JP2018167403A - 蓄光性蛍光体を含有するフッ化ビニリデン樹脂系複合シートおよびその製造方法 - Google Patents

蓄光性蛍光体を含有するフッ化ビニリデン樹脂系複合シートおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐候性に優れ且つ蓄光性能に優れた蓄光シートの提供。【解決手段】フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有するA層1と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有するB層2とを含むフッ化ビニリデン樹脂系複合シート10。A層が樹脂成分100体積部に対して畜光蛍光体を0.1〜60体積部含有する、フッ化ビニリデン樹脂系複合シート。また、フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有する第1の樹脂組成物と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有する第2の樹脂組成物とを溶融押出して、前記第1の樹脂組成物からなる層と前記第2の樹脂組成物からなる層とを含むシートを形成する、フッ化ビニリデン樹脂系複合シートの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、フッ化ビニリデン樹脂系複合シートに関し、より詳しくは、蓄光性蛍光体を含有する層と反射層とを有するフッ化ビニリデン樹脂系複合シートに関する。
蓄光とは、光の照射によってそのエネルギーを吸収し、照射が停止した後に発光する現象を言う。蓄光性を有する物質は蓄光性蛍光体あるいは燐光体として知られている。前記蓄光性蛍光体としては、硫化亜鉛、硫化カルシウム、酸化亜鉛、及びアルミン酸塩などが知られている。例えば、下記特許文献1には「MAl24 で表わされる化合物で、Mは、カルシウム、ストロンチウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素からなる化合物を母結晶にしたことを特徴とする蓄光性蛍光体。」(請求項1)が記載されている。また、下記特許文献2には、アルミン酸塩系蓄光性蛍光体の耐水性を向上させる手法として、「アルカリ土類金属酸化物に希土類酸化物をドープさせてなる蓄光性蛍光体を、リン酸塩と混合またはリン酸塩溶液中で接触させた後、加熱処理することを特徴とする耐水性を有する蓄光性蛍光体の製造方法。」(請求項1)が記載されている。
前記蓄光性蛍光体は、夜間の安全を守るための標識及び非常口の位置を示すマークなどの各種標識用品に用いられている。当該蓄光性蛍光体を樹脂に添加した配合物をシート状に成形する方法、及び、蓄光性蛍光体を含有する塗料をシート表面に塗工する方法が知られている。例えば、下記特許文献3には「基材フィルムに金属面を形成し、その上に蓄光層、さらに上に表面層を設けたことを特徴とする蓄光シート。」(請求項1)が記載されている。また、下記特許文献4には、「樹脂100重量部に対して、10〜300重量部の蓄光性蛍光体を有する蓄光性蛍光発色樹脂組成物により形成された蓄光性蛍光発色領域と、再帰反射領域とからなる蓄光性蛍光発色再帰反射シート」(請求項1)が記載されている。
このような従来の蓄光性蛍光体を含むシート(以下、「蓄光シート」ともいう)を成形する樹脂成分としては、塩化ビニル樹脂又はシリコーン樹脂が主に用いられている。
2011年3月の東日本大震災を契機として、特に屋外で用いられる夜間用非常標識、屋外の手すり又は階段などに貼り付けられるボーダー材、屋外照明、及び屋外看板などの必要性が高まり、耐候性に優れた蓄光シートが要望されている。また、2014年にJISZ9097(津波避難標識)、2016年にJISZ9098(災害避難標識)が制定され、従来不明瞭だった蓄光シートの性能が明確に規定された。これにより、優れた残光特性と長期間の性能保持が要望されている。
フッ素系樹脂の一つであるフッ化ビニリデン樹脂は耐候性に優れることが知られており、また、フッ化ビニリデン樹脂とメタクリル酸エステル樹脂を溶融混合し、該樹脂の組成の異なる二つの層を溶融押出して一体に結合させる複合フィルムも知られている(下記特許文献5及び6参照)。
近年ではフッ素系樹脂が耐候性に優れる特徴を活かして、太陽電池モジュール背面保護シートの表面保護層にフッ素系フィルムを用いることが提案されている(下記特許文献7参照)。
特開平07−011250号公報 特開平10−273654号公報 特開2002−19020号公報 特開平08−129351号公報 特開平01−262133号公報 特開平8−267675号公報 特開2011−77081号公報
耐候性に優れ且つ蓄光性能に優れた蓄光シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の樹脂組成を有し且つ蓄光性蛍光体を含有する樹脂層と、無機フィラーを含有する反射層とを含むフッ化ビニリデン樹脂系複合シートが、耐候性に優れ且つ優れた残光性能を有することを見出した。
すなわち、本発明は、フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有するA層と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有するB層とを含むフッ化ビニリデン樹脂系複合シートを提供する。
本発明の一つの実施態様において、前記B層は、フッ化ビニリデン樹脂を5〜50質量部及びメタクリル酸エステル樹脂を95〜50質量部含みうる。
本発明の一つの実施態様において、前記A層は、当該層中の樹脂成分100体積部に対して、前記蓄光性蛍光体を0.1〜60体積部含有しうる。
