図1は本発明の実施形態としての下水排出方法を実践する下水浄化システムJGSの概要を示すブロック図である。図示するように、この下水浄化システムJGSは、上水使用施設JYに、付属浄化施設50を備える。本実施形態で示す上水使用施設JYは、顧客への商品陳列とその販売を図る商業施設ゾーンと、遊技場や映画館等の娯楽施設ゾーンと、レストラン等を併設した大規模な複合施設である。そして、この上水使用施設JYは、当該施設が属する自治体もしくは近隣の自治体が連携した広域連合が運営して上水供給を図る上水施設JSから、上水道流路JSpを経て上水の供給を受け、その供給を受けた上水を使用して、使用後の上水を下水として排出する。なお、上水使用施設JYは、付属浄化施設50を備えていればよく、大規模な複合施設に限られるものではない。例えば、工場、浴場施設等の商工業的な上下水使用施設の他、戸建ての一般住居や集合住宅といった上下水使用施設であってもよい。
上水使用施設JYは、上水道流路JSpに接続された上水分配流路20を備え、当該流路の上流に、上水道流路JSpから供給される上水の流量を計測する上水流量計測機器10を備える。上水流量計測機器10は、単位時間当たりの上水流量JQを常時計測する。この計測結果は、図示しない上下水道利用状況調査装置に所定時間毎に送信され、上水の利用状況の調査に用いられる。上水流量計測機器10の計測メカニズムは、種々の形態とすることができ、超音波を利用して流量を計測する非接触式の計測機器の他、スクリューや水車を流路にて回転させて流量を計測する接触式の計測機器とできる。
上水使用施設JYは、上水分配流路20にて、上記の各ゾーンのトイレ、炊事場等の水道蛇口や、水槽、噴水、調理機器等の上水使用機器に上水を分配する。上水使用施設JYは、使用後の上水を、施設内の下水口から延びる集合下水流路30にて集約した上で、施設内下水流路40に流す。施設内下水流路40は、上水使用施設JYが属する自治体もしくは近隣の自治体が連携した広域連合が運営する下水浄化処理施設GJPに到る公共下水流路Gpと接続されている。よって、上水使用施設JYは、集合下水流路30で集約した使用後の上水を、施設内下水流路40および公共下水流路Gpを経て、下水浄化処理施設GJPに下水として排出する。この下水浄化処理施設GJPは、上記の上水使用施設JYを始めとする他の図示しない上水使用施設の一部或いはその全部に加え、周辺の複数の一般住居Hや工場F等からも、公共下水流路Gpを経て、使用後の上水を下水として処理すべく受け入れる。そして、下水浄化処理施設GJPは、こうして各施設から受け入れた下水を、当該浄化処理施設の周辺の河川その他の公共の水域または海域である自然環境水域Rgjpへの放流が許容される放流許容水質となるまで浄化した上で、その浄化済み下水を自然環境水域Rgjpに排出・放流する。
この他、上水使用施設JYは、施設内下水流路40に設けた下水分配弁42と、上水使用施設JYに付属の付属浄化施設50と、浄化制御装置60と、付属浄化施設50から延びる付属排水流路52と、当該流路に設けた流路切換弁70と下水流量計測機器80と、流路切換弁70から付属浄化施設50の下水流入口に延びる環流浄化流路72と、流路切換弁70から施設内下水流路40の合流弁43に延びるリターン排出流路73とを備える。下水分配弁42は、後述の浄化制御装置60により駆動制御され、公共下水流路Gpに上水使用施設JYから排出される下水の少なくとも一部を公共下水流路Gpの手前で取水し、該取水した下水を付属浄化施設50に分配して導く。この場合、浄化制御装置60は、付属浄化施設50の浄化能力(浄化処理可能な流量)や、上水使用施設JYからの下水排出総量、自治体等からの規制や要請等に応じて、下水分配弁42を駆動制御して、付属浄化施設50への分配下水流量(取水流量)を定める。なお、下水分配弁42は、施設内下水流路40を流れる下水の全量を取水して付属浄化施設50に導くことも可能である。
付属浄化施設50は、下水浄化処理施設GJPとは別に上水使用施設JYの敷地内或いはその周辺に構築された施設であり、pH調整の他、生物学的酸素濃度(BOD)や化学的酸素濃度(COD)等の生活環境保全に関する酸素濃度の低減、浮遊物(SS)の沈降分離といった手法による除去或いは低減、重金属の吸着除去、有機リン等の有機物の除去やその低減等を図るべく、複数の曝気槽や沈殿槽、薬品処理槽を備える。そして、この付属浄化施設50は、下水分配弁42から分配された下水を、後述の浄化制御装置60の制御下において、上水使用施設JYの周辺の河川その他の公共の水域または海域である自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質となるまで浄化し、その浄化済み下水を、付属排水流路52およびその下流の施設外排水流路53を経て、自然環境水域Rjp1に排出・放流する。本実施形態の付属浄化施設50は、上水使用施設JYから排出される下水の全量を、放流許容水質となるまで浄化可能な浄化能力を備える。
