JP2018201969A - 微細突起ユニット - Google Patents

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貴利 新津
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Abstract

【課題】ベース部品の形状が制限され難く、穿刺性が向上して使用感が向上する微細突起ユニットを提供すること。【解決手段】本発明の微細突起ユニット10は、内部が中空の突起部3を基底2上に備える微細突起具1と突起部3の内部に基底2を介して連通する液体保持空間4kを有するベース部品4とを備え、ベース部品4の先端に微細突起具1を接合したユニットである。微細突起ユニット10は、微細突起具1側から平面視して、ベース部品4と微細突起具1とを接合した接合部5よりも内側に、基底2における突起部3が形成された突起領域3Rが配されている。【選択図】図2

Description

本発明は、微細突起ユニットに関する。
近年、注射器による剤の供給と同等の性能が得られるにも拘わらず、皮膚を傷めず痛みが少ない理由から、マイクロニードルを備えた微細突起による剤の供給が注目されている。
例えば、特許文献1には台座部上に微小針群を備えた微小針アレイが記載されている。また、特許文献2には樹脂製カップの底部に外方に突出した突起部を備えた微細ノズルが記載されている。また、特許文献3には流体チャンバの底部平面にミクロ針を有するミクロ針構造体が記載されている。
特開2014−176568号公報 特開2013−172833号公報 特表2003−501161号公報
しかし、特許文献1に記載の微小針アレイは、微小針からなる針群が台座部上に直接形成されたものであり、微小針を形成する台座部の形状が制限されてしまう。同様に、特許文献2に記載の微細針は、微細ノズルが樹脂製カップの底部に直接形成されたものであり、微細ノズルを形成する樹脂製カップの底部の形状が制限されてしまう。また、同様に、特許文献3に記載のミクロ針構造体は、ミクロ針が流体チャンバの底部平面に直接形成されたものであり、流体チャンバの底部の形状が制限されてしまう。更に、特許文献1〜特許文献3には、微小針、微細ノズル或いはミクロ針を、台座部、樹脂製カップ或いは流体チャンバとは別体の部材に形成する構成に関して、何ら記載されていない。また、特許文献1〜特許文献3には、微小針、微細ノズル或いはミクロ針を、前記別体の部材に形成する際に、形成する領域の配置に関して、何ら記載されていない。
したがって本発明は、穿刺性が向上して使用感が向上し得る微細突起ユニットを提供することにある。
本発明は、内部が中空の突起部を基底上に備える微細突起具と該突起部の内部に該基底を介して連通する液体保持空間を有するベース部品とを備え、該ベース部品の先端に該微細突起具を接合した微細突起ユニットであって、前記微細突起ユニットを前記微細突起具側から平面視して、前記ベース部品と前記微細突起具とを接合した接合部よりも内側に、前記基底における前記突起部が形成された突起領域が配されている、微細突起ユニットを提供するものである。
本発明によれば、微細突起具とベース部品の形状が制限され難く、穿刺性が向上して使用感が向上する。
図1は、本発明の微細突起ユニットの好ましい一実施形態の微細突起ユニットの模式斜視図である。 図2は、図1に示す微細突起ユニットを微細突起具側から平面視した平面図である。 図3は、図2に示すIII−III線断面図である。 図4(a)は、図1に示す微細突起ユニットの備える1個の突起部の斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示すIV−IV線断面図である。 図5(a)は、突起部の先端径の測定方法を示す説明図であり、図5(b)は突起部が先端開口部を有する場合における、突起部の先端径の測定方法を示す説明図である。 図6は、図1に示す微細突起ユニットを使用した際の状態を示す模式断面図である。 図7は、図1に示す微細突起ユニットを製造する好ましい一製造装置の全体構成を示す図である。 図8(a)〜(e)は、図7に示す製造装置を用いて微細突起具を製造する工程を説明する図である。 図9は、凸型部の先端角度の測定方法を示す説明図である。 図10(a)〜(g)は、図7に示す製造装置を用いて接合部を形成する接合工程を説明する図である。 図11(a)〜(f)は、図7に示す製造装置を用いてカットして微細突起ユニットを形成するカット工程を説明する図である。 図12(a)〜(d)は、他の実施形態の微細突起ユニットを微細突起具側から平面視した平面図である。
以下、本発明を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の微細突起ユニットの好ましい一実施形態の微細突起ユニット10(以下、単に「微細突起ユニット10」とも言う)は、内部が中空の突起部3を基底2上に備える微細突起具1と該突起部3の内部に該基底2を介して連通する液体保持空間4k(図3参照)を有するベース部品4とを備え、ベース部品4の先端に微細突起具1を接合したものである。図1には微細突起ユニット10の斜視図が示されている。図2には微細突起ユニット10の平面図が示されている。そして、図3には微細突起ユニット10の断面図が示されている。
微細突起具1の突起部3に関し、突起部3の数、突起部3の配置及び突起部3の形状に、特に制限はないが、微細突起ユニット10では、図1及び図2に示すように、シート状の基底2の上面に、9個の円錐台状の突起部3が配列されている。配列された9個の突起部3は、後述する基材シート2Aを搬送する方向(基材シート2Aの長手方向に対応)である第2方向(図中のY方向に相当)に3行、搬送する方向である第2方向と直交する方向及び搬送される基材シート2Aの幅方向である第1方向(図中のX方向に相当)に3列に配されている。尚、微細突起ユニット10の厚み方向をZ方向として説明する。また、図4(a)は、微細突起具1の有する突起部3の内の1個の突起部3に着目した微細突起具1の斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示すIV−IV線断面図である。
図4(a)に示す微細突起具1は、シート状の基底2と、基底2の上面(基底2におけるベース部品4との対向面とは反対側の面)上に立設する1個の円錐状の突起部3とを有する。微細突起具1は、先端側に開孔部を有していなくてもよいが、微細突起ユニット10では、図4(b)に示すように、開孔部3hを有しており、突起部3の内部に基底2から開孔部3hに至るまで貫通する空間3kが形成された形態となっている。微細突起ユニット10では、突起部3の内部の空間3kが、突起部3の外形形状に対応した円錐状に形成されている。尚、突起部3は、微細突起ユニット10では、円錐状であるが、円錐状の形状以外に、円錐台状、円柱状、角柱状、角錐状、角錐台状等であってもよい。
突起部3は、その突出高さH1(図4(b)参照)が、マイクロニードルとして使用する場合には、その先端を最も浅いところでは角層まで、深くは真皮まで刺入するため、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、より更に好ましくは3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.01mm以上5mm以下であり、より更に好ましくは0.02mm以上3mm以下である。突起部3は、その平均厚みT1が、好ましくは0.005mm以上、更に好ましくは0.01mm以上であり、そして、好ましくは1.0mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.005mm以上1.0mm以下であり、更に好ましくは0.01mm 以上0.5mm以下である。
突起部3の先端径は、その直径が、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.005mm以上であり、そして、好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは0.3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上0.5mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上0.3mm以下である。微細突起具1の突起部3の先端径は、以下のようにして測定する。
〔突起部3先端径の測定〕
