JP2018528799A - 調節可能なスポーツ車椅子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、支持フレームと、前輪と、一対の後輪と、着座ケージを備えた調節可能なスポーツ車椅子に関する。支持フレームは、前輪の支持部に接続される前側ハーフフレームと、後輪を支持するフレーム構造と、に分割される。フレーム構造は、少なくとも2つの車椅子の移動方向を向いた縦側と、ケージ方向を向いた2つの間隔を開けた横側を有し、競技者の不具合のレベルと種類に応じて車椅子を推進するために、競技者を最適な位置に収容することを目的として、内部構造エレメントから自由なコンパートメント形状をとっている。【選択図】図1

Description

本発明は、障害を持った競技者のための車椅子の分野に関し、請求項1の前置きに記載の車椅子に関するものである。
競技者のための車椅子は、現在競技者の障害の種類と身体の大きさに応じて競技者それぞれのためにカスタマイズされている。これは、高い取得コストと製造の高い分化水準を伴う。
この理由から、車椅子競技への参加希望者は、カスタマイズされた車椅子と要求し、それに伴う高いコストを負担しない限り、彼/彼女のニーズに適合した車椅子を見つけることが困難である。
この状況は、競技に着手する人がどんどん少なくなり、このような競技の開発や広がりを抑制するという事実の要因である。
現在のところ、市場はカスタマイズされた高価な解決策(例えばインバケア社のTop End (登録商標)Eliminator (登録商標)OSR競技用車椅子)又は各種サイズで製造された安価な解決策(例えばMotivation Direct ltd.のFlying Start 車椅子)を提供している。
大量生産で様々なサイズを提供している場合でさえ、車椅子は調節可能性要件と各ユーザーのニーズへの適合要件に十分に合致していない。
これは、競技用スポーツ車椅子に言及する場合、特に重要である。この場合、車椅子を回転させるために機能しない努力の浪費によるストレスを避けるために、腕によって発揮される押す力の伝達と同様に、競技者の位置と、彼/彼女と車椅子のフレームとの間の接点を最適化する必要がある。
米国特許出願第2009/194974号明細書には、フレームが長手方向と垂直方向に延び、フレームの横断エレメントで接続された2つのサイドエレメントからなる従来型車椅子が記載されている。フレームの横断エレメントは、それぞれフレームのサイドエレメントと一体化した2つのパーツからなり、これらの2つのパーツは互いに嵌合して、軸方向に伸張及び収縮方向、つまりフレームの2つのサイドエレメントを互いに遠ざけたり近づけたりする方向にスライド自在である。さらに、フレームの横断エレメントを形成する2つのパーツの位置を係止する係止手段が設けられている。米国特許出願第2009/194974号明細書では、フレームの各横断エレメントは、最終伸張位置と最終収縮位置の2つの位置のみ取ることができ、搬送又は駐輪のための折り畳み状態と、使用のための状態に対応している。この文献は、示された実施例でも、記載された変形例でも、連続的及び段階的のどちらでも横断エレメントの長さを徐々に調整することを提供せず、横断エレメントの2つのパーツが、最大延長位置又は最小短縮位置と異なる相対的位置に係止されることができなかった。
米国特許出願第2001/0011805号明細書には、所定の固定された長さの横断エレメントを有する、身体障害者のための車椅子が記載されている。フレームの構造は、フレーム配置、特に回転する車輪に対する座席位置の幾つかの調整を可能にしている。
米国特許出願第2012/0169026号明細書には、フレームの2つのサイドエレメントが所定の不変長の横断エレメントによって互いに接続された車椅子が記載されている。
独国実用新案出願公開第202014002843号明細書にも、上記内容が当て嵌まって、フレームのサイドエレメントが、座席位置、座席傾斜等に関するフレームの配置を調整可能にしている。しかし、フレームの横断エレメントは固定長で、車椅子の幅方向の調整ができなかった。
国際出願公開第2008/044541号明細書には、2つのサイドエレメントが互いに接近した非使用位置から、2つのサイドエレメントが固定の調整不可の距離だけ離れた使用位置まで、横断方向に折りたたみ可能な車椅子が記載されている。フレームのサイドエレメント間の接続は、中央位置で互いに回転し、端部はフレームのそれぞれのサイドエレメントの縦ロッド上をスライドするエレメントに対して回転する、2つの横断アームによる。記載された構造は、連続的又は段階的に車椅子の幅の調整を可能にするものではなく、そのような優先事項は提供も記載もされていない。
米国特許出願第2006/0244227号明細書には、車輪を支持するための代替的なシステムを備えた車椅子が記載されている。フレームは、固定されて調整不可の長さの横断エレメントを備えている。また、フレームはそのサイドエレメントに関しても変形できないように構成されている。
先行技術のどの文献も、ユーザーの支持位置を可変にすることを可能にし、フレームの構成と組み合わせてユーザーに彼/彼女の障害のタイプに応じて最良の位置を取らせることを可能にする、特に、しかし排他的では無い、競技用の車椅子フレームを記載も開示もしていない。
本発明の目的は、ユーザーの身体寸法と障害に適合して、カスタマイズされたモデルを取得することなく誰でも競技者に近づけることを可能にし、スポーツを通じて障害に苦しむ人々の社会的一体化を容易にする、調節可能な車椅子を提供することである。
請求項1の前文に記載の特徴を有し、請求項1の特徴部分の特徴と組み合わせた調節可能なスポーツ車椅子を提供することによって、本発明は目的を達成する。