上記の付属浄化施設50は、上水使用施設JYの単位期間当たり(例えば一日や一週間、一月の間)の上水総使用量或いは下水総排出量、敷地面積等に応じてその浄化能力および規模が決定される。例えば、付属浄化施設50は、上記の単位期間当たりの上水使用施設JYの下水総排出量の5〜100%程度の下水を上記の自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質となるまで浄化できる浄化性能および能力、規模とされる。この場合、本実施形態の上水使用施設JYは、既述したように商業施設ゾーン等を含む大規模な複合施設であることから、想定される或いは実際の下水総排出量は多いので、付属浄化施設50の規模は上記範囲で定まるが、下水総排出量が少なければ、付属浄化施設50の施設規模や能力を下水総排出量比において高めても良い。例えば、上水使用施設JYがアパートやマンションといった集合住宅や小規模な工場、商業ビル等であれば、当該施設に付属の付属浄化施設50については、下水総排出量の30〜100%程度の下水を自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質となるまで浄化できる浄化性能および能力、規模とすればよい。
この他、付属浄化施設50は、上記した曝気槽や沈殿槽、薬品処理槽において浄化した下水の水質浄化の程度を計測する指標計測器54を備える。この指標計測器54は、付属浄化施設50の最下流域の処理水貯留域51に配設され、この処理水貯留域51において下水をサンプリングし、付属浄化施設50の曝気槽等の各種処理槽で浄化済みの下水(以下、この下水を単に浄化済み下水と称する)の水質管理パラメータを計測する。水質管理パラメータには、水素イオン指数(pH)や浮遊物質量(SS)、生物学的酸素濃度(BOD)、化学的酸素濃度(COD)、全有機炭素(TOC:Total Organic Carbon)、動植物油脂類含有量、銅含有量、亜鉛含有量などが含まれる。本実施形態では、上記の水質管理パラメータのうち、水素イオン濃度(pH)と浮遊物質量(SS)と全有機炭素(TOC)を、放流許容水質まで浄化するための水質管理パラメータとして、次の計測機器を用いて計測した。これら水質管理パラメータは、付属浄化施設50で浄化した下水の放流許容水質の判断に用いられる。なお、生物学的酸素濃度(BOD)と化学的酸素濃度(COD)を計測するようにしてもよいが、BOD計測には、好気性環境下での五日間の培養が必要であるので、BOD計測は行わないようにした。全有機炭素(TOC)は、水中の有機物量を、炭素濃度として表現する指標であり、BODやCODとも対応付けが可能である。よって、本実施形態では、BODに加えCODの計測を割愛した。
・指標1.水素イオン濃度(pH):堀場アドバンステクノ社製水素イオン指数計測器:計測結果取得所要時間0.1分;
・指標2.浮遊物質量(SS):堀場アドバンステクノ社製懸濁物質計測器:計測結果取得所要時間0.3分;
・指標3.全有機炭素(TOC):東レエンジニアリング社製有機体炭素分析装置:計測結果取得所要時間4分;
指標計測器54で得られた上記の各種水質管理パラメータは、付属浄化施設50の最下流側の処理水貯留域51で計測した実際の水質管理パラメータであることから、付属浄化施設50で浄化済みでこれから自然環境水域Rjp1に正に排出されようとする浄化済み下水の水質管理パラメータである。本実施形態では、指標計測器54で計測した実際の水質管理パラメータに応じて、浄化下水の自然環境水域Rjp1への排出の是非を後述するように決定することから、以下の説明においては、指標計測器54で計測した実際の水質管理パラメータを計測水質管理パラメータと称し、下水浄化処理施設GJPが規定した水質管理パラメータと区別する。
指標計測器54が配設された処理水貯留域51は、付属浄化施設50で所定時間に亘って浄化された浄化済み下水を貯留可能な容積とされている。そして、付属排水流路52は、この処理水貯留域51に貯留された浄化済み下水を、処理水貯留域51に先に流れ込んだ浄化済み下水から、施設外排水流路53に導く。処理水貯留域51の貯留容積については、後述する。
上水使用施設JYと下水浄化処理施設GJPは、公共下水流路Gpの経路だけ離れているが、公共下水流路Gpの経路長は一般的にはそれほど長くはない。よって、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出・放流先である自然環境水域Rjp1と、下水浄化処理施設GJPの浄化済み下水の排出・放流先である自然環境水域Rgjpとは、例えば同一の河川の上下流域の関係であったり、本流と支流の関係であることが多い。付属浄化施設50による下水浄化については、浄化制御装置60による制御と合わせて後述する。
流路切換弁70は、後述の浄化制御装置60の制御を受けて駆動し、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先を、付属排水流路52に続く施設外排水流路53か付属浄化施設50、或いは施設内下水流路40に切り換える。つまり、流路切換弁70は、後述の浄化水質確保状況下では、流路を付属排水流路52に切り換え、付属浄化施設50の浄化済み下水を自然環境水域Rjp1に到る施設外排水流路53に排出する。また、流路切換弁70は、後述の浄化水質未確保状況下では、施設外排水流路53に到る流路を閉じた上で、流路を環流浄化流路72かリターン排出流路73のいずれか一方、或いは両者に切り換える。これにより、後述の浄化水質未確保状況下では、付属浄化施設50の浄化済み下水は、リターン排出流路73と合流弁43を経て公共下水流路Gpに送り込んだり、付属浄化施設50にその下水流入口から環流する。流路切換弁70が環流浄化流路72とリターン排出流路73の両流路に流路を切り換えた場合には、流量比が設定される。流路切換弁70によるこうした流路切換や流量比設定は、浄化制御装置60にて後述するように制御される。
