JP2018184854A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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拓矢 渡井
Takuya WATAI
拓矢 渡井
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清隆 小倉
明靖 宮本
Akiyasu Miyamoto
明靖 宮本
悠登 石塚
Yuto Ishizuka
悠登 石塚
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Abstract

【課題】磁気抵抗を減らして磁束密度が高くなるように可動コアを構成し、効率的に弁体を引き上げることで、高燃料圧力条件下でも駆動可能とする。【解決手段】燃料噴射弁100は、磁気コア107と、磁気コア107に吸引される第一可動コア201と、第一可動コア201の径方向外側に配置され、磁気回路を形成するハウジング(ヨーク109)と、第一可動コア201の凹み部201cに配置され、磁気コア107に吸引される第二可動コア202を備えている。そして図8に示すように、第二可動コア202の下流側端面202iと凹み部201cとの間に弁体軸方向(101a)において隙間202gが形成され、第二可動コア202が磁気コア107に吸引された状態において、第二可動コア202の下流側端面202eがハウジング(ヨーク109)の上流側端面109aよりも下流側に位置するように構成される。【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関に用いられる燃料噴射弁であって、コイルに電流を流すことにより可動コアと磁気コアとを含む磁気回路に磁束を発生させ、可動コアを磁気コア側に引き付ける磁気吸引力を作用させることにより、弁体の開閉を行う電磁式燃料噴射弁に関する。
本技術分野の背景技術として、以下の特許文献1(特開2016−118208号公報)に記載されている燃料噴射弁がある。この特許文献1には、「簡素な構造で燃料噴射率を変更可能な燃料噴射弁を提供するために、燃料噴射弁1は、固定コア60、ニードル40、可動コア50、及び、ニードル40及び可動コア50と固定コア60との間に電磁吸引力を発生させるコイル70を備える。ニードル40は、磁性材料から形成され本体41より外径が大きいニードル大径部44を有する。可動コア50は、大径内壁面51の内側にニードル大径部44が位置し小径内壁面52の内側に本体41が位置する状態でニードル40とともにハウジン20グ内を往復移動可能に固定コア60の弁座312側に設けられている。可動コア50は、シール部42と弁座312とが当接しているときニードル40の第2段差面49と固定コア60の弁座312側の端面61との距離d1が弁座312とは反対側の端面57と固定コア60の端面61との距離d2より長くなるよう形成されている。 」との構成が開示されている。
特開2016−118208号公報
内燃機関の有害排気成分低減のためには、エンジン(内燃機関)に所望の量の燃料を正確に噴射する燃料噴射弁が求められている。上記特許文献1に記載の燃料噴射弁は、コイルへの通電によって発生する磁気吸引力を用いて噴孔から燃料を噴射する。このような燃料噴射弁では、コイルに通電すると、磁気コアと可動コアとの間に磁気吸引力が発生する。可動コアと磁気コアの間に発生した磁気吸引力によって可動コアが磁気コア側に引き寄せられると、弁体に力が伝達され、弁体は弁座から離間する方向に移動する。可動コアおよび弁体は、磁気コアと衝突することにより移動が規制され、停止する。その後、コイルへの通電を中止すると、磁気コアと可動コアの間に形成された磁束が消失し、磁気吸引力が弁体を下流方向(閉弁方向)に付勢する力よりも小さくなると、弁体は下流方向(閉弁方向)に移動し始め、その後、閉弁する。この開弁期間に燃料が内燃機関に供給され燃焼に利用される。
この内燃機関に所望の量を正確に噴射するために特許文献1では、可動コアを分割することでリフトを可変にする構成が提案されている。しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高くなると、動作しにくくなり、設定可能な燃料圧力の自由度が小さくなるという問題があった。