突起部3の先端が開口していない場合には、微細突起具1の突起部3の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、例えば、図5(a)に示すSEM画像のように観察する。
次に、図5(a)に示すように、両側辺1a,1bの内の一側辺1aにおける直線部分に沿って仮想直線ILaを延ばし、他側辺1bにおける直線部分に沿って仮想直線ILbを延ばす。そして、先端側にて、一側辺1aが仮想直線ILaから離れる箇所を第1先端点1a1として求め、他側辺1bが仮想直線ILbから離れる箇所を第2先端 点1b1として求める。このようにして求めた第1先端点1a1と第2先端点1b1とを結ぶ直線の長さLを、走査型電子顕微鏡又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、微細突起具1の先端径とする。なお、微細突起ユニット10のように、突起部3の先端に開孔部3hを有している場合には、図5(b)に示すように、突起部3の開孔部側に先端があると仮定して仮想直線ILa,ILbを引き、その交点を突起部3の頂点とし、上述した図5(a)に示す方法にて先端径を測定する。
開孔部3hは、その開孔面積が、微細突起ユニット10による剤の供給のし易さの観点から、好しくは0.7μm2以上、更に好ましくは20μm2以上であり、そして、好ましくは200000μm2以下であり、更に好ましくは70000μm2以下であり、具体的には、好ましくは0.7μm2以上200000μm2以下であり、更に好ましくは20μm2以上70000μm2以下である。
シート状の基底2の上面に配列された9個の突起部3は、図1及び図2に示すように、第2方向の中心間距離が均一で、第1方向の中心間距離が均一であることが好ましく、第2方向の中心間距離と第1方向の中心間距離とが同じ距離であることが好ましい。好適には、突起部3の第2方向の中心間距離が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.05mm以上5mm以下である。また、突起部3の第1方向の中心間距離が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.05mm以上5mm以下である。
基底2は、均一な厚みのシート状に形成されている。基底2は、その厚みT2(図4(b)参照)が、液体保持空間4k内に液体が注入されて内圧がかかった際に基底2を外方に向かって凸に湾曲させ易い観点から、基底2及びベース部品4が同種の素材で形成されている場合に、後述するベース部品4の底部41での厚みT3(図3参照)よりも薄いことが好ましく、ベース部品4の底部41での厚みT3に対する基底2の厚みT2の比(T2/T3)が、好ましくは0.001以上、更に好ましくは0.01以上であり、そして、好ましくは1以下であり、更に好ましくは0.5以下であり、また、好ましくは0.001以上1以下であり、更に好ましくは0.01以上0.5以下である。好適に、基底2の厚みT2は、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは1.0mm以下であり、更に好ましくは0.7mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上1.0mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上0.7mm以下である。
微細突起ユニット10は、図2に示すように、基底2の上面に、9個の突起部3が形成された領域である突起領域3Rを有している。ここで、突起領域3Rとは、微細突起ユニット10を微細突起具1側から平面視した際に、第1方向及び第2方向を有する面方向の最も外方に位置する突起部3どうしで囲まれている領域を意味する。
ベース部品4は、図3に示すように、突起部3の内部の空間3kに基底2を介して連通する液体保持空間4kを有している。ベース部品4は、微細突起具1との接合部5を形成する上面とは反対側の下面を形成する底部41と、底部41を貫通して液体保持空間4k内に液体を供給する液体供給路42と、底部41の外周全周に亘って配され底部41の上面(微細突起具1側の面)上に立設する周壁部43とを有している。そして、微細突起具1の基底2、底部41及び周壁部43で囲まれた空間が、液体保持空間4kとなる。このように、周壁部43は、液体保持空間4kの外周に配されている。微細突起ユニット10は、ベース部品4の液体供給路42の供給口にて、液体を供給するシリンジ等と接続可能に形成されている。
ベース部品4に関し、微細突起ユニット10を微細突起具1側から平面視した際のベース部品4の輪郭4L形状、即ち、底部41の外周形状に、特に制限はないが、微細突起ユニット10では、図2に示すように、円形状を有している。そして、ベース部品4の全体の外形形状は、図1に示す微細突起ユニット10では、底部41が円形状となっている円筒状に形成されている。尚、ベース部品4の輪郭4L形状は、微細突起ユニット10では、円形状であるが、円形の形状以外に、長円形状、ひし形状、三角形状、四角形状、五角形状等の等であってもよい。ベース部品4の全体の形状は、円筒状以外に、円錐状、角筒状、角錐状等であってもよい。
ベース部品4は、液体保持空間4k内に液体が注入されて内圧がかかった際に基底2を外方に向かって凸に湾曲させ易い観点から、ベース部品4の底部41での厚みT3(図3参照)が、基底2の厚みT2よりも厚いことが好ましく、好ましくは1mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは1.0mm以上10mm以下であり、更に好ましくは1.5mm以上5mm以下である。
また、ベース部品4は、同じ観点から、ベース部品4の周壁部43での厚みT4(図3参照)が、基底2の厚みT2よりも厚いことが好ましく、好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは1.0mm以上10mm以下であり、更に好ましくは1.5mm以上5mm以下である。
微細突起ユニット10は、図2に示すように、微細突起ユニット10を微細突起具1側から平面視して、ベース部品4と微細突起具1とを接合した接合部5よりも内側に、基底2における突起部3が形成された突起領域3Rが配されている。接合部5は、微細突起ユニット10では、ベース部品4の液体保持空間4kの外周に亘って配された周壁部43の先端壁部43s上に帯状に形成されており、液体保持空間4kの外周全域に亘って円環状に配されている。
ベース部品4の周壁部43の先端壁部43sに、接合部5が帯状に形成されていると、微細突起ユニット10の使用時に基底2を介して周壁部43の先端壁部43sと対象物とを安定して当接させることができ、穿刺性が向上して使用感が向上する。また、ベース部品4の周壁部43の先端壁部43sに、接合部5が帯状に形成されていると、該先端壁部43sは、微細突起ユニット10の製造時の基材シート2Aをカットする工程で、カット刃を押し当てる受け部材になることができる。このように別のカット手段や工程を設ける必要がないので、製造コストを抑えながら微細突起ユニット10を効率的に精度良く製造することができる。
微細突起ユニット10は、液体保持空間4k内に液体が注入されて内圧がかかった際に基底2を外方に向かって凸に湾曲させ易い観点から、図2に示すように平面視して、突起領域3Rの最大幅L3が、微細突起ユニット10の中心位置と接合部5との間隔L5(図2では内径)以下であることが好ましく、突起領域3Rの最大幅L3が、突起領域3Rと接合部5との間隔L5より小さいことが更に好ましい。ここで、突起領域3Rの最大幅L3とは、第1方向及び第2方向を有する面方向の最も外方に位置する突起部3どうしの幅を意味する。また、微細突起ユニット10の中心位置と接合部5との間隔L5とは、該中心位置と接合部5との間の最短距離を意味する。
液体保持空間4k内に液体が注入されて内圧がかかった際に基底2を外方に向かって凸に湾曲させ易い観点から、突起領域3Rと接合部5との間隔L5に対する突起領域3Rの最大幅L3の比(L3/L5)が、好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であり、そして、好ましくは1以下であり、更に好ましくは0.6以下であり、また、好ましくは0.1以上1以下であり、更に好ましくは0.2以上0.6以下である。好適に、突起領域3Rと接合部5との間隔L5は、好ましくは5mm以上、更に好ましくは10mm以上であり、そして、好ましくは40mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、具体的には、好ましくは5mm以上40mm以下であり、更に好ましくは10mm以上30mm以下である。また、突起領域3Rの最大幅L3は、好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上であり、そして、好ましくは40mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、具体的には、好ましくは3mm以上40mm以下であり、更に好ましくは5mm以上30mm以下である。
