JP2018168906A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受によって回転可能に支持される回転部材の円周振れを抑制することができる小型の車両用動力伝達装置を提供する。【解決手段】車両用動力伝達装置4は、アンギュラーベアリング75bの内周面75b1と対向する固定筒部510の外周面510aに対して、軸線P1の方向にてアンギュラーベアリング75bの両端に互いに離間して設けられた当接部510a1と、当接部510a1の間に設けられた凹部510a2と、を有する。本装置4は、スプライン溝510b1及びスプライン溝30a1が嵌合して固定筒部510に対して入力軸30が重なる部分Rを有して連結された状態で、スプライン溝510b1及びスプライン溝30a1の位置は凹部510a2の位置に対応し、切欠き部30a2及び基端部30a3の位置は当接部510a1の位置に対応する。【選択図】図6

Description

本発明は、車両の駆動源からの動力を伝達する車両用動力伝達装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示された車両用駆動装置が知られている。この従来の車両用駆動装置は、エンジンに連結される入力軸と、変速機に連結された出力軸と、入力軸と出力軸とを係脱可能に連結するとともにモータと連結されたクラッチ装置と、を備えている。クラッチ装置は、ケースに対してアンギュラーベアリングを介して回転可能に支持されるクラッチドラムを備えている。クラッチドラムは、ケースに固定されたモータのステータに対して所定の隙間を有するように同軸に配置されたモータのロータを支持するようになっている。クラッチドラムは、変速機に連結された出力軸とスプライン嵌合により連結されるようになっている。
国際公開第2011/062191号
ボール等の転動部材の回転方向に対して荷重支持方向が傾きを有する軸受であるアンギュラーベアリングは、一般に、例えば、ナット等による締め付け力によって軸方向に沿った方向に予圧が与えられる。これにより、アンギュラーベアリングは、回転可能に支持するクラッチドラム(回転部材)及びクラッチドラムに支持されるロータの径方向への振れ(以下、「円周振れ」と称呼する。)を抑えるようになっている。
ところで、上記従来の車両用駆動装置では、クラッチドラムと変速機の出力軸(軸部材)とがスプライン嵌合により連結されるようになっている。この場合、スプライン嵌合において、回転方向(周方向)に隙間が存在すると、クラッチドラムと変速機の出力軸との間に相対的な回転が発生し、その結果、アンギュラーベアリングとナットとの間に滑りが生じる可能性がある。このような滑りが生じた場合、アンギュラーベアリングに予圧を与えるナットに摩耗等が生じてナットに緩みが生じる虞がある。ナットに緩みが生じた場合にはアンギュラーベアリングに与えられた予圧が減少し、その結果、クラッチドラム及びロータの円周振れが大きくなる可能性がある。
一方、モータは、ステータとロータとの間に設けられた隙間が小さいほど、駆動力発生性能及び発電性能が向上すると言われている。従って、モータにおいては、ステータとロータとの間の隙間を極力小さくすることが要求される。しかしながら、上述したように、アンギュラーベアリングに与えられる予圧が減少して円周振れが大きくなることを考慮すると、ステータとロータとの干渉を防止するために、隙間を大きく設定する必要がある。この場合、モータに所望の性能を発揮させることが困難となる可能性があり、加えて、隙間を大きく設定することによって装置が大型化することが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、荷重支持方向が傾きを有する軸受によって回転可能に支持される回転部材の円周振れを抑制することができる小型の車両用動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る車両用動力伝達装置の発明は、車両に固定されるケースと、ケースに収容され、駆動源からの動力によって回転する回転部材と、回転部材の回転軸と連結されて回転部材から伝達された前記動力を出力する軸部材と、ケースに設けられた固定部材と回転軸との間に配置されて回転部材をケースに対して回転可能に支持し、回転部材を支持することに伴う荷重の荷重支持方向が回転軸の軸線の回りにおける回転方向に対して傾きを有する軸受と、を備え、軸受が軸線の方向にて予圧を与えられた状態で回転部材をケースに対して回転可能に支持する車両用動力伝達装置であって、回転軸及び軸部材は軸線の方向にて互いに重なる部分を有して連結され、回転軸及び軸部材が、重なる部分の一部において互いに締め代を有して嵌合される嵌合部と、重なる部分の他部において軸線の方向にて嵌合部と隣接して互いに嵌合されない非嵌合部と、を有しており、軸受と回転軸とが互いに対向する対向面に、軸線の方向における軸受の両端に荷重支持方向を含むように設けられて軸受と回転軸とが当接する当接部と、当接部の間にて凹状となる凹部と、が設けられており、嵌合部が嵌合して回転軸に対して軸部材が連結された状態で、非嵌合部の軸線の方向における位置は軸線の方向における当接部の位置に対応し、嵌合部の軸線の方向における位置は軸線の方向における凹部の位置に対応する、ように構成される。
