JP2018531307A6 - 強化繊維製のテキスタイル基材 - Google Patents

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Abstract

本発明は、複合材料プリフォームを製造するための、よこ糸により互いに結合されている、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平面層から成る一方向シートを含む、強化繊維製のテキスタイル基材に関し、ここでマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平面層上に熱可塑性ポリマー材料の不織布は、配置されており、かつマルチフィラメント強化ヤーンの平面層に接着結合されている。このテキスタイル基材は、よこ糸が、鞘を構成する第一の成分、および芯を構成する第二の成分による芯鞘構造を有し、ここで第一の成分は、第二の成分よりも低い融点を有し、第一の成分は融着性の熱可塑性ポリマー材料であり、よこ糸の第一の成分によって、並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンは、溶融接着により互いに結合されていることによって特徴付けられる。

Description

本発明は、複合材料プリフォームを製造するための、強化繊維製のテキスタイル基材に関し、このテキスタイル基材は、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平らな平面層から成るシートまたは一方向織物を含み、これらのマルチフィラメント強化ヤーンは、よこ糸により互いに結合されており、その際、マルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平面層上に、熱可塑性ポリマー材料の不織布が配置されており、かつマルチフィラメント強化ヤーンの平面層と接着結合されている。
強化繊維または強化ヤーン製のシート、特に一方向織物の形状のものも、市場で以前から知られている。これらのシートまたは一方向織物は、一部には複雑な構造を有する複合材部材を製造するために広く使用されている。このような複合材部材を製造するために、中間工程において、まずシートまたは一方向織物からいわゆる繊維プリフォームが製造され、このプリフォームは、強化繊維製の二次元または三次元構造物の形状でのテキスタイル半製品であり、その形状は既に、完成した部材の形状にほぼ相当し得る。実質的に強化繊維のみから成る繊維プリフォームの実施形態の場合、また部材の製造に必要とされるマトリックスの割合がまだ少なくとも大幅に足りない実施形態の場合に、さらなる工程において適切なマトリックス材料が、インフュージョンまたは注入により、また真空を適用して、繊維プリフォーム中に導入される。最後にマトリックス材料を通例、高温および高圧で硬化させて、完成部材にする。この場合にマトリックス材料をインフュージョンまたは注入するための公知の方法は、いわゆるリキッドモールディング(LM)法、またはこれに関連する方法、例えば樹脂注入成形法(RTM)、真空樹脂注入成形法(VARTM)、レジン・フィルム・インフュージョン(RFI)、リキッド・レジン・インフュージョン(LRI)、またはレジン・インフュージョン・フレキシブル・ツーリング(RIFT)である。
繊維プリフォームを製造するために、シートまたは一方向織物を、マトリックス材料無しで、部材の輪郭に適合された型またはモールド内で、所望の厚さが得られるまで、複数の層で上下に積み重ねることができる。別の場合、シートまたは織物の複数の層をまず、上下に配置し、例えば縫い糸によって、相互に結合させて、乾式多軸シートを形成することができる。各層の強化繊維は、互いに平行に、または交互に交差して、配置することができる。通常、多軸シートの場合に0°、90°、±25°、±30°、±45°、または±60°の角度に調節され、その構造は、0°方向に対して、対称構造が生じるように選択される。これらの多軸シートは、その後、単純な方法でプリフォームへとさらに加工することができる。
多くの場合、多軸シートは、比較的低い融点を有する熱可塑性ポリマー成分を、例えば縫い糸の形態で、またはマルチフィラメント強化ヤーンに塗布されたさらなるポリマー材料の形態で含有する。プリフォームを形成するためには、そのためにこのポリマー成分を溶融させ、引き続き冷却することにより、プリフォームを固定することができ、すなわちプリフォームは安定化される。
互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーン製のシート、または一方向織物の使用は、繊維複合材部材の製造を可能にし、この部材では、使用中に部材に作用する応力に意図的に適合し、従ってそれぞれの応力方向において高い強度を有する。その際、多軸シートの使用の際に、繊維密度および繊維角度に関して部材に存在する負荷方向に適合させることにより、低い比質量を実現することができる。
プリフォームを製造するためには、その際に使用する出発材料、例えば互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーン製シート、または一方向織物、またこれらから製造された多軸シートも、充分な安定性および賦形性を有することで、良好な取り扱い性およびドレープ性を保証することが重要である。