微細突起ユニット10は、図2及び図3に示すように、微細突起具1側から平面視して、ベース部品4の輪郭4Lよりも内側に、微細突起具1の輪郭、即ち、微細突起具1の基底2の輪郭2Lが配されている。見栄え及び使用感向上の観点から、微細突起具1の基底2の輪郭2Lとベース部品4の輪郭4Lとの間隔W1が、好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下、具体的には、好ましくは0.05mm以上5mm以下、更に好ましくは0.1mm以上3mm以下、間隔W1を空けて配されていることが好ましい。
微細突起ユニット10は、図2に示すように、微細突起具1側から平面視して、微細突起具の輪郭、即ち、微細突起具1の基底2の輪郭2L以内の位置に、ベース部品4と微細突起具1とを接合した接合部5が配されている。ここで、「輪郭2L以内の位置」とは、微細突起具1の基底2の輪郭2Lと、帯状の接合部5の外方側の周縁とが一致しているか、或いは、微細突起具1の基底2の輪郭2Lよりも帯状の接合部5の外方側の周縁が内側に配されている状態を意味する。
微細突起ユニット10では、図2に示すように、微細突起具1側から平面視して、接着強度と見栄え及び使用感向上の観点から、帯状の接合部5の幅W2が、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下、具体的には、好ましくは0.5mm以上5mm以下、更に好ましくは1mm以上3mm以下である。
微細突起ユニット10は、図2に示すように、微細突起具1側から平面視して、カット安定性と見栄え及び使用感向上の観点から、基底2の輪郭2Lと接合部5の外方側の周縁との間隔W3が、好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下、具体的には、好ましくは0.05mm以上5mm以下、更に好ましくは0.1mm以上3mm以下、間隔W3を空けて配されていることが好ましい。
微細突起ユニット10は、図2に示すように、微細突起具1側から平面視して、突起領域3Rを接合部5よりも内方に形成する観点から、接合部5の内方側である突起領域3R側の周縁と周壁部43の先端壁部43sの内壁との間隔W4が、好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下、具体的には、好ましくは0.05mm以上5mm以下、更に好ましくは0.1mm以上3mm以下、間隔W4を空けて配されていることが好ましい。このように周壁部43の先端壁部43s上において、微細突起ユニット10を微細突起具1側から平面視して、接合部5よりも内方側に基底2とベース部品4の周壁部43の先端壁部43sとの未接合部の間隔W4があると、基底2を外方に向かって凸に湾曲させ易くなる。未接合部とは、基底2とベース部品4の周壁部43の先端壁部43sとが接合されていない部分である。
ベース部品4の周壁部43の内壁とその先端壁部43sとが接続する角部に、丸め処理や面取り処理をした領域があっても良い。この場合、角部に丸め処理や面取り処理をした領域も未接合部となり、微細突起ユニット10を対象物に当接する時、接合部5の内方側において微細突起具1の基底2が内方にたわみ、先端壁部43sと接する基底2に発生する屈曲を緩和することができ、微細突起ユニット10の使用感や耐久性を向上する。
微細突起ユニット10は、図1及び図3に示すように、突起部3を基底2上に備える微細突起具1と、ベース部品4とが別体であり、ベース部品4の先端に微細突起具1を接合したものであるので、微細突起具1とベース部品4の形状が制限され難く、ベース部品4の選択の自由度が高い。また、微細突起ユニット10は、図2に示すように微細突起具1側から平面視して、ベース部品4と微細突起具1とを接合した接合部5よりも内側に、突起部3が形成された突起領域3Rが配されている。その為、使用時にシリンジ等から液体が液体供給路42を介してベース部品4の液体保持空間4k内に供給され、図6に示すように、液体保持空間4k内に液体が注入されて内圧がかかると、微細突起具1の基底2が外方に向かって凸に湾曲し易い。このように微細突起具1の基底2が外方に向かって凸に湾曲すると、基底2の上面に配された9個の突起部3の穿刺性が向上して使用感が向上する。特に、基底2の上面に配された9個の突起部3において、中央の突起部3から残りの8個の突起部3の穿刺方向が放射状に延びるようになるので、突起部3の穿刺性が向上して使用感が向上する。
以上説明した微細突起ユニット10は、例えば、後述する製造装置100を用いて製造することができる。図7には、微細突起ユニット10の製造方法の実施に用いられる製造装置100の全体構成が示されている。以下、製造装置100を用いる微細突起ユニット10の製造方法を、図7〜図11を参照しながら説明する。尚、上述したように、微細突起ユニット10の突起部3は非常に小さなものであるが、説明の便宜上、各図においては突起部3が非常に大きく描かれている。
以下の説明では、基材シート2Aを搬送する方向(基材シート2Aの長手方向)をY方向、搬送する方向と直交する方向及び搬送される基材シート2Aの幅方向をX方向、搬送される基材シート2Aの厚み方向をZ方向として説明する。
微細突起ユニット10の製造方法は、熱可塑性樹脂を含んで形成された基材シート2Aの一面2D側から、加熱手段を備える凸型部11を当接させて、基材シート2Aの他面2U側から突出する突起部3を形成した後、突起部3の内部から凸型部11を抜いて微細突起具1を形成する微細突起具形成工程と、微細突起具1が形成された基材シート2Aの一面2D側とベース部品4の先端とを接合する接合工程と、ベース部品4が接合された基材シート2Aを、微細突起具1側から平面視して、ベース部品4の輪郭4Lよりも内側で基材シート2Aをカットして微細突起ユニット10を製造するカット工程とを備える。
図7に示すように、製造装置100は、搬送方向(Y方向に相当)の上流側から下流側に向かって、微細突起具1を形成する微細突起具形成部200、微細突起具1が形成された基材シート2Aとベース部品4とを接合する部材接合部300、及び基材シート2Aをカットして微細突起ユニット10を製造する部材カット部400を備えている。製造装置100では、微細突起具形成部200は、図8に示すように、搬送方向(Y方向)の基材シート2Aに突起部3を形成する突起部形成部210、冷却部220、凸型部11を抜き出すリリース部230を備えている。
なお、本明細書において凸型部11とは基材シート2Aに刺さる部分である凸型110を備えた部材のことであり、凸型部11は、本実施形態では、円盤状の土台部分の上に配された構造となっている。ただし、これに限られず凸型110のみからなる凸型部であっても良いし、複数の凸型110を台状支持体の上に配した凸型部11であっても良い。
突起部形成部210を、図7及び図8を用いて説明する。突起部形成部210は、図7及び図8に示すように、加熱手段(不図示)を有した凸型部11を備えている。製造装置100では、凸型部11は、加熱手段を設けていても良い。また製造装置100では、凸型部11の加熱手段以外に他の加熱手段を設けていなくとも良い。なお、本明細書で「凸型部11の加熱手段以外に他の加熱手段を設けていない」とは、他の加熱手段を一切排除する場合を指すだけではなく、基材シート2Aの軟化温度未満、又はガラス転移温度未満に加熱する手段を備える場合も含む。但し、他の加熱手段を一切含まないことが好ましい。凸型部11の加熱手段は、製造装置100においては、超音波振動装置である。
製造装置100を用いる微細突起ユニット10の製造方法では、先ず、図7に示すように、熱可塑性樹脂を含んで形成された基材シート2Aの原料ロールから帯状の基材シート2Aを繰り出し、搬送方向に搬送する。そして、基材シート2Aが所定位置まで送られたところで、基材シート2Aの搬送を止める。このように、微細突起ユニット10の製造方法では、帯状の基材シート2Aの搬送を間欠的に行うようになっている。