下水流量計測機器80は、施設外排水流路53に接続された付属排水流路52の経路に設置され、付属排水流路52および施設外排水流路53を経て自然環境水域Rjp1に排出される下水流量、即ち、付属浄化施設50の浄化済みの下水が自然環境水域Rjp1に排出される際の流量を計測する。この下水流量計測機器80は、既述した上水流量計測機器10と同様、単位時間当たりの浄化済み下水流量SGQを常時計測する。この計測結果は、図示しない上下水道利用状況調査装置に所定時間毎に送信され、上水の利用状況の調査に用いられる。下水流量計測機器80の計測メカニズムおよびその計測結果たる浄化済み下水流量SGQと施設特定データの送信にあっても、上水流量計測機器10と同様である。
次に、浄化制御装置60について説明する。図2は浄化制御装置60の構成を機能的に示す説明図である。浄化制御装置60は、付属浄化施設50による下水浄化の状況を制御したり、下水分配弁42からの取水制御、流路切換弁70を介した下水の環流制御等を行う。そして、浄化制御装置60は、こうした制御を図るべく、制御装置62と、データ更新部63と、各種のセンサー群64と、各種の駆動機器群66と、放水規制データベース68とを備える。
制御装置62は、いわゆるパーソナルコンピューターを用いて構成され、当該コンピューターのCPU、RAM、ROMおよび後述の処理により、上記の各制御を担う。また、制御装置62は、指標計測器54の計測した各種計測水質管理パラメータを入力し、後述するように、この計測水質管理パラメータを用いた水質浄化是非判定、弁駆動制御を行う。データ更新部63は、外部のデータ通信網、例えばインターネットNWと接続され、このインターネットNWを介して、放水規制情報や水質管理パラメータを随時入手し、後述の放水規制データベース68の記憶内容を更新する。センサー群64は、付属浄化施設50が有する各処理槽の浄化状況や機器駆動状況を計測するセンサー(例えばpHセンサー、酸素濃度センサー、水位センサー等)や、既述した上水流量計測機器10や下水流量計測機器80が送信する流量データの受信機器等を含む。駆動機器群66は、付属浄化施設50が有する例えば曝気機器、攪拌機器、送水機器等の他、既述した下水分配弁42や流路切換弁70が含まれる。
放水規制データベース68は、外部からのデータの読み書きが可能な記憶媒体、例えばハードディスクドライブやその他の媒体で構成され、制御装置62に接続されている。この放水規制データベース68は、上水使用施設JYの周辺の自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質まで浄化するための種々の水質管理パラメータ、例えば、既述したpHやTOC等の規制範囲の他、浮遊物除去規制範囲、自然環境水域Rjp1への排出量(放水量)の上限値、河川氾濫等の際の緊急止水の要請の有無等を記憶する。上記の水質管理パラメータは、上水使用施設JYが属する自治体もしくは広域連合が運営する下水浄化処理施設GJPにおいても、下水浄化に用いられている。本実施形態では、下水浄化処理施設GJPによる下水浄化と同程度の下水浄化を付属浄化施設50にても達成すべく、上記のデータ更新部63により水質管理パラメータを下水浄化処理施設GJPから随時入手して更新し、放水規制データベース68に随時記憶する。この場合、仮に下水浄化処理施設GJPの水質管理パラメータが公開されていなければ、水質保全の観点から、専用回線等にて、下水浄化処理施設GJPから水質管理パラメータを入手して更新すればよい。なお、水質管理パラメータは、指標計測器54の計測水質管理パラメータと対応している。また、下水浄化処理施設GJPの採用する水質管理パラメータと全く同一とする必要はなく、上水使用施設JYの周辺の自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質まで浄化できるのであれば、付属浄化施設50の水質管理パラメータを、下水浄化処理施設GJPの採用する水質管理パラメータより緩くすることも、厳しくすることもできる。上記した浄化制御装置60は、付属浄化施設50の浄化制御として、指標計測器54の計測結果を用いつつ流路切換弁70の切換制御を図るので、指標計測器54や流路切換弁70と共に、パラメータ判定部や排出機構部を構築する。
