JP2018189193A - 動力伝達装置 - Google Patents

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青木 敏彦
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敏彦 青木
大樹 須山
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大樹 須山
広明 三治
Hiroaki Mitsuharu
広明 三治
光広 市岡
Mitsuhiro ICHIOKA
光広 市岡
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Abstract

【課題】装置全体の軸方向の大型化を抑制しつつ、ピニオン軸の内部の油路に対して適切に油を供給することが可能な動力伝達装置を実現する。【解決手段】遊星歯車機構3は、ピニオンギヤP3をピニオン軸32を介して回転自在に支持するキャリヤC3を備え、差動歯車機構5は、キャリヤC3と一体的に設けられた差動ケースD5を備える。ピニオン軸32の内部に第2側L2に開口部31を有する軸内油路30が形成され、差動ケースD5に、差動ケースD5の内部空間50と軸内油路30の開口部31とを連通する連通油路57が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、遊星歯車機構と、遊星歯車機構と同軸配置される傘歯車式の差動歯車機構と、を備えた動力伝達装置に関する。
上記のような動力伝達装置の一例が、特開2007−120519号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の図2及び図5に示されているように、特許文献1の動力伝達装置は、遊星歯車機構である遊星歯車式減速機構(24)と、遊星歯車式減速機構(24)と同軸配置される傘歯車式の差動歯車機構である差動装置(26)と、を備えている。この動力伝達装置は、遊星歯車式減速機構(24)により減速された電動機(14)の回転を、差動装置(26)が一対の車軸(20A,20B)に分配して出力するように構成されている。なお、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
特許文献1の動力伝達装置では、遊星歯車式減速機構(24)のプラネタリキャリア(44)が、差動装置(26)のデファレンシャルケース(58)と一体的に形成されている。そして、遊星歯車式減速機構(24)のプラネタリピニオン部へ十分な量の潤滑油を供給するために、プラネタリキャリア(44)の軸方向において差動装置(26)とは反対側の端部に、環状のオイルキャッチプレート(150)が取り付けられている。具体的には、特許文献1の段落0068−0079に記載されているように、ピニオンギヤ(42)を回転自在に支持するピニオンシャフト(43)が軸心穴(45)を有しており、軸心穴(45)に供給された潤滑油が、ピニオンシャフト(43)の表面、ニードルベアリング(47)、及びスラストワッシャ(172,174)に供給され、これらを潤滑する。そして、オイルキャッチプレート(150)は、径方向内側から供給される潤滑油を受け取って、ピニオンシャフト(43)の軸心穴(45)に案内するように構成されている。これにより、十分な量の潤滑油をピニオンシャフト(43)に供給することを可能として、ピニオンシャフト(43)、ニードルベアリング(47)、及びスラストワッシャ(172,174)の耐久性の向上を図っている。
特開2007−120519号公報
しかしながら、特許文献1の動力伝達装置では、キャリヤの軸方向端面から軸方向に突出するように環状のオイルキャッチプレートが取り付けられるため、このようなオイルキャッチプレートが取り付けられない場合に比べて、動力伝達装置が軸方向に大型化しやすい。
そこで、装置全体の軸方向の大型化を抑制しつつ、ピニオン軸の内部の油路に対して適切に油を供給することが可能な動力伝達装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた軸方向の一方側である第1側から順に、遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構と同軸配置される傘歯車式の差動歯車機構と、を備えた動力伝達装置の特徴構成は、前記遊星歯車機構は、ピニオンギヤをピニオン軸を介して回転自在に支持するキャリヤを備え、前記差動歯車機構は、前記キャリヤと一体的に設けられた差動ケースと、前記差動歯車機構を基準とする径方向に沿う向きで前記差動ケースに保持された軸部材と、前記差動ケースの内部において前記軸部材の軸心周りに回転自在に支持された第1傘歯車と、前記差動ケースの内部において前記軸部材に対して前記軸方向の両側に分かれて配置されて前記第1傘歯車にそれぞれ噛み合う一対の第2傘歯車と、を備え、前記ピニオン軸の内部に、前記軸方向における前記第1側とは反対側である第2側に開口部を有する軸内油路が形成され、前記差動ケースに、前記差動ケースの内部空間と前記軸内油路の前記開口部とを連通する連通油路が形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、第1傘歯車や第2傘歯車等の潤滑のために差動ケースの内部空間に供給された油を、連通油路を介して、ピニオン軸の内部に形成された軸内油路に供給することができる。そして、このように軸内油路への油の供給を可能とする連通油路は、ピニオン軸を支持するキャリヤと一体的に設けられる差動ケースに形成される。すなわち、差動ケースがキャリヤと一体的に設けられる構成では、これらが一体化した全体構造に、ピニオン軸を支持する部分と差動ケースの内部空間を区画する部分とを接続する接続部分が含まれる。上記の特徴構成によれば、このような接続部分を有効に利用して、連通油路を形成することができる。よって、軸内油路に対して油を供給するための専用の部材がキャリヤの軸方向端面に取り付けられる場合に比べて、装置全体の軸方向の大型化を抑制することができる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、装置全体の軸方向の大型化を抑制しつつ、ピニオン軸の内部の油路に対して適切に油を供給することが可能な動力伝達装置を実現することができる。