本発明の一つの実施態様において、前記蓄光性蛍光体の平均粒径は0.1〜1000μmでありうる。
本発明の一つの実施態様において、前記B層は、当該層中の樹脂成分100質量部に対して、無機フィラーを0.1〜50質量部含有しうる。
本発明の一つの実施態様において、前記フッ化ビニリデン樹脂系複合シートは、さらに熱可塑性樹脂層を含みうる。
本発明の一つの実施態様において、前記フッ化ビニリデン樹脂系複合シートは蓄光性でありうる。
また、本発明は、本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートを含む蓄光性標識も提供する。
本発明の蓄光性標識は屋外用でありうる。
また、本発明は、フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有する第1の樹脂組成物と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有する第2の樹脂組成物とを溶融押出して、前記第1の樹脂組成物からなる層と前記第2の樹脂組成物からなる層とを含むシートを形成する、フッ化ビニリデン樹脂系複合シートの製造方法も提供する。
本発明により、耐候性に優れ且つ蓄光性能に優れた蓄光シートが提供される。本発明のシートは、屋外で使用された場合であっても、優れた耐候性により蓄光性蛍光体自体の劣化が抑制され、それにより本発明のシートの蓄光性能が長期間保持される。また、本発明のシートは、無機フィラーを含有するB層によって、優れた蓄光特性を有する。また、本発明のシートは、耐候性及び蓄光性能に優れているので、屋外用に適している。
なお、本発明の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明のシートの構成を模式的に示す図である。 本発明の製造方法のフロー図である。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートは、フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有するA層と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有するB層とを含む。本発明のシートの模式図を図1に示す。図1に示されるとおり、本発明のシート10は、A層1とB層2とを含む。以下、本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートに含まれる層を構成する成分について説明する。
[フッ化ビニリデン樹脂]
フッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDFともいう)とは、フッ化ビニリデン単量体単位を主成分として有する重合体である。フッ化ビニリデン樹脂は、フッ化ビニリデンの単独重合体であってもよく、又は、フッ化ビニリデン単量体と他のビニル化合物単量体との共重合体であってもよい。
前記他のビニル化合物単量体として、例えばフッ化ビニル、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、及び六フッ化プロピレンなどのフッ素化されたビニル化合物、並びに、スチレン、エチレン、ブタジエン、及びプロピレンなどのビニル単量体が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において、フッ化ビニリデン樹脂は、フッ化ビニリデン単量体単位を、当該樹脂質量に対して好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上含むものでありうる。
本発明において、A層に含まれるフッ化ビニリデン樹脂の種類及びB層に含まれるフッ化ビニリデン樹脂の種類は、それぞれ独立に選択されてよく、当業者により適宜選択されてよい。好ましくは、A層とB層に含まれるフッ化ビニリデン樹脂の種類は同じでありうる。
[メタクリル酸エステル樹脂]
メタクリル酸エステル樹脂は、メタクリル酸エステル単量体単位を主成分として有する重合体である。メタクリル酸エステル樹脂は、1種のメタクリル酸エステル単量体の単独重合体であってもよく、2種以上のメタクリル酸エステル単量体の共重合体であってもよく、又は、1種の又は2種以上のメタクリル酸エステル単量体とメタクリル酸エステル単量体以外のビニル化合物との共重合体であってもよい。メタクリル酸エステル単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、及びメタクリル酸ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、メタクリル酸エステル単量体におけるプロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基などのアルキル基は、直鎖であってもよく又は枝分かれしていてもよい。前記メタクリル酸エステル以外のビニル化合物としては、例えばアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ブタジエン、イソプレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、及びプロピレンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。すなわち、本発明のメタクリル酸エステル樹脂は、これらの単量体単位を有する重合体でありうる。本発明において、A層及び/又はB層中のメタクリル酸エステル樹脂を構成するメタクリル酸エステル単量体単位は好ましくは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、及びメタクリル酸プロピルから選ばれる1つ、2つ、又は3つであり、より好ましくはメタクリル酸メチルでありうる。
