JP2018535907A - 沈降炭酸カルシウム(pcc)の製造 - Google Patents

沈降炭酸カルシウム(pcc)の製造 Download PDF

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Abstract

本発明は、水中で酸化カルシウム含有材料を消化した後、このようにして製造された石灰乳を炭酸化することによって、沈降炭酸カルシウム(PCC)の水性懸濁液を製造するための、スチレンと無水マレイン酸との重合によって得られた官能化されているかまたは官能化されていないコポリマーの使用に関する。

Description

本発明は、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するための、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用であって、前記コポリマーが任意の少なくとも1種の消化用添加剤と組み合わせて使用されることに関する。
炭酸カルシウムは、製紙産業、塗料産業およびプラスチック産業において最も幅広く使用されている添加剤の一つである。例えば、天然炭酸カルシウム(NCC)は、数多くの用途において、無機充填剤として使用されている。この点に関して、沈降炭酸カルシウム(PCC)は、形態および粒径分布を特定の目的に合わせて製造することが可能であり、これにより、沈降炭酸カルシウムを含有する材料に特定の特性が付与される。紙の充填剤用途において、紡錘状沈降炭酸カルシウム(S−PCC)は、セルロース繊維と組み合わせて、特に無機充填剤として使用されている。
PCCの製造方法は、水酸化カルシウム懸濁液(一般に、「石灰乳」として公知)を生成するように、水によって酸化カルシウム含有材料(一般に、「生石灰」としても公知)を消化することからなるステップと、この消化するステップの後に続く、前記得られた水酸化カルシウム懸濁液の中を通るように二酸化炭素を循環させることによって、炭酸カルシウムを合成することからなるステップとを含む。このような方法は、低い乾燥固形分含量を有するPCC懸濁液を製造する。従って、これらの方法は一般に、より高い固形分含量を有するPCC懸濁液を得るためのさらなる濃縮ステップを含み、このより高い固形分含量を有することは、PCC懸濁液の輸送中に有利である。しかしながら、このようなさらなる濃縮ステップは、エネルギー消費が多く、多額のコストもかかるものであり、特定の設備装置(例えば、かなりの保守管理を必要とする遠心分離装置)の利用を余儀なくさせる。さらに、このような設備装置の使用は、特に例えばクラスターの形態で調製されたS−PCCを用いた場合と同様に、形成されたPCCの構造の破壊を起こす可能性がある。
様々な添加剤の存在下でのPCCの調製のための方法が、文献において記述されている。
文献の中には、負に荷電したポリマー、例えば(メタ)アクリル酸ポリマーの存在下におけるPCCの調製に関するものが、ある程度の数ある。
特に、文献WO2005/000742A1は、水酸化カルシウム懸濁液を用意するステップ、前記懸濁液を炭酸化するステップおよび層状炭酸カルシウムを沈殿させるために炭酸化の終了前にポリアクリレートを懸濁液に添加するステップを含む、層状PCCの調製のための方法に関する。
さらに、本出願人らの名義で出願された未公開特許出願EP14166751.9は、沈降炭酸カルシウム水性懸濁液の製造方法における、少なくとも1種の水溶性ポリマー(例えば、ポリアクリル酸)と、少なくとも1種の消化用添加剤との組合せの使用に関する。
他の文献は、例えば第四級アミンを有するモノマー単位から調製された、正に荷電した添加剤の使用を記述している。
本出願人らの名義で出願された未公開特許出願FR1551690は、沈降炭酸カルシウム水性懸濁液の製造方法における、任意の消化用添加剤の存在下での、カチオン性ポリマーの使用に関する。この文献に記載の発明は、アルカリ性のpH値においてさえ、表面の電荷が正である、PCC懸濁液の調製を可能にする。
最後に、他の文献は、少なくとも部分的に生物資源に由来した添加剤の使用に関する。例えば、特許出願WO2007/067146A1は、デンプンまたはカルボキシメチルセルロース(CMC)の存在下における、PCCの調製のための方法を記述している。
本出願人らの名義で出願された未公開特許出願FR1556789は、沈降炭酸カルシウム水性懸濁液の製造方法における、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するための、解重合されたカルボキシル化セルロースの溶液の使用であって、前記解重合されたカルボキシル化セルロースの溶液が、当該溶液の総重量に対して25重量%から40重量%の間の固形分含量を有し、前記解重合されたカルボキシル化セルロースが、10000g/molから40000g/molの間の分子量を有する、使用に関する。
文献FR3017872は、PCCではなく天然炭酸カルシウムの乾式粉砕による、粒子の調製のための方法を記述している。
文献WO9951691は、濃度を増大させるために水を除去するステップを含む、PCCの調製のための方法を記述している。
文献EP0467287は、無水マレイン酸コポリマーを使用する、PCCの分散物の調製を記述しているが、このようなポリマーを、PCCそのものの調製中に使用することは開示していない。
国際公開第2005/000742号 欧州特許出願公開第14166751.9号明細書 仏国特許出願公開第1551690号明細書 国際公開第2007/067146号 仏国特許出願公開第1556789号明細書 仏国特許第3017872号明細書 国際公開第99/51691号 欧州特許第0467287号明細書
本発明の一目的は、熱的または機械的な濃縮のさらなるステップを用いることなく、例えば高い乾燥固形分含量を有するPCC懸濁液の製造のための溶液を提供することである。
本発明の別の目的は、乾燥固形分含量が高く、容易に維持できる粘度を有する、PCC懸濁液、即ち、PCC懸濁液の粘度増大を防止しながら、PCC懸濁液の乾燥固形分含量の増大を可能にする溶液の製造のための溶液を提供することである。
同様に、前記溶液が、炭酸化ステップの反応速度論に悪影響しないこと、および/またはPCCの結晶構造に有害な影響を与えないことも望ましい。
本発明の別の目的は、紙の製造方法において無機充填剤として直接使用される、PCC懸濁液の調製のための溶液を提供することである。
本発明は、水中で酸化カルシウム含有材料を消化した後、このようにして得られた石灰乳を炭酸化することによって、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するための、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用に関する。
本発明は、沈降炭酸カルシウム水性懸濁液の製造方法における、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい少なくとも1種のコポリマーと、少なくとも1種の消化用添加剤との組合せの使用にも関する。
本発明は、水中で酸化カルシウム含有材料を消化し、このようにして得られた石灰乳を炭酸化し、PCC懸濁液を少なくとも乾燥させることによって、乾いた形態の沈降炭酸カルシウム(PCC)を調製するための、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用にも関する。
定義
本発明においては、下記に記載の用語は、次の意味を有するものとして理解すべきである。
「酸化カルシウム含有材料」は、酸化カルシウム含有材料の総重量に対して少なくとも50重量%、例えば少なくとも75重量%もしくは少なくとも90重量%または少なくとも95重量%の酸化カルシウム含量を有する鉱物または合成材料を意味するように理解されている。
「鉱物材料」は、規定された無機化学組成ならびに特徴的な結晶構造および/または非晶性構造を有する固体物質を意味するように理解されている。
「天然炭酸カルシウム(NCC)」は、石灰岩、大理石または白亜等の天然供給源から得られた炭酸カルシウムであって、例えばサイクロンまたは選別装置を使用して、粉砕、ふるい分けおよび/または分割等の湿式処理および/または乾式処理を施された、炭酸カルシウムを意味するように理解されている。