動力伝達装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
実施形態に係る動力伝達装置の軸方向断面図 実施形態に係る動力伝達装置のスケルトン図 実施形態に係る連結部材の斜視図 図1の一部拡大図
以下、動力伝達装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、動力伝達装置100の軸方向断面図であり、図2は、動力伝達装置100のスケルトン図である。本実施形態では、動力伝達装置100は、車両に搭載されて車輪300を駆動する車両用駆動装置であり、車輪300の駆動力源と車輪300との間で動力の伝達を行う。すなわち、動力伝達装置100は、例えば内燃機関及び回転電機を車輪300の駆動力源とするハイブリッド自動車や、回転電機を車輪300の駆動力源とする電気自動車に搭載される駆動装置である。図1及び図2に示すように、動力伝達装置100は、2つの車輪300(第1車輪301及び第2車輪302)の駆動力源として回転電機2のみを備えている。2輪駆動の4輪車の場合には、これによって電気自動車が実現できる。また、4輪駆動の4輪車の場合に、他の2輪を内燃機関の駆動力によって駆動することでハイブリッド車両が実現できる。当然ながら、4輪駆動の4輪車の場合に、本実施形態の動力伝達装置100を他の2輪にも適用することで、4輪駆動の電気自動車を実現することもできる。
以下の説明において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。尚、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等が含まれていてもよい。但し、下記において説明する遊星歯車機構及び差動歯車機構(一次減速装置3、差動歯車装置5、第1出力減速装置71、及び第2出力減速装置72)において、各回転要素について「駆動連結」という場合には、当該装置が備える3つ以上の回転要素に関して互いに他の回転要素を介することなく駆動連結されている状態を指すものとする。
動力伝達装置100は、回転電機2と、それぞれの車輪300に駆動連結される出力部材9(第1出力部材91及び第2出力部材92)と、回転電機2の回転を減速する一次減速装置3と、一次減速装置3の出力回転を2つの出力部材9に分配する差動歯車装置5と、を備えている。本実施形態では、動力伝達装置100は、差動歯車装置5によって第1出力部材91の側に分配された回転を減速して第1出力部材91に伝達する第1出力減速装置71と、差動歯車装置5によって第2出力部材92の側に分配された回転を減速して第2出力部材92に伝達する第2出力減速装置72と、を備えている。このように差動歯車装置5よりも出力部材9の側で回転速度を低下させ、トルクを上昇させることにより、後述する連結軸6(特に回転電機2のロータ21を貫通する第1連結軸61)に掛かるトルクの上昇を防ぎ、回転電機2の径が大径化することを抑制することができる。本実施形態では、一次減速装置が「遊星歯車機構」に相当し、差動歯車装置5が「傘歯車式の差動歯車機構」に相当する。
ところで、一般的には、回転電機2は、低回転速度・高トルク型のものに比べて、高回転速度・低トルク型のものの方が小型である。従って、動力伝達装置100が、回転電機2の側から伝達される回転を減速する減速機構として、一次減速装置3に加えて第1出力減速装置71及び第2出力減速装置72を備えることによって、より高い変速比を実現することで、回転電機2を小型化することが可能である。
回転電機2、一次減速装置3、差動歯車装置5、第1出力減速装置71、第2出力減速装置72、及び出力部材9は、ケース1の内部に収容されている。ケース1は、有底筒状のケース本体13と、ケース本体13の底部16とは反対側の開口部を塞ぐ本体カバー14と、底部16の外側で底部16を覆う底部カバー15と、ケース本体13の開口部の近傍で開口部を塞ぐように設けられた内部隔壁17(内壁)とを有している。図1に示すように、回転電機2及び一次減速装置3は、筒状のケース本体13の内部空間に配置され、差動歯車装置5、第2出力減速装置72、及び第2出力部材92は、本体カバー14と内部隔壁17とによって形成される内部空間に配置され、第1出力減速装置71及び第1出力部材91は、底部カバー15と底部16とによって形成される内部空間に配置されている。
上述したように、回転電機2は、車輪300の駆動力源である。回転電機2は、ロータコア22の内部に永久磁石23を備えたロータ21と、ステータコア25にステータコイル26が巻き回されたステータ24とを備えた永久磁石型回転電機である。ロータコア22の径方向内側で、回転軸27がロータコア22に固定され、ロータ21と回転軸27とが一体回転する。回転軸27は、回転電機2の回転軸27に沿った方向(後述する軸方向L)の異なる2箇所において、それぞれ軸受(第1ロータ軸受83、第2ロータ軸受84)を介して回転自在にケース1に支持されている。なお、ここでは、回転電機2として永久磁石型回転電機を例示したが、回転電機2は例えば誘導型回転電機など他の方式の回転電機であってもよい。
動力伝達装置100は、軸方向Lの一方側である第1側L1から順に、一次減速装置3と、一次減速装置3と同軸配置される差動歯車装置5と、を備えている。軸方向Lは、一次減速装置3を基準とする軸方向であると共に、差動歯車装置5を基準とする軸方向でもある。以下では、軸方向Lにおける第1側L1とは反対側を第2側L2という。本実施形態では、回転電機2、第1出力減速装置71、第2出力減速装置72、及び2つの出力部材9も、一次減速装置3と同軸配置されている。回転電機2は、一次減速装置3よりも第1側L1に配置され、第1出力減速装置71及び第1出力部材91は、回転電機2よりも第1側L1に配置されている。また、第2出力減速装置72及び第2出力部材92は、差動歯車装置5よりも第2側L2に配置されている。上述した回転電機2の回転軸27は、ロータコア22よりも第1側L1において第1ロータ軸受83を介してケース1の底部16に支持され、ロータコア22よりも第2側L2において第2ロータ軸受84を介してケース1の内部隔壁17に支持されている。