欧州特許出願公開第1352118号明細書(EP 1 352 118 A1)は例えば、多軸シートを開示しており、ここで、強化繊維の層を融着性縫い糸によって形態を維持し、縫い糸の融点を上回って多軸シートの良好な賦形性と、引き続く冷却の間に形状の安定化とを可能にする。熱可塑性ポリマー、例えばポリアミドまたはポリエステル製の縫い糸がしばしば使用され、これらは例えば欧州特許第1057605号明細書(EP 1 057 605)に開示されている。
複合材料プリフォームのための前駆体は、米国特許出願公開第2005/0164578号明細書(US 2005/0164578)に記載されており、この前駆体は、強化繊維織物製の少なくとも1つの層を有し、ここでは、層のうちの少なくとも1つの中で、繊維が一体化されており、この繊維は、繊維を高温にさらした場合にプリフォームを安定化させ、後で、複合材部材を製造するために使用されるマトリックス樹脂中に溶解する。国際公開第02/16481号(WO 02/16481)にも、例えばプリフォームのための、強化繊維製の構造物を開示しており、ここでこの構造物は可撓性ポリマー要素を含有し、これは例えば繊維の形態で、強化繊維の間に導入されているか、または縫い糸として強化繊維を相互に結合させる。可撓性ポリマー要素は、使用される硬化性マトリックス材料中に可溶性の材料から成る。
独国特許出願公開第19809264号明細書(DE 198 09 264 A1)によれば、繊維プリフォームのためのそこに開示された繊維シート配置の強化繊維製の互いに縫合された層の間に、熱可塑性ポリマー製の接着性不織布を挿入することができる。これらの溶融接着不織布により、これらの不織布を形成するポリマーの融点を超えて加熱した場合に、繊維シート配置は、単純な方法で三次元構造物へと賦形することができ、この構造物は、冷却後に実質的に復元力無しで、自身の形状を保つ。
欧州特許第1473132号明細書(EP 1 473 132)はその主題として、多軸シート、およびこの多軸シートの製造方法、ならびにこの多軸シートから製造されるプリフォームを有する。そこに記載された多軸シートは、一方向に敷いた強化繊維製の層の間に熱可塑性繊維製の中間層を有し、ここで中間層は、二成分繊維製の不織布であるか、または異なる繊維が一緒に混合されたハイブリッド不織布であり得る。中間層を構築するポリマーは、後でプリフォーム中へ注入されるマトリックス樹脂と相容性であるべきである。この中間層は樹脂インフュージョンの際に、マトリックス樹脂について透過性であるべきこと、および強化層を樹脂インフュージョンの間、およびその後に固定すべきことが、特に説明されている。エポキシ樹脂を使用する場合、不織布はポリアミド繊維から構築される。この不織布は、強化繊維製の層と、ニットステッチによって、または融解結合によって結合されていてよい。
欧州特許第1705269号明細書(EP 1 705 269)は、ポリヒドロキシエーテル製の熱可塑性繊維材料を開示しており、これは例えば、強化繊維製の多軸シートの場合、例えば不織布として、強化繊維製の層の間に挿入できる。熱の影響下で、ポリヒドロキシエーテル材料は粘稠で粘着性になり、このため強化繊維の既定の幾何学的配置での固定が、強化繊維をマトリックス中に埋め込む前に達成可能になる。ポリヒドロキシエーテル繊維材料は、後で、そのガラス転移温度を上回る温度でマトリックス材料中に完全に溶解する。
強化繊維の複数の層製のシートが、米国特許出願公開第2006/0252334号明細書(US 2006/0252334)に開示されており、これらのシートから製造された部材の衝撃強度を改善するため、強化層の間に例えばポリマー繊維製の不織布を有する。その際、これらのポリマー繊維は、マトリックス樹脂中に可溶性であるべきであり、それによって、米国特許出願公開第2006/0252334号明細書(US 2006/0252334)の記載によれば、融着性の不溶性熱可塑性プラスチックと比較して、樹脂マトリックス中への、これらの繊維を形成するポリマーのより均一な分布が可能になる。
米国特許出願公開第2006/0252334号明細書(US 2006/0252334)および欧州特許第1705269号明細書(EP 1 705 269)のシートの場合のポリマー繊維は、マトリックス材料中に可溶性であり、その結果、マトリックス樹脂でのシートの溶浸の間に溶解するため、部材製造のこの段階での強化層の確実な固定は、充分に保証されない。
繊維プリフォームの製造に適しており、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーン製の単層シートの形態、または単層の一方向織物の形態での基材の記載もまた、特許文献に見られる。例えば欧州特許第1408152号明細書(EP 1 408 152)は、一方向織物の形態での基材を記載しており、ここで一方向にかつ互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンは、マルチフィラメント強化ヤーンに対して横に走る補助糸によって一緒に織られている。補助糸は、炭素繊維、ガラス繊維、または有機繊維、例えばアラミド、ポリアミド、PBO、PVAまたはポリエチレンの繊維であり得る。欧州特許第1408152号明細書(EP 1 408 152)に記載された基材はまた、接着成分、例えばナイロンまたはポリエステル製のもの、または硬化性樹脂、例えばエポキシ、フェノール、または不飽和ポリエステルの樹脂製のものを有することができる。さらに、第一および第二の樹脂成分は、一方向織物のマルチフィラメントヤーンに付着している。第二の樹脂成分は、第一の樹脂成分よりも高い融点または流動開始温度を有する。
