JP2018168083A - 新規キノリンカルボン酸誘導体及びこれを含有する医薬 - Google Patents

新規キノリンカルボン酸誘導体及びこれを含有する医薬 Download PDF

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勝彦 柳澤
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昭好 河合
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Abstract

【課題】アミロイド線維の形成を抑制する化合物、当該化合物を含むアミロイド線維形成抑制剤および神経変性疾患の治療薬または予防薬の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物。
Figure 2018168083

[Xは−(CH−;nは0〜3の整数;Yは単結合又はアルキル基等の2価の連結基;Arは置換/非置換のフェニル基又はピリグル基;Rは置換/非置換のアルキル基;Ar及びR、Ar及びY又はR及びYは、共同して環を形成してもよい;R〜Rは夫々独立にH、C1−20アルキル基等]
【選択図】なし

Description

本発明は、アミロイド線維形成抑制剤に関する。本発明は、特には、アミロイド線維形成抑制による神経変性疾患の治療薬または予防薬に関する。
現在、日本はかつて無いスピードで人口の高齢化が進展しており、それと共にアルツハイマー病を中心とする認知症患者の数も増えつつある。現時点での日本における認知症患者数は約450万人と推定され、今後高齢化とともに患者数は増加すると見積もられている。これらの認知症の患者の介護は、経済的にも大きな負担となることから、一日も早い有効な治療法の確立が急務である。
アルツハイマー病患者に共通してみられる病理学的特徴としては、(1)神経細胞の脱落、(2)斑状のアミロイド蓄積物(老人斑)の形成、(3)神経細胞内における繊維状の塊(神経原繊維変化)の蓄積の3つがあり、これらがアルツハイマー病の臨床症状である認知障害(アルツハイマー型認知症)を引き起こす。アルツハイマー型認知症の治療としては、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA阻害薬などを用いて、一時的に認知症の症状を改善する対症療法が行われている。しかし、その効果は極めて限定的であり、アルツハイマー病の発症および進行を抑制する根本療法の確立が強く望まれている。
アルツハイマー病の根本療法が確立されるためには、アルツハイマー病の発症機序が解明されることが必要である。アルツハイマー病には、遺伝的要因によって引き起こされる家族性(遺伝性)アルツハイマー病と、遺伝的背景を持たない孤発性アルツハイマー病が知られており、現在、家族性アルツハイマー病については、その原因遺伝子や危険因子が明らかにされつつある。家族性アルツハイマー病と孤発性アルツハイマー病は、その病理所見と臨床症状が共通していることから、その発症過程においても共通のメカニズムが存在することが予測されており、家族性アルツハイマー病の発症機序の研究が、孤発性アルツハイマー病の発症メカニズムの解明につながることが期待されている。
家族性アルツハイマー病の原因遺伝子の一つに、アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid Precursor Protein:以降、本明細書ではAPPと記載する)をコードする遺伝子がある。APPは、βセクレターゼおよびγセクレターゼによって切断され、アミロイドβ(以降、本明細書ではAβと記載する)を生成する。Aβには、APPにおける切断点の違いにより、40アミノ酸からなるAβ40と、Aβ40のC末端に2アミノ酸が付加されたAβ42とが存在するが、生理的な生産量ではAβ40が優位であるのに対し、老人斑にはAβ42が多く含まれる。さらに、変異APPはAβ42の発現比率を増大させることや、Aβ42はAβ40に比べて凝集しやすいことが明らかになっている。これらの事実から、Aβ42が最初に凝集し、それを核としてAβ40が凝集・蓄積していくことにより、アミロイド線維の形成が進行し、アルツハイマー病が発症するという説が提唱されている。
脳内におけるAβの凝集は、神経細胞膜を構成するGM1ガングリオシド(以降、本明細書ではGM1と記載する)に対してAβが結合して複合体(GM1結合型Aβ:以降、本明細書ではGAβと記載する)が形成されることから開始されるとの知見が得られている(非特許文献1、2)。また、GM1は神経細胞膜中でコレステロール濃度依存的に集合してクラスターを形成すること、および、AβはこのGM1クラスターに対して特異的に結合することによりGAβを形成することが、人工脂質膜小胞を用いた解析等により確認されている(非特許文献3)。さらに、GAβを特異的に認識する抗体を用いた解析により、GAβは可溶性Aβとは異なる構造を有するものであることが確認されている(非特許文献4)。これらの知見から、AβがGM1クラスターに結合すると、異なる構造を有するGAβへと変化し、このGAβが「種(シード)」となってAβの凝集が促進されるとする仮説が提唱されており、その後、この仮説を支持する多数の研究結果が得られている(非特許文献5〜9)。
これまで、アルツハイマー病の根本的治療・予防方法の開発を目的として、種々の化合物が開発され、臨床試験に供されてきた。従来よく知られたものでは、例えば、Aβを生成する際にAβのN末端側を切断するβセクレターゼに対する阻害剤、および、AβのC末端側を切断するγセクレターゼに対する阻害剤が挙げられる(特許文献1、非特許文献10)。これらの阻害剤は、Aβの産生を阻害することによってアミロイド線維の形成を抑制できることが期待された。しかし、βセクレターゼとγセクレターゼは、いずれもAPPのみを特異的な基質とする酵素ではなく、その結果、特にγセクレターゼは、発生・分化に深く関与するNotchシグナルを阻害してしまうことにより、またAPPの生理的代謝を阻害すること自体による重篤な副作用が生じることが問題となる。また、Aβの重合を阻害する低分子化合物も、多数開発されている(特許文献2〜6)。これらの化合物は、Aβの重合を阻害することにより、アミロイド線維の伸長を阻止または線維を分断する。しかし、化合物の投与を停止すれば、Aβの重合が再開されることが示唆されており、また線維の分断自体が新たな重合のシードを生む可能性も考えられ、アミロイド線維の形成に対し十分な抑制効果を得るには至っていない。
一方、GAβに対して特異的に結合する抗体(4396C抗体)を用いてアミロイド線維形成を抑制する方法が報告された(特許文献7)。4396C抗体は、GAβを特異的に認識して結合し、GAβによるAβ重合を阻害することにより、アミロイド線維の形成を根本的に抑制する。しかし、抗体の作製には多大な時間的・経済的コストがかかるという問題があり、また、抗体を用いた薬剤は、その投与方法が限定され、脳への送達性の問題があるため、臨床における使用が困難であるという問題がある。
米国特許出願公開第20100233156号 国際公開第2009/103652号 国際公開第2003/045923号 米国特許第7687512号 米国特許出願公開第20100063077号 米国特許出願公開第20060223812号 特許第4102850号公報