一次減速装置3は、遊星歯車式の歯車機構である。一次減速装置3は、動力伝達経路における回転電機2と差動歯車装置5との間に配置されている。本実施形態では、一次減速装置3は、回転電機2の回転を減速して(回転電機2のトルクを増幅して)差動歯車装置5に伝達する。一次減速装置3は、サンギヤS3、キャリヤC3、及びリングギヤR3を備えたシングルピニオン型遊星歯車機構である。サンギヤS3は、一次減速装置3の入力要素であり、回転電機2に駆動連結されている。具体的には、サンギヤS3は、回転電機2の回転軸27と一体回転するように連結されている。リングギヤR3は、非回転部材であるケース1(ここでは、内部隔壁17)に固定されている。キャリヤC3は、一次減速装置3の出力要素であり、軸受(第1入力軸受88)を介してケース1(ここでは、内部隔壁17)に回転自在に支持されている。
図4に示すように、キャリヤC3は、ピニオンギヤP3をピニオン軸32を介して回転自在に支持している。ピニオン軸32は、軸方向Lの両端部がキャリヤC3に形成された孔部に挿入された状態で、キャリヤC3によって軸方向Lの両側から支持されている。ピニオン軸32は、ピン33によって、上記孔部に対する回転(ピニオン軸32の軸心周りの回転)が規制された状態で抜け止め固定されている。そして、ピニオン軸32は、ピニオンギヤP3を軸方向Lに貫通するように配置された状態で、ピニオンギヤP3を回転自在に支持している。図示は省略するが、複数(例えば3つ或いは4つ等)のピニオン軸32が周方向(一次減速装置3を基準とする周方向)に沿って等間隔で配置され、ピニオン軸32のそれぞれが1つのピニオンギヤP3を回転自在に支持している。
差動歯車装置5は、傘歯車式の差動歯車機構である。差動歯車装置5は、動力伝達経路における一次減速装置3と、第1出力減速装置71及び第2出力減速装置72との間に配置され、回転電機2から一次減速装置3を介して伝達された駆動力を、第1出力減速装置71と第2出力減速装置72とに分配して(第1出力部材91と第2出力部材92とに分配して)出力する。差動歯車装置5は、入力要素としての差動ケースD5と、差動ケースD5に保持された軸部材F5と、差動ケースD5の内部において軸部材F5の軸心A周りに回転自在に支持された第1傘歯車P5と、分配出力要素としての一対の第2傘歯車B5とを備えている。軸部材F5は、差動歯車装置5を基準とする径方向(以下、「径方向R」という。)に沿う向きで、すなわち、当該軸部材F5の軸心Aに沿う方向が径方向Rに平行となる向きで配置されている。軸部材F5は、第1傘歯車P5を径方向Rに貫通するように配置された状態で、第1傘歯車P5を当該軸部材F5に対して回転自在に支持している。一対の第2傘歯車B5は、差動ケースD5の内部において軸部材F5に対して軸方向Lの両側に分かれて配置されて第1傘歯車P5にそれぞれ噛み合っている。
一対の第2傘歯車B5は、差動歯車装置5における分配後の回転要素である。回転電機2のトルクが一次減速装置3を介して差動ケースD5に入力されると、差動ケースD5の回転に伴い第1傘歯車P5が公転することで、一対の第2傘歯車B5が回転駆動される。この際、車両がカーブ路を走行すること等により第1車輪301と第2車輪302との間で回転抵抗に差が生じると、第1傘歯車P5が自転することで、一対の第2傘歯車B5が互いに異なる速度で回転する。以下、一対の第2傘歯車B5のうちの軸部材F5に対して第1側L1に配置される第2傘歯車B5を第1サイドギヤB51(第1分配出力要素)とし、一対の第2傘歯車B5のうちの軸部材F5に対して第2側L2に配置される第2傘歯車B5を第2サイドギヤB52(第2分配出力要素)とする。後述するように、第1サイドギヤB51は、第1出力減速装置71の入力要素である第1サンギヤS71に駆動連結され、第2サイドギヤB52は、第2出力減速装置72の入力要素である第2サンギヤS72に駆動連結されている。
図4に示すように、差動歯車装置5は、軸方向Lにおける差動ケースD5と第2傘歯車B5との間に配置される平板状の第1ワッシャ85と、径方向Rにおける差動ケースD5と第1傘歯車P5との間に配置される湾曲板状の第2ワッシャ86と、を備えている。第1ワッシャ85は、軸方向Lのスラスト荷重を受け、第2ワッシャ86は、軸部材F5の軸心Aに沿う方向(径方向R)の荷重を受ける。
本実施形態では、差動歯車装置5は、第1傘歯車P5を2つ備えている。このように2つの第1傘歯車P5が設けられる場合には、2つの第1傘歯車P5を、共通する1本の軸部材F5により回転自在に支持することも可能であるが、本実施形態では、2つの第1傘歯車P5に対応して2本の軸部材F5が設けられ、2本の軸部材F5のそれぞれが1つの第1傘歯車P5を回転自在に支持している。具体的には、軸部材F5のそれぞれは、軸心Aに沿う方向の一端(径方向Rの外側の端部)が差動ケースD5に形成された孔部に挿入された状態で、円柱状の固定部材56(ピン)によって、軸心A周りの回転が規制された状態で抜け止め固定されている。また、軸部材F5のそれぞれは、軸心Aに沿う方向の他端(径方向Rの内側の端部)が、連結部材4に形成された径方向Rの外側に開口する挿入孔41に挿入されており、これにより、2本の軸部材F5が連結部材4によって連結されている。本例では、図3の斜視図に示すように、連結部材4は、円柱状の部材であり、周壁43の2箇所、中心に対して対称となる位置に、それぞれの軸部材F5が嵌合する挿入孔41が形成されている。また、連結部材4には、底面の中心を軸方向Lに貫く貫通孔45が形成されている。具体的には、連結部材4は、後述する一対の連結軸6(第1連結軸61及び第2連結軸62)の向かい合う端部がそれぞれ嵌合する一対の嵌合凹部42を備えており、貫通孔45は、一対の嵌合凹部42の底面同士を互いに連通するように形成されている。この貫通孔45は、連結軸6の中心に形成される後述する供給油路60と連通する。
図4に示すように、差動ケースD5は、一次減速装置3の出力要素であるキャリヤC3と一体的に設けられている。すなわち、差動ケースD5は、キャリヤC3と一体的に形成され、或いはキャリヤC3と一体回転するように連結される。本実施形態では、差動ケースD5は、キャリヤC3と一体的に形成されている。差動ケースD5とキャリヤC3とは、例えば、鋳造(或いは、鋳造品の削り出し)による一体成形技術を用いて一体的に形成され、或いは、鍛造による一体成形技術を用いて一体的に形成される。差動ケースD5は、軸方向Lにおいて異なる2箇所に設けられた被支持部(第1被支持部58及び第2被支持部59)において回転自在に支持されている。第2被支持部59は、第1被支持部58よりも第2側L2(軸方向Lにおける第2出力減速装置72の側)に設けられている。一次減速装置3のキャリヤC3と一体的に形成された差動ケースD5は、一次減速装置3よりもさらに第1側L1(軸方向Lにおける回転電機2の側)に延伸しており、第1被支持部58は、一次減速装置3よりも第1側L1に設けられている。上述したように、一次減速装置3のキャリヤC3は、第1入力軸受88を介して内部隔壁17に回転自在に支持されている。従って、第1被支持部58は、軸方向Lにおける回転電機2と差動歯車装置5との間に配置されたケース1の内部隔壁17(内壁)によって第1入力軸受88を介して回転自在に支持されている。
