JP2018202334A - 海水淡水化装置及び海水淡水化方法 - Google Patents

海水淡水化装置及び海水淡水化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自然エネルギー等の利用などにより電力供給が制限された条件で運転される海水淡水化装置、及び海水淡水化方法を提供する。【解決手段】海水を取得する取水ポンプと、前記取水ポンプに接続されている海水タンクと、前記海水タンクに接続されている高圧ポンプと、前記高圧ポンプに接続され、逆浸透膜を備える淡水分離部と、スイッチ部を介して前記取水ポンプおよび前記高圧ポンプに接続されている自然エネルギー電力源と、を有しており、前記取水ポンプが稼動するときには前記高圧ポンプが休止し、前記高圧ポンプが稼動するときには前記取水ポンプが休止する。【選択図】図1

Description

本発明は、自然エネルギーの利用により電力供給が制限された条件下で運転される海水淡水化装置、及び海水淡水化方法に関するものである。
例えば、アフリカや東南アジアの沿岸地域、及び周辺島嶼国では、水源が整っていない所が多く、雨水や陸地からの輸送等で生活用水を確保しているが、常に水不足の状態にある。近年、生活用水を安全な水質で自給可能な海水淡水化の事業が進められており、当該事業における装置として、容易に運転管理及び安定運転できる逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane、以下、RO膜という)を用いた海水淡水化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記の海水淡水化装置を稼働させるためには電力が必要であるが、送電網を必要としない太陽光等の自然エネルギーによって生み出された電力を活用する試みがなされている。この自然エネルギーを主動力とした海水淡水化装置の場合、電力供給量に応じた装置の最適稼動が可能なシステムやその最適運転技術が求められており、種々検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−20010号公報 国際公開第2014/057892号
海水淡水化装置を地上に設置する際には、海水の潮の干満差と高潮による影響や、ストレーナ、またはスクリーン等で取水した海水に含まれる夾雑物を除去することを考慮しなければならない。この対策として、取水ポンプは8m以上の吐出揚程を有していることが望ましく、また、取水ポンプは夾雑物が詰まらないように、異物通過径が10mm以上であることが望ましいとされている。
陸上ポンプにより吸引して海水を汲み上げる場合、陸上ポンプを海面から十分に安全な高さを確保して設置すると、吸い上げ時に海水が負圧になることで、特に海水においては遊離ガス等の泡を発生しやすく、ポンプ運転中にしばしば揚水不能になる可能性がある。揚水不能にならない場合でも、海水中に発生する細かな気泡により、後段のRO膜装置の流量検出器の検出に悪影響を与えたり、フィルターハウジング等で成長した気泡が高圧ポンプに損傷を与えたりすることが懸念される。このため取水流量が平均50L/min以下の小水量領域で使用するには水中式の渦流ポンプを使用するケースが多いと考えられるが、軸動力0.4kW以上のポンプでなければ前述の条件(揚程8m以上、異物通過径10mm以上)を確保することが難しいのが実情である。
海水淡水化装置の取水ポンプに水中ポンプを採用する際、取水ポンプから水槽を介さずに海水を高圧ポンプに直送する場合では、取水流量の割に容量の大きな取水ポンプの吐出流量を絞り、ポンプ効率の極めて低い使用点で運転せざるを得ないことになる。また、取水ポンプにより汲み上げた海水を一旦水槽に溜める場合では、取水ポンプの運転点をポンプ効率が高い吐出流量に調整して運転することは可能であるが、いずれにしても、取水ポンプと高圧ポンプの両方を賄う電力供給が必要になることに変わりはない。このため、太陽光発電から得られる電力によりこれらを賄う場合、海水の淡水化に用いる電力だけでなく、取水に要する電力として相当な比率を確保する必要があり、太陽光発電システムをはじめとした電源システムの容量、太陽光パネルの設置スペースを大きくする要因となっている。