「沈降炭酸カルシウム(PCC)」は、合成材料が一般に、水性媒体中における二酸化炭素と水酸化カルシウム(消石灰)との反応後の沈殿、または水中におけるカルシウム供給源およびカルボネート供給源の沈殿によって得られることを意味するように理解されている。さらに、沈降炭酸カルシウムは、水性媒体中へのカルシウム塩および炭酸塩、例えば塩化カルシウムおよび炭酸ナトリウムの導入を可能にする生成物であってもよい。PCCは、ヴァテライト形態、カルサイト形態またはアラゴナイト形態であってよい。PCCは、例えば文献EP2447213A1、EP2524898A1およびEP2371766A1において記述されている。
本発明においては、液体組成物の「乾燥固形分含量」または「固形分含量」は、溶媒または水がすべて蒸発した後の材料の残存量の尺度である。
本明細書を通して、沈降炭酸カルシウムまたは他の粒状物質の「粒径分布」は、部分的な粒度分布によって記載されている。d値は、x重量%の粒子がd未満の直径を有する、直径を表す。これは、d20値が、すべての粒子のうちの20重量%が、d値未満の直径を有する、粒径分布であり、d98値が、すべての粒子のうちの98重量%が、d値未満の直径を有する、粒径分布であることを意味する。d98値は、「トップカット(top cut)」としても公知である。d50値は、重量中央粒径分布として公知であり、即ち、50重量%の粒子が、この重量中央粒径分布より小さいまたは大きい直径を有する。本発明においては、粒径分布は、そうではないと指摘されていない限り、重量中央粒径分布d50として示されている。重量中央粒径分布d50またはトップカットd98の粒径分布を測定するために、Micromeritics、USA製のSedigraph5100または5120という装置を使用することができる。
本発明の意味において、「BETメソッド(SSA)に従った比表面積」は、沈降炭酸カルシウム粒子の表面積を、PCC粒子の質量で割ったものとして規定されている。ここで使用されているとき、比表面積は、BET等温線(ISO9277:1995)を使用してN吸着によって測定されており、m/gにより示されている。
本発明の意味において、「pHが12で温度が90℃の水性懸濁液中で安定である」は、ポリマー型添加剤が、pHが12で温度が90℃の水性懸濁液に添加されたときに物理的特性および化学的構造を保持していることを意味する。例えば、ポリマー型添加剤は、前記条件下において分散性を保持しており、解重合されないかまたは分解されない。
本発明においては、「粘度」または「ブルックフィールド粘度」という用語は、ブルックフィールド粘度を意味する。ブルックフィールド粘度は、適切なスピンドルを採用したブルックフィールド粘度計(RVT型)を100rev/minにおいて25℃±1℃で使用して測定されており、mPa・sにより示されている。
本発明においては、「水溶性」材料は、脱イオン水と混合し、ろ液を回収するために細孔径が0.2μmのフィルターによって20℃でろ過したとき、95℃から100℃の間で100gの前記ろ液が蒸発した後に、0.1g以下の固体材料の塊が回収されることになる、材料であると規定されている。「水溶性」材料は、95℃から100℃の間で100gの前記ろ液が蒸発した後に、0.1g超の固体材料の塊が回収されることになる、材料であると規定されている。
本発明の意味において、「懸濁液」は、不溶性の固体および水ならびに任意の他の添加剤を含む。懸濁液は、大量の固体を含有することが可能であり、従って、当該懸濁液を形成した液体に比べて、より高い粘性およびより高い密度を有することができる。
本明細書および本特許請求の範囲において使用されている「含む」という用語は、他の要素を排除しない。本発明においては、「からなる」という用語は、「含む」という用語の好ましい一実施形態であると考えられている。下記において、ある群が、特定の数の実施形態を少なくとも含むものとして規定されている場合、当該の群は、これらの実施形態のみからなることが好ましい一群を表していることも理解すべきである。
「得ることができる」または「規定することができる」および「得られる」または「規定されている」という用語は、相互に置きかえ可能な態様で使用されている。例えば、これは、そうではないと文脈により定めされていない限り、「得られる」という用語は、ある実施形態が、「得られる」という用語に後続するステップの順序によって達成されなければならないことを、たとえこのような限定的な理解が、好ましい一実施形態として、「得られる」または「規定されている」という用語に常に包含されるとしても、指摘しているわけではないことを意味する。
本発明によるコポリマー
本発明との文脈において着目するコポリマーは、無水マレイン酸モノマーとスチレンモノマーとの重合から生じる。例示として、低い分子量の無水マレイン酸とスチレンとのコポリマーおよび当該コポリマーの誘導体が挙げられる。
コポリマーは、上記コポリマーの誘導体であってもよく、例えば、
・部分的にもしくは完全に加水分解された無水マレイン酸単位および/または
・部分的にもしくは完全にエステル化された無水マレイン酸単位および/または
・部分的にもしくは完全にアミド化された無水マレイン酸単位および/または
・部分的にもしくは完全にイミド化された無水マレイン酸単位および/または
・部分的にもしくは完全にスルホン化されたスチレン単位
を有する、無水マレイン酸とスチレンとのコポリマーの誘導体であってもよい。
一実施形態によれば、水中における酸化カルシウム含有材料の消化によって沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製した後、このようにして得られた石灰乳を炭酸化するためには、次の式(I)
Figure 2018535907
(式中、
・単位x、単位yおよび単位zが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配置されており、
・xが、0ではなく、yまたはzのうちの少なくとも1つが、同様に0ではなく、x+y+zの合計が、150以下であり、
・Rが、Hまたはスルホン化基を表し、
・Rが、アルキル鎖、アルケニル鎖、ヘテロアルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖によって置換されてもよい、ヘテロ原子を表し、
・RおよびRが互いに独立に、OH、(O、M)、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖、1個から20個の間の炭素原子を含むN−アルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖を表し、
・Mが、一価、二価または三価のカチオンを表す。)
の上述のコポリマーが使用される。
本発明との文脈において、
・「スルホン化基」は、−SOH基または−(SO 、M)基を意味するように理解されており、
・「ヘテロ原子」は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子またはリン原子を意味するように理解されており、
・「アルキル」は、1個から20個までの炭素原子を含み、置換されてもよい、直鎖状、分岐状または環状飽和炭素基を意味するように理解されており、
・「アルケニル」は、1個以上の不飽和部を含み、2個から20個までの炭素原子を含み、置換されてもよい、直鎖状、分岐状または環状炭素基を意味するように理解されており、
・「ヘテロアルキル」は、特に硫黄、酸素、窒素、リンおよびケイ素を含む群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含むアルキル系である、上記に規定のアルキル基を意味するように理解されており、および
・「ポリアルコキシ化鎖」は、エトキシ化単位EO、プロポキシ化単位POおよびブトキシ化単位BOから選択されるブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に分布するアルコキシ化単位からなり、n、n’、n’’が互いに独立に、0を表し、または1から150までの範囲の整数を表し、n、n’およびn’’の合計が、0ではなく、Zが、1個から20個の間の炭素原子、例えば1個または2個の炭素原子を含むアルキル鎖を表す、
[(EO)(PO)n’(BO)n’’]−Z型
の鎖を意味するように理解されている。
本発明によるコポリマーは、記述された公知の方法に従って、少なくとも2種の異なるモノマーの重合によって得られる。
