JP2018199648A - 新規トランスポーター機能解析用蛍光物質 - Google Patents

新規トランスポーター機能解析用蛍光物質 Download PDF

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成康 眞野
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裕 山岸
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Abstract

【課題】高い輸送能を維持しながらも、消光しにくく蛍光強度の強いトランスポーターの蛍光基質の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物。A−L−F(I)[Aは、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、αミュリコール酸、βミュリコール酸、ωミュリコール酸、ヒオコール酸、ヒオデオキシコール酸、7−オキソ−デオキシコール酸、7−オキソ−リトコール酸、1−オキソ−リトコール酸、若しくは2−オキソ−リトコール酸、又はそれらの誘導体;Lは、リンカー;Fは、TokyoGreen(TG)、TokyoMagenta(TM)、若しくはヒドロキシクマリン(HC)等、又はそれらの誘導体]
【選択図】なし

Description

本発明は、トランスポーターの機能解析に用いる蛍光基質に関する。
創薬において、開発薬物の細胞内外への輸送を担うトランスポーターを評価することは、薬物の動態特性、有効性(薬効)や安全性を評価する上で重要であり、そのために欧州医薬品庁(EMA)についでアメリカ食品医薬品局(FDA)が薬物相互作用の観点から、開発薬物のトランスポーター検討に関するガイダンスを発表した。トランスポーターは細胞における様々な物質の取り込み・排出を担う重要な膜輸送タンパク質であり、薬物の細胞内外への輸送を支配している。近年のポストゲノム研究の発展により、多くのトランスポーターが同定され、さらにその機能や基質の種類が明らかとなってきた。こうした背景を踏まえ、薬物に対するトランスポーター輸送能の評価をより迅速に、また簡便に行える創薬スクリーニングシステムの開発が望まれている。
現在、トランスポーター基質を用いたスクリーニングシステムにおいては、放射性同位元素(RI)で標識した基質を用いる方法や、非RI標識基質をLC/MS/MSで測定する方法が主流となっている。これらの方法は、基質の特異性を変化させること無くトランスポーターの輸送能を定量化できる点で優れている。しかし、測定操作の煩雑さや高価な測定装置が必要なこと等から、従来法に代わる技術が切望されている。このように、トランスポーター基質の蛍光色素による標識化(蛍光基質)は、測定操作や測定機器の簡易化などの優位性から、次世代の創薬スクリーニングシステムのツールとして位置づけられているにもかかわらず、現状では蛍光標識された基質自体が限られており、有望な創薬スクリーニングシステムの構築には至っていない。
また、ケノデオキシコール酸(CDCA)をニトロベンゾオキサジアゾール(NBD)で標識した蛍光基質が作製され、報告されている(非特許文献1)が、消光しやすく蛍光が弱いなどの問題があった。また、ハイスループット・スクリーニング(HTS)等で利用する場合には、高いS/N比が求められているが、これまでHTSで利用可能なS/N比を有する蛍光基質は報告されていなかった。
Maglova et al. , hepatology 1995;22:637−57 Yamaguchi et al. , J. Lipid. Res. 2006;47;1196−202
よって、本発明は、トランスポーター基質の高い輸送能を維持しながらも、消光しにくく蛍光強度の強い蛍光基質を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々の蛍光物質と基質との組み合わせについて輸送活性を評価した結果、蛍光基質の水溶性を付与することにより高いS/N比を示すプローブの創製が可能であることを見出し、種々の胆汁酸と、TokyoGreen(TG)、TokyoMagenta(TM)、若しくはヒドロキシクマリン(HC)、又はそれらの誘導体とをリンカーを介して結合した蛍光基質が高い輸送能を維持しながらも、消光しにくく蛍光強度の強いトランスポーターの蛍光基質となることを見出した。例えば、CDCA−NBDの取込飽和時(10分後)のS/N比、すなわち、(トランスポーター発現細胞による取込量)/(トランスポーター非発現細胞(mock細胞)による取込量)が2.5であるのに対し、TGは5.7、HCは3.6と優れたS/N比を示すことから、HTSでの利用が可能な蛍光基質を提供することに成功した。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、よって、本発明は下記式(I)で表される化合物に関する:
A−L−F (I)
[式中、Aは、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、αミュリコール酸、βミュリコール酸、ωミュリコール酸、ヒオコール酸、ヒオデオキシコール酸、7−オキソ−デオキシコール酸、7−オキソ−リトコール酸、1−オキソ−リトコール酸、若しくは2−オキソ−リトコール酸、又はそれらの誘導体を表し、
Lは、リンカーを示し、かつ、
Fは、下記式で表される化合物の1価の基を示す、
[上記式中、R、R、R、R、R、及びR11は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、C1〜6アルキル基、又はC1〜6アルケニル基を表し、
は、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
は、置換されていても良いC1〜6アルキル基、置換されていても良いC1〜6アルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
nは0〜4の自然数を表し、
及びR12は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
10は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、かつ、
Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、置換されていても良いC1〜6アルキル基であり、置換されていても良いC1〜6アルキル基の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、ハロゲン原子、カルボン酸、カルボン酸の塩、スルホン酸、又はスルホン酸の塩である]。
本明細書における式(I)で表される化合物においてAで表される基は、OATP1B1及び/又はOATP1B3により取り込まれる化合物の1価の基を表し、具体的には、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、αミュリコール酸、βミュリコール酸、ωミュリコール酸、ヒオコール酸、ヒオデオキシコール酸、7−オキソ−デオキシコール酸、7−オキソ−リトコール酸、1−オキソ−リトコール酸、及び2−オキソ−リトコール酸(以下、「コール酸等」という)、又はそれらの誘導体の一価の基を意味する。コール酸等の「誘導体」とは、コール酸等における基本ステロイド骨格を維持しながら、任意の一部の基が別の基に置換され又は任意の基が導入された化合物であって、organic anion transporting polypeptide 1B1(OATP1B1)及び/又はOATP1B3により取り込まれる能力を維持する化合物を意味する。コール酸等又はそれらの誘導体がLと結合するための結合基は、コール酸等又はそれらの誘導体の任意の位置であってよいが、好ましくは、カルボン酸残基部分において結合する。結合様式は、結合基の種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、結合基がカルボン酸の場合には、エステル結合により結合することができる。本明細書において、「エステル結合」とは、エステル結合の他、アミド結合を含む。
本明細書において、「organic anion transporting polypeptide 1B1(OATP1B1)」は、SLCO1B1としても知られる。また、「organic anion transporting polypeptide 1B3(OATP1B3)」は、SLCO1B3としても知られる。OATP1B1及びOATP1B3は、共に肝細胞基底膜側に特異的に発現し、多くのスタチンの肝細胞への取り込みに作用するsolute carrier transporter(SLC)トランスポーターである。経口投与されたスタチンはOATP1B1を介して選択的に肝細胞に取り込まれ、コレステロールの生合成を阻害する。
コール酸等の誘導体がOATP1B1及び/又はOATP1B3により取り込まれるか否かは、以下の方法により調べることができる。適宜コーティングされた24穴プレートにOATP1B1を発現させた細胞、OATP1B3を発現させた細胞、及びmock細胞を、それぞれ約2×10細胞/wellで播種し、72時間生育後、細胞を緩衝液で1〜数回洗浄した後、緩衝液を細胞に加え、10分間プレインキュベーションを行う。蛍光標識と結合させた被検コール酸等の誘導体を含有する緩衝液を添加し、一定時間インキュベーション後、緩衝液を除去し、bovine serum albumin(BSA)1%を含む氷冷した緩衝液を加えて取込みを停止させる。細胞をさらに氷冷した緩衝液で数回洗浄し、乾燥後、Lysis Bufferを加えて細胞を溶解させて得られた測定サンプルの蛍光を測定する。測定サンプルの蛍光が確認された場合には、コール酸等の誘導体がOATP1B1及び/又はOATP1B3により取り込まれると判定される。