本発明は上記の事情に着目してなされたものであって、その目的は、自然エネルギーの利用により電力供給が制限された条件で運転される海水淡水化装置、及び海水淡水化方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討する中で、取水ポンプと高圧ポンプの間に海水を溜める水槽(海水タンク)を設け、取水ポンプと高圧ポンプを海水タンクで縁切りし、取水ポンプと高圧ポンプを交互に運転させることで取水ポンプの吐出流量の自由度を高め、それによって取水ポンプの電力効率が高くなる吐出流量を選択できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決し得た本発明の海水淡水化装置は、海水を取得する取水ポンプと、前記取水ポンプに接続されている海水タンクと、前記海水タンクに接続されている高圧ポンプと、前記高圧ポンプに接続され、逆浸透膜を備える淡水分離部と、スイッチ部を介して前記取水ポンプおよび前記高圧ポンプに接続されている自然エネルギー電力源と、を有しており、前記取水ポンプが稼動するときには前記高圧ポンプが休止し、前記高圧ポンプが稼動するときには前記取水ポンプが休止する点に特徴を有している。
上記海水淡水化装置において、前記高圧ポンプの定格出力に対する前記取水ポンプの定格出力の比が、0.3以上であることが好ましい。
上記海水淡水化装置を用いる海水淡水化方法において、前記取水ポンプにより汲み上げられた前記海水を前記海水タンクに貯留する第1ステップと、前記第1ステップで貯留された前記海水を前記高圧ポンプにより前記淡水分離部に供給し、該淡水分離部で淡水を生成する第2ステップと、を含み、前記第1ステップが終了した後、前記第2ステップが開始することが好ましい。
上記海水淡水化方法において、高圧ポンプの皮相電力に対する前記取水ポンプの皮相電力の比が0.3〜1.5であることが好ましい。
上記海水淡水化方法において、取水ポンプの吐出流量が、前記高圧ポンプの吐出流量の10倍以上であることが好ましい。
本発明の海水淡水化装置、及び海水淡水化方法によれば、取水ポンプと高圧ポンプを海水タンクで縁切りし取水ポンプと高圧ポンプを交互に運転させることによって取水ポンプの吐出流量の自由度を高め、それによって取水ポンプの電力効率(以下、単に「ポンプ効率」という場合がある)が高くなる吐出流量を選択することができる。そのため、海水淡水化装置全体の消費電力量を低く抑えることができ、太陽光発電システムをはじめとした電源システムの容量、太陽光パネルの設置スペースをコンパクトにすることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置の概略構成図の一例である。 従来の海水淡水化装置の概略構成図の一例である。 従来の海水淡水化装置で用いられる取水ポンプの性能曲線図の一例である。 本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置で用いられる取水ポンプの性能曲線図の一例である 本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置の概略構成図の他の一例である。 本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置における電源容量削減の効果を示す模式図の一例である。(a)は、従来の海水淡水化装置における電源容量を示す模式図の一例、(b)は、本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置における電源容量を示す模式図の一例である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態のみに限定されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。