Yanagisawa,K. et al., Nat.Med., Vol.1, pp.1062−1066 (1995) Yanagisawa,K. et al., Neurobiol.Aging, Vol.19, pp.S65−67 (1998) Kakio,A. et al., J.Biol.Chem., Vol.276, pp.24985−24990 (2001) Yanagisawa,K. et al., FEBS Lett., Vol.420, pp.43−46 (1997) McLaurin,J., and Chakrabartty,A., J.Biol.Chem., Vol.271, pp.26482−26489 (1996) Choo−Smith,L.P., and Surewicz,W.K., FEBS Lett., Vol.402, pp.95−98 (1997) Choo−Smith,L.P. et al., J.Biol.Chem., Vol.272, pp.22987−22990 (1997) Matsuzaki、K. et al., Biochemistry, Vol.38, pp.4137−4142 (1999) Koppaka,V. and Axelsen,P.H., Biochemistry, Vol.39, pp.10011−10016 (2000) Shuto,D. et al., Bioorg.Med.Chem.Lett., Vol.13, pp.4273−4276 (2003)
本発明は、従来技術の諸問題を解消し、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の根本的な予防・治療方法を提供することを目的としてなされたものであり、Aβの重合を特異的に阻害でき、かつ、臨床応用に優れたアミロイド線維形成抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、GAβに対して特異的に結合することによりAβの重合を阻害する低分子化合物を得ることに成功した。
すなわち、本発明は、一実施形態によれば、一般式(I):
Figure 2018168083
[式中、
Xは、−(CH
(式中、nは、0〜3の整数である)
であり、
Yは、単結合、または、主鎖が炭素原子、窒素原子および酸素原子からなる群から選択される1種または2種以上の原子から構成される、原子数が1〜4である2価の連結基であり、
Arは、置換もしくは非置換のフェニル基またはピリジル基であり、
は、置換もしくは非置換のC1−6アルキル基または置換もしくは非置換のC3−7シクロアルキル基であり、
ここで、ArおよびR、ArおよびY、またはRおよびYは、共同して環を形成してもよく、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1−20アルキル基、C1−20ヒドロキシアルキル基、C1−20アルコキシ基またはハロゲン原子である]
で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなる、アミロイド線維形成抑制剤を提供するものである。
一般式(I)で表される化合物は、一般式(Ia):
Figure 2018168083
[式中、
Yは、単結合、または、置換もしくは非置換のC1−20アルキル基、アミド基、アミン基、エーテル基および置換もしくは非置換のC3−20シクロアルキル基からなる群から選択される2価の連結基であり、
Arは、置換もしくは非置換のフェニル基であり、
は、置換もしくは非置換のC1−4アルキル基または置換もしくは非置換のC3−6シクロアルキル基であり、
ここで、ArおよびR、ArおよびY、またはRおよびYは、共同して環を形成してもよく、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1−20アルキル基またはハロゲン原子である]
で表されるものであることが好ましい。
また、本発明は、一実施形態によれば、表1Aおよび表1Bに記載の化合物番号1〜29の化合物からなる群から選択される1以上の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなる、アミロイド線維形成抑制剤を提供するものである。
前記化合物は、化合物番号1、2、4、7、9、10、13、15、18、21、23〜25、27および28の化合物からなる群から選択されることが好ましい。
または、前記化合物は、化合物番号1、2、7、9、23および25の化合物からなる群から選択されることが好ましい。
また、本発明は、一実施形態によれば、上記アミロイド線維形成抑制剤を含有する神経変性疾患の治療薬または予防薬を提供するものである。
前記神経変性疾患は、アルツハイマー病であることが好ましい。
また、本発明は、一実施形態によれば、化合物番号1〜29からなる群から選択される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を提供するものである。
前記化合物は、化合物番号2〜12および14〜29の化合物からなる群から選択されることが好ましい。
本発明に係るアミロイド線維形成抑制剤は、既存の抗GAβ抗体(4396C抗体)と同様に、GAβに特異的に結合し、アミロイド線維の重合開始を遮断することにより、アミロイド線維の形成を確実に抑制することができる。また、本発明に係るアミロイド線維形成抑制剤の有効成分は低分子化合物であることから、(1)合成が容易であり、安価に大量に調製することができる、(2)抗原性を示さないため、安全性が高い、(3)分子の安定性が高く、種々の剤型において安定したGAβ結合能を確保できる、といった点で抗体よりも優れている。
また、本発明に係るアミロイド線維形成抑制剤を用いることにより、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の根本的な予防・治療方法を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。
本発明は、第一の実施形態によれば、一般式(I):
Figure 2018168083

で表される化合物(以降、本明細書では、「化合物(I)」と記載する)もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなる、アミロイド線維形成抑制剤である。
「アミロイド線維」とは、Aβが繊維状に凝集して形成される不溶性物質である。アミロイド線維は、最初に神経細胞膜を構成するGM1に対してAβが結合して複合体GAβが形成され、GAβを「種(シード)」としてAβが凝集することにより形成される。本実施形態によるアミロイド線維形成抑制剤は、GAβに対するAβの凝集を阻害することにより、アミロイド線維の形成を抑制するものである。
「Aβ」とは、APPがβセクレターゼおよびγセクレターゼによって切断されて生成されるペプチドであり、APPにおける切断点の相違により、アミノ酸数の異なるAβ40やAβ42などが含まれる。
「APP」には、NCBIのRefSeqデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/RefSeq/)において、RefSeqアクセッション番号NP_001129601.1、NP_001129602.1、NP_001191232.2、NP_958817.1、NP_001191231.1、NP_958816.1、NP_001191230.1、NP_000475.1、NP_001129488.1、NP_001129603.1として登録されているアミノ酸配列からなるヒトAPPの他、βセクレターゼおよびγセクレターゼによって切断されてAβを生成するものであることを限度として、上記アミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは約95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質が包含され得る。アミノ酸配列の同一性は、配列解析ソフトウェアを用いて、または、当分野で慣用のプログラム(FASTA、BLASTなど)を用いて算出することができる。
