JP2018194328A - 伝搬距離推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝搬距離の推定において信号の補正を効果的に行うことのできる伝搬距離推定装置を提供する。【解決手段】端末2は、受信アンテナ12が受信した信号を受信フィルタに出力するとともに、送信フィルタが出力した信号を送信アンテナ23から送信する第1状態と、送信フィルタが出力した信号を受信フィルタに入力する第2状態とを切り替える切替部50を備える。信号処理部18は、校正を行う際には、切替部50を第2状態に切り替えることで、信号処理部18から出力した信号を、端末2内を通過させた上で信号処理部18に入力させて、出力した信号と入力した信号とを比較することで補正値を算出し、伝搬距離を推定する測距通信を行う際には、切替部50を第1状態に切り替えて、補正値を通信装置に送信するとともに、通信装置から送信された測距信号を返信する。通信装置は、端末2から送信された補正値によって端末2から送信された測距信号を補正する。【選択図】図2
Description
本発明は、端末と通信装置との伝搬距離を推定する伝搬距離推定装置に関する。
従来、車両等において、電子キーからキーIDを車両に無線送信してID照合を行う電子キーシステムが周知である。ところで、この種の電子キーシステムにおいては、ユーザの意志によらないところでID照合の成立を謀る不正行為として、中継器を使用した不正行為(中継器使用不正行為:特許文献1等参照)というものがある。中継器使用不正行為は、例えば電子キーが車両から遠い場所に位置する際に、この電子キーを複数の中継器によって車両と繋いで電波を中継し、これら2者間の通信を成立させる行為である。よって、ユーザが気付かないところでID照合が成立されてしまうので、第三者によって不正にドアの解錠やエンジンの始動が行われてしまう可能性がある。
そこで、基地局から端末に電波を送信し、その電波を受信した端末から電波を基地局に再送信させ、基地局が受信した信号から伝搬時間を推定する伝搬距離推定装置(特許文献2参照)を電子キーシステムに適用することが考えられている。電子キーシステムは、伝搬距離推定装置が測定した伝搬時間に光速を乗じることで車両から電子キーまでの伝搬距離を算出することができ、算出した伝搬距離が例えば閾値を超えた場合に中継使用不正行為があると判定することができるようになる。
伝搬距離推定装置では、端末内のフィルタ等の回路によって遅延が発生して伝搬距離の推定に影響を及ぼすことがあるため信号の補正が必要となる。
本発明の目的は、伝搬距離の推定において信号の補正を効果的に行うことのできる伝搬距離推定装置を提供することにある。
本発明の目的は、伝搬距離の推定において信号の補正を効果的に行うことのできる伝搬距離推定装置を提供することにある。
上記課題を解決する伝搬距離推定装置は、互いに異なる周波数の複数の連続波を通信装置において合成し、これを測距信号として前記通信装置から端末に送信し、当該測距信号を前記端末から前記通信装置に返信させ、当該測距信号の伝搬距離を推定する伝搬距離推定装置において、前記端末は、前記測距信号を受信する受信アンテナと、受信した前記測距信号をフィルタリングする受信フィルタと、前記受信フィルタがフィルタリングした信号をA/D変換するA/Dコンバータと、前記A/DコンバータがA/D変換した信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部が処理した信号をD/A変換するD/Aコンバータと、前記D/AコンバータがD/A変換した信号をフィルタリングする送信フィルタと、前記送信フィルタがフィルタリングした信号を送信する送信アンテナと、前記受信アンテナが受信した信号を前記受信フィルタに出力するとともに、前記送信フィルタが出力した信号を前記送信アンテナから送信する第1状態と、前記送信フィルタが出力した信号を前記受信フィルタに入力する第2状態と、を切り替える切替部と、を備え、前記信号処理部は、校正を行う際には、前記切替部を前記第2状態に切り替えることで、前記信号処理部から出力した信号を、前記端末内を通過させた上で前記信号処理部に入力させて、出力した信号と入力した信号とを比較することで補正値を算出し、伝搬距離を推定する測距通信を行う際には、前記切替部を前記第1状態に切り替えて、前記補正値を前記通信装置に送信するとともに、前記通信装置から送信された前記測距信号を返信し、前記通信装置は、前記端末から送信された前記補正値によって、前記端末から送信された前記測距信号を補正する。
