JP2018526412A - 角膜の混濁および瘢痕化の予防および治療のための組成物および方法 - Google Patents

角膜の混濁および瘢痕化の予防および治療のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本出願は、肝細胞増殖因子(HGF)剤を有する、角膜の混濁および瘢痕化を治療するおよび予防するための眼科製剤および方法を開示する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年9月11日に提出された米国仮出願第62/217,611号の恩典を主張するものであり、その内容は参照によりその全体としておよびすべての目的のために本明細書に組み入れられる。
開示の分野
本発明は、角膜の混濁および瘢痕化を治療するおよび予防するための組成物および方法に関する。
参照による配列表の組み入れ
2016年9月7日に作成され、そしてサイズが6,610バイトである、36770-548001WO_ST25.TXTと名付けられたテキストファイルの内容は、参照によりそれらの全体として本明細書によって組み入れられる。
連邦支援の研究および開発の下でなされた発明に対する権利に関する声明
本発明は、米国国防総省によって授与された助成金番号W81XWH-11-1-0477の下で政府支援によりなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
開示の背景
角膜の疾患および損傷は、世界中で1000万人を超える人々に影響を及ぼしている、非屈折性の失明原因の第2位を占める。損傷(例えば、化学火傷/労働災害);感染症(例えば、コンタクトレンズ関連感染症または眼性ヘルペス);およびレーザーによる視力矯正(PRK)を含めたいくつかの病理学的状態は、角膜瘢痕化につながり得る。失明の90パーセントは、瘢痕化および血管新生が原因で恒久的である。線維化細胞応答を介して引き起こされた瘢痕化は、組織を治癒するが、透明度を回復させることはできない。
失明を含めた視力悪化を予防するために、疾患または損傷により生じる角膜の混濁および瘢痕化の重大な影響の予防または治療の必要がある。
開示の概要
本明細書において記載される組成物および方法よりも以前において、角膜の混濁および瘢痕化に対する治療は、しばしば、非選択的作用、有害な免疫抑制、および/または二次感染を伴っていた。本明細書において記載される本発明は、角膜の混濁および瘢痕化の分野におけるこれらのおよび他の問題に対する解決策を提供する。本明細書において記載される本発明は、疾患または損傷により生じる角膜の混濁および瘢痕化の治療および予防における使用のための薬学的製剤にも関する。本発明は、本発明の製剤を対象の目に、例えば角膜の表面上に、または目の領域、例えば角膜に近接した領域に(例えば、局所的にまたは結膜下に)直接投与することによる、そのような治療を必要としている対象における角膜の混濁または瘢痕化の治療および予防のための方法も提供する。対象は、好ましくはそのような治療を必要としている哺乳類、例えば角膜の混濁もしくは瘢痕化、またはそれらに罹患しやすい傾向を有すると診断されている対象である。例えば、対象は、1つもしくは複数の損傷(例えば、化学火傷/労働災害)、感染症(例えば、コンタクトレンズ関連感染症または眼性ヘルペス)を被っている、および/もしくはレーザーによる視力矯正(PRK)手術を受けている、または手術を受けることが予想される。哺乳類は任意の哺乳類、例えばヒト、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ならびに家畜または食料消費のために飼育された動物、例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、およびヤギであり得る。好ましい態様において、哺乳類はヒトである。
角膜の混濁または瘢痕化は、角膜の濁りまたは透明度の低下である。それは、例えば攻撃的な創傷応答の結果としての、眼の疾患、損傷、または手術の副作用であり得る。角膜の混濁または瘢痕化は、角膜の濁ったまたは不透明な外観を言い表す。角膜は通常透き通っており、そのため角膜混濁は視力を大幅に損ない得る。混濁または瘢痕化は角膜の任意の部分で生じ得るものの、それは、実質と呼ばれる、角膜のより厚い中間層内で最もよく見出される。角膜の混濁または瘢痕化は、外傷、感染症、または手術の間に活性化される炎症細胞および他の残屑によって最もよく引き起こされる。角膜の混濁または瘢痕化は、下記の表1に示される1〜4の尺度で等級分けされ得る。したがって、態様において、治療を必要としている対象を同定する工程は、対象の角膜透明度の等級尺度(例えば、微度、軽度、中程度、または重度)を判定するまたは算出することを含む。
(表1)角膜の混濁/瘢痕化の等級分け尺度
Figure 2018526412
角膜の混濁または瘢痕化を治療する方法は、角膜の混濁または瘢痕化の事象を経験した対象またはそれらを好発する傾向を有すると同定されている対象を同定し、そしてHGFもしくはcMETに結合しかつ/またはHGFもしくはcMET媒介シグナル伝達を誘導する有効量の精製された肝細胞増殖因子(HGF)剤または化合物を含む組成物を、眼または付属器組織に投与することによって行われる。本文脈において、HGF剤には、HGF、またはその切断物、改変体、模倣体、アゴニスト、もしくは類似体が含まれ得る。HGF剤は、HGF受容体(HGFRまたはcMET)によるHGF媒介シグナル伝達を誘導することができ、そして限定することなく、HGFR、およびHGFRの生物学的または化学的な小分子アゴニストに結合し得る天然タンパク質、組換えタンパク質またはペプチド、および融合またはキメラタンパク質を含み得る。小分子は、質量が2000ダルトン未満である化合物である。小分子の分子量は、好ましくは1000ダルトン未満、より好ましくは600ダルトン未満であり、例えば化合物は、500ダルトン、400ダルトン、300ダルトン、200ダルトン、または100ダルトン未満である。HGF剤は、単独で、または付加的なHGF剤もしくは他の療法と併せて用いられ得る。しかしながら、HGF剤は、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、神経成長因子(NGF)を含めた他の成長因子、ならびに成長因子が豊富な血漿(PRGF)を含めた合成のまたは天然に存在するそれらの混合物を含んでいない。
本発明の薬学的製剤(例えば、HGF剤)は、眼部送達、例えば角膜実質に浸透するような角膜送達または投与のために製剤化される。実質細胞は上皮細胞とは生理学的および表現型的に異なり、そしてそれは、混濁および瘢痕化が見られる、角膜の他のいかなる層でもなく実質にある。例えば、薬学的組成物は、結膜下投与のために製剤化される。態様において、投与は、本明細書において記載される組成物と、それを必要としている対象における角膜実質または角膜実質細胞とを接触させることを含む。代替的に、薬学的組成物は、目または目の領域への局所投与のために製剤化される。例えば、製剤は、1種または複数種の涙液代用物を含み得る。製剤は、眼部潤滑剤を代替的に含む。
製剤のpHは、5.5〜7.5(例えば、約5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5)である。例えば、製剤のpHは約7.4である。製剤は、単回投薬単位の形態または複数回投薬システムの形態にある。
組成物の適切な形態には、固体、ペースト、軟膏、ゲル、液体、エアロゾル、噴霧、ポリマー、フィルム、エマルション、または懸濁液が含まれる。ある場合には、組成物は、コンタクトレンズ内に組み入れられるかまたはその上にコーティングされる。好ましくは、製剤は水性製剤である。「水性」という用語は、典型的に、担体が重量で>50%、より好ましくは>75%、そしてとくに>90%の程度まで水である水性組成物を表す。
ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または他の作用物質が精製されかつ/または単離される。具体的には、本明細書において使用するとき、「単離された」または「精製された」核酸分子、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、他の細胞材料を、または組換え技法によって産生される場合には培養培地を、または化学的に合成される場合には化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含んでいない。同様に、細胞集団は、他の細胞材料または培養培地を実質的に含んでいない。精製された化合物は、関心対象の化合物が重量(乾燥重量)で少なくとも60%である。好ましくは、調製物は、関心対象の化合物が重量で少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも99%である。例えば、精製された化合物は、所望の化合物が重量で少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、98%、99%、または100%(w/w)であるものである。純度は、任意の適当な標準的方法によって、例えばカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)解析によって測定される。精製されたまたは単離されたポリヌクレオチド(リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA))は、その天然に存在する状態でそれに隣接する遺伝子または配列を含んでいない。精製されたまたは単離されたポリペプチドは、その天然に存在する状態でそれに隣接するアミノ酸または配列を含んでいない。精製されたとは、ヒト対象への投与に安全である無菌性の程度、例えば、感染性のまたは有毒な作用物質を欠如していること、も規定する。