基材シート2Aは、製造する微細突起具1の有する基底2となるシートであり、熱可塑性樹脂を含んで形成されている。熱可塑性樹脂としては、ポリ脂肪酸エステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート類、ポリ塩化ビニル、ナイロン樹脂、アクリル樹脂等又はこれらの組み合わせが挙げられ、生分解性の観点から、ポリ脂肪酸エステルが好ましく用いられる。ポリ脂肪酸エステルとしては、具体的に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。尚、基材シート2Aは、熱可塑性樹脂以外に、ヒアルロン酸、コラーゲン、でんぷん、セルロース等を含んだ混合物で形成されていても良い。基材シート2Aの厚みは、製造する微細突起具1の有する基底2の厚みT2と同等である。
次いで、微細突起ユニット10の製造方法の微細突起具形成工程では、図8(a)及び図8(b)に示すように、搬送方向に搬送された帯状の基材シート2Aの一面2D側から凸型部11を当接させて、基材シート2Aにおける当接部分TPを熱により軟化させながら、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆき基材シート2Aの他面2U側から突出する突起部3を形成する(突起部形成工程)。突起部形成部210では、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に撓み抑制手段としての開口プレート12Uを配置し、基材シート2Aの一面2D側(下面側)に撓み抑制手段としての第2開口プレート13Dを配置している。
凸型部11は、製造する微細突起具1の有する円錐状の突起部3の外形形状に対応して、尖鋭な先端の円錐状の部分を有する形状となっている。即ち、製造装置100では、凸型部11は、図7に示すように、製造する微細突起具1の突起部3の個数、配置、各突起部3の略外形形状に対応した凸型110を有し、9個の円錐台状の突起部3に対応して、9個の円錐状の凸型110を有している。このように複数個(9個)の凸型110を有する凸型部11を用いて、シート状の基底2の上面に配列された複数個の突起部3を形成するようになっている。凸型部11は、製造装置100では、各凸型110の先端を上方に向けて配置されており、少なくとも厚み方向(Z方向)の上下に移動可能となっている。好適に、製造装置100では、凸型部11は、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。なお、凸型部11の加熱手段の作動は、基材シート2Aに凸型部11が当接する直前から、次工程の冷却工程に至る直前まで行われることが好ましい。
凸型部11の動作、凸型部11の加熱手段の作動等の凸型部11の備える加熱手段の加熱条件の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
上述したように、凸型部11の加熱手段は、製造装置100においては、超音波振動装置である。
凸型部11の超音波振動装置による超音波振動に関し、その周波数は、突起部3の形成の観点から、好ましくは10kHz以上50kHz以下であり、更に好ましくは15kHz以上40kHz以下である。また、突起部3の超音波振動装置による超音波振動に関し、その振幅は、突起部3の形成の観点から、好ましくは1μm以上60μm以下であり、更に好ましくは5μm以上50μm以下である。
凸型部11の先端側の形状は、製造する微細突起具1の有する突起部3の外形形状に対応した形状となっていればよい。凸型部11の凸型110は、その高さH2(図7参照)が、製造される微細突起具1の有する突起部3の高さH1と同じか或いは若干高く形成されており、好ましくは0.01mm以上30mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上20mm以下である。凸型部11の凸型110は、その先端径D1(図9参照)が、好ましくは0.001mm以上1mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上0.5mm以下である。凸型部11の凸型110の先端径D1は、以下のようにして測定する。
凸型部11の凸型110は、その根本径D2が、好ましくは0.1mm以上5mm以下であり、更に好ましくは0.2mm以上3mm以下である。凸型部11の凸型110は、十分な強度が得られ易くなる観点から、その先端角度αが、好ましくは1度以上60度以下であり、更に好ましくは5度以上45度以下である。凸型部11の先端角度αは、以下のようにして測定する。
〔凸型部11の凸型110の先端径の測定〕
凸型部11の凸型110の先端部を、走査型電子顕微鏡もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率に拡大した状態で観察する。次に、図9に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、先端側にて、一側辺11aが仮想直線ILcから離れる箇所を第1先端点11a1として求め、他側辺11bが仮想直線ILdから離れる箇所を第2先端点11b1として求める。このようにして求めた第1先端点11a1と第2先端点11b1とを結ぶ直線の長さD1を、走査型電子顕微鏡又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、凸型110の先端径とする。
〔凸型部11の凸型110の先端角度αの測定〕
凸型部11の凸型110の先端部を、走査型電子顕微鏡もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、例えば、図9に示すSEM画像のように観察する。次に、図9に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、仮想直線ILcと仮想直線ILdとのなす角を、走査型電子顕微鏡又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該なす角を、凸型部11の凸型110の先端角度αとする。
凸型部11は、折れ難い高強度の材質で形成されている。凸型部11の材質としては、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、ベリリウム銅、ベリリウム銅合金等の金属、又はセラミック等が挙げられる。
上述したように、突起部形成工程で用いる開口プレート12Uは、図7及び図8に示すように、基材シート2Aの他面2U側に配されており、凸型部11を一面2D側から刺し込んだ際に基材シート2Aが撓みにくくする役目をしている。その為、開口プレート12Uは、基材シート2Aにおける凸型部11が刺し込まれる領域以外の領域、言い換えれば、基材シート2Aにおける突起部3の形成される領域である突起領域3R以外の領域を支持するように配置されている。このように配置される開口プレート12Uは、製造装置100では、突起領域3Rを囲むように開口した開口部12aを有する板状の開口プレートである。開口プレート12Uでは、開口部12a以外の領域で基材シート2Aを支持している。
開口プレート12Uは、製造装置100では、図7に示すように、開口部12aが1個形成されており、1個の開口部12aの開口面積は、凸型部11における凸型110が複数個挿通できるように、凸型110の総断面積よりも大きく形成されている。尚、開口プレート12Uの開口部12aは、複数の凸型110がそれぞれ挿通されるように各凸型110に対応して、複数形成されていてもよい。
開口プレート12Uは、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。製造装置100では、開口プレート12Uは、電動アクチュエータによって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
開口プレート12Uの動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段により制御されている。
開口プレート12Uを構成する材質としては、凸型部11の材質と同じ材質でもよく、合成樹脂等から形成されていてもよい。
製造装置100は、凸型部11の加熱手段として超音波振動装置を有している。微細突起ユニット10の製造方法では、開口プレート12Uと第2開口プレート13Dとで、基材シート2Aを挟んだ状態で突起部形成工程を行うようになっている。製造装置100を用いる突起部形成工程では、基材シート2Aの一面2D側(下面側)から、後述する第2開口プレート13Dの開口部13aに凸型部11を通過させ、図8(a)に示すように、超音波振動装置により各凸型部11に超音波振動を予め発現させながら、次いで凸型部11を基材シート2Aの一面2Dに当接させる。これにより当接部分TPを軟化させる。