図1は、本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置の概略構成図の一例である。本発明の海水淡水化装置は、太陽電池パネル等により発電した電力を駆動電力として、水中から汲み上げた海水を海水タンクに貯留させた後、当該海水を高圧ポンプによって昇圧させ、海水を淡水化する淡水分離部に供給され、続いて淡水分離部において処理され、その処理水として淡水を生成するものである。
図1に示すように、海水淡水化装置1は、海水2を取得する取水ポンプ3と、取水ポンプ3に接続されている海水タンク4と、海水タンク4に接続されている高圧ポンプ5と、高圧ポンプ5に接続されている淡水分離部6と、スイッチ部7を介して取水ポンプ3および高圧ポンプ5に接続されている自然エネルギー源8と、を有している。つまり、本発明の海水淡水化装置1は、取水ポンプ3と高圧ポンプ5の間に海水2を溜める水槽(海水タンク4)を設けることで、取水ポンプ3と高圧ポンプ5を海水タンク4で縁切りさせた構成となっている。また、取水ポンプ3と高圧ポンプ5は、スイッチ部7の切換により、取水ポンプ3が稼動する時には高圧ポンプ5が休止し、高圧ポンプ5が稼動する時には取水ポンプ3が休止するように構成されており、取水ポンプ3と高圧ポンプ5は同時に稼動することなく、例えば交互に稼動するようになっている。
上記構成について、ポンプの性能曲線を用いて以下説明する。図2は、従来の海水淡水化装置の概略構成図の一例であり、取水ポンプ103と高圧ポンプ105を交互に運転するシステムではなく、高圧ポンプ105の作動時(供給ポンプ104と同時運転)は基本的に常に取水ポンプ103が作動している。また、図3は、従来の海水淡水化装置で用いられる取水ポンプの性能曲線図の一例、図4は、本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置で用いられる取水ポンプの性能曲線図の一例である。
図2に示すとおり、従来の海水淡水化装置101の場合、取水ポンプ103から海水タンクを介さずに、海水2は高圧ポンプ105に直送されるが、この場合の取水ポンプ103は、図3に示すとおり、例えば取水流量が8.15L/min、定格出力が0.4kWであり、取水流量の割に定格出力の大きなポンプを使用する。このようなポンプを採用して高圧ポンプと同時に運転を行うと、吐出流量を8.15L/minまで絞ることになり、この時のポンプ効率は5%程度の極めて低い使用点で運転せざるを得ない。
一方、図1に示すとおり、本発明の海水淡水化装置1の場合、取水ポンプ3と高圧ポンプ5の間に海水2を溜める海水タンク4を設け、取水ポンプ3と高圧ポンプ5を交互に稼動させるものである。これにより、取水ポンプ3の吐出流量を高圧ポンプ5の取水量に依らず独立に決定することができる。そのため取水ポンプ3は、電力効率が高くなる吐出流量を選択して運転することができる。この場合の取水ポンプ3は、従来の海水淡水化装置101の取水ポンプ103と高圧ポンプ105が同時に稼動する際の高圧ポンプ105の電源容量(皮相電力)相当、または当該電源容量以下となるように設定することが好ましい。例えば、図4に示すとおり、取水ポンプ3の揚程が8m以上を確保し、吐出流量を可能な限り大きく取れるポンプとして定格出力0.75kWのポンプを選定する。このようなポンプを採用して揚程8m以上を引き出す際には、吐出流量を250L/minまで増やすことができ、この時のポンプ効率は47%程度の大きな使用点で運転させることができる。
以上説明したように、本発明の海水淡水化装置1の構成を採用することで、取水ポンプ3の吐出流量は、例えば高圧ポンプ5の吐出流量より遥かに大きくすることも可能であり、そのため、ポンプ効率の大きな使用点において取水ポンプ3を運転させることができる。
