JP2018200829A - 蓄電モジュール、蓄電モジュールの検査方法、及び蓄電モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力調整弁を構成する第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を適切に検査することができる。【解決手段】蓄電モジュール12は、枠体50に設けられた、複数の内部空間Vと連通する開口50aに接続される圧力調整弁60を備える。圧力調整弁60は、開口50aに接続される第1ベース部材70と、第1ベース部材70の側面73に接合される第2ベース部材80と、弁体90と、弁体90を第2ベース部材80に対して押圧するカバー部材100と、を有する。第2ベース部材80には、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接続方向D2に沿って貫通する空間を形成する複数の第1貫通孔87が設けられている。カバー部材100には、複数の第1貫通孔87の各々に連通するように接続方向D2に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通孔104が設けられている。【選択図】図5
Description
本発明の一側面は、蓄電モジュール、蓄電モジュールの検査方法、及び蓄電モジュールの製造方法に関する。
集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を備えるバイポーラ電池(蓄電モジュール)が知られている(特許文献1参照)。この電池では、セパレータと集電体とシール部材とで画成された内部空間に、電解液が封入されている。電解液を含浸したセパレータからなる電解質層を介して、バイポーラ電極が積層されている。電池には、シール部を貫通するチューブが設けられている。チューブの一端は内部空間に臨み、他端は電池の外部空間に臨む。電池を使用している間、内部空間の圧力が上昇すると、このチューブが圧力調整弁として機能する。
バイポーラ電池の構成として、バイポーラ電極の積層体の側面に各バイポーラ電極間の内部空間に連通する開口が設けられる場合がある。このような場合、当該開口には、内部空間の圧力調整を行うための圧力調整弁が接続され得る。ここで、圧力調整弁が、当該開口に接続される第1ベース部材と、第1ベース部材の当該開口側とは反対側に接合される第2ベース部材とを含む場合、第1ベース部材と第2ベース部材との間で接合ずれが生じ得る。このような接合ずれが生じてしまうと、当該接合ずれが生じた部分から電解液が漏洩するおそれがある。また、圧力調整弁内の気密性が確保されず、圧力調整のための開弁動作が適切に行われないおそれもある。このため、バイポーラ電池の品質を確保する上で、第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を適切に検査することが求められる。
本発明の一側面は、圧力調整弁を構成する第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を適切に検査することが可能な蓄電モジュール、蓄電モジュールの検査方法、及び蓄電モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る蓄電モジュールは、複数のバイポーラ電極が積層された積層体と、積層体の周囲に設けられ、かつ隣り合うバイポーラ電極間の複数の内部空間と連通する開口が設けられた枠体と、開口に接続される圧力調整弁と、を備え、圧力調整弁は、開口を介して複数の内部空間の各々と連通する複数の第1連通孔が設けられ、かつ開口に接続される第1ベース部材と、複数の第1連通孔の各々と連通する複数の第2連通孔が設けられ、かつ第1ベース部材の開口側とは反対側において第1ベース部材に接続される第2ベース部材と、複数の第2連通孔の第1ベース部材側とは反対側の開口端を塞ぐように配置される弾性部材と、弾性部材を第2ベース部材に対して押圧する押圧部材と、を有し、第2ベース部材には、第1ベース部材と第2ベース部材との接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第1貫通部が設けられており、押圧部材には、複数の第1貫通部の各々に連通するように接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通部が設けられている。
この蓄電モジュールでは、第2ベース部材に複数の第1貫通部が設けられると共に、押圧部材に複数の第2貫通部が設けられている。これにより、例えばレーザ光を用いた変位センサ等により、押圧部材の外側面までの距離を測定できると共に、第1貫通部及び第2貫通部を介して第1ベース部材の第2ベース部材側の側面までの距離を測定可能となっている。このようにして測定される距離に基づいて、第1ベース部材に対する第2ベース部材の接合状態(例えば、接合ずれの有無等)を把握することができる。したがって、上記蓄電モジュールによれば、圧力調整弁を構成する第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を適切に検査することができる。
第2ベース部材は、接続方向から見て矩形状に形成されており、複数の第1貫通部は、接続方向から見て第2ベース部材の少なくとも2つの隅部に設けられてもよい。上述した距離に基づく接合状態の検査精度を向上させるためには、複数の第1貫通部同士の距離は、なるべく大きい方が好ましい。上記のように第2ベース部材の少なくとも2つの隅部に第1貫通部を設けることにより、複数の第1貫通部同士の距離(最大距離)が2つの異なる隅部間の距離以上となることが保証されるため、接合状態の検査精度を適切に確保できる。
複数の第1貫通部は、第2ベース部材の隅部のうち、互いに対角に位置する少なくとも2つの隅部に設けられてもよい。この場合、複数の第1貫通部同士の距離(最大距離)が互いに対角に位置する2つの隅部間の距離以上となることが保証されるため、接合状態の検査精度をより一層適切に確保できる。
複数の第1貫通部は、一直線上にはない3箇所以上に配置されてもよい。この場合、上述した距離に基づく接合状態の判定において、互いに交差する少なくとも2方向に関して第1ベース部材に対する第2ベース部材の接合ずれ(傾き)を把握可能となる。これにより、第1ベース部材に対する第2ベース部材の接合ずれを2次元的に把握可能となるため、接合状態をより精度良く検査することができる。
本発明の一側面に係る蓄電モジュールの検査方法は、複数の第2貫通部の位置を含む複数の位置に対して押圧部材の弾性部材側とは反対側からレーザ光を出射し、圧力調整弁からの反射光に基づいて複数の位置の各々に関連付けられる距離を測定する第1工程と、複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を判定する第2工程と、を含む。
この検査方法によれば、複数の第2貫通部の位置を含む複数の位置に対するレーザ光による距離測定結果に基づいて、第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を判定することができる。したがって、上記検査方法によれば、圧力調整弁を構成する第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を適切に検査することができる。
第1工程において、複数の第2貫通部の各々の位置に関連付けられる第1距離と、複数の第2貫通部の各々の周辺位置に関連付けられる第2距離と、を測定し、第2工程において、第1距離と、第2距離と、第2ベース部材の第1ベース部材側の側面から押圧部材の弾性部材側とは反対側の側面までの第3距離とに基づいて、第1ベース部材と第2ベース部材との間の隙間の大きさを算出し、隙間の大きさに基づいて接合状態を判定してもよい。この場合、第1距離、第2距離、及び第3距離に基づいて算出される隙間の大きさから、第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を具体的に判断することができる。
本発明の一側面に係る蓄電モジュールの製造方法は、複数のバイポーラ電極を有する蓄電モジュールの製造方法であって、バイポーラ電極を積層して積層体を得る工程と、積層体の周囲に設けられ、かつ隣り合うバイポーラ電極間の複数の内部空間と連通する開口が設けられた枠体を形成する工程と、開口を介して複数の内部空間の各々と連通する複数の第1連通孔が設けられ、かつ開口に接続される第1ベース部材を、開口に接続する工程と、複数の第1連通孔を介して複数の内部空間の各々に電解液を注入する工程と、複数の第1連通孔の各々と連通するための複数の第2連通孔が設けられた第2ベース部材であって、第1ベース部材と第2ベース部材との接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第1貫通部が設けられた該第2ベース部材と、複数の第2連通孔の第1連通孔に接続される側とは反対側の開口端を塞ぐように配置される弾性部材と、弾性部材を第2ベース部材に対して押圧する押圧部材であって、複数の第1貫通部の各々に連通するように接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通部が設けられた該押圧部材と、を有する圧力調整弁サブモジュールを準備する工程と、各第2連通孔の第1連通孔に接続される側の開口端から各第2連通孔内に空気を送り込むことにより、圧力調整弁サブモジュールを検査する工程と、第1連通孔と第2連通孔とが連通するように、第1ベース部材と検査済みの圧力調整弁サブモジュールの第2ベース部材とを接合する工程と、複数の第2貫通部の位置を含む複数の位置に対して押圧部材の弾性部材側とは反対側からレーザ光を出射し、第1ベース部材又は圧力調整弁サブモジュールからの反射光に基づいて複数の位置の各々に関連付けられる距離を測定する工程と、複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を判定する工程と、を含む。
この製造方法では、電解液を注入する工程において、複数の内部空間の各々と連通する複数の第1連通孔が設けられた第1ベース部材を用いて、各内部空間への電解液の注液を行うことが可能となっている。また、検査する工程において、第2ベース部材と弾性部材と押圧部材とからなるユニットである圧力調整弁サブモジュールに対する検査を実行することにより、圧力調整弁としての機能を検査することが可能となっている。したがって、上記製造方法によれば、電解液の注液の作業性向上を図ると共に、圧力調整弁の組み付け前に圧力調整弁の検査を容易に行うことができる。また、上記製造方法では、第1ベース部材と第2ベース部材(圧力調整弁サブモジュール)とを接合した後において、上述した検査方法による接合状態の検査が実行される。これにより、圧力調整弁を構成する第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を適切に検査することができ、製造される蓄電モジュールの品質を確保することができる。
本発明の一側面によれば、圧力調整弁を構成する第1ベース部材と第2ベース部材との接合状態を適切に検査することが可能な蓄電モジュール、蓄電モジュールの検査方法、及び蓄電モジュールの製造方法が提供され得る。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面にはXYZ直交座標系が示される。