本発明において、A層に含まれるメタクリル酸エステル樹脂の種類及びB層に含まれるメタクリル酸エステル樹脂の種類は、それぞれ独立に選択されてよく、当業者により適宜選択されてよい。好ましくは、A層とB層に含まれるメタクリル酸エステル樹脂の種類は同じでありうる。
[A層の樹脂成分]
本発明のシートに含まれるA層は、樹脂成分として、フッ化ビニリデン樹脂を95〜50質量部、好ましくは90〜60質量部、より好ましくは85〜60質量部、さらにより好ましくは80〜70質量部、及びメタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは15〜40質量部、さらにより好ましくは20〜30質量部含む。これら樹脂の質量比は、好ましくはフッ化ビニリデン樹脂:メタクリル酸エステル樹脂=95:5〜50:50であり、より好ましくはフッ化ビニリデン樹脂:メタクリル酸エステル樹脂=90:10〜60:40であり、さらにより好ましくはフッ化ビニリデン樹脂:メタクリル酸エステル樹脂=85:15〜60:40、さらにより好ましくはフッ化ビニリデン樹脂:メタクリル酸エステル樹脂=80:20〜70:30でありうる。A層中のフッ化ビニリデン樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂の合計含有割合は、A層中の樹脂成分の合計質量に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらにより好ましくは95質量%以上であり、又は、A層に含まれる樹脂成分の全てがフッ化ビニリデン樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂のみから構成されてもよい。
ここで、メタクリル酸エステル樹脂の配合量が少なすぎる場合、例えば樹脂成分全質量あたりのフッ化ビニリデン系樹脂の配合量が95質量%を超える場合、A層とB層の間の界面接着性が損なわれる場合があり、また、成形加工時に樹脂が変色しやすくなる傾向がある。
一方、メタクリル酸エステル樹脂の配合量が多すぎる場合、例えば樹脂成分全質量あたりのフッ化ビニリデン系樹脂量が50質量%未満である場合、耐候性が低下する場合があり、例えば屋外において20年以上にわたって長期に使用した場合に耐変色性を確保できないことがある。
なお、前記「成形加工時」とは、複数の原料を混合し及び押出機内で溶融加熱混練してペレット状にする「コンパウンド工程」と、シート押出機によりこの樹脂ペレットを溶融加熱し、そしてダイスを使用してシート化した後、冷却して巻き取る「シート製膜工程」との両方を示し、以下の説明においても同様である。
A層中の樹脂成分の含有割合は、A層の全質量に対して、例えば40質量%以上、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらにより好ましくは55質量%以上でありうる。また、A層中の樹脂成分の含有割合の上限値は、A層の全質量に対して、例えば99質量%、好ましくは97質量%、より好ましくは95質量%でありうる。
[A層中の蓄光性蛍光体]
A層には、蓄光性蛍光体が配合される。本発明において、当該蓄光性蛍光体としては、公知のものを用いることができ、例えば、硫化亜鉛、硫化カルシウム、酸化亜鉛、又は一般式M1−XAl4−Yで表されるアルミン酸塩などが用いられうる。ここで、当該一般式中のMはカルシウム、ストロンチウム、及びバリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素である。前記アルミン酸塩は、当該金属元素からなる化合物を母結晶にしたものである。当該一般式中において、Xが−0.33≦X≦0.60の範囲にあり、且つ、Yが−0.33≦Y≦0.60の範囲にある。X及びYはそれぞれ独立に定められてよいが、好ましくはX=Yである。前記アルミン酸塩を含む蓄光性蛍光体は、賦活剤としてユウロピウムが、Mで表す金属元素に対するモル%で0.001%以上10%以下添加されたものであってよく、さらには、共賦活剤としてネオジム、サマリウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルピウム、ルテチウムからなる群の少なくとも1つ以上の元素が、Mで表す金属元素に対するモル%で0.001%以上10%以下添加されたものであってもよい。ここで、前記アルミン酸塩はリン酸塩と混合またはリン酸塩溶液中で接触させることでアルミン酸塩の表面を水に対して不溶性または難溶性にすることにより、耐水性を向上させることができる。
上記蓄光性蛍光体は市販入手可能であり、又は、例えば上記特許文献4に記載の製造方法により製造されうる。
また、前記蓄光性蛍光体の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定により求められる。当該レーザー回折式粒度分布測定は、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求める方法である。測定はISO 13320:2009に準じたベックマン・コールター社製レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置「LS−13−320」を用い、湿式法で実施した。測定溶媒にはエタノールを使用し、得られた累積粒度分布曲線から、50体積%径(D50)を求めた。平均粒径は、D50を意味する。なお、屈折率の値は、エタノールでは1.36、代表的な蓄光材であるアルミン酸ストロンチウムでは、1.75を用いた。