欧州特許第2233625号明細書(EP 2 233 625)は、並んで配置された強化繊維ヤーン製の単層シートの形態の基材を開示しており、この基材は湾曲した輪郭を有し、ここで強化繊維ヤーンは、よこ糸として強化繊維ヤーンと交差する補助糸によって維持される。ナイロンまたはガラスの糸は好ましくは、補助糸として使用し、この際には、縮まないのでガラス糸が特に好ましい。湾曲した形状を安定化させるために、主成分が熱可塑性ポリマーである樹脂材料は、点の形状、線の形状、非連続の形状、または不織布の形態で基材に塗布することができ、基材と接着結合することができる。
欧州特許第2233625号明細書(EP 2 233 625)が既に、凝集力を有し、また湾曲した輪郭でも良好な安定性を示す基材を提供しているものの、それにも拘わらず、改善された安定性と同時に、自動化された製造方法に、またプリフォームへの自動化された加工に利用可能な高いドレープ性を有する基材に対する需要がある。
よって本発明の基礎となる課題は、この種類の基材を提供することである。さらなる課題は、プリフォームへの成形後の良好な寸法安定性と、マトリックス樹脂の溶浸の際に良好な透過性とを有する、強化繊維をベースとする基材を提供することである。同時に、これらのシートから製造された部材は、特に圧力の適用下で高い強度特性、および高い衝撃強度を有するべきである。
この課題は、複合材料プリフォームを製造するための、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平らな平面層から成る一方向シートを含む強化繊維製のテキスタイル基材によって解決され、
・ここで、並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンは、よこ糸によって互いに結合されており、かつ
・ここで、熱可塑性ポリマー材料の不織布は、マルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平面層上に配置されており、かつマルチフィラメント強化ヤーンの平面層と接着結合されており、
・ここで、この基材は、よこ糸が、鞘を構成する第一の成分、および芯を構成する第二の成分を有する芯鞘構造を有し、ここで第一の成分が、第二の成分よりも低い融点を有し、第一の成分が、融着性の熱可塑性ポリマー材料であり、かつよこ糸の第一の成分によって、並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンが、溶融接着によって互いに結合されていることによって特徴付けられる。
本発明の文脈において、一方向シート(unidirektionale Gelege)とは、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平らな平面層の配置と理解され、ここで全ての強化ヤーンは、一方向に配向している。本発明による一方向シートでは、強化ヤーンがよこ糸により、溶融接着によって互いに結合されており、ここでよこ糸は、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの平らな平面層の上または下を走っており、かつよこ糸は、各層の上または下に載っており、層の強化ヤーンと接着されていてよい。互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンはまた、よこ糸により一緒に織られていて、または編まれていてよく、同時によこ糸と溶融接着によって結合されていてよい。よって本発明によるテキスタイル基材の一方向シートはまた、同様に全ての強化ヤーンが一方向に配向している一方向織物も含む。これらの一方向織物の場合に、それぞれの層を構成する互いに平行に配置された強化ヤーンは、強化ヤーンに対して実質的に横方向に延びている緩い結合糸の鎖によって相互に結合されている。このような一方向織物は例えば、欧州特許第0193479号明細書(EP 0 193 479 B1)、欧州特許第0672776号明細書(EP 0 672 776)、または欧州特許第2233625号明細書(EP 2 233 625)に記載されている。一方向シートは好ましくは、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの単独の平面層を有する。
本発明によるテキスタイル基材は、強化ヤーンの長手方向と、強化ヤーンに対して横方向の両方で、強化ヤーン相互のずれに対して高い安定性を有する。これは一方では、熱可塑性ポリマー材料の不織布がマルチフィラメント強化ヤーンの層と接着結合されていることに起因しうる。他方では、芯鞘構造を有するよこ糸は、さらなる安定化をもたらす。それと言うのも、融着性熱可塑性ポリマー材料製の鞘を構成する第一の成分が、芯を構成する第二の成分よりも低い融点を有することにより、並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンが、溶融接着により互いに結合されていることを生じさせるからである。