図3は浄化制御装置60にて実行される付属浄化施設50の浄化制御の手順を示すフローチャートである。図示する浄化制御は、付属浄化施設50の運転モードを決定した上で、各運転モードに従って付属浄化施設50を駆動制御するためのものであり、浄化制御装置60にて繰り返し実行される。この浄化制御では、まず、付属浄化施設50の運転モードを決定する運転モードファクターの読み込み(ステップS100)に続き、その読み込み結果から、付属浄化施設50を運転すべき運転モードが定常運転モードか否かを判定する(ステップS110)。本実施形態の下水排出方法で用いる付属浄化施設50は、浄化済み下水の水質が自然環境水域Rjp1への放出に適った放流許容水質を満たしている状況下の定常運転モードと、自然環境水域Rjp1にて河川の氾濫が想定されるような場合の緊急止水モードと、保守点検等により運転の停止が要請される停止モードのいずれかで駆動制御される。そして、緊急止水モードは、図2で示した緊急止水ファクターにより決定され、停止モードは、図示しない制御停止スイッチ等の操作により決定され、この両モードが未決定の場合は、定常運転モードとなる。よって、ステップS100の運転モードファクターの読み込みでは、図2で示した緊急止水ファクターの設定状況の読み込みと、制御停止スイッチ等の操作スキャンがなされる。
ステップS100の運転モードファクターの読み込みで、緊急止水ファクターが未設定であり、且つ、制御停止スイッチ等の操作もないと、ステップS110において、浄化制御装置60は、現状の運転モードは定常運転モードであると肯定判定し、付属浄化施設50を次のようにして定常運転モードで駆動制御する(ステップS120)。このステップS120では、浄化制御装置60は、下水分配弁42からの取水下水流量が付属浄化施設50の浄化処理流量の50〜80%に収まるよう、下水分配弁42を駆動制御する。このように定常制御下にて取水制限を行うことで、付属浄化施設50に入り込んで浄化対象となる下水流量に浄化能力上の余裕を持たせ、付属浄化施設50の負荷過大運転を回避して、浄化性能の向上や高い浄化能力の維持を図る。また、浄化制御装置60は、管理目標である水質管理パラメータを図2で示した放水規制データベース68から読み込みつつ付属浄化施設50の曝気機器等を定常状態で駆動制御して、上記の取水流量で付属浄化施設50に入り込んだ下水を付属浄化施設50にて浄化する。この際、浄化制御装置60は、付属浄化施設50の最下流側の処理水貯留域51において指標計測器54から得た実際の計測水質管理パラメータも読み込み、両水質管理パラメータを用いて付属浄化施設50の曝気機器等をフィードバック制御、或いはフィードフォワード制御する。なお、下水分配弁42からの下水の取水量を、上水使用施設JYの稼働状況を考慮して、閉店期間や休日等では高めたりしてもよい。また、下水分配弁42からの下水の取水量を、施設内下水流路40を流れる下水の全量としてもよい。なお、下水分配弁42からの取水下水流量を付属浄化施設50の浄化処理流量の50〜80%に収まるようにするほか、この取水下水流量を浄化処理流量の100%としてもよい。
ステップS120での付属浄化施設50の制御は、下水浄化に関する機器についての制御である。よって、浄化制御装置60は、ステップS120に続き、浄化済み下水の排出に関与する定常運転下での排出制御を行う(ステップS130)。図4は定常運転モードで浄化制御装置60にて実行される付属浄化施設50の排出制御の手順を示すフローチャートである。
定常運転モードでの排出制御は、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先をその都度に決定する制御であり、まず、付属浄化施設50における処理水貯留域51で水質管理パラメータを計測する指標計測器54から計測水質管理パラメータを得るまでの計測待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS131)。ステップS131で判定対象となる計測待機時間は、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを満たしているとの判定を得るに必要な判定所要時間であって、上記の指標1〜指標3に対応する各水質管理パラメータごとに指標計測器54が含む各計測機器が対応する水質管理パラメータを計測するために要する所要時間(計測結果取得所要時間)の最長の所要時間より数秒長い時間である。そして、指標1〜指標3の水質管理パラメータごとに指標計測器54が有する各計測機器は、指標3の水質管理パラメータについての最長の所要時間に対応した計測タイミングで水質管理パラメータの計測を開始し、計測結果が得られ次第、その計測結果、即ち計測水質管理パラメータを浄化制御装置60に出力する。よって、浄化制御装置60は、計測待機期間ごとに、指標1〜指標3の全ての計測水質管理パラメータを指標計測器54から取得し、取得した計測水質管理パラメータを放水規制データベース68(図2参照)に記憶して保存する。つまり、指標1〜指標3の全ての計測水質管理パラメータは、上記の計測結果取得所要時間を越える計測タイミングで得られることになる。
