JP2018201608A - 光音響装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の照射位置の高密度な実装をしつつ、良好な画質の画像を得ることができる光音響装置を提供すること。【解決手段】複数の半導体発光素子と、複数の半導体発光素子から被検体への光の照射により発生する超音波を受信して電気信号を出力する超音波受信部と、電気信号に基づいて、被検体に関する画像を再構成する画像生成部と、複数の半導体発光素子から被検体へ、互いに異なる位置及び時刻に光が照射されるように複数の半導体発光素子の発光パターンを制御する制御部と、を有し、前記画像生成部は、互いに異なる位置及び時刻に被検体に照射された光に由来する複数の電気信号を、互いに独立に再構成して複数の画像を生成し、複数の画像を合成した合成画像を生成する。【選択図】図6
Description
本発明は、複数の半導体発光素子を用いた光音響装置に関する。
近年、光を利用したイメージング技術として、光音響効果を利用して被検体の内部を画像化する光音響装置が研究・開発されている。光音響装置は、被検体に照射された光のエネルギーを吸収した光吸収体から光音響効果により発生する超音波(光音響波)に基づいて、吸収係数分布画像を形成する。そして、吸収係数分布画像から、被検体内の構造画像や機能画像を生成する装置である。
光の照射スポットよりも広い領域の被検体の情報を取得するために、光の照射部の位置を変えて走査する方法の他に、光の照射部を複数設け、光の照射を行う照射部を順次変える方法がある。
特許文献1には、光源から出た光を、複数の光ファイバを介して、アレイ状に配置された照射部へ導光し、順次、照射部から被検体への光を照射する構成を開示する。また、特許文献1では被検体に順次光が照射されることによって発生する光音響波に基づいて被検体の画像を生成している。
特許文献1では、光照射部の数の分だけ光ファイバを必要とするため、高密度な実装が難しい。さらに、光を順次照射することによって得られる光音響波に基づき、
良好な画質の画像を得るための知見は得られていなかった。
良好な画質の画像を得るための知見は得られていなかった。
本発明に係る光音響装置は、
複数の半導体発光素子と、前記複数の半導体発光素子から前記被検体への光の照射により発生する超音波を受信して電気信号を出力する超音波受信部と、
前記電気信号に基づいて、前記被検体に関する画像を再構成する画像生成部と、
前記複数の半導体発光素子から前記被検体へ、互いに異なる位置及び時刻に光が照射されるように前記複数の半導体発光素子の発光パターンを制御する制御部と、を有し、前記画像生成部は、互いに異なる位置及び時刻に前記被検体に照射された光に由来する複数の前記電気信号を、互いに独立に再構成して複数の画像を生成し、前記複数の画像を合成した合成画像を生成することを特徴とする。
複数の半導体発光素子と、前記複数の半導体発光素子から前記被検体への光の照射により発生する超音波を受信して電気信号を出力する超音波受信部と、
前記電気信号に基づいて、前記被検体に関する画像を再構成する画像生成部と、
前記複数の半導体発光素子から前記被検体へ、互いに異なる位置及び時刻に光が照射されるように前記複数の半導体発光素子の発光パターンを制御する制御部と、を有し、前記画像生成部は、互いに異なる位置及び時刻に前記被検体に照射された光に由来する複数の前記電気信号を、互いに独立に再構成して複数の画像を生成し、前記複数の画像を合成した合成画像を生成することを特徴とする。
本発明に係る光音響装置によれば、光源として複数の半導体発光素子を用いるため、光の照射位置の高密度な実装が容易である。また、互いに異なる位置及び時刻に前記被検体に照射された光に由来する複数の電気信号を、互いに独立に再構成して複数の画像を生成した上で、合成するため、良好な画質の画像を得ることができる。
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明の実施形態に係る光音響装置は、被検体から伝搬する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、光音響装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、被検体内部の特性情報を示す画像を生成し表示する表示方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。
本発明の実施形態に係る光音響装置には、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した光音響イメージング装置を含む。この場合、特性情報とは、受信された光音響波に由来する信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
本実施形態において光音響画像データは、光照射により発生した光音響波に由来するあらゆる画像データを含む概念である。例えば、光音響画像データは、光音響波の発生音圧(初期音圧)、吸収エネルギー密度、及び吸収係数、被検体を構成する物質の濃度(酸素飽和度など)などの少なくとも1つの被検体情報の空間分布を表す画像データである。なお、互いに異なる複数の波長の光照射により発生する光音響波に基づいて、被検体を構成する物質の濃度などの、分光情報を示す光音響画像データが得られる。分光情報を示す光音響画像データは、酸素飽和度、酸素飽和度に吸収係数等の強度を重み付けした値、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビン濃度、またはデオキシヘモグロビン濃度であってもよい。また、分光情報を示す光音響画像データは、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、または脂肪や水の体積分率であってもよい。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本実施形態において音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。トランスデューサ等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。分布データは、光音響画像データや再構成画像データとも呼ばれる。
以下の実施形態では、被検体情報取得装置として、被検体にパルス光を照射し、被検体からの光音響波を受信し、被検体内の血管画像(構造画像)を生成する光音響装置を取り上げる。以下の実施形態ではまた、ハンドヘルド型プローブを有する光音響装置を取り上げているが、ステージにプローブを設けて機械的にスキャンする光音響装置にも適用できる。
本発明の実施形態に係る光音響装置は、複数の半導体発光素子と、前記複数の半導体発光素子から被検体への光の照射により発生する超音波を受信して電気信号を出力する超音波受信部を有する。さらに、出力された電気信号に基づいて、被検体に関する画像を再構成する画像生成部と、複数の半導体発光素子から被検体へ、互いに異なる位置及び時刻に光が照射されるように複数の半導体発光素子の発光パターンを制御する制御部と、を有する。
そして、画像生成部は、互いに異なる位置及び時刻に被検体に照射された光に由来する複数の電気信号を、互いに独立に再構成して複数の画像を生成し、複数の画像を合成した合成画像を生成する。
本実施形態に係る光音響装置は、光照射部が複数の半導体発光素子を含み構成されるため、高密度な実装が容易である。また、互いに異なる位置及び時刻に被検体に照射された光に由来する複数の電気信号を、互いに独立に再構成して複数の画像を生成するので、各々の画像には、他の時刻及び時刻に照射された光に由来するノイズが入りにくい。そのため、良好な画質の画像を得ることができる。
なお、画像生成部は、発光パターンに少なくとも基づいて決まる、被検体における光の照射領域の光量分布に関する情報に基づいて、合成画像を生成する際に、重み付け処理を行うことが好ましい。複数の発光パターンにおいて、光の照射領域が重なる領域は、重ならない領域に比べて光量が大きくなる。そこで、光量分布に応じた重み付けをするための補正処理を行うことで、光量分布の差による画像への影響を減らせる。
また、画像生成部は、発光パターンに対応する被検体における光の照射領域の光量分布に関する情報に基づいて、画像を再構成する領域を決定してもよい。
