JP2019014953A - 鋼材の温度予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、加熱炉内の鋼材温度を精度良く予測できる鋼材の温度予測方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、火口の中心軸が鋼材の搬送方向となるよう配設される1又は複数の軸流バーナーを備える連続加熱炉から出炉される鋼材の温度予測方法であって、加熱炉内の炉長方向における各位置で、上記軸流バーナーの火炎長が基準長であるときの鋼材の基準総括熱吸収率を取得する工程と、上記基準総括熱吸収率取得工程で取得した各位置の基準総括熱吸収率を上記基準長に対する火炎長比により補正する工程と、加熱炉内の炉長方向に離間して複数設けられた測温器により加熱炉内の雰囲気温度を取得する工程と、上記補正工程後の総括熱吸収率及び上記温度取得工程で取得した炉内温度に基づき加熱炉内の炉長方向における各位置での鋼材の温度を予測する工程とを備える。上記基準長が軸流バーナーの最大火炎長であるとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材の温度予測方法に関する。
鋼材を連続加熱炉等で加熱する際、加熱炉から抽出した直後の鋼材温度は、鋼材の品質を決定する上で非常に重要な要素である。この抽出後の鋼材温度の目標とする温度からの偏差が大きいと、所望の機械特性が得られなくなる可能性がある。
加熱炉抽出後の鋼材温度は、加熱炉内での鋼材温度履歴により決まるので、製品の品質を担保するためには、加熱炉内における鋼材の温度履歴をオペレータが適切に制御する必要がある。
オペレータが温度履歴を適切に制御するには、高精度の鋼材の温度予測が必要である。一方で、生産性の観点からは温度予測の時間及びコストを抑制する必要もある。そこで、温度予測は、一般には加熱炉内の炉長方向に離間して数カ所に設けられた測温器により測温した加熱炉内の雰囲気温度を用いて行われる。この加熱炉内の雰囲気温度を元に、総括熱吸収率(炉から鋼材への熱伝達効率)を求めて鋼材の温度を予測する。
この総括熱吸収率は、予め鋼材の加熱実験を行うことで算出した値を基準総括熱吸収率として用いるが、そのまま用いると個々の鋼材の加熱条件の差により誤差が生じる。このため、総括熱吸収率には、基準総括熱吸収率から補正された値が用いられる。この補正の方法としては、例えば連続式加熱炉から抽出される鋼材の温度を検出し、この鋼材の温度予測値との偏差に応じて総括熱吸収率の補正を行う方法が提案されている(特開昭58−19435号公報)。
この従来の補正方法では、加熱条件が同一であれば基本的には実測値に合う方向に補正が行われる。しかしながら、目標抽出温度が変化した場合や燃料流量が大きく変化した場合など、加熱条件に変化が発生した場合、この従来の補正方法では、その影響を正確に総括熱吸収率の補正に反映させることが難しく、温度予測の高精度化には限度がある。
特開昭58−19435号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、加熱炉内の鋼材温度を精度良く予測できる鋼材の温度予測方法の提供を目的とする。
図2に本発明の対象とする加熱炉の一例を示す。この加熱炉では、鋼材Aの搬送面10の上側及び/又は下側に鋼材Aの搬送方向(図中矢印方向)と垂直方向に火口が対向する複数対のいわゆるサイドバーナー1aと、火口の中心軸が略水平かつ鋼材の搬送方向の加熱炉抽出口から加熱炉装入口に向けて配設される1又は複数の軸流バーナー1bとを備える。なお、略水平とは、水平に対してバーナーの火炎が鋼材に接触する角度をθとするとき、水平を基準とする傾きの絶対値がθ以下である方向を意味する。本発明者らは、温度予測の高精度化について鋭意検討を行った結果、この加熱炉の軸流バーナー1bに着目した。この軸流バーナー1bの火炎長は、例えば加熱炉抽出後の鋼材温度の目標値に応じて変化する。一方、加熱炉内の雰囲気温度を測温する測温器の位置は変わらないので、火炎長の先端と測温器との位置関係は図4に示すように火炎長により変化する。一般に隣接する測温器間の温度は線形補間により算出される場合が多いが、例えば図4(a)のように火炎の先端が加熱炉装入口側の測温器に近い場合、実際の炉内温度は線形補間で算出した炉内温度より高い方向へずれ易い。