JP2018202363A - 除菌水生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液の特長を生かしつつ、その除菌(殺菌)機能をより効果的に発揮させることのできる除菌水を生成する。【解決手段】除菌水生成装置1は、貯水タンク11と、貯水タンク11に貯留された水の中に所定の気体のUFBを発生させるUFB発生装置12とを有し、貯水タンク11内でUFB含有水を生成するUFB含有水生成部10と、弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液の原液を貯留する原液貯留部20と、UFB含有水生成部10で生成された前記UFB含有水と原液貯留部20から供給された前記原液とを混合して除菌水を生成する混合部30と、混合部30で生成された前記除菌水を外部に導出するための除菌水導出管L5と、を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、次亜塩素酸ナトリウムを有効成分とした除菌水(殺菌水を含む)を生成する除菌水生成装置に関する。
従来から、食品業界などにおいては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液が殺菌水として使用されている。次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる殺菌水は、pH調整によって液性を弱酸性にすることで高い殺菌効果が得られることが知られており、一般的には、次亜塩素酸ナトリウムを添加した水と塩酸を添加した水とを混合することによって生成される(特許文献1、2等)。
ところで、出願人は、上述のような従来の一般的な次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる殺菌水とは液性が異なる弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる除菌水を商品化している。前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次のような特長を有している。すなわち、pH値(水素イオン指数)の経時変化がほとんどなく、通常の保管条件下で有効塩素濃度が長期間(1年以上)にわたって維持され得る。また、刺激臭や塩素臭がほとんどない。さらに、口や目や鼻に入ったり、皮膚に直接触れたりしても安全である。なお、前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、安定型アルカリ次亜水と称される場合もある。
前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、それ自体で優れた除菌(殺菌)機能を有するものではあるが、その除菌(殺菌)機能をより効果的に発揮させるための改良が求められている。
本発明者は、前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液にUFBを含有させると、前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液の特性等を害することなく、UFBを含有しない場合に比べて有効塩素濃度を低下させた場合であっても十分な除菌(殺菌)効果が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明の一側面によると、除菌水生成装置は、水を貯留する水貯留部と、前記水貯留部に貯留された水の中に所定の気体のウルトラファインバブル(UFB)を発生させるUFB発生部とを有し、前記水貯留部内でUFB含有水を生成するUFB含有水生成部と、弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液の原液を貯留する原液貯留部と、前記UFB含有水生成部で生成されたUFB含有水と前記原液貯留部から供給された前記原液とを混合してUFBを含有した弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる除菌水を生成する混合部と、前記混合部で生成された除菌水を外部に導出する除菌水導出部と、を含む。
本発明によれば、前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液の特長を生かしつつ、その除菌(殺菌)機能をより効果的に発揮させることのできる除菌水を生成することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る除菌水生成装置の概略構成図である。実施形態に係る除菌水生成装置1は、ウルトラファインバブル(以下「UFB」という)を含有した弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる除菌水を生成し、生成した前記除菌水を外部に導出(供給)するように構成されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る除菌水生成装置の概略構成図である。実施形態に係る除菌水生成装置1は、ウルトラファインバブル(以下「UFB」という)を含有した弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる除菌水を生成し、生成した前記除菌水を外部に導出(供給)するように構成されている。
