JP2019003817A - 電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性のシェルとグランド部材との電気的な接続を簡易な構成とすることでコスト低減を図ることができる電気コネクタを提供する。【解決手段】 電気コネクタ1においては、シェル10の延伸部14A、14Bが背部グランドプレート58のバネ部59と弾性的に接合することで、シェル10と背部グランドプレート58との電気的な接続が図られる。すなわち、シェル10と背部グランドプレート58とは、溶接することなく、電気的な接続が簡易な構成によって図られている。その結果、電気コネクタ1の製造コストが低減し、比較的安価な電気コネクタを得ることができる。【選択図】図21
Description
本発明は、電気コネクタに関する。
電気コネクタの一種として、コンタクトと、該コンタクトを囲うように配置された筒状の導電性のシェルと、グランド電位となる導電性のグランド部材とを備えた電気コネクタが知られている。たとえば、下記特許文献1には、コンタクトを囲うシェルをグランド電位とするために、シェルとグランド部材の一種であるバックシェルとを溶接によって電気的に接続した電気コネクタが開示されている。
上述した従来技術に係る電気コネクタでは、シェルとバックシェルとの電気的な接続を溶接により実現しているため、溶接に関するコストの分、電気コネクタの価格が高くなってしまう。
本発明は、導電性のシェルとグランド部材との電気的な接続を簡易な構成とすることでコスト低減を図ることができる電気コネクタを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る電気コネクタは、相手側コネクタと連結される連結部と、相手側コネクタとの連結方向において連結部よりも後方に位置する本体部と、相手側コネクタとの連結方向に沿って延び、少なくとも一部分が連結部によって保持されるとともに他の部分が本体部に保持された導電性のコンタクトと、連結部を囲うとともに相手側コネクタとの連結方向に延びる両端が開放された筒状の導電性のシェルとを備える電気コネクタであって、本体部が、回路のグランド端子に接続可能な導電性のグランド部材を有し、シェルが、一方端から本体部のグランド部材まで延びて、グランド部材と弾性的に接合する延伸部を有する。
上記電気コネクタにおいては、シェルの延伸部がグランド部材と弾性的に接合することで、シェルとグランド部材との電気的な接続が図られる。すなわち、溶接することなく、シェルとグランド部材との電気的な接続を簡易な構成とすることができる。その結果、電気コネクタの製造コストが低減し、比較的安価な電気コネクタを得ることができる。
本発明の他の側面に係る電気コネクタは、本体部のグランド部材が波状のバネ部を有し、該バネ部の凹部にシェルの延伸部が収容されている。
本発明の他の側面に係る電気コネクタは、本体部が、相手側コネクタとの連結方向に関してグランド部材と延伸部とが接合される接合箇所よりも前方に、相手側コネクタとの連結方向に交差する方向に延びて、相手側コネクタとの連結方向の前方から見てグランド部材を遮蔽する鍔部を有し、鍔部が、シェルの延伸部を挿通可能な、相手側コネクタとの連結方向に沿って延びた貫通孔を有し、シェルの延伸部は、鍔部の貫通孔を介して、本体部のグランド部材と接合する。
本発明の他の側面に係る電気コネクタは、相手側コネクタとの連結方向に沿って延びるとともに、一部分が連結部によって保持された板状の導電部材をさらに備え、導電部材の表裏両側に、少なくとも一部分が連結部に保持されるとともに他の部分が本体部に保持された複数のコンタクトが、導電部材とは電気的に絶縁された状態で配置されている。
本発明によれば、導電性のシェルとグランド部材との電気的な接続を簡易な構成とすることでコスト低減を図ることができる電気コネクタを提供できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、本実施形態に係る電気コネクタ1について、図1、2を参照しつつ説明する。