ステップS131で計測経過時間が経過していないと判定した場合は、指標1〜指標3の水質管理パラメータについての全ての計測水質管理パラメータが得られていないことになるので、浄化制御装置60は、図4の排出制御ルーチンおよび図3の浄化制御ルーチンを一旦終了する。このようにステップS131の否定判定を経て制御ルーチンが終了した場合には、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先は、前回の制御ルーチンで規定された排出先が維持される。例えば、前回の制御ルーチンで規定された排出先が自然環境水域Rjp1に到る施設外排水流路53であれば、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先は施設外排水流路53となり、浄化済み下水は施設外排水流路53を経て自然環境水域Rjp1に排出される。なお、計測経過時間が経過していない期間は、浄化水質が未定の浄化水質未確保状況となる。
ところで、上記した計測待機期間の浄化水質未確保状況下においても、既述したステップS120の定常運転モードによる下水浄化は付属浄化施設50でなされていることから、本実施形態の下水排出方法で用いる付属浄化施設50では、次のような対処を図っている。付属浄化施設50は、最下流域に処理水貯留域51を有し、この処理水貯留域51の浄化済み下水の貯留容積を、付属浄化施設50で上記の計測待機時間に亘って浄化された浄化済み下水を貯留可能な容積としている。よって、本実施形態の下水排出方法で用いる付属浄化施設50によれば、指標1〜指標3の水質管理パラメータに対応する計測水質管理パラメータが全て得られるまでに付属浄化施設50で浄化された浄化済み下水を、仮に前回の制御ルーチンで排出先が施設外排水流路53に規定されていても、この施設外排水流路53を経て自然環境水域Rjp1に排出しないようにできる。例えば、付属浄化施設50の浄化能力が100m3/hであれば、計測待機時間に亘って浄化された浄化済み下水は6.7m3程度となり、処理水貯留域51の貯留容積をこの程度の浄化済み下水を貯留可能な容積、例えば7〜10m3とすれば済む。
浄化制御装置60は、ステップS131で計測経過時間が経過したと肯定判定すると、指標計測器54から取得して放水規制データベース68に記憶済みの計測水質管理パラメータを読み込む(ステップS132)。次いで、浄化制御装置60は、読み込んだ計測水質管理パラメータが放水規制データベース68に記憶済みの水質管理パラメータを充足しているか否かを判定する(ステップS133)。ステップS133で計測水質管理パラメータが放水規制データベース68に記憶済みの水質管理パラメータを充足していると肯定判定すると、浄化制御装置60は、前回の図4の排出制御ルーチンに引き続いて、今回の計測水質管理パラメータが継続して水質管理パラメータを充足している否かを判定する(ステップS134)。そして、前回に引き続き今回も計測水質管理パラメータが継続して水質管理パラメータを充足していると肯定判定すると、浄化制御装置60は、定常下での流路切換を行い(ステップS135)、本ルーチンを一旦終了させる。この定常下での流路切換は、付属浄化施設50により浄化済み下水の排出先が図1の施設外排水流路53を経た自然環境水域Rjp1となるように、流路切換弁70を切換制御することでなされる。
その一方、浄化制御装置60は、ステップS133において計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していないと判定した場合と、ステップS134において今回の計測水質管理パラメータが継続して水質管理パラメータを充足していないと判定した場合には、浄化制御装置60は、下水浄化を現状より高めるための浄化薬液の増量注入と浄化機器の浄化活性制御(ステップS136)と、非定常下での流路切換(ステップS137)とを順次行い、本ルーチンを一旦終了させる。ステップS136での、浄化薬液の増量注入は、例えばTOCが高い計測値であったために、有機物の減少をもたらす浄化薬液を、TOCがこれに関する水質管理パラメータを満たす側に付属浄化施設50の薬液処理槽において増量注入することである。また、浄化機器の浄化活性制御は、フィルター等による浮遊物除去を高めるために浄化機器である攪拌機を高回転で制御したり、曝気槽での曝気が活性化するよう曝気機器を高速駆動制御することなどである。非定常下でのステップS137の流路切換は、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先が図1の環流浄化流路72とリターン排出流路73のいずれか一方、或いは両流路となるように、流路切換弁70を切換制御することでなされる。付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先を環流浄化流路72とリターン排出流路73の両流路とする場合には、環流浄化流路72への放出流量とリターン排出流路73への放出流量とは、浄化制御装置60の制御下での流路切換弁70における流路開度設定により規定される。上記の両流量の流量比は、予め規定した流量比としてもよく、現時点での付属浄化施設50への下水取水量に応じて、適宜、可変制御するようにしてもよい。