本発明において、前記蓄光性蛍光体の平均粒径は、好ましくは0.1〜1000μmであり、より好ましくは1〜500μmであり、さらにより好ましくは10〜250μmである。前記蓄光性蛍光体の平均粒径が大きすぎる場合、例えば1000μm超などの場合、当該蓄光性蛍光体の粒径に起因してフッ化ビニリデン樹脂系複合シートを厚く成形せざるを得なくなりうる。一方、前記蓄光性蛍光体の粒径が小さすぎる場合、例えば0.1μm未満などの場合には、目標となる蓄光機能を発現させることができない場合がある。
蓄光性蛍光体は、A層のシート成形可能な範囲でフッ化ビニリデン樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂に配合することができるが、その配合量は、例えば、全樹脂成分を100体積部とした場合に、当該100体積部の樹脂成分に対して、60体積部以下であり、好ましくは50体積部以下、更に好ましくは40体積部以下である。前記蓄光性蛍光体の配合量が多すぎると混練物の粘度が上昇し、流動性が著しく低下し、シート成形が困難となる。
また、蓄光性蛍光体の配合量の下限値は、樹脂成分全質量に対して、好ましくは0.1体積部、より好ましくは0.5体積部、さらにより好ましくは1体積部でありうる。配合量が少なすぎる場合、十分な蓄光機能を発現させることができない場合がある。
なお、上記体積部の計算において用いられる樹脂成分及び蓄光性蛍光体の比重は、当業者により適宜決定されうる。例えば、フッ化ビニリデン樹脂の比重として1.77、メタクリル酸エステル樹脂の比重として1.17、及び蓄光性蛍光体の比重として3.5が用いられうる。
[B層の樹脂成分]
本発明のシートに含まれるB層は、樹脂成分として、フッ化ビニリデン樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂を含む。B層は、フッ化ビニリデン樹脂を、好ましくは50〜5質量部、より好ましくは40〜10質量部、さらにより好ましくは30〜20質量部含み、且つ、メタクリル酸エステル樹脂を、好ましくは50〜95質量部、より好ましくは60〜90質量部、さらにより好ましくは70〜80質量部含みうる。B層のフッ化ビニリデン系樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂の配合比は、質量比で、好ましくはフッ化ビニリデン樹脂:メタクリル酸エステル樹脂=50:50〜5:95であり、より好ましくはフッ化ビニリデン樹脂:メタクリル酸エステル樹脂=40:60〜10:90であり、さらにより好ましくはフッ化ビニリデン樹脂:メタクリル酸エステル樹脂=30:70〜20:80である。B層に含まれる全樹脂成分中のフッ化ビニリデン樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂の合計含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらにより好ましくは95質量%以上であり、又は、B層に含まれる樹脂成分の全てがフッ化ビニリデン樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂のみから構成されてもよい。
ここで、樹脂成分全質量あたりのフッ化ビニリデン樹脂の配合量が少なすぎる場合、例えば5質量%よりも少ない場合には、A層とB層の界面接着性が損なわれ、それにより一体した成形が困難となる場合がある。一方、フッ化ビニリデン樹脂の配合量が多すぎる場合、例えば50質量%よりも多い場合には、B層(裏面層)と本発明のシートが接着される被接着基材との間の熱接着性が損なわれる場合がある。
B層中の樹脂成分の含有割合は、B層の全質量に対して、例えば65質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらにより好ましくは80質量%以上でありうる。また、B層中の樹脂成分の含有割合の上限値は、B層の全質量に対して、例えば99質量%、好ましくは97質量%、より好ましくは95質量%でありうる。
[B層中の無機フィラー]
B層には、無機フィラーが配合される。当該無機フィラーは、好ましくは白色系フィラーであり、無機フィラーは公知のものが用いられうる。無機フィラーは、例えば、酸化チタン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、ジルコニア、タルクなどがある。好ましくは、白色性の観点から酸化チタンが、単独の無機フィラーとしてまたは無機フィラーの主要成分として用いられうる。また無機フィラーとして蓄光性蛍光体を含有してもよい。また、1種類又は2種類以上の無機フィラーを併用することも可能である。
無機フィラーの平均粒径は、溶融押出成形に支障のないように、当業者により適宜設定されうるが、例えば0.001〜200μm、好ましくは0.01〜100μmである。無機フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定により求められる。当該レーザー回折式粒度分布測定は、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求める方法である。測定はISO 13320:2009に準じたベックマン・コールター社製レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置「LS−13−320」を用い、湿式法で実施した。測定溶媒にはエタノールを使用し、得られた累積粒度分布曲線から、50体積%径(D50)を求めた。平均粒径は、D50を意味する。なお、屈折率の値は、エタノールでは1.36、代表的な白色フィラーである酸化チタンでは2.72を用いた。
