JP2018179825A - レーザ圧力・ひずみ計 - Google Patents

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正隆 中沢
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真人 吉田
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恵介 葛西
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Abstract

【課題】光共振器として低損失かつ光軸調整が不要な長尺光ファイバリング共振器を利用することで、簡便かつ安価で超高感度なレーザ圧力・ひずみ計を提供する。【解決手段】光ファイバリングをセンサ部10に巻き付けて、光ファイバリング共振器11を形成し、外部の圧力および/またはひずみの変化に伴うセンサ部の形状変化を、光ファイバリング共振器11の共振周波数変化から検出するための共振周波数検出部12を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ圧力・ひずみ計に関するものである。本発明は、特に、極めて高感度に津波や地殻変動量を計測するレーザ圧力・ひずみ計に関するものである。
従来、津波計としては水晶振動式の水圧変化計が幅広く利用されている。この計測器は、水圧変化に伴う水晶振動子の振動周波数の変化を電気信号として検出する方式を採用しているため、海中で電気信号を絶縁するための絶縁処理を施さなければならない。このため、海中でこの計測器を長期間使用すると、次第に絶縁が劣化し、これが故障の要因となることがある。また、この計測器には電源が必要であり、その駆動用バッテリーで決まる計測器の寿命がある。
そこで、このような従来の津波計の手段に代わるものとして、レーザを利用した津波計が提案されている(例えば特許文献1または2参照)。図10に、特許文献2に開示されたレーザ津波計の構成を示す。図10において、1は高感度センサ部、2は低感度センサ部、3は凹面鏡、4は凹面鏡ホルダ、5は直角プリズム、6はコリメータ、7はシール部、8は円筒容器、9は光ファイバを示す。このレーザ津波計は、円筒容器8の内部に一対の凹面鏡3からなるファブリー・ペロー型光共振器を取り付けることにより、水圧による円筒容器の内径変化をその光共振器の共振周波数変化として計測する方式を採用している。本方式の特徴は、沖合に設置したレーザの出力光を、光ファイバ9を介して海底に配置したセンサ部へ供給する遠隔計測が可能であり、またセンサ部に電源が不要であることである。
さらに、同レーザ計測技術を利用した他の計測応用として、円筒容器内部に複数の光共振器を取り付け、0°、120°、240°の三方向のひずみの変化を同時に検出する三成分ひずみ計が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
なお、本発明者等により、光周波数の基準光源として、1.55μm帯のアセチレン分子やシアン化水素分子の吸収線ピークに光周波数を安定化させた周波数安定化レーザが開発されており(例えば、非特許文献1,2参照)、周波数可変レーザとして、狭線幅な発振スペクトルが得られる1.55μm帯エルビウムファイバレーザが開発されている(例えば、非特許文献3参照)。
特許第2876528号公報 特開2003−166889号公報 特許第2560260号公報
K. Kasai, A. Suzuki, M. Yoshida, and M. Nakazawa, "Performance improvement of an acetylene (C2H2) frequency-stabilized fiber laser," IEICE Electron. Express, November 2006, Vol. 3, No. 22, pp. 487-492 K. Kasai, M. Yoshida, and M. Nakazawa, "295 mW output, frequency-stabilized erbium silica fiber laser with a linewidth