JP2018169373A - 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ - Google Patents

免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ Download PDF

Info

Publication number
JP2018169373A
JP2018169373A JP2017069333A JP2017069333A JP2018169373A JP 2018169373 A JP2018169373 A JP 2018169373A JP 2017069333 A JP2017069333 A JP 2017069333A JP 2017069333 A JP2017069333 A JP 2017069333A JP 2018169373 A JP2018169373 A JP 2018169373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
resin
metal
analyte
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017069333A
Other languages
English (en)
Inventor
靖 榎本
Yasushi Enomoto
靖 榎本
松村 康史
Yasushi Matsumura
康史 松村
小林 薫
Kaoru Kobayashi
薫 小林
友里 山下
Yuri Yamashita
友里 山下
野火子 高山
Nobiko Takayama
野火子 高山
勝好 高山
Katsuyoshi Takayama
勝好 高山
行治 小林
Yukiharu Kobayashi
行治 小林
達次 西原
Tatsuji Nishihara
達次 西原
泉 吉岡
Izumi Yoshioka
泉 吉岡
真也 國領
Shinya Kokuryo
真也 國領
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Adtec Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Adtec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd, Adtec Corp filed Critical Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Priority to JP2017069333A priority Critical patent/JP2018169373A/ja
Publication of JP2018169373A publication Critical patent/JP2018169373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

【課題】免疫測定により、B型肝炎ウイルス由来のアナライトを高感度に測定する。【解決手段】B型肝炎ウイルスを検出又は定量するためのB型肝炎ウイルス測定用キットは、メンブレン110、及び該メンブレン110に、B型肝炎ウイルス由来のアナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されてなる判定部130を含むラテラルフロー型クロマトテストストリップ200と、アナライト160に特異的に結合する抗体を、樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体100で標識した標識抗体150を含む検出試薬と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトを高感度に検出及び定量できる免疫測定方法、それに用いる免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップに関する。
生体内には、無数の化学物質が存在することから、生体内の特定の微量成分を定性的、定量的に分析することは、極めて重要である。医療、製薬、健康食品、バイオテクノロジー、環境等の分野において、生体内の特定の箇所(化学物質)にのみ作用する薬品及び食品、生体の僅かな変化を検出する分析装置及び診断薬等は、上記技術とともに発展してきた。
上記分析技術の一つに、イムノアッセイがある。これは、免疫測定法とも呼ばれ、免疫反応の一つである、抗原−抗体間における特異的な反応を利用し、微量成分を定性的、定量的に分析する方法である。抗原−抗体間反応は感度や反応の選択性が高いため、上記分野で広く用いられている。イムノアッセイは、その測定原理により、様々な測定法がある。例えば、酵素免疫測定法(EIA)、放射性免疫測定法(RIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、ラテックス等の凝集法(LIA、PA)、イムノクロマトグラフィー法(ICA)、赤血球凝集法(HA)、赤血球凝集抑制法(HI)等が挙げられる。
イムノアッセイは、抗原及び抗体が反応し複合体を形成した際の変化(抗原、抗体又は複合体の濃度変化)から、抗原又は抗体を定性的又は定量的に検出する。これらを検出する際に、抗体、抗原又は複合体に標識物質を結合させることで、検出感度が増大する。そのため、標識物質の標識能力は、イムノアッセイにおける検出能力を左右する重要な要素であるといえる。上記に例示したイムノアッセイにおいても、標識物質として、赤血球(HAの場合)、ラテックス粒子(LIAの場合)、蛍光色素(FIAの場合)、放射性元素(RIAの場合)、酵素(EIAの場合)、化学発光物質(CLIAの場合)等が用いられている。
ところで、標識物質として着色した微粒子を用いた場合、特別な分析装置を用いることなく目視により検出を確認することができるため、より簡便な測定ができることが期待される。このような着色した微粒子として、例えば、特許文献1では、ポリマー系ラテックス粒子の表面に結合した金ナノ粒子からなる着色ラテックスが提案されている。ポリマー系ラテックス粒子の表面に金ナノ粒子を結合させることにより、該金ナノ粒子自身が着色剤として視認性や検出感度の向上に役立つ一方、金ナノ粒子自身が抗原又は抗体に対する結合性にも優れることから、充分な濃色となる程度にまで金ナノ粒子を結合させても充分な量の抗原又は抗体を結合させ得るとされている。
上記着色ラテックスは、スチレン−アクリル酸共重合体ラテックス及び金ナノ粒子の前駆体であるHAuClの分散液にガンマ線を照射することで、上記ラテックスの表面に金ナノ粒子を結合させたものである。しかし、上記着色ラテックスは、金ナノ粒子がラテックスの表面のみに結合されることから、表面プラズモン吸収が発現する金ナノ粒子の担持量に制限があるうえに、金ナノ粒子が脱離しやすい。その結果、免疫測定試薬としての視認性や感度が十分でない恐れがある。また、ガンマ線等の電磁放射線を照射するため、ラテックスにダメージを与える恐れがある。さらに、特許文献1の明細書中には、上記ラテックス径や金ナノ粒子径の好ましい範囲を開示しているが、実施例においてこれらの好ましい範囲が検証されておらず、好ましい範囲の規定の根拠がない。
また、特許文献2では、金属金で被覆されたポリマーラテックス粒子が開示され、顕微鏡検査法及びイムノアッセイ法に利用可能な試薬への適用が示唆されている。しかし、上記金属金で被覆されたポリマーラテックス粒子は、その材質や粒径の開示がない。さらに、イムノアッセイ法に利用可能な試薬としての効果について検証がない。そのため、金属金及びポリマーラテックス粒子における試薬としての効果は不明である。
このような背景から、本発明者らは、先に、高感度な免疫測定を可能にする標識物質として、特定の構造の樹脂−金属複合体を提案した(特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
ところで、血液、尿、唾液などの生体試料や食品の抽出試料などの試料中に含まれるアナライトを検出又は定量する際に、ラテラルフロー型クロマトテストストリップ(以下、「テストストリップ」と記すことがある)を用いると、迅速かつ簡便にアナライトを検出できる。そのため、テストストリップは、各種臨床検査や検定試験において汎用されている。このようなテストストリップを用いたイムノクロマトグラフとして、いわゆる1ステップ型と2ステップ型が知られている。
1ステップ型のイムノクロマトグラフでは、まず、試料添加部に、アナライトを含む試料を添加する。添加された試料は、毛細管現象により、メンブレン上を試料添加部から判定部に向かって移動(展開)する。途中の反応部には、アナライトと特異的に結合する標識化リガンドが含まれているため、アナライトは、標識化リガンドと結合し、アナライト及び標識化リガンドを含む複合体が形成される。次に、形成された複合体は、判定部に移動する。判定部では、複合体中のアナライトと特異的に結合するリガンド(捕捉リガンド)が固定されている。そのため、複合体が判定部に移動すると、複合体中のアナライトと捕捉リガンドとの結合反応を介して、複合体は判定部にて捕捉される。次いで、判定部において、捕捉された複合体中の標識物質によるシグナルを検出して、試料中のアナライトを定性的ないし定量的に分析する(例えば、特許文献6)。
一方、2ステップ型のイムノクロマトグラフでは、まず、抗原などのアナライトに、該アナライトと特異的に結合し、標識化された抗体などのリガンドを接触させて複合体を形成する。次に、この複合体を移動相として、テストストリップに添加し、クロマトグラフィーの原理によりメンブレンに展開させ、メンブレンの反応部で捕捉リガンド(例えば、前記抗原に対する第二抗体)により複合体を捕捉した後、標識から発せられるシグナルを検出して、試料中のアナライトを定性的ないし定量的に分析する(例えば、特許文献7)。
特開2009−168495号公報 特開平3−206959号公報 国際公開WO2016/002742 国際公開WO2016/002743 国際公開WO2017/010391 特開2011−27693公報 特開2005−522698公報
イムノクロマトグラフでは、色の濃さと粒子のサイズによって、感度や視認性が左右される。感度アップの為には、少ない粒子がテストラインにキャッチされてもラインとして見えることが重要であるため、大きな粒子であることが有利である。また、人がその少ない粒子を視認するためには、濃い色の粒子で見やすくすることが望まれる。しかし、従来のテストストリップを用いたイムノクロマトグラフでは、標識物質として、酵素を含む蛋白質、金属コロイド、着色ラテックス粒子等が一般的に使用されてきた。これらの標識物質を使用したイムノクロマトグラフでは、発色性、検出感度などの点で必ずしも満足のいくものばかりではなく、改善の余地があった。
例えば、金コロイドは濃い色の粒子で、視認性は高いが、粒径が70nm以下の小さな粒子が多く利用されているため、抗原量(ウイルスなど)が少なくなると、極端に視認性が悪くなり、感度が低下する。また、感度を上げるために金ナノ粒子のサイズを100nm以上にすると、金本来の金属色が現れ、コロイドの染色度が著しく下がり、視認性が低下するため、やはり感度アップが難しくなる。
