JP2018173119A - 転がり軸受 - Google Patents

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司郎 後藤
雄一 伊藤
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Abstract

【課題】固体潤滑剤の被膜加工とは異なる手段で、転がり軸受の回転トルクの低減と潤滑性能との両立を図る。【解決手段】保持器40には、柱部41及び繋ぎ部42のうち、ポケット44に配置された転動体30と接触する柱部41のポケット内面45及び繋ぎ部42、43のポケット内面46、47以外の表面上に植毛部60〜63を設ける。植毛部60〜63は、ケット44に配置された転動体30と接触不可に設ける。これにより、植毛部60〜63に潤滑剤を保持させて潤滑剤の攪拌やせん断を抑えると共に、植毛部60〜63の摩耗を防止して長寿命とする。【選択図】図1

Description

この発明は、保持器を備える転がり軸受に関し、特に転がり軸受の内部を潤滑することに関する。
転がり軸受は、通常、内外の軌道面間に介在する所定数の転動体の周方向間隔を保つため、保持器を備えている。転動体は、保持器のポケットに収容されている。転動体と他の軸受部品との接触部は、軸受内部に存在する潤滑剤(潤滑油又はグリース)によって潤滑される。軸受回転に伴い、潤滑剤は、内外の軌道面間で転がる転動体によって攪拌され、軌道面上やポケットから排出される。このような軸受内部での潤滑特性を向上させるため、種々の工夫がなされている。
例えば、高速・高荷重下でのスミアリング、焼付き、摩耗、ピーリングを防止するために、軌道面や転動体の表面上に、ショットピーニング処理により固体潤滑剤の被膜が形成されている(特許文献1)。
また、軸受内部をグリースの油分で潤滑するグリース潤滑においては、耐剥離性、漏れ性に優れ、外輪回転軸受で使用しても早期焼付きを抑制できるグリースとして、所定のエステル油とジウレア化合物とを所定配合量で含むものが提案されている(特許文献2参照)。
特許第5045806号公報 特許第3330755号公報
しかしながら、特許文献1の転動装置では、転動体や、これと接触する他部材の表面部に潤滑被膜を形成するため、高い精度で被膜形成を行なう必要があり、製造コストが高くなる。
また、近年における自動車や産業用機器などに用いる転がり軸受では、省エネルギー化を図るため、十分な潤滑寿命を確保しつつ、軸受回転トルクを低減することが求められている。
外部から軸受内部に供給する潤滑油の量やグリースの封入量を減らすと、軸受回転トルクを低減することは可能だが、転動体と他の軸受部品との間で潤滑不足になる懸念が高まり、潤滑寿命が短化する懸念もある。特許文献2のように潤滑剤自体の工夫を行っても、軸受内部に供給する潤滑剤の量を減らすと、これらの懸念があることに変わりはない。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、固体潤滑剤の被膜加工とは異なる手段で、転がり軸受の回転トルクの低減と潤滑性能との両立を図ることにある。
上記の課題を解決するため、この発明は、所定数の転動体と、これら転動体の周方向間隔を保つ保持器とを備え、前記保持器は、周方向に所定間隔で並ぶ所定数の柱部と、これら柱部の軸方向片側に連続する繋ぎ部とを有し、周方向に隣り合う前記柱部間のポケットに前記転動体が配置されており、前記柱部及び前記繋ぎ部は、前記ポケットに配置された前記転動体と接触可能なポケット内面を有する転がり軸受において、前記保持器は、前記柱部及び前記繋ぎ部の少なくとも一方のうちの前記ポケット内面以外の表面上に植設された複数の繊維からなる植毛部を有し、前記植毛部は、前記ポケットに配置された転動体と接触不可に設けられている構成を採用した。
上記構成によれば、保持器の柱部や繋ぎ部の表面上に設けられた植毛部の繊維によって潤滑剤が保持される。保持器の植毛部に保持された潤滑剤は、いずれ転動体と他の軸受部品との接触部へ供給される。その植毛部は、転動体と接触できないので、軸受回転中に摩耗する懸念がなく、長寿命である。また、保持器の中でも転動体と非接触な表面上の植毛部に保持された潤滑剤は、転動体からせん断を受けることなく保持器と共に回転し、撹拌抵抗が生じない。このため、軸受内部に供給する潤滑剤の量を減らさずに、軸受回転トルクの低減を図ることが可能である。このように、固体潤滑剤の被膜加工とは異なる手段で、軸受回転トルクの低減と潤滑性能との両立を図ることができる。
