JP2018178015A - ポリエチレンフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
アンチブロッキング剤を含まずに耐ブロッキング性を向上する技術として特許文献1や特許文献2に記載のフィルムが知られている。
下記(a1)及び(a2)の特性を満たす、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含み、外部ヘイズが15%以上であることを特徴とするフィルムが提供される:
(a1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が0.1〜50g/10分であり、
(a2)密度が885〜915kg/m3である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィン、好ましくはエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体である。エチレンとの共重合に用いられる炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。なかでも、1−ヘキセンが好ましい。本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、1種のエチレン・α−オレフィン共重合体であってもよく、2種以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を組み合わせてもよい。
MFRは分子量に強く依存しており、MFRが小さいほど分子量は大きく、MFRが大きいほど分子量は小さくなる。また、エチレン系重合体の分子量は、重合系内における水素とエチレンとの組成比(水素/エチレン)により決定されることが知られている(例えば、曽我和雄他編、「Catalytic Olefin Polymerization」、講談社サイエンティフィク、1990年、p.376)。このため、水素/エチレンを増減させることで、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMFRを増減させることが可能である。
MFRは、JIS K7210−1に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定される。
MFRは、フィルム成形時の樹脂流動性に寄与し、0.1g/10分未満ではダイからの押出が困難である。一方、50g/10分を超えると、溶融膜が不安定となり成形不可となる。MFRは、好ましくは0.5〜20g/10分の範囲である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、上記範囲の密度を有する、いわゆる低密度ポリエチレンである。885kg/m3未満のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)はブロッキングがひどくフィルム製膜が困難である。一方、915kg/m3を超えると、低温ヒートシール性が損なわれる。密度は、好ましくは890〜910kg/m3の範囲である。
密度は、JIS K7112に準拠して測定されたものである。詳細は実施例において説明する。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、オレフィン系重合体製造用触媒の存在下、エチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンとを重合することにより製造することができる。
オレフィン系重合体製造用触媒としては、特に制限はなく、従来公知のチーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒などが挙げられるが、メタロセン触媒を用いる方法で製造することが好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含む樹脂組成物(以下、エチレン系組成物(α)という)を加工することにより、耐ブロッキング性に優れ、かつ低温ヒートシール性に優れたフィルム、あるいは多層フィルム(積層体)が得られる。
ここで、積層体は、少なくとも一方の表面層がエチレン系組成物(α)からなる層(フィルム)を含んで形成されている。この積層体において、エチレン系組成物(α)からなる層は、片面のみに形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。この積層体を構成する基材は、エチレン系組成物(α)からなるものであってもよく、あるいは、本発明に係るエチレン系組成物(α)以外の樹脂材料や他の材料からなるものであってもよい。積層数の制限はなく、用途に合わせて適宜調整すればよい。
エチレン系組成物(α)においてブレンドしうる「他の熱可塑性樹脂」としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルおよびポリアセタールなどの結晶性熱可塑性樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアクリレートなどの非結晶性熱可塑性樹脂が用いられる。また、ポリ塩化ビニルも好ましく用いられる。
エチレン系重合体の物性の測定方法を以下に示す。
JIS K7210−1に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP0523A)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
[エチレン系重合体(PE−2)]
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリューP SP9016)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
[エチレン系重合体(PE−3)]
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP0520H)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
[エチレン系重合体(PE−4)]