式(I)の単位xは、重合の前または後に改質されてもよい、スチレン型の重合性モノマーに由来する。特に、単位xは、重合後に完全なまたは部分的なスルホン化を施してもよい。従って、本発明によるコポリマーは、そのままの状態のスチレン単位および/またはスルホン化基によって置換されたスチレン単位を含み得る。
単位yおよび単位zは、重合の前または後に改質されてもよい、無水マレイン酸モノマーに由来する。
本発明の一実施形態によれば、コポリマーは、単位xおよび単位yからなる。
本発明の別の実施形態によれば、コポリマーは、単位xおよび単位zからなる。
さらに別の実施形態によれば、コポリマーは、単位xおよび単位yおよび単位zからなる。
最後に、本発明の一実施形態によれば、コポリマーは、スチレン型の単位xおよびスルホン化スチレン型の単位xならびに単位yおよび単位zからなる。
コポリマー中において、一方としての単位xと、他方としての単位yおよび/または単位zとのモル比は、10:1から1:2の間の範囲または5:1から1:2の間の範囲であってよい。例えば、コポリマー中において、一方としての単位xと、他方としての単位yおよび/または単位zとのモル比は、1:1、2:1または3:1である。
本発明との文脈において使用される前記コポリマーまたは誘導体は、酸の形態または中和された形態である。
本発明によるコポリマーは、中和されている場合、完全にまたは部分的に中和される。
上記式(I)中または下記式(III)中において、Mは例えば、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)およびアンモニウム(NH )から選択される。Mは、アンモニウムであってもよい。ポリマーの中和度および濃度は、ポリマーが溶解しているように調節することができる。
本発明の一実施形態によれば、水中で酸化カルシウム含有材料を消化した後、このようにして得られた石灰乳を炭酸化することによって、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するために、次の式(II)
Figure 2018535907
(式中、
・単位xおよび単位yが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配列されており、
・xおよびyが、0ではなく、x+yの合計が、150以下であり、
・Rが、Hまたはスルホン化基を表し、および
・Rが、アルキル鎖、アルケニル鎖、ヘテロアルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖によって置換されてもよい、ヘテロ原子を表す。)
のコポリマーが使用される。
別の実施形態によれば、水中で酸化カルシウム含有材料を消化した後、このようにして得られた石灰乳を炭酸化することによって、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するために、次の式(III)
Figure 2018535907
(式中、
・単位xおよび単位zが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配列されており、
・xおよびzが、0ではなく、x+zの合計が、150以下であり、
・Rが、Hまたはスルホン化基を表し、
・Rが、OH、(O、M)、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖、1個から20個の間の炭素原子を含むN−アルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖を表し、
・Mが、一価、二価または三価のカチオンを表す。)
のコポリマーが使用される。
別の実施形態によれば、水中で酸化カルシウム含有材料を消化した後、このようにして得られた石灰乳を炭酸化することによって、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するために、x、yおよびzが、0ではなく、150未満であり、単位x、単位yおよび単位zが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配列されている、式(I)のコポリマーが使用される。
本明細書を通して、R基は、アルキル鎖、アルケニル鎖、ヘテロアルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖によって置換されてもよい、ヘテロ原子を表す。
一実施形態によれば、R基は、O原子を表す。
別の実施形態によれば、R基は、アルキル鎖、アルケニル鎖、ヘテロアルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖によって置換されたN原子を表す。N原子は特に、第一級、第二級または第三級アンモニウム基を有するアルキル鎖によって置換されていてもよい。
例として、R基は、N−CH−CH−N(CHを表す。
本明細書を通して、R基およびR基は互いに独立に、OH、(O、M)、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖、1個から20個の間の炭素原子を含むN−アルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖を表す。
一実施形態によれば、R基およびR基は、(O、M)、例えば(O、NH )を表す。
別の実施形態によれば、R基およびR基のうちの一方は、OHを表し、他方は、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖を表す。
さらに別の実施形態によれば、R基およびR基のうちの一方は、(O、M)、例えば(O、NH )を表し、他方は、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖を表す。
別の実施形態によれば、コポリマーは、異なる2種類の単位zを含む、コポリマーである。この実施形態によれば、本発明によるコポリマーの単位zの一部分は、R基およびR基が、(O、M)、例えば(O、NH )を表す。コポリマーの単位zの別の部分は、R基およびR基のうちの一方が、(O、M)、例えば(O、NH )を表し、他方が、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖を表す、部分である。
さらに別の実施形態によれば、R基およびR基のうちの一方が、(O、M)、例えば(O、NH )を表し、他方が、ポリアルコキシ化鎖、例えば−C−O−CH−CHを表す。
一実施形態によれば、本発明によるコポリマーは、溶液形態、粉末形態、樹脂形態またはフレーク形態である。
本発明の一実施形態によれば、コポリマーは、100,000g/mol未満、例えば50,000g/mol未満または15,000g/mol未満または12,000g/mol未満の分子量を有する。
本発明の一実施形態によれば、コポリマーは、1,000g/mol超の分子量を有する。
本発明によるコポリマーの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定される。
酸化カルシウム含有材料
PCC水性懸濁液は、酸化カルシウムCaO含有材料の消化によって調製される。従って、沈降炭酸カルシウム水性懸濁液の製造の方法において、酸化カルシウム含有材料が用意される。前記酸化カルシウム含有材料は、炭酸カルシウム含有材料の焼成によって得ることができる。焼成は、熱分解を起こし、酸化カルシウムおよび二酸化炭素ガスを形成するために、炭酸カルシウム含有材料に適用される熱処理法である。このような焼成方法において使用できる炭酸カルシウム含有材料は、沈降炭酸カルシウム、大理石、石灰岩および白亜等の炭酸カルシウムを含有する天然鉱物、ならびに、ドロマイト等の炭酸カルシウムを含むアルカリ土類金属炭酸塩または他の供給源に由来の炭酸カルシウムに富んだ画分の混合物を含有する鉱物を含む群より選択される炭酸カルシウム含有材料である。酸化カルシウム含有材料を得るために、炭酸カルシウムを含有する廃棄物に焼成方法を施すこともできる。
炭酸カルシウムが約1,000℃で分解して、酸化カルシウム(一般的には、生石灰として公知)が生じる。焼成ステップは、当業者に周知の条件下において、当業者に周知の設備装置を使用して実施することができる。概して、焼成は、様々な設計の炉または反応器(窯炉としても公知の場合がある。)、特にシャフト炉、ロータリーキルン、多段焼却炉および流動層反応器の中で実施することができる。
