハイドロフォン102の受振データ記録D1と図13に示す位置座標D2とを組み合わせることで、船舶201を航行させてストリーマケーブル101を曳航した海洋51上の各場所における受振データを得ることができる。このとき受振データ記録D1と位置座標D2とを組み合わせるキーとなる情報は、時刻である。時刻をキーとすることで、ハイドロフォン102の受振データに基づく反射波RWの観察がどこで行われたのかが判明する。
そこで図16に示すように、GPS受信機221及び複数個のGPSユニット171からの取得データに基づくハイドロフォン位置座標記録D2(図13参照)とGPS受信機281からの取得データに基づくブーマー位置座標記録D3とを組み合わせることで、位置座標データD4を生成することができる。位置座標データD4は、時刻毎に記録されたすべてのハイドロフォン102の位置座標と、時刻毎に記録されたブーマー241の位置座標とを統合させたデータである。
このような位置座標データD4は、例えば船舶201に搭載される二つの情報処理装置211,261の間でのデータ通信によってリアルタイムで生成される。あるいはこれらの情報処理装置211,261を船舶201から降ろした後、例えば処理センターなどで位置座標データD4を生成するようにしてもよい。位置座標データD4は、二つの情報処理装置211,261のいずれか一方でも、例えば処理センターなどに設置されているワークステーション(図示せず)を利用しても生成可能である。
こうして位置座標データD4が用意されれば、複数本のストリーマケーブル101に設けられた複数個のハイドロフォン102の受振データ記録D1(図11参照)と照らし合わせることで、海底面下53Uの地層構造の解析が可能となる。このような解析をするには、受振データ記録D1と位置座標データD4とを例えばワークステーションに取り込み、解析処理を実行させればよい。
ところで図17(a)に示すように、船舶201の航行方向から見て海底53や各地層54の境界面55が傾斜している場合、ハイドロフォン102の受振データに現われている弾性波EWの反射地点にずれが生ずる。ハイドロフォン102との間の距離は、その鉛直線上の海面52と平行になった海底53又は境界面55よりも、傾斜した海底53又は境界面55の方が短いので、弾性波EWは最短距離のA点で反射するからである。この場合、ストリーマケーブル101を一本だけしか用いない二次元調査のシステムでは、弾性波EWの反射位置は、常にハイドロフォン102の鉛直線上であると認識されるので、弾性波EWが実際に反射した位置を認識することはできない。したがって図17(a)に示す一例では、弾性波EWの反射位置はA´点であると誤認される。
これに対して図17(b)に示すように、本実施の形態の三次元反射法地震探査によれば、船舶201の航行方向から見てその直交する方向に複数本のストリーマケーブル101が配列されるため、個々のストリーマケーブル101に設けられたハイドロフォン102の受振データを比較参照することで、海底53における地層54の構造をより正確に把握することが可能となる。
C.地質解釈の段階
図16に示す解析処理によって海底面下53Uの地層構造が解析されたならば、例えば図18に例示するような地層54の画像を得ることができる。
こうした地層解釈は、例えば海底面下53Uに埋蔵されている石油やメタンハイドレードなどのエネルギー資源の探索、地震の発生メカニズムの解明や発生確率の予測などに活用することができる。例えば図18に例示する画像には、地層54のずれSが現われており、このずれSがどの地層から生じているかも一目瞭然である。そこでこのような画像を広範囲にわたって集積することで、地震の発生メカニズムの解明や発生確率の予測などに役立てることが可能となる。
4.効果
本実施の形態は、三次元反射法地震探査によって海底地層の調査を実行するので、図17(a)(b)を参照して説明したように、海底53における地層54の構造をより正確に把握することが可能である。その反面、従来の三次元反射法地震探査によれば、船舶に搭載されている情報処理装置に対するストリーマケーブルの電気的な接続が煩雑であり、ストリーマケーブルの設置作業に過大な作業負担が生じていた。
これに対して本実施の形態によれば、ストリーマケーブル101を海洋51に投じ、ロープなどの連結具103を介して船舶201の側につなぐだけでその設置作業を遂行することができるので、船舶201に対するストリーマケーブル101の設置作業の作業負担を大幅に軽減することができる。
より具体的な例として、例えば5メートル間隔でハイドロフォンを配置した100メートルのストリーマケーブルを船舶に六本セットする場合を想定する。この場合、ストリーマケーブル内の信号線を船舶に設置したコンピュータ(情報処理装置)に接続する従来の方式では、デジタル通信型のストリーマケーブルであっても、ストリーマケーブルの設置に二時間、撤収に一時間程度もの作業時間を要してしまう。アナログ通信型のストリーマケーブルを用いた場合には、さらに多くの時間が費やされる。これに対して本実施の形態の反射法地震探査システムによれば、ストリーマケーブル101がアナログ通信型であるとデジタル通信型であるとを問わず、ストリーマケーブル101の設置に三十分、撤収に二十分程度の時間で済んでしまう。
