JP2018198543A - 核酸増幅装置 - Google Patents

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章吾 澁谷
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成正 岩本
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徹 馬場
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Abstract

【課題】簡単にマイクロ流体チップを加熱部に密着して固定することができ、かつ、加熱部に対するマイクロ流体チップの位置合わせを簡単に行うことができる核酸増幅装置を提供する。【解決手段】核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100が挿入される挿入部12を備えた筐体10と、マイクロ流体チップ100を加熱する加熱部20と、加熱部20が配置され、マイクロ流体チップ100が筐体10に挿入される動きに連動して加熱部20を移動させて加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付ける移動部30と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、検体に含まれる核酸(デオキシリボ核酸、リボ核酸)を増幅させるための核酸増幅装置に関する。
飲料又は食品等に含まれる細菌等の微生物の検査においては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)を利用したPCR法が知られている。PCR法を利用した検査方法では、培養法と比べて大幅に検査工程を高速化及び簡略化することができる利点がある。
PCR法は、例えば核酸増幅デバイスを用いて行われる。この種の核酸増幅デバイスとして、マイクロ流路を有するマイクロ流体チップが知られている。マイクロ流体チップを用いてPCR法を行う場合、検査対象となる微生物を含む検体(検体原液)と反応試薬(PCR試薬等)とを含む反応溶液をマイクロ流体チップのマイクロ流路に流して、反応溶液に昇降温度サイクルを与える。これにより、検体に含まれる標的核酸を指数関数的に高速に増幅することができるので、迅速に検体の検査を行うことができる。
PCR法による検体の検査に用いられるマイクロ流体チップの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1には、異なる温度領域を形成する加熱部の上に配置されるマイクロ流体チップが開示されている。マイクロ流体チップは、加熱部の異なる温度領域を通過するように蛇行して形成されたマイクロ流路を有する。これにより、反応溶液をマイクロ流路に送液させるだけで、反応溶液に昇降温度サイクルを与えることができる。
国際公開第2015/019522号
マイクロ流体チップを加熱部で加熱して効率良くPCRを実施するためには、マイクロ流体チップのマイクロ流路に所望の温度領域を精度良く形成する必要がある。
特許文献1に開示された構成では、マイクロ流体チップを加熱部の上に載置することにより、マイクロ流路に所望の温度領域を形成し、核酸増幅を行っている。ここで、効率よく核酸増幅を行うために、マイクロ流体チップと加熱部とをより密着させることで、より高精度にマイクロ流路に所望の温度領域を形成することが要求されている。
また、手作業でマイクロ流体チップを加熱部の上に載置する方法では、マイクロ流路と加熱部との位置合わせを精度良く行うことが難しく、マイクロ流路と加熱部との位置を精度良く合わせるには熟練した操作が必要になる。
また、PCR法による検体の検査が終わったマイクロ流体チップは加熱部から取り外され、加熱部には次のマイクロ流体チップがセットされることになる。したがって、マイクロ流体チップは加熱部に対して簡単に設置できることが望ましい。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、簡単にマイクロ流体チップを加熱部に密着して固定することができ、かつ、加熱部に対するマイクロ流体チップの位置合わせを簡単に行うことができる核酸増幅装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る核酸増幅装置は、第1開口部と、第2開口部と、前記第1開口部から導入された反応溶液を前記第2開口部に向けて送液するためのマイクロ流路と、を有するマイクロ流体チップを加熱することで前記反応溶液に含まれる標的核酸を増幅させるための核酸増幅装置であって、前記マイクロ流体チップが挿入される挿入部を備えた筐体と、前記マイクロ流体チップを加熱する加熱部と、前記加熱部が配置され、前記マイクロ流体チップが前記筐体に挿入される動きに連動して、前記加熱部を移動させて前記加熱部を前記マイクロ流体チップに押し付ける移動部と、を備える。
本発明の核酸増幅装置によれば、簡単にマイクロ流体チップを加熱部に密着して固定することができ、かつ、加熱部に対するマイクロ流体チップの位置合わせを簡単に行うことができる。
図1は、実施の形態に係る核酸増幅装置を示す外観斜視図である。 図2は、図1の一点鎖線に囲まれた領域IIを示すマイクロ流体チップの部分拡大図である。 図3Aは、実施の形態に係る核酸増幅装置を示す上面図である。 図3Bは、マイクロ流体チップが配置された場合における実施の形態に係る核酸増幅装置を示す上面図である。 図4は、実施の形態に係る核酸増幅装置の内部構成を示す上面図である。 図5は、図3Aに示すV−V線における、実施の形態に係る核酸増幅装置にマイクロ流体チップが固定される手順を説明するための断面図である。 図6は、実施の形態に係る核酸増幅装置にマイクロ流体チップが固定される手順を説明するための、実施の形態に係る核酸増幅装置の内部構成を示す上面図である。 図7は、図3Aに示すV−V線における、実施の形態に係る核酸増幅装置に固定されているマイクロ流体チップを排出させる手順を説明するための断面図である。 図8は、実施の形態の変形例1に係る核酸増幅装置を示す断面図である。 図9は、実施の形態の変形例2に係る核酸増幅装置の内部構成を示す上面図である。
