JP2019000416A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】補助ビームの折り返し補正に好適な改良技術を提供する。【解決手段】ドプラ処理部30は、血流などの運動体から得られる超音波の受信信号内に生じるドプラシフトを計測し、血流などの運動体についての超音波ビーム方向のドプラデータ(ビーム方向の速度情報)を得る。補正画像形成部40は、ドプラシフトの計測に利用される各補助ビームの速度情報を、その補助ビームの深さ方向と時間方向に2次元的に並べた速度情報分布を含む補正用画像を形成する。関心領域設定部50は、補正画像形成部40において形成された補正用画像内において、各補助ビームの速度情報分布に補正用の関心領域を設定する。補正処理部60は、関心領域設定部50により設定された関心領域内の各補助ビームの速度情報を折り返し補正する。【選択図】図1
Description
本発明は、超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、生体内における組織等の診断において極めて有用であり、従来から超音波診断装置の様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1〜3には、超音波診断装置における画像データ等に対する間引き処理の具体例が記載されている。
また、超音波を送受することにより得られる受信信号に基づいて、生体内の血流などの運動体から得られる速度情報を表示する超音波診断装置も知られている。例えば、特許文献4には、複数の主ビームからドプラ処理により得られる速度成分に加えて、複数の副ビームからドプラ処理により得られる速度成分を利用することにより、血管内における血流に関する2次元の速度ベクトル分布を得ることができる画期的な発明が記載されている。
ところで、ドプラ処理により運動体の速度情報を得る場合に、ドプラの折り返し現象が発生することが知られている。ドプラの折り返し現象が発生すると本来の速度とは異なる速度情報が得られてしまうため、ドプラの折り返し補正を行うことが望ましい。
例えば、特許文献4に記載された発明において、複数の主ビームにおいて折り返し現象が発生する可能性があることはもちろんであるが、補助的に利用される各副ビームにおいても折り返し現象が発生する可能性がある。補助的に利用される副ビーム(補助ビーム)においてもドプラの折り返し補正を行うことが望ましい。
本発明の目的は、補助ビームの折り返し補正に好適な改良技術を提供することにある。
本発明の態様として好適な超音波診断装置は、超音波のビーム形成処理により複数の主ビームと1つ以上の補助ビームを形成するビーム形成部と、前記各主ビームから得られる受信信号に対するドプラ処理により前記各主ビームの速度情報を取得し、前記各補助ビームから得られる受信信号に対するドプラ処理により前記各補助ビームの速度情報を取得するドプラ処理部と、前記各補助ビームの速度情報を当該補助ビームの深さ方向と時間方向に2次元的に並べた速度情報分布を含む補正用画像を形成する補正画像形成部と、前記各補助ビームの速度情報分布に補正用の関心領域を設定する関心領域設定部と、前記関心領域内の前記各補助ビームの速度情報を折り返し補正する補正処理部と、を有することを特徴とする。
上記構成の超音波診断装置によれば、例えば、医師や検査技師等のユーザは、各補助ビームの速度情報分布から、折り返しの可能性があるビーム箇所とその周囲の分布とを比較することにより、当該ビーム箇所において折り返しが発生しているか否かを確認することができる。そして、各補助ビームの速度情報分布内において、例えば折り返しが発生していることが確認されたビーム箇所を含むように補正用の関心領域を設定することにより、各補助ビームの当該ビーム箇所における速度情報を折り返し補正することができる。
例えば、前記補正画像形成部は、前記複数の補助ビームに対応した複数の速度情報分布を並べて配置した補正用画像を形成し、前記関心領域設定部は、前記複数の補助ビームに対応した複数の速度情報分布に跨る補正用の関心領域を設定し、前記補正処理部は、前記関心領域内の前記複数の補助ビームに対応した速度情報を纏めて折り返し補正することが望ましい。
また、例えば、前記補正画像形成部は、前記各補助ビームの深さ方向に並ぶ複数区間において各区間ごとに折り返し判定を行うことにより、各区間内において折り返しと判定された速度情報を残しつつ、当該補助ビームの深さ方向に間引き処理された速度情報分布を形成することが望ましい。
