JP2018189841A - 黒体板および赤外放射測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い黒体輻射率を有する黒体板を提供する。【解決手段】平坦な板面を備えた基板10と、基板10の板面に対してそれぞれの溝中心線が垂直をなすように、かつ、板面に隙間なく並列するように設けられた複数のV溝部20と、複数のV溝部20のそれぞれの溝底部に設けられた複数の延長溝底部30とを有し、複数の延長溝底部30のそれぞれは、複数のV溝部20のそれぞれと連通すると共に、溝中心線に交差する方向に向かって曲がった形状を呈している黒体板。【選択図】図1

Description

本発明は、黒体板、および、黒体板を有する赤外放射測定装置に関する。
黒体板は、例えば、気候変動観測衛星(Global Change Observation Mission-Climate衛星:GCOM−C衛星)に搭載される多波長光学放射計(Second generation GLobal Imager:SGLI)等の赤外放射測定装置に内蔵される黒体放射源として用いられる。黒体板は、黒体炉等の黒体放射源に比べ、小型、薄型、軽量であるため、赤外放射測定装置の小型化、薄型化、軽量化に有用である。
ところで、黒体板をも含め、黒体放射源には、高い黒体輻射率が要求される。黒体板において、高い黒体輻射率を得るための技術としては、例えば、黒体板の板面に、断面がV字状の溝(以後、V溝とも呼ぶ)を形成する技術がある。
黒体輻射率や赤外線放射率の向上に関連した技術は、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
特開2015−063116号公報 特開2016−038041号公報 特開2009−104973号公報
前述したごとく、黒体板の板面にV溝を形成することにより、黒体輻射率の向上が期待できるが、改善の余地がある。これは、V溝の最底部、換言すれば、V溝の頂点部に、R形状が存在するからである。このR形状の存在とは即ち、黒体板への赤外線の入射方向に垂直な反射面が存在することである。この反射面により、入射した赤外線が反射される結果、黒体輻射率が低下する。
尚、V溝を切削工具を用いて形成する場合、R形状をできるだけ存在させないようにすべく、加工精度を上げる策が考えられる。しかし、加工精度を上げるべく、例えば、切削工具の高精度化を図ったり、切削工具を頻繁に交換するようにした場合、コスト面で不利であるばかりか、現実上、R形状を無くすことはできないと考えられる。
あるいは、V溝の一方の溝壁面を含む部分と、他方の溝壁面を含む部分とを、別部品としてそれぞれ作成した後に、両者を接合し、R形状を存在させない製造方法が考えられる。しかし、完成した黒体板が複数の部品が接合された構造であるため、面内温度分布の均一性が損なわれる虞がある。
本発明の目的は、上記課題を解決するための技術を提供することにあり、高い黒体輻射率を有する黒体板を提供することである。
本発明の他の目的は、上記のような黒体板を有する赤外放射測定装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、平坦な板面を備えた基板と、前記基板の前記板面に対してそれぞれの溝中心線が垂直をなすように、かつ、該板面に隙間なく並列するように設けられた複数のV溝部と、前記複数のV溝部のそれぞれの溝底部に設けられた複数の延長溝底部と、を有し、前記複数の延長溝底部のそれぞれは、前記複数のV溝部のそれぞれと連通すると共に、前記溝中心線に交差する方向に向かって曲がった形状を呈する、黒体板が得られる。
本発明の他の態様によれば、黒体放射源としての、前記黒体板と、赤外撮像器と、赤外撮像器の入射部に設けられ、測定対象を臨む赤外線経路と、前記黒体板を臨む赤外線経路とを切り替える赤外線経路切替部と、を有する、赤外放射測定装置が得られる。
本発明のさらに他の態様によれば、前記黒体板の製造方法であって、前記基板の前記板面に切削加工によって前記複数のV溝部を形成する工程と、前記複数のV溝部に対して切削加工によって前記複数の延長溝底部を形成する工程と、を有する、黒体板の製造方法が得られる。