無機フィラーの配合量は、B層がシート状に成形可能であるように当業者により適宜設定されうる。無機フィラーの配合量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば0.1〜50質量部、好ましくは0.2〜40質量部、より好ましくは0.5〜30質量部である。配合量が少なすぎる場合、例えば0.1質量部未満である場合には、反射層としての機能を十分果たさない。配合量が多すぎる場合、例えば50質量部を超える場合には、B層を形成する樹脂組成物の粘度上昇が顕著となり、良質なシート成形が困難となる。
本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートの全体厚さは、当該シートの使用環境に応じて当業者により適宜選択されうる。当該シートの全体厚さは、例えば10〜0.02mmであり、好ましくは5〜0.05mmであり、より好ましくは3〜0.1mmである。A層及びB層(裏面)の厚みの比率は、耐候性と蓄光特性の観点及び/又はシート成形厚み精度の観点から、A/B=1/100〜100/1、好ましくは1/10〜10/1、更に好ましくは1/1〜10/1の範囲である。
なお、「シート」とは厚さが200μm以上のものを指し、「フィルム」とは厚さが200μm未満のものを指すとして用いられることがあるが、本発明のシートは、200μm以上のシートだけでなく、200μm未満のシート、すなわちフィルム、も包含する。
本発明のシートにおいて、A層の厚みは、例えば100μm〜3000μm、好ましくは200μ〜2500μm、さらにより好ましくは300μm〜2000μmでありうる。B層の厚みは、例えば30μm〜1500μm、好ましくは50μm〜100μm、より好ましくは70μm〜700μmでありうる。
本発明のシートは、A層及びB層からなる二層構造であってよい。すなわち、本発明のシートはA層及びB層のみからなるものでありうる。
又は、本発明のシートは、本発明によるA層の耐候性と蓄光性能及び/又はB層の反射性(A層で発生した光を反射する)などの特性を損なわない範囲で、A層とB層との間に、樹脂層(以下、C層ともいう)が配置されていてもよい。
又は、本発明のシートは、A層及びB層に加えて、A層の、B層に向いている面と反対側の面に、又は、B層の、A層に向いている面と反対側の面に、C層が積層されていてもよい。
当該樹脂層に用いられる樹脂は、熱可塑性でも熱硬化性でもよい。当該樹脂層は、1種類又は2種類以上の樹脂から構成されていてもよい。また、当該樹脂層として、異なる2種類以上の樹脂層が積層されてもよい。また本発明のシート物性を阻害しない範囲で当該樹脂に添加剤が含まれうる。添加剤は一般的に用いられるものであってよく、無機フィラー又は蓄光性蛍光体が含まれてもよい。
熱可塑性樹脂は、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル等であり、好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂であり、特に好ましくは、ポリ塩化ビニル樹脂、又はポリメタクリル樹脂である。
熱硬化性樹脂は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドであり、好ましくは、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタンであり、特に好ましくは、エポキシ樹脂、又はポリウレタンである。
C層は、A層の、B層に向いている面と反対側の面に積層されてもよく、又は、B層の、A層に向いている面と反対側の面に積層されてもよい。またA層とB層の間に積層されてもよい。
C層をA層又はB層に積層させる方法として、公知の方法を用いることができる。当該積層方法として、例えば、A層又はB層にC層を貼り合わせる方法、熱を加えて融着させる熱ラミネート法、接着剤をコーティングした後、当該接着剤が乾かないうちにC層を積層させるウェットラミネート方法、接着剤をコーティングした後、当該接着剤を乾かしてからC層を積層するドライラミネート方法、共押出成形等のA〜C層の樹脂組成物を溶融押し出しして積層させる方法などが挙げられる。
本発明のシートは、コロナ処理等の表面処理を施してもよい。表面処理を施すことにより、印刷層を設ける際、以下で述べる印刷層の印刷密着性が良好となる。
本発明のシートはさらに印刷層(以下、D層ともいう)を含みうる。当該印刷層は、公知の印刷方法により形成されうる。また、上記印刷層としては、例えば、避難経路、避難時注意事項、イラスト、商品名、社名、及び取り扱い注意事項等の図及びデザインなどの意匠印刷層(カラー印刷層等)、並びに、白などの単一色で形成された背景印刷層などが挙げられるがこれらに限定されない。上記印刷層は、本発明のシートの片面側のみに設けられていてもよいし、又は、本発明のシートの両面に設けられていてもよい。また、上記印刷層は、本発明のシートの全面に設けられていてもよいし、又は、一部に設けられていてもよい。さらに、上記印刷層は、単層であってもよいし、又は、複層であってもよい。
本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートの各層は、以上で述べた樹脂成分及び蓄光性蛍光体又は無機フィラー以外にも、酸化防止剤、分散剤、カップリング剤、熱安定剤、界面活性剤、帯電防止剤、防曇剤、及び紫外線吸収剤などのその他の成分を含みうる。
[製造方法]