本発明の車両用動力伝達装置では、回転部材の回転軸と軸部材とが重なる部分を有して連結され、重なる部分に設けられて締め代を有する嵌合部が嵌合することにより連結される。これにより、回転部材と軸部材との間に相対的な回転が生じることを防止することができる。その結果、軸受に予圧を与えるナット等に摩耗等が生じることを防止してナット等の緩みを防止することができ、軸受に与えられた予圧が減少することを防止することができる。又、重なる部分において、締め代を有する嵌合部が嵌合する場合、嵌合した位置にて回転部材の回転軸が径方向に膨出するように膨出変形する場合がある。これに対して、軸受と回転軸との間には、嵌合部に対応するように凹部が設けられるので、回転軸に膨出変形が生じた場合であっても、膨出変形した部分との干渉により軸受が径方向に押圧されることを防止することができる。
これにより、軸受は、回転部材に円周振れが発生することを良好に抑制することができ、又、回転部材の径方向への変位を抑えることができる。従って、本発明の車両用動力伝達装置では、例えば、ケースの外形寸法を小さくすることが可能であり、装置の小型化を達成することができる。
本発明の実施形態に係る車両用駆動伝達装置を搭載した車両用駆動システムのシステム図である。 図1の車両用動力伝達装置を説明するための断面図である。 図2のクラッチドラムを形成する固定筒部の構成を説明するための断面図である。 図2の入力軸の構成を説明するための断面図である。 図3の固定筒部と図4の入力軸とのスプライン嵌合を説明するための断面図である。 図2の車両用動力伝達装置におけるアンギュラーベアリング、クラッチドラム及び入力軸の組み付け状態を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両用動力伝達装置(以下、単に、「本装置」とも称呼する。)について図面を参照しながら説明する。又、説明に用いる各図は、概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
本装置は、乗用車、商用車及び大型車両等のハイブリッド車両(以下、単に、「車両」と称呼する。)に適用される。図1に示すように、車両は、駆動源として機能するエンジン1と、駆動源として機能する電動モータ2と、エンジン1及び電動モータ2から動力が入力される変速機3と、を備えている。又、車両は、エンジン1と変速機3との間に設けられた車両用動力伝達装置4(以下、単に、「本装置4」とも称呼する。)を備えている。本装置4は、クラッチ装置5と、クラッチ作動機構6と、を含んで構成されている。そして、電動モータ2、クラッチ装置5及びクラッチ作動機構6は、車両に固定されたケース7内にて積層されるように収容されている。更に、車両は、制御装置8を備えている。
エンジン1は、図1及び図2に示すように、動力(エンジントルク)により軸線P1の回り(周方向)に回転する出力軸9を備えている。エンジン1は、出力軸9を介して動力(エンジントルク)を変速機3に伝達する。出力軸9には、リング状のフライホイール10が、取付具9wによって、出力軸9と同軸になるように固定されている。
電動モータ2は、図1及び図2に示すように、本装置4(具体的には、クラッチ装置5)と変速機3とを繋ぐ動力伝達経路に配置されている。電動モータ2は、動力(モータトルク)を変速機3に伝達する。加えて、電動モータ2は、車両の減速時等に車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収(回生)する発電機としても機能する。電動モータ2は、ステータ20とロータ21とを備える。ステータ20は、後に詳述するケース7の内部に固定されており、鉄心に巻回された励磁巻線20cを有する。ロータ21は、磁石を備えており、ステータ20の内周側に隙間20xを介して同軸的に配置されている。ステータ20の励磁巻線20cに励磁電流が供給されると、回転磁界が軸線P1の回りで発生してロータ21が回転するようになっている。
変速機3は、トルクコンバータ31を備えている。トルクコンバータ31は、出力軸9を介して伝達されるエンジン1の動力(エンジントルク)と、電動モータ2の動力(モータトルク)と、が伝達されて回転する軸部材としての入力軸30を含んで構成される。入力軸30は、エンジン1の出力軸9と同軸となるように、軸線P1の回りに回転する。入力軸30は、変速機3を構成する図示しない変速ギヤ機構に動力伝達可能に連結されている。そして、変速機3は、伝達された動力を、図1に示すように、デファレンシャルDFを介して左右の駆動輪W1,W2に出力して伝達し、駆動輪W1,W2を回転させる。
ケース7は、第一ケース71と、第一ケース71に連結された第二ケース72と、第二ケース72に連結された第三ケース73と、から構成されている。尚、ケース7内には、潤滑用の油及び冷却用の油が、例えば、クラッチ装置5の一部が浸漬する程度に封入されている。第一ケース71は、軸線P1の方向に直交する方向(径方向)にて内方に沿って延設された第一壁710を備えている。第一壁710の内周面と後述するクラッチ装置5の入力部材50との間には、図2に示すように、軸受75aが設けられている。これにより、入力部材50は、第一ケース71に対して軸線P1の回りに回転することができる。
第二ケース72は、外壁筒部72xの内周面において、電動モータ2のステータ20を固定している。又、第二ケース72は、径方向にて内方に沿って延設された第二壁720を備えている。ここで、第二壁720は、第一ケース71の第一壁710と対向するようになっている。第二壁720の内周部には、軸線P1の方向(軸方向)に沿って延設された固定部材としてのケースボス74が形成されている。第三ケース73は、主として、トルクコンバータ31を収容している。