[蓄電装置の構成]
図1は、蓄電モジュールを備える蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。同図に示す蓄電装置10は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置10は、複数(本実施形態では3つ)の蓄電モジュール12を備えるが、単一の蓄電モジュール12を備えてもよい。蓄電モジュール12は例えばバイポーラ電池である。蓄電モジュール12は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池であるが、電気二重層キャパシタであってもよい。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
図1は、蓄電モジュールを備える蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。同図に示す蓄電装置10は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置10は、複数(本実施形態では3つ)の蓄電モジュール12を備えるが、単一の蓄電モジュール12を備えてもよい。蓄電モジュール12は例えばバイポーラ電池である。蓄電モジュール12は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池であるが、電気二重層キャパシタであってもよい。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
複数の蓄電モジュール12は、例えば金属板等の導電板14を介して積層され得る。積層方向D1から見て、蓄電モジュール12及び導電板14は例えば矩形形状を有する。各蓄電モジュール12の詳細については後述する。導電板14は、蓄電モジュール12の積層方向D1(Z方向)において両端に位置する蓄電モジュール12の外側にもそれぞれ配置される。導電板14は、隣り合う蓄電モジュール12と電気的に接続される。これにより、複数の蓄電モジュール12が積層方向D1に直列に接続される。積層方向D1において、一端に位置する導電板14には正極端子24が接続されており、他端に位置する導電板14には負極端子26が接続されている。正極端子24は、接続される導電板14と一体であってもよい。負極端子26は、接続される導電板14と一体であってもよい。正極端子24及び負極端子26は、積層方向D1に交差する方向(X方向)に延在している。これらの正極端子24及び負極端子26により、蓄電装置10の充放電を実施できる。
導電板14は、蓄電モジュール12において発生した熱を放出するための放熱板としても機能し得る。導電板14の内部に設けられた複数の空隙14aを空気等の冷媒が通過することにより、蓄電モジュール12からの熱を効率的に外部に放出できる。各空隙14aは例えば積層方向D1に交差する方向(Y方向)に延在する。積層方向D1から見て、導電板14は、蓄電モジュール12よりも小さいが、蓄電モジュール12と同じかそれより大きくてもよい。
蓄電装置10は、交互に積層された蓄電モジュール12及び導電板14を積層方向D1に拘束する拘束部材16を備え得る。拘束部材16は、一対の拘束プレート16A,16Bと、拘束プレート16A,16B同士を連結する連結部材(ボルト18及びナット20)とを備える。各拘束プレート16A,16Bと導電板14との間には、例えば樹脂フィルム等の絶縁フィルム22が配置される。各拘束プレート16A,16Bは、例えば鉄等の金属によって構成されている。積層方向D1から見て、各拘束プレート16A,16B及び絶縁フィルム22は例えば矩形形状を有する。絶縁フィルム22は導電板14よりも大きくなっており、各拘束プレート16A,16Bは、蓄電モジュール12よりも大きくなっている。積層方向D1から見て、拘束プレート16Aの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔H1が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。同様に、積層方向D1から見て、拘束プレート16Bの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔H2が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。積層方向D1から見て各拘束プレート16A,16Bが矩形形状を有している場合、挿通孔H1及び挿通孔H2は、拘束プレート16A,16Bの角部に位置する。
一方の拘束プレート16Aは、負極端子26に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられ、他方の拘束プレート16Bは、正極端子24に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられている。ボルト18は、例えば一方の拘束プレート16A側から他方の拘束プレート16B側に向かって挿通孔H1に通され、他方の拘束プレート16Bから突出するボルト18の先端には、ナット20が螺合されている。これにより、絶縁フィルム22、導電板14及び蓄電モジュール12が挟持されてユニット化されると共に、積層方向D1に拘束荷重が付加される。
図2は、図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。同図に示す蓄電モジュール12は、複数のバイポーラ電極(電極)32が積層された積層体30を備える。バイポーラ電極32の積層方向D1から見て積層体30は例えば矩形形状を有する。隣り合うバイポーラ電極32間にはセパレータ40が配置され得る。バイポーラ電極32は、電極板34と、電極板34の一方面に設けられた正極36と、電極板34の他方面に設けられた負極38とを含む。積層体30において、一のバイポーラ電極32の正極36は、セパレータ40を挟んで積層方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極32の負極38と対向し、一のバイポーラ電極32の負極38は、セパレータ40を挟んで積層方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極32の正極36と対向している。積層方向D1において、積層体30の一端には、内側面に負極38が配置された電極板34(負極側終端電極)が配置され、積層体30の他端には、内側面に正極36が配置された電極板34(正極側終端電極)が配置される。負極側終端電極の負極38は、セパレータ40を介して最上層のバイポーラ電極32の正極36と対向している。正極側終端電極の正極36は、セパレータ40を介して最下層のバイポーラ電極32の負極38と対向している。これら終端電極の電極板34はそれぞれ隣り合う導電板14(図1参照)に接続される。
蓄電モジュール12は、積層方向D1に延在する積層体30の側面30aにおいて電極板34の縁部34aを保持する枠体50を備える。枠体50は、積層方向D1から見て積層体30の周囲に設けられている。すなわち、枠体50は、積層体30の側面30aを取り囲むように構成されている。枠体50は、電極板34の縁部34aを保持する第1樹脂部52と、積層方向D1から見て第1樹脂部52の周囲に設けられる第2樹脂部54とを備え得る。
枠体50の内壁を構成する第1樹脂部52は、各バイポーラ電極32の電極板34の一方面(正極36が形成される面)から縁部34aにおける電極板34の端面にわたって設けられている。積層方向D1から見て、各第1樹脂部52は、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34a全周にわたって設けられている。隣り合う第1樹脂部52同士は、各バイポーラ電極32の電極板34の他方面(負極38が形成される面)の外側に延在する面において当接している。その結果、第1樹脂部52には、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aが埋没して保持されている。各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aと同様に、積層体30の両端に配置された電極板34の縁部34aも第1樹脂部52に埋没した状態で保持されている。これにより、積層方向D1に隣り合う電極板34,34間には、当該電極板34,34と第1樹脂部52とによって気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。当該内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。
枠体50の外壁を構成する第2樹脂部54は、積層方向D1を軸方向として延在する筒状部である。第2樹脂部54は、積層方向D1において積層体30の全長にわたって延在する。第2樹脂部54は、積層方向D1に延在する第1樹脂部52の外側面を覆っている。第2樹脂部54は、積層方向D1から見て内側において第1樹脂部52に溶着されている。
電極板34は、例えばニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板34の縁部34aは、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっており、当該未塗工領域が枠体50の内壁を構成する第1樹脂部52に埋没して保持される領域となっている。正極36を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極38を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。電極板34の他方面における負極38の形成領域は、電極板34の一方面における正極36の形成領域に対して一回り大きくなっている。
セパレータ40は、例えばシート状に形成されている。セパレータ40を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン等からなる織布又は不織布等が例示される。また、セパレータ40は、フッ化ビニリデン樹脂化合物等で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ40は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
枠体50(第1樹脂部52及び第2樹脂部54)は、例えば絶縁性の樹脂を用いた射出成形によって矩形の筒状に形成されている(詳しくは後述)。枠体50を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。
図3は、図2の蓄電モジュールを示す概略斜視図である。図4は、図3の蓄電モジュールの一部(1つの開口50aの周辺領域)を拡大した平面図である。図3及び図4に示されるように、蓄電モジュール12の枠体50は、積層方向D1に延在する側面50sを有する。側面50sは積層方向D1から見て外側に位置する面である。よって、第2樹脂部54が枠体50の側面50sを有することになる。