一方、着色ラテックス粒子は、200nm〜300nmと比較的大きな粒子が使われることが多いため、少ない抗原量でも、大きな粒子がテストラインにキャッチされることによって、感度アップが期待できる。しかし、ラテックス自体の染色度に限界があり、金コロイドほどの濃い発色が得られない。従って、着色ラテックス粒子は大きな粒子でありながら、低い染色度のため、視認性が悪くなり、感度アップが出来ないという問題があった。しかも、着色ラテックス粒子の染色度を上げるために染料を多くすると、粒子の分散性が悪くなるため、染色度の向上も期待できない。
ところで、B型肝炎を引き起こすB型肝炎ウイルス(HBV:Hepatitis B Virus)は、全世界で約3億人以上が感染していると言われ、日本でも、150万人程度の感染者がいると推定されている。B型肝炎ウイルス感染の一次スクリーニング診断では、まず、採血による血液検査でHBs抗原の陽性/陰性が判断される。しかし、採血による検査は、被験者の痛みを伴うとともに、医師の監督下で行わなければならず、より多くの人がB型肝炎ウイルス感染の有無を確認する上で妨げとなっている。従って、例えば唾液等を検体として簡易に行うことができる非侵襲的な検査手法や検査キットの開発が望まれている。しかし、血液中のHBs抗原量に比較して、唾液中のHBs抗原量が少ないため、従来の金コロイドや着色ラテックスを使用する免疫測定では、正確な診断が困難であった。
従って、本発明の目的は、免疫測定法によって、特にB型肝炎ウイルス由来のアナライトを高感度に測定することにある。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の構造の樹脂−金属複合体を標識物質として使用することによって、優れた発色性と検出感度が得られ、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の免疫測定方法は、試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトを検出又は定量する方法である。
本発明の免疫測定方法は、メンブレン、及び該メンブレンに前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマトテストストリップを用い、下記工程(I)〜(III);
工程(I):試料に含まれる前記アナライトと、該アナライトに特異的に結合する抗体を樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体で標識した標識抗体と、を接触させる工程、
工程(II):前記判定部にて、工程(I)において形成された、前記アナライトと標識抗体とを含む複合体を、捕捉リガンドに接触させる工程、
工程(III):前記樹脂−金属複合体の局在型表面プラズモン共鳴及び電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
を含む工程を行うことを特徴とする。
本発明の免疫測定方法は、前記金属粒子が、金粒子又は白金粒子であってもよい。
本発明の免疫測定方法において、前記樹脂−金属複合体における前記金属粒子は、前記樹脂粒子外に露出した部位を有する第1の粒子と、全体が前記樹脂粒子に内包されている第2の粒子と、を含んでいてもよく、前記第1の粒子及び前記第2の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が、前記樹脂粒子の表層部において三次元的に分布していてもよい。
本発明の免疫測定方法は、前記樹脂粒子が、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子であってもよい。
本発明の免疫測定方法は、前記金属粒子の平均粒子径が1〜80nmの範囲内であってもよい。
本発明の免疫測定方法は、前記樹脂−金属複合体の平均粒子径が50〜1000nmの範囲内であってもよい。
本発明の免疫測定方法は、前記抗体が、抗HBs抗体であってもよい。
本発明の免疫測定用キットは、ラテラルフロー型クロマトテストストリップを用いて、試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトを検出又は定量するための免疫測定用キットである。
本発明の免疫測定用キットは、メンブレン、及び該メンブレンに、前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマトテストストリップと、前記アナライトに特異的に結合する抗体を、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体で標識した標識抗体を含む検出試薬と、を含む。
本発明のラテラルフロー型クロマトテストストリップは、試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトを検出又は定量するためのものである。本発明のラテラルフロー型クロマトテストストリップは、メンブレンと、前記メンブレンに、前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部と、前記試料が展開する方向において、前記判定部よりも上流側に、前記アナライトに特異的に結合する抗体を、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体で標識した標識抗体が含まれる反応部と、を含む。
本発明の免疫測定方法によれば、樹脂−金属複合体を抗体や抗原及び蛋白質などに標識して使用することによって、優れた発色性と高い検出感度の両立が可能であり、血液、唾液、便、尿のような生物学的液体の中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトの高感度な免疫測定が可能になる。また、本発明の免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップは、視認性、目視判定性、検出感度に優れており、B型肝炎ウイルスの免疫測定において有利に利用できる。具体的には、従来の、B型肝炎ウイルスの免疫測定では、被検体(ヒト、動物等)として血液を採取し、血液中のB型肝炎ウイルス由来のアナライトを測定する必要があったが、本発明の免疫測定方法によれば、例えば被検体として唾液を採取し、唾液中のB型肝炎ウイルス由来のアナライトを測定すればよい。
本発明の一実施の形態に係るラテラルフロー型クロマトテストストリップを用いた免疫測定方法の概要を示す説明図である。 本発明の一実施の形態で用いる樹脂−金属複合体の断面の構造を示す模式図である。 作製例2で得られた樹脂−金属複合体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[ラテラルフロー型クロマトテストストリップ]
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るラテラルフロー型クロマトテストストリップ(テストストリップ)について説明する。このテストストリップ200は、後述するように、本発明の一実施の形態の免疫測定方法に好ましく使用できるものである。以下、B型肝炎ウイルス由来のアナライトを測定する場合を例として、説明する。
テストストリップ200は、メンブレン110を備えている。メンブレン110には、試料の展開方向において順に、試料添加部120、判定部130及び吸液部140が設けられている。
<メンブレン>
テストストリップ200に使用されるメンブレン110としては、一般的なテストストリップにおいてメンブレン材料として使用されるものを適用可能である。メンブレン110は、例えば毛管現象を示し、試料を添加すると同時に、試料が展開するような微細多孔性物質からなる不活性物質(B型肝炎ウイルス由来のアナライト160、各種リガンドなどと反応しない物質)で形成されているものである。メンブレン110の具体例としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、セルロース誘導体等で構成される繊維状又は不織繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはセルロース誘導体やナイロンで構成される膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等が用いられ、より好ましくはニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙が用いられる。
テストストリップ200は、操作をより簡便にするため、メンブレン110を支持する支持体を備えていることが好ましい。支持体としては、例えばプラスチック等を用いることができる。
<試料添加部>
テストストリップ200は、B型肝炎ウイルス由来のアナライト160(以下、単に「アナライト160」と記すことがある)を含む試料を添加するための試料添加部120を有していてもよい。試料添加部120は、テストストリップ200に、アナライト160を含む試料を受け入れるための部位である。試料添加部120は、試料が展開する方向において、判定部130よりも上流側のメンブレン110に形成されていてもよいし、あるいは、例えばセルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、綿布などの材料で構成された試料添加パッドがメンブレン110に設けられて試料添加部120を構成していてもよい。
<判定部>
判定部130には、アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されている。捕捉リガンド131は、アナライト160と特異的な結合を形成するものであれば特に制限なく使用でき、例えばアナライト160に対する抗体などを好ましく用いることができる。捕捉リガンド131は、テストストリップ200に試料を提供した場合においても、判定部130から移動することがないように不動化している。捕捉リガンド131は、物理的又は化学的な結合や吸着等によって、メンブレン110に直接的又は間接的に固定されていればよい。
また、判定部130は、標識抗体150とアナライト160とを含む複合体170が、アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131に接触するような構成である限り特に限定されない。例えば、メンブレン110に、直接、捕捉リガンド131が固定されていてもよいし、あるいは、メンブレン110に固定されたセルロース濾紙、グラスファイバー、不織布等からなるパッドに捕捉リガンド131が固定されていてもよい。
<吸液部>
吸液部140は、例えば、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等の吸水性材料のパッドにより形成される。添加された試料の展開前線(フロントライン)が吸液部140に届いてからの試料の移動速度は、吸液部140の材質、大きさなどにより異なるものとなる。従って、吸液部140の材質、大きさなどの選定により、アナライト160の検出・定量に最適な速度を設定することができる。なお、吸液部140は任意の構成であり、省略してもよい。