ケースボス74は、後述するクラッチ装置5の回転部材としてのクラッチドラム51及び変速機3の軸部材としての入力軸30を回転可能に固定するものである。ケースボス74の内周面とクラッチドラム51(より詳しくは、後述するクラッチドラム51の回転軸としての固定筒部510)との間には軸受としてのアンギュラーコンタクトベアリング75b(以下、単に「アンギュラーベアリング75b」と称呼する。)が設けられている。
アンギュラーベアリング75bは、内周面75b1が後述するクラッチ装置5のクラッチドラム51の回転軸としての固定筒部510の外周面510aに固定される。アンギュラーベアリング75bは、転動部材として二つのボール75b2及びボール75b3を有する。アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51及び入力軸30を回転可能に支持することに伴って発生する荷重の支持方向(荷重支持方向)がボール75b2及びボール75b3の回転方向(即ち、軸線P1に直交する周方向)に対して傾きを有するようになっている。
そして、アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51(より詳しくは、クラッチドラム51の固定筒部510)に螺着されたナット75xの締め付け力により、軸線P1に沿った方向(軸方向)に向けて予圧が付与された状態でケースボス74に固定される。このように、ナット75xによる予圧が付与された状態で固定されたアンギュラーベアリング75bは、入力軸30、後述するクラッチ装置5のクラッチドラム51、クラッチドラム51に固定される電動モータ2のロータ21を、第二ケース72に対して、円周振れを生じさせることなく、軸線P1の回りに一体回転させることができる。
再び、図1に戻り、制御装置8は、エンジン1と、電動モータ2と、変速機3と、制御弁80と、オイルポンプ81と、を制御するものである。尚、制御装置8による各装置の詳細な制御内容については、本発明に直接関係しないので、その詳細な説明を省略する。ここで、図1において、実線の矢印は、オイルポンプ81に繋がる油圧経路を示し、破線は制御装置8に繋がる信号線を示す。
次に、図2から図6を参照して、本装置4を構成するクラッチ装置5及びクラッチ作動機構6を詳細に説明する。
クラッチ装置5は、湿式多板クラッチとして構成されるものである。クラッチ装置5は、入力部材50と、回転部材としてのクラッチドラム51と、を備えている。又、クラッチ装置5は、入力部材50に固定された摩擦プレート52と、クラッチドラム51に固定されたセパレートプレート53と、を含んで構成される。
図2に示すように、入力部材50は、軸線P1の回り(周方向)に回動するものであり、出力軸9に固定されたフライホイール10に対してダンパ11を介して連結されている。これにより、入力部材50は、エンジン1の出力軸9と一体回転することができるようになっている。尚、出力軸9(より具体的にはフライホイール10)と入力部材との間には、軸受9aが設けられている。これにより、エンジン1の作動に伴って出力軸9に回転変動が生じた場合、フライホイール10及びダンパ11が回転変動を抑制する際の出力軸9と入力部材50との間の相対回転を許容するようになっている。
入力部材50は、軸本体部501を有している。軸本体部501には、両軸端のうち、出力軸9側(即ち、エンジン1側)の軸端に対して反対側(即ち、変速機3側)の軸端から軸本体部501の径方向にて外方に向けて延設された円盤状のハブ502が形成されている。ハブ502は軸本体部501とともに軸線P1回りに一体回転する。ハブ502の外周端部には、軸本体部501及びハブ502とともに軸線P1の回り(周方向)に一体回転するリング状の保持部503が固定されている。保持部503は、その外周部において、リング状に形成された複数の摩擦プレート52を、それぞれ相対変位に不能であり、且つ、軸線P1の回りに一体回転するように固定している。
回転部材としてのクラッチドラム51は、ケース7(第二ケース72)内に収容されて軸線P1の回り(周方向)に回転するものであり、変速機3の軸部材としての入力軸30にスプライン嵌合により連結されている。これにより、クラッチドラム51は、入力軸30と一体回転することができるようになっている。ここで、クラッチドラム51と入力軸30とのスプライン嵌合について説明する。
クラッチドラム51は、回転軸としての筒状の固定筒部510を有している。固定筒部510の外周面510aには、アンギュラーベアリング75bが嵌入されて固定されている。固定筒部510の外周面510aには、図3に示すように、アンギュラーベアリング75bの内周面75b1と当接する二つの当接部510a1と、当接部510a1の一部にアンギュラーベアリング75bの内周面75b1との間で空隙S(図6を参照。)を形成する凹部510a2と、が設けられる。即ち、当接部510a1及び凹部510a2は、互いに対向する対向面である固定筒部510の外周面510a及びアンギュラーベアリング75bの内周面75b1に設けられる。
当接部510a1は、図3に示すように、固定筒部510の外周面510aにおいて軸線P1の方向における両端にそれぞれ離間して設けられる。加えて、当接部510a1は、アンギュラーベアリング75bを構成する二つの転動部材であるボール75b2及びボール75b3の荷重支持方向(図6にて矢印により示す。)を少なくとも含むように設けられる。このため、当接部510a1は、図3に示すように、軸線P1の方向(軸方向)に沿って互いに離間して設けられる。