そして、図8(b)に示すように、当接部分TPを軟化させながら、基材シート2Aの一面2D側(下面側)から他面2U側(上面側)に向かって凸型部11を上昇させて、基材シート2Aの他面2U(上面側)側に配された開口プレート12Uで基材シート2Aの撓みを抑制しつつ、凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく。そして、基材シート2Aの他面2U側(上面側)から突出する突起部3を形成する。
凸型部11の加熱による基材シート2Aの加熱温度は、突起部3の形成の観点から、使用される基材シート2Aのガラス転移温度以上溶融温度未満であることが好ましく、特に軟化温度以上溶融温度未満であることが好ましい。詳述すると前記加熱温度は、好ましくは30℃以上300℃以下であり、更に好ましくは40℃以上250℃以下である。なお、超音波振動装置を用いて基材シート2Aを加熱する場合においては、凸型110と接触した基材シート2Aの部分の温度範囲として適用される。一方、超音波振動装置の代わりに加熱ヒーター装置を用いて基材シート2Aを加熱する場合には、凸型部11の加熱温度を上述した範囲で調整すればよい。なお、ガラス転移温度(Tg)の測定方法は、以下の方法によって測定され、軟化温度の測定方法は、JIS K-7196「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法」に従って行う。
〔ガラス転移温度(Tg)の測定方法〕
DSC測定器を使用して熱量の測定を行い、ガラス転移温度を求める。具体的に、測定器はPerkin Elmer社製の示差走査熱量測定装置(Diamond DSC)を使用する。基材シートから試験片10mgを採取する。測定条件は20℃で5分間維持した後に、20℃から320℃まで、5℃/分で昇温させ、横軸温度、縦軸熱量のDSC曲線を得る。そして、このDSC曲線からガラス転移温度Tgを求める。
尚、前記「基材シートのガラス転移温度(Tg)」は、基材シートの構成樹脂のガラス転移温度(Tg)を意味し、該構成樹脂が複数種存在する場合においてそれら複数種のガラス転移温度(Tg)が互いに異なる場合、前記加熱手段による基材シートの加熱温度は、少なくともそれら複数のガラス転移温度(Tg)のうち最も低いガラス転移温度(Tg)以上であることが好ましく、それら複数のガラス転移温度(Tg)のうち最も高いガラス転移温度(Tg)以上であることがさらに好ましい。
また、前記「基材シートの軟化温度」についてもガラス転移温度(Tg)と同様であり、即ち、基材シートの構成樹脂が複数種存在する場合においてそれら複数種の軟化温度が互いに異なる場合、前記加熱手段による基材シートの加熱温度は、少なくともそれら複数の軟化温度のうち最も低い軟化温度以上であることが好ましく、それら複数の軟化温度のうち最も高い軟化温度以上であることがさらに好ましい。
また、基材シートが融点の異なる2種以上の樹脂を含んで構成されている場合、前記加熱手段による基材シートの加熱温度は、それら複数の融点のうち最も低い融点未満であることが好ましい。
凸型部11を基材シート2Aに刺してゆく刺入速度は、遅過ぎると樹脂を過剰に加熱軟化させ、速過ぎると加熱軟化不足となるので、突起部3を効率的に形成する観点から、好ましくは0.1mm/秒以上1000mm/秒以下であり、更に好ましくは1mm/秒以上800mm/秒以下である。加熱状態の凸型部11の上昇を停止させ、突起部3の内部に凸型部11を刺した状態のまま次工程の冷却工程を行うまでの時間である軟化時間は、長過ぎると過剰加熱となるが、加熱不足を補う観点から、好ましくは0秒以上10秒以下であり、更に好ましくは0.1秒以上5秒以下である。
基材シート2Aに刺す凸型部11の刺入高さは、突起部3を効率的に形成する観点から、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上5mm以下である。ここで、「刺入高さ」とは、基材シート2Aに最も凸型部11を刺し込んだ状態において、凸型部11の頂点と、基材シート2Aの他面2U(上面)との間の距離を意味する。したがって、突起部形成工程における刺入高さとは、突起部形成工程で凸型部11が最も深く刺し込まれて基材シート2Aの他面2Uから凸型部11が出てきた状態における、該他面2Uから垂直方向に測定した凸型部11の頂点までの距離のことである。
尚、微細突起具1は、突起部3の先端近傍に開孔部3hを有しているので、突起部形成工程にて、凸型部11の動作、及び/又は凸型部11の備える加熱手段の加熱条件等を制御して、基材シート2Aに凸型部11を貫通するまで刺入して開孔部3hを形成する。
次に、製造装置100では、図8(c)に示すように、突起部形成部210の次に冷却部220が設置されている。冷却部220は、例えば冷風送風装置を備えている(不図示)。微細突起ユニット10の製造方法の微細突起具形成工程では、製造装置100を用いて、突起部形成工程の後、冷風送風装置を使用して、突起部3の内部に凸型部11を刺した状態で突起部3を冷却する(冷却工程)。具体的に、製造装置100では、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に開口プレート12Uを配置し、基材シート2Aの一面2D側(下面側)に後述する第2開口プレート13Dを配置している。その為、微細突起ユニット10の製造方法では、開口プレート12Uと第2開口プレート13Dとで、基材シート2Aを挟んだ状態で冷却工程を行うようになっている。冷風送風装置は、製造装置100では、図4に示すように、冷風送風する送風口21が基材シート2Aの他面2U側(上面側)に設けられており、送風口21から冷風を吹き付けて、突起部3の内部に凸型部11を刺した状態のまま冷却する。尚、冷却する際には、凸型部11の加熱装置による加熱は、継続状態でも止められた状態でも良いが、止められた状態の方が好ましい。
吹き付ける冷風の温度は、突起部3の形成の観点から、好ましくは−50℃以上26℃以下であり、更に好ましくは−40℃以上10℃以下である。冷風を吹き付けて冷却する冷却時間は、成形性と加工時間の両立性の観点から、好ましくは0.01秒以上60秒以下であり、更に好ましくは0.5秒以上30秒以下である。
なお、製造装置100のように、凸型部11の加熱手段が超音波振動である場合には、冷風送風装置を必ず備える必要はなく、超音波振動装置の振動を切ることにより、冷却することもできる。この点で、超音波振動を加熱手段として用いると、装置の簡便化とともに、高速での微細突起具1の製造が容易となるので好ましい。また、基材シート2Aの凸型部11と当接していない部分では、より熱が伝わりにくく、また、超音波振動付与のオフによって冷却が効率的に行われるので、成形部分以外の変形が生じにくいという長所がある。
次に、製造装置100では、図8(d)に示すように、冷却部220の次にリリース部230が設置されている。微細突起ユニット10の製造方法の微細突起具形成工程では、冷却工程の後に、突起部3の内部から凸型部11を抜いて微細突起具1を形成する(リリース工程)。リリース工程では、突起部3の内部から凸型部11を抜く際に基材シート2Aの撓みを抑制する撓み抑制手段として第2開口プレート13Dを用いて微細突起具1を形成する。製造装置100では、リリース工程に用いる第2開口プレート13Dは、基材シート2Aの一面2D側に配されており、基材シート2Aが送られる所定位置に対応した位置に配置されている。
リリース工程で用いる第2開口プレート13Dは、図7及び図8に示すように、基材シート2Aの一面2D側に配されており、凸型部11を一面2D側から引き抜く際に基材シート2Aが撓みにくくする役目をしている。したがって、第2開口プレート13Dは、基材シート2Aにおける凸型部11が引き抜かれる領域以外の領域、言い換えれば、基材シート2Aにおける突起部3の形成される領域である突起領域3R以外の領域を支持するように配置されている。このように配置される第2開口プレート13Dは、製造装置100では、突起領域3Rを囲むように開口した開口部13aを有する板状の第2開口プレートである。第2開口プレート13Dでは、開口部13a以外の領域で基材シート2Aを支持している。
第2開口プレート13Dは、製造装置100では、図8に示すように、開口部13aが1個形成されており、1個の開口部13aの開口面積は、凸型部11における凸型110が複数個挿通できるように、凸型110の総断面積よりも大きく形成されている。尚、第2開口プレート13Dの開口部13aは、複数の凸型110がそれぞれ挿通されるように各凸型110に対応して、複数形成されていてもよい。第2開口プレート13Dの開口部13aは、製造装置100では、開口プレート12Uの開口部12aと同心円上に配置されている。従って、基材シート2Aを挟持する一対の開口プレート12Uの開口部12a及び第2開口プレート13Dの開口部13aが厚み方向に重なっている。