上記構成によれば、端末の切替部を第1状態と第2状態とで切り替えることで端末内における信号の遅延を補正値として算出し、この補正値によって通信装置が測距信号を補正することができるため、補正を効果的に行うことができる。
上記伝搬距離推定装置について、前記第1状態は、前記受信アンテナと前記受信フィルタとが接続されるとともに、前記送信アンテナと前記送信フィルタとが接続された状態であって、前記第2状態は、前記受信フィルタと前記送信フィルタとが接続された状態であることが好ましい。
上記構成によれば、受信アンテナと受信フィルタとを接続するとともに、送信アンテナと送信フィルタとが接続された第1状態とすることで、通信装置から送信された測距信号を受信アンテナが受信して、受信フィルタ及び送信フィルタを介して送信アンテナから測距信号を送信することができる。また、受信フィルタと送信フィルタとを接続することで端末内を閉じた回路とすることができ、回路内を1周した信号の通信時間を算出することができる。
上記伝搬距離推定装置について、前記切替部は、前記受信フィルタに対して接続される前記受信アンテナと前記送信フィルタとを切り替える第1スイッチと、前記送信フィルタに対して接続される前記送信アンテナと前記受信アンテナとを切り替える第2スイッチと、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、第1スイッチと第2スイッチとを切り替えることで、第1状態と第2状態とを切り替えることができる。
上記伝搬距離推定装置について、前記切替部は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを接続する接続線を備え、前記第1スイッチは、前記受信フィルタと前記送信フィルタとを接続する際に、前記受信フィルタと前記接続線とを接続し、前記第2スイッチは、前記受信フィルタと前記送信フィルタとを接続する際に、前記接続線と前記送信フィルタとを接続することが好ましい。
上記伝搬距離推定装置について、前記切替部は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを接続する接続線を備え、前記第1スイッチは、前記受信フィルタと前記送信フィルタとを接続する際に、前記受信フィルタと前記接続線とを接続し、前記第2スイッチは、前記受信フィルタと前記送信フィルタとを接続する際に、前記接続線と前記送信フィルタとを接続することが好ましい。
上記構成によれば、第1スイッチと第2スイッチとを接続線で接続することで、例えば第1スイッチと第2スイッチとの間隔をとることができるので、第1スイッチを受信アンテナの近傍に設置し、第2スイッチを送信アンテナの近傍に設置することができるようになる。
本発明によれば、伝搬距離の推定において信号の補正を効果的に行うことができる。
以下、図1〜図3を参照して、伝搬距離推定装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、通信装置1及び端末2には、これら2者間の電波送信にかかる距離(伝搬距離d)を推定する伝搬距離推定装置3が設けられている。伝搬距離推定装置3は、例えば電子キーのキー照合を無線によって行う電子キーシステムに搭載されている。この場合、電子キーシステムは、通信装置1及び端末2の間で仮にID照合が成立していても、伝搬距離推定装置3によって求まる伝搬距離dが閾値以上であれば、不正通信の可能性が高いとして、ID照合成立を不許可とする。
図1に示すように、通信装置1及び端末2には、これら2者間の電波送信にかかる距離(伝搬距離d)を推定する伝搬距離推定装置3が設けられている。伝搬距離推定装置3は、例えば電子キーのキー照合を無線によって行う電子キーシステムに搭載されている。この場合、電子キーシステムは、通信装置1及び端末2の間で仮にID照合が成立していても、伝搬距離推定装置3によって求まる伝搬距離dが閾値以上であれば、不正通信の可能性が高いとして、ID照合成立を不許可とする。