凹部510a2は、図3に示すように、外周面510aに対して軸線P1の回り(周方向)に沿って凹状に形成されて、互いに離間した当接部510a1の間に設けられる。換言すれば、固定筒部510の外周面510aがアンギュラーベアリング75bと当接する当接部510a1となり、この当接部510a1における軸線P1の方向の一部に凹状の凹部510a2が設けられる。これにより、凹部510a2は、互いに離間した当接部510a1の間に設けられる。
凹部510a2は、クラッチドラム51に入力軸30が連結されていない状態において、アンギュラーベアリング75bが固定筒部510の外周面510a(当接部510a1)に嵌入されると、アンギュラーベアリング75bの内周面75b1と固定筒部510の外周面510aとの間、即ち、対向面の間に空隙Sを形成する。
本実施形態において、図3、図4及び図6に示すように、固定筒部510と入力軸30とは、重なる部分Rを有するように連結される。そして、重なる部分Rにおいて、固定筒部510の内周部510bには、図3に示すように、嵌合部としてのスプライン溝510b1が形成されている。スプライン溝510b1は、軸線P1の方向(軸方向)に沿って、内周部510bに延設されている。一方、軸部材としての入力軸30の外周面30aには、図4に示すように、重なる部分Rの一部に設けられる嵌合部としてのスプライン溝30a1と、重なる部分Rの他部に設けられる非嵌合部として、スプライン溝30a1の一部を切り欠いた切欠き部30a2及び基端部30a3と、が、軸線P1の方向(軸方向)に沿って延設されている。即ち、スプライン溝30a1と切欠き部30a2及び基端部30a3とは、軸線P1の方向にて隣接して設けられている。
スプライン溝510b1とスプライン溝30a1とは、図5にて拡大して示すように、互いに軸線P1の回りとなる周方向にて締め代を有するようになっている。このように、重なる部分Rにおいて、固定筒部510と入力軸30とが周方向にて締め代を有して(嵌合されて)連結されることにより、回転方向における固定筒部510即ちクラッチドラム51と入力軸30との間の相対的な回転(ガタツキ)が防止される。
又、図6に示すように、クラッチドラム51がアンギュラーベアリング75bによって第二ケース72のケースボス74を介して支持された状態で、クラッチドラム51の固定筒部510に入力軸30が嵌合される。この状態において、嵌合部としてのスプライン溝30a1及びスプライン溝510b1は、軸線P1の方向(軸方向)にて凹部510a2の設けられた範囲R1(以下、「凹部形成範囲R1」とも称呼する。)内に位置する。又、この状態において、非嵌合部としての切欠き部30a2及び入力軸30の基端部30a3は、軸線P1の方向(軸方向)にて当接部510a1の設けられた範囲R2(以下、「当接範囲R2」とも称呼する。)内に位置する。
即ち、嵌合部としてのスプライン溝30a1及びスプライン溝510b1の軸線P1の方向における位置は、軸線P1の方向における凹部510a2の位置に対応する。又、非嵌合部としての切欠き部30a2及び入力軸30の基端部30a3の軸線P1の方向における位置は、それぞれ、軸線P1の方向にて離間した二つの当接部510a1のそれぞれの位置に対応する。
ここで、クラッチドラム51の固定筒部510と入力軸30とは、図5に示したように、周方向にて互いに締め代を有するスプライン溝510b1とスプライン溝30a1とが嵌合することにより連結される。このように連結された状態においては、固定筒部510には、入力軸30との嵌合(より具体的に、締め代を有する圧入)によって、径方向にて外方に向けて膨出する膨出変形が生じる。
ところで、本実施形態においては、固定筒部510の外周面510aに凹部510a2が設けられる。これにより、クラッチドラム51の固定筒部510に入力軸30が嵌合(圧入)されていない状態においては、アンギュラーベアリング75bの内周面75b1と固定筒部510の外周面510aとの間に空隙Sが形成される。又、図6に示すように、嵌合部であるスプライン溝510b1とスプライン溝30a1位置は、凹部形成範囲R1内に位置する。このため、クラッチドラム51の固定筒部510に入力軸30が嵌合(圧入)されて上述した膨出変形が生じた場合、膨出変形は凹部形成範囲R1内で生じるため、膨出変形した部分は空隙Sを埋めるのみとなる。従って、膨出変形した固定筒部510の外周面510aはアンギュラーベアリング75bの内周面75b1を押圧しない。
一方、図6に示すように、非嵌合部である切欠き部30a2及び基端部30a3の位置は、当接範囲R2内に位置する。これにより、当接部510a1は、固定筒部510の外周面510aにおいて膨出変形し難い(膨出変形しない)。従って、クラッチドラム51の固定筒部510に入力軸30が嵌合(圧入)された場合であっても、当接部510a1は径方向にて外方に向けて押圧されることが防止される。これにより、アンギュラーベアリング75bによって第二ケース72に回転可能に支持されるクラッチドラム51が軸線P1に直交する径方向にて外方に向けて変位することが防止される。
再び、図2に戻り、固定筒部510には、軸線P1の方向における両端のうち、入力部材50側(即ち、エンジン1側)の端部から径方向の外方に延設された第一延設部511が形成されている。第一延設部511は、スラスト軸受502xを介して入力部材50のハブ502に当接するようになっている。第一延設部511には、その外周端において、軸線P1に沿って延出する内筒部512が形成されている。