高圧ポンプ5の定格出力に対する取水ポンプ3の定格出力の比としては、0.3以上であることが好ましい。当該定格出力の比が0.3以上であれば、取水ポンプ3の定格出力を高圧ポンプ5に匹敵するレベルまで備えることができ、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.8以上が良い。また、当該定格出力の比が1.5以下であれば、高圧ポンプ5の吐出流量及び吐出揚程を損うことなく、取水ポンプ3を稼動させることができ、より好ましくは1.3以下、さらに好ましくは1.1以下が良い。
また、取水ポンプ3は、8m以上の吐出揚程を有していることが望ましく、さらに、海水中の夾雑物が詰まらないように、異物通過径が10mm以上であることが好ましい。
高圧ポンプ5は、プランジャ(ピストン)がシリンダブロックの中心線と平行に往復運動をするアキシャルタイプまたはプランジャータイプを用いることがより好ましい。このタイプのポンプは一般的に小容量高揚程ながら約80%の高いポンプ効率を有しているため高圧ポンプ5の消費電力を低く抑えられる。
淡水分離部6はRO膜(図示せず)を備えており、高圧ポンプ5より供給された海水2から淡水を生成する。具体的には、高圧ポンプ5により、海水2の浸透圧以上となるように海水2が昇圧されて供給され、淡水分離部6において脱塩され、淡水が得られる。
図1に示すように、淡水分離部6には、RO膜より排出された濃縮水の高圧エネルギーを回収して再利用するエネルギー回収装置9を設けることが好ましい。この装置を設けることで濃縮水の高圧エネルギーが回収され、回収されたエネルギーは回転エネルギーに変換されて高圧ポンプの回転エネルギーの一部として使用される。その結果、高圧ポンプ5の電源容量を小さくすることができ、相対的に本発明の実施による電源容量の削減比率を高めることができる。また、取水ポンプ3と高圧ポンプ5の交互運転により生じる高圧ポンプ5の稼働率(総運転時間中、高圧ポンプ5の稼働時間の割合)の低下を賄うために高圧ポンプ5の吐出量を増やす(高圧ポンプ5の回転数を上げる)必要があり、エネルギー回収装置9が設置されている方が高圧ポンプ5の電源容量の増加を小さく抑えることができる。
なお、エネルギー回収については、例えば、両軸電動機の一方の軸に高圧ポンプの回転軸が、もう一方の軸に高圧ポンプと同じアキシャルピストンタイプのエネルギー回収装置9が設置され、エネルギー回収装置9で回収した動力エネルギーを回転エネルギーに変えて電動機に伝えることで電動機の消費電力を削減することができる。
図1に示すように、スイッチ部7は、太陽電池パネル等の自然エネルギー源8により発電した電力から、取水ポンプ3を稼動させるための電力供給ラインL1と、高圧ポンプ5を稼動させるための電力供給ラインL2に切り替えるスイッチである。スイッチ部7を電力供給ラインL1と接続することで取水ポンプ3を稼動させ、高圧ポンプ5を休止させることができる。また、スイッチ部7を電力供給ラインL2と接続することで高圧ポンプ5を稼動させ、取水ポンプ3を休止させることができる。その結果、取水ポンプ3と高圧ポンプ5を交互に稼動させることができる。
図5に、本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置の概略構成図の他の一例を示す。図5に示すように、海水淡水化装置1Aのスイッチ部を構成するにあたり、自然エネルギー源8により発電した電力を、予め取水ポンプ3に供給する電力供給ラインL1と高圧ポンプ5に供給する電力供給ラインL2とに分岐させておき、各々の電力供給ラインL1、L2においてスイッチ部7A、7Bを設けて、それぞれON/OFFの切り替えを行うようにしても良い。