枠体50の側面50sは、本体領域50s1と突出領域50s2とを有している。本体領域50s1と突出領域50s2の形状はそれぞれ例えば矩形である。本体領域50s1には、開口50aが設けられている。開口50aは、各内部空間Vに電解液を注入するための注液口として機能すると共に、電解液が注入された後は、各内部空間V内の圧力を調整するための圧力調整弁60(詳しくは後述)の接続口として機能する。本実施形態では、枠体50は複数(ここでは4つ)の開口50a(開口50a1〜50a4)を有している。具体的には、枠体50の長手方向(X方向)に対向する各側面50sに、2つずつの開口50aが設けられている。
本体領域50s1は、バイポーラ電極32の積層方向D1に交差する方向(Y方向)に延在する縁Eを有している。突出領域50s2は、バイポーラ電極32の積層方向D1において開口50aから離れるように縁Eから突出している。本実施形態では、一対の突出領域50s2が開口50aを挟むように配置されている。突出領域50s2は、縁Eに沿って開口50aの全長を越えて開口50aの両外側にはみ出る長さで設けられている。
図4に示されるように、1つの開口50aは、第1樹脂部52に設けられた第1開口52aと、第2樹脂部54に設けられた第2開口54aとを有し得る。各第1開口52aは、隣り合うバイポーラ電極32間の内部空間V及び第2開口54aと連通している。第1樹脂部52には複数の第1開口52aが設けられており、第2樹脂部54には、複数の第1開口52aを覆うように広がる単一の第2開口54aが設けられている。第1開口52aは各第1樹脂部52に設けられてもよいし、隣り合う第1樹脂部52間に設けられてもよい。各第1開口52a及び第2開口54aの形状は例えば矩形である。
本実施形態では、蓄電モジュール12には、56個の内部空間Vが形成されており、1つの開口50aは、14個の内部空間Vと連通している。すなわち、各内部空間Vは、4つの開口50a1〜50a4のうちのいずれか1つと連通している。図4に示されるように、1つの開口50a(ここでは一例として開口50a1)において、14個の第1開口52aが、枠体50の短手方向(Y方向)の2列に分かれて配置されている。各列においては、7つの第1開口52aが積層方向D1に沿って配置されている。14個の第1開口52aは、開口50aの開口方向(X方向)から見て、第2開口54aの中心P1に対して、点対称に配置されている。
例えば、各開口50aにおける複数の第1開口52aの配置(すなわち、各開口50aに連通する内部空間Vの組を異ならせる配置構成)は、以下のようにして決定されてもよい。以下の説明では、便宜上、56個の内部空間Vを識別するために、積層体30の他端(図2の図示下側)から一端(図2の図示上側)へと向かう順に、内部空間V1〜V56と表記する。
例えば、開口50a1において、第1列(図4の図示左側の列。以下同じ。)に配置される7つの第1開口52aは、積層体30の他端側から8段飛ばしに、内部空間V1,V9,V17,V25,V33,V41,V49と連通するように設けられ、第2列(図4の図示右側の列。以下同じ。)に配置される7つの第1開口52aは、積層体30の一端側から8段飛ばしに、内部空間V56,V48,V40,V32,V24,V16,V8と連通するように設けられる。ここで、第1開口52aは、当該第1開口52aと連通する内部空間Vに対応する高さ位置(積層方向D1における位置)に設けられるので、上記配置によれば、上述した点対称の配置が実現される。
開口50a2〜50a4についても、例えば、開口50a1を基準として、連通される内部空間Vのセットを1段ずつずらすことにより、開口50a1と同様に点対称の配置を実現できる。具体的には、開口50a2においては、第1列に配置される7つの第1開口52aは、内部空間V2,V10,V18,V26,V34,V42,V50と連通するように設けられ、第2列に配置される7つの第1開口52aは、内部空間V55,V47,V39,V31,V23,V15,V7と連通するように設けられればよい。開口50a3においては、第1列に配置される7つの第1開口52aは、内部空間V3,V11,V19,V27,V35,V43,V51と連通するように設けられ、第2列に配置される7つの第1開口52aは、内部空間V54,V46,V38,V30,V22,V14,V6と連通するように設けられればよい。開口50a4においては、第1列に配置される7つの第1開口52aは、内部空間V4,V12,V20,V28,V36,V44,V52と連通するように設けられ、第2列に配置される7つの第1開口52aは、内部空間V53,V45,V37,V29,V21,V13,V5と連通するように設けられればよい。
以上のような第1開口52aの配置(すなわち、第1開口52aと内部空間Vとの対応付け)によれば、全ての内部空間Vが互いに異なる第1開口52aに連通する構成を実現できると共に、全ての開口50a1〜50a4について上述したような点対称の配置を実現できる。
図5は、枠体50の開口50aに接続される圧力調整弁60の分解斜視図である。また、図6は、圧力調整弁60の構成を示す概略断面図である。具体的には、図6は、開口50a1の第1列に配置される7つの第1開口52a(内部空間V1,V9,V17,V25,V33,V41,V49と連通する第1開口52a)の断面を含む断面図である。図5及び図6に示されるように、圧力調整弁60は、第1ベース部材70と、第2ベース部材80と、弁体90(弾性部材)と、カバー部材100(押圧部材)とを有している。
第1ベース部材70は、略直方体状の外形を有しており、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。第1ベース部材70は、開口50aに接続される。具体的には、第1ベース部材70の開口50aに対向する側面71を含む部分72は、第2開口54aに対応する形状を有している。第1ベース部材70は、当該部分72が第2開口54aに挿入された状態で、側面71と第1樹脂部52の側面52sとの接触部分の一部または全部が溶着されることにより、開口50aに対して固定される。側面71と側面52sとの溶着は、例えば熱板溶着、レーザ透過溶着、及び超音波溶着等により行われる。
図7の(A)は、側面71を示す平面図であり、図7の(B)は、第1ベース部材70の第2ベース部材80に対向する側面73を示す平面図である。図6及び図7に示されるように、第1ベース部材70には、側面71から側面73にかけて貫通する複数(ここでは14個)の第1連通孔74が設けられている。各第1連通孔74は、対応する1つの第1開口52aを介して、1つの内部空間Vと連通している。第1連通孔74は、第1連通孔74の側面71側部分である第1連通部75と、第1連通孔74の側面73側部分である第2連通部76とからなる。
第1連通部75は、断面矩形状に形成されている。第1連通部75によって、略直方体状の空間S1が形成されている。第1連通部75の開口50a側の開口端75aは、開口50aと第1ベース部材70との接続方向D2(X方向)から見て、矩形状の第1開口52aを含む大きさに形成されている。一方、第1連通部75の第2連通部76に接続する側の開口端75bは、断面円形状に形成されている。開口端75bの内径は、開口端75aの積層方向D1の幅d1と同一である。
ここで、開口50a1〜50a4の同じ相対位置(同じ列及び同じ行)に設けられた各第1開口52aの位置は、上述したように1段ずつずれている。例えば、内部空間V1と連通する開口50a1の第1開口52a、内部空間V2と連通する開口50a2の第1開口52a、内部空間V3と連通する開口50a3の第1開口52a、及び内部空間V4と連通する開口50a4の第1開口52aの配置は、1段ずつずれている。このため、全ての開口50a1〜50a4に対して同一規格(共通形状)の圧力調整弁60を使用できるようにするためには、圧力調整弁60の第1ベース部材70がどの開口50a1〜50a4に接続された場合にも、各第1連通部75が、対応する第1開口52aと連通する必要がある。具体的には、第1ベース部材70が開口50a1に接続された際に内部空間V1に対応する第1開口52aと連通する第1連通部75は、第1ベース部材70が開口50a2〜50a4に接続された際には、それぞれ内部空間V2〜V4に対応する第1開口52aと連通する必要がある。
そこで、本実施形態では、開口端75aの積層方向D1の幅d1は、積層体30において繰り返される構造1つ分の幅(すなわち、上述した1段分のずれ幅)と開口50aの数との乗算値以上に設定されている。積層体30において繰り返される構造1つ分の幅とは、1つの電極板34と1つの内部空間Vを合わせた部分の積層方向D1の幅d2(図2参照)である。すなわち、上記乗算値(本実施形態では「d2×4」)は、上述のように各開口50aにおける第1開口52aを配置した場合(より具体的には、開口50a間で互いに対応する相対位置に配置された第1開口52a同士の段差の最大値がなるべく小さくなるように配置した場合)に、同じ相対位置に配置された複数(ここでは4つ)の第1開口52aが形成され得る範囲(積層方向D1における範囲)を包含するために必要な幅を表している。そして、本実施形態では「d1≧d2×4」の関係が成立している。これにより、第1ベース部材70がどの開口50aに接続される場合にも、接続方向D2から見て、各第1連通部75の開口端75aの内側に当該開口端75aに対応する第1開口52aが収まるように、各第1連通部75を配置することが可能となっている。その結果、どの開口50a1〜50a4に対しても同一の第1ベース部材70(圧力調整弁60)を使用することが可能となっている。これにより、部品点数を削減することができる。また、開口50a毎に異なる規格の圧力調整弁60を使用する必要がなくなるため、開口50aに対して適合しない規格の圧力調整弁60を接続してしまうといった誤組み付けの発生を防止することもできる。
さらに、図7の(A)に示されるように、複数の開口端75aは、側面71の中心P2を通り側面71に直交する軸A(図5参照)に対して、点対称に配置されている。また、第1ベース部材70の開口50aに接続される部分72は、軸Aに対して点対称に形成されている。また、上述した中心P1(開口50aの開口方向から見た第2開口54aの中心)は、軸A上に位置している。この構成によれば、軸Aに対して互いに反転関係にある第1ベース部材70の2つの状態(姿勢)のいずれにおいても、開口50aに対する複数の開口端75aの相対的な配置が同一となる。このため、上記2つの状態のいずれにおいても、第1ベース部材70を開口50aに正常に接続することができる。すなわち、図5に示される第1ベース部材70を上下反転(軸A周りに180度回転)させても、第1ベース部材70を開口50aに正常に接続することができる。その結果、開口50aへの第1ベース部材70の接続を容易に行うことが可能となる。また、開口50aに対して誤った向きで第1ベース部材70を接続してしまうといった誤組み付けの発生を防止することもできる。
第2連通部76は、断面円形状に形成されている。第2連通部76は、第1連通部75の開口端75bから、第2連通部76の側面73側の開口端76aにかけて貫通している。開口端76aは円形状に形成されている。開口端76aの内径d3は、開口端75bの内径(すなわち、開口端75aの積層方向D1の幅d1)よりも大きくされている(d3>d1)。すなわち、第2連通部76によって、開口端75bから開口端76aに向かうにつれて内径が大きくなるテーパ状の空間S2が形成されている。このような第2連通部76は、例えば射出成形等により形成され得る。