本発明による黒体板は、高い黒体輻射率を有する。
本発明の第1の実施形態による黒体板の部分的な断面図である。 本発明の第2の実施形態による黒体板を示す図であり、(a)は平面図、(b)はX方向から見た側面図、(c)はY方向から見た側面図、(d)は部分2Dの部分的な側面図、(e)は部分2Eの部分的な側面図である。 関連技術による黒体板の部分的な断面図である。
本発明の実施形態による黒体板は、平坦な板面を備えた基板と、複数のV溝部と、複数の延長溝底部とを有している。
複数のV溝部は、基板の板面に対してそれぞれの溝中心線が垂直をなすように、かつ、板面に隙間なく並列するように設けられている。
複数の延長溝底部は、複数のV溝部のそれぞれの溝底部に設けられている。
複数の延長溝底部のそれぞれは、複数のV溝部のそれぞれと連通すると共に、溝中心線に交差する方向に向かって曲がった形状を呈している。
上記の構成により、本発明による黒体板は、高い黒体輻射率を有している。
以下、図面を参照して、本発明による黒体板ならびに黒体板を有する赤外放射測定装置のより具体的な実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
[黒体板]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による黒体板は、平坦な板面11を備えた単一の基板10と、複数のV溝部20(図1中、1本のみ図示)と、複数の延長溝底部30とを有している。尚、板面11には、後述するように隙間なく複数のV溝部20が形成されているため、黒体板の製造が完成した時点では、平坦な面として存在しないため、図中、破線で描いている。また、本発明において、平坦な面とは、凹凸が無い面というよりもむしろ、二次元方向に亘って曲がりなくストレートな面という意味である。
複数のV溝部20は、基板10の板面11に対してそれぞれの溝中心線z20が垂直をなすように、かつ、板面11に隙間なく、図中左右方向に、並列するように設けられている。尚、図中、複数のV溝部20はそれぞれ、図中、紙面に垂直な方向に延在している。したがって、本発明における溝中心線とは、V溝部の断面上の中心線を意味する。したがって、図1中、紙面に垂直な方向に亘って溝中心線が存在する。
複数の延長溝底部30は、複数のV溝部20のそれぞれの仮想的な溝底頂点vx20を含む溝底部に、設けられている。
複数の延長溝底部30のそれぞれは、複数のV溝部20のそれぞれと連通すると共に、溝中心線z20に交差する方向(図中、左下方向)に向かって曲がった形状を呈している。
このような構造により、本実施形態による黒体板は、高い黒体輻射率を有する。
複数のV溝部20のそれぞれは、溝中心線z20に平行な断面上、第1の傾斜面21と第2の傾斜面22とを含んでいる。第1の傾斜面21および第2の傾斜面22は、溝中心線z20に対して互いに同じ傾斜角度α21、α22をなしている。尚、本発明において、第1の傾斜面21および第2の傾斜面22はそれぞれ、溝中心線z20に対する傾斜角度α21、α22は、45度未満であればよい。傾斜角度が45度以上であると、パラボラ反射器と同様の反射作用をなしてしまい、黒体輻射率が低下してしまう。特に、傾斜角度が45度であると、コーナーリフレクタと同様の反射作用をなしてしまい、黒体輻射率が大幅に低下してしまう。赤外線の反射作用をなさないためには、傾斜角度が可及的小さいことが望ましい。ただし、例えばV溝部を切削加工によって形成する場合には、傾斜角度が切削工具の先端形状に依存するため、あまりに小さい傾斜角度は、製造の都合上、困難である。本例において、傾斜角度α21、α22はそれぞれ、30度である。
図1中、符号vx20は、V溝部20の仮想的な頂点を示している。また、符号rx21は、第1の傾斜面21の端部を示している。
複数の延長溝底部30のそれぞれは、溝中心線z20に平行な断面上、第2の傾斜面22の傾斜角度α22と同じ傾斜角度で第2の傾斜面22に連続する延長傾斜面31を含んでいる。