本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートは、フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有する第1の樹脂組成物と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有する第2の樹脂組成物とを溶融押出して、当該第1の樹脂組成物からなる層と当該第2の樹脂組成物からなる層とを含むシートを形成することにより製造されうる。当該第1の樹脂組成物及び当該第2の樹脂組成物がそれぞれ、本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートのA層及びB層を形成する。
本発明の製造方法のフローの例を図2に示す。図2に示されるとおり、本発明の製造方法は、成形工程S2を含む。また、本発明の製造方法は、混練工程S1も含みうる。製造設備の仕様及び能力によっては、混練工程S1及び成形工程S2が同時に実施されてもよい。
混練工程S1において、前記第1の樹脂組成物及び前記第2の樹脂組成物が調製される。当該第1の樹脂組成物は、所定量のフッ化ビニリデン樹脂とメタクリル酸エステル樹脂と蓄光性蛍光体とを混練することにより得られる。当該第2の樹脂組成物は、所定量のフッ化ビニリデン樹脂とメタクリル酸エステル樹脂と無機フィラーとを混練することにより得られる。各成分を混練する方法としては、例えば公知の密閉混合機及び押出機などの溶融混練機を適用することができるが、これらに限定されない。前記混練機としては、例えば株式会社神戸製鋼所製のFCM型混練機などが挙げられる。
上記混練方法において、混練されるフッ化ビニリデン樹脂ならびにメタクリル酸エステル樹脂の一部若しくは全部を粉末状のものとすることもできる。これにより、蓄光性蛍光体の分散性がさらに向上されうる。
また、上記混練方法において、好ましくは高混練タイプの二軸押出機が用いられてよく、又は、予め高速回転型ミキサ−を用いて高温下でプレミキシングした後、単軸押出機により溶融混練したりすることもできる。これにより、蓄光性蛍光体の分散性がさらに向上されうる。
成形工程S2において、前記第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物が、例えば溶融押出成形される。当該溶融押出成形において、好ましくは、これら組成物が一体に結合された状態のシートを形成する。当該シートは、好ましくは、前記第1の樹脂組成物からなる層と前記第2の樹脂組成物からなる層とが積層されたシートでありうる。これら組成物を一体に結合された状態のシートに成形する方法としては、共押出成形法が用いられうる。当該共押出成形法において、例えばT−ダイが用いられうる。T−ダイを使用した共押出成形法としては、例えば各樹脂組成物層をシ−ト状に成形した後、T−ダイ内部の先端で各層を接触させて接着するマルチマニホールドダイ法と、合流装置(フィードブロック)を用いて各樹脂組成物層を合流接着した後、シ−ト状に成形するフィードブロック法、及び各樹脂組成物層をシ−ト状に成形した後、T−ダイ外部の先端で各層を接触させて接着するデュアルスロット法とがあるが、本発明の製造方法においては、いずれの方法を用いてもよい。
また、蓄光性蛍光体あるいは無機フィラーを、半溶融化した樹脂成分中に途中フィードする方法などによってコンパウンド工程(混練工程S1)と製膜工程(成形工程S2)とを一つの押出機で連続的に実施することも可能である。
また、上記溶融押出成形は、押出ラミネート法により行われてもよい。押出ラミネート法では、予め一方の層をシート状に成形しておき、他層を押出成形しながら、熱もしくは接着剤(一般には前もって接着剤を塗布しておく)で前記一方の層に圧着結合されうる。
[フッ化ビニリデン樹脂系複合シートの使用方法]
本発明に係るフッ化ビニリデン樹脂系複合シートは、裏面に一体化した反射層を配置することにより、優れた蓄光性能を備え、かつ、高い耐候性を備えている。
本発明のシートは、優れた蓄光性能を有するため、蓄光性標識への使用に適している。すなわち、本発明は、本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートを含む蓄光性標識も提供する。
また、本発明のシートは高い耐候性を有するため、当該蓄光性標識は屋外での使用に適している。すなわち、本発明の蓄光性標識は、屋外用でありうる。また、本発明のシートは優れた耐候性を有するので、例えばプラスチック、ゴム、金属板、ガラス、木板、及びスレートなどの基材表面に貼り合わせる表面保護シートとしても使用可能である。これにより、基材の保護、装飾、及び意匠性を向上させることができる。本発明の蓄光性標識の例として、例えば夜間用非常標識又は非常口の位置を示すマークなどの各種標識用品、手すり又は階段の位置を示すための標識部材(ボーダー材とも呼ばれる)、照明、及び看板などが挙げられるが、これらに限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
[実施例1]
フッ化ビニリデン樹脂(アルケマ社製カイナーK720)90質量部、メタクリル酸エステル樹脂(クラレ社製パラペットGR−F1000)10質量部、及び蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製N夜光G−300M、平均粒径25μm、組成式SrAl:Eu,Dy)15体積部をタンブラーにてブレンドした。当該蓄光性蛍光体15体積部は、上記フッ化ビニリデン樹脂及びメタクリル酸エステル樹脂の合計体積を100体積部とした場合の当該100体積部の樹脂成分に対する値である。得られた組成物を、直径45mmの二軸押出機を用いて温度240℃の条件で混練して、A層用コンパウンド(樹脂組成物)を得た。次に、フッ化ビニリデン樹脂10質量部とメタクリル酸エステル樹脂90質量部、ルチル型酸化チタン(堺化学工業社製D−101)10質量部と、をタンブラーにてブレンドした。得られた組成物を、直径45mmの二軸押出機によって混練し、B層用コンパウンドを得た。