内筒部512には、その軸線P1方向における両端のうち、変速機3側の端部から径方向の外方に延設された第二延設部513が形成されている。第二延設部513には、その外周端において、軸線P1に沿って延出する外筒部514が形成されている。外筒部514は、その内径が保持部503に固定された摩擦プレート52の外径よりも大きくなるように形成されている。外筒部514は、その開口側端が、ハブ502、保持部503及び摩擦プレート52を覆うように延出されている。
外筒部514は、その開口端側の内周部において、リング状に形成された複数のセパレートプレート53を、それぞれが相対変位不能であり、且つ、軸線P1回りに一体回転するように固定している。外筒部514の外周側は、電動モータ2のロータ21と連結される。これにより、本実施形態においては、外筒部514と電動モータ2のロータ21とが連結されているので、クラッチドラム51及びロータ21は軸線P1回りに一体回転することができる。
保持部503に固定された複数の摩擦プレート52と、外筒部514に固定された複数のセパレートプレート53とは、互いに対面しつつ交互に配置される。これにより、摩擦プレート52とセパレートプレート53とを互いに圧着させた場合には、摩擦プレート52とセパレートプレート53とは圧着状態である摩擦係合状態となる(クラッチ装置5における接続状態)。一方、摩擦プレート52とセパレートプレート53とを互いに離間させた場合には、摩擦プレート52とセパレートプレート53とは圧着解除状態である摩擦係合解除状態になる(クラッチ装置5における遮断状態)。
ここで、入力部材50、軸本体部501、ハブ502、保持部503及び摩擦プレート52は、第一クラッチ部を構成する。また、クラッチドラム51、固定筒部510、第一延設部511、内筒部512、第二延設部513、外筒部514及びセパレートプレート53は、第二クラッチ部を構成する。
クラッチ作動機構6は、クラッチ装置5を接続状態と遮断状態とに切り替え動作する。クラッチ作動機構6は、図2に示すように、固定プレート61と、ピストン62と、バネ63と、液圧室64と、流路65と、を含んで構成される。
固定プレート61は、リング状に形成されており、クラッチドラム51のドラム室の内部に液密に配置されている。ピストン62は、ドラム室の内部にて、軸線P1に沿った方向において固定プレート61よりも変速機3側に配置されている。ピストン62は、ドラム室の内部において軸線P1に沿った方向に移動可能に組み付けられている。バネ63は、ドラム室の内部にて、ピストン62と第二延設部513との間に配置されている。バネ63は、ドラム室の内部において、軸線P1の回りで周方向にほぼ均等な間隔を隔てて配置されている。バネ63の一端は第二延設部513に着座しており、他端はピストン62の背面側に着座するようになっている。バネ63は、ピストン62を、軸線P1に沿った方向に付勢するようになっている。
液圧室64は、固定プレート61により形成される。液圧室64には、液圧室64に対して油を供給及び排出させる流路65が連通している。流路65は、一端側が制御弁80を介してオイルポンプ81に繋がれている。これにより、制御装置8により制御弁80及びオイルポンプ81の作動が制御された場合、リザーバ76(図1を参照。)から液圧室64に油が供給されると液圧室64内の油圧が増圧され、液圧室64から油が排出されると液圧室64内の油圧が減圧される。なお、液圧室64に対して油を給排する構成及び作動の詳細については、本発明の直接関係しないので、その詳細な説明を省略する。
液圧室64に油圧が供給されていない場合、ピストン62に対してバネ63からの付勢力のみが付与される。この場合、ピストン62はクラッチ装置5に向けて移動する。従って、液圧室64に油圧が供給されていない場合には、ピストン62は、クラッチ装置5のセパレートプレート53に当接し、更にセパレートプレート53を摩擦プレート52に向けて移動させて摩擦係合させる。即ち、液圧室64に油圧が供給されていない場合、クラッチ装置5は接続状態になるので、本実施形態におけるクラッチ装置5は、ノーマルクローズタイプのクラッチである。
接続状態のクラッチ装置5は、エンジン1の出力軸9から変速機3の入力軸30にエンジン1の動力(エンジントルク)を伝達させる。より詳しくは、エンジン1が作動していれば、出力軸9が回転するため、クラッチ装置5の入力部材50が回転し、摩擦係合状態の摩擦プレート52及びセパレートプレート53が軸線P1の回り(周方向)に一体回転する。これにより、クラッチドラム51が電動モータ2のロータ21とともに回転して変速機3の入力軸30が回転するので、左右の駆動輪W1,W2が回転する。
液圧室64に油圧が供給された場合、ピストン62に対して液圧室64の油圧による力とバネ63からの付勢力とが付与される。液圧室64の油圧による力がバネ63からの付勢力よりも大きい場合、ピストン62は変速機3側に(クラッチ装置5から離れる方向に)移動する。従って、液圧室64に油圧が供給され、油圧による力がバネ63の付勢力よりも大きい場合には、ピストン62は、クラッチ装置5のセパレートプレート53から離間し、摩擦プレート52とセパレートプレート53との摩擦係合を解除させる。即ち、この場合、クラッチ装置5は遮断状態になる。
遮断状態のクラッチ装置5は、エンジン1の出力軸9から変速機3の入力軸30へのエンジン1の動力(エンジントルク)の伝達を遮断する。この場合、電動モータ2が駆動していれば、ロータ21とともにクラッチドラム51が一体回転するので、変速機3の入力軸30に電動モータ2の動力(モータトルク)が伝達される。従って、左右の駆動輪W1,W2は回転する。