本例において、基板10は、金属、例えば、アルミニウム合金から成っている。本発明において、基板の材質は、アルミニウム合金に限らず、マグネシウム合金またはステンレススチール等であってもよいし、さらに、金属以外の材料であってもよい。
基板10のうちの少なくとも複数のV溝部20および複数の延長溝底部30の表面には、黒化処理または黒色塗装が施されている。本例において、基板10はアルミニウム合金製であるため、黒化処理として、黒色陽極酸化処理を施している。マグネシウム合金やステンレススチール製の基板の場合には、黒色塗装が施される。尚、アルミニウム合金製の基板の場合にも、黒色塗装が施されてもよい。
さて、図1から明らかなように、複数のV溝部20のそれぞれを規定する面、ならびに、複数の延長溝底部30のそれぞれを規定する面のうち、少なくとも溝開口部から前記溝中心線に沿って外部を臨む面は全て、溝中心線z20に平行な断面上、溝中心線z20に対して90度未満、好ましくは45度未満の傾斜角度をなしている。本例において、傾斜角度は30度である。このため、本黒体板の基板10の板面11に対して垂直に入射する赤外線が、入射方向に反射されることがない。
したがって、本実施形態による黒体板は、高い黒体輻射率を有する。
これに対し、図3を参照すると、比較例としての黒体板は、平坦な板面61を備えた基板60と、複数のV溝部70(図3中、1本のみ図示)とを有しているが、本発明による延長溝底部に相当する構造を有してない。複数のV溝部70は、基板60の板面61に対してそれぞれの溝中心線z70が垂直をなすように、かつ、板面61に隙間なく、図中左右方向に、並列するように設けられている。図3中、符号rx70は、V溝部70の頂点部を示している。頂点部rx70には、R形状が存在する。このため、この黒体板への赤外線の入射方向に垂直な反射面が存在する。この反射面により、入射した赤外線が反射される結果、黒体輻射率が低下する。
[黒体板の製造方法]
次に、第1の実施形態による黒体板の製造方法を、図1を援用的に参照して説明する。
まず、アルミニウム合金から成り、平坦な板面11を備えた単一の基板10を製造する。
次に、基板10の板面11に、切削加工によって複数のV溝部20を形成する。この切削加工においては、例えば、円錐状の切削刃を基板10の板面11に対して垂直に立てて用いる。
次に、複数のV溝部20に対して切削加工によって複数の延長溝底部30を形成する。この切削加工においては、例えば、円板状の切削刃を溝中心線z20に対して90度未満の傾斜角度に傾斜させて用いる。本例では特に、円板状の切削刃を第2の傾斜面22に沿わせて(溝中心線z20に対して30度の傾斜角度で)切削加工を行う。
次に、基板10のうちの少なくとも複数のV溝部20および複数の延長溝底部30の表面に、黒化処理または黒色塗装を施す。本例においては、基板10がアルミニウム合金製であるため、基板10全体に黒色陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理については既知のことであるため、説明を省略する。あるいは、基板10のうちの少なくとも複数のV溝部20および複数の延長溝底部30の表面に、黒色塗装を施してもよい。
以上のように製造された黒体板は、例えば、取付インターフェースとしてのベースプレート(図示せず)に、枠体(図示せず)と共に取り付けられ、さらに、赤外放射測定装置(図示せず)の所定の位置に搭載される。
[赤外放射測定装置]
本実施形態による赤外放射測定装置は、GCOM−C衛星に搭載されるSGLIである。
本赤外放射測定装置は、図1に示された黒体板と、赤外撮像器と、赤外線経路切替部とを有している。
赤外線経路切替部は、測定対象としての地上を臨む赤外線経路と、第1の黒体放射源としての深宇宙を臨む赤外線経路と、第2の黒体放射源としての黒体板を臨む赤外線経路とを切り替える。
本SGLIにおいては、観測精度向上のために、第1の黒体放射源としての深宇宙(約4K(ケルビン)の低温黒体)と、第2の黒体放射源としての黒体板(約300K(ケルビン)の常温黒体)とを用いて、人工衛星軌道上で2点較正を行う。第1の黒体放射源としての深宇宙は、非常に低い温度(約4K)で安定している。第2の黒体放射源としての黒体板は、SGLIに内蔵され、高精度な温度センサを用いて常温(約300K程度)に温度制御されている。