電気コネクタ1は、たとえば携帯機器や情報機器等の電子機器2に取り付けられるレセプタクルコネクタである。電気コネクタ1は、図2に示すように、電子機器2の収容空間Cに収容されるとともに、電子機器2の基板3に半田接続等により固定されて該基板3と電気的に接続される。相手側コネクタとしてプラグコネクタ(図示せず)を電気コネクタ1に差し込むことで、プラグコネクタと基板3との間で給電や電気信号の伝送をおこなうことができる。本実施形態では、電気コネクタ1はUSBType−C規格のコネクタである。
電気コネクタ1とプラグコネクタとは所定の方向に沿って連結され、以下の説明では、図3に示すように、電気コネクタ1とプラグコネクタとが連結される連結方向をX方向と称す。また、X方向において、プラグコネクタに向かう方向を前方と称し、プラグコネクタから離れる方向を後方と称す。さらに、各部材において、X方向における前方の部分を前部と称し、後方の部分を後部と称す。
図1に示すように、電気コネクタ1は、シェル10と、防水部材20と、コネクタ組立体30とを備えて構成されている。
以下、コネクタ組立体30の構成について図3〜5を参照しつつ説明する。
コネクタ組立体30は、図3に示すように、複数の導電性のコンタクト40と、複数の導電性のグランドプレート50と、コンタクト40とグランドプレート50とを一体的に結合する樹脂成形体60とを有する。
複数のコンタクト40のそれぞれは、電気コネクタ1とプラグコネクタとの連結方向(X方向)に沿って延在する長尺状の部材であり、Cu等の金属材料で構成されている。複数のコンタクト40は、図4および図5に示すように、X方向に対して直交する方向に並列された複数のコンタクト42を含んでいる。本実施形態では、12本のコンタクト42がX方向に対して直交する方向に並列されている。以下では、説明の便宜上、コンタクト42が並列する並列方向をY方向と称す。各コンタクト42は、図4に示すように、X方向における後部が基板3に向けて屈曲される屈曲部42aと、屈曲部42aの下側の端部から基板3の主面3aを面方向に沿って延びる基板接続部42bとを有し、基板接続部42bが基板3の主面3aに配置された図示しないシグナル端子等に、半田接続等により電気的に接続される。
複数のコンタクト40は、図4および図5に示すように、12本のコンタクト42に加えて、X方向およびY方向に直交するZ方向に所定距離だけ離間し、コンタクト42に重なるようにして、X方向に延びる12本のコンタクト44を含んでいる。コンタクト44は、Y方向に並列配置されている。以下では、説明の便宜上、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向と称す。また、Z方向において、基板3の主面3aを基準として、基板3に対して遠い側を上側と称し、基板3に対して近い側を下側と称す。たとえば、Z方向において、基板3に対して遠い側のコンタクト42を上側コンタクトと称し、基板3に対して近い側のコンタクト44を下側コンタクトと称す。上側コンタクト42(第2のコンタクト)と下側コンタクト44(第1のコンタクト)とは、X方向における前部が、図5に示すように、Z方向(後述する中間グランドプレート52の厚さ方向)で重なっている。下側コンタクト44も、上側コンタクト42同様、X方向における後部が基板3に向けて屈曲される屈曲部44aと、屈曲部44aの下側の端部から基板3の主面3aを面方向に沿って延びる基板接続部44bとを有し、基板接続部44bが基板3の主面3aに配置された図示しないシグナル端子等に、半田接続等により電気的に接続される。
複数のグランドプレート50は、図4に示すように、いずれもグランド電位となる、中間グランドプレート(板状の導電部材)52と、上側グランドプレート54と、下側グランドプレート56と、背部グランドプレート58とを含んでいる。
中間グランドプレート52は、図6に示すように、X方向の前方に配置されている板状部52aと、板状部52aから後方に延びる2本の腕部52bと、腕部52bの後端から基板3に向けて下垂する基板接続部52cとを有する。中間グランドプレート52の板状部52aは、上側コンタクト42と下側コンタクト44との間において、上側コンタクト42および下側コンタクト44に平行に延びる部分である。板状部52aには、上側コンタクト42と下側コンタクト44とがZ方向で重なる部分に貫通孔53が複数設けられている。各貫通孔53は、後述する第1のインサート成形で、金型に中間グランドプレート52と下側コンタクト44を配置する際に、下側コンタクト44の各々を金型で保持するために用いられる。中間グランドプレート52の基板接続部52cは、その下端が基板3の主面3aに配置されたグランド端子に達する位置まで延びている。