また、本実施形態では、図6に示されるように、第1列の7つの第1開口52aに接続される第2連通部76は、開口端75bの中心位置よりも開口端76aの中心位置が上方に位置するように延びている。一方、第2列の7つの第1開口52aに接続される第2連通部76は、開口端75bの中心位置よりも開口端76aの中心位置が下方に位置するように延びている。その結果、図7の(B)に示されるように、複数の開口端76aが側面73の中央位置に寄せられている。各開口端76aの周囲には、突起部77が設けられている。突起部77は、各開口端76aを包囲するように円筒状に設けられている。側面73の四隅には、突起部77と同様の形状の突起部78が設けられている。
第2ベース部材80は、第1ベース部材70と同様に、略直方体状の外形を有しており、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。第2ベース部材80は、第1ベース部材70の側面73側において、第1ベース部材70に接合される。なお、本実施形態では、接続方向D2から見て、第2ベース部材80は、第1ベース部材よりも僅かに大きく形成されているが、第2ベース部材80は、第1ベース部材と同じ大きさに形成されてもよいし、第1ベース部材よりも小さく形成されてもよい。
図8の(A)は、側面81を示す平面図であり、図8の(B)は、第2ベース部材80の弁体90に対向する側面82を示す平面図である。図6及び図8に示されるように、第2ベース部材80には、側面81から側面82にかけて貫通する複数(ここでは14個)の第2連通孔83が設けられている。第2連通孔83は、断面円形状に形成されている。各第2連通孔83は、対応する1つの第1連通孔74を介して、1つの内部空間Vと連通している。第2連通孔83の第1ベース部材70側の開口端83aの内径は、第1連通孔74の開口端76aの内径d3と一致している。第1ベース部材70と第2ベース部材80とは、接続方向D2から見て互いに対応する開口端76a及び開口端83aが重なるように接合されている。第2連通孔83の弁体90側の開口端83bの内径d4は、開口端83aの内径(すなわち、開口端76aの内径d3)よりも小さくされている(d4<d3)。すなわち、第2連通孔83によって、開口端83aから開口端83bに向かうにつれて内径が小さくなるテーパ状の空間S3が形成されている。このような第2連通孔83は、例えば射出成形等により形成され得る。なお、開口端83aの内径と開口端76aの内径d3とは、一致していなくてもよい。例えば、開口端83aの内径を内径d3よりも小さくした場合には、接合時の位置ずれを許容できる効果を奏し得る。
図7の(B)及び図8の(A)に示されるように、複数の開口端76a及び複数の開口端83aはいずれも、軸Aに対して、点対称に配置されている。この構成によれば、軸Aに対して互いに反転関係にある第1ベース部材70(又は第2ベース部材80)の2つの状態(姿勢)のいずれにおいても、複数の開口端76aに対する複数の開口端83aの配置が同一となる。このため、上記2つの状態のいずれにおいても、第1ベース部材70に第2ベース部材80を正常に接合することが可能となる。すなわち、第1ベース部材70に対して第2ベース部材80を上下反転(軸A周りに180度回転)させても、第2ベース部材80を第1ベース部材70に正常に接合することができる。その結果、第1ベース部材70への第2ベース部材80の接合を容易に行うことが可能となる。また、第1ベース部材70に対して誤った向きで第2ベース部材80を接合してしまうといった誤組み付けの発生を防止することもできる。
図5及び図8に示されるように、第2ベース部材80には、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接続方向(すなわち、接続方向D2)に沿って貫通する空間を形成する複数(ここでは4つ)の第1貫通孔87(第1貫通部)が設けられている。第1貫通孔87は、断面円形状に形成されている。第1貫通孔87の内径は、後述するレーザ光による距離測定に適した大きさに設定されていればよく、開口端83aの内径と同一であってもよいし、異なっていてもよい。図8に示されるように、第2ベース部材80は、接続方向D2から見て矩形状に形成されている。すなわち、側面81及び側面82は、矩形状に形成されている。複数の第1貫通孔87は、第2ベース部材80の隅部(ここでは、側面81及び側面82の四隅を含む部分)に設けられている。本実施形態では、以下のことが言える。すなわち、複数の第1貫通孔87は、第2ベース部材80の隅部のうち、互いに対角に位置する少なくとも2つの隅部に設けられている。また、複数の第1貫通孔87は、一直線上にはない3箇所以上(本実施形態では4箇所)に配置されている。
側面81には、複数の突起部77,78に対応する複数の突起部88,89が設けられている。具体的には、突起部77に対応する突起部88は、各開口端83aの周囲に設けられている。突起部88は、突起部77と同様に、各開口端83aを包囲するように円筒状に設けられている。側面81の四隅には、各第1貫通孔87を包囲するようにして、突起部78に対応する突起部89が設けられている。
本実施形態では、第1ベース部材70と第2ベース部材80とは、熱板溶着により溶着される。具体的には、複数の突起部77,78の各々の溶着面(第2ベース部材80側の面)と、複数の突起部88,89の各々の溶着面(第1ベース部材70側の面)とが、熱板溶着により溶着される。これにより、第1ベース部材70と第2ベース部材80とが正常に接合された場合には、互いに対向する第1ベース部材70の側面73と第2ベース部材80の側面81との間に所定の隙間G(図12参照)が形成された状態で、第1ベース部材70と第2ベース部材80とは互いに固定される。
弁体90は、例えばゴム等の弾性部材によって形成されている。弁体90は、例えば直方体状をなしている。弁体90は、第2ベース部材80に設けられた複数の開口端83bを塞ぐように配置されている。
カバー部材100は、矩形板状の底壁部101と、底壁部101の縁部に立設された側壁部102と、を有する箱状部材である。カバー部材100は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。底壁部101の内側には、弁体90を位置決めするために凹状に窪んだ溝部103が設けられている。カバー部材100は、溝部103に弁体90を収容すると共に、弁体90を第2ベース部材80の側面82に対して押圧するための押圧部材として機能する。具体的には、図6に示されるように、カバー部材100の溝部103に弁体90が位置決めされて収容された状態で、側壁部102の端部102aが第2ベース部材80の側面82に対して固定される。端部102aと側面82とを固定する方法は特に限定されないが、例えばレーザ溶着、熱板溶着、及びボルト等の締結部材を用いた締結等を用い得る。例えば、レーザ溶着を用いる場合には、カバー部材100をレーザ透過性樹脂で形成すると共に第2ベース部材80をレーザ吸収性樹脂で形成し、レーザをカバー部材100側から照射することにより、第2ベース部材80におけるカバー部材100との境界部分を溶融して接合することができる。
ここで、弁体90の通常時(非圧縮時)の厚さ(X方向の幅)は、溝部103の底面103aから側壁部102の端部102aまでの高さd5よりも大きい。すなわち、高さd5によって、弁体90の圧縮率が規定されている。弁体90の圧縮率は、例えば第2連通孔83内の圧力(すなわち、当該第2連通孔83に連通された内部空間V内の圧力)が予め定められた設定値以上となった場合に、弁体90による当該第2連通孔83の開口端83bの閉塞が解除されるように予め調整される。
また、カバー部材100には、複数の第1貫通孔87の各々に連通するように接続方向D2に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通孔104(第2貫通部)が設けられている。本実施形態では、第1貫通孔87及び第2貫通孔104は、接続方向D2から見て、弁体90と重ならないように設けられている。すなわち、第2貫通孔104は、側壁部102内を貫通するように設けられている。ただし、第1貫通孔87及び第2貫通孔104は、接続方向D2から見て、弁体90と重なる位置に設けられてもよい。この場合には、第2貫通孔104は、溝部103を貫通するように設けられてもよい。また、第1貫通孔87と第2貫通孔104とが連通するように、弁体90には貫通孔が設けられてもよい。すなわち、第1貫通孔87と第2貫通孔104とは、弁体90に設けられた貫通孔を介して連通するように構成されてもよい。
図8の(B)及び図9の(A)に示されるように、第2ベース部材80の側面82側には、各開口端83bに対応する溝部84が設けられている。各溝部84は、積層方向D1に直交する方向(X方向及びY方向)に延在するスリット状に形成されている。各溝部84は、積層方向D1及び接続方向D2に直交する方向(Y方向)において、対応する開口端83bよりも外側の位置に設けられている。
続いて、内部空間Vの圧力調整の原理について説明する。上述したように各第2連通孔83はそれぞれ対応する内部空間Vと連通しているため、弁体90における第2連通孔83の開口端83bを塞ぐ部分には、当該第2連通孔83に対応する内部空間Vと同等の圧力がかかることになる。ここで、弁体90による開口端83bの閉塞の解除は、対応する内部空間V内の圧力が予め定められた設定値以上となった場合に行われるように、弁体90の圧縮率等が規定されている。このため、対応する内部空間V内の圧力が設定値未満である場合には、図9の(A)に示されるように、開口端83bが弁体90によって塞がれた閉弁状態が維持される。
一方、対応する内部空間V内の圧力が上昇して設定値以上となった場合には、図9の(B)に示されるように、弁体90の一部(具体的には、開口端83bを塞ぐ部分及びその周辺部分)が側面82から離間するように変形し、開口端83bの閉塞が解除された開弁状態となる。その結果、閉塞が解除された開口端83bと当該開口端83bに対応する溝部84とが連通し、対応する内部空間V内のガスが、当該開口端83bから当該溝部84へと排出される。その後、内部空間V内の圧力が設定値未満となった場合には、弁体90が元の状態に戻ることにより、当該開口端83bが再び閉弁状態(図9の(A)参照)となる。以上の開閉動作により、圧力調整弁60は、内部空間V内の圧力を適切に調整する。
ここで、図8の(B)に示されるように、開口端83bと当該開口端83bに対応する溝部84との距離d6は、当該開口端83bと当該開口端83bに隣接する他の開口端83bとの距離d7よりも短くされている(d6<d7)。これにより、内部空間Vの圧力の上昇に応じて弁体90の一部が側面82から離間した場合に、当該内部空間Vに連通する第2連通孔83の開口端83bと当該開口端83bに隣接する他の開口端83b(すなわち、他の内部空間Vに連通する第2連通孔83の開口端83b)とを連通させることなく、当該開口端83bとそれに対応する溝部84とを連通させることができる。その結果、圧力調整弁60による圧力調整時において、互いに異なる内部空間V同士の干渉(ガスの流入及び流出等)を適切に防止することができる。