同時に、より高い融点を有する芯成分は、基材に、より高温でも、例えば本発明によるテキスタイル基材から複合材料部材を製造する際のマトリックス樹脂が硬化する間に存在する温度でも、あり得る収縮と、あり得る伸びの双方に関して、充分な横安定性を付与する。
本発明によるテキスタイル基材は、繊維プリフォームを製造するために非常に適しており、ここではテキスタイル基材の複数の層を、最終的に製造されるべき複合材料部材の強度要求性に従って積み重ね、例えば型またはモールド中へ導入される。本発明によるテキスタイル基材の良好なドレープ性に基づき、湾曲した輪郭を有する繊維プリフォームもまた、この方法によって製造することができる。テキスタイル基材の積み重ねられた層は、例えば、温度を短時間上昇させ、引き続き冷却することによって、不織布またはよこ糸の鞘成分を介して、互いに結合、すなわち固定することができるので、これにより安定で取り扱い可能な繊維プリフォームが得られる。
既に説明したように、よこ糸の鞘を形成する第一の成分は、芯を形成する第二の成分の融点よりも低い融点を有する。よこ糸の第一の成分の融点は、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜120℃の範囲にある。第一の成分は、融点がこの範囲にあるポリマーまたはポリマーブレンドであり得る。特に好ましくは、第一の成分は、ポリアミドホモポリマーもしくはポリアミドコポリマー、またはポリアミドホモポリマーおよび/もしくはポリアミドコポリマーのブレンドである。これらのポリマーのうち、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,12、ポリアミド4,6、ポリアミド11、ポリアミド12、またはポリアミド6/12に基づくポリマーが、特に適している。
同様に、よこ糸の第二の成分が、200℃超の融点を有する場合が好ましい。第二の成分は特に好ましくは、ガラスまたはポリエステルである。それと言うのもこれらの材料は、複合材料部材を製造する際に支配的な温度で低い収縮性、および低い伸びを有するからである。
本発明によるテキスタイル基材において、繊維強化複合材料を製造するために一般的に使用される強化繊維またはヤーンは、マルチフィラメント強化ヤーンとして使用できる。好ましくは、マルチフィラメント強化ヤーンは、炭素繊維ヤーン、ガラス繊維ヤーン、またはアラミドヤーン、または高延伸UHMWポリエチレンヤーンであり、特に好ましくは炭素繊維ヤーンである。有利な実施形態において、テキスタイル基材におけるマルチフィラメント強化ヤーンは、50〜500g/m2の単位面積あたり質量を有する。100〜300g/m2の範囲の単位面積あたり質量が特に好ましい。マルチフィラメント強化ヤーンは好ましくは、500〜50000本の強化繊維フィラメントから成る。テキスタイル基材の特に良好なドレープ性および特に均一な外観を達成するためには、マルチフィラメント強化ヤーンは特に好ましくは、6000〜24000本の強化繊維フィラメントから成る。
よこ糸の繊度は好ましくは、マルチフィラメント強化ヤーンの強化繊維フィラメントの数、従ってマルチフィラメント強化ヤーンの繊度に依存する。一方向織物の場合に、また一般的にテキスタイル基材製の多層構造物の場合にも、よこ糸の大き過ぎる繊度は、強化ヤーンの波うち増加につながる。よってよこ糸の繊度は、好ましくはマルチフィラメント強化ヤーンの繊度の1/5以下であるべきである。よこ糸は好ましくは、20〜400dtexの範囲、特に好ましくは50〜200dtexの範囲にある繊度を有する。
同様に、できるだけ少ない波うちを達成するため、しかし同時にテキスタイル基材の充分な安定性を達成するために、マルチフィラメント強化ヤーンの長手方向におけるよこ糸の数が、0.3〜6本の糸/cmの範囲にある場合が好ましい。この数は特に好ましくは、0.6〜2本の糸/cmの範囲にある。よこ糸は、マルチフィラメント強化ヤーンに対して直角に走っていてよい。しかしながら、よこ糸とマルチフィラメント強化ヤーンとの間のその他の任意の角度も、あり得る。
テキスタイル基材の不織布は、無配向ショートカットファイバー、またはステープルファイバー製のテキスタイル布地、または連続フィラメント製のランダム不織布であってよく、このランダム不織布は、例えば温度の適用および圧力下に、結合させる必要があり、これによってフィラメントは接触点で溶融し、こうして不織布が形成される。既に説明したように、不織布によって一方で、マルチフィラメント強化ヤーンの結合が達成される。同時に、テキスタイル基材から製造される繊維プリフォームの良好なドレープ性および/またはマトリックス樹脂でのより良好な溶浸が、達成される。不織布はまた例えば、ガラスマット、または炭素繊維のマットであってよく、これは、接着剤によってマルチフィラメント強化ヤーンの平面層と接着結合されている。