このように構成される本実施形態の本装置4においては、上述したように、アンギュラーベアリング75bによって第二ケース72に回転可能に支持されるクラッチドラム51の外筒部514にて、電動モータ2のロータ21が支持される。ロータ21は、第二ケース72に固定された電動モータ2のステータ20と隙間20xを有して同軸に配置される。一方、クラッチドラム51は、固定筒部510に対して入力軸30が嵌合(圧入)されて連結される。
この場合、上述したように、固定筒部510のスプライン溝510b1と入力軸30のスプライン溝30a1とは周方向にて締め代を有して嵌合(圧入)される。これにより、クラッチドラム51と入力軸30との間の相対的な回転が防止され、その結果、アンギュラーベアリング75bに予圧を与えるナット75xに摩耗等が生じることがない。このため、アンギュラーベアリング75bは、ナット75xにより、常に、最適な予圧が与えられた状態に維持される。従って、アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51に回転に伴う円周振れの発生を抑制する。
又、固定筒部510の外周面510aに対して当接部510a1及び凹部510a2が設けられる。これにより、当接部510a1は、アンギュラーベアリング75bに対してクラッチドラム51を回転可能に支持する際の荷重を適切に伝達する。従って、アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51を、回転に伴う円周振れを生じさせることなくケース7(第二ケース72)に対して回転可能に支持する。
又、凹部510a2は、固定筒部510に対して入力軸30が嵌合(圧入)されて連結される際に固定筒部510の外周面510aに生じた膨出変形した部分を収容する。従って、凹部510a2は、膨出変形した部分がアンギュラーベアリング75bの内周面75b1と干渉することを防止する。これにより、アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51を径方向にて外方に向けて変位させることなくケース7(第二ケース72)に対して回転可能に支持する。
これにより、クラッチドラム51によって支持される電動モータ2のロータ21は、径方向外方、即ち、ステータ20に向けた方向への変位が生じない。従って、隙間20xの大きさが変化しないので、隙間20xを小さくすることが可能となる。
以上の説明からも理解できるように、本実施形態における本装置4は、車両に固定されるケース7(第二ケース72)と、ケース7(第二ケース72)に収容され、駆動源であるエンジン1及び電動モータ2からの動力によって回転する回転部材としてのクラッチドラム51と、クラッチドラム51の回転軸である固定筒部510と連結されてクラッチドラム51から伝達された動力を変速機3に出力する軸部材としての入力軸30と、ケース7(第二ケース72)に設けられた固定部材としてのケースボス74と固定筒部510との間に配置されてクラッチドラム51をケース7(第二ケース72)に対して回転可能に支持し、クラッチドラム51を支持することに伴う荷重の荷重支持方向が固定筒部510の軸線P1の回りにおける回転方向に対して傾きを有する軸受としてのアンギュラーベアリング75bと、を備え、アンギュラーベアリング75bが軸線P1の方向にて予圧を与えられた状態でクラッチドラム51をケース7(第二ケース72)に対して回転可能に支持する車両用動力伝達装置であって、固定筒部510及び入力軸30は軸線P1の方向にて互いに重なる部分Rを有して連結され、固定筒部510及び入力軸30が、重なる部分Rの一部において互いに締め代を有して嵌合される嵌合部としてのスプライン溝510b1及びスプライン溝30a1と、重なる部分Rの他部において軸線P1の方向にてスプライン溝30a1と隣接して互いに嵌合されない非嵌合部としての切欠き部30a2及び基端部30a3と、を有しており、アンギュラーベアリング75bと固定筒部510とが互いに対向する対向面である内周面75b1及び外周面510aのうちの外周面510aに、軸線P1の方向におけるアンギュラーベアリング75bの両端に荷重支持方向を含むように設けられてアンギュラーベアリング75bと固定筒部510とが当接する当接部510a1と、当接部510a1の間にて凹状となる凹部510a2と、が設けられており、スプライン溝510b1及びスプライン溝30a1が嵌合して固定筒部510に対して入力軸30が連結された状態で、切欠き部30a2及び基端部30a3の軸線P1の方向における位置は軸線P1の方向における当接部510a1の位置に対応し、スプライン溝510b1及びスプライン溝30a1の軸線P1の方向における位置は軸線P1の方向における凹部510a2の位置に対応する、ように構成される。
これによれば、クラッチドラム51の固定筒部510と入力軸30とは、重なる部分Rを有して連結され、重なる部分Rに設けられて締め代を有するスプライン溝510b1及びスプライン溝30a1により連結される。これにより、クラッチドラム51と入力軸30との間に相対的な回転(ガタツキ)が生じることを防止することができる。その結果、アンギュラーベアリング75bに予圧を与えるナット75xに摩耗等が生じることを防止してナット75xが緩むことを防止することができ、アンギュラーベアリング75bに与えられた予圧が減少することを防止することができる。