次に、前記したA層用コンパウンドとB層用コンパウンドを用いて、二台の直径40mmの単軸押出機と、幅450mm、スリット1.2mmのマルチマニホールドダイを使用して、温度240℃の条件で二層共押出成形を実施し、A層800μm、B層200μm、合計1000μm(1mm)の厚みの複合シート(以下、「実施例1のシート」ともいう)を得た。
[実施例2]
フッ化ビニリデン樹脂(アルケマ社製カイナーK720)80質量部とメタクリル酸エステル樹脂(クラレ社製パラペットGR−F1000)20質量部、蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製N夜光G−300M)20体積部と、をタンブラーにてブレンドした。得られた組成物を、直径45mmの二軸押出機を用いて温度240℃の条件で混練して、A層用コンパウンドを得た。次に、フッ化ビニリデン樹脂20質量部とメタクリル酸エステル樹脂80質量部、ルチル型酸化チタン(堺化学工業社製D−101)15質量部と、をタンブラーにてブレンドした。得られた組成物を、直径45mmの二軸押出機によって混練して、B層用コンパウンドを得た。
次に、前記したA層用コンパウンドとB層用コンパウンドを用いて、直径65mmの単軸押出機と直径40mmの単軸押出機およびフィードブロックダイ、幅450mm、スリット1.5mmのTダイを使用して、温度240℃の条件で二層共押出成形を実施し、A層900μm、B層300μm、合計1200μm(1.2mm)の厚みの複合シート(以下、「実施例2のシート」ともいう)を得た。
[実施例3]
フッ化ビニリデン樹脂70質量部、メタクリル酸エステル樹脂30質量部、及び蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製N夜光G−300L160、平均粒径160μm、組成式SrAl:Eu,Dy)25体積部を用いたこと以外は実施例2と同じ方法でA層用コンパウンドを得た。また、フッ化ビニリデン樹脂30質量部、メタクリル酸エステル樹脂70質量部、及び酸化チタン15質量部を用いたこと以外は実施例2と同じ方法でB層用コンパウンドを得た。次に、これらコンパウンド及び実施例2と同じ成形設備を用いて、A層1200μm、B層300μm、合計1500μmの厚みの複合シート(以下、「実施例3のシート」ともいう)を得た。
[実施例4]
フッ化ビニリデン樹脂(アルケマ社製カイナーK720)70質量部、メタクリル酸エステル樹脂(クラレ社製パラペットGR−F1000)30質量部、及び蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製N夜光G−300M)30体積部をタンブラーにてブレンドした。得られた組成物を、直径45mmの二軸押出機を用いて温度240℃の条件で混練して、A層用コンパウンドを得た。次に、フッ化ビニリデン樹脂30質量部、メタクリル酸エステル樹脂70質量部、及びルチル型酸化チタン(堺化学工業社製D−101)15質量部をタンブラーにてブレンドした。得られた組成物を、直径45mmの二軸押出機によって混練して、B層用コンパウンドを得た。
次に、前記したA層用コンパウンドとB層用コンパウンドを用いて、直径65mmの単軸押出機と直径40mmの単軸押出機およびフィードブロックダイ、幅450mm、スリット1.5mmのTダイを使用して、温度240℃の条件で二層共押出成形を実施し、A層800μm、B層400μm、合計1200μm(1.2mm)の厚みの複合シート(以下、「実施例4のシート」ともいう)を得た。
[実施例5]
フッ化ビニリデン樹脂60質量部、メタクリル酸エステル樹脂40質量部、及び蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製N夜光G−300M)を35体積部用いたこと以外は実施例2と同じ方法でA層用コンパウンドを得た。フッ化ビニリデン樹脂40質量部、メタクリル酸エステル樹脂60質量部、及び酸化チタン20質量部を用いたこと以外は実施例2と同じ方法でB層用コンパウンドを得た。これらコンパウンド及び実施例2と同じ成形設備を用いて、A層1000μm、B層200μm、合計1200μmの厚みの複合シート(以下、「実施例5のシート」ともいう)を得た。
[比較例1]
実施例2に記載のA層(蓄光性蛍光体含有層)のみからなるシートを形成した。すなわち、フッ化ビニリデン樹脂(アルケマ社製カイナーK720)80質量部、メタクリル酸エステル樹脂(クラレ社製パラペットGR−F1000)20質量部、蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製N夜光G−300M)20体積部をタンブラーにてブレンドした。得られた組成物を、直径45mmの二軸押出機によって混練し、コンパウンドを得た。次に、このコンパウンドを用い、直径65mmの単軸押出機と幅450mm、スリット1mmのTダイを使用して、温度240℃の条件で押出成形を実施し、厚み900μmの単層シート(以下、「比較例1のシート」ともいう)を得た。
[比較例2]
A層中のフッ化ビニリデン樹脂配合量を40質量部とし且つメタクリル酸エステル樹脂配合量を60質量部としたこと以外は、実施例2と同じ方法でシート(以下、「比較例2のシート」ともいう)を得た。
[比較例3]
A層中のフッ化ビニリデン樹脂配合量を98質量部及びメタクリル酸エステル樹脂配合量を2質量部とし、且つ、B層中のフッ化ビニリデン樹脂配合量を2質量部及びメタクリル酸エステル樹脂配合量を98質量部としたこと以外は、実施例2と同じ方法でシート(以下、「比較例3のシート」ともいう)を得た。