上側グランドプレート54は、図7に示すように、X方向の前方に配置されている板状部54aと、板状部54aから後方に、Y方向に所定の間隔で延びる5本の架橋部54bと、5本の架橋部54bの全てと接続されるようにY方向に延びる帯状部54cと、帯状部54cにおけるY方向の両端から後方に延びて後述する背部グランドプレート58と接合される接合部54dとを有する。上側グランドプレート54の板状部54aは、中間グランドプレート52との間に上側コンタクト42が介在した状態で、中間グランドプレート52に対して平行に延びる部分である。
下側グランドプレート56は、図8に示すように、X方向の前方に配置されている板状部56aと、板状部56aから後方に、Y方向に所定の間隔で延びる5本の架橋部56bと、5本の架橋部56bの全てと接続されるようにY方向に延びる帯状部56cと、帯状部56cのY方向の両端から基板3に向けて下垂する基板接続部56dとを有する。下側グランドプレート56の板状部56aは、中間グランドプレート52との間に下側コンタクト44が介在した状態で、中間グランドプレート52に対して平行に延びる部分である。
背部グランドプレート58は、図4および図9に示すように、上側グランドプレート54の後方において上側グランドプレート54に対して平行に延びるとともに上側グランドプレート54の接合部54dに接合される板状部58aと、板状部58aの後端から基板3に向けて下垂する板状の下垂部58bと、下垂部58bの下端から基板3の主面3aに配置された図示しないグランド端子に達する位置まで延びる3本の基板接続部58cとを有する。背部グランドプレート58は、上側コンタクト42の屈曲部42aおよび下側コンタクト44の屈曲部44aを覆っており、背部グランドプレート58により、上側コンタクト42および下側コンタクト44が外部からの電磁波によって影響を受ける事態や、上側コンタクト42および下側コンタクト44において発生した電磁波ノイズが電気コネクタ1周辺の電子機器に影響を与える事態が抑制され得る。
背部グランドプレート58には、板状部58aにおけるY方向の両端部に、後述するシェル10の延伸部14A、14Bと接続されるバネ部59が設けられている。
樹脂成形体60は、絶縁性樹脂で構成されており、図4に示すように、上述した複数のコンタクト40および複数のグランドプレート50のそれぞれを所定の位置に保持および固定する。
樹脂成形体60は、連結部70と本体部80とを有する。連結部70は、相手側コネクタと連結される部分であり、連結方向に関して樹脂成形体60の前方に位置する。本体部80は、電子機器2の基板3に固定される部分であり、相手側コネクタとの連結方向において連結部70よりも後方に位置する。
連結部70は、連結方向に関して各コンタクト40の前部(一部分)を保持している。具体的には、連結部70は、上側コンタクト42が中間グランドプレート52の板状部52aに対して所定距離だけ離間するように、中間グランドプレート52の板状部52aの一方面(表面)上に上側コンタクト42を保持している。また、連結部70は、下側コンタクト44が中間グランドプレート52の板状部52aに対して所定距離だけ離間するように、中間グランドプレート52の板状部52aの他方面(裏面)上に下側コンタクト44を保持している。
連結部70は、中間グランドプレート52の板状部52aの一方面上に、上側コンタクト42を介在させた状態で、上側グランドプレート54の板状部54aを保持している。同様に、連結部70は、中間グランドプレート52の板状部52aの他方面上に、下側コンタクト44を介在させた状態で、下側グランドプレート56の板状部56aを保持している。すなわち、中間グランドプレート52(板状の導電部材)の表裏両側に、少なくとも一部分が連結部70に保持されるとともに他の部分が本体部80に保持された複数のコンタクト40(上側コンタクト42、下側コンタクト44)が、中間グランドプレート52とは電気的に絶縁された状態で配置されている。