逆に、図4(b)のように火炎の先端が加熱炉抽出口側の測温器に近い場合、実際の炉内温度は線形補間で算出した炉内温度より低い方向へずれ易い。本発明者は、このように火炎長の違いにより火炎先端と測温器との相対関係が変化し、実際の炉内温度と補間で算出した炉内温度との乖離状態が変化することを知得した。そして、本発明者は、この影響を総括熱吸収率の補正に反映させることで、加熱炉内の鋼材温度の予測を高精度化できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、火口の中心軸が鋼材の搬送方向となるよう配設される1又は複数の軸流バーナーを備える連続加熱炉から出炉される鋼材の温度予測方法であって、加熱炉内の炉長方向における各位置で、上記軸流バーナーの火炎長が基準長であるときの鋼材の基準総括熱吸収率を取得する工程と、上記基準総括熱吸収率取得工程で取得した各位置の基準総括熱吸収率を上記基準長に対する火炎長比により補正する工程と、加熱炉内の炉長方向に離間して複数設けられた測温器により加熱炉内の雰囲気温度を取得する工程と、上記補正工程後の総括熱吸収率及び上記温度取得工程で取得した炉内温度に基づき加熱炉内の炉長方向における各位置での鋼材の温度を予測する工程とを備える。
当該鋼材の温度予測方法では、火炎長の違いにより火炎先端と測温器との相対関係が変化し、実際の炉内温度と補間で算出した炉内温度とが乖離する影響を総括熱吸収率の補正に反映させる。従って、当該鋼材の温度予測方法は、精度が高い。
上記基準長が軸流バーナーの最大火炎長であるとよい。このように基準長を軸流バーナーの最大火炎長とすることで、補正工程で用いる補正係数が比較的滑らかに変化するため、補正係数の調整が容易化される。ここで、「軸流バーナーの最大火炎長」とは、軸流バーナーの総燃焼量が最大となるときの軸流バーナーの火炎長(軸流バーナーが複数ある場合は、その平均火炎長)を指す。
上記温度予測工程において、上記温度取得工程で取得した炉内温度の線形補間により算出した各位置の炉内温度を用いるとよい。当該鋼材の温度予測方法は、実際の炉内温度と補間で算出した炉内温度との乖離を総括熱吸収率の補正により吸収するので、炉内温度として線形補間により算出した各位置の炉内温度を用いても鋼材の温度予測精度が高い。また、一般に隣接する測温器間の温度は線形補間により算出されるので、既存の鋼材の温度予測システムに対して、当該鋼材の温度予測方法を組み込み易い。
本発明の鋼材の温度予測方法は、軸流バーナーの火炎長を変化させた場合においても加熱炉内の鋼材温度を精度良く予測できる。
本発明の一実施形態に係る鋼材の温度予測方法の手順を示すフロー図である。 加熱炉内のバーナーの配置を説明する上面図である。 加熱炉内のバーナーの配置を説明する側面図である。 火炎長と測温器との位置関係に基づく炉内温度を説明する図であり、(a)は火炎の先端が加熱炉装入口側の測温器に近い場合、(b)は火炎の先端が加熱炉抽出口側の測温器に近い場合の説明図である。 補正係数K(d,f)の例を示すグラフである。 実施例におけるゾーン毎の基準総括熱吸収率を示すグラフである。 実施例におけるゾーン毎の補正係数を示すグラフである。 実施例における予測温度と実測値との差の絶対値の平均値のグラフである。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
当該鋼材の温度予測方法は、火口の中心軸が鋼材の搬送方向となるよう配設される1又は複数の軸流バーナーを備える連続加熱炉から出炉される鋼材の温度予測方法である。当該鋼材の温度予測方法は、図1に示すように初期条件設定工程S1と、基準総括熱吸収率取得工程S2と、補正工程S3と、温度取得工程S4と、温度予測工程S5とを主に備える。
当該鋼材の温度予測方法は、軸流バーナーを備える公知の加熱炉に適用できる。具体的には、例えば図2及び図3に示すように、鋼材Aの搬送面10の上側及び/又は下側に鋼材Aの搬送方向(図中矢印方向)と垂直方向に火口が対向する複数対のサイドバーナー1aと、火口の中心軸が略水平かつ鋼材Aの搬送方向の加熱炉抽出口から加熱炉装入口に向けて配設される1又は複数の軸流バーナー1bとを備える加熱炉が用いられる。なお、搬送面10は、鋼材Aをウォーキングビームにより搬送する面である。