また、図8の(B)及び図9の(A)に示されるように、第2ベース部材80には、側面82に対向する方向(X方向)から見て、複数(ここでは7つ)の溝部84と接続され、内部空間Vから放出されたガスを流通させる流通空間S4が画成されている。流通空間S4は、略直方体状に形成されている。流通空間S4は、側面82に対向する方向から見て、積層方向D1に沿って配列された7つの溝部84の外側端部を接続するように、積層方向D1に延在している。複数の溝部84及び流通空間S4は、例えば射出成形等によって形成されている。また、第2ベース部材80には、流通空間S4と外部とを連通させる排気口85が設けられている。本実施形態では、排気口85の外側開口端は、第2ベース部材80の接続方向D2に直交する方向(本実施形態では一例としてY方向)を向く側面86に設けられている。この構成によれば、内部空間Vの圧力の上昇に応じて一の溝部84へと排出されたガスは、複数の溝部84に共通に設けられた流通空間S4に流入し、排気口85から外部に排出される。したがって、内部空間Vで発生したガスを簡易な構成によって適切に外部に排出することができる。
なお、本実施形態では、図9に示されるように、弁体90は、流通空間S4の一部を覆わないように配置されているが、流通空間S4の全部を覆うように配置されてもよい。また、弁体90は、溝部84の全部を覆うように配置されているが、溝部84の少なくとも一部を覆わないように配置されてもよい。
[蓄電装置の製造方法]
以下、図2に示される蓄電モジュール12の製造方法の一例を説明する。
以下、図2に示される蓄電モジュール12の製造方法の一例を説明する。
(積層工程)
まず、例えばセパレータ40を介してバイポーラ電極32を積層して積層体30を得る。本実施形態では、積層工程前に、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aに第1樹脂部52が例えば射出成形等により形成されている。積層工程により、図2に示される構成のうち第2樹脂部54を除いた構成が得られる。
まず、例えばセパレータ40を介してバイポーラ電極32を積層して積層体30を得る。本実施形態では、積層工程前に、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aに第1樹脂部52が例えば射出成形等により形成されている。積層工程により、図2に示される構成のうち第2樹脂部54を除いた構成が得られる。
(枠体形成工程)
次に、第2樹脂部54を例えば射出成形により形成する(図2参照)。図10に示されるように、モールドM内に、流動性を有する第2樹脂部54の樹脂材料54Pを流し込むことによって、第2樹脂部54が形成される。その結果、図3及び図4に示されるように、第1樹脂部52及び第2樹脂部54を有する枠体50が形成される。モールドMは、枠体50の側面50sにおける本体領域50s1及び突出領域50s2(図4参照)の外縁を形成する第1部分M1と、開口50aの第2開口54aを形成するための入れ子である第2部分M2とを有する。第2樹脂部54の樹脂材料54Pは、バイポーラ電極32の積層方向D1に交差する方向に流れる。例えば、第2樹脂部54の樹脂材料54Pは、互いに対向配置された一対の第1部分M1間を流れた後、第2部分M2に衝突して、第2部分M2の周囲に沿って2つに分かれる。2つに分かれた第2樹脂部54の樹脂材料54Pは、それぞれ第1部分M1と第2部分M2との間を流れた後、合流して、一対の第1部分M1間を流れる。
次に、第2樹脂部54を例えば射出成形により形成する(図2参照)。図10に示されるように、モールドM内に、流動性を有する第2樹脂部54の樹脂材料54Pを流し込むことによって、第2樹脂部54が形成される。その結果、図3及び図4に示されるように、第1樹脂部52及び第2樹脂部54を有する枠体50が形成される。モールドMは、枠体50の側面50sにおける本体領域50s1及び突出領域50s2(図4参照)の外縁を形成する第1部分M1と、開口50aの第2開口54aを形成するための入れ子である第2部分M2とを有する。第2樹脂部54の樹脂材料54Pは、バイポーラ電極32の積層方向D1に交差する方向に流れる。例えば、第2樹脂部54の樹脂材料54Pは、互いに対向配置された一対の第1部分M1間を流れた後、第2部分M2に衝突して、第2部分M2の周囲に沿って2つに分かれる。2つに分かれた第2樹脂部54の樹脂材料54Pは、それぞれ第1部分M1と第2部分M2との間を流れた後、合流して、一対の第1部分M1間を流れる。
なお、本実施形態では積層工程前に枠体50の一部である第1樹脂部52を形成し、積層工程後に枠体50の残部である第2樹脂部54を形成しているが、積層工程後に枠体50の一部である第1樹脂部52を形成してもよい。
(第1ベース部材接続工程)
次に、第1ベース部材70を、開口50aに接続する。具体的には、上述した通り、第1ベース部材70の部分72を第2開口54aに挿入する。そして、側面71と第1樹脂部52の側面52sとの接触部分の一部または全部を、例えば熱板溶着、レーザ透過溶着、及び超音波溶着等により溶着する。これにより、開口50aに対して第1ベース部材70が固定される。
次に、第1ベース部材70を、開口50aに接続する。具体的には、上述した通り、第1ベース部材70の部分72を第2開口54aに挿入する。そして、側面71と第1樹脂部52の側面52sとの接触部分の一部または全部を、例えば熱板溶着、レーザ透過溶着、及び超音波溶着等により溶着する。これにより、開口50aに対して第1ベース部材70が固定される。
(電解液注入工程)
次に、図11の(A)に示されるように、第1ベース部材70に設けられた複数の第1連通孔74を介して、複数の内部空間V(本実施形態では、当該第1ベース部材70が接続された開口50aに連通する14個の内部空間V)の各々に電解液を注入する。第1連通孔74毎に液量を管理しながら注液を行うことにより、内部空間V毎の液量を管理することができる。また、電解液の注入前に、蓄電モジュール12内の各内部空間Vが確実にシールされていることを検査するために、複数の第1連通孔74を介して、各内部空間Vに対する真空引き(空気を抜き取る作業)が実施されてもよい。これにより、電解液の注液の前に、各内部空間Vの気密性を検査することができる。なお、第1ベース部材70を介しての電解液の注入は、専用の治具等を更に用いて行われてもよい。
次に、図11の(A)に示されるように、第1ベース部材70に設けられた複数の第1連通孔74を介して、複数の内部空間V(本実施形態では、当該第1ベース部材70が接続された開口50aに連通する14個の内部空間V)の各々に電解液を注入する。第1連通孔74毎に液量を管理しながら注液を行うことにより、内部空間V毎の液量を管理することができる。また、電解液の注入前に、蓄電モジュール12内の各内部空間Vが確実にシールされていることを検査するために、複数の第1連通孔74を介して、各内部空間Vに対する真空引き(空気を抜き取る作業)が実施されてもよい。これにより、電解液の注液の前に、各内部空間Vの気密性を検査することができる。なお、第1ベース部材70を介しての電解液の注入は、専用の治具等を更に用いて行われてもよい。
(準備工程)
次に、第2ベース部材80と、弁体90と、カバー部材100とからなるユニットである圧力調整弁サブモジュールを準備する。圧力調整弁サブモジュールは、上述したように、第2ベース部材80、弁体90、及びカバー部材100を互いに組み付けることにより形成される。
次に、第2ベース部材80と、弁体90と、カバー部材100とからなるユニットである圧力調整弁サブモジュールを準備する。圧力調整弁サブモジュールは、上述したように、第2ベース部材80、弁体90、及びカバー部材100を互いに組み付けることにより形成される。
(開弁圧検査工程)
次に、図11の(B)に示されるように、準備工程で準備された圧力調整弁サブモジュールSMを検査する。これにより、組み付け後に圧力調整弁60としての機能が正常に発揮されるか否かを確認することができる。具体的には、第2ベース部材80に設けられた各第2連通孔83の開口端83aから各第2連通孔83内に空気を送り込むことにより、圧力調整弁サブモジュールSMの動作を検査する。各開口端83aから各第2連通孔83内に空気を送り込む操作は、例えば専用の治具等を更に用いて行われてもよい。開弁圧検査工程では、弁体90による開口端83bの閉塞が解除されるときの圧力値が第2連通孔83毎に確認される。そして、当該圧力値と予め設定された圧力値とが比較される。例えば当該圧力値と予め設定された圧力値との誤差が許容誤差以下であれば、検査された第2連通孔83についての弁体90の開弁圧は正常であると判定される。一方、上記誤差が許容誤差よりも大きい場合には、検査された第2連通孔83についての弁体90の開弁圧は異常であると判定される。上記検査により、全ての第2連通孔83に対して弁体90の開弁圧が正常であると判定された場合には、検査された圧力調整弁サブモジュールSMは正常と判定される。一方、少なくとも一つの第2連通孔83に対して弁体90の開弁圧が異常であると判定された場合には、検査された圧力調整弁サブモジュールSMは異常と判定される。
次に、図11の(B)に示されるように、準備工程で準備された圧力調整弁サブモジュールSMを検査する。これにより、組み付け後に圧力調整弁60としての機能が正常に発揮されるか否かを確認することができる。具体的には、第2ベース部材80に設けられた各第2連通孔83の開口端83aから各第2連通孔83内に空気を送り込むことにより、圧力調整弁サブモジュールSMの動作を検査する。各開口端83aから各第2連通孔83内に空気を送り込む操作は、例えば専用の治具等を更に用いて行われてもよい。開弁圧検査工程では、弁体90による開口端83bの閉塞が解除されるときの圧力値が第2連通孔83毎に確認される。そして、当該圧力値と予め設定された圧力値とが比較される。例えば当該圧力値と予め設定された圧力値との誤差が許容誤差以下であれば、検査された第2連通孔83についての弁体90の開弁圧は正常であると判定される。一方、上記誤差が許容誤差よりも大きい場合には、検査された第2連通孔83についての弁体90の開弁圧は異常であると判定される。上記検査により、全ての第2連通孔83に対して弁体90の開弁圧が正常であると判定された場合には、検査された圧力調整弁サブモジュールSMは正常と判定される。一方、少なくとも一つの第2連通孔83に対して弁体90の開弁圧が異常であると判定された場合には、検査された圧力調整弁サブモジュールSMは異常と判定される。
(接合工程)
次に、複数の第1連通孔74と複数の第2連通孔83とが互いに連通するように、第1ベース部材70と開弁圧検査工程において正常と判定された検査済みの圧力調整弁サブモジュールSMの第2ベース部材80とを接合する。具体的には、第1ベース部材70の側面73に設けられた複数の突起部77,78と、第2ベース部材80の側面81に設けられた複数の突起部88,89とが、熱板溶着により溶着される。これにより、開口50aに対して圧力調整弁60が組み付けられた状態となる。
