JP2019010273A - コーティング体および調理具 - Google Patents
コーティング体および調理具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019010273A JP2019010273A JP2017128288A JP2017128288A JP2019010273A JP 2019010273 A JP2019010273 A JP 2019010273A JP 2017128288 A JP2017128288 A JP 2017128288A JP 2017128288 A JP2017128288 A JP 2017128288A JP 2019010273 A JP2019010273 A JP 2019010273A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- coating
- ceramic hollow
- hollow body
- cooking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cookers (AREA)
- Frying-Pans Or Fryers (AREA)
Abstract
【解決手段】コーティング体10は、基材3と、被覆層4とを有し、被覆層4は、セラミック中空体5を含有している。被覆層は、基材上に接合されセラミック中空体を含有した第1層と、第1層上に積層され実質的にセラミック中空体を含有しない第2層と、を備える。
【選択図】図1
Description
これに対して、本開示の一実施形態に係るコーティング体では、セラミック中空体を、シロキサン結合を主成分とする樹脂からなる被覆層に含有させているので、基材から被覆層への熱伝導を抑制することができる。これにより、被覆層が熱分解して基材の表面から剥がれてしまうことを抑制し、被覆層の耐久性を向上させることができる。被覆層にはセラミック顔料を含有させてもよい。
有機アルコキシシランは、一般式R1Si(OR2)3(R1は炭素数1〜8の有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)に代表されるもので、この有機アルコキシシランを加水分解し生成された加水分解物および部分縮合物が使用される。有機アルコキシシランは酸触媒の存在下で加水分解反応が生じ加水分解物を生成し、連続的に重縮合反応が生じ部分縮合物が得られる。
また、R2で表される炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
また、フッ素系樹脂には、バインダー成分として、ポリアミドイミド、ポリフェニルスルフィドまたはポリエーテルスルホンなどを含有させてもよい。フッ素系樹脂膜は、これらのバインダー成分を有することにより、フッ素系樹脂膜の特性を向上させるだけでなく、後述するセラミック中空体5をフッ素系樹脂膜に定着させやすくなる。
セラミック中空体5を含有することにより、被覆層4は、基材3からの熱伝導を抑制して、過度の温度上昇を抑制することができる。また、被覆層4にホウケイ酸ソーダを主成分とするガラスマイクロバルーンを含有させると、被覆層4の硬度が高くなり変形し難くなるので、傷や剥がれに対して耐久性(強度)が向上する。本実施形態では、セラミック中空体5は、ホウケイ酸ソーダを主成分とするガラスマイクロバルーンからなり、コーティング体10は、被覆層4の硬度が比較的高く変形し難く、耐久性(強度)が比較的高い。
第1層1にセラミック中空体5を含有させると、第1層1の硬度が高くなり変形し難くなる。これにより、第1層1の破損や変形に起因した、基材3の表面からの第1層1の剥がれを抑制することができる。
この第2層2にはセラミック中空体5が実質的に含有されない。ここで、実質的に含有されないとは、セラミック中空体5が第2層2に微量含まれていてもよいことを指す。具体的には、第2層2の総量に対するセラミック中空体5の含有割合は、第1層1におけるセラミック中空体5の含有割合を質量比で100とすると、10以下、好ましくは5以下であるのがよい(ただし、2を下回らないのがよい)。なお、第2層2には、表面の装飾用にマイカ(雲母)などが含まれていてもよい。
このように、第1層1の表面に、セラミック中空体5を含有しない第2層2を設けることにより、第1層1単体の場合よりもさらに表面が平滑となり離形性能を向上させるという効果がある。
さらに、第1層1と第2層2との間には、図示しない中間層を介在させてもよい。中間層は、第1層1および第2層2と同様な樹脂材料で形成することができる。中間層は、セラミック中空体5を含有してもよく、あるいは含有しなくてもよい。
本実施形態に係る調理具は、例えばフライパン、ホットプレート、たこ焼きプレート、卵焼き器、鍋、ブレッド用プレート、またはグリル鍋などの金属材料を基材とする用具である。これらは、食材を加熱調理するためなどに用いられる。食材としては、例えば、肉、魚、野菜、穀物、スープ、牛乳、卵、油脂などがある。食材の状態としては、固形物であってもよいし、流体物であってもよい。また、食材としては、自然食材であってもよいし、加工食材であってもよい。