また、例えば、前記補正画像形成部は、前記各補助ビームの深さ方向に並ぶ各深さの速度情報を色で表現した速度情報分布を形成することが望ましい。
また、前記超音波診断装置は、例えば、前記複数の主ビームから得られる速度情報と前記1つ以上の補助ビームから得られる折り返し補正後の速度情報とに基づいて、診断対象となる血管内の血流に関する2次元の速度ベクトル分布を形成することが望ましい。
本発明により、補助ビームの折り返し補正に好適な改良技術が提供される。例えば、本発明の好適な態様によれば、医師や検査技師等のユーザは、各補助ビームの速度情報分布から、折り返しの可能性があるビーム箇所とその周囲の分布とを比較することにより、当該ビーム箇所において折り返しが発生しているか否かを確認することができる。
図1は、本発明の実施において好適な超音波診断装置の全体構成図である。プローブ10は、超音波を送受する超音波探触子であり、被検体(生体)内の診断対象(例えば血管)を含む診断領域で超音波ビームを走査する。図1に示す具体例において、プローブ10としてはリニアプローブが好適であり、例えば血管の長軸に交差する超音波ビームの形成と走査が実現される。なお、リニアプローブとは異なる走査態様のプローブ10が利用されてもよい。
ビームフォーマ12は、送信ビームフォーマとしての機能を備えており、プローブ10が備える複数の振動素子に送信信号を出力してプローブ10を送信制御することにより送信ビームを形成する。また、ビームフォーマ12は、受信ビームフォーマとしての機能を備えており、複数の振動素子から得られる複数の信号に対して整相加算処理などを施して受信ビームを形成し、受信ビームに沿って受信信号を得る。
断層画像形成部20は、診断領域内から得られる受信信号に基づいて、診断領域のBモード画像(断層画像)の画像データを形成する。断層画像の形成においては、ビームフォーマ12により、超音波ビーム(送信ビームとそれに対応した受信ビーム)が診断領域内で走査され、走査面内から得られる受信信号に基づいて、その走査面に対応したBモード画像の画像データが形成される。
ドプラ処理部30は、診断領域内から収集される受信信号からドプラ情報を得る。ドプラ処理部30は、例えば公知のドプラ処理により、血流などの運動体から得られる超音波の受信信号内に生じるドプラシフトを計測し、血流などの運動体についての超音波ビーム方向のドプラデータ(ビーム方向の速度情報)を得る。
補正画像形成部40は、ドプラシフトの計測に利用される各補助ビームの速度情報を、その補助ビームの深さ方向と時間方向に2次元的に並べた速度情報分布を含む補正用画像を形成する。
関心領域設定部50は、補正画像形成部40において形成された補正用画像(画像データ)内において、各補助ビームの速度情報分布に補正用の関心領域を設定する。
補正処理部60は、関心領域設定部50により設定された関心領域内の各補助ビームの速度情報を折り返し補正する。
速度ベクトル演算部70は、補正処理部60から得られる補正後の速度情報、つまり血流についての超音波ビーム方向の速度情報から、走査面内における2次元の速度ベクトルの分布を形成する。速度ベクトル演算部70は、例えば特許文献4(特許第5837641号公報)に説明される公知の技術を利用する。つまり、速度ベクトル演算部70は、複数の主ビームからドプラ処理により得られる速度情報に加えて、複数の補助ビーム(複数の副ビーム)からドプラ処理により得られる速度情報を利用することにより、血管内における血流に関する2次元の速度ベクトル分布を形成する。
また、速度ベクトル演算部70は、血管内における血流に関する2次元の速度ベクトル分布を得るにあたり、例えば特許文献4に説明されるように、血管壁面の速度情報(運動速度)を利用してもよい。血管壁面の速度情報は、例えば、断層画像形成部20から得られる断層画像(Bモード画像の画像データ)に基づくパターンマッチング処理等により導出される。
表示処理部80は、断層画像形成部20から得られる画像データに基づいてBモード画像を含む表示画像を形成する。また、表示処理部80は、速度ベクトル演算部70から得られるデータに基づいて、例えば血管内における血流に関する2次元の速度ベクトル分布を含む表示画像を形成する。
なお、表示処理部80は、速度ベクトル演算部70から得られるデータに基づいて、例えば血管内における血流の速度情報をBモード画像上に示したカラーフロー画像(ドプラ画像)を含む表示画像を形成してもよい。例えば診断領域の断層画像内(例えば血流内)の各点における速度を色等によって表現した公知のカラーフロー画像(カラードプラ画像)の表示画像が形成される。