以下、実施の形態に係る核酸増幅装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していないし、各図の装置及び部品等は省略して図示されている場合がある。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。また、Z軸正方向側を、上側として記載する場合がある。
また、本明細書において、「略垂直方向」、「略水平方向」等の「略」を用いた表現で記載されている場合がある。例えば、略垂直方向は、完全に垂直であることを意味するだけでなく、実質的に垂直である。すなわち、例えば数%程度の差異を含むことを意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
(実施の形態)
[構造]
まず、図1〜図4を参照して、実施の形態に係る核酸増幅装置の構造について説明する。
図1は、実施の形態に係る核酸増幅装置を示す外観斜視図である。図2は、図1の一点鎖線に囲まれた領域IIを示すマイクロ流体チップ100の部分拡大図である。図3Aは、実施の形態に係る核酸増幅装置を示す上面図である。図3Bは、マイクロ流体チップが配置された場合における実施の形態に係る核酸増幅装置を示す上面図である。
図1に示すように、核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100を核酸増幅装置1の内部に挿入するための開口である挿入部12が形成された筐体10を備える。
筐体10は、マイクロ流体チップ100に温度サイクルを与えるための加熱部(図4参照)を覆う箱体である。筐体10の材料としては、樹脂、金属等が例示される。
マイクロ流体チップ100は、核酸増幅装置1の筐体10が備える挿入部12から挿入されて、筐体10の内部に配置される。その後、マイクロ流体チップ100は、検査対象となる微生物を含む検体(検体原液)と反応試薬(PCR試薬等)とを含む反応溶液をマイクロ流体チップ100のマイクロ流路130に流される。マイクロ流路130に流された反応溶液は、昇降温度サイクルを核酸増幅装置1が備える加熱部20に与えられる。
マイクロ流体チップ100は、マイクロ流体である反応溶液が流れるマイクロ流体チップであり、図2に示すように、第1開口部110と、第2開口部120と、マイクロ流路130とを有する。第1開口部110と第2開口部120とは、マイクロ流路130によって連結されている。
本実施の形態において、マイクロ流体チップ100は、マイクロ流体チップ100に導入される反応溶液に含まれる検体の標的核酸を増幅させるための核酸増幅デバイスである。
マイクロ流体チップ100に導入される反応溶液は、例えば、標的核酸を含む検体と、標的核酸に反応する反応試薬とを含む水溶液である。検体は、例えば、検査対象となる微生物(細菌、ウイルス又は組織細胞等)から核酸抽出試薬により予め抽出された標的核酸を含む検体原液である。反応試薬は、例えば、蛍光物質を含むPCR試薬等の反応試薬溶液である。
マイクロ流体チップ100は、下基板である第1基板101と上基板である第2基板102とによって構成されている。第1基板101及び第2基板102としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、アクリル等の樹脂基板、ガラス基板、又は、シリコン基板等を用いることができる。
第1開口部110は、マイクロ流路130の一方の端部に設けられており、マイクロ流路130の始点になっている。第1開口部110は、マイクロ流路130の入口(インレット)であり、反応溶液が導入される導入口である。つまり、反応溶液は、第1開口部110を介してマイクロ流路130に導入される。第1開口部110は、例えば、第1基板101に設けられた凹部と第2基板102に設けられた円形の貫通孔とによって構成されるが、これに限定されない。
また、マイクロ流路130の第1開口部110付近には、一定量の反応溶液を保持することができる保持部として、マイクロ流路130の底面を一段下げた凹部が設けられているとよい。
第2開口部120は、マイクロ流路130の他方の端部に設けられており、マイクロ流路130の終点になっている。つまり、第2開口部120は、反応溶液の送液の終点となる。第2開口部120は、マイクロ流路130の出口(アウトレット)である。第2開口部120は、第1開口部110と同様に、例えば、第1基板101に設けられた凹部と第2基板102に設けられた円形の貫通孔とによって構成されるが、これに限定されない。なお、第2開口部120は、マイクロ流路130を流れる反応溶液の一部又は全部を排出することが可能な排出口であるが、反応溶液は第2開口部120から排出されなくてもよい。
マイクロ流路130は、第1開口部110から導入された反応溶液を第2開口部120に向けて送液するための流路である。マイクロ流路130は、流路幅及び流路深さがマイクロオーダサイズの微細流路である。本実施の形態において、マイクロ流路130は1本で構成されており、マイクロ流路130には反応溶液が一方通行的に流れる。具体的には、反応溶液は、マイクロ流路130内を第1開口部110から第2開口部120に向かう方向に流れる。また、本実施の形態では、反応溶液は、マイクロ流路130内を毛管力(キャピラリ力)により送液される。例えばマイクロ流路130の内面を界面活性剤等でコーティングして親水性表面にすることによって反応溶液を毛管力によって送液することができる。
マイクロ流路130は、例えば第1基板101に形成された溝である。なお、マイクロ流路130は、第2基板102に形成されていてもよい。マイクロ流路130を構成する溝は、例えば、断面形状が矩形状であって、流路幅(溝幅)及び深さが一定である。一例として、マイクロ流路130を構成する溝は、流路幅が20μm〜300μmで、深さが50μm〜150μmである。