したがって本実施の形態によれば、従来の三次元反射法地震探査による海底地層の調査との比較で、作業時間を大幅に短縮することができる。このため作業労力の大幅な削減が可能になる。またこの種の調査は船舶201をレンタルして行うのが一般的であることを考慮すると、多大な経済的節約効果を期待することもできる。
本実施の形態によれば、ハイドロフォン102の受振データを情報記録装置111に対して着脱自在な記憶媒体、具体的にはSDカード158aに記録するようにしたので、記録した受振データを容易に可搬することができ、その取り扱い性を向上させることができる。
本実施の形態によれば、情報記録装置111の計時時刻をGPS受信機221に同期させるようにしたので、情報記録装置111の計時時刻の正確性を高めることができ、ハイドロフォン102の受振データをより正確な時刻に対応づけてSDカード158aに記録することが可能となる。その結果ハイドロフォン位置座標記録D2とブーマー位置座標記録D3とに基づいて生成される位置座標データD4(図16参照)の正確性が高まり、海底53における地層54の構造をより正確に把握することが可能となる。
本実施の形態によれば、フロート104aが取り付けられた情報記録装置111に連結具103をつなぐことによって、ストリーマケーブル101を容易に船舶201につなぐことができる。これによってシステム構成が簡略化され、船舶201に対するストリーマケーブル101の設置作業の作業負担をより一層軽減することができる。
本実施の形態によれば、フロートFLの浮力によって個々のハイドロフォン102の水深が海面52の近く、例えば0.1メートル程度の水深に維持されるようにしたので、精度の高い受振データを得ることができる。以下、その理由を説明する。
図2及び図19に示すように、ブーマー241に音波を放出させることによって生ずる弾性波EWは、海洋51内において、海底53及び地層54の境界面55を反射して反射波RWとなる。ここではモデルを単純化するために、境界面55を反射した反射波RWを捨象して説明する(図19参照)。ストリーマケーブル101に設けられたハイドロフォン102は、この反射波RWを受けて受振信号を生成する。ところが反射波RWは、海面52でも反射する。このためハイドロフォン102が受ける反射波RWは、海底53を反射して直接ハイドロフォン102に到達した反射波RWのみならず、海底53を反射した後にさらに海面52を反射した反射波RWも含まれることになる。図19中、海面52を反射してハイドロフォン102に受信される反射波を反射波RWgとして示す。
このような現象によって、海面52上には、実体を伴う現実のストリーマケーブル101と対称をなす位置に、虚像としてのミラーケーブル101Mが現出する。ここで現出といっているのは、あたかもミラーケーブル101Mにもハイドロフォン102が設けられているかのように、ハイドロフォン102の受振信号に反射波RWgの影響が現われることを意味している。このようなミラーケーブル101Mは、海底53を反射してから海面52を反射してハイドロフォン102に到達する反射波RWgの長さと等長の位置、つまり海面52を介してストリーマケーブル101と対称形をなす位置に虚像化される。
ハイドロフォン102が二つの反射波RW,RWgを受けた場合の問題は、ノッチ周波数が生ずることである。ノッチ周波数は、二つの反射波RW,RWgの干渉によって発生する成分で、ハイドロフォン102の受振信号を変容させる要素となる。このためハイドロフォン102の受振信号に基づく海底面下53Uの地層構造の分析に際して、ノッチ周波数は、精密な解析処理を妨げる。
表1に示すように、ノッチ周波数が生ずる周波数帯は、ハイドロフォン102による反射波RWの観測水深に依存して変動する。ハイドロフォン102の水深、換言するとストリーマケーブル101の深度が浅くなればなるほど、実体あるストリーマケーブル101と虚像としてのミラーケーブル101Mとの間の距離が短くなるため、ノッチ周波数は高くなる。例えばケーブル深度が1メートルのとき、ノッチ周波数は750ヘルツであったものが、ケーブル深度が0.5メートルになるとノッチ周波数は1500ヘルツ、0.2メートルになると3750ヘルツという具合にノッチ周波数が上昇する。
Figure 2019015543
一般論として、ハイドロフォン102の受振信号は、周波数帯が広がれば広がるほど多くの情報を含んでいる。そこでハイドロフォン102の受振信号に基づく海底面下53Uの地層構造の分析に際しては、受振信号のうちより幅広い周波数帯まで使用することで、より精密な分析結果を得ることができる。