of 5 kHz and a RIN of -120 dB/Hz", Opt. Express, February 2016, Vol. 24, No. 3, pp. 2737-2748 K. Kasai, J. Hongo, M. Yoshida, and M. Nakazawa, "Optical phase-locked loop for coherent transmission over 500 km using heterodyne detection with fiber lasers", IEICE Electron. Express, February 2007, Vol. 4, No. 3, pp. 77-81
特許文献1乃至3に記載のレーザを利用した津波計ならびにひずみ計の分解能を高めるためには、高いフィネスを有する光共振器を円筒容器8の内部に取り付ける必要がある。そのため、凹面鏡3、直交プリズム5およびコリメータ6からなる光共振器部の作製に高精度な光軸調整や、軸ずれに対する長期信頼性が要求され、その結果、センサ部の構造が複雑になり、製造コストもかかるといった課題があった。また、光共振器長も実質上制限されるため高感度化にも制限があるという課題もあった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、光共振器として低損失かつ光軸調整が不要な長尺光ファイバリング共振器を利用することで、簡便かつ安価で超高感度なレーザ圧力・ひずみ計を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明に係るレーザ圧力・ひずみ計は、光ファイバリングをセンサ部に巻き付けて、光ファイバリング共振器を形成し、外部の圧力および/またはひずみの変化に伴う前記センサ部の形状変化を、該光ファイバリング共振器の共振周波数変化から検出可能に構成されていることを特徴とする。またQ値の高い光ファイバリング共振器にレーザ周波数をトラッキングするために、狭線幅のレーザ光源を用いることにより高感度化が実現できる。
本発明に係るレーザ圧力・ひずみ計は、前記センサ部に、圧力および/またはひずみの変化に対し高感度に形状が変化する高感度検出部と、前記高感度検出部よりも低感度に形状が変化する低感度検出部とを有し、前記高感度検出部および前記低感度検出部における形状変化量の差分に基づいて、前記圧力および/またはひずみの変化を高精度に検出可能に構成されていてもよい。
また、前記センサ部に、それぞれ0°、120°、および240°の各方向にかかるひずみに対応して高感度に形状が変化する3つの検出部を有し、各検出部で検出した三成分のひずみの変化により地殻変動量を計測可能に構成されていてもよい。
また、前記光ファイバリング共振器の共振周波数に、前記センサ部の外部に設置した波長可変レーザの発振周波数を負帰還させて安定化し、前記波長可変レーザの発振周波数により前記光ファイバリング共振器の共振周波数を検出してもよい。ここで、波長可変レーザの発振周波数を光ファイバリング共振器の共振周波数に一致させるように安定化することより、レーザ発振周波数の変化によりひずみ量を直接検出することができる。このため遠隔地に配置した光ファイバリング共振器により高感度な圧力・ひずみ計測が可能となる。
本発明により、光ファイバをセンサ部に多数回巻きつけた簡便な構成のレーザ圧力・ひずみ計を実現できる。また、光ファイバリング共振器は光軸のずれの問題がないため長期信頼性にも優れている。さらに、光ファイバリング共振器はファイバを多数回巻き付けることにより長尺化し、それにより高いQ値を有することから、圧力・ひずみ計測に高い分解能が得られる。以上のように本発明によると、光共振器として低損失かつ光軸調整が不要な長尺光ファイバリング共振器を利用することで、簡便かつ安価で超高感度な実用性の高いレーザ圧力・ひずみ計を提供できる。