又、重なる部分Rにおいて、締め代を有するスプライン溝510b1及びスプライン溝30a1が互いに嵌合する場合、クラッチドラム51の固定筒部510が径方向にて外方(軸線P1の方向に直交する方向)に膨出するように膨出変形する場合がある。これに対して、固定筒部510は、スプライン溝510b1及びスプライン溝30a1に対応するように凹部510a2を有している。従って、固定筒部510に膨出変形が生じた場合であっても、膨出変形した部分との干渉によりアンギュラーベアリング75bが径方向にて外方に押圧されることを防止することができる。
更に、アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51をケース7(第二ケース72)に対して回転可能に支持する際に生じる荷重を、当接部510a1を介して確実に承けることができる。これにより、アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51を回転可能にしっかりと支持することができる。
従って、アンギュラーベアリング75bは、クラッチドラム51に円周振れが発生することを良好に抑制することができ、又、クラッチドラム51の径方向にて外方への変位を抑えることができる。従って、車両用動力伝達装置4では、例えば、ケース7(第二ケース72)の外形寸法を小さくすることが可能であり、小型化を達成することができる。
又、この場合、嵌合部を軸線P1の方向に沿って延設されたスプライン溝510b1及びスプライン溝30a1で構成し、非嵌合部を固定筒部510及び入力軸30の少なくとも一方のスプライン溝であるスプライン溝30a1に対して軸線P1の回りに沿ってスプライン溝30a1の一部を切り欠いた切欠き部30a2で構成することができる。これにより、容易に且つ安価に嵌合部及び非嵌合部を設けることができる。
又、これらの場合、スプライン溝510b1及びスプライン溝30a1は、固定筒部510及び入力軸30の周方向において締め代を有する。
これによれば、固定筒部510(即ち、クラッチドラム51)と入力軸30との間で相対回転が生じることを確実に防止することができる。これにより、アンギュラーベアリング75bに与えられる予圧を、常に、良好に維持することができる。従って、アンギュラーベアリング75bは、円周振れを生じさせることなく、クラッチドラム51を回転可能にケース7(第二ケース72)に支持することができる。
又、これらの場合、駆動源は、ケース7(第二ケース72)に収容される電動モータ2であり、クラッチドラム51は、ケース7(第二ケース72)に固定される電動モータ2のステータ20と同軸に配置されるロータ21を支持する外筒部514を有する。
これによれば、上述したように、円周振れの発生が防止されたクラッチドラム51が、ステータ20と所定の隙間20xを有して同軸に配置されるロータ21を回転可能に支持することができる。これにより、ロータ21の回転に伴う円周振れの発生も防止される。従って、ステータ20とロータ21との間に設定される隙間20xの大きさを小さくすることができ、電動モータ2の駆動力発生性能及び発電性能を向上させることができる。又、ステータ20とロータ21との間に設定される隙間20xの大きさを小さくすることができるので、例えば、ケース7(第二ケース72)の径方向にて外方における外形寸法を小さくすることが可能となり、本装置4の小型化を達成することができる。
又、これらの場合、車両用動力伝達装置4は、駆動源としてエンジン1及び電動モータ2と、エンジン1の出力軸9から動力が入力されるとともに電動モータ2と回転連結されて電動モータ2から動力が入力される入力軸30を有して駆動輪W1,W2へ動力を出力する変速機3と、を備えた車両に適用される。そして、車両用動力伝達装置4は、エンジン1の出力軸9と変速機3の入力軸30との間に設けられるクラッチ装置5であって、エンジン1の出力軸9と一体回転する第一クラッチ部と、変速機3の入力軸30と一体回転する第二クラッチ部と、を備え、第一クラッチ部及び第二クラッチ部を摩擦係合させてエンジン1の動力を変速機3に伝達する接続状態と、第一クラッチ部及び第二クラッチ部の摩擦係合を解除してエンジン1の動力を変速機3に伝達することを遮断する遮断状態と、に切り替えるクラッチ装置5と、クラッチ装置5を接続状態または遮断状態に切り替え動作させるクラッチ作動機構6と、を備えることができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、回転部材であるクラッチドラム51の回転軸である固定筒部510の外周面510aに二つの当接部510a1及び軸線P1の方向にて互いに離間した当接部510a1の間に凹状の凹部510a2を設けるようにした。これに代えて、例えば、軸受であるアンギュラーベアリング75bの内周面75b1に軸線P1の方向にて互いに離間した二つの当接部を設けるとともに、二つの当接部の間に凹状の凹部を設けることも可能である。更には、固定筒部510の外周面510a及びアンギュラーベアリング75bの内周面75b1に対して二つの当接部及び当接部の間に凹部を設けることも可能である。これらの場合においても、回転部材であるクラッチドラム51及びクラッチドラム51に支持される電動モータ2のロータ21の円周振れの発生を良好に抑制することができる。従って、上記実施形態と同様の効果が得られる。
又、上記実施形態においては、非嵌合部として、入力軸30のスプライン溝30a1の一部(具体的には、入力軸30の先端部)に形成された切欠き部30a2を設けるようにした。これに代えて、非嵌合部として、回転部材の回転軸であるクラッチドラム51の固定筒部510に設けられるスプライン溝510b1の一部に切欠き部を形成することも可能である。この場合においても、非嵌合部にて固定筒部510の外周部501aが径方向の外方に向けて膨出変形することが防止されるので、上記実施形態と同様の効果が得られる。