特に、グリース潤滑の場合、転動体によるグリースの撹拌およびせん断を抑制することになり、低トルクかつ長寿命となる。また、グリースを植毛部で保持できる分、グリースの軸受内部での移動を抑制することになり、グリース漏れを抑えて長寿命となる。
例えば、前記植毛部は、前記柱部の内径面上に設けられている。
例えば、前記植毛部は、前記柱部のポケット内面よりも大径な領域に設けられている。
例えば、前記柱部は、当該柱部のポケット内面から周方向に凹んだ凹所を有し、前記植毛部は、前記柱部の凹所上に設けられている。このようにすると、柱部の凹所及び当該凹所上の植毛部では、柱部のポケット内面に接触した転動体との間で潤滑剤のせん断を避けることになり、柱部と転動体間での潤滑剤のせん断抵抗を低減することができる。
例えば、前記繋ぎ部は、当該繋ぎ部のポケット内面から軸方向に凹んだ凹所を有し、前記植毛部は、前記繋ぎ部の凹所上に設けられている。このようにすると、繋ぎ部の凹所及び当該凹所上の植毛部では、繋ぎ部のポケット内面に接触した転動体との間で潤滑剤のせん断を避けることになり、繋ぎ部と転動体間での潤滑剤のせん断抵抗を低減することができる。
より好ましくは、前記繋ぎ部は、当該繋ぎ部のポケット内面から軸方向に凹んだ凹所を有し、前記植毛部は、前記柱部の凹所と前記繋ぎ部の凹所とで形成された隅部上に設けられている。このような隅部を形成する柱部及び繋ぎ部の形状は一般的なものである。その隅部を利用すれば、植毛部を転動体と接触不可に設けることができ、柱部と繋ぎ部を特殊な形状にする必要がない。
例えば、前記転動体は、円すいころからなり、前記保持器は、前記柱部の小径側に連続する小径側の前記繋ぎ部と、当該柱部の大径側に連続する大径側の前記繋ぎ部とを有し、 前記小径側の繋ぎ部と、前記大径側の繋ぎ部のうち、小径側の繋ぎ部の表面上のみに前記植毛部が設けられている。円すいころ軸受の回転中、転動体の大径側の端面と保持器の大径側の繋ぎ部とが頻繁に接触する。大径側の繋ぎ部に凹所があると、転動体の大径側の端面に付着した潤滑剤を凹所付近で切る懸念があるので、好ましくない。
この発明は、上記構成の採用により、固体潤滑剤の被膜加工とは異なる手段で、軸受回転トルクの低減と潤滑性能との両立を図ることができる。
この発明の第一実施形態に係る転がり軸受を示す縦断正面図 図1の保持器のポケット形状を示す部分拡大平面図 図1中のIII−III線の断面を示す部分拡大断面図 この発明の第二実施形態に係るポケット形状を示す部分拡大平面図
以下、この発明の一例である第一実施形態の転がり軸受を図1〜図3に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、この転がり軸受は、外周に軌道面11を有する内輪10と、内周に軌道面21を有する外輪20と、内輪10の軌道面11と外輪20の軌道面21との間に介在する所定数の転動体30と、これら転動体30の周方向間隔を保つ保持器40とを備え、転動体30が円すいころからなる円すいころ軸受として構成されている。
ここで、周方向は、軸受中心軸(図示省略)周りの円周方向のことをいう。以下、軸受中心軸に沿った方向を「軸方向」といい、この軸方向は、図1中左右方向に相当する。また、軸受中心軸に対して直角な方向を「径方向」といい、この径方向は、図1中上下方向に相当する。
保持器40は、周方向に所定間隔で並ぶ所定数の柱部41と、これら柱部41の軸方向片側(小径側)に連続する小径側の繋ぎ部42と、これら柱部41の繋ぎ部42と反対の軸方向片側(大径側)に連続する大径側の繋ぎ部43とを有するかご形保持器として構成されている。繋ぎ部42、43は、周方向全周に亘った環状になっている。周方向に隣り合う柱部41間のポケット44に転動体30が配置されている。