一態様において、Aは下記式で表される基である:
[上記式中、R13は水素原子又は水酸基を表し、
14及びR15は水素原子、水酸基又は酸素原子を表し、
実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表す]。
本明細書における式(I)で表される化合物においてFで表される基は、蛍光物質を表し、より具体的には、下記式で表される化合物の1価の基である:
[上記式中、R、R、R、R、R、及びR11は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、又はC1〜6アルキル基を表し、
は、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
は、置換されていても良いC1〜6アルキル基、置換されていても良いC1〜6アルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
nは0〜4の自然数を表し、
及びR12は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
10は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、かつ、
Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、置換されていても良いC1〜6アルキル基であり、置換されていても良いC1〜6アルキル基の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、ハロゲン原子、カルボン酸、カルボン酸の塩、スルホン酸、又はスルホン酸の塩である]。
本明細書における式(I)で表される化合物におけるFとして好ましくは、緑色の蛍光を発する下記式で表されるTokyoGreen(登録商標)である。
[式中、nは0〜4の自然数を表し、R17は、それぞれ独立して、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、又はアミノ基を表し、R18はC1〜6アルキル基又はC1〜6アルコキシ基を表す。]
TokyoGreen(登録商標)として、好ましくは、以下の化合物である。
[式中、R17は、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、又はアミノ基を表し、R18はC1〜6アルキル基又はC1〜6アルコキシ基を表す。]
上述において、R17として好ましくは、C1〜4アルキル基又はC1〜4アルコキシ基であり、より好ましくは、メチル基又はメトキシ基である。また、R18として好ましくは、C1〜4アルキル基又はC1〜4アルコキシ基であり、より好ましくは、メチル基又はメトキシ基である。
また、本明細書における式(I)で表される化合物におけるFとして好ましくは、下記式で表されるTokyoMagentaである。
[式中、nは0〜4の自然数を表し、R19は、それぞれ独立して、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、又はアミノ基を表し、R20はC1〜6アルキル基又はC1〜6アルコキシ基を表す。]
TokyoMagentaとして、好ましくは、以下の化合物である。
[式中、R19は、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、又はアミノ基を表し、R20はC1〜6アルキル基又はC1〜6アルコキシ基を表す。]
上述において、R19として好ましくは、C1〜4アルキル基又はC1〜4アルコキシ基であり、より好ましくは、メチル基又はメトキシ基である。また、R20として好ましくは、C1〜4アルキル基又はC1〜4アルコキシ基であり、より好ましくは、メチル基又はメトキシ基である。
また、本明細書における式(I)で表される化合物におけるFとして好ましくは、下記式で表されるヒドロキシクマリンである。
本発明の化合物として、好ましくは、下記式(V)又は式(VI)で表される化合物である。
[上記式中、R、R、R、R、R、及びR11は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、C1〜6アルキル基、又はC1〜6アルケニル基を表し、
は、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
は、置換されていても良いC1〜6アルキル基、置換されていても良いC1〜6アルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
nは0〜4の自然数を表し、
及びR12は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
10は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、かつ、
Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
13は水素原子又は水酸基を表し、
14及びR15は水素原子、水酸基又は酸素原子を表し、
実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表し、
ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、置換されていても良いC1〜6アルキル基であり、置換されていても良いC1〜6アルキル基の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、ハロゲン原子、カルボン酸、カルボン酸の塩、スルホン酸、又はスルホン酸の塩である]。
前記化合物においてRとして好ましくは、水素原子又はハロゲン原子である。
として好ましくは、酸素原子である。
として好ましくは、水素原子又はハロゲン原子である。
として好ましくは、水酸基であるか、又はC1〜6アルキル基で置換されていても良い窒素原子であり、より好ましくは、水酸基であるか、又はC1〜4アルキル基で置換されていても良い窒素原子であり、更に好ましくは、水酸基であるか、又はメチル基で置換されていても良い窒素原子である。
として好ましくは、水素原子又はハロゲン原子である。
として好ましくは、水酸基又は置換されていても良い窒素原子である。
として好ましくは、水酸基又は置換されていても良い窒素原子である。
Xとして好ましくは、酸素原子であるか、又は1〜2個のC1〜6アルキル基で置換されていても良い珪素原子であり、より好ましくは、酸素原子であるか、又は2個のC1〜4アルキル基で置換された珪素原子であり、更に好ましくは、酸素原子であるか、又は2個のメチル基で置換された珪素原子である。
として好ましくは、水素原子である。
10として好ましくは、水酸基、ジ(C1〜6アルキル)アミノ基(好ましくは、ジメチルアミノ基、又はジエチルアミノ基)である。
11として好ましくは、水素原子である。
13として好ましくは、水素原子又は水酸基である。
14及びR15として好ましくは、水素原子、水酸基又は酸素原子であり、実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表す。
よって、一例において、本発明の化合物は、式(V)で表される化合物であって、
が、水素原子又はハロゲン原子を表し、
が、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
が、水素原子又はハロゲン原子を表し、
が、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
が、水素原子又はハロゲン原子を表し、
が、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
が、メチル基又はメトキシ基を表し、かつ、
Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、それぞれ同一又は異なって、C1〜6アルキル基である、。
13が、水素原子又は水酸基を表し、
14及びR15が、水素原子、水酸基又は酸素原子を表し、
実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表す化合物である。
別の態様において、本発明は以下の式(VII)〜(IX)で表される中間体化合物である。これらの化合物は、式(I)で表される本発明の化合物を合成するための中間体として使用することができる。
[式中、X、R〜R、R〜R11、及びR13〜R15、並びに、実線と点線で表される線の定義は、上述と同様である。]
本明細書における式(I)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、及び(IX)で表される化合物においてLで表される基は、リンカーを示す。リンカーは、コール酸等又はそれらの誘導体と、式(I)においてFで表される蛍光色素化合物とを結合する基である。リンカーは、本発明の化合物が、Aで表されるトランスポーター基質の高い輸送能を維持することができ、かつ、Fで表される蛍光物質の蛍光強度を維持できる基であればいかなる基であっても良い。好ましくは、リンカー部分は、その両末端において、それぞれA及びFと、エステル結合、アミド結合、又はスルホン酸アミド結合により結合することができる基である。例えば、Lは、置換されていても良い、直鎖又は分岐状のC2〜14のアルキレン鎖を有する。Lのアルキレン鎖が置換されている場合の置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、オキソ基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルコキシカルボニル基、C1〜4アルコキシカルボニルオキシ基、C1〜4アルキルアミノカルボキシ基、カルボン酸基、又は−CONH−(CH−SOH基を挙げることができる。Lのアルキレン鎖が置換されている場合の置換基の数は、1〜4個、1〜3個、1〜2個、又は1個であってもよい。好ましくはLは、−NH−(CH−(CHR21−(CH−NHCO−(CO基はR又はR12に由来する基)、又は−NH−(CH−(CHR21−(CH−NHSO−(SO基はR又はR12に由来する基)で表される基である