ところが問題はノッチ周波数である。使用する受振信号の周波数範囲にノッチ周波数が含まれていると、精密な解析処理を妨げることは前述したとおりである。そこでノッチ周波数が含まれない周波数帯のみ使用すればよいのだが、ケーブル深度が例えば1メートルのときのノッチ周波数が750ヘルツ、0.5メートルでも1500ヘルツであることを考えると、ノッチ周波数が含まれている周波数帯の受振信号を使わざるを得ないのが現実である。
これに対して本実施の形態の場合、フロートFLの浮力によって、個々のハイドロフォン102の水深を0.1メートル程度に維持することが可能である。このためノッチ周波数は7500ヘルツとなるため、ノッチ周波数の影響を受けることなく、多くの情報を内在する7500ヘルツもの周波数領域まで含む受振信号を用いて地層構造の分析を行うことができる。したがって地層構造を高い精度で分析することが可能となる。
本実施の形態によれば、ブイ104bに測位データ提供装置173を取り付けたので、ストリーマケーブル101の末端部分の位置座標を容易に取得することができる。このときシステム構成も簡略化されることから、船舶201に対するストリーマケーブル101の設置作業の作業負担をより一層軽減することができる。
加えて、船舶201の船体201aに設置したGPS受信機221が取得した位置座標も情報処理装置211に取り込ませるようにしたので、個々のハイドロフォン102の位置座標をより正確に分析させることができる。その結果ハイドロフォン位置座標記録D2(図13参照)の正確性が高まり、海底53における地層54の構造をより正確に把握することが可能となる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態を図20ないし図22に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
図20に示すように、本実施の形態は、ストリーマケーブル101の根元部分に取り付けられる機器を情報記録装置111ではなしに、無線通信機401とした一例である。
図21に示すように、無線通信機401は、多くの点で情報記録装置111とハードウェア構成を共通にしている。相違するのは、SDカードリーダライタ158に代えて、無線通信ユニット411をI/O156のIOポート156aに接続した点である。
無線通信ユニット411は、海上で数十メートル程度の通信距離を保証し、予め定められたプロトコルにしたがい無線通信を実行する。例えばWiFi(登録商標)を利用した通信システムを無線通信ユニット411として利用することができる。
第1の実施の形態の情報記録装置111ともう一つの相違する点は、EEPROM153に格納した動作プログラムである。前述したとおり、切換回路157の出力ポート161から出力されたハイドロフォン102のアナログ出力信号は、増幅器162で増幅され、フィルタ163で雑音が除去され、AD/C164によってデジタル変換される。このとき無線通信機401のEEPROM153に格納されている動作プログラムは、情報処理部152に無線通信ユニット411を駆動させ、デジタル変換されたハイドロフォン102の出力信号を受振データとして無線送信させる。あて先は情報処理装置211の無線通信装置231である。
情報処理部152の処理内容をより詳しく説明する。
図22に示すように、情報処理部152は、予め決められた時間毎に受振データを取り込む。そのためにCPU151は、RAM154のレジストエリアに記憶しているTの値を+1にして一つインクリメントし(ステップS151)、TがNに達したかどうかを判定する(ステップS152)。この処理は、時計回路155のクロック信号から生成されたタイミング信号にしたがい実行される。
ステップS151とステップS152のNOとの繰り返しによってTがNに達する時間は、予め決められたハイドロフォン102の受振データの取り込み時間である。そこでCPU151は、TがNに達したと判定した場合(ステップS152のYES)、切換回路157の制御ポート157aに駆動信号を出力する(ステップS153)。
ステップS153で出力された駆動信号を制御ポート157aに入力した切換回路157は、前述したように、1番からN番までの入力ポート159に対応するハイドロフォン102の出力信号を出力ポート161から出力する。
出力されたハイドロフォン102の出力信号は、増幅器162で増幅され、フィルタ163で雑音が除去され、AD/C164でデジタル変換される。デジタル変換されたハイドロフォン102の出力信号は、受振データとなる。
そこでCPU151は、ハイドロフォン102の出力信号がAD/C164でデジタル変換されたかどうかの判定に待機している(ステップS154)。デジタル変換されたと判定した場合(ステップS154のYES)、CPU151は無線通信ユニット411を駆動し、デジタル変換された受振データを無線送信させる(ステップS155)。