柱部41は、ポケット44に配置された転動体30と周方向に接触可能なポケット内面45を有する。小径側の繋ぎ部42は、ポケット44に配置された転動体30と軸方向に接触可能なポケット内面46を有する。大径側の繋ぎ部43は、ポケット44に配置された転動体30と軸方向に接触可能なポケット内面47を有する。保持器40と転動体30との間のポケットすきまは、ポケット内面45〜47と転動体30との間で設定されている。
柱部41は、当該柱部41のポケット内面45から周方向に凹んだ凹所48を有する。柱部41は、周方向の各片側に二箇所ずつ、合計四箇所に凹所48を有する。これら凹所48は、柱部41の小径側の軸方向端部と、大径側の軸方向端部とに位置する。このため、ポケット内面45は、柱部41の軸方向中間部に位置する。小径側の凹所48は、ポケット内面45の軸方向一端から周方向に凹んだ切欠き状になっている。大径側の凹所48は、ポケット内面45の軸方向他端から周方向に凹んだ切欠き状になっている。
柱部41のポケット内面45は、柱部41の内径面49に連続する。柱部41の内径面49は、柱部41の内径を規定する円弧状の表面となっている。ポケット内面45は、内径面49から大径側に向かって次第に転動体30に接近する傾斜面状になっている。内外の軌道面11、12間に介在する転動体30とポケット内面45とが周方向に接触する状態のとき(この状態の転動体30を図2中に二点鎖線で示す。)、ポケット内面45よりも大径な位置に存在する柱部41の領域は、転動体30と接触することができない。
小径側の繋ぎ部42は、当該繋ぎ部42のポケット内面46から軸方向に凹んだ凹所50を有する。凹所50は、周方向に隣接する柱部41間に亘る周方向領域のうち、周方向中間部の一箇所に位置する。このため、小径側の繋ぎ部42は、周方向の二箇所にポケット内面46を有する。各ポケット内面46は、対応側の柱部41の凹所48に連続する。凹所50は、周方向一方側のポケット内面46の周方向端から軸方向に凹み、かつ周方向他方側のポケット内面46の周方向端から軸方向に凹んだ切欠き状になっている。
保持器40は、柱部41及び繋ぎ部42、43の少なくとも一方のうち、ポケット内面45〜47以外の表面上に植毛部60〜63を有する。
第一の植毛部60は、柱部41の内径面49上に設けられている。第一の植毛部60は、内径面49上に植設された複数の繊維60aからなる。
第二の植毛部61は、柱部41の凹所48上に設けられている。第二の植毛部61は、凹所48上に植設された複数の繊維61aからなる。各凹所48に第二の植毛部61が設けられている。
第三の植毛部62は、柱部41のポケット内面45よりも大径な領域に設けられている。第三の植毛部62は、柱部41のうち、ポケット内面45から大径側に連続する周方向端面上に植設された複数の繊維62aからなる。
第四の植毛部63は、小径側の繋ぎ部42の凹所50上に設けられている。第四の植毛部61は、凹所50上に植設された複数の繊維63aからなる。
各繊維は、当該繊維の一端部で対応の保持器40の表面に付着している。各繊維60a、61a、62a、63aの長さは、ポケット44に配置された転動体30と接触することが不可能な寸法に設定されている。
各植毛部60、61、62、63は、所定密度で対応の繊維60a、61a、62a、63aが植設され、対応の繊維60a、61a、62a、63a間にランダムに微小隙間が生じた構造になっている。各植毛部60、61、62、63は、軸受内部で流動する潤滑剤を対応の繊維60a、61a、62a、63aで捕捉し、対応の繊維60a、61a、62a、63a間に保持する。各植毛部60、61、62、63は、主に転動体30に供給されるので、転動体30と他の軸受部品との接触部(例えば、転動体30と軌道面11、21との接触部)に潤滑剤が供給され易くなる。
前述の繊維60a、61a、62a、63aとしては、例えば、合成樹脂繊維、無機繊維、再生繊維、天然繊維が挙げられる。その合成樹脂繊維として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ビニロンなどが挙げられる。また、無機繊維として、例えば、カーボン繊維、グラスファイバーなどが挙げられる。また、再生繊維として、例えば、レーヨン、アセテートなどが挙げられる。また、天然繊維として、例えば、綿、絹、麻、羊毛などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。合成樹脂繊維を柔軟性構造体に用いた場合、油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、均質な繊維を多量に生産することができ、安価に入手することができる。