マイクロ流体チップ100は、マイクロ流路130を流れる反応溶液に含まれる標的核酸を増幅させるための核酸増幅反応部100a(核酸増幅領域)を有する。核酸増幅反応部100aにおけるマイクロ流路130は、核酸増幅装置1の加熱部20(例えば、図4参照)により温度制御された2つ以上の温度領域を往復又は周期的に通過するように構成されている。具体的には、核酸増幅反応部100aにおけるマイクロ流路130は、蛇行するように形成された蛇行流路であり、加熱部20により形成される高温領域と低温領域とを往復するように複数サイクルで折り返されている。なお、蛇行流路の折り返し回数は、例えば20〜70サイクル程度であるが、図2では、10サイクル程度しか図示されていない。
再び図1を参照し、核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100の第2開口部120を塞ぐための栓部60を備える。
栓部60は、第2開口部120を塞いだり開放したりするための栓である。栓部60は、駆動可能な駆動部61に配置されており、駆動部61が駆動することにより、第2開口部120を塞いだり開放したりする。こうすることで、第1開口部110に導入された反応溶液がマイクロ流路130に流れ始めるタイミングを制御することができる。栓部60は、例えば、エラストマー材料によって構成された樹脂ゴムである。このような栓部60としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム又はニトリルゴム等のゴム弾性を有する材料によって構成された栓を用いることができる。
反応溶液がマイクロ流路130の全域に行き渡った後、反応溶液に含まれる標的核酸の増幅量を算出することができる。例えば、マイクロ流路130に交差する方向に、光源200から発せれられるレーザ光(励起光)等の光Lをスキャンしながら反射光(蛍光)を受光し、受光した反射光量(蛍光量)に基づいて、蛇行流路のサイクル毎(温度サイクル毎)の標的核酸の増幅量を増幅曲線として検出する。このとき、PCRサイクルの増加に従って標的核酸の増幅量が増加する増幅曲線が得られる。これにより、反応溶液に含まれる標的核酸の増幅量を、リアルタイムに算出することができる。
このように、核酸増幅装置1の内部に設置されたマイクロ流体チップ100には、光Lが照射される。そのために、図3Bに示すように、筐体10に挿入されたマイクロ流体チップ100を平面視したときに、筐体10には、少なくともマイクロ流路130(具体的には、核酸増幅反応部100a)と重なる領域に光L及び光Lによる反射光(蛍光)を透過する領域が形成されている。例えば、筐体10の天板11の一部は、光L及び光Lによる反射光(蛍光)を透過する光透過部材50で形成されている。
光透過部材50は、光L及び光Lによる反射光(蛍光)を透過する材料である。具体的には、光透過部材50は、光Lを透過し、当該光Lによって反応溶液が発する反射光(蛍光)を透過することができる材料である。光透過部材50としては、アクリル等の透明樹脂材料、ガラス材料等が例示される。
なお、天板11の一部が光Lを透過できればよく、図1に示す光透過部材50が配置されている位置が、光透過部材50を有さない開口となっていてもよい。
また、天板11には、マイクロ流体チップ100の第2開口部120と、第2開口部120を塞いだり開放したりするための栓部60とが接触するために、図1及び図3Aに示す孔13が形成されていてもよい。このように、筐体10は、マイクロ流体チップ100の第1開口部110及び第2開口部120が完全には覆われないように構成されるとよい。
また、核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100に温度サイクルを与えるために、筐体10の内部に加熱部20を備える。
図4は、実施の形態に係る核酸増幅装置1の内部構成を示す上面図である。具体的には、図4は、核酸増幅装置1における、筐体10の天板11を取り除いた場合の上面図である。
加熱部20は、筐体10内に配置されたマイクロ流体チップ100を加熱する加熱装置である。具体的には、加熱部20は、マイクロ流体チップ100に導入された反応溶液を加熱する。核酸増幅反応部100aのマイクロ流路130に送液される反応溶液は、加熱部20によって所定の温度が付与される。
また、加熱部20は、マイクロ流体チップ100が筐体10の内部に挿入された際に、移動部30によって移動し、マイクロ流体チップ100と接触して配置される。本実施の形態において、マイクロ流体チップ100は、加熱部20の上面に接するように、筐体10の内部に設置される。
本実施の形態において、加熱部20は、所定の異なる温度に設定された第1ヒータ21と第2ヒータ22とを有する。これにより、マイクロ流体チップ100の核酸増幅反応部100aには、第1ヒータ21及び第2ヒータ22の2つのヒータによって、互いに異なる温度に設定された2つの温度領域が形成される。
具体的には、第1ヒータ21の温度は第2ヒータ22の温度よりも高くなるように設定されている。つまり、第1ヒータ21に対応する領域が高温領域であり、第2ヒータ22に対応する領域が低温領域である。これにより、マイクロ流体チップ100において、第1ヒータ21上の領域には高温領域が形成され、第2ヒータ22上の領域には低温領域が形成される。
高温領域を形成するための第1ヒータ21の設定温度は、例えば90℃〜98℃であり、本実施の形態では、核酸増幅反応の変性反応温度である約95℃としている。一方、低温領域を形成するための第2ヒータ22の設定温度は、例えば50℃〜75℃であり、本実施の形態では、アニール・伸長反応温度である約60℃としている。
また、第1ヒータ21と第2ヒータ22とは所定の隙間をあけて並べられている。マイクロ流体チップ100は、核酸増幅反応部100aが第1ヒータ21と第2ヒータ22とを跨ぐようにして第1ヒータ21及び第2ヒータ22の上に接触して配置される。これにより、核酸増幅反応部100aにおけるマイクロ流路130は、第1ヒータ21及び第2ヒータ22による2つの温度領域を複数サイクルで往復するように構成されることになる。この構成により、マイクロ流路130を流れる反応溶液に昇降温度サイクル(ヒートサイクル)が付与される。