ある場合には、方法は、第二の治療剤の投与をさらに含む。例えば、第二の治療剤には、ステロイド性の、他の生物学的な、または小分子に基づく、抗炎症治療(例えば、サイトカイン標的)が含まれる。
HGF剤は、最適な有効性を与える頻度で投与される。例えば、HGF剤は、72時間ごとに、48時間ごとに、24時間ごとに、12時間ごとに、6時間ごとに、3時間ごとに、1時間ごとに、または他の任意の適当な間隔で投与される。HGF剤は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、7日間、14日間、30日間、60日間、90日間、または120日間投与される。投与は、角膜に対する損傷もしくは傷害の後であり得る、または角膜の混濁および瘢痕化が生じるのを予防する手術の前に施され得る。角膜に対する損傷または傷害は、損傷(例えば、化学火傷/労働災害);感染症(例えば、コンタクトレンズ関連感染症または眼性ヘルペス);およびレーザーによる視力矯正(PRK)の結果であり得る。代替的に、HGF剤は、長期使用のために、すなわち120日間を上回る、150日間を上回る、180日間を上回る、210日間を上回る、240日間を上回る、270日間を上回る、300日間を上回る、330日間を上回る、または360日間を上回る期間投与される。
角膜の混濁または瘢痕化を発症する危険性がある対象を同定する工程、および有効量のHGF剤を含む組成物を、眼または付属器組織に投与する工程を含む、角膜の混濁または瘢痕化を予防する方法も提供される。ある場合には、対象は無症状であるが、角膜の混濁または瘢痕化を発症する高い危険性がある。
任意で、方法は、薬学的に許容される担体の投与をさらに含む。「薬学的に許容される」という語句は、当技術分野において認められており、そして健全な医学的判断の範囲内で、妥当な有益性/危険性の比に見合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症のない、人間および動物の組織と接触した使用に適している組成物、ポリマー、ならびに他の材料および/または剤形を指す。方法は、「眼科的に許容される」担体の投与をさらに含み得る。
「薬学的に許容される担体」という語句は、当技術分野において認められており、そして例えば、身体のある器官または部分から身体の別の器官または部分に、任意の添加剤もしくは組成物、またはそれらの構成要素を運ぶまたは運搬することに関与する、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料など、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを指す。各担体は、添加剤の他の成分と適合しかつかつ患者に害がないという意味で「許容される」必要がある。任意で、薬学的に許容される担体は非発熱性である。薬学的に許容される担体として働き得る材料の一部の例には、(1)ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類;(2)トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;(9)落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質不含水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;(21)リポソームに基づく賦形剤;(22)シクロデキストリン;(23)ナノ粒子に基づく賦形剤;ならびに(24)薬学的製剤において採用される他の非毒性の適合性物質が含まれる。
本発明の組成物の局所投与のための賦形剤は、眼表面および角膜上皮を通じた、ならびに角膜実質への、薬物透過を優先的に促進する。眼の他の解剖学的位置と比較して角膜実質への、例えば少なくとも10%、25%、50%、75%、2倍、5倍、10倍、またはそれを上回る割合の優先的な薬物送達に適している例となる賦形剤には、多糖類およびその誘導体(例えば、キトサン、n-カルボキシメチルキトサン、キトサンHCL、N-トリメチルキトサン、キシログルカン、ヒアルロン酸、アルギン酸、ゲランガム(cellan gum)、シクロデキストリン(cyclodextran)など);ナノ粒子(例えば、本発明の薬物にコンジュゲートされた、例えば共有結合で連結された、ナノ粒子);リポソーム、例えばその中にまたはその上に化合物/治療剤が結び付いたまたは連結されたもの;界面活性剤;塩化ベンザルコニウム;ならびにEDTAが含まれる。リポソームは、少なくとも1つの脂質二重層を有する球状容器である。ナノ粒子は、100nm未満の少なくとも1次元を有する微細粒子である。これらの賦形剤は、単一賦形剤としてまたは組み合わせて用いられ得る。
「眼科的に許容される」という語句は、目および目のエリアの組織への適用に適している賦形剤、乳化剤、湿潤剤、担体、または充填剤を含む組成物を指す。そのような眼科的に許容される組成物は、例えば200、300、400、および600と指定されたポリエチレングリコール、もしくは1000、1500、4000、6000、および10000と指定されたカーボワックス、EDTA-二ナトリウムもしくはEDTAなどの錯化剤、アスコルビン酸、アセチルシステイン、システイン、亜硫酸水素ナトリウム、ブチル-ヒドロキシアニソール、ブチル-ヒドロキシ-トルエンなどの抗酸化剤;チオ尿素、チオソルビトール、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、もしくはモノチオグリセロールなどの安定剤;または、例えばラウリン酸ソルビトールエステル、オレイン酸トリエタノールアミン、もしくはパルミチン酸エステルなどの他の賦形剤を含み得る。
他の担体および賦形剤、例えばKreuter, J.「Nanoparticles」Colloidal Drug Delivery Systems, Jork Kreuter, Marcel Dekkerによる編集, New York, N.Y. (USA), 第5章, 219頁 (1994);Gurny, R.「Ocular therapy with nanoparticles」Polymeric Nanoparticles and Microspheres, P. GuiotおよびP. Couvreurによる編集, Boca Raton, Fla, (USA): CRC Press, 127頁 (1986);Gurny, R.「Preliminary study of prolonged acting drug delivery system for the treatment of glaucoma」Pharm Acta Helv., 第56巻, 130頁 (1981);Zimmer, et al.「J. Microspheres and nanoparticles used in ocular delivery systems」Advanced Drug Delivery Reviews, 第16巻, 第1号, 61-73頁(1995);Zambito, et al.「Polysaccharides as excipients for Ocular Topical Formulations」Biomaterials Applications for Nanomedicine, Prof. Rosario Pignatello (編集), ISBN: 978-953-307-661-4, InTech, http://www.intechopen.com/books/biomaterials-applications-for-nanomedicine/polysaccharidesas-excipients-for-ocular-topical-formulationsの253-284頁で入手可能;Kompella, et al.「Recent Advances in Ophthalmic Drug Delivery」Ther Deliv, 2010 September 1, 1(3): 435-456;McCann, J.,「Advances and Challenges in Topical Ocular Medications」Advanced Ocular Care, March 2011., 23-25頁;ならびにCalvo, et al.「Comparative in vitro evaluation of several colloidal systems, nanoparticles, nanocapsules, and nanoemulsions, as ocular drug carriers」J Pharm. Sci, 第85巻, 第5号, 530-536頁(1996年5月)に記載されているものは、当技術分野において公知である。これらの参考文献は、参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる。