また、制御部は、発光パターンのシーケンスが互いに異なる照射モードで発光することが可能に構成されていることが好ましい。互いに異なる照射モードの発光を行うために、制御部は、照射モードに応じた発光パターンで複数の半導体発光素子を発光させることができる。なお、照射モードの内、少なくとも1つは、複数の半導体発光素子の全てが発光する発光パターンとすることができる。このとき、モード制御部によって照射モードを切り替えることができる。モードの切り替えは、ユーザーの指示に関する情報、あるいは被検体の表面(生体の皮膚等)の光吸収係数に関する情報に基づいて、照射モード(発光パターン)を決定することができる。例えば、モード制御部は、被検体の表面の光吸収係数が所定値より小さい場合、複数の半導体発光素子の全てが発光する照射モードを選択することができる。所定値は、例えば、皮膚の色に基づき設定することができる。
<第1の実施形態>
図1は本実施形態に係る光音響装置を説明するための模式的な図である。本発明の基本的な考え方を、図1を基に説明する。
図1は本実施形態に係る光音響装置を説明するための模式的な図である。本発明の基本的な考え方を、図1を基に説明する。
図1(a)において、100は被検体、101a、101b、101c、101d、101xは被検体100中の光吸収体を表す。各光吸収体の位置は一例である。光吸収体とは、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管、または、皮膚に含まれる色素のメラニン等である。そして、光吸収体は光の照射を受け、光音響波(超音波)を発生する。120a、120b、120cは超音波受信部120のトランスデューサであり、光音響波を電気信号に各々変更する。超音波受信部120はトランスデューサをアレイ状に並べて配置されている。トランスデューサ120a、120b、120cは説明のために、その一部を模式的に示している。121a、121b、121cは各々、トランスデューサ120a、120b、120cが、光吸収体101aで発生する光音響波と同時刻に受信する等時刻面のXZ断面である。この等時刻面121a、121b、121c上で発生する光音響波はトランスデューサ120a、120b、120cが受信する際、分離して電気信号に変換することはできない。200a、200b、200c、200dは各々、半導体発光素子であり、光照射部200を構成する。201a、201b、201c、201dは、各々半導体発光素子200a、200b、200c、200dから照射される光の照射領域を模式的に示した図である。光の照射領域は、被検体の内部で散乱し、一般に、より拡散し分布する。
図1(a)において、光吸収体101aが発生する光音響波に注目して、より詳細に説明する。光吸収体101aが発生する光音響波はトランスデューサ120aにより受信され電気信号に変換される。しかし、トランスデューサ120aが、光吸収体101aが発生する光音響波を受信する際、等時刻面にある光吸収体101bが発生する光音響波も同時に受信する。光吸収体101bが発生する光音響波は、半導体発光素子200bに近く、照射領域201bを見てわかるように、照射される光のエネルギーが大きな場所である。そのため、光吸収体101bが発生する光音響波は、光吸収体101aが発生する光音響波に比べ大きなものとなる。したがって、光吸収体101aによる電気信号が小さな場合は、光吸収体101bによる電気信号によりマスクされ、認識できなくなる可能性がある。また、ハンドヘルド型プローブと被検体の接触状態の変化によって、半導体発光素子200bの被検体への照射状態が変化した場合、光吸収体101bの大きな光音響波の振幅は変化し、光吸収体101aによる光音響波に対して変動するノイズになる。このように、光吸収体101aが発生する光音響波に対して、トランスデューサ120aの等時刻面121aにある半導体発光素子200bの照射エネルギーの大きな領域で発生した光吸収体101bが発生する光音響波は、大きなノイズ要因となる。
また、光吸収体101bがトランスデューサ120aの等時刻面121aの前後にある場合は、光吸収体101aが発生する光音響波の前後に、光吸収体101bが発生する大きな光音響波を受信することとなる。その結果、再構成後に、光吸収体101aの前後に実際には無い信号が発生し、やはり大きなノイズ要因となる。
一方、半導体発光素子200aの照射エネルギーの大きな領域に存在する光吸収体101xで発生する光音響波は、光吸収体101aが発生する光音響波に対するトランスデューサ120aの等時刻面121a上に無い。よって、トランスデューサ120aで変換した光音響信号を時間の違いにより、容易に分離することができる。
次に、光吸収体101aが発生する光音響波がトランスデューサ120bや120cにより受信され電気信号に変換される場合について説明する。光吸収体101aが発生する光音響波に対して、トランスデューサ120bの等時刻面121bにある半導体発光素子200cの照射エネルギーの大きな領域の光吸収体101cで発生した光音響波は大きなノイズ要因になる。また、光吸収体101aが発生する光音響波に対してトランスデューサ120cの等時刻面121cにある半導体発光素子200dの照射エネルギーの大きな領域の光吸収体101dで発生した光音響波は大きなノイズ要因になる。
以上説明した様に、超音波受信部120のトランスデューサが受信する、注目する光吸収体により発生する光音響波に対して、同時刻面にあり半導体発光素子に近い光吸収体により発生する大きな強度の光音響波はノイズ要因となる。
上述したように、半導体発光素子近傍の皮膚表面付近の光吸収体による光音響波は大きく影響する。例えば、肌に含まれる色素のメラニンの量が多い場合、皮膚表面の光音響波は大きく、上述したノイズ要因が大きくなる。また、ほくろや体毛等も同様にノイズ要因となる。
この様な、ノイズ要因を少なくするためには、図1(b)に示した様に、半導体発光素子200aが照射する照射領域については、半導体発光素子200aのみ発光し、超音波受信部120は光音響波を受信すると良いことがわかる。すなわち、光吸収体101aが発生する光音響波に対してトランスデューサ120aの等時刻面121aにある光吸収体101bは、半導体発光素子200bが発光していないので、ほとんど光音響波を発生しない。その結果、光吸収体101aが発生する光音響波に対して、光吸収体101bが発生する光音響波ほとんど影響を及ぼさない。同様に、光吸収体101aが発生する光音響波に対してトランスデューサ120bの等時刻面121bにある光吸収体101cは、半導体発光素子200cが発光していないので、ほとんど光音響波を発生しない。その結果、光吸収体101aが発生する光音響波に対して、光吸収体101cが発生する光音響波はほとんど影響を及ぼさない。さらに、光吸収体101aが発生する光音響波に対してトランスデューサ120cの等時刻面121cにある光吸収体101dは、半導体発光素子200dが発光していないので、ほとんど光音響波を発生しない。その結果、光吸収体101aが発生する光音響波に対して、光吸収体101dが発生する光音響波はほとんど影響を及ぼさない。
この様に、画像を再構成する(再構成画像を生成する)領域(照射領域)の半導体発光素子以外の半導体発光素子を消灯することによって、他の半導体発光素子の近傍の光吸収体の影響を小さくすることができる。もちろん、この場合、消灯した半導体発光素子の照射領域については、光音響波の発生がほとんど無いので、当然、光音響波による画像を取得することは困難である。したがって、半導体発光素子200aのみを発光し、半導体発光素子200aの照射領域201aの領域について再構成画像を生成する。続いて、半導体発光素子200bのみを発光し、半導体発光素子200bの照射領域201bの領域について再構成画像を生成し、続いて、半導体発光素子200cのみを発光し、半導体発光素子200cの照射領域201cの領域について再構成画像を生成する。続いて、半導体発光素子200dのみを発光し、半導体発光素子200dの照射領域201dの領域について再構成画像を生成する。最後に各々の再構成画像を合成して、被検体全体の再構成画像を得る。
この様にすることによって、被検体の全領域について良好な画質の再構成画像を得ることができる。一方、4回の照射により被検体全体の再構成画像を得るため、再構成画像を得るためにおおよそ4倍の時間が必要となる。
(装置構成)
図2に上述した動作を実現する本実施形態に係る光音響装置1のブロック図を示す。以下、図2のブロック図を用いて、本実施形態に係る光音響装置1の構成を説明する。光音響装置1は、プローブ180、信号収集部140、コンピュータ150、表示部160、入力部170を有する。プローブ180には、光照射部200、ドライバ部210と超音波受信部120が含まれる。コンピュータ150には、演算部151、記憶部152、制御部153が含まれる。
