JP2018514794A - 安定なナノ磁性粒子分散 - Google Patents

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Abstract

インビトロおよびインビボの両方での生物医学的用途に有用な新規のコロイド状で安定したコーティングナノ磁性粒子の調製のための方法および組成物が記載され、細胞標的化、ならびに細胞、微生物、および細胞オルガネラまたはエキソソームのような物体の捕捉が含まれる。これらのナノ磁性粒子はまた、これらの小さいサイズおよび高い磁気モーメントによって造影剤としても使用することができる。ナノ磁性粒子はナノサイズ磁性結晶クラスター(例えば、磁性粒子)の上になされた一連の連続して加えられた安定化表面コーティングを含み、複雑な生物学的サンプル中でコーティング材の最少の浸出、高い結合能、および低い非特異的結合を有するコロイド安定性を付与する。本発明の別の利点は、外部および内部磁場発生分離装置の両方を使用して、磁性ナノ粒子の分離をはたすことができることである。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2015年5月1日に出願された同一名称を有する米国特許仮出願第62/156,141号(弁理士整理番号BLD−0010−PV)の優先権を主張し、その内容がいずれかおよびすべての目的のためにその全体が参考として本明細書に援用される。
細胞、核酸、タンパク質、および他の生体分子の分離および単離に関する磁性粒子に基づいた技術が、過去数十年にわたって確立されて開発されている。磁性粒子は抗体または核酸のような特異的標的化部分と一般的に共役体化され、粒子が細胞集団またはタンパク質および核酸混合物のような混合物で認められる標的分子と結合することを可能にする。標的生物学的物質と結合した磁性粒子は、ついで磁場デバイスを用いて混合物から分離することができ、標的の精製または豊富化方法を提供する。このような磁性粒子に基づいた生物学的な標的分離方法は、標的の抗原、細菌種、核酸、およびタンパク質を有する真核細胞を分離または豊富化するのに使用されている。これらはまた、イムノアッセイまたはラジオイムノアッセイ(RIA)用の固相支持体として役立つような臨床検査用途で使用されている。
このような用途のための磁性粒子を調製する方法は、基本的には2種の一般的タイプである。一つの一般的な方法は、ポリマー粒子の調製の際に磁性粒子をポリマーマトリックスに均一に分散させること、ポリマー粒子コアの周りに磁性材シェルを構築すること、または磁性材をポリマー粒子内に予め存在する孔に導入することを含む。前者の方法の例は、例えば、米国特許番号4,358,388号に、その第二の方法の例が米国特許番号5,320,944号および5,091,206号に認められる。後者の方法は米国特許番号5,648,124号および4,654,267号に例示されている。これらの方法すべてが0.3μm(マイクロメーター)よりも大きいサイズの磁性粒子を生じる。
生体物質用途のために磁性粒子を調製する第二の一般的方法は、裸の磁性物質粒子を最初に作製することを含み、該磁性物質粒子は最初の磁性物質コアの周りにシェルを構築することによって作製される大きな粒子のコアとしての役割を果たす。基本的なコーティングの一つの形態はシランコーティングであるが、他のコーティングも記載されている。例えば、米国特許番号3,933,997号は磁性粒子をコーティングして直接的に特異的抗体と共役体化するシラン結合剤の使用を記載している。この物質はRIA法での使用が報告によって意図された。米国特許番号4,554,088号は、抗体のような生物親和性分子が直接結合されたポリマーシランによってコーティングされる金属または鉄酸化物粒子コアの構築を記載している。米国特許番号4,695,392号は、前述の特許’088号の分割であるが、さらにシランコーティングを定めており、第一に金属酸化物コア粒子と吸着または共有結合する、第二に生物親和性有機分子と共有結合するという2種の別々の官能性を有するものとして直接的に生物親和性分子が結合される。両特許では、粒子サイズは0.1〜1.5μmの範囲として定められる。米国特許出願公開番号2007/0026435号は、現在放棄されているが、磁性粒子コアの主コーティングとしてヒドロキシシラン、好ましくはヒドロキシアルキルトリアルコキシシランを開示している。この出願では、粒子サイズは0.1〜100μmの範囲であり、粒子は混合物からの特定核酸の単離での使用に特定された。’392号および2007/0026435号公開の両方で開示される磁性粒子は、これらに含まれる引用例を厳密に遵守するとき、直径が1μmを超える高度に凝集した磁性粒子を生じる。米国特許番号7,169,618号は0.07〜0.45μmのサイズ範囲の磁性粒子の調製を開示し、最初にオルガノシランでコーティングし、ついでオルガノシランのペンダント官能基を介してポリサッカライド物質と共役体化される。米国特許出願公開番号2010/0012880号は、親水性アルキルシランコーティングで層化された第一疎水性保護層を伴う磁性材コアを有する磁性粒子を開示している。このような粒子は直径が0.2〜0.4μmであるものとして開示されている。
生物親和性分子との結合試薬として作用するシランコーティングとは別に、コア磁性粒子での非シラン第一コーティングも報告されている。これらには、ポリグルタルアルデヒド(例えば、米国特許番号4,267,234号を参照)、アクリルアミド、n−ブチルアクリラート、またはN,N’−メチレンビスアクリルアミド(例えば、米国特許番号4,454,234号)、ポリアクロレイン(例えば、米国特許番号4,783,336号)、ポリビニルアルコール(例えば、米国特許番号6,204,033号を参照)、デキストランなどの天然ポリマー(例えば、米国特許番号4,452,773号を参照)、およびウシ血清アルブミン(例えば、米国特許番号4,795,698号を参照)が含まれる。これらの磁性粒子第一コーティングのすべてが報告によると、抗体または核酸のような付加的生体分子が共役体化され得る基材としての役割を果たす。これらの方法のすべてでは、得られる生物親和性磁性粒子産物の形状およびサイズは容易には制御されず、粒子産物のサイズ範囲は比較的広く、直径は一般的に0.5μmよりも大きく、産物粒子は容易に付着して互いに粒子塊を形成する傾向がある。
これらの進歩にも関わらず、さらに改良された磁性粒子、ならびにこのような粒子を製造および用いる方法が必要とされている。
本発明はこれらの必要性を検討し、シラン−(ガラス)カプセル化ナノ磁性粒子を作製し、さらにその上に安定化タンパク質/ポリマー複合混合物がカプセル化された再現性の高い方法を提供し、粒子サイズがほとんど増加することなく強い磁場(例えば、0.5〜1.0テスラ)への複数回の暴露に耐えることができる再現性のあるナノ磁性粒子が得られる。そして、このような多層ナノ磁性粒子は、標的化部分をタンパク質/ポリマー複合層に共有結合することによって、1種類以上の所望の生体分子種、細胞、または組織型に特異的にすることができる。得られるナノ磁性粒子はさらに、単一分散粒子に近い多分散指数(PDI)値(≦0.10)を有する非常に狭いサイズ分布を有する。直径が約5〜約500nmのナノ磁性粒子は、本発明を用いて作製することができ、好ましくは約30〜約300nmである。本発明の好ましいナノ粒子は、酸化第一鉄、特にマグネタイト(Fe)結晶クラスターからなる磁性コア粒子を含む。他の好ましい磁性コアには、Fe、例えばCrOなどの酸化クロム、または置換金属イオン、例えばMn、Co、Ni、Zn、Gd、およびDyを含む安定な金属酸化物が含まれる。特に好ましい磁性コア粒子は、マグネタイト結晶クラスターからなるものを含み、約5〜約300nmの範囲の直径を有する。
このように作製されるナノ磁性粒子はコアナノサイズ化磁性粒子の周りに3層コーティング、すなわちシランまたはガラス層、タンパク質/ポリマー層、および最後に対象の抗原を標的とする抗体、細胞表面受容体、または受容体フラグメントなどの生物親和性リガンド対の1つのメンバーである標的化部分からなる最も外側の層を有する。標的化部分または生物親和性リガンド(例えば、抗体または抗原結合抗体フラグメント、ストレプトアビジン、ペプチド、核酸ポリマー、あるいは対象の他の受容体またはリガンドであり得る)は、好ましくは、タンパク質/ポリマー層上に存在する十分な官能基と共有結合によって共役体化される。好ましい実施形態では、ガラス層は有機官能性アルコキシシラン分子から形成されるシラン層であり、任意に有機官能性アルコキシシラン分子は結合可能な末端基を含み、任意に結合可能な末端基はアミノ、スルフィドリル、カルボキシル、およびヒドロキシル端または反応基からなる群から選択される。末端基は保護または非保護であり得、保護されている場合、好ましくは脱保護段階はタンパク質/ポリマー複合層の結合前に実施される。好ましい実施形態では、タンパク質/ポリマー複合層はガラス層と共有結合されている。好ましくは、タンパク質/ポリマー複合層は、ウシまたはヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン、デキストラン、またはカゼインからなる。いくつかの実施形態では、タンパク質/ポリマー複合層は、組成物を約45〜約85℃に加熱することによって永続的に結合される。そして標的化部分または生物親和性リガンド(すなわち、高親和性結合対の1つのメンバー)は、タンパク質/ポリマー層に好ましくは共有結合によって、共役体化される。好ましい標的化部分には、抗体(好ましくは、モノクローナル抗体)、抗原結合抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント)、細胞表面受容体、細胞表面受容体のリガンド結合細胞外領域、核酸(核酸をベースとしたアプタマーを含む)、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、および標的化薬剤送達の目的のための医薬化合物が含まれる。
本発明の標的化ナノ磁性粒子は、哺乳動物全血または哺乳動物全血の分画などの複合液体と反応混合物中で組み合わされたとき、安定したコロイドとしての挙動を示す。さらに、本発明の標的化ナノ磁性粒子は、好ましくは、長期間、例えば1年から5年にわたる保存期間で、磁性、生物親和性、および/または粒子サイズならびに標的化特性に有意または有害な変化を示さない。生物学的サンプルの好ましい供給源は、ヒトを含む哺乳動物、ならびに愛玩動物(例えば、ネコおよびイヌ)、または商業的に重要な動物(例えば、畜牛、ニワトリ、シチメンチョウ、カモなどの家禽、ヤギ、ウマ、ブタ、ヒツジなど)から得られるものである。
本発明のナノ磁性粒子を含む組成物は、乾燥した容易に分散可能な製剤(例えば、凍結乾燥製剤)、または液体組成物を含むいずれかの適切な方式で製剤化することができる。調製後、このような組成物は一般的にはその後の分配および使用のためにキットにしばしばパッケージ化されている適切な容器に所望の量(例えば、単回磁気分離、またはこれに代えて複数回分離を実施するのに適した量)で分配される。本発明によるキットは、好ましくはキットにおける試薬の使用のための取扱説明書を含み、1回以上の所望の分離を実施するための本発明のナノ磁性粒子の使用に含む。いくつかの実施形態では、このようなキットは複数の標的化ナノ磁性粒子種を含むことができ、ここで各標的化ナノ磁性粒子種は異なる標的化部分種を含む。好ましくは、複数の異なる標的化ナノ磁性粒子種を含むキットでは、各種は好ましくはキットで分かれた容器にパッケージされる。いくつかの実施形態では、このようなキットはまた、生物学的サンプルから調整される反応混合物から1種類以上の特定生体分子種の浮揚分離も実施するための組成物を含み得る。
このため、本発明は生物学的サンプルのような複合混合物から単離または分離すべき標的生体分子、例えば、細胞、オルガネラ、エキソソーム、オンコソーム、および他の生物学的材料を分離する磁気分離の利用に関する。このような分離を達成するため、本発明は磁気分離法における使用のために、特許性のあるナノ磁性粒子の新規クラスを提供する。
本発明のこれらおよび他の態様、目的、ならびに実施形態は、本概要における情報に限定されず、あるいはこれによって制限されず、請求項を含む以下に提供される。