本明細書において使用するとき、「涙液代用物」という用語は、眼に投与されると、潤滑化し、「湿らし」、内因性の涙液の稠度に近づけ、天然の涙液の増大を助け、または乾燥した目の症状および病状の一時的な緩和を提供する、分子または組成物を指す。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書において互換可能に用いられる。該用語は、1つまたは複数のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的化学的模倣体である、アミノ酸ポリマーに、適用される。また、天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーにも適用される。
同様に、「実質的に純粋な」によって、天然にそれに付随する構成要素から分離されているヌクレオチドまたはポリペプチドを意味する。典型的に、ヌクレオチドおよびポリペプチドは、それらが天然に結び付いているタンパク質および天然に存在する有機分子を重量で少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、またはさらに99〜100%含んでいない場合、実質的に純粋である。
特定のポリヌクレオチド配列の「保存的に改変された変動」とは、同一のもしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、またはポリヌクレオチドがアミノ酸配列をコードしない場合には、本質的に同一の配列を指す。遺伝子コードの縮重が理由で、多数の機能的に同一の核酸が任意の所定のポリペプチドをコードする。例えば、CGU、CGC、CGA、CGG、AGA、およびAGGというコドンはすべて、アルギニンというアミノ酸をコードする。ゆえに、アルギニンがコドンによって特定されるあらゆる箇所において、該コドンは、コードされるポリペプチドを変更することなく、記載された対応するコドンのいずれかに変更され得る。そのような核酸変動は「サイレント置換」または「サイレント変動」であり、それは「保存的に改変された変動」の1つの種である。ポリペプチドをコードする、本明細書において記載されるあらゆるポリヌクレオチド配列は、別様に注記される場合を除いて、あらゆる考え得るサイレント変動も記載する。ゆえに、サイレント置換は、アミノ酸をコードするあらゆる核酸配列の黙示的特質である。当業者であれば、(通常はメチオニンに対する唯一のコドンであるAUGを除いて)核酸における各コドンを、標準的技法によって改変して機能的に同一の分子を産出し得ることを認識するであろう。
同様に、アミノ酸配列内の1つまたはいくつかのアミノ酸における「保存的アミノ酸置換」は、非常に類似した特性を有する異なるアミノ酸で置換され、また、特定のアミノ酸配列、またはアミノ酸をコードする特定の核酸配列と非常に類似しているものとして容易に同定される。任意の特定の配列のそのような保存的に置換された変動は、本発明の特質である。コードされる配列における単一のアミノ酸またはわずかな割合のアミノ酸(典型的には5%未満、より典型的には1%未満)を変更する、付加する、または欠失させる個々の置換、欠失、または付加は、該変更が、化学的に類似したアミノ酸でのアミノ酸の置換をもたらす場合、「保存的に改変された変動」である。機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換の表は、当技術分野において周知である。参照により本明細書に組み入れられる、例えばCreighton (1984) Proteins, W.H. Freeman and Companyを参照されたい。下記の表2は、例となるアミノ酸置換を提供する。
(表2)保存的アミノ酸置換
Figure 2018526412
「単離された核酸」によって、その核酸が由来する生命体の天然に存在するゲノムにおいてそれに隣接する遺伝子を含んでいない核酸を意味する。該用語は、例えば:(a)天然に存在するゲノムDNA分子の一部であるが、それが天然に存在する生命体のゲノムにおいて該分子のその部分に隣接する核酸配列の両方によって隣接されていないDNA;(b)結果として生じる分子が、いかなる天然に存在するベクターまたはゲノムDNAとも同一でないような様式で、ベクター内または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA内に組み入れられた核酸;(c)cDNA、ゲノムフラグメント、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって産生されたフラグメント、または制限フラグメントなどの分離した分子;および(d)ハイブリッド遺伝子(すなわち融合タンパク質をコードする遺伝子)の一部である組換えヌクレオチド配列、を網羅する。本発明に従った単離された核酸分子には、合成により産生された分子、ならびに化学的に変更されているおよび/または改変された骨格を有する任意の核酸がさらに含まれる。例えば、単離された核酸は、精製されたcDNAまたはRNAポリヌクレオチドである。
「配列同一性パーセント」または「配列同一性パーセンテージ」という用語は、アミノ酸または核酸配列における配列の重なり合いを指す。本明細書において使用するとき、「同一性」または「同一性パーセント」という用語は、2つのポリマー分子、例えば2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド間のサブユニット配列類似性を指す。2つの分子の両方におけるサブユニット箇所が同じ単量体サブユニットによって占有されている場合、例えば2つのペプチドのそれぞれにおける箇所がセリンによって占有されている場合には、それらはその箇所で同一である。2つの配列間の同一性は、合致しているまたは同一の箇所の数の一次関数であり、例えば2つのペプチドまたは化合物配列における箇所の半分(例えば、長さが10個のサブユニットのポリマーにおける5箇所)が同一である場合には、該2つの配列は50%同一であり;箇所の90%、例えば10個のうちの9個が合致している場合、該2つの配列は90%の配列同一性を共有する。2つの配列間の同一性は、合致しているまたは同一の箇所の数の一次関数である。ゆえに、参照配列の一部分が特定のペプチドにおいて欠失している場合、その欠失した部分は、配列同一性を算出する目的上カウントされない。同一性は、しばしば、配列解析ソフトウェア、例えばBLASTNまたはBLASTP(「Blast」ディレクトリ(「/BLAST/」)における、米国政府(「.gov」)の国立衛生研究所(「.nih」)の国立生物工学情報センター(「.ncbi」)のワールドワイドウェブサイト(「www」)で利用可能)を用いて測定される。BLASTN(ヌクレオチド配列用)による2つの配列を比較する(例えば、互いに対して2つの配列を「Blast」する)ための初期設定パラメーターは、合致=1、ミスマッチに対するペナルティ=-2、オープンギャップ=5、伸長ギャップ=2を与えられる。タンパク質配列に対するBLASTPを用いる場合、初期設定パラメーターは、合致=0、ミスマッチに対するペナルティ=0、オープンギャップ=11、および伸長ギャップ=1を与えられる。加えて、同一性を判定するためのコンピュータープログラムは、当技術分野において公知である。
2つまたはそれを上回る数のポリペプチド配列の文脈における「類似性」または「類似性パーセント」とは、以下の配列比較アルゴリズムのうちの一つを用いてまたは目視点検によって測定される、同じである2つもしくはそれを上回る数の配列もしくは部分配列、または比較されかつ最大の一致のためにアライメントされた場合に同じである、指定されたパーセンテージのアミノ酸残基もしくはその保存的置換を有する2つもしくはそれを上回る数の配列もしくは部分配列を指す。
本発明のHGF剤は、ヒトHGF(SEQ ID NO:1)と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み得る。
「核酸分子」という語句は、物理的な核酸を主に指し、そして「核酸配列」という語句は、核酸分子のヌクレオチドの直線状のリストを指すが、該2つの語句は互換可能に用いられ得る。
製剤または製剤構成要素の「有効量」および「治療上有効量」という用語によって、所望の効果を提供する、単独でのまたは組み合わせでの、製剤または構成要素の十分な量を意味する。例えば、「有効量」によって、哺乳類における角膜の混濁または瘢痕化疾患を低下させるまたは予防するために要される、単独でのまたは組み合わせでの化合物の量を意味する。ある場合には、有効量は、本明細書において記載される組成物で治療すると、本明細書において記載される組成物の治療なしでのレベルと比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、角膜線維芽細胞の分化を阻害するのに十分な量である。ある場合には、有効量は、本明細書において記載される組成物で治療すると、本明細書において記載される組成物の治療なしでのレベルと比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、α-平滑筋アクチン(αSMA)発現を阻害するのに十分な量である。ある場合には、有効量は、本明細書において記載される組成物で治療すると、本明細書において記載される組成物の治療なしでのレベルと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、角膜上皮細胞の層化を増加させるのに十分な量である。ある場合には、有効量は、本明細書において記載される組成物で治療すると、本明細書において記載される組成物の治療なしでのレベルと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、c-met発現を増加させるのに十分な量である。ある場合には、有効量は、正常な(すなわち、健常な)角膜の厚さの約50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれよりも高いパーセンテージまで、損傷した角膜の厚さを回復させるのに十分な量である。最終的には、担当の医師または獣医が、適当な量および投薬レジメンを決定する。