図2に上述した動作を実現する本実施形態に係る光音響装置1のブロック図を示す。以下、図2のブロック図を用いて、本実施形態に係る光音響装置1の構成を説明する。光音響装置1は、プローブ180、信号収集部140、コンピュータ150、表示部160、入力部170を有する。プローブ180には、光照射部200、ドライバ部210と超音波受信部120が含まれる。コンピュータ150には、演算部151、記憶部152、制御部153が含まれる。
ドライバ部210は光照射部200の複数の半導体発光素子の発光を後述する照射モードの照射パターン(発光パターン)に従って制御する。光照射部200の複数の半導体発光素子の発光を制御する方法の詳細については後述する。
照射パターンに従って、第一の周期(サンプリング周期)で光照射部200の半導体発光素子は発光し、被検体100に照射する。超音波受信部120は、第一の周期(サンプリング周期)で被検体100から発生した光音響波を受信して、アナログ信号としての電気信号(光音響信号)を出力する。信号収集部140は、超音波受信部120から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピュータ150に出力する。コンピュータ150は、第一の周期(サンプリング周期)で信号収集部140から出力されたデジタル信号を、第二の周期(撮像フレームレートの周期)で加算平均し、光音響波に由来する電気信号(光音響信号)としてメモリに記憶する。コンピュータ150は、記憶されたデジタル信号に対して画像再構成などの処理を行うことにより、光音響画像データを生成する。そして、光音響画像データは、表示部160で表示される。
また、コンピュータ150は、光音響装置1の全体の制御を行う。
不図示ではあるが、コンピュータ150は、必要に応じて、得られた光音響画像データに対して表示のための画像処理やGUIのためのグラフィックを合成する処理を行っても良い。
本実施形態では、第一の周期(サンプリング周期)、第二の周期(撮像フレームレートの周期)という言葉を用いて、実施形態を説明するが、本発明で用いる「周期」は、「完全に繰り返す時間が一定」である必要はない。すなわち、本発明において、一定でない時間間隔で繰り返す場合であっても、「周期」という言葉を用いている。また、第一の周期(サンプリング周期)においては、休止期間がある場合などを含む。休止期間を含まない時間における繰り返し時間を、本発明では周期と呼ぶ。
ユーザー(医師や技師等)は、表示部160に表示された光音響画像を確認することにより、診断を実施できる。表示画像は、ユーザーやコンピュータ150からの保存指示に基づいて、コンピュータ150内のメモリや、光音響装置とネットワークで接続されたデータ管理システムなどに保存されても良い。入力部170は、ユーザーからの指示などを受け付ける。
(各ブロックの詳細構成)
続いて、各ブロックの好ましい構成について詳細に述べる。
続いて、各ブロックの好ましい構成について詳細に述べる。
(プローブ180)
図3は、本実施形態の第1の実施形態のハンドヘルド型のプローブである光音響装置180の構造を示す図である。以下では、180を単にプローブと呼ぶ。
図3は、本実施形態の第1の実施形態のハンドヘルド型のプローブである光音響装置180の構造を示す図である。以下では、180を単にプローブと呼ぶ。
図3(a)において、プローブ180は、光照射部200、ドライバ部210、超音波受信部120、及び、ハウジング181を含む。ハウジング181は、光照射部200、ドライバ部210、及び超音波受信部120を囲う筺体である。ユーザーは、ハウジング181を把持することにより、プローブ180をハンドヘルド型プローブとして利用できる。光照射部200は、光パルスを被検体に照射する。光照射部200は例えば複数の半導体発光素子により構成されている。図3に示すように本発明の第1の実施形態では、200a〜200hの8個の半導体発光素子(例えば半導体レーザ)で光照射部200を実現した。光照射部の構成はこの構成に限ることは無く、例えば、200a〜200dの4個の半導体発光素子(半導体レーザ)の構成であっても良いし、32個の半導体発光素子(発光ダイオード)からなる構成であっても良い。半導体発光素子の種類や個数は必要な光量から決定する。なお、図中のXYZ軸は、プローブを静置した場合の座標軸を示すものであり、プローブ使用時の向きを限定するものではない。
図3(a)に示すプローブ180は、ケーブル182を介して、信号収集部140と繋がっている。ケーブル182は、光照射部200に電力を供給する配線や、発光制御信号配線や、超音波受信部120から出力されたアナログ信号を信号収集部140に出力する配線を含む。ケーブル182にコネクタを設け、プローブ180と光音響装置のその他の構成とを分離できる構成としてもよい。
図3(b)はプローブ180の光照射部200と超音波受信部120部分のYZ断面図である。図3(c)はプローブ180の光照射部200と超音波受信部120部分を被検体との接触面から見た図である。図3(c)では、半導体発光素子がX方向(第一の方向)にアレイ状に配置されている。なお、超音波受信部120は複数の超音波トランスデューサを含み構成されていてもよく、X方向(第一の方向)にアレイ状に配置することができる。(光照射部200)
図3に示す様に、光照射部200は8個の半導体発光素子200a〜200hで構成される。8個の半導体発光素子200a〜200hはトランスデューサアレイから構成される超音波受信部120の両側に実装される。超音波受信部120の両側に実装された半導体発光素子200aと200e、200bと200f、200cと200g、200dと200hは同時に発光し2つのペアで超音波受信部120の直下の被検体内部に光を照射する。半導体発光素子200aから200hの発光順番と照射領域について図4に示した。
図3に示す様に、光照射部200は8個の半導体発光素子200a〜200hで構成される。8個の半導体発光素子200a〜200hはトランスデューサアレイから構成される超音波受信部120の両側に実装される。超音波受信部120の両側に実装された半導体発光素子200aと200e、200bと200f、200cと200g、200dと200hは同時に発光し2つのペアで超音波受信部120の直下の被検体内部に光を照射する。半導体発光素子200aから200hの発光順番と照射領域について図4に示した。
光照射部200は、被検体100に照射するための光を発生させる。光照射部200としては、パルス光を発生させ、かつ、酸素飽和度などの物質濃度を取得する場合には、複数の波長を出力できる光源が好適である。
また、光源に要求される光量やプローブ180のハウジング内に実装する必要から、図3に示したような半導体レーザや発光ダイオード等の半導体発光素子を複数用いるのが好ましい。複数の波長を出力する場合には、異なる波長の光を発生する複数の種類の半導体レーザや発光ダイオードを用い、切り換え発光することにより実現できる。
光照射部200が発する光のパルス幅は、例えば10ns以上、1μs以下である。また、光の波長としては、400nm以上、1600nm以下が好適であるが、画像化したい光吸収体の光吸収特性に応じて波長を決定して良い。血管を高解像度でイメージングする場合は、血管での吸収が大きい波長(400nm以上、800nm以下)を用いてもよい。生体の深部をイメージングする場合には、生体の背景組織(水や脂肪など)において吸収が少ない波長(700nm以上、1100nm以下)の光を用いてもよい。本実施形態では、光照射部200の光源として半導体発光素子を用いるため、光量が不足する。すなわち、一回の照射で得られる光音響信号が所望のS/Nに達しない。そのため、発光順番各々について、第一の周期(サンプリング周期)で発光し、光音響信号を加算平均し、S/Nを向上し、加算平均した光音響信号を基に、第二の周期(撮像フレームレートの周期)で再構成画像を算出する。
半導体発光素子の出力が十分である用途においては、第一の周期(サンプリング周期)で発光し、光音響信号を加算平均することを行わなくともよい。すなわち1回の照射で、再構成画像を生成しても良い。
本実施形態で用いる光照射部200の波長の一例として、797nmの波長が好適である。すなわち、被検体の深部まで届く波長であり、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの吸収係数が略等しいため血管構造の検出に適している。また、第2の波長として、756nmの光源を用いれば、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの吸収係数差を用い、酸素飽和度を求めることができる。
(超音波受信部120)