本体部80は、X方向に関して各コンタクト40および各グランドプレート50の後部(他の部分)を保持している。本体部80は、図4および図10に示すように、Z方向に貫通する開口部82を有する。開口部82の断面形状はY方向に延びた長方形状である。各コンタクト40の後部の一部および各グランドプレート50の一部が開口部82において露出している。すなわち、上側コンタクト42および下側コンタクト44に関しては、それぞれの後部の一部が、露出部42c、44cとして開口部82から露出している。中間グランドプレート52に関しては、2本の腕部52bの一部が開口部82から露出している。上側グランドプレート54および下側グランドプレート56に関しては、各架橋部54bの一部および各架橋部56bの一部が開口部82から露出している。
本体部80は、図3および図5に示すように、開口部82をY方向から挟む位置に配置された一対の鍔部84A、84Bを有する。各鍔部84A、84Bは、Y方向に沿って開口部82から離れるように延びている。各鍔部84A、84Bには、後述するシェル10の延伸部14A、14Bが挿通される貫通孔84aが設けられている。
次に、コネクタ組立体30を製造する手順について、図12〜18を参照しつつ説明する。
コネクタ組立体30を製造する際には、まず、第1のインサート成形として、中間グランドプレート52、下側コンタクト44および下側グランドプレート56を、所定の金型内の所定位置に配置し、第1の樹脂62を用いて各部材を一体にする(図12のステップS1)。第1のインサート成形により、図13に示すような第1の成形体32が得られる。第1の成形体32では、下側コンタクト44および下側グランドプレート56が、第1の樹脂62を介して、中間グランドプレート52の他方面上に保持および固定される。
図14に示すように、第1の樹脂62は、中間グランドプレート52と下側コンタクト44との間、および、下側コンタクト44と下側グランドプレート56との間に形成される。第1の樹脂62は、上述した開口部82において露出する部分である、下側コンタクト44の露出部44c、中間グランドプレート52の腕部52bの一部および下側グランドプレート56の各架橋部56bの一部には形成されない。
なお、第1のインサート成形の際、中間グランドプレート52に設けられた貫通孔53に金型の一部を上方から挿通させ、その金型の一部により下側コンタクト44および下側グランドプレート56を保持することで、インサート成形時に下側コンタクト44および下側グランドプレート56が中間グランドプレートに向かって撓む事態が抑制される。
第1のインサート成形の後、第2のインサート成形として、上側コンタクト42および上側グランドプレート54を、所定の金型内の所定位置に配置し、第2の樹脂64を用いて各部材を一体にする(図12のステップS2)。第2のインサート成形により、図15に示すような第2の成形体34が得られる。図16に示すように、第2の成形体34において、第2の樹脂64は、上側コンタクト42と上側グランドプレート54との間、および、上側コンタクト42の下側に形成される。第2の樹脂64は、上述した開口部82において露出する部分である、上側コンタクト42の露出部42cおよび上側グランドプレート54の各架橋部54bの一部には形成されない。
第2のインサート成形の後、図17および図18に示すように、第1の成形体32の上に第2の成形体34を配置した成形体セット36を形成する。それにより、上側コンタクト42および上側グランドプレート54が、第2の樹脂64を介して、中間グランドプレート52の一方面上に配置される。そして、成形体セット36および背部グランドプレート58を、所定の金型内の所定位置に配置し、第3の樹脂66を用いた第3のインサート成形をおこなう(図12のステップS3)。その結果、上述したコネクタ組立体30が得られる。
すなわち、コネクタ組立体30の樹脂成形体60は、上述した第1の樹脂62、第2の樹脂64および第3の樹脂66によって構成されている。
シェル10は、図19に示すように、両端が開放された筒状の形状を有し、導電性を有する金属材料で構成されている。シェル10は、筒部12と2本の延伸部14A、14Bとを有する。