本明細書において用いられる「治療する」および「治療」という用語は、症状の重症度および/もしくは頻度の低下をもたらし、症状および/もしくはそれらの根底にある原因を排除し、かつ/または損害の改善もしくは修復を促すための、有害な病状、障害、または疾患、例えば角膜の混濁または瘢痕化、に苦しむ臨床的に症状を示す個体への作用物質または製剤の投与を指す。
「予防する」および「予防」という用語は、特定の有害な病状、障害、または疾患の影響を受けやすいまたはそれらに罹患しやすい傾向を有する臨床的に無症状の個体への作用物質または組成物の投与を指し、ゆえに症状および/またはそれらの根底にある原因、例えばPRK患者、化学火傷被害者、または眼球損傷被害者として特徴付けされるもの、の発生の予防に関係する。
「含む(including)」、「含有する(containing)」、または「によって特徴付けされる」と同義である「含む(comprising)」という移行句は、包含的またはオープンエンドであり、列挙されていないさらなる要素または方法の工程を除外しない。対照的に、「からなる」という移行句は、特許請求の範囲において指定されていないいかなる要素、工程、または成分をも除外する。「から本質的になる」という移行句は、特許請求の範囲の範囲を、指定された材料または工程、ならびに主張される発明の「基本的および新規な特徴に物質的に影響を及ぼさないもの」に限定する。
ヒト肝細胞増殖因子(GenBankアクセッション番号:P14210.2)は、以下のアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)を有する。
Figure 2018526412
HGF剤は、全長HGF(SEQ ID NO:1)を含み得る。HGF剤は、切断されたHGF、または全長ペプチドのある特定のドメイン、例えば全長または親タンパク質、例えばHGFのフラグメントも含み得る。本明細書において用いられる「フラグメント」という用語は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド全体に満たない、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの部分を意味する。本明細書において使用するとき、参照タンパク質、例えばHGFの「機能的フラグメント」とは、全長の、未成熟な、または成熟したポリペプチドよりも短く、かつ全長の成熟した参照タンパク質の活性の少なくとも25%(例えば、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、もしくはさらに100%、またはそれを上回る割合)を有する、ポリペプチドのフラグメントである。活性は、例えば、角膜の混濁または瘢痕化を低下させる活性である。HGFのフラグメントが機能的である/活性を有するかどうかを確証する方法は、例えば表1に記載される基準によって判定されるように、当技術分野において公知である。例えば、関心対象のフラグメントを、組換え、合成、またはタンパク質分解的消化の方法のいずれかによって作製し得る。次いで、そのようなフラグメントを、単離し得、かつ本明細書において記載される手順によって、T細胞を共刺激し得るそれらの能力について試験し得る。
例えば、成熟タンパク質は、アミノ酸32〜494(下線が引かれた)を含む。他の例には、アミノ酸126〜207、208〜289、302〜384、および388〜470が含まれ、そのそれぞれはクリングルドメインを含み、それらはそれぞれ、媒介物質に結合することに個々に関与し得る。
したがって、本明細書において記載されるHGF剤は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み得る。態様において、本明細書において記載されるHGF剤は、SEQ ID NO:1の残基32〜494のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み得る。態様において、本明細書において記載されるHGF剤は、SEQ ID NO:1の残基126〜207のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み得る。態様において、本明細書において記載されるHGF剤は、SEQ ID NO:1の残基208〜289のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み得る。態様において、本明細書において記載されるHGF剤は、SEQ ID NO:1の残基302〜384のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み得る。態様において、本明細書において記載されるHGF剤は、SEQ ID NO:1の残基388〜470のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み得る。
本明細書において記載されるHGF剤は、SEQ ID NO:1のフラグメントを含み得る。フラグメントは、長さが3〜10アミノ酸、10〜20アミノ酸、20〜40アミノ酸、40〜56アミノ酸であり得る、またはさらにより長くあり得る。本明細書において記載されるフラグメントと少なくとも70%のアミノ酸同一性、好ましくは少なくとも80%のアミノ酸同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、そして最も好ましくは95%の同一性を有するアミノ酸配列も、本明細書において記載される本発明の範囲内に含まれる。
本発明の他の特質および利点は、その好ましい態様についての下記の記載から、および特許請求の範囲から明白であろう。別様に定義されていない限り、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的な用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと同様または同等の方法および材料を、本発明の実践または試験において用い得るものの、適切な方法および材料が下記で記載される。本明細書において引用されるすべての公開された外国特許および特許出願は、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書において引用されるアクセッション番号によって示されるGenbankおよびNCBI寄託は、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書において引用される他のすべての公開された参考文献、文書、原稿、および科学論文は、参照により本明細書に組み入れられる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先される。加えて、材料、方法、および例は単なる例証であり、限定的であることを意図されるわけではない。
角膜の層を明らかにする、角膜の解剖学的構造の図である。 損傷した角膜の代表的な細隙灯(明視野およびフルオレセイン)生体顕微鏡画像を示した写真である。損傷後1、3、5、および7日目における角膜損傷の画像を示しており、細隙灯生体顕微鏡法を用いて、損傷した角膜の写真(フルオレセイン(緑色)染色有りまたは無し)を撮った。 Image Jソフトウェアを用いた角膜不透明性(混濁/瘢痕化)の定量を呈示した棒グラフであり、アルブミン処理された対照群と比較した、HGF処理されたマウスにおける角膜不透明性の進行の有意な低下を示している。損傷後1、3、5、および7日目における角膜損傷の定量を示している。 Image Jソフトウェアを用いたフルオレセイン染色されたエリアの定量を示した棒グラフであり、対照群と比較した、HGF処理されたマウスにおけるフルオレセイン染色(すなわち、損傷したエリア)の有意な低下を示している。(N=5〜6匹のマウス/群)。損傷後1、3、5、および7日目における角膜損傷の定量を示している。 図3Aは、HGFが、角膜ケラトサイトによるα-平滑筋アクチン(αSMA:瘢痕化を引き起こす因子)の発現を阻害することを実証した棒グラフであり、図3Bは一連の写真である。マウス角膜ケラトサイト(MK/T1)のインビトロ解析は、リアルタイムPCR(図3A)および免疫組織化学(図3B)によって測定されるように、HGFが、ケラトサイトにおけるαSMAのTGFp誘導性発現を有意に阻害することを示している。 損傷後3日目に摘出された角膜における、全白血球マーカーのCD45に対する免疫染色を示した共焦点顕微鏡画像である。