超音波受信部120は、第一の周期(サンプリング周期)の発光に伴い発生する光音響波を受信して電気信号を出力する超音波トランスデューサと、トランスデューサを支持する支持体とを含む。以下では超音波トランスデューサを単にトランスデューサと呼ぶ。トランスデューサを構成する部材として例えば、圧電材料、静電容量型トランスデューサファブリペロー干渉計を用いたトランスデューサなどを使用できる。圧電材料として例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電膜材料がある。静電容量型トランスデューサはCMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)と呼ぶ。
超音波受信部120は、第一の周期(サンプリング周期)の発光に伴い発生する光音響波を受信して電気信号を出力する超音波トランスデューサと、トランスデューサを支持する支持体とを含む。以下では超音波トランスデューサを単にトランスデューサと呼ぶ。トランスデューサを構成する部材として例えば、圧電材料、静電容量型トランスデューサファブリペロー干渉計を用いたトランスデューサなどを使用できる。圧電材料として例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電膜材料がある。静電容量型トランスデューサはCMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)と呼ぶ。
第一の周期(サンプリング周期)でトランスデューサにより得られる電気信号は時間分解信号である。そのため、電気信号の振幅は、各時刻にトランスデューサで受信される音圧に基づく値(例えば、音圧に比例した値)を表している。
なお、トランスデューサとしては、光音響波を構成する周波数成分(典型的には100KHzから10MHz)を検出できるものが好ましい。また、支持体に複数のトランスデューサを並べて配置して、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、または2Dアレイと呼ばれるような平面や曲面を形成することも好ましい。なお、図2では一例として、1Dアレイのトランスデューサを模式的に示している。
超音波受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を増幅する増幅器を備えてもよい。また、超音波受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を時系列のデジタル信号に変換するA/D変換器を備えてもよい。すなわち、超音波受信部120が信号収集部140を備えてもよい。
なお、音響波を様々な角度から検出して画像精度を向上させるためには、被検体100を全周囲から囲むようなトランスデューサ配置が好ましい。また、全周囲を囲めないほど被検体100が大きい場合は、半球状の支持体上にトランスデューサを配置してもよい。このような形状の超音波受信部120を備えるプローブ180は、ハンドヘルド型ではなく、プローブを被検体100に対して相対移動させる機械走査型の光音響装置に好適である。プローブの移動には、XYステージなどの走査部を用いれば良い。なお、トランスデューサの配置および数、ならびに支持体の形状は、上記に限定されず、被検体100に応じて最適化すればよい。
超音波受信部120と被検体100との間の空間には、光音響波を伝搬させる媒質を配置すると良い。これにより、被検体100とトランスデューサの界面における音響インピーダンスが整合する。媒質として例えば、水、油、超音波ジェルなどがある。
光音響装置1は、被検体100を保持して形状を安定させる保持部材を備えていても良い。保持部材としては光透過性と音響波透過性がともに高いものが好ましい。例えば、ポリメチルペンテンやポリエチレンテレフタレート、アクリルなどを利用できる。
本実施形態に係る装置が、光音響画像に加えて、音響波の送受信により超音波画像も生成する場合、トランスデューサは、音響波を送信する送信手段として機能してもよい。受信手段としてのトランスデューサと送信手段としてのトランスデューサとは、単一(共通)のトランスデューサでもよいし、別々の構成であってもよい。
(信号収集部140)
信号収集部140は、第一の周期(サンプリング周期)の発光に伴い発生する超音波受信部120から出力されたアナログ信号である電気信号を増幅するアンプと、アンプから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む。信号収集部140は、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成されてもよい。
信号収集部140は、第一の周期(サンプリング周期)の発光に伴い発生する超音波受信部120から出力されたアナログ信号である電気信号を増幅するアンプと、アンプから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む。信号収集部140は、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成されてもよい。
更に詳細に信号処理部140の動作を説明する。超音波受信部120のアレイ状に配置された複数のトランスデューサが出力したアナログ信号は、各々に対応する複数のアンプにより増幅され、各々に対応する複数のA/D変換器でデジタル信号に変換される。A/D変換レートは入力される信号の帯域の少なくとも2倍以上で行う。前述した様に、光音響波の周波数成分が100KHzから10MHzであれば、A/D変換レートは20MHz以上、望ましくは40MHzの周波数で変換を行う。なお、信号収集部140は、発光制御信号を用いることにより、光照射のタイミングと信号収集処理のタイミングを同期化する。すなわち、第一の周期(サンプリング周期)毎に発光時刻を基準にして、上述したA/D変換レートでA/D変換を開始し、アナログ信号をデジタル信号に変換する。その結果、第一の周期(サンプリング周期)毎に発光時刻からA/D変換レート分の1の時間間隔(A/D変換間隔)毎のデジタルデータ列が複数のトランスデューサ毎に取得できる。
信号収集部140は、Data Acquisition System(DAS)とも呼ばれる。本明細書において電気信号は、アナログ信号もデジタル信号も含む概念である。
上述したように、信号収集部140をプローブ180のハウジング181の内部に配置してもよい。このような構成であれば、プローブ180とコンピュータ150との間の情報がデジタル信号で伝搬されるため、耐ノイズ性が向上する。また、アナログ信号を伝送する場合に比べ、高速デジタル信号を用いることによって、配線数を少なくすることが可能となり、プローブ180の操作性が向上する。
また、後述する加算平均も信号収集部140で行っても良い。この場合FPGA等のハードウェアを用いて加算平均を行うと好適である。
(コンピュータ150)
コンピュータ150は、演算部(画像生成部)151、記憶部152、制御部153を含む。演算部151としての演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成できる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されても良いし、複数のプロセッサや演算回路から構成されても良い。
コンピュータ150は、演算部(画像生成部)151、記憶部152、制御部153を含む。演算部151としての演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成できる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されても良いし、複数のプロセッサや演算回路から構成されても良い。
コンピュータ150は、複数のトランスデューサ各々について以下の加算平均を行う。コンピュータ150は、第一の周期(サンプリング周期)毎に信号収集部140から出力される前述したデジタルデータ列の発光時刻から同時刻のデータ各々について加算平均する。そして、コンピュータ150は、加算平均化されたデジタルデータ列を、第二の周期(撮像フレームレートの周期)毎に、光音響波に由来する加算平均された電気信号(光音響信号)として、記憶部152に記憶する。
そして、演算部151は、第二の周期(撮像フレームレートの周期)毎に、記憶部152に記憶された加算平均光音響信号に基づいて、画像再構成による光音響画像データ(構造画像や機能画像)の生成や、その他各種の演算処理を実行する。演算部151は、入力部170から、被検体音速や保持部の構成などの各種パラメータ入力を受け付けて、演算に用いてもよい。