又、上記実施形態においては、回転軸である固定筒部510に対して軸部材である入力軸30が挿入されることにより、固定筒部510と入力軸30が重なる部分Rを有して連結されるようにした。これに代えて、軸部材に対して回転軸が挿入されることにより、回転軸と軸部材が重なる部分Rを有して連結されるようにすることも可能である。この場合には、回転軸の内周部に軸受が設けられるとともに外周部に嵌合部(及び非嵌合部)が設けられ、軸部材の内周部に嵌合部(及び非嵌合部)が設けられる。この場合においても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
更に、上記実施形態においては、駆動源としてエンジン1又は電動モータ2からの動力を変速機3に伝達するクラッチ装置5に本装置4を適用するようにした。これに代えて、軸受としてアンギュラーベアリングによってケースに回転可能に支持される回転部材と、回転部材の回転軸に嵌合により連結され駆動源から動力を出力する軸部材と、を有する他の装置、例えば、トランスファ装置や、ステアリング装置、変速機等に本装置を適用することも可能である。このように、他の装置に適用した場合であっても、回転部材の円周振れの発生を抑制することができて、装置の体格を小型化することが可能となる。
1…エンジン、2…電動モータ、3…変速機、4…車両用動力伝達装置、5…クラッチ装置、6…クラッチ作動機構、7…ケース、8…制御装置、9…出力軸、10…フライホイール、11…ダンパ、20…ステータ、20x…隙間、21…ロータ、30…入力軸(軸部材)、30a…外周面、30a1…スプライン溝(嵌合部)、30a2…切欠き部(非嵌合部)、30a3…基端部(非嵌合部)、31…トルクコンバータ、50…入力部材、51…クラッチドラム(回転部材)、52…摩擦プレート、53…セパレートプレート、61…固定プレート、62…ピストン、63…バネ、64…液圧室、65…流路、71…第一ケース、72…第二ケース、72x…外壁筒部、73…第三ケース、74…ケースボス、75b…アンギュラーコンタクトベアリング(軸受)、75b1…内周面(対向面)、75b2…ボール、75b3…ボール、75x…ナット、76…リザーバ、80…制御弁、81…オイルポンプ、501…軸本体部、502…ハブ、503…保持部、510…固定筒部(回転軸)、510a…外周面(対向面)、510a1…当接部、510a2…凹部、510b…内周部、510b1…スプライン溝(嵌合部)、511…第一延設部、512…内筒部、513…第二延設部、514…外筒部、710…第一壁、720…第二壁、DF…デファレンシャル、R…重なる部分、R1…凹部形成範囲、R2…当接範囲、S…空隙、W1,W2…駆動輪

Claims (3)

  1. 車両に固定されるケースと、
    前記ケースに収容され、駆動源からの動力によって回転する回転部材と、
    前記回転部材の回転軸と連結されて前記回転部材から伝達された前記動力を出力する軸部材と、
    前記ケースに設けられた固定部材と前記回転軸との間に配置されて前記回転部材を前記ケースに対して回転可能に支持し、前記回転部材を支持することに伴う荷重の荷重支持方向が前記回転軸の軸線の回りにおける回転方向に対して傾きを有する軸受と、を備え、
    前記軸受が前記軸線の方向にて予圧を与えられた状態で前記回転部材を前記ケースに対して回転可能に支持する車両用動力伝達装置であって、
    前記回転軸及び前記軸部材は前記軸線の方向にて互いに重なる部分を有して連結され、前記回転軸及び前記軸部材が、前記重なる部分の一部において互いに締め代を有して嵌合される嵌合部と、前記重なる部分の他部において前記軸線の方向にて前記嵌合部と隣接して互いに嵌合されない非嵌合部と、を有しており、
    前記軸受と前記回転軸とが互いに対向する対向面に、前記軸線の方向における前記軸受の両端に前記荷重支持方向を含むように設けられて前記軸受と前記回転軸とが当接する当接部と、前記当接部の間にて凹状となる凹部と、が設けられており、
    前記嵌合部が嵌合して前記回転軸に対して前記軸部材が連結された状態で、前記非嵌合部の前記軸線の方向における位置は前記軸線の方向における前記当接部の位置に対応し、前記嵌合部の前記軸線の方向における位置は前記軸線の方向における前記凹部の位置に対応する、ように構成される車両用動力伝達装置。
  2. 前記嵌合部は、
    前記軸線の方向に沿って延設されたスプライン溝であり、
    前記非嵌合部は、
    前記軸線の回りに沿って前記スプライン溝の一部を切り欠いた切欠き部である、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記駆動源は、前記ケースに収容される電動モータであり、
    前記回転部材は、
    前記ケースに固定される前記電動モータのステータと同軸に配置されるロータを支持する、請求項1又は請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102338309B1 (ko) * 2020-06-15 2021-12-09 현대트랜시스 주식회사 하이브리드 변속기 구조

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