本発明の第1の実施形態のレーザ圧力・ひずみ計を示すブロック図である。 図1に示すレーザ圧力・ひずみ計の光ファイバリング共振器の構成例を示す(a)偏波保持型光ファイバリング共振器、(b)非偏波保持型光ファイバリング共振器のブロック図である。 図2(b)に示す非偏波保持型光ファイバリング共振器の伝達関数(透過スペクトル)の実測例を示すグラフである。 図1に示すレーザ圧力・ひずみ計の共振周波数検出部の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態のレーザ圧力・ひずみ計を示すブロック図である。 図5に示すレーザ圧力・ひずみ計のセンサ部の構成例を示す(a)充填型センサの斜視図、(b)〜(f)空洞型センサの斜視図(左図)および断面図(右図)である。 図5に示すレーザ圧力・ひずみ計の、図6(c)の空洞型センサを用いたときの、水圧計測結果の一例を示す(a)ビート信号のスペクトル波形、(b)水位とビート信号の中心周波数との関係を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態のレーザ圧力・ひずみ計を示すブロック図である。 図8に示すレーザ圧力・ひずみ計のセンサ部の構成例を示す(a),(b)円筒型センサ、(c),(d)球型センサの斜視図(左図)および断面図(右図)である。 従来のレーザ津波計を示す断面図(左図)および側面図(右図)である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のレーザ圧力・ひずみ計を示すブロック図である。図において、レーザ圧力・ひずみ計は、センサ部10の外周に、例えば10程度の高いQ値を有する光ファイバリング共振器11を適度な強さで巻き付け、その共振周波数を、共振周波数検出部12を用いてモニタする系からなる。センサ部10として、例えば金属製の円筒あるいは球構造体を用いることができる。
図2に第1の実施形態の光ファイバリング共振器11の構成例を示す。図2(a)は、偏波保持単一モードファイバ13、偏波ビームスプリッタ14および2分の1波長板15をリング状に閉じた偏波保持型光ファイバリング共振器の構成例を示す。偏波ビームスプリッタ14の偏波軸に偏波状態を合わせることで、外部からの光信号を共振器内へ無損失で結合できる利点がある。また、2分の1波長板15により、共振器内への光電力の帰還率rとレーザ外部への出力率1−rとを任意に調整できる。ここで、rは、偏波ビームスプリッタ14における光電界の反射係数である。
一方、図2(b)は、標準単一モードファイバ16と2つの光カプラ17とをリング状に閉じた非偏波保持型光ファイバリング共振器の構成例を示す。この共振器は偏波無依存であるため、外部からの入力光信号の偏波状態の制御が不要であるといった利点がある。図2(a)および(b)に示すいずれの共振器においても、共振器内に挿入する光デバイスとしてインライン型の市販光ファイバモジュールを用いることができる。
つぎに、図2(b)に示す非偏波保持型光ファイバリング共振器を例にとり、光ファイバリング共振器の共振の鋭さについて述べる。共振器への入力光の電界振幅をAin、2つの光カプラ17における光反射係数(共振器内へ帰還する光電界の振幅比率)をいずれもrとすると、共振器から出力される光電界振幅Aoutは次式で与えられる。
ここで、δは2つの光カプラ17間における光位相変化量、δは共振器内を一周する際の光位相変化量である。
光周波数をf、共振器を構成する光ファイバ長をl、光ファイバの屈折率をn、光速をcとすると、次式の関係が成り立つ。
光ファイバリング共振器の伝達関数は、式(1)を用いて次式で与えられる。
ここで、光カプラにおける光電力の帰還率をRとすると、R=rの関係より、式(3)は次式で与えられる。
式(4)は、sin(δ/2)=0の関係を満たすとき、すなわちf=Nc/nl(Nは整数)の共振周波数において、伝達関数が最大値1を示すことを表している。例えば、センサ部における圧力が変化し、光ファイバリング共振器の長さがΔlだけ変動した場合には、この伝達関数の共振周波数の変化Δf=−NcΔl/nlをモニタすることにより、その圧力変化を計測することができる。この圧力計測における分解能は、伝達関数の半値全幅fFWHMに比例するため、計測感度を高めるためにはfFWHMの小さい、すなわちQ値の高い共振器を用いることが重要となる。
光ファイバリング共振器のfFWHMは、式(2)を式(4)に代入することにより次式で与えられる。