図1に示されるように、除菌水生成装置1は、UFB含有水を生成するUFB含有水生成部10と、弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の原液を貯留する原液貯留部20と、UFB含有水生成部10で生成されたUFB含有水と原液貯留部20から供給された前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液とを混合して前記除菌水を生成する混合部30と、を含む。
UFB含有水生成部10は、貯水タンク(水貯留部)11と、UFB発生装置(UFB発生部)12と、を有する。UFB含有水生成部10は、貯水タンク11に貯留された水の中にUFBを発生させることによって貯水タンク11内でUFB含有水を生成する。
貯水タンク11は、給水源WSから給水管L1を介して供給された水を貯留するように構成されている。本実施形態において、給水源WSは、純水(RO−イオン交換水)を貯留する給水タンク(図示省略)である。また、給水管L1には、第1ポンプP1及び第1電磁弁V1が配設されている。
UFB発生装置12は、貯水タンク11に貯留された水(以下「タンク貯留水」という)の中に所定の気体のUFBを発生させる装置である。本実施形態において、UFB発生装置(UFB発生部)12は、貯水タンク11内に配置された気体放出ヘッド121と、気体放出ヘッド121に前記所定の気体を供給する気体供給部122と、気体放出ヘッド121に振動を印加する振動印加部123と、を有する。
気体放出ヘッド121は、セラミックなどの多孔質材料で形成されている。気体放出ヘッド121は、内部空間を有する。また、気体放出ヘッド121には、前記内部空間と外部とを連通させる孔径が2.5[μm]以下(好ましくは、0.1〜2.5[μm])の多数の微細孔が形成されている。気体放出ヘッド121は、気体供給部122から前記内部空間に前記所定の気体が供給されると、前記多数の微細孔から前記所定の気体を前記タンク貯留水中に放出する。
気体供給部122は、前記所定の気体が充填されたガスタンク122aと、ガスタンク122aと気体放出ヘッド121とを接続する接続管L2と、接続管L2に設置された第2電磁弁V2とを有する。気体供給部122は、第2電磁弁V2が開かれると、接続管L2を介してガスタンク122a内の前記所定の気体を気体放出ヘッド121に供給するように構成されている。なお、気体供給部122は、第2電磁弁V2に開度に応じて、気体放出ヘッド121への前記所定の気体の供給量を調整可能である。
前記所定の気体は、特に制限されるものではないが、例えば、空気、酸素、炭酸ガス若しくは窒素又はこれらの任意の混合物(混合気体)であり得る。本実施形態においては、酸素、炭酸ガス及び窒素が所定の割合で混合された混合ガスが前記所定の気体として採用されており、当該混合ガス(酸素+炭酸ガス+窒素)がガスタンク122aに充填されている。また、本実施形態において、ガスタンク122aは、いわゆるカートリッジとして形成されており、充填した前記混合ガスがなくなった場合に、新品のガスタンク122aに交換可能に構成されている。
振動印加部123は、振動子123aと、図示省略の高周波変換回路とを有する。本実施形態においては、2つの金属ブロックで圧電素子を挟持した構成を有するランジュバン型振動子が振動子123aとして用いられている。振動子123aは、前記2つの金属ブロックの一方が貯水タンク11の内底部に固定され、前記2つの金属ブロックの他方の上面(振動放射面)に気体放出ヘッド121が載置され固定されている。本実施形態において、振動印加部123(振動子123a)は、周波数が30000[Hz]以上かつ振幅が1[mm]以下である振動を気体放出ヘッド121に印加するように構成されている。
ここで、本実施形態においては、(気体放出ヘッド121の1つの微細孔から放出される気体の放出量[μm3/分])/(振動印加部の振動周波数[Hz])≦300となるように、気体放出ヘッド121への前記所定の気体(ここでは、前記混合ガス)の供給量が調整される。このようにすると、気体放出ヘッド121の各微細孔から前記タンク貯留水中に放出された前記混合ガスの気泡(すなわち、酸素の気泡、炭酸ガスの気泡及び窒素の気泡)が、気体放出ヘッド121に印加された振動によって微細気泡に分断され、当該微細気泡がゆっくりと収縮しながらブラウン運動を行う。この結果、前記タンク貯留水中に放出された前記混合ガスがナノサイズの微細気泡(UFB)として前記タンク貯留水中に保持される。これにより、貯水タンク11内でUFB含有水が生成される。換言すれば、前記タンク貯留水が、酸素のUFB、炭酸ガスのUFB及び窒素のUFBを含有したUFB含有水となる。
前記タンク貯留水中に保持されるUFB、すなわち、UFB含有水中のUFBは、平均粒子径が1μm以下であればよく、特に制限されるものではないが、最大頻出粒子径(モード径)が90〜500nm、好ましくは140〜250nmの微細気泡群であり得る。また、UFB含有水中のUFBの濃度は、特に制限されるものではないが、1.0×107個/mL以上、好ましくは1.0×108個/mL以上、さらに好ましくは1.0×109個/mL以上であり得る。