焼成反応の終了は例えば、密度の変化のモニタリング、例えばX線回折による炭酸塩の残存量の変化のモニタリング、または、標準法による消化の反応性のモニタリングによって、判定することができる。
本発明の一実施形態によれば、酸化カルシウム含有材料は、例えば沈降炭酸カルシウム、大理石、石灰岩および白亜等の炭酸カルシウムを含有する天然鉱物、ドロマイト等の炭酸カルシウムを含むアルカリ土類金属炭酸塩の混合物を含有する鉱物、またはこれらの混合物からなる群より選択される炭酸カルシウム含有材料の焼成によって得られる。
有効性を理由として、酸化カルシウム含有材料は、酸化カルシウム含有材料の総重量に対して少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%、特に好ましくは95重量%である、最小限の酸化カルシウム含量を有することが好ましい。一実施形態によれば、酸化カルシウム含有材料は、酸化カルシウムからなる。
酸化カルシウム含有材料は、1種類のみの酸化カルシウム含有材料からなり得る。代替的には、酸化カルシウム含有材料は、少なくとも2種類の酸化カルシウム含有材料の混合物からなり得る。
酸化カルシウム含有材料は、本発明の方法において、元々の形態、即ち、原材料の形態で使用することができ、例えば、ある程度大きな塊の形態で使用することができる。代替的には、酸化カルシウム含有材料を使用前に粉砕してもよい。本発明の一実施形態によれば、酸化カルシウム含有材料は、0.1μmから1,000μmまでの範囲、例えば1μmから500μmまでの範囲の重量中央粒径分布d50を有する粒子の形態である。
無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用
本発明は、沈降炭酸カルシウム(PCC)を調製するための、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用に関する。
より厳密には、本発明は、乾いた形態または水溶液もしくは水性懸濁液の形態の沈降炭酸カルシウム(PCC)を調製するための、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用に関する。
いかなる理論にも拘束されることは望まないが、このようなコポリマーは、乾いた炭酸カルシウム(消化および炭酸化の後に乾燥させることによって得られたもの)の表面張力を改変し、この結果、プラスチックマトリックス中における顔料充填剤の分散を特に改善すると考えることができる。
PCC水性懸濁液の製造方法は一般に、(i)水と酸化カルシウム含有材料とを混合し、任意の少なくとも1種の消化用添加剤とも混合することによって、石灰乳を調製するステップ、および(ii)沈降炭酸カルシウム水性懸濁液を形成するように、ステップ(i)で得られた石灰乳を炭酸化するステップを含む。
「炭酸化する」は、沈降炭酸カルシウムCaCOを形成するように、水酸化カルシウムCa(OH)の懸濁液の中を通るように二酸化炭素を循環させることを意味するように理解されている。
本発明によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい少なくとも1種のコポリマーは、水中で酸化カルシウム含有材料を消化した後、このようにして得られた石灰乳を炭酸化することによって、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するために使用される。
消化ステップ
PCCの製造方法の第1のステップ、即ち、「消化ステップ」(上記では、ステップi)と呼ばれている。)においては、水、酸化カルシウム含有材料、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた、官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマー、および任意の少なくとも1種の消化用添加剤を混合することによって、石灰乳が調製される。
酸化カルシウム含有材料と水との反応により、石灰乳としての方がよく知られている、乳白色の水酸化カルシウム懸濁液の形成が起きる。前記反応は、発熱が大きいものであり、当技術分野においては、「石灰消化」としても公知である。
一実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい前記コポリマーは、酸化カルシウム含有材料にある消化用の水に取り込まれた状態で存在する。
本発明の一実施形態によれば、消化ステップで使用される水の温度、即ち、酸化カルシウム含有材料の消化のために使用される水の温度は、0℃から100℃までの範囲、例えば1℃から70℃までの範囲または2℃から50℃までの範囲または30℃から50℃までの範囲または35℃から45℃までの範囲に収まるように調節される。消化反応の発熱性が大きい結果および/または異なる温度を用いた物質の混合の結果として、水の初期温度が、消化ステップで調製された混合物の温度と必ずしも同じではないことは、当業者には明らかである。
本発明の一実施形態によれば、本方法の消化ステップは、
a1)無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーを、水および任意の少なくとも1種の消化用添加剤と混合するステップ、ならびに、
a2)ステップa1)の混合物に酸化カルシウム含有材料を添加するステップ
を含む。
一実施形態によれば、ステップa1)は、0℃から99℃の間、例えば1℃から70℃の間または2℃から50℃の間または30℃から50℃の間または35℃から45℃の間の温度で実施される。
本発明の別の実施形態によれば、本方法の消化ステップは、
b1)酸化カルシウム含有材料、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマー、および任意の少なくとも1種の消化用添加剤を混合するステップ、ならびに、
b2)ステップb1)の混合物に水を添加するステップ
を含む。
本発明のさらに別の実施形態によれば、本方法の消化ステップにおいて、酸化カルシウム含有材料、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマー、任意の少なくとも1種の消化用添加剤および水が、同時に混合される。
本発明のさらに別の実施形態によれば、少なくとも1種の消化用添加剤は、本方法の消化ステップの前または後に添加される。
無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーは、消化ステップにおいて全部が添加されてもよいし、または、幾つかの部分、例えば2つ、3つ、4つまたは5つ以上の部分に分けて添加されてもよい。
本方法の消化ステップは、周囲温度で実施することができ、即ち、20℃±2℃の温度または30℃から50℃の間もしくは35℃から45℃の間の初期温度で実施することができる。反応は発熱反応であるため、温度は一般に、ステップi)中に85℃から99℃の間の温度、好ましくは90℃から95℃の間の温度に到達する。好ましい一実施形態によれば、本方法のステップi)は、混合または撹拌、例えば機械的な撹拌によって実施される。本方法の混合または撹拌に適した設備装置は、当業者に公知である。
消化反応の進行は、反応混合物の温度および/または導電度の測定によって観察することができる。
驚くべきことに、本発明者らは、PCCの製造方法の消化ステップの前または最中に、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい上記に規定のコポリマーおよび任意の上記に規定の消化用添加剤を添加することにより、低い乾燥固形分含量を有する石灰乳の調製だけではなく、高い乾燥固形分含量を有する石灰乳の調製も可能にし得ることを発見した。実際、本発明の一態様によれば、前記大いに濃縮された石灰乳の炭酸化によって、高い乾燥固形分含量を同様に有するPCC水性懸濁液を得ることができることに注目するのは興味深い。従って、本発明の方法は、高い乾燥固形分含量を有するPCC懸濁液を得るために、さらなる濃縮ステップを必要としない。
本発明の一実施形態によれば、消化ステップの石灰乳は、石灰乳の総重量に対して少なくとも8重量%、例えば10重量%から66重量%までの範囲または15重量%から45重量%までの範囲または例えば20重量%から40重量%までの範囲または例えば25重量%から37重量%までの範囲の乾燥固形分含量を有する。