第1ヒータ21及び第2ヒータ22は、例えばヒータブロックである。具体的には、第1ヒータ21及び第2ヒータ22は、直方体のアルミニウム又はステンレス等の金属からなる金属ブロックである。この場合、第1ヒータ21及び第2ヒータ22は、温度制御部(不図示)に接続されており、第1ヒータ21及び第2ヒータ22の各温度は、温度制御部によって制御される。
第1ヒータ21及び第2ヒータ22がヒータブロックである場合、マイクロ流体チップ100の第1基板101(下基板)の裏面は第1ヒータ21及び第2ヒータ22の各々の上面に接している。
なお、第1ヒータ21及び第2ヒータ22は、ヒータブロックに限るものではなく、金属薄膜ヒータ等のその他のヒータであってもよい。
また、第1ヒータ21及び第2ヒータ22とマイクロ流体チップ100との間に、加熱部20の一部として高熱伝導シートを配置するとよい。つまり、マイクロ流体チップ100を、高熱伝導シートを介して第1ヒータ21及び第2ヒータ22と接触させてもよい。この場合、マイクロ流体チップ100と第1ヒータ21及び第2ヒータ22とは、それぞれ高熱伝導シートに接している。高熱伝導シートとしては、例えば、高熱伝導率の樹脂製の弾性シートを用いることができる。
このように、マイクロ流体チップ100と第1ヒータ21及び第2ヒータ22との間に高熱伝導シートを挿入することで、マイクロ流体チップ100と高熱伝導シートとを密着させることができるとともに加熱部20と高熱伝導シートとを密着させることができる。これにより、マイクロ流体チップ100と第1ヒータ21及び第2ヒータ22との間に空気層が介在しなくなり、マイクロ流体チップ100と第1ヒータ21及び第2ヒータ22との界面の密着性を向上させることができる。したがって、第1ヒータ21及び第2ヒータ22によって効率良くマイクロ流体チップ100を加熱することができる。
移動部30は、加熱部20が配置され、マイクロ流体チップ100が筐体10に挿入される動きに連動して加熱部20を移動させて、加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付ける。
また、移動部30は、加熱部30をマイクロ流体チップ100に押し付けた状態において、少なくとも一部が筐体10から露出する露出部35(図1参照)を有する。また、移動部30は、露出部35が筐体10に押し込まれる動きに連動して、マイクロ流体チップ100の少なくとも一部を筐体10から排出する。移動部30の具体的な構成については、後述する。
露出部35は、核酸増幅装置1からマイクロ流体チップ100を排出させる際に、核酸増幅装置1のユーザが操作するレバー部である。具体的には、筐体10の側面には、開口36が形成されている。開口36からは、加熱部20が載置されている配置部33(例えば、図5参照)の一部が、露出部35として筐体10の外部に露出している。配置部33は、移動部30の一部である。移動部30は、ユーザによる露出部35の操作に応じて、マイクロ流体チップ100を、筐体10の外部に排出させる。
付勢部40は、マイクロ流体チップ100を筐体10内で所定の位置に配置させるための弾性体である。付勢部40は、筐体10に挿入されたマイクロ流体チップ100を平面視した場合に、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入方向に対して略垂直方向に、マイクロ流体チップ100を付勢する。言い換えると、付勢部40は、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入方向に対して略垂直方向であり、且つマイクロ流体チップ100の加熱部20が接触する面に略平行な方向に、マイクロ流体チップ100を付勢する。図4においては、付勢部40は、X軸負方向側へマイクロ流体チップ100を付勢し、筐体10の内側壁面に押し付ける。例えば、付勢部40は、金属製、樹脂製等のバネ体である。
ガイド部80は、筐体10の挿入部12から挿入されたマイクロ流体チップ100を、筐体10内にスムーズに導くためのガイドである。具体的には、ガイド部80は、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入方向と交差する方向への動きを規制する。本実施の形態においては、ガイド部80は、挿入部12から挿入されたマイクロ流体チップ100における、Z軸負方向側への動きを規制する。また、ガイド部80は、筐体10の内側だけでなく、挿入部12にマイクロ流体チップ100を挿入しやすくするために、筐体10の外側に突出し、かつ、挿入部12の少なくとも一部を覆うように形成されてもよい。また、本実施の形態においては、マイクロ流体チップ100のX軸方向の動きは、筐体10の側面により規制されている。このように、筐体10は、ガイド部80の一部として、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入方向と交差する方向への動きを規制してもよい。
ガイド部80は、核酸増幅装置1を上面視した場合に、加熱部20が通過可能な開口が形成されている。マイクロ流体チップ100は、筐体10の内部に配置される際に、移動部30の接触部31と接触する。移動部30は、接触部31がマイクロ流体チップ100によってY軸正方向側に押圧されると、X軸方向に延在している軸34を中心に回動する。移動部30の回動にともなって、加熱部20は、マイクロ流体チップ100に押し付けられる。なお、マイクロ流体チップ100が筐体10の内部に配置される際における、加熱部20及び移動部30の具体的な動きについては、後述する。
制限部90は、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入長さを制限する。本実施の形態においては、制限部90は、ガイド部80によってY軸正方向側に挿入されてきたマイクロ流体チップ100における、Y軸正方向側への動きを制限する壁である。
[設置動作]