図1に示すように、第2被支持部59は、第2出力減速装置72の出力要素(第2出力部材92に駆動連結される回転要素)である第2キャリヤC72によって、第2入力軸受89を介して回転自在に支持されている。後述するように、第2キャリヤC72と第2出力部材92とは一体回転するように連結されており、また、第2出力部材92は、第2出力軸受82を介してケース1に回転自在に支持されている。従って、差動ケースD5は、第2被支持部59において、第2入力軸受89、第2キャリヤC72、及び第2出力部材92を介して、ケース1に回転自在に支持される。このように、軸方向Lの異なる2箇所で、差動ケースD5はケース1に対して回転自在に支持されている。
差動歯車装置5は、回転電機2からの駆動力を第1出力部材91と第2出力部材92との2つの出力部材9に分配するが、第1サイドギヤB51と第1出力部材91との間の動力伝達経路には、遊星歯車式の差動歯車機構である第1出力減速装置71が設けられ、第2サイドギヤB52と第2出力部材92との間の動力伝達経路には、遊星歯車式の差動歯車機構である第2出力減速装置72が設けられている。本実施形態では、第1出力減速装置71は、第1サイドギヤB51の回転を減速して第1出力部材91に伝達し、第2出力減速装置72は、第2サイドギヤB52の回転を減速して第2出力部材92に伝達する。そして、第1出力減速装置71と第2出力減速装置72とは、減速比が互いに同一となるように構成されている。差動歯車装置5と、第1出力減速装置71及び第2出力減速装置72とは、一対の連結軸6を介して駆動連結されている。連結軸6は、軸方向Lに沿うように配置されており、その中心には供給油路60が形成されている。
差動歯車装置5と第1出力減速装置71とは、第1連結軸61を介して駆動連結され、差動歯車装置5と第2出力減速装置72とは、第2連結軸62を介して駆動連結されている。第1出力減速装置71と第2出力減速装置72とは、回転電機2、一次減速装置3、及び差動歯車装置5を挟んだ軸方向Lの両側に分かれて配置されている。具体的には、軸方向Lに沿って第1側L1から第2側L2へ向かって、第1出力減速装置71、回転電機2、一次減速装置3、差動歯車装置5、第2出力減速装置72の順に配置されている。差動歯車装置5と第2出力減速装置72とは軸方向Lで隣り合っているため、第2連結軸62を介して容易に駆動連結することができるが、軸方向Lにおける差動歯車装置5と第1出力減速装置71との間には、回転電機2及び一次減速装置3が存在する。このため、差動歯車装置5と第1出力減速装置71とを駆動連結する第1連結軸61は、回転電機2のロータ21の径方向内側を軸方向Lに貫通している。すなわち、本実施形態では、第1連結軸61が、一対の第2傘歯車B5のうちの第1側L1に配置された傘歯車(第1サイドギヤB51)に連結された「連結軸」に相当し、この第1連結軸61は、回転電機2を軸方向Lに貫通して回転電機2よりも第1側L1まで延びるように配置されている。
第1連結軸61は、軸方向Lにおける第1出力減速装置71と差動歯車装置5との間に軸方向Lに沿って配置され、第2連結軸62は、軸方向Lにおける差動歯車装置5と第2出力減速装置72との間に軸方向Lに沿って配置されている。また、差動歯車装置5の連結部材4を挟んで、第1連結軸61の第2側L2の端部と、第2連結軸62の第1側L1の端部とが、軸方向Lに対向している。具体的には、連結部材4に形成された第1側L1に開口する嵌合凹部42に、第1連結軸61の第2側L2の端部が嵌合し、連結部材4に形成された第2側L2に開口する嵌合凹部42に、第2連結軸62の第1側L1の端部が嵌合している。従って、第1連結軸61、連結部材4、及び第2連結軸62は、第1側L1に配置された第1出力減速装置71から、第2側L2に配置された第2出力減速装置72まで、軸方向Lに沿って連続して並んで配置されている。上述したように、一対の連結軸6(第1連結軸61及び第2連結軸62)の中心には供給油路60が形成されており、連結部材4には、供給油路60と連通する貫通孔45が形成されている。従って、供給油路60は、第1側L1に配置された第1出力減速装置71から、第2側L2に配置された第2出力減速装置72まで、軸方向Lに沿って連通している。
第1出力減速装置71は、第1サンギヤS71、第1キャリヤC71、及び第1リングギヤR71を備えたシングルピニオン型遊星歯車機構により構成されている。第1サイドギヤB51と第1出力部材91との間の動力伝達経路に設けられた第1出力減速装置71では、入力要素としての第1サンギヤS71が第1サイドギヤB51と一体回転するように連結され、第1リングギヤR71が非回転部材であるケース1に固定され、出力要素としての第1キャリヤC71が第1出力部材91と一体回転するように連結されている。より詳しくは、第1サイドギヤB51は、第1連結軸61と一体回転するように連結され、第1連結軸61と第1サンギヤS71とが一体回転するように連結されている。また、本実施形態では、第1連結軸61と第1サンギヤS71とは一体的に形成されている。第1側L1に配置されている第1出力減速装置71は、ケース本体13の底部16と底部カバー15とによって形成された空間内に収容されている。つまり、第1出力減速装置71は、径方向視で底部カバー15と重複する位置に配置されており、第1リングギヤR71は、底部カバー15に固定されている。なお、ここでの径方向は第1出力減速装置71を基準とする径方向であり、本実施形態では径方向Rと一致する。