式(5)は、fFWHMの値を下げるためには光カプラの帰還率Rを高め、共振器長lを長くすればよいことを示している。ここで、2つの光カプラによる共振器の挿入損失をL[dB]とすると、L=−10log(R)の関係が成り立つ。一般の光デバイスには0.5dB前後の挿入損失があるため、Lを0に近づけることには限界がある。一方、共振器を構成する光ファイバは、0.2dB/kmと低損失であるため、lを数mから数100mのオーダーに長くすることで、fFWHMの値を容易に下げることができる。このことが光ファイバリング共振器の特長である。
実測例として、試作した共振器長lが4.5m、挿入損失Lが2dBである非偏波保持型光ファイバリング共振器の伝達関数を図3に示す。周波数間隔c/nlが45MHzで、半値全幅fFWHMが3.5MHz(式(4)より算出される値3.3MHzと同等)の鋭い共振モードが観測されている様子を示している。本共振器は光ファイバで構成されているため、外乱の存在する環境下においても光軸の問題はなく、この鋭い伝達関数は長期に亘り保持される利点がある。
一方、従来の2枚のミラーを対向させたファブリー・ペロー共振器を用いてこれと同等の伝達関数を得るためには、例えば、その共振器長を50mmとした場合、凹面鏡の光軸を高精度に調整し99.7%もの反射率を達成しなければならない。また、ファブリー・ペロー共振器では、外乱による光学軸のずれの影響を受け易いため、あるいはレーザ鏡間での空気の対流や長期的な汚れなども無視できず、このような高反射率を有する共振器を長期に亘り保持する機構を実現することは極めて困難である。
図4に、第1の実施形態の共振周波数検出部12の構成の一例を示す。光周波数の基準となる参照光源18と、センサ部10に巻き付けた光ファイバリング共振器11の共振周波数に発振周波数をトラッキング(一致)させる周波数可変レーザ19と、光ファイバリング共振器11の中心周波数へのトラッキング制御に用いる負帰還制御回路20と、これら2台のレーザの出力光を分岐/合波するための光カプラ21と、2台のレーザ間のヘテロダインビート信号を検出するための光検出器22と、そのビート信号の中心周波数を測定するための周波数カウンタ23とからなる。参照光源18の発振周波数νと周波数可変レーザ19の発振周波数νとの差分を、ヘテロダインビート信号(中心周波数f=ν−ν)より測定し、その中心周波数の時間に対する変動量Δf=Δνをモニタすることで、センサ部10に巻き付けた光ファイバリング共振器11の共振周波数変化を計測できる。
例えば、このビート信号の検出に用いるレーザ光源の波長を光通信波長1.55μm帯に設定することで、共振器周波数検出部12とセンサ部10との間を長距離の光ファイバ伝送路で結ぶことができる。その結果、共振器周波数検出部12を平野部に配置し、そこから遠く離れた海底や火山地域にセンサ部10を配置した、安全な遠隔計測が可能となる。また、複数個所にセンサ部10を配置し、面状に多点計測を行う光ファイバ計測網を構築することも容易となる。そのため、参照光源18としては、1.55μm帯のアセチレン分子やシアン化水素分子の吸収線ピークに光周波数を安定化させた周波数安定化レーザが有効である(非特許文献1,2参照)。また、周波数可変レーザ19としては、狭線幅な発振スペクトルが得られる1.55μm帯エルビウムファイバレーザが有効である(非特許文献3参照)。
図5は、本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。図において、外部の圧力変化に対する計測感度が異なる高感度センサ部24と低感度センサ部25とを設け、それぞれのセンサ部の外周に、例えば10程度の高いQ値を有する光ファイバリング共振器11を巻き付ける。そして、2台の周波数可変レーザ19の発振周波数を、それぞれ高感度センサ部24および低感度センサ部25に巻き付けた光ファイバリング共振器11の共振周波数にトラッキングし、光カプラ21、光検出器22および周波数カウンタ23を用いて、両レーザの発振周波数の差を測定する。これにより、高感度センサ部24および低感度センサ部25に巻き付けた2つの光ファイバリング共振器11の間の共振周波数差を検出する。