そこで本発明は、磁気抵抗を減らして磁束密度が高くなるように可動コアを構成し、効率的に弁体を引き上げるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射弁は磁気コアと、前記磁気コアに吸引される第一可動コアと、前記第一可動コアの径方向外側に配置され、磁気回路を形成するハウジングと、前記第一可動コアの凹み部に配置され、前記磁気コアに吸引される第二可動コアを備え、前記第二可動コアの下流側端面と前記凹み部との間に弁体軸方向において隙間が形成され、前記第二可動コアが前記磁気コアに吸引された状態において、前記第二可動コアの下流側端面が前記ハウジングの上流側端面よりも下流側に位置するように構成された。
本発明の燃料噴射弁によれば、磁気抵抗を減らして磁束密度が高くなるように可動コアを構成し、効率的に弁体を引き上げるようにすることを目的とする。
本発明の実施例に係る燃料噴射弁の断面図である。 本発明の実施例に係る燃料噴射弁の弁体の断面図である。 本発明の実施例に係る燃料噴射弁の第二可動コアの断面図である。 本発明の実施例に係る燃料噴射弁の第一可動コアの断面図である。 本発明の実施例に係る燃料噴射弁の可動コア近傍の拡大図であり、コイル108が非通電の状態を示す。 図5からコイル108が通電状態となって、第一可動コア201及び第二可動コア202が開弁方向に動いて第一対向面201aが係合部材113の弁体係合部113a(衝突面)と衝突した状態を示す。 図6の状態からさらに、第二可動コア202が変位して第二対向面202aと磁気コア107の下流側端面107aと接触した状態を示す。 図7の状態からさらに、第一可動コア201のみが変位して第一対向面201aが磁気コア107の下流側端面107aと接触した状態を示す。 図8のコイル108と第二可動コア202周辺の拡大図である。 本発明の第一実施例に係る燃料噴射弁の弁体、内径側可動子、および外径側可動子の挙動を示した図である。 本発明の第一実施例に係る噴射量特性を示した図である。 本発明の磁気特性を調査した図である。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の燃料噴射弁として、電磁式燃料噴射弁の例を示す断面図である。図1の電磁式燃料噴射弁は、筒内直接噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁の例であるが、本発明の効果は、ポート噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁や、ピエゾ素子や磁歪素子で駆動される燃料噴射弁においても有効である。なお本実施例では、燃料噴射弁100の軸方向に対して燃料噴射孔の側を上流側、弁座側を下流側として説明する。
本実施例の燃料噴射弁(燃料噴射装置)について、図1〜図4を用いて、以下に説明する。図1は本実施例の燃料噴射弁の構造を示す断面図である。図2は、本実施例の弁体部の断面図である。図3は、本実施例の第二可動コアの断面図である。図4は、本実施例の第一可動コアの断面図である。図5〜9は本実施例の磁気コア部の拡大断面図である。図10は、本実施例の燃料噴射弁が小リフト、および大リフトをするときの可動部の動作を模式的に示す。図11は、本実施例の燃料噴射弁が小リフト、および大リフトをするときの駆動電流波形(図11上図)および噴射量特性(図11下図)を示す。
図1は本実施例における燃料噴射弁の縦断面図とその燃料噴射弁を駆動するための、EDU(駆動回路)121、ECU(エンジンコントロールユニット)120の構成の一例を示す図である。なお、ECU120とEDU121は一体の部品として構成されてもよい。少なくとも燃料噴射弁の駆動装置は、燃料噴射弁の駆動電圧を発生する装置であって、ECUとEDUとが一体となったものであってもよいし、EDU単体であってもよい。
ECU120では、エンジン(内燃機関)の状態を示す信号を各種センサーから取り込み、エンジンの運転条件に応じて適切な駆動パルスの幅や噴射タイミングの演算を行う。ECU120より出力された駆動パルスは、信号線123を通して燃料噴射弁のEDU121に入力される。EDU121は、コイル108に印加する電圧を制御し、電流を供給する。ECU120は、通信ライン122を通して、EDU121と通信を行っており、燃料噴射弁に供給する燃料の圧力や運転条件によってEDU121によって生成する駆動電流を切替えることが可能である。EDU121は、ECU120との通信によって制御定数を変化できるようになっており、制御定数に応じて電流波形が変化する。
まず、燃料噴射弁100における全体構成と燃料の流れについて説明する。燃料噴射弁100に供給される燃料は燃料供給口112から供給され、燃料噴射弁100の内部に供給される。燃料噴射弁100は、内部に流路の開閉を行う弁体101を有し、弁体101の対向する位置には、弁座部材102が設けられている。弁座部材102には燃料噴射孔116が形成される。弁体101の上端にはスリーブ113が取り付けられており、スリーブ113の上端面が第一スプリング110により下流方向に付勢される。