[式中、p及びrは、それぞれ、同一又は異なって、2〜10の自然数であり、
qは0又は1であり、かつ、
21は、カルボン酸基、又は−CONH−(CH−SOH基である]。
本明細書において、「C1〜6アルキル基」とは、炭素数が1〜6個の直鎖又は分岐状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2,3−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、及びシクロヘキシル基などが挙げられ、好ましくは、C1〜4アルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、及びイソブチル基である。更に好ましくは、C1〜3アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びi−プロピル基、であり、最も好ましくは、メチル基又はエチル基である。
本明細書において、「C1〜6アルコキシ基」とは、前記C1〜6アルキル基と酸素原子を介して結合する基((C1〜6アルキル基)−O−基)のことであり、該アルキル基部分は直鎖状であっても分岐状であってもよい。C1〜6アルコキシ基とは、該アルキル基部分の炭素原子数が1〜6個であることを意味する。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、2−メチル−1−プロピルオキシ基、2−メチル−2−プロピルオキシ基、2,2−ジメチル−1−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、2−メチル−1−ブチルオキシ基、3−メチル−1−ブチルオキシ基、2−メチル−2−ブチルオキシ基、3−メチル−2−ブチルオキシ基、1−ペンチルオキシ基、2−ペンチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、2−メチル−1−ペンチルオキシ基、3−メチル−1−ペンチルオキシ基、2−メチル−2−ペンチルオキシ基、3−メチル−2−ペンチルオキシ基、1−ヘキシルオキシ基、2−ヘキシルオキシ基、3−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。C1〜6アルコキシ基として、好ましくはC1〜4アルコキシ基であり、より好ましくは、C1〜3アルコキシ基であり、より更に好ましくは、メトキシ基又はエトキシ基である。
本明細書において、「C1〜6アルコキシカルボニル基」とは、前記C1〜6アルコキシ基とオキソ基(>C=O)を介して結合する基((C1〜6アルキル基)−C(=O)−基)のことであり、該アルキル基部分は直鎖状であっても分岐状であってもよい。C1〜6アルコキシカルボニル基とは、該アルキル基部分の炭素原子数が1〜6個であることを意味する。アルコキシ基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、1−プロピルオキシカルボニル基、2−プロピルオキシカルボニル基、2−メチル−1−プロピルオキシカルボニル基、2−メチル−2−プロピルオキシカルボニル基、2,2−ジメチル−1−プロピルオキシカルボニル基、1−ブチルオキシカルボニル基、2−ブチルオキシカルボニル基、2−メチル−1−ブチルオキシカルボニル基、3−メチル−1−ブチルオキシカルボニル基、2−メチル−2−ブチルオキシカルボニル基、3−メチル−2−ブチルオキシカルボニル基、1−ペンチルオキシカルボニル基、2−ペンチルオキシカルボニル基、3−ペンチルオキシカルボニル基、2−メチル−1−ペンチルオキシカルボニル基、3−メチル−1−ペンチルオキシカルボニル基、2−メチル−2−ペンチルオキシカルボニル基、3−メチル−2−ペンチルオキシカルボニル基、1−ヘキシルオキシカルボニル基、2−ヘキシルオキシカルボニル基、3−ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。C1〜6アルコキシカルボニル基として、好ましくはC1〜4アルコキシカルボニル基であり、より好ましくは、C1〜3アルコキシカルボニル基であり、より更に好ましくは、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である。
「C2〜6アルケニル基」とは、1以上の炭素−炭素間の二重結合を有する直鎖又は分岐状の不飽和炭化水素の任意の炭素原子から一個の水素原子を除去してなる炭素原子数が2〜6個の一価の基を意味する。C2〜6アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチリデン−1−プロパン基、1−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−メチリデンブチル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、2−メチリデンブチル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1−エチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−プロペニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−1−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、1−メチル−3−ペンテニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1−メチリデンペンチル基、2−メチル−1−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−3−ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、2−メチリデンペンチル基、3−メチル−1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、3−メチリデンペンチル基、4−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1−エチル−1−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−ブテニル基、2−エチル−1−ブテニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル基、1−(1−メチルエチル)−1−プロペニル基、1−(1−メチルエチル)−2−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル基、又は、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基を挙げることができる。好ましくは、C2〜4アルケニル基であり、より好ましくは、ビニル基である。
「C2〜6アルキニル基」とは、1以上の炭素−炭素間の三重重結合を有する直鎖又は分岐状の不飽和炭化水素の任意の炭素原子から一個の水素原子を除去してなる炭素原子数が2〜6個の一価の基を意味する。C2〜6アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、フェニルエチニル基等を挙げることができる。好ましくは、C2〜4アルキニル基であり、より好ましくは、エチニル基である。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を意味し、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子であり、より好ましくは、フッ素原子、又は塩素原子である。
本明細書において、スルホン酸基の塩及びカルボキシ基の塩における「塩」とは、本発明の化合物が、スルホン酸基又はカルボキシ基において無機又は有機の塩基と結合して形成した塩を意味する。塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩;アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、L−グルカミン等のアミンの塩;又はリジン、δ−ヒドロキシリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩を形成することができる。
別の態様において、本発明は、前記化合物を含むトランスポーター機能測定用キットに関する。トランスポーターとしては、OATP1B1及び/又はOATP1B3が含まれる。本発明のキットは、前記化合物の他、化合物を収納するための容器、取扱い説明書、及びキ紙箱又はプラスチックケース等のキットの構成物を格納するパッケージからなっていてもよい。
本発明の蛍光基質は、高いトランスポーター輸送能を維持しながらも、消光しにくく蛍光強度が強いことから、実用化可能なトランスポーターの蛍光基質を提供することが可能である。