図2及び図3では、搬送面10の上方及び下方の搬送方向下流側に2対のサイドバーナー1aと4対の軸流バーナー1bとを配設しているが、サイドバーナー1aや軸流バーナー1bの数や位置はこれに限定されない。また、加熱炉は図2及び図3に示す構成を1つの加熱ゾーンとし、複数の加熱ゾーンを有する構成としてもよい。なお、複数対のバーナーの搬送方向の間隔は適宜設計することができる。
当該鋼材の温度予測方法が対象とする鋼材Aの形状は特に限定されず、当該鋼材の温度予測方法は、線材、棒鋼、鋼板等に適用が可能である。また、当該鋼材の温度予測方法で用いる加熱炉は他の加熱炉と組み合わせて使用できる。なお、鋼材Aの最終加熱温度は例えば900℃以上1300℃以下である。
上記加熱炉は、図3に示すように加熱炉内の炉長方向に離間して配設された複数の測温器2を有する。測温器2としては、例えば公知の熱電対を用いることができる。
図3では、搬送面10の上方及び下方に3対の測温器2が設けられているが、加熱炉内の雰囲気温度分布を取得できる限り、その位置や数は限定されない。ただし、測温器2の設置費用やメンテナンス性を考慮すると、3対以上8対以下とすることが好ましい。
<初期条件設定工程>
初期条件設定工程S1では、鋼材Aの加熱条件を主に設定する。具体的には、鋼材Aの種類及び加熱初期温度、在炉時間、加熱炉内温度等を設定する。
<基準総括熱吸収率取得工程>
基準総括熱吸収率取得工程S2では、加熱炉内の炉長方向における各位置で、上記軸流バーナー1bの火炎長が基準長であるときの鋼材Aの基準総括熱吸収率を取得する。
この基準総括熱吸収率は、例えば実際に鋼材Aを加熱炉で所定の燃焼量で加熱した際の温度を実測し、この測定値から計算により求めることができる。
ここで、加熱炉内の搬送方向位置dにおける総括熱吸収率φCG(d)は下記式(1)の関係における係数である。
Figure 2019014953
上記式(1)中、q[W/m]は鋼材への熱流束、σ[W/m/K]はステファンボルツマン定数、T[K]は炉内温度、T[K]は鋼材表面温度である。
基準総括熱吸収率を鋼材表面温度の実測値から求める場合、温度は例えば鋼材Aに埋め込んだ熱電対で測定することができる。得られた鋼材温度と、炉内温度、入熱量等とを用いて、式(1)から総括熱吸収率φCGを算出し、基準総括熱吸収率とする。
鋼材Aの基準総括熱吸収率を取得する際の火炎長の基準長は、軸流バーナー1bの最大火炎長であるとよい。基準長を軸流バーナー1bの最大火炎長とすることで、後述する補正係数K(d,f)が比較的滑らかに変化するため、補正係数K(d,f)の調整が容易化される。
<補正工程>
補正工程S3では、基準総括熱吸収率取得工程S2で取得した各位置の基準総括熱吸収率φCGを上記基準長に対する火炎長比により補正する。
本発明者は、火炎長の違いにより火炎先端と測温器2との相対関係が変化し、実際の炉内温度と補間で算出した炉内温度との乖離状態が変化することを知得している。そして、本発明者は、この影響を総括熱吸収率の補正に反映させることで、加熱炉内の鋼材温度を精度良く予測できることを見出している。
基準総括熱吸収率φCGの補正は、下記式(2)により行うことができる。
Figure 2019014953
上記式(2)中、φCG BASE(d)は、基準総括熱吸収率取得工程S2で取得した基準総括熱吸収率である。また、K(d,f)は補正係数であり、fは基準長に対する火炎長比を表す。
補正係数K(d,f)は、予め取得しておく。補正係数K(d,f)は、例えば図5に示すように火炎長比fをパラメータとして実際に鋼材Aを加熱炉で所定の燃焼量で加熱した際の温度を実測し、この測定値から計算により求めることができる。あるいは、火炎長比fを変更した場合の数値解析や実績データから算出することも可能である。
軸流バーナー1bの火炎長の影響が生じるのは、火炎長を最大火炎長とした際に影響が生じる位置(以下、単に「火炎影響限界位置」ともいう)よりも下流側に限定されるので、火炎影響限界位置よりも加熱炉抽出口側についてのみ補正係数K(d、f)を算出すればよい。火炎影響限界位置よりも加熱炉装入口側については、補正係数K(d,f)は、1である。