図2に示すようにスリーブ113のスリーブ下端部113aが弁体1の肩部と係合するように構成されており、スリーブ113のスリーブ下端部113aを介して、弁体101は下流方向(弁座部材102に向かう方向)に付勢される。
弁体101は、弁座部材102に形成される弁座と接触してシール座を形成する弁体シート部115を有する。コイル108に通電がないときには、弁体101が第一スプリング110によって弁座部材102に押し付けられ、燃料をシールする構造となっている。
可動コア群、磁気コア107、磁気コアの外周側の位置するコイル108により磁気回路を形成し、磁気的な吸引力を発生することで弁体101を駆動する。可動コア群は、第一可動コア201と第二可動コア202に分割されている。弁体101および可動コア群(201、202)は、ノズルホルダ111に内包されている。また、第一可動コア201又は第二可動コア202により開弁される弁体101が第一可動コア201及び第二可動コア202とは別体で独立して構成される。
駆動回路121よりコイル108に駆動電流が流れることで、磁気コア107と第一可動コア201及び第二可動コア202の間には磁気的な吸引力が生じる。詳細は後で説明するが、第二可動コア202が磁気コア107に向かって移動する際に第一可動コア201を磁気コア107に向かって駆動させ、これにより第一可動コア201が弁体と係合して開弁させる。
図4に示すように第一可動コア201は、磁気コア107に対向する第一対向面201aを有し当該第一対向面201aが磁気コア107に吸引される。図3に示すように第二可動コア202は、第一可動コア201と別体で構成され、磁気コア107に対向する第二対向面202aを有し第二対向面202aが磁気コア107に吸引されるように構成されている。また、
本実施例では第二可動コア202の下流側端面に突起部202fが形成され、閉弁時においても突起部202fが第一可動コア201の凹み部の底面に接触することで第二可動コア202と凹み部との間に隙間202gが形成される。また、第一可動コア201の第一対向面201aに対して第二可動コア202の第二対向面202aが内周側に配置されている。
第一可動コア201の内周部201bは、弁体軸方向101aと直交する方向において、第二可動コア202の外周部202bと対向するように構成される。
第一可動コア201は内周側に下流側へ向かって凹む凹み部201cが形成されており、凹み部201cの内部に第二可動コア202が内包されていている。弁体軸101a方向において、第一可動コア201の凹み部底面201eが第二可動コア202の下流側端面202eと対向するように構成される。
その際、第一可動コア201と第二可動コア202の弁体軸101a方向の長さ関係は、第一可動コア201の軸方向最大長さL1が、第二可動コア202の軸方向最大長さL2に対して長くなるように構成する。また第一可動コア201の凹み部201cの深さL3も第二可動コア202の軸方向最大長さL2に対して長くなるように構成する。
図2に示したように弁体101は、上流側において外周側に凸となる段付き部131(大径部)を有しており、第二可動コア202の下流側端面202cが段付き部131の上流側端面131aと対向して支持されている。
弁体101は、第二可動コア202よりも上流側に、第二対向面202aと係合して弁体101を駆動するスリーブ下端部113a(弁体係合部)を有しており、第二可動コア202が上流側に移動した場合にスリーブ113と係合して弁体101を上流側(開弁方向)に移動させる。
第一可動コア201は、第二可動コア202と係合する第一係合部(凹み部底面201e)を有し、第一可動コア201が上流方向へ移動すると、第一可動コア201の第一係合部(凹み部底面201e)と第二可動コア202の第二係合部(下流側端面202e)とが係合することで、第二可動コア202が上流方向に移動する。第二可動コア202が上流方向に移動すると、上流側係合部202hとスリーブ下端部113aとが係合して、弁体101を上流側に移動させる。
第一可動コア201および第二可動コア202は、移動した際に生ずる流体力を低減するため、燃料通路孔201d、燃料通路孔202dを有している。燃料通路孔201d、燃料通路孔202dの孔部の弁体軸101aの垂直方向における面積は、外径側可動コア201および内径側可動コア202が動作する際の排除体積による流体力を緩和するのに十分な面積を有している。
