JP2018501308A - 1,5−ペンタンジアミンの精製方法及び1,5−ペンタンジアミン - Google Patents

1,5−ペンタンジアミンの精製方法及び1,5−ペンタンジアミン Download PDF

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Abstract

本発明は、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを提供することと、還元反応により前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを処理して、精製した1,5−ペンタンジアミンを得ることとを含む1,5−ペンタンジアミンの精製方法、また上述の方法により製造された1,5−ペンタンジアミンを提供する。前記精製方法は、プロセスが簡潔であり、操作が簡単であり、工業的な生産に適したものであり、1,5−ペンタンジアミン製品の品質を大幅に向上することができる。

Description

本発明は、1,5−ペンタンジアミンの精製方法及び当該方法により得られた1,5−ペンタンジアミンに関する。
ペンタンジアミン(本発明に係るペンタンジアミンは何れも1,5−ペンタンジアミンを指し、その別名は1,5−ジアミノペンタン、ペンタメチレンジアミン、カダベリンである)は、重要な化学的中間体の一つであり、主として、ポリアミドのような高分子重合体を製造するための単量体として用いられ、有機合成中間体やエポキシ樹脂の硬化剤として機能しており、生物学の研究にも適用されている。1,5−ペンタンジアミンを原料として重合して得られたナイロンは、電気機器、機械機器、自動車部品など、日常生産や生活の様々な場面で利用されている。
工業的には、1,5−ペンタンジアミンを製造するプロセスは以下の通りである。発酵又は酵素変換のプロセスにより1,5−ペンタンジアミン塩溶液を得、当該塩溶液を、アルカリの添加、抽出、蒸発などの一連の処理に付して1,5−ペンタンジアミン水溶液を得、さらに、精留により1,5−ペンタンジアミンを得る。1,5−ペンタンジアミンの製造中で、1,5−ペンタンジアミンに加え、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン(THP)のような不飽和結合を有する副生成物も生成する。
1,5−ペンタンジアミンを原料としてナイロンを製造する過程で、不飽和結合を有する副生成物であるTHPの存在は、1,5−ペンタンジアミンの後重合に影響を与え、これにより、ナイロン56のような重合体製品の品質が低下する。具体的には、THPは重合体の変色又は分岐化の原因となる。従って、1,5−ペンタンジアミン製品に不純物として含まれるTHPの含有量を減少することで、重合体の変色を防止することができ、重合体製品の品質を向上する上で非常に重要である。
不純物であるTHPを除去するまたは効率に制御することに係る従来技術では、日本三井化学株式会社はその特許EP2684867において、抽出剤として炭素数4〜7の脂肪族アルコールを用い、発酵液から1,5−ペンタンジアミンを抽出することで、1,5−ペンタンジアミン製品に含まれるTHPの含有量を効率に低減することができるということを記載した。n−ブタノールを例にとると、その抽出率は91.6であり、製品に不純物として含まれるTHPの含有量は0.1wt%であった。イソブタノールを溶媒とした場合、その抽出率は86.0であり、製品に不純物として含まれるTHPの含有量は0.1wt%であった。抽出剤としてクロロホルムを用いた場合、その抽出率はただ61.7となり、製品に不純物として含まれるTHPの含有量は0.6wt%となった。抽出剤としてクロロホルムを用いた場合に較べ、炭素数4〜7の脂肪族アルコールによる抽出の場合はより良い結果が得られたにも関わらず、この抽出技術では、抽出率が高くなく、相分離が困難であり、抽出剤の回収及び再生におけるエネルギー消費が高いなどの問題点があり、大量生産に適したものではない。
日本東レ株式会社はその特許CN102449029において、THPとピペリジンの合計重量が0.1%の1,5−ペンタンジアミンを原料として重合して得られたポリアミド樹脂はより良い機能及び品質を有することを記載し、ここで、アミノの原料の抽出プロセスは、抽出剤としてクロロホルムを用いて抽出し、さらに減圧蒸留により不純物であるTHPとピペリジンの合計重量が0.1%未満の1,5−ペンタンジアミンを得ることにより行われ、クロロホルムによる抽出率が明らかに高くないことから、1,5−ペンタンジアミンは水相中に多く存在することにより効率に抽出されなく、製品の取得率が低く、損失が大きかった。
従って、如何にして1,5−ペンタンジアミン製品に不純物として含まれるTHPの含有量を除去する又は効率に制御するかということは、1,5−ペンタンジアミン製品の品質を決定する要因となり、1,5−ペンタンジアミンより得られるナイロン製品の品質を向上する上で難関となっている。
本発明は、上述した技術問題を解決するために、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを提供することと、還元反応により前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを処理して、精製した1,5−ペンタンジアミンを得ることとを含む、1,5−ペンタンジアミンの精製方法を提供する。
本発明の一実施形態によれば、前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミンは不純物として2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを含む。