本発明の非シラン化およびシラン化ナノ磁性粒子で超音波処理前および処理後に実施した酸溶解の結果を示す図である。プロットは4MのHClに15分間暴露した後に溶解した鉄の割合を示す。 本発明によって作製された様々なナノ磁性粒子の磁気分離効率を示す図である。 抗体共役体化された市販のナノビーズ製品の磁気分離効率を示す図である。 様々な温度で保存し、ついで2ヶ月にわたって細胞分離性能について試験したストレプトアビジン共役体化ナノ磁性粒子および適切なビオチン化抗体を用いて陰性処理によって選択されたCD4陽性細胞の純度を示す図である。 様々な温度に保存して2ヶ月にわたって図4に示す細胞分離性能について試験したストレプトアビジン共役体化ナノ磁性粒子のCD4陽性細胞収率を示す図である。 様々な温度で保存し、2ヶ月にわたるCD19陽性細胞分離性能について試験した抗マウスCD19ラット抗体共役体化ナノ磁性粒子の純度を示す図である。 様々な温度で保存し、2ヶ月にわたるCD19陽性細胞分離性能について試験した抗マウスCD19ラット抗体共役体化ナノ磁性粒子の収率を示す図である。 様々な従来の市販磁性粒子の分子サイズ分布を、後述する例1によって作製された本発明のものと比較して示す図である。測定は、動的光散乱を用いて実施し、種々の「サイズビン」における粒子の割合を実際の粒子サイズの関数としてプロットした。 2つのパネルAおよびBはそれぞれ3枚の透過型電子顕微鏡写真を示す図である。パネルAの顕微鏡写真は市販のHGMS適合性磁性粒子を用いてHGMSによって磁気的に選択された細胞を示し、一方、パネルBの顕微鏡写真は本発明の標的化ナノ磁性粒子を用いたHGMSによって磁気的に選択された細胞を示す。 マイクロウェルをコーティングして細胞を増殖させるのに使用した抗マウスCD3抗体の濃度に対する相対蛍光単位(RFU)のプロットを示す。RFUは各条件における細胞の相対数の指標である。 本発明の「磁気浮揚」分離法に関する全体的な仕組みを示す図である。 マイクロバブルを用いて特定の細胞を単離する原理を示す図である。 本発明の「磁気浮揚」希少細胞分離法に関する全体的な仕組みを示す図である。 複合混合物からのヒトCD4+リンパ球の単離を示す図である。
詳細説明
従来技術の当業者は、次の詳細な記載が本発明の特定の好ましい実施形態を詳細に説明し、そのため代表的なだけであり、本発明の実際の範囲を示さないことを認識するであろう。本発明を詳細に説明する前に、本発明は説明される特定の態様および実施形態に限定されず、これらは変わり得るということが理解される。また本明細書で使用される用語は特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、添付の請求項によって定められる本発明の範囲を制限することは意図されていないことが理解されるべきである。
細胞および他の生体分子を分析および分類するために多くの方法が知られており、分離が沈降によって、単独あるいは密度勾配、および遠心分離または溶出と組み合わせて達成される細胞サイズ、比重、または粒状性に基づいた方法が含まれる。他の方法には浸透圧溶解に対する細胞の異なる抵抗性に基づく方法が含まれ、例えば、全血から白血球を分離するに使用することができる。さらに、細胞表面マーカーと反応する特異的抗体を用いて、より複雑な生物学的サンプルから不要な細胞(または他の生体分子)を枯渇化(すなわち、数を低下)する方法が、このマーカーを発現する細胞を取り除くまたはその数を低下するために使用することができる。さらに他の細胞分離方法には、フローサイトメトリーおよび磁気細胞分類(例えば、磁性粒子共役体化抗体を使用)、ならびに細胞表面タンパク質を含む特定の生体分子に対する抗体親和性(または他の高親和性結合対)を使用する他の方法が含まれる。これらの技術を用いて、標識された検出/分離試薬に共役体化された特に所望の、すなわち「標的化」または「標的」、細胞集団(高親和性結合部分(例えば、抗体、Fabフラグメント、受容体など)によって標的化され得るマーカーを発現するもの)の陽性の豊富化または枯渇化を達成することができる。
このため、本発明は細胞混合物(例えば、全血、ホモジナイズしたバイプシーまたは組織サンプルなど)のような、より複雑な生物学的サンプルから所望または標的の生体分子種、特に1種類以上の細胞集団の分離を検討する。「標的生物学的材料」または「標的生体分子」は、使用者が分離、豊富化、枯渇化、または標的化を望み、そのために材料を特異的に標識または結合するように特異的結合部分(パートナー)が調製できるいずれかの生物学的物質、例えば細胞、オルガネラ、および他の生物学的材料を意味する。適切な標的生体分子のリストは広範であり、原生動物、細菌、酵母、および他の真菌のような微生物、多細胞生物由来(哺乳動物および他の脊椎動物細胞、ウイルス、ならびにこれらの細胞およびウイルスのフラグメントを含む)の培養細胞、1種類以上の標的化可能な細胞表面抗原を発現する真核生物細胞集団、およびオルガネラあるいは標的可能なタンパク質または他の生体分子(例えば、炭水化物、脂質など)を含む他の細胞内構造(例えば、エキソソーム、プロテオソーム、リボソームなど)が含まれる。実際、単一分子(例えば、タンパク質)あるいは(同一または異なる分子種の)1つ以上の分子の組織化または不定形凝集体であり、標的化部分によって標的とすることができるあらゆる生物学的材料(例えば、生体分子)が本発明のナノ磁性粒子および方法を用いて単離または精製することができる。
本方法は本明細書で説明される標的化ナノ磁性粒子の新規特許性クラスの使用に基づいており、磁気細胞分離技術によって反応混合物における他の成分から標的化生体分子(完全な生存可能な細胞を含む)を分離するために使用することができる。必要な場合、他の分離も実施して(分析すべき元のサンプルに存在する結果として)反応混合物に存在する1種類以上の他の生体分子種(例えば、細胞集団)を豊富化または枯渇化することができる。実際、関連する態様では、標的化浮揚マイクロ粒子(例えば、マイクロバブルなど)の使用に基づいた標的化生体分子分離は、生物学的サンプルの並行または連続処理のために磁気分離と組み合わせて使用して、2種類以上の所望の細胞集団(または他の生体分子種)を豊富化、または少なくとも1種類の標的細胞集団(または他の生体分子種)を豊富化して別のものを枯渇化することができる。生物学的サンプルから標的細胞集団を分離するために、例えば特異的に反応するモノクローナル抗体によって標的化できる特に好ましいタンパク質には、次の表面タンパク質が含まれる。
Figure 2018514794
本発明の文脈では、標的化分離(豊富化または枯渇化)は分離粒子(例えば、本発明のナノ磁性粒子、従来の磁性粒子、浮揚粒子(例えば、マイクロバブル)など)と共役体化された標的化部分の使用によって達成される。標的化部分は一般的には高親和性結合試薬であり、適切な化学作用によって分離可能な粒子と共役体化することができる(好ましくは、高親和性結合試薬と標的となる生体分子、好ましくは標的となる細胞集団の表面で発現されるタンパク質、オルガネラ、または他の生体分子の間の結合を妨げない共有結合を含むもの)。このような高親和性結合試薬の例には、高親和性結合対のメンバーが含まれる。このようなメンバーには、抗体(特にモノクローナル抗体)、抗原結合抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント)、または高親和性結合対の別のメンバー(対の1つは分離可能な粒子と共役体化され、他は標的にされる生体分子または構造に存在する「標的」である)が含まれる。いくつかの実施形態では、共役体化される高親和性結合試薬および/または分離可能な粒子は、蛍光色素のような、細胞分離に適した検出可能な試薬(例えば、FACS)によって標識される。
分離可能な(例えば、磁場または電場、浮揚などによる)粒子と共役体化された高親和性結合試薬は、結合試薬がこれらに相当する標的(例えば、抗体、抗原結合抗体フラグメントの場合の抗原など)と結合試薬を特異的に結合することができる条件下で、他の反応混合成分から所望の生体分子(例えば、特定の細胞表面抗原を発現する細胞集団)を分離するのに使用することができる。
本発明の分離方法の粒子は、反応混合物において、標的生体分子を含むことが分かっている、または疑われる生物学的サンプルに存在する標的生体分子、例えば特定の細胞表面マーカーを発現する標的細胞集団を固定化し、標的生体分子は磁場の使用によって強磁性マトリックスにおいて本発明のナノ磁性粒子の標的化部分によって特異的に結合され、このマトリックスを洗浄して反応混合物における非結合成分を除去し、標的となる生体分子をマトリックスから溶出するために磁場を解除する段階を含む。結果として、標的生体分子(例えば、標的細胞集団)が豊富化され、これに加え、または代えて、生物学的サンプルは標的生体分子を枯渇化される(マトリックスから洗浄された材料はさらなる使用のために保持されることを示す)。強磁場マトリックスからの材料の溶出は、重力流、遠心分離、真空ろ過、または圧力勾配を用いて実施することができる。
用語「磁気分離」は、生物学的サンプルなどの複合サンプルの構成成分に関する分離方法を意味する。このような方法には、本発明によるナノ磁性粒子と共役体化、またはさもなければ結合された高親和性結合対の1つのメンバー(例えば、標的細胞表面抗原と特異的に結合するモノクローナル抗体)を含む標的化部分によって仲介された磁気分離を含む。磁気分離は他の分離方法と組み合わせることができ、従来技術で良く知られた標的化浮揚粒子および/または分離技術を使用し、例えばアフィニティークロマトグラフィーである「パンニング」(高親和性結合対の1つのメンバーを固体マトリックス(例えば、マイクロタイタープレートのウェル)に結合させる)にも基づいた方法が含まれる。蛍光タグが標的とした分離可能な粒子に含まれる場合、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)も使用することができる。実際、いずれかの現在既知または今後開発されるリガンド依存分離技術が、ろ過、サイズ排除クロマトグラフィー、および密度勾配遠心分離を含む、アフィニティーよりも標的生体分子の物理的特性による陽性および/または陰性分離技術と組み合わせて使用することができる。
本発明はまた、本明細書で説明される磁気分離法を単独または他の分離方法に加えて実施するためのキットも含む。このようなキットは、所望の生体分子、例えば、特定の細胞型の表面に発現される細胞表面抗原を標的とする本発明の標的化ナノ磁性粒子を含む。標的化ナノ磁性粒子は、一般的には、1回以上の磁気分離処置を実施するのに必要とされる粒子量を含む容器にパッケージされる。標的化ナノ磁性粒子(および含まれる他の試薬、例えば、標的化浮揚マイクロバブル)の使用のための取扱説明書(あるいは、このような取扱説明書を含むリンクまたはウェブサイトアドレス)も一般的にこのようないずれのキットにも含まれる。
磁気分離
生物学的材料またはサンプルの成分を分離するために知られている技術の中でも、磁気分離技術を使用するものである。磁気分離法は、一般的には磁場に配置されたチャンバーまたはカラムに磁性材を選択的に保持する。このような方法は一般的に生物学的材料またはサンプルを1つ以上の分離カラムに通すことを含む。簡単に説明すると、生物学的材料またはサンプルは本発明の標的化ナノ磁性粒子に、この粒子と共役体化された標的化部分の使用を通して結合することによって磁気的に標識され、標的化部分はサンプルに存在することが分かっている、または疑われる、例えば同サンプルに存在することが分かっている、または疑われる特定細胞の表面上に提示された、所望(または「標的」)生体分子を標的にする。標識された標的サンプルの懸濁液は、つぎに分離チャンバーまたはカラムに加えられる。標識された生体分子種を反応混合物の残留物から分離するため、標的にされた生物学的材料は磁場の存在下でチャンバーに保持される。保持された標的化生物学的材料は、ついで磁場の強度を変える、または磁場を除くことによって溶出することができる。
いくつかの実施形態では、高勾配磁気分離(HGMS)が使用される(Miltenyiら,Cytometry,11,231(1990))。HGMSでは、鉄ウールまたはスチールビーズのような適切な磁気感受性の材料マトリックスをチャンバーまたはカラムに配置し、磁場が加えられたときに、高磁場勾配がマトリックス表面近くで局所的に誘発され、混合物中存在する高親和性結合対のメンバーの結合を通して形成される磁気化粒子と標的化生物学的材料の複合体を保持させる。
本発明の標的化ナノ磁性粒子および方法は、所望の標的物質または分析物(例えば、細胞、オルガネラなど)の磁気分離、または磁気標識、そして望む場合は単離に使用することができる。特に興味深いのは、複合的な生物学的混合物から特定の生体分子を分離することである。本発明は高い有用性を有し、ほとんどいかなる標的物質も、物質が利用可能である特異的結合メンバーから一度で分離され得る。標的化部分は特異的な高親和性結合対のあらゆるメンバー、または特異的な高親和性結合対のメンバーと関連する物質であることができる。例えば、細胞表面抗原−抗体結合対は、抗原それ自体、抗原を発現する細胞、抗原の処理で含まれる特定のオルガネラなどを単離するために使用することができる。本発明のデバイスおよび方法はまた、イムノアッセイなどのような受容体とリガンドの結合を含む診断技術に効果的に適用される。
標的化ナノ磁性粒子