体重を支える構造的着座ケージを用いることによって、先行技術の解決策であった後輪を支持する中央ロッドを用いる必要はさらになくなった。これが、ケージの下部をユーザーと干渉するあらゆる種類のフレームエレメントから自由にし、競技者が利用可能な空間を最大化して、障害の種類に厳密に関連する特に重要な側面である位置の最も高い自由度を保証する。
本発明のさらに有利な特徴によれば、車椅子フレームは幅方向に、つまり進行方向に直交する軸に対して、連続的に変化させて又は段階的に調整可能で、さらに幅調整状態の任意のところで脱着自在に係止可能である。
このような特徴は、幾つかの構造上の特徴によって得ることができる。
1つの実施例は、互いに離れる方向又は近づく方向に連続的に又は段階的に自由に移動でき、互いに対し着脱自在に係止できるフレームの両サイドの縦方向エレメントを提供し、前記フレームの両サイドの縦方向エレメントは、接続用横断ロッドの少なくとも1つ(2)及び/又は接続用横断ロッドの少なくとも1つ(5,7)に対しスライド自在で、伸張及び収縮自在で、競技者のサイズに応じてケージの幅を徐々に変化させることができる。
本発明のさらなる特徴によれば、前記前側ハーフフレーム(1)はこれらロッドの少なくとも1つと接続される。
この脱着自在の係止手段は、フレームの各横断エレメントを構成する2つの伸縮自在のセグメントの少なくとも1つに設けられた軸方向の穴の列の対応する穴に係合する径方向ペグで構成することができる。
別の方法として、フレームの2つのサイドエレメントに接続用横断ロッドに沿ってスライドするブッシング、スリーブ、又は横断筒状セグメントが設けられ、各スリーブには横断ロッドに対して固定する固定手段が設けられている。
そのような固定手段の例としては、各横断スリーブに設けられた径方向ネジ山付き穴に回転自在に係合する径方向ネジ山付きピンがあり、そのネジ締め動作はスリーブが嵌合したロッドを固定する径方向の力を発生する。
別の方法として、前記固定手段は直径を調整可能な固定クランプ又はリングで構成することができ、それらはスリーブの端部に嵌合し、この端部は一端で開いた軸方向切り込み又は軸方向溝を備え、それらの壁は前記固定リング又はクランプによってスリーブが嵌合したロッドの表面(shell surface)に対し固定される。
従って、その特定の配置によって、フレーム構造は横断接続ロッドを自由に平行移動できる2つの部分に分割することができ、ケージ幅を競技者のサイズに応じて調整可能にするので、単一の手段によって多数のユーザーの要求に合致させることが可能な方法が直接明らかになり、誰でも要求する競技者にそれの入手が容易なように競技団体が提供できる。
追加の配置は、本発明の車椅子の調節可能性と設定可能性を向上させることを可能にする。
有利な実施例によれば、フレームのサイドエレメントは、縦サイド方向と高さ方向の両方に沿って後輪を取り外し可能に可変の距離で取り付けできるように、少なくとも2つの方向に配置された複数の穴を備えた固定エレメントを備えている。これが、後輪の取り付け位置を、ケージに対して調整可能にし、使用の自由度を向上させている。競技者が車輪を動かすために用いるプッシュリムの位置や寸法さえ、幾つかの要求に適合させるために変えることができる。
コストを低減するために、車輪は好ましくはスポークタイプで、車輪のスポークの間に挿入されてネジ締め手段で固定されるプレートにプッシュリムが取り付けられ、より容易に取付け/取り外しするためにプッシュリムの取り付けポイントを減らしている。
後輪のプッシュリムの寸法とケージに対する位置は、一般的に、競技者が彼/彼女の障害に対して、フレームの2つの対向する両サイドの縦方向エレメントの各端部に調節可能な態様で固定されるストラップを備え、ケージの内側に配置された座席上で、最適の位置を取れるように選択される。
具体的には、下半身不随の競技者にとっての最適位置は、胴体を前方に傾けてケージの内側で膝立ちした位置である。この場合、プッシュリムと後輪は、競技者の胴体と共に肩を通る体幹線(vertical line)が地面と平行になりつつプッシュリムに置いた腕が対応する車輪の接戦となるようなケージに対する寸法、形状、及び位置が選択される。
四肢麻痺の競技者の場合には、最適な位置はむしろ、足を前方にしてケージに着座した位置になる。この場合、プッシュリムと後輪は、競技者の肩を通る体幹線が常にプッシュリムの中心から半径より大きな距離を取るようなケージに対する寸法、形状、及び位置が選択される。
有利なことに、ケージ構造に影響を与えることなく競技者の座席を前後に移動できるように、フレーム構造の反対側に調節可能な態様で固定できるストラップによって支持された背もたれを、ケージは備えている。
フレーム構造の両サイドの縦方向エレメントは、略鉛直面内に延びている。
有利な特徴によれば、前記エレメントは後輪による極端な位置に結合するような形状をした湾曲ロッドを備えている。具体的には、前記湾曲ロッドは、競技者が車輪踏面と干渉することを防ぐホイールハウスと一体のプロファイルを有している。
フレーム構造の両サイドの縦方向エレメントはロッドからなり、ロッドは例えば座席を支持し、背もたれを支持するロッドで、有利には同一平面上(coplanar)にあって製造の複雑さと苦労を低減する。構造解析は、平面外のノードの存在が、構造に大きなストレスを与える良くないトルクを生じさせることの確認を可能にした。具体的には、フレーム構造は、前輪を支持するハーフフレームと接続された、ひとつが楕円断面を有する少なくとも一対のスライド自在の横断ロッドに接続されて三角構造(truss)を形成する2つのロッド縦サイド構造を備えている。
前記構造は、競技者の膝を横方向に収容するために、リング状固定部材によってフレームに取り付けられ、位置と傾きを調整可能な一対の支持部材によって完結する。調節可能な支持部材は、有利には、支持部材の傾きをフレーム固定リングの相互位置関係を変更することで変化可能にする、連結式四辺形を形成するように配置されたロッドシステムを備えている。
本発明の別の態様によれば、本発明はレース前のウォームアップで競技者が用いる、安価で軽量な、そして高度に再構築可能なローラーデバイスに関する。