本発明の別の実施形態によれば、前記精製した1,5−ペンタンジアミン中に不純物として含まれる2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの含有量は0.05wt%未満である。
本発明の別の実施形態によれば、前記精製した1,5−ペンタンジアミン中に不純物として含まれる2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの含有量は0.03wt%未満である。
本発明の別の実施形態によれば、前記精製した1,5−ペンタンジアミンにピペリジンが含まれる。
本発明の別の実施形態によれば、前記精製した1,5−ペンタンジアミン中のピペリジンの含有量が0.05wt%未満となるように、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを還元して生成したピペリジンを除去する蒸留ステップをさらに含み、前記含有量は、前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の1,5−ペンタンジアミンの重量を基準としたものである。
本発明の別の実施形態によれば、前記精製した1,5−ペンタンジアミン中のピペリジンの含有量は0.03wt%未満である。
本発明の別の実施形態によれば、前記還元反応方法は、電気化学的還元方法、または還元剤を用いて還元する方法を含み、前記還元剤は水素ガスまたは金属水素化物である。
本発明の別の実施形態によれば、前記金属水素化物は、NaBH、KBH、LiAlHから選ばれる一種以上である
本発明の別の実施形態によれば、還元剤として前記金属水素化物を用いる場合、反応温度は0〜25℃とし、反応時間は0.5〜1hとし、前記金属水素化物の物質量は、前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの物質量の1〜2倍である。
本発明の別の実施形態によれば、還元剤として前記水素ガスを用いる場合、ニッケル系触媒又は白金系触媒を同時に使用する。
本発明の別の実施形態によれば、前記還元反応は、固定床による水素化又は流動床による水素化の手法により行われる。
本発明の別の実施形態によれば、固定床により触媒的水素化を行う場合、水素ガス圧は0.5〜12MPaとし、反応温度は40〜110℃とする。
本発明の別の実施形態によれば、流動床により触媒的水素化を行う場合、水素ガス圧は0.5〜15MPaとし、反応温度は40〜110℃とする。
本発明は、上述の何れか1項に記載の方法により製造された1,5−ペンタンジアミンを提供する。
本発明により提供される1,5−ペンタンジアミンの精製方法は、プロセスが簡潔であり、操作が簡単であり、工業的な生産に適したものであり、1,5−ペンタンジアミン製品の品質を大幅に向上させることができる。
以下に、本発明の特徴及び優位性を体現する代表的な実施例を明細書で詳しく述べる。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、異なる実施例において様々の変更が可能であり、且つ、以下の説明は、本質的に例示であって、本発明を限定するものではないと理解されるべきである。
1,5−ペンタンジアミンを含有する発酵液又は酵素変換液を、抽出、精留分離の処理に付して、不純物として2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを含む、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを得る。本発明は、当該不純物がその後のナイロン重合へ及ぼす影響を解消するために、上述の不純物を含有する、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを還元処理に付して、そのうちの2,3,4,5−テトラヒドロピリジンをピペリジンに変換することにより、得られた精製した1,5−ペンタンジアミン中に不純物として含まれる2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの含有量が0.05wt%未満、さらに0.03wt%未満となり、質の高い1,5−ペンタンジアミン製品が得られ、ナイロンのような重合体を製造する上での1,5−ペンタンジアミン単量体に対する厳しい要求を満たす。
本発明は、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを提供することと、還元反応により前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを処理して、精製した1,5−ペンタンジアミンを得ることとを含む、1,5−ペンタンジアミンの精製方法を提供する。
本発明において、前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミンは、不純物して2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを含む。
