JP2019011797A - 減速機 - Google Patents

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慎太朗 石川
Shintaro Ishikawa
慎太朗 石川
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Abstract

【課題】高出力でありながら小型化及び耐久性の向上を実現でき、さらに、部材同士の干渉に伴う動作安定性の低下や駆動力伝達効率の低下を回避できる減速機を提供する。
【解決手段】ケーシング2と、ケーシング2に固定された固定内歯車3と、ケーシング2に対して回転可能に支持された可動内歯車4と、偏心部5aを外周面に有する入力軸5と、偏心部5aの外周に配置された軸受部材10と、固定内歯車3と軸受部材10との間に配置された第1ローラ6と、可動内歯車4と軸受部材10との間に配置された第2ローラ7と、第1ローラ6及び第2ローラ7を回転可能に保持する保持器8とを備える減速機であって、保持器8の外周面と固定内歯車3の歯先との間の径方向距離G1と、保持器8の外周面と可動内歯車4の歯先との間の径方向距離G2とを、同じ距離にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、減速機に関する。
従来、車両や産業ロボット等に搭載される減速機として、内歯車の内周面に形成された複数の歯に対してローラを順次係合させて入力軸の回転を出力軸に減速して伝達するローラ式の減速機が知られている。
一般的にこの種の減速機は、図16に示す例のように、外周面に偏心部100aを有する入力軸100と、内周面に複数の歯が形成された内歯車200と、内歯車200の内周面と入力軸100の偏心部100aとの間に配置された複数のローラ300と、ローラ300を回転可能に保持する保持器400と、保持器400と一体に構成された出力軸500とを備えている(特許文献1参照)。電動モータ等の駆動源から入力軸100に駆動力が入力されて、入力軸100が回転すると、偏心部100aの回転により、ローラ300が内歯車200の歯に順次係合し、入力軸100が1回転するごとに、ローラ300が一歯分ずつ周方向に移動することで、出力軸500が入力軸100に対して減速して回転する。
特開昭62−93565号公報
近年、上記のようなローラ式の減速機においては、高減速比・高出力でありながら、小型のものが望まれている。斯かる要請に対して、高出力化を実現する方法の1つとして、内歯車の歯数を多くして減速比を大きくすることが考えられる。しかしながら、内歯車の歯数を多くすると、内歯車の径方向サイズが大きくなってしまうため、小型化の要請に反することになる。
また、図16に示すような構成では、保持器がローラからの力を受けて回転する出力回転体としての機能を兼ねるため、減速比を大きくして高トルクが得られるようにするには、保持器が高トルクに耐え得る強度を確保しなければならないといった課題がある。しかしながら、保持器は、その機能上、大幅に厚みを大きくすることはできないため、トルク増大に対する強度確保が難しい。従って、従来の構成では高出力化の要請に対して十分に対応することが困難であった。
このような事情から、従来とは異なる新たなローラ式減速機の開発が求められているが、新たなローラ式減速機を開発するにあたって、相対的に回転する部材同士が干渉する虞があると、動作不良や駆動伝達効率の低下につながる。このため、新たなローラ式減速機の開発においては、部材同士の干渉を確実に防止して信頼性の向上を図ることも重要な課題であった。
そこで、本発明は、高出力でありながら小型化及び耐久性の向上を実現でき、さらに、部材同士の干渉に伴う動作安定性の低下や駆動力伝達効率の低下を回避できる減速機を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、ケーシングと、ケーシングに固定され、内周面に複数の歯が設けられた固定内歯車と、ケーシングに対して回転可能に支持され、内周面に複数の歯が設けられた可動内歯車と、固定内歯車及び可動内歯車に対して偏心した偏心部を外周面に有する入力軸と、偏心部の外周に配置された軸受部材と、固定内歯車の内周面と軸受部材との間に配置された複数の第1ローラと、可動内歯車の内周面と軸受部材との間に配置された複数の第2ローラと、第1ローラ及び第2ローラを回転可能に保持する保持器とを備え、入力軸が1回転するごとに、第1ローラが固定内歯車の一歯分ずつ周方向に移動すると共に、第2ローラが可動内歯車の一歯分ずつ周方向に移動することで、可動内歯車が入力軸に対して減速して回転する減速機であって、保持器の外周面と固定内歯車の歯先との間の径方向距離と、保持器の外周面と可動内歯車の歯先との間の径方向距離とを、同じ距離にしたことを特徴とする。なお、ここでいう「同じ距離」とは、完全に同一の距離のみならず、±0.15mm程度の設計上許容される誤差がある場合も含む。