高い設定可能性(configurability)は、本質的に、車椅子が両サイドに収容されるのを保証する、ローラーの傾きを変化させる穴によって調整可能な足(feet)に関連した各ローラー支持部材のための独立したヒンジの提供によるものであり、そしてそれは、押す力による横方向への逸脱を防ぎ、ローラーの幅を変化させる可能性(possibility)のおかげである。
更なる特徴と改良点は、従属請求項の主題である。
本発明の特徴とそこから派生する長所は、以下の詳細な説明と付属の図面からより明らかになるでしょう。
先行技術に係る競技用車椅子である。 四肢麻痺の競技者の取る位置である。 下半身不随の競技者の取る位置である。 本発明の第一実施例に係る車椅子のフレームの不等角投影図である。 図3のフレームの上面図、側面図、及び背面図である。 後輪によって取られた極端な位置を指摘するフレームの側面図である。 ホイールハウスの第一形態である。 プッシュリムを取り付けるためのプレートを備えたスポークホイールである。 フレームに取り付けられた競技者の膝の支持部材(左)と詳細(右)である。 伸縮自在のステアリングシステムである。 1つの実施例に係る完成形車椅子の不等角投影図、側面図、及び上面図である。 下半身不随の競技者と四肢麻痺の競技者の間でのプッシュリムの異なる使用を示す概略図である。 図11aに対応した車椅子上の位置を示す。 車椅子内の最適な位置取りの参照であって、下半身不随の競技者を上側、四肢麻痺の競技者を下側に示す。 後輪アタッチメントの変形例(左側)と後輪が取る極端な位置(右側)を示す。 120cm高さで24インチの車輪の前側位置にある下半身不随競技者の位置を示す。 120cm高さで24インチの車輪の後側位置にある四肢麻痺競技者の位置を示す。 ケージと一体化したホイールハウスの代替的構成と対応するサイド支持部材である。 フレーム構造のサイドを構成するコンポーネントが平面上にある場合(右側)と平面外にある場合(左側)を示す変形例である。 本発明の別の実施例に係る車椅子のフレームの不等角投影図である。 図18のフレームを備えた完成した車椅子の不等角投影図、側面図、正面図及び背面図である。 レース前のウォームアップと競技者トレーニングのために特に役立つ本発明に係る車椅子に関連したローラーデバイスである。 ローラー支持部材の傾斜を変更するための調整可能なステップ(foot)の詳細である。 ローラーの搬送のための構成である。 図20のローラーデバイスと結合した本発明に係る車椅子である。
競技者のための車椅子は、T字状のフレームと3つの車輪構成を備えた確立されたレイアウトを有している。しかし、個々のエレメントは、競技者用に有効に車椅子を仕立てる必要があるため、配置と寸法に関し実質的に可変である。このため市場は、競技用途に対し顧客のためにカスタマイズした車椅子を主に提供している。車椅子の主なエレメントは図1に示す。それらは4つのマクログループに分けることができる。
a)フレーム;
b)前輪、ブレーキ、及びステアリングシステム;
c)後輪;
d)ケージと座席。
各グループの簡単な説明を以下に示す。
(フレーム)
競技者のための車椅子のフレーム101は、一般的に縦方向ボディと横断ボディが、幾何学的にT字状(又はY字状)に配置されて構成されている。円形断面又はより多くの場合に楕円断面を有するアルミニウムチューブがフレームを作るために通常用いられる。6061T6アルミニウムが、確実に最も一般的なものの一つで、固溶化処理、焼き戻し、及び人工熟成処理されたAl−Mg−Si−Cu合金である。このような合金は、汎用性があり、高過ぎない機械的強度、良好な腐食耐性、低温での高い強靭性、最適な溶接性、良好な機械加工性、及び乏しい成形性で特徴付けられている。代用として、7005アルミニウムを用いることができ、Al−Zn−Mg合金であって、人工熟成処理が不要である。後者は、6061T6アルミニウムより若干良好な機械加工特性と良好な溶接性を組み合わせることができる。
(前輪、ブレーキ、及びステアリングシステム)
前輪201とブレーキ301は、自転車の配置と同様の配置になる。むしろ、ステアリングシステムはより特徴的である。上部には、概念的観点から自転車ハンドルバーと類似だが、外見的にはより長い形状である点が異なるハンドレバー104を有し、この形状は人間工学的理由から必要である。しかし、ステアリングシステムの制御には手の使用が要求されることから、競技者に推進力を停止させることを余儀なくさせる。従って、経路が一定でターンもすべて同じ方向の競技用トラックでの競争の場合、ステアリング制御デバイスが広く用いられ、ステアリングシステムの下部に設置されている。それは競技に先立って競技者によって位置付けられる(そして一対のネジによって静止を保つ)ハンドル204によって制御されるレバーである。その目的は、ステアリングシステムをターンの全軌跡に沿って駆動する代わりに、競技者が必要に応じて素早いタッチで操縦できるように、ステアリングシステムに適切な角度を与えることである。このデバイスは、トラック制御ステアリング機構(TCSM)と呼ばれている。このTCSMは、補償器(compensator)304と称されるバネによってステアリングシステムに接続されている。このデバイスはフレームの上部と下部の両方に、三角形及び四角形のレバーハンドルによって位置付けることができる。
(後輪)
後輪501はフレーム101と横材の2つの端部で接続されている。このような2つのエレメントの間にインサートが置かれて、車輪を適切なキャンバ角で傾けるように作用する。競技者の特性に応じて、狭い範囲内でキャンバ角は調整可能である。競技者の特性に適した径を有するプッシュリム601がさらに後輪に固定される。最も一般的な後輪は、カーボンファイバ製のディスクホイール又は同様にカーボンファイバ製か金属スポーク製(ほとんど使われない)の4スポークホイールである。プッシュリムに関しては、搭載すべきホイールの種類に応じて4〜28までの数のアッタチメントが取り付けられる。