続いて、マイクロ流体チップ100が筐体10の内部に配置される際における、加熱部20及び移動部30の具体的な動きについて、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、図3Aに示すV−V線における、実施の形態に係る核酸増幅装置1にマイクロ流体チップ100が固定される手順を説明するための断面図である。図6は、実施の形態に係る核酸増幅装置1にマイクロ流体チップ100が固定される手順を説明するための、実施の形態に係る核酸増幅装置1の内部構成を示す上面図である。なお、図5に示すマイクロ流体チップ100においては、マイクロ流路130等のマイクロ流体チップ100が備える構造について、記載を一部省略している。
図5の(a)及び図6の(a)は、マイクロ流体チップ100が挿入部12に挿入されている際の模式図である。図5の(a)及び図6の(a)に示すように、マイクロ流体チップ100は、挿入部12から、天板11の下面に沿うように筐体10内部に挿入されて、ガイド部80及び天板11にZ軸方向の動きを規制されながら、Y軸正方向側に移動される。この後に、マイクロ流体チップ100は、移動部30が備える接触部31と接触する。
移動部30は、接触部31と、アーム部32と、配置部33とを備えるリンク機構を有する。移動部30は、リンク機構によりマイクロ流体チップ100が筐体10に挿入される動きに連動して、加熱部20を移動させて加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付ける。
接触部31は、マイクロ流体チップ100が筐体10に挿入された場合に、マイクロ流体チップ100と接触する。その後に、接触部31は、マイクロ流体チップ100に押されて、マイクロ流体チップ100の挿入方向に移動する。
アーム部32は、接触部31にヒンジ等によって連接され、接触部31の動きに連動して、筐体10に固定されている軸34を中心に回動する。本実施の形態においては、軸34は、X軸方向に延在し、筐体10によって位置が固定されている。
配置部33は、アーム部32にヒンジ等によって連接され、且つ加熱部20が配置される。配置部33は、アーム部32の回動に連動して加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付ける。具体的には、配置部33は、アーム部32の回動に連動して加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付け、筐体10及び加熱部20にマイクロ流体チップ100を挟持させる。例えば、アーム部32及び配置部33を接続するヒンジは、加熱部20の上面と、マイクロ流体チップ100の下面とが、平行に接触するように、バネ等により、回動できる範囲に制限が設けられている。
接触部31、アーム部32、及び、配置部33の材料としては、熱膨張率が低く、耐熱性の高い樹脂、金属等が例示される。例えば、接触部31、アーム部32、及び、配置部33の材料として、ステンレスが採用されてもよい。
図5の(b)及び図6の(b)は、マイクロ流体チップ100と制限部90とが接触する際における、加熱部20及び移動部30の動きを説明するための模式図である。
図5の(b)に示すように、マイクロ流体チップ100は、筐体10内をY軸正方向側に移動され、移動部30が備える接触部31と接触する。接触部31は、マイクロ流体チップ100に押圧されてY軸正方向へ移動する。
移動部30が備えるアーム部32は、接触部31と接続されており、X軸方向に延在する軸34に軸支されており、接触部31の動きと連動して軸34を中心に回動する。本実施の形態においては、アーム部32は、軸34を軸に反時計回りに回動する。
移動部30が備える配置部33は、アーム部32と接続されており、アーム部32の動きと連動してZ軸正方向側へ移動する。
加熱部20は、配置部33に載置されており、配置部33の動きと連動して、Z軸正方向側へ移動する。このように移動した加熱部20は、ガイド部80と天板11との間に配置されているマイクロ流体チップ100と接触する。具体的には、加熱部20は、移動部30の動きと連動して、マイクロ流体チップ100と接触し、筐体10が備える天板11にマイクロ流体チップ100を押し付ける。
このように、加熱部20は、マイクロ流体チップ100が挿入される動きに応じて、マイクロ流体チップ100と密着するように、マイクロ流体チップ100を筐体10に押し付ける。移動部30は、図示しないロック機構等を備える固定部により、位置が固定される。例えば、筐体10に固定部として、移動部30を図5の(b)の姿勢に維持させるために、筐体10に配置部33が引っかかる凸部が形成されていてもよい。また、例えば、マイクロ流体チップ100を付勢する付勢部40バネの弾性力を調整することにより、付勢部40によってマイクロ流体チップ100が付勢されている場合に、移動部30の姿勢が固定されるように構成されていてもよい。
また、図6の(b)に示すように、付勢部40は、マイクロ流体チップ100をX軸負方向へ付勢する。こうすることで、マイクロ流体チップ100は、付勢部40によって、筐体10の側面に押し付けられる。なお、付勢部40は、筐体10におけるX軸正方向側の側面内側に配置されることに限定されない。例えば、付勢部40は、筐体10におけるX軸負方向側の側面内側に配置されてもよい。この場合、付勢部40は、マイクロ流体チップ100をX軸正方向へ付勢する。また、例えば、付勢部40は、筐体10におけるX軸正方向側及びX軸負方向側の側面内側の双方に配置されてもよい。また、筐体10の内側壁面には、マイクロ流体チップ100を所定の位置を配置させやすくするために、テーパが設けられていてもよい。
また、マイクロ流体チップ100は、Y軸正方向側に移動されて、制限部90と接触する。これにより、マイクロ流体チップ100におけるY軸正方向側への動きは制限される。
これらのように、筐体10、付勢部40、ガイド部80、及び、制限部90によって、マイクロ流体チップ100は、筐体10内の所定の位置で、加熱部20が押し付けられる。
なお、加熱部20と配置部33との間には、押付部70が配置されてもよい。
押付部70は、マイクロ流体チップに対して加熱部20を付勢して押し付ける。具体的には、押付部70は、加熱部20をマイクロ流体チップ100側へ付勢する弾性体である。押付部70は、加熱部20に固定されていてもよいし、配置部33に固定されていてもよい。例えば、押付部70は、金属製、樹脂製等のバネである。