補正係数K(d,f)は、上述のように例えば実測により準備されるので、搬送方向位置d及び火炎長fをパラメータとした離散的な数値データとして準備される場合がある。このような場合、任意の搬送方向位置d及び火炎長fにおける補正係数K(d,f)を取得するには、例えば近傍の数値データからの補間を用いることができる。
<温度取得工程>
温度取得工程S4では、加熱炉内の炉長方向に離間して複数設けられた測温器2により加熱炉内の雰囲気温度(炉内温度T)を取得する。
なお、図1では、補正工程S3の後に温度取得工程S4を行っているが、これらの工程は逆順に行ってもよく、同時に行ってもよい。
<温度予測工程>
温度予測工程S5では、補正工程S3後の総括熱吸収率φCG NEW(d)及び温度取得工程S4で取得した炉内温度Tに基づき加熱炉内の炉長方向における各位置dでの鋼材Aの温度を予測する。
温度予測の方法としては、公知の二次元熱伝導方程式を用い、上記(1)式及び初期条件設定工程S1で設定した条件を境界条件として搬送方向位置dにおける鋼材Aの表面から内部までの温度分布を求める。上記二次元熱伝導方程式は、下記式(3)で表される。
Figure 2019014953
上記式(3)中、ρ[g/m]は鋼材の密度、c[J/g/K]は鋼材の比熱、T[K]は鋼材の温度[K]、δtは微小時間[s]、δx、δyは微小区間[m]、λx、λy[W/m/K]はx方向又はy方向の熱伝導率である。
なお、総括熱吸収率φCG NEW(d)は、鋼材Aの部位ごとに求めることが好ましい。例えば図2及び図3の加熱炉で鋼材Aを加熱する場合、鋼材Aの上面、下面及び側面で別々に基準総括熱吸収率φCG BASE(d)及び補正係数K(d,f)を取得することが好ましい。
搬送方向位置dの炉内温度Tについて加熱炉内で測温器2は離間して設けられているので、実測できる雰囲気温度Tは限定される。温度予測工程S5では、実測ができない搬送方向位置dの炉内温度Tも用いる。このため、実測ができない搬送方向位置dの炉内温度Tは、補間により求める。
上記補間方法としては、特に限定されないが、温度取得工程S4で取得した炉内温度の線形補間により算出した各位置dの炉内温度Tを用いるとよい。当該鋼材の温度予測方法は、実際の炉内温度と線形補間で算出した炉内温度との誤差を総括熱吸収率の補正により吸収するので、炉内温度として線形補間により算出した各位置の炉内温度を用いても鋼材Aの温度予測精度が高い。また、一般に隣接する測温器間の温度は線形補間により算出されるので、既存の鋼材の温度予測システムに対して、当該鋼材の温度予測方法を組み込み易い。
また、加熱炉装入口と、最も加熱炉装入側に位置する測温器2との間の炉内温度Tは、最も加熱炉装入側に位置する測温器2の温度で代表し、最も加熱炉抽出側に位置する測温器2と加熱炉抽出口との間の炉内温度Tは、最も加熱炉抽出側に位置する測温器2の温度で代表するとよい。
上記式(3)の微分方程式の解法としては、例えば差分法を用いることができる。差分法では、加熱炉を炉長方向に等長のゾーンにn分割し、各ゾーンZの中央位置における搬送方向位置dを代表値として、微分方程式を差分方程式に変換して、各ゾーン毎に鋼材Aの予測温度を算出する。ゾーンの分割数nとしては、予測精度や計算効率の観点から50以上100以下が好ましい。
この温度予測工程S5で得られた出炉される鋼材Aの予測温度と目標値との偏差が大きい場合は、例えば軸流バーナー1bの火炎長を調整する。このように軸流バーナー1bの火炎長を調整を行った場合は、補正工程S3、温度取得工程S4、及び温度予測工程S5を再度行う。そして、鋼材Aの予測温度と目標値との偏差が所望の差以下となるまで、調整と、補正工程S3、温度取得工程S4、及び温度予測工程S5の再実行とを繰り返す。
<利点>
当該鋼材の温度予測方法では、火炎長の違いにより火炎先端と測温器2との相対関係が変化し、実際の炉内温度と補間で算出した炉内温度とが乖離する影響を総括熱吸収率の補正に反映させる。従って、当該鋼材の温度予測方法は、精度が高い。
[その他の実施形態]
本発明の鋼材の温度予測方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、当該鋼材の温度予測方法は必要に応じて上述以外の工程を備えてもよい。