通信装置1は、各々異なる周波数の無変調連続波(CW波)として複素信号fn(p)を出力する複数の発振器4(例えばN個)を備える。各周波数の複素信号fn(p)は、「n」が「1」〜「N」をとり、信号成分として実部及び虚部を有する。なお、「n」は、何番目の周波数かを表す数であり、「N」は、使用する周波数の総数であり、「p」は離散時間である。
通信装置1は、発振器4から入力する各複素信号fn(p)から実部を取り出す実数取出部5を備える。実数取出部5は、複素信号fn(p)からの実部の取り出しにより、信号real(fn(p))を出力する。なお、real(・)は、複素数から実数を取り出す関数を示す。
通信装置1は、実数取出部5から出力された信号real(fn(p))を加算する加算器6と、加算器6から出力される合成信号real(F(p))をD/A変換するD/Aコンバータ7とを備える。通信装置1は、D/A変換後の合成信号real(F(t))と局部発振器8から入力する発振信号とを乗算するミキサ9と、乗算後の信号をフィルタリングするバンドパスフィルタ10と、バンドパスフィルタ10を通過した合成信号を測距信号real(F(t))cos(ωt)として送信する送信アンテナ11とを備える。なお、「F(p)」及び「F(t)」は、合成された複素信号であり、「t」は、連続時間である。
端末2は、通信装置1から送信された測距信号real(F(t))cos(ωt)を伝搬時間t0分遅れた信号で受信する受信アンテナ12と、この受信信号real(F(t−t0))cos(ωt)をフィルタリングする受信フィルタとしてのバンドパスフィルタ13とを備える。端末2は、バンドパスフィルタ13を通過した信号と局部発振器14から入力する発振信号とを乗算するミキサ15と、乗算後の信号をフィルタリングするローパスフィルタ16と、ローパスフィルタ16を通過した受信信号real(F(t−t0))をA/D変換するA/Dコンバータ17とを備える。
端末2は、A/Dコンバータ17から入力する受信信号real(F(p−t0))を基に端末2を作動させる信号処理部18を備える。信号処理部18は、通信装置1から受信信号real(F(t−t0))cos(ωt)を受信したとき、この受信信号real(F(t−t0))cos(ωt)を通信装置1に返信する動作を実行する。
端末2は、電波返信時において信号処理部18から入力する信号をD/A変換するD/Aコンバータ19と、D/A変換後の信号と局部発振器20から入力する発振信号とを乗算するミキサ21とを備える。端末2は、乗算後の信号をフィルタリングする送信フィルタとしてのバンドパスフィルタ22と、バンドパスフィルタ22を通過した信号を測距信号real(F(t−t0))cos(ωt)として送信する送信アンテナ23とを備える。
通信装置1は、端末2から送信された測距信号real(F(t−t0))cos(ωt)を伝搬時間t0遅れた信号で受信する受信アンテナ24を備える。通信装置1は、受信アンテナ24の後段の一方の経路に、バンドパスフィルタ25、局部発振器26、ミキサ27、ローパスフィルタ28及びA/Dコンバータ29を備える。バンドパスフィルタ25は、受信アンテナ24が受信した測距信号real(F(t−2t0))cos(ωt)をフィルタリングする。ミキサ27は、バンドパスフィルタ25を通過した信号と局部発振器26から入力する発振信号とを乗算する。ローパスフィルタ28は、ミキサ27で合成された信号のうち低い周波数のみ通過させる。A/Dコンバータ29は、ローパスフィルタ28を通過した測距信号real(F(t−2t0))をA/D変換して、測距信号real(F(p−2t0))を出力する。
通信装置1は、受信アンテナ24の後段の他方の経路に、バンドパスフィルタ30、移送器31、ミキサ32、ローパスフィルタ33及びA/Dコンバータ34を備える。バンドパスフィルタ30は、受信アンテナ24が受信した測距信号real(F(t−2t0))cos(ωt)をフィルタリングする。ミキサ32は、バンドパスフィルタ30を通過した信号と、局部発振器26から出力される発振信号を移送器31によって90°位相を遅らせた信号とを乗算する。ローパスフィルタ33は、ミキサ32で合成された信号のうち、低い周波数のみ通過させる。A/Dコンバータ34は、ローパスフィルタ33を通過した信号をA/D変換して、測距信号img(F(p−2t0))を出力する。なお、img(・)は、複素数から虚部を取り出す関数を示す。