本発明において、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンは、還元処理を経て、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンが還元されてピペリジンとなり、ピペリジンと1,5−ペンタンジアミンとは沸点の差が比較的大きいため、その後の蒸留過程で両者を容易に分離することができ、精製した1,5−ペンタンジアミン中でピペリジンの1,5−ペンタンジアミンに対する含有量を0.05wt%超えずに制御し、好ましくは0.03wt%超えずに制御し、なお、当該含有量は、重量百分率含有量であり、精製した1,5−ペンタンジアミン中の1,5−ペンタンジアミンの重量を基準としたものである。ピペリジンは、不飽和結合を有していないため、実際の生産中でペンタンジアミンのその後の重合プロセスに対して大きな影響を与えないので、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンをピペリジンに変換することも実際の生産にも意義がある。
本発明において、精製しようとする、不純物として2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを含む1,5−ペンタンジアミンは、不純物として2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを含有する1,5−ペンタンジアミン、1,5−ペンタンジアミンの有機溶液、または1,5−ペンタンジアミンの水溶液である。具体的には、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンは、1,5−ペンタンジアミン塩を含有する溶液を、アルカリ化し、さらに、抽出する、又は蒸発することにより得られるものであってもよい。溶媒及び水を除く1,5−ペンタンジアミンの含有量は99%以上である。
本発明の精製しようとする1,5−ペンタンジアミンの由来は限定されるものではない。精製しようとする1,5−ペンタンジアミンは、化学的方法により製造してもよい。例えば、須山正ら(リジンの脱炭酸方法(第4版),薬学雑誌(アミノ酸の脱炭酸(第4報),薬学雑誌),Vol.85(6),p531−533,1965)は、リジンを、テトラリン過酸化物(Tetralin peroxide)を含有するシクロヘキサノールで煮沸することによりペンタンジアミンを製造することを提案した。特開昭60−23328は2−シクロビニルエステル類のビニルケトン類化合物を触媒とし、リジンを原料に用いてペンタンジアミンを製造する方法を開示している。ペンタンジアミンは、生物的方法により製造してもよい。例えば、リジンにペンタンジアミン脱炭酸酵素を作用、反応させることにより酵素変換反応溶液を得、さらに1,5−ペンタンジアミンを抽出することが挙げられる(JP200400114Aをご参照)。または、例えば、遺伝子技術により、リジンを生産できる菌株でリジン脱炭酸酵素の発現を増加させるか、またはリジン脱炭酸酵素を組換え発現させることで、発酵過程で生成したリジンを同時にペンタンジアミンに変換し、ペンタンジアミン発酵液を直接に発酵し得る (1,5−ペンタンジアミンを一段法により生産するコリネバクテリウム・グルタミカムの遺伝子工学用菌の構築,牛涛等,中国生物工程雑誌,2010,30(8):93−99をご参照)。
本発明の精製しようとする1,5−ペンタンジアミンの製造方法は特に限定されるものではなく、従来方法の何れかを用いても良い。例えば、アルカリをペンタンジアミン塩溶液に加えてpH調整した後、ペンタンジアミンを溶媒により抽出してから、溶媒とペンタンジアミンとを分離させる溶媒法(JP200400114A,JP2004222569A、CN101981202Aを参照)が挙げられる。例えば、ペンタンジアミン塩溶液とアルカリを混合して、ペンタンジアミン相と水相を得てから、ペンタンジアミン相からペンタンジアミンを分離する沈殿法(JP2009096796A、JP2009131239Aを参照)が挙げられる。例えば、アルカリをペンタンジアミン塩溶液に添加してpH調整した後、ナノ濾過膜により濾過することで、塩を除去してペンタンジアミン水溶液を単離する膜濾過法(CN101970393A)が挙げられる。または、例えば、ペンタンジアミンを反応させて得られた分離しやすい化合物を、体系から分離した後、分離した物をペンタンジアミンに還元する反応法(CN102712569A,CN102056889Aを参照)が挙げられる。また、CN101356151Aは、十分な量のアンモニア又はヒドラジンをペンタンジアミン塩に加えて、ペンタンジアミンとアンモニア/ヒドラジンの液相、及び無機塩の固相を形成し、さらに、ペンタンジアミンを分離して抽出することを開示している。
本発明の精製しようとするペンタンジアミンの抽出又は製造方法は特に限定されるものではない。例えば、特許PCT/CN2013/071044、PCT/CN2013/071045、JP2009096796A、JP2009131239Aなどに記載の方法を利用することができる。
本発明において、1,5−ペンタンジアミンを溶解したり、抽出する有機溶媒とは、1,5−ペンタンジアミンと反応しなく、化学的水素化還元過程で不活性を保ち、且つ1,5−ペンタンジアミンに対し一定の溶解性を有する化学溶媒を意味する。通常の化学溶媒としては、アルコール類溶媒であってもよく、例えばエタノール、ブタノール等の有機溶媒が挙げられる。
本発明の還元反応に用いられる還元方式は限定されるものではない。化学の還元剤による還元反応であってもよく、電気化学的還元による還元反応であってもよい。還元剤としては、例えばNa、Al、Zn、Feなどの活発な金属の単体、水素化アルミニウムリチウムLiAlH、水素化ホウ素ナトリウムNaBH、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素カリウムKBHなどの金属水素化物、H、C、Siなどの還元性を有する非金属元素の単体、Li、Na、Kなどのアルカリ金属の単体、CO、SO、Hなどの還元性を有する酸化物、HS、NH、HCl、CHなどの非金属水素化物、NaSO、FeSOなどの還元性を有する塩、及び、塩化スズSnCl、シュウ酸H、エタノールCOHなどの還元性を有するその他の物質が挙げられるが、これらに限らない。