実施例1〜5のシート及び比較例1〜3のシートの配合処方及び各層の厚みの測定結果を以下表1に示す。なお、表1では、フッ化ビニリデン樹脂がPVDF、メタクリル酸エステル樹脂がPMMAと表記した。
Figure 2018167403
<りん光輝度>
実施例1〜5のシート及び比較例1〜3のシートそれぞれから直径20mmの円形の試験片を切り出した。キセノンランプ(朝日分光製:MAX303)の光源を用い、測定波長域320〜470nmでの紫外線強度を紫外線積算光量計(ウシオ電機製:UIT−250)にて400μW/cmに調整した状態で、各試験片に、A層側(蓄光層側)から紫外線を60分間照射した。次に、りん光輝度計(トプコン製:BM−100)を用いて、暗室中で20分、60分、120分及び720分後の各試験片のりん光輝度を測定した。以下表2に、720分経過後のりん光輝度値が示されている。
<耐候性>
実施例1〜5のシート及び比較例1〜3のシートそれぞれから40mm×100mmの試験片を各4枚切り出した。これら試験片を、東洋精機製作所製アトラウス・ウェザオメータCi4000(キセノンウェザーメータ/ランプ波長300〜400nm、照射強度60W/m、ブラックパネル温度63度、相対湿度55%)試験機にセットし、照射102分、降雨18分のサイクルにて試験を行い、1000時間後、2000時間後、3000時間後、4000時間経過時点で、各試験片をサンプリングして外観観察し、及び、上記りん光輝度測定及び以下で説明する色差測定を行った。
<色差ΔE測定>
色差ΔEは以下の方法で測定した。
各試験片について、A層(蓄光層)側から、スガ試験機製測色計 Colour Cute i を用いて、L、a、bを測定した。これを耐候性促進試験前の測定値L 、a 、b とする。次に、所定時間経過後に取り出した試験片を測定し、[(L−L +(a−a +(b−b 1/2の式より、色差ΔEを求めた。
Figure 2018167403
表2に示すように、実施例1〜5のシートは、耐候性促進試験後も外観及び色調が良好に保持された。また、実施例1〜5のシートは、りん光輝度も良好に保持され、低下が少なかった。これらの結果から、本発明のシートは、優れた耐候性及び蓄光性を有することがわかる。また、表2より、B層(反射層)を配置することにより極めて高度なりん光輝度値が得られることも分かる。
本発明のフッ化ビニリデン樹脂系複合シートは、耐候性及び蓄光性が著しく優れているので、屋外向け蓄光性標識としての使用に特に適している。当該シートは、例えば屋外向けの夜間用非常標識、屋外用の手すり又は階段などのボーダー材、屋外照明、屋外看板、及び非常口の位置を示すマークなどの各種標識用品として好適である。



Claims (11)

  1. フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有するA層と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有するB層とを含むフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  2. 前記B層が、フッ化ビニリデン樹脂を5〜50質量部及びメタクリル酸エステル樹脂を95〜50質量部含む、請求項1に記載のフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  3. 前記A層は、当該層中の樹脂成分100体積部に対して、前記蓄光性蛍光体を0.1〜60体積部含有する、請求項1又は2に記載のフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  4. 前記蓄光性蛍光体の平均粒径が0.1〜1000μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  5. 前記B層は、当該層中の樹脂成分100質量部に対して、無機フィラーを0.1〜50質量部含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  6. 樹脂層であるC層をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  7. 印刷層であるD層をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  8. 蓄光性である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフッ化ビニリデン樹脂系複合シート。
  9. フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有するA層と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有するB層とを含むフッ化ビニリデン樹脂系複合シートを含む蓄光性標識。
  10. 屋外用である、請求項9に記載の蓄光性標識。
  11. フッ化ビニリデン樹脂95〜50質量部、メタクリル酸エステル樹脂5〜50質量部、及び蓄光性蛍光体を含有する第1の樹脂組成物と、フッ化ビニリデン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、及び無機フィラーを含有する第2の樹脂組成物とを溶融押出して、前記第1の樹脂組成物からなる層と前記第2の樹脂組成物からなる層とを含むシートを形成する、フッ化ビニリデン樹脂系複合シートの製造方法。

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