原液貯留部20は、比較的小容量の容器で構成されており、所定量の前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の原液を貯留する。前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の成分は、次亜塩素酸ナトリウムと純水のみであり、そのpH値は8.5〜11.5である。なお、前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の特長は、既述のとおりである。また、本実施形態において、原液貯留部20は、ガスタンク122aと同様に、いわゆるカートリッジとして形成されており、貯留する前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の原液がなくなった場合に、新品の原液貯留部20に交換可能である。
混合部30は、混合タンク31と、攪拌部材32とを有する。本実施形態において、混合タンク31は、貯水タンク11よりも小容量のタンクで構成されており、原液貯留部20の下方に配置されている。また、混合タンク31は、UFB含有水供給管L3を介してUFB含有水生成部10の貯水タンク11に接続され、原液供給管L4を介して原液貯留部20に接続されている。UFB含有水供給管L3には、第2ポンプP2及び第3電磁弁V3が配設されており、原液供給管L4には、第4電磁弁V4が配設されている。攪拌部材32は、例えば攪拌フィンであり、混合タンク31内底部に配置されている。
混合部30は、UFB含有水供給管L3を介して混合タンク31に供給されたUFB含有水と、原液供給管L4を介して混合タンク31に供給された前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の原液とを攪拌部材32によって攪拌して混合する。これにより、混合タンク31内で前記除菌水が生成される。生成される前記除菌水の有効塩素濃度は、特に制限されないが、200ppm以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。なお、攪拌部材32の動作速度は、前記UFB含有水に含有されているUFBを破壊しないように、比較的低速に設定されている。
また、混合タンク31には、混合タンク31内の前記除菌水を外部に導出するための除菌水導出管(除菌水導出部)L5が接続されている。除菌水導出管L5には、第3ポンプP3及び第5電磁弁V5が配設されている。
図2は、除菌水生成装置1の制御系構成を示す図である。
図2に示されるように、除菌水生成装置1の制御部40には、作業者等による図示省略のオペレーションパネルの操作に基づく動作指令や各種センサの検出信号などが入力される。本実施形態において、前記動作指令は、混合タンク31内の除菌水を外部に導出(供給)するための「除菌水の導出」や前記除菌水の外部への導出を停止するための「除菌水の導出の停止」などを含む。また、前記各種センサは、貯水タンク11の貯水量を検出する第1レベルセンサ51、原液貯留部20に設けられた原液残量センサ52、混合タンク31の貯水量を検出する第2レベルセンサ53、ガスタンク122aに設けられたガス残量センサ54などを含む。
図2に示されるように、除菌水生成装置1の制御部40には、作業者等による図示省略のオペレーションパネルの操作に基づく動作指令や各種センサの検出信号などが入力される。本実施形態において、前記動作指令は、混合タンク31内の除菌水を外部に導出(供給)するための「除菌水の導出」や前記除菌水の外部への導出を停止するための「除菌水の導出の停止」などを含む。また、前記各種センサは、貯水タンク11の貯水量を検出する第1レベルセンサ51、原液貯留部20に設けられた原液残量センサ52、混合タンク31の貯水量を検出する第2レベルセンサ53、ガスタンク122aに設けられたガス残量センサ54などを含む。
そして、制御部40は、前記動作指令及び/又は前記各種センサの検出信号に基づいて除菌水生成装置1の動作を制御する。具体的には、本実施形態において、制御部40は、第1電磁弁V1、第1ポンプP1、UFB発生装置12(第2電磁弁V2、振動印加部123)、第3電磁弁V3、第2ポンプP2、第4電磁弁V4、攪拌部材32、第5電磁弁V5及び第3ポンプP3を適宜制御する。
以下、制御部40が実行する制御の具体例を説明する。なお、以下の説明において、第1〜第5電磁弁V1〜V5は、通常、閉じられているものとする。また、基本的には、「除菌水の外部への導出」と「除菌水の生成」とは同時に行われないものとし、「UFB含有水の生成」と「除菌水の生成」とは同時に行われないものとする。
[除菌水の外部への導出]
作業者等が前記オペレーションパネルにおいて「除菌水の導出」を選択すると、制御部40は、第5電磁弁V5を開くと共に第3ポンプP3を作動させる。これにより、混合タンク31内の前記除菌水が除菌水導出管L5を介して外部に導出される。そして、制御部40は、作業者等が前記オペレーションパネルにおいて「除菌水の導出の停止」を選択すると、第5電磁弁V5を閉じると共に第3ポンプP3を停止させる。