次に図5〜図9を参考にして、弁体101、第一可動コア201、第二可動コア202間に設けられた空隙の関係と、コイル108に電流が印可された際の部材の動作について説明する。
図5はコイル108に通電がない状態を示している。図示していないが、この状態において弁体101は弁座部材102に設けられた弁座に接触することで閉弁状態となっている。図5に示すように第一可動コア201は、第二スプリング203によって下流側に付勢され、段付き部131の上流側に設けられた接触面131aを介して、静止している。
第一可動コア201と弁体101との間には、第二スプリング203が設けられる。第二スプリング203は第二可動コア202を弁体101に取り付けられたスリーブ113のスリーブ下端部113aから引き離す方向(下方向)に付勢する。
ノズルホルダ111にはスプリング保持部材114が取り付けられ、第二可動コア202とスプリング保持部材114の間には、第三スプリング204が取り付けられる。第三スプリング204は第一可動コア201をスプリング保持部材111から引き離す方向(上方向)に付勢する。第三スプリング204による付勢力Fzと第二スプリング203の付勢力Fmの絶対値は、第二スプリング203の方が大きくなるように設定されている。また磁気コア107の下流側端面107aにおける内周部の内径Dcは、第二可動コア202の上流側端面202aにおける外周部の外径Diの方が小さくなるように構成されている。そのため、コイル108へ通電されると、第一可動コア201(外径側可動コア)と磁気コア107および第二可動コア202(内径側可動コア)と磁気コア107の空隙に磁束が発生し、磁気吸引力が生ずる。
また第二側可動コア202は第二スプリング203によって下流方向に付勢され、一方で第一可動コア201は第三スプリング204によって上流方向に付勢される。上記したように第二スプリング203の付勢力の方が第三スプリング204の付勢力よりも大きいため、第二可動コア202の下流側端面202eと第一可動コア201の第一係合部(凹み部底面201e)とが接触して、第二可動コア202を弁体101に取り付けられたスリーブ113のスリーブ下端部113aから引き離した状態で維持する。このときの第二可動コア202の第二対向面202aとスリーブ113のスリーブ下端部113aとの間には、空隙g1が設けられている。
図5の状態より、コイル108に通電されると、磁気回路を構成する磁気コア107、ヨーク109、第一可動コア201と第二可動コア202に磁束が生じ、磁気コア107と第一可動コア201およびの磁気コア107と第二可動コア202との間に磁気吸引力が発生する。
式(1)に示すように、第一可動コア201と磁気コア107の間に作用する磁気吸引力Fiと第二可動コア202と磁気コア107の間に作用する磁気吸引力Foの和が、中間スプリング(第二スプリング203)の付勢力Fmとゼロスプリング(第三スプリング204)の付勢力Fzの差よりも大きくなると、第一可動コア201と第二可動コア202は、磁気コア107側に吸引され、運動を開始する。
Fo+Fi>Fm−Fz 式(1)
図6はスリーブ113と第二可動コア202(内径側可動コア)との間に予め設けられた空隙g1分だけ、第二可動コア202(内径側可動コア)及び第一可動コア201(外径側可動コア)が変位した状態を示す。図5では磁気コア107と第一可動コア201(外径側可動コア)の第一対向面201aとの間には空隙g2に設けられていたが、図6ではこれらの間の空隙はg2’(g2’=g2−g1)にまで減少する。第二可動コア202(内径側可動コア)は、弁体1のスリーブ113のスリーブ下端部113a(衝突面)と第二可動コア202の上流側端面202a(第二の対抗面)が衝突する。
このとき、第一可動コア201ならびに第二可動コア202に蓄えられた運動エネルギが、弁体101の開弁動作に使用される。よって、空隙g1(予備リフト)が設定されていることで運動エネルギを利用でき、開弁動作の応答性を向上させることができる。したがって、高い燃料圧力下でも迅速に開弁することが可能となる。
図6の状態からコイル108への通電を継続し、第一可動コア201(外径側可動コア)が第一対向面201aと磁気コア107との間の空隙g2´だけ変位すると、図7に示す状態となる。図7では、第一可動コア201(外径側可動コア)の第一対向面201aが磁気コア107に衝突し、第一可動コア201(外径側可動コア)が上流方向へ向かう動きが規制される。