演算部151が電気信号を3次元のボリュームデータに変換するときの再構成アルゴリズムとしては、タイムドメインでの逆投影法、フーリエドメインでの逆投影法、モデルベース法(繰り返し演算法)など、任意の手法を採用できる。タイムドメインでの逆投影法として、Universal back−projection(UBP)、Filtered back−projection(FBP)、または整相加算(Delay−and−Sum)などが挙げられる。
光照射部200が2波長の場合、演算部151は、画像再構成処理によって、第1の波長の光に由来する光音響信号から第1の初期音圧分布を、第2の波長の光に由来する光音響信号から第2の初期音圧分布を生成する。さらに、第1の初期音圧分布を第1の波長の光の光量分布で補正することによって第1の吸収係数分布を、第2の初期音圧分布を第2の波長の光の光量分布で補正することによって第2の吸収係数分布を取得する。さらに、第1および第2の吸収係数分布から、酸素飽和度分布を取得する。なお、最終的に酸素飽和度分布が得られれば良いので、演算の内容や順序はこれに限られない。
記憶部152は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性のメモリや、ROM(Read only memory)、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの非一時記憶媒体により構成される。なお、プログラムが格納される記憶媒体は、非一時記憶媒体である。また、記憶部152は、複数の記憶媒体から構成される。
記憶部152は、第二の周期(撮像フレームレートの周期)で加算平均された光音響信号や、演算部151により生成される光音響画像データや、光音響画像データに基づいた再構成画像データなど、各種のデータを保存できる。
制御部153は、CPUなどの演算素子で構成される。制御部153は、光音響装置の各構成の動作を制御する。制御部153は、後述する複数の照射パターンや照射モードを記憶し、指定された照射モードの複数の照射パターンに従って第一の周期(サンプリング周期)で半導体発光素子の発光を制御する発光制御信号をドライバ部210に送る。そして、指定されたモードの複数の照射パターンに従って、半導体発光素子は発光し、被検体を照射する。制御部153は、照射モードの照射パターンに従って発光を制御する発光制御部でもある。また、制御部153は、複数の照射モードから、後述するように、ユーザーの指示、あるいは自動で、再構成画像を取得する際の照射モードを選択する機能も有してもよい。
また、制御部153は、記憶部152に格納されたプログラムコードを読み出し、光音響装置の各構成の動作を制御する。
また、制御部153は表示部160に対する画像の調整などを行う。これにより、プローブの移動と光音響測定に伴い順次、酸素飽和度分布画像が表示される。
コンピュータ150は本発明に専用に設計されたワークステーションであってもよい。コンピュータ150はまた、汎用的なPCやワークステーションを、記憶部152に格納されたプログラムの指示に従って動作させたものであっても良い。また、コンピュータ150の各構成は異なるハードウェアによって構成されてもよい。また、コンピュータ150の少なくとも一部の構成は単一のハードウェアで構成されてもよい。
図5は、本実施形態に係るコンピュータ150の具体的な構成例を示す。本実施形態に係るコンピュータ150は、CPU154、GPU155、RAM156、ROM157、外部記憶装置158から構成される。また、コンピュータ150には、表示部160としての液晶ディスプレイ161、入力部170としてのマウス171、キーボード172が接続されている。
また、コンピュータ150および超音波受信部120は、共通の筺体に収められた構成で提供されてもよい。また、筺体に収められたコンピュータで一部の信号処理を行い、残りの信号処理を筺体の外部に設けられたコンピュータで行ってもよい。この場合、筺体の内部および外部に設けられたコンピュータを総称して、本実施形態に係るコンピュータとすることができる。すなわち、コンピュータを構成するハードウェアが一つの筺体に収められていなくてもよい。コンピュータ150として、クラウドコンピューティングサービスなどで提供される、遠隔地に設置された情報処理装置を用いても構わない。
コンピュータ151は、本発明の処理部に相当する。特に、演算部151が中心となって処理部の機能を実現する。
(表示部160)
表示部160は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。コンピュータ150により得られた被検体情報等に基づく画像や特定位置の数値等を表示する装置である。表示部160は、画像や装置を操作するためのGUIを表示してもよい。表示部160またはコンピュータ150において画像処理(輝度値の調整等)を行ってもよい。
表示部160は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。コンピュータ150により得られた被検体情報等に基づく画像や特定位置の数値等を表示する装置である。表示部160は、画像や装置を操作するためのGUIを表示してもよい。表示部160またはコンピュータ150において画像処理(輝度値の調整等)を行ってもよい。
(入力部170)
入力部170としては、ユーザーが操作可能な、マウスやキーボード等で構成される操作コンソールを採用できる。また、表示部160をタッチパネルで構成し、表示部160を入力部170として利用してもよい。入力部170は、ユーザーからの指示や数値などの入力を受け付け、コンピュータ150に伝達する。
入力部170としては、ユーザーが操作可能な、マウスやキーボード等で構成される操作コンソールを採用できる。また、表示部160をタッチパネルで構成し、表示部160を入力部170として利用してもよい。入力部170は、ユーザーからの指示や数値などの入力を受け付け、コンピュータ150に伝達する。
なお、光音響装置の各構成はそれぞれ別の装置として構成されてもよいし、一体となった1つの装置として構成されてもよい。また、光音響装置の少なくとも一部の構成が一体となった1つの装置として構成されてもよい。
また、コンピュータ150は、制御部153により、光音響装置に含まれる構成の駆動制御も行う。また、表示部160は、コンピュータ150で生成された画像の他にGUIなどを表示してもよい。入力部170は、ユーザーが情報を入力できるように構成されている。ユーザーは、入力部170を用いて測定開始や終了、後述する照射モードの指定や、作成画像の保存指示などの操作を行うことができる。
(被検体100)
被検体100は光音響装置を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として使用できる。よって、被検体100としては、生体、具体的には人体や動物の***や各臓器、血管網、頭部、頸部、腹部、手指および足指を含む四肢などの診断の対象部位が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを多く含む血管、あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管などを光吸収体の対象としてもよい。また、頸動脈壁のプラークなどを光吸収体の対象としてもよい。被検体として人体の場合、皮膚に含まれる色素のメラニンが、前述したノイズの原因となる光音響波を発生する光吸収体となりうる。また、メチレンブルー(MB)、インドシニアングリーン(ICG)などの色素、金微粒子、またはそれらを集積あるいは化学的に修飾した外部から導入した物質を光吸収体としてもよい。また、穿刺針や穿刺針に付された光吸収体を観察対象としてもよい。被検体は、ファントムや試験対象物などの無生物であっても良い。
被検体100は光音響装置を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として使用できる。よって、被検体100としては、生体、具体的には人体や動物の***や各臓器、血管網、頭部、頸部、腹部、手指および足指を含む四肢などの診断の対象部位が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを多く含む血管、あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管などを光吸収体の対象としてもよい。また、頸動脈壁のプラークなどを光吸収体の対象としてもよい。被検体として人体の場合、皮膚に含まれる色素のメラニンが、前述したノイズの原因となる光音響波を発生する光吸収体となりうる。また、メチレンブルー(MB)、インドシニアングリーン(ICG)などの色素、金微粒子、またはそれらを集積あるいは化学的に修飾した外部から導入した物質を光吸収体としてもよい。また、穿刺針や穿刺針に付された光吸収体を観察対象としてもよい。被検体は、ファントムや試験対象物などの無生物であっても良い。