また、「APP」には、βセクレターゼおよびγセクレターゼによって切断されてAβを生成するものであることを限度として、上記アミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質が包含され得る。ここで、「1〜数個」とは、例えば「1〜30個」、好ましくは「1〜10個」、特に好ましくは「1〜5個」である。
本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤は、化合物(I)もしくはそれらの薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなる。
化合物(I)において、Xは、−(CH−である。前記式中、nは、0〜3の整数であり、好ましくは0である。
化合物(I)において、Yは、単結合、または、主鎖が炭素原子、窒素原子および酸素原子からなる群から選択される1種または2種以上の原子から構成される、原子数が1〜4である2価の連結基である。前記連結基の側鎖は、特に限定されず、例えば以下に記載するような置換基を有していてよい。好ましくは、化合物(I)において、Yは、単結合、または、置換もしくは非置換のC1−20アルキル基、アミド基、アミン基、エーテル基および置換もしくは非置換のC3−10シクロアルキル基からなる群から選択される2価の連結基である。
上記C1−20アルキル基は、好ましくはC1−10であり、特に好ましくはC1−6である。上記アルキル基には、直鎖状および分枝鎖状のいずれの形態のものも含まれる。また、上記C3−20シクロアルキル基は、好ましくはC3−10であり、特に好ましくはC3−6である。
本実施形態において、上記アルキル基およびシクロアルキル基は、置換されていなくてもよいし、1以上の水素原子が置換基によって置換されていてもよい。この場合における置換基は、C1−20アルキル基、C1−20ハロアルキル基、C1−20アルコキシ基、C1−20ハロアルコキシ基、C1−20ヒドロキシアルコキシ基、C1−20アルコキシアルキル基、C1−20ハロアルコキシアルキル基、C1−20アルコキシアルコキシ基、C1−20ハロアルコキシアルコキシ基、C1−20ヒドロキシアルキル基、C1−20アミノアルキル基、C1−20アルキルアミノアルキル基、C1−20ジアルキルアミノアルキル基、C1−20アルキルアミノ基、C1−20アルキルアミノカルボニル基、C1−20ジアルキルアミノカルボニル基、C1−20アルコキシカルボニル基、C1−20アルコキシカルボニルアルキル基、C1−20アシル基、C1−20アシルアルキル基、C1−20アルキルチオ基、C1−20アルキレンジオキシ基、C1−20ハロアルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、アミノスルホニル基、C1−20アルキルアミノスルホニル基、C1−20アルキルスルホニルアミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、チオール基および水酸基からなる群から選択される。置換基の数および置換位置は特に限定されないが、置換基の数としては、0〜3個が好ましい。
化合物(I)において、Arは、置換もしくは非置換のフェニル基またはピリジル基である。本実施形態において、上記フェニル基は、置換されていなくてもよいし、1以上の水素原子が置換基によって置換されていてもよい。この場合における置換基は、上で定義したものと同様である。
化合物(I)において、Rは、置換もしくは非置換のC1−6アルキル基または置換もしくは非置換のC3−7シクロアルキル基であり、好ましくは、置換もしくは非置換のC1−4アルキル基または置換もしくは非置換のC3−6シクロアルキル基である。本実施形態において、上記アルキル基およびシクロアルキル基は、置換されていなくてもよいし、1以上の水素原子が置換基によって置換されていてもよい。この場合における置換基は、上で定義したものと同様である。
化合物(I)において、ArおよびR、ArおよびY、またはRおよびYは、共同して環を形成してもよい。環は、単環または複環(例えば、ビシクロ環など)であってよい。
化合物(I)において、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1−20アルキル基、C1−20ヒドロキシアルキル基、C1−20アルコキシ基またはハロゲン原子であり、好ましくは、水素原子、C1−20アルキル基またはハロゲン原子である。特に好ましくは、Rは水素原子である。
上記C1−20アルキル基、C1−20ヒドロキシアルキル基およびC1−20アルコキシ基は、好ましくはC1−10であり、特に好ましくはC1−6である。また、上記基におけるアルキル部分には、直鎖状および分枝鎖状のいずれの形態のものも含まれる。
化合物(I)は、下記一般式(Ia)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2018168083
一般式(Ia)中、Yは、単結合、または、置換もしくは非置換のC1−20アルキル基、アミド基、アミン基、エーテル基および置換もしくは非置換のC3−20シクロアルキル基からなる群から選択される2価の連結基であり、Arは、置換もしくは非置換のフェニル基であり、Rは、置換もしくは非置換のC1−4アルキル基または置換もしくは非置換のC3−6シクロアルキル基であり、ここで、ArおよびR、ArおよびY、またはRおよびYは、共同して環を形成してもよく、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1−20アルキル基またはハロゲン原子であることが好ましい。
本実施形態において使用される化合物(I)には、特に断らない限り、その互変異性体、幾何異性体(例えば、E体、Z体など)、鏡像異性体などの立体異性体も含まれる。
本実施形態において使用される化合物(I)は、以下の実施例において記載する化学合成方法およびそれに準ずる化学合成方法に、適宜従来公知の種々の方法を組み合わせて行うことにより合成することができる。
または、本実施形態において使用される化合物(I)が市販化合物から選択される場合には、市販化合物を購入してもよい。市販化合物は、例えば、国内では、ナミキ商事株式会社もしくはキシダ化学株式会社を通して、Ambinter社、Enamine社、Aurora Fine Chemicals LLC社、UORSY社、Vitas−M Laboratory社、Interbioscreen社、Interchim社、Ryan Scientific社、ChemDiv社などから購入することができる。
本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤には、上記化合物(I)を含んでなるものの他、上記化合物(I)の薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなるものが包含される。
本実施形態において、「薬学的に許容される」とは、薬剤の使用に際して有害ではないことを意味する。本実施形態における薬学的に許容される塩とは、例えば、化合物(I)に酸性基が存在する場合には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、L−グルカミンなどのアミン付加塩;またはリジン、δ−ヒドロキシリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸付加塩などが挙げられる。また、例えば、化合物(I)に塩基性基が存在する場合には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸塩、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸などの有機酸塩;アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸付加塩などが挙げられる。