(ケージ)
ケージ107はフレーム101に直接溶接され、競技者を収容し、彼/彼女が車椅子の推進のために適切な最適の位置を取ることを可能にする。身体障害レベルの大きな差異が、寸法だけでなく、競技者の取る位置にも適合するように、異なる形状のケージの開発につながった。幾らかの競技者は、まだ胴体を支持するために腹部を用いることができるので、部分的に脚部を伸ばすことができるが、他の者は胴体を支持するために膝を高く保つ必要がある。ケージの種類の選択のための主な基準は、障害の種類に応じて、一般的に「脚が前方にある」タイプ(図2a)又は「膝立ち」タイプ(図2b)という競技者の取る位置である。競技者のための座席207はケージの内側に設置されている。一般的にストラップバンドが用いられている。
本発明に係る車椅子は、高度に調節可能で再構成可能な特徴を有し、異なるサイズと異なる障害を持った競技者を単一のデバイスに収容でき、競技者の状態に合わせた非常に高価なカスタマイズされたものと同程度の結果が得られる。そのような高い構成レベルに達するために、フレーム構造に影響を与えることが必要であった。図3,4に第一実施例を示す。
このようなバージョンは、ケージにフォークを接続する前側ハーフフレーム1を提供する。ケージはa)、b)に2等分され、フレームの両サイドの縦方向エレメントを構成し、3つの接続ロッド2,5,及び7上をスライドすることで横方向に自由に移動する。前側ロッド2はハーフフレーム1と一体で、ケージを後ろと接続させるように働く。このようなロッドは楕円断面を有して、ハーフフレームとケージの間での相対的回転を防いでいる。後ろ側には、2つの伸縮自在のロッド5,7が設けられて、2等分されたケージを互いに接続している。このようなロッドは後ろ側に位置して、より背が高い競技者を適切に位置付けるために、背もたれの移動を可能にしている。
前記横断ロッド5,7,及び2を参照して、フレームの横断エレメントが設けられてフレームの幅を漸進連続的に又は段階的に調整可能にしている。
このようなロッドは異なる態様で実装できる。それらは伸縮自在タイプで単純に軸方向にスライドするか、又はネジ部によって互いに結合する2つのエレメントで一方のエレメントが他方のエレメントに対して回転するか、又は2つの端部エレメントに対する中央エレメントが同様に軸方向に移動するか、又は長手方向の溝又は穴の列を備えた2つのアームが、その2つのアームのその溝又は2つの一致した穴にボルトを通して互いに固定することができる。
幾つかの可能な手段の中で、図示のものは例えばブッシング又はスリーブ115、117、112のような筒状セグメントで構成されたフレームの横断エレメントを提供し、これらはフレームのそれぞれのサイドの縦方向部分a)、b)と一体化し、車椅子の長軸と直交する軸を向き、互いに鏡像態様で対称的な位置をとる一方、2つの横断ブッシング112と2つの横断筒状セグメント115、117は、2つの横断ブッシング112と2つの横断筒状セグメント115、117にスライド態様で軸方向に嵌合した横断ロッドによって互いに接続される。
従って、接続用横断ロッドの端部が、対応するフレーム部分のブッシング112の1つにそれぞれ嵌合し、対応するフレーム部分の軸方向に一致する筒状セグメント115、117の1つともそれぞれ嵌合することは明らかである。
これにより、筒状セグメントとブッシングはその間に係合したロッドの一部に沿ってスライド自在である。
取り外し自在に相対位置で各筒状セグメント又は各ブッシング112と対応する横断ロッドの端部を係止するために、異なる手段を設けることができ、例えば筒状セグメント又はブッシングの壁に設けた少なくとも1つの径方向の穴に同時に係合する径方向ペグや、接続用ロッド2,5,7に設けた穴又は切欠きの軸方向の列の1つの穴又は軸方向の切欠きなどである。
径方向ペグの代替案として、ネジ付きピンを設け、穴及び/又は切欠きにねじ込むことが可能である。
また1つの代替案によれば、ネジ付き穴を各筒状セグメント又はブッシング112、115、117の壁にのみ設け、径方向固定ピンをそこにネジ締めし、取り外し自在に係止しながら、横断ロッドの外表面に対し軸方向に押圧させる。
また別の代替案は、一つのフリーヘッド端の終端部に沿って、幅が終端部の外表面に作用する周方向圧縮力によって筒状セグメント又はブッシングの終端部の内径を縮小することを許容する、軸方向切欠きを有する筒状セグメント115,117及びブッシング112を設けることである。このように終端部に嵌合する筒クランプ又はクランプリング等によって、移動しないように係止することで中にあるロッドに対して筒状セグメント及びブッシングをクランプすることができる。
上述の実施例は、フレームの幅を調節して選択した幅の状態で係止することを可能にする異なる手段による可能な異なる例に過ぎない。
ケージの上部には、図5に示すような車輪が取る極端な位置に結合するのに適した形状の湾曲ロッド4が設けられている。これが、フレームの全体的な寸法を小さくしているので、競技者が最大限までプッシュリムに手が届くことを可能にしている。
座席支持ロッド9は競技者の適切な位置付けを保証するように設けられているのに対し、背もたれ支持ロッド8は使用者の骨盤と干渉しないような形状をしている。同様の態様で、ケージ12の前側ロッドの形状は競技者の足に対して利用可能な空間が最大になるように定められている。車輪取付け具11がロッド10、12、及び13の間に設けられて、後輪の位置を縦方向に変更できる6つの個別位置を有している。
車輪の所望のチャンバ角に選択できるように傾斜したホイールピンを備えた地面と平行に配置された取付け具を設けることがたとえ可能であっても、この実施例では、取付け具が所要のチャンバと等しく傾いて有利に配置され、ホイールピンは真っ直ぐである。