(実施形態の動作)
前述した、半導体発光素子を順次発光し、再構成画像を得る動作を以下に説明する。図4に示した例では、半導体発光素子200aと200e、200b200f、200cと200g、200dと200hの対で同時発光し、それらが順番に発光する。本発明では、図4(a)(b)(c)(d)で示した発光状態各々を照射パターン、照射パターンの組を照射モードと呼ぶ。すなわち、図4に示した照射モードは、4つの照射パターンの繰り返しから成り立っている。もちろん、本発明に対応する半導体発光素子の数や照射パターンの数は、この数に限るものではない。どのような数であっても本発明は適応できる。
前述した、半導体発光素子を順次発光し、再構成画像を得る動作を以下に説明する。図4に示した例では、半導体発光素子200aと200e、200b200f、200cと200g、200dと200hの対で同時発光し、それらが順番に発光する。本発明では、図4(a)(b)(c)(d)で示した発光状態各々を照射パターン、照射パターンの組を照射モードと呼ぶ。すなわち、図4に示した照射モードは、4つの照射パターンの繰り返しから成り立っている。もちろん、本発明に対応する半導体発光素子の数や照射パターンの数は、この数に限るものではない。どのような数であっても本発明は適応できる。
図6は、本発明の第1の実施形態における動作をわかりやすく説明するためのタイミング図である。図6において横軸は時間軸である。これらの制御は、コンピュータ150あるいはFPGAあるいは専用のハードウェアが行う。図6を用いて、本発明の光音響装置の光音響信号の取得と、取得された光音響信号に基づく光音響画像を生成する方法について詳細に説明する。
図4に示した照射モードを実現するために、図6のT1に示すように、光音響装置は、光照射部200の複数の半導体光発光素子の発光する照射パターンを決定し切り換える。すなわち、照射パターンP1は半導体発光素子200aと200eが発光するパターン、照射パターンP2は半導体発光素子200b200fが発光するパターンである。また、照射パターンP3は半導体発光素子200cと200gが発光するパターン、照射パターンP4は半導体発光素子200dと200hが発光するパターンである。この4つの照射パターンが繰り返される照射モードを持つ。
半導体発光素子の光量は少ないため、S/N向上を目的として、図6のT2に示すように、光音響装置は各々の照射パターンで光照射部200が第一の周期(サンプリング周期:tw1)で発光し、発光に伴う光音響信号をサンプリング周期:tw1で取得する。
なお、サンプリング周期:tw1の長さは、皮膚に対する最大露光許容量(MPE:Maximum Permissible Exposure)を考慮して、設定する。なぜならば、サンプリング周期tw1の長さが短くなるほど、MPE値が小さくなるからである。たとえば、測定波長が750nm、パルス光のパルス幅が1μSecであり、サンプリング周期tw1が0.1mSecである場合には、皮膚に対するMPE値は、約14J/m2である。一方、光出射部113から照射されるパルス光のピークパワーが2kWで、光出射部113からの照射面積が150mm2である場合は、光照射部200から人体などの被検体100に照射される光エネルギーは、約13.3J/m2になる。この場合は、光出射部113から照射される光エネルギーがMPE値以下になる。このように、サンプリング周期tw1が0.1mSec以上であれば、MPE値以下であることが保証できる。このように、サンプリング周期tw1とパルス光のピークパワーと照射面積からMPE値を超えない範囲で設定する。
次に、図6のT2からT4に示すように、サンプリング周期:tw1で光音響信号を4回取得し((1)から(4))、加算平均し、加算平均された光音響信号A1を撮像フレームレートの周期:tw2毎に得る。ここで加算平均は、単純平均や移動平均や重み付け平均等を用いる。例えば、サンプリング周期tw1の時間が0.1mSec、画像生成レートが60Hzの場合、画像生成レートの周期tw3は16.7mSec、撮像フレームレートの周期tw2は4.17mSecとなる。この場合、撮像フレームレートの周期内で加算平均回数を41回とできる。
次に、図6のT4に示すように、加算平均された光音響信号A1を基に、前述した再構成のための処理を行い、再構成画像データR1を求める。再構成画像データは、撮像フレームレートの周期で順次算出される。再構成処理のための計算を行う場合、各々の照射パターンの照射毎に被検体全領域の再構成処理を行っても良い。しかしながら再構成処理を大きな領域で行う場合、計算量が多くなり、計算に長い時間が必要になる。計算量を少なくするため、各々の照射パターンの照射領域に応じて再構成処理を行う領域を決定しても良い。例えば、照射パターンに応じた再構成処理を行う領域が各々重なる領域が生じるように、各々の照射パターンの照射領域の光量に対して閾値を決定し、再構成処理を行う領域を設定すると良い。そして、図6のT4からT6に示すように、再構成画像データR1からR4を合成し、合成再構成画像を画像生成レートの周期で順次計算される。複数の再構成画像から合成再構成画像を生成する方法として、ボクセル座標が同じ複数の再構成画像のデータを平均して求めると良い。また、更に良好な方法として、ボクセル座標が同じ複数の再構成画像のデータに各々の照射パターンにおける照射した光量で重み付け平均しても良い。
そして、表示部160は合成再構成画像データを表示する。
ここで、サンプリング周期tw1や撮像フレームレートの周期tw2は、以下のように決定する。
前述したように、MPE値による制限により、パルス光のピークパワーと照射面積からサンプリング周期tw1が決まる。そして、パルス光1回の照射で得られる光音響信号のS/Nと、要求される画質から決定された光音響信号のS/Nの比から加算平均回数が決まる。例えば、パルス光1回の照射で得られる光音響信号のS/Nが、要求される光音響信号のS/Nの1/5倍であるなら、5倍、S/Nを向上する必要がある。よって、25回、平均を行う必要がある。例えば、サンプリング周期tw1が0.1mSecであれば、撮像フレームレートの周期は2.5mSec以上、すなわち、撮像フレームレートは400Hz以下となる。
また、サンプリング周期tw1は、半導体発光素子の発熱からも制限される。すなわち、プローブの熱抵抗が決まれば、半導体発光素子の消費電力から温度が決まる。半導体発光素子の温度が許容温度を超えない様にサンプリング周期tw1を長くする必要がある。
一方、加算平均回数を多くすると、長い時間にわたり光音響信号を加算平均化するので、被検体に体動等ある場合には、動きによるボケが発生する。動きボケを少なくするには、なるべく加算平均回数を少なくした方が有利となる。具体的には要求される解像度の1/2以下に動きボケを抑えるように設計すると好適である。例えば、要求される解像度が0,2mmとし、被検体の体動が5mm/Secとすれば、サンプリング周期tw1が0.1mSecの場合、加算平均化回数は200回以下すなわち撮像フレームレートの周期tw2を20mSec以下とする。
このような複数の条件を考え、サンプリング周期tw1、撮像フレームレートの周期tw2を決定する。もちろん、すべ他の条件を満たすことが不可能な場合、優先度を決め、これらのパラメートを決定する。
本発明の第1の実施形態において、図4に示した4つの照射パターンからなる照射モードで説明した。照射モードはこの例に限ることは無い。例えば、各々の照射パターンは半導体発光素子200a〜200hが1つのみ発光するものであっても良い。この場合は、照射モードは8つの照射パターンからなる。このような照射モードを用いると、全領域の再構成画像データを取得する時間がより多く必要となる。しかし、ノイズの原因となり得る、被検体表面の光音響波の影響を抑制することが可能となる。また、照射パターンの順序は、隣接する半導体発光素子の発光時刻の間隔が少ない様な照射パターンが好適である。隣接する半導体発光素子の発光時刻の間隔が長くなると体動の影響を受け各々の再構成画像がずれ、合成を行う際、うまく再構成画像がつながらなくなる可能性がある。
本発明の第1の実施形態によれば、複数の照射パターンを持ち、時分割で半導体発光素子を発光することによって、被検体表面付近の強度の大きな光音響信号による画質の低下を防止することが可能となる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