繊維60a、61a、62a、63aの形状としては、例えば、長さ0.5〜2.0mm、太さ0.5〜50デシテックスのものが好ましい。繊維60a、61a、62a、63aの線形状としては、例えば、ストレートやベンド(先端部が曲がった形状)が挙げられる。ベンド形状ではストレート形状と比較してグリースをより強く保持することができる。また、繊維60a、61a、62a、63aの断面形状としては、例えば、円形や多角形状が挙げられる。多角形状断面の場合、円形断面の場合よりも大きな表面積の繊維とすることができ、潤滑剤の表面張力を大きくすることができる。
各植毛部60、61、62、63における繊維密度は、対応の植毛部60、61、62、63の面積あたりに繊維60a、61a、62a、63aの占める割合で10〜30%が好ましい。
植毛方法としては、吹き付けや静電植毛を採用できる。曲面部においても、多量の繊維60a、61a、62a、63aを短時間で密に植毛できることから、静電植毛を採用することが好ましい。静電植毛方法としては、公知の方法を採用できる。例えば、静電植毛する範囲に接着剤を塗布し、繊維60a、61a、62a、63aを帯電させて静電気力により上記接着剤塗布面に略垂直に植毛した後、乾燥工程・仕上げ工程などを行なう方法が挙げられる。なお、転動体30と接触するポケット内面45〜47に接着剤が付着しないことが好ましいのは勿論である。
前述の接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする接着剤が挙げられる。例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
繊維60a、61a、62a、63aとして合成樹脂繊維を用い、静電植毛により対応の植毛部60、61、62、63を設けると、潤滑油又はグリースの基油による膨潤や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、かつ、均質で密な植毛部を形成することができる。
柱部41及び繋ぎ部42、43の素材については、鋼板、合成樹脂等、任意の材料を採用できる。柱部41及び繋ぎ部42、43の素材や繊維60a、61a、62a、63aの材質、温度条件などに合わせて前述の接着剤種などを決定すればよい。
この転がり軸受に用いられる潤滑剤は、潤滑油又はグリースである。潤滑剤は軸受内部の空間に供給・封入される。潤滑剤としては、通常、転がり軸受に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。
例えば、潤滑油としては、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブテン油、ポリ?α?オレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油などの炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、りん酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油などの非炭化水素系合成油などが挙げられる。これらの潤滑油は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
例えば、グリースを構成する基油として上記の潤滑油が挙げられ、グリースを構成する増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物、PTFE樹脂などのフッ素樹脂粉末が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、潤滑剤には、必要に応じて公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗抑制剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。