OATP1B1及びOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、及びCDCA−Lys−EtACの取り込みの時間依存性を表すグラフである。各蛍光基質濃度をCDCA−Lys−TG 0.025μM(A)、CDCA−Lys−HC 0.1μM(B)、CDCA−Lys−DCTM 0.01μM(C)、CDCA−Lys−EtAC 0.1μM(D)に設定した。データは、平均±標準誤差(n=3)を表す。各グラフの縦軸は、タンパク質1mg当りの取り込み量(uptake)(pmol/mg protein)を表し、横軸は経過時間(分)を表す。白丸はエンプティベクターが導入された細胞(コントロール)を表し、黒三角はOATP1B1が導入された細胞を表し、黒四角はOATP1B3が導入された細胞を表す。 OATP1B1発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−TGの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。データは、平均±標準誤差(n=3)を示し、縦軸はタンパク質1mg当りの30秒後の取り込み量(pmol/mg protein/30sec)を表し、横軸は蛍光基質の濃度(μM)を表す(図2B〜D及び図3A〜Dにおいて同じ)。小さいグラフの縦軸は、タンパク質1mg当りの30秒後の取り込み量(pmol/mg protein/30sec)を表し、横軸はタンパク質1mg当りの30秒後の取り込み量を、蛍光基質の濃度で割った値(ml/mg protein/30sec)を表す(図2B〜D及び図3A〜Dにおいて同じ)。 OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−HCの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。 OATP1B1発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−DCTMの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。 OATP1B1発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−EtACの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。 OATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−TGの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。 OATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−HCの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。 OATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−DCTMの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。 OATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−EtACの取り込みの濃度依存性を表すグラフである。 OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞のCDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、CDCA−Lys−EtAC取り込みに対するcyclosporine A、rifampicin、T、T、pravastatin、BSP、ES、PAH(コントロール)、及びCDCAによる阻害効果を表すグラフである。データは平均±標準誤差(n=3〜6)で示す。縦軸は、各蛍光基質の取り込み割合(% of control)を表し、横軸は蛍光基質の種類を表す。黒いバーはOATP1B1発現HEK293細胞を表し、白いバーはOATP1B3発現HEK293細胞を表す。 OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−TM,CDCA−Lys−DFTG,及びCDCA−Lys−SiR取り込みの時間依存性試験の結果を表すグラフである。各グラフの縦軸は、タンパク質1mg当りの取り込み量(uptake)(pmol/mg protein)を表し、横軸は経過時間(分)を表し、白丸はエンプティベクターが導入された細胞(コントロール)を表し、黒三角はOATP1B1が導入された細胞を表し、黒四角はOATP1B3が導入された細胞を表す(図5B及びC、及び図6についても同様)。 OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−C2−DCTM,CDCA−C5−DCTM,及びCA−Lys−DCTM取り込みの時間依存性試験の結果を表すグラフである。 OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Tauro−nor−HC,及びCA−Tauro−nor−TG取り込みの時間依存性試験の結果を表すグラフである。 OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCA−Lys−DCTM、CDCA−Lys−TM,及びCDCA−Lys−DFTG取り込みの時間依存性試験の結果を表すグラフである。
1.製造方法
本発明の化合物は、本願実施例を参照しながら、コール酸等又はそれらの誘導体と、蛍光色素Fをリンカーを介して結合させることにより得ることができる。例えば、コール酸等又はそれらの誘導体にリンカーを結合させ、その後、リンカーの残りの末端に蛍光色素を結合させることにより得ることができる。あるいは、蛍光色素にリンカーを結合させた後、、リンカーの残りの末端にコール酸等又はそれらの誘導体を結合させることにより得ることができる。
コール酸等又はそれらの誘導体は、文献記載の方法により合成することができ、又は市販の試薬として入手することができる。また、コール酸等又はそれらの誘導体とリンカーとの結合は、コール酸のカルボキシ基にリンカーをアミド結合させる等して、文献記載の方法に準じて行うことができる。
蛍光色素Fは、WO2012/099218及びYasuteru Uranoら、J.am.Chem.soc(2005)127:4888ー4894等を参照して合成することができる。蛍光色素とリンカーとの結合は、例えば、蛍光色素のカルボキシ基をN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いてN−スクシンイミド基を導入し、次いで、このN−スクシンイミド蛍光色素とコール酸等又はそれらの誘導体が結合したリンカーとを結合させることにより得ることができる。
2.スクリーニング方法
本発明の蛍光基質はOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されることから、OATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送される物質のスクリーニングに用いることができる。よって、一態様において本発明は、被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されるか否かを決定する方法であって、以下のステップを備える方法:
該被検物質及び本発明の化合物をOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞培養物に接触させるステップ、
前記細胞内に取り込まれなかった、該被検物質及び本発明の化合物を除去するステップ、
細胞内に取り込まれた本発明の化合物の蛍光強度を測定するステップ、及び
得られた蛍光強度が該被検物質の非存在下で同様にしてOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞に接触させることにより細胞内に取り込まれた本発明の化合物の蛍光強度と比較して、小さい場合には該被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されると決定するステップ、に関する。
該被検物質及び本発明の化合物をOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞培養物に接触させるステップは、ディッシュ上でOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞を培養した後、培地を該被検物質及び本発明の化合物を含有する緩衝液と置換することにより行うことができる。前記細胞内に取り込まれなかった、該被検物質及び本発明の化合物の除去は、例えば、前記緩衝液を除去した後、BSAを含む緩衝液を添加することにより行うことができる。細胞内に取り込まれた本発明の化合物の蛍光強度の測定は、細胞を乾燥させた後、細胞溶解緩衝液を加えて細胞を溶解させて得られた細胞溶解液の蛍光を測定することにより行うことができる。蛍光の測定は、使用した本発明の化合物に結合する蛍光物質に適した励起波長と蛍光波長を選択して市販の測定機器により行うことができる(表1参照)。
被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されるか否かの決定は、該被検物質を接触させずに本発明の化合物のみをOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞培養物に接触させたコントロールについて得られた蛍光強度と比較することにより行う。蛍光強度がコントロールと同程度であれば、OATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されないと決定され、蛍光強度がコントロールよりも小さければ、OATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されると決定することができる。コントロールの蛍光強度は、本発明の化合物のみをOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞培養物に接触させ、前記細胞内に取り込まれなかった本発明の化合物を除去し、細胞内に取り込まれた本発明の化合物の蛍光強度を測定することにより得られる。