前述したように、本実施形態によれば、良好な合成された再構成画像を得ることが可能となる。しかしながら、複数の照射パターンを用い複数の再構成画像データを取得し、合成再構成画像を得るため、時間が多く必要となる。本発明の第2の実施形態は、複数の照射パターンを持つ照射モードであっても、短時間で合成再構成画像の更新が行える形態である。
図7は、本発明の第2の実施形態における動作をわかりやすく説明するためのタイミング図である。図7において横軸は時間軸である。図7T1〜T6は第1の実施形態で説明したものと変わらないので、説明は省略する。第2の実施形態において、図7T4に示すように、算出された再構成画像データは、撮像フレームレートの周期で順次算出される。
図7T4からT6に示すように、再構成画像データR1、R2、R3、R4を合成する(B1)。そして、次の再構成画像が算出されると、撮像フレームレートの周期で再構成画像データR2、R3、R4、R1を合成する(B2)。そして、次の再構成画像が算出されると、撮像フレームレートの周期で再構成画像データR3、R4、R1、R2を合成する(B3)。以上を繰り返し、撮像フレームレートの周期で合成再構成画像データを算出することが可能となる。
この場合、合成再構成画像は照射パターンに対応する再構画像データが随時変更される形となるが、再構成画像データを取得した部分を最小の遅延で更新できる利点がある。
本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態同様に、被検体表面付近の強度の大きな光音響信号による画質の低下を防止することが可能となる。さらに、合成再構成画像の更新を最短に行うことが可能となる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、複数の照射モードを持ち、ユーザーあるいは自動で照射モードを切り換えることが可能な光音響装置である。照射モードのユーザーによる指定は入力部170のマウス171やキーボード172から行うと良い。また、各照射モードや照射パターンの記憶や実行はコンピュータ150が行う。
第3の実施形態は、複数の照射モードを持ち、ユーザーあるいは自動で照射モードを切り換えることが可能な光音響装置である。照射モードのユーザーによる指定は入力部170のマウス171やキーボード172から行うと良い。また、各照射モードや照射パターンの記憶や実行はコンピュータ150が行う。
第3の実施形態は、例えば、照射モードを3つ持つ。第1の照射モードである照射モード1は、第1の実施形態で示した照射モードである。すなわち、照射モード1は8つの半導体発光素子が2つ同時に発光する4つの照射パターンを有する第2の照射モードである照射モード2は、図8に示した2つの照射パターンを持つ。図8は、第3の実施形態における照射モード2の複数の照射パターン。すなわち、半導体発光素子200aから200hの発光と照射領域を示す図である。照射モード2は4つの半導体発光素子が同時に発光する2つの照射パターンの繰り返しからなる。照射モード2における動作をわかりやすく説明するためのタイミング図を図9に示す。図9において横軸は時間軸である。図9T1〜T6は第1の実施形態で説明したものと同じであるので、説明は省略する。照射モード2において、図9T4に示すように、算出された再構成画像データは、撮像フレームレートの周期で順次算出される。そして、図9T4からT6に示すように、再構成画像データR1、R2を合成し、画像生成レートの周期で合成再構成画像データを算出する。
第3の照射モードである照射モード3は、8つの半導体発光素子が同時に発光する1つの照射パターンからなる照射モードである。
この様な3つの照射モードの特徴は以下のとおりである。照射モード3は1つの照射パターンの発光で被検体の全領域を照射できる。そのため、他の照射モードより高速に、被検体の全領域の再構成画像を得ることはできる。また再構成画像の合成も行わなくてよい。被検体表面近くに光吸収体が少ない場合、再構成画像の劣化は少ないため、この照射モード3は有効である。照射モード1は、前述したように、被検体表面近くに光吸収体がある場合再構成画像の劣化を少なくすることが可能なモードである。しかしながら、4回の照射で再構成画像を合成して被検体の全領域の再構成画像を得るため、再構成画像を得る速度は遅くなる。照射モード2は照射モード1と照射モード3の中間の照射モードであり、両方の長所を有している。
この様な3つの照射モードを有する光音響装置において、ユーザーが照射モードを選択できるようにすると、好適である。例えば、白色人種の様な肌に含まれる色素のメラニン濃度が低い被検体の場合、ユーザーは照射モード3を選択すると良い。また、黒色人種の肌やほくろを有する皮膚の表面にプローブをあてる場合、肌に含まれる色素のメラニン濃度が高いので、ユーザーは照射モード1を選択すると良い。また、照射モードをリアルタイムに切り換え可能な構成とし、得られた再構成画像を見ながらユーザーが照射モードを選択できるようにすると好適である。
さらに、皮膚の光吸収係数により自動で照射モードを設定すると好適である。すなわち、皮膚の状態を観察するカメラや光反射率測定器を別途プローブ180に設け皮膚の明るさによって、自動で照射モードを選択しても良い。もちろん皮膚の明るさが暗い場合(皮膚の光吸収係数大きい場合)は照射モード1を選択する。また、カメラや光反射率測定器を用いず、超音波受信部120が受信する皮膚表面の光音響信号の大きさで皮膚の光吸収係数を推定し、照射モードを選択しても良い。例えば、初めに照射モード3で光音響信号を受信して、得られた光音響信号の皮膚表面に対応する時刻の信号が大きい場合、照射モード2を選択し、より大きな場合、照射モード1を選択するように、コンピュータ150は制御する。
以上説明した様に、本発明の第3の実施形態によれば、被検体である皮膚のメラニン濃度等によって、最適な照射モードをユーザーが指定、あるいは自動で選択することができる。その結果、皮膚のメラニン濃度によらず、ノイズの少ない再構成画像を最短で取得ることが可能となる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、ハンドヘルド型プローブの異なる実施形態である。
第4の実施形態は、ハンドヘルド型プローブの異なる実施形態である。
図10は、本実施形態の第1の実施形態のプローブ180の構造を示す図である。図3(a)同様に、図10(a)において、プローブ180は、光照射部200、ドライバ部210、超音波受信部120−1、120−2、及び、ハウジング181を含む。光照射部200は、光パルスを被検体に照射する。光照射部200は例えば複数の半導体発光素子により構成されている。図10に示すように本発明の第4の実施形態では、超音波受信部120−1と超音波受信部120−2は各々のトランスデューサアレイで構成される。そして、光照射部200は、超音波受信部120−1と超音波受信部120−2に挟まれて実装される。光照射部200は半導体発光素子200a〜200dで実現される。半導体発光素子200a〜200dは具体的には4個の半導体レーザで実現した。なお、図中のXYZ軸は、プローブを静置した場合の座標軸を示すものであり、プローブ使用時の向きを限定するものではない。
図10(a)に示すプローブ180は、ケーブル182を介して、信号収集部140と繋がっている。ケーブル182は、光照射部200に電力を供給する配線や、発光制御信号配線や、超音波受信部120−1、超音波受信部120−2から出力されたアナログ信号を信号収集部140に出力する配線を含む。
図10(b)はプローブ180の光照射部200と超音波受信部120−1、超音波受信部120−2部分のYZ断面図である。図10(c)はプローブ180の光照射部200と超音波受信部120−1、超音波受信部120−2部分を被検体との接触面から見た図である。
半導体発光素子200a〜200dの発光順番と照射領域について図11に示した。第4の実施形態は、第1の実施形態と超音波受信部120−1、超音波受信部120−2の構成、光照射部200の構成が異なるだけであり、第1の実施形態同様の動作を行う。そのため、第11の実施形態においても、4つの照射パターンを持つ照射モードにより光照射部200で被検体を照射することにより、ノイズの少ない再構成画像を取得することが可能となる。
<第5の実施形態>
複数の半導体発光素子により光源200を実現する場合、各々の半導体発光素子の光出力のばらつきが、合成再構成画像の生成に問題となる。すなわち、合成再構成画像の輝度ばらつきが発生する。第5の実施形態は、複数の半導体発光素子で実現した光源200において、複数の半導体発光素子間の光出力のばらつきによる再構成画像の輝度ばらつきを補正する構成である。