CPU151は、最終となるN番目のハイドロフォン102の出力信号がデジタル変換されるまで上記ステップS154及びS155の処理を繰り返す(ステップS156)。そしてN番目の出力信号がデジタル変換されたことを判定すると(ステップS156のYES)、RAM154のレジストエリアに記憶しているTの値を0にクリアし(ステップS157)、処理を終了する。CPU151は、ステップS151から始まる上記処理を繰り返す。
したがって無線通信機401は、予め決められたタイミングで、デジタル変換されたハイドロフォン102の出力信号を受振データとして情報処理装置211にシリアル転送する。
無線通信装置231を介して受振データを無線で受信した情報処理装置211の情報処理部252は、RAM254のワークエリアを利用して、時刻に対応づけて受信した受振データを一時的に記憶する。このときの時刻は、GPS受信機221から得た時刻であり、精度が高い。そして1番目からN番目までの受振データをすべて受信した情報処理部252は、RAM254に一時記憶したデータをHDD257に転送する。このようなデータ転送は、すべてのストリーマケーブル101に設けられたハイドロフォン102について実行される。これによって情報処理部252は、すべてのハイドロフォン102の受振データを時刻に対応づけた受振データ記録D1をHDD257に記録する。このときの記録フォーマットは、図11に示したものと同様である。
以上述べたように、第2の実施の形態によれば、ハイドロフォン102の受振データは、速やかに情報処理装置211の無線通信装置231に送信され、HDD257に記録される。したがって図13に示す位置座標D2のみならず、図11に示す受振データ記録D1も情報処理装置211のHDD257に記録される。
したがって本実施の形態によれば、ストリーマケーブル101を曳航しての観測作業が終了したとき、受振データ記録D1と位置座標D2とを情報処理装置211のHDD257に集約することができ、その後のデータの取り扱いの容易化を図ることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態を図23に基づいて説明する。第1及び第2の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
本実施の形態は、複数本のストリーマケーブル101を予め決められた間隔で並列に曳航する並列機構の一例であり、上記二つの実施の形態のようにパラベイン301を用いるのではなく、船舶201に設置した二基のオーシャンクレーン311を並列機構として用いている。
オーシャンクレーン311はそれぞれ、船舶201に垂直に設置された支軸312を備え、この支軸312の上部にアーム313を回転自在に取り付けている。したがってアーム313は、支軸312を中心に水平方向に回転することで、自由にその向きを変えることができる。
またアーム313は複数個設けられており、伸縮機構314によって伸縮自在にされている。つまり複数個のアーム313は入れ子状に収納され、必要に応じて伸縮させることができるようになっている。
このような構成において、ストリーマケーブル101を船舶201につなぎ止めるには、二基のオーシャンクレーン311のそれぞれのアーム313を回転させ、船舶201の進行方向と直交する方向にその向きを定める。このとき必要に応じて伸縮機構314によってアーム313を引き出して長さを定めておく。アーム313の長さは、それぞれのストリーマケーブル101の間に保ちたい間隔によって決定する。これによって一対のアーム313は、海洋51の方向に向けて鳥が羽根を拡げたような形状となる。
そこで連結具103を介して個々のストリーマケーブル101をアーム313につなぎ止めれば、ストリーマケーブル101を船舶201につなぐ工程が完了する。このとき個々の連結具103をアーム313につなぐ間隔は、曳航する際に個々のストリーマケーブル101の間に保ちたい間隔とする。この状態で船舶201を航行させれば、意図する間隔を保ちながら個々のストリーマケーブル101を曳航することが可能となる。
本実施の形態は、四本までのストリーマケーブル101を曳航するのに適している。逆にいうと、曳航するストリーマケーブル101が四本までであれば、パラベイン301を用いることなく、意図する間隔を保たせながらストリーマケーブル101を曳航することができる。
ストリーマケーブル101を船舶201につなぐに際しては、パラベイン301が作業負担を増大させる原因となる。パラベイン301は人の背丈ほどもある大きさの重量物であり、その取扱い作業も一人では遂行し得ないからである。本実施の形態では、このようなパラベイン301を用いることがない分、ストリーマケーブル101の設置及び撤去の作業を容易にし、その際の作業時間も短縮することができる。
[変形例]
実施に際しては、各種の変形や変更が許容される。
例えば図24に示すように、複数本のストリーマケーブル101を予め決められた間隔で並列に曳航する並列機構としては、パラベイン301やオーシャンクレーン311を用いることなく、船舶201に設置した一対のアーム331に、連結具103を介してストリーマケーブル101をつないでもよい。一対のアーム331は、船舶201の進行方向に対して直交する方向に延びている固定構造物である。そこで個々のストリーマケーブル101の間に保ちたい間隔、例えば5メートルの間隔で連結具103をアーム331に結びつけることによって、その意図する間隔をもって並列した状態でストリーマケーブル101を曳航することが可能となる。