赤外線経路切替部は例えば740ms(ミリ秒)で一周する走査ミラーまたはチョッパーを備えており、赤外撮像器によって第1の黒体放射源および第2の黒体放射源を切り替えて撮像し、毎周較正を行う。
[第2の実施形態]
[黒体板]
本発明の第2の実施形態は、複数のV溝部および複数の延長溝底部を基板の板面に沿ったX方向およびY方向のそれぞれに有している点で、第1の実施形態と異なっている。このため、以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同一または同様な点については、必要に応じて第1の実施形態の説明および図面を援用的に参照することとする。
図2(a)〜(e)を参照すると、本発明の第2の実施形態による黒体板は、平坦な板面11を備えた単一の基板10と、複数のV溝部20と、複数の延長溝底部30と、ベースプレート50とを有している。尚、板面11は、黒体板の製造が完成した時点では、平坦な面として存在しないため、図2(d)および図2(e)中、破線で描いている。また、本発明において、平坦な面とは、二次元方向に亘って曲がりなくストレートな面という意味である。
基板10の板面11は、互いに直角をなすX方向およびY方向に延在している。尚、図中、Z方向は、基板10の厚さ方向もしくは後述する溝中心線z20と平行な方向を示している。
複数のV溝部20は、それぞれX方向に延在すると共に、所定の溝幅でY方向に隙間なく並列する第1の複数のV溝部20Aと、それぞれY方向に延在すると共に、第1の複数のV溝部20Aと同じ溝幅でX方向に隙間なく並列する第2の複数のV溝部20Bとを含んでいる。換言すれば、第2の実施形態による黒体板は、複数のピラミッド状の溝部を有している。
第1の複数の延長溝底部30Aは、第1の複数のV溝部20Aのそれぞれの仮想的な溝底頂点を含む溝底部に設けられている。第2の複数の延長溝底部30Bは、第2の複数のV溝部20Bのそれぞれの仮想的な溝底頂点を含む溝底部に設けられている。
第1の複数の延長溝底部30Aのそれぞれは、第1の複数のV溝部20Aのそれぞれと連通すると共に、溝中心線z20に交差する方向(Y方向およびZ方向)に向かって曲がった形状を呈している。第2の複数の延長溝底部30Bのそれぞれは、第2の複数のV溝部20Bのそれぞれと連通すると共に、溝中心線z20に交差する方向(X方向およびZ方向)に向かって曲がった形状を呈している。
このような構造により、本実施形態による黒体板は、高い黒体輻射率を有する。
第1の複数のV溝部20A、第2の複数のV溝部20Bの各V溝部は、溝中心線z20に平行な断面上、第1の傾斜面21と第2の傾斜面22とを含んでいる。第1の傾斜面21および第2の傾斜面22は、溝中心線z20に対して互いに同じ傾斜角度をなしている。尚、本発明において、第1の傾斜面21および第2の傾斜面22はそれぞれ、溝中心線z20に対する傾斜角度は45度未満であればよい。赤外線の反射作用をなさないためには、傾斜角度が可及的小さいことが望ましい。ただし、例えばV溝部を切削加工によって形成する場合には、傾斜角度が切削工具の先端形状に依存するため、あまりに小さい傾斜角度は、製造の都合上、困難である。本例において、各傾斜角度は、30度である。
第1の複数の延長溝底部30A、第2の複数の延長溝底部30Bの各延長溝底部は、溝中心線z20に平行な断面上、第2の傾斜面22の傾斜角度と同じ傾斜角度で第2の傾斜面22に連続する延長傾斜面を含んでいる。
基板10は、第1の実施形態と同様に、金属、例えば、アルミニウム合金から成っている。本発明において、基板の材質は、アルミニウム合金に限らず、マグネシウム合金またはステンレススチール等であってもよいし、さらに、金属以外の材料であってもよい。