通信装置1は、実部及び虚部から複素信号を算出する複素化部35を備える。複素化部35は、A/Dコンバータ29から入力する測距信号real(F(p−2t0))とA/Dコンバータ34から入力する測距信号img(F(p−2t0))とを基に、複素信号F(p−2t0)を算出する。
通信装置1は、通信装置1及び端末2の間の電波の伝搬距離dを推定する一連の処理を実行する相関演算部40及び距離推定部41を備える。相関演算部40は、通信装置1で受信した測距信号F(p−2t0)と、fn(p)の複素共役とを乗算し、その平均をとる相関演算を行って、F(p−2t0)の各周波数成分を抽出する。距離推定部41は、相関演算部40が抽出した周波数成分の位相から伝搬距離dを推定する。
次に、図1〜図3を用いて、伝搬距離推定装置3の作用及び効果を説明する。なお、本例は、端末2側での信号処理は何も行われていないものとして定式化している。
図1に示すように、各発振器4(総数N個)は、各々異なる周波数の複素信号f1(p)〜fN(p)を実数取出部5に出力する(n=1〜N)。実数取出部5は、各複素信号f1(p)〜fN(p)において実部を取り出し、実数のみから構築される信号real(f1(p))〜real(fN(p))を加算器6に出力する。加算器6は、これら信号real(f1(p))〜real(fN(p))を足し合わせて合成信号real(F(p))とし、これをD/Aコンバータ7に出力する。合成信号real(F(p))は、次式(1)により表される。
図1に示すように、各発振器4(総数N個)は、各々異なる周波数の複素信号f1(p)〜fN(p)を実数取出部5に出力する(n=1〜N)。実数取出部5は、各複素信号f1(p)〜fN(p)において実部を取り出し、実数のみから構築される信号real(f1(p))〜real(fN(p))を加算器6に出力する。加算器6は、これら信号real(f1(p))〜real(fN(p))を足し合わせて合成信号real(F(p))とし、これをD/Aコンバータ7に出力する。合成信号real(F(p))は、次式(1)により表される。
合成信号real(F(p))は、D/Aコンバータ7によってD/A変換され、合成信号real(F(t))としてミキサ9に出力される。ミキサ9に入力された合成信号real(F(t))は、局部発振器8から入力する発振信号と乗算され、バンドパスフィルタ10により所定帯域の信号のみが通過される。バンドパスフィルタ10を通過した合成信号real(F(t))は、測距信号real(F(t))cos(ωt)として送信アンテナ11から端末2に向けて送信される。
通信装置1の送信アンテナ11から送信された測距信号real(F(t))cos(ωt)は、伝搬時間t0後、端末2に到達する。なお、測距信号real(F(t))cos(ωt)は、複素信号f1(p)〜fN(p)を合成することにより生成された所定波形が繰り返し出現する繰り返し信号である。また、送信信号real(F(t))cos(ωt)は、広帯域信号である。
端末2は、通信装置1から送信された測距信号real(F(t))cos(ωt)を、伝搬時間t0遅れた信号、すなわちreal(F(t−t0))cos(ωt)として受信アンテナ12で受信する。この受信信号real(F(t−t0))cos(ωt)は、バンドパスフィルタ13を通過後、ミキサ15に出力される。ミキサ15に入力された受信信号real(F(t−t0))cos(ωt)は、局部発振器14から入力する発振信号と乗算され、ローパスフィルタ16により低帯域のみ通過される。ローパスフィルタ16を通過した受信信号real(F(t−t0))は、A/Dコンバータ17でA/D変換され、受信信号real(F(p−t0))として信号処理部18に出力される。
信号処理部18は、A/Dコンバータ17から入力した受信信号real(F(p−t0))の信号波形を読み取る。このとき、信号処理部18は、受信信号real(F(p−t0))を正常に読み取ることができると、real(F(t−t0))cos(ωt)の信号を通信装置1に返信する動作に移行し、測距信号real(F(p−t0))をD/Aコンバータ19に出力する。