製造装置100では、開口プレート12Uの開口部12aと第2開口プレート13Dの開口部13aとは、その開口形状が同じである。尚、開口部12a,13aは、開口プレート12U,13Dを上面側から視て、その形状に、特に制限はないが、製造装置100では、双方とも円形状に形成されており、開口部12a,13aの開口径が同じとなっている。
第2開口プレート13Dは、固定されていてもよいが、製造装置100では、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。第2開口プレート13Dでは、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
第2開口プレート13Dの動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
第2開口プレート13Dを構成する材質としては、開口プレート12Uを構成する材質又は凸型部11の材質と同じ材質でもよく、合成樹脂等から形成されていてもよい。
製造装置100では、基材シート2Aの他面2U側(上面側)に開口プレート12Uを配置し、基材シート2Aの一面2D側(下面側)に第2開口プレート13Dを配置している。その為、開口プレート12Uと第2開口プレート13Dとで、基材シート2Aを挟んだ状態でリリース工程を行うようになっている。微細突起ユニット10の製造方法では、図8(e)に示すように、開口プレート12Uと第2開口プレート13Dとで、基材シート2Aを挟んだ状態でリリース工程を行った後、第2開口プレート13Dを下方に移動させ且つ開口プレート12Uを上方に移動させて、内部が中空の突起部3を有する微細突起具1を基材シート2Aに形成する(微細突起具形成工程)。
次いで、図7に示すように、突起部3を有する微細突起具1の形成された基材シート2Aを搬送方向(Y方向)に移動する。微細突起具形成工程の後工程では、図7及び図10に示すように、微細突起具形成工程にて製造された、微細突起具1が形成された基材シート2Aの一面2D側(下面側)とベース部品4の先端とを接合する(接合工程)。ここで、ベース部品4の先端とは、ベース部品4における最も基材シート2Aの一面2D側(下面側)に位置する部位であり、微細突起ユニット10では、ベース部品4の液体保持空間4kの外周に亘って配された周壁部43の先端である先端壁部43sのことである。接合工程は、微細突起具1が形成された基材シート2Aとベース部品4とを接合する製造装置100の部材接合部300を用いて行う。
ベース部品4は、接合部5を融着によって形成する場合には、接合部5の形成のし易さの観点から、基材シート2Aと同じ種類の熱可塑性樹脂を含んで形成されていることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリ脂肪酸エステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート類、ポリ塩化ビニル、ナイロン樹脂、アクリル樹脂等又はこれらの組み合わせが挙げられ、生分解性の観点から、ポリ脂肪酸エステルが好ましく用いられる。ポリ脂肪酸エステルとしては、具体的に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。尚、ベース部品4は、接合部5を接着剤を用いて形成する場合には、基材シート2Aと異なる素材で形成されていてもよく、例えば、金属製であってもよい。
製造装置100では、部材接合部300は、図7及び図10に示すように、ベース部品4を固定するベース部品固定部301と、微細突起具1が形成された基材シート2A及びベース部品4を接合する接合部302と、突起部3を有する微細突起具1が形成された基材シート2Aを挟む上側開口プレート312U及び下側開口プレート313Dとを有する。ベース部品固定部301は、ベース部品4の全体の外形形状に対応する形状の凹部303を有している。凹部303は、微細突起ユニット10では、底部41が円形の円筒状に嵌合する形状に形成されている。
ベース部品固定部301は、図7に示すように、凹部303を有しており、基材シート2Aの一面2D(下面)側に配されており、凹部303内にベース部品4の底部41側の外形を嵌合させてベース部品4の周壁部43の先端壁部43sが露出するようにベース部品4の底部41側を保持するようになっている。ベース部品固定部301は、固定されていてもよいが、製造装置100では、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。具体的には、ベース部品固定部301は、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
ベース部品固定部301の動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
ベース部品固定部301は、凸型部11の材質と同じ材質でもよく、合成樹脂等から形成されていてもよい。
接合部302は、微細突起具1が形成された基材シート2Aとベース部品4とを接合する部位である。接合部302は、図7及び図10に示すように、基材シート2Aにおける突起部3の形成される領域である突起領域3Rを環囲し、更にベース部品4の周壁部43に対応する円環状の先端部302sを有している。先端部302sを有する接合部302は、先端部302s側が開口した筒状に形成されている。接合部302の先端部302sの幅は、ベース部品4の周壁部43の先端壁部43sの幅よりも狭いことが好ましく、帯状の接合部5の幅W2と略一致している。
接合部302は、図7及び図10に示すように、基材シート2Aの他面2U(上面)側に配されている。接合部302は、製造装置100では、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。具体的には、接合部302は、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
接合部302の動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
接合工程において接合する手段としては、熱シール、超音波、レーザー、又は接着剤等の手段が挙げられるが、製造装置100では、接合部302の接合する手段が、熱シールによる接合手段である。尚、熱シール、超音波、レーザーは、基材シート2A及びベース部品4等の材料を熱によって溶融し結合する現象、すなわち融着を利用して接合する接合手段である。また、接着剤としては、従来からこの種の物品に利用されているホットメルト接着剤等が利用できる。
下側開口プレート313Dは、図10に示すように、基材シート2Aの一面2D(下面)側に配されており、1個の開口部313aを有する板状のプレートで形成されている。開口部313aの開口面積は、ベース部品固定部301を一面2D側から厚み方向の上方に移動させた際にベース部品固定部301が挿通できるように、ベース部品固定部301の平面積よりも大きく形成されている。
上側開口プレート312Uは、図10に示すように、基材シート2Aの他面2U(上面)側に配されており、1個の開口部312aを有する板状のプレートで形成されている。開口部312aの開口面積は、接合部302を他面2U側から厚み方向の下方に移動させた際に接合部302が挿通できるように、接合部302の平面積よりも大きく形成されている。
下側開口プレート313D及び上側開口プレート312Uは、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。製造装置100では、下側開口プレート313D及び上側開口プレート312Uは、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
下側開口プレート313D及び上側開口プレート312Uの動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
微細突起ユニット10の製造方法では、図10(a)に示すように、ベース部品固定部301の凹部303内にベース部品4の底部41側の外形を嵌合させて、ベース部品4の周壁部43の先端壁部43sが露出するようにベース部品4を保持する。