第2出力減速装置72は、第2サンギヤS72、第2キャリヤC72、及び第2リングギヤR72を備えたシングルピニオン型遊星歯車機構により構成されている。第2サイドギヤB52と第2出力部材92との間の動力伝達経路に設けられた第2出力減速装置72では、入力要素としての第2サンギヤS72が第2サイドギヤB52と一体回転するように連結され、第2リングギヤR72が非回転部材であるケース1に固定され、出力要素としての第2キャリヤC72が第2出力部材92と一体回転するように連結されている。より詳しくは、第2サイドギヤB52は、第2連結軸62と一体回転するように連結され、第2連結軸62と第2サンギヤS72とが一体回転するように連結されている。また、本実施形態では、第2連結軸62と第2サンギヤS72とは一体的に形成されている。第2側L2に配置されている第2出力減速装置72は、本体カバー14とケース本体13の内部隔壁17とに囲まれた空間内に収容されている。つまり、第2出力減速装置72は、径方向視で本体カバー14と重複する位置に配置されており、第2リングギヤR72は、本体カバー14に固定されている。なお、ここでの径方向は第2出力減速装置72を基準とする径方向であり、本実施形態では径方向Rと一致する。
第1出力減速装置71の第1キャリヤC71には第1出力部材91が一体回転するように連結され、第2出力減速装置72の第2キャリヤC72には第2出力部材92が一体回転するように連結されている。本実施形態では、第1キャリヤC71と第1出力部材91とが一体的に形成され、第2キャリヤC72と第2出力部材92とが一体的に形成されている。出力部材9は、車輪300と一体回転するように連結されるドライブシャフト200に駆動連結される筒状部材である。第1出力部材91は、第1ドライブシャフト201を介して第1車輪301と一体回転するように連結され、第2出力部材92は、第2ドライブシャフト202を介して第2車輪302と一体回転するように連結される。
ケース1内には、第1側L1から第2側L2へ向かって軸方向Lに沿って、第1出力部材91、第1出力減速装置71、回転電機2、一次減速装置3、差動歯車装置5、第2出力減速装置72、及び第2出力部材92が、記載の順に並んで配置されている。ケース1の軸方向Lの両端部には、それぞれ出力軸受8を支持する一対の軸受支持部10が設けられている。第1出力部材91及び第2出力部材92は、一対の軸受支持部10のそれぞれによって、出力軸受8を介して回転自在に支持されている。具体的には、ケース1の第1側L1の端部では、底部カバー15に、第1出力軸受81を支持する第1軸受支持部11が形成されている。また、ケース1の第2側L2の側の端部では、本体カバー14に、第2出力軸受82を支持する第2軸受支持部12が形成されている。第1出力部材91は、第1軸受支持部11によって第1出力軸受81を介して回転自在に支持され、第2出力部材92は、第2軸受支持部12によって、第2出力軸受82を介して回転自在に支持されている。
軸方向Lの両端において、出力部材9がケース1に支持されることで、同軸配置された各装置を精度良く安定してケース1に収容し、支持することができる。尚、第1出力軸受81及び第2出力軸受82は、アンギュラーベアリング(Angular Bearing / Angular Contact Ball Bearing)、特に、単列のアンギュラーベアリングを複数個組み合わせた組合せアンギュラーベアリング(Matched Mounting Angular Contact Ball Bearing)や、複列の内輪及び外輪を有する複列アンギュラーベアリング(Double Row Angular Contact Ball Bearing)であると好適である。アンギュラーベアリングは、被支持部材(ここでは出力部材9)の径方向R及び軸方向Lの双方に対して適切に被支持部材を回転支持することができる。図1に示すように、出力部材9は、筒状部材であり、ドライブシャフト200が筒状部の内面に当接する形態で、出力部材9と一体回転するように連結される。つまり、出力部材9とドライブシャフト200とは、軸方向Lに比較的長い接触面を有して一体回転するように連結される。出力軸受8が例えば複列アンギュラーベアリングであれば、軸方向Lに長い案内を確保して出力部材9を支持することができ、車輪300及びドライブシャフト200から伝達される荷重を適切に支持することができる。なお、アンギュラーベアリングは一例であり、これに替えて、例えば、コロ軸受(ローラベアリング(Roller Bearing)等を用いても好適である。
動力伝達装置100は、回転電機2、一次減速装置3、差動歯車装置5、第1出力減速装置71、及び第2出力減速装置72へ潤滑用の油を供給する機械式のオイルポンプ400を備えている。オイルポンプ400は、径方向R視でオイルポンプ400と差動歯車装置5とが少なくとも一部で重複する位置に配置されている。本実施形態では、このオイルポンプ400は、キャリヤC3と一体的に設けられた差動ケースD5の回転により駆動される。具体的には、本実施形態では、差動ケースD5の外周部にオイルポンプ400を駆動する駆動ギヤが形成されている。
一般的に車輪300の駆動力源となる回転電機2の回転速度は、内燃機関を駆動力源とする場合の当該内燃機関の回転速度に比べて高い場合が多い。一次減速装置3によって減速された後の回転速度(キャリヤC3の回転速度)は、内燃機関の回転速度に近づいている。従って、キャリヤC3と一体的に設けられた差動ケースD5の回転によりオイルポンプ400を駆動するように構成すると、自動車等で一般的に用いられている、内燃機関の出力を利用して駆動されるポンプの仕様を変更することなく、適切に利用することができる。
オイルポンプ400が吐出した油は、不図示の油路を通り、動力伝達装置100の導入油路19に供給される。導入油路19は、軸方向Lにおける回転電機2と第1出力減速装置71との間を径方向Rに沿うように、ケース1の底部16に形成されている。第1連結軸61における回転電機2よりも第1側L1に配置された部分には、潤滑用の油が導入油路19から供給される被供給部69が形成されている。具体的には、第1連結軸61は軸方向Lに延びる筒状に形成されており、第1連結軸61の内部には、軸方向Lに延びる供給油路60が形成されている。そして、被供給部69は、第1連結軸61の筒状部分を径方向Rに貫通して供給油路60と第1連結軸61の外周面とを連通する孔部により形成されており、オイルポンプ400から導入油路19に供給された油は、被供給部69から供給油路60に供給される。上述したように、供給油路60は、第1側L1に配置された第1出力減速装置71から、第2側L2に配置された第2出力減速装置72まで、軸方向Lに沿って連通している。そして、連結軸6には、当該連結軸6の筒状部分を径方向Rに貫通して供給油路60と連結軸6の外周面とを連通する孔部が軸方向Lの複数位置に形成されており、これら複数の孔部、第1連結軸61の第1側L1の端部における供給油路60の開口部、及び第2連結軸62の第2側L2の端部における供給油路60の開口部を介して、軸方向Lに並んだ各機構へ油が供給される。