図5の(c)は、栓部60がマイクロ流体チップ100の第2開口部120を塞ぐ動きを説明するための図である。
図5の(c)に示すように、駆動部61は、栓部60をZ軸負方向に移動させるように駆動する。こうすることで、栓部60は、天板11に形成された孔13を通過して、マイクロ流体チップ100の第2開口部120を塞ぐ。なお、駆動部61が駆動される方法は、特に限定されない。駆動部61は、例えば、モータ等のアクチュエータを備えてもよい。
[排出動作]
続いて、マイクロ流体チップ100が筐体10の外部に排出される際における、加熱部20及び移動部30の具体的な動きについて、図7を参照して説明する。
図7は、図3Aに示すV−V線における、実施の形態に係る核酸増幅装置1に固定されているマイクロ流体チップ100を排出させる手順を説明するための断面図である。
図7の(a)は、反応溶液をマイクロ流路130(図2参照)に流す際の栓部60の動きを示す。
反応溶液は、マイクロ流体チップ100の第1開口部110(図2参照)に入れられる。次に、図7の(a)に示すように、栓部60は駆動部61によってZ軸正方向に動かされる。このように、反応溶液は、第2開口部120が開放されることで、マイクロ流路130に流れるようになる。
図7の(b)は、マイクロ流体チップ100が筐体10から排出される際の、加熱部20及び移動部30の動きを示す。
反応溶液を反応させた後、ユーザは、マイクロ流体チップ100を筐体10の外部に排出させる。この際に、ユーザは、露出部35を操作する。具体的には、ユーザは、露出部35を筐体10に押し付けるように操作する。この操作によって、加熱部20及び移動部30は、図示しないロック機構等を備える固定部から外れ、動かせる状態となる。配置部33は、ユーザにより露出部35が動かされたことで、露出部35の動きに連動して、下方に移動する。同様に、加熱部20は、配置部33の動きに連動して、マイクロ流体チップ100から離れる方向に移動する。この移動によって、マイクロ流体チップ100は、動くことが可能な状態となる。
また、アーム部32は、配置部33の動きに連動して、軸34を中心に回動する。本実施の形態においては、アーム部32は、軸34を軸に時計回りに回動する。
また、接触部31は、アーム部32の回動する動きに連動して、Y軸負方向へ移動する。この際に、接触部31は、マイクロ流体チップ100をY軸負方向へ押し出す。
マイクロ流体チップ100は、接触部31にY軸負方向に押し出させることにより、挿入部12から筐体10の外部へ一部が排出される。こうすることで、マイクロ流体チップ100は、筐体10の外部に簡便に取り出せるようになる。
なお、露出部35は、開口36を介して筐体10の外部に常時露出している必要はない。露出部35は、加熱部20がマイクロ流体チップ100を筐体10に押し付けている状態の場合に、筐体10の外部に露出してさえいればよい。また、配置部33と露出部35とは、必ずしも一体的に形成されている必要はない。配置部33と露出部35とは、連動して動作されるように構成されていればよい。
[効果等]
以上のように、実施の形態に係る核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100を加熱することで反応溶液に含まれる標的核酸を増幅させるための核酸増幅装置である。マイクロ流体チップ100は、第1開口部110と、第2開口部120と、第1開口部110から導入された反応溶液を第2開口部120に向けて送液するためのマイクロ流路130とを有する。核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100が挿入される挿入部12を備えた筐体10と、マイクロ流体チップ100を加熱する加熱部20と、移動部30とを備える。移動部30は、加熱部20が配置され、マイクロ流体チップ100が筐体10に挿入される動きに連動して、加熱部20を移動させて加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付ける。
このような構成によれば、加熱部20は、マイクロ流体チップ100の筐体10に挿入される動きに連動して、マイクロ流体チップ100側へ移動される。これにより、マイクロ流体チップ100を挿入部12から挿入するだけで、筐体10内に設置されるマイクロ流体チップ100は、加熱部20に押さえつけられる。そのため、簡単にマイクロ流体チップ100を加熱部20に密着して固定することができ、かつ、加熱部20に対するマイクロ流体チップ100の位置合わせを簡単に行うことができる。
また、移動部30は、加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付けた状態において、少なくとも一部が筐体10から露出する露出部35を有してもよい。この場合に、移動部30は、露出部35が筐体10に押し込まれる動きに連動して、マイクロ流体チップ100の少なくとも一部を筐体10から排出してもよい。
このような構成によれば、例えばユーザは、露出部35を操作することにより、簡便に筐体10の外部にマイクロ流体チップ100を取り出すことができる。そのため、このような構成によれば、マイクロ流体チップ100は、簡便に筐体10の外部に排出される。
また、核酸増幅装置1は、筐体10に挿入されたマイクロ流体チップ100の平面視において、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入方向に対して略垂直方向に、マイクロ流体チップ100を付勢する付勢部40をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、筐体10内に挿入されたマイクロ流体チップ100は、付勢部40によって位置が固定されやすくなる。そのため、マイクロ流体チップ100は、挿入と排出とを繰り返された場合においても、筐体10内における同じ位置に配置されやすくなる。こうすることで、マイクロ流体チップ100は、簡便な構成で筐体10内に配置される位置の位置合わせがされやすくなる。そのため、マイクロ流体チップ100における所望の位置に加熱部20が押し付けられやすくなる。