また上記実施の形態では、無線通信機401は、ストリーマケーブル101の根元側に予め接続されている一例を示したが、実施に際してはこれに限ることなく、例えば船舶201の船上での作業として、ストリーマケーブル101の根元側に無線通信機401を接続するようにしてもよい。ただしこの場合には、無線通信機401が備える切換回路157の入力ポート159に対して、ストリーマケーブル101が内蔵する図示しない信号線を正しく接続する必要がある。それでも信号線を接続すべき無線通信機401は、図7に示すように比較的小型で可搬性があるため、船舶201に設置される情報処理装置211の側の機器に接続する従来方式に比べ、その作業性は良好である。
またハイドロフォン102の受振データを記録する無線通信機401の記憶媒体としては、SDカード158aに限らず、USBメモリ、フラッシュメモリ、HDD、SSDなど、さまざまな記憶媒体を用いることが可能である。この点は位置座標を記録する情報処理装置211の記憶装置についても同様で、HDD257のみならず、USBメモリ、SDカード、フラッシュメモリ、SDD、磁気テープなどの各種の記憶媒体を用いることが可能である。
また上記実施の形態では、ストリーマケーブル101としてアナログ通信型のものを用いたが、実施に際してはこれに限ることなく、AD/Cを内蔵するデジタル通信型のものを用いてもよい。この場合、AD/Cの出力側に接続された一本又は数本のデジタル信号線だけが情報記録装置111(第1の実施の形態の場合)、無線通信機401(第2の実施の形態の場合)に接続される。
その他、あらゆる変形や変更が許容される。
51 海洋
53 海底
101 ストリーマケーブル
102 ハイドロフォン
103 連結具
104a フロート
104b ブイ
111 情報記録装置
158a SDカード(記憶媒体)
171 GPSユニット(GPS)
201 船舶
201a 船体
221 GPS受信機(GPS)
241 ブーマー(人工震源)
257 HDD(記憶装置)
301 パラベイン(並列機構)
313 アーム(並列機構)
331 アーム(並列機構)
401 無線通信機
FL フロート
EW 弾性波
MB 移動体

Claims (17)

  1. 予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、個々の前記ハイドロフォンに有線で接続されて記憶媒体に情報を記録する情報記録装置とを備える複数本のストリーマケーブルを船舶から海洋に投じる工程と、
    連結具を介して前記ストリーマケーブルを前記船舶につなぐ工程と、
    前記船舶につながれた前記ストリーマケーブルを並列に曳航する工程と、
    前記船舶に曳航させた人工震源を駆動し、弾性波を生じさせる工程と、
    前記情報記録装置によって、個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データをその受信の際の時刻と対応づけて前記記憶媒体に記録する工程と、
    情報処理装置によって、前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標を取り込む工程と、
    情報処理装置によって、駆動された際の前記人工震源の位置座標を取り込む工程と、
    を備えることを特徴とする反射法地震探査方法。
  2. 前記記憶媒体は、前記情報記録装置に対して着脱自在である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射法地震探査方法。
  3. 前記情報記録装置の計時時刻を前記GPSに同期させる工程をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の反射法地震探査方法。
  4. 予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、個々の前記ハイドロフォンに有線で接続されて前記ハイドロフォンの出力信号を無線で送信出力する無線通信機とを備える複数本のストリーマケーブルを船舶から海洋に投じる工程と、
    連結具を介して前記ストリーマケーブルを前記船舶につなぐ工程と、
    前記船舶につながれた前記ストリーマケーブルを並列に曳航する工程と、
    前記船舶に曳航させた人工震源を駆動し、弾性波を生じさせる工程と、
    情報処理装置によって、前記無線通信機が無線で送信出力した個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データと、前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標と、駆動された際の前記人工震源の位置座標とを取り込む工程と、