本発明の一実施形態において、前記還元剤は水素ガスとする。具体的には、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンと水素ガスとを、触媒を充填した固定床に流通させてもよいし、または精製しようとする1,5−ペンタンジアミンと水素ガスとを、触媒が組み込まれた流動床反応器内で反応させてもよい。本発明の別の実施形態において、前記還元剤は金属水素化物とする。2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを除去するために、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを金属水素化物と混合して加熱し、ここで、金属水素化物としては、NaBH、KBH、LiAlHが挙げられるが、これらに限らなく、その物質量は精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの物質量の1〜2倍である。
本発明において、金属水素化物の還元反応プロセスの条件は以下の通りである。金属水素化物の投入量は1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの含有量で決まり、その物質量は前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの物質量の1〜2倍である。反応温度は0〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲とし、温度が高すぎる場合、反応が速く進む可能性があるが、副反応が発生してペンタンジアミン中の不純物が増加する。反応時間は0.5〜1時間とする。
本発明において、金属還元剤の共溶媒として、金属水素化物の重量に対して1%〜15%の水、アルコールなどのプロトン性溶媒を添加することができる。
本発明において、還元反応終了後に、蒸留し続けることにより、さらに反応生成物を除去して、1,5−ペンタンジアミンを精製してもよい。蒸留ステップは、減圧蒸留、フラッシュ蒸留、精留のうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、還元剤が水素ガスである場合、固定床による水素化又は流動床による水素化の手法を用いることができ、触媒は、ニッケル系触媒、白金系触媒、または、触媒水素化反応に適したその他のものであってもよい。本発明は、ニッケル系触媒が好ましい、担体型ニッケル系触媒がさらに好ましい。ここで、担体は、アルミニウム又はアルミナであってもよいく、例えば珪藻土といった天然の鉱物類であってもよく、例えば活性炭といった吸着剤類であってもよい。
本発明において、固定床による触媒的水素化精製のプロセスは、水素ガス圧力が0.5〜10MPaで水素化精製反応温度が40〜110℃である条件が好ましい。
本発明において、流動床による触媒的水素化精製のプロセスは、水素ガス圧力が0.5〜15MPaで水素化精製反応温度が40〜110℃で、精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の1,5−ペンタンジアミンの重量を基準とした触媒の添加量が0.1wt%〜5wt%である条件が好ましい。
本発明において、不純物である2,3,4,5−テトラヒドロピリジは化学的還元反応により飽和ピペリジンとなり、1,5−ペンタンジアミンに不純物として含まれる2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの含有量を0.1wt%以下、好ましくは0.05wt%以下、より好ましくは0.03wt%以下、さらに好ましくは0.01wt%以下に低下させて、ナイロン重合への2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの危害を解消した。還元反応で生成したピペリジンはその後の精留過程で1,5−ペンタンジアミンと分離することができ、また不飽和結合を有しないピペリジンのナイロン重合へ及ぼす影響は2,3,4,5−テトラヒドロピリジンよりもはるかに小さく、且つ、この過程で1,5−ペンタンジアミン製品が消費されなく、スラグも生成しない。本発明によれば、低いコストで、効率に不純物を除去でき、質の高い精製した1,5−ペンタンジアミン製品が得られる。
本発明における還元方法としては、不純物である2,3,4,5−テトラヒドロピリジンをピペリジンに変換した後、さらに、得られた前記精製したペンタンジアミンから、変換されたピペリジンを除去してもよく、または、ピペリジンを除去せずに当該ペンタンジアミンを直接に後続プロセスに付しても良い。ピペリジンを除去する方法としては、イオン交換樹脂、活性炭吸着、抽出、又は蒸留抽出を採用する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。上述のピペリジンを除去する方法は、単独で1回のみ用いても良く、単独で又は組み合わせて2回以上用いても良い。
本発明の金属還元剤は直接に水素源として供給することができ、余分な触媒なくしてもイミンを容易にアミンまで還元することができ、反応条件が温和であり、プロセスが簡潔であり、操作が簡単であり、工業的な大量生産に適用したものである。
以下、本発明の特徴及び優位をより明確にするように、本発明を具体的な実施例により詳細に説明するが、本発明は本文に提供される実施例に限らない。