本発明に係る減速機においては、入力軸が1回転するごとに、第1ローラが固定内歯車の一歯分ずつ周方向に移動することで、保持器が入力軸に対して減速回転する。さらに、保持器の減速回転に伴って、第2ローラが入力軸の1回転ごとに可動内歯車の一歯分ずつ周方向に移動することで、可動内歯車が入力軸に対して減速回転する。このように、固定内歯車と第1ローラとの間、可動内歯車と第2ローラとの間で減速して回転を伝達する構成とすることで、従来の減速機において内歯車の歯数を増やして高出力化する対策に比べて、高出力でありながら、小型の減速機を提供できるようになる。
また、本発明に係る減速機においては、可動内歯車が出力回転体として機能するため、保持器を出力回転体とする従来の構成に比べて剛性を確保しやすくなる。すなわち、可動内歯車は保持器に比べて径方向寸法に自由度があり、肉厚に形成することができるので、高出力化に伴うトルク増大にも十分に対応することができる。
さらに、本発明に係る減速機においては、保持器の外周面と固定内歯車の歯先との間の径方向距離と、保持器の外周面と可動内歯車の歯先との間の径方向距離とを、同じ距離にしているので、保持器の外周面が、固定内歯車と可動内歯車のうちの一方の歯先に対して接触しやすい状態となるのを解消することができる。これにより、固定内歯車又は可動内歯車の歯先に対する保持器の干渉をより確実に回避することができるようになり、これらの干渉に起因する動作不良や駆動力伝達効率の低下を高度に防止できるようになる。
より具体的には、固定内歯車の歯先円直径と、可動内歯車の歯先円直径とを、同じ寸法にすることで、保持器の外周面と各内歯車(固定内歯車及び可動内歯車)の歯先との間の径方向距離を同じ距離にすることができる。
また、固定内歯車の歯先に対向する部分と、可動内歯車の歯先に対向する部分とで、保持器の外径を異ならせることによっても、保持器の外周面と各内歯車の歯先との間の径方向距離を同じ距離にすることが可能である。
さらに、保持器を、固定内歯車の歯先に対向する部分と、可動内歯車の歯先に対向する部分とで、外径及び内径が異なるように形成してもよい。この場合、保持器によって保持される第1ローラ及び第2ローラも保持器の形状に倣って段差状に配置することが望ましい。そのため、保持器の異なる内径に応じて、偏心部を段差状に形成し、段差状の偏心部と保持器の内周面との間に、外径及び内径の異なる軸受部材を配置するのがよい。
本発明によれば、高出力でありながら小型化及び耐久性の向上を実現し、さらに、部材同士の干渉に伴う動作安定性の低下や駆動力伝達効率の低下を回避できる。
本発明の一実施形態に係る減速機の縦断面図である。 図1に示す減速機の分解斜視図である。 図1におけるA−A線矢視断面図である。 図1におけるB−B線矢視断面図である。 ローラの軌道と歯の形状との関係を示す図である。 通常の歯の形状を示す図である。 本実施形態に係る歯の形状を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る減速機の縦断面図である。 図8に示す減速機の分解斜視図である。 図8におけるC−C線矢視断面図である。 図8におけるD−D線矢視断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る減速機の縦断面図である。 図12に示す減速機の分解斜視図である。 図12におけるE−E線矢視断面図である。 図12におけるF−F線矢視断面図である。 従来の減速機の縦断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る減速機の縦断面図、図2は、図1に示す減速機の分解斜視図である。