このとき、図11(a)に示すように、コイル108への通電する最大駆動電流401を予め設定した閾値よりも小さくすると、式(2)および式(3)の力の関係を満たす。なお、402は最大駆動電流401を流した後に第一可動コア201(外径側可動コア)が磁気コア107に吸引されたまま維持できる保持電流を意味する。
式(2)は第一側可動コア201の磁気吸引力Foと第二可動コア202の磁気吸引力Fiの和の方が、弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第一スプリング110による付勢力Fsとの和よりも大きくなる条件を示す。また式(3)は第二側可動コア202の磁気吸引力Fiが、弁体101に作用する流体による差圧力Fpとスプリング110による付勢力Fsとの和よりも小さくなる条件を示す。
つまり、第一可動コア201(外径側可動コア)による磁気吸引力Fo及び第二可動コア202(内径側可動コア)による磁気吸引力Fiによって、弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第一スプリング110による付勢力Fsに打ち勝って、第一可動コア201(外径側可動コア)が磁気コア107に接触するまで移動することができた。しかし、第二可動コア202(内径側可動コア)による磁気吸引力Fiだけでは、差圧力Fp及び第一スプリング110による付勢力Fsに打ち勝つことができないことを意味する。そのため図7に示すように、第一可動コア201(外径側可動コア)と磁気コア107の空隙がなくなり、第二可動コア202(内径側可動コア)と磁気コア107間の空隙g3のみが残った状態となる。図10(c)が図7に対応しており、小リフト状態を示す。
Fs + Fp < Fi + Fo 式(2)
Fs + Fp > Fi 式(3)
図7(図10(c))の状態(小リフト状態)から、コイル108への電流を遮断すると、第一可動コア201(外径側可動コア)及び第二可動コア202(内径側可動コア)と磁気コア107の間に生じている磁束が消失する。そして、磁気吸引力が弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第一スプリング110による付勢力Fsよりも小さくなると、第一可動コア201(外径側可動コア)及び第二可動コア202(内径側可動コア)は下流方向への変位を開始する。この動きに伴って弁体101は閉弁方向(下流方向)への変位を開始し、その後、弁座部材102と衝突し、閉弁する。
小リフトの場合には図10(a)に示すように、弁体101は第一可動コア201(外径側可動コア)と磁気コア107との間に設けられた空隙g2分だけ変位する(弁体変位403)となる。第一可動コア201(外径側可動コア)は、磁気コア107、又は磁気コア107以外の第一可動コアの運動を規制する部材に衝突することによって軸方向の変位が規制される。これにより、弁体101のリフト量を安定させることができるため、安定した噴射量を供給することができる。
一方、図11(b)に示すように、コイル108への通電する最大駆動電流値404を予め設定した閾値よりも大きくすると、式(4)に示す条件を満たす。なお、405は最大駆動電流404を流した後に第一可動コア201(外径側可動コア)が磁気コア107に吸引されたまま維持できる保持電流を意味する。式(4)は、第二可動コア202(内径側可動コア)の磁気吸引力Fiが、弁体101に作用する流体による差圧力Fpとスプリング110による付勢力Fsとの和よりも大きくなるという条件を示す。
図11(b)に示す駆動電流を流すと、図8に示すように、第一可動コア201(外径側可動コア)が磁気コア107に衝突するまで空隙g2(図5、図10(a)参照)の分、移動し、さらにその後、第二可動コア202(内径側可動コア)が第二可動コア202(内径側可動コア)と磁気コア107との間の空隙g3の分だけ変位する。結果として、弁体101は、空隙g2’(g2’=g2−g1)と空隙g3の和だけ変位する(大リフト状態)。第二可動コア202の変位は、磁気コア107あるいは第二可動コア202の運動を規制する部材に衝突することによって変位が規制される。そのため、弁体101の挙動は安定し、安定した噴射量を供給することができる。
Fs + Fp > Fi 式(4)
図8、図10(d)に示す大リフト状態より、コイル108への電流が遮断されると、第二可動コア202(内径側可動コア)に生じている磁束が消失する。そして磁気吸引力が弁体101に作用する流体による差圧力Fpと第一スプリング110による付勢力Fsよりも小さくなると、第二可動コア202(内径側可動コア)が下流方向へ変位する。