自然エネルギー源8として、太陽光発電、風力発電、水力発電の各種発電エネルギーを利用することができるが、特に東南アジアの沿岸地域や周辺島嶼国で実施する場合、気候条件や地理的条件から太陽光発電を利用することがより好ましい。
また、図1に示すように、本発明の海水淡水化装置1において、海水タンク4と高圧ポンプ5の間に、カートリッジフィルタ10を設け、さらに、海水タンク4とカートリッジフィルタ10の間に供給ポンプ11を設ける構成にしても良い。このように構成することで、海水中に混入した異物を除去すると共に、海水淡水化装置1における海水供給を円滑に行うことができる。
次に、本発明の海水淡水化装置1を用いた海水淡水化方法について説明する。
本発明の海水淡水化装置1を用いて海水を淡水化する方法は、まず、取水ポンプ3により地上まで汲み上げられた海水2を海水タンク4に貯留する(第1ステップ)。具体的には、8m以上の吐出揚程を有し、さらに、海水2中の夾雑物が詰まらないように、異物通過径が10mm以上である取水ポンプ3を用いて海水2を汲み上げ、当該海水2を海水タンク4に貯留する。
さらに、第1ステップで海水タンク4に貯留された海水2を高圧ポンプ5により淡水分離部6に供給し、当該淡水分離部6において淡水を生成する(第2ステップ)。具体的には、アキシャルピストンタイプの高圧ポンプ5により、海水タンク4に貯留した海水2が淡水分離部6に供給され、淡水分離部6において淡水が生成されると共に、排出された濃縮水はエネルギー回収装置9に送られる。エネルギー回収装置9で回収した動力エネルギーは、回転エネルギーに変えられて電動機に伝えることで電動機の消費電力を削減することができる。
ここで、本発明の海水淡水化装置1を用いた海水淡水化方法は、第1ステップが終了した後、第2ステップが開始することに特徴がある。つまり、第1ステップと第2ステップは同時に行われるものではなく、第1ステップが実行状態にある時、第2ステップは休止状態にある。また、第2ステップが実行状態にある時、第1ステップは休止状態にある。このような方法を用いることで、第1ステップで行われる取水ポンプ3の稼動と第2ステップで行われる高圧ポンプ5の稼動を、交互に行うことができる。さらに、海水淡水化装置1の稼動時間における取水ポンプ3の稼動時間が短縮され、取水ポンプ3に及ぼす負担が軽減される。この場合の取水ポンプ3は、従来の海水淡水化装置101の取水ポンプ103と高圧ポンプ105が同時に稼動する際の高圧ポンプ105の電源容量(皮相電力)相当、または当該電源容量以下となるように電源容量を設定すれば良い。この方式であれば取水ポンプ3は高圧ポンプ5の電源容量に合せて選定できるため、取水ポンプ3の吐出流量は高圧ポンプ5の吐出流量より大きくすることもできる。
本発明の海水淡水化方法において、高圧ポンプ5の皮相電力に対する取水ポンプ3の皮相電力の比が0.3〜1.5であることが好ましい。当該皮相電力の比が0.3未満であれば、取水ポンプ3の吐出流量が少なく高圧ポンプ5の稼働率が低下するため生産性が下がる。これを補うために高圧ポンプ5や淡水分離部6の能力を相当上げなければならない。当該皮相電力の比が0.3以上であれば、取水ポンプ3の吐出流量を高圧ポンプ5の吐出流量の10倍以上にすることができ、高圧ポンプの稼働率を90%以上と高く維持することができる。当該皮相電力の比はより好ましくは0.7以上、さらに好ましくは1.0が良い。当該皮相電力の比が1.0を超えると、高圧ポンプ5及び高圧ポンプ5と同時に運転する供給ポンプ11などの負荷の合計(以下、高圧ポンプ等という)より取水ポンプ3の皮相電力のほうが大きくなる可能性がある。高圧ポンプ等より取水ポンプ3の皮相電力が大きい場合には、取水ポンプ3の皮相電力が電源容量を決定することになるため、取水ポンプ3の皮相電力は高圧ポンプ等の皮相電力を超えないほうが好ましい。当発明の効果を最も高くできる条件としては、取水ポンプ3の皮相電力が高圧ポンプ等の皮相電力と等しい場合であるが、この条件を超えて取水ポンプ3の皮相電力が大きくなっても直ちに本発明の効果が失われる訳ではなく、当該皮相電力の比が1.5以下であれば本発明の効果が期待できる。