本実施形態における薬学的に許容される「溶媒和物」とは、例えば、水和物、アルコール和物の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタンおよびシクロヘキサンからなる群より選択される薬学的に許容される溶媒との溶媒和物などが挙げられ、好ましくは水和物である。
化合物(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物は、これらから選ばれる単独または2以上の混合物を、アミロイド線維形成抑制剤の有効成分とすることができる。本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤は、有効成分のみから構成されてもよいが、一般的には、さらに任意の成分として、薬学的に許容される公知の希釈液、担体、賦形剤などを含んでもよい。
本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤を製造するには、定法に従って、化合物(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を、必要に応じて上記公知の担体と組み合わせて製剤化すればよい。アミロイド線維形成抑制剤において、化合物(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物は、有効成分として、各形態に応じた範囲で適切な摂取量となるように含有されればよい。アミロイド線維形成抑制剤において、化合物(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物は、その投与量が、通常成人1日当たり0.001mg/kg(体重)以上、好ましくは0.01mg/kg(体重)以上となるように、薬剤中の含有量が決定されることが好ましいが、かかる範囲には限定されず、患者の症状、年齢、性別などにより適宜調整されることが可能である。投与量の上限は、1日当たり、100mg/kg(体重)以下が好ましく、10mg/kg(体重)以下がより好ましい。
本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤は、種々の剤型に製剤化することができ、剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、座剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤、注射剤などが挙げられる。したがって、本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤は、経口投与、腹腔内投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、脳内投与など、種々の方法により投与することができる。
アミロイド線維形成抑制剤を経口用製剤とする場合は、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤などの固形剤とすることができる。この場合には、適切な添加物、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩などの添加剤や、さらに所望により結合剤、崩壊剤、潤沢剤、着色剤、香料などを配合することができる。固形剤を錠剤または丸剤とする場合は、所望によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースなどの糖衣または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。または、アミロイド線維形成抑制剤の経口用製剤は、例えばシロップ剤などの液剤とすることができ、この場合には、滅菌水、生理食塩水、エタノールなどを担体として使用し得る。さらに所望により、懸濁剤などの補助剤、甘味剤、風味剤、防腐剤などを添加してもよい。
アミロイド線維形成抑制剤を非経口用製剤とする場合は、例えば、注射剤や直腸投与剤などの液剤とすることができる。この場合には、常法により、有効成分を注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの希釈剤に溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などを加えることにより調製することができる。また、固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
また、アミロイド線維形成抑制剤の非経口用製剤は、例えば、マイクロカプセルなどの徐放性製剤することができ、脳内に直接投与することもできる。徐放性製剤は、体内から即時に除去されることを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。好ましい担体としては、例えば、エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸などの、生物分解性/生物適合性ポリマーを用いることができる。また、担体としてリポソームを用いることもできる。好ましいリポソームは、特に限定されないが、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いる逆相蒸発法によって精製され調製されたものであってよい。
さらに、本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤には、所望により、着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などの薬学的に許容される添加物や他の治療薬を含有させることができる。
また、アミロイド線維形成抑制剤の製剤化に際しては、安定化剤を配合することが好ましい。安定化剤としては、例えば、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、マンニトール、グルコース、デキストラン、エチレングリコールなどが挙げられる。
製剤中に含有される有効成分の量は、種々の条件、例えば抽出溶媒の種類、使用した溶媒の使用量等によっても変動する。そのため、有効成分の量は、上記好ましい摂取量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。
本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤は、アミロイド線維の形成を根本的かつ確実に抑制することができる。そのため、アミロイド線維形成と関連する疾患の治療や予防などの用途に有用である。
本発明は、第二の実施形態によれば、化合物番号1〜29の化合物からなる群から選択される1以上の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなる、アミロイド線維形成抑制剤である。以下に示す化合物番号1〜29の化合物は、GAβに対するAβの重合を阻害し、アミロイド線維の形成を抑制することができる。
Figure 2018168083
Figure 2018168083
[1]4−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号1)、
[2]2−(7−クロロ−4−{[(4−フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸(化合物番号2)、
[3]4−(ベンジルアミノ)−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号3)、
[4]7−クロロ−8−メチル−4−[メチル(2−フェニルエチル)アミノ]キノリン−3−カルボン酸(化合物番号4)、
[5]7−クロロ−8−メチル−4−{メチル[(ピリジン−3−イル)メチル]アミノ}キノリン−3−カルボン酸(化合物番号5)、