磁性酸化物であるフェライトおよび非フェライトの2クラスを、本発明の標的化ナノ磁性粒子の作製に使用することができる。フェライト、または鉄含有遷移金属酸化物は、一般的にXO・Feとして表すことができ、ここで「X」はFe、Ni、Cr、Co、Mn、Mg、Mo、Gd、Cu、V、Dy、Ey、Tm、またはYbである得る。従って、マグネタイトスーパークラスターを合成する過程では、Fe2+含有鉄塩を前述の二価金属イオン塩の1つで置換する。フェライトのこのクラスで最も好ましいものはFeO・Feであり、マグネタイトまたはFeとして良く知られている。磁性酸化物の非フェライトクラスは鉄原子を欠如しているが、代わりにCr、Co、Mn、Ni、Mo、Gd、Dy、Ey、TmおよびYbであるこれら遷移元素の2つ以上のイオンの組み合わせによって置換されている。このような非フェライトベースの磁性酸化物は、一般的には着色したナノ磁性粒子のスペクトルを生じるが、磁性酸化物のフェライトクラスよりも磁気的な反応性が低い。
マグネタイト結晶はほぼ一世紀前に最初に合成された。マグネタイト結晶のその後の処理および安定化によって、異なるサイズの磁性粒子の多くの異なるタイプが、異なる表面コーティングを伴い、異なる用途のために生み出されている。好ましい実施形態では、マグネタイト(Fe)結晶は、最初にいずれかの適切な工程を用いて合成され、良く知られている水性ベースの共沈法が含まれる(Massart 1982,Schwertmann 1991)。第一鉄(Fe2+)および第二鉄(Fe3+)イオン塩の化学量論的混合物は、不活性大気下で強塩基によって滴定されて、直径1〜3μmのマグネタイト結晶を生じる。イオン塩のモル比(例えば、1.0MのFe2+:2.0MのFe3+〜2.0MのFe2+:1.0MのFe3+)、反応温度(例えば、40〜95℃)、使用する塩基対イオン型(例えば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム)、および塩基添加速度(例えば、2〜200mL/分)のような変数が最適化されて最高品質の「裸」のマグネタイト結晶を生じる。これらのマグネタイト結晶はつぎに高出力で超音波処理して準安定な90〜110nm(ナノメーター)サイズのナノ磁性粒子を生じ、これらは高温脱水と同時に水性酸性シラン化処理を用いて直ちにシラン化して、シラン化ナノ磁性粒子を得る。
シラン化はいずれかの適切な処理を用いて達成することができる。例えば、0.5インチのチタンプローブチップを用いた高出力(750W)で25分の超音波処理後、50v%グリセロールを含有して窒素ガス下で維持されているオーバーヘッド撹拌機を備えた3口丸底ガラス反応容器に移す。そして、ケイ酸ナトリウムの10wt%(鉄量に対して)溶液を0.5mL/分で加え、続いて直ちに0.5M氷酢酸を1mL/分でpHが6に達するまで加える。ついで温度を180℃に上げて、混合物を少なくとも2時間脱水させてから、冷却させて水で洗浄する。
様々な好ましい実施形態では、「裸」のマグネタイト結晶はEGTAのような強い金属イオンキレート剤を用いて最初に解膠させてシラン化試薬との縮合のために付加的な元となるヒドロキシル基を利用可能にする。解膠はキレート剤(例えば、EGTA)の存在下で2μmサイズのマグネタイトスーパークラスターを超音波処理することによって達成され、マグネタイト粒子に付加的なヒドロキシル基を導入して優れたコロイド安定性を得る。さらに別の好ましい実施形態では、2種類のシラン化試薬を連続して使用して、カプセル化を増強し、第二シラン化試薬に存在する本来の官能性の利点によって付加的な結合可能基をもたらす。連続的なシラン化は、例えば、最初に前述のようにケイ酸ナトリウムを用いて超音波処理したマグネタイト粒子をシラン化し、続いて直ちにアミノプロピル−トリメトキシシラン(APTS)のようなアミノ−シランを添加した後に180℃で脱水することによって達成することができる(後述の例2を参照)。
2回目の高出力超音波処理を、たとえ短時間でも実施して、粒子サイズを選択的に95〜105nmに低下させる。つぎに、これらのシラン化ナノ磁性粒子をタンパク質/ポリマー混合物、例えばBSA(ウシ血清アルブミン)およびポリサッカライドデキストラン(99wt%BSA:1wt%デキストラン〜50wt%BSA:50wt%デキストラン)を含む加熱溶液と混合する。これは、例えば、BSAとデキストランの混合物を含む溶液を70℃に加熱した直後に、これを密封した3口反応容器において窒素大気下で超音波処理したマグネタイト粒子と混合することによって実施することができる。コーティング工程を30分間進める。そして、懸濁液を冷却して、例えば、高磁場双極子分離装置を用いて洗浄する。
濃縮したBSA溶液を58℃を超える温度まで加熱することは、個別BSA分子の間のジスルフィド結合およびβシートの水素結合の形成によって仲介されるBSAの不可逆的な凝集体を生じることが知られている(Wetzel,1980)。一つの好ましい実施形態では、マレイミド基がBSAタンパク質に導入されてから超音波処理したシラン化粒子と混合して、さらにジスルフィド結合の形成を促進させる。そしてBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子を強双極子/4極子型磁気分離装置の補助によって洗浄し、過剰なコーティング剤を取り除いて粒子のサイズ分布を約110nmの最終サイズに狭める。この磁気分画化段階から得られる最初の洗浄上清は30〜80nmサイズのBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子をかなりの量(鉄量で約50%)含んでいる。このような小さいサイズのナノ磁性粒子はまた、限定されないが、エンドソームおよびエキソソームのようなそれぞれ細胞内および/または細胞外標的を磁気によって捕捉/精製するために効果的に利用することもできる。このように作製されたBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子は、一般的には≦0.1のPDIを有する。PDI数は粒子サイズ分布の幅の尺度であり、DLSに基づいたサイズ測定の際に自動的に得られる。全般的に、0.1未満の多分散指数は、一般的には「単分散」粒子懸濁液を意味する。より正確には、PDI=平均直径によって除された標準偏差の2乗であり、無次元数である。生物親和性リガンド、すなわち抗体および/またはストレプトアビジンのような「標的化部分」は、ついで、標準的なヘテロ/ホモ−二官能性結合反応を用いて110nmダイマーBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子に共役体化される。このように調製されたストレプトアビジン−コーティングナノ磁性粒子はさらに高イオン強度塩溶液(1〜5MのNaCl)で加熱処理して粒子上の表面コーティングを安定化させる。
いくつかの実施形態では、本発明の標的化ナノ磁性粒子と結合される標的化部分は検出可能な標識、例えば、放射性同位元素または蛍光分子で標識して、粒子または粒子/標的細胞(または他の生体分子構造)複合体を、補完的な標識検出装置またはシステムの使用によって検出可能にする。このような標識は、本発明の磁性コア粒子および/またはナノ磁性粒子の1つ以上の外側層に含めることができる。他の実施形態では、粒子/細胞検出が望まれる場合、粒子の磁性シグナルを検出する技術が使用され得、この代表的な例はSQUID技術であり、これを用いて、磁気標識が生じる磁場によって磁気標識を検出することができる(Clarke and Braginski,SQUID Handbook,vol 1,(2004))。
インビボ用途
本発明の標的化ナノ磁性粒子は多くのインビボ診断および治療での使用に適応することができ、イメージング、細胞療法、および治療剤の細胞への送達が含まれる。
細胞療法
現在、多くのヒト疾患が標準的な医薬品によって満足のいく治療がなされていない。これらの疾患のいくつかでは、細胞療法が魅力的な選択肢である。細胞ベース療法は一般的に細胞製品の重要な取り扱いおよび処理を必要とする。現在の細胞療法は医薬品適正製造基準(GMP)を含む、製造および規制要求事項に適合するかなりの規模の施設および装置を一般的に必要とし、それには適切に清浄な場所の使用ならびに部屋、装置、製品、品質管理、および品質保証手順を、サンプルの汚染がなく無菌を確実に維持する条件下で維持するための職員を含む。細胞ベース製品は一般的には別のデバイスおよび使い捨て品の組み合わせを用いて処理される。このような工程における製品および試薬の移し変えは手動および/または自動化であることができる。
磁気細胞分離は豊富化および枯渇化処理の両方を含むことができる。標的細胞が細胞表面タンパク質(または他の細胞表面生体分子)を用いて特定できる場合、これらは1回以上の豊富化および/または枯渇化によって高純度に豊富化することができる。他の場合では、除去の標的とされた細胞の数が減少された、異なる所望の細胞の異種混合物であり得る得られる細胞産物から標的細胞を特定して取り除くことができる。もちろん、豊富化と枯渇化の両方の組み合わせを使用することができる。
本発明の標的化ナノ磁性粒子を用いた細胞の磁性標識化は、適切な標的部分、一般的には高親和性結合対の特異的結合メンバーを含む。そして、標的細胞/粒子複合体は磁気分離装置を用いて分離することができる。多能性細胞、例えば造血幹細胞または前駆細胞は、特に対象となるものであるが、本発明は広範囲の細胞型あるいは他の生物学的材料またはサンプルに適用することができる。
本発明によって製造される細胞製品は、直ちに療法に使用することができ、または既知の方法を用いて後の使用まで保存することができる。製剤段階は、分離した細胞含有調製物を所望の容量または細胞濃度に調整すること、処理溶液を注射可能な溶液に交換すること、安定化剤(例えば、自家血漿または血清、血清アルブミン、他のタンパク質、または合成ポリマーなど)または補助剤を添加すること、その後の保存のためのDMSOなどの凍結保護剤による補充、品質管理用の保持小分けの抜き出し、注入用のバッグまたはシリンジの組み合わせへの送達などを含む。
重要なことであるが、本発明の標的化ナノ磁性粒子はいずれかの適切な方法を用いて滅菌することができ、無菌処理が指定または望まれる治療および/またはインビボ/インビトロ処置で使用するための滅菌したフィルター(粒子が小サイズのため)を含む。
インビトロ用途
本発明の標的化ナノ磁性粒子はまた、多くのインビトロ診断および治療利用に適応することができる。磁性粒子は従来から真核細胞、細菌種、核酸、およびタンパク質を単離するために使用されている。粒子単離または細胞分離に加え、磁性ナノ粒子は粒子表面に細胞活性化リガンドをコーティングすることによって細胞を刺激または活性化するためにも使用されており、生物学的な系でしばしば重要である標的結合の三次元全体の特徴が、溶液相活性化プロトコルと比べて正確に再現される。ここ数年で、磁性粒子はさらに新しいインビトロ試験での使用について研究されている。これらの例には、ナノ磁性粒子の健康への影響の可能性の評価(Kevinら,Biosensors and Bioelectronics,43,88(2013))およびsi−RNAの送達のためのナノテクノロジーをベースとしたシステム(Dim,ら,J.Nanobiotechnology,13,61(2015))の評価が含まれる。ナノ粒子はまた、癌の治療のために局所化磁気体温上昇状態を発生させることができる標的化加熱成分としての用途に関する試験が研究および開発されている(Makridis,ら,Mater Sci Eng C Mater Biol Appl.,63,663(2016))。

次の例は本発明の特定の態様を説明してその実施において従来技術の当業者を補助するために提供される。これらの例はいずれの方式においても本発明の範囲を制限するものと決して考えられるべきではなく、適用可能な技術における基本的またはそれ以上の技術を有する当業者は、本明細書が全体を通して本発明を説明し、目的を実施して記載された目標および利点、ならびに本明細書における本来のこれらを得るように簡単に応用することができることを容易に認識するであろう。
1.シラン化BSA/デキストラン−コーティングナノ粒子の合成
この例は、本発明で使用するためのシラン化BSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子を合成するための好ましい方法を説明する。この合成は3段階で実施され、最初に裸(未コーティング)のマグネタイトスーパークラスターの合成、続いてこれらのスーパークラスターのシラン化、最後にBSA/デキストランの混合物を用いたタンパク質/ポリマーコーティング段階を含む。