次に、複数の第1連通孔74と複数の第2連通孔83とが互いに連通するように、第1ベース部材70と開弁圧検査工程において正常と判定された検査済みの圧力調整弁サブモジュールSMの第2ベース部材80とを接合する。具体的には、第1ベース部材70の側面73に設けられた複数の突起部77,78と、第2ベース部材80の側面81に設けられた複数の突起部88,89とが、熱板溶着により溶着される。これにより、開口50aに対して圧力調整弁60が組み付けられた状態となる。
(検査工程)
次に、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合が正常に行われたか否かを検査するための検査工程(蓄電モジュールの検査方法)が実行される。当該検査工程では、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態に基づく蓄電モジュールの良否判断が行われる。検査工程における処理は、例えば、後述する変位センサと、変位センサに電気的に接続されたコントローラ(あるいは、変位センサに組み込まれたコントローラ)と、により実行され得る。コントローラは、CPU等のプロセッサ、RAM及びROM等のメモリ、並びに入出力インターフェース等を含んで構成される。
次に、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合が正常に行われたか否かを検査するための検査工程(蓄電モジュールの検査方法)が実行される。当該検査工程では、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態に基づく蓄電モジュールの良否判断が行われる。検査工程における処理は、例えば、後述する変位センサと、変位センサに電気的に接続されたコントローラ(あるいは、変位センサに組み込まれたコントローラ)と、により実行され得る。コントローラは、CPU等のプロセッサ、RAM及びROM等のメモリ、並びに入出力インターフェース等を含んで構成される。
図12〜図15を参照して、検査工程について詳細に説明する。図12は、XY平面に水平な平面であって、Y方向に対向して配置される2つの第1貫通孔87を通る平面に沿った概略断面図である。図12は、第1ベース部材70と第2ベース部材80とが正常に接合された状態を表している。具体的には、側面73と側面81とが平行となり、側面73と側面81との隙間Gの大きさが予め定められた規格範囲に含まれる状態を表している。なお、複数の突起部77,78,88,89に関して、図12においては、上記2つの第1貫通孔87に対応して設けられる突起部89と当該突起部89に対応する突起部78とが図示されており、それ以外の突起部77,78,88,89の図示は省略されている。
図12に示されるように、検査工程では、カバー部材100の外側(弁体90側とは反対側)に配置された変位センサ(不図示)により、当該変位センサから蓄電モジュール12までの距離が測定される。そして、当該測定結果に基づいて第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態が判定される。変位センサは、レーザ光Lによって対象物までの距離を測定するように構成されている。具体的には、変位センサは、対象物に対してレーザ光Lを出射し、対象物からの反射光を検出することにより、対象物までの距離(変位)を計測する。変位センサの方式としては、例えば、レーザ光Lを出射する光源と反射光を検出するための検出器とが同軸上に配置される方式と、光源と検出器とが同軸上に配置されない方式(例えば、三角測量法及び光切断法等を利用する方式)とが存在する。本実施形態では、前者の方式の変位センサが用いられる。この場合、例えばレーザ光Lの出射方向が、カバー部材100の弁体90側とは反対側の側面100aに直交する方向となるように、カバー部材100に対する変位センサの位置及び姿勢が設定される。なお、レーザ光Lの出射方向は、側面100aに直交する方向から多少ずれた状態であってもよい。ただし、レーザ光Lが貫通孔(第1貫通孔87及び第2貫通孔104)の内壁に当たってしまうと距離測定を適切に行うことができず、以下に説明する判定を適切に実施できない場合があるため、レーザ光Lの出射方向と側面100aに直交する方向との間のずれは、なるべく小さくなるように調整されることが好ましい。変位センサから出射されるレーザ光Lは、スポット光であってもよいし、所定幅を有する平行ラインレーザ光であってもよい。後者の場合、平行ラインレーザ光の幅方向の複数位置についての距離を同時に測定することができる。
(第1工程)
まず、検査工程における第1工程では、上述のような変位センサにより、複数の第2貫通孔104の位置を含む複数の位置に対してカバー部材100の外側からレーザ光Lが出射され、圧力調整弁60からの反射光に基づいて複数の位置の各々に関連付けられる距離が測定される。例えば、Z方向に所定幅(側面100aのZ方向における幅以上の幅)を有する平行ラインレーザ光を出射する変位センサをY方向に沿って動かし、側面100aの全面を走査することにより、側面100a上の全ての位置(複数の第2貫通孔104の位置を含む)についての距離が測定される。ここで、第1貫通孔87及び第2貫通孔104の位置においては、照射されたレーザ光Lは側面73で反射するため、変位センサから側面73までの距離が測定されることになる。このような測定により、側面100aに直交する任意の平面に沿った各位置について、図13に示したような測定波形W1を得ることができる。図13は、図12に示した断面に沿った各位置について測定された距離をプロットした測定波形を表している。
まず、検査工程における第1工程では、上述のような変位センサにより、複数の第2貫通孔104の位置を含む複数の位置に対してカバー部材100の外側からレーザ光Lが出射され、圧力調整弁60からの反射光に基づいて複数の位置の各々に関連付けられる距離が測定される。例えば、Z方向に所定幅(側面100aのZ方向における幅以上の幅)を有する平行ラインレーザ光を出射する変位センサをY方向に沿って動かし、側面100aの全面を走査することにより、側面100a上の全ての位置(複数の第2貫通孔104の位置を含む)についての距離が測定される。ここで、第1貫通孔87及び第2貫通孔104の位置においては、照射されたレーザ光Lは側面73で反射するため、変位センサから側面73までの距離が測定されることになる。このような測定により、側面100aに直交する任意の平面に沿った各位置について、図13に示したような測定波形W1を得ることができる。図13は、図12に示した断面に沿った各位置について測定された距離をプロットした測定波形を表している。
図13における区間SE1〜SE6は、図12における区間SE1〜SE6に対応している。区間SE2は、図12の左側の第2貫通孔104Lに対応する区間である。区間SE1は、第2貫通孔104Lの周辺区間のうち第2貫通孔104Lよりも外側(左側)に位置する区間である。区間SE3は、第2貫通孔104Lの周辺区間のうち第2貫通孔104Lよりも内側(右側)に位置する区間である。区間SE1,SE3は、区間SE2に隣接するように設定されてもよいし、区間SE2から予め定められた間隔だけ離れた位置に設定されてもよい。また、本実施形態では、区間SE1,SE3の幅は、区間SE2と同一の幅に設定されているが、区間SE2の幅とは異なるように設定されてもよい。
区間SE5は、図12の右側の第2貫通孔104Rに対応する区間である。区間SE4は、第2貫通孔104Rの周辺区間のうち第2貫通孔104Rよりも内側(左側)に位置する区間である。区間SE6は、第2貫通孔104Rの周辺区間のうち第2貫通孔104Rよりも外側(右側)に位置する区間である。区間SE4,SE6は、区間SE5に隣接するように設定されてもよいし、区間SE5から予め定められた間隔だけ離れた位置に設定されてもよい。また、本実施形態では、区間SE4,SE6の幅は、区間SE5と同一の幅に設定されているが、区間SE5の幅とは異なるように設定されてもよい。
このような区間SE1〜SE6は、測定波形W1の形状に基づいて特定され得る。例えば、測定波形W1において測定距離が所定の閾値以上変化する測定位置を抽出することにより、区間SE2及び区間SE5の各々の両端位置を抽出できる。そして、抽出された両端位置に基づいて、区間SE1〜SE6を特定することができる。
このように、第1工程においては、区間SE2に含まれる各位置の距離(第2貫通孔104Lの位置に関連付けられる第1距離)と、区間SE1,SE3に含まれる各位置の距離(第2貫通孔104Lの周辺位置に関連付けられる第2距離)と、が測定される。また、区間SE5に含まれる各位置の距離(第2貫通孔104Rの位置に関連付けられる第1距離)と、区間SE4,SE6に含まれる各位置の距離(第2貫通孔104Rの周辺位置に関連付けられる第2距離)と、が測定される。
(第2工程)
続いて、検査工程における第2工程では、第1工程において測定された複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態が判定される。ここで、区間SE1に含まれる各位置の測定距離の平均値をX1と表し、区間SE2に含まれる各位置の測定距離の平均値をX2と表し、区間SE3に含まれる各位置の測定距離の平均値をX3と表す。同様に、区間SE4〜SE6の各区間に含まれる各位置の測定距離の平均値をX4〜X6と表す。また、第2ベース部材80の側面81からカバー部材100の側面100aまでの距離(第3距離)をTと表す。この場合、下記式(1)により算出されるXLを、接続方向D2から見た第2貫通孔104Lの周辺における、側面73と側面81との隙間の大きさと見做し得る。同様に、下記式(2)により算出されるXRを、接続方向D2から見た第2貫通孔104Rの周辺における、側面73と側面81との隙間の大きさと見做し得る。
XL=X2−(X1+X3)/2−T …(1)
XR=X5−(X4+X6)/2−T …(2)
続いて、検査工程における第2工程では、第1工程において測定された複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態が判定される。ここで、区間SE1に含まれる各位置の測定距離の平均値をX1と表し、区間SE2に含まれる各位置の測定距離の平均値をX2と表し、区間SE3に含まれる各位置の測定距離の平均値をX3と表す。同様に、区間SE4〜SE6の各区間に含まれる各位置の測定距離の平均値をX4〜X6と表す。また、第2ベース部材80の側面81からカバー部材100の側面100aまでの距離(第3距離)をTと表す。この場合、下記式(1)により算出されるXLを、接続方向D2から見た第2貫通孔104Lの周辺における、側面73と側面81との隙間の大きさと見做し得る。同様に、下記式(2)により算出されるXRを、接続方向D2から見た第2貫通孔104Rの周辺における、側面73と側面81との隙間の大きさと見做し得る。
XL=X2−(X1+X3)/2−T …(1)
XR=X5−(X4+X6)/2−T …(2)
ここで、側面73と側面81との隙間が小さすぎる場合には、突起部77,78と突起部88,89との熱板溶着が不十分であり、接着不良が生じている可能性がある。一方、側面73と側面81との隙間が大きすぎる場合には、熱板溶着により生じたバリによって第1連通孔74と第2連通孔83との接合部が閉塞している可能性がある。このため、側面73と側面81との隙間の大きさについては、許容可能範囲の下限及び上限として、下限規格SLと上限規格SUとが予め定められている。