[6]7−クロロ−8−メチル−4−{メチル[(ピリジン−2−イル)メチル]アミノ}キノリン−3−カルボン酸(化合物番号6)、
[7]7−クロロ−4−{[(4−フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号7)、
[8]7−クロロ−8−メチル−4−[(1−フェニルエチル)アミノ]キノリン−3−カルボン酸(化合物番号8)、
[9]7−クロロ−8−メチル−4−(フェニルアミノ)キノリン−3−カルボン酸(化合物番号9)、
[10]7−クロロ−8−メチル−4−[メチル(フェニル)アミノ]キノリン−3−カルボン酸(化合物番号10)、
[11]4−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−クロロキノリン−3−カルボン酸(化合物番号11)、
[12]4−[ベンジル(メチル)アミノ]−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号12)、
[13]7−クロロ−8−メチル−4−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)キノリン−3−カルボン酸塩酸塩(化合物番号13)、
[14]7−クロロ−8−メチル−4−[(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)アミノ]キノリン−3−カルボン酸塩酸塩(化合物番号14)、
[15]7−クロロ−4−{[(4−クロロフェニル)メチル](メチル)アミノ}−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号15)、
[16]7−クロロ−4−{[1−(4−クロロフェニル)エチル]アミノ}−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号16)、
[17]7−クロロ−8−メチル−4−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)キノリン−3−カルボン酸(化合物番号17)、
[18]7−クロロ−4−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アミノ]−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号18)、
[19]7−クロロ−4−(4−クロロベンズアミド)−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号19)、
[20]4−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−フルオロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号20)、
[21]7−クロロ−4−{[1−(4−クロロフェニル)エチル](メチル)アミノ}−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号21)、
[22]7−クロロ−4−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号22)、
[23]7−クロロ−4−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)(メチル)アミノ]−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号23)、
[24]2−{4−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−イル}酢酸(化合物番号24)、
[25]7−クロロ−4−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号25)、
[26]7−クロロ−4−[4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号26)、
[27]4−[ベンジル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号27)、
[28]4−[ベンジル(プロパン−2−イル)アミノ]−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号28)、および
[29]7−クロロ−8−メチル−4−[(2S)−2−[(フェニルアミノ)メチル]ピロリジン−1−イル]キノリン−3−カルボン酸(化合物番号29)。
本実施形態において使用される化合物は、より好ましくは、化合物番号1、2、4、7、9、10、13、15、18、21、23〜25、27および28の化合物からなる群から選択される。上記化合物は、アミロイド線維形成に対して強い抑制効果を有する。
本実施形態において使用される化合物は、特に好ましくは、化合物番号1、2、7、9、23および25の化合物からなる群から選択される。上記化合物は、アミロイド線維形成に対して特に強い抑制効果を有する。
化合物番号1〜29の化合物は、第一の実施形態における化合物(I)と同様に、以下の実施例において記載する化学合成方法およびそれに準ずる化学合成方法に、適宜従来公知の種々の方法を組み合わせて行うことにより合成することができる。または、市販化合物から選択される場合には、市販化合物を購入してもよい。
本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤には、上記特定の化合物を含んでなるものの他、上記化合物の薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなるものが包含される。本実施形態における「薬学的に許容される塩」および「溶媒和物」は、第一の実施形態において定義したものと同様である。
本実施形態のアミロイド線維形成抑制剤は、第一の実施形態における化合物(I)として上記特定の化合物を用いる以外は、第一の実施形態のアミロイド線維形成抑制剤と同様にして調製されてよい。なお、化合物1、2、4〜7、10〜13、15、17および20〜29は、一般式(I)で表される構造を有する化合物である。化合物3、8、9、14、16、18および19は、一般式(I)で表される構造と類似の構造を有する化合物であり、化合物(I)に代えて用いることができる。
本発明は、第三の実施形態によれば、上記アミロイド線維形成抑制剤を含有する神経変性疾患の治療薬または予防薬である。本実施形態による神経変性疾患の治療薬または予防薬は、化合物(I)で表される化合物もしくは化合物番号1〜29から選択される化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物から選ばれる、単独または2以上の混合物を含んでなるアミロイド線維形成抑制剤と、任意の成分とを含有する。ここでいう任意の成分は、通常の医薬品成分であってよく、通常用いられている各種形態、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、液剤などとして調製される。また、本実施形態による神経変性疾患の治療薬または予防薬は、任意の成分として、神経変性疾患の治療または予防のための他の有効成分をさらに含有してもよい。
本実施形態において、「治療」とは、神経変性疾患に罹患した動物において、その疾患の病態の進行および悪化を阻止または緩和することを意味し、その疾患を完全に治癒することのみならず、その疾患の諸症状を緩和することをも含む。また、「予防」とは、神経変性疾患に罹患するおそれのある動物において、その疾患の罹患を未然に防ぐことを意味する。