D/Aコンバータ19に入力された送信信号real(F(p−t0))は、D/A変換によって送信信号real(F(t−t0))に変換され、ミキサ21に出力される。ミキサ21に入力された送信信号real(F(t−t0))は、局部発振器20から入力した発振信号と乗算され、バンドパスフィルタ22により所定帯域のみ通過される。そして、バンドパスフィルタ22を通過した信号が測距信号real(F(t−t0))cos(ωt)として送信アンテナ23から通信装置1に向けて無線送信される。
端末2の送信アンテナ23から送信された測距信号real(F(t−t0))cos(ωt)は、伝搬時間t0後、通信装置1に到達する。なお、ここで端末2から送信される測距信号real(F(t−t0))cos(ωt)は、通信装置1から端末2に送信された測距信号real(F(t))cos(ωt)と波形は同じであるものの、位相が所定時間遅れた信号となっている。
端末2から送信された測距信号real(F(t−t0))cos(ωt)は、伝搬時間t0遅れた信号、すなわちreal(F(t−2t0))cos(ωt)として通信装置1に到達する。この測距信号real(F(t−2t0))cos(ωt)は、バンドパスフィルタ25,30の各々に入力される。バンドパスフィルタ25に入力された測距信号real(F(t−2t0))cos(ωt)は、所定帯域のみ通過され、ミキサ27に出力される。ミキサ27に入力された測距信号real(F(t−2t0))cos(ωt)は、局部発振器26から入力した発振信号と乗算され、ローパスフィルタ28により低帯域のみ通過される。ローパスフィルタ28を通過した測距信号real(F(t−2t0))は、A/Dコンバータ29によってA/D変換され、測距信号real(F(p−2t0))として複素化部35に入力される。
バンドパスフィルタ30に入力された測距信号real(F(t−2t0))cos(ωt)は、所定帯域のみ通過され、ミキサ32に出力される。ミキサ32に入力された測距信号real(F(t−2t0))cos(ωt)は、局部発振器26から入力した90°位相遅れの発振信号と乗算され、ローパスフィルタ33により低帯域のみ通過される。ローパスフィルタ33を通過した信号は、A/Dコンバータ34によってA/D変換され、測距信号img(F(p−2t0))として複素化部35に入力される。
複素化部35は、A/Dコンバータ29から測距信号real(F(p−2t0))を入力し、A/Dコンバータ34から測距信号img(F(p−2t0))を入力すると、これらを複素化することにより、複素信号F(p−2t0)を算出する。複素化部35は、算出した複素信号F(p−2t0)を、相関演算部40に出力する。
相関演算部40は、通信装置1が送信する測距信号real(F(t))cos(ωt)と、端末2から受信した測距信号real(F(t−t0))cos(ωt)との間に生じている位相回転量を周波数fn(p)ごとに求め、さらに隣り合う周波数fn(p)における位相回転量の差を求める。そして、距離推定部41は、相関演算部40が求めた位相回転量から、通信装置1及び端末2の間の伝搬距離dを算出する。
なお、伝搬距離推定装置は、端末2内のフィルタによって遅延が発生して伝搬距離の推定に影響を及ぼすことがあるため信号の補正が必要である。特に、バンドパスフィルタ22として表面弾性波フィルタ(SAWフィルタ:Surface Acoustic Wave フィルタ)を用いた場合には帯域幅が狭いため温度によって特性が変わり帯域幅がずれて遅延が発生し易い。なお、表面弾性波フィルタに限らず、他のフィルタにおいても多少の遅延が発生する。
そこで、図2及び図3に示すように、端末2は、端末2内を通過した信号の遅延を算出するために、端末2内を1周する回路を備えている。すなわち、端末2は、受信アンテナ12が受信した信号を受信側のバンドパスフィルタ13に出力するとともに、送信側のバンドパスフィルタ22が出力した信号を送信アンテナ23から送信する第1状態と、送信側のバンドパスフィルタ22が出力した信号を受信側のバンドパスフィルタ13に入力する第2状態とを切り替える切替部50を備える。第1状態は、受信アンテナ12と受信側のバンドパスフィルタ13とが接続されるとともに、送信アンテナ23と送信側のバンドパスフィルタ22とが接続された状態である。第2状態は、受信側のバンドパスフィルタ13と送信側のバンドパスフィルタ22とが接続された状態である。