ここで、下記の実施例において、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンは、抽出法又は蒸留により製造することができる。具体的には、特許PCT/CN2013/071044、PCT/CN2013/071045、JP2009096796A 、JP2009131239A等を参照することができる。
実施例で用いられる発酵液の製造方法は、特許PCT/CN2013/071044、PCT/CN2013/071045、JP2009096796A、JP2009131239Aなどを参照することができる。
本明細書で例示されている実施例及び比較例において、以下のような測定方法が用いられる。
1、ペンタンジアミンガスクロマトグラフ(GC)
ペンタンジアミンと2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの検出方法としては、CN102782146Aを参照し、ガスクロマトグラフの正規化方法を用いる。
2、ナイロンの色の検出方法
GB−T2409−1980に従い、KONICA MINOLTA CM−3600A装置を用いる。
実施例1
攪拌機、温度計を有する500mLの丸底フラスコに、有機不純物として2,3,4,5−テトラヒドロピリジン(THP)を500mg(6mmol,0.2wt%,精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の1,5−ペンタンジアミンの重量に基づく)含む、質量濃度が99%の精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを250g添加してから、この丸底フラスコにNaBHを240mg(6mmol)添加し、フラスコ内の溶液の温度を5〜10℃に制御し、攪拌下で1時間反応させた後、少量の水を加えて反応をクエンチさせた。
化学的還元反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.41%であり、THP含有量が0.06wt%であり、ピペリジン含有量が0.16%(正規化法)であることが示された。
上述の還元された1,5−ペンタンジアミン溶液を精留し、さらに、1,5−ペンタンジアミンと不純物であるピペリジンとを分離して、精製した1,5−ペンタンジアミンが得られた。
精製した1,5−ペンタンジアミンをGCにより検出した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.86wt%であり、THP含有量が0.06wt%であり、ピペリジン含有量が0.05%(正規化法)であることが示された。
実施例2
攪拌機、温度計を有する500mLの丸底フラスコに、有機不純物としてTHPを500mg(6mmol,0.2%)含む、質量濃度が99%の精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを250g添加してから、この丸底フラスコにメタノール25ml、NaBH240mg(6mmol)を添加し、フラスコ内の溶液の温度を0〜10℃に制御し、攪拌下で1時間反応させた後、少量の水を加えて反応をクエンチさせた。
化学的還元反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.46%であり、THP含有量が0.05wt%であり、ピペリジン含有量が0.15%(正規化法)であることが示された。
上述の還元された1,5−ペンタンジアミン溶液を精留し、さらに、1,5−ペンタンジアミンと不純物であるピペリジンとを分離して、精製した1,5−ペンタンジアミンが得られた。
精製した1,5−ペンタンジアミンをGCにより検出した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.89%であり、THP含有量が0.05%であり、ピペリジン含有量が0.02%(正規化法)であることが示された。
実施例3
攪拌機、温度計を有する500mLの丸底フラスコに、有機不純物としてTHPを500mg(6mmol,0.2%)含む、質量濃度が99%の精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを250g添加してから、この丸底フラスコに精製水30ml、NaBH240mg(6mmol)を添加し、反応温度を10〜15℃に制御し、攪拌下で0.5時間反応させた後、少量の水を加えて反応をクエンチさせた。
化学的還元反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.32%であり、THP含有量が0.04%であり、ピペリジン含有量が0.15%(正規化法)であることが示された。
上述の還元された1,5−ペンタンジアミン溶液を精留し、さらに、1,5−ペンタンジアミンと不純物であるピペリジンとを分離して、精製した1,5−ペンタンジアミンが得られた。
精製した1,5−ペンタンジアミンをGCにより検出した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.91%であり、THP含有量が0.04%であり、ピペリジン含有量が0.01%(正規化法)であることが示された。
実施例4
攪拌機、温度計を有する500mLの丸底フラスコに、有機不純物としてTHPを500mg(6mmol,0.2wt%)含む、質量濃度が99%の精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを250g添加してから、この丸底フラスコにNaBHを480mg(12mmol)添加し、15〜20℃で、攪拌下で0.5時間反応させた後、少量の水を加えて反応をクエンチさせた。