複数の半導体発光素子により光源200を実現する場合、各々の半導体発光素子の光出力のばらつきが、合成再構成画像の生成に問題となる。すなわち、合成再構成画像の輝度ばらつきが発生する。第5の実施形態は、複数の半導体発光素子で実現した光源200において、複数の半導体発光素子間の光出力のばらつきによる再構成画像の輝度ばらつきを補正する構成である。
第1の実施形態で説明した複数の半導体発光素子200a〜200hを有する光照射部200の構成で、第5の実施形態の説明を行う。
複数の半導体発光素子200a〜200h間の発光光量ばらつきがある場合、以下に示すように補正を行う。
ひとつの補正方法は、複数の照射パターン毎に照射領域の光量を実測し、複数の照射パターン毎に得られた再構成画像を複数の照射パターン毎の照射領域の光量の逆数で補正する。このような補正は、複数の半導体発光素子を照射パターンに応じて発光する場合、容易に行える。図1(b)に示した様に照射パターンによっては、他の半導体発光素子の発光の影響を受けない。すなわち、各照射パターンで取得した再構成画像は、他の半導体発光素子の発光光量の影響を受けないため容易に補正可能である。この様に、照射パターン毎に照射領域の光量を実測し、対応する再構成画像を補正することによって、半導体発光素子各々の光量ばらつきを良好に補正できる。
他の補正方法は、光吸収係数がばらつかないファントム等の合成された再構成画像を実際に取得し、合成された再構成画像の輝度むらが生じない様に、補正データを作成する方法である。また、光吸収係数が既知のファントムを用い、合成された再構成画像を実際に取得し、合成された再構成画像の輝度むらが既知の光吸収係数に対応する輝度になるように、補正データを作成する方法であっても良い。すなわち、合成された再構成画像に対して補正を行う方法である。
この補正方法は、前述した照射モード3のように、半導体発光素子の照射領域が重なる部分が大きい場合に適している。
本発明の第5の実施形態で示した様に、複数の半導体発光素子により光源200を実現する場合であっても、複数の半導体発光素子の光出力のばらつきによる再構成画像のばらつきを良好に補正できる。
(その他の実施例)
本発明で有効な照射パターンについて、説明する。図1を見てわかるように、再構成を行うために照射する領域に近接した領域の半導体光放出素子が発光すると、被検体表面の光音響波が比較的近い場所で発生する可能性が高い。比較的近い場所で発生する光音響波に起因するノイズは大きいため、再構成を行うために照射する領域に近接した領域に対応する半導体光放出素子が発光しないような、照射パターンとすると、画質の劣化を少なくできる。すなわち、隣接した半導体発光素子を発光させない様な発光を行うと良い。具体的には、飛び飛びの位置の半導体光放出素子が同時に発光、例えばn(n=1,2,3,4・・・)個おきの半導体発光素子が同時に発光するような照射パターンが望ましい。一方、前述したように、隣接する半導体発光素子の発光の時間間隔が長くなると体動の影響を受け各々の再構成画像がずれ、合成を行う際うまく再構成画像がつながらなくなる可能性があるため、実際の被検体により。これらの条件で、良好な照射パターンを決定する。
本発明で有効な照射パターンについて、説明する。図1を見てわかるように、再構成を行うために照射する領域に近接した領域の半導体光放出素子が発光すると、被検体表面の光音響波が比較的近い場所で発生する可能性が高い。比較的近い場所で発生する光音響波に起因するノイズは大きいため、再構成を行うために照射する領域に近接した領域に対応する半導体光放出素子が発光しないような、照射パターンとすると、画質の劣化を少なくできる。すなわち、隣接した半導体発光素子を発光させない様な発光を行うと良い。具体的には、飛び飛びの位置の半導体光放出素子が同時に発光、例えばn(n=1,2,3,4・・・)個おきの半導体発光素子が同時に発光するような照射パターンが望ましい。一方、前述したように、隣接する半導体発光素子の発光の時間間隔が長くなると体動の影響を受け各々の再構成画像がずれ、合成を行う際うまく再構成画像がつながらなくなる可能性があるため、実際の被検体により。これらの条件で、良好な照射パターンを決定する。
光照射部200が発光する光の波長は、前述したように複数の波長を用いても良い。複数の波長を用いた場合、機能情報としての酸素飽和度を算出することができる。本発明では、例えば、画像生成レートの周期で2波長を交互に切り換え光音響信号を取得し、合成された再構成画像データを算出し、さらに、2つの合成した再構成画像データより酸素飽和度を計算することができる。酸素飽和度の算出については、特開2015−142740号公報に詳しく記載されているので、詳細の説明は省略する。
また、本発明の光音響装置に、トランスデューサから超音波を送信し反射波による測定を行う機能を追加実現しても良い。この場合、もちろん、光照射部200は発光しない。
100 被検体
101a、101b、101c、101d、101x 光吸収体
120、120−1、120−2:超音波受信部
120a、120b、120c トランスデューサ
140 信号収集部
150 コンピュータ
151 演算部
152 記憶部(画像生成部)
153 制御部
160 表示部
170 入力部
180 プローブ
181 ハウジング
200 光照射部
200a〜200h 半導体発光素子
200 ドライバ部
101a、101b、101c、101d、101x 光吸収体
120、120−1、120−2:超音波受信部
120a、120b、120c トランスデューサ
140 信号収集部
150 コンピュータ
151 演算部
152 記憶部(画像生成部)
153 制御部
160 表示部
170 入力部
180 プローブ
181 ハウジング
200 光照射部
200a〜200h 半導体発光素子
200 ドライバ部
Claims (9)
- 複数の半導体発光素子と、前記複数の半導体発光素子から前記被検体への光の照射により発生する超音波を受信して電気信号を出力する超音波受信部と、
前記電気信号に基づいて、前記被検体に関する画像を再構成する画像生成部と、
前記複数の半導体発光素子から前記被検体へ、互いに異なる位置及び時刻に光が照射されるように前記複数の半導体発光素子の発光パターンを制御する制御部と、を有し、
前記画像生成部は、互いに異なる位置及び時刻に前記被検体に照射された光に由来する複数の前記電気信号を、互いに独立に再構成して複数の画像を生成し、前記複数の画像を合成した合成画像を生成する
ことを特徴とする光音響装置。 - 前記画像生成部は、前記発光パターンに少なくとも基づいて決まる、前記被検体における光の照射領域の光量分布に関する情報に基づいて、前記合成画像を生成する際に、重み付け処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。 - 前記画像生成部は、前記発光パターンに少なくとも基づいて決まる、前記被検体における光の照射領域の光量分布に関する情報に基づいて、画像を再構成する領域を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光音響装置。 - 前記発光パターンの内、少なくとも1つは前記複数の半導体発光素子の全てを発光させる発光パターンであること
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光音響装置。 - 前記発光パターンを切り替えるモード制御部を有し、前記モード制御部は、ユーザーの指示に関する情報、あるいは前記被検体の表面の光吸収係数に関する情報に基づいて、前記発光パターンを決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光音響装置。 - 前記モード制御部は、
前記被検体の表面の光吸収係数が所定値より小さい場合、
前記複数の半導体発光素子の全てが発光する前記発光パターンを選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の光音響装置。 - 前記超音波受信部は、第一の方向にアレイ状に配置された複数の超音波トランスデューサを含み構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光音響装置。 - 前記複数の半導体発光素子が前記第一の方向にアレイ状に配置されている
ことを特徴とする請求項7のいずれか一項に記載の光音響装置。 - 前記光音響装置がハンドヘルド型のプローブである
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光音響装置。
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