なお、ステップS133において計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していないと判定した場合と、ステップS134において今回の計測水質管理パラメータが継続して水質管理パラメータを充足していないと判定した場合とにおいて、パラメータ非充足の旨を報知する警告灯の点灯やテキスト表示、アラーム音発生を行うようにしてもよい。こうすれば、パラメータ非充足を認知した施設管理人が、ステップS136における浄化薬液の増量注入や浄化機器の浄化活性制御の実行状況、およびステップS137における流路切換の実行状況を確認できる。また、浄化制御装置60による浄化薬液の増量注入と浄化機器の浄化活性制御および流路切換に代わり、施設管理人によるこれら行為の代行も可能となる。
次に、上記した定常運転モード以外の運転モードにおける付属浄化施設50の浄化制御について、図3に戻って説明する。既述したステップS110において、緊急止水ファクターの設定状況や制御停止スイッチ等の操作状況から、現状の運転モードは定常運転モードではないと判定すると、浄化制御装置60は、緊急止水の要請があるか否かを判定する(ステップS140)。この判定は、緊急止水ファクターの設定状況に基づいて下され、緊急止水ファクターが設定されていると、浄化制御装置60は、付属浄化施設50を緊急止水モードで駆動制御し(ステップS150)、本ルーチンを一旦終了させる。この緊急止水モードは、例えば、自然環境水域Rjp1にて河川の氾濫が想定されるような場合に採られる運転モードであり、自然環境水域Rjp1には、付属浄化施設50にて浄化済みとはいえ、その浄化済み下水を排出しないようにする。つまり、浄化制御装置60は、下水分配弁42による取水下水流量を低減した上で、付属浄化施設50をアイドル状態の浄化とするように、緊急止水モードで付属浄化施設50を駆動制御する。緊急止水ファクターは、自治体や広域連合からの要請により設定したり、河川管理組合等から発せられる河川状況データにより設定される。また、浄化済み下水の排出先については、付属排水流路52を流れる下水全量を環流浄化流路72にて環流させるよう、流路切換弁70を切換制御する。こうすることで、付属浄化施設50をアイドル状態で継続して浄化運転させたまま、その浄化済み下水を、付属排水流路52および施設外排水流路53を経て自然環境水域Rjp1に排出しないようにできる。この場合、環流浄化流路72からの環流により付属浄化施設50のオーバーフローが起きないよう、下水分配弁42からの取水を停止して、閉じられた系にて付属浄化施設50をアイドル状態で浄化運転したり、一時的に停止制御することもできる。或いは、浄化済み下水の排出先にリターン排出流路73も加え、リターン排出流路73から合流弁43を経て公共下水流路Gpに浄化済み下水を排出するようにしてもよい。なお、ここで言う付属浄化施設50のアイドル状態の浄化運転は、付属浄化施設50における各槽での下水循環や曝気等の浄化処理が、その駆動機器の運転範囲の下限近くでなされていることを意味する。
ステップS110での否定判定およびステップS140での否定判定に続くステップS160では、浄化制御装置60は、現状の運転モードは制御停止スイッチ等の操作により停止要請があるとして、付属浄化施設50を停止モードで駆動制御し(ステップS150)、本ルーチンを一旦終了させる。この停止モードは、付属浄化施設50の保守点検等による運転停止の要請に対応した運転モードであり、下水分配弁42による取水を停止した上で、付属浄化施設50についてもその運転を一時的に停止する。こうすることで、保守点検を要する付属浄化施設50には下水が流れ込まないようにして、上水使用施設JYからの下水の全てを、未浄化下水として、施設内下水流路40と公共下水流路Gpを経て下水浄化処理施設GJPに排出できる。また、付属浄化施設50に残存する下水を、付属浄化施設50に設定した図示しないポンプ等により、強制的にリターン排出流路73から公共下水流路Gpを経て下水浄化処理施設GJPに排出してもよい。
以上説明した本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSでは、上水使用施設JYから排出される下水を付属浄化施設50で浄化して自然環境水域Rjp1に排出するに当たり、付属浄化施設50の浄化済み下水について指標計測器54で計測した計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを継続して充足していると(ステップS134:肯定判定)、付属浄化施設50の浄化済みの下水を、流路切換弁70による流路切換を経て、自然環境水域Rjp1に排出する(ステップS135)。しかも、本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSでは、付属浄化施設50の浄化済み下水について指標計測器54で計測した計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していない状況下では(ステップS134:否定判定)、指標計測器54より下流側に設けた流路切換弁70により自然環境水域Rjp1への排出を停止すると共に、付属浄化施設50の浄化済み下水を、下水浄化処理施設GJPに到る公共下水流路Gpに流路切換弁70から送り込んだり、流路切換弁70から環流浄化流路72を経て付属浄化施設50に循環させる(ステップS137)。よって、本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSによれば、浄化済み下水の上記した排出先切換により、水質管理パラメータを満たす放流許容水質まで実際に浄化された下水しか自然環境水域Rjp1に排出しないようにできる。この点につき、以下に詳述する。