化学的還元反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.36%であり、THP含有量が0.05%であり、ピペリジン含有量が0.14%(正規化法)であることが示された。
上述の還元された1,5−ペンタンジアミン溶液を精留し、さらに、1,5−ペンタンジアミンと不純物であるピペリジンとを分離して、精製した1,5−ペンタンジアミンが得られた。
精製した1,5−ペンタンジアミンをGCにより検出した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.90%であり、THP含有量が0.05%であり、ピペリジン含有量が0.01%(正規化法)であることが示された。
実施例5
攪拌機、温度計を有する500mLの丸底フラスコに、有機不純物としてTHPを500mg(6mmol,0.2wt%)含む、質量濃度が99%の精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを250g添加してから、この丸底フラスコにLiAlHを228mg(6mmol)添加し、20〜25℃で、攪拌下で1時間反応させた後、少量の水を加えて反応をクエンチさせた。
化学的還元反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.45%であり、THP含有量が0.03%であり、ピペリジン含有量が0.16%(正規化法)であることが示された。
上述の還元された1,5−ペンタンジアミン溶液を精留し、さらに、1,5−ペンタンジアミンと不純物であるピペリジンとを分離して、精製した1,5−ペンタンジアミンが得られた。
精製した1,5−ペンタンジアミンをGCにより検出した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.87%であり、THP含有量が0.03%であり、ピペリジン含有量が0.03%(正規化法)であることが示された。
実施例6
特許CN101981202Aに記載の抽出プロセスに従って製造して得られたペンタンジアミンのブタノール溶液(ペンタンジアミン含有量6wt%)を、精留装置に通してブタノールを留去し、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンが得られた。1,5−ペンタンジアミン含有量が98%であり、THP含有量が0.21%であった。
ニッケル系担体型触媒(CRI国際会社、KL6565)を100ml取り、内径20mm、長さ720mmのステンレス反応器の中部に充填し、反応器の下部に、支持層として20〜40メッシュの珪砂を添加し、反応器の上部に20〜40メッシュの珪砂を少量添加して液体の分布を調節した。電気加熱により温度を自動制御した。触媒活性化後、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを水素ガスと混合し、触媒床層を上から下へ向いて通過させ、反応器では水素ガス圧力を3MPa(ゲージ圧)に制御し、反応温度を50〜80℃とし、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンの供給流量を200ml/hとして、触媒的水素化反応が生じて、精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンがピペリジンに変換された。
上述の反応器で反応させた後、反応器の出口から流出した反応生成物を冷却して液体にし、ガスクロマトグラフィーにより定量化した。
触媒的水素化反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.51%であり、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン含有量が0.006%であり、ピペリジン含有量が0.23%であることが示された(正規化法)。
実施例7
特許CN101981202Aに記載の抽出プロセスに従って製造して得られたペンタンジアミンのブタノール溶液(ペンタンジアミン含有量6wt%)を、精留装置に通してブタノールを留去し、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンが得られた。1,5−ペンタンジアミン含有量が98%であり、THP含有量が0.21%であった。
パラジウム系担体型触媒(CRI国際会社、KL7767)を100ml取り、内径20mm、長さ720mmのステンレス反応器の中部に充填し、反応器の下部に、支持層として20〜40メッシュの珪砂を添加し、反応器の上部に20〜40メッシュの珪砂を少量添加して液体の分布を調節した。電気加熱により温度を自動制御した。触媒活性化後、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを水素ガスと混合し、触媒床層を上から下へ向いて通過させ、反応器では水素ガス圧力を0.5MPa(ゲージ圧)に制御し、反応温度を100〜110℃とし、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンの供給流量を50ml/hとして、触媒的水素化反応が生じて、精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンがピペリジンに変換された。
上述の反応器で反応させた後、反応器の出口から流出した反応生成物を冷却して液体にし、ガスクロマトグラフィーにより定量化した。