テストストリップ200は、必要に応じて、さらに、反応部、コントロール部等の任意の部位を含んでいてもよい。
<反応部>
図示は省略するが、テストストリップ200には、メンブレン110に、標識抗体150を含む反応部が形成されていてもよい。反応部は、試料が流れる方向において、判定部130よりも上流側に設けることができる。なお、図1における試料添加部120を反応部として利用してもよい。テストストリップ200が反応部を有する場合、アナライト160を含む試料を、反応部又は試料添加部120に供すると、反応部において、試料に含まれるアナライト160と標識抗体150とを接触させることができる。この場合、試料を、単に反応部又は試料添加部120に供することで、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成させることができるので、いわゆる1ステップ型のイムノクロマトグラフが可能になる。
反応部は、アナライト160と特異的に結合する標識抗体150を含む限り特に限定されないが、メンブレン110に、直接、標識抗体150が塗布されてなるものであってもよい。あるいは、反応部は、例えばセルロース濾紙、グラスファイバー、不織布等からなるパッド(コンジュゲートパッド)に標識抗体150を含浸したものを、メンブレン110に固定してなるものであってもよい。
<コントロール部>
図示は省略するが、テストストリップ200は、メンブレン110に、試料が展開する方向において、判定部130よりも下流側に、標識抗体150と特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなるコントロール部が形成されていてもよい。判定部130とともに、コントロール部でも発色強度が測定されることにより、テストストリップ200に供した試料が展開して、反応部及び判定部130に到達し、検査が正常に行われたことを確認することができる。なお、コントロール部は、捕捉リガンド131の代わりに、標識抗体150と特異的に結合する別の種類の捕捉リガンドを用いることを除いては、上述の判定部130と同様にして作成され、同様の構成を採ることができる。また、コントロール部については、上記の方法以外に、鍵と鍵穴の関係を示す物質、例えば、アビジンとビオチン、酵素と基質、酵素と補酵素等の物質を用いることも出来る。好ましくはアビジンとビオチンを捕捉リガンド131および標識抗体150の代わりに用いてもよい。
[B型肝炎ウイルスの測定方法]
次に、テストストリップ200を用いて行われる本発明の一実施の形態のB型肝炎ウイルスの測定方法について説明する。
本実施の形態のB型肝炎ウイルスの測定方法は、試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライト160を検出又は定量するB型肝炎ウイルスの測定方法である。ここで、B型肝炎ウイルスは、ヒトだけでなく、ヒト以外の動物に感染するものを含む。また、B型肝炎ウイルス由来のアナライト160としては、抗原性を有するものであればよく、ウイルスそれ自体や、例えばHBs抗原、HBc抗原、HBe抗原など、ウイルスによって放出される抗原や、ウイルスの一部分に由来するたんぱく質などであってもよい。これらの中でも、B型肝炎ウイルスの外殻を構成するたんぱく質であり、血液中や唾液中に放出されるHBs抗原が好ましい。さらに、これらの抗原に対する抗体として、抗HBs抗体、抗HBc抗体、抗HBe抗体などをアナライトとしてもよい。
本実施の形態のB型肝炎ウイルスの測定方法は、メンブレン110、及び該メンブレン110にアナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されてなる判定部130を含むテストストリップ200を用い、下記工程(I)〜(III);
工程(I):試料に含まれるアナライト160と、該アナライト160に特異的に結合する抗体を、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体100で標識した標識抗体150と、を接触させる工程、
工程(II):判定部130にて、工程(I)において形成された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体を、捕捉リガンド131に接触させる工程、
工程(III):樹脂−金属複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
を含むことができる。
工程(I):
工程(I)は、試料に含まれるアナライト160を、標識抗体150に接触させる工程である。アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成する限り、接触の態様は特に限定されるものではない。例えば、テストストリップ200の試料添加部120又は反応部(図示省略)に試料を供し、該反応部においてアナライト160を標識抗体150に接触させてもよいし、テストストリップ200に試料を供する前に、試料中のアナライト160を標識抗体150に接触させてもよい。
工程(I)で形成された複合体170は、テストストリップ200上で展開して移動し、判定部130に至る。
工程(II):
工程(II)は、テストストリップ200の判定部130において、工程(I)において形成された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、捕捉リガンド131に接触させる。複合体170を、捕捉リガンド131に接触させると、捕捉リガンド131は、複合体170のアナライト160に特異的に結合する。その結果、複合体170が判定部130において捕捉される。
なお、捕捉リガンド131は、標識抗体150には特異的に結合しないために、アナライト160と未結合の標識抗体150が判定部130に到達した場合、該アナライト160と未結合の標識抗体150は、判定部130を通過する。ここで、テストストリップ200に、標識抗体150に特異的に結合する別の捕捉リガンドが固定されたコントロール部(図示省略)が形成されている場合、判定部130を通過した標識抗体150は、展開を続け、コントロール部で該別の捕捉リガンドと結合する。その結果、アナライト160と複合体170を形成していない標識抗体150は、コントロール部で捕捉される。
工程(II)の後、必要に応じて工程(III)の前に、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝液等の生化学検査で汎用される緩衝液で、テストストリップ200を洗浄する洗浄工程を実施してもよい。洗浄工程によって、判定部130、又は、判定部130及びコントロール部に捕捉されなかった標識抗体150(アナライト160と結合しておらず、複合体170を形成していない標識抗体150)を除去することができる。
洗浄工程を実施することで、工程(III)において、判定部130、又は、判定部130及びコントロール部における樹脂−金属複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び電子遷移による光エネルギー吸収による発色を測定する際に、バックグラウンドの発色強度を低減させることができ、シグナル/バックグラウンド比を高め、一層、検出感度や定量性を向上させることができる。
工程(III):
工程(III)は、樹脂−金属複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程である。上記工程(II)又は必要に応じて洗浄工程を実施した後、テストストリップ200において、樹脂−金属複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する。
なお、テストストリップ200にコントロール部が形成されている場合、工程(II)によって、コントロール部にて、標識抗体150が別の捕捉リガンドによって捕捉され複合体が形成される。そのため、工程(III)では、テストストリップ200おいて、判定部130だけでなく、コントロール部においても局在型表面プラズモン共鳴及び電子遷移による光エネルギー吸収による発色を生じさせることができる。このように、判定部130とともにコントロール部においても発色強度を測定することで、テストストリップ200に供した試料が正常に展開して、反応部及び判定部130に到達したか否かを確認できる。
<試料>
本実施の形態のB型肝炎ウイルスの測定方法における試料は、アナライト160を含むものである限り特に限定されるものではない。例えば、目的のアナライト160を含む生体試料(すなわち、全血、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、鼻腔又は咽頭拭い液、髄液、羊水、乳頭分泌液、涙、汗、皮膚からの浸出液、組織や細胞及び便からの抽出液等)が挙げられる。必要に応じて、標識抗体150及び捕捉リガンド131とアナライト160との特異的な結合反応が生じやすくするために、上記工程(I)に先立って、試料に含まれるアナライト160を前処理してもよい。ここで、前処理としては、酸、塩基、界面活性剤等の各種化学薬品等を用いた化学的処理や、加熱・撹拌・超音波等を用いた物理的処理が挙げられる。特に、HBc抗原等の、通常は表面に露出していない物質である場合、界面活性剤等による処理を行うことが好ましい。この目的に使用される界面活性剤として、特異的な結合反応、例えば、抗原抗体反応等のリガンドとアナライト160との結合反応性を考慮して、非イオン性界面活性剤を用いることができる。
また、前記試料は、通常の免疫学的分析法で用いられる溶媒(水、生理食塩水、又は緩衝液等)や水混和有機溶媒で適宜希釈されていてもよい。
<標識抗体>
標識抗体150は、工程(I)において、試料に含まれるアナライト160に接触させて、アナライトであるアナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成するために使用される。標識抗体150は、アナライト160に特異的に結合する抗体を、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体100で標識化してなるものである。ここで、「標識化」とは、工程(I)〜(III)において、標識抗体150から樹脂−金属複合体100が脱離しない程度に、抗体に樹脂−金属複合体100が直接的に又は間接的に、化学的又は物理的な結合や吸着等で固定されていることを意味する。例えば、標識抗体150は、抗体に樹脂−金属複合体100が直接結合してなるものであってもよいし、抗体と樹脂−金属複合体100とが、任意のリンカー分子を介して結合してなるものや、それぞれが不溶性粒子に固定されてなるものであってもよい。
また、本実施の形態において、標識として使用される樹脂−金属複合体100は、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有するものである。なお、樹脂−金属複合体100の詳細については後述する。