フレームは2等分されたケージの後部取付け具上に設けた斜め補強ロッド14によって完成し、斜め補強ロッド14は図6に示すホイールハウス15と、によって構造を補強することに貢献する。
これは重要な詳細ではないと思われるだろうが、ホイールハウスはかなりの重要性を有する。それらは押す動作の間に競技者の腕をタイヤと接触させ摩擦を生じさせることを防ぐ。このようなコンポーネントは軽量で、扱い易く、移動中に車輪に追従できることが必要である。
解決法として、ホイールピン16と同軸の取り付け具と、フレームに固定するネジが提供され、ホイールハウスが回転することを防ぐ。車輪の位置を変更するためには、この後者である係止ネジがいったん車輪と共に取り外される。
図16にホイールハウスの好ましい代替構成を示す。図6のバージョンは、新しい位置に変更するために車輪とピンと共にホイールハウスを取り外す必要があり、まったく快適でないのに加えて、同じホイールハウスに24インチと26インチの両方の車輪を用いることができなかった。このような欠点は、車輪の縦方向移動を許容し、両方のサイズの車輪の使用を許容する曲率半径を備えた、ケージと一体化したホイールハウス15を導入することによって解消する。また、ホイールハウスと接続するために、ケージの上部ロッド4の曲率半径と、2等分されたものを接続する上部ロッドの位置と、を変更することによって、フレームの最小外径寸法でより調和的なアセンブリを得ることができる。
特に腹筋が制御できず、自分自身を独立して支えることができない四肢麻痺の競技者のために、競技者の胴体を収容する2つのサイドボードによってホイールハウスは完成する。このようなサイドボードは金属薄板又はガラス繊維からなり、上述のホイールハウスに結合される。図16にこのような両コンポーネントを示す。
プッシュリム601に関しては、それらをスポークホイール501と容易にかつ迅速に置き換えることを可能にするシステムが開発されている。これを達成するために、リング状プレート17がホイールのスポークの間に取り付けが完了する前に挿入されている、このようなプレートは8つのネジ18によってホイールスポークに固定され、280、320、360、又は400mmのプッシュリムの使用を許容し、どれでも1つが3つのネジ19によってプレートに固定される(図7)。ディスクホイール又はエアロスポークホイールの代わりに、プッシュリムのための取付け具の数がより多いスポークホイールを使用するという選択は、コスト削減の必要性から生じる。
カスタマイズされた車椅子では、フレームの形状と寸法は競技者の膝を支持し横方向に収容するために適切に選択される。本発明に係るフレームはU字状のケージ内にそれ自体で膝立ち位置の場合に必要な膝のための支持を提供しないので、競技者がこのような位置を取る場合には、彼/彼女の膝を適切に支持するためにケージに接続されたストラップを用いることが必要である。しかしストラップのみでは必要な横方向の支持を保証できないので、図8に示すような位置と傾きの調節可能な2つの支持部材20が導入されている。それらは単にフレームA,Bを接続するリングを移動させるだけで傾きを変更できる連結式四辺形を形成するように配置されたロッドシステム21を用いる。
車椅子は図9に示す、子供によっても容易に操作できるユーザーの要求に適した伸縮自在タイプのステアリングシステム104によって完成する。
図10は、異なるタイプの障害と身体寸法を有する競技者を収容するのに適した上述の車椅子の概観図を示す。
すでに述べたように、ケージ内の競技者の位置と、車椅子を推進するために用いるプッシュリムの態様は、障害に応じて大幅に変化する。
国際パラリンピック委員会(IPC)は、最も接近した脊椎骨を同定する精髄損傷の位置に基づいた競技者の分類を使用する。そのため障害に関係する身体部位は、損傷した部分より下のすべての身体部位になる。また、各筋肉の力は性能グレードが0〜5段階の特定のテストによって測定さる。脊髄損傷又は手足切断(amputations)により車椅子の競技者は、T51〜T58クラスの範囲に含まれる。
T51〜T54クラスはトラック競技で競争する車椅子競技者のためのもので、一方T55〜T58クラスはフィールド競技で競争する競技者のためのものである。T54クラスの競技者は、腰から上が完全に機能する。T53クラスの競技者は、腹筋が限定的に動く。T52又はT51は、上肢においても限定的にしか動かない。
脳性麻痺によって車椅子の競技者は、脊髄損傷又は手足切断による競技者とは異なるクラスに属し、T32〜T38の範囲である。T32〜T34クラスは車椅子競技者のためのクラスであり、T35〜T38クラスは彼ら自身の足で競争することができる競技者のためのものである。
本発明に係る車椅子での競争に関し、基本的に4つのクラスが参照される。
(T51)
これらの競技者は、肘関節屈曲、手関節背屈の筋力がグレード5あり、肩関節の筋と胸筋は筋力低下がみられる。三頭筋の筋力はグレード0〜3の間である。肘関節の屈筋と、手関節の背屈筋を用いて推進する。顎の下に膝を置いて、体幹を真っすぐにして座っている。大きなプッシュリムを有している。脊髄損傷レベルはC5〜6である。
(T52)
これらの競技者は、通常、肩・肘・手関節の筋力は正常である。手指屈伸筋力は手内筋の萎縮を伴って正常ではない。推進には肩・肘・手関節を用いている。通常、体幹筋力は機能しない。T53、T54次の2クラスと同じようなグローブテクニックを用いる場合もある。脊髄損傷の神経残存レベルはC7〜8である。
(T53)
これらの競技者は、正常な上肢機能を持つが、腹筋及び下部の背筋は機能しない。腹筋の機能を補うために、体幹を水平に近づけるといった様々なテクニックを用いる。競争時に、彼らの加速はT54クラスより遅い。一般的に大きな加速が生じる時には、腹筋の機能がないため体幹は足から離れて起きあがる。大抵の場合、補償器を調整するためにサイクルを押すことが中断される。脊髄損傷の神経残存レベルはT1〜7である。
(T54)