簡単に説明すると、5.02gの硫酸第一鉄および7.22gの硫酸第二鉄(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)を25mLの脱気した脱イオン水に別々に溶解し、250mLの脱気した脱イオン水を含む反応容器に70℃で連続撹拌しながら加える。ついで、35mLの10M水酸化アンモニウム(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)をこの反応フラスコに9mL/分の流速で加え、マグネタイトスーパークラスターの形成を30分間進める。そして沈殿物を自家製セラミック低勾配磁気分離装置(LGMS)を用いて脱イオン水で完全に洗浄し、最後に脱気した脱イオン水に窒素キャップ下で保存する。これらのマグネタイトスーパークラスターは動的光散乱(Malvern Nano−S ZetaSizer、ウェストボロー、マサチューセッツ州)によって測定したとき、通常2〜3μmの範囲の流体力学的直径を有する。
つぎに、1.65gのマグネタイトスーパークラスターを100mL容量の低イオン強度リン酸緩衝液(分子量137.99g/モルを有するACS等級リン酸一ナトリウム)中で、VCX750超音波処理装置(Sonics&Materials Inc.、ニュータウン、ケルトタウン州)の補助によって、冷却したジャケット付きの反応ビーカーを用いて約110nmの最終サイズまで超音波処理し、直ちにシリコーンオイルバスに入れた反応フラスコに移す。つぎに、66mg/mLのケイ酸ナトリウム(SiO )溶液(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)2.5mLを0.5mL/分の流速で反応フラスコに加え、続いて0.5mL/分の0.5M酢酸を約8mLで加えて最終pH値が6.0になるまで酸性化させる。そしてオイルバスの温度を170℃に上昇させ、粒子懸濁液を約3時間脱水させてナノ磁性粒子の表面シラン化を促進させる。室温に下げた後、粒子懸濁液をLGMS磁気分離装置に30分間加え、磁気によってペレット化した粒子を回収して、低イオン強度HEPES緩衝液(VWR、バイセイリア、カリフォルニア州)によって完全に洗浄する。これらのシラン化またはSiO誘導体化マグネタイトスーパークラスターは通常約200nmの流体力学的サイズを有し、強酸中でこれらの非シラン化型よりも非常にゆっくりと溶解する(後述の表1を参照)。
BSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子を調製するため、1.4gのシラン化マグネタイトスーパークラスターを135mL容量の低イオン強度リン酸緩衝液中で、VCX750超音波処理装置(Sonics&Materials Inc.、ニュータウン、ケルトタウン州)によって、冷却したジャケット付きの反応ビーカーを用いて約100nmの最終サイズまで超音波処理し、20mg/mLのBSA(Lampire Biologicals、パイパーズビル、ペンシルベニア州)および0.2mg/mLデキストラン(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)の混合物400mLを含み、70℃に温度調整された1Lのジャケット付き反応フラスコに直ちに移す。コーティング反応は30分、70度促進されている。そしてコーティングナノ磁性粒子を室温に下げて4℃で一昼夜静置する。
つぎに、容器の底に保持された低磁場セラミック磁石を用いて粒子を容器からゆっくりと注ぎ出し、大型サイズ(約300nm)の粒子凝集体を沈殿させて除く。収集した上清(約100nmの直径)を低イオン強度HEPES緩衝液(VWR、バイセイリア、カリフォルニア州)で高磁場磁気洗浄を7回実施する。これらの高磁場洗浄は、過剰な反応物を取り除くことに加えて、≦0.1PDI値の粒子サイズ分布をかなり狭めることにも役立つ。最終的な流体力学的粒子サイズは、通常約115nmである。1.65gのマグネタイトスーパークラスターから開始した全収率は通常少なくとも50%である。最初の高磁場磁気洗浄上清は、一般的には約70nmの流体力学的サイズを有して、全粒子収量の約35%を構成し、副産物として収集して、インビボ/インビトロ追跡/捕捉標識としての使用、ならびにHGMSカラムと併せた磁気細胞分離のために、小サイズ(<100nm)ナノ磁性粒子産物を作製するのに使用することができる(後述の例3を参照)。
最終的に、ストレプトアビジン、抗体、または他の望ましいリガンドのような生物親和性リガンド対の1つのメンバーは、従来技術の当業者が熟知している標準的なヘテロ/ホモ−二官能性共役体反応を用いて、これらのBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子に存在する十分なBSA誘導化官能基と共有結合によって共役体化することができる。
2.解膠および他のシラン化剤タイプによるナノ磁性粒子の合成
EDTA、EGTAのようなより一般的に知られているキレート剤ならびに弱塩基および弱酸のような電解質は、これらが沈殿物をコロイドゾルに分散させるのに役立つ場合に解膠剤と呼ばれる。この例では、強イオンキレート剤であるEGTA(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)が上記例1によるマグネタイトスーパークラスターの形成後直ちに加えられる(0.25モルEGTA/1モル鉄)。このキレート化段階は、70℃で1時間進めてから上記例1のようにマグネタイトスーパークラスターを洗浄する。開始時のマグネタイトスーパークラスターの約2.5μmのサイズとは異なり、これらのEGTA解膠化マグネタイトスーパークラスターは、通常約1μmの流体力学的直径を有し、このようなサイズ低下はマグネタイトスーパークラスターの良好な分散の指標である。
別の実施形態では、連続シラン化法が使用され、EGTA解膠化マグネタイトスーパークラスターを上記例1のように超音波処理してシラン化し、ケイ酸ナトリウム溶液の添加後直ちにアミノ官能化したシラン化剤アミノプロピルトリメトキシシランまたはAPS(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)の等モル量を加えて粒子をpH6.0に酸性化後、160℃で90分間脱水させる。シラン化はまた、上記例1のようなケイ酸ナトリウムの代わりにAPSのみを使用して達成されており、脱水段階は160℃、75分間で進めることができる。
別のシラン化剤であるヒドロキシメチルトリメトキシシラン(Gelest、モリスビル、ペンシルベニア州)は非常に親水性であり、本発明で有効なシラン化ナノ磁性粒子を作製する上で順調に使用されている。この特定な場合では、15wt%のこのシラン化剤(対鉄含量)が使用され、脱水は160℃、2時間で進めた。
前述のシラン化磁性粒子すべてが上記例1で説明されたBSA/デキストラン混合物によって順調にコーティングされている。これらのタイプのシラン化ナノ磁性粒子は、BSA/デキストラン混合物にカプセル化状態で、4MのHClでの15分間暴露後に通常≦50%酸溶解を示す。簡単に説明すると、溶解を実施するため、0.1mg/mL(鉄含量に関して)粒子懸濁液100μLを200μLの6M塩酸とともにインキュベーションし、この混合物の小分けを様々な時間間隔で取り出し、元素である(または溶解した)鉄の存在についてチオシアン酸カリウムによる錯体形成によって比色終点読み取りとして測定した。下記の表1は、これらの前述のシラン化マグネタイトクラスターすべての酸溶解挙動を示す。
Figure 2018514794
上記表1のデータは、本明細書で説明されるシラン化方法が実際に酸溶解に対する保護をもたらし、また磁性粒子の表面上で高度に交差結合したシラン分子を付与することにも役立つことを示す。例えば、15分の時点で、酸によってシラン化マグネタイトクラスターは50〜70%のみに対して(裸の)マグネタイトクラスターの90%が溶解された。
図1はシラン化ナノ磁性粒子に超音波処理前および処理後で実施した酸溶解試験の結果を示す。この試験はシラン(ガラス)コーティングが、上記例1で説明される高出力超音波の2回処理後にナノ磁性粒子表面上に、無傷のまま残存することを示す。
最初のガラスコーティングを伴わずに作製されたナノ磁性粒子は、血漿および全血のような生物学的流体において一般的に安定ではなく、さらにこれらは低イオン強度の溶液中でさえ凝集する傾向がある。本明細書で説明されるシラン化工程によって得られるこのような保護機能性(例えば、安定性、凝集低下)は、他の磁性ナノ粒子と比べて、生物学的研究成果において本特許で請求される標的化ナノ磁性粒子の実際的な利用に大きく寄与する。
3.70nmBSA/デキストランコーティングシラン化ナノ磁性粒子副産物の誘導体化、処理、および細胞標識有効性
上記例1で得られる最初の高磁場洗浄上清は、磁性粒子が約70nmの流体力学的サイズを有し、最初に市販のHGMS「XS」カラム(カタログNo.130−041−202、Miltenyi Biotec、サンディエゴ,カリフォルニア州)を用いてHGMS精製を実施し、過剰なコーティング試薬を取り除くために小さい強磁性ビーズとともにパッキングする。「XS」カラムを2インチ×1インチ×0.25インチ厚の「N極」面および同一サイズの「S極」面磁石を互いに対して配置することによって生じる均一な磁場に配置した。「XS」カラム/磁石アセンブリをペリスターポンプに接続してナノ磁性粒子の迅速な自動化処理を容易にした。
最初の高磁場磁気洗浄上清30mL(鉄12.5mg)を低イオン強度HEPES、pH7.5緩衝液にHGMS精製した。「XS」カラムを均一磁場から取り外してHEPES、pH7.5緩衝液3mLで再懸濁させた後、粒子の約90%が鉄含量ベースで回収された。これらのHGMS精製したナノ磁性粒子は73nmの流体力学的直径を有し、ついでヘテロ二官能性結合反応を用いて抗マウスCD4ラット抗体(カタログNo.100506、BioLegend Inc.、サンディエゴ,カリフォルニア州)と共役体化させた。簡単に説明すると、HGMS精製した73nmのBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子をSMCC交差結合剤(カタログNo.S1534、ThermoFisher Scientific、サンディエゴ,カリフォルニア州)によって活性化し、2−イミノチオラン(カタログNo.26101、ThermoFisher Scientific、サンディエゴ,カリフォルニア州)を用いてチオール化されている抗マウスCD4ラット抗体と共役体化させた。これらの抗体共役体化ナノ磁性粒子の最終的な流体力学的サイズは83nmであることが測定された。完全には最適化されていないが、この共役体化粒子を「MS」型HGMSカラム(カタログNo.130−042−201、Miltenyi Biotec Inc.、オーバーン、カリフォルニア州)と組み合わせて脾臓細胞懸濁液からマウスCD4細胞を標的とするために使用したとき、90%を超える純度および収率が適切な蛍光標識抗体を用いたフローサイトメトリー(CellQuestソフトウェアを用いたFACSCalibur、BD Biosciences,サンディエゴ、カリフォルニア州)によって測定して得られた。
これらの結果は、これらの小さい粒子が、本明細書の他の箇所で説明される大きいものと比較したとき、効率的に共役体化することもでき、生物学的材料の単離に利用できることを示す。
4.ストレプトアビジン共役体化ナノ磁性粒子のコロイド安定性
上記例1によって作製された直径115nmのBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子を上記例3で説明された方法に従ってストレプトアビジンに共有結合によって共役体化し、直径135nmのストレプトアビジン共役体化ナノ磁性粒子を作製した。このナノ粒子を室温で高イオン強度溶液(1MのNaCl)に再懸濁させて保存した後、粒子サイズ測定を様々な時点で実施した。コントロールサイズ測定を、BSAおよびアジ化ナトリウムを添加した低イオン強度緩衝液である通常の保存緩衝液において同一ナノ粒子で実施した。下記の表2は、この試験の結果を示す。この試験は、本発明のナノ磁性粒子の凝集に対する著しい耐性および増強されたコロイド安定性を実証する。
Figure 2018514794
5.本発明のナノ磁性粒子の磁気分離効率
図2は本発明に従って作製された様々なナノ磁性粒子の磁気分離効率を示し、粒子には直径113nmのBSA/デキストランコーティング、127nmの抗体共役体化粒子、および130nmのストレプトアビジン共役体化粒子を含み、後者の2種は上記例3で説明された方法を用いて共役体化される。この試験は米国特許番号5,186,827号に記載されるように作製された4極子磁気分離装置を用いて実施し、等張リン酸緩衝化生理食塩水のような生理学的緩衝液に25μg/mL鉄を含む希釈ナノ磁性粒子懸濁液を加えた標準的な12mm×75mm使い捨て検査室試験チューブに適合するように設計された。試験チューブで使用する同様な強磁気分離装置は、StemCell Technologies(パーツ番号18000、Vancouver、ブリティッシュコロンビア、カナダ)から市販されている。図2はこれらすべての前述のナノ磁性粒子がわずか数分以内で素早く定量的に分離することを示す。