また、本実施の形態において、「抗体」としては、特に制限はなく、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、遺伝子組み換えにより得られた抗体のほか、抗原と結合能を有する抗体断片[例えば、H鎖、L鎖、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv等]などを用いることができる。好ましい抗体の具体例としては、例えば抗HBs抗体、抗HBc抗体、抗HBe抗体が挙げられる。
<標識抗体の好ましい作製方法>
次に、標識抗体150の好ましい作製方法を挙げて説明する。標識抗体150の製造は、少なくとも、次の工程A;
工程A)樹脂−金属複合体100を第1のpH条件で抗体と混合して結合させることによって、標識抗体150を得る工程
を含み、好ましくは、さらに工程B;
工程B)標識抗体150を第2のpH条件で処理する工程
を含むことができる。
[工程A]
工程Aでは、樹脂−金属複合体100を第1のpH条件で抗体と混合して標識抗体150を得る。工程Aは、固体状の樹脂−金属複合体100を液相中に分散させた状態で抗体と接触させることが好ましい。第1のpH条件は、樹脂−金属複合体100における金属粒子の金属種や、抗体の種類、工程Bで使用するブロック用緩衝液の種類によって異なる。
樹脂−金属複合体100の金属粒子が金粒子(金合金粒子を含む;以下同様である)である場合には、第1のpH条件は、酸性下、中性下及びアルカリ性下のいずれでも適用できるが、樹脂−金属複合体100の分散と抗体の活性を維持したまま樹脂−金属複合体100と抗体を均一に接触させる観点から、pH2〜9.5の範囲内の条件が好ましく、pH7.5〜9.0の範囲内がより好ましい。金属粒子が金粒子である場合、樹脂−金属複合体100と抗体とを結合させるときの条件が、pH2未満では強酸性により抗体が変質し失活する場合があり、pH9.5を超えると樹脂−金属複合体100と抗体を混合した際に凝集し分散が困難となる。ただし、強酸性により抗体が失活しない場合はpH2未満においても処理が可能である。
また、樹脂−金属複合体100の金属粒子が金以外の粒子、例えば白金、パラジウムまたはそれらの合金等である場合には、第1のpH条件は、樹脂−金属複合体100の分散と抗体の活性を維持したまま樹脂−金属複合体100と抗体を均一に接触させる観点から、pH2〜10の範囲内の条件が好ましく、さらに例えばpH5〜9の範囲内がより好ましい。金属粒子が金以外の粒子である場合、樹脂−金属複合体100と抗体とを結合させるときの条件が、pH2未満では強酸性により抗体が変質し失活する場合があり、pH10を超えると樹脂−金属複合体100と抗体を混合した際に凝集し分散が困難となる。ただし、強酸性により抗体が失活しない場合はpH2未満においても処理が可能である。
工程Aは、第1のpH条件に調整した結合用緩衝液(Binding Buffer)中で行うことが好ましい。例えば、上記pHに調整した結合用緩衝液に所定量の樹脂−金属複合体100を混合し、十分に混和する。結合用緩衝液としては、例えば、所定濃度に調整したホウ酸溶液などを用いることができる。結合用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。
次に、得られた混合液に、所定量の抗体を添加し、十分に撹拌、混合することによって、標識抗体含有液を得ることができる。このようにして得られた標識抗体含有液は、例えば遠心分離などの固液分離手段により、固形部分として標識抗体150のみを分取できる。
[工程B]
工程Bでは、工程Aで得られた標識抗体150を第2のpH条件で処理することによって、標識抗体150への非特異的な吸着を抑制するブロッキングを行う。この場合、固液分離手段によって分取しておいた標識抗体150を、第2のpH条件で液相中に分散させる。このブロッキングの条件は、樹脂−金属複合体100における金属粒子の金属種やブロック緩衝液の種類によって異なる。
樹脂−金属複合体100の金属粒子が金粒子であり、ブロック緩衝液としてウシ血清アルブミン(BSA)又はカゼインNaを使用する場合には、第2のpH条件は、抗体の活性を保ちかつ標識抗体150の凝集を抑制する観点から、例えばpH2〜9.5の範囲内が好ましい。特に、カゼインNaを使用する場合には、標識抗体150の非特異的な吸着を抑制する観点から、pH7.5〜9.5の範囲内がより好ましい。ブロッキングの条件が、pH2未満では強酸性により抗体が変質し失活する場合があり、pH9.5を超えると標識抗体150が凝集してしまい分散が困難となる。一方、ブロック緩衝液として、BSAを使用する場合には、例えばpH2〜9.5の範囲内が好ましい。
また、樹脂−金属複合体100の金属粒子が金以外の粒子である場合には、第2のpH条件は、抗体の活性を保ちかつ標識抗体150の凝集を抑制する観点から、例えばpH2〜10の範囲内が好ましく、標識抗体150の非特異的な吸着を抑制する観点から、pH5〜9の範囲内がより好ましい。ブロッキングの条件が、pH2未満では強酸性により抗体が変質し失活する場合があり、pH10を超えると標識抗体150が凝集してしまい分散が困難となる。
工程Bは、第2のpH条件に調整したブロック用緩衝液(Blocking Buffer)を用いて行うことが好ましい。例えば、所定量の標識抗体150に上記pHに調整したブロック用緩衝液を添加し、ブロック用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。ブロック用緩衝液としては、例えば、被検出物と結合しない蛋白質の溶液を用いることが好ましい。ブロック用緩衝液に使用可能な蛋白質としては、例えば牛血清アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどを挙げることができる。また、タンパク質以外に、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アミノ酸ポリマーなどの人工高分子ポリマーでも良い。より具体的には、所定濃度に調整した牛血清アルブミン溶液などを用いることが好ましい。ブロック用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体150の分散には、公知の方法が使用できるが、例えば超音波処理、ローテーターによる撹拌などの分散手段を用いることが好ましい。このようにして標識抗体150が均一分散した分散液が得られる。
以上のようにして、標識抗体150の分散液が得られる。この分散液から、例えば遠心分離などの固液分離手段により、固形部分として標識抗体150のみを分取できる。また、必要に応じて、洗浄処理、保存処理などを実施することができる。以下、洗浄処理、保存処理について説明する。
(洗浄処理)
洗浄処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に洗浄用緩衝液を添加し、洗浄用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。洗浄用緩衝液としては、特に限定されるものではないが、例えばpH8〜9の範囲内に調整した所定濃度の、トリス(Tris)緩衝液、グリシンアミド緩衝液、アルギニン緩衝液などを用いることができる。洗浄用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体150の洗浄処理は、必要に応じて複数回を繰り返し行うことができる。
(保存処理)
保存処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に保存用緩衝液を添加し、保存用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。保存用緩衝液としては、例えば、洗浄用緩衝液に、所定濃度の凝集防止剤及び/又は安定剤を添加した溶液などを用いることができる。凝集防止剤としては、例えば、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロースに代表される糖類や、グリセリン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)などの人工高分子、オクチルフェノールエトキシレート類、ポリソルベート類等の非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤等を用いることができる。安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば牛血清アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロースに代表される糖類、を用いることができる。このようにして標識抗体150の保存処理を行うことができる。
以上の各工程では、さらに必要に応じて、界面活性剤や、アジ化ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステルなどの防腐剤を用いることができる。
<樹脂−金属複合体>
次に、本実施の形態のB型肝炎ウイルスの測定方法において、標識として使用される樹脂−金属複合体100について詳細に説明する。図2は、本実施の形態で標識として使用する樹脂−金属複合体の断面模式図である。樹脂−金属複合体100は、樹脂粒子10と、金属粒子20と、を備えている。
樹脂−金属複合体100は、樹脂粒子10に金属粒子20が分散又は固定化されている。また、樹脂−金属複合体100は、金属粒子20の一部が樹脂粒子10の表層部60において三次元的に分布し、かつ前記三次元的に分布した金属粒子20の一部が部分的に樹脂粒子10外に露出しており、残りの一部が樹脂粒子10に内包されている。
ここで、金属粒子20には、樹脂粒子10に完全に内包された金属粒子(以下、「内包金属粒子30」ともいう。)、樹脂粒子10内に埋包された部位及び樹脂粒子10外に露出した部位を有する金属粒子(以下、「一部露出金属粒子40」ともいう。)及び樹脂粒子10の表面に吸着している金属粒子(以下、「表面吸着金属粒子50」ともいう。)が存在する。一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50は、本発明における「第1の粒子」に該当し、内包金属粒子30は、本発明における「第2の粒子」に該当する。
例えば、樹脂−金属複合体100を免疫測定に使用する場合、一部露出金属粒子40又は表面吸着金属粒子50上に、抗体を固定化して使用する。その際、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50には、前記抗体が固定化される一方で、内包金属粒子30には、固定化されない。しかし、内包金属粒子30を含む金属粒子20の全てが局在型表面プラズモン共鳴による吸収及び電子遷移による光エネルギー吸収を発現することから、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50のみならず、内包金属粒子30も、免疫測定用標識としての視認性向上に寄与する。さらに、一部露出金属粒子40及び内包金属粒子30は、表面吸着金属粒子50と比較して樹脂粒子10との接触面積が大きいことに加え、埋包状態によるアンカー効果等の物理的吸着力が強く、樹脂粒子10から脱離しにくい。そのため、樹脂−金属複合体100を使用した免疫測定用標識としての耐久性、安定性を優れたものにすることができる。