本発明の一実施形態によれば、消化ステップの石灰乳は、100rpmにおいて測定して25℃で1mPa・sから1,000mPa・sまでの範囲、例えば25℃で5mPa・sから800mPa・sまでの範囲または例えば25℃で10mPa・sから500mPa・sまでの範囲のブルックフィールド粘度を有する。
本発明の別の実施形態によれば、消化ステップの石灰乳は、乾燥固形分含量が、石灰乳の総重量に対して少なくとも8重量%、例えば10重量%から66重量%までの範囲または15重量%から45重量%までの範囲または例えば20重量%から40重量%までの範囲または例えば25重量%から37重量%までの範囲であるとき、100rpmにおいて測定して25℃で1mPa・sから1,000mPa・sまでの範囲、例えば25℃で5mPa・sから800mPa・sまでの範囲または例えば25℃で10mPa・sから500mPa・sまでの範囲のブルックフィールド粘度を有する。
本発明との文脈においては、石灰乳の望ましい乾燥固形分含量または望ましいブルックフィールド粘度の制御および/または維持および/または達成を目的として、消化反応中にさらなる水が導入されてもよい。
本方法の消化ステップは、バッチ式、半バッチ式または連続式の処理の形態で実施することができる。
消化ステップにおいて、酸化カルシウム含有材料と水は、1:1から1:12まで、例えば1:2から1:12まで、例えば1:2.5から1:6までの重量比で混合することができる。
一実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい前記コポリマーは、少なくとも1種の消化用添加剤と組み合わせて使用される。
この場合、少なくとも1種の消化用添加剤は、有機酸、有機酸塩、糖アルコール、単糖、二糖、多糖、グルコネート、ホスホネート、リグノスルホネートおよびこれらの混合物からなる群より選択することができる。
一実施形態によれば、少なくとも1種の消化用添加剤は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、単糖、二糖、多糖、スクロース、糖アルコール、メリトール(meritol)、クエン酸、ソルビトール、ジエチレントリアミンペンタ酢酸のナトリウム塩、グルコネート、ホスホネート、酒石酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウムおよびこれらの混合物からなる群より選択される。
炭酸化ステップ
PCCの製造方法に含まれるこのステップにおいて、即ち、炭酸化ステップ(上記では、ステップii)と呼ばれている。)において、消化ステップが終了したときに得られた石灰乳は炭酸化され、沈降炭酸カルシウム水性懸濁液を形成する。
炭酸化は、当業者に周知の条件下において、および当業者に周知の手段によって実施される。二酸化炭素が石灰乳に導入されると、炭酸(CO 2−)イオンの濃度が急速に上昇し、炭酸カルシウムが形成される。特に、炭酸化反応は、炭酸化法に関与する反応を考慮に入れることによって容易に制御することができる。二酸化炭素は、分圧に応じて溶解して、アルカリ性溶液中で不安定な炭酸(HCO)および炭酸水素(HCO )イオンの形成によって炭酸イオンを形成する。二酸化炭素が解離し続けている間は、溶存炭酸カルシウムの濃度が溶解度積より大きくなり、そして固体状炭酸カルシウムが沈殿するまで、水酸化物イオンが消費され、炭酸イオンの濃度が上昇する。
本発明の一実施形態によれば、炭酸化は、純粋な二酸化炭素ガスまたは少なくとも10vol%の二酸化炭素を含有する産業用ガスを石灰乳中に導入することによって、実施される。
炭酸化反応の進行は、導電度および/またはpHの測定によって容易に観察することができる。この点に関して、二酸化炭素の添加前の石灰乳のpHは、10を超え、一般に11から12.5の間であり、pHが約7になるまで低下し続ける。pHが約7になった後は、反応を停止することができる。
導電度は、炭酸化反応中にゆっくり低下していった後、沈殿が完了したときに急速に低下して、低い値に到達する。炭酸化の進行は、反応混合物のpHおよび/または導電度の測定によってモニタリングすることができる。
PCCの製造方法の一実施形態によれば、消化ステップが終了したときに得られた、炭酸化ステップで使用されることになる石灰乳の温度は、20℃から60℃までの範囲、例えば30℃から50℃までの範囲に収めるために調節される。炭酸化反応の発熱性の結果および/または異なる温度を用いた物質の混合の結果として、石灰乳の初期温度が、炭酸化ステップで調製された混合物の温度と必ずしも同じではないことは、当業者にははっきりと明らかである。
PCCの製造方法の一実施形態によれば、炭酸化ステップは、5℃から95℃の間の温度、例えば30℃から70℃まで、例えば40℃から60℃までの温度で実施される。
本方法の炭酸化ステップは、バッチ式、半バッチ式または連続式の処理の形態で実施することができる。一実施形態によれば、本方法の消化ステップおよび炭酸化ステップを含むPCCの製造方法は、バッチ式、半バッチ式または連続式の処理の形態で実施される。
本発明の一実施形態によれば、PCCの製造方法は、本方法の消化ステップおよび炭酸化ステップで得られた沈降炭酸カルシウム水性懸濁液を濃縮するステップを含まない。
従って、本発明は、PCCの調製のための方法における、より厳密には、後で炭酸化しなければならない石灰乳を調製するステップにおける、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用に関する。
いかなる理論にも拘束されることは望まないが、上記方法中に形成されたPCC粒子と、シート状の紙のセルロース繊維またはフィブリルとの親和性は、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい前記コポリマーが、PCCの製造方法の最中に使用された結果として改善されると考えることができる。
Mutek電荷およびゼータ電位
本発明の一実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーを、PCCの調製のための方法の最中に使用することにより、製造されるPCC水性懸濁液には、4mV未満、例えば0mV未満であるが、負に荷電したポリマー、例えば(メタ)アクリル酸ポリマー、特に特許出願WO2005/000742A1に記載の(メタ)アクリル酸ポリマーの存在下で調製されたPCCのゼータ電位より大きいゼータ電位が付与されるが、これは、充填剤用途においてもやはり利点である。
別の実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーを使用して得られた、PCC水性懸濁液は、4mV未満、例えば0mV未満、例えば0mVから−40mVの間、例えば0mVから−30mVの間のゼータ電位を有することを特徴とする。
一実施形態によれば、PCCの調製のための方法の最中における、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの使用は、製造されるPCC水性懸濁液に0μeq/g未満のMutek電荷を付与する。
別の実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーを使用して得られたPCC水性懸濁液は、懸濁液(そのままの状態)1g当たり0μeq未満、例えば、懸濁液1g当たり0μeqから−1μeqの間または0μeqから−0.8μeqの間のMutek電荷を有すること特徴とする。
本発明の一実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーは、PCCの製造方法の第1のステップ中に添加され、即ち、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーは、消化ステップの前または最中に添加される。水による酸化カルシウム含有材料の消化によって得られた、当業者に公知の石灰乳は一般に、石灰乳中の酸化カルシウム含有材料の濃度に応じて、25℃の温度で測定して11から12.5の間のpHを有する。消化反応が発熱反応であることを考慮すると、石灰乳の温度は、80℃超、例えば80℃から99℃の間の温度に到達し得る。一実施形態によれば、本発明との文脈において使用される、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーは、pHが12で温度が90℃の水性懸濁液中で安定であるように選択される。本発明の意味において、「pHが12で温度が90℃の水性懸濁液中で安定である」は、ポリマー型添加剤が、pHが12で温度が90℃の水性懸濁液に添加されたときに、物理的特性および化学的構造を保持していることを意味する。例えば、ポリマー型添加剤は、前記条件下において分散性を保持しており、分解されない。