測定された流体力学的直径が82nmの抗体共役体化した市販マイクロビーズ(カタログNo.130−049−201、Miltenyi Biotec Inc.、オーバーン、カリフォルニア州)も4極子磁気分離装置で磁気分離効率について試験し、結果を図3に示す。図3に示すように、これら82nmマイクロビーズは本例で前述された4極子磁気分離装置において定量的には全く分離されなかった。代わりに、これらの磁性粒子の約40%のみが30分後に分離できた。これらの結果は、マイクロビーズのこれらのタイプはHGMSカラムをベースとした磁気分離法による使用にのみ適していることを実証する。しかし本発明のナノ磁性粒子は、内部磁場(HGMS)をベースとした磁気分離装置だけでなく、外部磁場(双極子、3極子、4極子、6極子型)の両方において、定量的な磁性粒子に基づいた分離に適している。磁気分離装置の内部型および外部型の両方で機能する他の磁性粒子について現在のところ本発明者らは知らず、この特性は本明細書で説明されるナノ磁性粒子の実際的な利用に関する重要な差別化要因を示す。
6.哺乳動物細胞に対するナノ磁性粒子の非特異的結合
下記の表3は、上記の例1に従って6ヶ月間にわたって合成されたBSA/デキストランコーティングナノ磁性粒子の異なるロットの非特異的結合(NSB)を示す。この試験では、マウス脾臓細胞(全細胞1×10個/チューブ)を比較的多数のナノ磁性粒子(約2000粒子/細胞またはサンプルあたりの総粒子数2×1010)と4℃で20分間インキュベーションした。そして細胞/ナノ磁性粒子反応混合物を4極子磁気分離装置によって磁気を用いて正確に5分の磁気分離時間で2回洗浄した。
洗浄段階は、細胞懸濁液を等張PBS/BSA/EDTA緩衝液(5×リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7.2、2.5%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)、および10mMのEDTA)で全容量4mLに希釈し、チューブを4極子磁性分離装置に5分間設置した。そして上清を磁気分離の静かな転倒またはパスツールピペットによる吸引によって廃棄した。ついでチューブを取り出して、その内容物を4mLの等張緩衝液で再懸濁させ、さらに5分間分離のために磁性分離装置に戻して設置した。2回目の吸引後、細胞を遠心分離して細胞ペレットを少量の等張緩衝液で再懸濁させ、ついで非特異的に収集された細胞の存在について分析した。つぎに磁気収集した細胞を一度遠心分離(300×gで5分間)して過剰または遊離ナノ磁性粒子を取り除いた。そして磁気収集した細胞数を、開始細胞数とともに、磁気によって選択された細胞の割合(非特異的結合を意味する)が計算できる自動細胞カウンター(Cellometer(登録商標) VISION Trio、Nexcelom Bioscience、ローレンス、マサチューセッツ州)を用いて計数した。2×1010個の粒子は約40μgの鉄の量に相当する。より一般的には、高い純度および収率での細胞の効率的な単離のため、全細胞1×10個を含むサンプルについて、(鉄重量で)約10〜20μgのみのナノ磁性粒子を加える必要がある。
これらの非特異的結合実験は、試験チューブ4極子磁気分離装置の代わりに高勾配磁気分離(HGMS)カラム(パーツNo.130−042−201、MS−Columns、Miltenyi Biotec Inc.、オーバーン、カリフォルニア州)も用いて繰り返した(下記表3を参照)。このようなHGMSカラム分離装置に生じる非常に高い磁場勾配によって、細胞に対するナノ磁性粒子の比は細胞1個あたり約20粒子、またはサンプルあたり約2×10粒子まで劇的に低下した。10:1〜50:1の細胞に対する粒子の比は最適な標的細胞収率および純度をもたらすことが発見された(下記の表5および6を参照)。
これらの試験は0.5wt%BSA、2mMのEDTA、および0.1wt%カゼインが補充されてpH7.2に調整された一般的に使用される標準的な細胞適合性緩衝液(PBS)によって実施した。
Figure 2018514794
上記の表3に示す本発明のナノ磁性粒子による非特異的結合(NSB)の結果は極めて低く、標的細胞純度を約99%まで得ることを可能にする。現在市販されている磁性粒子は、すべてではないにしろ、ほとんどがこのような低いレベルのNSBを得ることができない。
7.HGMS分離装置と比較して4極子磁気分離装置を用いた哺乳動物細胞の特異的結合および捕捉
下記の表4は、直径127nmの抗マウスCD4ラット抗体(クローンRM4−5、カタログNo.100506、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)共役体化ナノ磁性粒子(上記の例3で説明されたように調製)のマウス脾臓細胞による力価結果を示す。この力価は細胞に対する粒子の比500:1〜1500:1を用いて実施した。使用したプロトコルは上記の例6で前述されたものと基本的に同じであるが、ただし過剰なナノ磁性粒子の除去後、適切な蛍光色素共役体化抗体(表現型決定目的のため)による追加インキュベーションを実施し、細胞をフローサイトメトリー(CellQuestソフトウェアを用いたFACSCalibur、BD Biosciences,サンディエゴ、カリフォルニア州)で分析して、磁気によって選択された細胞の純度のパーセントを測定した。
Figure 2018514794

この試験は、さらなる識別のために高い収率および純度で対象の標的細胞を単離することに関して、本発明のナノ磁性粒子の生物医学的有用性を明確に説明する。
下記の表5は、同一の直径127nmの抗マウスCD4ラット抗体共役体化ナノ磁性粒子をマウス脾臓細胞とともに用いて実施した同様な力価試験の結果を示すが、この試験では、HGMSカラムを使用して磁気洗浄段階を実施した。先に説明したように(上記の例6)、細胞に対する粒子の低い比である5:1〜50:1を、このHGMSをベースとした試験で使用した。
下記の表6は、HGMSをベースとした細胞単離プロトコルにおける本発明のナノ磁性粒子の多用途性を実証するために、直径129nmの抗マウスCD19ラット抗体(クローン6D5、カタログNo.115502、BioLegend Inc.、サンディエゴ、CA92121)共役体化ナノ磁性粒子(上記の例3で説明されたように調製)によるHGMSカラムも用いて実施した同様な力価試験の結果を示す。
Figure 2018514794
Figure 2018514794
これらの試験はともに、細胞に対する粒子の比の比較的広い範囲にわたって、磁気によって(精製された)捕捉された標的細胞の純度および収率について優れた結果を生じた。
市販の磁性粒子は170nmの流体力学的直径を有することが測定され、この実施例でも説明されたように力価試験を実施し、その結果を下記の表7に示す。
Figure 2018514794

この市販磁性粒子は信頼性および再現性のある結果を得ることができるような十分幅広い細胞に対する粒子の使用比を示さず、従って、このような従来の磁性粒子はHGMS型磁気分離法での使用には適さないことを示した。これらの磁性粒子による力価での収率の急速な低下は、HGMSカラムにおける金属(または強磁性)マトリックスでの比較的大きなサイズの磁性粒子の捕捉による可能性が最も高く、脱磁気化HGMSカラムに保持された磁気標識細胞の不十分な回収をもたらす。従来技術の当業者が認識しているように、このような従来の磁性粒子は前述の試験で使用されたような4極子型磁気分離装置などの強い外部磁場磁気分離装置でのみ実際に使用することができる。
8.上記の例1および3によって作製されたナノ磁性粒子の安定性
本発明のナノ磁性粒子の長期安定性を評価するため、ストレプトアビジン−および抗マウスCD19ラット抗体−共役体化粒子を上記の例1および3に従って調製した。そして、これら粒子の複数の少量小分けを異なる3種の温度(4℃、25℃、および37℃)で保存し、磁気細胞分離試験を2ヶ月にわたって様々な時点で実施して、これらナノ磁性粒子の全体的な生物学的安定性をモニタリングした。BioLegendのMojoSortTMマウスCD4 T細胞分離キット(カタログNo.480005)は陰性選択検査であり、ビオチニル化抗体のカクテルで結合させたストレプトアビジンナノ磁性粒子を使用して、CD4陰性であるすべての細胞を磁気によって選択する。さらに、BioLegendのMojoSortTM緩衝液およびMojoSortTMマグネットを本例で説明された細胞選択プロトコルの実施で使用した。磁気分離段階から得られる「手つかず」細胞または上清は所望のCD4陽性細胞を含んだ。これらの「手つかず」細胞をつぎにフローサイトメトリー(CellQuestソフトウェアを用いたFACSCalibur、BD Biosciences,サンディエゴ、カリフォルニア州)で分析して、標的としたCD4陽性細胞の純度および収率を測定した。同様な分析をBioLegendのMojoSortTMマウスCD19ナノビーズ(BioLegend,カタログNo.480001)も用いて実施し、抗マウスCD19ラット抗体共役体化ナノ磁性粒子を使用してCD19陽性細胞を陽性処理によって選択した。
図4および5は、様々な温度に保存されて2ヶ月にわたって細胞分離性能について試験されたストレプトアビジンナノ磁性粒子および適切なビオチニル化抗体を用いて陰性処理によって選択されたCD4陽性細胞のそれぞれ純度および収率を示す。
同様に図6および7は、様々な温度に保存されて2ヶ月にわたって細胞分離性能について試験された抗マウスCD19ラット抗体共役体化ナノ磁性粒子のそれぞれ純度および収率を示す。CD45R/B220(カタログNo.103223、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)という非交差反応性であり、蛍光標識されたB細胞特異的抗体を使用して磁気によって選択されたB細胞を特定したことに注意する。
これらの安定性試験の結果は、本発明のナノ磁性粒子の優れた生物学的安定性を明確に実証する。これらの試験で使用されたナノ磁性粒子の両セットは37℃の高温で少なくとも30日以上の生物学的安定性を有し、これによって4℃でおおよそ4年以上の生物学的安定性が推定され、本明細書で示される特許性のあるナノ磁性粒子組成物および合成設計に帰することができる。これに対し、サイズが80〜1000nm範囲の従来の磁性粒子は、4℃で冷蔵保蔵したときでさえ、数か月〜約20か月の範囲での有後期または生物学的安定性を有することが報告されている。
9.粒子サイズ分布の比較
標的化細胞分離市場で利用率が高い様々な従来の市販磁性粒子の粒子サイズ分布を測定して、上記の例1を用いて作製したものと比較した。これらの測定は動的光散乱(Malvern Nano−S ZetaSizer、ウェストボロー、マサチューセッツ州)を用いて実施し、図8に示すように、様々な「サイズビン」における粒子の割合を実際の粒子サイズに対してプロットした。流体力学的直径を、「動的光散乱」の原理を使用するMalvern Nano−S ZetaSizer装置で測定し、これによって粒子はレーザーで照らされて散乱光が強度変動について分析される。本発明のナノ磁性粒子(図8で「BioLegend」と表示)は約130nmの流体力学的直径および直径が約300nmを超える比較的わずかな数の粒子を有した(磁性粒子を「外部磁場」および「内部磁場」に基づいた磁気分離装置の両方で十分同じように実施するために重要な基準)。図8で「従来粒子A」と表示された粒子は約82nmの流体力学的直径を有し、従って、「内部磁場」発生またはHGMSカラムでの使用にのみ適しているであろう(上記の図3も参照)。
10.HGMSを用いて選択された細胞の透過型電子顕微鏡分析