基板10のうちの少なくとも、第1の複数のV溝部20A、第2の複数のV溝部20Bならびに第1の複数の延長溝底部30A、第2の複数の延長溝底部30Bの表面には、黒化処理または黒色塗装が施されている。本例において、基板10はアルミニウム合金製であるため、黒化処理として、黒色陽極酸化処理を施している。マグネシウム合金やステンレススチール製の基板の場合には、黒色塗装が施される。尚、アルミニウム合金製の基板の場合にも、黒色塗装が施されてもよい。
さて、第1の実施形態と同様に、第1の複数のV溝部20A、第2の複数のV溝部20Bの各V溝部を規定する面、ならびに、第1の複数の延長溝底部30A、第2の複数の延長溝底部30Bの各延長溝底部を規定する面のうち、少なくとも溝開口部から前記溝中心線に沿って外部を臨む面は全て、溝中心線z20に平行な断面上、溝中心線z20に対して90度未満、好ましくは45度未満の傾斜角度をなしている。本例において、傾斜角度は30度である。このため、本黒体板の基板10の板面11に対して垂直に入射する赤外線が、入射方向に反射されることがない。
したがって、本実施形態による黒体板も、高い黒体輻射率を有する。第2の実施形態の黒体板は、V溝部および延長溝底部を二次元方向に有しているため、第1の実施形態の黒体板よりも高い黒体輻射率を有する。特に、第2の実施形態の黒体板は、走査ミラー等の赤外線経路切替部と組み合わせて用いる場合に、有用である。
[黒体板の製造方法]
次に、第2の実施形態による黒体板の製造方法を、図2を援用的に参照して説明する。
まず、アルミニウム合金から成り、平坦な板面11を備えた単一の基板10を製造する。
次に、基板10の板面11に、切削加工によって第1の複数のV溝部20Aを形成する。この切削加工においては、例えば、円錐状の切削刃を基板10の板面11に対して垂直に立てて用いる。
続いて、基板10の板面11に、切削加工によって第2の複数のV溝部20Bを形成する。この切削加工においても、例えば、円錐状の切削刃を基板10の板面11に対して垂直に立てて用いる。
次に、第1の複数のV溝部20Aに対して切削加工によって第1の複数の延長溝底部30Aを形成する。この切削加工においては、例えば、円板状の切削刃を溝中心線z20に対して90度未満の傾斜角度に傾斜させて用いる。本例では特に、円板状の切削刃を第2の傾斜面22に沿わせて(溝中心線z20に対して30度の傾斜角度で)切削加工を行う。
続いて、第2の複数のV溝部20Bに対して切削加工によって第2の複数の延長溝底部30Bを形成する。この切削加工においても、円板状の切削刃を第2の傾斜面22に沿わせて(溝中心線z20に対して30度の傾斜角度で)切削加工を行う。
次に、基板10のうちの少なくとも第1の複数のV溝部20A、第2の複数のV溝部20Bならびに第1の複数の延長溝底部30A、第2の複数の延長溝底部30Bの表面に、黒化処理または黒色塗装を施す。本例においては、基板10がアルミニウム合金製であるため、基板10全体に黒色陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理については既知のことであるため、説明を省略する。あるいは、基板10のうちの少なくとも第1の複数のV溝部20A、第2の複数のV溝部20Bならびに第1の複数の延長溝底部30A、第2の複数の延長溝底部30Bの表面に、黒色塗装を施してもよい。
以上のように製造された黒体板は、例えば、取付インターフェースとしてのベースプレート50に、枠体(図示せず)と共に取り付けられ、さらに、赤外放射測定装置(図示せず)の所定の位置に搭載される。
[赤外放射測定装置]
本実施形態による赤外放射測定装置は、第1の実施形態と同様に、GCOM−C衛星に搭載されるSGLIである。
本赤外放射測定装置は、図2に示された黒体板と、赤外撮像器と、赤外線経路切替部とを有している。
赤外線経路切替部は、測定対象としての地上を臨む赤外線経路と、第1の黒体放射源としての深宇宙を臨む赤外線経路と、第2の黒体放射源としての黒体板を臨む赤外線経路とを切り替える。
本SGLIにおいては、観測精度向上のために、第1の黒体放射源としての深宇宙(約4Kの低温黒体)と、第2の黒体放射源としての黒体板(約300K(ケルビン)の常温黒体)とを用いて、人工衛星軌道上で2点較正を行う。第1の黒体放射源としての深宇宙は、非常に低い温度(約4K(ケルビン))で安定している。第2の黒体放射源としての黒体板は、SGLIに内蔵され、高精度な温度センサを用いて常温(約300K程度)に温度制御されている。