本実施形態において、「神経変性疾患」とは、Aβの凝集およびアミロイド線維の形成と関連する(もしくはそれに起因する)神経組織の変性を伴う疾患全般を意味する。神経変性疾患としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症、脳アミロイド血管症、ハンチントン病などが挙げられる。
本実施形態の治療薬または予防薬の対象となる神経変性疾患は、好ましくはアルツハイマー病である。「アルツハイマー病」には、いわゆるアルツハイマー病(孤発性アルツハイマー病)の他、家族性(遺伝性)アルツハイマー病も包含される。
本実施形態の治療薬または予防薬の対象となる動物は、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ウシ、ブタ、ヒツジ、非ヒト霊長類、ヒトなどの哺乳動物であり、好ましくはヒトである。
本実施形態による神経変性疾患の治療薬または予防薬は、アミロイド線維の形成と関連する神経変性疾患の根本的な治療または予防のために有用である。
本発明は、第四の実施形態によれば、化合物番号1〜29の化合物からなる群から選択される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物である。
本実施形態の化合物は、好ましくは、化合物番号2〜12および14〜29の化合物からなる群から選択される。
本実施形態の化合物は、以下の実施例において記載する化学合成方法およびそれに準ずる化学合成方法に、適宜従来公知の種々の方法を組み合わせて行うことにより合成することができる。
本実施形態における「薬学的に許容される塩」および「溶媒和物」は、第一の実施形態において定義したものと同様である。
本実施形態による化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物は、GAβに対するAβの重合を阻害し、アミロイド線維の形成を抑制することができる。そのため、アミロイド線維形成と関連する疾患の治療や予防などの用途に有用である。
以下に実施例を挙げ、本発明についてさらに説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
<1.アミロイド線維の形成を抑制する化合物のスクリーニング>
GAβを特異的に認識し、アミロイド線維の形成を抑制する化合物を見出すために、分子ドッキングシミュレーションプログラムDOCK4(http://dock.compbio.ucsf.edu/)によるバーチャルスクリーニングを行った。バーチャルスクリーニングを行うにあたり、最初に分子動力学シミュレーションによるGAβ複合体モデルの構築を行った。GM1分子の中で、Aβとの結合に関与すると考えられる糖鎖領域について分子軌道計算に基づいた構造最適化を施し、各原子に対して部分電荷を割り当てた。これらの最適化構造の各原子の3次元座標データおよび部分電荷の値を、AMBERで用いられる経験的力場のff99パラメータセットの中に取り込み、水分子を配置した分子系の中で5nsの分子動力学計算を実施した。GM1の糖鎖領域についての分子動力学計算を行い、トラジェクトリポーズをサンプリングした。得られたトラジェクトリポーズを用いて、Protein Data Bankに登録されたAβ40の立体構造(PDB ID:1AML)とのドッキングを行った。ドッキングの結果、200万個のドッキングポーズが得られた。この中から、構造的に歪みが少なく最もエネルギー的に安定なドッキングポーズを抽出し、GAβの原子モデルとした。このGAβの原子モデルを初期構造として、20nsの分子動力学計算を実施し、Aβの主鎖Cα原子の位置情報に基づいて構造クラスタリングを実施し、得られた代表構造の中から化合物の結合するポケットに有望なものを抽出した。
ナミキ商事株式会社およびキシダ化学株式会社から提供される合計900万個あまりの化合物からなる市販化合物ライブラリから、ドラッグライクネス・フィルタリングによって薬として好ましくない化合物を除外し、さらに、フィンガープリントを用いてクラスタリングされたグループから代表構造を抽出することにより、約50万構造からなる市販化合物ライブラリを作成した。この市販化合物ライブラリに対して、上で抽出したスキャフォールドをクエリとして用い、類似構造検索を実施した。構造検索のためのフィンガープリントには、MACCS、Lingo、Circular、Path、Treeの各フィンガープリントを用いた。上記5種類のフィンガープリントのうち、MACCSフィンガープリントによる検索の結果、類似度が0.8以上で4,344個、0.9以上で1,220個の化合物がヒットした。他のフィンガープリントでは、化合物はヒットしなかった。MACCSフィンガープリントでヒット化合物の中から、Trpの側鎖に類似した芳香族性の置換基を持つ化合物を選択し、542個の化合物を抽出した。続いて、各化合物の2次元構造から、幾何異性体、光学異性体を含む複数のコンフォーメーションを発生させ、三次元の構造座標に変換し、GAβに対するドッキングを実施した。それぞれのドッキングポーズから、Phe19と芳香族性のスタッキングを形成するためのファーマコフォアを満たす化合物を選択し、299個までに絞り込んだ。さらに、各化合物の構造を目視によりチェックし、構造的に偏らないように185個の化合物を選んだ。
上記により市販化合物から絞り込まれた化合物について、後述するインビトロの再現系において、GAβ依存性アミロイド線維形成に対する阻害活性を評価した。その結果、一連のヒット化合物群に含まれるものの中で最も優先度の高いヒット化合物として、下記の一般式(I):
Figure 2018168083
で表される化合物が、GAβ依存性アミロイド線維形成に対して阻害活性を有することが示唆された。その後、阻害活性を有した化合物の類似(similarity)検索を行い、GAβ依存性アミロイド線維形成に対する阻害活性を評価した結果、上記一般式(I)で表される化合物が、GAβ依存性アミロイド線維形成に対して阻害活性を有することが明らかになった。
<2.市販化合物の選択(化合物1および13)>
一般式(I)で表される構造を有する市販化合物、または、一般式(I)で表される構造と類似の構造を有する市販化合物は、主にEnamine社、UORSY社、Ambinter社などより購入した。
<3.新規化合物の合成(化合物2〜12および14〜29)>
次いで、上記一般式(I)で表される構造を有する新規化合物の合成を行った。使用機器および測定条件などは下記のものを採用した。
H NMRスペクトルは、Bruker AvanceまたはBruker Varian(400MHz、500MHz、または600MHz)を使用して測定した。TMS(テトラメチルシラン)を内部標準として使用した。
LC/MS分析は、四重極型質量分析計LCMS−2010(島津製作所)(カラム:Shim−pack XR−ODS(3.0×30mm,2.2μm))を用いて、ESI(+)イオンモードまたはAPCI(+)イオンモードおよび(−)イオンモードにて行った。流速条件:0.3〜0.8mL/分、取得時間:3〜5分、検出波長:220nm、オーブン温度:40〜50℃。
Prep−HPLCは以下の条件にて行った。シリカゲルカラム:Fuji C18(300×25)、YMC 250×20;波長:220nm;移動層A:アセトニトリル(0.1%HCl);移動層B:水;流速条件:25mL/分、注入量:2mL、ランタイム:20分;平衡化時間:3分。
≪4−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物1)の合成≫
Figure 2018168083
(1−1)7−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸エチル(化合物1−1)の合成