C57BL6マウスにおいて、ALGBERRUSH-II(商標)を用いた完全な角膜上皮の機械的除去によって、角膜損傷を誘導した。その後、マウス組換えHGFを、損傷した目に1日2回局所適用した(用量:1つの目あたりPBS中0.01% HGFを3μl)。対照群は、マウス血清アルブミンの同様の投薬を受けた。青色の着色は細胞核のDAPI染色を示し;緑色の着色は、全白血球マーカーであるCD45の存在を示す。 正常角膜、損傷した対照角膜、およびHGF処理された角膜の組織構造を示した、代表的な顕微鏡写真の画像である。 HGF処理された角膜が、正常な角膜のものと同程度の厚さまでそれらの厚さを回復させることを示した累積的データの棒グラフである。損傷した対照角膜は、正常角膜およびHGF処理された角膜と比較して、厚さの有意な増加を示している。(N=5匹のマウス/群)。 HGFがヒト角膜線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化を阻害することを示した棒グラフである。rhHGF(10ng/ml、R&D Systems)の存在下または非存在下で、ヒト角膜線維芽細胞をヒト組換えTGFβ1(100ng/ml、Peprotech)で24時間刺激した。αSMA発現(内部対照のGAPDHに対して正規化された)を、リアルタイムPCRを用いて評価した。示された値は、三つ組で実施された3つの独立した実験からの平均±SDである(エラーバー);*p<0.02、**p<0.001。 HGFが、角膜損傷後の上皮細胞の層化を増大させることを示した一連の画像である。損傷後7日目に、正常な、アルブミン処理された、およびHGF処理されたマウスから、角膜を摘出した。角膜横断切片を、核染色剤のDAPIで染色して、共焦点顕微鏡(400×)を用いて角膜上皮細胞層を可視化した。 HGFが、角膜損傷後の上皮細胞の層化を増大させることを示した棒グラフである。正常角膜(白い棒)、損傷した対照角膜、およびHGF処理された損傷した角膜(黒い棒)における、上皮細胞層の厚さ(μm)を示した棒チャート。示された値は平均±SDである(エラーバー);n=5匹のマウス/群。 HGFが、損傷後の角膜におけるHGF-R(c-met)発現を促進することを示した棒グラフである。損傷後3および7日目に、正常群(チェック模様の棒)、マウスアルブミン処理された損傷した対照群(白い棒)、およびHGF処理された損傷した群(黒い棒)から、角膜を摘出した。摘出された角膜から全RNAを単離した。リアルタイムPCRを用いて、HGF-R mRNA発現を定量化した。GAPDHを内部対照として用いた。示された値は平均±SDであり、そして各群はn=6匹のマウスからなる。*p<0.03、**p<0.01。
発明の詳細な説明
本発明は、角膜の混濁および瘢痕化のための組成物、方法、および治療を提供する。ヒトにおける角膜の混濁および瘢痕化の治療および予防のための方法は、角膜上へのまたは角膜内へのHGFまたはそのフラグメントもしくはアゴニストの治療的投与によって、あるいは薬学的に適切なビヒクルまたは別の治療剤のいずれかとの組み合わせで行われる。HGF剤は、HGF受容体(HGFRまたはcMET)によるHGF媒介シグナル伝達を誘導し得るHGFまたは作用物質を含み、そして限定することなく、HGFR、およびHGFRの生物学的または化学的な小分子アゴニストに結合し得る天然タンパク質、組換えタンパク質またはペプチド、および融合またはキメラタンパク質を含み得る。
角膜の解剖学的構造
角膜は、種々の厚さ、細胞組成、および機能を有する多数の層から構成される。角膜の層には、上皮、ボーマン膜または層、実質、デスメ膜または層、および内皮が含まれる。層のそれぞれは、図1に図解されている。
上皮は、角膜の表面を覆う細胞の層である。それはほんの約5〜6細胞層の厚さであり、そして角膜が損傷した場合にすぐに再生する。損傷が角膜内により深く貫通した場合、それは瘢痕を残し得る。瘢痕は不透明なエリアを残し、角膜にその明瞭さおよび輝きを喪失させる。
ボーマン膜は上皮のすぐ下にある。この層は非常に丈夫でありかつ透過しにくいため、角膜を損傷から守る。
実質は最も厚い層であり、そしてボーマン膜のすぐ下にある。実質は、互いに並行に走る細かいコラーゲン線維から構成される。コラーゲン線維のこの特殊な構成は、角膜にその明瞭さを与える。HGF剤は、角膜の実質で作用して、角膜の混濁または瘢痕化を予防および治療する。HGF剤は、角膜実質のケラトサイト内でのα-平滑筋アクチンの発現を阻害して、ケラトサイト機能、および角膜実質への炎症細胞の遊走を抑制し、角膜の混濁および瘢痕化の発症を予防する。これらのケラトサイトは、他の角膜層には存在しない。
角膜混濁は、上皮または内皮細胞の事象ではない。角膜の混濁および瘢痕化は、ケラトサイトによるアクチンおよびコラーゲン線維の過剰な発現、ならびに炎症細胞の浸潤、ならびにケラトサイトの筋線維芽細胞への分化を含めた、角膜実質構成要素の機能不全が原因で主に生じる実質の病状である。これらの細胞過程は、角膜上皮細胞増殖とは区別できる。
デスメ膜は、実質と内皮との間にある。
内皮はデスメのすぐ下であり、そしてほんの1細胞層の厚さである。この層は、角膜から水分をくみ上げ、それを透き通った状態に保つ。損害を受けたまたは疾患の場合、これらの細胞は再生しないと考えられる。
以前の方法論は、角膜の混濁および瘢痕化の治療のためにステロイド療法を利用した。下記の表3は、ステロイド療法と比較した、本明細書において記載されるHGF療法の改善点を詳述している。
(表3)
Figure 2018526412
HGFの作用のメカニズムは、それがHGF-R発現細胞を標的にするという点において細胞特異的である。ステロイドはそれらの作用において広域スペクトルかつ非選択的であり、それは、非特異的な免疫抑制および二次感染につながることが多い。表3に示されるように、二次感染の危険性は、本明細書において記載される組成物および方法を用いて低下し、かつ細胞増殖は、ステロイドでの治療と比べて増加し、副作用の低下、ならびに治癒および予防の速度およびさらなる程度の増加につながる。
使用の方法
それを必要としている対象を同定し;少なくとも1種の精製されたHGF剤を含むHGFR結合組成物を該対象に投与することによって、角膜の混濁または瘢痕化を治療するまたは予防する方法が本明細書で提供される。態様において、投与する工程は、組成物と対象の角膜実質とを接触させることを含む。態様において、同定する工程は、表1に記載されるように、対象の角膜透明度の等級尺度を算出することを含む。
局所的な眼科製剤は、角膜の混濁または瘢痕化を治療するのに有用である。ゆえに、本発明は、本明細書において記載される組成物(例えば、本発明の眼科製剤)を、対象の目または目の領域に直接投与することによる、そのような治療を必要としている対象における角膜の混濁または瘢痕化の治療のための方法も提供する。例えば、投与する工程は、本明細書において記載される眼科製剤と、角膜実質または角膜実質細胞とを接触させる工程を含み得る。
本発明のHGF剤フラグメントまたはそのアゴニストを含む薬学的製剤は、角膜の混濁または瘢痕化の治療に用いられ得る。例えば、薬学的組成物は、目への局所投与のために製剤化される(例えば、結膜下投与;点眼薬)。任意で、薬学的組成物は、涙液代用物をさらに含み得る。適切な涙液代用物には、グリセリン、プロピレングリコール、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース)、デキストラン70、鉱油、ワセリン、カーボポール980、ポビドン、CMC (カルボキシメチルセルロースナトリウム)、PVA(ポリビニルアルコール)、または活性および不活性の両方の他の成分が含まれ得る。
有効量の少なくとも1種(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8種など)のHGF剤を含む薬学的組成物を、対象の目表面に投与する工程を含む、それを必要としている対象における角膜の混濁または瘢痕化を治療するまたは予防するための方法も提供される。任意で、角膜の混濁または瘢痕化の治療または予防を必要としている対象の目へのHGF剤の投与は、角膜表面上の疾患または病状と関連した1つまたは複数の症状を和らげるまたは低下させるのにも有効である。有効量は、混濁/瘢痕化スコアを、少なくとも1単位、例えば表1に示される単位、低下させる量である。例えば、有効量は、スコアを「+3」から「+2」に低下させる。対象は、好ましくはヒトであるが、別の哺乳類、例えばイヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、または非ヒト霊長類であり得る。
製剤は、有効量のHGF剤と、任意で、意図される使用に有効である1種または複数種の付加的な活性成分とを含有し得る。特定の投薬量は、対象の年齢、性別、種、および病状を含めたいくつかの因子に基づいても選択される。有効量は、インビトロ試験システムにまたは動物モデルに由来した用量応答曲線からも推定され得る。「有効量」という用語は、角膜の混濁または瘢痕化を予防する、排除する、または低下させるのに十分である、HGF剤の量を意味する。