光ファイバリング共振器11の共振周波数は、センサ外部の圧力変化の他、例えばセンサ部周辺の温度変化によっても変動してしまう。そのため、温度変化の影響を補償することが重要となる。そこで、図5では、圧力変化に対する感度の異なる2つのセンサを隣接して配置し、それらが共通の温度変化の影響を受けるようにすることで、前記共振周波数差を測定した際に、温度変化に伴う共振周波数変化分を相殺できる。一方、圧力変化に伴う共振周波数変化に対しては、両センサの感度が異なるため、その差分を検出することができる。ここで、光ファイバリング共振器11の構成は、第1の実施形態と同様である。
図6に、第2の実施形態におけるセンサ部の構成例を示す。図6(a)は、異なるヤング率を有する2つの円筒型金属材料を利用した充填型センサの構成例である。低ヤング率の金属部を高感度センサ部24、高ヤング率の金属部を低感度センサ部25として用いる。充填型センサは、複雑な加工が不要といった利点がある。
一方、図6(b)〜(f)は、センサ内部が空洞である空洞型センサの構成例である。本センサは、同一の材料で高感度センサ部24および低感度センサ部25を構成できることより、両センサ部の熱膨張係数が完全に一致し、温度変化に伴う共振周波数変化をより高い精度で相殺できる利点がある。図6(b)に示すセンサ部は、厚みの異なる2つの円筒構造体からなり、肉薄部を高感度センサ部24、肉厚部を低感度センサ部25として用いている。図6(c)に示すセンサ部は、図6(b)のものと同じ動作原理であるが、光ファイバリング共振器11を巻き付ける向きが直交の関係にある。図6(d)に示すセンサ部は、その一部に薄目の蛇腹構造を有し、特定の直径方向(蛇腹構造のある軸に対し直交の向き)の圧力変化に対し高い感度が得られるように工夫を施したものである。図6(e)および(f)は、それぞれ図6(c)および(d)のセンサを球構造にしたものである。
図7に、第2の実施形態による水圧計測の結果の一例を示す。センサ部として図6(c)に示す空洞型センサを利用した。直径120mm、高さ200mmの円筒型アルミ材を加工し、高感度センサ部24および低感度センサ部25の外壁の厚みがそれぞれ3mmおよび10mmである空洞構造を形成した。また、各センサ部の外周に光ファイバを巻き付けるための溝を施した。
計2台の光ファイバリング共振器11としては、図2(b)に示す非偏波保持型光ファイバリング共振器を利用した。2つの分岐比1:99の光カプラモジュールおよび、反射光の影響を除くための光アイソレータモジュールをリング状に融着接続し、長さ4.5mのリング共振器を構成した。共振器の挿入損失は約2dBであり、図3に示す伝達関数を有する。この光共振器を2つ作製し、それらを高感度センサ部24および低感度センサ部25に巻き付けた。また、共振周波数差を検出するための2台の周波数可変レーザ19には、1.55μmで発振するエルビウム添加ファイバレーザを使用した。本レーザは、全長が4mの偏波保持ファイバリング共振器からなり、その共振器内に、3dB帯域が1.2GHzであるファイバブラッググレーティング狭帯域光フィルタを挿入することで、単一モード動作を得ている。
また、共振器を構成する光ファイバの一部を円筒型ピエゾ(PZT)素子に巻き付け、PZT素子への印加電圧によりレーザ周波数を可変にしている。レーザの線幅は5kHzと狭く、100mW以上の高出力(スロープ効率35%)が得られている。LN光位相変調器とバランスミキサからなる位相敏感検波系とを用いて、本ファイバレーザの発振周波数と、センサ部に巻き付けた光ファイバリング共振器11の共振周波数とのずれ量を電圧信号として検出し、その検出電圧信号を、PI制御回路を介してレーザ共振器内のPZT素子へ帰還することで、両周波数の一致(トラッキング制御)を図っている。
高感度センサ部24および低感度センサ部25にトラッキングした2台のファイバレーザ出力光のヘテロダインビート信号のRFスペクトルを、図7(a)に示す。狭線幅なファイバレーザを用いることで、ヘテロダインビート信号の短期的な揺らぎ幅を±110kHzの範囲に抑えることができている。つぎに、センサ部を水槽の中に沈め、その水位を1cmずつ下げたとき(水位誤差2mm)のビート信号の中心周波数変化を測定した結果を、図7(b)に示す。図より、ビート信号の中心周波数は、水位変化に対し−12.2MHz/cmの傾きで変化していることがわかる。水位変化の測定において、図7(a)に示すようなビート信号の短期的な周波数揺らぎが測定誤差を与え、この誤差が測定分解能を決めている。この周波数揺らぎ幅が220kHzであることより、本試験における水位変化の測定分解能は、180μmであるといえる。以上のように、第2の実施形態を用いて、1mm以下の極めて高い分解能を有する水圧計測が実現できている。