7−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸エチル(化合物1−1)は、Revista de Chimie (Bucharest, Romania)、Volume61、Issue8、Pages745−749、Journal 2010を参考に合成した。
(1−2)4,7−ジクロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸エチル(化合物1−2)の合成
化合物1−1(13.6g、0.52mmol)を塩化チオニル(90mL)に溶解させ、その溶液を80度で3時間反応させた。反応後、反応液を減圧濃縮し、炭酸水素ナトリウム水でpH8に中和することにより、4,7−ジクロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸エチル(化合物1−2)を白色固体として14g(収率100%)で得た。
(1−3)4−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物番号1)の合成
化合物1−2(0.85g、7,04mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.91g、7.04mmol)の水溶液(60mL)に、N−アミノベンジルアミン(1g、3.52mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液を加え、120度で1時間、マイクロウェーブを照射した。反応後、反応液を減圧留去し、残渣に酢酸エチル(50mL)を加えた溶液を飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィーにより精製しエステル中間体(1.2g、94%)を得た。
得られたエステル中間体(1.2g、3.27mmol)をメタノール(30mL)と水(10mL)の混液に溶解させ、これに水酸化ナトリウム(0.39g、9.81mmol)を加えた。50度で3時間反応を行った後、希塩酸を用いて反応液のpH5〜6に中和した。粗精製物を逆層カラムクロマトグラフィー(10〜70%メタノール/水(0.05%NH))により精製し、4−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボン酸(化合物1)(700mg、63%)を得た。
上記と同様の方法により、化合物3〜23および25〜29を合成した。
≪2−(7−クロロ−4−{[(4−フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸(化合物2)の合成≫
Figure 2018168083
(2−1)2−ホルミルコハク酸ジメチル(化合物2−1)の合成
金属ナトリウム(16g、690mmol)のジエチルエーテル(400mL)懸濁液に、ギ酸エチル(71.4g、965mmol)とコハク酸ジメチル(100g、575mmol)を攪拌しながらゆっくり加えた。反応を40度で5時間行った後、反応液に水を注意深く加え反応を終了させた。得られた混液をジエチルエーテル(400mL×2)で洗浄後、水層を6N塩酸で酸性にし、この水層をジエチルエーテル(400mL×2)にて抽出した。ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾液減圧下濃縮することによって2−ホルミルコハク酸ジメチル(化合物2−1)(100g、72.3%)を黄色固体として得た。
(2−2)2−{[(3−クロロ−2−メチルフェニル)アミノ]メチレン}コハク酸ジメチル(化合物2−2)の合成
化合物2−1(100g、495mmol)と3−クロロ−2−メチルベンジルアミン(49g、346mmol)をトルエン(300mL)に溶解させ、120度で5時間反応させた。反応液を減圧濃縮して2−{[(3−クロロ−2−メチルフェニル)アミノ]メチレン}コハク酸ジメチル(化合物2−2)(140g、87%)を黄色油状物質として得た。
(2−3)2−(7−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸(化合物2−3)の合成
ポリリン酸(400mL)に化合物2−2(140g、431mmol)を加え140度で2時間反応させた。反応後、反応液を氷水(3000mL)に注ぎ込み、10分間攪拌した。沈殿物を濾取し、水(400mL)で洗浄し、乾燥後、2−(7−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸(化合物2−3)(100g、92.4%)を淡黄色固体として得た。
(2−4)2−(7−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸メチル(化合物2−4)の合成
2−(7−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸(化合物2−3)(100g、398mmol)のメタノール(400mL)溶液に濃硫酸(70mL)を加え、80度で終夜反応させた。反応後、反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液(2000mL)を加え、1時間攪拌した。生じた沈殿物をろ取し、水(500mL)で洗浄し、乾燥後、2−(7−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸メチル(化合物2−4)(50g、47.5%)を黄色固体として得た。
(2−5)2−(4,7−ジクロロ−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸メチル(化合物2−5)の合成
化合物2−4(50g、188mmol)を、オキシ塩化りん(250mL)に氷冷下で加えた。80度で16時間反応後、反応液を氷冷し、その後、激しく攪拌しながら氷水(2500g)へ注ぎ込んだ。混合液を4M水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチル(400mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(600mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥濾過後、ろ液を濃縮し粗精製物を得た。これをカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、2−(4,7−ジクロロ−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸メチル(化合物2−5)(15g、28%)を黄色固体として得た。
(2−6)2−(7−クロロ−4−{[(4−フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸(化合物番号2)の合成
化合物2−5(15g、14.8mmol)のメタノール(140mL)溶液にTHF(60mL)、水(50mL)および水酸化リチウム(11.1g、265mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応後、混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を水(100mL)で希釈し、3N塩酸でpH3〜4に酸性化した後、10分間攪拌した。析出した沈殿物を濾取し、水で洗浄後乾燥によりカルボン酸中間体(10.9g、76.4%)を黄色結晶として得た。