さらに、表示処理部80は、補正画像形成部40において形成された補正用画像と関心領域設定部50において設定される関心領域を含む表示画像を形成する。表示処理部80において形成された表示画像は表示部82に表示される。
制御部100は、図1の超音波診断装置内を全体的に制御する。制御部100による全体的な制御には、操作デバイス90を介して医師や検査技師などのユーザから受け付けた指示も反映される。
図1に示す構成(符号を付した各部)のうち、ビームフォーマ12,断層画像形成部20,ドプラ処理部30,補正画像形成部40,関心領域設定部50,補正処理部60,速度ベクトル演算部70,表示処理部80の各部は、例えば、電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また上記各部に対応した機能の少なくとも一部がコンピュータにより実現されてもよい。つまり、上記各部に対応した機能の少なくとも一部が、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。
表示部82の好適な具体例は液晶ディスプレイや有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等である。操作デバイス90は、例えばマウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、その他のスイッチ類等のうちの少なくとも一つにより実現できる。そして、制御部100は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
図1の超音波診断装置の全体構成は以上のとおりである。次に、図1の超音波診断装置により実現される処理と機能等について詳述する。なお、図1に示した構成(部分)については以下の説明において図1の符号を利用する。
図2は、主ビームと補助ビームを説明するための図である。図2には、血管のBモード画像(断層画像)とその血管に対して設定された主ビームと補助ビームの具体例が図示されている。
Bモード画像は、複数のビームラインから得られるデータ(ビームラインデータ)に基づいて形成される。各ビームラインは、深さ方向に沿って形成される。プローブ10がリニアプローブであれば、互いに平行な複数のビームラインが形成される。つまり、ビームフォーマ12の送受信制御により、深さ方向に沿ってBモード画像用の超音波ビーム(送信ビームとそれに対応した受信ビーム)が形成され、超音波ビームが走査方向に走査されることにより、複数のビームラインが形成される。そして、断層画像形成部20により、複数のビームラインから得られるデータ(ビームラインデータ)に基づいて、例えば、図2に示す具体例のように、血管の長軸断面を映し出したBモード画像が形成される。
一方、ドプラ情報に基づいて血流速を計測する場合、血流は全体的に血管の長軸方向に流れるため、長軸に対して直交しない方向から血流のドプラ情報(ドプラシフト)を得ることが望ましい。そのため、ドプラ情報を得るための各ドプラ計測ラインは、例えば血管の長軸に対して直交しない交差角度をもつラインであることが望ましい。
そこで、ドプラ情報を得る際には、例えば、深さ方向に対してステアリング角度をもつ複数のドプラ用ビームラインが形成され、各ドプラ用ビームラインから収集される受信信号に基づいて各ドプラ用ビームラインごとにドプラ情報が得られる。例えばプローブ10がリニアプローブであれば、互いに平行な複数のドプラ用ビームラインが利用される。つまり、ビームフォーマ12の送受信制御により、深さ方向に対してステアリング角度をもつドプラ計測用の主ビーム(送信ビームとそれに対応した受信ビーム)が形成され、主ビームが走査方向に走査される。
例えば、図2に示す具体例では、各フレーム内(走査面内)において、最初の主ビームBsから最後の主ビームBeまで複数の主ビームが次々に形成される。なお、カラーフロー画像の形成においては、各主ビームの位置に対応した各ビームアドレスごとに、複数回に亘って超音波ビームの形成が繰り返され、各ビームアドレスごとに、複数回に亘って受信信号が収集される。こうして、最初の主ビームBsから最後の主ビームBeまで複数の主ビームから得られる速度情報に基づいて、カラーフロー画像(カラードプラ画像)が形成される。
一方、血管内における血流に関する2次元の速度ベクトル分布を得る場合には、複数の主ビームに加えて、1つ以上の補助ビームが利用される。補助ビームの具体例は、例えば特許文献4に説明される副ビームであり、主ビームとは異なるビーム方向に形成される。