これらの競技者は、正常な上肢筋力を持ち、体幹をコントロールする能力は部分的なものから正常までの幅を持っている。このグループの競技者は有効な下肢の筋力を持っている場合もある。これらの競技者はまた、大きな加速時に、体幹を下方に保持するための正常な体幹コントロールができる。大抵の場合、の調整のためにサイクルの推進は中断しない。車椅子上で身体を起き上がり、回旋する筋力を加えることによって車椅子の方向転換をすることができる。脊髄損傷の神経残存レベルはT8〜S4である。
より一般的には、競技者がプッシュリムを用いる態様と、それによる彼/彼女のケージ内での位置は、損傷のタイプに応じて変化する。下半身不随の競技者、即ち腕と胴体の完全な制御ができる胸椎損傷者は、すべての三頭筋を用いてハンドレールに押す動作を加える。四肢麻痺の競技者、即ち頸椎損傷者はむしろ、上腕筋の制御が限定的なので、ハンドレールから手を離すことなく、ハンドレールに押す作用を発揮するためにすべての二頭筋を用いる(図10)。加えて、異なる態様でハンドレールを用いるために、下半身不随の競技者は四肢麻痺の競技者が用いるものよりも直径の大きなプッシュリムも用いる。
概して、下半身不随の競技者を車椅子に適切に位置付けるために、胴体が地面と略平行な状態で略彼/彼女が押す段階を完了した時に、例えば図11bの右側に示すように、肩を通る体幹線が車輪に対する接線となっていることが必要である。
四肢麻痺の競技者に関してはむしろ、押す段階の間に胴体が動くので、図11bの左側に示すように、肩を通る体幹線はプッシュリムの接線よりも前方にくることが必要である。
これには、特にケージ、後輪、及びプッシュリムのような車椅子を構成する部品の使用に最大限の自由度が要求される。
下半身不随の競技者にとって、プッシュリムに届く能力は車輪の位置を前方に動かすことによって向上し、一方、四肢麻痺の競技者は、車輪を後方に動かす方が有利であることに、発明者は気付いた。また、車輪の直径を小さくすることで、ピンをユーザーの身体により近く移動できるので、プッシュリムの直径は一定のままで、プッシュリムの各ポイントを彼/彼女により近く移動できる。
しかし、まさに開示したこの長所を用いるために、26インチホイールの取り付けも許容しながら、ピンを実際にユーザーの身体により近く置くことを許容するホイールアタッチメントを有することが必要である。このために、第一実施例のホイールアタッチメント11を異なる高さの2列の穴を有する新しいバージョン11’に置き換え、24インチと26インチの両方のホイールを利用可能にし、そのどちらも縦方向に移動可能にした(図13)。
これが、より背の低い競技者がプッシュリムに届くための明らかな改善をもたらす。車輪の直径が約2インチ、即ち約50mm小さくなったので、ハンドレールのより多くの部分に明確に届くことができ、押す動作の有効性に関し、明確な向上が得られる。
また、既に述べたように、下半身不随の競技者の場合には車輪を前方に移動させるのが有用という事実があり、一方で四肢麻痺のユーザーの場合には車輪を後方に移動させた方が有用という事実がある。胴体を前方に傾ける位置を取ることによって、下半身不随の競技者は、車輪を前方に移動することによる到達可能性(reachability)に関してメリットを得る(図14)が、一方で、胴体をほぼ垂直な位置に維持することによって、四肢麻痺の競技者は、車輪を後方に移動することにメリットを得る(図15)。
フレームの変形例に用いられる別の配置を図17に示す。最大の快適さを保証するためにケージが競技者の身体と干渉することを防ぐための緊急の解決策が、平面外に多数のロッドを備えたまったく複雑な幾何学的形状である。しかし本発明者は、人間工学的分析によって、このようなより高度な複雑さの実現が実際には不要であることをチェックした。
このため、基本的にケージの2等分を構成するすべてのロッドを1つの平面上に集めてその幾何学的形状を合理化するような、フレームの変形例を導入した。
図17に示されたように、(右側の)ケージの変形例は1つの平面上に配置したロッドを有しているのに対し、(左側の)第一実施例のバージョンは、平面外に展開されている。平面外のノードは構造に大きなストレスを与える良くないトルクをもたらすため、このような新しいバージョンは実施するのがより容易であるのに加えて、労力も低減する。
図18に上述の変形例に係る同一平面上にないサイドロッドと2列の穴を備えたホイールアタッチメントを有するフレームの概観図を示す。明らかに、各変形例は互いに対して独立して存在できる。
図19に上述の車椅子の概観図を示す。
図20〜23に、本発明の車椅子と組み合わせて用いると特に有用なローラーデバイスを示す。
ローラーデバイスはレース前のウォームアップと、レーシングトラックを用いることができない場合のトレーニングの両方で用いられる。車椅子を支持する2つ以上のローラーを支える金属構造になっている。
市場では、さまざまなローラーのタイプが存在するが、容易に搬送できるように設計されたものはない。従って、競技前にウォームアップが必要だがトラックを使用できない競技者は、扱いやすくて搬送の容易な手作りのローラーを用いなければならない。
このような手作りローラーは、要求に基づいてトレーナーや競技者のために適切に作られているので、構成や形状や材料に関して様々なものが存在している。
ほとんどの手作りローラーは、各後輪に対して2つのローラーを有し、軽量合金製の折り畳み可能な構造で、前輪を支持し残りの部分とは接続されたりされなかったりする支持部を有する。
これは本質的に以下の問題を有する:
−固体のセクションバー(solid section bar)の使用と過剰な厚さのために、非常に重い(約11kg)
−接触面の非常に大きい又は小さい車椅子に対して使えない
−競技者が力強くプッシュリムを用いた時に、ローラーから離れないように車椅子を保持することができない
−車輪にブレーキ作用を発生させて、様々な動作状態を生み出せない。