筒部12は、長円環状の断面を有する扁平形状であり、X方向に沿って延びている。筒部12は、コネクタ組立体30の連結部70の全体を覆うとともに、後端部が本体部80に嵌合される。
筒部12と本体部80との嵌合について、図20を参照しつつ説明する。
図20に示すように、本体部80のうちの開口部82よりも前側に位置する部分(以下、前側本体部と称す。)86は、その前端の外径寸法は筒部12の内径と同一寸法または筒部の内径よりわずかに小さい寸法に設計されているが、前端からX方向の後方に向かうに従って外形寸法が漸次拡大している。図20の断面図に示すように、筒部12の後端部と接合されるべき前側本体部86は、上端面86aおよび下端面86bを含む全周の面がX方向に平行な軸線に対して角度θだけ傾斜している。
そのため、筒部12を前側本体部86の外周に接するように配置した後、X方向に沿って筒部12を前側本体部86に圧入していくと、前側本体部86から筒部12の内周面12aに対する応力および摩擦力が高まり、筒部12が前側本体部86に強固に嵌合される。本体部80には、図5、図10、図11および図19に示すように、筒部12の後端部と当接する4つの当接部84bが設けられている。当接部84bと筒部12の後端部とが当接する位置は、前側本体部86の後端の位置(またはそれより前方の位置)であり、筒部はその位置よりも後方には圧入されない。すなわち、当接部84bにより、筒部12が本体部80の開口部82を塞いでしまう事態が回避されている。
シェル10の延伸部14A、14Bは、シェル10の一方端から本体部80に向かって延びている。延伸部14A、14Bは、具体的には、筒部12の後端部におけるY方向の両端部から、X方向に沿って本体部80に向かって延びている。
各延伸部14A、14Bは、等幅の長尺状を有し、本体部80の両鍔部84A、84Bに設けられた貫通孔84aにそれぞれ挿通される。各鍔部84A、84Bは、X方向において、バネ部59A、59Bよりも前方に位置しており、X方向の前方から見てバネ部59A、59Bを遮蔽している。図21に示すように、延伸部14Aの先端部14aは、鍔部84Aの貫通孔84aを介して、本体部80に保持されている背部グランドプレート58に設けられたバネ部59Aに達している。そして、延伸部14Aの先端部14aは、バネ部59Aと弾性的に接合されている。具体的には、延伸部14Aの先端部14aは、バネ部59AのU字状の凹部59aに収容されるとともに、バネ部59Aの基体部59bと付勢部59cとの間においてY方向に付勢されて挟持されている。延伸部14Aの先端部14aがバネ部59Aに接することで、シェル10がグランド電位となる。なお、図示は省略するが、延伸部14Bの先端部14bについても、上述した延伸部14Aの先端部14a同様、鍔部84Bの貫通孔84aを介してバネ部59Bに達しており、バネ部59Bと弾性的に接合されている。また、延伸部14Bの先端部14bとバネ部59Bとの接合態様は、延伸部14Aの先端部14aとバネ部59Aとの接合態様と同様であるため、その説明は省略する。本実施形態では、各延伸部14A、14Bは、バネ部59A、59Bや背部グランドプレート58との間において恒久的な結合はおこなわれていないが、たとえば溶接等で結合されていてもよい。
上述した導電性のシェル10により、コネクタ組立体30が外部からの電磁波によって影響を受ける事態や、コネクタ組立体30において発生した電磁波ノイズが電気コネクタ1周辺の電子機器に影響を与える事態が抑制され得る。
防水部材20は、図2に示すように、一体的に構成された内部防水部22および外部防水部24を有する。防水部材20は、シェル10が取り付けられたコネクタ組立体30を所定の金型内に配置し、絶縁性の樹脂で本体部80の開口部82を充たすとともに本体部80の外周を囲うように成形することで得られる。防水部材20に用いられる樹脂は、ある程度の弾性を有することが好ましく、一例としてシリコーンゴムである。