例えば、図2に示す具体例のように、各フレーム内(走査面内)において3本の補助ビームB1,B2,B3が次々に形成される。例えば、最初の主ビームBsの位置から最後の主ビームBeの位置までのドプラ計測領域(フローエリア)内において、3本の補助ビームB1,B2,B3が等間隔に形成される。
例えば、血管内における血流に関する2次元の速度ベクトル分布を得る場合に、ドプラ処理部30は、各主ビームから得られる受信信号に対するドプラ処理により各主ビームの速度情報を取得し、さらに、各補助ビームから得られる受信信号に対するドプラ処理により各補助ビームの速度情報を取得する。
ドプラ処理により血流等の速度情報を得る場合に、ドプラの折り返し現象が発生することが知られている。超音波診断装置のドプラ処理においては、例えばパルス繰り返し周波数等により決定される限界値を超える流速が生じた場合に折り返し現象が発生する。折り返し現象は主ビームでも補助ビームでも発生する可能性がある。
例えば、複数の主ビームのいずれかにおいて折り返し現象が発生すると、それら複数の主ビームから得られるカラーフロー画像(カラードプラ画像)内において、折り返し現象の発生箇所の色が周囲と比較して反転してしまう。例えば、赤色方向(プローブに近づく方向)において最大流速(限界値)を超える流速が発生すると、最大流速を超えた流速が青色方向(プローブから遠ざかる方向)の流速となって現れてしまう。例えばカラーフロー画像内の赤色を基調とした色が支配的な領域内において、折り返し現象の発生箇所のみが青色を基調とする色で表現されてしまう。
したがって、医師や検査技師等のユーザは、例えば、表示部82に表示されるカラーフロー画像の表示画像を見ることにより、複数の主ビームのいずれかにおいて折り返し現象が発生していることを比較的容易に確認することができる。
なお、複数の主ビームのいずれかにおいて折り返し現象が発生している場合に、補正処理部60は、折り返し現象が発生している主ビームに対して折り返し補正を行うことが望ましい。
これに対し、1つ以上の補助ビームにおいて折り返し現象が発生していることを確認することは容易ではない。そこで、補正画像形成部40は、各補助ビームの速度情報を、その補助ビームの深さ方向と時間方向に2次元的に並べた速度情報分布を含む補正用画像を形成する。
図3は、補正用の速度情報分布の具体例を示す図である。図3には、各補助ビームに対応した速度情報分布の具体例が図示されている。つまり、1本の補助ビームから得られる速度情報を、その補助ビームの深さ方向とフレーム方向(時間方向)に2次元的に並べた速度情報分布の具体例が図3に示されている。
補正画像形成部40は、各補助ビームの深さ方向において各深さ(各サンプル点)ごとに得られる速度を色(カラー)で表現することにより、例えば図3に示す具体例の速度情報分布を形成する。なお、速度情報は基本的に血管内から得られるため、例えば血管内に対応した深さの範囲内において各深さの速度が色で表現される。
各フレームごとのフレーム幅は、例えば、表示部82に表示される速度情報分布の表示幅(左右幅)と、1本の補助ビームが複数フレーム(複数時相)に亘って繰り返し形成される際のフレーム数(繰り返し数)から、例えば「フレーム幅=表示幅/フレーム数」とされる。
また、図3に示す具体例において、速度情報分布の近傍(左横)には、速度情報分布における速度と色の対応関係を示すカラーバー(CB)が表示されている。速度情報分布のカラーバー(CB)は、例えばカラーフロー画像(カラードプラ画像)の速度と色の対応関係を示すカラーバーと同じであることが望ましい。
各補助ビームにおいて折り返し現象が発生すると、その補助ビームから得られる速度情報分布内において、折り返し現象の発生箇所の色が周囲と比較して反転してしまう。例えば、青色方向(プローブから遠ざかる方向)において最大流速(限界値)を超える流速が発生すると、最大流速を超えた流速が赤色方向(プローブに近づく方向)の流速となって現れてしまう。これにより、速度情報分布内において、例えば青色を基調とした色が支配的な部分において、折り返し現象の発生箇所のみが赤色を基調とする色で表現されてしまう。例えば、図3に示す具体例では、フレームF7,F8において折り返し現象が発生している。
したがって、医師や検査技師等のユーザは、例えば、表示部82に表示される速度情報分布を含む補正用画像を見ることにより、各補助ビームにおいて折り返し現象が発生していることを比較的容易に確認することができる。