以上から、以下の特徴を備えたデバイスを再設計する着想が生まれた:
−搬送を容易にするために、制限された重量と全体寸法にする
−車椅子の良好な収容性を保証するために、車椅子の車輪のチャンバ角に応じてローラーの傾斜が変更可能
−押した段階でローラーから車椅子が離れることを防止する保持能力
−低い製造コスト。
図20に示す解決策は、このようなニーズに合致している。ローラー33の各ペアの支持部材31は、伸縮自在の中央ロッド34の両端にヒンジで連結され、前輪支持部材35は一対の伸縮自在ロッド32を介して中央ロッド34に接続されている。ローラーの傾きは、一対の調整可能な脚部30によって得られる。
ダブルヒンジの使用が、構造を3つのパーツに分解可能にし、折り畳んだ際に全体寸法を小さくしている。また、ローラー支持部材31を別のフレームによって支持される必要のない自分自身で支持する(self-bearing)ようにしたことで、部品点数を減らしている。このように、使用時にロッドによって適所に保持されるように接続された2つの独立したサブアセンブリが得られる。
ただ1つのヒンジの代わりに2つのヒンジを構造の中央に用いることで、たとえ非常に短い脚部30を用いる場合であっても、ローラー33に同じ傾きを与えることを可能にする。これが、安定性に対する利点を生じさせる。
ローラーの傾きを調整するためのシステムの選択には、多くの方法が検討され、あるものは連続的な調整であり(ネジ、くさび、キャリパー)、他のものは離散的な(discrete)調整であった(穴にピン、スタンド)。
最終的に、ローラーの傾きを迅速かつ容易に調整可能な、穴とピンのシステムが選択され、全体的な寸法は制限され、システムが良好な安定性を持つことを可能にした。また、穴などによるこの離散的なシステムによって調整の実用性が保証され、例えばネジなどによる連続的な調整の可能性より優先された。次に必要な傾斜角度が定められ、即ち0°、−5°、−10°、−12.5°であり、脚部の穴の位置はこれらに基づいて定められた。
ローラーに特定の傾きを与えることは、車椅子が横方向に収容されることを保証し、競技者の押す作用が横方向に逸脱することを防止するのに役立つ。
中央ロッド上のローラー支持部材の完全な折り畳み性能と荒れた地面の場合でも大丈夫な動作安定性とを組み合わせるために、単純なヒンジの代わりに、楕円断面のチューブが中央ロッドに溶接されて用いられており、その内側にはローラー支持部材と接続されるピンが設けられている。これは構造が下の地面に適合することを保証する。ローラー支持部材に不可欠なピンと前輪ホルダと接続した中央ロッドに不可欠な楕円チューブとの間に与えられたクリアランスの存在が、例えば牧草地のような不完全に平坦な地面上でも、接続にストレスを与えることなく、構造の載置を可能にする。
図22に、搬送するための準備がされたローラーを示す。
次に構造の前側部分に言及する。それは、2つの伸縮自在のロッド32と前輪ホルダ35で構成されている。後者は、車椅子を平らに置いて前輪を後輪の高さと同じに持ち上げ、また、前輪の静止状態を維持して、競技者の押す動作によって車椅子がローラーから離れることを防ぐ働きをする。従って、前輪ホルダを適所に維持することが必要である。この目的のために、前側支持部材を後ろ側部分と接続することによって、ロッドはトレーニング中に前輪ホルダが動かないように作用する。伸縮自在のロッドを用いるという選択は、様々なホイールベースの車椅子にローラーを適合させる必要性と、搬送時に全体的な寸法を制限するためである。適切にロッドを製造する代わりに、上述の機能を有し、コストを制限できるので、市場で利用可能な歩行用ポール(walking poles)を用いるという選択を行った。
このような解決策は、都市で存在する自転車ホルダをベースにした同じ着想を用いており、即ち、前輪をホールドするためにスロット穴を用いている。この場合、金属薄板が半円状に折り曲げて用いられ、中央部が切断されて、ベースとして働く平坦な金属薄板とネジによって接続される。
湾曲した金属薄板は、前輪をホールドすることと、前輪を後輪と同じ高さに持ち上げて車椅子を平らな状態で維持することの両方の働きをする。安さの理由と製造の容易さと、信頼性の理由から、溶接の代わりにネジが用いられた。
また、ゴムバンドが車輪静止ベースと接続するために用いられ、もし競技者がプッシュリムを非常に力強く押したとしても車輪が動かない為に機能する。
このために、2本のベルトがさらに導入され、車椅子のフォークをローラーの後ろ部分の上の伸縮自在ロッドのアタッチメントと接続させる(図23)。このようなベルトは、ウォームアップの最も激しい段階でのみ、又はトレーニングで競技者が車輪に最大の力を加える時にのみ必要である。このような環境下で、それらは車椅子がローラーから離れないことを保証する。従って、それらは特定の動作条件下で用いられる付加的部品と考えられ、通常の使用での部品とは考えられない。
ゴムバンドを締め付けるためや、ベルトを伸ばすため、そして車椅子をローラーの上に載置し、ブレーキを調整するためには、競技者は別人の助けが必要である。しかし競技者には競技場でトレーナーによって助けられているので、この観点は問題にならない。
このデバイスは、例えば図23に示すように、主に本発明に係る調節可能な車椅子と共に用いるために設計されている。しかし、上述のようなカスタマイズされたタイプや利用可能な寸法のタイプなど、様々な車椅子でも、同じデバイスを用いることができることは明らかである。

Claims (13)

  1. 支持フレーム(101)と、前輪(201)と、一対の後輪(501)と、着座ケージ(107)と、を備えた調節可能なスポーツ車椅子であって、
    支持フレームは、前輪の支持部に接続される前側ハーフフレーム(1)と、後輪(501)を支持するフレーム構造と、に分割され、