本試験では、細胞を市販のHGMS適合性磁性粒子(図9、パネルA)および本発明の標的化ナノ磁性粒子(図9、パネルB)の両方を用いて、HGMSによって磁気的に選択した。図9に示す代表的な電子顕微鏡写真は、磁気によって選択された細胞の55nm凍結切片を用いて得、透過型電子顕微鏡で画像化した。C57BL/6マウス脾臓由来の単一細胞懸濁液を調製し、MojoSortTMマウスCD19ナノビーズ(BioLegend、カリフォルニア州)および市販のマウスCD19マイクロビーズ(Miltenyi、ドイツ)をBioLegendおよびMiltenyiの推奨プロトコルに従って用いてCD19+B細胞を単離した。単離したCD19細胞純度(BioLegendによる97%、Miltenyiによる94.9%)をCD45R/B220(クローンRA3−6B2)PEによって得られる細胞の染色およびフローサイトメトリーによる分析によって特定した。そして細胞を遠心分離して細胞ペレットを改良カルノフスキー固定液(0.15Mカコジル酸ナトリウム緩衝液にpH7.4で、2.5%グルタルアルデヒドおよび2%パラホルムアルデヒド)に4時間再懸濁させた。ついでこの調製物を0.15Mカコジル酸緩衝液中の1%四酸化オスミウムで1時間固定後処理し、一括して2%酢酸ウラニルで1時間染色した。ついでサンプルをエタノールで脱水し、Durcupanエポキシ樹脂(シグマ−アルドリッチ)で包理し、Leica UCTウルトラミクロトームで50〜60nmに切片化し、ホルムバールおよび炭素コーティングした銅グリッドに載せた。切片を2%酢酸ウラニルで5分間、サトウの鉛染色で1分間染色した。ついでグリッドをJEOL 1200EX II(JEOL,ピーボディ、マサチューセッツ州)透過型電子顕微鏡で検視して、Gatanデジタルカメラ(Gatan、プレザントン、カリフォルニア州)で撮影し、あるいはEagle 4k HSデジタルカメラ(FEI、ヒルズボロ、オレゴン州)を備えたTecnai G2Spirit BioTWIN透過型電子顕微鏡で検視した。
同様に、従来の標識した磁性粒子と比べて本発明の標的化ナノ磁性粒子の数の少ないことが各サンプル型から得る40個の画像を通して観察された。これらの電子顕微鏡写真は、本発明の標的化ナノ磁性粒子が従来の標識磁性粒子によって結合される細胞を示す顕微鏡写真よりもはるかに少ないことを明確に示す。これらの顕微鏡写真における矢印は、これらの細胞表面における目視可能な磁性粒子の局在を示す。これ(細胞あたり非常に少ないナノ磁性粒子によって磁気分離を仲介する能力)は本発明の標的化ナノ磁性粒子の非常に重要な特性であり、これはこのように磁気によって選択された細胞は、細胞の生物学的過程の撹乱があるにしても非常に少なく、基本的に「本来のまま」または「手つかず」の状態であるためである。これによって細胞を生物学的に無傷であり反応性の状態で捕捉することができる。(例12を参照)。
11.ナノ磁性粒子凍結乾燥試験
上記の例3および4に従って作製した抗マウスCD19共役体化ナノビーズ(全2×10粒子)およびSAv共役体化ナノビーズ(全2×10粒子)をそれぞれ様々な補充溶液に懸濁させ、Genesis Pilot凍結乾燥装置(SP Scientific)で3日間の凍結乾燥(Lyo)サイクルを実施した。具体的には、シラン処理したガラスバイアルに含まれる粒子懸濁液を−46℃に下げて凍結させ、ついで−80℃に3時間、そして−46℃に戻して密閉した真空チャンバーで3日間維持した。その後、温度を22℃まで上げた。凍結乾燥されたナノ磁性粒子をついでPBSで再構成して、MojoSorTMマウスCD19ナノビーズ(BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州、カタログNo.480001)およびMojoSortTMマウスCD4 T細胞単離キット(BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州、カタログNo.480005)の両方を用いて性能について試験した。結果を下記の表8および表9にそれぞれ示す。
Figure 2018514794
Figure 2018514794
これらの凍結乾燥および再構成されたナノ磁性ビーズは、生物学的活性の優れた維持を示し、本発明の標的化ナノ磁性ビーズの延長された保存性/安定性を非常に長い期間促進することを示す。
12.磁気選択された細胞の機能試験
磁気によって選択された細胞は、しばしば遺伝子/タンパク質/RNAプロファイリングのような下流処理で使用されるが、市販の磁性粒子は、ほとんどではないにしろ多くが細胞に対して毒性効果を有する。従って、生きたまたは生存可能な細胞をこれらの結合した磁性粒子によって得ることは、さらなる試験/探査のために極めて困難である。この試験では、マウスCD4抗原に対する抗体と共役体化された、本発明の標的化ナノ磁性粒子および幅広く使用されている市販の磁性粒子をともに、標的CD4+細胞が磁気分離された後に細胞機能性について並行して試験した。
簡単に説明すると、抗マウスCD4ラット抗体(クローンRM4−5、カタログNo.100506、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)共役体化粒子(上記の例3に記載のように調製)を、抗CD4(クローンL3T4、カタログNo.130−049−201、Miltenyi Biotec Inc.、オーバーン、カリフォルニア州)共役体化マイクロビーズとともにHGMSカラム(カタログNo.130−042−201、Miltenyi Biotec Inc.、オーバーン、カリフォルニア州)を用いて試験した。本発明の抗CD4共役体化ナノ磁性粒子は127nmの流体力学的直径を有し、一方、L3T4共役体化マイクロビーズは82nmの流体力学的直径を有した。下記の表10は、製造業者の取扱説明書に従ってマウス脾臓細胞由来のCD4+細胞を単離するために使用した場合にこれらの磁性粒子の両タイプから得られた、単離したCD4+細胞の純度および収率を示す。
Figure 2018514794
CD4+細胞の磁気単離後、両単離方法から得られた等量のCD4+細胞(1×10個)を、様々な濃度の抗マウスCD3(クローン17A2、カタログNo.100201、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)抗体でコーティングされた96ウェルマイクロタイタープレートに加え、1μg/mL可溶性抗マウスCD28(クローン37.51、カタログNo.102101、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)を補充し、37℃で3日間インキュベーションした。ついで、生きた細胞の代謝活性を測定する蛍光酸化還元マーカーであるレサズリン(カタログNo.TOX8−1KT、シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)を容量比10%でウェルに加え、相対的蛍光強度を7時間インキュベーション後にSPECTRAmax Gemini XPS蛍光マイクロプレートリーダー(Molecular Devices、サニーベール、カリフォルニア州)を用いて測定した。マイクロウェルをコーティングするのに使用した抗マウスCD3抗体の濃度に対する相対蛍光単位(RFU)のプロットを図10に示す。図10では、蛍光強度が高いほど生きた細胞の数が多いことに留意する。
この機能的細胞アッセイの結果は、本発明のナノ磁性粒子が試験した市販の磁性マイクロビーズよりも大きいにも関わらず、本発明のナノ磁性粒子が磁気によって選択された細胞に有意な毒性学的な影響を有さないことを明確に実証する。
13.細胞単離のためにナノ磁性粒子と組み合わせたマイクロバブルの併用使用
マイクロサイズ浮揚バブルは、市販されている中空(または充満した空気)ミクロンサイズ球体であり、対象の標的部分に対する官能化表面またはコーティングリガンドを有する。細胞特異的リガンド(例えば、細胞抗原特異的抗体)と共役体することができて、特定の細胞集団を単離するのに使用される市販の例には、Targeson(サンディエゴ、カリフォルニア州)のガスカプセル化マイクロバブルおよびAkadeum Life Sciences(アナーバー、ミシガン州)の浮揚マイクロバブルが含まれる。研究論文に記載されている例には、Shi,ら,Methods,64,102(2013)のパーフルオロカーボンマイクロバブル、Hsu,ら,Technology(Singapore World Science),3,38(2014)のガラスマイクロバブル、Liou,ら,PLoS One,20,10(2015)のアルブミンマイクロバブル、およびShi,ら,PLoS One,8,1(2013)のガス充満イムノマイクロバブルが含まれる。分析物または細胞の単離のためにマイクロバブルをベースとしたシステムの使用を記載している特許文献の例には、米国特許および公開特許出願番号5116724号、5246829号、8835186号、US2003/010435A1号、US2007−0036722A1号、およびUS2011/0236884A1号が含まれる。これらの例は、標的細胞および分析物の特異的単離のために浮揚をベースとしたシステムを用いることの有用性を説明する。だが、浮揚をベースとしたシステムを磁性ナノ粒子と組み合わせて、所望の標的のより速く、より効率的でより効果的な分離を提供しているものは本発明の以前にはない。
本例では、特許性のある方法が説明されており、組成に関わらず標的化マイクロバブル、および組成に関わらず標的化ナノ磁性粒子を連続および/または同時に使用して、対象の1、2、または3種の細胞集団を得ることができる。磁気および浮揚単離の組み合わせ、または「磁気浮揚」の処理は、達成すべき異なる分離を可能にする。細胞単離のこのような「磁気浮揚」方法は、対象の異なる細胞を単離するのに必要とする時間および供給源を著しく低下させ、これらの集団は非常に高い純度で得ることができる。本発明のナノ磁性粒子は様々な流体のおけるこれらの高い安定性、小さいサイズ、より高い磁気反応特性、他の磁性粒子と比べて細胞に対する低い粒子比で細胞を分離する能力、および他の磁性粒子と比べて磁場に素早く反応する能力よってこの用途に十分適している。これらの利点は過去に認識および/または商業化されていない。図11は一般的な原理を示す。
図11で考えると、2種の目的の亜集団(AおよびB)を含む異なる細胞型(A、B、C、D)の混合物を1つの細胞型(A)を標的とするマイクロバルブおよび第二型(B)を標的とする磁性粒子を有する反応混合物と合わされた場合、つぎにA細胞の第一セットは表面に浮き、一方B細胞の第二セットは強磁場(上記の例5で説明された4極子磁気分離装置など)に引き寄せられ、これによりマイクロバルブ標的化細胞の浮上方向と直角に磁気化標的細胞が分離される。この方式では、両細胞集団は同時に単離され、最初の同じ反応混合物からさらに使用するために個別に収集することができる。この単純な例では、異なる細胞集団(AおよびB)の両方がさらに使用するために必要とされ、容易に収集することができる。これに代えて、1つの集団は、例えば、第二単離集団の混入物の可能性があるものとしてこれらを取り除くために廃棄される不要な細胞であり得る。そして最後に、第三「残留」集団(この例では、細胞型CおよびD)、すなわち、マイクロバブルまたは磁性粒子のいずれによっても標的化されないものも、2つの標的化集団(AおよびB)が収集されるときに保持できるため、さらに使用するために収集し得る。
背景として、図12はマウスCD19+細胞を単離するためにマイクロバブルのみを用いた原理を説明する。この例では、抗マウスCD19ラット抗体(クローン6D5、カタログNo.115502、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)共役体化マイクロバブル(遠心分離をすべての洗浄段階で使用する以外は、上記の例3で説明された共役体化方法で調製)をマウス脾臓細胞と、小型エッペンドルフチューブにおいてローテーターで4℃、15分間インキュベーションする(図12の(a)を参照)。そして細胞懸濁液を試験チューブに移し、等張細胞緩衝液で全量4mLまで希釈して300×gで5分間遠心分離する(図12の(b)を参照)。ついで浮揚細胞を新しい試験チューブに静かに注ぐか吸引する(図12の(c)を参照)。そして細胞を蛍光CD45R/B220抗体共役体(フィコエリトリン共役体化抗マウス/ヒトCD45R/B220ラット抗体、カタログNo.103207、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州))で染色し、収集した細胞をフローサイトメーター(CellQuestソフトウェアを用いたFACSCalibur、BD Biosciences,サンディエゴ、カリフォルニア州)で分析する。下記の表11は、このような抗体共役体化マイクロバブルを用いて得られたマウスCD19+標的細胞の純度および収率を示す。
Figure 2018514794
例i:希少細胞の磁気浮揚法
希少細胞(すなわち、幹細胞、循環腫瘍細胞、胎児細胞、内皮細胞などの細胞)を単離するための市販の方法は、磁性粒子をベースとした2ステッププロトコルであり、陰性枯渇化段階が最初に実施されて不要な細胞を取り除き、洗浄段階および陽性選択段階が続いて希少細胞を捕捉する。希少細胞の直接的な陽性選択は、固相材料(すなわち、磁性および非磁性ビーズ)の非特異的結合、および一般的には百万個(またはそれ以上)の全細胞あたり標的細胞1個という非常に低い頻度でのみ存在するこれらの希少細胞を標的として結合することの著しい困難さのために、成功例は限定されている。さらに、希少細胞の直接的な陽性選択でしばしば使用される開始細胞懸濁液は、全血、バフィーコート、および/または溶血のような非常に困難な細胞調製物である。開始または天然細胞懸濁液のいかなる重要な操作も、細胞サンプル処理のすべての段階で生じる本来の細胞損失によって、サンプルに存在するいずれの希少細胞の回収/収率にも負の影響を有する。