内包金属粒子30は、その表面の全てが、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。また、一部露出金属粒子40は、その表面積の5%以上100%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。上記各用途の耐久性の観点から、その下限は、表面積の20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。また、表面吸着金属粒子50は、その表面積の0%を超えて5%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。
また、樹脂−金属複合体100への金属粒子20(内包金属粒子30、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50の合計)の担持量は、樹脂−金属複合体100の重量に対して、5wt%〜70wt%であることが好ましい。この範囲であれば、樹脂−金属複合体100は、標識物質としての視認性、目視判定性及び検出感度に優れる。金属粒子20の担持量が5wt%未満では、抗体の固定化量が少なくなり、検出感度が低下する傾向がある。金属粒子20の担持量は、より好ましくは、15wt%〜70wt%である。
また、金属粒子20の10wt%〜90wt%が、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50であることが好ましい。この範囲であれば、金属粒子20上への抗体の固定化量が充分確保できるため、標識物質としての感度が高い。金属粒子20の20wt%〜80wt%が一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50であることがより好ましく、耐久性の観点から、表面吸着金属粒子50が20wt%以下であることがさらに好ましい。
また、金属粒子20の60wt%〜100wt%が、表層部60に存在し、表層部60に存在する金属粒子20の5wt%〜90wt%が、一部露出金属粒子40又は表面吸着金属粒子50であることが、金属粒子20上への抗体の固定化量が充分確保できるため、標識物質としての感度が高くなり好ましい。換言すれば、表層部60に存在する金属粒子20の10wt%〜95wt%が内包金属粒子30であることがよい。
ここで、前記「表層部」とは、樹脂粒子10の表面から、深さ方向に粒子半径の50%の範囲を意味する。また、前記「三次元的に分布」とは、金属粒子20が、樹脂粒子10の面方向だけでなく、深さ方向にも分散されていることを意味する。
樹脂粒子10は、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子であることが好ましい。特に、含窒素ポリマー粒子であることが好ましい。含窒素ポリマー中の窒素原子は、視認性に優れ、抗体の固定化が容易な金、白金、パラジウムなどの金属粒子20の前駆体であるアニオン性金属イオンを化学吸着しやすいため、好ましい。本実施の形態では、含窒素ポリマー中に吸着した金属イオンを還元し、金属ナノ粒子を形成する為、生成した金属粒子20の一部は、内包金属粒子30又は一部露出金属粒子40となる。また、アクリル酸重合体のように、カルボン酸等はカチオン性金属イオンを吸着することができるため、銀、ニッケル、銅などの金属粒子20の前駆体であるカチオン性金属イオンを吸着しやすく、銀、ニッケル、銅などの金属粒子20を形成することが可能であり、上記金、白金、パラジウムなどの金属との合金を作ることも可能である。
一方、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有する含窒素ポリマー以外の樹脂粒子、例えばポリスチレン等の場合、前記金属イオンを樹脂内部に吸着しにくい。その結果、生成した金属粒子20の大部分は、表面吸着金属粒子50となる。上記のとおり、表面吸着金属粒子50は、樹脂粒子10との接触面積が小さいため、樹脂と金属の接着力が小さく、樹脂粒子10から金属粒子20が脱離する影響が大きい傾向にある。
上記含窒素ポリマーは、主鎖又は側鎖に窒素原子を有する樹脂であり、例えば、ポリアミン、ポリアミド、ポリペプチド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリピロール、ポリアニリン等がある。好ましくは、ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−3−ビニルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン等のポリアミンである。また、側鎖に窒素原子を有する場合は、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等幅広く利用することが可能である。
また、樹脂−金属複合体100は、金属と樹脂のナノサイズでの複合化のしやすさの観点から、前記金属粒子20が、金、白金、パラジウム、銀、ニッケル、銅、又はこれらの合金であることが好ましい。これらの金属は、単体もしくは合金等の複合体で使用することが可能である。ここで、例えば金合金としては、金と金以外の金属種からなり、金を10重量%以上含有する合金を意味する。また、例えば白金合金としては、白金と白金以外の金属種からなり、白金を1重量%以上含有する合金を意味する。
免疫測定用標識物質及び免疫測定用試薬として用いる場合、より好ましくは、視認性に優れ、抗原又は抗体の固定化が容易な金、白金及びパラジウムである。これらは、局在型表面プラズモン共鳴に由来する吸収を発現するため、好ましい。更に好ましくは、保存安定性がよい金、又は免疫測定における検出感度に優れる白金である。
金属粒子20として白金粒子を使用した、樹脂−白金複合体は、他の金属種の粒子を有する樹脂−金属複合体100と比較して、抗体などのリガンドと結合させた状態で凝集を生じにくく、極めて分散性に優れている。また、白金粒子は、酸化などの変質に強く、保存安定性にも優れている。さらに、白金粒子は、例えば250nm〜900nmまでの範囲の幅広い波長で局在型表面プラズモン共鳴に由来する吸収を発現し、さらに電子遷移による光エネルギー吸収の発現により、黒色に近い強い発色を呈するので、樹脂−白金複合体を標識物質として用いることによって、免疫測定において、高い視認性が得られ、アナライトの検出感度も高めることができる。この場合、白金粒子を用いることによって、他の金属の粒子に比べ、少ない担持量で優れた検出感度が得られる。従って、仮に平均粒子径が同等であれば、樹脂−白金複合体は、他の金属種の粒子を有する樹脂複合体に比べて有意に高い検出感度を示すので特に好ましい。
白金粒子は、白金のみからなるものでもよいし、白金と他の金属との合金であってもよい。白金合金において、白金と合金を形成する他の金属種としては、特に制限されないが、例えば、銀、ニッケル、銅、金、パラジウム等が好ましい。
金属粒子20として金粒子を使用した、樹脂−金複合体は、他の金属種の粒子を有する樹脂−金属複合体100と比較して、抗体などのリガンドと結合させた状態で凝集を生じにくく、極めて分散性に優れている。さらに、視認性に優れ、抗原又は抗体の固定化が容易である。特に、金粒子の粒子径や金粒子同士の粒子間距離を制御することで、赤色、紫色、青色等、様々な発色を呈する。そのため、樹脂−金複合体をイムノクロマトグラフの標識物質として使用する場合に、様々な色の標識物質を得ることができる。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測長される金属粒子20の平均粒子径は、例えば1〜100nmであることが好ましい。金属粒子20の平均粒子径が、1nm未満の場合や100nmを超える場合は、局在型表面プラズモン共鳴及び、電子遷移による光エネルギー吸収が発現しにくくなるため感度が低下する傾向がある。
金属粒子20として白金粒子を使用する場合、白金粒子の平均粒子径は、免疫測定用標識物質及び免疫測定用試薬として高い検出感度を得る観点から、好ましくは1nm以上50nm以下であり、より好ましくは1nm以上30nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上20nm以下であり、最も好ましくは1nm以上15nm以下である。特に、白金粒子の平均粒子径が15nm以下である場合、樹脂−白金複合体をイムノクロマトグラフの標識物質として使用する場合に、特に優れた検出感度が得られる。
また、金属粒子20として金粒子を使用する場合、金粒子の平均粒子径は、免疫測定用標識物質及び免疫測定用試薬として高い検出感度を得る観点から、好ましくは1nm以上70nm未満であり、より好ましくは、1nm以上50nm未満である。
また、樹脂−金属複合体100の平均粒子径は、例えば30〜1000nmであることが好ましい。樹脂−金属複合体100の平均粒子径が30nm未満では、例えば、金属粒子20の担持量が少なくなる傾向がある為、同サイズの金属粒子20を使用しても、着色が弱くなる傾向にあり、1000nmを超えると、標識物質又は試薬とした際に、メンブランフィルター等のクロマトグラフ媒体の細孔内に詰まりやすい傾向や、分散性が低下する傾向がある。樹脂−金属複合体100の平均粒子径は、標識物質又は試薬とした際の分散性を向上させるとともに、樹脂−金属複合体100を免疫測定に用いる場合に高い検出感度を得る観点から、好ましくは100nm以上700nm以下であり、より好ましくは250nm以上650nm以下であり、最も好ましくは280nm以上600nm以下である。特に、樹脂−金属複合体100の平均粒子径が280nm以上であると、樹脂−金属複合体100をイムノクロマトグラフの標識物質として使用する場合に安定して優れた検出感度が得られる。ここで、樹脂−金属複合体100の粒子径は、樹脂粒子10の粒子径に、一部露出金属粒子40又は表面吸着金属粒子50の突出部位の長さを加えた値を意味し、レーザー回折/散乱法、動的光散乱法、又は遠心沈降法により測定することができる。
樹脂−金属複合体100の製造方法は、特に限定されない。例えば、乳化重合法により製造した樹脂粒子10の分散液に、金属イオンを含有する溶液を加えて、金属イオンを樹脂粒子10に吸着させる(以下、「金属イオン吸着樹脂粒子」という。)。さらに、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液中に加えることで、金属イオンを還元して金属粒子20を生成させ、樹脂−金属複合体100を得る。
また、例えば、金属粒子20として、金粒子を使用する場合、金属イオンを含有する溶液としては、塩化金酸(HAuCl)水溶液等が挙げられる。また、金属イオンの代わりに金属錯体を用いても良い。
また、金属イオンを含有する溶液の溶媒として、水の代わりに、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等の含水アルコール又はアルコール、塩酸、硫酸、硝酸等の酸等を用いても良い。