上述したように、連結部材4に設けられた貫通孔45により、差動歯車装置5よりも第2側L2まで供給油路60が延伸されている。従って、差動歯車装置5よりも第2側L2に配置されている第2出力減速装置72にも適切に油が供給される。第2出力減速装置72に油を供給するために、軸方向Lにおける差動歯車装置5と第2出力減速装置72との間に別途導入油路を設ける必要がないので、軸方向Lに動力伝達装置100が大きくなることが抑制される。
また、以下に述べるように、被供給部69に供給された油は、差動ケースD5の内部空間50に供給されると共に、差動ケースD5の内部空間50に供給された油は、ピニオン軸32の内部に形成された軸内油路30に供給される。具体的には、図4に示すように、差動歯車装置5に対応する軸方向Lの位置には、第1連結軸61の筒状部分を径方向Rに貫通して供給油路60と第1連結軸61の外周面とを連通する孔部が形成されており、この孔部により、第1連結軸61の内部に形成された供給油路60から差動ケースD5の内部空間50に油を供給する油路64が形成されている。すなわち、第1連結軸61の内部に形成された供給油路60は、被供給部69と差動ケースD5の内部空間50とを連通するように形成されている。油路64は、軸方向Lにおける第1サイドギヤB51と連結部材4との間に形成された隙間において内部空間50に開口するように形成されている。そして、差動ケースD5の内部空間50に供給された油により、第1傘歯車P5、第2傘歯車B5、第1ワッシャ85、及び第2ワッシャ86等の潤滑が行われる。
図4に示すように、ピニオン軸32の内部に形成された軸内油路30は、第2側L2に開口部31を有している。そして、差動ケースD5には、内部空間50と軸内油路30の開口部31とを連通する連通油路57が形成されている。具体的には、ピニオン軸32は、差動ケースD5に形成された第1側L1に開口する孔部51に第2側L2の端部が嵌合されている。そして、連通油路57は、孔部51の内面に開口するように形成されている。なお、孔部51は、ピニオン軸32と同数形成されており、連通油路57は、複数の孔部51に対応して周方向(一次減速装置3を基準とする周方向)の複数位置に形成されている。このように連通油路57を差動ケースD5に形成することで、第1傘歯車P5や第2傘歯車B5等の潤滑のために差動ケースD5の内部空間50に供給された油を、連通油路57を介して、ピニオン軸32の内部に形成された軸内油路30に供給することが可能となっている。また、このように、軸内油路30に対する油の供給を、軸内油路30における軸方向Lの外側を向く開口部31から行うことで、軸内油路30に対する油の供給を、軸内油路30における径方向(ピニオン軸32を基準とする径方向)の外側を向く開口部から行う場合に比べて、軸内油路30の構成の簡素化を図ることも可能となっている。
なお、ピニオン軸32は、当該ピニオン軸32の第2側L2の端面と孔部51の底面(孔部51の第2側L2を区画する、第1側L1を向く面)との間に隙間が形成されるように配置されており、連通油路57は、孔部51の内面における上記隙間が形成される部分に開口している。図4に示す例では、孔部51の底面は、第2側L2に向かうに従って縮径する円錐状の内面によって形成されている。すなわち、孔部51の内面は、ピニオン軸32の第2側L2の端部が嵌合する円筒状面と、当該円筒状面に対して第2側L2に連続して形成された円錐状面と、を有している。そして、ピニオン軸32の第2側L2の端面は、上記円筒状面と上記円錐状面との接続部(上記円筒状面の第2側L2の端部)よりも第1側L1に配置されている。このようにピニオン軸32を配置することで、連通油路57から孔部51の内部に供給された油を円滑に軸内油路30に導入することが可能となっている。なお、図4に示す例では、連通油路57は、孔部51の内面における上記円筒状面と上記円錐状面との接続部を含む部分に開口するように形成されている。
軸内油路30は、開口部31から第1側L1に向かって軸方向Lに沿って延びる軸方向油路30aと、軸方向油路30aとの接続部から径方向(ピニオン軸32を基準とする径方向)に沿って延びてピニオン軸32の外周面に開口する径方向油路30bと、を有している。よって、連通油路57を介して開口部31に供給された油は、軸方向油路30a及び径方向油路30bを順に通ってピニオン軸32の外周面に排出される。そして、ピニオン軸32の外周面に排出された油によって、ピニオンギヤP3、ピニオンギヤP3とピニオン軸32との間に配置されたピニオン軸受90、ピニオンギヤP3とキャリヤC3との間に配置された第3ワッシャ87(スラストワッシャ)等が潤滑される。
〔その他の実施形態〕
次に、動力伝達装置のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、第1連結軸61における回転電機2よりも第1側L1に配置された部分に、潤滑用の油が供給される被供給部69が形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1連結軸61における回転電機2よりも第2側L2に配置された部分に被供給部69が形成される構成とすることもできる。
(2)上記の実施形態では、第1連結軸61に形成された油路64から差動ケースD5の内部空間50に油が供給される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2連結軸62に形成された油路から差動ケースD5の内部空間50に油が供給される構成や、差動ケースD5に形成された油路から差動ケースD5の内部空間50に油が供給される構成とすることもできる。