不織布は好ましくは、熱可塑性ポリマー材料から成る。このような不織布は例えば、独国特許発明第3535272号明細書(DE 35 35 272 C2)、欧州特許出願公開第0323571号明細書(EP 0 323 571 A1)、米国特許出願公開第2007/0202762号明細書(US 2007/0202762 A1)、または米国特許出願公開第2008/0289743号明細書(US 2008/0289743 A1)に開示されている。熱可塑性ポリマー材料の適切な選択により、不織布は衝撃強度を増大させるための作用物質として作用することができ、この場合、衝撃強度を増大させるためのさらなる作用物質は、複合材料部材を製造する際に、もはやマトリックス材料自体に添加する必要がない。その際、不織布は、テキスタイル基材から製造される繊維プリフォームをマトリックス材料で溶浸する間、なおも充分な安定性を有するべきであるが、引き続くプレス温度および/または硬化温度で好ましくは溶融すべきである。よって、不織布を構成する熱可塑性ポリマー材料は好ましくは、80〜250℃の範囲にある融点を有する。エポキシ樹脂がマトリックス材料として用いられる用途の場合に、例えばポリアミド製の不織布が有効であると実証されている。
好ましい実施形態において不織布は、第一および第二のポリマー成分を含有し、それらの融点は、よこ糸の第二の成分の溶融温度および分解温度未満であり、ここで第二のポリマー成分は、第一のポリマー成分の融点よりも低い融点を有する。第一のポリマー成分は特に好ましくは、エポキシマトリックス樹脂、シアン酸エステルマトリックス樹脂、またはベンゾオキサジンマトリックス樹脂に、またはこれらのマトリックス樹脂のブレンドに不溶性のものである。第一のポリマー成分の融点が、マトリックス樹脂の硬化温度と少なくとも同程度に高い場合に、特に有利である。
好ましくは使用される不織布の第一のポリマー成分として、前述の条件を満たす限り、熱可塑性繊維へと加工可能な一般的なポリマー、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレートもしくはポリエチレンテレフタレート、またはこれらのポリマーのコポリマーもしくはブレンドを使用することができる。不織布の第一のポリマー成分は、特に好ましくはポリアミドホモポリマーもしくはポリアミドコポリマー、またはポリアミドホモポリマーおよび/もしくはポリアミドコポリマーのブレンドである。ポリアミドホモポリマーまたはポリアミドコポリマーは特に、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,12、ポリアミド4,6、ポリアミド11、ポリアミド12、またはポリアミド6/12に基づくコポリマーである。不織布の第一のポリマー成分は好ましくは、180〜250℃の範囲にある融点を有する。
有利な実施形態において、不織布の第二のポリマー成分は、80〜140℃の範囲にある融点を有する。不織布の第二のポリマー成分のためには、融点がこの範囲にある一般的なポリマー、例えば、低い融点を有するポリアミドホモポリマーまたはポリアミドコポリマー、およびこれらのポリマーのブレンド、ポリオレフィン、特にポリエチレン(例えばPE−LLD、PE−HD)、コポリエステル、エチレンビニルアセテート、ターポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、またはポリヒドロキシエーテルを使用することができる。
その際、好ましい実施形態において、第二のポリマー成分は、エポキシマトリックス樹脂、シアン酸エステルマトリックス樹脂、またはベンゾオキサジンマトリックス樹脂に、またはこれらのマトリックス樹脂のブレンドに可溶性であり得る。この場合にはさらに、第二のポリマー成分が、エポキシマトリックス樹脂、シアン酸エステルマトリックス樹脂、またはベンゾオキサジンマトリックス樹脂と、これらのマトリックス樹脂の架橋の際に化学的に反応するポリマーである場合が特に有利である。第二のポリマー成分は特に好ましくは、ポリヒドロキシエーテルであり、これは、特にエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、またはベンゾオキサジン樹脂に、本発明によるテキスタイル基材から製造された繊維プリフォームをこれらのマトリックス樹脂で溶浸する間に既に、つまり例えば樹脂インフュージョンプロセスの間に、完全に樹脂系に溶解し、その後、マトリックス樹脂とともにマトリックス樹脂系を形成する。他方で第一のポリマー成分は、既に述べたように、マトリックス系に溶解せず、樹脂インフュージョンプロセスの間、およびその後にも、またマトリックス系の硬化後にも、別個の相として残る。
同様に好ましい実施形態において第二のポリマー成分は、エポキシマトリックス樹脂、シアン酸エステルマトリックス樹脂、またはベンゾオキサジンマトリックス樹脂に、またはこれらのマトリックス樹脂のブレンドに不溶性である。この場合、不織布の第二のポリマー成分は、例えば融点の低いポリアミドホモポリマーもしくはコポリマー、またはこれらのブレンド、またはポリオレフィン、特にポリエチレン(例えばPE−LLD、PE−HD)、コポリエステル、エチレンビニルアセテート、もしくはターポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)であり得る。
第一および第二のポリマー成分を有する不織布において、不織布の第一のポリマー成分の融点が、180〜250℃の範囲にあり、かつ不織布の第二のポリマー成分の融点が、80〜140℃の範囲にある場合が、特に有利である。