また、前記溶液に、必要に応じて、例えば、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物、界面活性剤、アルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、これらのモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、グリセリン等のポリオール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の各種水混和性有機溶媒等の添加剤を添加してもよい。このような添加剤は、金属イオンの還元反応速度を促進し、また生成される金属粒子20の大きさを制御するのに有効となる。
また、還元剤は、公知の物を用いることができる。例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、クエン酸、次亜リン酸ナトリウム、抱水ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ショ糖、ブドウ糖、アスコルビン酸、ホスフィン酸ナトリウム、ハイドロキノン、ロッシェル塩等が挙げられる。このうち、水素化ホウ素ナトリウム又は、ジメチルアミンボラン、クエン酸が好ましい。還元剤溶液には、必要に応じて界面活性剤を添加したり、溶液のpHを調整することが出来る。pH調整にはホウ酸やリン酸等の緩衝剤、塩酸や硫酸などの酸、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリにより調整することが出来る。
さらに還元剤溶液の温度により、金属イオンの還元速度を調整することで、形成する金属粒子20の粒径をコントロールすることが出来る。
また、前記金属イオン吸着樹脂粒子中の金属イオンを還元して金属粒子20を生成させる際、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液に添加しても良いし、還元剤を前記金属イオン吸着樹脂粒子に添加しても良いが、内包金属粒子30及び一部露出金属粒子40の生成しやすさの観点から、前者が好ましい。
また、樹脂−金属複合体100の、水への分散性を保持するために、例えば、クエン酸、ポリ−L−リシン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアルコールや、DISPERBYK194、DISPERBYK180、DISPERBYK184(以上、ビッグケミージャパン社製)等の分散剤を添加してもよい。さらにホウ酸やリン酸等の緩衝剤、塩酸や硫酸などの酸、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリによりpHを調整し、分散性を保持することが出来る。
以上の構成を有する樹脂−金属複合体100は、特に、金属粒子20の表面に抗体を吸着させることにより、B型肝炎ウイルスの免疫測定に好ましく適用できる。また、特に、低濃度域(高感度領域)でも目視判定性に優れ、優れた視認性と高い検出感度の両立が可能なB型肝炎ウイルスの免疫測定用標識物質又は免疫測定用試薬の材料として好ましく適用できる。また、免疫測定用標識物質又は免疫測定用試薬の形態に特に限定はないが、例えば、樹脂−金属複合体100を水もしくは、pHを調整した緩衝液中に分散させた分散液として使用できる。
[免疫検出・定量キット]
本発明の一実施の形態に係る免疫測定用キットは、例えばテストストリップ200を用いて、本実施の形態のB型肝炎ウイルスの測定方法に基づき、試料中に含まれるアナライト160を検出又は定量するためのキットである。
本実施の形態の免疫測定用キットは、
メンブレン110及び該メンブレン110に、前記アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されてなる判定部130を含むテストストリップ200と、 アナライト160に特異的に結合する抗体を樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体100で標識した標識抗体150を含む検出試薬と、
を含んでいる。本実施の形態の免疫測定用キットは、必要に応じて、さらにその他の構成要素を含むものであってもよい。
本実施の形態の免疫測定用キットを使用するにあたっては、試料中のアナライト160と検出試薬中の標識抗体150とを接触させて工程(I)を実施した後、テストストリップ200の反応部又は試料添加部120に試料を供して、工程(II)、工程(III)を順次実施してもよい。あるいは、テストストリップ200の判定部130よりも上流側に、検出試薬を塗布して、適宜乾燥させて反応部を形成した後、形成された反応部あるいは該反応部よりも上流側の位置(例えば、試料添加部120)に試料を添加して、工程(I)〜(III)を順次実施してもよい。本実施の形態の免疫測定用キットは、唾液等を試料として採取すればよいため、簡易にB型肝炎ウイルス感染の一次スクリーニング診断を行うことができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例、比較例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
<樹脂−金属複合体の吸光度測定>
樹脂−金属複合体の吸光度は、光学用白板ガラス製セル(光路長10mm)に0.01wt%に調製した樹脂−金属複合体分散液(分散媒:水)を入れ、瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、MCPD−3700)を用いて、金の場合570nm、白金の場合700nmの吸光度を測定した。金の場合570nmでの吸光度が0.9以上を○(良好)、0.5〜0.9未満を△(可)、0.5未満を×(不可)とした。白金の場合700nmでの吸光度が0.6以上を○(良好)、0.4〜0.6未満を△(可)、0.4未満を×(不可)とした。
<固形分濃度測定及び金属担持量の測定>
磁製るつぼに濃度調整前の分散液1gを入れ、70℃、3時間熱処理を行った。熱処理前後の重量を測定し、下記式により固形分濃度を算出した。
固形分濃度(wt%)=[乾燥後の重量(g)/ 乾燥前の重量(g)]× 100
また、上記熱処理後のサンプルを、さらに500℃、5時間加熱処理を行い、加熱処理前後の重量を測定し、下記式より金属担持量を算出した。
金属担持量(wt%)=
[500℃加熱処理後の重量(g)/500℃加熱処理前の重量(g)]×100
<樹脂−金属複合体の平均粒子径の測定>
ディスク遠心式粒度分布計(CPS Instruments社製)を用いて測定した。測定は、樹脂−金属複合体を水に分散させた状態で行った。
<金属粒子の平均粒子径の測定>
金属粒子の平均粒子径の測定は、樹脂−金属複合体分散液をカーボン支持膜付き金属性メッシュへ滴下して作成した基板を、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM;日立ハイテクノロジーズ社製、SU−9000)により観測した画像から、金属粒子の面積平均径を測定した。
[作製例1]
<樹脂粒子の合成>
Aliquat 336[アルドリッチ社製](2.00g)及びポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA、10.00g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(2−VP、48.00g)及びジビニルベンゼン(DVB、2.00g)を加え、窒素気流下において60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AIBA、0.500g)を滴下し、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径380nmの樹脂粒子A−1を得た。遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる操作を3回行った後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B−1を得た。
<樹脂−金属複合体の合成>
前記樹脂粒子分散液B−1(50ml)に純水1233mlを加えた後、30mM塩化金酸水溶液(100ml)を加え、室温で24時間放置した。その後、遠心分離により樹脂粒子を沈殿させ、上澄みを除去する作業を3回繰り返すことで余分な塩化金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、2.5wt%金イオン吸着樹脂粒子分散液C−1を調製した。
次に、純水1580mlに前記C−1(42.4ml)を加え、3℃で撹拌しながら、528mMのジメチルアミンボラン水溶液(10ml)を滴下した後、室温で2時間撹拌することで、平均粒子径399nmの樹脂−金複合体D−1を得た。前記D−1を遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる作業を3回繰り返した後、透析処理により精製することで、1wt%の樹脂−金複合体分散液E−1を得た。E−1中の樹脂−金複合体F−1の吸光度は上記方法に従って測定した結果、0.98であった。また、F−1における金粒子の平均粒子径は25.1nm、金の担持量は53.2wt%であった。
[作製例2]
<樹脂粒子の合成>
Aliquat 336[アルドリッチ社製](1.00g)及びポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA、10.00g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(2−VP、48.00g)及びジビニルベンゼン(DVB、2.00g)を加え、窒素気流下において60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AIBA、0.500g)を2分かけて滴下し、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径420nmの樹脂粒子A−2を得た。遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる操作を3回行った後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B−2を得た。
<樹脂−金属複合体の合成>
前記樹脂粒子分散液B−2(50ml)に純水1233mlを加えた後、30mM塩化金酸水溶液(100ml)を加え、室温で24時間放置した。その後、遠心分離により樹脂粒子を沈殿させ、上澄みを除去する作業を3回繰り返すことで余分な塩化金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、2.5wt%金イオン吸着樹脂粒子分散液C−2を調製した。