計測待機時間ごとに指標計測器54から得られる計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを継続して充足していると言うことは(ステップS134:肯定判定)、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足している継続回数分の計測待機時間に亘って、浄化済み下水は放流許容水質を満たしている。よって、この場合は、放流許容水質まで実際に浄化された下水しか自然環境水域Rjp1に排出されない。
また、前回の制御ルーチンにおいて指標計測器54から得られた計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足しておらず、今回の制御ルーチンにおいて指標計測器54から得られた計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足した場合の計測待機時間、即ち水質向上推移時の計測待機期間では、ステップS131の否定判定を経て、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先は、前回の制御ルーチンで規定された排出先が維持される。この場合には、前回の制御ルーチンで規定された排出先は、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していなかったことから、自然環境水域Rjp1に到る施設外排水流路53以外の環流浄化流路72かリターン排出流路73であるので、この排出先が維持される。よって、上記した水質向上推移時の計測待機期間においては、浄化済み下水は自然環境水域Rjp1に排出されない。そして、この水質向上推移時の計測待機期間における浄化済み下水は、放流許容水質まで浄化されたか不明であるが、環流浄化流路72かリターン排出流路73に排出されるのであって、施設外排水流路53を経て自然環境水域Rjp1には排出されない。このことは、放流許容水質まで実際に浄化された下水しか自然環境水域Rjp1に排出しないことと同義である。
これに加え、前回の制御ルーチンにおいて指標計測器54から得られた計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足しており、今回の制御ルーチンにおいて指標計測器54から得られた計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していなかった場合の計測待機時間、即ち水質低下推移時の計測待機期間では、ステップS131の否定判定を経て、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先は、前回の制御ルーチンで規定された排出先が維持される。この場合には、前回の制御ルーチンで規定された排出先は、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していたことから、自然環境水域Rjp1に到る施設外排水流路53が維持される。しかしながら、処理水貯留域51は、上記の水質低下推移時の計測待機時間に亘って浄化された浄化済み下水を貯留しているので、自然環境水域Rjp1に到る施設外排水流路53が維持されていても、水質低下推移時の計測待機時間に亘って浄化された浄化済み下水は自然環境水域Rjp1に排出されない。そして、この水質低下推移時の計測待機期間における浄化済み下水は、放流許容水質まで浄化されたか不明であるが、処理水貯留域51に貯め置かれるのであって、施設外排水流路53を経て自然環境水域Rjp1には排出されない。このことも、放流許容水質まで実際に浄化された下水しか自然環境水域Rjp1に排出しないことと同義である。以上より、本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSによれば、放流許容水質を担保した浄化済み下水の自然環境水域Rjp1への放出の信頼性を高めることができる。また、本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSによれば、自然環境水域Rjp1に排出する分の水量の浄化済み下水を下水浄化処理施設GJPに排出しないようにできるので、下水浄化処理施設GJPの浄化負荷を軽減できる。なお、水質低下推移時の計測待機期間の経過後は、その際の計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していないので、図3のステップS133の否定判定を受けて、浄化済み下水は、その排出先が施設外排水流路53以外の環流浄化流路72やリターン排出流路73となり(ステップS136)、施設外排水流路53を経て自然環境水域Rjp1には排出されない。