調理具の側壁部には、棒状の柄部が取り付けられている。柄部は、調理具に必ず取り付けられている必要はなく、例えば、着脱可能となっていてもよい。調理具は、柄部を有することによって、加熱調理の際に容易かつ安全に調理具を操作できるようになる。
以下の手順で図3(a)および(b)に示すコーティング体11を形成し、これを調理面の表面に用いた調理具(フライパン)を作成した。
まず、基材3として少なくとも表面(調理面)の一部がアルミニウムからなるフライパンを準備した。次に、基材3の表面にセラミック中空体5として、粒径が16μmのグラスバブルズ((株)3M製)を混合した、シロキサン結合を有するシリコーン系樹脂塗料を塗布し、乾燥および焼成して被覆層(第1層1)を形成した。シロキサン結合を有するシリコーン系樹脂塗料としては、シランカップリング剤で加水分解させたシリコーン系樹脂を用いた。次に、第1層1の上面に、シロキサン結合を有する第1層1と同じ樹脂塗料を塗布し、乾燥および焼成して別の被覆層(第2層2)を形成し、調理面が、第1層1および第2層2からなる被覆層40のコーティング体11にて被覆されたフライパンを得た。得られたコーティング体は、第1層1の厚さが40μm、第2層2の厚さが5μmであった。なお、第1層1の総量に対するセラミック中空体5の含有割合は0.2質量%、第2層2の総量に対するセラミック中空体5の含有割合は0質量%であった。
セラミック中空体を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてコーティング体を形成し、これを調理面の表面に用いたフライパンを得た。得られたコーティング体は、厚さが45μmであった。
実施例および比較例で得たそれぞれのフライパンを使用して、以下の手順で空焚き非粘着評価試験を行った。
(ii)次に、加熱して空焚きを行い300℃±5℃までフライパン表面の温度を上げた。300℃±5℃までの温度を30分間維持した。
(iii)次に、火を消し、フライパン表面の温度を80℃以下に冷ました。
(iv)次に、冷ましたフライパンを加熱して、調理面の温度を180〜190℃に維持した後、卵1個を用いて、油を使用せずに100秒間加熱して目玉焼きを調理した。なお、調理中の100秒間は温度調節を行わなかった。
(v)(iv)の工程を10回繰り返し、10個の目玉焼きを調理した。その後、フライパンを常温(25℃)まで冷ました。(これを1回目の調理とする)
上記(i)〜(v)の工程を繰り返し、テストを行なった。このテストは、フライパン上に目玉焼きが付着する状態が2回発生するまで行った。
このことから、セラミック中空体5を含有するシリコーン系樹脂からなる被覆層40を有するコーティング体11を調理面とした実施例のフライパンは、比較例のフライパンに比べて、目玉焼きのくっつきを長期間にわたって抑制する高い離型性および耐久性を有することがわかった。これは、セラミック中空体5を被覆層40に含有させて、被覆層40への熱伝導を抑制したことにより、過度の温度上昇により熱分解(劣化)しやすい被覆層40の変形や破損を抑制したことによる。その結果、基材3の表面から被覆層40の剥がれを抑制して離形性の劣化を防止し、耐久性を向上させたものと考えられる。一方、比較例に示す従来のコーティング体を調理面としたフライパンでは、セラミック中空体を含有しないため、被覆層が過熱して被覆層が熱分解(劣化)した状態となり、それに加えてターナー(フライ返し)などにより被覆層に傷や剥がれが生じ、コーティング体の劣化が早く進み、実施例より早くくっつきが生じたものと考えられる。
2 第2層
3 基材
4、40 被覆層
5 セラミック中空体
10、11 コーティング体
Claims (9)
- 基材と、前記基材の少なくとも一部を被覆した被覆層とを有し、前記被覆層はセラミック中空体を含有しているコーティング体。
- 前記被覆層は、シロキサン結合を有する樹脂またはフッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載のコーティング体。
- 前記被覆層は、シロキサン結合を有する樹脂からなることを特徴とする請求項2記載のコーティング体。
- 前記セラミック中空体は、ホウケイ酸ソーダを主成分とする外殻体を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング体。
- 前記セラミック中空体は、球形状であることを特徴とする請求項4記載のコーティング体。
- 前記被覆層は、前記基材上に接合され前記セラミック中空体を含有した第1層と、前記第1層上に積層され実質的に前記セラミック中空体を含有しない第2層と、を備える請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング体。
- 前記第1層の厚さが、前記第2層の厚さよりも大きい請求項6に記載のコーティング体。