作業者等が前記オペレーションパネルにおいて「除菌水の導出」を選択すると、制御部40は、第5電磁弁V5を開くと共に第3ポンプP3を作動させる。これにより、混合タンク31内の前記除菌水が除菌水導出管L5を介して外部に導出される。そして、制御部40は、作業者等が前記オペレーションパネルにおいて「除菌水の導出の停止」を選択すると、第5電磁弁V5を閉じると共に第3ポンプP3を停止させる。
[UFB含有水の生成]
制御部40は、第1レベルセンサ51の検出信号に基づいて貯水タンク11の貯水量を監視し、貯水タンク11の貯水量(すなわち、UFB含有水の貯留量)が減少すると、第1電磁弁V1、第1ポンプP1及びUFB発生装置12を制御してUFB含有水の生成を行う。
制御部40は、第1レベルセンサ51の検出信号に基づいて貯水タンク11の貯水量を監視し、貯水タンク11の貯水量(すなわち、UFB含有水の貯留量)が減少すると、第1電磁弁V1、第1ポンプP1及びUFB発生装置12を制御してUFB含有水の生成を行う。
具体的には、図3に示されるように、制御部40は、貯水タンク11の貯水量が第1閾値を下回ると(ステップS1:YES)、第1電磁弁V1を開くと共に第1ポンプP1を作動させる(ステップS2)。これにより、給水源WSから貯水タンク11への給水が開始される。そして、制御部40は、貯水タンク11の貯水量が貯水タンク11の上限値になると(ステップS3:YES)、第1電磁弁V1を閉じると共に第1ポンプP1を停止させる(ステップS4)。前記第1閾値は、貯水タンク11の前記上限値よりも小さい値であればよく、任意に設定可能である。但し、常に混合タンク31に十分な量のUFB含有水を供給できるようにするため、前記第1閾値は、混合タンク31の容量以上の値に設定されるのが好ましい。
次に、制御部40は、給水源WSから貯水タンク11への給水量を算出する(ステップS5)。具体的には、制御部40は、貯水タンク11の前記上限値から貯水タンク11への給水開始時の貯水タンク11の貯水量を減算して前記給水量を算出する。このように前記給水量を算出するのは、本実施形態ではUFB含有水の生成と除菌水の生成とが同時に行われないため、貯水タンク11の貯水量が前記第1閾値まで低下した時点で給水源WSから貯水タンク11への給水が開始されない場合があることを考慮したものである。
次に、制御部40は、算出された前記給水量に基づいて第2電磁弁V2の目標開度を設定する(ステップS6)。前記目標開度は、基本的には、前記給水量が多いほど大きな値に設定される。
なお、前記上限値から前記第1閾値を減算した値を前記給水量としてもよい。この場合には前記目標開度もあらかじめ設定されるので、ステップS5、S6が省略され得る。
次に、制御部40は、UFB発生装置12を作動させる(ステップS7)。すなわち、制御部40は、第2電磁弁V2を前記目標開度まで開いてガスタンク122a内の前記混合気体を気体放出ヘッド121に供給する共に、振動印加部123(振動子123a)を作動させて気体放出ヘッド121に振動を印加する。
そして、UFB発生装置12の作動開始から所定時間が経過すると(ステップS8:YES)、制御部40は、第2電磁弁V2を閉じると共に振動印加部123の作動を停止させてUFB発生装置12を停止させる(ステップS9)。これにより、貯水タンク11内でUFB含有水が生成され、除菌水生成装置1の稼働中、貯水タンク11内には、常時、所定量以上のUFB含有水が貯留されていることになる。
[除菌水の生成]
制御部40は、第2レベルセンサ53の検出信号に基づいて混合タンク31の貯水量を監視し、混合タンク31の貯水量(すなわち、除菌水の貯留量)が減少すると、第3電磁弁V3、第2ポンプP2、第4電磁弁V4及び攪拌部材32を制御して除菌水の生成を行う。
制御部40は、第2レベルセンサ53の検出信号に基づいて混合タンク31の貯水量を監視し、混合タンク31の貯水量(すなわち、除菌水の貯留量)が減少すると、第3電磁弁V3、第2ポンプP2、第4電磁弁V4及び攪拌部材32を制御して除菌水の生成を行う。
具体的には、図4に示されるように、制御部40は、混合タンク31の貯水量が第2閾値を下回ると(ステップS11:YES)、第3電磁弁V3を開くと共に第2ポンプP2を作動させる(ステップS12)。これにより、貯水タンク11から混合タンク31へのUFB含有水の供給が開始される。そして、制御部40は、混合タンク31の貯水量が混合タンク31の上限値になると(ステップS13:YES)、第3電磁弁V3を閉じると共に第2ポンプP2を停止させる(ステップS14)。前記第2閾値は、混合タンク31の前記上限値よりも小さい値であればよく、任意に設定可能であるが、例えば混合タンク31の前記上限値の1/2の値とすることができる。
次に、制御部40は、貯水タンク11から混合タンク31へのUFB含有水供給量を算出する(ステップS15)。具体的には、制御部40は、混合タンク31の前記上限値から混合タンク31へのUFB含有水の供給開始時の混合タンク31の貯水量を減算して前記UFB含有水供給量を算出する。このように前記UFB含有水供給量を算出するのは、本実施形態ではUFB含有水の生成と除菌水の生成とが同時に行われないため、混合タンク31の貯水量が前記第2閾値まで低下した時点で貯水タンク11から混合タンク31へのUFB含有水の供給が開始されない場合があることを考慮したものである。