触媒的水素化反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.52%であり、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン含有量が0.003%であり、ピペリジン含有量が0.20%であることが示された(正規化法)。
実施例8
特許CN101981202Aに記載の抽出プロセスに従って製造して得られたペンタンジアミンのブタノール溶液(ペンタンジアミン含有量6wt%)を、精留装置に通してブタノールを留去し、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンが得られた。1,5−ペンタンジアミン含有量が98%であり、THP含有量が0.21%であった。
パラジウム系担体型触媒(CRI国際会社、KL7767)を100ml取り、内径20mm、長さ720mmのステンレス反応器の中部に充填し、反応器の下部に、支持層として20〜40メッシュの珪砂を添加し、反応器の上部に20〜40メッシュの珪砂を少量添加して液体の分布を調節した。電気加熱により温度を自動制御した。触媒活性化後、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを水素ガスと混合し、触媒床層を上から下へ向いて通過させ、反応器では水素ガス圧力を10MPaに制御し、反応温度を40〜60℃とし、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンの供給流量を600ml/hとして、触媒的水素化反応が生じて、精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンがピペリジンに変換された。
上述の反応器で反応させた後、反応器の出口から流出した反応生成物を冷却して液体にし、ガスクロマトグラフィーにより定量化した。
触媒的水素化反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.47%であり、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン含有量が0.004%であり、ピペリジン含有量が0.20%であることが示された(正規化法)。
実施例9
特許CN101981202Aに記載の抽出プロセスに従って製造して得られたペンタンジアミンのブタノール溶液(ペンタンジアミン含有量6wt%)を、精留装置に通してブタノールを留去し、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンが得られた。1,5−ペンタンジアミン含有量が98%であり、THP含有量が0.21%であった。
5Lの高圧反応釜内に、上述のペンタンジアミン液体2L、活性化したラネーニッケル触媒(中国錦州市触媒場)1.6gを加え、反応釜では水素ガスを12MPa(ゲージ圧)に制御し、反応温度を105〜110℃とし、攪拌し、6時間反応させた後、触媒を沈殿させて分離して、ペンタンジアミン溶液が得られた。得られた製品をガスクロマトグラフィーにより定量化した。
触媒的水素化反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.51%であり、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン含有量が0.01%であり、ピペリジン含有量が0.18%であることが示された(正規化法)。
実施例10
特許CN101981202Aに記載の抽出プロセスに従って製造して得られたペンタンジアミンのブタノール溶液(ペンタンジアミン含有量6wt%)を、精留装置に通してブタノールを留去し、精製しようとする1,5−ペンタンジアミンが得られた。1,5−ペンタンジアミン含有量が98%であり、THP含有量が0.21%であった。
5Lの高圧反応釜内に、上述のペンタンジアミン液体2L、活性化したラネーニッケル触媒(中国錦州市触媒場)90g及び活性化したパラジウム系担体型触媒(CRI国際会社、KL7767)10gを加え、反応釜では水素ガスを12MPa(ゲージ圧)に制御し、反応温度を45℃とし、攪拌し、2時間反応させた後、触媒を沈殿させて分離して、ペンタンジアミン溶液が得られた。得られた製品をガスクロマトグラフィーにより定量化した。
触媒的水素化反応後の溶液中の1,5−ペンタンジアミンを採取して分析した結果、1,5−ペンタンジアミンの純度が99.51%であり、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン含有量が0.007%であり、ピペリジン含有量が0.19%であることが示された(正規化法)。
比較例1
攪拌機、温度計を有する500mLの丸底フラスコに、有機不純物としてTHPを500mg(6mmol,0.2%)含む、質量濃度が99%の1,5−ペンタンジアミンを250g添加した。
応用例
100Lのほうろう製塩化釜を、真空抽引して窒素ガスを充填することによりその中の空気を3回置換し、窒素ガスで保護し、塩化釜に1,5−ペンタンジアミン水溶液40kgを添加し、攪拌下で、溶液を60℃まで加熱し、この溶液にアジピン酸(中国石油遼陽石油化工公司,以下同じ)を加えてpHを7.5に調節して、ペンタンジアミンアジピン酸ナイロン塩溶液が得られた。
100Lの重合釜の空気を窒素ガスで置換し、ナイロン塩溶液を重合釜に移し、油浴の温度を230℃まで上昇させ、釜内の圧力が1.73MPaまで上がった際に気体を排出し始め、釜内の温度が265℃に達したとき、−0.06MPa(真空ゲージ圧)となるまで真空抽引し、この真空度を20min維持して、対応するナイロンが得られた。