本発明の一実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーは、酸化カルシウム含有材料の総重量に対して0.01重量%から2重量%までの範囲、例えば0.02重量%から1重量%までの範囲、例えば0.05重量%から0.5重量%までの範囲の量で添加される。
消化用添加剤
PCCの製造方法の第1のステップ(または消化ステップ)においては、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーの他にも、少なくとも1種の消化用添加剤を使用することができる。
従って、一実施形態によれば、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい前記コポリマーが、少なくとも1種の消化用添加剤と組み合わせて使用される。
少なくとも1種の消化用添加剤は、有機酸、有機酸塩、糖アルコール、単糖、二糖、多糖、グルコネート、ホスホネート、リグノスルホネートおよびこれらの混合物からなる群より選択することができる。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種の消化用添加剤は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、単糖、二糖、多糖、スクロース、糖アルコール、メリトール(meritol)、クエン酸、ソルビトール、ジエチレントリアミンペンタ酢酸のナトリウム塩、グルコネート、ホスホネート、酒石酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウムおよびこれらの混合物からなる群より選択される。好ましい一実施形態によれば、少なくとも1種の消化用添加剤は、クエン酸ナトリウムおよび/またはスクロースである。
本発明の一実施形態によれば、使用される少なくとも1種の消化用添加剤は、1種類の消化用添加剤からなる。代替的には、使用される少なくとも1種の消化用添加剤は、少なくとも2種類の消化用添加剤の混合物からなり得る。
少なくとも1種の消化用添加剤は、酸化カルシウム含有材料の総量に対して0.01重量%から2重量%までの範囲、例えば0.05重量%から1重量%までの範囲、例えば0.06重量%から0.8重量%までの範囲または例えば0.07重量%から0.5重量%までの範囲の量で添加することができる。
消化用添加剤の添加は、水性懸濁液の粘度に影響することなく、PCC粒子のサイズおよびPCC結晶の形態を制御するのに有用なことがある。
先述したように、驚くべきことに、本発明者らは、PCCの製造方法の消化ステップの前または最中に、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよい上記に規定のコポリマーの添加を、任意の消化用添加剤の添加と組み合わせることにより、高い乾燥固形分含量を有するPCC懸濁液の調製を可能にし得ることを発見した。濃縮ステップの省略は、濃縮ステップ中に起き得る粒子の表面の損傷が回避されると考えられるため、製造されるPCC粒子の品質を改善すると考えられている。前記PCC懸濁液は、許容される粘度、例えば25℃および100rpmで1,000mPa・s以下のブルックフィールド粘度を伴って、52重量%の固形分含量になるまでさらに濃縮できることも想定される。
本方法のさらなるステップ
沈降炭酸カルシウムの製造方法は、さらなるステップを含んでもよい。
石灰乳は、ふるい分けし、サイズが過剰な粒子を除去することができる。適切なふるいは、例えば、100μmから700μmまでのふるいサイズ、例えば約100μmまたは約300μmのふるいサイズを有するふるいを構成し得る。本発明の一実施形態によれば、石灰乳は、例えば100μmから300μmまでの範囲のふるいサイズを有するふるいを使用して、消化ステップの後および炭酸化ステップの前にふるい分けすることができる。
沈降炭酸カルシウム製造方法は、炭酸化ステップが終了したときに得られた水性懸濁液から沈降炭酸カルシウムを分離するさらなるステップを含んでもよい。
本発明においては、「分離」という表現は、PCCが、本方法の炭酸化ステップで得られた水性懸濁液から除去または単離されることを意味する。当業者に知られた任意の従来の分離手段、例えば機械的な手段および/または熱的手段が、使用可能である。機械的な分離法の例は、例えばドラムフィルターもしくはフィルタープレスによるろ過、ナノろ過または遠心分離である。熱的分離法の一例は、例えばエバポレータ内で熱を加えることによって濃縮するための方法である。
得られたPCCは、変換すること、例えば解凝集することもできるし、または乾式粉砕ステップを施されてもよい。得られたPCCは、懸濁液の形態で湿式粉砕することもできる。PCCに脱水ステップ、分散スラップおよび/または粉砕ステップを施す場合、これらのステップは、当技術分野において公知の方法によって達成することができる。湿式粉砕は、粉砕助剤の非存在下または存在下で実施することができる。適宜、分散剤が、分散物を調製するために組み入れられてもよい。
沈降炭酸カルシウムの製造方法は、沈降炭酸カルシウム、例えば、上記分離ステップが終了したときに得られた分離された沈降炭酸カルシウムを乾燥させる、さらなるステップをさらに含んでもよい。
「乾燥させる」という用語は、乾燥させなければならない材料から水の少なくとも一部を除去し、この結果、120℃で得られた「乾いた」材料が一定重量になる、方法を意味する。さらに、「乾いた」材料は、そうではないと指摘されていない限り、乾いた材料の総重量に対して1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好適には0.2重量%以下、とりわけ好ましくは0.03重量%から0.07重量%の間である、合計含水量によって規定することもできる。
一般に、乾燥ステップは、任意の適切な乾燥設備装置を使用して実施することが可能であり、例えば、エバポレータ、フラッシュ乾燥機、オーブン、スプレー乾燥機および/または乾燥処理用真空チャンバ等の設備装置を使用して熱により乾燥させることおよび/または減圧下で乾燥させることを含み得る。
乾燥ステップは、乾燥沈降炭酸カルシウムの総重量に対して1.0重量%以下の低い合計含水量を有する乾燥沈降炭酸カルシウムを生じさせる。
本発明の方法によって得られた沈降炭酸カルシウムは、例えば乾燥ステップの最中および/または後に、さらなる構成要素によって後処理されてもよい。一実施形態によれば、沈降炭酸カルシウムは、脂肪酸、例えばステアリン酸、シランまたは脂肪酸のリン酸エステルによって処理される。
PCCの製造方法の一実施形態によれば、得られた沈降炭酸カルシウムは、0.1μmから100μmまでの範囲、例えば0.25μmから50μmまでの範囲、例えば0.3μmから5μmまでの範囲、例えば0.4μmから3.0μmまでの範囲の重量中央粒径分布d50を有する。
沈降炭酸カルシウムは、アラゴナイト、カルサイトもしくはヴァテライト結晶構造またはこれらの構造の混合物を有し得る。本発明の別の利点は、沈降炭酸カルシウムの結晶構造および形態が例えば、結晶種または構造を改変する作用がある他の化学的生成物の添加によって制御できることである。好ましい一実施形態によれば、本発明の方法によって得られた沈降炭酸カルシウムは、クラスター化した紡錘状結晶構造を有する。
本発明による方法によって得られた沈降炭酸カルシウムのBET比表面積は、窒素およびISO9277規格に従ったBETメソッドを使用して測定して1m/gから100m/gまでの範囲、例えば2m/gから70m/gまでの範囲、例えば3m/gから50m/gまでの範囲、例えば4m/gから30m/gまでの範囲であってよい。本発明の方法によって得られた沈降炭酸カルシウムのBET比表面積は、添加剤、例えば界面活性剤を使用して制御することができるが、この制御には、沈殿ステップ中にせん断が伴われ、または後で、高い機械的せん断速度が伴われることになり、この結果、小さな粒径分布だけでなく、大きなBET比表面積も生じさせる。
本発明の一実施形態によれば、得られた沈降炭酸カルシウム懸濁液は、懸濁液の総重量に対して少なくとも10重量%、例えば20重量%から50重量%までの範囲、例えば25重量%から45重量%までの範囲または例えば30重量%から40重量%までの範囲の乾燥固形分含量を有する。