また、筐体10に挿入されたマイクロ流体チップ100の平面視において、筐体10には、少なくともマイクロ流路130と重なる領域に光Lを透過する領域が形成されていてもよい。
このような構成によれば、マイクロ流体チップ100の第2基板102が透明材料である場合、マイクロ流体チップ100内の反応溶液の反応を、リアルタイムに検出できる。
また、核酸増幅装置1は、第2開口部120を塞ぐ栓部60をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、栓部60で第2開口部120を塞ぐことにより、第1開口部110に入れられた反応溶液を、当該反応溶液をマイクロ流路130に流れなくすることができる。そのため、第1開口部110を、検体と試薬とを混合するための容器として利用することができる。また、このような構成によれば、反応溶液がマイクロ流路130に流れ出すタイミングを、簡便に制御することができる。
また、核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100に対して加熱部20を付勢して押し付ける押付部70をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、加熱部20は、マイクロ流体チップ100を均一な力で押さえつけることができる。つまり、マイクロ流体チップ100の第1基板101の下面の面内では、加熱部20によって押さえつけられる圧力がバラつきにくくなる。また、マイクロ流体チップ100は、繰り返し筐体10へ挿入された場合においても、加熱部20によって押さえつけられる圧力の再現性が良くなりやすい。
また、核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入方向と交差する方向への動きを規制するガイド部80をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、ユーザは、マイクロ流体チップ100を筐体10内に挿入しやすい。
また、核酸増幅装置1は、マイクロ流体チップ100の筐体10への挿入長さを制限する制限部90をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、マイクロ流体チップ100は、繰り返し筐体10へ挿入された場合においても、毎回同じ位置に配置されやすくなる。こうすることで、マイクロ流体チップ100における所望の位置に加熱部20が押し付けられやすくなる。そのため、マイクロ流体チップ100は、加熱部20によって精度良く加熱されやすくなる。
また、移動部30は、リンク機構によりマイクロ流体チップ100が筐体10に挿入される動きに連動して、加熱部20を移動させて加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付けてもよい。
このような構成によれば、移動部30は、マイクロ流体チップ100の筐体10に挿入される動きに連動して、加熱部20をマイクロ流体チップ100側へ簡便な構成で移動できる。そのため、簡便な構成により、簡単にマイクロ流体チップ100を加熱部20に密着して固定することができ、かつ、加熱部20に対するマイクロ流体チップ100の位置合わせを簡単に行うことができる。
また、リンク機構は、接触部31と、接触部31に連接されるアーム部32と、アーム部32と連接される配置部33とを備えてもよい。この場合に、接触部31は、筐体10に挿入されるマイクロ流体チップ100に押されて移動するように構成されてもよい。また、アーム部32は、接触部31の動きに連動して筐体10に固定される軸34を中心に回動するように構成されてもよい。また、配置部33には、加熱部20が配置されてもよい。また、配置部33は、アーム部32の回動に連動して加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付けるように構成されてもよい。
このような構成によれば、加熱部20がマイクロ流体チップ100の筐体10に挿入される動きに連動して、マイクロ流体チップ100側へ移動される構造が簡便に実現される。そのため、簡便な構造により、筐体10内に設置されるマイクロ流体チップ100は、加熱部20に押さえつけられる。
また、配置部33は、アーム部32の動きに連動して加熱部20をマイクロ流体チップ100に押し付け、筐体10及び加熱部20にマイクロ流体チップ100を挟持させてもよい。
このような構成によれば、マイクロ流体チップ100は、加熱部20と筐体10(具体的には、天板11)とで挟まれることにより、動きにくくなる。そのため、マイクロ流体チップ100が、意図せず筐体10における所定の配置された位置からずれることが抑制される。
(変形例1)
図8は、実施の形態の変形例1に係る核酸増幅装置を示す断面図である。なお、図8は、実施の形態の変形例1に係る核酸増幅装置の、図3Aに示すV−V線に対応する位置における断面を示す。また、図8は、実施の形態の変形例1に係る核酸増幅装置が、図5の(b)に示す実施の形態に係る核酸増幅装置1の状態に対応している場合を示す。
図8に示すように、実施の形態の変形例1に係る核酸増幅装置1aは、実施の形態1に係る核酸増幅装置1と異なり、孔13が形成されていない。また、マイクロ流体チップ150の第2開口部120は、加熱部20がマイクロ流体チップ150を筐体10に押し付けている状態において、筐体10の外部に露出している。そのために、栓部60は、筐体10の外部に露出している第2開口部120を塞いだり開放したりできるように、図8に示す断面視において、筐体10の天板11よりもY軸負方向側に位置している。このように、マイクロ流体チップ150の形状、サイズ、又は、核酸増幅装置1aとマイクロ流体チップ150とのサイズ関係等により、栓部60の位置は適宜調整されてよい。
また、加熱部20がマイクロ流体チップ150を筐体10に押し付けている状態において、第1開口部110及び第2開口部120が筐体10の外部に位置する場合、孔13は天板11に形成されていなくてもよい。