切替部50は、受信側のバンドパスフィルタ13に対して接続される受信アンテナ12と送信側のバンドパスフィルタ22とを切り替える第1スイッチ51と、送信側のバンドパスフィルタ22に対して接続される送信アンテナ23と受信アンテナ12とを切り替える第2スイッチ52と、を備える。切替部50は、第1スイッチ51と第2スイッチ52とを接続する接続線53を備える。第1スイッチ51は、受信側のバンドパスフィルタ13と送信側のバンドパスフィルタ22とを接続する際に、受信側のバンドパスフィルタ13と接続線53の一端とを接続する。第2スイッチ52は、受信側のバンドパスフィルタ13と送信側のバンドパスフィルタ22とを接続する際に、接続線53の他端と送信側のバンドパスフィルタ22とを接続する。信号処理部18には第1スイッチ51及び第2スイッチ52の状態を切り替える指示線54の一端が接続されている。また指示線54の他端が第1スイッチ51及び第2スイッチ52にそれぞれ接続されている。
信号処理部18は、校正を行う際には、切替部50を第2状態に切り替えることで、信号処理部18から出力した信号を、端末2内を1周通過させた上で信号処理部18に入力させて、出力した信号と入力した信号とを比較することで補正値を算出する。補正値は、位相と振幅の変化量として算出する。補正値の算出は、距離推定と同様に行う。すなわち、「出力した信号」は送信信号、「入力した信号」は車載器が受信した信号と同じであり、測距と同様に相関演算により周波数成分を抽出する。抽出された周波数成分が「補正値」となる。信号処理部18は、伝搬距離を推定する測距通信を行う際には、切替部50を第1状態に切り替えて、補正値を通信装置1に送信するとともに、通信装置1から送信された測距信号を返信する。
通信装置1は、端末2から送信された補正値によって、端末2から送信された測距信号を補正した上で、測距信号の伝搬距離dを推定する。
上記のような構成によって、端末2の切替部50を第1状態と第2状態とで切り替えることで端末2内における信号の遅延を補正値として算出し、この補正値によって通信装置1が測距信号を補正することができるため、補正を効果的に行うことができる。また、端末2において補正を算出するのみで、測距信号の補正を行う必要がないので高性能な演算処理部を必要としない。
上記のような構成によって、端末2の切替部50を第1状態と第2状態とで切り替えることで端末2内における信号の遅延を補正値として算出し、この補正値によって通信装置1が測距信号を補正することができるため、補正を効果的に行うことができる。また、端末2において補正を算出するのみで、測距信号の補正を行う必要がないので高性能な演算処理部を必要としない。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)端末2の切替部50を第1状態と第2状態とで切り替えることで端末2内における信号の遅延を補正値として算出し、この補正値によって通信装置1が測距信号を補正することができるため、信号の補正を効果的に行うことができる。
(1)端末2の切替部50を第1状態と第2状態とで切り替えることで端末2内における信号の遅延を補正値として算出し、この補正値によって通信装置1が測距信号を補正することができるため、信号の補正を効果的に行うことができる。
(2)受信アンテナ12と受信側のバンドパスフィルタ13とを接続するとともに、送信アンテナ23と送信側のバンドパスフィルタ22とが接続された第1状態とすることで、通信装置1から送信された測距信号を受信アンテナ12が受信して、受信側のバンドパスフィルタ13及び送信側のバンドパスフィルタ22を介して送信アンテナ23から測距信号を送信することができる。また、受信側のバンドパスフィルタ13と送信側のバンドパスフィルタ22とを接続することで端末2内を閉じた回路とすることができ、回路内を1周した信号の通信時間を算出することができる。
(3)第1スイッチ51と第2スイッチ52とを切り替えることで、第1状態と第2状態とを切り替えることができる。