有効量は、角膜の混濁または瘢痕化の治療または予防に十分な量である。本文脈における「治療」とは、角膜の混濁または瘢痕化の結果としての少なくとも1つの症状を低下させることまたは向上させることを指す。本文脈における「予防」とは、組成物を投与されていない対象と比べて、疾患または病状と関連した症状の頻度の低下、または発現の遅延を指す。ある場合には、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される組成物を投与すると、本明細書において記載される組成物の投与なしでのレベルと比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、角膜線維芽細胞の分化を阻害する。ある場合には、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される組成物を投与すると、本明細書において記載される組成物の投与なしでのレベルと比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、α-平滑筋アクチン(αSMA)発現を阻害する。ある場合には、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される組成物を投与すると、本明細書において記載される組成物の投与なしでのレベルと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、角膜上皮細胞の層化を増加させる。ある場合には、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される組成物を投与すると、本明細書において記載される組成物の投与なしでのレベルと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、c-met発現を増加させる。ある場合には、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される組成物を投与すると、正常な(すなわち、健常な)角膜の厚さのものの約50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれよりも高いパーセンテージまで、損傷した角膜の厚さを回復させる。ある場合には、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される組成物を投与すると、本明細書において記載される組成物の投与なしでのレベルと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを上回る割合、損傷した角膜への炎症性白血球の輸送を阻害する。
本発明は、上記で記載される製剤の使用を含む、対象における角膜の混濁または瘢痕化を治療する方法を特質とする。例えば、角膜の混濁または瘢痕化を治療する方法は、薬学的に許容される担体中に有効量の少なくとも1種のHGF剤および涙液代用物を含む薬学的組成物を、対象の目表面に投与する工程を含み得る。
眼科製剤
HGF剤は、適切な薬学的担体と組み合わせて製剤化され得る。そのような製剤は、治療上有効量のHGF剤と、薬学的に許容される担体(賦形剤)とを含む。そのような担体には、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されるわけではない。製剤は、投与の様式に適するべきであり、それは十分に当技術分野の技能の範囲内である。
例えば、本発明の薬学的組成物は、少なくとも1種(例えば、1、2、3、4、5、6種など)のHGF剤の組み合わせを含み得る。態様において、薬学的組成物は、結膜下投与のために製剤化される。例えば、薬学的組成物は、目への局所投与のために製剤化される(例えば、結膜下投与;点眼薬)。薬学的組成物は、涙液代用物をさらに含み得る。
HGF剤の濃度は、約0.001%〜約10.0%(w/v)、例えば約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2.5%、約0.001%〜約1%、約0.001%〜約0.5%、約0.005〜約0.5%、約0.005%〜約0.05%、約0.01%である。例として、HGF剤の濃度は、角膜の厚さを正常な角膜の厚さに回復させるのに、および/または損傷した角膜への炎症性白血球の輸送を阻害するのに有効である。
好ましくは、本発明に従った薬学的組成物は、局所投与のための溶液、懸濁液、および他の剤形として製剤化される。製剤化の容易さ、ならびに、影響を受けた目に1〜2滴の溶液を染み込ませることによってそのような組成物を患者が容易に投与し得ることに基づき、水溶液が一般的に好ましい。しかしながら、組成物は、懸濁液、粘性もしくは半粘性のゲル、または他のタイプの固体もしくは半固体の組成物であってもよい。
水、水とC1〜C7アルカノールなどの水混和性溶媒との混合物、0.5〜5%の非毒性水溶性ポリマーを含む植物油もしくは鉱油、ゼラチン、アルギネート、ペクチン、トラガカント、カラヤガム、キサンタンガム、カラゲニン、寒天、およびアカシアなどの天然産物、酢酸デンプンおよびヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン誘導体、ならびにまたポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシドなどの他の合成産物、好ましくは中性カーボポールなどの架橋ポリアクリル酸、またはそれらのポリマーの混合物などを含めた、多様な担体のいずれかが本発明の製剤において用いられ得る。担体の濃度は、典型的に、活性成分の濃度の1〜100000倍である。製剤中に含まれ得る付加的な成分には、張性増強因子、保存剤、安定剤、非毒性賦形剤、粘滑剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、共溶媒、および粘性上昇剤が含まれる。
pHの調整、好ましくは生理学的pHへの調整のために、バッファーはとりわけ有用であり得る。本溶液のpHは、約4.0〜8.0(例えば、約4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8)、より好ましくは約4.0〜6.0(例えば、約4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6)、より好ましくは約6.5〜7.8(例えば、約6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8)の範囲内に維持されるべきである。ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸、重炭酸ナトリウム、TRIS、および様々な混合リン酸バッファー(Na2HPO4、NaH2P04、およびKH2PO4の組み合わせを含む)、ならびにそれらの混合物など、適切なバッファーが添加され得る。ホウ酸バッファーが好ましい。一般的に、バッファーは、重量で約0.05〜10パーセントに及ぶ量で用いられる。
張性は、典型的に張性増強剤によって、必要とされる場合に調整される。そのような作用物質は、例えばイオン性および/または非イオン性タイプのものであり得る。イオン性張性増強因子の例は、例えばCaCl2、KBr、KCl、LiCl、Nal、NaBrもしくはNaCl、Na2SO4、またはホウ酸など、アルカリ金属または土類金属ハロゲン化物である。非イオン性張性増強剤は、例えば尿素、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、プロピレングリコール、またはデキストロースである。本発明の水溶液を典型的に等張化剤で調整して、0.9%±0.1%の塩化ナトリウムの溶液または2.5%±0.3%のグリセロールの溶液と同等である正常涙液の浸透圧に近づける。約225〜400mOsm/kgのモル浸透圧濃度が好ましく、より好ましくは280〜320mOsmである。
少なくとも1種のHGF剤は、ヒドロゲル、薬物溶出性コンタクトレンズ、およびナノシステム(リポソームシステム、デンドリマー、固体生分解性ナノ粒子、ナノゲル)、ならびに/または灌流液の使用によってまたはそれらの形態で投与され得る。
眼科製剤、目の軟膏、クリーム、膏薬、粉末、溶液なども、本発明の範囲内にあるとして企図される。
点眼薬
点眼薬は、1種または複数種の涙液代用物とともにまたはそれらなしで製剤化され得る。角膜の混濁または瘢痕化の治療のための、薬学的に許容される担体中に有効量の1種または複数種(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9種など)のHGF剤、および涙液代用物を含む薬学的組成物も、提供される。HGF剤および涙液代用物は、相乗的に作用して、角膜上でのHGF剤のより長い滞留時間を提供し得、ゆえに作用の持続期間および効力を増加させる。