ユーザは、折り返し補正を行いたい場合に、例えばタッチパネルなどの操作デバイス90を利用して、速度情報分布内において補正が必要な位置を指定する。そして、関心領域設定部50は、速度情報分布内においてユーザが指定した位置に補正用の関心領域を設定する。さらに、補正処理部60は、関心領域設定部50により設定された関心領域内において各補助ビームの速度情報を折り返し補正する。
図4は、補正用の関心領域の設定と補正処理の具体例を示す図である。図4(A)には補正用の関心領域(ROI)が設定された速度情報分布の具体例が図示されている。関心領域設定部50は、ユーザからの指示に応じて、速度情報分布内において折り返しが発生している箇所を取り囲むように補正用の関心領域(ROI)を設定する。例えば、ユーザが指定した位置にユーザが指定した大きさの関心領域(ROI)が設定される。図4(A)に示す具体例のように、複数フレーム(2つのフレーム)に跨って関心領域(ROI)が設定されてもよい。
関心領域(ROI)が設定されると、補正処理部60は、関心領域(ROI)内において各補助ビームの速度情報を折り返し補正する。図4(B)には、折り返し補正後の速度情報分布の具体例が図示されている。折り返し補正が実行された結果、図4(A)の関心領域内において色が反転していた箇所が、図4(B)の関心領域内では本来の速度に対応した色に修正されている。なお、折り返し補正には、公知の各種の技術を利用することができる。
図5は、補正用の速度情報分布の変形例を示す図である。図5には、3本の補助ビームB1,B2,B3(図2参照)に対応した3つの速度情報分布を並べて配置した補正用画像の具体例が図示されている。なお、各補助ビームに対応した速度情報分布は、その補助ビームから得られる速度情報を深さ方向とフレーム方向(時間方向)に2次元的に並べたものである(図3参照)。例えば、図5に示す具体例のように、補正画像形成部40は、複数の補助ビームに対応した複数の速度情報分布を並べて配置した補正用画像を形成してもよい。
また、図5に示す具体例では、2本の補助ビームB1,B2に対応した2つの速度情報分布に跨るように補正用の関心領域(ROI)が設定される。関心領域設定部50は、例えばユーザが指定した位置にユーザが指定した大きさで、複数の補助ビームに対応した複数の速度情報分布に跨るように関心領域(ROI)を設定してもよい。
さらに、図5に示す具体例では、2つの速度情報分布に跨るように設定された関心領域(ROI)内において、2本の補助ビームB1,B2に対応した速度情報が纏めて折り返し補正される。例えば、図5に示す具体例のように、補正処理部60は、関心領域(ROI)内の複数の補助ビームに対応した速度情報を纏めて折り返し補正してもよい。
補助ビームから得られる折り返し補正後の速度情報は、例えば血管内における2次元の速度ベクトル分布を形成する際に利用される。
図6は、血管内における2次元の速度ベクトル分布の具体例を示す図である。図6には血管内の各部における2次元の速度ベクトルを矢印で表現した速度ベクトル分布の具体例が図示されている。
図6(A)は、補助ビームから得られる折り返し補正前の速度情報を利用して形成される速度ベクトル分布の具体例を示している。図6(A)に示す具体例では、折り返し現象により、補助ビームから本来の血流とは異なる速度情報が得られているため、血管の中央付近を流れる血流に対応した矢印の向きが乱れてしまっている。
これに対し、図6(B)は、補助ビームから得られる折り返し補正後の速度情報を利用して形成される速度ベクトル分布の具体例を示している。図6(B)に示す具体例では、補助ビームから得られる速度情報が折り返し補正されているため、血管内の全域に亘って複数の矢印が本来の血流の向きに対応付けられている。
このように、補助ビームに対する折り返し補正により、例えば、血管内における2次元の速度ベクトル分布が本来の血流の向きとなるように改善され、信頼性の高い速度ベクトル分布を得ることが可能になる。
ところで、図3,図5を利用して説明したように、各補助ビームに対応した速度情報分布は、その補助ビームから得られる速度情報を深さ方向とフレーム方向に2次元的に並べて形成される。
フレーム方向における各フレームごとのフレーム幅は、例えば、表示部82に表示される速度情報分布の表示幅(左右幅)と、1本の補助ビームが複数フレーム(複数時相)に亘って繰り返し形成される際のフレーム数(繰り返し数)から、例えば「フレーム幅=表示幅/フレーム数」とすればよい(図3参照)。
一方、深さ方向については、各補助ビームの深さ方向に並ぶ全サンプル点の速度情報を色(カラー)で表現してもよいし、表示部82に表示される速度情報分布の表示高さ(上下幅)に収まるように、全サンプル点のうちの幾つかを間引き処理してもよい。