図13はCD45抗体(クローン2D1抗ヒトCD45、カタログNo.368502、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)共役体化マイクロバブルを用いるプロトコルを示す。CD45マイクロバブルを、ナノ磁性粒子(好ましくは、本発明に従って調製されたナノ磁性粒子)と共役体化された希少細胞特異的なCD326抗体(クローン9C4抗ヒトCD326(EpCAM)、カタログNo.324202、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)と組み合わせて使用する。一緒に使用し、粒子の組み合わせは1ステップで循環腫瘍細胞に対して直接かつ効率的に豊富化することを可能にする。
図13では、(a)は市販の磁気分離装置に適用可能である標準的な組織培養チューブにおける反応混合物を示す。標的化浮揚および磁性粒子ポピュレーションをそれぞれの標的細胞と結合させた後、チューブを磁気分離装置に挿入し、そこで磁性粒子と相当する細胞がチューブ壁で磁場に引きつけられ、同時に、マイクロバブルがその相当する細胞を表面に浮揚させる(b)。チューブはまだ磁気分離装置にあり、磁気によって保持されている細胞を妨げることなく、マイクロバブル関連細胞を吸引または簡単に注ぎ出すことができる。チューブから注ぎ出した後(b)、チューブを磁気分離装置から取り出し、これら希少細胞の非常に純粋な懸濁液をさらなる識別および試験のためにチューブに残す(c)。
例ii:ヒトCD4+細胞を非常に高い純度で単離するための磁気浮揚法
上記の図13で示された理論的根拠は、ヒトCD4+リンパ球の単離にも適用でき、これは抗体が標的化するCD4抗原の受容体が単球で同時に発現されるためである。末梢血単核細胞から高純度でヒトCD4+を単離するための現在の方法は、混入している単球を磁性粒子の使用またはプラスチックプレートへの付着のいずれかで取り除く前豊富化段階を必要とする。その後、CD4+リンパ球は抗CD4コーティング磁性粒子を用いて単離される。
図14に示すように、クローンNo.63D3(カタログNo.367102、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)のような単球マーカーCD14を認識する単球特異的抗体をマイクロバブルと共役体化させ、クローンNo.SK3(カタログNo.344602、BioLegend Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)のような抗CD4特異的抗体をナノ磁性粒子と共役体化させる。磁気浮揚細胞単離によって、浮揚性のCD14/CD4二重陽性単球が浮き上がってCD4単一陽性T細胞から離れ、CD4単一陽性T細胞は磁力によってチューブ壁に捕捉される。これは処理時間の著しい低下をもたらし、処理量を増加させると考えられる。
定義
前述された本発明の文脈および後述される請求項において、次の用語は帰された意味を有すると理解されるものである。これらの用語に加え、必要に応じて、他の用語が本明細書における他の箇所で定められる。下記または本明細書の他の箇所で明確に定められていない場合、本明細書で使用される技術用語は、これらの技術で認識されている意味を有する。
本明細書で使用されるとき、単数形(「a」、「an」、および「the」)である「一つの」および「その」は、文脈が明らかにその他を規定しない場合、複数の引用を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「約」は記載された値からおおよそ±10%の変動を意味する。このような変動は本明細書で示されるいずれの所定値にも、それが具体的に言及されていようがいまいが、常に含まれると理解されるべきである。
「分析物」は検出されるべき物質を意味し、サンプル(すなわち、生物学的サンプル)に存在することが疑われ得る。分析物は天然由来の特異的結合パートナーが存在する、または特異的な結合パートナーを調製することができるあらゆる物質であることができる。このため、分析物は1種類以上の特異的結合パートナーと結合できる、または結合される物質である。
「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子のフラグメントによって実質的にコードされた1種類以上のポリペプチドからなるタンパク質を意味する。この用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗原結合抗体フラグメント、ならびに対象抗原と特異的に結合する免疫グロブリン遺伝子から工学的に処理された分子を包含する。認められた免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖はカッパまたはラムダのいずれかに分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類され、同様に、それぞれ免疫グロブリンクラスであるIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを定める。典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体として知られている。各四量体はポリペプチド鎖の同一対2つからなり、それぞれの対は1つの「軽」鎖(約25kD)および1つの「重」鎖(約50〜70kD)を有する。各鎖のN端は、抗原認識に主に関与する約100〜110個以上のアミノ酸の可変領域を定める。用語「可変軽鎖(VL)」および「可変重鎖(VH)」はそれぞれこれらの軽鎖および重鎖を意味する。
抗体は完全な免疫グロブリンとして、または様々なペプチダーゼを用いた消化によって生じる多くの十分特徴付けられた抗原結合抗体フラグメントとして存在する。このため、例えば、ペプシンは抗体をヒンジ領域におけるジスルフィド結合で消化して、それ自体がジスルフィド結合によってVH−CH1と結合された軽鎖であるFabのダイマーであるF(ab’)を生じる。F(ab’)は穏やかな条件下で還元されてヒンジ領域におけるジスルフィド結合を分解し、これによってF(ab’)ダイマーをFab’モノマーに転化する。Fab’モノマーは本質的にはヒンジ領域の一部を有するFabである。様々な抗原結合抗体フラグメントが完全な抗体の消化と関連して定められているが、当業者はこのようなFab’フラグメントが化学的または組換えDNA方法論を用いることによって最初から合成され得ることを理解するであろう。このため、本発明の文脈では、用語「抗体」は全抗体の改変によって産生された、または組換えDNA方法論を用いて最初から合成されたいずれの抗原結合抗体フラグメントも含む。抗体は、単鎖抗体(単一ポリペプチド鎖として存在する抗体)、単鎖Fv抗体(sFvまたはscFv)を含み、これでは可変重鎖および可変軽鎖が互いに結合して(直接的またはペプチドリンカーを通して)連続的なポリペプチドを形成する。単鎖Fv抗体は共有結合したVH−VLヘテロダイマーであり、直接的に結合またはペプチドコードリンカーによって結合されたVH−およびVLコード配列を含む核酸から発現され得る。VHおよびVLは単一ポリペプチド鎖としてそれぞれに結合されているが、VHおよびVL領域は非共有的に結合している。scFv抗体および多くの他の構造は、自然に凝集するが化学的に分離される軽および重ポリペプチド鎖を、抗体V領域から、従来技術の当業者に知られている抗原結合部位の構造とほとんど同様な三次元構造に折り重なる分子に転化する。
高親和性結合対の「結合パートナー」または「メンバー」は、結合対、すなわち分子の1つが第二分子と結合する分子対のメンバーである。特異的に結合する結合パートナーは「特異的結合パートナー」と用語化される。「高親和性」結合対は、メンバーが高親和性で結合する対である。免疫アッセイで通常使用される抗原と抗体結合パートナーに加えて他の特異的結合パートナーには、ビオチンとアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物とレシチン、相補的なヌクレオチド配列を有する核酸、リガンドと受容体分子、コファクターと酵素、酵素阻害剤と酵素などを含むことができる。さらに、特異的結合パートナーには、本来の特異的結合パートナーの1つまたは複数のアナログであるパートナー、例えば、分析物−アナログを含むことができる。免疫反応特異的結合パートナーには、抗原、抗原フラグメント、抗体(モノクローナルおよびポリクローナル)、および抗原結合抗体フラグメントが含まれる。
「生物学的サンプル」は、患者または被験体から得られる生物的材料のサンプル、ならびに組織培養または組織培養上清、ならびに対象の分析物を含むことができるいずれかの他の供給源から得られるサンプルである。生物学的サンプルには、体液または体組織(例えば、バイオプシーから)あるいは組織調製物(例えば、組織切片、ホモジナイズ調製物など)が含まれる。「体液」は本発明による使用の適した、被験体から得られるまたは由来のいずれかの流体である。このような流体には、全血、血清および血漿のような血液分画、尿、汗、リンパ、糞便、復水、***、痰、乳頭吸引液、術後漿液腫、創傷排液、唾液、滑液、骨髄、脳脊髄液、鼻腔分泌物、羊水、気管支肺胞洗浄液、末梢血単核細胞、全白血球細胞、リンパ節細胞、脾臓細胞、および扁桃細胞が含まれる。
用語「例」、「のような」、および類似用語は、「例えば」を意味し、そのため、これらが説明する用語またはフレーズを限定せず、一方、用語「すなわち」および類似用語は、「つまり」を意味し、このため、これが説明する用語またはフレーズを限定する。
本明細書で使用されるとき、用語「エピトープ」または「複数のエピトープ」、あるいは「対象のエピトープ」は、特異的結合パートナーの相補的部位に認識されて結合できるいずれかの分子の部位を意味する。エピトープ含有分子および特異的結合パートナーは特異的結合対の一部である。例えば、エピトープはポリペプチド、タンパク質、ハプテン、炭水化物抗原(限定されないが、糖脂質、糖タンパク質、またはリポポリサッカライドなど)、またはポリサッカライドであることができ、その特異的結合パートナーは、限定されないが、抗体、例えば自己抗体などであることができる。一般的には、エピトープは大きな分子フレームワークに含まれ(例えば、タンパク質の抗原性領域の文脈では、エピトープは、このエピトープに対する抗体反応性によって結合される構造を有するタンパク質の領域またはフラグメントである)、特異的結合パートナーと接触することが知られている正確な残基を意味する。
「本明細書において」は、参考によって組み込まれ得るいずれかを含む、本出願におけることを意味する。
用語「含む」およびこの様々な変化は、「含むが、必ずしも限定されない」を意味する。このため、例えば、フレーズ「組成物は薬剤および担体を含む」は、薬剤および担体を含む組成物を意味するが、また同様に1種類以上の他の特定されていない成分も含み得る。
本明細書で使用されるとき、特異的結合対(例えば、抗原およびこの抗原と特異的に結合する抗体)のメンバー間の相互作用の文脈における「特異的」または「特異性」は、選択的な相互作用の反応性を意味する。フレーズ「特異的に結合する」および類似用語は、抗原と特異的に結合(例えば、優先的に反応)するが、他の実体とは特異的に反応しない抗体の能力を意味する。特定の抗原と特異的に結合する抗体または抗原結合抗体フラグメントは診断用イムノアッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)および酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA))、表面プラズモン共鳴、または他の従来技術の当業者に知られている技術によって特定することができる。一つの実施形態では、用語「特異的に結合する」または「特異的反応性」は、標的分析物に対する結合優先性(例えば、親和性)が、非特異的標的分子(例えば、特異的認識部位を欠如するランダムに作製した分子)よりも少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも約5倍、10倍、100倍、1,000倍、百万倍、またはそれ以上であることを示す。