赤外線経路切替部は例えば740ms(ミリ秒)で一周する走査ミラーまたはチョッパーを備えており、赤外撮像器によって第1の黒体放射源および第2の黒体放射源を切り替えて撮像し、毎周較正を行う。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1) 平坦な板面を備えた基板と、前記基板の前記板面に対してそれぞれの溝中心線が垂直をなすように、かつ、該板面に隙間なく並列するように設けられた複数のV溝部と、前記複数のV溝部のそれぞれの溝底部に設けられた複数の延長溝底部と、を有し、前記複数の延長溝底部のそれぞれは、前記複数のV溝部のそれぞれと連通すると共に、前記溝中心線に交差する方向に向かって曲がった形状を呈する、黒体板。
(付記2) 前記複数のV溝部のそれぞれは、前記溝中心線に平行な断面上、第1の傾斜面と第2の傾斜面とを含み、前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面は、前記溝中心線に対して互いに同じ傾斜角度をなし、前記複数の延長溝底部のそれぞれは、前記溝中心線に平行な断面上、前記第2の傾斜面と同じ傾斜角度で該第2の傾斜面に連続する面を含む、付記1に記載の黒体板。
(付記3) 前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面はそれぞれ、前記溝中心線に対して45度未満の傾斜角度をなす、付記2に記載の黒体板。
(付記4) 前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面はそれぞれ、前記溝中心線に対して30度の傾斜角度をなす、付記3に記載の黒体板。
(付記5) 前記基板の前記板面は、互いに直角をなすX方向およびY方向に延在しており、前記複数のV溝部は、それぞれ前記X方向に延在すると共に、所定の溝幅で前記Y方向に並列する第1の複数のV溝部と、それぞれ前記Y方向に延在すると共に、前記所定の溝幅で前記X方向に並列する第2の複数のV溝部と、を含む、付記1〜4のいずれか一項に記載の黒体板。
(付記6) 前記基板は、金属から成る、付記1〜5のいずれか一項に記載の黒体板。
(付記7) 前記基板は、アルミニウム合金、マグネシウム合金またはステンレススチールから成る、付記6に記載の黒体板。
(付記8) 前記基板のうちの少なくとも前記複数のV溝部および前記複数の延長溝底部の表面に、黒化処理または黒色塗装が施されている、付記1〜7のいずれか一項に記載の黒体板。
(付記9) 黒体放射源としての、付記1〜8のいずれか一項に記載の黒体板と、赤外撮像器と、赤外撮像器の入射部に設けられ、測定対象を臨む赤外線経路と、前記黒体板を臨む赤外線経路とを切り替える赤外線経路切替部と、を有する、赤外放射測定装置。
(付記10) 付記1〜8のいずれか一項に記載の黒体板の製造方法であって、前記基板の前記板面に切削加工によって前記複数のV溝部を形成する工程と、前記複数のV溝部に対して切削加工によって前記複数の延長溝底部を形成する工程と、を有する、黒体板の製造方法。
(付記11) 前記複数のV溝部のそれぞれを規定する面、ならびに、前記複数の延長溝底部のそれぞれを規定する面のうち、少なくとも溝開口部から前記溝中心線に沿って外部を臨む面は全て、前記溝中心線に平行な断面上、該溝中心線に対して90度未満の傾斜角度をなす、付記1〜8のいずれか一項に記載の黒体板。
(付記12) 前記複数のV溝部のそれぞれを規定する面、ならびに、前記複数の延長溝底部のそれぞれを規定する面のうち、少なくとも溝開口部から前記溝中心線に沿って外部を臨む面は全て、前記溝中心線に平行な断面上、該溝中心線に対して45度未満の傾斜角度をなす、付記11に記載の黒体板。
(付記13) 前記複数のV溝部のそれぞれを規定する面、ならびに、前記複数の延長溝底部のそれぞれを規定する面のうち、少なくとも溝開口部から前記溝中心線に沿って外部を臨む面は全て、前記溝中心線に平行な断面上、該溝中心線に対して30度の傾斜角度をなす、付記12に記載の黒体板。