(3)上記の実施形態では、第1連結軸61の内部の供給油路60に供給された油が、連結部材4に設けられた貫通孔45を通って第2連結軸62の内部の供給油路60に供給される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1連結軸61の内部の供給油路60と第2連結軸62の内部の供給油路60とが連結部材4を介して連通せず、第1連結軸61の内部の供給油路60と第2連結軸62の内部の供給油路60とに対して各別に油が供給される構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、2つの第1傘歯車P5に対応して2本の軸部材F5が設けられ、2本の軸部材F5が連結部材4によって連結される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、差動歯車装置5が連結部材4を備えず、2つの第1傘歯車P5が共通する1本の軸部材F5により回転自在に支持される構成とすることもできる。また、上記の実施形態では、差動歯車装置5が第1傘歯車P5を2つ備える構成を例として説明したが、差動歯車装置5が第1傘歯車P5を3つ以上備える構成とすることもできる。この場合、差動歯車装置5は、第1傘歯車P5と同数の軸部材F5を備え、連結部材4の周壁43には、軸部材F5と同数の挿入孔41が形成される。
(5)上記の実施形態では、差動ケースD5がキャリヤC3と一体的に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、差動ケースD5が締結ボルト等によりキャリヤC3と一体回転するように連結される構成とすることもできる。
(6)上記の実施形態では、サンギヤS3が回転電機2に駆動連結され、リングギヤR3が非回転部材(ケース1)に固定される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、リングギヤR3が回転電機2に駆動連結され、サンギヤS3が非回転部材(ケース1)に固定される構成とすることもできる。
(7)上記の実施形態では、回転電機2が一次減速装置3と同軸配置される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、回転電機2が一次減速装置3とは別軸に配置される構成とすることも可能である。この場合、上記の実施形態とは異なり、第1連結軸61における回転電機2と軸方向Lの配置領域が重複する部分に、被供給部69が形成される構成としてもよい。
(8)上記の実施形態では、動力伝達装置100が回転電機2を備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、動力伝達装置100が回転電機2を備えない構成とすることもできる。例えば、車輪の駆動力源として内燃機関のみを備える車両に用いられる車両用駆動装置に本開示に係る動力伝達装置を適用する場合に、動力伝達装置100が回転電機2を備えない構成となる。
(9)上記の実施形態では、動力伝達装置100が第1出力減速装置71及び第2出力減速装置72を備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、動力伝達装置100が第1出力減速装置71及び第2出力減速装置72を備えない構成とすることもできる。具体的には、例えば、第1サイドギヤB51が第1出力部材91と一体回転するように連結され、第2サイドギヤB52が第2出力部材92と一体回転するように連結される構成とすることができる。
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した動力伝達装置の概要について説明する。
軸方向(L)の一方側である第1側(L1)から順に、遊星歯車機構(3)と、前記遊星歯車機構(3)と同軸配置される傘歯車式の差動歯車機構(5)と、を備えた動力伝達装置(100)であって、前記遊星歯車機構(3)は、ピニオンギヤ(P3)をピニオン軸(32)を介して回転自在に支持するキャリヤ(C3)を備え、前記差動歯車機構(5)は、前記キャリヤ(C3)と一体的に設けられた差動ケース(D5)と、前記差動歯車機構(5)を基準とする径方向(R)に沿う向きで前記差動ケース(D5)に保持された軸部材(F5)と、前記差動ケース(D5)の内部において前記軸部材(F5)の軸心(A)周りに回転自在に支持された第1傘歯車(P5)と、前記差動ケース(D5)の内部において前記軸部材(F5)に対して前記軸方向(L)の両側に分かれて配置されて前記第1傘歯車(P5)にそれぞれ噛み合う一対の第2傘歯車(B5)と、を備え、前記ピニオン軸(32)の内部に、前記軸方向(L)における前記第1側(L1)とは反対側である第2側(L2)に開口部(31)を有する軸内油路(30)が形成され、前記差動ケース(D5)に、前記差動ケース(D5)の内部空間(50)と前記軸内油路(30)の前記開口部(31)とを連通する連通油路(57)が形成されている。
上記の構成によれば、第1傘歯車(P5)や第2傘歯車(B5)等の潤滑のために差動ケース(D5)の内部空間(50)に供給された油を、連通油路(57)を介して、ピニオン軸(32)の内部に形成された軸内油路(30)に供給することができる。そして、このように軸内油路(30)への油の供給を可能とする連通油路(57)は、ピニオン軸(32)を支持するキャリヤ(C3)と一体的に設けられる差動ケース(D5)に形成される。すなわち、差動ケース(D5)がキャリヤ(C3)と一体的に設けられる構成では、これらが一体化した全体構造に、ピニオン軸(32)を支持する部分と差動ケース(D5)の内部空間(50)を区画する部分とを接続する接続部分が含まれる。上記の構成によれば、このような接続部分を有効に利用して、連通油路(57)を形成することができる。よって、軸内油路(30)に対して油を供給するための専用の部材がキャリヤ(C3)の軸方向端面に取り付けられる場合に比べて、装置全体の軸方向(L)の大型化を抑制することができる。
以上のように、上記の構成によれば、装置全体の軸方向(L)の大型化を抑制しつつ、ピニオン軸(32)の内部の油路(30)に対して適切に油を供給することが可能な動力伝達装置(100)を実現することができる。
ここで、前記遊星歯車機構(3)と同軸配置される回転電機(2)を更に備え、前記遊星歯車機構(3)は、前記キャリヤ(C3)、サンギヤ(S3)、及びリングギヤ(R3)を備えたシングルピニオン型遊星歯車機構であり、前記サンギヤ(S3)及び前記リングギヤ(R3)の一方が前記回転電機(2)に駆動連結され、前記サンギヤ(S3)及び前記リングギヤ(R3)の他方が非回転部材(1)に固定されていると好適である。
この構成によれば、回転電機(2)の回転を遊星歯車機構(3)により減速して差動歯車機構(5)の差動ケース(D5)に伝達することができるため、差動歯車機構(5)の一対の第2傘歯車(B5)から出力されるトルクの大きさを適切に確保することが容易となる。また、回転電機(2)が遊星歯車機構(3)と同軸配置されるため、遊星歯車機構(3)、差動歯車機構(5)、及び回転電機(2)の全てを同軸配置して、装置全体の径方向(R)の小型化を図ることもできる。