グリース潤滑の場合、潤滑剤であるグリースは、軸受内部に封入される際に半固体状態で植毛部60〜63に固着し、軸受回転中、液状化しても植毛部60〜63に保持され、せん断を受けることなく保持器40と共に回転することが可能である。その分、転動体30によるグリースの撹拌抵抗を抑えて、軸受回転トルクの低減を図ることができる。
グリースの封入量は、所望の潤滑特性を確保できる範囲であれば特に限定されないが、軸受内空間における静止空間体積の50%〜80%(体積比率)程度とすることが好ましい。この転がり軸受では、保持器40の植毛部60〜63にグリースが保持されるので、グリースの撹拌抵抗の低減を図り、その封入量を上記範囲としながらも、軸受回転トルクの低減を図ることができる。
グリースは、せん断を受けると軟化して離油し易くなり潤滑寿命が短くなるが、この転がり軸受では、植毛部60〜63に保持されたグリースがせん断を受けにくく、潤滑寿命の長寿命化が図れる。
また、油潤滑の場合、必要に応じて、植毛部60〜63に潤滑油を予め保持させた状態で運転を開始することが可能である。この場合、外部から潤滑油を供給することなく、軸受内部に潤滑油を保持することができ、かつ、グリースのように回転の抵抗となる半固体状の物質が存在しないため、より低トルクとなる。
この転がり軸受は、上述のようなものであり、保持器40の柱部41や繋ぎ部42の表面上に設けられた植毛部60〜63の多数の繊維60a〜63aによって潤滑剤が保持される。保持器40の植毛部60〜63に保持された潤滑剤は、いずれ転動体30と他の軸受部品(内輪10、外輪20、保持器40)との接触部(軌道面11、12、ポケット内面45等)へ供給される。植毛部60〜63は、ポケット44に配置された転動体30と軸受回転中に接触できないので、回転する転動体30に擦られて摩耗する懸念がなく、長期間に亘って安定して潤滑剤の保持性能を発揮することができ、長寿命である。ポケット44に配置された転動体30と非接触な保持器40の表面上の植毛部60〜63に保持された潤滑剤は、転動体30からせん断を受けることなく保持器40と共に回転するので、転動体30によって攪拌されず、その分、撹拌抵抗が生じない。このため、軸受内部に供給する潤滑剤の量を減らさずに、軸受回転トルクの低減を図ることが可能である。このように、この転がり軸受は、固体潤滑剤の被膜加工とは異なり、柱部41や繋ぎ部42の素材表面に繊維を植設する植毛手段で、軸受回転トルクの低減と潤滑性能との両立を図ることができる。
特に、この転がり軸受は、グリース潤滑の場合、転動体30によるグリースの撹拌およびせん断を抑制することになり、低トルクかつ長寿命となる。また、グリースを植毛部60〜63で保持できる分、グリースの軸受内部での移動を抑制することになり、グリース漏れを抑えて長寿命となる。
また、この転がり軸受は、柱部41のポケット内面45から周方向に凹んだ凹所48を有し、ポケット44に配置された転動体30と接触不可な植毛部61が凹所48上に設けられているので、これら凹所48及び植毛部61では、ポケット内面45に接触した転動体30との間で潤滑剤のせん断を避けることになり、柱部41と転動体30間での潤滑剤のせん断抵抗を低減することができる。
また、この転がり軸受は、繋ぎ部42のポケット内面46から軸方向に凹んだ凹所50を有し、ポケット44に配置された転動体30と接触不可な植毛部63が凹所50上に設けられているので、これら凹所50及び植毛部63では、ポケット内面46に接触した転動体30との間で潤滑剤のせん断を避けることになり、繋ぎ部42と転動体30間での潤滑剤のせん断抵抗を低減することができる。
また、この転がり軸受は、転動体10が円すいころからなる円すいころ軸受であって、その保持器40の小径側の繋ぎ部42と大径側の繋ぎ部43のうち、小径側の繋ぎ部42の表面上のみに植毛部63が設けられているので、大径側の繋ぎ部43に植毛部を設けるための凹所がなく、転動体10の大径側の端面に付着した潤滑剤の掻き取りを避けることができる。
この発明の第二実施形態を図4に基づいて説明する。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