また、取水ポンプ3の吐出流量が、高圧ポンプ5の吐出流量の10倍以上であることが好ましい。当該吐出流量が10倍以上であれば、取水ポンプ3運転中に高圧ポンプ5が停止する時間を短くすることができ、高圧ポンプ5の稼働率を90%以上と高く維持することができる。さらには高圧ポンプ5の稼働率の低下に伴う淡水生産性の低下を、高圧ポンプ5の吐出流量もしくは吐出圧力を上げて賄う場合に電源容量の増加を低く抑えられる。当該吐出流量は、より好ましくは15倍以上、さらに好ましくは20倍以上が良い。
図1の本発明の海水淡水化装置を用いて、電源容量削減の効果について実証実験を行った。
海水淡水化装置の構成は、以下に示すとおりである。
取水ポンプ:海水用水中チタンポンプ(鶴見製作所製50TM型、揚程8m以上、異物通過径10mm以上)
高圧ポンプ:アキシャルピストンタイプ(Danfoss製、型番:APP1.0)
供給ポンプ:マグネットタイプ(イワキ製、型番:MD−40RZ−5)
淡水分離部:中空糸逆浸透膜(東洋紡製ホロセップ)型番:HR5255PI
自然エネルギー源:太陽光発電
実証実験は、まず、スイッチ部7を切り替えることにより、取水ポンプ3と高圧ポンプ5を交互に運転させた時の各ポンプの吐出流量、吐出揚程、皮相電力を測定した。皮相電力は供給した直流電源の電圧測定値と電流測定値の積から求めた。なお、供給ポンプ11は高圧ポンプ5と同時運転とした。
比較例
図2の従来の海水淡水化装置を用いて、電源容量削減の効果について実証実験を行った。なお、実証実験は、取水ポンプ103と高圧ポンプ105を同時に運転させた時の各ポンプの吐出流量、吐出揚程、皮相電力を測定した。各ポンプの皮相電力の算出については、実施例と同様にして行った。
表1に、上記実施例、比較例においてそれぞれ用いた取水ポンプ、高圧ポンプ、供給ポンプの各ポンプの諸特性(吐出流量、吐出揚程、定格出力)と皮相電力の数値を示す。また、表1に、本発明の実施例、比較例において用いた自然エネルギー源の電源容量を示す。電源容量は、本発明の実施例の場合、取水ポンプの皮相電力、または、高圧ポンプと供給ポンプ合計皮相電力のうちいずれか大きい方に合わせる必要があるが、本発明の実施例の場合、高圧ポンプと供給ポンプ合計皮相電力の方が大きく、その値は1.33[kVA]であった。一方、比較例の場合、取水ポンプ、高圧ポンプ、供給ポンプは同時に運転されるから必要な皮相電力は、取水ポンプの皮相電力、高圧ポンプの皮相電力、供給ポンプの皮相電力の合計皮相電力である1.93[kVA]である。
表1の結果より、本発明の海水淡水化装置における電源容量の削減率を計算した。削減率は以下の式(1)で求めることができる。
削減率(%)=(同時運転における電源容量−交互運転における電源容量)/同時運転における電源容量×100・・・(1)
すなわち、取水ポンプと高圧ポンプを交互に運転した場合、該ポンプを同時に運転した場合と比べて、電源容量を約31%(=1.93−1.33)/1.93×100)削減できることがわかる。つまり、取水ポンプと高圧ポンプの交互運転では、生産性を変えずに電源容量を約3割削減できることがわかる。
表1の結果に基づき、海水淡水化装置における電源容量の状態を模式図にしたものを図6(a)、(b)に示す。図6(a)は、従来の海水淡水化装置における電源容量を示す模式図の一例、図6(b)は、本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置における電源容量を示す模式図の一例を示す。
図6(a)に示すように、従来の海水淡水化装置の場合、取水ポンプ、高圧ポンプ、及び高圧ポンプの上流側にあり高圧ポンプと同時に運転される供給ポンプにおいてそれぞれ消費される電源容量の総和が、当該装置に必要な最低の電源容量となる。