    を備えることを特徴とする反射法地震探査方法。
  5. 前記ストリーマケーブルの根元部分に配置された前記情報記録装置に前記連結具をつなぐことによって前記ストリーマケーブルを前記船舶につなぐ、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の反射法地震探査方法。
  6. 前記ストリーマケーブルにおける前記ハイドロフォンの配置箇所をフロートで浮かせる、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の反射法地震探査方法。
  7. 前記ストリーマケーブルの末端側のブイに設置された前記GPSが取得した位置座標を前記情報処理装置に向けて無線送信するようにした、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の反射法地震探査方法。
  8. 前記船舶の船体に設置した前記GPSが取得した位置座標を前記情報処理装置に取り込ませるようにした、
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一に記載の反射法地震探査方法。
  9. 前記連結具を介して、前記船舶に設置したオーシャンクレーンに前記ストリーマケーブルをつなぐ、
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一に記載の反射法地震探査方法。
  10. 船舶と、
    予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、有線で受信した個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データをその受信の際の時刻と対応づけて記憶媒体に記録する情報記録装置とを備え、海洋に投じられて連結具を介して船舶につながれた複数本のストリーマケーブルと、
    前記船舶につながれて曳航される前記ストリーマケーブルを並列させる並列機構と、
    前記船舶に曳航され、弾性波を生じさせる人工震源と、
    前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標と、駆動された際の前記人工震源の位置座標とを取り込む情報処理装置と、
    を備えることを特徴とする反射法地震探査システム。
  11. 前記記憶媒体は、前記情報記録装置に対して着脱自在である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の反射法地震探査システム。
  12. 船舶と、
    予め決められた間隔で配置したハイドロフォンと、有線で受信した個々の前記ハイドロフォンの出力信号を無線で送信出力する無線通信機とを備える複数本のストリーマケーブルとを備え、海洋に投じられて連結具を介して船舶につながれた複数本のストリーマケーブルと、
    前記船舶につながれて曳航される前記ストリーマケーブルを並列させる並列機構と、
    前記船舶に曳航され、弾性波を生じさせる人工震源と、
    前記無線通信機が無線で送信出力した個々の前記ハイドロフォンの出力信号に基づく受振データと、前記船舶とその曳航物とを含む移動体に設置されたGPSが取得した位置座標と、駆動された際の前記人工震源の位置座標とを取り込む情報処理装置と、
    を備えることを特徴とする反射法地震探査システム。
  13. 前記ストリーマケーブルは、その根元部分に配置された前記情報記録装置につながれた前記連結具によって前記船舶につながれている、
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の反射法地震探査システム。
  14. 前記ストリーマケーブルにおける前記ハイドロフォンの配置箇所に取り付けられたフロートをさらに備えている、
    ことを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一に記載の反射法地震探査システム。
  15. 前記GPSは、前記ストリーマケーブルの末端側のブイに設置されている、
    ことを特徴とする請求項10ないし14のいずれか一に記載の反射法地震探査システム。
  16. 前記GPSは、前記船舶の船体に設置されている、
    ことを特徴とする請求項10ないし15のいずれか一に記載の反射法地震探査システム。
  17. 前記船舶に設置され、前記連結具を介して前記ストリーマケーブルをつなぐオーシャンクレーンをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項10ないし16のいずれか一に記載の反射法地震探査システム。
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