多様な涙液代用物が当技術分野において公知であり、グリセロール、プロピレングリコール、およびエチレングリコールなどの単量体ポリオール;ポリエチレングリコールなどの高分子ポリオール;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエステル;デキストラン70などのデキストラン;ゼラチンなどの水溶性タンパク質;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、およびポビドンなどのビニルポリマー;ならびにカルボマー934P、カルボマー941、カルボマー940、およびカルボマー974Pなどのカルボマーを含むが、それらに限定されるわけではない。多くのそのような涙液代用物が市販されており、それらには、Bion Tears(登録商標)、Celluvisc(登録商標)、Genteal(登録商標)、OccuCoat(登録商標)、Refresh(登録商標)、Teargen II(登録商標)、Tears Naturale(登録商標)、Tears Natural II(登録商標)、Tears Naturale Free(登録商標)、およびTheraTears(登録商標)などのセルロースエステル;ならびにAkwa Tears(登録商標)、HypoTears(登録商標)、Moisture Eyes(登録商標)、Murine Lubricating(登録商標)、およびVisine Tears(登録商標)などのポリビニルアルコールが含まれるが、それらに限定されるわけではない。涙液代用物は、市販のLacri-Lube(登録商標)軟膏などのパラフィンからも構成され得る。涙液代用物として用いられる他の市販の軟膏には、Lubrifresh PM(登録商標)、Moisture Eyes PM(登録商標)、およびRefresh PM(登録商標)が含まれる。
一局面において、涙液代用物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する。涙液代用物は、Genteal(登録商標)潤滑点眼薬である。GenTeal(登録商標)(CibaVision--Novartis)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース3mg/gを含有しかつ過ホウ酸ナトリウムで保存された、無菌の潤滑点眼薬である。
本発明の薬学的組成物は、1種または複数種のHGF剤と1種または複数種の涙液代用物との組み合わせを含み得る。
治療的投与
製剤中の活性剤の有効量は、薬物の吸収率、不活性化率、および排出率、ならびに製剤からの化合物の送達率に依存する。投薬量の値は、軽減される対象となる病状の重症度によっても変動し得ることに留意すべきである。任意の特定の対象に対して、特異的な投薬レジメンは、個々の必要性、組成物の投与を管理するまたは監督する人の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであることがさらに理解されるべきである。典型的に、投薬は、当業者に公知の技法を用いて決定される。
本発明の任意の化合物の投薬量は、患者の症状、年齢、および他の身体的特徴、治療されるまたは予防される対象となる障害の性質および重症度、所望される快適性の程度、投与の経路、ならびに添加剤の形態に応じて変動する。対象製剤のいずれかを、単回用量でまたは分割用量で投与し得る。本発明の製剤に対する投薬量は、当業者に公知の技法によってまたは本明細書において教示されるように容易に決定され得る。
有効な用量または量、および製剤の投与のタイミングに対する任意の考え得る効果は、本発明の任意の特定の製剤に関して同定される必要があり得る。これは、本明細書において記載されるルーチン的な実験によって達成され得る。任意の製剤および治療または予防の方法についての有効性は、製剤を投与し、本明細書において記載される、活性剤の効力および患者の快適性の程度と関連した1つまたは複数の指標を測定することにより投与の効果を査定し、これらの指標の治療後の値と治療前の同じ指標の値とを比較する、またはこれらの指標の治療後の値と異なる製剤を用いた同じ指標の値とを比較することによって、査定され得る。
所定の患者において最も有効な治療をもたらすであろう投与の正確な時間および任意の特定の製剤の量は、特定の化合物の活性、薬物動態、および生体利用性、患者の生理学的条件(年齢、性別、疾患のタイプおよびステージ、全般的な身体的条件、所定の投薬量への応答性、ならびに医薬のタイプを含む)、投与の経路などに依存する。本明細書において提示される指針を用いて、治療を最適化する、例えば、投与の最適な時間および/または量を決定することができ、これには、対象をモニターする工程ならびに投薬量および/またはタイミングを調整する工程からなるルーチン的な実験が必要となるだけであろう。
種々の構成要素の効果の発現および持続期間は相補的(complimentary)であるため、本発明の組成物中に製剤化されるいくつかの活性剤の併用は、任意の個々の構成要素についての必要な投薬量を低下させ得る。そのような併用療法において、種々の活性剤は、一緒にまたは別個に、かつ同時にまたは一日のうちの異なる時間に、送達され得る。
パッケージング
本発明の製剤は、単回投薬製品または複数回投薬製品のいずれかとしてパッケージされ得る。単回投薬製品はパッケージを開封する前に無菌であり、そしてパッケージ内の組成物のすべては、患者の一方または両方の目への単回適用で消費されることを意図される。パッケージを開封した後の組成物の無菌性を維持するための抗微生物性保存剤の使用は、一般的に不要である。
複数回投薬製品も、パッケージを開封する前に無菌である。しかしながら、組成物用の容器は、容器内のすべての組成物が消費される前に何度も開封され得るため、複数回投薬製品は、容器の繰り返しの開封および取り扱いの結果として、組成物が微生物によって汚染されないことを確保するために十分な抗微生物活性を有しなければならい。この目的のために要される抗微生物活性のレベルは当業者に周知であり、そして米国薬局方(「USP」)などの公式刊行物および他の諸国における対応する刊行物において指定されている。微生物汚染に対する眼科薬学的製品の保存のための仕様についての詳細な説明、および具体的な製剤の保存効力を評価するための手順は、それらの刊行物に提供されている。米国において、保存効力標準は、一般的に「USP PET」要件と呼ばれる(「PET」という頭字語は、「保存効力試験法」を表す)。
キット
本発明は、本明細書において記載される製剤のパッケージングおよび/または保管および/または使用のためのキット、ならびに本明細書において記載される方法の実践のためのキットを提供する。ゆえに、例えば、キットは、本発明の1つまたは複数の眼科用液剤、錠剤、またはカプセルを含有する1つまたは複数の容器を含み得る。キットは、配送、使用、および保管のうちの1つまたは複数の局面を容易にするように設計され得る。
キットは、その中に提供される製剤の使用の手段を開示した説明(すなわち、プロトコール)を含有する指示書を任意で含み得る。指示書には、典型的に、文書または印刷物が含まれるが、それらはそのようなものに限定されるわけではない。そのような指示を記憶し得かつそれらをエンドユーザーに伝え得る任意の媒体が、本発明によって企図される。そのような媒体には、電子記憶媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが含まれるが、それらに限定されるわけではない。そのような媒体は、そのような指示書を提供するインターネットサイトへのアドレスを含み得る。
実施例1:局所的HGFは、角膜の混濁および瘢痕化の発生を阻害し、かつ創傷治癒を促進する
C57131_6マウスにおいて、Algerbrush-IIを用いた完全な角膜上皮の機械的除去によって、角膜損傷を誘導した。角膜上皮の完全な除去は、角膜実質を含めた下部の層に対する損傷をもたらす。解剖顕微鏡下にて、角膜の中心エリアを3mm穿孔器で画定し、かつ穏やかに回転させて実質に切り込んだ。よく切れる手術用鉗子で円形部を描き、次いで実質の前方部分を含めた角膜上皮および基底膜を、携帯型ALGERBRUSH II(商標)(Alger Equipment Co., Tx)を用いて除去した。このタイプの創傷は、上皮および基底膜が除去されたむき出しの実質をもたらし、重大な炎症応答につながる。損傷後、角膜を無菌生理食塩水で洗い流し、続いてHGF処理または対照処理を施した。その後、マウス組換えHGFを、1日2回、損傷後7日間まで、損傷した目に局所適用した(用量:1つの目あたりPBS中0.01% HGFを3μl)。対照群は、マウス血清アルブミンの同様の投薬を受けた。損傷後1、3、5、および7日目に、細隙灯生体顕微鏡法を用いて、損傷した角膜の写真(フルオレセイン(緑色)染色有りまたは無し)を撮った。フルオレセイン(緑色)染色のエリアがより小さいほど、角膜損傷のより迅速な修繕を表す。図2Aは、対照と比べた、処理された動物における損傷後の数日間における不透明性の低下および創傷治癒の増加を示す。処理された動物における不透明性の減少は、損傷後5日目で統計的に有意である(図2B)。緑色染色によって示される創傷エリアの減少は、損傷後1、3、および5日目で統計的に減少する(図2C)。
実施例2:HGFは、角膜ケラトサイトによるα-平滑筋アクチン(αSMA:瘢痕化を引き起こす因子)の発現を阻害する
マウスケラトサイト(MK/T1)のインビトロ解析は、リアルタイムPCR(図3A)および免疫組織化学(図3B)によって測定されるように、HGFが、ケラトサイトにおけるαSMAのTGFβ誘導性発現を有意に阻害することを示している。これらのケラトサイトは、角膜実質に存在する。これらの細胞タイプにおけるHGF作用は、視覚の明瞭さに不可欠な角膜層である角膜実質の、特殊化した細胞における、HGF機能を示す。
角膜の実質層における角膜の混濁および瘢痕化は、視力悪化および失明につながり得る。これらの組織におけるα-SMAの阻害を介した瘢痕化の予防、阻害、または低下は、角膜の混濁および瘢痕化を治療するのに有効であり、それゆえ視力の改善を助ける。
実施例3:局所的HGF処理は、損傷した角膜への炎症性白血球の輸送およびホーミングを阻害する