図8は、本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。図において、0°、120°、240°の三方向のひずみの変化を計測するための3つのセンサ部(0°センサ部26、120°センサ部27、240°センサ部28)に、それぞれ例えば10程度の高いQ値を有する光ファイバリング共振器11を巻き付け、各センサ部における共振周波数の変化を、計3台の共振周波数検出部12でモニタする系からなる。この三成分ひずみ計の基本動作は、第1の実施形態と同様である。
図9に、第3の実施形態におけるセンサ部の構成例を示す。図9(a),(b)は円筒構造を有する円筒型センサ、図9(c),(d)は球構造を有する球型センサの構成例である。図9(a)と(c)に示すセンサ部は、一部の外壁の厚みを薄くし、その部分に付与されるひずみに対する検出感度を高めている。一方、図9(b)と(d)に示すセンサ部は、一部の外壁を蛇腹構造にし、それと直交する方向のひずみに対する検出感度を高めている。いずれの構造においても、0°、120°、240°の三方向に対し高感度センサ部を設けている。
本発明に係るレーザ圧力・ひずみ計は、光ファイバを介した遠隔計測が可能であり、沖合から遠く離れた海底における水圧変化(津波)、地震および、地中のひずみの変化(地殻変動)を極めて高感度に計測できる。このため、早期にかつ安全に津波・火山などの情報が得られ、それらからの災害を小さいものにすることができる。
1 高感度センサ部
2 低感度センサ部
3 凹面鏡
4 凹面鏡ホルダ
5 直角プリズム
6 コリメータ
7 シール部
8 円筒容器
9 光ファイバ

10 センサ部
11 光ファイバリング共振器
12 共振周波数検出部
13 偏波保持単一モードファイバ
14 偏波ビームスプリッタ
15 2分の1波長板
16 標準単一モードファイバ
17 光カプラ
18 参照光源
19 周波数可変レーザ
20 負帰還制御回路
21 光カプラ
22 光検出器
23 周波数カウンタ
24 高感度センサ部
25 低感度センサ部
26 0°センサ部
27 120°センサ部
28 240°センサ部

Claims (4)

  1. 光ファイバリングをセンサ部に巻き付けて、光ファイバリング共振器を形成し、外部の圧力および/またはひずみの変化に伴う前記センサ部の形状変化を、前記光ファイバリング共振器の共振周波数変化から検出可能に構成されていることを特徴とするレーザ圧力・ひずみ計。
  2. 前記センサ部に、圧力および/またはひずみの変化に対し高感度に形状が変化する高感度検出部と、前記高感度検出部よりも低感度に形状が変化する低感度検出部とを有し、前記高感度検出部および前記低感度検出部における形状変化量の差分に基づいて、前記圧力および/またはひずみの変化を高精度に検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ圧力・ひずみ計。
  3. 前記センサ部に、それぞれ0°、120°、および240°の各方向にかかるひずみに対応して高感度に形状が変化する3つの検出部を有し、各検出部で検出した三成分のひずみの変化により地殻変動量を計測可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ圧力・ひずみ計。
  4. 前記光ファイバリング共振器の共振周波数に、前記センサ部の外部に設置した波長可変レーザの発振周波数を負帰還させて安定化し、前記波長可変レーザの発振周波数により前記光ファイバリング共振器の共振周波数を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ圧力・ひずみ計。
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