続いて、カルボン酸中間体(10.9g、40.5mmol)のn−ブタノール(90mL)懸濁液に、攪拌しながらN−メチル−4−フルオロベンジルアミン(22.5g、162mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(21g、162mmol)を加えた。反応は140度で20時間行った。反応後、混合物を減圧濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル(60mL)を加え希釈した。この溶液を水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥濾過後、濃縮して得られた粗精製物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、2−(7−クロロ−4−{[(4−フルオロフェニル)メチル](メチル)アミノ}−8−メチルキノリン−3−イル)酢酸(化合物2)(2.53g、16.8%)を得た。
上記と同様の方法により、化合物24を合成した。
表2に、化合物1〜29を示す。
Figure 2018168083
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Figure 2018168083
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<3.チオフラビンT(ThT)アッセイによるアミロイド線維形成阻害活性の評価>
上記化合物1〜29のGAβ依存性アミロイド線維形成に対する阻害活性を、ThTアッセイにより評価した。
(1)Aβ溶液の調製
ヒトAβ1−40(cat.# 4307−v、ペプチド研究所製)を0.02%のアンモニア溶液に溶解し(400μM)、100,000rpmで3時間遠心分離した(S110ATローター、日立社製)。上清の上層約3分の2を回収し、タンパク質濃度を計測した。Aβ溶液は小分けして、使用時まで−80℃に保存した。使用直前に融解し、リン酸緩衝液(PBS:cat.# 10010、ライフテクノロジーズ社製)を用いて75μMに希釈した。
(2)GM1含有リポソームの調製
クロロホルム/メタノール混合液(1:1)を溶媒として、各100mMのコレステロールおよびスフィンゴミエリン(ともにシグマアルドリッチ社製)の混合溶液を調製した。この混合溶液に、GM1(cat.♯ 1061、マトレヤ社製)を50mM濃度になるように溶解した。この脂質混合溶液をガラス試験管に小分け分注し、使用時まで−20℃に保存した。使用前に融解し、クロロホルム/メタノール混合液(1:1)を加えて混合した後、懸濁液に窒素ガスを当てることで溶媒を除去した。乾燥した脂質混合物を、GM1濃度が2.5mMになるようにPBSに再懸濁し、液体窒素を用いて5回凍結融解を行った。この脂質懸濁液を15,000rpmで10分間遠心分離し、沈殿物をGM1が2.5mMになるようにPBSに再懸濁した。マイクロチップを備えた超音波破砕機(XL−2000、MISONIX社製)を用いて、この懸濁液が透明になるまで氷上で10秒間の超音波処理を繰り返し、GM1含有リポソームを調整した。使用直前にPBSを加え、GM1濃度が750μMになるように希釈した。
(3)化合物溶液の調製
化合物1〜29は、DMSOで10mMおよび2mM溶液をそれぞれ作製した。使用直前にPBSで75μMまたは15μMに希釈した。
(4)GAβ依存性アミロイド線維形成
96ウェルマイクロプレートに、上記(1)で調製された75μMのAβ溶液と、(3)で調製された化合物溶液もしくは0.75%DMSOを5μlずつ混合し、室温で10分間インキュベートした。次いで、(2)で調製された750μMのGM1含有リポソームを各ウェルに5μlずつ加え、37℃で18時間インキュベートした。
(5)ThTアッセイ
ThT(シグマアルドリッチ社製)を50mMのグリシン−NaOH緩衝液(pH8.5)を用いて5μMに調製した。測定直前に(4)の各ウェルから10μlを96ウェルブラックプレートに移した。マルチプレートリーダー(ARVO−HTS、パーキンエルマー社製)を用い、インジェクターから5μMのThT溶液を50μlずつ、各ウェルに加えた後、アミロイド線維に結合したThTの至適蛍光(励起波長430nm、蛍光波長490nm)を測定した。
ThTの蛍光強度が、アミロイド線維の形成度合いを示す。化合物を添加しない場合のThT蛍光強度に対する、化合物添加時のThT蛍光強度の比を求めることにより、当該化合物によるアミロイド線維形成阻害率を算出した。化合物の最終濃度が25μMのときの阻害率が40%以上80%未満のものをB、80%以上のものをAと評価した。
表3に、化合物1〜29のアミロイド線維形成阻害活性についての評価を示す。化合物1〜29はいずれもアミロイド線維形成に対する阻害活性を有することが確認された。
Figure 2018168083

Claims (8)

  1. 一般式(I):
    Figure 2018168083
    [式中、
    Xは、−(CH
    (式中、nは、0〜3の整数である)
    であり、
    Yは、単結合、または、主鎖が炭素原子、窒素原子および酸素原子からなる群から選択される1種または2種以上の原子から構成される、原子数が1〜4である2価の連結基であり、
    Arは、置換もしくは非置換のフェニル基またはピリジル基であり、
    は、置換もしくは非置換のC1−6アルキル基または置換もしくは非置換のC3−7シクロアルキル基であり、
    ここで、ArおよびR、ArおよびY、またはRおよびYは、共同して環を形成してもよく、
    、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1−20アルキル基、C1−20ヒドロキシアルキル基、C1−20アルコキシ基またはハロゲン原子である]
    で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなる、アミロイド線維形成抑制剤。
  2. 前記化合物が、一般式(Ia):
    Figure 2018168083
    [式中、
    Yは、単結合、または、置換もしくは非置換のC1−20アルキル基、アミド基、アミン基、エーテル基および置換もしくは非置換のC3−20シクロアルキル基からなる群から選択される2価の連結基であり、
    Arは、置換もしくは非置換のフェニル基であり、
    は、置換もしくは非置換のC1−4アルキル基または置換もしくは非置換のC3−6シクロアルキル基であり、
    ここで、ArおよびR、ArおよびY、またはRおよびYは、共同して環を形成してもよく、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1−20アルキル基またはハロゲン原子である]
    で表される、請求項1に記載のアミロイド線維形成抑制剤。
  3. 表1Aおよび表1Bに記載の化合物番号1〜29の化合物からなる群から選択される1以上の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を含んでなる、アミロイド線維形成抑制剤。
  4. 前記化合物が、化合物番号1、2、4、7、9、10、13、15、18、21、23〜25、27および28の化合物からなる群から選択される、請求項3に記載のアミロイド線維形成抑制剤。
  5. 前記化合物が、化合物番号1、2、7、9、23および25の化合物からなる群から選択される、請求項3に記載のアミロイド線維形成抑制剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアミロイド線維形成抑制剤を含有する神経変性疾患の治療薬または予防薬。
  7. 前記神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項6に記載の治療薬または予防薬。
  8. 表1Aおよび表1Bに記載の化合物番号1〜29の化合物からなる群から選択される化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物。
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