本発明の一実施形態によれば、PCC懸濁液は、100rpmにおいて測定して25℃で1,500mPa・s以下、例えば25℃で1,000mPa・s以下または25℃で800mPa・s以下または例えば25℃600mPa・s以下のブルックフィールド粘度を有する。
本発明の一実施形態によれば、消化用添加剤が使用されない場合、PCC懸濁液は、100rpmにおいて測定して25℃で2,500mPa・s以下、例えば25℃で2,000mPa・s以下または25℃で1,000mPa・s以下または例えば25℃で800mPa・s以下のブルックフィールド粘度を有する。
本発明の別の態様は、沈降炭酸カルシウム水性懸濁液の製造方法における、無水マレイン酸とスチレンとの重合によって得られた官能化されていてもよいしまたは官能化されていなくてもよいコポリマーと、消化用添加剤との組合せの使用であって、
・コポリマーが、次の式(I)
Figure 2018535907
(式中、
・単位x、単位yおよび単位zが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配置されており、
・xが、0ではなく、yまたはzのうちの少なくとも1つが、同様に0ではなく、x+y+zの合計が、150以下であり、
・Rが、Hまたはスルホン化基を表し、
・Rが、アルキル鎖、アルケニル鎖、ヘテロアルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖によって置換されてもよい、ヘテロ原子
・RおよびRが互いに独立に、OH、(O、M)、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖、1個から20個の間の炭素原子を含むN−アルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖を表し、および
・Mが、一価、二価または三価のカチオンを表し、
・消化用添加剤が、有機酸、有機酸塩、糖アルコール、単糖、二糖、多糖、グルコネート、ホスホネート、リグノスルホネートおよびこれらの混合物からなる群より選択される。)
を有する、
使用に関する。
本発明の一実施形態によれば、このようにして得られた前記沈降炭酸カルシウム水性懸濁液は、紙、プラスチックまたは塗料に関する技術分野における配合物中で使用される。
次の例により、本出願の範囲を限定することなく、本出願をより明確に理解することができる。
1.測定法
実施例で使用された測定法について、下記に記述する。
本発明によるコポリマーの分子量
本コポリマーの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。
このような技法は、検出器を装着したWATERS(商標)ブランドの液体クロマトグラフィー装置を使用する。検出器は、WATERS(商標)ブランドの屈折率式濃度検出器である。
この液体クロマトグラフィー装置は、調査するポリマーの種々の分子量を選別するために当業者が適切に選択したサイズ排除カラムを備える。
液体溶出相は、1N水酸化ナトリウムを使用してpH9.00に調整されており、0.05MのNaHCO、0.1MのNaNO、0.02Mのトリエタノールアミンおよび0.03%のNaNを含有する、水性相である。
詳述すると、第1のステップによって、コポリマーは、0.9%の乾いた状態になるまで、SECの液体溶出相に対応するSEC用可溶化溶媒中に希釈されるが、この可溶化溶媒には、流れの指標または内部標準として作用する0.04%のジメチルホルムアミドが添加されている。次いで、ろ過が0.2μmで実施される。次いで、100μLを、クロマトグラフィー装置(溶離液:1N水酸化ナトリウムを使用してpH9.00に調節されており、0.05MのNaHCO、0.1MのNaNO、0.02Mのトリエタノールアミンおよび0.03%のNaNを含有する、水性相)に注入する。
液体クロマトグラフィー装置は、流量が0.8ml/分に調節されたアイソクラチックポンプ(WATERS(商標)515)を内包する。クロマトグラフィー装置は、長さ6cmで内径40mmのGUARD COLUMN ULTRAHYDROGEL WATERS(商標)型のプレカラムおよび長さ30cmで内径7.8mmのULTRAHYDROGEL WATERS(商標)型のリニアカラムというカラムシステムを自身の中に直列に含む、オーブンをさらに備える。この点に関して、検出システムは、RI WATERS(商標)410型の屈折率検出器から構成される。オーブンは60℃の温度にし、屈折計は45℃の温度にする。
クロマトグラフィー装置は、供給業者POLYMER STANDARD SERVICEまたはAMERICAN POLYMER STANDARDS CORPORATIONが認証した、異なる分子量の粉末状ポリアクリル酸ナトリウム標準品を使用して較正する。
ブルックフィールド粘度
水性懸濁液のブルックフィールド粘度は、適切なディスクスピンドル、例えば2番から5番のスピンドルを装着したRVT型のブルックフィールド粘度計を使用して、製造から1時間後および撹拌から1分後に、100rpmにおいて25℃±1℃で測定した。
pH測定
Mettler Toledo Seven EasyというpH計およびMettler Toledo InLab(R)Expert ProというpH電極を使用して、懸濁液または溶液のpHを25℃で測定した。最初に、20℃でpHが4、7および10である市販の緩衝液(Sigma−Aldrich Corp.、USAから入手可能)を使用して、機器の3点較正(セグメンテーション法による。)を実施した。与えられているpH値は、機器によって検出された最後の値である(測定は、測定されたシグナルが最後の6秒の平均から0.1mV未満異なったときに終了する。)。
粒度分布
調製されたPCC粒子の粒度分布は、Micromeritics社、USA製のSedigraph5100という装置を使用して測定した。方法および機器は当業者に公知であり、一般的に、無機充填剤および顔料の粒径を測定するために使用される。測定は、0.1重量%のNaを含む水溶液中で実施された。高速撹拌器および超音波を使用して、試料を分散させた。分散された試料の測定のために、他の分散剤は添加されなかった。
水性懸濁液の乾燥固形分含量
懸濁液の乾燥固形分含量(「乾燥重量」としても公知)は、160℃の乾燥温度、質量が30秒の期間にわたって1mgより大きく変化しない場合は自動的に停止、5gから20gまでの懸濁液の標準的な乾燥という設定にした状態で、Mettler−Toledo、Switzerland製のMJ33という水分計を使用して、測定された。
比表面積(SSA)
比表面積は、後で試料を、250℃における30分の加熱によってコンディショニングすることになる、窒素を用いたISO9277規格によるBETメソッドを使用して、測定された。これらの測定の実施前に、試料をブフナー漏斗によってろ別し、脱イオン水によってすすぎ、オーブン内において90℃から100℃の間の温度で終夜乾燥する。続いて、乾いたろ滓をすり鉢内で徹底的に粉砕し、得られた粉末は、一定重量になるまで水分分析用天秤の中に130℃で入れておく。
比炭酸化時間
炭酸化反応中にゆっくり低下していき、次いで急速に低下して、最小値に到達し、これによって反応が完了したことを示す導電度のモニタリングを用いて、完全な沈殿を可能にするのに必要な時間を決定した。比炭酸化時間(Ca(OH)1kg当たりのmin)は、次の式
Figure 2018535907
(式中、
・Tf(min)が、導電度のモニタリングによって決定された石灰乳の完全な炭酸化に必要な時間であり、
・W(g)が、炭酸化反応器内に導入された石灰乳の重量であり、および
・DSCLM(%)が、重量による石灰乳の乾燥固形分含量である。)
によって決定した。
Mutek電荷の測定
Mutek PCDという滴定装置を装着したMutek PCD03という装置を使用して、電荷の測定を実施した。
0.5gから1gまでの乾いたPCCを、プラスチック測定セル内に量りとり、20mLの脱イオン水によって希釈する。変位ピストンは、「オン」の位置に配置されている。ピストンがセル内で振動している間、2個の電極間のフロー電流が安定するまで待機する。
スクリーンに表示された測定値の符号は、試料の電荷が正(カチオン)であるか、負(アニオン)であるかを示している。電荷密度が公知で電荷が反対の高分子電解質が、滴定剤として試料に添加される(0.001Nナトリウムポリオキシエチレンスルフェートまたは0.001N pDADMAC)。滴定剤の電荷は、試料の既存電荷を中和する。滴定は、電荷が0の地点(0mV)に到達したらすぐに中断する。