次に、純水1580mlに前記C−2(42.4ml)を加え、3℃で撹拌しながら、528mMのジメチルアミンボラン水溶液(10ml)を滴下した後、室温で2時間撹拌することで、平均粒子径438nmの樹脂−金複合体D−2を得た。前記D−2を遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる作業を3回繰り返した後、透析処理により精製することで、1wt%の樹脂−金複合体分散液E−2を得た。E−2中の樹脂−金複合体F−2の吸光度は上記方法に従って測定した結果、0.98であった。また、F−2における金粒子の平均粒子径は25.0nm、金の担持量は54.7wt%であった。F−2の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図3に示した。
[作製例3]
Aliquat 336[アルドリッチ社製](3.00g)及びポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA、10.00g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(2−VP、49.50g)及びジビニルベンゼン(DVB、0.50g)を加え、窒素気流下において60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AIBA、0.250g)を滴下し、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径370nmの樹脂粒子A−3を得た。遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる操作を3回行った後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B−3を得た。
<樹脂−金属複合体の合成>
上記樹脂粒子分散液B−3(90ml)に純水245mlを加えた後、400mM塩化白金酸水溶液(90ml)を加え、30℃で3時間撹拌後、室温で24時間放置した。その後、遠心分離により樹脂粒子を沈殿させ、上澄みを除去する作業を3回繰り返すことで余分な塩化白金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、5wt%白金イオン吸着樹脂粒子分散液C−3を調製した。
次に、純水3825mlに前記C−3(55ml)を加え、3℃で撹拌しながら、132mMのジメチルアミンボラン水溶液(110ml)を滴下した後、3℃で1時間撹拌した。その後25℃で3時間撹拌することで、平均粒子径382nmの樹脂−白金複合体D−3を得た。前記D−3を遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる作業を3回繰り返した後、透析処理により精製することで、不純物を取り除いた。その後、濃度調整を行い1wt%の樹脂−白金複合体分散液E−3を得た。E−3中の樹脂−白金複合体F−3の吸光度は上記方法に従って測定した結果、0.70であった。また、F−3の白金粒子の平均粒子径は5nm、白金の担持量は38.5wt%であった。
[作製例4]
<樹脂粒子の合成>
Aliquat 336[アルドリッチ社製](1.50g)及びポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA、10.00g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(2−VP、49.50g)及びジビニルベンゼン(DVB、0.50g)を加え、窒素気流下において60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AIBA、0.50g)を滴下し、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径430nmの樹脂粒子A−4を得た。遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる操作を3回行った後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B−4を得た。
<樹脂−金属複合体の合成>
上記樹脂粒子分散液B−4(90ml)に純水245mlを加えた後、400mM塩化白金酸水溶液(90ml)を加え、30℃で3時間撹拌後、室温で24時間放置した。その後、遠心分離により樹脂粒子を沈殿させ、上澄みを除去する作業を3回繰り返すことで余分な塩化白金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、5wt%白金イオン吸着樹脂粒子分散液C−4を調製した。
次に、純水3825mlに前記C−4(55ml)を加え、160rpm、3℃で撹拌しながら、132mMのジメチルアミンボラン水溶液(110ml)を滴下した後、3℃で1時間撹拌した。その後25℃で3時間撹拌することで、平均粒子径454nmの樹脂−白金複合体D−4を得た。前記D−4を遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる作業を3回繰り返した後、透析処理により精製することで、不純物を取り除いた。その後、濃度調整を行い1wt%の樹脂−白金複合体分散液E−4を得た。E−4中の樹脂−白金複合体F−4の吸光度は上記方法に従って測定した結果、0.70であった。また、F−4の白金粒子の平均粒子径は5nm、白金の担持量は37.7wt%であった。
[作製例5]
<金コロイドの合成>
500ml三つ口丸底フラスコに1mM 塩化金酸水溶液を250ml入れ、加熱還流装置を用い、激しく攪拌しながら沸騰させ、沸騰後38.8mMクエン酸ナトリウム水溶液を25ml添加し、溶液が淡黄色から濃紅色に変化することを確認した。攪拌しながら10分間加熱を続けた後、室温で30分程度攪拌放冷をおこなった。孔径2μmのメンブランフィルターを用いて溶液をろ過し、三角フラスコに移し冷暗所で保存した。作製した粒子の平均粒径は12.3nmであった。また、吸光度は上記方法に従って測定した結果、1.32であった。
[試薬等]
実施例、比較例では以下の試薬等を使用した。
抗HBs抗体(7.15mg/mL/PBS):アドテック株式会社製
ブロック用緩衝液:1重量%カゼインNaを調整した。
洗浄用緩衝液:5mMトリス溶液をHClでpH≒8.5に調整した。
保存用緩衝液:洗浄用緩衝液に、スクロースを10重量%濃度になるように添加した。
B型肝炎ウイルス陽性コントロール(PC):B型肝炎ウイルス不活化抗原(アドテック株式会社製)を、検体処理液(アドテック株式会社製)を用いて100倍希釈して調製した。PCの抗原濃度は、5000FFU/mlに相当する。
陰性コントロール:検体処理液(アドテック株式会社製)
PtNCPビーズ(1):作製例3で得た樹脂−白金複合体F−3
[実施例1]
(結合工程)
マイクロチューブ[アイビス(登録商標;アズワン社製)2mL]に、樹脂−金属複合体としてPtNCPビーズ(1)の0.05mLを投入し、抗HBs抗体溶液0.95mLを添加した。転倒混和によって十分に混合した後、室温で15分間かけて転倒撹拌を行い、樹脂−白金複合体F−3で標識した抗HBs抗体を含む標識抗体含有液a−1を得た。
(ブロック工程)
次に、標識抗体含有液a−1を氷冷後、10000rpmで1分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣に、0.05mLのブロック用緩衝液と0.0025mLの非イオン界面活性剤を添加し、転倒混和によって十分に混合した後、室温で10分間かけて転倒撹拌を行い、標識抗体含有液b−1を得た。
(洗浄処理)
次に、標識抗体含有液b−1を氷冷後、10000rpmで1分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣に洗浄用緩衝液1mLを添加し、10〜30秒間かけて超音波分散処理を行った。この操作を3回繰り返し、洗浄処理とした。
(保存処理)
次に、氷冷後、10000rpmで1分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣に保存用緩衝液1mLを添加し、10〜30秒間かけて超音波分散処理を行うことによって、標識抗体含有液c−1を得た。
(パッド化)
標識抗体含有液c−1を4〜8倍に希釈し、これを30cm×1cmのガラスファイバー(メルクミリポア社製)のパッドに含浸させ、20℃で60分間乾燥させ、標識抗体含有パッドd−1を得た。
(反応ストリップの作製)
d−1及び、抗HBsポリクローナル抗体を固相化させたニトロセルロース膜(メルクミリポア社製)を、バッキングシートに貼り付けて「反応シート」とし、これを5mm幅に裁断し、反応ストリップe−1とした。
<抗原―抗体反応の評価>
評価は、前記反応ストリップe−1を用い、15分後の発色レベルを比較した。発色レベルは金コロイド判定用色見本(アドテック社製)を用いて判定した。性能評価において、抗原はHBsリコンビナント抗原(濃度:1.0mg/mL)の2倍希釈列を用いた。
具体的には、96ウェルプレートの各ウェルに、PCの2倍希釈列(800倍〜1280万倍、それぞれPC×800〜PC×1280万と表す)及び陰性コントロールを、それぞれ100μLを混和した。次に、緩衝液(50mMTris−HCl、0.05%TritonX−100)を100μL混合して混合液を調製し、100μLの混合液をe−1に添加し、15分後の発色レベルを評価した。その結果を表1及び表2に示した。なお、表1及び表2における発色レベルの数値が大きい程、発色が強いことを意味する。また、±は、弱陽性を意味する。
[比較例1]
PtNCPビーズの代わりに金コロイド(平均粒径60μm)を使用したほかは、実施例と同様の方法で、a−2、b−2、c−2、d−2及びe−2を得た。評価結果を表1及び表2に示した。
表1及び表2から、金コロイドを標識した標識抗体含有パッドd−2は、10万倍希釈の抗原において発色を示すにとどまったのに対し、PtNCPビーズ(1)を標識した標識抗体含有パッドd−1は、160万倍希釈の抗原においても発色を示すことが確認された。
<実検体における抗原―抗体反応の評価>
健常人並びにB型肝炎患者よりサリベット(品番51.1534J、ザルスタット社製)を用いて、付属のスポンジを口の中に含ませ、唾液を染み込ませた。スポンジを遠心管に入れ、1500〜3000×gで2分間遠心を行い、唾液を回収した。
採取した唾液100μLと緩衝液(50mMTris−HCl、0.05%TritonX−100)100μLを混合して混合液を調製し、100μLの混合液を100μLのd−1及びd−2に添加し、それぞれの15分後の発色ラインの有無を観察した。評価結果を表3に示した。なお、表3における+は発色ラインの検出を意味し、−は発色ラインが検出されなかったことを意味する。
なお、上記実検体における抗原―抗体反応の評価では、d−1を用いた評価を合計30例、d−2を用いた評価を合計5例実施したところ、表3に示す結果と同様の結果であった。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
10…樹脂粒子、20…金属粒子、30…内包金属粒子、40…一部露出金属粒子、50…表面吸着金属粒子、60…表層部、100…樹脂−金属複合体、110…メンブレン、120…試料添加部、130…判定部、131…捕捉リガンド、140…吸液部、150…標識抗体、160…アナライト、170…複合体、200…テストストリップ