図7は、各補助ビームの深さ方向における間引き処理の具体例を示す図である。図7(1)には、単純間引き処理の具体例が示されている。単純間引き処理では、深さ方向に並ぶ複数のサンプル点から例えば一定間隔で間引き処理後のサンプル点が抽出される。
図7(1)に示す具体例では、深さ方向における複数のサンプル点のサンプル数が36であり、表示部82に表示される速度情報分布の表示高さ(上下幅)のピクセル数が12である。そこで、1つのピクセルに1つのサンプル点が対応付けられるように、間引き数が2((36/12)−1)とされる。そして、例えば、深さ方向に並ぶ複数のサンプル点の先頭(最も浅い位置)から順に、2個のサンプル点を飛ばしつつサンプル点が次々に選択され、表示高さ(上下幅)方向の各ピクセルに対応付けられる。
これにより、図7(1)に示す具体例のように、表示高さ(ピクセル数12)に対応した速度情報分布を得ることができる。しかし、単純間引き処理では、例えば図7(1)に示す具体例のように、折り返し現象に対応したサンプル点ADが間引きされてしまい、速度情報分布に反映されない可能性がある。
そこで、補正画像形成部40は、折り返しを考慮した間引き処理を実行する。図7(2)には、折り返しを考慮した間引き処理の具体例が示されている。折り返しを考慮した間引き処理では、各補助ビームの深さ方向に複数の間引き区間TSが設定される。図7(2)に示す具体例では、深さ方向における複数のサンプル点のサンプル数が36であり、表示部82に表示される速度情報分布の表示高さ(上下幅)のピクセル数が12となっている。そこで、1つのピクセルに1つのサンプル点が対応付けられるように、各間引き区間TSの大きさ(サンプル数)が3(=36/12)とされ、深さ方向に12個の間引き区間TSが設定される。
そして、補正画像形成部40は、各間引き区間TSごとに折り返し判定を行うことにより、各間引き区間TSごとに折り返しと判定された速度情報のサンプル点を残しつつ、間引き処理された速度情報分布を形成する。例えば、各間引き区間TS内において、折り返しと判定されたサンプル点がある場合には、その間引き区間TS内から折り返しと判定されたサンプル点が選択される。
これにより、図7(2)に示す具体例のように、表示高さ(ピクセル数12)に対応した速度情報分布を得ることができる。図7(2)の具体例では、折り返しを考慮した間引き処理が実行されているため、折り返し現象に対応したサンプル点ADが間引きされずに速度情報分布に反映される。
図8は、折り返し判定の具体例を説明するための図である。補正画像形成部40は、折り返しを考慮した間引き処理(図7(2))において、例えば以下に説明する手順により折り返し判定を行う。
まず、間引き処理の対象となる補助ビーム上において、その補助ビームにおける正方向の流速に対応したサンプル数と負方向の流速に対応したサンプル数が計数される(S1,S2)。図8に示す具体例において、正方向の流速に対応したサンプル数(正流速数)は15であり、負方向の流速に対応したサンプル数(負流速数)は5である。
次に、正方向の流速のサンプル数と負方向の流速のサンプル数が比較され、個数の多い方が補助ビームの全体的な流速の向きとされる(S3)。図8に示す具体例では、正方向の流速のサンプル数(正流速数)の方が多いため、間引き処理の対象となる補助ビームの全体的な流速の向きが正方向(正)となる。
次に、全体的な流速の向きに対応した流速の平均値が算出される(S4)。図8に示す具体例では、間引き処理の対象となる補助ビームの全体的な流速の向きが正方向であるため、正方向に対応した15個のサンプル点における流速の平均値(平均流速)が算出される。
そして、間引き処理の対象となる補助ビーム上において、各間引き区間TSごとに、以下の条件を満たす流速に対応したサンプル点が選択される(S5)。なお、以下の条件において「判定閾値=(−1)×平均流速」とする。「(−1)×平均流速」に、更に係数を乗算して判定閾値を得るようにしてもよい。
<条件1>平均流速が正であり且つ判定閾値よりも小さい値の流速に対応したサンプル点が選択される。サンプル点が複数選択された場合には、例えば、流速の絶対値が大きい方のサンプル点が選択される。
<条件2>平均流速が負であり且つ判定閾値よりも大きい値の流速に対応したサンプル点が選択される。サンプル点が複数選択された場合には、例えば、流速の絶対値が大きい方のサンプル点が選択される。