図6(b)に示すように、本発明の実施の形態に係る海水淡水化装置の場合、第1ステップにおける取水ポンプの運転と、第2ステップにおける高圧ポンプ及び供給ポンプの運転が交互に行われる結果、海水淡水化装置における電源容量は、高圧ポンプ及び供給ポンプに消費される電源容量の和となり、当該装置の電源容量は図6(a)の同時運転の場合と比較して削減することができる。なお、図6(b)の例では、図6(a)の例に比べて高圧ポンプの稼働時間が3.3%減っていることから、図6(a)の場合と同じ淡水生産性とするために、高圧ポンプの回転数を上げ、透過水量を3.3%増やした。この結果、高圧ポンプを駆動する電力量が4.5%増加した。
当発明により得られる電源容量の削減効果は、取水ポンプの運転に要する電力の削減に起因するため、当発明を適用しない場合に使用していた取水ポンプの電源容量が大きければ大きいほど削減可能な電源容量が大きくなる。また、取水ポンプの電源容量に比較して高圧ポンプ等の電源容量が小さい程、電源容量の削減率を高くすることができる。
なお、取水ポンプの必要揚程が上記の例より大きい等の理由で、同時運転における取水ポンプの電気容量が上記の例より大きい場合では、さらに電源容量の削減を大きくできる可能性がある。
以上のように、本発明の海水淡水化装置、及び海水淡水化方法は、取水ポンプの稼動効率を向上させることができ、かつ、電源容量を削減することができることから、太陽光発電システムをはじめとした電源システムの容量、太陽光パネルの設置スペースをコンパクトにすることが可能となる。
なお、本発明の海水淡水化装置、及び海水淡水化方法は、単に淡水を得るだけに限定されるものではなく、海水の濃縮水を利用する場合も含まれる。例えば、図1において淡水分離部6で得られた濃縮水を別途貯留、乾燥させて自然海塩を得ることも可能である。この場合、濃縮水の塩分濃度が元の海水の2倍程度となっており、例えば水中から汲み上げた海水を濃縮する方法と比べて工程時間を短縮することができ、生産性が向上した自然海塩を得ることができる。
1 海水淡水化装置
1A 海水淡水化装置
101 海水淡水化装置
2 海水
3 取水ポンプ
103 取水ポンプ
4 海水タンク
5 高圧ポンプ
105 高圧ポンプ
6 淡水分離部
7 スイッチ部
7A スイッチ部
7B スイッチ部
8 自然エネルギー源
9 エネルギー回収装置
10 カートリッジフィルタ
11 供給ポンプ
104 供給ポンプ
L1 電力供給ライン
L2 電力供給ライン

Claims (5)

  1. 海水を取得する取水ポンプと、
    前記取水ポンプに接続されている海水タンクと、
    前記海水タンクに接続されている高圧ポンプと、
    前記高圧ポンプに接続され、逆浸透膜を備える淡水分離部と、
    スイッチ部を介して前記取水ポンプおよび前記高圧ポンプに接続されている自然エネルギー電力源と、を有しており、
    前記取水ポンプが稼動するときには前記高圧ポンプが休止し、前記高圧ポンプが稼動するときには前記取水ポンプが休止することを特徴とする海水淡水化装置。
  2. 前記高圧ポンプの定格出力に対する前記取水ポンプの定格出力の比が、0.3以上である請求項1に記載の海水淡水化装置。
  3. 請求項1または2に記載の海水淡水化装置において、
    前記取水ポンプにより汲み上げられた前記海水を前記海水タンクに貯留する第1ステップと、
    前記第1ステップで貯留された前記海水を前記高圧ポンプにより前記淡水分離部に供給し、該淡水分離部で淡水を生成する第2ステップと、を含み、
    前記第1ステップが終了した後、前記第2ステップが開始する海水淡水化方法。
  4. 前記高圧ポンプの皮相電力に対する前記取水ポンプの皮相電力の比が0.3〜1.5である請求項3に記載の海水淡水化方法。
  5. 前記取水ポンプの吐出流量が、前記高圧ポンプの吐出流量の10倍以上である請求項3または4に記載の海水淡水化方法。
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