Claims (9)

  1. 試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトを検出又は定量する免疫測定方法であって、
    メンブレン、及び該メンブレンに前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマトテストストリップを用い、下記工程(I)〜(III);
    工程(I):試料に含まれる前記アナライトと、該アナライトに特異的に結合する抗体を樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体で標識した標識抗体と、を接触させる工程、
    工程(II):前記判定部にて、工程(I)において形成された、前記アナライトと標識抗体とを含む複合体を、捕捉リガンドに接触させる工程、
    工程(III):前記樹脂−金属複合体の局在型表面プラズモン共鳴及び電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
    を含む工程を行うことを特徴とする免疫測定方法。
  2. 前記金属粒子が、金粒子又は白金粒子である、請求項1に記載の免疫測定方法。
  3. 前記樹脂−金属複合体における前記金属粒子は、
    前記樹脂粒子外に露出した部位を有する第1の粒子と、
    全体が前記樹脂粒子に内包されている第2の粒子と、
    を含んでおり、
    前記第1の粒子及び前記第2の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が、前記樹脂粒子の表層部において三次元的に分布しているものである、請求項1又は2に記載の免疫測定方法。
  4. 前記樹脂粒子が、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子である、請求項1から3のいずれか1項に記載の免疫測定方法。
  5. 前記金属粒子の平均粒子径が1〜100nmの範囲内である、請求項1から4のいずれか1項に記載の免疫測定方法。
  6. 前記樹脂−金属複合体の平均粒子径が30〜1000nmの範囲内である、請求項1から5のいずれか1項に記載の免疫測定方法。
  7. 前記抗体が、抗HBs抗体である、請求項1から6のいずれか1項に記載の免疫測定方法。
  8. ラテラルフロー型クロマトテストストリップを用いて、試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトを検出又は定量するための免疫測定用キットであって、
    メンブレン、及び該メンブレンに、前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマトテストストリップと、
    前記アナライトに特異的に結合する抗体を、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体で標識した標識抗体を含む検出試薬と、
    を含む前記アナライトを検出又は定量するための免疫測定用キット。
  9. 試料中に含まれるB型肝炎ウイルス由来のアナライトを検出又は定量するためのラテラルフロー型クロマトテストストリップであって、
    メンブレンと、
    前記メンブレンに、前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部と、
    前記試料が展開する方向において、前記判定部よりも上流側に、前記アナライトに特異的に結合する抗体を、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂−金属複合体で標識した標識抗体が含まれる反応部と、
    を含むラテラルフロー型クロマトテストストリップ。

JP2017069333A 2017-03-30 2017-03-30 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ Pending JP2018169373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017069333A JP2018169373A (ja) 2017-03-30 2017-03-30 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017069333A JP2018169373A (ja) 2017-03-30 2017-03-30 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018169373A true JP2018169373A (ja) 2018-11-01

Family

ID=64019140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017069333A Pending JP2018169373A (ja) 2017-03-30 2017-03-30 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018169373A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009227883A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Kri Inc 複合微粒子ならびにその分散液および成形体
US20100075441A1 (en) * 2006-12-11 2010-03-25 The Jordanian Pharmaceutical Manufacturing Co. Rapid immunochromatographic detection by amplification of the colloidal gold signal
JP2013522653A (ja) * 2010-03-24 2013-06-13 ノースイースタン ユニヴァーシティ 早期癌病巣のための多重モード診断技術
WO2016002742A1 (ja) * 2014-07-01 2016-01-07 新日鉄住金化学株式会社 樹脂-金属複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
WO2016002743A1 (ja) * 2014-07-01 2016-01-07 新日鉄住金化学株式会社 標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
WO2017010391A1 (ja) * 2015-07-11 2017-01-19 新日鉄住金化学株式会社 樹脂-白金複合体及びその利用
JP2017506339A (ja) * 2014-02-11 2017-03-02 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 活動性肝炎ウイルス感染を検出するためのコンボ−肝炎抗原アッセイ及びキット

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100075441A1 (en) * 2006-12-11 2010-03-25 The Jordanian Pharmaceutical Manufacturing Co. Rapid immunochromatographic detection by amplification of the colloidal gold signal
JP2009227883A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Kri Inc 複合微粒子ならびにその分散液および成形体
JP2013522653A (ja) * 2010-03-24 2013-06-13 ノースイースタン ユニヴァーシティ 早期癌病巣のための多重モード診断技術
JP2017506339A (ja) * 2014-02-11 2017-03-02 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 活動性肝炎ウイルス感染を検出するためのコンボ−肝炎抗原アッセイ及びキット
WO2016002742A1 (ja) * 2014-07-01 2016-01-07 新日鉄住金化学株式会社 樹脂-金属複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
WO2016002743A1 (ja) * 2014-07-01 2016-01-07 新日鉄住金化学株式会社 標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
WO2017010391A1 (ja) * 2015-07-11 2017-01-19 新日鉄住金化学株式会社 樹脂-白金複合体及びその利用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6847077B2 (ja) 標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP6800275B2 (ja) 樹脂−白金複合体及びその利用
JP6381642B2 (ja) 樹脂−金属複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP6656052B2 (ja) 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ
JP7265357B2 (ja) 金属-樹脂複合体及びその利用
JP6737643B2 (ja) 標識抗体、その製造方法及び免疫学的測定法
JP2018169373A (ja) 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ
JP6761246B2 (ja) 樹脂−金属複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP7358360B2 (ja) 表面プラズモン共鳴を担体粒子を用いて増幅させるイムノクロマト法
JP7265315B2 (ja) 免疫学的測定用金属ナノ粒子-セルロース複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP6614826B2 (ja) 標識抗体、その製造方法及び免疫学的測定法
JP2022134172A (ja) ナノ複合体粒子、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、及び、アナライト測定用キット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210119

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210721

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211124