磁束は内径側より消失を開始するのに加え、差圧力Fpと第一スプリング110による付勢力Fsにより、第二可動コア202(内径側可動コア)の方が第一可動コア201(外径側可動コア)に比べて早く閉弁動作に移行する。その結果、第二可動コア202(内径側可動コア)は、第一可動コア201(外径側可動コア)との空隙g3だけ、下流方向へ移動すると、第一可動コア201(外径側可動コア)と衝突し、第一可動コア201(外径側可動コア)を叩き落としながら、下流方向に変位する。
その後、第二可動コア202(内径側可動コア)の下流側端面202cが弁体101の段付き部131と係合すると、弁体101は閉弁動作を開始し、やがて弁座部材102と衝突し、閉弁する。結果として、図10(b)に示すように、弁体101は大リフト状態の弁変位406となる。
燃料噴射弁100に供給する電流により、弁体101の変位を大リフト状態と小リフト状態と切り替え可能にするためには、閉弁状態での第一可動コア201と弁体の空隙g1、第二可動コア202と磁気コア107の空隙g2、第一可動コア201と磁気コア107の第一可動コアg3の寸法関係は、大きい順にg2、g3、g1となるように設定する。
このように可動コア群を第一可動コア201と、第二可動コア202に分割し、コイル108への駆動電流を変えることで、弁体101の変位を二段階に可変とすることができる。
ぞして本実施例は、磁気抵抗を減らして磁束密度が高くなるように可動コアを構成し、効率的に弁体を引き上げることで、高燃料圧力条件下でも駆動可能とすることを目的とする。
この目的を達成するために、本実施例の燃料噴射弁100は、磁気コア107と、磁気コア107に吸引される第一可動コア201と、第一可動コア201の径方向外側に配置され、磁気回路を形成するハウジング(ヨーク109)と、第一可動コア201の凹み部201cに配置され、磁気コア107に吸引される第二可動コア202を備えている。そして図8に示すように、第二可動コア202の下流側端面202iと凹み部201cとの間に弁体軸方向(101a)において隙間202gが形成され、第二可動コア202が磁気コア107に吸引された状態において、第二可動コア202の下流側端面202eがハウジング(ヨーク109)の上流側端面109aよりも下流側に位置するように構成される。
図12(a)に示す改善前の場合、第二可動コア202jが磁気コア107jに吸引された状態において、第二可動コア202jの下流側端面202kがハウジング(ヨーク109)の上流側端面109kよりも上流側に位置する仕様の磁気特性の解析結果である。第二可動コア202jの磁気吸引力を高めるためには、301j箇所が最も磁束密度が高く(色が濃い)、300j箇所は磁束密度が低い(色が薄い)ことが理想であるが、300j箇所で磁束密度が高くなり磁気飽和していることから、抵抗が増えて301j箇所の磁束密度が低下し、第二可動コア202(内径側可動コア)に与えられる磁気吸引力が低下することを突き止めた。本発明者らは鋭意検討により、上記構成に対し図12(b)に示す改善後の場合、第二可動コア202の下流側端面202eがハウジング(ヨーク109)の上流側端面109aよりも下流側に位置するように構成された仕様の磁気特性の解析結果である。300箇所の磁束密度が低下したことで抵抗が減り、301箇所の磁束密度が向上した。つまり、磁束を効率的に第二可動コア202(内径側可動コア)に与えることができ、結果として磁気吸引力を向上させることができる。
また図8に示すように、第二可動コア202(内径側可動コア)の下流側端面202iと凹み部201cの底面201eとの間の隙間202gの全体がハウジング(ヨーク109)の上流側端面109aよりも下流側に位置することが望ましい。また、第一可動コア201(外径側可動コア)又は第二可動コア202(内径側可動コア)により開弁される弁体101が第一可動コア201(外径側可動コア)及び第二可動コア202(内径側可動コア)とは別体で独立して構成される。
図5、6に示すように、第二可動コア202(内径側可動コア)の下流側端面202iに突起部202fが形成され、閉弁時においても突起部202fが第一可動コア201(外径側可動コア)の凹み部201cの底面201eに接触することで第二可動コア202(内径側可動コア)と凹み部201cとの間に隙間202gが形成される。また図5−8に示すように、ハウジング(ヨーク109)は通電により磁気回路を形成するコイル108の周りを覆うように配置される。そして、ハウジング(ヨーク109)のうちコイル108の下流方向側に位置するハウジング下流部の内周面109bと第一可動コア201(外径側可動コア)の外周面201fとが対向するように配置されるとともに、弁体軸方向において重なる位置に配置される。なお上記したハウジング(ヨーク109)の上流側端面109aとはハウジング下流部の上流側端面109aのことを示す。