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP0510)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP2020)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:ネオゼックス 2006H)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
旭化成株式会社より市販されている中空・押出成形用ポリエチレン(商品名:サンテック M2206)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP0540)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP2040)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を表1に示す。
表2に示す組成でペレットを調製し、インフレーション成形機によりフィルムを作製した。なお、ペレット調製時に、スリップ剤マスターバッチとして株式会社プライムポリマーより市販されているESQ−4を、アンチブロック剤マスターバッチとして株式会社プライムポリマーより市販されているEAZ−10を使用した。これらをドライブレンドにて混合し使用した。また、下記条件でフィルムを製膜し、フィルム物性を評価した。
<成形方法>
エチレン系組成物ペレットを用い下記の成形条件で空冷インフレーション成形を行い、肉厚40μm、幅320mmのフィルムを成形した。
・成形機:SHIモダンマシナリー製インフレーション成形機
引取速度:20m/min
設定温度:シリンダー180℃、ダイス190℃
押出機サイズ:50mm径、L/D=27
押出量:28.8kg/h
リップギャップ:2.0mm
膨比:2.0
スクリュータイプ:バリアフライトタイプ
ASTM D1709に従って、以下条件にて測定した。
試験片をエアークランプ方式で締め付け、半球径のダートを一定の高さの位置から落下させ、試験片が50%破壊する荷重をグラフから読み取る。一水準の落下回数は10回とし、A法を用いる。
外部ヘイズは以下の式により算出した。
外部ヘイズ=全ヘイズ−内部ヘイズ
全ヘイズはASTM D1003に従って測定した。また、内部ヘイズは、シクロヘキサノールを充填したセルにフィルムを入れ、その後全ヘイズ同様にヘイズメーターを使用して測定を実施した。
静摩擦係数は、ASTMD1894に準じた方法を取っており、SUS板の上に幅63.5mm角のフィルムサンプルを広げた状態で載せ、さらにフィルムに200gの錘を載せた状態で、23℃の雰囲気下で、試験速度200mm/minで引張った時の静止摩擦力を荷重で割った値である。試験は5回実施し、その平均値を示している。
ASTM D1893−67に従って、以下方法にて測定した。
インフレーションフィルムの内面同士を二枚重ねした試験片を所定時間、温度と荷重をかけてエージングした後、インストロン型万能材料試験機に取り付けられたブロッキング測定治具にセットする。インストロン型万能材料試験機により二枚のブロッキングした試験片を引き離すのに必要な力を試験片の幅で除した値をブロッキング係数とする。
・測定温度:23℃
・試験速度:200mm/min.
・試験片 厚み/幅:40μm/200mm
・エージング条件:50℃×10kgf×3日
インフレーションフィルムの内面同士を二枚重ねした試験片を所定時間、温度と荷重をかけてヒートシールした後、二枚のヒートシール試験片を引き離すのに必要な力(N/15mm)をヒートシール強度とする。
・ヒートシール温度:80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃
・ヒートシール圧力:0.2MPa
・ヒートシール時間:1sec
・試験速度:300mm/min.
・試験片 厚み/幅:40μm/15mm幅
表3に示す組成の内層を用い、中間層及び外層にPE−9を使用して、内層/中間層/外層の三層構成からなる積層フィルム(総膜厚:40μm)を以下の条件で製造した。
加工機械:モダンマシナリー製多層キャストフィルム製膜機
引取速度:50m/min
設定温度:230℃
押出機サイズ:65mmφ
押出量:外層/内層:30kg/h 中間層:60kg/h
リップギャップ:2.0mm
層比:36923.0
スクリュータイプ:バリアフライトタイプ
Claims (4)
- 下記(a1)及び(a2)の特性を満たす、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含み、外部ヘイズが15%以上であることを特徴とするフィルム:
(a1)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR2.16)が0.1〜50g/10分であり、
(a2)密度が885〜915kg/m3である。 - 前記フィルムの厚みが0.005mm以上、1mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
- 請求項1又は2に記載のフィルムを含む積層体。
- 請求項1又は2に記載のフィルム又は請求項3の積層体を含む包装材。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH1086218A (ja) * | 1996-09-20 | 1998-04-07 | Nippon Petrochem Co Ltd | インフレーションフィルムおよび該フィルムの製造方法 |
WO2013099927A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-04 | 三井化学株式会社 | エチレン系重合体組成物、及びこれから得られる成形体 |
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WO2023127480A1 (ja) | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 株式会社プライムポリマー | エチレン・α-オレフィン共重合体からなるフィルム |
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