次いで、微細突起ユニット10の製造方法では、図10(b)に示すように、下側開口プレート313Dを上方に移動させ且つ上側開口プレート312Uを下方に移動させて、下側開口プレート313Dと上側開口プレート312Uとで、基材シート2Aにおける突起部3の突起領域3Rよりも外方の位置で、微細突起具1が形成された基材シート2Aを挟む。このように、下側開口プレート313Dと上側開口プレート312Uとで、微細突起具1が形成された基材シート2Aを挟み込む。そして、図10(c)に示すように、基材シート2Aを挟んだ状態で、基材シート2Aの一面2D側(下面側)から、下側開口プレート313Dの開口部313aにベース部品4を保持したベース部品固定部301を通過させ、ベース部品4の周壁部43の先端壁部43sを基材シート2Aの一面2Dに当接させる。
また、図10(d)に示すように、下側開口プレート313Dと上側開口プレート312Uとで、微細突起具1が形成された基材シート2Aを挟んだ状態で、基材シート2Aの他面2U側(上面側)から、上側開口プレート312Uの開口部312aに接合部302を通過させ、接合部302の円環状の先端部302sを基材シート2Aの他面2Uに当接させる。尚、接合部302の円環状の先端部302sを基材シート2Aの他面2Uに当接させた後、下側開口プレート313Dと上側開口プレート312Uとで、微細突起具1が形成された基材シート2Aを挟んだ状態としてもよい。
そして、微細突起ユニット10の製造方法では、図10(e)に示すように、下側開口プレート313Dと上側開口プレート312Uとで、微細突起具1が形成された基材シート2Aを挟んだ状態で、接合部302の円環状の先端部302sにて加熱させ、基材シート2Aにおける、ベース部品4の周壁部43の先端壁部43s上に位置する部分とベース部品4の先端壁部43sとを溶融させながら微細突起ユニット10の接合部5を形成して、微細突起具1が形成された基材シート2Aの一面2D側(下面側)とベース部品4の先端とを接合する。微細突起ユニット10の接合部5の形成後、接合部302の加熱を停止する。
接合部302を基材シート2Aと当接させる時の加熱温度は、好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは120℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下であり、更に好ましくは250℃以下であり、具体的には、好ましくは100℃以上300℃以下であり、更に好ましくは120℃以上250℃以下である。
接合部302を基材シート2Aと当接させる時の加熱時間は、好ましくは0.1秒以上であり、そして、好ましくは5.0秒以下であり、具体的には、好ましくは0.1秒以上5.0s以下である。
接合部302を基材シート2Aと当接させる時の押し当て力(加圧力)は、好ましくは10N以上であり、そして、好ましくは100N以下であり、具体的には、好ましくは10N以上100N以下である。
接合工程を行った後、図10(f)に示すように、接合部302を、基材シート2Aの他面2U側(上面側)から厚み方向の上方に移動させる。そして、図10(g)に示すように、下側開口プレート313Dを下方に移動させ且つ上側開口プレート312Uを上方に移動させる。このようにして、ベース部品4が接合され且つ微細突起具1が配された基材シート2Aを、ベース部品固定部301上に形成する。
次いで、図7に示すように、突起部3を有する微細突起具1が形成され且つベース部品4が接合された基材シート2Aを搬送方向(Y方向)に移動する。接合工程の後工程では、接合工程にて製造された、ベース部品4が接合された基材シート2Aを、微細突起具1側から平面視して、ベース部品4の輪郭4Lよりも内側でベース部品4の輪郭4Lに沿って基材シート2Aをカットして微細突起ユニット10を製造する(カット工程)。ここで、ベース部品4の輪郭よりも内側とは、言い換えれば、ベース部品4の底部41の外周よりも内側のことである。カット工程では、基材シート2Aをカットして微細突起ユニット10を製造する部材カット部400を用いて行う。
製造装置100では、部材カット部400は、図7及び図11に示すように、ベース部品4を固定するベース部品固定部401と、ベース部品4が接合された基材シート2Aを切断するカット部402と、ベース部品4が接合された基材シート2Aを挟む上側開口プレート412U及び下側開口プレート413Dとを有する。ベース部品固定部401は、ベース部品4の全体の外形形状に対応する形状の凹部403を有している。凹部403は、部材接合部300の有するベース部品固定部301の凹部303と同様に、微細突起ユニット10では、底部41が円形の円筒状に嵌合する形状に形成されている。
ベース部品固定部401は、図7及び図11に示すように、凹部403を有しており、基材シート2Aの一面2D(下面)側に配されており、凹部403内にベース部品4の底部41側の外形を嵌合させて、ベース部品4が接合された基材シート2Aを保持するようになっている。ベース部品固定部401は、部材接合部300の有するベース部品固定部301と同様に、固定されていてもよいが、製造装置100では、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。具体的には、ベース部品固定部401は、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
ベース部品固定部401の動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
ベース部品固定部401は、部材接合部300の有するベース部品固定部301と同様に、凸型部11の材質と同じ材質でもよく、合成樹脂等から形成されていてもよい。
カット部402は、ベース部品4が接合された基材シート2Aを切断して微細突起ユニット10を製造する部位である。カット部402は、図7及び図11に示すように、基材シート2Aにおける突起部3の形成される領域である突起領域3Rを環囲し、更にベース部品4の周壁部43に対応する円環状の先端部402sを有している。先端部402sを有するカット部402は、先端部402s側が開口した筒状に形成されている。
カット部402は、図7及び図11に示すように、基材シート2Aの他面2U((上面)側に配されている。カット部402は、製造装置100では、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。具体的には、カット部402は、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
カット部402の動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
カット工程においてカットする手段としては、打ち抜き刃、又はレーザー等の手段が挙げられるが、製造装置100では、カット部402のカットする手段が、打ち抜き刃によるカット手段である。カット部402の先端部402sの刃は、ベース部品4の周壁部43の先端壁部43sの厚みT4の範囲内に配されていることが好ましい。製造装置100では、カット部402の先端部402sの刃は、ベース部品4の輪郭4L、言い換えれば、底部41の外周よりも内方側である突起領域3R側で、且つ帯状の接合部5の外方側の周縁よりも外方に位置している。尚、レーザーは、レーザー光を照射して、上述のように基材シート2A及びベース部品4等の材料を熱によって溶融し結合すると同時に、基材シート2Aを溶融させて切断するカット手段である。
下側開口プレート413Dは、部材接合部300の有する下側開口プレート313Dと同様に、図11に示すように、基材シート2Aの一面2D(下面)側に配されており、1個の開口部413aを有する板状のプレートで形成されている。開口部413aの開口面積は、ベース部品固定部401を一面2D側から厚み方向の上方に移動させた際にベース部品固定部401が挿通できるように、ベース部品固定部401の平面積よりも大きく形成されている。
上側開口プレート412Uは、部材接合部300の有する上側開口プレート312Uと同様に、図11に示すように、基材シート2Aの他面2U(上面)側に配されており、1個の開口部412aを有する板状のプレートで形成されている。開口部412aの開口面積は、カット部402を他面2U側から厚み方向の下方に移動させた際にカット部402が挿通できるように、カット部402の平面積よりも大きく形成されている。
下側開口プレート413D及び上側開口プレート412Uは、基材シート2Aに当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。製造装置100では、下側開口プレート413D及び上側開口プレート412Uは、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向の上下に移動可能となっている。