また、図3は、図1におけるA−A線矢視断面図、図4は、図1におけるB−B線矢視断面図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る減速機1は、ケーシング2と、ケーシング2に固定された固定内歯車3と、ケーシング2に対して回転可能に支持された可動内歯車4と、偏心部5aを外周面に有する入力軸5と、固定内歯車3の内周面と偏心部5aとの間に配置された複数の第1ローラ6と、可動内歯車4の内周面と偏心部5aとの間に配置された複数の第2ローラ7と、第1ローラ6及び第2ローラ7を回転可能に保持する保持器8とを主な構成とする。
ケーシング2は、円筒状に形成されている。ケーシング2の内周面における軸方向のほぼ中間には、径方向の段差面2a(図1参照)が形成されており、この段差面2aを境界として、軸方向の一方に小さい内径の小内径部2cが形成され、軸方向の他方に小内径部2cよりも大きい内径の大内径部2dが形成されている。
固定内歯車3は、内周面に複数の歯3aが形成された環状の歯車部材である。複数の歯3aは固定内歯車3の周方向に等間隔に配置され、各歯3aの間には曲線状の歯溝3c(図3参照)が形成されている。固定内歯車3には、複数の孔部3bが周方向に等間隔に設けられている。これらの孔部3bに対してケーシング2の段差面2aに設けられた凸部2bが嵌め込まれることで、固定内歯車3はケーシング2の大内径部2dの内周に回転しないように固定されている。また、固定内歯車3はケーシング2の内面に一体に形成されていてもよい。
可動内歯車4は、内周面に複数の歯4aを有し、固定内歯車3とほぼ同等の外径寸法及び内径寸法に形成された環状の歯車部材である。複数の歯4aは可動内歯車4の周方向に等間隔に形成され、各歯4aの間には曲線状の歯溝4c(図4参照)が形成されている。また、可動内歯車4の歯数は、固定内歯車3の歯数とは異なる数に設定されている。可動内歯車4は、ケーシング2の大内径部2dの内周に、固定内歯車3に対して軸方向に隣り合って(ケーシング2の開口側に)配置され、大内径部2dの内周面に対して摺動することで回転可能に支持されている。また、可動内歯車4には、複数の孔部4bが周方向に等間隔に設けられている。これらの孔部4bに、図示しない出力側の部材に設けられた凸部が嵌め込まれることで、可動内歯車4に対して出力側の部材が固定可能に構成されている。また、可動内歯車4は図示しない出力側の部材と一体に形成されていてもよい。
入力軸5は、電動モータ等の図示しない駆動源から駆動力が入力される円柱状の部材である。入力軸5の軸方向中間部には、入力軸5の中心軸(回転軸)に対して径方向に距離Y偏心した外周面を有する偏心部5aが設けられている。偏心部5aは、入力軸5のその他の部分よりも径方向に突出して形成され、固定内歯車3及び可動内歯車4の内周に位置している。
入力軸5の外周には、軸受部材としての2つの転がり軸受10,11が配置されている。一方の転がり軸受10は、偏心部5aの外周面に圧入され、入力軸5の中心軸に対して偏心した偏心軸受である。第1ローラ6及び第2ローラ7は、この転がり軸受10と固定内歯車3の内周面又は可動内歯車4の内周面との間に配置され、転がり軸受10の外周面上を転動可能に構成されている。他方の転がり軸受11は、入力軸5の一端部側の外周面とケーシング2の小内径部2cとの間に圧入されており、この転がり軸受11によって入力軸5はケーシング2に対して回転可能に支持されている。
保持器8は、円筒状の部材であり、偏心部5aに圧入されている転がり軸受10と各内歯車3,4との間に回転可能に配置されている。保持器8には、周方向に等間隔に配置された複数のポケット8a,8bが軸方向に二列形成されている。一方の列のポケット(第1ポケット)8aには、第1ローラ6が1つずつ収容され、他方の列のポケット(第2ポケット)8bには、第2ローラ7が1つずつ収容されている。また、各ローラ6,7は、ポケット8a,8b内で径方向に移動可能に保持されている。