<条件3>折り返し流速がない場合(条件1も条件2も満たさない場合)には、各間引き区間TS内のいずれか1つのサンプル点(例えば最も浅い位置に対応した先頭のサンプル点)が選択される。
このように、間引き処理の対象となる補助ビーム上において、各間引き区間TSごとに折り返し判定が行われて1つのサンプル点が選択される。これにより、例えば、図8に示す具体例では、間引き区間TS3,TS4において、折り返し現象が発生しているサンプル点が選択され、速度情報分布に反映される。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
10 プローブ、12 ビームフォーマ、20 断層画像形成部、30 ドプラ処理部、40 補正画像形成部、50 関心領域設定部、60 補正処理部、70 速度ベクトル演算部、80 表示処理部、82 表示部、90 操作デバイス、100 制御部。
Claims (5)
- 超音波のビーム形成処理により複数の主ビームと1つ以上の補助ビームを形成するビーム形成部と、
前記各主ビームから得られる受信信号に対するドプラ処理により前記各主ビームの速度情報を取得し、前記各補助ビームから得られる受信信号に対するドプラ処理により前記各補助ビームの速度情報を取得するドプラ処理部と、
前記各補助ビームの速度情報を当該補助ビームの深さ方向と時間方向に2次元的に並べた速度情報分布を含む補正用画像を形成する補正画像形成部と、
前記各補助ビームの速度情報分布に補正用の関心領域を設定する関心領域設定部と、
前記関心領域内の前記各補助ビームの速度情報を折り返し補正する補正処理部と、
を有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記補正画像形成部は、前記複数の補助ビームに対応した複数の速度情報分布を並べて配置した補正用画像を形成し、
前記関心領域設定部は、前記複数の補助ビームに対応した複数の速度情報分布に跨る補正用の関心領域を設定し、
前記補正処理部は、前記関心領域内の前記複数の補助ビームに対応した速度情報を纏めて折り返し補正する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1または2に記載の超音波診断装置において、
前記補正画像形成部は、前記各補助ビームの深さ方向に並ぶ複数区間において各区間ごとに折り返し判定を行うことにより、各区間内において折り返しと判定された速度情報を残しつつ、当該補助ビームの深さ方向に間引き処理された速度情報分布を形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記補正画像形成部は、前記各補助ビームの深さ方向に並ぶ各深さの速度情報を色で表現した速度情報分布を形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記複数の主ビームから得られる速度情報と前記1つ以上の補助ビームから得られる折り返し補正後の速度情報とに基づいて、診断対象となる血管内の血流に関する2次元の速度ベクトル分布を形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017118207A JP2019000416A (ja) | 2017-06-16 | 2017-06-16 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017118207A JP2019000416A (ja) | 2017-06-16 | 2017-06-16 | 超音波診断装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2019000416A true JP2019000416A (ja) | 2019-01-10 |
Family
ID=65005223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017118207A Pending JP2019000416A (ja) | 2017-06-16 | 2017-06-16 | 超音波診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019000416A (ja) |
-
2017
- 2017-06-16 JP JP2017118207A patent/JP2019000416A/ja active Pending
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