(4)第1スイッチ51と第2スイッチ52とを接続線53で接続することで、第1スイッチ51と第2スイッチ52との間隔をとることができるので、第1スイッチ51を受信アンテナ12の近傍に設置し、第2スイッチ52を送信アンテナ23の近傍に設置することができるようになる。
(4)第1スイッチ51と第2スイッチ52とを接続線53で接続することで、第1スイッチ51と第2スイッチ52との間隔をとることができるので、第1スイッチ51を受信アンテナ12の近傍に設置し、第2スイッチ52を送信アンテナ23の近傍に設置することができるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、切替部50は第1スイッチ51と第2スイッチ52とを接続する接続線53を備えたが、接続線53を省略して第1スイッチ51と第2スイッチ52とを直接接続することで受信側のバンドパスフィルタ13と送信側のバンドパスフィルタ22とを接続した第2状態としてもよい。
・上記実施形態では、切替部50は第1スイッチ51と第2スイッチ52とを接続する接続線53を備えたが、接続線53を省略して第1スイッチ51と第2スイッチ52とを直接接続することで受信側のバンドパスフィルタ13と送信側のバンドパスフィルタ22とを接続した第2状態としてもよい。
・上記実施形態では、切替部50が受信側のバンドパスフィルタ13に対して接続される受信アンテナ12と送信側のバンドパスフィルタ22とを切り替える第1スイッチ51と、送信側のバンドパスフィルタ22に対して接続される送信アンテナ23と受信アンテナ12とを切り替える第2スイッチ52とを備えた。しかしながら、受信アンテナ12が受信した信号を受信側のバンドパスフィルタ13に出力するとともに、送信側のバンドパスフィルタ22が出力した信号を送信アンテナ23から送信する第1状態と、送信側のバンドパスフィルタ22が出力した信号を受信側のバンドパスフィルタ13に入力する第2状態とを切り替えることができる切替部50であれば第1スイッチ51と第2スイッチ52との構成に限らない。
・上記実施形態では、通信装置1が端末2から送信された補正値によって端末2から送信された測距信号を補正した上で測距信号の伝搬距離を推定したが、通信装置1が測距信号の伝搬距離を推定した上で、端末2から送信された補正値によって伝搬距離を補正してもよい。
・上記実施形態の伝搬距離推定装置3の回路構成、すなわち通信装置1や端末2の回路構成は、実施形態に述べた構成に限らず、他に変更可能である。また、通信装置1は基地局であってもよい。
・上記実施形態において、伝搬距離d(伝搬時間t0)を電波の位相から推定する演算は、例えばMUSIC法など、種々の方式が採用可能である。
・上記実施形態において、伝搬距離推定装置3は、電子キーシステムに搭載されることに限定されず、他のシステムや機器に適用可能である。
・上記実施形態において、伝搬距離推定装置3は、電子キーシステムに搭載されることに限定されず、他のシステムや機器に適用可能である。
・上記実施形態の連続波は、複素信号として取り扱われることに限定されず、種々の方式が採用可能である。
・上記実施形態の連続波は、それぞれのfk(p)の周波数帯域が重なり合わなければ、無変調波に限らず、種々の変調が施された信号としてもよい。
・上記実施形態の連続波は、それぞれのfk(p)の周波数帯域が重なり合わなければ、無変調波に限らず、種々の変調が施された信号としてもよい。
・上記実施形態の連続波は、送信の開始から終了まで全て連続する信号である必要はなく、適宜中断される信号でもよい。
・上記実施形態の端末2の信号処理部18は、通信装置1と既知の方法で信号処理を実施してもよい。これにより、例えば中継器が伝搬距離測定用の信号を通信装置1へ直接送信することで伝搬距離d(伝搬時間t0)を偽装するという手法を防止することができる。
・上記実施形態の端末2の信号処理部18は、通信装置1と既知の方法で信号処理を実施してもよい。これにより、例えば中継器が伝搬距離測定用の信号を通信装置1へ直接送信することで伝搬距離d(伝搬時間t0)を偽装するという手法を防止することができる。
・上記実施形態の伝搬距離推定装置3は、伝搬距離dを推定する装置に限定されず、例えば伝搬時間t0を推定する装置でもよい。