次に、制御部40は、算出されたUFB含有水供給量とあらかじめ設定された希釈度とに基づいて混合タンク31に供給すべき前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液の量(以下「目標原液供給量」という)を算出する(ステップS16)。
次に、制御部40は、算出された目標原液供給量に基づいて第4電磁弁V4の目標開度及び開弁時間を設定する(ステップS17)。
次に、制御部40は、第4電磁弁V4を前記目標開度まで開く(ステップS18)。これにより、原液貯留部20から混合タンク31への前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液の供給が開始される。そして、制御部40は、第4電磁弁V4を開いてから前記開弁時間が経過すると(ステップS19:YES)、第4電磁弁V4を閉じる(ステップS20)。
次に、制御部40は、攪拌部材32を所定時間動作させる(ステップS21)。これにより、混合タンク31内で前記除菌水が生成され、除菌水生成装置1の稼働中、混合タンク31内には、常時、所定量以上の前記除菌水が貯留されていることになる。
[その他の制御]
制御部40は、原液残量センサ52の検出信号に基づいて原液貯留部20内の前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液が所定量以下になったことを検出すると、図示省略の第1警告灯を点灯させて作業者等に原液貯留部20の交換を促す。また、制御部40は、ガス残量センサ54の検出信号に基づいてガスタンク122a内の前記混合ガスが所定量以下になったことを検出すると、図示省略の第2警告灯を点灯させて作業者等にガスタンク122aの交換を促す。
制御部40は、原液残量センサ52の検出信号に基づいて原液貯留部20内の前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液が所定量以下になったことを検出すると、図示省略の第1警告灯を点灯させて作業者等に原液貯留部20の交換を促す。また、制御部40は、ガス残量センサ54の検出信号に基づいてガスタンク122a内の前記混合ガスが所定量以下になったことを検出すると、図示省略の第2警告灯を点灯させて作業者等にガスタンク122aの交換を促す。
本実施形態による除菌水生成装置1によれば、UFBを含有した弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液からなる除菌水を継続的に生成し、生成した除菌水を必要に応じて外部に導出(供給)することが可能である。
なお、生成された前記除菌水は、前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液の特性等を損なうことがなく、生成後6ヶ月以上経過してもそのpH値や有効塩素濃度に変化がなく安定していることが確認されている。
また、既述のように、前記除菌水は、UFBを含有しない前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液と比べて有効塩素濃度を低下させた場合であっても十分な除菌(殺菌)効果が得られることが確認されている。このような効果が得られるのは、前記除菌水は、多数のUFBを含有することによって見かけ密度が大幅に低下し、その表面張力が低く(濡れ性が良く)なるため、微細な隙間や凹部などにも十分に浸入し得るからであると考えられる。さらに、前記除菌水は、前記弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液と同様に、刺激臭や塩素臭がほとんどなく(すなわち、ほぼ無臭であり)、口や目や鼻に入ったり、皮膚に直接触れたりしても安全である。
したがって、前記除菌水は、例えばカット野菜などの食品の除菌(殺菌)処理に好適に使用され得るものである。特に、前記除菌水は、従来に比べて有効塩素濃度を低下させることができるので、前記カット野菜などの食品の細胞破壊が抑制され、除菌処理後の変色やドリップの発生なども抑制され得る。
なお、上述の実施形態においては、給水源WSとして純水を貯留する給水タンクが用いられている。しかし、これに限られるものではない。給水源WSとして水道が用いられてもよく、この場合には、第1ポンプP1が省略されてもよい。また、貯水タンク11は、作業者等によって供給された水(水道水又は純水)を貯留するように構成されてもよい。
また、上述の実施形態において、酸素、炭酸ガス及び窒素の混合ガスが前記所定の気体として採用されており、UFB発生装置12は、前記タンク貯留水中にガスタンク122aに充填された前記混合ガスのUFB、すなわち、酸素のUFB、炭酸ガスのUFB及び窒素のUFBを発生させている。しかし、これに限られるものではない。例えば、酸素又は窒素が前記所定の気体として採用された場合には、前記混合ガスが充填されたガスタンク122aに代えて、酸素が充填されたガスタンク又は窒素が充填されたガスタンクが使用され得る。また、空気が前記所定の気体として採用された場合には、ガスタンク122aに代えて、空気を圧送するポンプが使用され得る。