mLによる滴定剤の消費を、後続の計算のための基準として使用する。比電荷q[懸濁液のeq/g]の量を、次の式に従って計算する。
a=(Vc)/w
V:消費された滴定剤の体積[L]
c:滴定剤の濃度[eq/L]または[μeq/L]
w:計量された懸濁液の重量[g]
a:比電荷[懸濁液のeq/g]または[懸濁液のμeq/g]の量
ゼータ電位
ゼータ電位を測定するという目的で、わずかに濁ったコロイド懸濁液を得るために、数滴のPCC懸濁液が、前記懸濁液の機械的なろ過によって得られた十分な量のセラム中に分散される。
この懸濁液は、mVによりPCC懸濁液のゼータ電位の値を直接表示する、Malvern製のZetasizer Nano−ZSという装置の測定セル内に導入される。
2.沈降炭酸カルシウム(PCC)の調製
任意の消化用添加剤(例えば、無水クエン酸ナトリウム、NaCi)の存在下で、40℃から41℃の間の初期温度(ポリマー型添加剤および任意の消化用添加剤の量は、下記の表1に示されている。)において、機械的に撹拌しながら水と異なるポリマー添加剤を混合することによって、石灰乳を調製した。続いて、撹拌しながら酸化カルシウム(Golling、Austria製の生石灰原材料)を添加した。得られた混合物を25分間撹拌し、次いで、200μmふるいによってふるい分けした。
得られた石灰乳をステンレス鋼反応器内に移し、石灰乳を50℃に冷却した。次いで、石灰乳を、空気とCOとの混合物(26vol%のCOおよび23L/minの流量)の導入によって炭酸化する。炭酸化ステップ中には、1,400rpmの速度で反応混合物を撹拌した。反応の反応速度論を、インライン方式のpHおよび導電度の測定によってモニタリングした。
例示的なポリマー型添加剤
P1=分子量が5000g/molでNaOHによってpH=10に中和された(固形分含量が30重量%)、本発明による式(III)
Figure 2018535907
(式中、
・単位xおよび単位zが、交互に配置されており、
・xおよびzが、0ではなく、x+zの合計が、150以下であり、
・Rが、Hを表し、
・Rが、(O、M)を表し、および
・Mが、Naを表す。)
のスチレンと無水マレイン酸とのコポリマー(S:MAのモル比=1:1)。
P2=ポリアクリル酸ナトリウム(本発明ではない。)、Mw=4,270g/mol、PI=2.3(MwおよびPIは、未公開特許出願EP14166751.9に従って測定された。)。
Figure 2018535907
石灰乳および調製されたPCC水性懸濁液の特徴が、下記の表2に記載されている。
Figure 2018535907
表2に記録された結果により、消化用添加剤のみの使用は、高いブルックフィールド粘度を有する石灰乳(試験1)を生じさせること、および、懸濁液の粘度増大を防止しながら、石灰乳の乾燥固形分含量(重量%)を増大させることができないこと(試験1と試験2との比較)が、示されている。
一方、本発明による試料3により、石灰乳および得られたPCC懸濁液の粘度が、このようにして得られたPCC、即ち、100rpmにおいて25℃で1,500mPa・s以下、例えば25℃で1,000mPa・s以下または25℃で600mPa・s以下のブルックフィールド粘度を有するPCC懸濁液の所期の使用と適合することが確認されている。
さらに、炭酸化の反応速度論および調製されたPCCの結晶構造(結果の提示はなし)は、アニオン性ポリマー(本発明によらない単に比較のためのポリマーP2)の使用を伴う方法によって得られたものに類似している。

Claims (9)

  1. 水中で酸化カルシウム含有材料を消化した後、このようにして得られた石灰乳を炭酸化することによって、沈降炭酸カルシウム(PCC)水性懸濁液を調製するための、次の式(I)
    Figure 2018535907
    のコポリマーの使用であって、
    式中、
    ・単位x、単位yおよび単位zが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配置されており、
    ・xが、0ではなく、yまたはzのうちの少なくとも1つが、同様に0ではなく、x+y+zの合計が、150以下であり、
    ・Rが、Hまたはスルホン化基を表し、
    ・Rが、アルキル鎖、アルケニル鎖、ヘテロアルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖によって置換されてもよい、ヘテロ原子を表し、
    ・RおよびRが互いに独立に、OH、(O、M)、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖、1個から20個の間の炭素原子を含むN−アルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖を表し、および
    ・Mが、一価、二価または三価のカチオンを表す、
    コポリマーの使用。
  2. 前記コポリマーが、次の式(II)
    Figure 2018535907
    を満たす、請求項1に記載の使用であって、
    式中、
    ・単位xおよび単位yが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配列されており、
    ・xおよびyが、0ではなく、x+yの合計が、150以下であり、
    ・Rが、Hまたはスルホン化基を表し、および
    ・Rが、アルキル鎖、アルケニル鎖、ヘテロアルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖によって置換されてもよい、ヘテロ原子を表す、
    使用。
  3. 前記コポリマーが、次の式(III)
    Figure 2018535907
    を満たす、請求項1または2に記載の使用であって、
    式中、
    ・単位xおよび単位zが、ブロック状に、ランダムに、交互にまたは統計的に配列されており、
    ・xおよびzが、0ではなく、x+zの合計が、150以下であり、
    ・Rが、Hまたはスルホン化基を表し、
    ・Rが、OH、(O、M)、1個から20個の間の炭素原子を含むO−アルキル鎖、1個から20個の間の炭素原子を含むN−アルキル鎖および/またはポリアルコキシ化鎖を表し、
    ・Mが、一価、二価または三価のカチオンを表す、使用。
  4. 前記酸化カルシウム含有材料と水が、1:1から1:12までの重量比で混合される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記コポリマーが、少なくとも1種の消化用添加剤と組み合わせて使用される、請求項1ら4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記少なくとも1種の消化用添加剤が、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、単糖、二糖、多糖、スクロース、糖アルコール、メリトール(meritol)、クエン酸、ソルビトール、ジエチレントリアミンペンタ酢酸のナトリウム塩、グルコネート、ホスホネート、酒石酸ナトリウム、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウムおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 消化ステップの石灰乳が、100rpmにおいて25℃で1mPa・sから1,000mPa・sまでの範囲のブルックフィールド粘度を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  8. PCC懸濁液が、100rpmにおいて25℃で1,000mPa・s以下のブルックフィールド粘度を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 得られた沈降炭酸カルシウム懸濁液が、前記懸濁液の総重量に対して、少なくとも10重量%の乾燥固形分含量を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
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