本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSでは、付属浄化施設50は、上水使用施設JYから排出される下水の全量を放流許容水質となるまで浄化可能な浄化能力を備え、この付属浄化施設50に上水使用施設JYから排出される下水の全量を取水して下水の浄化を図る。よって、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足している状況下(ステップS133:肯定判定状況下)では、浄化済み下水の全量が自然環境水域Rjp1に排出され、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していない状況下(ステップS133:否定判定状況下)に限って、付属浄化施設50で浄化済みの下水をリターン排出流路73を介して下水浄化処理施設GJPに排出するに過ぎない。この結果、本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSによれば、下水浄化処理施設GJPへの排出下水量を少なくでき、下水排出に伴う下水道コストも低減できる。
本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSでは、下水分配弁42にて取水した下水を放流許容水質となるまで浄化するための水質管理パラメータを、下水浄化処理施設GJPが浄化済み下水について規定する水質管理パラメータに倣った指標とする。このため、上水使用施設JYの付属浄化施設50で浄化して自然環境水域Rjp1に排出する浄化済み下水の水質を、下水浄化処理施設GJPで浄化して排出される下水の水質と同程度とできるので、自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質となるまでの下水浄化をより確実に担保できる。
本実施形態の下水排出方法が適用された下水浄化システムJGSでは、TOCの計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していなければ、TOCが水質管理パラメータを満たす側に付属浄化施設50の薬液処理槽において浄化薬液を増量注入したり、攪拌機等の浄化機器の浄化活性制御を行う(ステップS136)。このため、自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質となるまでの下水浄化を早期のうちに達成できる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
既述した実施形態では、計測水質管理パラメータが2回継続して水質管理パラメータを充足していると、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先を自然環境水域Rjp1に切り換えるが(ステップS133−135)、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータの未充足の状態から充足に推移(水質向上推移)した時点で、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先を自然環境水域Rjp1に切り換えてもよい。具体的には、図4に示すステップS134を省略してもよい。こうすれば、水質向上推移を起こした計測待機時間における浄化済み下水は、自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質であると断定できないものの、放流許容水質に近似した水質の浄化済み下水であって、計測待機時間における浄化済み下水の流量は、例えば終日稼働の付属浄化施設50が浄化処理する下水流量に比べれば、極めて少量である。よって、一日を単位に自然環境水域Rjp1への浄化済み下水の放出を評価するとすれば、水質向上推移した時点で浄化済み下水の排出先を自然環境水域Rjp1に切り換えても、実質的に放流許容水質とされた浄化済み下水を自然環境水域Rjp1に放出できる、と言える。また、計測水質管理パラメータが3回以上継続して水質管理パラメータを充足した場合に、付属浄化施設50の浄化済み下水の排出先を自然環境水域Rjp1に切り換えてもよい。こうすれば、自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質となるまでの下水浄化の確実性がより高まる。
既述した実施形態では、自然環境水域Rjp1への放流が許容される放流許容水質の目処となる指標を、指標1:水素イオン濃度(pH)と指標2:浮遊物質量(SS)と指標3:全有機炭素(TOC)としたが、動植物油脂類含有量、銅含有量、亜鉛含有量などを指標として用いてもよい。
既述した実施形態では、計測水質管理パラメータが水質管理パラメータを充足していない場合において、TOCが水質管理パラメータを満たす側への浄化薬液の増量注入と浄化機器の浄化活性制御とを行ったが、浄化改善に有益ないずれか一方を行うようにしてもよい。
既述した実施形態では、付属浄化施設50を複数の曝気槽や沈殿槽、薬品処理槽を備えるものとしたが、自然環境水域への放流が許容される放流許容水質となるまでの浄化が可能であれば、単一の処理槽、例えば、高温環境下で活性炭を貯留した処理槽を用い、この高温活性炭で下水を浄化する浄化施設を用いてもよい。