さらに、UFB発生装置12は、気体ごとに設けられてもよい。例えば、UFB発生装置12は、前記タンク貯留水中に酸素のUFBを発生させる酸素UFB発生装置、前記タンク貯留水中に炭酸ガスのUFBを発生させる炭酸ガスUFB発生装置、前記タンク貯留水中に窒素のUFBを発生させる窒素UFB発生装置、及び、前記タンク貯留水中に空気のUFBを発生させる空気UFB発生装置のうちの任意の組み合わせを含んでもよい。
また、上述の実施形態において、制御部40は、貯水タンク11の貯水量が前記第1閾値を下回ると前記UFB含有水を生成するようにしている。しかし、これに限られるものではない。制御部40は、混合タンク31の貯水量が前記第2閾値を下回ると、まず前記UFB含有水の生成を行い、その後、前記除菌水の生成を行うようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、原液貯留部20がカートリッジとして形成されており、貯留する前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液がなくなった場合に新品に交換されるように構成されている。しかし、これに限られるものではなく、原液貯留部20は、作業者等によって供給(補給)された前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液を貯留するように構成されてもよい。
また、上述の実施形態においては、前記UFB含有水と前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液とが混合タンク31内で混合されて前記除菌水が生成されている。しかし、これに限られるものではない。例えば、前記UFB含有水が流れる通路の途中に混合部が設けられ、当該混合部に原液貯留部20に貯留された前記弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の前記原液が連続的に供給されるように構成されてもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態及び変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。
1…除菌水生成装置、10…UFB含有水生成部、11…貯水タンク、12…UFB発生装置、20…原液貯留部、30…混合部、31…混合タンク、32…攪拌部材、40…制御部、121…気体放出ヘッド、122…気体供給部、122a…ガスタンク、123…振動印加部、WS…給水源、V1〜V5…第1〜第5電磁弁、P1〜P3…第1〜第3ポンプ
Claims (7)
- 水を貯留する水貯留部と、前記水貯留部に貯留された水の中に所定の気体のウルトラファインバブル(UFB)を発生させるUFB発生部とを有し、前記水貯留部内でUFB含有水を生成するUFB含有水生成部と、
弱アルカリ性の安定型次亜塩素酸ナトリウム水溶液の原液を貯留する原液貯留部と、
前記UFB含有水生成部で生成された前記UFB含有水と前記原液貯留部から供給された前記原液とを混合して除菌水を生成する混合部と、
前記混合部で生成された前記除菌水を外部に導出する除菌水導出部と、
を含む、除菌水生成装置。 - 前記原液のpH(水素イオン濃度指数)が8.5〜11.5である、請求項1に記載の除菌水生成装置。
- 前記除菌水の有効塩素濃度が200ppm以下である、請求項1又は2に記載の除菌水生成装置。
- 前記混合部で生成された前記除菌水を貯留する除菌水貯留部を含み、
前記除菌水導出部は、前記除菌水貯留部内の前記除菌水を外部に導出するように構成されている、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の除菌水生成装置。 - 前記混合部と前記除菌水貯留部とが共通のタンクで構成されている、請求項4に記載の殺菌水生成装置。
- 前記UFB発生部は、前記所定の気体のUFBとして、酸素のUFB、炭酸ガスのUFB及び窒素のUFBを前記水貯留部に貯留された水の中に発生させるように構成されている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の除菌水生成装置。
- 前記UFB発生部は、
複数の微細孔を有すると共に前記水貯留部内に配置された気体放出ヘッドと、
前記気体放出ヘッドに前記所定の気体を供給する気体供給部と、
前記気体放出ヘッドに振動を印加する振動印加部と、
を有し、
前記微細孔の孔径が2.5[μm]以下であり、
前記振動印加部は、周波数が30000[Hz]以上かつ振幅が1[mm]以下の振動を前記気体放出ヘッドに印加し、
(1つの前記微細孔から放出される気体の放出量[μm3/分])/(前記振動印加部の振動周波数[Hz])≦300となるように、前記気体放出ヘッドへの前記所定の気体の供給量が調整されている、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の除菌水生成装置。
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