内部防水部22は、本体部80の開口部82に充填された部分である。内部防水部22は、各コンタクト40および各グランドプレート50のうちの本体部80の開口部82から露出する部分を覆う。具体的には、内部防水部22は、図2および図4に示すように、上側コンタクト42および下側コンタクト44の露出部42c、44c、中間グランドプレート52の腕部52bの一部、ならびに、上側グランドプレート54および下側グランドプレート56の各架橋部54b、56bの一部を覆う。このように、内部防水部22は、開口部82において、連結部70および本体部80の両方に保持されるコンタクト40およびグランドプレート50の全てを覆っているため、水分がコンタクト40やグランドプレート50を伝って連結部70から本体部80の後端まで達する事態が抑制される。
外部防水部24は、図1に示すように、X方向に垂直となる本体部80の全周を囲う環状部分である。外部防水部24は、図2に示すように、本体部80からZ方向に離れるに従って先細りしている略三角形状の断面を有する。外部防水部24は、その頂部24aが電子機器2の収容空間Cの内壁4に全周に亘って当接可能な寸法および形状に設計されている。
外部防水部24は、シェル10の筒部12の後端部の表面を薄く覆う薄膜部24bを有している。薄膜部24bは、外部防水部24に対して一体的に設けられており、筒部12の後端面と防水部材20との界面Bを全周に亘って覆っている。
以上において説明したとおり、電気コネクタ1は、内部防水部22と外部防水部24とを有する防水部材20を本体部80に備えており、内部防水部22と外部防水部24とが一体化されている。そのため、内部防水部22が、本体部80の開口部82における、上側コンタクト42および下側コンタクト44の露出部42c、44cを被覆して、上側コンタクト42および下側コンタクト44に沿った本体部80の後方への浸水を防止している。また、外部防水部24が本体部80の全周を囲って、電気コネクタ1と電子機器2の収容空間Cの内壁4との間における浸水を防止している。このような内部防水部22と外部防水部24とが一体化されているため、上記電気コネクタ1では、内部防水と外部防水の両方を単一の防水部材20だけの簡易な構成で実現することができる。
したがって、内部防水および外部防水の両方を実現するために内部防水用の部材と外部防水用の部材とを組み合わせた場合よりも組立て作業が簡略化され、その結果、製造コストの低減や製造設備の効率化を図ることもできる。
なお、防水部材20は、内部防水部22と外部防水部24とが一体化されている構成であれば、必ずしも単一材料で構成する必要はなく、複数材料を用いた構成(たとえば、二色成形)であってもよい。
また、上述した電気コネクタ1は、上側コンタクト42および下側コンタクト44の両方を必ずしも備える必要はなく、いずれか一方を備えた構成であってもよい。また、電気コネクタ1は、上側コンタクト42および下側コンタクト44を構成するコンタクトの数は、適宜増減することができる。さらに、グランドプレート50のいずれも必ずしも備える必要はなく、たとえば中間グランドプレート52を除いた構成とすることができる。また、電気コネクタ1はシェル10を備えない構成であってもよい。
また、電気コネクタ1においては、シェル10の筒部12の後端部と接合されるべき前側本体部86の外形寸法が連結方向(X方向)の前方から後方に向かうに従って拡大するように、前側本体部86に傾斜を設けて、シェル10の後端部を本体部80の前端部(前側本体部86)に嵌合させることで、筒部12が本体部80の前側本体部86に強固に嵌合されている。
さらに、外部防水部24の薄膜部24bが、筒部12の後端面と防水部材20との界面Bを全周に亘って覆うことで、界面Bから電気コネクタ1の内部に水が浸入する事態が有意に抑制されている。また、薄膜部24bの幅(X方向の長さ)の分だけ、界面Bまで達する浸水経路の延長が図られることで、電気コネクタ1の内部に水がより一層浸入しにくくなっている。
また、電気コネクタ1においては、連結部70が、中間グランドプレート52に対して下側コンタクト44を保持する第1の樹脂62(第1の樹脂部)と、中間グランドプレート52に対して上側コンタクト42を保持する、第1の樹脂62とは別体の第2の樹脂64(第2の樹脂部)を有している。そして、第1の樹脂62および第2の樹脂64を覆い、かつ、第1の樹脂62および第2の樹脂64とは別体である第3の樹脂66(第3の樹脂部)をさらに備えている。