C57BL6マウスにおいて、ALGERBRUSH-II(商標)を用いた完全な角膜上皮の機械的除去によって、角膜損傷を誘導した。その後、マウス組換えHGFを、1日2回、損傷した目に局所適用した(用量:1つの目あたりPBS中0.01% HGF 3μl)。対照群は、マウス血清アルブミンの同様の投薬を受けた。損傷後3日目に、角膜を摘出し、汎白血球マーカーCD45に対して免疫染色し、共焦点顕微鏡を用いて検討した(N=5匹のマウス/群)。結果は図4に示されており:青色の着色は細胞核のDAPI染色を示し、緑色は、汎白血球マーカーであるCD45に対する染色を示す。
実施例4:局所的HGF処理は、損傷状態の角膜組織の構造および厚さを回復させる
C57BL6マウスにおいて、ALGERBRUSH-II(商標)を用いた完全な角膜上皮の機械的除去によって、角膜損傷を誘導した。その後、マウス組換えHGFを、1日2回、損傷した目に局所適用した(用量:1つの目あたりPBS中0.01% HGF 3μl)。対照群は、マウス血清アルブミンの同様の投薬を受けた。損傷後7日目に、角膜を摘出し、横断切片をヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。図5Aは、正常角膜、損傷した対照角膜、およびHGF処理された角膜の組織構造を示した代表的な顕微鏡写真を示している。図5Bは、HGF処理された角膜が、それらの厚さを正常な角膜と同程度に回復させることを示した累積的データを提示する。損傷した対照角膜は、正常角膜およびHGF処理された角膜と比較して、厚さの有意な増加を示している(N=5匹のマウス/群)。
実施例5:HGF処理は、角膜損傷後の上皮細胞の層化を増大させる
図7Aおよび7Bに示されるように、HGFは、角膜損傷後の上皮細胞の層化を増大させる。損傷後7日目に、正常マウス、アルブミン処理されたマウス、およびHGF処理されたマウスから、角膜を摘出した。角膜横断切片を、核染色剤DAPIで染色して、共焦点顕微鏡(400×)を用いて角膜上皮細胞層を可視化した(図7A)。図7Bにおける棒チャートは、正常角膜(白い棒)、損傷した対照角膜、およびHGF処理された損傷した角膜(黒い棒)における、上皮細胞層の厚さ(μm)を示している。示された値は平均±SDである(エラーバー);n=5匹のマウス/群。
実施例6:HGFは、HGF-R(c-met)発現を促進する
図8に示されるように、HGFは、損傷後の角膜におけるHGF-R(c-met)発現を促進する。損傷後3および7日目に、正常群(チェック模様の棒)、マウスアルブミン処理された損傷した対照群(白い棒)、およびHGF処理された損傷した群(黒い棒)から、角膜を摘出した。摘出された角膜から全RNAを単離した。リアルタイムPCRを用いて、HGF-R mRNA発現を定量化した。GAPDHを内部対照として用いた。示された値は平均±SDであり、各群はn=6匹のマウスからなる。*p<0.03、**p<0.01。
他の態様
本発明は、その詳細な説明とともに記載されているものの、前述の記載は、添付の特許請求の範囲の範囲によって規定される本発明を例証するものであり、その範囲を限定しないことが意図される。他の局面、利点、および改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。
本明細書において言及される特許および科学論文は、当業者に利用可能である知識を確立する。本明細書において引用されるすべての米国特許および公開されたまたは非公開の米国特許出願は、参照により組み入れられる。本明細書において引用されるすべての公開された外国特許および特許出願は、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書において引用されるアクセッション番号によって示されるGenbankおよびNCBI寄託は、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書において引用される他のすべての公開された参考文献、文書、原稿、および科学論文は、参照により本明細書に組み入れられる。
本発明は、その好ましい態様を参照して具体的に示されかつ記載されているものの、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく形態および詳細の様々な変化がその中でなされ得ることは当業者によって理解されるであろう。

Claims (32)

  1. 角膜の混濁または瘢痕化を治療するまたは予防することを必要としている対象を同定する工程;
    少なくとも1種の精製された肝細胞増殖因子(HGF)剤を含む肝細胞増殖因子受容体(HGFR)結合組成物を、該対象に投与する工程
    を含む、角膜の混濁または瘢痕化を治療するまたは予防する方法。
  2. HGF剤が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはそのフラグメントを含む、請求項1記載の方法。
  3. HGF剤が、SEQ ID NO:1と70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項2記載の方法。
  4. HGF剤がHGFのアゴニストを含む、請求項1記載の方法。
  5. 少なくとも1種の精製されたHGF剤を含む組成物が、角膜実質浸透性賦形剤をさらに含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記組成物が、角膜におけるα-平滑筋アクチン(α-SMA)を阻害するように作用する、請求項1記載の方法。
  7. 精製されたHGF剤が0.001%〜1% w/vの濃度で存在する、請求項1記載の方法。
  8. 精製されたHGF剤が0.005%〜0.05% w/vの濃度で存在する、請求項7記載の方法。
  9. 精製されたHGF剤が約0.01% w/vの濃度で存在する、請求項8記載の方法。
  10. 前記組成物が、角膜に対する損傷後5日間毎日投与される、請求項1記載の方法。
  11. 前記組成物が、角膜に対する損傷後3日間毎日投与される、請求項1記載の方法。
  12. 前記組成物が、角膜に対する損傷後1日間毎日投与される、請求項1記載の方法。
  13. 少なくとも1種のHGF剤を含む、角膜の混濁または瘢痕化の治療のための組成物。
  14. 少なくとも1種のHGF剤が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはそのフラグメントを含む、請求項13記載の組成物。
  15. 少なくとも1種のHGF剤が、SEQ ID NO:1と70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項13記載の組成物。
  16. 少なくとも1種のHGF剤がHGFのアゴニストを含む、請求項13記載の組成物。
  17. 角膜実質浸透性賦形剤をさらに含む、請求項13記載の組成物。
  18. 少なくとも1種のHGF剤が0.001%〜1% w/vの濃度で存在する、請求項13記載の組成物。
  19. 少なくとも1種のHGF剤が0.005%〜0.05% w/vの濃度で存在する、請求項18記載の組成物。
  20. 少なくとも1種のHGF剤が約0.01% w/vの濃度で存在する、請求項19記載の組成物。
  21. 少なくとも1種のHGF剤が、角膜の厚さを正常な角膜の厚さまで回復させるのに有効な濃度で存在する、請求項13記載の組成物。
  22. 少なくとも1種のHGF剤が、損傷した角膜への炎症性白血球の輸送を阻害するのに有効な濃度で存在する、請求項13記載の組成物。
  23. 少なくとも1種のHGF剤が、角膜におけるα-SMA発現を阻害するのに有効な濃度で存在する、請求項13記載の組成物。
  24. 同定する工程が、対象の角膜透明度の等級尺度を算出することを含む、請求項1記載の方法。
  25. 投与する工程が、局所投与または結膜下投与を含む、請求項1記載の方法。
  26. 投与する工程が、前記組成物と対象の角膜実質とを接触させることを含む、請求項1記載の方法。
  27. 前記組成物が点眼薬として製剤化される、請求項1記載の方法。
  28. 精製されたHGF剤が、SEQ ID NO:1の残基32〜494のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1記載の方法。
  29. 精製されたHGF剤が、SEQ ID NO:1の残基126〜207のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1記載の方法。
  30. 精製されたHGF剤が、SEQ ID NO:1の残基208〜289のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1記載の方法。
  31. 精製されたHGF剤が、SEQ ID NO:1の残基302〜384のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1記載の方法。
  32. 精製されたHGF剤が、SEQ ID NO:1の残基388〜470のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1記載の方法。
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