1…通信装置、2…端末、3…伝搬距離推定装置、4…発振器、5…実数取出部、6…加算器、7…D/Aコンバータ、8…局部発振器、9…ミキサ、10…バンドパスフィルタ、11…送信アンテナ、12…受信アンテナ、13…バンドパスフィルタ、14…局部発振器、15…ミキサ、16…ローパスフィルタ、17…A/Dコンバータ、18…信号処理部、19…D/Aコンバータ、20…局部発振器、21…ミキサ、22…バンドパスフィルタ、23…送信アンテナ、24…受信アンテナ、25,30…バンドパスフィルタ、26…局部発振器、27,32…ミキサ、28,33…ローパスフィルタ、29,34…A/Dコンバータ、35…複素化部、40…相関演算部、41…距離推定部、50…切替部、51…第1スイッチ、52…第2スイッチ、53…接続線、54…指示線。
Claims (4)
- 互いに異なる周波数の複数の連続波を通信装置において合成し、これを測距信号として前記通信装置から端末に送信し、当該測距信号を前記端末から前記通信装置に返信させ、当該測距信号の伝搬距離を推定する伝搬距離推定装置において、
前記端末は、前記測距信号を受信する受信アンテナと、受信した前記測距信号をフィルタリングする受信フィルタと、前記受信フィルタがフィルタリングした信号をA/D変換するA/Dコンバータと、前記A/DコンバータがA/D変換した信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部が処理した信号をD/A変換するD/Aコンバータと、前記D/AコンバータがD/A変換した信号をフィルタリングする送信フィルタと、前記送信フィルタがフィルタリングした信号を送信する送信アンテナと、前記受信アンテナが受信した信号を前記受信フィルタに出力するとともに、前記送信フィルタが出力した信号を前記送信アンテナから送信する第1状態と、前記送信フィルタが出力した信号を前記受信フィルタに入力する第2状態と、を切り替える切替部と、を備え、
前記信号処理部は、校正を行う際には、前記切替部を前記第2状態に切り替えることで、前記信号処理部から出力した信号を、前記端末内を通過させた上で前記信号処理部に入力させて、出力した信号と入力した信号とを比較することで補正値を算出し、伝搬距離を推定する測距通信を行う際には、前記切替部を前記第1状態に切り替えて、前記補正値を前記通信装置に送信するとともに、前記通信装置から送信された前記測距信号を返信し、
前記通信装置は、前記端末から送信された前記補正値によって、前記端末から送信された前記測距信号を補正する
伝搬距離推定装置。 - 前記第1状態は、前記受信アンテナと前記受信フィルタとが接続されるとともに、前記送信アンテナと前記送信フィルタとが接続された状態であって、
前記第2状態は、前記受信フィルタと前記送信フィルタとが接続された状態である
請求項1に記載の伝搬距離推定装置。 - 前記切替部は、前記受信フィルタに対して接続される前記受信アンテナと前記送信フィルタとを切り替える第1スイッチと、前記送信フィルタに対して接続される前記送信アンテナと前記受信アンテナとを切り替える第2スイッチと、を備える
請求項2に記載の伝搬距離推定装置。 - 前記切替部は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを接続する接続線を備え、
前記第1スイッチは、前記受信フィルタと前記送信フィルタとを接続する際に、前記受信フィルタと前記接続線とを接続し、
前記第2スイッチは、前記受信フィルタと前記送信フィルタとを接続する際に、前記接続線と前記送信フィルタとを接続する
請求項3に記載の伝搬距離推定装置。
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JP2017095795A JP2018194328A (ja) | 2017-05-12 | 2017-05-12 | 伝搬距離推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2017
- 2017-05-12 JP JP2017095795A patent/JP2018194328A/ja active Pending
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