したがって、第2工程では、以下のようにして蓄電モジュールの良否判断を行うことができる。すなわち、「SL≦XL≦SU」及び「SL≦XR≦SU」の両方の関係式が成立する場合に、側面73と側面81との間に規格外の隙間が生じていないと判断し、検査対象の蓄電モジュールを良品と判定してもよい。一方、上記2つの関係式の少なくとも一方が成立しない場合に、側面73と側面81との間に規格外の隙間が生じていると判定し、検査対象の蓄電モジュールを不良品と判定してもよい。
ここで、下記式(3)により、2つの貫通孔(第1貫通孔87及び第2貫通孔104により形成される貫通孔)間の隙間の傾き(ここでは、Y方向における側面73に対する側面81の傾き)の指標XSを算出することができる。
XS=|XL−XR| …(3)
XS=|XL−XR| …(3)
したがって、隙間の傾き(側面73に対する側面81の傾き)を一定範囲内に抑える必要がある場合には、以下の判定を行うことにより、蓄電モジュールの良否判断を行うことができる。すなわち、許容可能な傾きの上限をSとすると、「XS≦S」の関係式が成立する場合に、検査対象の蓄電モジュールを良品と判定し、上記関係式が成立しない場合に、検査対象の蓄電モジュールを不良品と判定してもよい。ここで、上記Sは、例えば2つの貫通孔間の距離に応じて定まる値である。
上記例では、4組の貫通孔(第1貫通孔87及び第2貫通孔104により形成される貫通孔)のうち2組の貫通孔(第2貫通孔104Lを含む貫通孔及び第2貫通孔104Rを含む貫通孔)に関する測定結果に基づいて良否判断を行う例について説明したが、3組以上の貫通孔に関する測定結果に基づいて良否判断を行ってもよい。より多くの貫通孔に関する測定結果に基づいて良否判断を行うことにより、良否判断の精度を向上させることができる。特に傾きに関する判定については、上述のように一方向(Y方向)に対向する2つの貫通孔の間の傾きの指標XSについての判定に加えて、当該一方向に交差する方向(Z方向)に対向する2つの貫通孔の間の傾きについても同様の判定を行うことが好ましい。これにより、側面73に対する側面81の2次元的なずれが許容範囲内であるか否かに基づいて良否判断を行うことが可能となる。
また、蓄電モジュールの良否判断(特に、上述した傾きに基づく判断)の精度を高めるためには、互いになるべく離れた位置に設けられた複数の貫通孔に関する測定結果に基づいて良否判断を行うことが好適である。本実施形態では、接続方向D2から見た蓄電モジュールの四隅に4つの貫通孔(第1貫通孔87及び第2貫通孔104)を設けることにより、4つの貫通孔が互いになるべく離れた位置に設けられた構成が実現されている。
図14は、第1ベース部材70と第2ベース部材80との間に接合ずれ(傾き)が生じている蓄電モジュールの例を表す図である。また、図15は、図14に示した断面に沿った各位置について測定された距離をプロットした測定波形W2を表している。図14の例においては、図15に示されるように、第2貫通孔104L(区間SE2)及び第2貫通孔104R(区間SE5)に対応する波形において傾きが生じている。また、区間SE2における測定距離よりも区間SE5における測定距離の方が大きくなっている。このような場合には、例えば上記式(1)により算出されるXLについて、「XL<SL」となること(「SL≦XL≦SU」を満たさないこと)により、蓄電モジュールが不良品であると判定され得る。あるいは、上記式(2)により算出されるXRについて、「XR>SU」となること(「SL≦XR≦SU」を満たさないこと)により、蓄電モジュールが不良品であると判定され得る。また、上記式(3)により算出されるXSについて、「XS>S」となること(「XS≦S」を満たさないこと)により、蓄電モジュールが不良品であると判定され得る。
(蓄電装置製造工程)
続いて、検査工程において良品と判定された蓄電モジュール12を用いて蓄電装置10が製造される。図1に示されるように、導電板14を介して複数の蓄電モジュール12を積層する。積層方向D1の両端に位置する導電板14にはそれぞれ正極端子24及び負極端子26が予め接続されている。続いて、積層方向D1の両端に、絶縁フィルム22を介して一対の拘束プレート16A,16Bをそれぞれ配置する。続いて、ボルト18の軸部を拘束プレート16Aの挿通孔16A1に挿入し、拘束プレート16Bの挿通孔16B1に挿入する。続いて、拘束プレート16Bから突出したボルト18の先端に、ナット20を螺合する。このようにして図1に示される蓄電装置10が製造される。
続いて、検査工程において良品と判定された蓄電モジュール12を用いて蓄電装置10が製造される。図1に示されるように、導電板14を介して複数の蓄電モジュール12を積層する。積層方向D1の両端に位置する導電板14にはそれぞれ正極端子24及び負極端子26が予め接続されている。続いて、積層方向D1の両端に、絶縁フィルム22を介して一対の拘束プレート16A,16Bをそれぞれ配置する。続いて、ボルト18の軸部を拘束プレート16Aの挿通孔16A1に挿入し、拘束プレート16Bの挿通孔16B1に挿入する。続いて、拘束プレート16Bから突出したボルト18の先端に、ナット20を螺合する。このようにして図1に示される蓄電装置10が製造される。
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電モジュール12は、複数のバイポーラ電極32が積層された積層体30と、積層体30の周囲に設けられ、隣り合うバイポーラ電極32間の複数の内部空間Vと連通する開口50aが設けられた枠体50と、開口50aに接続される圧力調整弁60と、を備える。圧力調整弁60は、開口50aを介して複数の内部空間Vの各々と連通する複数の第1連通孔74が設けられ、開口50aに接続される第1ベース部材70と、複数の第1連通孔74の各々と連通する複数の第2連通孔83が設けられ、第1ベース部材70の開口50a側とは反対側において第1ベース部材70に接続される第2ベース部材80と、複数の第2連通孔83の第1ベース部材70側とは反対側の開口端83bを塞ぐように配置される弁体90と、弁体90を第2ベース部材80に対して押圧するカバー部材100と、を有する。第2ベース部材80には、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接続方向D2に沿って貫通する空間を形成する複数の第1貫通孔87が設けられている。カバー部材100には、複数の第1貫通孔87の各々に連通するように接続方向D2に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通孔104が設けられている。
この蓄電モジュール12では、第2ベース部材80に複数の第1貫通孔87が設けられると共に、カバー部材100に複数の第2貫通孔104が設けられている。これにより、例えばレーザ光Lを用いた変位センサ等により、カバー部材100の外側面(側面100a)までの距離を測定できると共に、第1貫通孔87及び第2貫通孔104を介して第1ベース部材70の側面73までの距離を測定可能となっている。このようにして測定される距離に基づいて、第1ベース部材70に対する第2ベース部材80の接合状態(例えば、接合ずれの有無等)を把握することができる。したがって、蓄電モジュール12によれば、圧力調整弁60を構成する第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態を適切に検査することができる。
第2ベース部材80は、接続方向D2から見て矩形状に形成されており、複数(ここでは4つ)の第1貫通孔87は、接続方向D2から見て第2ベース部材80の少なくとも2つの隅部に設けられている。上述したように、距離に基づく接合状態の検査精度を向上させるためには、複数の第1貫通孔87同士の距離は、なるべく大きい方が好ましい。上記のように第2ベース部材80の少なくとも2つの隅部に第1貫通孔87を設けることにより、複数の第1貫通孔87同士の距離(最大距離)が2つの異なる隅部間の距離以上となることが保証されるため、接合状態の検査精度を適切に確保できる。
複数の第1貫通孔87は、第2ベース部材80の隅部のうち、互いに対角に位置する少なくとも2つの隅部に設けられている。この場合、複数の第1貫通孔87同士の距離(最大距離)が互いに対角に位置する2つの隅部間の距離以上となることが保証されるため、接合状態の検査精度をより一層適切に確保できる。
複数の第1貫通孔87は、一直線上にはない3箇所以上に配置されている。この場合、上述した距離に基づく接合状態の判定において、互いに交差する少なくとも2方向(例えばY方向及びZ方向)に関して第1ベース部材70に対する第2ベース部材80の接合ずれ(傾き)を把握可能となる。これにより、第1ベース部材70に対する第2ベース部材80の接合ずれを2次元的に把握可能となるため、接合状態をより精度良く検査することができる。
本実施形態に係る蓄電モジュール12の検査方法は、複数の第2貫通孔104の位置を含む複数の位置に対してカバー部材100の弁体90側とは反対側からレーザ光Lを出射し、圧力調整弁60からの反射光に基づいて複数の位置の各々に関連付けられる距離を測定する第1工程と、複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態を判定する第2工程と、を含む。
この検査方法によれば、複数の第2貫通孔104の位置を含む複数の位置に対するレーザ光Lによる距離測定結果に基づいて、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態を判定することができる。したがって、上記検査方法によれば、圧力調整弁60を構成する第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態を適切に検査することができる。
第1工程において、複数の第2貫通孔104の各々の位置に関連付けられる第1距離(本実施形態では、区間SE2,SE5に含まれる各位置の測定距離)と、複数の第2貫通孔104の各々の周辺位置に関連付けられる第2距離(本実施形態では、区間SE1,SE3,SE4,SE6に含まれる各位置の測定距離)と、を測定し、第2工程において、第1距離と、第2距離と、第2ベース部材80の第1ベース部材70側の側面81からカバー部材100の弁体90側とは反対側の側面73までの第3距離とに基づいて、第1ベース部材70と第2ベース部材80との間の隙間の大きさ(本実施形態では、XL及びXR)を算出し、隙間の大きさに基づいて接合状態を判定する。この場合、第1距離、第2距離、及び第3距離に基づいて算出される隙間の大きさから、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態を具体的に判断することができる。