第一のポリマー成分は特に好ましくは、用いるマトリックス樹脂の硬化温度を上回り溶融する。このようにして第一のポリマー成分は、マトリックス材料内へ結合されるが、硬化したマトリックス樹脂内で常に別個の相を形成する。第一のポリマー成分により形成されるこの別個の相は、硬化の際、およびその後の部材内で、亀裂の伝播を制限するのに役立ち、このため例えば衝撃強度の増大に決定的に貢献する。
不織布が、より高い融点を有する第一のポリマー成分と、より低い融点を有する第二のポリマー成分とを含有する場合、繊維プリフォームを製造する間に、第二のポリマー成分の融点を超えるが、第一のポリマー成分の融点を下回る温度に加熱する際に、基材層相互の移動性は達成できる。不織布の溶融した第二の成分は、ある程度潤滑剤として作用し、このため強化ヤーンの層はプリフォームへの成形プロセスの間、所望の場所に滑動することができる。その後プリフォームを冷却する際に、第二のポリマー成分は、ホットメルト接着剤として作用し、強化層をそれらの位置に固定する。
一般的に、第二の成分の融点を超えるが、第一の成分の融点を下回る温度で行われる、マトリックス樹脂での繊維プリフォームのその後の溶浸の際に、不織布の第一のポリマー成分の融点がより高いことにより、マトリックス樹脂の良好な透過性が保証される。第二のポリマー成分が、前述の実施形態の1つに従ってマトリックス樹脂中に可溶性である場合には、この成分は、マトリックス樹脂中に好ましくは完全に溶解し、このため、その本質はマトリックス樹脂に対して独立した相としては失われる。よって第二のポリマー成分の割合は、そのためにマトリックス材料に含めるべきであり、溶浸させるべきマトリックス樹脂の割合は、第二のポリマー成分の割合だけ減少させることができる。その結果、生じる部材中の強化繊維の高い繊維体積割合に調節することができ、従って機械的な強度特性を、高い水準に保つことができる。マトリックス樹脂、すなわちエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、またはベンゾオキサジン樹脂の硬化温度で、特に好ましい実施形態において第二のポリマー成分は、硬化性マトリックス樹脂と架橋反応によって化学的に反応し、こうして均質なマトリックスの一体部分になる。
第二のポリマー成分がエポキシマトリックス樹脂、シアン酸エステルマトリックス樹脂、もしくはベンゾオキサジンマトリックス樹脂に、またはこれらのマトリックス樹脂のブレンドに不溶性である場合、第一のポリマー成分は前述のように、基材層相互の移動性を媒介する潤滑剤として作用し、このため、強化ヤーンの層は、プリフォームへの成形プロセスの間に所望の場所に滑動することができ、その後プリフォームの冷却の際に、ホットメルト接着剤として作用し、強化層をそれらの位置に固定する。マトリックス樹脂の溶浸、および引き続きその硬化の際に、それらの層の本質はマトリックス樹脂に対して独立した相として保たれるが、この場合には、第二のポリマー成分が、第一のポリマー成分と同様に、亀裂の伝播を減少させ、そのため例えば衝撃強度における改善に貢献する。
不織布が、より高い融点を有する第一のポリマー成分と、より低い融点を有する第二のポリマー成分とを有する好ましい場合において、不織布は各ポリマー成分の一成分繊維の混合物から成っていてよく、すなわち、これはハイブリッド不織布であり得る。しかしながら不織布はまた、二成分繊維、例えば芯鞘繊維から成っていてよく、ここで繊維の芯は、より高い融点を有する第一のポリマー成分から構成されており、鞘は、より低い融点を有する第二のポリマー成分から構成されている。このようなハイブリッド不織布または二成分不織布を有するテキスタイル基材を繊維プリフォームへ加工する際に、例えばテキスタイル基材の賦形も必要であり、より低い融点を有する不織布成分の融点を超えるが、より高い融点を有する不織布成分の融点を下回る温度での賦形の間に熱を適切に適用することによって、良好な賦形性を達成することができ、冷却後に、賦形されたシートの良好な安定化、および固定を達成することができる。二成分繊維製の不織布と同様に、不織布は、例えば第一のポリマー成分製の繊維のランダムウェブから構成されていてもよく、ここで第二のポリマー成分は、例えば噴霧または被覆によって、第一のポリマー成分の繊維に塗布されている。この被覆は例えば、第二のポリマー成分の分散液または溶液での含浸によって行われてよく、含浸後に、分散液の液状部分または溶媒が除去されている。同様に、第一のポリマー成分の繊維から構成された不織布は、第二のポリマー成分を、第一のポリマー成分の繊維の間に埋め込まれた微粒子の形態で含有することが可能である。
第一および第二のポリマー成分を含有する不織布は好ましくは、ハイブリッド不織布、すなわち融点が異なる一成分繊維の混合物製の不織布である。前述のように、より高い融点を有する第一のポリマー成分は特に好ましくは、180〜250℃の範囲にある融点を有する。このような温度では、第一のポリマー成分から成る不織布の一部は、通例マトリックス樹脂を注入する際に支配的な温度を超えた場合にはじめて、溶融する。よって第一のポリマー成分は、樹脂注入温度ではまだ溶融していないため、テキスタイル基材の良好な寸法安定性が、この段階では保証される。
本発明によるテキスタイル基材を用いて製造された複合材部材の特性に関して、特にその衝撃強度およびそのマトリックス含分に関して、不織布が第一のポリマー成分を60〜80質量%の割合で含有し、かつ第二のポリマー成分を20〜40質量%の割合で含有する場合が有利である。全般的に、テキスタイル基材中に存在する不織布が、5〜25g/m2の範囲の単位面積あたり質量、特に好ましくは5〜15g/m2の範囲の単位面積あたり質量を有する場合が好ましい。