あるいは、本発明のスクリーニング方法は、該被検物質及び本発明の化合物を除去することなく、クエンチャーを用いて消光することにより行うこともできる。すなわち、一態様において、本発明は、被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されるか否かを決定する方法であって、以下のステップを備える方法:
該被検物質及び本発明の化合物をOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞培養物に接触させるステップ、
前記細胞培養物にクエンチャーを添加して、細胞内に取り込まれなかった本発明の化合物を消光させるステップ、
細胞内に取り込まれた本発明の化合物の蛍光強度を測定するステップ、及び
得られた蛍光強度が該被検物質の非存在下で同様にしてOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞に接触させることにより細胞内に取り込まれた本発明の化合物の蛍光強度と比較して、小さい場合には該被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されると決定するステップ、に関する。
クエンチャーとして用いられる化合物は、本発明の化合物を消光することができ、かつ、細胞に取り込まれない化合物であれば特に制限されるものではなく、用いる蛍光色素に応じて選択することができる。例えば、クエンチャーとして、ブリリアントブラック(4−アセチルアミノ−5−ヒドロキシ−6−[7−ソジオスルホ−4−[4−(ソジオスルホ)フェニルアゾ]−1−ナフチルアゾ]ナフタレン−1,7−ジスルホン酸二ナトリウム;CAS番号2519−30−4)を用いることができる。
本発明のスクリーニング方法において、タンパク質の単位重量当りの蛍光強度を前記蛍光強度として使用することもできる。よって、本発明は、被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されるか否かを決定する方法であって、以下のステップを備える方法:
該被検物質及び本発明の化合物をOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞培養物に接触させるステップ、
前記細胞内に取り込まれなかった、該被検物質及び本発明の化合物を除去するステップ、若しくは、前記細胞培養物にクエンチャーを添加して、細胞内に取り込まれなかった本発明の化合物を消光させるステップ、
細胞内に取り込まれた本発明の化合物の蛍光強度を測定するステップ、
細胞溶解物中のタンパク質濃度を測定するステップ、及び
得られた(蛍光強度/タンパク質濃度)が、該被検物質の非存在下で同様にしてOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞に接触させることにより細胞内に取り込まれた本発明の化合物の(蛍光強度/タンパク質濃度)と比較して、小さい場合には該被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されると決定するステップ、に関する。
タンパク質濃度は、Bradfoldなどにより測定することができる。例えば、蛍光基質を取り込ませた細胞を乾燥させた後、NaOH等を加えて細胞を溶解させて得られた細胞溶解液の蛍光を測定することにより行うことができる。タンパク質濃度の決定は、BSAを標準物質として検量線を作成し、サンプルにおいて得られた吸光度が該当する検量線上の濃度として決定することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本願全体を通して引用される全文献は参照によりそのまま本願に組み込まれる。
(実施例1)化合物1〜10の合成
トランスポーター輸送能を評価するため、以下に示す化合物1−10を合成した。
(1)蛍光基質の合成
最初に、下記の化合物11−17を合成した。化合物11−14、及び17に関しては文献を参考に合成した。
化合物15及び16は、以下の方法で合成した。
(a)化合物15の合成
50mLナスフラスコ中のTM−COOH(43.0mg,0.111mmol)及びNHS(25.5mg,0.222mmol)を塩化メチレン(3.00mL)で溶解させた。そこにDIC(43.0μL,0.278mmol)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて粗精製した。得られた化合物15の粗精製物はそのまま次の反応に用いた。
(b)化合物16の合成
30mLナスフラスコ中のDCTM−COOH(30.9mg,0.0676mmol)及びNHS(9.33mg,0.0811mmol)を塩化メチレン(1.50mL)で溶解させた。そこにDIC(12.5μL,0.0811mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物16を18.4mg(0.0332mmol)、収率49%で得た。
1H NMR (Acetone−d6,400MHz)
δ 8.14(s,1H),8.11(d,J=7.7Hz,1H),7.45(d,J=7.7Hz,1H),6.85(d,J=9.3Hz,2H),6.72−6.63(m,2H),3.00(s,4H),2.20(s,3H),0.88(s,6H)
MS(ESI)
calcd. for [M−H] 552.04,found 552.03
(2)ケノデオキシコール酸誘導体の合成
次に、化合物11−17とのカップリングに必要なケノデオキシコール酸誘導体18、20、及び21とコール酸誘導体19を文献を参考に合成した。
(3)化合物1〜10の合成
以下記載のルートに従い、化合物1−10を合成した。
c)−1.化合物1の合成
20mLナスフラスコ中の化合物11(19.9mg,0.0657mmol)及び化合物18(46.9mg,0.0739mmol)をDMF(1.00mL)で溶解させた。そこにEtN(31.0μL,0.224mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液に0.1N HClを加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物1を14.4mg(0.0203mmol)、収率31%で得た。
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 8.63(s,1H),7.49(d,J=8.8Hz,1H),6.70(dd,J=2.2,8.8Hz,1H),6.52(d,J=2.2Hz1H),4.28(m,1H),3.75(s,1H),3.45−3.33(m,3H),2.38−2.05(m,3H),1.98−0.85(m,35H),0.63(s,3H)
MS(ESI)
calcd. for [M−2H]2− 353.19, found 353.17
c)−2.化合物2の合成
び化合物18(41.9mg,0.0660mmol)をDMF(1.30mL)で溶解させた。そこにEtN(28.0μL,0.202mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に0.1N HClを加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物2を27.5mg(0.0360mmol)、収率55%で得た。
1H NMR (CDOD, 400 MHz)
δ 9.05(m,1H),8.61(s,1H),7.55(d,J=8.9Hz,1H),6.82(d,J=8.9Hz,1H),6.55(s,1H),4.37(m,1H),3.74(s,1H),3.53(q,J=7.1Hz,4H),3.45−3.33(m,3H),2.35−2.07(m,3H),2.02−0.80(m,41H),0.61(s,3H)
MS(ESI)
calcd. for [M−H] 762.47, found 762.43
c)−3.化合物3の合成
20mLナスフラスコ中の化合物13(10.0mg,0.0226mmol)及び化合物18(12.7mg,0.0200mmol)をDMF(0.600mL)で溶解させた。そこにEtN(9.00μL,0.0650mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に0.1N HClを加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物3を7.10mg(0.00836mmol)、収率42%で得た。
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 7.93(s,1H),7.87(d,J=7.9Hz,1H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.04(d,J=9.2Hz,2H),6.81−6.68(m,4H),4.37(m,1H),3.77(s,1H),3.45(m,1H),3.21(m,2H),2.35−2.10(m,6H),2.00−0.85(m,35H),0.67(s,3H)
MS(ESI)
calcd. for [M−2H]2− 423.22, found 423.20
c)−4.化合物4の合成
30mLナスフラスコ中の化合物14(5.00mg,0.0104mmol)及び化合物18(7.03mg,0.0135mmol)を塩化メチレン(4.50mL)及びDMF(1.00mL)で溶解させた。そこにiPrNEt(10.0μL,0.0575mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物4を4.50mg(0.00508mmol)、収率49%で得た。