また、前記遊星歯車機構(3)と同軸配置される回転電機(2)を更に備え、前記回転電機(2)は、前記遊星歯車機構(3)よりも前記第1側(L1)に配置され、前記一対の第2傘歯車(B5)のうちの前記第1側(L1)に配置された傘歯車(B51)に連結された連結軸(61)が、前記回転電機(2)を前記軸方向(L)に貫通して前記回転電機(2)よりも前記第1側(L1)まで延びるように配置され、前記連結軸(61)における前記回転電機(2)よりも前記第1側(L1)に配置された部分に、潤滑用の油が供給される被供給部(69)が形成されていると共に、前記連結軸(61)の内部に、前記被供給部(69)と前記差動ケース(D5)の内部空間(50)とを連通する供給油路(60)が形成されていると好適である。
この構成によれば、一対の第2傘歯車(B5)のうちの第1側(L1)に配置された傘歯車(B51)に連結された連結軸(61)が、回転電機(2)よりも第1側(L1)まで延びるように配置されるため、回転電機(2)が遊星歯車機構(3)に対して同軸且つ第1側(L1)に配置される場合であっても、当該第1側(L1)に配置された傘歯車(B51)から出力されるトルクを、回転電機(2)よりも第1側(L1)に配置される部材に対して適切に伝達することができる。そして、上記の構成によれば、このように配置される連結軸(61)に供給油路(60)を形成することで、潤滑用の油が供給される被供給部(69)を、回転電機(2)よりも第1側(L1)に設けることが可能となっている。回転電機(2)が遊星歯車機構(3)に対して同軸且つ第1側(L1)に配置される場合には、回転電機(2)、遊星歯車機構(3)、及び差動歯車機構(5)が軸方向(L)に並んで配置される軸方向領域には、回転部材同士を連結する連結部材や回転部材を支持する支持構造等が配置されるため、このような軸方向領域に被供給部(69)を設けると装置全体が軸方向(L)に大型化するおそれがある。これに対して、上記の構成によれば、被供給部(69)を、このような軸方向領域を避けて回転電機(2)よりも第1側(L1)に設けることができるため、装置全体の軸方向(L)の大型化を抑制しつつ、差動ケース(D5)の内部空間(50)への油の供給構造を設けることが可能となる。
また、前記ピニオン軸(32)は、前記差動ケース(D5)に形成された前記第1側(L1)に開口する孔部(51)に前記第2側(L2)の端部が嵌合されており、前記連通油路(57)は、前記孔部(51)の内面に開口するように形成されていると好適である。
この構成によれば、連通油路(57)からピニオン軸(32)の軸内油路(30)への油の供給を、孔部(51)の内面により少なくとも一部が区画された空間を介して行うことができるため、連通油路(57)から排出された油を、簡素な構成により効率良く軸内油路(30)に供給することができる。
本開示に係る動力伝達装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
1:ケース(非回転部材)
2:回転電機
3:一次減速装置(遊星歯車機構)
5:差動歯車装置(傘歯車式の差動歯車機構)
30:軸内油路
31:開口部
32:ピニオン軸
50:内部空間
51:孔部
57:連通油路
60:供給油路
61:第1連結軸(連結軸)
69:被供給部
100:動力伝達装置
A:軸心
B5:第2傘歯車
C3:キャリヤ
D5:差動ケース
F5:軸部材
L:軸方向
L1:第1側
L2:第2側
P3:ピニオンギヤ
P5:第1傘歯車
R:径方向
R3:リングギヤ
S3:サンギヤ

Claims (4)

  1. 軸方向の一方側である第1側から順に、遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構と同軸配置される傘歯車式の差動歯車機構と、を備えた動力伝達装置であって、
    前記遊星歯車機構は、ピニオンギヤをピニオン軸を介して回転自在に支持するキャリヤを備え、
    前記差動歯車機構は、前記キャリヤと一体的に設けられた差動ケースと、前記差動歯車機構を基準とする径方向に沿う向きで前記差動ケースに保持された軸部材と、前記差動ケースの内部において前記軸部材の軸心周りに回転自在に支持された第1傘歯車と、前記差動ケースの内部において前記軸部材に対して前記軸方向の両側に分かれて配置されて前記第1傘歯車にそれぞれ噛み合う一対の第2傘歯車と、を備え、
    前記ピニオン軸の内部に、前記軸方向における前記第1側とは反対側である第2側に開口部を有する軸内油路が形成され、
    前記差動ケースに、前記差動ケースの内部空間と前記軸内油路の前記開口部とを連通する連通油路が形成されている動力伝達装置。
  2. 前記遊星歯車機構と同軸配置される回転電機を更に備え、
    前記遊星歯車機構は、前記キャリヤ、サンギヤ、及びリングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車機構であり、
    前記サンギヤ及び前記リングギヤの一方が前記回転電機に駆動連結され、
    前記サンギヤ及び前記リングギヤの他方が非回転部材に固定されている請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記遊星歯車機構と同軸配置される回転電機を更に備え、
    前記回転電機は、前記遊星歯車機構よりも前記第1側に配置され、
    前記一対の第2傘歯車のうちの前記第1側に配置された傘歯車に連結された連結軸が、前記回転電機を前記軸方向に貫通して前記回転電機よりも前記第1側まで延びるように配置され、
    前記連結軸における前記回転電機よりも前記第1側に配置された部分に、潤滑用の油が供給される被供給部が形成されていると共に、前記連結軸の内部に、前記被供給部と前記差動ケースの内部空間とを連通する供給油路が形成されている請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記ピニオン軸は、前記差動ケースに形成された前記第1側に開口する孔部に前記第2側の端部が嵌合されており、
    前記連通油路は、前記孔部の内面に開口するように形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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