また図5−9に示すように、第二可動コア202(内径側可動コア)の外周面202と第一可動コア201(外径側可動コア)の凹み部201cの内周面201とが対向するように配置されるとともに、弁体軸方向101aにおいて重なる位置に配置されることが望ましい。また図9に示すように、コイル108の下流側端面108aの最内径側端部から第二可動コア202(内径側可動コア)の下流側端面の最外径側端部を結ぶ線L1に沿って、コイル108の下流側端面108aの最内径側端部からノズルホルダ111の外周側までの長さL2は、磁気コア107の肉厚L3より大きくなるように構成されることが望ましい。
本実施例の燃料噴射弁によれば、複数のリフトを構成することで、燃料噴射量の制御範囲が広くなることに加えて、閉弁状態において弁体もしくは、弁体に係合されている部品と可動コアの間に設けられた空隙によって、可動コアの運動エネルギを開弁動作に利用できる。また、第二可動コアの隙間により、流体力による第一可動コアと第二可動コアの貼り付きを防止するとともに、磁気抵抗を小さくなりより効果的に磁束を第二可動コアに与えることができるため効率的に弁体を引き上げることができる。結果として、内燃機関の広い運転領域で最適な燃料噴射を実現する事が出来る。
なお、本実施例においては、吸入空気量、内燃機関回転数、燃料噴射圧力、アクセル開度をセンシングし、その閾値によって、燃料噴射弁に通電する電流波形を切り替えることとしたが、他の情報を用いても、同様の効果が得られる場合には、切替えをすることが可能である。
弁体・・・101
弁座・・・102
磁気コア・・・107
コイル・・・108
ヨーク・・・109
第一スプリング・・・110
第二スプリング・・・203
第三スプリング・・・204
燃料供給口・・・112
スリーブ・・・113
第一可動コア・・・201
第二可動コア・・・202

Claims (7)

  1. 磁気コアと、前記磁気コアに吸引される第一可動コアと、前記第一可動コアの径方向外側に配置され、磁気回路を形成するハウジングと、前記第一可動コアの凹み部に配置され、前記磁気コアに吸引される第二可動コアを備え、前記第二可動コアの下流側端面と前記凹み部との間に弁体軸方向において隙間が形成され、前記第二可動コアが前記磁気コアに吸引された状態において、前記第二可動コアの下流側端面が前記ハウジングの上流側端面よりも下流側に位置する燃料噴射弁。
  2. 請求項1の燃料噴射弁において、
    前記第二可動コアの前記下流側端面と前記凹み部の底面との間の前記隙間の全体が前記ハウジングの前記上流側端面よりも下流側に位置する燃料噴射弁。
  3. 請求項1の燃料噴射弁において、
    前記第一可動コア又は前記第二可動コアにより開弁される弁体が前記第一可動コア及び前記第二可動コアとは別体で独立して構成される燃料噴射弁。
  4. 請求項1の燃料噴射弁において、
    前記第二可動コアの下流側端面に突起部が形成され、閉弁時においても前記突起部が前記第一可動コアの凹み部の底面に接触することで前記第二可動コアと前記凹み部との間に前記隙間が形成された燃料噴射弁。
  5. 請求項1の燃料噴射弁において、
    前記ハウジングは通電により磁気回路を形成するコイルの周りを覆うように配置され、前記ハウジングのうち前記コイルの下流方向側に位置するハウジング下流部の内周面と前記第一可動コアの外周面とが対向するように配置されるとともに、弁体軸方向において重なる位置に配置され、前記ハウジングの上流側端面は前記ハウジング下流部の上流側端面である燃料噴射弁。
  6. 請求項5の燃料噴射弁において、
    前記第二可動コアの外周面と前記第一可動コアの前記凹み部の内周面とが対向するように配置されるとともに、弁体軸方向において重なる位置に配置される燃料噴射弁。
  7. 請求項5の燃料噴射弁において、
    前記コイルの下流側端面の最内径側端部から前記第二可動コアの下流側端面の最外径側端部までを結ぶ線に沿って、前記コイルの下流側端面の最内径側端部からノズルホルダの外周側までの長さL2は、前記磁気コアの肉厚L3より大きくなるように構成された燃料噴射弁
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021116713A (ja) * 2020-01-23 2021-08-10 株式会社Soken 燃料噴射弁

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