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 7.94(s,1H),7.88(d,J=7.8Hz,1H),7.35(d,J=7.8Hz,1H),6.68(d,J=7.4Hz,2H),6.58(dd,J=1.3,11.4Hz,2H),4.31(m,1H),3.76(s,1H),3.44(m,2H),3.38−3.31(m,1H),2.37−2.10(m,6H),1.99−0.85(m,35H),0.66(s,3H)
c)−5.化合物5の合成
30mLナスフラスコ中の粗精製した化合物15(14.5mg)及び化合物18(7.71mg,0.0148mmol)を塩化メチレン(3.00mL)で溶解させた。そこにiPrNEt(7.72μL,0.0444mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物5を4.30mg(0.00483mmol)、収率33%で得た。
1H NMR (CDOD,400MHz)
δ 7.85(s,1H),7.82(d,J=7.9Hz,1H),7.22(d,J=7.9Hz,1H),7.04(d,J=2.2Hz,2H),6.88(d,J=9.5Hz,2H),6.44(m,2H),4.31(m,1H),3.76(s,1H),3.43(m,2H),3.37−3.32(m,1H),2.37−2.10(m,6H),2.00−0.85(m,35H),0.66(s,3H),0.51(d,J=5.6Hz,6H)
c)−6.化合物6の合成
20mLナスフラスコ中の化合物16(4.00mg,0.00722mmol)及び化合物18(20.8mg,0.0327mmol)をDMF(1.00mL)で溶解させた。そこにEtN(14.0μL,0.101mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液に0.1N HClを加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し化合物6を3.20mg(0.00333mmol)、収率46%で得た。
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 7.81(d,J=6.8Hz,1H),7.75(s,1H),7.70(d,J=6.8Hz,1H),6.73(d,J=9.6Hz,2H),
6.42(d,J=9.6Hz,2H),4.19(m,1H),3.68(s,1H),3.43−3.25(m,3H),2.25−0.65(m,50H)
MS(ESI)
calcd. for [M−2H]2− 478.20, found 478.20
e)化合物7の合成
50mLナスフラスコ中の化合物16(5.00mg,0.00903mmol)及び化合物20(9.22mg,0.0212mmol)を塩化メチレン(3.00mL)で溶解させた。そこにiPrNEt(20.0μL,0.115mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物7を4.50mg(0.00515mmol)、収率57%で得た。
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 8.13(m,1H),7.85(s,1H),7.81(d,J=7.9Hz,1H),7.23(d,J=7.9Hz,1H),6.84(dd,J=1.7,9.3Hz,2H),6.55(d,J=9.3Hz,2H),3.77−3.69(m,2H),3.55(m,2H),3.49−3.42(m,2H),3.26−3.20(m,1H),2.32−2.09(m,6H),2.01−0.85(m,35H),0.65(s,3H)
f)化合物8の合成
50mLナスフラスコ中の化合物16(8.92mg,0.0161mmol)及び化合物21(9.30mg,0.0195mmol)を塩化メチレン(3.00mL)で溶解させた。そこにiPrNEt(17.0μL,0.0975mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物8を10.0mg(0.0109mmol)、収率68%で得た。
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 8.58(m,1H),7.98(m,1H),7.85(s,1H),7.81(d,J=8.0Hz,1H),7.23(d,J=8.0Hz,1H),6.86(d,J=9.5Hz,2H),6.57(d,J=9.5Hz,2H),3.78(s,1H),3.48−3.33(m,3H),3.26−3.12(m,2H),2.32−2.18(m,2H),2.14−2.04(m,4H),2.00−0.86(m,41H),0.66(s,3H)
c)−9.化合物9の合成
30mLナスフラスコ中の化合物17(5.00mg,0.00765mmol)及び化合物18(6.98mg,0.0134mmol)を塩化メチレン(3.00mL)で溶解させた。そこにiPrNEt(6.99μL,0.0402mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物9を3.60mg(0.00340mmol)、収率44%で得た。
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 7.88(s,1H),7.84(d,J=7.9Hz,1H),7.38(d,J=2.8Hz,2H),7.24(d,J=7.9Hz,1H),7.04(d,J=9.6Hz,2H),6.78(dd,J=2.8,9.6Hz,2H),4.40(m,1H),3.76(s,1H),3.50−3.43(m,2H),3.39−3.30(m,13H),2.37−2.09(m,6H),2.05−0.89(m,35H),0.67(s,3H),0.61(d,J=5.9Hz,6H)
(d)化合物10の合成
50mLナスフラスコ中の化合物16(8.92mg,0.0161mmol)及び化合物19(9.40mg,0.0175mmol)を塩化メチレン(3.00mL)で溶解させた。そこにiPrNEt(17.4μL,0.100mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物10を4.3mg(0.00441mmol)、収率27%で得た
1H NMR(CDOD,400MHz)
δ 7.82(s,1H),7.78(d,J=7.9Hz,1H),7.20(d,J=7.9Hz,1H),6.77(dd,J=0.80,9.3Hz,2H),6.39(d,J=9.3Hz,2H),4.29(m,1H),3.93(s,1H),3.77(m,1H),3.45−3.33(m,3H),2.37−2.10(m,6H),2.03−0.83(m,39H),0.68(s,3H)
(実施例2)OATP1B1及びOATP1B3発現細胞による取り込み評価
(1)OATP1B1及びOATP1B3発現HEK293細胞の培養
OATP1B1及びOATP1B3安定発現HEK293細胞はすでに樹立されたもの(Yamaguchi et al. , Cancer. Lett. 2008;260;163−169;Yamaguchi et al. , Biol. Pharm.Bull. 2011;34;389−395)を用いた。コントロールとして、エンプティベクターを導入したHEK293細胞(mock細胞)を使用した。OATP1B1/HEK293、OATP1B3/HEK293細胞及びmock細胞は、Dulbecco’s modified Eagle’s mediumに10%FBS及びG−418(0.5mg/mL)を添加した培地を用いて、5%CO環境下37℃で培養した。これらの細胞はplastic dishを用いて、3、4日ごとに継代培養を行い維持した。
(2)蛍光基質
蛍光基質として、CDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、CDCA−Lys−EtAC、CDCA−Lys−TM、CDCA−Lys−DFTG、CDCA−Lys−SiR、CDCA−C2−DCTM、CDCA−C5−DCTM、CDCA−Lys−DCTM、CA−Tauro−nor−HC、及びCA−Tauro−nor−TGを用いた。各蛍光基質の測定励起波長と(Excitation wavelength)(nm)と、蛍光波長(Fluorescence wavelength)(nm)を表1に示す。
(3)取り込み試験方法
Poly−L−lysine coatingした24−well platesにOATP1B1/HEK293、OATP1B3/HEK293細胞及びmock細胞(Vec/HEK293)を約20万cells/wellで播種し、72時間生育させた。また、取り込み実験24時間前には培地交換を行った。細胞をKrebs−Henseleit(KH)buffer(118mM NaCl、23.8mM NaHCO、4.83mM KCl、0.96mM KHPO、1.20mM MgSO、12.5mM N−(2−hydroxyethyl)piperazine−N’−2−ethanesulfonic acid(HEPES)、5.0mM D−glucose、及び1.53mM CaCl、pH7.4)で1回洗浄した後、KH bufferを細胞に加え、10分間preincubationを行った。
取り込みは各蛍光標識化合物(または各蛍光標識化合物と阻害剤)を含むKH bufferと置換することにより開始した。取り込み反応は、規定時間のincubation後、incubation bufferを取り除き、bovine serum albumin(BSA)1%を含む氷冷したKH bufferを加えることにより停止した。細胞をさらに氷冷したKH bufferで2回洗浄し、乾燥後、Lysis Bufferを加えて溶解させたものを蛍光測定サンプルとした。蛍光測定にはマイクロプレートリーダーInfinite 200 PRO(Tecan Japan,神奈川,日本)を用いた。氷冷したKH bufferで2回洗浄し、乾燥後、0.5規定のNaOHを加え溶解させたものをタンパク定量用サンプルとし、bovine serum albumin(BSA)をスタンダードとしたBradford法によりタンパク質濃度を決定した。