用語「標識された」は、検出可能な標識で標識された、または使用の際に検出可能な標識で標識される分子(例えば、抗体、ナノ粒子など)を意味する。「検出可能な標識」は検出可能である、または検出可能にすることができるいずれかの部分を含む。標識された分離可能な粒子に関して、「直接的標識」は粒子に付着あるいは共有的または非共有的に結合された検出可能な標識であり、「間接的標識」は粒子と特異的に結合する検出可能な標識である。このため、間接的標識には、検出物質の一部分の特異的結合パートナーである部分を含む。ビオチンおよびアビジンはこのような部分の例であり、例えば、ビオチニル化抗体をアビジンと接触させることによって間接的に標識された抗体(およびこのように標識されたナノ磁性粒子)を生じるために使用することができる。「標識」は、標的特異的結合メンバーと直接的または間接的に共役体化されるような、検出可能な化合物または組成物を意味する。標識はそれ自体が、それ自体によって検出可能であり得(例えば、ラマン標識、放射性同位元素、蛍光標識など)、あるいは、酵素標識の場合、検出可能な基質化合物または組成物の化学的変化を触媒し得る。
「マイクロ粒子」は適切な方法、例えば磁気分離または結合、超遠心分離などによって回収可能である小さい粒子を意味する。マイクロ粒子は一般的には約1ミクロン以下のオーダーの平均直径を有する。
「ナノ粒子」は、適切な方法、例えば磁気分離または結合、超遠心分離などによって回収可能である小さい粒子を意味する。ナノ粒子は一般的には約500ナノメーター(nm)以下のオーダーの平均直径、好ましくは約20〜300nm、またはいずれかのサイズ、あるいは1〜約500nmサイズのようなサイズ範囲を有する。
本発明による製造の「特許性がある」プロセス、機械、または物品は、分析が実施された時点で主題が特許要件に関するすべての法的要求事項を満たすことを意味する。例えば、新規性、非自明性などに関して、後の調査が1つ以上の請求項が新規性、非自明性などを否定する1つ以上の実施形態を包含する場合、「特許性がある」実施形態に定義によって制限される請求項は、非特許性の実施形態を特に除外する。また、本明細書に添付される請求項は、最も広範な合理的な範囲を示し、これらの妥当性を維持する両方で解釈されるべきである。さらに、特許要件に関する1つ以上の法的要求事項が修正される場合、あるいは特許要件に関する特定の法的要求事項が、本出願が特許として出願または発効される時点から、添付請求項の1つ以上の妥当性が質問されるまで満たされるかどうか評価することに関する標準が変化する場合、請求項は、(1)妥当性を維持し、(2)環境下で最も広い合理的な解釈を示す、とある意味では解釈されるべきである。
「複数」は1つを超えることを意味する。
用語「分離された」、「精製された」、「単離された」などは、サンプルまたは反応混合物の1種類以上の成分が、混合物に存在する1種類以上の他の成分から物理的に取り出される、またはこれらの存在中で希釈されることを意味する。
用語「種」は本明細書では、例えば特定の標的生体分子種などの様々な文脈で使用される。各文脈では、本用語は特定の文脈で意味される分類の化学的に不明瞭な集団を意味する。
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本明細書で開示および請求される組成物、物品、デバイス、システム、および方法のすべては本開示の観点において、過度な実験なしで作製して実行することができる。本発明の組成物、物品、デバイス、システム、および方法は好ましい実施形態に関して説明されており、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変更を組成物、物品、デバイス、システム、および方法に加え得ることは、従来技術の当業者には明らかであろう。従来技術の当業者に明らかなすべてのこのような変更および同等物は、現存または後に開発されようと、添付の請求項によって定められている本発明の精神および範囲内であると判断される。
本明細書で言及されるすべての特許、特許出願、および公開は、本発明が関係する従来技術の当業者のレベルを示している。すべての特許、特許出願、および公開は、本明細書では、各個別の公開がいずれかそしてすべての目的のためにその全体が参考によって組み込まれるべきことが具体的および個別的に示されているように、すべての目的のため同程度にその全体が参考によって組み込まれている。
本明細書で適切に説明的に記載されている発明は、本明細書で具体的には開示されていない構成要素がなくても実行され得る。そのため、例えば、本明細書の各場合において、用語「含む」、「から基本的になる」、および「からなる」のいずれも他の2つの用語のいずれかと置き換えられ得る。用いられている用語および表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、示され説明されている特性のいかなる同等物またはその一部を除外するような用語および表現の使用は意図されておらず、様々な変更が請求される本発明の範囲内で可能であると認識される。そのため、本発明は好ましい実施形態および任意の特性によって具体的に開示されているが、本明細書で開示される概念の修正および変更は従来技術の当業者によって見直され得、このような修正および変更は添付の請求項によって定められる本発明の範囲内であると考えられ、また本発明のさらなる実施形態さえ含み得ると理解されるべきである。

Claims (26)

  1. (a)磁性コア粒子、
    (b)前記磁性コア粒子をカプセル化するガラス層、
    (c)前記ガラス層と結合されたタンパク質/ポリマー複合層、および
    (d)前記タンパク質/ポリマー複合層と結合された生物親和性リガンド対の1つのメンバーを含む標的化部分
    を含む、標的化ナノ磁性粒子。
  2. 約5〜約500nm、好ましくは約30〜約300nmの範囲の直径を有する、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  3. 前記磁性コア粒子がマグネタイト(Fe)結晶を含み、任意に前記マグネタイト結晶が約5〜約300nmの範囲の直径を有する、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  4. 前記ガラス層が有機官能性アルコキシシラン分子から形成されるシラン層であり、任意に有機官能性アルコキシシラン分子が結合可能な末端基を含み、任意に結合可能な末端基がアミノ、スルフィドリル、カルボキシル、およびヒドロキシル末端基からなる群から選択される、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  5. 前記タンパク質/ポリマー複合層が前記ガラス層と共有結合され、ここで任意に前記タンパク質/ポリマー複合層は血清アルブミン、任意にウシまたはヒト血清アルブミン、デキストランまたはカゼインからなり、任意に前記タンパク質/ポリマー複合層が前記組成物を約45〜約85℃に加熱することによって永続的に結合される、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  6. 前記標的化部分が抗体、抗原結合抗体フラグメント、細胞表面受容体、細胞表面受容体のリガンド結合細胞外領域、核酸、アビジン、ストレプトアビジン、およびビオチンからなる群から選択される、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  7. さらに検出可能な標識を含む、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  8. 前記磁性コア粒子が酸化第一鉄、任意にFeもしくはFe、酸化クロム、任意にCrO、またはMn、Co、Ni、Zn、Gd、およびDyからなる群から選択される置換金属イオンを含む安定な金属酸化物からなる、請求項3に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  9. 請求項1による複数の標的化ナノ磁性粒子を含む、組成物。
  10. 乾燥した容易に分散可能な組成物または液体組成物である、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記複数の標的化ナノ磁性粒子が複数の標的化ナノ磁性粒子種を含み、ここで各標的化ナノ磁性粒子種が異なる標的化部分種を含む、請求項9に記載の組成物。
  12. 容器中に請求項9による組成物および任意に前記組成物の使用のための取扱説明書を含む、キット。
  13. 請求項1による標的化ナノ磁性粒子を作製する方法であって、
    (a)約5〜約500nm、好ましくは約30〜約300nmの範囲の複数の直径を有する磁性コア粒子を得、
    (b)前記磁性コア粒子をガラス層でカプセル化して第一カプセル化磁性コア粒子を形成させ、ここで前記ガラス層は任意に約1〜約50nmの範囲の厚さを有し、
    (c)前記第一カプセル化磁性コア粒子をタンパク質/ポリマー複合層にカプセル化して第二カプセル化磁性コア粒子を形成させ、ここでタンパク質/ポリマー複合層は任意に約5〜約50nmの範囲の厚さを有し、
    (d)標的化部分を前記第二カプセル化磁性コア粒子に、任意に共有結合によって、結合させ、ここで前記標的化部分は生物親和性リガンド対の1つのメンバーを含み、任意に前記標的化部分は抗体、抗原結合抗体フラグメント、細胞表面受容体、細胞表面受容体のリガンド結合細胞外領域、核酸、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、標的化薬剤送達の目的のための医薬化合物からなる群から独立して選択され、任意に
    (e)医薬化合物または検出可能な標識を前記第二カプセル化磁性コア粒子と、任意に共有結合によって、結合すること
    を含む、方法。
  14. 前記磁性コア粒子が解膠される、請求項13に記載の方法。
  15. 生体分子/粒子複合体を形成するための方法であって、請求項1による標的化ナノ磁性粒子を、前記標的化ナノ磁性粒子の前記標的化部分と直接的または間接的に特異的な反応性である対象の生体分子と結合させて生体分子/粒子複合体を形成することを含む、方法。
  16. 前記結合がインビトロまたはインビボで生じる、請求項15に記載の方法。
  17. 生体分子/粒子複合体を用いる方法であって、
    (a)対象の生体分子を含むことが分かっている、または疑われる生物学的サンプルを、請求項1による標的化ナノ磁性粒子と接触させて生体分子/粒子複合体を形成させ、
    (b)磁場を用いて前記生体分子/粒子複合体を単離すること
    を含む、方法。
  18. 磁気カラム分離またはHGMS法を使用して、前記生体分子/粒子複合体を単離する、請求項17に記載の方法。
  19. 複合液体、任意に哺乳動物全血または哺乳動物全血の分画と混合されたとき、安定したコロイドとしての挙動を示す、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  20. 前記タンパク質成分が任意にマレイミド誘導体化タンパク質である、請求項5に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  21. 5年までの期間にわたって保存された際に、その磁性、生物親和性、および粒子サイズ、ならびに標的化特性に有意または有害な変化を示さない、請求項1に記載の標的化ナノ磁性粒子。
  22. 標的生体分子種を生物学的サンプルから分離するための方法であって、
    (a)反応混合物において、対象の生体分子を含むことが分かっている、または疑われる生物学的サンプルを請求項1による標的化ナノ磁性粒子と接触させて生体分子/粒子複合体を形成させ、
    (b)磁場を用いて前記生体分子/粒子複合体を前記反応混合物から単離すること
    を含む、方法。
  23. 複数の標的生体分子種を生物学的サンプルから単離する方法であって、
    (a)反応混合物において、対象の第一および第二生体分子種を含むことが分かっている、または疑われる生物学的サンプルを、対象の前記第一生体分子種を標的とする請求項1による標的化ナノ磁性粒子と接触させて第一標的生体分子/粒子複合体を形成させ、対象の前記第二生体分子種を標的とする標的化浮揚マイクロ粒子と接触させて第二標的生体分子/粒子複合体を形成させ、
    (b)磁場を用いて前記第一生体分子/粒子複合体を前記反応混合物から単離し、
    (c)前記第二生体分子/粒子複合体を前記反応混合物から分離すること
    を含む、方法。
  24. 前記標的化ナノ磁性粒子が約5〜約500nm、好ましくは約30〜約300nmの範囲の直径を有する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記標的化ナノ磁性粒子の前記磁性コア粒子がマグネタイト(Fe)結晶を含み、任意にここで前記マグネタイト結晶が約5〜約300nmの範囲の直径を有する、請求項23に記載の方法。
  26. 容器中に請求項23による組成物および任意に前記組成物の使用のための取扱説明書を含む、キット。
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