上述したとおり、第1の樹脂62は、第1のインサート成形(図12のステップS1)によって形成され、第2の樹脂64は、第2のインサート成形(図12のステップS2)によって形成される。
第1のインサート成形の際、所定の金型を用いることで、下側コンタクト44の撓みを抑制することができる。具体的には、中間グランドプレート52に設けられた貫通孔53に挿通可能な部分を有する金型を用い、金型により下側コンタクト44を保持した状態でインサート成形をおこなうことで、下側コンタクト44が中間グランドプレート52に向かって撓む事態が抑制される。第2のインサート成形の際も、所定の金型を用いることで、上側コンタクト42の撓みを抑制することができる。第2のインサート成形では、中間グランドプレート52は一体化されないため、上側コンタクト42の撓みは生じにくい。
このように、第1のインサート成形(第1の成形体32の成形工程)と第2のインサート成形(第2の成形体34の成形工程)とに分けることで、成形工程毎に用いる金型の配置や形状を適宜に変えることができ、それにより、上側コンタクト42および下側コンタクト44の撓みを抑制することができる。したがって、中間グランドプレート52に対する上側コンタクト42および下側コンタクト44の高い相対位置精度を実現することができる。
中間グランドプレート52の板状部52aに設けられた貫通孔53には、第1のインサート成形の際に金型の一部が上方から挿通され、下側コンタクト44が上向きに撓まないように保持することができる。なお、第1のインサート成形において中間グランドプレート52を一体化せずに、第2のインサート成形において中間グランドプレート52を一体化する場合には、第2のインサート成形の際に貫通孔53に金型の一部が下方から挿通され、上側コンタクト42が下向きに撓まないように保持することができる。
なお、第1の樹脂62、第2の樹脂64および第3の樹脂66は、同種の樹脂材料であってもよく異種の樹脂材料であってもよい。
さらに、電気コネクタ1においては、シェル10が筒部12と延伸部14A、14Bとを有し、延伸部14A、14Bが、本体部80の背部グランドプレート58のバネ部59(グランド部材)まで延びてバネ部59と弾性的に接続される。
シェル10の延伸部14A、14Bが背部グランドプレート58のバネ部59と弾性的に接合することで、シェル10と背部グランドプレート58との電気的な接続が図られる。すなわち、シェル10と背部グランドプレート58とは、溶接することなく、簡易な構成で電気的な接続が図られている。その結果、電気コネクタ1を比較的安価にすることができる。その上、従来技術に係る電気コネクタでは、シェルとバックシェル(背部グランドプレート)との電気的な接続を溶接により実現しているため、溶接前における電気的な接続は十分ではなく、溶接後に初めて電気的な接続が図られる。そのため、従来技術に係る電気コネクタにおいては、シェルとバックシェルとの溶接に不具合があった場合には十分な電気的接続が図られない事態が生じ得るが、上述した電気コネクタ1においては、溶接の不具合に起因して電気的接続が不十分となる事態は生じ得ず、シェル10と背部グランドプレート58とを電気的に確実に接続することができる。
加えて、電気コネクタ1においては、シェル10と背部グランドプレート58とを溶接しないため、溶接するための設備が不要であり、製造コストを低減することができる。また、溶接作業の手間や時間を削減することができ、製造効率の向上も図られる。
1…電気コネクタ、2…電子機器、3…基板、4…内壁、10…シェル、12…筒部、14A、14B…延伸部、20…防水部材、22…内部防水部、24…外部防水部、30…コネクタ組立体、32…第1の成形体、34…第2の成形体、36…成形体セット、40、42、44…コンタクト、42c、44c…露出部、50、52、54、56、58…グランドプレート、59、59A、59B…バネ部、60…樹脂成形体、62…第1の樹脂、64…第2の樹脂、66…第3の樹脂、70…連結部、80…本体部、82…開口部、84A、84B…鍔部、84a…貫通孔、C…収容空間。
Claims (4)
- 相手側コネクタと連結される連結部と、