ここで、偏心部5aの外周面に圧入されている転がり軸受(偏心軸受)10は、入力軸5の中心軸に対して偏心しているので、図3及び図4に示すように、この転がり軸受10の外周面上に並ぶ第1ローラ6及び第2ローラ7の中心軸を通る円の中心Q1,Q2も、入力軸5の中心軸Oに対して径方向に距離Y偏心している。これに対して、固定内歯車3及び可動内歯車4の各中心軸は、入力軸5の中心軸Oと同軸上に配置されている。このため、各ローラ6,7の中心軸を通る円の中心Q1,Q2は、固定内歯車3及び可動内歯車4の各中心軸に対して偏心している。よって、第1ローラ6及び第2ローラ7は、それぞれの軌道の周方向の一部の箇所(図3及び図4の下側)において対向する内歯車(固定内歯車3又は可動内歯車4)の歯溝に対して接近して係合する位置(歯溝内に入り込んだ位置)に配置され、これとは反対側の箇所(図3及び図4の上側)において対向する内歯車の歯溝に対して離間し係合しない位置に配置されている。
各ローラ6,7の個数は、対応する内歯車(固定内歯車3又は可動内歯車4)の減速比に応じて適宜決定される。具体的には、固定内歯車3の減速比をi1、可動内歯車4の減
速比をi2とすると、各歯3a、4aの歯数は、対応する内歯車の減速比よりも1つ多い
数(i1+1),(i2+1)、又は1つ少ない数(i1−1),(i2−1)に設定さ
れる。また、各ローラ6,7の個数は、各減速比i1,i2の約数に設定される。
続いて、本実施形態に係る減速機の動作について説明する。
入力軸5に駆動力が入力されて、入力軸5が回転すると、これに伴って偏心部5aが回転することで、第1ローラ6及び第2ローラ7が固定内歯車3及び可動内歯車4に対して径方向に往復運動する。このとき、第1ローラ6が固定内歯車3の歯溝に沿って回転しながら隣の歯溝へ移動することで、偏心部5aが1回転するごとに、保持器8が固定内歯車3の一歯分ずつ周方向に移動する。これにより、保持器8が入力軸5に対して減速して回転する。
また、保持器8が回転すると、保持器8に保持されている第2ローラ7も回転する。これと同時に、第2ローラ7は上記偏心部5aの回転に伴う径方向の往復運動もするので、第2ローラ7は可動内歯車4の歯溝に沿って回転しながら隣の歯溝へ移動する。このとき、第2ローラ7が歯溝の壁を押すことで、可動内歯車4が周方向の力を受け回転する。これにより、可動内歯車4は、偏心部5aが1回転するごとに、可動内歯車4の一歯分ずつ回転し、入力軸5に対して減速して回転する。また、可動内歯車4は、保持器8の回転に伴って回転するので、入力軸5の回転に伴う減速回転に加えて、保持器8の回転数分だけ回転する。このため、可動内歯車4の回転数は、入力軸5の回転に伴う減速回転での回転数と、保持器8の回転数の差分の絶対値となる。
すなわち、固定内歯車3の減速比をi1、可動内歯車4の減速比をi2とすると、本実
施形態に係る減速機による減速比は、下記式1によって求められる。
減速比=i1×i2/|i1−i2|・・・式1
例えば、固定内歯車3の減速比(i1)が60、可動内歯車4の減速比(i2)が63
の場合、上記式1から減速比は1260となる。
このように、本実施形態に係る減速機では、大きな減速比によって高トルクを得ることが可能である。また、本実施形態に係る減速機のように、固定内歯車3と可動内歯車4とを備え、これらの内歯車3,4と各ローラ6,7との間で減速して回転を伝達する構成とすることで、従来の減速機において内歯車の歯数を増やして高出力化する対策に比べて、高出力でありながら、小型の減速機を提供できるようになる。
また、本実施形態に係る減速機においては、可動内歯車4が出力回転体として機能するため、保持器を出力回転体とする従来の構成に比べて剛性を確保しやすくなる。すなわち、可動内歯車4は保持器に比べて径方向寸法に自由度があり、肉厚に形成することができるので、高出力化に伴うトルク増大にも十分に対応することができる。
ところで、第1ローラ6及び第2ローラ7は、対応する内歯車3,4の歯溝に対して図5に示すような軌道で移動する。このため、固定内歯車3及び可動内歯車4の各歯の形状は、各ローラ6,7の偏心量(径方向移動量)cや直径d、各内歯車3,4の減速比、あるは歯間距離eによって決定される。従って、互いに減速比が異なる固定内歯車3と可動内歯車4とでは、それぞれの歯の形状も異なる。
ここで、固定内歯車3と可動内歯車4とをほぼ同様の内径で構成すると、減速比が高い方の内歯車は減速比が低い方の内歯車に比べて同じ内周長で多くの歯を形成しなければならないため、必然的に歯間距離が短くなる。その結果、図6に示すように、減速比が高い方の内歯車βの歯先円直径(歯先を通る円の直径)d2は、通常、減速比が低い方の内歯車αの歯先円直径d1よりも大きくなる。言い換えれば、減速比が低い方の内歯車αの歯先は、減速比が高い方の内歯車βの歯先よりも内径方向に突出した状態に形成される。