特に、テキスタイル基材の不織布が、より高い融点を有するポリマー成分を1種のみ含有する場合、すなわち例えば、融点が180〜250℃の範囲にあるポリマー成分を1種のみ含有する場合、好ましい実施形態において、テキスタイル基材はさらに、マルチフィラメント強化ヤーンの平面層の少なくとも1つの表面上にバインダー材料を含有し、その主成分は、熱可塑性ポリマーまたは室温で固体のビスフェノールA系エポキシ樹脂であり、このバインダー材料がマルチフィラメント強化ヤーンの平面層上に非連続的に塗布されており、マルチフィラメント強化ヤーンに対して接着結合されている。ここで非連続的な塗布とは、バインダー材料が、点状で、線の形状で、またはその他の方法で、バインダー材料の連続層が存在すること無く、表面上に塗布されていることであると理解される。バインダー材料は好ましくは、マルチフィラメント強化ヤーンの単位面積あたり質量の1〜5質量%の濃度で存在する。
テキスタイル基材の特に好ましい実施形態において、バインダー材料は粉末状材料をベースとしており、マルチフィラメント強化ヤーンの平面層に点状に塗布されている。これは、粉末状バインダー材料を、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの層の表面に散布し、その表面上で溶融によって固定することによって達成できる。
ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエチレン、ポリプロピレン、または酢酸セルロースを、バインダー材料のための熱可塑性ポリマーとして好ましく使用することができる。
バインダー材料の融点は好ましくは、80〜120℃の範囲にある。その際、バインダー材料は、繊維プリフォームを製造する際に、テキスタイル基材の積み重ねた層を、バインダー材料の融点を上回る温度に加熱し、引き続き冷却することにより互いに結合させ、相互に固定するという課題だけを有し得る。バインダー材料はさらに、例えば、テキスタイル基材の層の変形が繊維プリフォームを形成する際に起こった場合、繊維プリフォームの安定化に貢献することができる。最後に、しかしながら、バインダー材料を、例えば部材の衝撃強度を改善することによって、繊維プリフォームから製造された複合材料部材の機械的特性の改善に貢献するように選択することもできる。ここで、バインダー材料が高い靭性を有する熱可塑性材料であるか、またはそのような熱可塑性ポリマーと室温で固体のビスフェノールA系エポキシ樹脂とのブレンドである場合に、有利である。
その特別な構造に基づき、本発明による基材は、良好なドレープ性および繊維プリフォームにおける基材層の固定性の点、プリフォームから部材を製造するためのマトリックス樹脂での溶浸の際の良好な透過性の点、ならびにこのプリフォームを用いて高い機械的強度および高い衝撃強度を有する部材を製造可能である点で優れている。よって本発明は特にまた、本発明によるテキスタイル基材を含む複合材料部材を製造するための繊維プリフォームにも関する。
マルチフィラメント強化ヤーンを、よこ糸と、また同時に不織布と、ならびに場合によってはバインダー材料と接着結合の形で結合することにより、テキスタイル基材は高い水準の寸法安定性を得る。それと言うのも接着結合により、マルチフィラメント強化ヤーン相互の優れた固定が生じるからである。これにより、マルチフィラメント強化ヤーンが、まっすぐに、互いに平行に並んで存在するテキスタイル基材のみならず、湾曲した形状を有するテキスタイル基材も実現できる。よって好ましい実施形態はまた、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平らな層が、湾曲した輪郭を有するテキスタイル基材に関し、ここでマルチフィラメント強化ヤーンは、湾曲した輪郭の周方向に対して平行に配置されており、各マルチフィラメント強化ヤーンは、その固有の、湾曲した輪郭の周方向に割り当てられた軌跡上を延びており、個々のマルチフィラメント強化ヤーンの軌跡は、共通の曲率中心を有する。
湾曲した形状または輪郭を有するこのようなテキスタイル基材において、マルチフィラメント強化ヤーンは、湾曲した輪郭の周方向に沿った方向(0°方向)に対して平行である。マルチフィラメント強化ヤーンが、互いに平行に並んで配置されており、まっすぐな直線で延びているシートとは対照的に、湾曲した形状を有するテキスタイル基材におけるマルチフィラメント強化ヤーンは同様に、互いに平行に並んで配置されているが、湾曲した異なる軌跡上を延びており、これらの軌跡は、共通の曲率中心を有する。ここでよこ糸はまた、マルチフィラメント強化ヤーンに対して横方向でマルチフィラメント強化ヤーンと交差する方向で延びている。この湾曲した形状は、高い寸法安定性に基づき、また本発明によるテキスタイル基材の設計の結果として、特に二成分から成る芯鞘構造のよこ糸によって、引き続く繊維プリフォームまたは複合材料部材への加工工程の際にも、保たれる。ここでさらなる安定化は、熱可塑性ポリマー材料の不織布が、前述の特性を有する第一のポリマー成分および第二のポリマー成分を含有するテキスタイル基材の場合に、達成される。

Claims (15)