下側開口プレート413D及び上側開口プレート412Uの動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
微細突起ユニット10の製造方法では、図11(a)及び図11(b)に示すように、下側開口プレート413Dを上方に移動させ且つ上側開口プレート412Uを下方に移動させて、下側開口プレート413Dと上側開口プレート412Uとで、基材シート2Aにおけるベース部品4の輪郭4Lよりも外方の位置で、ベース部品4が接合され且つ微細突起具1が配された基材シート2Aを挟む。このように、下側開口プレート413Dと上側開口プレート412Uとで、ベース部品4が接合された基材シート2Aを挟み込む。
そして、微細突起ユニット10の製造方法では、図11(c)に示すように、下側開口プレート413Dと上側開口プレート412Uとで基材シート2Aを挟んだ状態で、基材シート2Aの一面2D側(下面側)から、ベース部品固定部401を通過させる。そして、ベース部品固定部401の凹部403内にベース部品4の底部41側の外形を嵌合させて、ベース部品4が接合され且つ微細突起具1が配された基材シート2Aを保持する。
そして、図11(d)に示すように、下側開口プレート413Dと上側開口プレート412Uとで、ベース部品4が接合された基材シート2Aを挟んだ状態で、基材シート2Aの他面2U側(上面側)から、上側開口プレート412Uの開口部412aにカット部402を通過させ、カット部402の先端部402sの刃を、微細突起具1側から平面視して、ベース部品4の輪郭4Lよりも内側で輪郭4Lに沿って、基材シート2Aの他面2Uに当接させてカットして微細突起ユニット10を製造する。微細突起ユニット10の製造方法のカット工程においては、ベース部品4の液体保持空間4kの外周に配される周壁部43の先端壁部43s上で基材シート2Aをカットして微細突起ユニット10を製造する。
カット工程を行った後、図11(e)に示すように、カット部402を、基材シート2Aの他面2U側(上面側)から厚み方向の上方に移動させる。そして、図11(f)に示すように、下側開口プレート413Dと上側開口プレート412Uとで挟んだ基材シート2Aのトリム部分2Atを、下側開口プレート413Dを下方に移動させ且つ上側開口プレート412Uを上方に移動させた後に、取り除く。このようにして、微細突起ユニット10を、ベース部品固定部401上に形成する。
以上のように形成された微細突起ユニット10は、その後、ベース部品固定部401から取り出され、搬送方向(Y方向)下流側に搬送される。以上の工程を繰り返すことによって、微細突起ユニット10を連続的に効率良く製造できる。
以上、本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、上記説明した図1〜図3に示す微細突起ユニット10は、微細突起具1側から平面視した際に、図12(a)〜図12(d)に示すような形態の微細突起ユニット10であってもよい。具体的に、図12(a)に示す微細突起ユニット10では、ベース部品4の輪郭4L形状が円形状であり、シート状の基底2の上面に、縦方向Yに5列及び横方向Xに5列に25個の突起部3が配列されている。但し、図12(a)に示す微細突起ユニット10は、図1〜図3に示す微細突起ユニット10と異なり、突起領域3Rの最大幅L3が突起領域3Rと接合部5との間隔L6よりも大きく形成されている。ここで、突起領域3Rと接合部5との間隔L6とは、第1方向及び第2方向を有する面方向の最も外方に位置する突起部3と接合部5とを間の最短距離を意味する。しかし、図12(a)に示す微細突起ユニット10によれば、接合部5よりも内側に突起領域3Rが配されているので、図1〜図3に示す微細突起ユニット10と同様に、液体保持空間4k内に液体が注入されて内圧がかかると、微細突起具1の基底2が外方に向かって凸に湾曲し易く、突起部3の穿刺性が向上して使用感が向上する。また、図12(b)に示す微細突起ユニット10では、ベース部品4の輪郭4L形状が円形状であり、シート状の基底2の上面に、輪郭4Lの中心に1個の突起部3が配され、該1個の突起部3から同心円で広がる複数(2個)の各円上に間隔を空けて複数の突起部3が配されており、合計21個の突起部3が配されている。図12(b)に示す微細突起ユニット10によれば接合部5よりも内側に突起領域3Rが配されており、同心円上に突起部3が配されているので穿刺性が更に向上する。
また、図12(c)に示す微細突起ユニット10では、ベース部品4の輪郭4L形状が長円形状であり、シート状の基底2の上面に、長円形状の延びる方向に沿って間隔を空けて5個の突起部3が1列に配されている。図12(c)に示す微細突起ユニット10によれば接合部5よりも内側に突起領域3Rが配されており、1列に突起部3が配されているので穿刺性が更に向上する。また、図12(d)に示す微細突起ユニット10では、ベース部品4の輪郭4L形状が矩形状の四角形であり、シート状の基底2の上面に、縦方向Yに5列及び横方向Xに5列に25個の突起部3が配列されている。図12(d)に示す微細突起ユニット10によれば接合部5よりも内側に突起領域3Rが配されているので図1〜図3に示す微細突起ユニット10と同様の効果を奏することができる。尚、ベース部品4の輪郭4L形状は、矩形状の四角形以外に、ひし形、三角形等の多角形であってもよい。
また、上記説明した図1〜図3に示す微細突起ユニット10は、図3及び図4(b)に示すように、中心位置にて厚み方向に沿って微細突起ユニット10を断面視して、ベース部品4と微細突起具1とを接合した接合部5において、微細突起具1の基底2の厚みT2が、ベース部品4の厚み方向の長さL1より小さく形成されているが、該厚みT2と該長さL1とが同じ長さであってもよく、該厚みT2が該長さL1よりも大きくてもよい。特に該厚みT2を調整することによって、液体保持空間4k内に液体が注入されて内圧がかかった際に外方に向かって凸に湾曲する基底2の湾曲の程度を調整できる。
10 微細突起ユニット
1 微細突起具
2 基底
2A 基材シート
2At トリム部分
3 突起部
3R 突起領域
4 ベース部品
4k 液体保持空間
4L ベース部品の輪郭
41 底部
42 液体供給路
43 周壁部
43s 先端壁部
100 製造装置
200 微細突起具形成部
210 突起部形成部
11 凸型部
110 凸型
12U 開口プレート
13D 第2開口プレート
220 冷却部
230 リリース部
300 部材接合部
301 ベース部品固定部
302 接合部
312U 上側開口プレート
313D 下側開口プレート
303 凹部
400 部材カット部
401 ベース部品固定部
402 カット部
412U 上側開口プレート
413D 下側開口プレート
403 凹部

Claims (6)

  1. 内部が中空の突起部を基底上に備える微細突起具と該突起部の内部に該基底を介して連通する液体保持空間を有するベース部品とを備え、該ベース部品の先端に該微細突起具を接合した微細突起ユニットであって、
    前記微細突起ユニットを前記微細突起具側から平面視して、
    前記ベース部品と前記微細突起具とを接合した接合部よりも内側に、前記基底における前記突起部が形成された突起領域が配されている、微細突起ユニット。
  2. 前記微細突起ユニットを前記微細突起具側から平面視して、
    前記ベース部品の輪郭よりも内側に、前記微細突起具の前記基底の輪郭が配されている、請求項1に記載の微細突起ユニット。
  3. 前記微細突起ユニットを前記微細突起具側から平面視して、
    前記微細突起具の前記基底の輪郭以内の位置に、前記接合部が配されている、請求項1又は2に記載の微細突起ユニット。
  4. 前記微細突起ユニットを前記微細突起具側から平面視して、
    前記突起領域の最大幅が、該突起領域と前記接合部との間隔以下である、請求項1〜3の何れか一項記載の微細突起ユニット。
  5. 前記微細突起ユニットを前記微細突起具側から平面視して、前記接合部よりも内方側に、前記基底と前記ベース部品の周壁部の先端壁部との間に未接合部がある、請求項1〜4の何れか一項に記載の微細突起ユニット。
  6. 前記接合部は、前記ベース部品の前記液体保持空間の外周に亘って配された周壁部の先端壁部上に帯状に形成されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の微細突起ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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