    フレーム構造は、車椅子の移動方向を向いたフレームの2つの対向する両サイドの縦方向エレメント(3,4,10,12)と、前記フレームの2つの対向する両サイドの縦方向エレメントを接続するための接続用横断ロッド(2,5,7)を少なくとも2つ、前側と後ろ側にそれぞれ1つ以上備え、
    横断エレメントは車椅子の長手方向に対して間隔を開け、その縦軸を横断する方向を向き、
    前記フレーム構造は前記ケージ(107)を形成し、前記ケージは内部構造エレメントから自由なコンパートメント形状をとり、
    車椅子の縦軸を横断して延びる少なくとも1つの支持エレメントが設けられて、その2つの端部が前記フレームの2つの対向する縦方向エレメントの1つによってそれぞれ支持され、
    少なくとも1つの支持エレメントは縦方向に移動自在で、競技者の不具合のレベルと種類に応じて車椅子を推進するために、ユーザーを最適な姿勢で最適な位置に支持できることを特徴とするスポーツ車椅子。
  2. 前記フレームの両サイドの縦方向エレメントは、互いに離れる方向又は近づく方向に連続的に又は段階的に自由に移動でき、互いに対し着脱自在に係止でき、
    前記フレームの両サイドの縦方向エレメントは、接続用横断ロッドの少なくとも1つ(2)及び/又は接続用横断ロッドの少なくとも1つ(5,7)に対しスライド自在で、伸張及び収縮自在で、競技者のサイズに応じてケージの幅を徐々に変化させることができ、
    前記前側ハーフフレーム(1)はこれらロッドの少なくとも1つと接続されることを特徴とする請求項1に記載のスポーツ車椅子。
  3. 前記フレーム構造の縦方向サイドは、後輪(501)が脱着自在に縦方向サイドに沿って及び高さ方向に沿って可変の間隔で取り付けられることを許容する、少なくとも2方向に配置された複数の穴を備えた固定エレメント(11,11’)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスポーツ車椅子。
  4. 車輪(501)には、競技者が車椅子を動かすためにプッシュリム(601)が取り付けられ、車椅子が異なる寸法のリムを備えることができるように、前記プッシュリムは交換可能なタイプであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
  5. 車輪(501)はスポーク付きタイプで、前記プッシュリム(601)は車輪のスポークの間に挿入されたプレート(17)に取り付けられ、ねじ締め手段(18)によって固定されることで、容易に前記プッシュリム(601)を取り付け/取り外しできるように、前記プッシュリム(601)の取り付けポイント(19)を減らしていることを特徴とする請求項4に記載のスポーツ車椅子。
  6. 縦方向エレメントと垂直エレメントと横断エレメントを1つ以上の支持部と組み合わせてなる、前記フレームに着脱自在に固定可能な、競技者を支持するためのケージフレームは、
    プッシュリムと後輪が、胴体を前方に傾けながらカーゴ内で膝立ちの位置をとった下半身不随の競技者が、競技者の胴体と共に肩を通る体幹線が地面と平行になりつつプッシュリムに置いた腕が対応する車輪の接戦となるような、ケージに対する寸法と形状と位置を有し、
    プッシュリムと後輪が、四肢麻痺の競技者が、足を前方にしてケージに着座する位置をとり、競技者の肩を通る体幹線が常にプッシュリムの中心からプッシュリムの半径までよりも大きな距離を取るような、ケージに対する寸法と形状と位置を有する、
    ことを同時に可能にする前記各エレメントの相対位置を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
  7. 前記ケージが、ケージ構造に作用することなく競技者のシートを前後に移動するために、前記フレーム構造の反対側に調整可能に固定可能なストラップによって支持されるバックレストを備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
  8. 前記フレーム構造の縦サイドが、後輪による極端な位置に結合するような形状をした湾曲ロッド(4)を備え、
    前記湾曲ロッドは、競技者が車輪踏面と干渉することを防ぐホイールハウス(15)と一体のプロファイルを有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
  9. 前記フレーム構造の両サイドの縦方向エレメントが、着座のための支持ロッド(9)と、バックレストのための支持ロッド(8)を備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
  10. 前記フレーム構造の両サイドの縦方向エレメントを構成する複数のロッドが、同一平面上にあることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
  11. 競技者の膝を横方向に収容するために、位置と傾きを調整可能な支持部材(20)が設けられ、リング状固定部材(A,B)によってフレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
  12. 前記調整可能な支持部材(20)は、支持部材の傾きをフレーム固定リング(A,B)の相互位置関係を変更することで変化可能にする、連結式四辺形を形成するように配置されたロッドシステム(21)を備えていることを特徴とする請求項11に記載のスポーツ車椅子。
  13. 前記フレーム構造は、前輪(201)を支持する前記ハーフフレーム(1)と接続された、ひとつが楕円断面を有する少なくとも一対のスライド自在の横断ロッド(2,5,7)に接続されて三角構造を形成する2つのロッド縦サイド構造を備えていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のスポーツ車椅子。
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