このように、互いに減速比が異なる固定内歯車3と可動内歯車4とでは、それぞれの歯先の位置(歯先円直径d1,d2)が異なるため、保持器8が各ローラ6,7からの荷重を受けることにより径方向に変位すると、内径方向に突出する方の歯先に保持器8が接触することが考えられる。仮に、保持器8が固定内歯車3あるいは可動内歯車4の歯先に接触し、保持器8や可動内歯車4の回転が阻害されると、動作不良や駆動力伝達効率の低下につながる虞がある。
そこで、本実施形態に係る減速機においては、図7に示すように、減速比が低い方の内歯車αの歯先(図7に示す斜線部)を切削するなどにより短くし、両内歯車α,βのそれぞれの歯先の位置を揃え、同じ歯先円直径d3となるようにしている。
このように、固定内歯車3の歯先と可動内歯車4の歯先のそれぞれの位置を揃えることで、保持器8の外周面と固定内歯車3の歯先との間の径方向距離G1と、保持器8の外周面と可動内歯車4の歯先との間の径方向距離G2とが、同じ距離になる(図1、図3、図4における拡大部分参照)。なお、「同じ距離」とは、完全に同一の距離のみならず、±0.15mm程度の設計上許容される誤差がある場合も含む。これにより、固定内歯車3と可動内歯車4のうち、特に減速比が低い方の内歯車の歯先が保持器8と接触しやすい状態となるのを解消することができる。その結果、内歯車の歯先に対する保持器8の干渉をより確実に回避することができるようになり、これらの干渉に起因する動作不良や駆動力伝達効率の低下を高度に防止できるようになる。
以上のように、本実施形態に係る減速機によれば、高出力でありながら小型化及び耐久性の向上を実現でき、さらに、保持器8と内歯車の歯先との干渉をより確実に回避することができるので、車両や各種装置等への搭載性に優れ、信頼性の高い減速機を提供することができるようになる。例えば、本発明に係る減速機は、自動車のエンジンの吸気バルブと排気バルブの一方又は両方のバルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置などに適用可能である。また、これに限らず、本発明に係る減速機は、高減速比で高出力が要求されるその他の装置にも適用可能である。
図8は、本発明の他の実施形態に係る減速機の縦断面図、図9は、図8に示す減速機の分解斜視図、図10は、図8におけるC−C線矢視断面図、図11は、図8におけるD−D線矢視断面図である。
図8〜図11に示す減速機1においては、固定内歯車3と可動内歯車4とで、それぞれの歯先の位置を揃えることは行っておらず、固定内歯車3の歯先の径方向位置と、可動内歯車4の歯先の径方向位置とは、互いに異なっている。そのため、本実施形態では、保持器8の外径を、固定内歯車3の歯先に対向する部分と、可動内歯車4の歯先に対向する部分とで、異ならせることで、保持器8の外周面を段差状に形成し、各部分において、保持器8の外周面と各内歯車3,4の歯先との間の径方向距離G1,G2が同じ距離となるように構成している。この場合、可動内歯車4の歯先が、固定内歯車3の歯先よりも内径方向に突出しているので、保持器8における、可動内歯車4の歯先に対向する部分の外径S2を、固定内歯車3の歯先に対向する部分の外径S1よりも小さくすることで、保持器8の外周面と各内歯車3,4の歯先との間の径方向距離G1,G2が同じ距離となるようにしている。
これにより、特に内径方向に突出する方の歯先と保持器8との干渉が生じにくくなるので、上記実施形態と同様に、保持器8と内歯車の歯先との干渉に起因する動作不良や駆動力伝達効率の低下を高度に防止できるようになる。なお、本実施形態について、上記で説明した箇所以外は、上記実施形態の構成と基本的に同様であるので、重複する箇所の説明については省略する。
図12は、本発明のさらに別の実施形態に係る減速機の縦断面図、図13は、図12に示す減速機の分解斜視図、図14は、図12におけるE−E線矢視断面図、図15は、図12におけるF−F線矢視断面図である。