重合釜内に、窒素ガスを圧力が0.5MPaとなるまで充填し、材料を溶融させて出し始め、造粒機により造粒した。80℃で8時間真空乾燥させた後に検出した。
実施例1−10及び比較例1で得られた1,5−ペンタンジアミンを用いて上述の方法によりポリアミドを製造し、得られたポリアミドの黄変度を検出した。その結果を表1に示す。
表1には、本発明の実施例及び比較例で得られた1,5−ペンタンジアミン中のTHP含有量、及び上述の1,5−ペンタンジアミンを原料として製造したナイロンの黄変度を示している。表1の記載から明らかなように、本発明の精製方法によれば、1,5−ペンタンジアミン中のTHP含有量を0.06%以内に制御することができ、ナイロンの黄変度は6以下である。還元反応の触媒として水素ガスを用いる場合、THP含有量を0.007%以内に制御することさえでき、ナイロンの黄変度が1前後となり、比較例に較べ、黄変度が大幅に減少し、品質が明らかに改善された。
特に定義されない限り、本発明の明細書で用いられる技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同様の意味を有している。
本発明の実施形態は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。当業者は、本発明の範囲から離れることなく様々な置換、変更及び改進が可能である。従って、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (15)

  1. 精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを提供することと、還元反応により前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミンを処理して、精製した1,5−ペンタンジアミンを得ることとを含む、1,5−ペンタンジアミンの精製方法。
  2. 前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミンは不純物として2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記精製した1,5−ペンタンジアミン中に不純物として含まれる2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの含有量は0.05wt%未満である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記精製した1,5−ペンタンジアミン中に不純物として含まれる2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの含有量は0.03wt%未満である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記精製した1,5−ペンタンジアミンにピペリジンが含まれる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記精製した1,5−ペンタンジアミン中のピペリジンの含有量が0.05wt%未満となるように、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンを還元して生成したピペリジンを除去する蒸留ステップをさらに含み、前記含有量は、前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の1,5−ペンタンジアミンの重量を基準としたものである、請求項2に記載の方法。
  7. 前記精製した1,5−ペンタンジアミン中のピペリジンの含有量は0.03wt%未満である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記還元反応は、電気化学的還元方法、または還元剤を用いて還元する方法を含み、前記還元剤は水素ガスまたは金属水素化物である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記金属水素化物は、NaBH、KBH、LiAlHから選ばれる一種以上である、請求項8に記載の方法。
  10. 還元剤として前記金属水素化物を用いる場合、反応温度は0〜25℃とし、反応時間は0.5〜1hとし、前記金属水素化物の物質量は、前記精製しようとする1,5−ペンタンジアミン中の2,3,4,5−テトラヒドロピリジンの物質量の1〜2倍である、請求項8に記載の方法。
  11. 還元剤として前記水素ガスを用いる場合、ニッケル系触媒又は白金系触媒を同時に使用する、請求項8に記載の方法。
  12. 前記還元反応は、固定床による水素化又は流動床による水素化の手法により行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 固定床により触媒的水素化を行う場合、水素ガス圧は0.5〜12MPaとし、反応温度は40〜110℃とする、請求項12に記載の方法。
  14. 流動床により触媒的水素化を行う場合、水素ガス圧は0.5〜15MPaとし、反応温度は40〜110℃とする、請求項12に記載の方法。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の方法により製造された1,5−ペンタンジアミン。
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