(4)タンパク質定量方法
タンパク定量用サンプルはBradford法によりタンパク定量を行った。96well plateの各ウェルにタンパク定量用サンプル5μL及び5倍希釈したBio−Rad Protein Assay Dye Reagent Concentrate(Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA,米国)200μLを加え、5分後に、吸収波長595nmにおける吸光度を測定した。標準タンパクとしてBSAを用い検量線を作製した。
(5)統計解析
実験結果は、平均±標準誤差(mean±SE)で示した。トランスポーター特異的な取り込み量はOATP1B1/HEK細胞及びOATP1B3/HEK細胞の取り込み量からmock細胞(Vec/HEK細胞)によるトランスポーター非特異的取り込み量を差し引くことで算出した。Michaelis−Menten wave、Eadie Hofstee Plotは、データ解析ソフトKaleida Graph(HuLinks Inc,東京,日本)を用いて作成した。阻害試験では、阻害剤非存在下のトランスポーター特異的な取り込み量を100%とし、Uptake % of Controlを算出した。Control群と阻害剤(またはPAH)群間における有意差の検定は、統計解析ソフトJMP Pro 12(SAS Institudte Inc.,North Carolina,米国)を用いてDannett testにより行った(*p<0.05)。
(6)時間依存性試験
CDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、及びCDCA−Lys−EtACのOATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞への取り込みの時間依存性を試験した(n=3)。結果を図1に示す。各蛍光基質濃度をCDCA−Lys−TG 0.025μM(A)、CDCA−Lys−HC 0.1μM(B)、CDCA−Lys−DCTM 0.01μM (C)、CDCA−Lys−EtAC 0.1μM(D)に設定した。4つの蛍光基質全てについて、mock細胞に比べてOATP1B1及びOATP1B3発現細胞における取り込み量の有意な上昇が認められた。データは、平均±標準誤差を表す。
(7)濃度依存性試験
OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、CDCA−Lys−EtACの取り込みの濃度依存性を2回試験した(n=3)。それぞれの結果を図2A〜D及び図3A〜Dに示す。4つの蛍光基質の取り込みは濃度依存的に増加し、高濃度域で飽和が認められた。上述の時間依存性試験の結果より、4つの蛍光基質すべての取り込み時間を、OATP1B1およびOATP1B3を介する取り込みの初速度が評価可能である30秒とした。データは、平均±標準誤差で示した。また、みかけのミカエリス定数(Km値)はEadie Hofstee Plotより算出して動態パラメーターを算出した。結果を以下の表2に示す。
(7)OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞のCDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、CDCA−Lys−EtAC取り込みに対する典型基質・典型阻害剤による阻害効果
各蛍光基質濃度をCDCA−Lys−TG 0.02μM(A)、CDCA−Lys−HC 0.1μM(B)、CDCA−Lys−DCTM 0.01μM(C)、CDCA−Lys−EtAC 0.1μM(D)に設定し、OATP1B1およびOATP1B3の典型的な基質および阻害剤としてcyclosporine A、rifampicin、T、T、pravastatin、BSP、及びESを、競合物質として非標識胆汁酸であるCDCAを、ネガティブコントロールとしてPAHを用いて、OATP1B1およびOATP1B3を介した取り込みに対する阻害効果を評価した。結果を図4に示す。データは、平均±標準誤差(n=3〜6)で示した。4つ全ての蛍光基質についてOATP1B1およびOATP1B3の典型的な基質および阻害剤による取り込み量の減少が認められた。これらの阻害感受性は、既知の輸送基質と同様の傾向を示すことが明らかとなった。一方、PAH添加時には取り込み量がコントロールとほぼ変わらない値を示した。
(7)CDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、CDCA−Lys−EtACを用いたOATP1B1およびOATP1B3典型基質・典型阻害剤の阻害定数(K値)の算出
各蛍光基質濃度をCDCA−Lys−TG 0.025μM、CDCA−Lys−HC 0.1μM、CDCA−Lys−DCTM 0.01μM、CDCA−Lys−EtAC 0.1μMに設定し、OATP1B1およびOATP1B3典型阻害剤であるCyclosporine A、Rifampicin、Ritonavir、Erythromycin、Verapamil、Probenecidの阻害定数を算出した。OATP1B1を介した輸送における各阻害剤の阻害定数を表3に、OATP1B3を介した輸送における各阻害剤の阻害定数を表4に示す(表中、[1]Izumi et al.,Drug Metab Dispos. 2013 Oct;41(10):1859−66;[2] Matsushima et al., Drug Metab Dispos. 2008 Apr;36(4):663−9;[3] Tahara et al., Drug Metab Dispos 34:743−747, 2006)。OATP1B1およびOATP1B3を介した輸送における阻害定数は、蛍光基質を用いた場合と、既知基質であるEstradiol−17β―glucuronideやFexofenadineを用いた場合と比較したところ、ほとんどの阻害剤の値が0.1−10倍以内の相関を示した。このことから、CDCA−Lys−TG、CDCA−Lys−HC、CDCA−Lys−DCTM、CDCA−Lys−EtACは、OATP1B1およびOATP1B3の既知基質と同等の阻害感受性を示すことが示唆された。
(8)OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−TM,CDCA−Lys−DFTG,CDCA−Lys−SiR,CDCA−C2−DCTM,CDCA−C5−DCTM,CA−Lys−DCTM,CA−Tauro−nor−HC,及びCA−Tauro−nor−TGの取り込みの時間依存性試験
各蛍光基質濃度を0.1μMに設定し、取り込み実験を行った。結果を図5A〜Cに示す。全ての蛍光基質がmock細胞に比べてOATP1B1およびOATP1B3発現細胞において有意な取り込み量の上昇が認められた。データは、平均±標準誤差(n=3)で示した。
(9)OATP1B1およびOATP1B3発現HEK293細胞におけるCDCA−Lys−TM,CDCA−Lys−DFTG,及びCA−Lys−DCTM取り込みの時間依存性試験
各蛍光基質濃度を0.005μMに設定し取り込み実験を行った。結果を図6に示す。全ての蛍光基質がmock細胞に比べてOATP1B1およびOATP1B3発現細胞において有意な取り込み量の上昇が認められた。データは、平均±標準誤差(n=3)で示した。

Claims (10)

  1. 下記式(I)で表される化合物:
    A−L−F (I)
    [式中、Aは、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、αミュリコール酸、βミュリコール酸、ωミュリコール酸、ヒオコール酸、ヒオデオキシコール酸、7−オキソ−デオキシコール酸、7−オキソ−リトコール酸、1−オキソ−リトコール酸、若しくは2−オキソ−リトコール酸、又はそれらの誘導体を表し、
    Lは、リンカーを示し、かつ、
    Fは、下記式で表される化合物の1価の基を示す、
    [上記式中、R、R、R、R、R、及びR11は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、C1〜6アルキル基、又はC1〜6アルケニル基を表し、
    は、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    は、置換されていても良いC1〜6アルキル基、置換されていても良いC1〜6アルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
    nは0〜4の自然数を表し、
    及びR12は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
    10は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、かつ、
    Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
    ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、置換されていても良いC1〜6アルキル基であり、置換されていても良いC1〜6アルキル基の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、ハロゲン原子、カルボン酸、カルボン酸の塩、スルホン酸、又はスルホン酸の塩である]。
  2. Aが下記式(IV)で表される、請求項1に記載の化合物:
    [上記式中、R13は水素原子又は水酸基を表し、
    14及びR15は水素原子、水酸基又は酸素原子を表し、
    実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表す]。