  1. 複合材料プリフォームを製造するための、互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平面層から成る一方向シートを含む、強化繊維製のテキスタイル基材であって、
    ・互いに並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンは、よこ糸によって互いに結合されており、かつ
    ・熱可塑性ポリマー材料の不織布は、マルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平坦層上に配置されており、かつマルチフィラメント強化ヤーンの平面層と接着結合されており、
    以下:
    ・よこ糸が、鞘を形成する第一の成分、および芯を形成する第二の成分を有する芯鞘構造を有し、ここで第一の成分は、第二の成分よりも低い融点を有し、第一の成分は、融着性の熱可塑性ポリマー材料であり、かつよこ糸の第一の成分によって、互いに並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンは、溶融接着により互いに結合されている
    ことを特徴とする、前記テキスタイル基材。
  2. よこ糸の第一の成分が、70〜150℃の範囲にある融点を有することを特徴とする、請求項1記載のテキスタイル基材。
  3. よこ糸の第一の成分が、ポリアミドホモポリマーもしくはポリアミドコポリマー、またはポリアミドホモポリマーおよび/もしくはポリアミドコポリマーのブレンドであることを特徴とする、請求項2記載のテキスタイル基材。
  4. よこ糸の第二の成分が、200℃超の融点を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のテキスタイル基材。
  5. よこ糸の第二の成分が、ガラスまたはポリエステルであることを特徴とする、請求項4記載のテキスタイル基材。
  6. よこ糸が、20〜400dtexの範囲にある繊度を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のテキスタイル基材。
  7. 前記不織布が、5〜25g/m2の範囲にある単位面積あたり質量を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のテキスタイル基材。
  8. 前記不織布が、
    融点がよこ糸の第二の成分の融点または分解点を下回り、かつエポキシマトリックス樹脂、シアン酸エステルマトリックス樹脂、もしくはベンゾオキサジンマトリックス樹脂に、またはこれらのマトリックス樹脂のブレンドに不溶性である、第一のポリマー成分と、
    第一のポリマー成分よりも低い融点を有する第二のポリマー成分と
    を含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のテキスタイル基材。
  9. 前記不織布の第一のポリマー成分が、180〜250℃の範囲にある融点を有し、かつ前記不織布の第二のポリマー成分が、80〜140℃の範囲にある融点を有することを特徴とする、請求項8記載のテキスタイル基材。
  10. 前記不織布の第一のポリマー成分が、ポリアミドホモポリマーもしくはポリアミドコポリマー、またはポリアミドホモポリマーおよび/もしくはポリアミドコポリマーのブレンドであることを特徴とする、請求項8または9記載のテキスタイル基材。
  11. テキスタイル基材がさらに、マルチフィラメント強化ヤーンの平面層の少なくとも1つの表面上にバインダー材料を含み、前記バインダー材料の主成分は、熱可塑性ポリマーまたは室温で固体のビスフェノールA系エポキシ樹脂であり、かつ前記バインダー材料は、マルチフィラメント強化ヤーンの平面層上に非連続的に塗布されており、かつマルチフィラメント強化ヤーンと接着結合されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のテキスタイル基材。
  12. 前記バインダー材料が、80〜120℃の範囲にある融点を有することを特徴とする、請求項11記載のテキスタイル基材。
  13. マルチフィラメント強化ヤーンが、炭素繊維ヤーン、ガラス繊維ヤーン、もしくはアラミドヤーンであるか、または高延伸UHMWポリエチレンヤーンであることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のテキスタイル基材。
  14. 互いに平行に並んで配置されたマルチフィラメント強化ヤーンの少なくとも1つの平らな層が、湾曲した輪郭を有し、ここでマルチフィラメント強化ヤーンは、湾曲した輪郭の周方向に対して平行に配置されており、かつ各マルチフィラメント強化ヤーンは、その固有の、湾曲した輪郭の周方向に割り当てられた軌跡上を延びており、かつ個々のマルチフィラメント強化ヤーンの軌跡は、共通の曲率中心を有することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載のテキスタイル基材。
  15. 請求項1から14までのいずれか1項に記載のテキスタイル基材を含むことを特徴とする、複合材料部材を製造するための繊維プリフォーム。
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