(付記14) 飛翔体に搭載される赤外放射測定装置であって、前記赤外線経路切替部は、測定対象としての地上を臨む赤外線経路と、第1の黒体放射源としての深宇宙を臨む赤外線経路と、第2の黒体放射源としての前記黒体板を臨む赤外線経路とを切り替える、付記9に記載の赤外放射測定装置。
(付記15) 前記複数のV溝部を形成する工程においては、円錐状の切削刃を前記基板の前記板面に対して垂直に立てて切削加工を行い、前記複数の延長溝底部においては、円板状の切削刃を前記溝中心線に対して90度未満の傾斜角度に傾斜させて切削加工を行う、付記10に記載の黒体板の製造方法。
10 基板
11 板面
20、20A、20B V溝部
21 第1の傾斜面
22 第2の傾斜面
30、30A、30B 延長溝底部
31 延長傾斜面
50 ベースプレート

Claims (10)

  1. 平坦な板面を備えた基板と、
    前記基板の前記板面に対してそれぞれの溝中心線が垂直をなすように、かつ、該板面に隙間なく並列するように設けられた複数のV溝部と、
    前記複数のV溝部のそれぞれの溝底部に設けられた複数の延長溝底部と、を有し、
    前記複数の延長溝底部のそれぞれは、前記複数のV溝部のそれぞれと連通すると共に、前記溝中心線に交差する方向に向かって曲がった形状を呈する、黒体板。
  2. 前記複数のV溝部のそれぞれは、前記溝中心線に平行な断面上、第1の傾斜面と第2の傾斜面とを含み、
    前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面は、前記溝中心線に対して互いに同じ傾斜角度をなし、
    前記複数の延長溝底部のそれぞれは、前記溝中心線に平行な断面上、前記第2の傾斜面と同じ傾斜角度で該第2の傾斜面に連続する面を含む、請求項1に記載の黒体板。
  3. 前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面はそれぞれ、前記溝中心線に対して45度未満の傾斜角度をなす、請求項2に記載の黒体板。
  4. 前記第1の傾斜面および前記第2の傾斜面はそれぞれ、前記溝中心線に対して30度の傾斜角度をなす、請求項3に記載の黒体板。
  5. 前記基板の前記板面は、互いに直角をなすX方向およびY方向に延在しており、
    前記複数のV溝部は、
    それぞれ前記X方向に延在すると共に、所定の溝幅で前記Y方向に並列する第1の複数のV溝部と、
    それぞれ前記Y方向に延在すると共に、前記所定の溝幅で前記X方向に並列する第2の複数のV溝部と、を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の黒体板。
  6. 前記基板は、金属から成る、請求項1〜5のいずれか一項に記載の黒体板。
  7. 前記基板は、アルミニウム合金、マグネシウム合金またはステンレススチールから成る、請求項6に記載の黒体板。
  8. 前記基板のうちの少なくとも前記複数のV溝部および前記複数の延長溝底部の表面に、黒化処理または黒色塗装が施されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の黒体板。
  9. 黒体放射源としての、請求項1〜8のいずれか一項に記載の黒体板と、
    赤外撮像器と、
    赤外撮像器の入射部に設けられ、測定対象を臨む赤外線経路と、前記黒体板を臨む赤外線経路とを切り替える赤外線経路切替部と、を有する、赤外放射測定装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の黒体板の製造方法であって、
    前記基板の前記板面に切削加工によって前記複数のV溝部を形成する工程と、
    前記複数のV溝部に対して切削加工によって前記複数の延長溝底部を形成する工程と、を有する、黒体板の製造方法。
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