  3. 下記式(V)又は式(VI)で表される、請求項1に記載の化合物:
    [上記式中、R、R、R、R、R、及びR11は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、C1〜6アルキル基、又はC1〜6アルケニル基を表し、
    は、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    は、置換されていても良いC1〜6アルキル基、置換されていても良いC1〜6アルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
    nは0〜4の自然数を表し、
    及びR12は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
    10は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、かつ、
    Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
    13は水素原子又は水酸基を表し、
    14及びR15は水素原子、水酸基又は酸素原子を表し、
    実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表し、
    ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、置換されていても良いC1〜6アルキル基であり、置換されていても良いC1〜6アルキル基の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、ハロゲン原子、カルボン酸、カルボン酸の塩、スルホン酸、又はスルホン酸の塩である]。
  4. 請求項3に記載の式(V)で表される化合物であって、
    が、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    が、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    が、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    が、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    が、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    が、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    R7が、メチル基又はメトキシ基を表し、かつ、
    Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
    ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、それぞれ同一又は異なって、C1〜6アルキル基である、。
    13が、水素原子又は水酸基を表し、
    14及びR15が、水素原子、水酸基又は酸素原子を表し、
    実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表す化合物。
  5. Lが、エステル結合、アミド結合、又はスルホンアミド結合により、A及びFと結合し、置換されていても良い、直鎖又は分岐状のC2〜14のアルキレン鎖を有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 請求項5に記載の化合物化合物であって、Lが、
    −NH−(CH−(CHR21−(CH−NHCO−、又は
    −NH−(CH−(CHR21−(CH−NHSO
    で表される基である化合物
    [式中、p及びrは、それぞれ、同一又は異なって、2〜10の自然数であり、
    qは0又は1であり、かつ、
    21は、カルボン酸基、又は−CONH−(CH−SOH基である]。
  7. 下記式(VII)〜(IX)のいずれか1つで表される化合物:
    [上記式中、R、R、R、R、R、及びR11は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、C1〜6アルキル基、又はC1〜6アルケニル基を表し、
    は、酸素原子又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、
    は、置換されていても良いC1〜6アルキル基、置換されていても良いC1〜6アルコキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
    nは0〜4の自然数を表し、
    及びR12は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルケニル基、C1〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホン酸基、又はスルホン酸基の塩を表し、
    10は、水酸基又は置換されていても良い窒素原子を表し、かつ、
    Xは、酸素原子であるか、又は置換されていても良い珪素原子を表し、
    13は水素原子又は水酸基を表し、
    14及びR15は水素原子、水酸基又は酸素原子を表し、
    実線と点線で示した線は、それぞれ、結合するR14又はR15が水素原子又は水酸基のときは単結合を表し、結合するR14又はR15が酸素原子のときは二重結合を表し、
    ここで、置換されていても良い窒素原子、及び置換されていても良い珪素原子の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、置換されていても良いC1〜6アルキル基であり、置換されていても良いC1〜6アルキル基の置換基は、同一又は異なって、それぞれ、ハロゲン原子、カルボン酸、カルボン酸の塩、スルホン酸、又はスルホン酸の塩である]。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物を含む、トランスポーター機能測定用キット。
  9. 被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されるか否かを決定する方法であって、以下のステップを備える方法:
    該被検物質及び請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物をOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞に接触させるステップ、
    前記細胞内に取り込まれなかった、該被検物質及び請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物を除去するステップ、若しくは、前記細胞培養物にクエンチャーを添加して、細胞内に取り込まれなかった請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物を消光させるステップ、
    細胞内に取り込まれた請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物の蛍光強度を測定するステップ、及び
    得られた蛍光強度が該被検物質の非存在下で請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物を同様にしてOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞に接触させた細胞内に取り込まれた請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物の蛍光強度と比較して、小さい場合には該被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されると決定するステップ。
  10. 被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されるか否かを決定する方法であって、以下のステップを備える方法:
    該被検物質及び請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物をOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞培養物に接触させるステップ、
    前記細胞内に取り込まれなかった、該被検物質及び請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物を除去するステップ、若しくは、前記細胞培養物にクエンチャーを添加して、細胞内に取り込まれなかった請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物を消光させるステップ、
    細胞内に取り込まれた請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物の蛍光強度を測定するステップ、及び
    得られた蛍光強度が該被検物質の非存在下で請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物を同様にしてOATP1B1及び/又はOATP1B3発現細胞に接触させた細胞内に取り込まれた請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物の蛍光強度と比較して、小さい場合には該被検物質がOATP1B1及び/又はOATP1B3により輸送されると決定するステップ。
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