このように、変形例1に係る核酸増幅装置1aによれば、実施の形態に係る核酸増幅装置1と同様の効果を奏する。
また、このような構成によれば、筐体10の天板11の一部のみに孔13を形成することなく、より簡便な構造の核酸増幅装置1aが実現され得る。
(変形例2)
図9は、実施の形態の変形例2に係る核酸増幅装置の内部構成を示す上面図である。なお、図9は、実施の形態の変形例2に係る核酸増幅装置の天板がない状態を示す図である。
図9に示すように、マイクロ流体チップ151は、上面視において、円形となっている。このように、マイクロ流体チップ151の形状、サイズ等に応じて、核酸増幅装置1bのサイズは適宜調整されてよい。このような変形例1に係る核酸増幅装置1aによっても、実施の形態に係る核酸増幅装置1と同様の効果を奏する。
(他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る核酸増幅装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、加熱部は、マイクロ流体チップが筐体内部に挿入部からY軸正方向へ挿入された際に、マイクロ流体チップの下方から筐体に押し付けるように移動した。しかしながら、加熱部及びマイクロ流体チップの動きはこれに限定されない。例えば、核酸増幅装置は、挿入部を上面に備え、マイクロ流体チップを下方に挿入できるように構成されていてもよい。この場合に、加熱部は、マイクロ流体チップにおけるマイクロ流路が形成される面に水平な方向から筐体へ押し付けるように移動するように構成されていてもよい。このように、マイクロ流体チップ、加熱部、移動部等の位置関係は、あくまで一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更されてもよい。
また、上記実施の形態における移動部の形状、構成等は、あくまで一例である。例えば、核酸増幅装置は、マイクロ流体チップが筐体内に挿入される動きに連動して、電気的に駆動するギアを備えてもよい。当該ギアが、マイクロ流体チップが筐体内に挿入される動きに連動して動き、加熱部をマイクロ流体チップに押し付けるように移動させてもよい。
また、上記実施の形態では、加熱部は、2つのヒータを備えたが、これに限らない。加熱部は、1つのヒータを備えてもよいし、3つ以上のヒータを備えてもよい。
各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、1a、1b 核酸増幅装置
10 筐体
11 天板
12 挿入部
20 加熱部
30 移動部
31 接触部
32 アーム部
33 配置部
34 軸
35 露出部
40 付勢部
60 栓部
70 押付部
80 ガイド部
90 制限部
100、150、151 マイクロ流体チップ
100a 核酸増幅反応部
110 第1開口部
120 第2開口部
130 マイクロ流路
L 光

Claims (11)

  1. 第1開口部と、第2開口部と、前記第1開口部から導入された反応溶液を前記第2開口部に向けて送液するためのマイクロ流路と、を有するマイクロ流体チップを加熱することで前記反応溶液に含まれる標的核酸を増幅させるための核酸増幅装置であって、
    前記マイクロ流体チップが挿入される挿入部を備えた筐体と、
    前記マイクロ流体チップを加熱する加熱部と、
    前記加熱部が配置され、前記マイクロ流体チップが前記筐体に挿入される動きに連動して、前記加熱部を移動させて前記加熱部を前記マイクロ流体チップに押し付ける移動部と、
    を備えた核酸増幅装置。
  2. 前記移動部は、前記加熱部を前記マイクロ流体チップに押し付けた状態において、少なくとも一部が前記筐体から露出する露出部を有し、
    前記移動部は、前記露出部が前記筐体に押し込まれる動きに連動して、前記マイクロ流体チップの少なくとも一部を前記筐体から排出する、
    請求項1記載の核酸増幅装置。
  3. 前記筐体に挿入された前記マイクロ流体チップの平面視において、前記マイクロ流体チップの前記筐体への挿入方向に対して略垂直方向に、前記マイクロ流体チップを付勢する付勢部を備えた、
    請求項1又は2記載の核酸増幅装置。
  4. 前記筐体に挿入された前記マイクロ流体チップの平面視において、前記筐体には、少なくとも前記マイクロ流路と重なる領域に光を透過する領域が形成されている、
    請求項1乃至3の何れかに記載の核酸増幅装置。
  5. 前記第2開口部を塞ぐ栓部をさらに備えた、
    請求項4記載の核酸増幅装置。
  6. 前記マイクロ流体チップに対して前記加熱部を付勢して押し付ける押付部をさらに備えた、
    請求項1乃至5の何れかに記載の核酸増幅装置。
  7. 前記マイクロ流体チップの前記筐体への挿入方向と交差する方向への動きを規制するガイド部をさらに備えた、
    請求項1乃至6の何れかに記載の核酸増幅装置。
  8. 前記マイクロ流体チップの前記筐体への挿入長さを制限する制限部をさらに備えた、
    請求項1乃至7の何れかに記載の核酸増幅装置。
  9. 前記移動部は、リンク機構により前記マイクロ流体チップが前記筐体に挿入される動きに連動して、前記加熱部を移動させて前記加熱部を前記マイクロ流体チップに押し付ける、
    請求項1乃至8の何れかに記載の核酸増幅装置。
  10. 前記リンク機構は、
    前記筐体に挿入される前記マイクロ流体チップに押されて移動する接触部と、
    前記接触部に連接され、前記接触部の動きに連動して前記筐体に固定される軸を中心に回動するアーム部と、
    前記アーム部に連接され、且つ前記加熱部が配置され、前記アーム部の回動に連動して前記加熱部を前記マイクロ流体チップに押し付ける配置部と、を備えた、
    請求項9記載の核酸増幅装置。
  11. 前記配置部は、前記アーム部の動きに連動して前記加熱部を前記マイクロ流体チップに押し付け、前記筐体及び前記加熱部に前記マイクロ流体チップを挟持させる、
    請求項9又は10記載の核酸増幅装置。
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