図12〜図15に示すように、本実施形態に係る減速機1においても、固定内歯車3と可動内歯車4の各歯先の位置に対応して、保持器8の外周面を段差状に形成している。この場合、固定内歯車3の歯先が、可動内歯車4の歯先よりも内径方向に突出しているので、保持器8における、固定内歯車3の歯先に対向する部分の外径S1を、可動内歯車4の歯先に対向する部分の外径S2よりも小さくすることで、保持器8の外周面と各内歯車3,4の歯先との間の径方向距離G1,G2が同じ距離となるようにしている。
これにより、本実施形態においても、内径方向に突出する方の歯先と保持器8との干渉が生じにくくなるので、上記実施形態と同様に、保持器8と内歯車の歯先との干渉に起因する動作不良や駆動力伝達効率の低下を高度に防止できるようになる。
また、本実施形態では、保持器8の外周面に加え、内周面も段差状に形成している。保持器8の内周面は、保持器8の外周面(外径)に対応して、固定内歯車3側の部分の内径T1が可動内歯車4側の部分の内径T2よりも小さく形成されている。
このように、保持器8の外周面に加え内周面も段差状に形成した場合、保持器8によって保持される第1ローラ6及び第2ローラ7も保持器8の形状に倣って段差状に配置することが望ましい。そのため、本実施形態では、保持器8の異なる内径に応じて、入力軸5の偏心部5aの外径を異ならせて段差状に形成し、さらに、段差状の偏心部5aと保持器8の内周面との間に、外径及び内径の異なる2つの軸受部材15,16を配置している。この場合、偏心部5aの外径を、固定内歯車3側よりも可動内歯車4側で大きくし、偏心部5aの外径の小さい箇所に小さい外径及び内径の軸受部材15を圧入し、偏心部5aの外径の大きい箇所に外径及び内径の大きい軸受部材16を圧入している。このように構成することで、保持器8の外周面及び内周面を段差状に形成した場合においても、保持器8によって各ローラ6,7を確実に保持しつつ、安定した駆動が可能となる。なお、本実施形態において、その他の部分については、上記実施形態の構成と基本的に同様である。
以上、本発明に係る減速機の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことである。
1 減速機
2 ケーシング
3 固定内歯車
3a 歯
4 可動内歯車
4a 歯
5 入力軸
5a 偏心部
6 第1ローラ
7 第2ローラ
8 保持器
10 軸受部材
15 軸受部材
16 軸受部材
d1〜d3 歯先円直径
G1,G2 径方向距離

Claims (4)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシングに固定され、内周面に複数の歯が設けられた固定内歯車と、
    前記ケーシングに対して回転可能に支持され、内周面に複数の歯が設けられた可動内歯車と、
    前記固定内歯車及び前記可動内歯車に対して偏心した偏心部を外周面に有する入力軸と、
    前記偏心部の外周に配置された軸受部材と、
    前記固定内歯車の内周面と前記軸受部材との間に配置された複数の第1ローラと、
    前記可動内歯車の内周面と前記軸受部材との間に配置された複数の第2ローラと、
    前記第1ローラ及び前記第2ローラを回転可能に保持する保持器とを備え、
    前記入力軸が1回転するごとに、前記第1ローラが前記固定内歯車の一歯分ずつ周方向に移動すると共に、前記第2ローラが前記可動内歯車の一歯分ずつ周方向に移動することで、前記可動内歯車が前記入力軸に対して減速して回転する減速機であって、
    前記保持器の外周面と前記固定内歯車の歯先との間の径方向距離と、前記保持器の外周面と前記可動内歯車の歯先との間の径方向距離とを、同じ距離にしたことを特徴とする減速機。
  2. 前記固定内歯車の歯先円直径と、前記可動内歯車の歯先円直径とを、同じ寸法にした請求項1に記載の減速機。
  3. 前記固定内歯車の歯先に対向する部分と、前記可動内歯車の歯先に対向する部分とで、前記保持器の外径を異ならせた請求項1に記載の減速機。
  4. 前記保持器は、前記固定内歯車の歯先に対向する部分と、前記可動内歯車の歯先に対向する部分とで、外径及び内径が異なるように形成され、
    前記保持器の異なる内径に応じて、前記偏心部を段差状に形成し、
    前記段差状の偏心部と前記保持器の内周面との間に、外径及び内径の異なる軸受部材を配置した請求項1に記載の減速機。
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