- 前記セラミック中空体は、前記第1層の膜厚よりも小さい粒径を有する請求項6または7に記載のコーティング体。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のコーティング体を少なくとも一部に備え、前記コーティング体の表面を調理面とした調理具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017128288A JP2019010273A (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | コーティング体および調理具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017128288A JP2019010273A (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | コーティング体および調理具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019010273A true JP2019010273A (ja) | 2019-01-24 |
Family
ID=65227584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017128288A Pending JP2019010273A (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | コーティング体および調理具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019010273A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022156311A (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-14 | 株式会社オリジン | 卵調理器 |
-
2017
- 2017-06-30 JP JP2017128288A patent/JP2019010273A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022156311A (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-14 | 株式会社オリジン | 卵調理器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006519290A5 (ja) | ||
JP5021904B2 (ja) | フッ素樹脂塗膜 | |
JP3135807U (ja) | 無油煙鍋 | |
KR102266124B1 (ko) | 졸-겔 코팅이 제공된 가열 물품의 제조 방법 | |
ES2558480T3 (es) | Artículo culinario que comprende un revestimiento antiadhesivo a base de resina fluorocarbonada que presenta propiedades mejoradas de adherencia al soporte así como procedimiento para su obtención | |
JP6128865B2 (ja) | ガス調理器具の最表面用組成物 | |
KR101398430B1 (ko) | 고기 구이판 | |
JP2001218684A (ja) | 調理器具用部材及び調理器具 | |
CN110432786B (zh) | 一种具有陶氟石涂层的炊具及其生产工艺 | |
JP2016136990A (ja) | 調理用具および塗料 | |
JP2019010273A (ja) | コーティング体および調理具 | |
JP2008154659A (ja) | 調理器 | |
JP2006015115A (ja) | 調理機器 | |
JP2008064423A (ja) | 耐高アルカリ性調理器具用部材及び該部材を有する耐高アルカリ性調理器具 | |
JP3146744U (ja) | 調理用加熱容器 | |
JP3146744U7 (ja) | ||
JP3148424U (ja) | 内底面に粗面が形成された金属製調理器 | |
JP6168168B2 (ja) | 調理器具 | |
KR101867912B1 (ko) | 기능성 프라이팬 및 그 제조방법 | |
JP2009085518A (ja) | 加熱調理器用塗膜組成物およびこの加熱調理器用塗膜組成物を用いた加熱調理器 | |
JP2022043744A (ja) | コーティング体および調理用具 | |
WO2023277102A1 (ja) | 調理用具 | |
JP3163421U (ja) | アルミニウム合金製ステーキ皿 | |
CN219629306U (zh) | 易清洗内锅及烹饪器具 | |
CN209018391U (zh) | 一种结构改良的复合锅具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210330 |