本実施形態に係る蓄電モジュール12の製造方法は、複数のバイポーラ電極32を有する蓄電モジュール12の製造方法であって、バイポーラ電極32を積層して積層体30を得る工程と、積層体30の周囲に設けられ、隣り合うバイポーラ電極32間の複数の内部空間Vと連通する開口50aが設けられた枠体50を形成する工程と、開口50aを介して複数の内部空間Vの各々と連通する複数の第1連通孔74が設けられ、開口50aに接続される第1ベース部材70を、開口50aに接続する工程と、複数の第1連通孔74を介して複数の内部空間Vの各々に電解液を注入する工程と、複数の第1連通孔74の各々と連通するための複数の第2連通孔83が設けられた第2ベース部材80であって、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接続方向D2に沿って貫通する空間を形成する複数の第1貫通孔87が設けられた該第2ベース部材80と、複数の第2連通孔83の第1連通孔74に接続される側とは反対側の開口端83bを塞ぐように配置される弁体90と、弁体90を第2ベース部材80に対して押圧するカバー部材100であって、複数の第1貫通孔87の各々に連通するように接続方向D2に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通孔104が設けられた該カバー部材100と、を有する圧力調整弁サブモジュールSMを準備する工程と、各第2連通孔83の第1連通孔74に接続される側の開口端83aから各第2連通孔83内に空気を送り込むことにより、圧力調整弁サブモジュールSMを検査する工程と、第1連通孔74と第2連通孔83とが連通するように、第1ベース部材70と検査済みの圧力調整弁サブモジュールSMの第2ベース部材80とを接合する工程と、複数の第2貫通孔104の位置を含む複数の位置に対してカバー部材100の弁体90側とは反対側からレーザ光Lを出射し、第1ベース部材70又は圧力調整弁サブモジュールSMからの反射光に基づいて複数の位置の各々に関連付けられる距離を測定する工程と、複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態を判定する工程と、を含む。
この製造方法では、電解液を注入する工程において、複数の内部空間Vの各々と連通する複数の第1連通孔74が設けられた第1ベース部材70を用いて、各内部空間Vへの電解液の注液を行うことが可能となっている。また、検査する工程(開弁圧検査工程)において、第2ベース部材80と弁体90とカバー部材100とからなるユニットである圧力調整弁サブモジュールSMに対する検査を実行することにより、圧力調整弁60としての機能を検査することが可能となっている。したがって、上記製造方法によれば、電解液の注液の作業性向上を図ると共に、圧力調整弁60の組み付け前に圧力調整弁60の検査を容易に行うことができる。また、上記製造方法では、第1ベース部材70と第2ベース部材80(圧力調整弁サブモジュールSM)とを接合した後において、上述した検査方法による接合状態の検査が実行される。これにより、圧力調整弁60を構成する第1ベース部材70と第2ベース部材80との接合状態を適切に検査することができ、製造される蓄電モジュール12の品質を確保することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、各開口50aにおいて、複数の第1開口52aが、開口50aの開口方向(X方向)から見て、第2開口54aの中心P1に対して、点対称に配置される構成について説明した。しかし、各開口50aにおける複数の第1開口52aは、接続方向D2から見て、それぞれ対応する第1ベース部材70の開口端75aに含まれるように配置されればよく、複数の第1開口52aは必ずしも点対称に配置されなくともよい。例えば、上記実施形態において例示した第1開口52aの配置は、複数の開口50a間で適宜入れ替えられてもよい。具体的な例としては、開口50a1において、内部空間V1に連通する第1開口52aの代わりに内部空間V2に連通する第1開口52aが設けられ、開口50a2において、内部空間V2に連通する第1開口52aの代わりに内部空間V1に連通する第1開口52aが設けられてもよい。この場合、開口50a1及び開口50a2の各々における複数の第1開口52aの配置は上述したような点対称の配置とはならないが、どの第1開口52aも接続方向D2から見て対応する開口端75aに含まれるように配置される。
また、第1貫通孔87及び第2貫通孔104は、断面円形以外の形状(例えば断面多角形状)に形成されてもよいし、切欠き状に形成されてもよい。例えば、検査工程において、光源と検出器とが同軸上に配置されない方式(例えば、三角測量法及び光切断法等を利用する方式)の変位センサを用いる場合、距離測定対象に対して斜めにレーザ光Lを照射する必要がある。この場合、第1貫通孔87及び第2貫通孔104のような構成では、変位センサからの反射光が、第1貫通孔87及び第2貫通孔104の内壁によって遮られてしまうおそれがある。したがって、上記方式の変位センサを用いる場合、第1貫通孔87及び第2貫通孔104の代わりに、反射光を逃すための切欠きが設けられた切欠き状に形成された第1貫通部及び第2貫通部が設けられてもよい。
また、検査工程では、上述したような計算式(1)〜(3)を用いることなく、測定波形W1,W2に基づく良否判定を行ってもよい。例えば、コントローラは、正常に接合された場合の波形パターン、及びいくつかのNG類型に対応する波形パターン等を比較パターンとして予め記憶しておき、測定波形と比較パターンとの比較結果に基づいて、良否判定の判定結果を出力してもよい。例えば、コントローラは、測定波形と最も類似する比較パターンを抽出し、当該比較パターンに対応する判定結果を出力してもよい。
12…蓄電モジュール、30…積層体、30a…側面、32…バイポーラ電極、34…電極板、34a…縁部、36…正極、38…負極、50…枠体、50a,50a1,50a2,50a3,50a4…開口、50s…側面、52…第1樹脂部、52a…第1開口、54…第2樹脂部、54a…第2開口、60…圧力調整弁、70…第1ベース部材、71…側面、72…部分、73…側面、74…第1連通孔、75a…開口端、76…第2連通部、76a…開口端、77,78…突起部、80…第2ベース部材、82…側面、83…第2連通孔、83a,83b…開口端、84…溝部、85…排気口、87…第1貫通孔(第1貫通部)、88,89…突起部、90…弁体(弾性部材)、100…カバー部材(押圧部材)、100a…側面、104…第2貫通孔(第2貫通部)、A…軸、D1…積層方向、D2…接続方向、P1,P2…中心、S4…流通空間、V…内部空間。
Claims (7)
- 複数のバイポーラ電極が積層された積層体と、
前記積層体の周囲に設けられ、かつ隣り合う前記バイポーラ電極間の複数の内部空間と連通する開口が設けられた枠体と、
前記開口に接続される圧力調整弁と、
を備え、
前記圧力調整弁は、
前記開口を介して前記複数の内部空間の各々と連通する複数の第1連通孔が設けられ、かつ前記開口に接続される第1ベース部材と、
前記複数の第1連通孔の各々と連通する複数の第2連通孔が設けられ、かつ前記第1ベース部材の前記開口側とは反対側において前記第1ベース部材に接続される第2ベース部材と、
前記複数の第2連通孔の前記第1ベース部材側とは反対側の開口端を塞ぐように配置される弾性部材と、
前記弾性部材を前記第2ベース部材に対して押圧する押圧部材と、を有し、
前記第2ベース部材には、前記第1ベース部材と前記第2ベース部材との接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第1貫通部が設けられており、
前記押圧部材には、前記複数の第1貫通部の各々に連通するように前記接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通部が設けられている、
蓄電モジュール。 - 前記第2ベース部材は、前記接続方向から見て矩形状に形成されており、
前記複数の第1貫通部は、前記接続方向から見て前記第2ベース部材の少なくとも2つの隅部に設けられている、
請求項1に記載の蓄電モジュール。 - 前記複数の第1貫通部は、前記第2ベース部材の隅部のうち、互いに対角に位置する少なくとも2つの隅部に設けられている、
請求項2に記載の蓄電モジュール。 - 前記複数の第1貫通部は、一直線上にはない3箇所以上に配置されている、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電モジュールの検査方法であって、
前記複数の第2貫通部の位置を含む複数の位置に対して前記押圧部材の前記弾性部材側とは反対側からレーザ光を出射し、前記圧力調整弁からの反射光に基づいて前記複数の位置の各々に関連付けられる距離を測定する第1工程と、
前記複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、前記第1ベース部材と前記第2ベース部材との接合状態を判定する第2工程と、
を含む、蓄電モジュールの検査方法。 - 前記第1工程において、前記複数の第2貫通部の各々の位置に関連付けられる第1距離と、前記複数の第2貫通部の各々の周辺位置に関連付けられる第2距離と、を測定し、
前記第2工程において、前記第1距離と、前記第2距離と、前記第2ベース部材の前記第1ベース部材側の側面から前記押圧部材の前記弾性部材側とは反対側の側面までの第3距離とに基づいて、前記第1ベース部材と前記第2ベース部材との間の隙間の大きさを算出し、前記隙間の大きさに基づいて前記接合状態を判定する、
請求項5に記載の蓄電モジュールの検査方法。 - 複数のバイポーラ電極を有する蓄電モジュールの製造方法であって、
前記バイポーラ電極を積層して積層体を得る工程と、
前記積層体の周囲に設けられ、かつ隣り合う前記バイポーラ電極間の複数の内部空間と連通する開口が設けられた枠体を形成する工程と、
前記開口を介して前記複数の内部空間の各々と連通する複数の第1連通孔が設けられ、かつ前記開口に接続される第1ベース部材を、前記開口に接続する工程と、
前記複数の第1連通孔を介して前記複数の内部空間の各々に電解液を注入する工程と、
前記複数の第1連通孔の各々と連通するための複数の第2連通孔が設けられた第2ベース部材であって、前記第1ベース部材と前記第2ベース部材との接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第1貫通部が設けられた該第2ベース部材と、前記複数の第2連通孔の前記第1連通孔に接続される側とは反対側の開口端を塞ぐように配置される弾性部材と、前記弾性部材を前記第2ベース部材に対して押圧する押圧部材であって、前記複数の第1貫通部の各々に連通するように前記接続方向に沿って貫通する空間を形成する複数の第2貫通部が設けられた該押圧部材と、を有する圧力調整弁サブモジュールを準備する工程と、
各前記第2連通孔の前記第1連通孔に接続される側の開口端から各前記第2連通孔内に空気を送り込むことにより、前記圧力調整弁サブモジュールを検査する工程と、
前記第1連通孔と前記第2連通孔とが連通するように、第1ベース部材と検査済みの前記圧力調整弁サブモジュールの前記第2ベース部材とを接合する工程と、
前記複数の第2貫通部の位置を含む複数の位置に対して前記押圧部材の前記弾性部材側とは反対側からレーザ光を出射し、前記第1ベース部材又は前記圧力調整弁サブモジュールからの反射光に基づいて前記複数の位置の各々に関連付けられる距離を測定する工程と、
前記複数の位置の各々に関連付けられる距離に基づいて、前記第1ベース部材と前記第2ベース部材との接合状態を判定する工程と、
を含む、蓄電モジュールの製造方法。
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