図4に示す保持器70は、円筒ころ軸受、自動調心ころ軸受又は玉軸受に適用されるものであって、柱部71の凹所72と繋ぎ部73の凹所74とで形成された隅部75を有する。植毛部76は、各隅部75上に設けられている。このような隅部75を形成する柱部71及び繋ぎ部73の形状は、研削逃げや応力緩和の目的で、一般的に採用されているものである。第二実施形態では、その隅部75を利用して植毛部75を転動体(図示省略)と接触不可に設けることができ、柱部71と繋ぎ部73を特殊な形状にする必要がない。
この発明において、凹所の個数や形状は特に限定されない。また、植毛部の位置についても、上述の実施形態に限定されず、保持器の柱部や繋ぎ部の表面上であって転動体と非接触な位置にあればよく、柱部の内径面のみの態様、外径面のみの態様、柱部のみの態様、繋ぎ部のみの態様等、その他の任意の箇所に配置すればよい。また、上述の実施形態では、かご形保持器を例示したが、冠形保持器、波型保持器、もみ抜き保持器等の他の形式の保持器に植毛部を適用してもよい。また、軸受形式についても特に限定されず、例えば、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト針状ころ軸受、円すいころ軸受、スラスト円すいころ軸受、自動調心玉軸受、自動調心ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受、片側又は両側シール付、片側又は両側開放形などの任意の形式に変更してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
30 転動体
40、70 保持器
41、71 柱部
42、43、73 繋ぎ部
44 ポケット
45、46、47 ポケット内面
48、50、72、74 凹所
49 内径面
60、61、62、63、76 植毛部
60a、61a、62a、63a 繊維

Claims (7)

  1. 所定数の転動体と、これら転動体の周方向間隔を保つ保持器とを備え、
    前記保持器は、周方向に所定間隔で並ぶ所定数の柱部と、これら柱部の軸方向片側に連続する繋ぎ部とを有し、
    周方向に隣り合う前記柱部間のポケットに前記転動体が配置されており、
    前記柱部及び前記繋ぎ部は、前記ポケットに配置された前記転動体と接触可能なポケット内面を有する転がり軸受において、
    前記保持器は、前記柱部及び前記繋ぎ部の少なくとも一方のうちの前記ポケット内面以外の表面上に植設された複数の繊維からなる植毛部を有し、
    前記植毛部は、前記ポケットに配置された転動体と接触不可に設けられていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記植毛部は、前記柱部の内径面上に設けられている請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記植毛部は、前記柱部のポケット内面よりも大径な領域に設けられている請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記柱部は、当該柱部のポケット内面から周方向に凹んだ凹所を有し、
    前記植毛部は、前記柱部の凹所上に設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  5. 前記繋ぎ部は、当該繋ぎ部のポケット内面から軸方向に凹んだ凹所を有し、
    前記植毛部は、前記繋ぎ部の凹所上に設けられている請求項1から4のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  6. 前記繋ぎ部は、当該繋ぎ部のポケット内面から軸方向に凹んだ凹所を有し、
    前記植毛部は、前記柱部の凹所と前記繋ぎ部の凹所とで形成された隅部上に設けられている請求項4に記載の転がり軸受。
  7. 前記転動体は、円すいころからなり、
    前記保持器は、前記柱部の小径側に連続する小径側の前記繋ぎ部と、当該柱部の大径側に連続する大径側の前記繋ぎ部とを有し、
    前記小径側の繋ぎ部と、前記大径側の繋ぎ部のうち、小径側の繋ぎ部の表面上のみに、前記植毛部が設けられている請求項5又は6に記載の転がり軸受。
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