前記相手側コネクタとの連結方向において前記連結部よりも後方に位置する本体部と、
前記相手側コネクタとの連結方向に沿って延び、少なくとも一部分が前記連結部によって保持されるとともに他の部分が前記本体部に保持された導電性のコンタクトと、
前記連結部を囲うとともに前記相手側コネクタとの連結方向に延びる両端が開放された筒状の導電性のシェルと
を備える電気コネクタであって、
前記本体部が、回路のグランド端子に接続可能な導電性のグランド部材を有し、
前記シェルが、一方端から前記本体部のグランド部材まで延びて、前記グランド部材と弾性的に接合する延伸部を有する、電気コネクタ。 - 前記本体部の前記グランド部材が波状のバネ部を有し、該バネ部の凹部に前記シェルの延伸部が収容されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
- 前記本体部が、前記相手側コネクタとの連結方向に関して前記グランド部材と前記延伸部とが接合される接合箇所よりも前方に、前記相手側コネクタとの連結方向に交差する方向に延びて、前記相手側コネクタとの連結方向の前方から見て前記グランド部材を遮蔽する鍔部を有し、
前記鍔部が、前記シェルの前記延伸部を挿通可能な、前記相手側コネクタとの連結方向に沿って延びた貫通孔を有し、
前記シェルの延伸部は、前記鍔部の貫通孔を介して、前記本体部のグランド部材と接合する、請求項1または2に記載の電気コネクタ。 - 前記相手側コネクタとの連結方向に沿って延びるとともに、一部分が前記連結部によって保持された板状の導電部材をさらに備え、
前記導電部材の表裏両側に、少なくとも一部分が前記連結部に保持されるとともに他の部分が前記本体部に保持された複数の前記コンタクトが、前記導電部材とは電気的に絶縁された状態で配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017117199A JP2019003817A (ja) | 2017-06-14 | 2017-06-14 | 電気コネクタ |
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ID=65008025
Family Applications (1)
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JP2017117199A Pending JP2019003817A (ja) | 2017-06-14 | 2017-06-14 | 電気コネクタ |
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JP (1) | JP2019003817A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020161258A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 日本航空電子工業株式会社 | コネクタ |
JP2021068704A (ja) * | 2019-10-22 | 2021-04-30 | 東莞立徳精密工業有限公司Dongguan Leader Precision Industry Co.,Ltd. | 防水コネクタ |
-
2017
- 2017-06-14 JP JP2017117199A patent/JP2019003817A/ja active Pending
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JP2021068704A (ja) * | 2019-10-22 | 2021-04-30 | 東莞立徳精密工業有限公司Dongguan Leader Precision Industry Co.,Ltd. | 防水コネクタ |
US11228137B2 (en) | 2019-10-22 | 2022-01-18 | Dongguan Leader Precision Industry Co., Ltd | Waterproof connector |
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