上記実施形態では、基準総括熱吸収率φCG BASE(d)及び補正係数K(d,f)を任意の搬送方向位置dにおける値で規定したが、差分法を用いて温度予測工程S5を行う場合、ゾーン毎に規定してもよい。
上記実施形態では、サイドバーナーと軸流バーナーとを備える加熱炉を用いて説明したが、加熱炉は軸流バーナーを備える限り他の構成であってもよい。例えば軸流バーナーのみで構成される加熱炉も本発明の意図するところである。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
厚さ(搬送面と垂直方向の寸法)155mm、幅(搬送方向の寸法)155mm、ある長さ(搬送方向及び搬送面と垂直方向の寸法)の鋼材に対し、図2及び図3に示す構成の加熱炉を用い、軸流バーナー1bを最大火炎長として加熱を行った。この条件で加熱中の鋼材に対し、上面から25mm(A)、77.5mm(B)及び130mm(C)の3点の温度実測を行った。上述の実測温度から、基準総括熱吸収率として、鋼材長さ方向中央部での上面及び下面の総括熱吸収率φCG BASE(d)をゾーン毎に算出した。算出結果を図6に示す。なお、ゾーンの分割数は70とした。
火炎長比を0.9、0.7及び0.5とした場合の補正係数K(d,f)を温度実測により算出した。算出条件は、上記総括熱吸収率の算出条件に同じである。算出結果を図7に示す。
実施例として上述の総括熱吸収率φCG BASE(d)及び補正係数K(d,f)を用いて当該鋼材の温度予測方法の補正工程S3、温度取得工程S4、及び温度予測工程S5を実施して、加熱炉から出炉される鋼材の温度を予測し、実測値と比較した。具体的には、火炎長比が0.9、0.7及び0.5の場合について、予測温度と実測値との差の絶対値を求め、その平均値を算出した。各条件のサンプル数を表1に示す。
Figure 2019014953
また、比較例として補正工程S3を行わない従来の鋼材の温度予測方法、すなわち温度取得工程S4、及び温度予測工程S5のみを実施して得た予測温度と実測値との比較も行った。
実施例及び比較例の予測温度と実測値との差の絶対値の平均値のグラフを図8に示す。図8のグラフから、取得した総括熱吸収率φCG BASE(d)の条件に近い火炎長比0.9では両者に大きな差は認められないが、火炎長比が0.7、0.5と取得した総括熱吸収率φCG BASE(d)の条件から離れるに従って、比較例では誤差が大きくなっていくのに対し、実施例では誤差が小さくなっている。このことから、補正係数K(d,f)を用いる当該鋼材の温度予測方法は、補正係数K(d,f)を用いない従来の温度予測方法に比べて精度が高いことが分かる。
当該鋼材の温度予測方法は、軸流バーナーの火炎長を変化させた場合においても加熱炉内の鋼材温度を精度良く予測できるので、加熱工程を伴う種々の鋼材の製造に好適に適用できる。
1a サイドバーナー
1b 軸流バーナー
2 測温器
10 搬送面
A 鋼材
S1 初期条件設定工程
S2 基準総括熱吸収率取得工程
S3 補正工程
S4 温度取得工程
S5 温度予測工程

Claims (3)

  1. 火口の中心軸が鋼材の搬送方向となるよう配設される1又は複数の軸流バーナーを備える連続加熱炉から出炉される鋼材の温度予測方法であって、
    加熱炉内の炉長方向における各位置で、上記軸流バーナーの火炎長が基準長であるときの鋼材の基準総括熱吸収率を取得する工程と、
    上記基準総括熱吸収率取得工程で取得した各位置の基準総括熱吸収率を上記基準長に対する火炎長比により補正する工程と、
    加熱炉内の炉長方向に離間して複数設けられた測温器により加熱炉内の雰囲気温度を取得する工程と、
    上記補正工程後の総括熱吸収率及び上記温度取得工程で取得した炉内温度に基づき加熱炉内の炉長方向における各位置での鋼材の温度を予測する工程と
    を備える鋼材の温度予測方法。
  2. 上記基準長が軸流バーナーの最大火炎長である請求項1に記載の鋼材の温度予測方法。
  3. 上記温度予測工程において、上記温度取得工程で取得した炉内温度の線形補間により算出した各位置の炉内温度を用いる請求項1又は請求項2に記載の鋼材の温度予測方法。
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